特許第6798583号(P6798583)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6798583
(24)【登録日】2020年11月24日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】回転電気機械
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/04 20060101AFI20201130BHJP
【FI】
   H02K3/04 E
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-107820(P2019-107820)
(22)【出願日】2019年6月10日
【審査請求日】2020年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 貴大
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 直之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 正敏
【審査官】 池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−139563(JP,A)
【文献】 国際公開第2019/059294(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/040782(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の導体セグメント(31)で形成されるセグメントコイル(30)を有する固定子(20)を備えた回転電気機械(10)であって、
上記導体セグメント(31)は、
導体(32a)および該導体(32a)を被覆する絶縁材(32b)を含む被覆部(32)と、
上記被覆部(32)の導体(32a)と一体で露出した導体(33a)を含みかつ上記導体セグメント(31)の端部を構成する露出部(33)とを有し、
上記露出部(33)の導体(33a)は、複数の上記導体セグメント(31)の上記露出部(33)が並ぶ方向である並び方向において、上記被覆部(32)の導体(32a)よりも膨出しており、上記並び方向に対して垂直な方向において、上記被覆部(32)の導体(32a)よりも収縮している
ことを特徴とする回転電気機械。
【請求項2】
請求項1において、
上記露出部(33)の導体(33a)は、上記並び方向の両側において、上記被覆部(32)の導体(32a)よりも膨出している
ことを特徴とする回転電気機械。
【請求項3】
請求項1または2において、
上記並び方向において、上記露出部(33)の導体(33a)の膨出部分の端面の位置と、上記被覆部(32)の絶縁材(32b)の外面の位置とは、互いに同じである
ことを特徴とする回転電気機械。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項において、
複数の上記導体セグメント(31)は、横断面形状が長方形状の平角線で構成されていて、上記長方形状の短手方向が上記並び方向と一致するように並んでいる
ことを特徴とする回転電気機械。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項において、
各上記導体セグメント(31)の上記露出部(33)の導体(33a)は、凸部(33b)および凹部(33c)が形成されており、
上記導体セグメント(31)の上記凸部(33b)は、隣の上記導体セグメント(31)の上記凹部(33c)に嵌まっている
ことを特徴とする回転電気機械。
【請求項6】
請求項5において、
各上記導体セグメント(31)において、上記露出部(33)の先端から上記凸部(33b)までの距離(D1)と、上記露出部(33)の先端から上記凹部(33c)までの距離(D2)とは、互いに等しい
ことを特徴とする回転電気機械。
【請求項7】
請求項5または6において、
各上記導体セグメント(31)において、上記凸部(33b)の高さ(H)は、上記凹部(33c)の深さ(D)よりも大きい
ことを特徴とする回転電気機械。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項において、
複数の上記導体セグメント(31)の上記露出部(33)は、互いにはんだで接合されている
ことを特徴とする回転電気機械。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項において、
複数の上記導体セグメント(31)の上記露出部(33)は、互いに溶接で接合されていることを特徴とする回転電気機械。
【請求項10】
複数の導体セグメント(31)で形成されるセグメントコイル(30)を有する固定子(20)を備え、
上記導体セグメント(31)は、
導体(32a)および該導体(32a)を被覆する絶縁材(32b)を含む被覆部(32)と、
上記被覆部(32)の導体(32a)と一体で露出した導体(33a)を含みかつ上記導体セグメント(31)の端部を構成する露出部(33)とを有する回転電気機械(10)における上記露出部(33)の導体(33a)の製造方法であって、
上記導体セグメント(31)のうちの上記露出部(33)を圧縮することで、複数の上記導体セグメント(31)の上記露出部(33)が並ぶ方向である並び方向において、上記被覆部(32)の導体(32a)よりも膨出するように上記導体(33a)を形成する工程を含む
ことを特徴とする製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転電気機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、セグメントコイルを有する固定子を備えた回転電気機械が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1のセグメントコイルは、複数の導体セグメントで形成される。特許文献1には、複数の導体セグメントを変形させて互いに接触させた上で接合する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−131453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の方法は、導体セグメントの種類によっては適用しにくいことがある。例えば、導体セグメントが有する絶縁被膜が分厚い場合には当該導体セグメントを大きく変形させる必要があるために、複数の導体セグメントを互いに接触させるのが難しくことが考えられる。
【0005】
本開示の目的は、複数の導体セグメントを容易に接合できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、複数の導体セグメント(31)で形成されるセグメントコイル(30)を有する固定子(20)を備えた回転電気機械(10)を対象とする。上記導体セグメント(31)は、導体(32a)および該導体(32a)を被覆する絶縁材(32b)を含む被覆部(32)と、上記被覆部(32)の導体(32a)と一体で露出した導体(33a)を含みかつ上記導
体セグメント(31)の端部を構成する露出部(33)とを有する。上記露出部(33)の導体(33a)は、複数の上記導体セグメント(31)の上記露出部(33)が並ぶ方向である並び
方向において、上記被覆部(32)の導体(32a)よりも膨出しており、上記並び方向に対して垂直な方向において、上記被覆部(32)の導体(32a)よりも収縮している
【0007】
第1の態様では、複数の導体セグメント(31)の露出部(33)の導体(33a)同士を容
易に接合することができる。
【0008】
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、上記露出部(33)の導体(33a)は
、上記並び方向の両側において、上記被覆部(32)の導体(32a)よりも膨出しているこ
とを特徴とする。
【0009】
第2の態様では、3つ以上の導体セグメント(31)の露出部(33)の導体(33a)同士を容易に接合することができる。
【0010】
本開示の第3の態様は、上記第1または第2の態様において、上記並び方向において、上記露出部(33)の導体(33a)の膨出部分の端面の位置と、上記被覆部(32)の絶縁材(32b)の外面の位置とは、互いに同じであることを特徴とする。
【0011】
第3の態様では、複数の導体セグメント(31)の露出部(33)の導体(33a)同士を容易に接合することができる。
【0012】
本開示の第4の態様は、上記第1〜第3の態様のいずれか1つにおいて、複数の上記導体セグメント(31)は、横断面形状が長方形状の平角線で構成されていて、上記長方形状の短手方向が上記並び方向と一致するように並んでいることを特徴とする。
【0013】
第4の態様では、導体セグメント(31)の膨出部分を容易に形成することができる。
【0014】
本開示の第5の態様は、上記第1〜第4の態様のいずれか1つにおいて、各上記導体セグメント(31)の上記露出部(33)の導体(33a)は、凸部(33b)および凹部(33c)が形成されており、上記導体セグメント(31)の上記凸部(33b)は、隣の上記導体セグメント(31)の上記凹部(33c)に嵌まっていることを特徴とする。
【0015】
第5の態様では、複数の導体セグメント(31)をより一層容易に接合することができる。
【0016】
本開示の第6の態様は、上記第5の態様において、各上記導体セグメント(31)において、上記露出部(33)の先端から上記凸部(33b)までの距離(D1)と、上記露出部(33)の先端から上記凹部(33c)までの距離(D2)とは、互いに等しいことを特徴とする。
【0017】
第6の態様では、複数の導体セグメント(31)をより一層容易に接合することができる。
【0018】
本開示の第7の態様は、上記第5または第6の態様において、各上記導体セグメント(31)において、上記凸部(33b)の高さ(H)は、上記凹部(33c)の深さ(D)よりも大きいことを特徴とする。
【0019】
第7の態様では、例えばはんだ接合を容易に行うことができる。
【0020】
本開示の第8の態様は、上記第1〜第7の態様のいずれか1つにおいて、複数の上記導体セグメント(31)の上記露出部(33)は、互いにはんだで接合されていることを特徴とする。
【0021】
本開示の第9の態様は、上記第1〜第7の態様のいずれか1つにおいて、複数の上記導体セグメント(31)の上記露出部(33)は、互いに溶接で接合されていることを特徴とする。
【0022】
本開示の第10の態様は、回転電気機械(10)における露出部(33)の導体(33a)の製造方法を対象とする。回転電気機械(10)は、複数の導体セグメント(31)で形成されるセグメントコイル(30)を有する固定子(20)を備え、上記導体セグメント(31)は、導体(32a)および該導体(32a)を被覆する絶縁材(32b)を含む被覆部(32)と、上記被覆部(32)の導体(32a)と一体で露出した導体(33a)を含みかつ上記導体セグメント(31)の端部を構成する露出部(33)とを有する。上記露出部(33)の導体(33a)の製造方法は、上記導体セグメント(31)のうちの上記露出部(33)を圧縮することで、複数の上記導体セグメント(31)の上記露出部(33)が並ぶ方向である並び方向において、上記被覆部(32)の導体(32a)よりも膨出するように上記導体(33a)を形成する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、実施形態の回転電気機械の斜視図である。
図2図2は、複数の導体セグメントの端部近傍を示す斜視図である。
図3図3は、導体セグメントの端部近傍を示す三面図である。
図4図4は、複数の導体セグメントの端部近傍を示す三面図である。
図5図5は、導体セグメントの加工方法について説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
実施形態について説明する。本実施形態の回転電気機械(10)は、負荷を駆動するための電動機として構成されている。回転電気機械(10)は、例えば回転式圧縮機に適用されるが、その用途はこれに限られない。
【0025】
〈回転電気機械〉
図1に示すように、回転電気機械(10)は、固定子(20)と、固定子(20)の内周側に設けられる回転子(図示せず)とを備える。固定子(20)は、固定子コア(21)と、セグメントコイル(30)とを備える。
【0026】
固定子コア(21)は、実質的に円筒状の部材である。固定子コア(21)は、磁性体(例えば、積層鋼板)で構成される。固定子コア(21)は、バックヨーク部(22)と、バックヨーク部(22)の内周面から径方向内側に延びる複数のティース部(図示せず)とを有する。周方向に隣り合うティース部の間には、セグメントコイル(30)を収容するためのスロットが形成される。
【0027】
セグメントコイル(30)は、固定子コア(21)のティース部に巻き付いたように設けられる。セグメントコイル(30)は、主に導電体(例えば、銅)で構成される。セグメントコイル(30)は、図2に示すように、概ねU字状の導体セグメント(31)を複数(この例では、6つ)はんだ接合することで形成される。セグメントコイル(30)に不図示の電源装置から電力が供給されると、固定子(20)で回転磁界が生成され、それにより回転子が回転する。
【0028】
〈導体セグメント〉
図2図4に示すように、各導体セグメント(31)は、横断面形状が長方形状の平角線で構成される。各導体セグメント(31)は、被覆部(32)および露出部(33)を有する。
【0029】
被覆部(32)は、導体セグメント(31)の大部分を構成している。被覆部(32)は、導体(32a)と、これを被覆する絶縁材(32b)とを有する。導体(32a)は、例えば銅で構成される。絶縁材(32b)は、例えばエナメルで構成される。なお、絶縁材(32b)は、高い絶縁性を必要とする場合、PEEK材などで肉厚に構成されてもよい。
【0030】
露出部(33)は、導体セグメント(31)の端部を構成している。露出部(33)は、被覆部(32)の導体(32a)と一体で露出した導体(33a)で構成される。導体(33a)は、例えば銅で構成される。
【0031】
露出部(33)の導体(33a)は、並び方向(図4における左右方向)の両側において、被覆部(32)の導体(32a)よりも膨出している。ここで、「並び方向」とは、複数の導体セグメント(31)の露出部(33)が並ぶ方向である。本実施形態の並び方向は、導体セグメント(31)の横断面の長方形状の短手方向と一致している。
【0032】
並び方向において、露出部(33)の導体(33a)の膨出部分の端面の位置と、被覆部(32)の絶縁材(32b)の外面の位置とは、互いに同じである。換言すると、露出部(33)の導体(33a)の膨出部分の端面と、被覆部(32)の絶縁材(32b)の外面とは、互いに面一になっている。
【0033】
露出部(33)の導体(33a)は、並び方向の一方側(図3における左側)の面に凸部(33b)が形成されている。露出部(33)の導体(33a)は、並び方向の他方側の面に凹部(33c)が形成されている。露出部(33)の凸部(33b)は、複数の導体セグメント(31)が並んだ状態において、隣の露出部(33)の凹部(33c)に嵌まっている。
【0034】
露出部(33)の先端から凸部(33b)までの距離(D1)(具体的には、露出部(33)の延びる方向における当該露出部(33)の先端から凸部(33b)の中心位置までの距離(D1))と、露出部(33)の先端から凹部(33c)までの距離(D2)(具体的には、露出部(33)の延びる方向における当該露出部(33)の先端から凹部(33c)の中心位置までの距離(D2))とは、互いに等しい。
【0035】
凸部(33b)の高さ(H)(図3における凸部(33b)の左右方向長さ)は、凹部(33c)の深さ(D)(図3における凹部(33c)の左右方向長さ)よりも大きい。このため、凸部(33b)が凹部(33c)に嵌まった状態において、隣り合う露出部(33)の間には隙間(例えば、数ミクロン〜数十ミクロン程度の隙間)が形成される。この隙間は、はんだ付けの工程において、はんだで埋められる。
【0036】
〈露出部の加工方法〉
図5に示すように、導体セグメント(31)の露出部(33)は、加工用の金型(40)に差し込んだ状態で加工される。なお、図5には、加工前の導体セグメント(31)を示してある。金型(40)は、導体セグメント(31)を差し込むための差込穴(41)を有する。差込穴(41)の底面の近くには、露出部(33)の凸部(33b)を形成するためのくぼみ(42)と、露出部(33)の凹部(33c)を形成するための突起(43)とがある。
【0037】
まず、導体セグメント(31)を、先端が差込穴(41)の底面に当接するように当該差込穴(41)に差し込んで固定する。そして、不図示の治具により、図5における紙面直交方向(第1方向)の両側から導体セグメント(31)の露出部(33)を挟んで圧縮する。それにより、露出部(33)が図5における左右方向(第2方向)に膨出すると共に凸部(33b)および凹部(33c)が形成される。
【0038】
−実施形態の効果−
本実施形態の回転電気機械(10)は、複数の導体セグメント(31)で形成されるセグメントコイル(30)を有する固定子(20)を備え、上記導体セグメント(31)は、導体(32a)および該導体(32a)を被覆する絶縁材(32b)を含む被覆部(32)と、上記被覆部(32)の導体(32a)と一体で露出した導体(33a)を含みかつ上記導体セグメント(31)の端部を構成する露出部(33)とを有し、上記露出部(33)の導体(33a)は、複数の上記導体セグメント(31)の上記露出部(33)が並ぶ方向である並び方向において、上記被覆部(32)の導体(32a)よりも膨出している。したがって、導体セグメント(31)の露出部(33)の導体(33a)と、隣の導体セグメントの露出部(33)の導体(33a)との間の距離が、露出部(33)の導体(33a)が膨出していない場合に比べて小さくなる。これにより、複数の導体セグメント(31)の露出部(33)の導体(33a)同士を容易に接合することができる。
【0039】
また、本実施形態の回転電気機械(10)は、上記露出部(33)の導体(33a)が、上記並び方向の両側において、上記被覆部(32)の導体(32a)よりも膨出している。したがって、3つ以上の導体セグメント(31)を互いに接合する場合でも、隣り合う導体セグメント(31)の露出部(33)の導体(33a)同士の距離を小さくできる。これにより、3つ以上の導体セグメント(31)の露出部(33)の導体(33a)同士を容易に接合することができる。
【0040】
また、本実施形態の回転電気機械(10)は、上記並び方向において、上記露出部(33)の導体(33a)の膨出部分の端面の位置と、上記被覆部(32)の絶縁材(32b)の外面の位置とが、互いに同じである。したがって、露出部(33)の導体(33a)の端面と、被覆部(32)の絶縁材(32b)の外面とが面一になっている。このため、複数の導体セグメント(31)の露出部(33)の導体(33a)同士を容易に接合することができる。
【0041】
また、本実施形態の回転電気機械(10)は、複数の上記導体セグメント(31)が、横断面形状が長方形状の平角線で構成されていて、上記長方形状の短手方向が上記並び方向と一致するように並んでいる。したがって、導体セグメント(31)の横断面形状(長方形状)の長手方向において露出部(33)の導体(33a)を圧縮することにより、露出部(33)の導体(33a)を塑性変形により膨出させることができる。この作業は、導体セグメント(31)の横断面形状の短手方向において露出部(33)の導体(33a)を圧縮するよりも容易である。よって、本実施形態によると、導体セグメント(31)の膨出部分を容易に形成することができる。
【0042】
また、本実施形態の回転電気機械(10)は、各上記導体セグメント(31)の上記露出部(33)の導体(33a)が、凸部(33b)および凹部(33c)が形成されており、上記導体セグメント(31)の上記凸部(33b)が、隣の上記導体セグメント(31)の上記凹部(33c)に嵌まっている。したがって、複数の導体セグメント(31)を並び方向に並べて配置する場合に、凸部(33b)と凹部(33c)の嵌め合いによって当該複数の導体セグメント(31)を位置決めできる。これにより、複数の導体セグメント(31)をより一層容易に接合することができる。
【0043】
また、本実施形態の回転電気機械(10)は、各上記導体セグメント(31)において、上記露出部(33)の先端から上記凸部(33b)までの距離(D1)と、上記露出部(33)の先端から上記凹部(33c)までの距離(D2)とが、互いに等しい。したがって、導体セグメント(31)の凸部(33b)が隣の導体セグメント(31)の凹部(33c)に嵌まることで、両導体セグメント(31)の先端の位置が揃う。これにより、複数の導体セグメント(31)をより一層容易に接合することができる。
【0044】
また、本実施形態の回転電気機械(10)は、各上記導体セグメント(31)において、上記凸部(33b)の高さ(H)が、上記凹部(33c)の深さ(D)よりも大きい。したがって、導体セグメント(31)の凸部(33b)が隣の導体セグメント(31)の凹部(33c)に嵌まった状態で、両導体セグメント(31)の露出部(33)の導体(33a)の間にはんだ接合に必要な最小限の隙間を得ることができる。これにより、適切なはんだ接合を容易に行うことができる。なお、隙間が狭すぎるとはんだの浸透が不十分になり強度低下が発生する一方、隙間が広すぎると電気抵抗が大きくなりモータ効率低下の要因となる。
【0045】
また、本実施形態の回転電気機械(10)の製造方法は、上記導体セグメント(31)の上記露出部(33)を、該露出部(33)が延びる方向と直交する第1方向に圧縮することにより、上記露出部(33)が延びる方向および上記第1方向と直交する第2方向において上記導体セグメント(31)の上記露出部(33)を膨出させる。したがって、第2方向に膨出する露出部(33)をそれぞれ有する複数の導体セグメント(31)を、当該第2方向に並べて容易に接合することができる。
【0046】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0047】
例えば、複数の導体セグメント(31)の露出部(33)は、互いに溶接(例えば、アーク溶接)で接合されていてもよい。この場合、隣り合う露出部(33)の間に隙間が形成されないように、凸部(33b)の高さ(H)が凹部(33c)の深さ(D)以下であることが好ましい。
【0048】
また、例えば、各導体セグメント(31)は、凸部(33b)および凹部(33c)を有していなくてもよい。
【0049】
また、例えば、導体セグメント(31)の露出部(33)は、並び方向の一方側のみに膨出していてもよい。この場合にも、露出部(33)が膨出していない場合に比べて、並び方向に並んだ複数の導体セグメント(31)を容易に接合することができる。
【0050】
また、例えば、露出部(33)の膨出部分の端面の位置と、被覆部(32)の絶縁材(32b)の外面とは、互いに異なっていてもよい。換言すると、露出部(33)の膨出部分の端面と、被覆部(32)の絶縁材(32b)の外面とは、互いに面一になっていなくてもよい。
【0051】
また、例えば、各上記実施形態では、回転電気機械(10)が電動機により構成されているが、回転電気機械(10)は発電機により構成されていてもよい。
【0052】
また、例えば、各上記実施形態では、セグメントコイル(30)は、6つの導体セグメント(31)が接合されることで形成されるが、任意の数の導体セグメント(31)が接合されることで形成されてもよい。
【0053】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上説明したように、本開示は、回転電気機械について有用である。
【符号の説明】
【0055】
10 回転電気機械
20 固定子
30 セグメントコイル
31 導体セグメント
32 被覆部
32a 導体
32b 絶縁材
33 露出部
33a 導体
33b 凸部
33c 凹部
D1,D2 距離
D 凹部の深さ
H 凸部の高さ
【要約】
【課題】複数の導体セグメントを容易に接合できるようにする。
【解決手段】回転電気機械(10)は、複数の導体セグメント(31)で形成されるセグメントコイル(30)を有する固定子(20)を備える。導体セグメント(31)は、導体(32a)および導体(32a)を被覆する絶縁材(32b)を含む被覆部(32)と、被覆部(32)の導体(32a)と一体で露出した導体(33a)を含みかつ導体セグメント(31)の端部を構成する露出部(33)とを有する。露出部(33)の導体(33a)は、複数の導体セグメント(31)の露出部(33)が並ぶ方向である並び方向において、被覆部(32)の導体(32a)よりも膨出している。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5