(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
巻上機に巻き掛けられた主ロープに支持されたかごと釣合いおもりとを備えたエレベーターにおいて、少なくとも1つの滑車を備え、前記釣合いおもりの下部を支持する支持体と、
前記エレベーターの昇降路の底部において、前記釣合いおもりを案内する一対のおもり側ガイドレールを前記釣合いおもりの側方でそれぞれ把持する一対の把持体と、
前記釣合いおもりの側方で前記一対の把持体の一方に支持される揚重体と、
前記少なくとも1つの滑車に巻き掛けられ、前記一対の把持体の他方と前記揚重体とに連結され、前記揚重体に引き上げられることで前記釣合いおもりを引き上げる揚重ロープと、
を備えたエレベーターの釣合いおもりの揚重装置。
巻上機に巻き掛けられた主ロープに支持されたかごと釣合いおもりとを備えたエレベーターにおいて、前記釣合いおもりの下部の一部を支持する一側支持部と前記釣合いおもりの下部の他側を支持する他側支持部とを備えた支持体と、
前記エレベーターの昇降路の底部において、前記釣合いおもりを案内する一対のおもり側ガイドレールを前記釣合いおもりの側方でそれぞれ把持する一対の把持体と、
前記釣合いおもりの側方で前記一対の把持体にそれぞれ支持され、前記支持体を引き上げることで前記釣合いおもりを引き上げる一対の揚重体と、
前記釣合いおもりと前記一側支持部との間および前記釣合いおもりと前記他側支持部との間において着脱自在かつ伸縮自在にそれぞれ設けられる一対のスペーサと、
を備えたエレベーターの釣合いおもりの揚重装置。
巻上機に巻き掛けられた主ロープに支持されたかごと釣合いおもりとを備えたエレベーターにおいて、支持体の一側支持部により、前記釣合いおもりの下部の一側を支持し、前記支持体の他側支持部により、前記釣合いおもりの下部の他側を支持する支持工程と、
前記エレベーターの昇降路の底部において、一対の把持体により、前記釣合いおもりを案内する一対のおもり側ガイドレールを前記釣合いおもりの側方でそれぞれ把持する把持工程と、
前記一対の把持体により、前記釣合いおもりの側方で一対の揚重体をそれぞれ支持し、前記一対の揚重体の一方により、前記支持体の一側支持部を引き上げることで前記釣合いおもりを引き上げ、前記釣合いおもりと前記支持体の他側支持部との間にスペーサを配置させ、前記一対の揚重体の他方により、前記支持体の他側支持部を引き上げることで前記釣合いおもりを引き上げ、前記支持体の一側支持部を引き下げ、前記釣合いおもりと前記支持体の一側支持部との間にスペーサを配置させ、前記一対の揚重体の一方により、前記支持体の一側支持部を引き上げることで前記釣合いおもりを引き上げる揚重工程と、
を備えたエレベーターの釣合いおもりの揚重方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の揚重装置においては、釣合いおもりよりも上方に吊り上げ器具を設ける必要がある。このため、吊り上げ器具の設置に時間がかかる。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされた。この発明の目的は、釣合いおもりを容易に吊り上げることができるエレベーターの釣合いおもりの揚重装置および揚重方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベーターの釣合いおもりの揚重装置は、巻上機に巻き掛けられた主ロープに支持されたかごと釣合いおもりとを備えたエレベーターにおいて、前記釣合いおもりの下部を支持する支持体と、前記エレベーターの昇降路の底部において、前記釣合いおもりを案内する一対のおもり側ガイドレールを前記釣合いおもりの側方でそれぞれ把持する一対の把持体と、前記釣合いおもりの側方で前記一対の把持体にそれぞれ支持され、前記支持体を引き上げることで前記釣合いおもりを引き上げる一対の揚重体と、
前記釣合いおもりと前記支持体との間において着脱自在に設けられるスペーサと、を備えた。
この発明に係るエレベーターの釣合いおもりの揚重装置は、巻上機に巻き掛けられた主ロープに支持されたかごと釣合いおもりとを備えたエレベーターにおいて、前記釣合いおもりの下部を支持する支持体と、前記エレベーターの昇降路の底部において、前記釣合いおもりを案内する一対のおもり側ガイドレールを前記釣合いおもりの側方でそれぞれ把持する一対の把持体と、前記釣合いおもりの側方で前記一対の把持体にそれぞれ支持され、前記支持体を引き上げることで前記釣合いおもりを引き上げる一対の揚重体と、を備え、前記支持体は、前記釣合いおもりの下部の一側を支持する一側支持部と、前記釣合いおもりの下部の他側を支持する他側支持部と、前記一側支持部と前記他側支持部とに対して着脱自在に設けられる連結部と、を備えた。
【0007】
この発明に係るエレベーターの釣合いおもりの揚重装置は、巻上機に巻き掛けられた主ロープに支持されたかごと釣合いおもりとを備えたエレベーターにおいて、少なくとも1つの滑車を備え、前記釣合いおもりの下部を支持する支持体と、前記エレベーターの昇降路の底部において、前記釣合いおもりを案内する一対のおもり側ガイドレールを前記釣合いおもりの側方でそれぞれ把持する一対の把持体と、前記釣合いおもりの側方で前記一対の把持体の一方に支持される揚重体と、前記少なくとも1つの滑車に巻き掛けられ、前記一対の把持体の他方と前記揚重体とに連結され、前記揚重体に引き上げられることで前記釣合いおもりを引き上げる揚重ロープと、を備えた。
【0008】
この発明に係るエレベーターの釣合いおもりの揚重装置は、巻上機に巻き掛けられた主ロープに支持されたかごと釣合いおもりとを備えたエレベーターにおいて、前記釣合いおもりの下部の一部を支持する一側支持部と前記釣合いおもりの下部の他側を支持する他側支持部とを備えた支持体と、前記エレベーターの昇降路の底部において、前記釣合いおもりを案内する一対のおもり側ガイドレールを前記釣合いおもりの側方でそれぞれ把持する一対の把持体と、前記釣合いおもりの側方で前記一対の把持体にそれぞれ支持され、前記支持体を引き上げることで前記釣合いおもりを引き上げる一対の揚重体と、前記釣合いおもりと前記一側支持部との間および前記釣合いおもりと前記他側支持部との間において着脱自在かつ伸縮自在にそれぞれ設けられる一対のスペーサと、を備えた。
【0009】
この発明に係るエレベーターの釣合いおもりの揚重方法は、巻上機に巻き掛けられた主ロープに支持されたかごと釣合いおもりとを備えたエレベーターにおいて、支持体により、前記釣合いおもりの下部を支持する支持工程と、前記エレベーターの昇降路の底部において、一対の把持体により、前記釣合いおもりを案内する一対のおもり側ガイドレールを前記釣合いおもりの側方でそれぞれ把持する把持工程と、前記一対の把持体により、前記釣合いおもりの側方で一対の揚重体をそれぞれ支持し、前記一対の揚重体により、前記支持体を引き上げることで前記釣合いおもりを引き上げる揚重工程と、
を備え、前記揚重工程は、前記エレベーターの昇降路の底部に配置されたジャッキにより、前記釣合いおもりを押し上げる押し上げ工程と、前記押し上げ工程の後、前記一対の把持体により、前記釣合いおもりの側方で前記一対の揚重体を支持し、前記一対の揚重体により、前記支持体を引き上げることで前記釣合いおもりを引き上げる第1引き上げ工程と、前記第1引き上げ工程の後、前記一対の揚重体により、前記支持体を引き下げる引き下げ工程と、前記引き下げ工程の後、前記釣合いおもりと前記支持体との間にスペーサを配置させる配置工程と、前記配置工程の後、前記一対の揚重体により、前記支持体を引き上げることで前記釣合いおもりを引き上げる第2引き上げ工程と、を備えた。
この発明に係るエレベーターの釣合いおもりの揚重方法は、巻上機に巻き掛けられた主ロープに支持されたかごと釣合いおもりとを備えたエレベーターにおいて、支持体により、前記釣合いおもりの下部を支持する支持工程と、前記エレベーターの昇降路の底部において、一対の把持体により、前記釣合いおもりを案内する一対のおもり側ガイドレールを前記釣合いおもりの側方でそれぞれ把持する把持工程と、前記一対の把持体により、前記釣合いおもりの側方で一対の揚重体をそれぞれ支持し、前記一対の揚重体により、前記支持体を引き上げることで前記釣合いおもりを引き上げる揚重工程と、を備え、前記支持工程は、前記支持体の一側支持部により、前記釣合いおもりの下部の一側を支持する一側支持工程と、前記支持体の他側支持部により、前記釣合いおもりの下部の他側を支持する他側支持工程と、前記支持体の連結部により、前記一側支持部と前記他側支持部とを連結する連結工程と、を備えた。
【0010】
この発明に係るエレベーターの釣合いおもりの揚重方法は、巻上機に巻き掛けられた主ロープに支持されたかごと釣合いおもりとを備えたエレベーターにおいて、支持体により、前記釣合いおもりの下部を支持する支持工程と、前記エレベーターの昇降路の底部において、一対の把持体により、前記釣合いおもりを案内する一対のおもり側ガイドレールを前記釣合いおもりの側方でそれぞれ把持する把持工程と、前記支持体に設けられた少なくとも1つの滑車に揚重ロープを巻き掛ける巻き掛け工程と、前記一対の把持体の一方により、前記釣合いおもりの側方で揚重体を支持し、前記一対の把持体の他方と前記揚重体とに前記揚重ロープを連結し、前記揚重体により、前記揚重ロープを引き上げることで前記釣合いおもりを引き上げる揚重工程と、を備えた。
【0011】
この発明に係るエレベーターの釣合いおもりの揚重方法は、巻上機に巻き掛けられた主ロープに支持されたかごと釣合いおもりとを備えたエレベーターにおいて、支持体の一側支持部により、前記釣合いおもりの下部の一側を支持し、前記支持体の他側支持部により、前記釣合いおもりの下部の他側を支持する支持工程と、前記エレベーターの昇降路の底部において、前記一対の把持体により、前記釣合いおもりを案内する一対のおもり側ガイドレールを前記釣合いおもりの側方でそれぞれ把持する把持工程と、前記一対の把持体により、前記釣合いおもりの側方で一対の揚重体をそれぞれ支持し、前記一対の揚重体の一方により、前記支持体の一側支持部を引き上げることで前記釣合いおもりを引き上げ、前記釣合いおもりと前記支持体の他側支持部との間にスペーサを配置させ、前記一対の揚重体の他方により、前記支持体の他側支持部を引き上げることで前記釣合いおもりを引き上げ、前記支持体の一側支持部を引き下げ、前記釣合いおもりと前記支持体の一側支持部との間にスペーサを配置させ、前記一対の揚重体の一方により、前記支持体の一側支持部を引き上げることで前記釣合いおもりを引き上げる揚重工程と、を備えた。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、揚重体は、釣合いおもりの側方で釣合いおもりを引き上げる。このため、釣合いおもりを容易に吊り上げることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0015】
実施の形態1.
図1は実施の形態1におけるエレベーターの釣合いおもりの揚重装置が適用されるエレベーターシステムの構成図である。
【0016】
図1のエレベーターシステムは、機械室のないエレベーターシステムである。当該エレベーターシステムにおいて、昇降路1は、建築物の各階を貫く。図示されない複数の乗場の各々は、建築物の各階に設けられる。複数の乗場の各々は、昇降路1に対向する。
【0017】
巻上機2は、昇降路1の上部に設けられる。綱車3は、巻上機2の回転軸に取り付けられる。主ロープ4は、綱車3に巻き掛けられる。
【0018】
一対のかご側ガイドレール5は、昇降路1に設けられる。
図1においては、一対のかご側ガイドレール5の一方のみが図示される。一対のおもり側ガイドレール6は、昇降路1に設けられる。
【0019】
かご7は、昇降路1の内部に設けられる。かご7は、一対のかご側ガイドレール5に案内される。かご7は、主ロープ4の一側に支持される。釣合いおもり8は、昇降路1の内部に設けられる。釣合いおもり8は、一対のおもり側ガイドレール6に案内される。釣合いおもり8は、主ロープ4の他側に支持される。
【0020】
かご側バッファ9は、かご7の下方において昇降路1の底部に設けられる。おもり側バッファ10は、釣合いおもり8の下方において昇降路1の底部に設けられる。
【0021】
制御装置11は、巻上機2の直下において昇降路1の上部に設けられる。制御装置11は、エレベーターシステムを全体的に制御し得るように設けられる。
【0022】
エレベーターの故障時、停電時等において、電力を用いてかご7を走行させられないこともある。この際、かご7が最上階の付近に停止していると、巻上機2、制御装置11等に対する復旧作業をかご7の上からできない場合もある。
【0023】
この場合、昇降路1の底部において、釣合いおもり8が引き上げられることで、かご7の位置が下がる。その結果、巻上機2、制御装置11等に対する復旧作業をかご7の上から行い得る状態となる。
【0024】
次に、
図2を用いて、釣合いおもり8の揚重方法を説明する。
図2は実施の形態1におけるエレベーターの釣合いおもりの揚重方法を説明するための図である。
【0025】
釣合いおもり8は、おもり側バッファ10に支持された状態から
図2の(A)ないし(F)の工程を順々に経て引き上げられる。
【0026】
図2の(A)は、揚重工程のうちの押し上げ工程を示す。押し上げ工程において、釣合いおもり8は、昇降路1の底部に配置されたジャッキ12により、押し上げられる。
【0027】
図2の(B)は、支持工程と把持工程と揚重行程の第1引き上げ工程の一部とを示す。支持工程において、揚重装置13の支持体14は、釣合いおもり8の下部を支持する。把持工程において、揚重装置13の一対の把持体15は、一対のおもり側ガイドレール6を釣合いおもり8の側方でそれぞれ把持する。揚重行程の第1引き上げ工程の一部において、一対の把持体15は、釣合いおもり8の側方で揚重装置13の一対の揚重体16をそれぞれ支持する。一対の揚重体16は、支持体14を支持する。この状態において、
図2の(B)においては図示されないジャッキ12は、撤去される。
【0028】
図2の(C)は、揚重行程の第1引き上げ工程の一部を示す。揚重行程の第1引き上げ工程の一部において、一対の揚重体16は、吊り代の限界まで引き上げられる。その結果、釣合いおもり8が引き上げられる。
【0029】
図2の(D)は、揚重行程の引き下げ工程を示す。揚重行程の引き下げ工程において、一対の揚重体16は、限界まで引き下げられる。その結果、支持体14が引き下げられる。この際、図示されないブレーキは、
図2においては図示されない巻上機2の回転を制止している。その結果、釣合いおもり8は、引き上げられた位置に停止した状態を維持する。
【0030】
図2の(E)は、揚重行程の配置工程を示す。揚重行程の配置工程において、揚重装置13のスペーサ17は、釣合いおもり8と支持体14との間の鉛直方向の隙間を埋めるように配置される。例えば、スペーサ17は、釣合いおもり8の下部に取り付けられる。
【0031】
図2の(F)は、揚重行程の第2引き上げ工程を示す。揚重行程の第2引き上げ工程において、一対の揚重体16は、吊り代の限界まで引き上げられる。その結果、釣合いおもり8が引き上げられる。この状態において、一対の揚重体16は、限界まで引き下げられる。
【0032】
その後、必要において、
図2の(E)と(F)とで示された揚重行程の配置工程と第2引き上げ工程が繰り返される。この際、スペーサ17は、釣合いおもり8と支持体14との間の鉛直方向の隙間の寸法に応じて設定される。例えば、長さの異なる複数のスペーサ17の中から釣合いおもり8と支持体14との間の鉛直方向の隙間の寸法に合ったスペーサ17が選定される。例えば、伸縮自在に設けられたスペーサ17の長さを釣合いおもり8と支持体14との間の鉛直方向の隙間の寸法に合わせる調整が行われる。
【0033】
以上で説明した実施の形態1によれば、揚重体16は、釣合いおもり8の側方で釣合いおもり8を引き上げる。この際の作業は、昇降路1の底部から行われる。このため、釣合いおもり8を容易に吊り上げることができる。
【0034】
また、釣合いおもり8の下方に支持体14を配置させる際は、ジャッキ12を用いればよい。このため、揚重装置13を容易に設置することができる。
【0035】
また、スペーサ17を用いて、
図2の(E)と(F)とで示された工程が繰り返される。このため、釣合いおもり8をより高く引き上げることができる。
【0036】
実施の形態2.
図3は実施の形態2におけるエレベーターの釣合いおもりの揚重方法を説明するための図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0037】
実施の形態2の支持体14は、一側支持部14aと他側支持部14bと連結部14cと基部14dとを備える。
【0038】
図3の(A)は、支持工程の一側支持工程と支持工程の他側支持工程と把持工程と揚重行程の第1引き上げ工程における一部とを示す。支持工程の一側支持工程において、支持体14の一側支持部14aは、おもり側バッファ10に支持された釣合いおもり8の下部の一側を抱え込むように支持する。支持工程の他側支持工程において、支持体14の他側支持部14bは、おもり側バッファ10に支持された釣合いおもり8の下部の他側を抱え込むように支持する。把持工程において、一対の把持体15は、一対のおもり側ガイドレール6を釣合いおもり8の側方でそれぞれ把持する。揚重行程の第1引き上げ工程の一部において、一対の把持体15は、釣合いおもり8の側方で一対の揚重体16をそれぞれ支持する。一対の揚重体16の一方は、一側支持部14aを支持する。一対の揚重体16の他方は、他側支持部14bを支持する。
【0039】
図3の(B)は、支持工程の連結工程を示す。支持工程の連結工程において、支持体14の連結部14cは、一側支持部14aと他側支持部14bとを連結する。
【0040】
図3の(C)は、揚重行程の第1引き上げ工程の一部を示す。揚重行程の第1引き上げ工程の一部において、一対の揚重体16は、吊り代の限界まで引き上げられる。その結果、釣合いおもり8が引き上げられる。
【0041】
図3の(D)は、揚重行程の引き下げ工程を示す。揚重行程の引き下げ工程において、支持体14の基部14dは、連結部14cの下方において一側支持部14aと他側支持部14bとに連結される。その後、一対の揚重体16は、限界まで引き下げられる。その結果、支持体14が引き下げられる。この際、図示されないブレーキは、
図3の(D)においては図示されない巻上機2の回転を制止している。その結果、釣合いおもり8は、引き上げられた位置に停止した状態を維持する。
【0042】
図3の(E)は、揚重行程の配置工程を示す。配置工程において、スペーサ17は、釣合いおもり8と支持体14の基部14dとの間の鉛直方向の隙間を埋めるように配置される。
【0043】
図3の(F)は、揚重行程の第2引き上げ工程を示す。第2引き上げ工程において、一対の揚重体16は、吊り代の限界まで引き上げられる。その結果、釣合いおもり8が引き上げられる。この状態において、一対の揚重体16は、限界まで引き下げられる。
【0044】
その後、必要において、
図3の(E)と(F)とで示された揚重行程の配置工程と第2引き上げ工程が繰り返される。この際、スペーサ17は、釣合いおもり8と支持体14の基部14dとの間の鉛直方向の隙間の寸法に応じて設定される。例えば、長さの異なる複数のスペーサ17の中から釣合いおもり8と支持体14の基部14dとの間の鉛直方向の隙間の寸法に合ったスペーサ17が選定される。例えば、伸縮自在に設けられたスペーサ17の長さを釣合いおもり8と支持体14の基部14dとの間の鉛直方向の隙間の寸法に合わせる調整が行われる。
【0045】
以上で説明した実施の形態2によれば、支持体14の一側支持部14aは、おもり側バッファ10に支持された釣合いおもり8の下部の一側を支持する。支持体14の他側支持部14bは、おもり側バッファ10に支持された釣合いおもり8の下部の他側を支持する。このため、ジャッキ12を用いることなく、釣合いおもり8を容易に吊り上げることができる。
【0046】
実施の形態3.
図4は実施の形態3におけるエレベーターの釣合いおもりの揚重方法を説明するための図である。なお、実施の形態2の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0047】
実施の形態3の支持部15bにおいて、一側支持部14aは、一対のおもり側ガイドレール6の一方に鉛直方向に案内され得るように配置される。例えば、一側支持部14aは、おもり側バッファ10の側方まで延びるように配置される。他側支持部14bは、一対のおもり側ガイドレール6の他方に鉛直方向に案内され得るように配置される。例えば、他側支持部14bは、おもり側バッファ10の側方まで延びるように配置される。
【0048】
以上で説明した実施の形態3によれば、一側支持部14aは、一対のおもり側ガイドレール6の一方に鉛直方向に案内される。他側支持部14bは、一対のおもり側ガイドレール6の他方に鉛直方向に案内される。このため、釣合いおもり8を円滑に引き上げることができる。
【0049】
実施の形態4.
図5は実施の形態4におけるエレベーターの釣合いおもりの揚重方法を説明するための図である。なお、実施の形態2の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0050】
実施の形態4の支持体14は、少なくとも1つの滑車18を備える。例えば、支持体14の一側支持部14aは、一対の滑車18の一方を備える。支持体14の他側支持部14bは、一対の滑車18の他方を備える。
【0051】
図5の(A)は、支持工程の一側支持工程と支持工程の他側支持工程と把持工程と揚重行程の第1引き上げ工程における一部とを示す。支持工程の一側支持工程において、一側支持部14aは、おもり側バッファ10に支持された釣合いおもり8の下部の一側を支持する。支持工程の他側支持工程において、他側支持部14bは、おもり側バッファ10に支持された釣合いおもり8の下部の他側を支持する。把持工程において、一対の把持体15は、一対のおもり側ガイドレール6を釣合いおもり8の側方でそれぞれ把持する。揚重行程の第1引き上げ工程の一部において、一対の把持体15の一方は、釣合いおもり8の側方で揚重体16を支持する。
【0052】
図5の(B)は、支持工程の連結工程と巻き掛け工程と揚重行程の第1引き上げ工程の一部とを示す。支持工程の連結工程において、支持体14の連結部14cは、一側支持部14aと他側支持部14bとを連結する。巻き掛け工程において、揚重装置13の揚重ロープ19は、一対の滑車18に巻き掛けられる。揚重行程の第1引き上げ工程の一部において、揚重ロープ19の一端部は、一対の把持体15の他方に連結される。揚重ロープ19の他端部は、揚重体16に連結される。
【0053】
図5の(C)は、揚重行程の第1引き上げ工程の一部を示す。揚重行程の第1引き上げ工程の一部において、一対の揚重体16は、吊り代の限界まで引き上げられる。その結果、釣合いおもり8は、揚重ロープ19の引き上げに追従して引き上げられる。
【0054】
図5の(D)は、揚重行程の引き下げ工程を示す。揚重行程の引き下げ工程において、支持体14の基部14dは、連結部14cの下方において一側支持部14aと他側支持部14bとに連結される。その後、一対の揚重体16は、限界まで引き下げられる。その結果、支持体14は、揚重ロープ19の引き下げに追従して引き下げられる。この際、図示されないブレーキは、
図5の(D)においては図示されない巻上機2の回転を制止している。その結果、釣合いおもり8は、引き上げられた位置に停止した状態を維持する。
【0055】
図5の(E)は、揚重行程の配置工程を示す。配置工程において、スペーサ17は、釣合いおもり8と支持体14の基部14dとの間の鉛直方向の隙間を埋めるように配置される。
【0056】
図5の(F)は、揚重行程の第2引き上げ工程を示す。第2引き上げ工程において、一対の揚重体16は、吊り代の限界まで引き上げられる。その結果、釣合いおもり8が引き上げられる。この状態において、一対の揚重体16は、限界まで引き下げられる。
【0057】
その後、必要において、
図5の(E)と(F)とで示された揚重行程の配置工程と第2引き上げ工程が繰り返される。この際、スペーサ17は、釣合いおもり8と支持体14の基部14dとの間の鉛直方向の隙間の寸法に応じて設定される。例えば、長さの異なる複数のスペーサ17の中から釣合いおもり8と支持体14の基部14dとの間の鉛直方向の隙間の寸法に合ったスペーサ17が選定される。例えば、伸縮自在に設けられたスペーサ17の長さを釣合いおもり8と支持体14の基部14dとの間の鉛直方向の隙間の寸法に合わせる調整が行われる。
【0058】
以上で説明した実施の形態4によれば、釣合いおもり8は、揚重ロープ19の引き上げに追従して引き上げられる。この際、揚重体16は、1つだけでよい。このため、簡単な構成で、釣合いおもり8を引き上げることができる。
【0059】
実施の形態5.
図6は実施の形態5におけるエレベーターの釣合いおもりの揚重方法を説明するための図である。なお、実施の形態2の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0060】
図6の(A)は、支持工程の一側支持工程と支持工程の他側支持工程と把持工程と揚重行程の第1引き上げ工程の一部とを示す。支持工程の一側支持工程において、支持体14の一側支持部14aは、おもり側バッファ10に支持された釣合いおもり8の下部の一側を支持する。支持工程の他側支持工程において、他側支持部14bは、おもり側バッファ10に支持された釣合いおもり8の下部の他側を支持する。把持工程において、一対のおもり側ガイドレール6を釣合いおもり8の側方でそれぞれ把持する。揚重行程の第1引き上げ工程の一部において、一対の把持体15は、釣合いおもり8の側方で一対の揚重体16をそれぞれ支持する。一対の揚重体16の一方は、一側支持部14aを支持する。一対の揚重体16の他方は、他側支持部14bを支持する。
【0061】
図6の(B)は、支持工程の連結工程を示す。支持工程の連結工程において、支持体14の連結部14cは、一側支持部14aと他側支持部14bとを連結する。
【0062】
図6の(C)は、揚重行程の第1引き上げ工程の一部と補助工程とを示す。揚重行程の第1引き上げ工程の一部において、一対の揚重体16は、吊り代の限界まで引き上げられる。その結果、釣合いおもり8が引き上げられる。補助工程において、補助体20は、昇降路1の底部に配置された状態で支持体14を貫通する。補助体20は、釣合いおもり8を下方から支持する。
【0063】
図6の(D)は、揚重行程の引き下げ工程を示す。揚重行程の引き下げ工程において、支持体14の基部14dは、連結部14cの下方において一側支持部14aと他側支持部14bとに連結される。その後、一対の揚重体16は、限界まで引き下げられる。その結果、支持体14が引き下げられる。
【0064】
図6の(E)は、揚重行程の配置工程を示す。配置工程において、スペーサ17は、釣合いおもり8と支持体14の基部14dとの間の鉛直方向の隙間を埋めるように配置される。
【0065】
図6の(F)は、揚重行程の第2引き上げ工程を示す。第2引き上げ工程において、一対の揚重体16は、吊り代の限界まで引き上げられる。その結果、釣合いおもり8が引き上げられる。この状態において、補助体20は、釣合いおもり8を下方から支持するように伸ばされる。一対の揚重体16は、限界まで引き下げられる。
【0066】
その後、必要において、
図6の(E)と(F)とで示された揚重行程の配置工程と第2引き上げ工程が繰り返される。この際、スペーサ17は、釣合いおもり8と支持体14の基部14dとの間の鉛直方向の隙間の寸法に応じて設定される。例えば、長さの異なる複数のスペーサ17の中から釣合いおもり8と支持体14の基部14dとの間の鉛直方向の隙間の寸法に合ったスペーサ17が選定される。例えば、伸縮自在に設けられたスペーサ17の長さを釣合いおもり8と支持体14の基部14dとの間の鉛直方向の隙間の寸法に合わせる調整が行われる。
【0067】
以上で説明した実施の形態5によれば、補助体20は、昇降路1の底部に配置された状態で支持体14を貫通する。補助体20は、釣合いおもり8を下方から支持する。このため、ブレーキが巻上機2の回転を制止することができなくても、釣合いおもり8の下方への移動を抑制することができる。
【0068】
なお、補助体20は、支持体14を貫通しなくてもよい。例えば、支持体14に切り欠きを形成して、支持体14と補助体20との干渉を避けてもよい。例えば、支持体14との干渉を避けるように補助体20を形成してもよい。
【0069】
実施の形態6.
図7は実施の形態6におけるエレベーターの釣合いおもりの揚重方法を説明するための図である。なお、実施の形態2の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0070】
図7の(A)は、支持工程の一側支持工程と支持工程の他側支持工程と把持工程と揚重行程の一部とを示す。支持工程の一側支持工程において、支持体14の一側支持部14aは、おもり側バッファ10に支持された釣合いおもり8の下部の一側を支持する。支持工程の他側支持工程において、支持体14の他側支持部14bは、おもり側バッファ10に支持された釣合いおもり8の下部の他側を支持する。把持工程において、一対のおもり側ガイドレール6を釣合いおもり8の側方でそれぞれ把持する。揚重行程の一部において、一対の把持体15は、釣合いおもり8の側方で一対の揚重体16をそれぞれ支持する。一対の揚重体16の一方は、一側支持部14aを支持する。一対の揚重体16の他方は、他側支持部14bを支持する。
【0071】
図7の(B)は、揚重行程の一部を示す。揚重行程の一部において、一対の揚重体16の一方は、吊り代の限界まで引き上げられる。その結果、釣合いおもり8が引き上げられる。
【0072】
図7の(C)は、揚重行程の一部を示す。揚重行程の一部において、スペーサ17は、釣合いおもり8と支持体14の他側支持部14bとの間の鉛直方向の隙間を埋めるように配置される。
【0073】
図7の(D)は、揚重行程の一部を示す。揚重行程の一部において、一対の揚重体16の他方は、吊り代の限界まで引き上げられる。その結果、釣合いおもり8が引き上げられる。
【0074】
図7の(E)は、揚重行程の一部を示す。揚重行程の一部において、一対の揚重体16は、限界まで引き下げられる。その結果、支持体14の一側支持部14aが引き下げられる。
【0075】
図7の(F)は、揚重行程の一部を示す。揚重行程の一部において、スペーサ17は、釣合いおもり8と支持体14の一側支持部14aとの間の鉛直方向の隙間を埋めるように配置される。この状態において、一対の揚重体16の一方は、限界まで引き上げられる。
【0076】
その後、必要において、
図7の(E)と(F)とで示された揚重行程の配置工程と第2引き上げ工程が繰り返される。この際、スペーサ17は、釣合いおもり8と支持体14の一側支持部14aまたは他側支持部14bとの間の鉛直方向の隙間の寸法に応じて設定される。例えば、長さの異なる複数のスペーサ17の中から釣合いおもり8と支持体14の一側支持部14aまたは他側支持部14bとの間の鉛直方向の隙間の寸法に合ったスペーサ17が選定される。例えば、伸縮自在に設けられたスペーサ17の長さを釣合いおもり8と支持体14の一側支持部14aまたは他側支持部14bとの間の鉛直方向の隙間の寸法に合わせる調整が行われる。
【0077】
以上で説明した実施の形態6によれば、支持体14において、一側支持部14aと他側支持部14bとは、順々に引き上げられる。このため、ブレーキが巻上機2の回転を制止することができなくても、釣合いおもり8の下方への移動を抑制することができる。
【0078】
なお、支持体14の下方にスペーサを追加してもよい。この場合、スペーサの下部に揚重体16を連結して釣合いおもり8を引き上げればよい。この場合も、釣合いおもり8を容易に吊り上げることができる。