(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献1に開示されたナビゲーション装置では、各センサのデータに対して信頼度が設定されるが、信頼度を設定するためには、まず現在位置を特定する必要がある。また、現在位置の特定は、通常、GPS信号に基づいて行われ、GPS信号の弱い場所では、アクティブタグからの情報で補正することによって行われる。このため、特許文献1に開示されたナビゲーション装置においては、GPS信号が弱く、且つ、アクティブタグが設置されていない領域において、正確な現在位置を特定できず、結果、設定された信頼度が正しくない場合がある。このような場合、ユーザの位置を正確に測位することは困難である。
【0009】
一方、上記特許文献2に開示された移動体では、物体を認識できれば、GPS信号が弱い場所でも、正確な位置を測位できるので、上記問題は解消できるとも考えられる。しかしながら、この移動体で行なわれた処理の結果は、他の移動体での処理に利用されることはない。このため、上記特許文献2に開示された移動体には、測位精度の向上が難しいという問題がある。
【0010】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、測位結果を複数の端末装置間で利用できるようにし得、且つ、GPS信号の弱い場所であっても測位精度の向上を図り得る、測位支援装置、測位システム、測位支援方法、及び
プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における測位支援装置は、複数の測位装置を備える端末装置から、前記測位装置毎に、当該測位装置によって測位された位置を特定する位置情報を取得する、位置情報取得部と、
取得された位置情報毎に、当該位置情報で特定される位置を電子地図に照合し、照合結果に基づいて、当該位置情報で特定される位置に対して信頼度を算出する、信頼度算出部と、
算出された前記信頼度を、算出元の前記位置情報を出力した測位装置の種類と、算出元の前記位置情報によって特定される位置とに紐付けて、信頼度情報を生成する、信頼度情報生成部と、
を備えている、ことを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における測位支援システムは、複数の測位装置を有する端末装置と、前記端末装置における測位を支援する測位支援装置と、を備え、
前記測位支援装置は、
前記端末装置から、前記測位装置毎に、当該測位装置によって測位された位置を特定する位置情報を取得する、位置情報取得部と、
取得された位置情報毎に、当該位置情報で特定される位置を電子地図に照合し、照合結果に基づいて、当該位置情報で特定される位置に対して信頼度を算出する、信頼度算出部と、
算出された前記信頼度を、算出元の前記位置情報を出力した測位装置の種類と、算出元の前記位置情報によって特定される位置とに紐付けて、信頼度情報を生成する、信頼度情報生成部と、を備え、
前記端末装置は、
前記複数の測位装置それぞれによって測位された位置と前記信頼度情報とを用いて、当該端末装置の位置を算出する、位置算出部を備えている、
ことを特徴とする。
【0013】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における測位支援方法は、
(a)複数の測位装置を備える端末装置から、前記測位装置毎に、当該測位装置によって測位された位置を特定する位置情報を取得する、ステップと、
(b)取得された位置情報毎に、当該位置情報で特定される位置を電子地図に照合し、照合結果に基づいて、当該位置情報で特定される位置に対して信頼度を算出する、ステップと、
(c)算出された前記信頼度を、算出元の前記位置情報を出力した測位装置の種類と、算出元の前記位置情報によって特定される位置とに紐付けて、信頼度情報を生成する、ステップと、
を有する、ことを特徴とする。
【0014】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面における
プログラムは、
コンピュータに、
(a)複数の測位装置を備える端末装置から、前記測位装置毎に、当該測位装置によって測位された位置を特定する位置情報を取得する、ステップと、
(b)取得された位置情報毎に、当該位置情報で特定される位置を電子地図に照合し、照合結果に基づいて、当該位置情報で特定される位置に対して信頼度を算出する、ステップと、
(c)算出された前記信頼度を、算出元の前記位置情報を出力した測位装置の種類と、算出元の前記位置情報によって特定される位置とに紐付けて、信頼度情報を生成する、ステップと、
を実行させ
る、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、測位結果を複数の端末装置間で利用できるようにでき、且つ、GPS信号の弱い場所であっても測位精度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における、測位支援装置、測位システム、測位支援方法、及びプログラムについて、
図1〜
図6を参照しながら説明する。
【0018】
[装置構成]
最初に、
図1を用いて、本実施の形態における測位支援装置及び測位システムの構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態における測位支援装置及び測位システムの概略構成を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態における測位システム100は、複数の測位装置11を有する端末装置10と、端末装置10における測位を支援する測位支援装置20とを備えている。端末装置10と測位支援装置20とは、データ通信が可能となるように、有線又は無線によって接続されている。
【0020】
測位支援装置20は、位置情報取得部21と、信頼度算出部22と、信頼度情報生成部23とを備えている。このうち位値情報取得部21は、端末装置10から、測位装置11毎に、各測位装置によって測位された位置を特定する位置情報を取得する。
【0021】
信頼度算出部22は、取得された位置情報毎に、各位置情報で特定される位置を電子地図に照合し、照合結果に基づいて、各位置情報で特定される位置に対して信頼度を算出する。
【0022】
信頼度情報生成部23は、算出された信頼度を、算出元の位置情報を出力した測位装置11の種類と、算出元の位置情報によって特定される位置とに紐付けて、信頼度情報を生成する。
【0023】
また、端末装置10は、複数の測位装置11に加えて、位置算出部12を備えている。位置算出部12は、各測位装置11によって測位された位置と、信頼度情報生成部23で生成された信頼度情報とを用いて、端末装置10自身の位置を算出する。
【0024】
このように、本実施の形態では、端末装置で測位された位置に対して信頼度が算出される。そして、信頼度は、算出元の位置、及び測位を行なった測位装置の種類と紐付けられて、信頼度情報とされる。このため、端末装置は、自身が備える測位装置によって測位を行なった場合に、信頼度情報に基づいて、測位された位置が信頼に足るものであるかどうかを判定できる。
【0025】
従って、本実施の形態によれば、GPS信号の弱い場所であっても測位精度の向上が図られる。また、信頼度情報は、特定の端末装置によって生成される情報ではなく、端末装置が複数存在する場合は、端末装置間で共有することが可能である。このことから、本実施の形態によれば、単独の端末装置における測位精度の向上だけでなく、複数の端末装置における測位精度の向上が可能となる。
【0026】
続いて、
図2を用いて、本実施の形態における測位支援装置及び測位システムの構成についてより具体的に説明する。
図2は、本発明の実施の形態における測位支援装置及び測位システムの具体的構成を示すブロック図である。
【0027】
図2に示すように、本実施の形態において、測位支援装置20は、インターネット等のネットワーク40を介して、複数の端末装置10に接続されている。また、測位支援装置20は、ネットワーク40を介して、電子地図が格納されている地図データベース30にも接続されており、地図データベース30にアクセスして電子地図を取得する。なお、端末装置10は、いずれも同様の構成を備えているが、
図2では、これらのうちの1台についてのみ構成が示されている。
【0028】
また、
図2に示すように、端末装置10は、測位装置11として、GPS(Global Positioning System)受信機11aと、IMES(Indoor MEssaging System)受信機11bとを備えている。
【0029】
このうち、GPS受信機11aは、GPS衛星50からの電波を受信し、受信した各電波の強度に基づいて、各GPS衛星50からの距離を求め、求めた各距離から現在の端末装置10の位置を特定する。
【0030】
IMES受信機11bは、屋内等に設置されたIMES送信機60から送信されてきた電波を受信し、受信した電波によって搬送されてきたデータを抽出する。搬送されてくるデータには、IMES送信機60が設置されている位置の緯度、経度、高度等が含まれているので、IMES受信機11bは、このデータに基づいて、端末装置10の位置を特定する。
【0031】
また、測位支援装置20において、位置情報取得部21は、本実施の形態では、端末装置10から、GPS受信機11aによって測位された位置を特定する位置情報(以下「第1位置情報」と表記する)と、IMES受信機11bによって測位された位置を特定する位置情報(以下「第2位置情報」と表記する)とを取得する。
【0032】
信頼度算出部22は、本実施の形態では、まず、地図データベース30から、各位置情報で特定される位置を含む領域の電子地図を取得する。続いて、信頼度算出部22は、位置情報毎に、各位置情報で特定される位置を、電子地図上のその位置を含む領域内に存在する道路、建物又は不動物に照合する。そして、信頼度算出部22は、照合結果から、位置情報で特定される位置と、照合先の道路、建物又は不動物との距離を算出し、算出した距離から信頼度を算出する。
【0033】
ここで、
図3を用いて、信頼度の算出処理について具体的に説明する。
図3は、本発明の実施の形態における信頼度の算出処理を説明する図である。例えば、
図3に示すように、電子地図上において、第1の位置情報によって特定された位置41と、第2の位置情報によって特定された位置42とが存在するとする。また、位置41及び位置42は、時間の経過に沿って、
図3中の矢印の方向に移動しているとする。
【0034】
この場合、信頼度算出部22は、位置41及び位置42それぞれについて、移動方向に平行な道路までの最短距離を算出する。
図3の例では、信頼度算出部22は、位置41から道路43までの最短距離D1と、位置42から道路43までの最短距離D2とを算出する。
【0035】
続いて、信頼度算出部22は、位置情報毎に、算出した最短距離を用いて信頼度を算出する。ここで、算出した最短距離をεとし、求める信頼度をCとすると、信頼度算出部22は、例えば、下記の数1を用いて、信頼度Cを算出する。なお、本実施の形態において、信頼度の算出式は、下記の数1に限定されるものではない。
【0037】
また、位置情報によって特定される位置が移動していない場合(単位時間当りの移動量が閾値以内の場合も含む)は、端末装置10のユーザが、特定の建物又は敷地の中にいる場合と考えられる。従って、この場合は、信頼度算出部22は、位置情報によって特定された位置と、特定の建物又は不動物との距離を算出し、上記数1を用いて信頼度を算出する。
【0038】
また、信頼度算出部22は、地図データ上に設定された特定の領域毎に、第1位置情報及び第2位置情報それぞれについて、信頼度Cを算出することができる。この場合、信頼度算出部22は、新たに位置情報が取得されると、各位置情報で特定される位置が、既に信頼度Cが算出されている領域内にあるかどうかを判定する。そして、判定の結果、新たに取得された位置情報で特定される位置が、既に信頼度Cが算出されている領域内にある場合は、信頼度算出部22は、新たに取得された位置情報で特定される位置を用いて、既に算出されている信頼度を更新する、
【0039】
具体的には、例えば、ある特定の領域において、第1位置情報及び第2位置情報が取得された回数が、m回目であるとし(mは自然数)、各位置情報についての最新の信頼度をC
mとする。このとき、取得された位置情報について算出された最短距離がε
mであるとすると、信頼度算出部22は、位置情報毎に、下記の数2を用いて、既に算出されている信頼度C
m−1を更新して、最新の信頼度C
mを算出する。
【0041】
信頼度情報生成部23は、本実施の形態では、第1位置情報から算出した信頼度Cについては、GPS受信機11aを示す識別子と、第1位置情報から特定される位置(緯度、経度、高さ)とに紐付けて信頼度情報とする。また、信頼度情報生成部23は、第2位置情報から算出した信頼度Cについては、IMES受信機11bを示す識別子と、第2位置情報から特定される位置(緯度、経度、高さ)とに紐付けて信頼度情報とする。各信頼度Cは、位置情報から特定される位置ではなく、その位置が含まれる上述の特定の領域に紐付けられていても良い。
【0042】
更に、本実施の形態では、信頼度情報生成部23は、生成した信頼度情報を記憶装置(
図2において図示せず)に格納する。そして、各端末装置10から信頼度情報の取得が要求されると、信頼度情報生成部23は、ネットワーク40を介して、要求のあった端末装置10に、信頼情報を送信する。
【0043】
また、各端末装置10において、位置算出部12は、本実施の形態では、まず、GPS受信機11a及びIMES受信機11bそれぞれ毎に、測位された位置を、信頼度情報に照合して、各測位装置によって測位された位置に対応する信頼度を特定する。そして、位置算出部12は、各測位装置によって測位された位置と、各位置に対応する信頼度とに基づいて、それを備える端末装置10の位置を算出する。
【0044】
ここで、GPS受信機によって測位された位置の座標をx
1、それに対応する信頼度をC(x1)とする。また、IMES受信機11bによって測位された位置の座標をx
2、それに対応する信頼度をC(x
2)とする。また、これらから算出される端末装置10の位置の座標をXとする。この場合、位置算出部12は、下記の数3を用いて、座標Xを算出する。
【0046】
また、上記数3において、係数αは、下記の数4を用いて算出することができる。また、下記の数4におけるV(x)は、下記の数5を用いて算出することができる。
【0049】
また、
図2では、端末装置10が2つの測位装置を備える例について説明しているが、本実施の形態において、測位装置は、2つ以上であっても良い。ここで、測位装置の個数がn個である場合について以下に説明する。nは自然数である。この場合、位置算出部12は、下記の数6を用いて、座標Xを算出する。
【0051】
また、上記数6における、α
1、α
2、・・・α
n−1は、Xの分散を最小化する下記の数7に示す方程式の解として求められる。
【0053】
[装置動作]
次に、本実施の形態における測位支援装置20及び測位システム100の動作について
図4及び
図5を用いて説明する。以下の説明においては、適宜
図1〜
図3を参酌する。また、本実施の形態では、測位支援装置20及び測位システム100を動作させることによって、測位支援方法が実施される。よって、本実施の形態における測位支援方法の説明は、以下の測位支援装置20及び測位支援システム100の動作説明に代える。
【0054】
まず、
図4を用いて、測位支援装置20の動作について説明する。
図4は、本発明の実施の形態における測位支援装置の動作を示すフロー図である。
【0055】
図4に示すように、まず、位置情報取得部21は、端末装置10から、ネットワーク40を介して、GPS受信機11aによって測位された位置を特定する第1位置情報と、IMES受信機11bによって測位された位置を特定する第2位置情報とを取得する(ステップA1)。
【0056】
次に、信頼度算出部22は、ステップA1で取得された各位置情報によって特定される位置が、既に信頼度Cが算出されている領域内にあるかどうかを判定する(ステップA2)。
【0057】
ステップA2の判定の結果、各位置情報によって特定される位置が既に信頼度Cが算出されている領域内にない場合は、信頼度算出部22は、ステップA1で取得された位置情報毎に、信頼度を算出する(ステップA3)。
【0058】
具体的には、ステップA3では、信頼度算出部22は、まず、地図データベース30から、各位置情報で特定される位置を含む領域の電子地図を取得する。続いて、信頼度算出部22は、位置情報毎に、各位置情報で特定される位置を、電子地図上のその位置を含む領域内に存在する道路、建物又は不動物に照合する。そして、信頼度算出部22は、照合結果から、位置情報で特定される位置と、照合先の道路、建物又は不動物との距離を算出し、算出した距離から信頼度を算出する。
【0059】
次に、信頼度情報生成部23は、第1位置情報及び第2位置情報からそれぞれか算出した各信頼度を、各受信機を示す識別子と、各位置情報から特定される位置とに紐付けて、信頼度情報を生成する(ステップA4)。また、信頼度情報生成部23は、生成した信頼度情報を記憶装置(
図2において図示せず)に格納する。
【0060】
一方、ステップA2の判定の結果、各位置情報によって特定される位置が既に信頼度Cが算出されている領域内にある場合は、信頼度算出部22は、ステップA1で取得された位置情報で特定される位置を用いて、既に算出されている信頼度を更新する(ステップA5)。
【0061】
具体的には、ステップA5においても、信頼度算出部22は、まず、地図データベース30から、各位置情報で特定される位置を含む領域の電子地図を取得する。続いて、信頼度算出部22は、位置情報毎に、位置情報で特定される位置と、照合先の道路、建物又は不動物との距離を算出し、算出した距離を用いて、信頼度を更新する。
【0062】
続いて、
図5を用いて、端末装置10の動作について説明する。
図5は、本発明の実施の形態における端末装置の動作を示すフロー図である。
【0063】
図5に示すように、最初に、位置算出部12は、GPS受信機11a及びIMES受信機11bに測位を実行させ、各測位によって得られた位置を取得する(ステップB1)。
【0064】
次に、位置算出部12は、測位支援装置20から信頼情報を取得し、そして、受信機11a及びIMES受信機11bそれぞれ毎に、測位された位置を、取得した信頼度情報に照合して、各測位装置によって測位された位置に対応する信頼度を特定する(ステップB2)。
【0065】
次に、位置算出部12は、ステップB1で取得された各位置と、ステップB2で取得された各位置の信頼度とに基づいて、端末装置10の位置を算出する(ステップB3)。
【0066】
[実施の形態における効果]
以上のように本実施の形態では、各測位装置に対する信頼度を含む信頼度情報が生成され、そして、端末装置10に備えられた各測位装置で測位された位置と、信頼度情報とから、端末装置10の位置が決定される。このため、いずれかの測位装置の精度が低い場所であっても、正確な測位が可能となる。また、測位支援装置20で生成された信頼度情報は、各端末装置10で共有できるため、複数の端末装置における測位精度の向上が可能となる。
【0067】
[プログラム]
本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータに、
図4に示すステップA1〜A5を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態における測位支援装置20と測位支援方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、位置情報取得部21、信頼度算出部22、及び信頼度情報生成部23として機能し、処理を行なう。
【0068】
また、本実施の形態におけるプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されても良い。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、位置情報取得部21、信頼度算出部22、及び信頼度情報生成部23のいずれかとして機能しても良い。
【0069】
ここで、本実施の形態におけるプログラムを実行することによって、測位支援装置10を実現するコンピュータについて
図6を用いて説明する。
図6は、本発明の実施の形態における測位支援装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0070】
図6に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0071】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0072】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0073】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0074】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記録媒体、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体が挙げられる。
【0075】
なお、本実施の形態における測位支援装置20は、プログラムがインストールされたコンピュータではなく、各部に対応したハードウェアを用いることによっても実現可能である。更に、測位支援装置20は、一部がプログラムで実現され、残りの部分がハードウェアで実現されていてもよい。
【0076】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)〜(付記13)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0077】
(付記1)
複数の測位装置を備える端末装置から、前記測位装置毎に、当該測位装置によって測位された位置を特定する位置情報を取得する、位置情報取得部と、
取得された位置情報毎に、当該位置情報で特定される位置を電子地図に照合し、照合結果に基づいて、当該位置情報で特定される位置に対して信頼度を算出する、信頼度算出部と、
算出された前記信頼度を、算出元の前記位置情報を出力した測位装置の種類と、算出元の前記位置情報によって特定される位置とに紐付けて、信頼度情報を生成する、信頼度情報生成部と、
を備えている、ことを特徴とする測位支援装置。
【0078】
(付記2)
前記信頼度算出部が、当該位置情報で特定される位置を、前記電子地図上の当該位置を含む領域内に存在する道路、建物又は不動物に照合して、当該位置情報で特定される位置と前記道路、前記建物又は前記不動物との距離を算出し、算出した距離から、前記信頼度を算出する、
付記1に記載の測位支援装置。
【0079】
(付記3)
前記信頼度算出部が、特定の領域毎に、前記位置情報それぞれについて、前記信頼度を算出し、そして、取得された前記位置情報で特定される位置が、既に前記信頼度が算出されている前記領域内にある場合は、取得された前記位置情報で特定される位置を用いて、既に算出されている前記信頼度を更新する、
付記1または2に記載の測位支援装置。
【0080】
(付記4)
複数の測位装置を有する端末装置と、前記端末装置における測位を支援する測位支援装置と、を備え、
前記測位支援装置は、
前記端末装置から、前記測位装置毎に、当該測位装置によって測位された位置を特定する位置情報を取得する、位置情報取得部と、
取得された位置情報毎に、当該位置情報で特定される位置を電子地図に照合し、照合結果に基づいて、当該位置情報で特定される位置に対して信頼度を算出する、信頼度算出部と、
算出された前記信頼度を、算出元の前記位置情報を出力した測位装置の種類と、算出元の前記位置情報によって特定される位置とに紐付けて、信頼度情報を生成する、信頼度情報生成部と、を備え、
前記端末装置は、
前記複数の測位装置それぞれによって測位された位置と前記信頼度情報とを用いて、当該端末装置の位置を算出する、位置算出部を備えている、
ことを特徴とする測位システム。
【0081】
(付記5)
前記端末装置において、前記位置算出部は、
複数の測位装置それぞれ毎に、当該測位装置によって測位された位置を、前記信頼度情報に照合して、当該測位装置によって測位された位置に対応する信頼度を特定し、そして、複数の測位装置それぞれによって測位された位置と、各位置に対応する前記信頼度とに基づいて、前記端末装置の位置を算出する、
付記4に記載の測位システム。
【0082】
(付記6)
前記測位支援装置において、前記信頼度算出部が、当該位置情報で特定される位置を、前記電子地図上の当該位置を含む領域内に存在する道路、建物又は不動物に照合して、当該位置情報で特定される位置と前記道路、前記建物又は前記不動物との距離を算出し、算出した距離から、前記信頼度を算出する、
付記4または5に記載の測位システム。
【0083】
(付記7)
前記測位支援装置において、前記信頼度算出部が、特定の領域毎に、前記位置情報それぞれについて、前記信頼度を算出し、そして、取得された前記位置情報で特定される位置が、既に前記信頼度が算出されている前記領域内にある場合は、取得された前記位置情報で特定される位置を用いて、既に算出されている前記信頼度を更新する、
付記4〜6のいずれかに記載の測位システム。
【0084】
(付記8)
(a)複数の測位装置を備える端末装置から、前記測位装置毎に、当該測位装置によって測位された位置を特定する位置情報を取得する、ステップと、
(b)取得された位置情報毎に、当該位置情報で特定される位置を電子地図に照合し、照合結果に基づいて、当該位置情報で特定される位置に対して信頼度を算出する、ステップと、
(c)算出された前記信頼度を、算出元の前記位置情報を出力した測位装置の種類と、算出元の前記位置情報によって特定される位置とに紐付けて、信頼度情報を生成する、ステップと、
を有する、ことを特徴とする測位支援方法。
【0085】
(付記9)
前記(b)のステップにおいて、当該位置情報で特定される位置を、前記電子地図上の当該位置を含む領域内に存在する道路、建物又は不動物に照合して、当該位置情報で特定される位置と前記道路、前記建物又は前記不動物との距離を算出し、算出した距離から、前記信頼度を算出する、
付記8に記載の測位支援方法。
【0086】
(付記10)
前記(b)のステップにおいて、特定の領域毎に、前記位置情報それぞれについて、前記信頼度を算出し、そして、取得された前記位置情報で特定される位置が、既に前記信頼度が算出されている前記領域内にある場合は、取得された前記位置情報で特定される位置を用いて、既に算出されている前記信頼度を更新する、
付記8または9に記載の測位支援方法。
【0087】
(付記11)
コンピュータに、
(a)複数の測位装置を備える端末装置から、前記測位装置毎に、当該測位装置によって測位された位置を特定する位置情報を取得する、ステップと、
(b)取得された位置情報毎に、当該位置情報で特定される位置を電子地図に照合し、照合結果に基づいて、当該位置情報で特定される位置に対して信頼度を算出する、ステップと、
(c)算出された前記信頼度を、算出元の前記位置情報を出力した測位装置の種類と、算出元の前記位置情報によって特定される位置とに紐付けて、信頼度情報を生成する、ステップと、
を実行させ
る、プログラ
ム。
【0088】
(付記12)
前記(b)のステップにおいて、当該位置情報で特定される位置を、前記電子地図上の当該位置を含む領域内に存在する道路、建物又は不動物に照合して、当該位置情報で特定される位置と前記道路、前記建物又は前記不動物との距離を算出し、算出した距離から、前記信頼度を算出する、
付記11に記載の
プログラム。
【0089】
(付記13)
前記(b)のステップにおいて、特定の領域毎に、前記位置情報それぞれについて、前記信頼度を算出し、そして、取得された前記位置情報で特定される位置が、既に前記信頼度が算出されている前記領域内にある場合は、取得された前記位置情報で特定される位置を用いて、既に算出されている前記信頼度を更新する、
付記11または12に記載の
プログラム。
【0090】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。