特許第6798859号(P6798859)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6798859
(24)【登録日】2020年11月24日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】警備装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20201130BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20201130BHJP
   G08B 13/19 20060101ALI20201130BHJP
   G08B 13/08 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   G08B25/00 510E
   G08B25/04 F
   G08B13/19
   G08B13/08 A
【請求項の数】12
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-220938(P2016-220938)
(22)【出願日】2016年11月11日
(65)【公開番号】特開2018-77801(P2018-77801A)
(43)【公開日】2018年5月17日
【審査請求日】2019年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000202361
【氏名又は名称】綜合警備保障株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 泰彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴也
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−258937(JP,A)
【文献】 特開2016−048452(JP,A)
【文献】 特開2012−173977(JP,A)
【文献】 特開平03−044798(JP,A)
【文献】 特開昭60−093594(JP,A)
【文献】 特開2012−173978(JP,A)
【文献】 特開2006−127303(JP,A)
【文献】 特開2000−268285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B1/00−65/44
65/46
65/462−85/28
G08B13/00−17/00
19/00−31/00
H03J9/00−9/06
H04M3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−11/10
H04Q9/00−9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象となる監視領域に設けられ、人の存在や扉の開閉を検知した場合に検知信号を送信する複数のセンサから送信される前記検知信号によって前記監視領域における異常を検知する検知部と、
前記複数のセンサのうち一部のセンサの前記検知信号を前記検知部において無効化させる擬似動作モードと前記複数のセンサの前記検知信号がすべて有効となる通常動作モードとを切り替える動作モード切替部と、
前記通常動作モードと前記擬似動作モードとの何れかにおいて、前記検知部により前記異常を検知した場合に警報動作を行う警備状態と、前記検知部により前記異常を検知した場合でも前記警報動作を行わない警備解除状態との監視状態を切り替える監視状態切替部と、
前記動作モード切替部による前記擬似動作モードへの切り替えに際して、前記複数のセンサのうち所望のセンサを選択することで、前記擬似動作モードで不要なセンサから送信される前記検知信号を前記検知部において無効化させる状態とし、前記動作モード切替部により前記擬似動作モードから前記通常動作モードに切り替えられたことを条件として、前記擬似動作モードで不要なセンサからの前記検知信号を有効化する状態に戻すセンサ選択部と、
前記通常動作モード下において、前記監視状態切替部により前記警備状態に切り替えられたことを条件として、前記検知部により前記異常を検知した場合に前記警報動作を行う報知部と、
を備え
前記動作モード切替部は、監視センタに対して前記通常動作モードから前記擬似動作モードに切り替える旨の信号または前記擬似動作モードから前記通常動作モードに切り替える旨の信号を送信する、
ことを特徴とする警備装置。
【請求項2】
監視対象となる監視領域に設けられ、人の存在や扉の開閉を検知した場合に検知信号を送信する複数のセンサから送信される前記検知信号によって前記監視領域における異常を検知する検知部と、
前記複数のセンサのうち一部のセンサの前記検知信号を前記検知部において無効化させる擬似動作モードと前記複数のセンサの前記検知信号がすべて有効となる通常動作モードとを切り替える動作モード切替部と、
前記通常動作モードと前記擬似動作モードとの何れかにおいて、前記検知部により前記異常を検知した場合に警報動作を行う警備状態と、前記検知部により前記異常を検知した場合でも前記警報動作を行わない警備解除状態との監視状態を切り替える監視状態切替部と、
前記動作モード切替部による前記擬似動作モードへの切り替えに際して、前記複数のセンサのうち所望のセンサを選択することで、前記擬似動作モードで不要なセンサから送信される前記検知信号を前記検知部において無効化させる状態とし、前記動作モード切替部により前記擬似動作モードから前記通常動作モードに切り替えられたことを条件として、前記擬似動作モードで不要なセンサからの前記検知信号を有効化する状態に戻すセンサ選択部と、
前記通常動作モード下において、前記監視状態切替部により前記警備状態に切り替えられたことを条件として、前記検知部により前記異常を検知した場合に前記警報動作を行う報知部と、
を備え、
前記動作モード切替部は、前記警備解除状態または警備員がいることがわかる状態で所定の操作が有ったことを条件として、前記擬似動作モードから前記通常動作モードに切り替える、
ことを特徴とする警備装置。
【請求項3】
前記監視状態切替部は、前記動作モード切替部によって前記擬似動作モードから前記通常動作モードに切り替えられる際に、前記擬似動作モードへの切り替え前の前記通常動作モードの最後の前記監視状態に切り替える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の警備装置。
【請求項4】
前記動作モード切替部は、前記擬似動作モードに切り替えてから所定時間の経過後、前記擬似動作モードから前記通常動作モードに切り替える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の警備装置。
【請求項5】
前記動作モード切替部は、前記擬似動作モード中の最後の操作から所定時間の経過後、前記擬似動作モードから前記通常動作モードに切り替える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の警備装置。
【請求項6】
前記報知部は、前記擬似動作モード下においては、前記検知部により前記監視領域への出入りを検知するセンサから前記検知信号が送信された場合であっても、前記警報動作として警報出力を行わない、
ことを特徴とする請求項1ないしの何れか一項に記載の警備装置。
【請求項7】
前記センサ選択部は、前記所望のセンサとして前記監視領域への出入りの検出に不要なセンサを選択する、
ことを特徴とする請求項1ないしの何れか一項に記載の警備装置。
【請求項8】
前記センサ選択部は、前記所望のセンサとして前記監視領域への出入りの検出に必要なセンサを選択する、
ことを特徴とする請求項1ないしの何れか一項に記載の警備装置。
【請求項9】
前記センサ選択部は、前記所望のセンサを予め決めておき、自動的に当該所望のセンサを選択する、
ことを特徴とする請求項またはに記載の警備装置。
【請求項10】
前記報知部は、前記擬似動作モード下においても、前記監視状態切替部により前記警備状態に切り替えられたことを条件として、前記検知部により前記異常を検知した場合に前記警報動作を行うものであって、
前記監視状態切替部により前記警備状態への切り替え操作を行った後、前記報知部による前記警報動作を行わないタイマ時間を設定するタイマ起動部を更に備え、
前記タイマ起動部は、前記擬似動作モード下の前記警備状態における前記タイマ時間を、前記通常動作モード下の前記警備状態における前記タイマ時間よりも短く設定する、
ことを特徴とする請求項1ないしの何れか一項に記載の警備装置。
【請求項11】
コンピュータを、
監視対象となる監視領域に設けられ、人の存在や扉の開閉を検知した場合に検知信号を送信する複数のセンサから送信される前記検知信号によって前記監視領域における異常を検知する検知部と、
前記複数のセンサのうち一部のセンサの前記検知信号を前記検知部において無効化させる擬似動作モードと前記複数のセンサの前記検知信号がすべて有効となる通常動作モードとを切り替える動作モード切替部と、
前記通常動作モードと前記擬似動作モードとの何れかにおいて、前記検知部により前記異常を検知した場合に警報動作を行う警備状態と、前記検知部により前記異常を検知した場合でも前記警報動作を行わない警備解除状態との監視状態を切り替える監視状態切替部と、
前記動作モード切替部による前記擬似動作モードへの切り替えに際して、前記複数のセンサのうち所望のセンサを選択することで、前記擬似動作モードで不要なセンサから送信される前記検知信号を前記検知部において無効化させる状態とし、前記動作モード切替部により前記擬似動作モードから前記通常動作モードに切り替えられたことを条件として、前記擬似動作モードで不要なセンサからの前記検知信号を有効化する状態に戻すセンサ選択部と、
前記通常動作モード下において、前記監視状態切替部により前記警備状態に切り替えられたことを条件として、前記検知部により前記異常を検知した場合に前記警報動作を行う報知部と、
として機能させ
前記動作モード切替部は、監視センタに対して前記通常動作モードから前記擬似動作モードに切り替える旨の信号または前記擬似動作モードから前記通常動作モードに切り替える旨の信号を送信する、
ためのプログラム。
【請求項12】
コンピュータを、
監視対象となる監視領域に設けられ、人の存在や扉の開閉を検知した場合に検知信号を送信する複数のセンサから送信される前記検知信号によって前記監視領域における異常を検知する検知部と、
前記複数のセンサのうち一部のセンサの前記検知信号を前記検知部において無効化させる擬似動作モードと前記複数のセンサの前記検知信号がすべて有効となる通常動作モードとを切り替える動作モード切替部と、
前記通常動作モードと前記擬似動作モードとの何れかにおいて、前記検知部により前記異常を検知した場合に警報動作を行う警備状態と、前記検知部により前記異常を検知した場合でも前記警報動作を行わない警備解除状態との監視状態を切り替える監視状態切替部と、
前記動作モード切替部による前記擬似動作モードへの切り替えに際して、前記複数のセンサのうち所望のセンサを選択することで、前記擬似動作モードで不要なセンサから送信される前記検知信号を前記検知部において無効化させる状態とし、前記動作モード切替部により前記擬似動作モードから前記通常動作モードに切り替えられたことを条件として、前記擬似動作モードで不要なセンサからの前記検知信号を有効化する状態に戻すセンサ選択部と、
前記通常動作モード下において、前記監視状態切替部により前記警備状態に切り替えられたことを条件として、前記検知部により前記異常を検知した場合に前記警報動作を行う報知部と、
として機能させ、
前記動作モード切替部は、前記警備解除状態または警備員がいることがわかる状態で所定の操作が有ったことを条件として、前記擬似動作モードから前記通常動作モードに切り替える、
ためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警備装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視対象となる建築物や構築物(以下、監視領域という)の複数箇所に設けた各種のセンサから人の存在、扉の開閉等の検知信号を警備装置にて受信し、当該警備装置にて異常状態を検知して監視センタに警報を出力する警備システムが開示されている。警備システムは、異常状態を検知した場合に警報動作を行う警備状態と、異常状態を検知しても警報動作を行わない警備解除状態との監視状態を有している。警備装置は、監視状態の切り替えを行う機能や、監視状態を確認する機能を有している。
【0003】
また、警備状態への切り替え操作を行った後、監視領域の出入口部分を通って退館する場合、および警備状態の監視領域の出入口部分を通って入館して警備解除状態への切り替え操作を行う場合、警報装置は、所定の時間が経過してから警備状態に切り替えるとともにその旨の信号を監視センタに送信する入退館タイマ機能が知られている。
【0004】
より詳細には、警備状態への切り替え操作を行った後、監視領域の出入口部分を通って退館する場合、警報装置は、監視領域の出入口部分に設けたセンサから受信する人の存在の検知信号を所定の時間無効化し、所定の時間経過後、当該センサから人の存在の検知信号を受信していない場合は監視センタに警報を出力せず、当該センサから人の存在の検知信号を受信している場合は監視センタに警報を出力する。
【0005】
一方、警備状態の監視領域の出入口部分を通って入館して警備解除状態への切り替え操作を行う場合、警報装置は、監視領域の出入口部分に設けたセンサから受信する人の存在の検知信号を所定の時間無効化し、所定の時間経過後、当該センサから人の存在の検知信号を受信している場合は監視センタに警報を出力する。なお、警報装置は、所定の時間経過後、当該センサから人の存在の検知信号を受信していない場合であっても、警備解除状態に切り替えられなければ、監視センタに警報を出力する。
【0006】
さらに、警備状態への切り替え操作の際に、警備装置が監視領域の出入口部分以外に設けたセンサから検知信号を受信している場合、その旨を報知し切り替え操作を無効にする不良退館防止機能が知られている。
【0007】
このような警備システムは、警備会社等により監視領域に設置される。警備システムを利用するユーザは、当該警備装置の監視状態の切り替え操作、監視状態の確認操作等の操作説明を警備会社等の説明担当者より受ける必要がある。
【0008】
ところが、警備装置の操作説明に際し、監視領域の出入口部分以外に設けたセンサから検知信号を受信している場合、警備状態への切り替え操作を行っても操作が無効になり、警備状態への切り替え操作を説明できない。また、警備状態への切り替え操作後であって、入退館タイマ機能による所定時間経過後に、監視領域内に人が存在すると、警備装置は直ちに監視センタに警報を出力してしまうことになる。そのため、説明担当者は、監視領域内のユーザに対して動かないように指示するが、現実的ではない。
【0009】
そこで、近年においては、警備装置の操作説明に際し、説明担当者が、入退館タイマ機能の説明に必要のない、たとえば監視領域の出入口部分以外に設けたセンサから検知信号を受信した場合でも監視センタに警報を出力しない無効化設定を警備装置に対して行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−283155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来においては、入退館タイマ機能の説明に必要のないセンサからの検知信号を無効化する設定を、監視領域内のセンサ毎にそれぞれ設定しなければならず、非常に手間がかかる作業となっている。
【0012】
加えて、警備装置の操作説明後に、検知信号を無効化する設定を行ったセンサの内一つでも設定の解除を忘れると、警備状態で監視領域への侵入があった場合も監視センタに警報を出力できない失報事故が発生する可能性もある。
【0013】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、警備装置の操作説明に際して検知信号を無効化する設定作業を容易にし、ユーザへの監視状態切り替え操作の説明を円滑に行うことができるとともに、操作説明後に、検知信号を無効化する設定の解除を忘れることがなくなり、警備状態で監視領域への侵入者があった場合に監視センタに警報を出力できない失報事故の発生を防止することができる警備装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の警備装置は、監視対象となる監視領域に設けられ、人の存在や扉の開閉を検知した場合に検知信号を送信する複数のセンサから送信される前記検知信号によって前記監視領域における異常を検知する検知部と、前記複数のセンサのうち一部のセンサの前記検知信号を前記検知部において無効化させる擬似動作モードと前記複数のセンサの前記検知信号がすべて有効となる通常動作モードとを切り替える動作モード切替部と、前記通常動作モードと前記擬似動作モードとの何れかにおいて、前記検知部により前記異常を検知した場合に警報動作を行う警備状態と、前記検知部により前記異常を検知した場合でも前記警報動作を行わない警備解除状態との監視状態を切り替える監視状態切替部と、前記動作モード切替部による前記擬似動作モードへの切り替えに際して、前記複数のセンサのうち所望のセンサを選択することで、前記擬似動作モードで不要なセンサから送信される前記検知信号を前記検知部において無効化させる状態とし、前記動作モード切替部により前記擬似動作モードから前記通常動作モードに切り替えられたことを条件として、前記擬似動作モードで不要なセンサからの前記検知信号を有効化する状態に戻すセンサ選択部と、前記通常動作モード下において、前記監視状態切替部により前記警備状態に切り替えられたことを条件として、前記検知部により前記異常を検知した場合に前記警報動作を行う報知部と、を備え、前記動作モード切替部は、監視センタに対して前記通常動作モードから前記擬似動作モードに切り替える旨の信号または前記擬似動作モードから前記通常動作モードに切り替える旨の信号を送信する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかる警備装置は、警備装置の操作説明に際して監視領域への出入りの検知に必要のない検知信号を無効化する設定作業を容易にし、ユーザへの監視状態切り替え操作の説明を円滑に行うことができるとともに、操作説明後に、検知信号を無効化する設定の解除を忘れることがなくなり、警備状態で監視領域への侵入者があった場合に監視センタに警報を出力できない失報事故の発生を防止することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施の一形態にかかる警備システムの配置例を示す図である。
図2図2は、警備装置を含む警備システムを示すブロック図である。
図3図3は、サブ操作部を示す正面図である。
図4図4は、メイン操作部を示す正面図である。
図5図5は、警備装置の機能を示す機能ブロック図である。
図6図6は、警備装置における操作説明処理の退館の手順を示すフローチャートである。
図7図7は、警備装置における操作説明処理の入館の手順を示すフローチャートである。
図8図8は、操作説明処理の際の画面遷移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる警備装置およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態はあくまで一例を示すものであり、本発明を限定するものではない。
【0018】
ここで、図1は本実施の一形態にかかる警備システム1の配置例を示す図、図2は警備装置100を含む警備システム1を示すブロック図である。図1に示すように、警備システム1は、警備装置100と、複数の人感センサ101と、開閉センサ102と、サブ操作部110と、メイン操作部140と、を備えている。警備装置100は、監視対象となる監視領域Aに設置され、監視領域Aの警備を行うものである。本実施の形態の監視領域Aは、例えばオフィスであるとする。監視領域Aには、複数の人感センサ101および開閉センサ102が設置されている。なお、図1では開閉センサ102を1つのみ図示しているが、これに限るものではなく、複数の開閉センサ102が設置されていても良い。
【0019】
図2に示すように、警備装置100は、ネットワーク200を介して監視センタ300と接続されている。ネットワーク200は、電話回線、無線ネットワーク、インターネットなどである。また、警備装置100は、複数の人感センサ101および開閉センサ102を接続する。
【0020】
監視センタ300は、監視領域Aの異常を検知した警備装置100からの警報出力を受け、待機中の警備員に対して異常が検知された監視領域Aへ向かう旨の指示を出すとともに、必要に応じて警察や消防など関係機関への通報を行う。また、監視センタ300は、監視領域Aの異常を検知した警備装置100からの警報出力を受けた場合、監視領域Aの外にいるユーザが所持する携帯電話等の携帯端末にその旨の連絡を送信する構成としてもよい。
【0021】
人感センサ101は、監視領域A内に複数設置され、当該監視領域Aに存在する人等を検知した場合、警備装置100に検知信号を送信する。人感センサ101としては、例えば、赤外線の受光量の変化をもとに人の存在を検出する赤外線センサ、赤外線などの受信が遮断されることで人の存在を検出する遮断センサ等が該当する。
【0022】
開閉センサ102は、監視領域Aの出入口に設置される扉の開閉を検出した場合に検知信号を送信する。開閉センサ102は、マグネットにより扉の開閉を検出するマグネットセンサ等が該当する。
【0023】
次に、警備装置100の詳細について説明する。
【0024】
警備装置100は、監視領域Aの監視状態が警備状態であるときに、監視領域Aに入館した不正な入館者(侵入者)などの異常を検知した場合、監視センタ300に異常通報したり、監視領域A内に警報を出力したりする。
【0025】
ここで、「監視状態」とは、監視領域Aにおいて異常検知した際の通報先への警報出力の可否などを定めたものであり、異常を検知したときの警備装置100の動作を決定するものである。通常の動作モードである通常動作モード下における監視状態としては、警備状態、警備解除状態がある。
【0026】
まず、「警備状態」とは、通常動作モード下において、主にユーザが退館後、警備を必要とする場合に設定する監視状態である。「警備状態」とは、人感センサ101または開閉センサ102から送信される検知信号を警備装置100が受信した場合に、監視センタ300に異常を知らせる警報を出力する等の警報動作を行う状態である。警報動作は、監視センタ300への警報送信、監視領域Aへの報知、履歴を残す動作である。
【0027】
また、「警備解除状態」とは、通常動作モード下において、主にユーザがオフィス内に在席中、警備を必要としない場合に設定する監視状態である。「警備解除状態」とは、人感センサ101または開閉センサ102から送信される検知信号を警備装置100が受信した場合でも、監視センタ300への警報の出力等の警報動作を行わず、監視領域Aにおける異常があるとは判断しない状態である。これは、人感センサ101または開閉センサ102により検知(人の存在の検知、扉の開閉の検知)しても、オフィス内に在館中のユーザを検知したものと判断するためである。
【0028】
また、警備装置100は、「通常動作モード」とは別に、警備システム1の監視領域Aへの設置に際し、ユーザに対して警備装置100の警備開始操作や警備解除操作等の操作説明を行う際に用いる「擬似動作モード」を有している。擬似動作モード下における監視状態としては、警備状態(以下、擬似警備状態とする)、警備解除状態(以下、擬似警備解除状態とする)がある。
【0029】
「擬似警備状態」は、擬似動作モード下において、説明担当者によるユーザに対する警備装置100の操作説明に際して、警備開始操作を行う退館時や警備解除操作を行う入館時に監視領域への出入りの検知に必要のないセンサ(人感センサ101または開閉センサ102)からの検知信号を受信した場合でも受信していないものとする無効化設定が警備装置100に設定されている状態である点で、上述した警備状態とは異なる。すなわち、「擬似警備状態」では、警備装置100の操作説明に際して、警備開始操作時の退館時や警備解除操作時の入館時に監視領域への出入りの検知に必要のないセンサ(人感センサ101または開閉センサ102)によって異常を検知したときに発せられる検知信号を受信した場合でも、受信していないものとするため、警報動作自体を行わない。
【0030】
「擬似警備解除状態」は、擬似動作モード下において、説明担当者によるユーザに対する警備装置100の操作説明に際して、警備開始操作時の退館時や警備解除操作時の入館時に監視領域への出入りの検知に必要のないセンサ(人感センサ101または開閉センサ102)からの検知信号を受信した場合でも受信していないものとする無効化設定が警備装置100に設定されている状態である点で、上述した警備解除状態とは異なる。
【0031】
図2に示すように、警備装置100は、サブ操作部110と、入出力制御部120と、通信制御部130と、メイン操作部140と、制御部150と、タイマTと、を主に備える。ここで、メイン操作部140と、入出力制御部120と、通信制御部130と、制御部150と、タイマTとは、警備装置100の本体100aに備えられている。
【0032】
なお、図1および図2では、メイン操作部140とサブ操作部110との両方が設けられているが、メイン操作部140のみが設けられていてもよいし、サブ操作部110のみが設けられていてもよい。
【0033】
制御部150は、警備装置100の各部を制御するものである。制御部150は、例えばCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶部とを備えたハードウェア構成となっている。記憶部は、制御部150が動作する上で必要な各種プログラムやパラメータ等を記憶している。制御部150は、CPUが記憶部に格納されたプログラムに基づいて動作することにより、各種処理を実行する。
【0034】
図1に示すように、サブ操作部110は、監視領域Aの出入口の外側に備えられている。なお、サブ操作部110は、監視領域Aの出入口の外側に備えられているものに限るものではなく、監視領域Aの出入口の内側に備えられていても良い。サブ操作部110は、表示部や操作部を備えた操作表示部111を有する。なお、特に図示しないが、操作表示部111は、カード読み取り部やテンキー入力部を有していても良い。サブ操作部110は、操作表示部111から監視領域Aに対して入館または退館する者(ユーザ)による操作入力を受け付ける。
【0035】
具体的には、サブ操作部110は、通常動作モード下において、監視領域Aへの入館者により、監視状態を警備状態から警備解除状態に切り替える切替操作による入館操作を受け付けたり、監視領域Aからの退館者により、監視状態を警備解除状態から警備状態に切り替える切替操作による退館操作などを受け付けたりする。そして、サブ操作部110は、受け付けた切替操作に応じて切り替わる監視状態(警備状態または警備解除状態)を示す切替信号を、警備装置100の制御部150に送出する。
【0036】
また、サブ操作部110は、説明担当者によるユーザに対する警備装置100の操作説明に際して、説明担当者により、通常動作モードから擬似動作モードへの切替操作を受け付ける。また、サブ操作部110は、説明担当者によるユーザに対する警備装置100の操作説明の終了後に、説明担当者により、擬似動作モードから通常動作モードに切り替える切替操作を受け付ける。そして、サブ操作部110は、受け付けた切替操作に応じて切り替わる擬似動作モードまたは通常動作モードを示す切替信号を、警備装置100の制御部150に送出する。
【0037】
サブ操作部110は、擬似動作モード下において、説明担当者により、擬似警備状態から擬似警備解除状態に切り替える切替操作による入館操作を受け付けたり、説明担当者により、擬似警備解除状態から擬似警備状態に切り替える切替操作などを受け付けたりする。そして、サブ操作部110は、受け付けた切替操作に応じて切り替わる擬似警備状態または擬似警備解除状態を示す切替信号を、警備装置100の制御部150に送出する。
【0038】
ここで、図3はサブ操作部110を示す正面図である。図3に示すように、サブ操作部110の操作表示部111は、警備開始を宣言する操作部である警備開始ボタン112、警備解除を宣言する操作部である警備解除ボタン113、ランプ点灯時に監視状態が警備状態(警備中)であることを示す表示部である警備ランプ114、ランプ点灯時に戸締り異常であることを示す表示部である戸締り異常ランプ115を備えている。なお、「戸締り異常」とは、人感センサ101および開閉センサ102が一つでも検知状態にある場合をいう。
【0039】
監視状態を警備状態または擬似警備状態に遷移させる際に、警備開始ボタン112は、押下される。なお、監視状態を警備状態または擬似警備状態に遷移させる場合、警備開始ボタン112の押下後、警備装置100は、所定の操作を要求する。このように二段階の操作を要求することにより、戸締り異常の状態で切り替え操作を行うことを防止することができる。また、戸締り異常ランプ115が点灯する戸締り異常の状態で警備開始ボタン112が押下されると、警備装置100は、異常があるので警備できない旨を出力する。
【0040】
監視状態を警備解除状態または擬似警備解除状態に遷移させる際に、警備解除ボタン113は、押下される。なお、監視状態を警備解除状態または擬似警備解除状態に遷移させる場合、警備解除ボタン113の押下後、警備装置100は、所定の操作を要求する。このように二段階の操作を要求することにより、警備解除中であるにもかかわらず、切り替え操作をしてしまい、人がいる状態で警備状態になることを防止することができる。このようにするのは、二段階操作でない場合には、警備開始操作と警備解除操作が所定の操作のみの全く同じ操作になってしまうためである。すなわち、二段階操作でない場合には、所定の操作がカード操作であれば、カードをかざす操作だけになってしまう。このため、二段階操作でない場合には、監視状態を確認せずにカードをかざしてしまうと、警備解除状態で監視領域Aに人がいるにもかかわらず監視状態が警備状態に切り替わってしまい、検知信号を受信した警備装置100は警部動作を行ってしまうことになる。
【0041】
警備ランプ114は、監視状態が警備状態または擬似警備状態である場合には点灯し、監視状態が警備解除状態または擬似警備解除状態である場合には消灯する。戸締り異常ランプ115は、戸締りに異常が有る場合には点灯し、戸締りに異常がない場合には消灯する。
【0042】
メイン操作部140は、警備装置100の本体100aに備えられている。メイン操作部140は、表示部、操作部やテンキー入力部を備える操作表示部141を有する。メイン操作部140は、操作表示部141から監視領域Aに対して入館または退館する者(ユーザ)による操作入力を受け付ける。
【0043】
具体的には、メイン操作部140は、通常動作モード下において、監視領域Aへの入館者により、監視状態を警備状態から警備解除状態に切り替える切替操作による入館操作を受け付けたり、監視領域Aからの退館者により、監視状態を警備解除状態から警備状態に切り替える切替操作による退館操作などを受け付けたりする。そして、メイン操作部140は、受け付けた切替操作に応じて切り替わる監視状態(警備状態または警備解除状態)を示す切替信号を、警備装置100の制御部150に送出する。
【0044】
また、メイン操作部140は、説明担当者によるユーザに対する警備装置100の操作説明に際して、説明担当者により、通常動作モードから擬似動作モードへの切替操作を受け付ける。また、メイン操作部140は、説明担当者によるユーザに対する警備装置100の操作説明の終了後に、説明担当者により、擬似動作モードから通常動作モードに切り替える切替操作を受け付ける。そして、メイン操作部140は、受け付けた切替操作に応じて切り替わる擬似動作モードまたは通常動作モードを示す切替信号を、警備装置100の制御部150に送出する。
【0045】
メイン操作部140は、擬似動作モード下において、説明担当者により、擬似警備状態から擬似警備解除状態に切り替える切替操作による入館操作を受け付けたり、説明担当者により、擬似警備解除状態から擬似警備状態に切り替える切替操作などを受け付けたりする。そして、メイン操作部140は、受け付けた切替操作に応じて切り替わる擬似警備状態または擬似警備解除状態を示す切替信号を、警備装置100の制御部150に送出する。
【0046】
ここで、図4はメイン操作部140を示す正面図である。図4に示すように、メイン操作部140の操作表示部141は、液晶画面である表示部142、警備開始を宣言する操作部である警備開始ボタン143、警備解除を宣言する操作部である警備解除ボタン144、操作部である戸締り確認ボタン145、テンキー入力部であるテンキー146、操作部である取消ボタン147、操作部である決定ボタン148を備えている。また、図4に示すように、メイン操作部140の操作表示部141は、警備開始ボタン143の上部に警備状態または擬似警備状態である場合に点灯するLED143a、警備解除ボタン144の上部に警備解除状態または擬似警備解除状態である場合に点灯するLED144a、戸締り確認ボタン145の上部に戸締りに異常がある場合に点灯するLED145aを備えている。
【0047】
監視状態を警備状態または擬似警備状態に遷移させる際に、警備開始ボタン143は、押下される。なお、監視状態を警備状態または擬似警備状態に遷移させる場合、警備開始ボタン143の押下後、警備装置100は、所定の操作(例えば、テンキー146から所定の番号の入力)を要求する。このように二段階の操作を要求することにより、戸締り異常の状態で切り替え操作を行うことを防止することができる。また、戸締り異常の状態で警備開始ボタン143が押下されると、警備装置100は、異常があるので警備できない旨を出力する。
【0048】
監視状態を警備解除状態または擬似警備解除状態に遷移させる際に、警備解除ボタン144は、押下される。なお、監視状態を警備解除状態または擬似警備解除状態に遷移させる場合、警備解除ボタン144の押下後、警備装置100は、所定の操作を要求する。このように二段階の操作を要求することにより、警備解除中であるにもかかわらず、切り替え操作をしてしまい、人がいる状態で警備状態になることを防止することができる。
【0049】
また、警備開始ボタン143の上部のLED143aは、監視状態が警備状態(警備中)である場合、または擬似動作モードが擬似警備状態である場合に点灯する。警備解除ボタン144の上部のLED144aは、監視状態が警備解除状態である場合、または擬似動作モードが擬似警備解除状態である場合に点灯する。戸締り確認ボタン145の上部のLED145aは、戸締りに異常が有る場合には点灯し、戸締りに異常がない場合には消灯する。
【0050】
入出力制御部120は、人感センサ101および開閉センサ102の入力制御等、種々のデータの入出力を制御する。
【0051】
通信制御部130は、警備装置100とネットワーク200との間における通信を制御する。通信制御部130は、具体的にはネットワークボードなどが該当する。
【0052】
タイマTは、後述するタイマ起動部152(図5参照)により設定された所定のタイマ時間(例えば、60秒)を計時する。
【0053】
次に、警備装置100が備える機能について説明する。
【0054】
ここで、図5は警備装置100の機能を示す機能ブロック図である。図5に示すように、制御部150は、CPUが記憶部(ROMやRAMなど)に記憶されたプログラムに従って動作することにより、監視状態切替部151と、タイマ起動部152と、報知部153と、監視状態記憶部155と、検知部156と、センサ選択部159と、動作モード切替部160と、動作モード記憶部154と、を備える。
【0055】
動作モード切替部160は、メイン操作部140またはサブ操作部110から通常動作モードまたは擬似動作モードの切替信号を受け取り、通常動作モードまたは擬似動作モードを設定する。
【0056】
動作モード記憶部154は、動作モード切替部160によって通常動作モードまたは擬似動作モードのいずれの動作モードに設定されているかを記憶する。また、動作モード記憶部154は、通常動作モードから擬似動作モードへ切り替えられた場合、擬似動作モードへの切り替え前の通常動作モードの最後の監視状態も記憶する。
【0057】
監視状態切替部151は、メイン操作部140またはサブ操作部110から監視状態の切替信号を受け取る。
【0058】
監視状態切替部151は、受取った切替信号(すなわち、切替操作により指定された監視状態)に従って、後述する監視状態記憶部155に、切り替え後の監視状態を記憶させることにより、現在の監視領域Aにおける監視状態を設定する。
【0059】
本実施の形態では、具体的には、監視状態切替部151は、通常動作モード下において、退館者により操作表示部111または操作表示部141から警備状態の開始操作(警備開始ボタン112(警備開始ボタン143)の押下後に暗証番号入力)を受け付けた場合、監視状態を警備解除状態から警備状態に切り替える。また、監視状態切替部151は、通常動作モード下において、入館者により操作表示部111または操作表示部141から警備状態の解除操作(警備解除ボタン113(警備解除ボタン144)の押下後に暗証番号入力)を受けた場合、監視状態を警備状態から警備解除状態に切り替える。なお、ここでは、二段階操作における所定の操作として暗証番号入力を要求するが、これに限るものではなく、例えばカードからの識別番号の読み取り操作を二段階操作における所定の操作としても良い。
【0060】
さらに、本実施の形態では、監視状態切替部151は、擬似動作モード下において、説明担当者によるユーザに対する警備装置100の操作説明に際して、説明担当者により操作表示部111または操作表示部141から擬似警備状態の開始操作(例えば、テンキー146から所定の番号の入力)を受け付けた場合、監視状態を擬似警備解除状態から擬似警備状態に切り替える。
【0061】
また、監視状態切替部151は、擬似動作モード下において、説明担当者によるユーザに対する警備装置100の操作説明に際して、説明担当者により操作表示部141から擬似警備状態の解除操作を受けた場合、監視状態を擬似警備状態から擬似警備解除状態に切り替える。
【0062】
検知部156は、監視状態が警備状態または擬似警備状態に切り替えられている状態で、人感センサ101および開閉センサ102から送信される検知信号を受信した場合に、監視領域Aにおける異常を検知する。具体的には、検知部156は、人感センサ101から送信される検知信号によって監視領域Aに在館する人を検知する。検知部156は、開閉センサ102から送信される検知信号によって監視領域Aに人が入館または退館したことを検知する。
【0063】
なお、詳細は後述するが、検知部156は、監視状態が擬似警備状態に切り替えられている状態では、所定のセンサから送信される検知信号を無効化する。
【0064】
監視状態記憶部155は、通常動作モード下において、警備状態と警備解除状態とのいずれであるかを記憶する。また、監視状態記憶部155は、擬似動作モード下において、擬似警備状態と擬似警備解除状態とのいずれであるかを記憶する。
【0065】
タイマ起動部152は、監視領域Aへの出入りの検出に必要なセンサ(例えば、開閉センサ102)によって監視領域Aに人が入館したことが検知された場合、または、メイン操作部140から警備状態または擬似警備状態の開始操作(例えば、警備開始ボタン143の押下後、テンキー146から所定の暗証番号の入力)を受け付けた場合、タイマTに所定のタイマ時間(例えば、60秒)を設定し、タイマTを起動する。
【0066】
報知部153は、通常動作モード下において、監視状態が警備状態に切り替えられている状態で、監視領域Aへの出入りの検出に必要なセンサ(例えば、開閉センサ102)によって監視領域Aに人が入館したことが検知された後、タイマ起動部152により起動されたタイマ時間内に監視状態が警備状態から警備解除状態に切り替えられなかった場合、警報動作を実行する。警報動作を実行する場合、報知部153は、監視センタ300への警報送信、監視領域Aへの報知、履歴を残す動作を並列に行う。報知部153は、設定されたタイマ時間経過前は、監視領域Aへの出入りの検出に必要なセンサ(例えば、開閉センサ102)から検知信号を受信した場合であっても、当該検知信号を一時留保し、警報動作を行わない。また、監視領域Aへの出入りの検出に必要なセンサ(例えば、開閉センサ102)以外からの検知信号を受信した場合、報知部153は、警報動作を実行することになる。そのため、通常動作モード下において、入退館タイマの説明をする場合には、監視領域Aへの出入りの検出に必要なセンサ(例えば、開閉センサ102)以外からの検知信号を受信した場合、報知部153は警報動作を実行することになるので、説明が中断されることになる。
【0067】
また、検知部156は、通常動作モード下において、監視状態が警備解除状態に切り替えられている状態で、メイン操作部140から警備状態の開始操作(例えば、警備開始ボタン143の押下後、テンキー146から所定の暗証番号の入力)が行われるまで、監視領域Aへの出入りの検出に必要なセンサ(例えば、開閉センサ102)からの検知信号を受信した場合、検知信号を無効化する。このようにするのは、退館操作時に警備開始ボタン143を押下できるようにするためである。また、検知部156は、警備状態の開始操作に伴うタイマ起動部152によるタイマ起動後、監視領域Aへの出入りの検出に必要なセンサ(例えば、開閉センサ102)からの検知信号を有効にするが、報知部153は警報動作を行わない。このようにするのは、タイマ終了までに監視領域Aへの出入りの検出に必要なセンサ(例えば、開閉センサ102)について検知していない状態にする必要があるため、状態を確認する必要があるからである。
【0068】
また、報知部153は、擬似動作モード下において、監視状態が擬似警備状態に切り替えられている状態で、監視領域Aへの出入りの検出に必要なセンサ(例えば、開閉センサ102)からの検知信号を検知部156が受信した後、すなわち監視領域Aに人が入館したことが検知された後、タイマ起動部152により起動されたタイマ時間内に監視状態が擬似警備状態から擬似警備解除状態に切り替えられなかった場合であっても、監視センタ300に警報出力は行わない。なお、報知部153は、監視センタ300に警報出力は行わないとしたが、警報動作として、監視領域Aへの報知、履歴を残す動作を行う。
【0069】
また、検知部156は、擬似動作モード下において、監視状態が擬似警備解除状態に切り替えられている状態で、メイン操作部140から警備状態の開始操作(例えば、警備開始ボタン143の押下後、テンキー146から所定の暗証番号の入力)が行われるまで、監視領域Aへの出入りの検出に必要なセンサ(例えば、開閉センサ102)以外からの検知信号は無効化されていて、監視領域Aへの出入りの検出に必要なセンサ(例えば、開閉センサ102)からの検知信号を受信した場合、検知信号を無効化する。このようにするのは、退館操作時に警備開始ボタン143を押下できるようにするためであるとともに、退館説明時に人が動いていても説明を妨げないようにするためである。また、検知部156は、警備状態の開始操作に伴うタイマ起動部152によるタイマ起動後、監視領域Aへの出入りの検出に必要なセンサ(例えば、開閉センサ102)からの検知信号を有効にするが、報知部153は警報動作を行わない。このようにするのは、タイマ終了までに監視領域Aへの出入りの検出に必要なセンサ(例えば、開閉センサ102)について検知しない状態にする必要があるため、状態を確認する必要があるからである。
【0070】
センサ選択部159は、通常動作モードから擬似動作モードへの切り替え時、または擬似動作モードにおいて検知信号を無効化するセンサ(擬似動作モードで不要なセンサ(例えば、監視領域Aへの出入りの検知に不要なセンサ))の選択を受け付ける。ここでは、検知信号を無効化するセンサとして、監視領域Aの出入口に設置される扉に最も近いセンサである開閉センサ102以外を説明担当者が手動で適宜選択することになる。なお、監視領域Aの出入口に設置される扉に最も近いセンサが人感センサ101であれば、当該人感センサ101以外のセンサが選択されても良い。
【0071】
なお、検知信号を無効化する所望のセンサが説明担当者により手動で適宜選択されるのではなく、検知信号を有効化する所望のセンサが説明担当者により手動で適宜選択されるようにしても良い。また、説明担当者が検知信号を無効化する所望のセンサ(または、検知信号を有効化する所望のセンサ)を手動で適宜選択するのではなく、自動的に選択される所望のセンサを予め決めておき、自動的に検知信号を無効化する所望のセンサ(または、検知信号を有効化する所望のセンサ)を選択するようにしても良い。
【0072】
また、センサ選択部159は、動作モード切替部160により擬似動作モードから通常動作モードに切り替えられたことを条件として、選択されたセンサ(開閉センサ102)について選択を解除された状態に戻す。
【0073】
検知部156は、擬似動作モード下において、監視状態が擬似警備状態に切り替えられている状態においては、上述のようにセンサ選択部159において選択された人感センサ101から検知信号を受信した場合であっても、当該検知信号を無効化する。したがって、検知信号が無効化された場合、報知部153は、警報動作を行うことはない。
【0074】
次に、警備装置100における特徴的な処理である操作説明処理について説明する。操作説明処理は、警備装置100の監視状態の切り替え操作等の操作説明を警備会社の説明担当者より受ける際に実行される。ここで、図6は警備装置100における操作説明処理の退館の手順を示すフローチャート、図7は警備装置100における操作説明処理の入館の手順を示すフローチャート、図8は操作説明処理の際の画面遷移を示す図である。
【0075】
まず、退館の手順について説明する。図6に示すように、警備装置100は、図8に示す画面aが表示部142に表示された通常動作モード下において所定の操作が有るまで(ステップS11:No)、待機する。ここで、所定の操作とは、メイン操作部140のテンキー146からの所定の番号の入力等である。
【0076】
なお、所定の操作(例えばテンキー146からの所定の番号の入力)は、通常動作モード下であれば、警備解除状態または警備状態の何れの監視状態であっても良い。ただし、安全のため、「警備解除状態」または「警備員(説明担当者)がいることがわかる状態」であることが望ましい。「警備員(説明担当者)がいることがわかる状態」とは、具体的には、警備員でないとその状態へ遷移できない状態(例えば、警備員が警備システムのメンテナンスを行う状態)、予め警備員がいることを監視センタ300に連絡しておいて警報があっても監視センタ300で無視するようにする状態などが挙げられる。
【0077】
動作モード切替部160は、図8に示す画面aが表示部142に表示された通常動作モード下において所定の操作が有ると(ステップS11:Yes)、ステップS12に進む。
【0078】
次いで、センサ選択部159は、検知信号を無効化するセンサの選択を受け付ける(ステップS12)。ここでは、検知信号を無効化するセンサとして、監視領域Aの出入口に設置される扉に最も近いセンサである開閉センサ102以外を説明担当者が手動で選択する。すなわち、検知部156は、センサ選択部159において選択された人感センサ101から検知信号を受信した場合であっても、当該検知信号を無効化する。
【0079】
検知信号を無効化するセンサが選択されると、動作モード切替部160は、通常動作モードから擬似動作モードに切り替え(画面b)を実行する(ステップS13)。より詳細には、動作モード切替部160は、動作モード記憶部154に現在の動作モードとして擬似動作モードを記憶する。なお、動作モード切替部160は、擬似動作モードへの切り替え前の通常動作モードの最後の監視状態も、動作モード記憶部154に記憶する。図8に示すように、表示部142に表示される画面bには、擬似動作モードに切り替わることを示す「擬似動作モード」の文字が表示される。また、画面bには、「警備開始操作を実施して下さい。」というガイダンスが表示される。
【0080】
ここで、監視状態切替部151は、擬似動作モード下において、画面bに従ってメイン操作部140の警備開始ボタン143が押下されるまで一定時間待機する(ステップS14)。
【0081】
メイン操作部140の警備開始ボタン143の押下が一定時間無かった場合(ステップS14:Yes)、監視状態切替部151は、警備を開始したくないものと判定し、ステップS13に戻る。
【0082】
画面bに従ってメイン操作部140の警備開始ボタン143が押下されると(ステップS14:No)、監視状態切替部151は、図8に示す暗証番号入力画面cを表示部142に表示する(ステップS15)。暗証番号入力画面cには、「暗証番号入力エリア」xとともに、「暗証番号入力エリア」xへのテンキー146による暗証番号入力を促す「暗証番号入力」および暗証番号入力後に決定ボタン148の押下を促す「入力後に決定押下」のガイダンスが表示されている。これは、前述したように、二段階の操作要求により、戸締り異常の状態で切り替え操作を行うことを防止するためである。
【0083】
ここで、監視状態切替部151は、暗証番号入力画面cに入力された暗証番号の正否を判定する。監視状態切替部151は、一定時間、暗証番号入力画面cに従って正しい暗証番号が入力されるまで(ステップS16:No、ステップS17:No)、待機する。
【0084】
監視状態切替部151は、一定時間、正しい暗証番号が入力されなかった場合(ステップS17:Yes)、ステップS13に戻る。
【0085】
次いで、一定時間内に、暗証番号入力画面cに従って正しい暗証番号が入力されると(ステップS16:Yes)、タイマ起動部152は、図8に示す画面dを表示部142に表示するとともに、タイマTに退館にかかる所定のタイマ時間(ここでは、60秒)を設定し、タイマTを起動する(ステップS18)。画面dには、「まもなく警備開始します。」というガイダンスが表示される。なお、この状態においては、メイン操作部140の警備開始ボタン143の上部のLED143aが点滅する。また、サブ操作部110の警備ランプ114が点滅する。
【0086】
なお、タイマ起動部152は、擬似動作モード下における入退館にかかる所定のタイマ時間を、通常動作モード下における入退館にかかる所定のタイマ時間よりも予め短く設定しても良い。説明のためだけに入退館するので、入退館にそれほど時間がかからないと思われるからである。また、タイマ起動部152は、予め設定された入退館にかかる所定のタイマ時間を、所定の操作で短縮または延長できるようにしても良い。
【0087】
この状態で、説明担当者および説明を受けるユーザは、警備装置100の操作説明のために、監視領域Aの出入口に設置される扉から館外(監視領域A外)に出る。なお、擬似動作モード下における擬似警備状態では、検知部156は、選択された人感センサ101から検知信号を受信した場合であっても当該検知信号を無効にするので、説明担当者および説明を受けるユーザ以外の人が監視領域A内に存在していても問題はない。
【0088】
ここで、監視状態切替部151は、タイマTにより計時される退館にかかるタイマ時間(ここでは、60秒)が終了するまで(ステップS19:No)、待機する。
【0089】
監視状態切替部151は、タイマTにより計時される退館にかかるタイマ時間(ここでは、60秒)が終了すると(ステップS19:Yes)、擬似動作モード下において、擬似警備解除状態から擬似警備状態への切り替え(画面e)を実行する(ステップS20)。より詳細には、監視状態切替部151は、監視状態記憶部155に現在の監視状態として擬似警備状態を記憶する。図8に示すように、表示部142に表示される画面eには、「警備を開始します」というガイダンスが表示される。なお、この状態においては、メイン操作部140の警備開始ボタン143の上部のLED143aが点灯する。また、サブ操作部110の警備ランプ114が点灯する。
【0090】
続いて、入館の手順について説明する。図7に示すように、検知部156は、検知部156により検知信号を無効としない開閉センサ102によって扉の開閉が検知されたと判断するまで(ステップS21:No)、待機する。警備装置100の操作説明のために、説明担当者の指示の下にユーザが、監視領域Aの出入口に設置される扉を開けて入館するものとする。なお、擬似動作モード下における擬似警備状態では、検知部156は、選択された人感センサ101から検知信号を受信した場合であっても当該検知信号を無効にするので、説明担当者および説明を受けるユーザ以外の人が監視領域A内に存在していても問題はない。
【0091】
扉が開けられると、検知部156は、開閉センサ102によって扉の開閉を検知したときに発せられる検知信号を入出力制御部120を介して受信する。
【0092】
検知部156により開閉センサ102によって扉の開閉が検知されたと判断した場合(ステップS21:Yes)、タイマ起動部152は、タイマTに入館にかかる所定のタイマ時間(ここでは、60秒)を設定し、タイマTを起動する(ステップS22)。
【0093】
その後、説明担当者および説明を受けるユーザは、警備装置100の操作説明のために、監視領域Aの出入口に設置される扉から館内(監視領域A内)に入り、説明担当者の指示の下にユーザがメイン操作部140の警備解除ボタン144を押下するとともに、暗証番号入力を行う。
【0094】
監視状態切替部151は、タイマTにより計時されるタイマ時間(ここでは、60秒)が終了するまでに、警備解除ボタン144の押下が有ったか否かを判断する(ステップS23)。
【0095】
監視状態切替部151は、タイマ時間が経過するまでに警備解除ボタン144の押下がなかったと判断した場合(ステップS23:No)、擬似動作モード下における擬似警備解除状態への切り替え操作が無かったものとして、擬似動作モード下であるために監視センタ300に警報を出力することなく、監視領域Aへの報知および履歴を残す動作を行い(ステップS33)、後述するステップS27に進む。
【0096】
監視状態切替部151は、タイマ時間が経過するまでに警備解除ボタン144が押下されたと判断した場合(ステップS23:Yes)、図8に示す暗証番号入力画面fを表示部142に表示する(ステップS24)。暗証番号入力画面fには、「暗証番号入力エリア」yとともに、「暗証番号入力エリア」yへのテンキー146による暗証番号入力を促す「暗証番号入力」および暗証番号入力後に決定ボタン148の押下を促す「入力後に決定押下」のガイダンスが表示されている。これは、前述したように、二段階の操作要求により、警備解除中であるにもかかわらず、切り替え操作をしてしまい、人がいる状態で警備状態になることを防止するためである。なお、入館にかかる所定のタイマ時間のカウントダウン表示が併せて表示されても良い。
【0097】
ここで、監視状態切替部151は、暗証番号入力画面fに入力された暗証番号の正否を判定する。監視状態切替部151は、暗証番号入力画面fに従って正しい暗証番号が入力されるまでタイマ時間だけ待機する(ステップS25)。
【0098】
なお、暗証番号入力画面fに従って誤った暗証番号が入力された場合は、監視状態切替部151は、暗証番号が間違っている旨を報知した後、再度、図8に示す暗証番号入力画面fを表示部142に表示する。
【0099】
タイマ時間が経過するまでに暗証番号入力画面fに従って正しい暗証番号が入力されない場合(ステップS25:No)、報知部153は、擬似動作モード下における擬似警備解除状態への切り替え操作が無かったものとして、擬似動作モード下であるために監視センタ300に警報を出力することなく、監視領域Aへの報知および履歴を残す動作を行い(ステップS33)、処理を終了する。
【0100】
次いで、タイマ時間が経過するまでに暗証番号入力画面fに従って正しい暗証番号が入力されると(ステップS25:Yes)、監視状態切替部151は、擬似動作モード下における擬似警備解除状態への切り替え(画面g)を実行する(ステップS26)。より詳細には、監視状態切替部151は、監視状態記憶部155に現在の監視状態として擬似警備解除状態を記憶する。図8に示すように、表示部142に表示される警備解除画面gには、「警備を解除します」というガイダンスが表示される。なお、この状態においては、メイン操作部140の警備開始ボタン143の上部のLED143aが消灯し、警備解除ボタン144の上部のLED144aが点灯する。また、サブ操作部110の警備ランプ114が消灯する。
【0101】
その後、動作モード切替部160は、所定の操作が有るまで(ステップS27:No)、待機する。ここで、所定の操作とは、メイン操作部140のテンキー146からの所定の番号の入力等である。
【0102】
そして、所定の操作が有った場合(ステップS27:Yes)、動作モード切替部160は、図8に示す画面hを表示部142に表示する(ステップS28)。画面hには、「擬似動作モードを終了します。決定ボタンを押下してください。」というガイダンスが表示される。
【0103】
ここで、動作モード切替部160は、画面hに従ってメイン操作部140の決定ボタン148が押下されるまで待機する(ステップS29)。
【0104】
メイン操作部140の決定ボタン148の押下が一定時間内に無かった場合(ステップS29:No)、擬似動作モードを終了させたくないものとし、ステップS26に戻る。
【0105】
そして、メイン操作部140の決定ボタン148の押下が有った場合(ステップS29:Yes)、動作モード切替部160は、擬似動作モードを抜けて通常動作モードに切り替え(画面a)を実行する(ステップS30)。より詳細には、動作モード切替部160は、動作モード記憶部154に現在の動作モードとして通常動作モードを記憶する。図8に示すように、表示部142に表示される通常動作モードに切り替えられた画面aには、画面b〜hに表示されていた「擬似動作モード」の表示が消えている。
【0106】
また、監視状態切替部151は、動作モード切替部160によって擬似動作モードから通常動作モードに切り替えられる際に、ステップS13で動作モード記憶部154に記憶した擬似動作モードへの切り替え前の通常動作モードの最後の監視状態に切り替える(ステップS31)。監視状態切替部151は、擬似動作モードへの切り替え前の通常動作モードの最後の監視状態を監視状態記憶部155に記憶する。
【0107】
加えて、センサ選択部159は、擬似動作モードから通常動作モードに切り替える際に、検知信号を無効化するセンサとして選択されたセンサ(例えば、人感センサ101)について検知信号を有効化する状態に戻し(ステップS32)、図6に示すステップS11に戻る。
【0108】
このように本実施の形態によれば、動作モード切替部160により通常動作モードから擬似動作モードに切り替えられたことを条件として、センサ選択部159は人感センサ101および開閉センサ102のうち監視領域Aへの出入りの検知に必要な開閉センサ102以外を選択し、開閉センサ102以外の選択された人感センサ101から送信される検知信号を検知部156において無効化する。これにより、報知部153は、擬似動作モードに切り替えられている状態においては、センサ選択部159において開閉センサ102以外の選択された人感センサ101から検知信号を受信した場合であっても、検知部156は当該検知信号を無効化するので、説明担当者および説明を受けるユーザ以外の人が監視領域A内に存在していても問題はなく、操作説明に際して検知信号を無効化する設定作業を容易にし、ユーザへの警備動作の説明を円滑に行うことができる。
【0109】
また、動作モード切替部160により擬似動作モードから通常動作モードに切り替えられたことを条件として、センサ選択部159は検知信号を無効化するセンサとして選択されたセンサ(例えば、人感センサ101)について検知信号を有効化する状態に戻すことにより、操作説明後に、検知信号を無効化する設定の解除を忘れることがなくなり、監視領域Aへの侵入者があった場合に警報出力を実行できない失報事故の発生を防止することができる。
【0110】
なお、本実施形態によれば、所定の操作をトリガーとして、擬似動作モードの開始および終了を行うようにしたが、警備装置100の動作モード切替部160は、所定の操作があった場合、警備装置100から監視センタ300に対して通常動作モードから擬似動作モードに切り替える旨の信号または擬似動作モードから通常動作モードに切り替える旨の信号を送信し、監視センタ300で擬似動作モードの開始および終了を確認するようにしても良い。このように監視センタ300に対して通常動作モードから擬似動作モードに切り替える旨の信号または擬似動作モードから通常動作モードに切り替える旨の信号を送信することにより、監視センタ300においても履歴を残すことができる。また、説明担当者が監視センタ300に監視領域Aを離れることを連絡した後も擬似動作モードから通常動作モードに切り替えられなかった場合には、監視センタ300側で警報を出力するようにしても良い。
【0111】
また、警備装置100の動作モード切替部160は、所定の操作をトリガーとして擬似動作モードに移行して、擬似警備解除状態から擬似警備状態への切り替え(画面e)を実行した後(図6のステップS20)、擬似動作モードの開始からタイマ計時による所定時間(例えば、15分)が経過した場合、操作説明が終了したものとして、擬似動作モードを終了して通常動作モードに切り替えるようにしても良い。これにより、たとえば擬似動作モードへの切り替えが誤操作であった場合にも、安全な状態に移行させることができる(フェールセーフ)。
【0112】
さらに、警備装置100の動作モード切替部160は、所定の操作をトリガーとして擬似動作モードに移行して、擬似警備解除状態から擬似警備状態への切り替え(画面e)を実行した後(図6のステップS20)、擬似動作モード中の最後の操作からタイマ計時による所定時間(例えば、15分)が経過した場合、操作説明が終了したものとして、擬似動作モードを終了して通常動作モードに切り替えるようにしても良い。これにより、たとえば擬似動作モードへの切り替えが誤操作であった場合や、擬似動作モードへの切り替え後に誤操作があった場合にも、安全な状態に移行させることができる(フェールセーフ)。
【0113】
なお、本実施の形態の警備装置100で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0114】
また、本実施の形態の警備装置100で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の警備装置100で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0115】
1 警備システム
100 警備装置
101,102 センサ
146 テンキー
151 監視状態切替部
152 タイマ起動部
153 報知部
156 検知部
159 センサ選択部
A 監視領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8