【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に従う自転車用制御装置は、電動サスペンションおよび電動アジャスタブルシートポストの少なくとも一方を含む自転車用コンポーネントの動作状態を、少なくとも自転車用電動補助ユニットの動作状態に基づいて制御する制御部を備える。
自転車用電動補助ユニットの動作状態は、一般的に、自転車の走行状態に応じて変更される。このため、少なくとも自転車用電動補助ユニットの動作状態に基づいて自転車用コンポーネントの動作状態が制御されることにより、自転車用コンポーネントの動作状態が自転車の走行状態に応じて自動的に変更される。これにより、ライダーが快適に走行可能な状態が提供される。
【0006】
前記第1側面に従う第2側面の自転車用制御装置において、前記制御部は、自動制御モードと手動制御モードとを備え、前記自動制御モードにおいては、少なくとも自転車用電動補助ユニットの動作状態に基づいて、前記自転車用コンポーネントの動作状態を制御する。
このため、ライダーは、自動制御と手動制御を選択することができ、手動制御モードにおいては、自転車用コンポーネントの動作状態を手動で変更できる。
【0007】
前記第2側面に従う第3側面の自転車用制御装置において、前記制御部は、操作部からの入力に基づいて、前記自動制御モードと前記手動制御モードとを切り替える。
このため、ライダーは、自動制御モードと手動制御モードとを状況に応じて使い分けることができる。
【0008】
前記第1〜第3側面のいずれか1つに従う第4側面の自転車用制御装置において、前記自転車用コンポーネントは、電動サスペンションを含み、前記制御部は、前記電動サスペンションの動作状態を制御する。
電動サスペンションの動作状態が、自転車用電動補助ユニットの動作状態に基づいて自動的に変更されるため、ライダーが快適に走行可能な状態が提供される。
【0009】
前記第4側面に従う第5側面の自転車用制御装置において、前記電動サスペンションの動作状態は、変位状態、トラベル量、減衰力、および、反発力の少なくとも1つを含み、前記制御部は、前記変位状態、前記トラベル量、前記減衰力、および、前記反発力の少なくとも1つを、前記自転車用電動補助ユニットの動作状態に基づいて制御する。
このため、変位状態、トラベル量、減衰力、および、反発力の少なくとも1つが自動的に変更され、ライダーが快適に走行可能な状態が提供される。
【0010】
前記第4または第5側面に従う第6側面の自転車用制御装置において、前記自転車用電動補助ユニットの動作状態は、動作モードを含み、前記制御部は、前記動作モードに基づいて、前記電動サスペンションの動作状態を制御する。
このため、電動サスペンションの動作状態が自動的に変更され、ライダーが快適に走行可能な状態が提供される。
【0011】
前記第6側面に従う第7側面の自転車用制御装置において、前記動作モードは、第1のアシスト比
で自転車の走行をアシストする第1の動作モードを含み、前記制御部は、前記動作モードが前記第1の動作モードである場合、前記電動サスペンションの変位状態がロック状態となるように前記電動サスペンションを制御する。
このため、自転車用電動補助ユニットの動作状態が第1の動作モードである場合に、駆動力が自転車の車輪に効率的に伝達される。
【0012】
前記第7側面に従う第8側面の自転車用制御装置において、前記動作モードは、第2のアシスト比で前記自転車の走行をアシストする第2の動作モードを含み、前記制御部は、動作モードが前記第2の動作モードである場合、前記電動サスペンションの変位状態がアンロック状態となるように前記電動サスペンションを制御する。
このため、自転車用電動補助ユニットの動作状態が第2の動作モードである場合に、自転車に加えられた衝撃が電動サスペンションにより吸収される。
【0013】
前記第8側面に従う第9側面の自転車用制御装置において、前記第2のアシスト比は、前記第1のアシスト比よりも大きい。
このため、アシスト比が小さい場合に駆動力が自転車の車輪に効率的に伝達され、アシスト比が大きい場合に自転車に加えられた衝撃が電動サスペンションにより吸収される。
【0014】
前記第8または第9側面に従う第10側面の自転車用制御装置において、前記電動サスペンションは、フロント電動サスペンションおよびリア電動サスペンションを含み、前記動作モードは、第3のアシスト比で前記自転車の走行をアシストする第3の動作モードを含み、前記制御部は、前記自転車用電動補助ユニットの動作モードが前記第3の動作モードである場合、前記フロント電動サスペンションと前記リア電動サスペンションとを制御する。
このため、フロント電動サスペンションおよびリア電動サスペンションの動作状態が自転車の走行状態に応じて自動的に変更される。
【0015】
前記第10側面に従う第11側面の自転車用制御装置において、前記第3のアシスト比は、前記第1のアシスト比よりも大きい。
このため、アシスト比が比較的大きい場合にフロント電動サスペンションおよびリア電動サスペンションの動作状態が自転車の走行状態に応じて自動的に変更される。
【0016】
前記第11側面に従う第12側面の自転車用制御装置において、前記第3のアシスト比は、前記第2のアシスト比よりも大きい。
このため、アシスト比が大きい場合にフロント電動サスペンションおよびリア電動サスペンションの動作状態が自転車の走行状態に応じて自動的に変更される。
【0017】
前記第10〜第12側面のいずれか1つに従う第13側面の自転車用制御装置において、前記制御部は、トラベル量を変更するよう、前記フロント電動サスペンションおよび前記リア電動サスペンションの少なくとも一方を制御する。
このため、電動サスペンションのトラベル量が自転車の走行状態に応じて自動的に変更される。
【0018】
前記第13側面に従う第14側面の自転車用制御装置において、前記制御部は、前記リア電動サスペンションのトラベル量が前記フロント電動サスペンションのトラベル量よりも大きくなるように前記フロント電動サスペンションおよび前記リア電動サスペンションの少なくとも一方を制御する。
自転車が登り坂を走行しているとき、アシスト比が大きくなる。このため、アシスト比が大きいときにリア電動サスペンションのトラベル量がフロント電動サスペンションのトラベル量よりも大きくなることにより、ライダーは、登り坂に適した姿勢をとることができる。
【0019】
前記第13または第14側面に従う第15側面の自転車用制御装置において、前記制御部は、前記リア電動サスペンションの変位状態と、前記フロント電動サスペンションの変位状態と、がロック状態となるように、前記リア電動サスペンションと、前記フロント電動サスペンションと、を制御する。
自転車が登り坂を走行している場合、アシスト比が大きくなる。このため、アシスト比が大きい場合にリア電動サスペンションおよびフロント電動サスペンションの変位状態がロック状態となることにより、自転車が登り坂を走行している場合に駆動力が自転車の車輪に効率的に伝達される。
【0020】
前記第10〜第12側面のいずれか1つに従う第16側面の自転車用制御装置において、前記制御部は、反発力を制御するよう、前記フロント電動サスペンションと前記リア電動サスペンションの少なくとも一方を制御する。
このため、電動サスペンションの反発力が自転車の走行状態に応じて自動的に変更される。
【0021】
前記第16側面に従う第17側面の自転車用制御装置において、前記制御部は、前記リア電動サスペンションの前記反発力が前記フロント電動サスペンションの前記反発力よりも大きくなるように前記フロント電動サスペンションおよび前記リア電動サスペンションの少なくとも一方を制御する。
自転車が登り坂を走行している場合、アシスト比が大きくなる。このため、アシスト比が大きい場合にリア電動サスペンションの反発力がフロント電動サスペンションの反発力よりも大きくなることにより、ライダーは、登り坂に適した姿勢をとることができる。
【0022】
前記第16または第17側面に従う第18側面の自転車用制御装置において、前記制御部は、前記電動サスペンションの変位状態がアンロック状態となるように前記電動サスペンションを制御する。
自転車が登り坂を走行している場合、アシスト比が大きくなる。このため、アシスト比が大きい場合に電動サスペンションの変位状態がアンロック状態となることにより、自転車が登り坂を走行している場合に自転車に加えられた衝撃が電動サスペンションにより吸収される。
【0023】
前記第1〜第3側面のいずれか1つに従う第19側面の自転車用制御装置において、前記自転車用コンポーネントは、電動アジャスタブルシートポストを含み、前記制御部は、前記電動アジャスタブルシートポストの動作状態を制御する。
このため、電動アジャスタブルシートポストの動作状態が自転車の走行状態に応じて自動的に変更される。
【0024】
前記第19側面に従う第20側面の自転車用制御装置において、前記電動アジャスタブルシートポストの動作状態は、前記電動アジャスタブルシートポストの高さを含み、前記制御部は、前記電動アジャスタブルシートポストの高さを前記自転車用電動補助ユニットの動作状態に基づいて制御する。
このため、電動アジャスタブルシートポストの高さが自転車の走行状態に応じて自動的に変更される。
【0025】
前記第19または第20側面に従う第21側面の自転車用制御装置において、前記自転車用電動補助ユニットの動作状態は、動作モードを含み、前記制御部は、前記動作モードに基づいて、前記電動アジャスタブルシートポストの動作状態を制御する。
このため、電動アジャスタブルシートポストの高さが自転車の走行状態に応じて自動的に変更される。
【0026】
前記第21側面に従う第22側面の自転車用制御装置において、前記動作モードは、第1のアシスト比
で自転車の走行をアシストする第1の動作モード、および、前記第1のアシスト比よりも大きい第3のアシスト比で前記自転車の走行をアシストする第3の動作モードを含み、前記制御部は、前記動作モードが前記第1の動作モードである場合、前記電動アジャスタブルシートポストの高さが第1の範囲に含まれるように前記電動アジャスタブルシートポストを制御し、前記動作モードが前記第3の動作モードである場合、前記電動アジャスタブルシートポストの高さが、前記第1の範囲よりも高い第2の範囲に含まれるように前記電動アジャスタブルシートポストを制御する。
電動アジャスタブルシートポストの高さが高い場合、ライダーは前傾姿勢をとりやすい。電動アジャスタブルシートポストの高さが低い場合、ライダーは後傾姿勢をとりやすい。電動アジャスタブルシートポストの高さが中程度の場合、ライダーは中立姿勢をとりやすい。このため、自転車が登り坂を走行している場合に、ライダーは、前傾姿勢をとりやすい。自転車が平地を走行している場合に、ライダーは、中立姿勢をとりやすい。
【0027】
前記第22側面に従う第23側面の自転車用制御装置において、前記動作モードは、前記第1のアシスト比よりも大きく前記第3のアシスト比よりも小さい第2のアシスト比で前記自転車の走行をアシストする第2の動作モードを含み、前記制御部は、前記動作モードが前記第2の動作モードである場合、前記電動アジャスタブルシートポストの高さが前記第1の範囲に含まれるように前記電動アジャスタブルシートポストを制御する。
このため、ライダーは、アシスト比が第2のアシスト比である場合にクランクに踏力を加えやすい姿勢をとることができる。
【0028】
前記第1〜第23側面のいずれか1つに従う第24側面の自転車用制御装置において、前記電動アジャスタブルシートポストは、固定筒と、シートが取り付けられる可動筒と、前記可動筒を前記固定筒に対して伸長方向に付勢し、任意の位置に固定する付勢機構とを含み、前記電動アジャスタブルシートポストの動作状態は、前記可動筒が前記固定筒に対して固定される固定状態と、前記可動筒が前記固定筒に対して移動可能な移動可能状態と、を含み、前記制御部は、前記動作モードに基づいて、前記電動アジャスタブルシートポストの動作状態を切り替える。
このため、付勢機構を用いてシートを適切な位置に固定できる。
【0029】
前記第24側面に従う第25側面の自転車用制御装置において、前記付勢機構は、前記可動筒を、気圧および油圧の少なくとも一方により付勢する。
このため、付勢機構が付勢する手段を選択することができる。
【0030】
前記第24または第25側面に従う第26側面の自転車用制御装置において、前記制御部は、前記可動筒に加えられる力が所定の値以下であると判断した場合、前記電動アジャスタブルシートポストの動作状態を前記移動可能状態に切り替える。
このため、電動アジャスタブルシートポストへ加える力を弱めることにより、シートの固定を解除できる。
【0031】
前記第1〜第26側面のいずれか1つに従う第27側面の自転車用制御装置において、前記制御部は、自転車の傾きを検出する傾斜センサの検出結果、前記自転車の動力を検出するパワーメータの検出結果、および、前記自転車の車輪の回転速度を検出する回転速度センサの検出結果の少なくとも1つと、前記自転車用電動補助ユニットの動作モードとに基づいて、前記自転車用コンポーネントの動作状態を制御する。
このため、自転車用コンポーネントの動作状態が自転車の走行状態に応じてより詳細に制御される。
【0032】
本発明の第28側面に従う自転車用電動補助ユニットは、前記第1〜第27側面のいずれか1つに従う自転車用制御装置を備える。