(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6799002
(24)【登録日】2020年11月24日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】移送ベルトを有するコンベヤシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 15/10 20060101AFI20201130BHJP
【FI】
B65G15/10
【請求項の数】23
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-550151(P2017-550151)
(86)(22)【出願日】2016年3月11日
(65)【公表番号】特表2018-513078(P2018-513078A)
(43)【公表日】2018年5月24日
(86)【国際出願番号】US2016022079
(87)【国際公開番号】WO2016167907
(87)【国際公開日】20161020
【審査請求日】2019年3月6日
(31)【優先権主張番号】14/689,296
(32)【優先日】2015年4月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508181663
【氏名又は名称】レイトラム,エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】カークパトリック,ジュニア,ポール エドワード
(72)【発明者】
【氏名】マーシャル,アンジェラ ロンゴ
(72)【発明者】
【氏名】ランドラム,ジョン エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ローゼン,ロバート エル.
【審査官】
中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭64−038317(JP,A)
【文献】
特開昭58−052112(JP,A)
【文献】
米国特許第5261527(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 15/00−15/28,15/60−15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側の物品支持面を有し、内側ベルトループを形成するコンベヤベルトであって、前記内側ベルトループが、前記コンベヤベルトが搬送方向に進行する上部搬送路セグメントを含む、コンベヤベルトと、
前記内側ベルトループを包囲する外側ベルトループを形成する平行な複数のベルトストランドとを備え
前記上部搬送路セグメント上において前記コンベヤベルトの物品支持面上で物品が搬送されるように、前記複数のベルトストランドが、前記上部搬送路セグメント上において、前記コンベヤベルトの外側の物品支持面よりも下方の凹所に配置されていることを特徴とするコンベヤ。
【請求項2】
請求項1に記載のコンベヤにおいて、
前記外側ベルトループが、前記上部搬送路セグメントから搬送方向に延びる搬送路延長部を形成し、物品が前記搬送路延長部上において前記複数のベルトストランド上で搬送されることを特徴とするコンベヤ。
【請求項3】
請求項2に記載のコンベヤにおいて、
前記搬送路延長部の端部にノーズバーをさらに含み、前記ノーズバーの周りで前記複数のベルトストランドが方向を変えることを特徴とするコンベヤ。
【請求項4】
請求項1に記載のコンベヤにおいて、
前記ベルトストランドが、ケーブルベルト、Vベルト、リンクベルトおよび歯付きベルトからなる群から選択されたものであることを特徴とするコンベヤ。
【請求項5】
請求項1に記載のコンベヤにおいて、
前記コンベヤベルトを駆動する第1駆動部と、前記複数のベルトストランドを駆動する第2駆動部とをさらに備えることを特徴とするコンベヤ。
【請求項6】
請求項1に記載のコンベヤにおいて、
前記コンベヤベルトループの上部搬送路セグメント上のコンベヤベルトの幅にわたって延びる接続リンクをさらに備え、前記接続リンクが、前記複数のベルトストランドに接続されてメッシュを形成することを特徴とするコンベヤ。
【請求項7】
請求項6に記載のコンベヤにおいて、
前記コンベヤベルトが、当該コンベヤベルトから起立する駆動構造をさらに含み、前記駆動構造が、前記接続リンクに押し付けられて、前記複数のベルトストランドを搬送方向に駆動することを特徴とするコンベヤ。
【請求項8】
請求項1に記載のコンベヤにおいて、
前記外側の物品支持面は、搬送される物品が載る搬送面と、前記搬送面の下方に凹んだ複数の縦方向レーンとを規定し、前記複数のベルトストランドが前記縦方向レーン内に受け入れられていることを特徴とするコンベヤ。
【請求項9】
請求項8に記載のコンベヤにおいて、
前記外側の物品支持面は、前記搬送面を規定する頂点を有する物品支持ローラの複数の縦方向の列を含むことを特徴とするコンベヤ。
【請求項10】
請求項9に記載のコンベヤにおいて、
前記コンベヤベルトが、前記縦方向レーンに駆動構造をさらに含み、前記駆動構造が、前記上部搬送路セグメントに沿って前記複数のベルトストランドと係合して、前記複数のベルトストランドを搬送方向に駆動することを特徴とするコンベヤ。
【請求項11】
請求項10に記載のコンベヤにおいて、
前記駆動構造が、前記複数のベルトストランドを搬送方向に前記上部搬送路セグメントに沿って摩擦で駆動することを特徴とするコンベヤ。
【請求項12】
請求項10に記載のコンベヤにおいて、
前記駆動構造が、前記複数のベルトストランドの駆動受面に係合して前記複数のベルトストランドを搬送方向に前記上部搬送路セグメントに沿って駆動する駆動突起を含むことを特徴とするコンベヤ。
【請求項13】
請求項1に記載のコンベヤにおいて、
前記ベルトストランドが、低摩擦材料からなる上部と、高摩擦材料からなる下部とを有することを特徴とするコンベヤ。
【請求項14】
請求項1に記載のコンベヤにおいて、
搬送方向にエンドツーエンドで配置された複数のコンベヤベルトを含み、その各々が、個々の内側コンベヤベルトループを形成し、
前記複数のベルトストランドが、個々の内側コンベヤベルトループを取り囲む単一の外側ストランドループを形成することを特徴とするコンベヤ。
【請求項15】
請求項1に記載のコンベヤにおいて、
前記複数のベルトストランドから搬送された物品を受け入れるために前記搬送路延長部上で前記複数のベルトストランドと交互に配置された1またはそれ以上の平行な下流ベルトをさらに備えるか、または搬送された物品を前記複数のベルトストランドに供給するために前記搬送路延長部上で前記複数のベルトストランドと交互に配置された1またはそれ以上の平行な上流ベルトをさらに備えることを特徴とするコンベヤ。
【請求項16】
請求項1に記載のコンベヤにおいて、
前記搬送路延長部が、前記上部搬送路セグメントから搬送方向に、または搬送方向と反対の方向に、またはその両方に延びていることを特徴とするコンベヤ。
【請求項17】
請求項1に記載のコンベヤにおいて、
搬送方向を逆にすることができることを特徴とするコンベヤ。
【請求項18】
請求項1に記載のコンベヤにおいて、
前記コンベヤベルトが、ヒンジ継手で互いに連結された剛性ベルトモジュールの一連の横列を含み、平行なベルトストランドが可撓性材料で作られていることを特徴とするコンベヤ。
【請求項19】
上流端から下流端まで搬送方向に縦に延びる搬送路と、
前記搬送路の一部に沿って搬送方向に前進するコンベヤベルトであって、前記コンベヤベルトが、前記下流端の手前のベルト分岐位置で前記搬送路の下方に下がっており、前記コンベヤベルトが、外側の物品支持面を有し、この外側の物品支持面が、搬送される物品が載る搬送面と、前記搬送面の下方に凹んだ複数の縦方向レーンとを規定する、コンベヤベルトと、
前記縦方向レーンに受け入れられ、前記搬送路に沿って前記下流端へと搬送方向に進む複数の平行なベルトストランドとを備え、
搬送される物品が、前記搬送路のベルト分岐位置で前記コンベヤベルトから前記複数のベルトストランドに移送されることを特徴とするコンベヤ。
【請求項20】
請求項19に記載のコンベヤにおいて、
前記コンベヤベルトが、前記ベルト分岐位置の上流のベルト合流位置で前記搬送路に進入し、搬送される物品が、前記搬送路のベルト合流位置で前記複数のベルトストランドから前記コンベヤベルトに移送されることを特徴とするコンベヤ。
【請求項21】
請求項19に記載のコンベヤにおいて、
介在するギャップを横切って搬送方向にエンドツーエンドで配置された複数のコンベヤベルトを備え、前記複数のベルトストランドが、前記介在するギャップを橋渡しすることを特徴とするコンベヤ。
【請求項22】
請求項19に記載のコンベヤにおいて、
複数の平行なベルトストランドと交互に配置されて、搬送された物品を複数のベルトストランドから受け取る1またはそれ以上の平行な下流のベルトをさらに備えることを特徴とするコンベヤ。
【請求項23】
外周を有する第1反転要素と、
外周を有し、前記第1反転要素から間隔を空けて配置された第2反転要素と、
外側搬送面を有し、内側ベルトループを形成するコンベヤベルトであって、前記内側ベルトループが、搬送路セグメントの第1端部の第1反転要素から搬送路セグメントの第2端部の第2反転要素まで搬送方向に延びる上部搬送路セグメントと、第2反転要素と第1反転要素との間の下部戻りセグメントと、前記下部戻りセグメントと搬送路セグメントとの間の前記第1反転要素の外周の一部の周りの第1移行セグメントと、前記搬送路セグメントと前記下部戻りセグメントとの間の前記第2反転要素の外周の一部の周りの第2移行セグメントとを備える、コンベヤベルトと、
外周を有し、搬送方向において搬送路セグメントの第2端部を越えて、または搬送方向とは反対の方向に搬送路セグメントの第1端部を越えて配置された第3反転要素と、
搬送方向に搬送路セグメントに沿って前進し、前記第3反転要素の外周の一部の周りに第3移行セグメントを有する外側ベルトループを形成する複数の平行なベルトストランドとを備え、
前記ストランドの各々が、搬送路セグメントの長さに沿って、前記第3移行セグメント上の第3反転要素の周りを前進し、
前記第3反転要素の反転距離が、前記第2反転要素の反転距離よりも小さく、
前記上部搬送路セグメント上において前記コンベヤベルトの物品支持面上で物品が搬送されるように、前記複数のベルトストランドが、前記上部搬送路セグメント上において、前記コンベヤベルトの外側の物品支持面よりも下方の凹所に配置されている
ことを特徴とするコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して動力駆動コンベヤに関し、より詳細には、コンベヤベルトから物品を取り去る移送ベルトを有するコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
コンベヤベルトがその端部から物品を排出コンベヤ上に排出するために使用される場合、一般に、2つのコンベヤ間のギャップに配置された、固定された移送プレートが使用される。コンベヤベルトが停止したり、あるいは排出する物品がないときに、ベルト物品が移送プレート上で動けなくなることがある。場合によっては、ギャップ内に介在する移送プレート無しに、コンベヤベルトから下流のコンベヤに物品を直接排出することが可能であるときもある。しかしながら、そのギャップは、それらを転倒させることなく、排出される物品の底面に適合する程度に十分に小さくなければならない。コンベヤベルトが長いピッチを有する場合、またはその排出端で大径のスプロケットを通り抜けなければならない場合、ギャップはそれに対応して大きくなり、小さい底面または小さい底特徴部を有する物品を転倒、傾斜、立ち往生させる可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の特徴を具現化するコンベヤの一態様は、コンベヤベルトを備え、このコンベヤベルトが、外側の物品支持面を有するとともに、当該コンベヤベルトが搬送方向に進行する上部搬送路セグメントを含む内側ベルトループを形成する。複数のベルトストランドが、内側ベルトループを包囲する外側ベルトループを形成する。ベルトストランドは、上部搬送路セグメント上において、コンベヤベルトの外側の物品支持面よりも下方の凹所に配置されている。このようにして、搬送路セグメント上において、コンベヤベルトの物品支持面上で物品が搬送される。
【0004】
別の態様は、上流端から下流端まで搬送方向に縦に延びる搬送路と、搬送路の一部に沿って搬送方向に前進するコンベヤベルトとを備え、コンベヤベルトが、下流端の手前のベルト分岐位置で搬送路の下方に下がっている。コンベヤベルトは、外側の物品支持面を有し、この外側の物品支持面が、搬送される物品が載る搬送面と、搬送面の下方に凹んだ複数の縦方向レーンとを規定する。縦方向レーンに受け入れられた平行なベルトストランドは、搬送路に沿って下流端へと搬送方向に進む。搬送された物品は、搬送路のベルト分岐位置でコンベヤベルトから複数のベルトストランドに移送される。
【0005】
更に別の態様は、外周を有する第1反転要素と、外周を有し、前記第1反転要素から間隔を空けて配置された第2反転要素とを備える。コンベヤベルトは、外側搬送面を有し、内側ベルトループを形成する。内側ベルトループは、搬送路セグメントの第1端部の第1反転要素から搬送路セグメントの第2端部の第2反転要素まで搬送方向に延びる上部搬送路セグメントと、第2反転要素と第1反転要素との間の下部戻りセグメントとを有する。ループの第1移行セグメントは、戻りセグメントと搬送路セグメントとの間の第1反転要素の外周の一部の周りに延び、第2移行セグメントは、搬送路セグメントと戻りセグメントとの間の第2反転要素の外周の一部の周りに延びる。外周を有する第3反転要素は、搬送方向において搬送路セグメントの第2端部を越えて、または搬送方向とは反対の方向に搬送路セグメントの第1端部を越えて配置されている。平行なベルトストランドは、搬送方向に搬送路セグメントに沿って前進し、第3反転要素の外周の一部の周りに第3移行セグメントを有する外側ベルトループを形成する。ストランドの各々は、搬送路セグメントの長さに沿って、第3移行セグメント上の第3反転要素の周りを前進する。第3反転要素の反転距離は、第2反転要素の反転距離よりも小さい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本発明の特徴を具体化する移送コンベヤの側面図である。
【
図2】
図2は、
図1のコンベヤの搬送路の一部の等角図である。
【
図3】
図3は、本発明の特徴を具現化する移送コンベヤの別の態様の一部の断面端面図である。
【
図4】
図4は、本発明の特徴を具現化する移送コンベヤの更に別の態様の一部の断面端面図である。
【
図5】
図5は、本発明の特徴を具現化する移送コンベヤの第4態様の一部の断面端面図である。
【
図6】
図6は、
図1と同様の移送コンベヤの排出端部の側面図であるが、ここでは、別個に駆動される移送ベルトが設けられている。
【
図7】
図7は、二次メッシュベルトによって駆動される
図4の主コンベヤベルトの断面端面図である。
【
図8】
図8は、
図1と同様の一連の主コンベヤベルトの上に延びる一組の第二ベルトストランドの部分側面図である。
【
図9】
図9Aおよび
図9Bは、本発明の特徴を具現化する移送コンベヤの別の態様の移送部分の側面図および平面図である。
【
図10】
図10は、送込みコンベヤから物品を移送するために上流に延びるベルトストランドを有する移送コンベヤの一態様の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特徴を具現化する移送コンベヤの一態様が
図1に示されている。コンベヤ10は、内側ベルトループ14または循環路を形成する主コンベヤベルト12と、内側ベルトループの周りに外側ベルトループ18または循環路を形成する第二ベルトコンベヤ16とを備える。内側コンベヤベルトループ14は、コンベヤの搬送路の一部を形成する上部搬送路セグメント20を有し、これに沿って物品22が搬送方向24に搬送される。主コンベヤベルト12は、搬送路セグメントの下流端30で、内側ベルトループ14の上部搬送路セグメント20から、反転要素28の周りの移行セグメント27上の下部戻りセグメント26に移行する。内側ベルトループ14は、搬送路セグメント20の上流端31にある反転要素32の周りに別の移行セグメント29をさらに含む。主コンベヤベルト12は、下部戻りセグメント26から上流側の移行セグメント29上の上部搬送路セグメント20に反対方向に向きを変える。下流側の反転要素28は、例えば、モータ駆動スプロケットまたはプーリセット、または電動式ドラムとすることができる。上流側の反転要素32は、例えば、アイドルスプロケットまたはプーリセット、ローラまたはシューとすることができる。あるいは、ベルト12を戻りセグメント26内で駆動して、2つの反転要素28,32をアイドラとすることもできる。ローラ34またはシューは、主戻りセグメント26内の主コンベヤベルト12を支持する。
【0008】
図1には、モジュラーコンベヤベルトとしての主コンベヤベルト12が示されており、この主コンベヤベルトは、1またはそれ以上の剛性ベルトモジュール36またはスラットの一連の横列から構成され、それらが、隣接するベルト横列間のヒンジジョイント38で互いに連結されている。モジュラーコンベヤベルト12は、隣接するヒンジジョイント38間の距離によって規定されるピッチPを有する。他の要因とともに、剛性ベルトモジュールのピッチPは、反転要素の直径に対して、ベルトが有効に使用される下限を設定する。長いピッチを有する剛性のモジュールで構成されたモジュラーベルトは、大径の反転要素を必要とする。より大きな反転要素は、反転距離Rを増大させ、この反転距離は、ループが搬送路セグメントから分岐する接点Cから、ループが搬送路セグメントに対して最初に垂直になる接点Eまで、反転要素28の周りの移行セグメントに沿って測定されるものである。従って、点Cにおける接線と点Eにおける接線は互いに直交している。また、反転要素の周りに巻き付けられるコンベヤベルトの厚さ、ピッチおよび可撓性も、エンドツーエンドのコンベヤ間の最小間隔に影響を及ぼすが、本出願の目的のために、反転距離Rは、反転要素の外周に沿って測定される距離として定義される。このため、本出願で定義される反転距離は、反転要素の外周形状の特性であり、ベルトとは無関係である。例えば、円形の外周を有する反転要素は、R=πr/2の反転距離を有し、ここで、rは反転要素の半径、すなわち外径の半分である。反転距離Rは、あるコンベヤを別のコンベヤにどれだけ近付けてエンドツーエンドで配置することができるのかに影響を及ぼす。より大きな反転距離は、隣接するエンドツーエンドのコンベヤ間のより大きなギャップを意味する。
【0009】
このギャップを最小にするために、外側ループ18を形成する第二ベルトコンベヤ16は、複数の平行なベルトストランドを備え、それらベルトストランドは、移行セグメント41上の固定されたノーズバーまたは動力付きローラまたはプーリのような小径の反転要素40を巻き付けるのに十分な可撓性を有し、移行セグメント41は、主ベルトの移行セグメント27よりも非常に急に曲がる。そのような可撓性ベルトストランドの例としては、狭いベルト、狭いチェーン、Vベルト、ケーブルベルト、歯付きタイミングベルト、米国ペンシルベニア州マンハイムのFenner Drives社により製造販売されているPowerTwistPlus(登録商標)V−ベルトのようなリンクベルト、およびその他の材料のストランドがある。外側ループを形成するベルトストランド16は、ローラ49またはシューにより第二戻りセグメント47において支持されている。小径の反転要素40は、主ベルトの反転要素28の反転距離よりも遥かに小さい反転距離R’を有する。小径の反転要素40は、主ベルトループ14の搬送路セグメント20の下流に配置されている。第二ベルトストランド16は、主コンベヤベルト12の上側の縦方向レーンで搬送路セグメント20に沿って搬送方向24に進む。ベルトストランド16は、主コンベヤベルト12がベルトストランド16から分岐するベルト分岐位置44から、外側ベルトループの下流側の反転要素40まで、搬送路延長部42を形成する。主コンベヤベルト12上に載っている物品22は、ベルト分岐位置44でベルトストランド16上に移動する。小径の反転要素40は、物品22を排出コンベヤ46に円滑に移送するために、小さなギャップ48を介して、移送コンベヤ10の下流端にあるベルトストランド16の近傍に排出コンベヤを配置することを可能にする。そのギャップ48は、介在する移送ベルトストランド16無しで主コンベヤベルト12自体を排出コンベヤ46から分離するために必要とされるであろうギャップよりも遥かに小さい。
【0010】
図2には、
図1に示すベルトの一態様が示されている。主コンベヤベルト50は、搬送方向24に平行な軸54上で回転するように配置された組み込みローラ52を有するモジュラープラスチックコンベヤベルトである。主コンベヤベルト50は駆動装置56により駆動され、この駆動装置は、モータ58と、駆動軸60に接続されたギアボックス59とを含み、駆動軸には、スプロケットの形態の反転要素が取り付けられている。物品支持ローラ52は縦方向の列で配置されている。縦方向レーン62が縦列の間に形成されている。可撓性ベルトストランド64は縦方向レーン62に受け入れられている。この実施例では、ベルトストランド64は、隣接するベルト横列68間のヒンジジョイント38に沿って搬送方向24と垂直に延びる接続リンク66により連結されて、追加的な製品支持を提供するメッシュベルト69を形成する。接続リンク66およびベルトストランド64の頂点は、主ベルトの搬送路セグメントに沿う物品支持ベルトローラ52の頂点の下に位置する。主コンベヤベルトの搬送路セグメントの端部において、ベルトストランド64はコンベヤベルト50から搬送された物品を取り去る。
【0011】
図3には、
図1のベルトの別の態様が示されている。この態様では、幅の一部が示されている主コンベヤベルト70が、ベルトの厚さ方向に延在する物品支持ローラ72の縦方向の列を有する。ローラの頂部74は搬送面76を規定する。ローラ72の縦列の間の凹状縦方向レーン78には、V溝81を形成する駆動構造80が形成されている。Vベルト82の形態のベルトストランドは、溝81に受け入れられて、搬送路に沿って主コンベヤベルト70により摩擦で駆動される。また、溝を形成する駆動構造80の壁は、そのレーン内のストランドを追跡するのを補助する。Vベルトストランド82の上面84は、搬送面76の下にあり、搬送される物品とは接触しない。ローラ72の上に支持された物品は、コンベヤベルト70の搬送路セグメント下方のベルトローラ72と接触する斜めを向く作動ローラ86によって、ベルト70の一方の側または他方の側に向けて、または離れるように、向きを変えることができる。ベルトローラ72は、ベルトが搬送方向に進む間に、斜めの作動ローラ86上を転がる。作動ローラ86は、ベルトの一方の側から他方の側へ移動させる方向を変えるために、垂直88軸の回りを旋回する。Vベルト82は、二種類の材料から形成することができ、例えば、主コンベヤベルト70をより良好に駆動するために、ゴムまたはエラストマなどの高摩擦材料から形成された下部駆動部83と、非剛性の物品を引っ張ることなく移送部を滑らかに移動させることができるように低摩擦材料から形成された上部物品接触部85とを有する。
【0012】
図4において、主コンベヤベルト90は、積重ねローラ構成を有し、この構成では、下部ローラ92が一対の物品支持上部ローラ93と係合し、それら物品支持上部ローラが、コンベヤベルト90から上方に延びる支持体95に両端が支持される軸91上で、回転可能となっている。下部ローラ92はベルト90の下方に延在しており、それらローラは作動ローラ86により作動されて、
図3と同様に、物品を異なる方向に送ることができる。3つのローラ92,93のセットは、縦方向の列で配置されて、凹状縦方向レーン94の両側部に位置する。ベルトストランド96は、縦方向レーン94の各々に受け入れられている。この実施例では、ベルトストランド96はケーブルベルトとして示されている。ケーブルベルト96の頂点は物品支持ローラ93の頂点の下に位置する。
図7は、
図2の二次メッシュベルト69を有する積重ねローラコンベヤベルト90を示している。メッシュベルト69は、上部ローラ93の頂点の下方に位置している。コンベヤベルト90から起立するローラ支持体95は、横方向接続リンク66を押してメッシュベルト69を駆動する駆動構造としての役割も果たす。また、メッシュベルト69の縦方向ストランド64および横方向接続リンク66は、ベルトローラのセット間の縦方向空間および横方向空間を部分的に埋める。
【0013】
図5の主コンベヤベルト100は、その上面104から起立するリブ102の縦方向の列を有する。リブ102の頂部は、搬送面105を規定する。ベルトによって搬送される物品は、搬送路に沿ってリブ102の上に位置する。リブ102の横方向に隣接する縦列の間には、駆動突起106または歯が規則的な縦方向間隔で形成されている。タイミングベルトのような歯付きベルト108の形態のベルトストランドは、リブ102の隣接する縦列間の凹部110に受け入れられる。コンベヤベルト100の駆動突起106は、歯付きベルト108の底面側の歯112の駆動受面に係合して、搬送路に沿って搬送方向にベルトストランドを駆動する。
【0014】
図3と同様に又は
図5と同様に積極的に、主コンベヤベルトによって摩擦で駆動されることに加えて、ベルトストランド114は、
図6に示すように、それら自体の駆動装置116によって駆動することができる。この実施例では、ベルトストランドは駆動プーリ118によって駆動され、この駆動プーリは、反転要素40の下方に、排出コンベヤから内側に離れた位置に配置されている。snubローラ120は、ベルトストランド114に張力を加え、駆動プーリ118周囲の巻き付け量を増加させる。代わりに、ピンチローラシステム122,118を使用してベルトストランド114を駆動することもできる。ベルトストランドを主コンベヤベルトよりも高速でオーバードライブして搬送路に張力を与えることもできる。そして、
図8は、一連の主コンベヤベルト124に沿って延びる一組の二次ベルトストランド114を示している。ベルトストランド114は、隣接するエンドツーエンドの主コンベヤベルト124の橋渡しを行い、介在するギャップ126を横断して物品を移送する。
【0015】
図9Aおよび
図9Bは、空間132によって分離された平行ベルト130により構成される下流排出コンベヤ128への物品の移送を示している。下流ベルト130は、スプロケットまたはプーリのセットのような反転要素134の周囲で、下流戻り路から下流搬送路に反対方向に向きを変える。上流コンベヤの外側ベルトループを形成する平行ベルトストランド136は、隣接する下流ベルト130間の空間132内に交互に配置されるように延在し、ベルトストランドが搬送方向24に下流ベルトと重なり合う。ベルトストランド136の上部物品搬送面137および下流ベルト130は、ほぼ同一平面上にある。可撓性ベルトストランド136は、下流ベルトの反転要素134の下流に配置された反転要素138の周りで、上流搬送路から上流戻り路に移行する。このため、ベルトストランド上で搬送方向24に搬送される物品は、上流コンベヤと下流コンベヤとの間のギャップを横切る必要なく、平行な下流ベルトに直接移送される。
【0016】
移送コンベヤは、
図10に示すように、上流の送込みコンベヤ140から物品を受け取るように構成することができる。この構成は、
図1に示すものとは逆の構成である。この態様では、第二ベルトコンベヤ16の外側ベルトループ18が、上部搬送路セグメント20から上流に向けて送込みコンベヤ140の排出端近傍の小径の反転要素40まで延びる搬送路延長部142を形成する。搬送される物品は、ベルトストランド16から主コンベヤベルト12に、ベルト合流位置144で移送され、その合流位置で、コンベヤベルトは、搬送路セグメント20の上流端でベルトストランドと合流する。ベルト合流位置は、搬送路の下流端のベルト分岐位置44の上流にある。搬送路セグメント20上において、ベルトストランドは、コンベヤベルトの外側物品支持面146の平面の下にある縦方向凹部に存在し、その結果、物品は主コンベヤベルト12の上で運ばれる。外側ベルトループは、搬送方向が反転可能である双方向動作のために、主ベルト搬送路セグメントの各端部から、搬送路延長部の上流端および下流端にある小径の反転要素によって配置することができる。
【0017】
本発明の特徴を様々な態様に関して説明してきたが、他の態様も可能である。例えば、ベルトストランドは、トラクション・フィード駆動係合(traction-feed drive engagement)で、主コンベヤベルトから起立する駆動ピンを受け入れる穴を含むことができる。別の例として、移行ベルトストランド用の反転要素は、円筒形バーである必要はなく、ベルトストランドが上部搬送路から小さい半径で下部戻り路に移行することを可能にする任意の種類の構造とすることができる。また、コンベヤベルトの上面から突出して示されている種々の構造体(例えば、ローラ、積重ねローラ、リブ)は、物品支持ベルト構造の単なる例に過ぎない。主コンベヤベルトは、剛性のヒンジ付きモジュールからなるモジュラーコンベヤベルトとして説明したが、これは一例に過ぎない。その他のコンベヤベルト、例えばヒンジレスで可撓性のコンベヤベルトは、主ベルトとして機能することができる。そして、
図1は、個々の戻りセグメントを有する主コンベヤベルトおよび第二コンベヤベルトを示すが、特定の構成では、主コンベヤベルトが第二コンベヤベルトに接触する同じ戻り経路内の戻りローラまたはシューにより、双方が支持されるようにすることも可能である。したがって、これらのいくつかの例が示唆するように、請求項の範囲は、本明細書に使用される特定の態様に限定されることを意味するものではない。