特許第6799051号(P6799051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6799051
(24)【登録日】2020年11月24日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】推進装置付き組立式台船
(51)【国際特許分類】
   B63B 35/38 20060101AFI20201130BHJP
   B63H 25/42 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   B63B35/38 B
   B63H25/42 E
   B63H25/42 G
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-228310(P2018-228310)
(22)【出願日】2018年12月5日
(65)【公開番号】特開2020-90184(P2020-90184A)
(43)【公開日】2020年6月11日
【審査請求日】2018年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】592190028
【氏名又は名称】株式会社関海事工業所
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関 勝
【審査官】 米澤 篤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−20527(JP,A)
【文献】 特開2012−171532(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0125248(US,A1)
【文献】 特開2012−232651(JP,A)
【文献】 特開2007−190982(JP,A)
【文献】 特開2007−245947(JP,A)
【文献】 特開2013−52863(JP,A)
【文献】 特開2018−167745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 35/38
B63H 25/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中で浮力を生じる第1フロートと、前記第1フロートに設けられる推進装置とを有する複数の第1ユニットと、
水中で浮力を生じ、前記第1フロートの側部に対して連結される第2フロートを有し、推進装置を有しない複数の第2ユニットと、
を備え、
前記推進装置は、アジマススラスタとして構成され、
前記アジマススラスタは、
前記第1フロート内に設けられる基部と、
水平面内で旋回可能であるように前記基部に接続され、少なくともその一部が前記第1フロートの底部側から突出して前記第1フロートの外部に設けられるポッドと、
前記ポッドに対して取り付けられるプロペラと、を有し、
前記第1及び前記第2フロートは、それぞれ、複数の側面を有する多角柱状に形成され、前記側面同士が当接又は近接した状態で互いに連結され、
前記第1及び前記第2ユニットは、行列状に並列されて互いに接続され、
前記行列状に並列されて互いに接続される、全ての前記第1フロートと、全ての前記第2フロートとが、前記行列状の行方向の長さが同一であり、かつ、前記行列状の列方向の長さが同一であることを特徴とする、推進装置付き組立式台船。
【請求項2】
前記第1及び前記第2フロートは、それぞれ、四角柱状に形成される、請求項に記載の推進装置付き組立式台船。
【請求項3】
前記第1ユニットが、前記行列状の4つの角部それぞれに配置される、請求項2に記載の推進装置付き組立式台船。
【請求項4】
前記第2ユニットが、前記行列状の4つの角部以外の箇所に配置される、請求項3に記載の推進装置付き組立式台船。
【請求項5】
前記第1ユニットは、前記推進装置を駆動するための原動機をさらに有する、請求項1乃至4のいずれかに記載の推進装置付き組立式台船。
【請求項6】
プロセッサによって実行されるとき、GPS信号に基づき前記推進装置の動作を制御することで、前記第1フロートを定点保持制御することが可能なプログラムを有する制御装置をさらに備える、請求項1乃至5のいずれかに記載の推進装置付き組立式台船。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推進装置付き組立式台船に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、水中で浮力を生じる複数のフロートを互いに連結して用いる組立式台船が知られている。このような組立式台船が、例えば、特許文献1で提案されている。
【0003】
特許文献1の組立式台船は、全て同一構造の四角柱状をなす多数のフロータを連結することにより構成される。そして、第1フロータの側面部から突出する連結部材を、第2フロータの側面部の連結部に貫通させて連結するため、隣接するフロータ間の隙間を小さくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−232651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1及びその他の従来からある組立式台船は、一般に、推進装置を備える他の船に牽引されて水上を移動する。しかし、前記他の船を準備することが難しい場合がある。また、前記他の船を準備することに時間やコストがかかってしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、推進装置を備える他の船を準備しなくても、水上を移動することが可能な、推進装置付き組立式台船を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明に係る推進装置付き組立式台船は、水中で浮力を生じる第1フロートと、前記第1フロートに設けられる推進装置とを有する第1ユニットと、水中で浮力を生じ、前記第1フロートの側部に対して連結される第2フロートを有し、推進装置を有しない第2ユニットと、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、推進装置を有する第1ユニットと、推進装置を有しない第2ユニットとが互いに連結して用いられるので、推進装置を備える他の船を準備しなくても、水上を移動することが可能な、推進装置付き組立式台船を提供することができる。
【0009】
前記第1及び前記第2フロートは、それぞれ、複数の側面を有する多角柱状に形成され、前記側面同士が当接又は近接した状態で互いに連結されてもよい。
【0010】
上記構成によれば、第1及び第2ユニットは、それぞれ、安定した状態で容易に連結されることが可能となる。
【0011】
前記第1及び前記第2フロートは、それぞれ、四角柱状に形成されてもよい。
【0012】
上記構成によれば、第1及び第2ユニットは、それぞれ、いっそう安定した状態で容易に連結されることが可能となる。
【0013】
前記第1及び前記第2ユニットの少なくともいずれか一方を複数備えてもよい。
【0014】
上記構成によれば、第1ユニットと第2ユニットを多様な態様で組み立てることが可能となる。
【0015】
前記第1ユニットは、前記推進装置を駆動するための原動機をさらに有してもよい。
【0016】
上記構成によれば、第1ユニットが推進装置に加えて原動機を有するので、例えば、台船全体を小型化することができ、且つ、メンテナンス性を向上させることが可能となる。
【0017】
プロセッサによって実行されるとき、GPS信号に基づき前記推進装置の動作を制御することで、前記第1フロートを定点保持制御することが可能なプログラムを有する制御装置をさらに備えてもよい。
【0018】
上記構成によれば、台船全体を定点保持制御することが可能となる。
【0019】
前記推進装置は、アジマススラスタとして構成され、前記アジマススラスタは、前記第1フロート内に設けられる基部と、水平面内で旋回可能であるように前記基部に接続され、少なくともその一部が前記第1フロートの底部側から突出して前記第1フロートの外部に設けられるポッドと、前記ポッドに対して取り付けられるプロペラと、を有してもよい。
【0020】
上記構成によれば、容易に水上を移動することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、推進装置を備える他の船を準備しなくても、水上を移動することが可能な、推進装置付き組立式台船を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る推進装置付き組立式台船の全体構成を示す概略図であり、(A)が平面図、(B)が側面側から見た部分的な断面図である。
図2】本発明の実施形態に係る推進装置付き組立式台船が備える第1ユニット20単体の全体構成を示す概略図であり、(A)が平面図、(B)が側面図である。
図3】本発明の実施形態に係る推進装置付き組立式台船を定点保持制御するための制御システムを示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係る推進装置付き組立式台船の変形例の全体構成を示す概略図であり、(A)が平面図、(B)が側面側から見た部分的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態に係る推進装置付き組立式台船について図面を参照して説明する。なお、本実施形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、全ての図を通じて、同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0024】
(推進装置付き組立式台船10)
図1は、本発明の実施形態に係る推進装置付き組立式台船の全体構成を示す概略図であり、(A)が平面図、(B)が側面側から見た部分的な断面図である。本実施形態に係る推進装置付き組立式台船10(以下、単に「組立式台船10」と称する)は、例えば、水中貯木場で木材を取り扱う際に用いられる。
【0025】
図1(A)に示すように、本実施形態に係る組立式台船10は、4つの第1ユニット20と、8つの第2ユニット60と、を互いに連結して用いる。具体的には、第1及び第2ユニット20、60を4×3の行列状に並列させて互いに連結して用いる。第1ユニット20が行列の4つの角部(すなわち、1行1列、4行1列、1行3列、及び4行3列の位置)それぞれに配置され、第2ユニット60が残りの箇所に配置される。
【0026】
第1ユニット20は、水中で浮力を生じる第1フロート22を有し、第2ユニット60は、水中で浮力を生じる第2フロート62を有する。本実施形態では、第1及び第2フロート22、62は、それぞれ、中空の四角柱状に形成され、互いに同様の外形及び体積を有する。第1及び第2フロート22、62は、それぞれ、四角柱状に形成されることで、底面及び天面と、当該底面と天面を互いに接続する4つの側面と、を有する。そして、第1フロート22が第1ユニット20の外形を概ね画定し、第2フロート62が第2ユニット60の外形を概ね画定する。
【0027】
図2は、本発明の実施形態に係る組立式台船が備える第1ユニット単体の全体構成を示す概略図であり、(A)が平面図、(B)が側面図である。図2に示すように、第1フロート22は、長さ方向において対向する側面24a、24bと、幅方向において対向する側面24c、24dと、を有する。そして、第1フロート22の4つの側面24a〜24dには、それぞれ、嵌合雌部86及び嵌合雄部68の少なくともいずれか一方が設けられる。嵌合雌部86及び嵌合雄部68は、それぞれ、側面24a〜24dのいずれかの上端から下端までを高さ方向に延びるように配置される。
【0028】
図2(A)に示すように、側面24aの幅方向の一方端部及び他方端部には、それぞれ、嵌合雌部86が設けられる。また、側面24bの幅方向の一方端部及び他方端部には、それぞれ、嵌合雄部68が設けられる。さらに、側面24cの長さ方向の一方端部及び他方端部には、それぞれ、嵌合雌部86が設けられる。また、側面24cの長さ方向の中央部にも嵌合雌部86が2つ設けられる。そして、側面24dの長さ方向の一方端部及び他方端部には、それぞれ、嵌合雄部68が設けられる。また、側面24dの長さ方向の中央部にも嵌合雄部68が2つ設けられる。
【0029】
第2フロート62にも、第1フロート22と同じ構造及び配置で、嵌合雌部86及び嵌合雄部68が設けられるが、ここでは同様となる説明を繰り返さない。
【0030】
第1及び第2フロート22、62を行列状に並列させたとき、互いに隣接する第1フロート22の嵌合雌部86と第2フロート62の嵌合雄部88とが嵌合するか、又は、互いに隣接する第1フロート22の嵌合雄部88と第2フロート62の嵌合雌部86とが嵌合する。或いは、互いに隣接する第2フロート62の嵌合雌部86と第2フロート62の嵌合雄部88とが嵌合する。
【0031】
上記のように、本実施形態に係る組立式台船10は、互いに隣接する第1フロート22と第2フロート62とが嵌合することで(又は互いに隣接する第2フロート62同士が嵌合することで)、4つの第1ユニット20と、8つの第2ユニット60と、を互いに連結することが可能となる。このとき、第1及び第2フロート22、62は、それぞれ、側面同士が当接又は近接した状態で互いに連結される。
【0032】
なお、上記構成によれば、第1ユニット20同士が互いに隣接するような場合、互いに隣接する第1フロート22の嵌合雌部86と第1フロート22の嵌合雄部88とが嵌合することで、第1ユニット20同士を互いに連結することも可能である。
【0033】
再び図1(B)を参照して、第1ユニット20は、第1フロート22に加えて、第1フロート22に設けられるアジマススラスタ30(推進装置)と、当該アジマススラスタ30を駆動するための原動機40と、原動機40に供給される燃料を貯えるための燃料タンク42と、をさらに有する。原動機40及び燃料タンク42は、それぞれ、第1フロート22内に配置される。
【0034】
アジマススラスタ30は、第1フロート22内に設けられる基部32と、水平面内で旋回可能であるように基部32に接続され、第1フロート22の底面側から突出して第1フロート22の外部に設けられるポッド34と、当該ポッド34に対して取り付けられるプロペラ36と、を有する。
【0035】
また、第1ユニット20は、アジマススラスタ30と原動機40との間に設けられる軸部材44及び油圧クラッチ46と、原動機40から第1フロート22の外部へと延びる排気管48と、当該排気管48の先端部に設けられる冷却水膨張タンク50と、をさらに有する。
【0036】
再び図1(A)を参照して、第2ユニット60は、天面に2つの開口(図示せず)が穿設されており、当該2つの開口それぞれが蓋部材64で塞がれている。第2ユニット60は、例えば、当該蓋部材64を取り外すことで、内部空間のメンテナンスを容易に行うことが可能である。なお、第2ユニット60は、上記第1ユニット20とは異なり、アジマススラスタ30等の推進装置を有しない。
【0037】
図3は、本実施形態に係る組立式台船を定点保持制御するための制御システムを示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態に係る組立式台船10は、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)の一部を構成する制御装置52及びGPS受信機54をさらに備える。
【0038】
制御装置52は、GPS衛星90からGPS受信機54を介してGPS信号を受信する。そして、制御装置52は、プロセッサによって実行されるとき、前記GPS信号に基づきアジマススラスタ30(及び原動機40)の動作を制御することで、第1フロート22を定点保持制御することが可能なプログラムを有する。
【0039】
本実施形態に係る組立式台船10は、第1フロート22及びアジマススラスタ30をそれぞれ4つ備える。したがって、制御装置52は、4つのアジマススラスタ30を協働させて、4つの第1フロート22、ひいては組立式台船10全体を定点保持制御することが可能である。
【0040】
制御装置52は、第1ユニット20又は第2ユニット60(例えば、第1フロート22又は第2フロート62の内部空間)に予め設けられてもよいし、第1ユニット20又は第2ユニット60とは別個に設けられてもよい。制御装置52の具体的な構成は特に限定されないが、例えば、公知のプロセッサ(例えば、CPU等)が記憶部(例えば、メモリ等)に格納されるプログラムにしたがって動作することで実現されてもよい。
【0041】
(効果)
本実施形態に係る組立式台船10は、アジマススラスタ30(推進装置)を有する第1ユニット20と、アジマススラスタ30等の推進装置を有しない第2ユニット60とが互いに連結して用いられる。したがって、当該組立式台船10は、推進装置を備える他の船を準備しなくても、水上を移動することが可能となる。
【0042】
さらに、本実施形態に係る組立式台船10は、アジマススラスタ30(及び原動機40)が予め第1ユニット20に組み込まれているので、前記のように組み込まれていない場合と比較して、例えば作業現場までの容易に輸送することができる。また、組立式台船10は、前記のように組み込まれていない場合と比較して、作業現場での組み立ても容易に行うことが可能となる。
【0043】
本実施形態では、第1及び第2フロート22、62は、それぞれ、四角柱状に形成されるので、安定した状態で容易に連結することが可能となる。
【0044】
本実施形態では、第1ユニット20がアジマススラスタ30(推進装置)に加えて原動機40を有するので、例えば、組立式台船10全体を小型化することができ、且つ、メンテナンス性を向上させることが可能となる。
【0045】
本実施形態に係る組立式台船10は、第1フロート22を定点保持制御することが可能なプログラムを有する制御装置52を備えるので、組立式台船10自らを定点保持制御することが可能となる。
【0046】
本実施形態では、推進装置がアジマススラスタ30として構成されるので、容易に水上を移動することが可能となる。また、制御装置52が第1フロート22を容易に定点保持制御することが可能となる。さらに、アジマススラスタ30は、そのポッド34及びプロペラ36が第1フロート22の底面側から突出する構成であるため、互いの側面同士が当接又は近接した状態で連結される第1及び第2フロート22、62の連結を妨げることがない。したがって、第1ユニット20と第2ユニット60をいっそう多様な態様で組み立てることが可能となる。
【0047】
(変形例)
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【0048】
図4は、上記実施形態に係る組立式台船の変形例の全体構成を示す概略図であり、(A)が平面図、(B)が側面側から見た部分的な断面図である。なお、本変形例に係る推進装置付き組立式台船10´(以下、単に「組立式台船10´」と称する)は、第2ユニット60を8つ備えることを除き、上記実施形態に係る組立式台船10と同じ構造である。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
【0049】
図4に示すように、本変形例に係る組立式台船10´は、上記実施形態と同じ態様で第1及び第2ユニット20、60を4×3の行列状に並列させることに加えて、1行1列の位置に配置される第1ユニット20の側面24a(図4において左側面)に対して1つの第2ユニット60が連結され、且つ、4行1列の位置に配置される第1ユニット20の側面24a(同前)に対して1つの第2ユニット60が連結される。
【0050】
なお、上記実施形態から嵌合雌部86及び嵌合雄部88を追加で設けなくても、上記のように第2ユニット60を追加で連結することが可能である。このような態様で第1及び第2ユニット20、60を連結することで、例えば、2行1列の位置に配置される第2ユニット60と、3行1列の位置に配置される第2ユニット60と、追加した2つの第2ユニット60と、で囲まれる位置から起重機のロープを下して水中に沈んだ沈没体の引き上げ作業などを行うことが可能である。
【0051】
このように、上記実施形態に係る推進装置付き組立式台船10は、作業内容にあわせて第1及び第2ユニット20、60を任意に連結して用いることが可能である。例えば、1つのみの第1ユニット20と、1つのみの第2ユニット60とを連結して用いることも可能である。なお、第1及び前記第2ユニット20、60の少なくともいずれか一方を複数備えることで、第1ユニット20と第2ユニット60を多様な態様で組み立てることが可能となる。
【0052】
上記実施形態及びその変形例では、第1及び第2フロート22、62は、それぞれ、四角柱状である場合を説明した。しかし、この場合に限定されず、第1及び第2フロート22、62は、それぞれ、多角柱状であってもよいし、その他の形状であってもよい。なお、第1及び第2フロート22、62は、それぞれ、側面同士が当接又は近接した状態で互いに連結可能であれば、互いに異なる外形を有してもよい。
【0053】
上記実施形態及びその変形例では、推進装置がアジマススラスタ30として構成される場合を説明した。しかし、この場合に限定されず、推進装置は、例えばホールスラスタ等のその他の推進装置として構成されてもよい。
【0054】
上記実施形態及びその変形例では、推進装置がアジマススラスタ30として構成される場合を説明した。しかし、この場合に限定されず、推進装置は、例えばポンプジェット式の推進装置等のその他の推進装置として構成されてもよい。
【0055】
上記実施形態及びその変形例では、組立式台船10(及び組立式台船10´)が、第1フロート20を定点保持制御することが可能な制御装置52及びGPS受信機54を備える場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、組立式台船10は、制御装置52及びGPS受信機54を備えなくてもよい(すなわち、組立式台船10は、定点保持制御されなくてもよい)。これにより、組立式台船10をいっそう簡単な構造にすることが可能となる。
【符号の説明】
【0056】
10 組立式台船
20 第1ユニット
22 第1フロート
24 側面
30 アジマススラスタ
32 基部
34 ポッド
36 プロペラ
40 原動機
42 燃料タンク
44 軸部材
46 油圧クラッチ
48 排気管
50 冷却水膨張タンク
52 制御装置
54 GPS受信機
60 第2ユニット
62 第2フロート
64 蓋部材
86 嵌合雌部
88 嵌合雄部
90 GPS衛星
図1
図2
図3
図4