(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記エステルb)が、1,2−プロパンジオールおよび/または1,3−および/もしくは1,4−ブタンジオールおよび/またはジエチレングリコールおよび/またはジプロピレングリコールおよび/またはポリプロピレングリコールおよび/またはグリセロールおよび/またはペンタエリスリトールおよび/または2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールと、アジピン酸および/またはセバシン酸および/またはコハク酸および/またはフタル酸とのポリエステル、場合によってはさらに、酢酸、および/またはC10〜C18−脂肪酸、および/または2−エチルヘキサノール、および/またはイソノナノールおよび/またはn−オクタノールおよび/またはn−デカノールで末端封止されたもの、ならびにさらには、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソノニル、フタル酸ジプロピルヘプチル、フタル酸ジイソノニル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2−エチルヘキシル)、テトラ吉草酸ペンタエリスリトール、テレフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、三メリット酸トリ(2−エチルヘキシル)、または(C10〜C21)−アルカンスルホン酸フェニルであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
PVC安定剤、潤滑剤、充填剤、顔料、難燃剤、光安定剤、発泡剤、ポリマー性加工助剤、および/または耐衝撃性改良剤を含む群より選択される、1種または複数の添加剤d)が使用されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
請求項1〜7のいずれか一項に記載の前記組成物を製造するためのプロセスであって、成分a)およびb)を共に混合し、次いで成分c)および場合によっては1種または複数の添加剤d)を混ぜ込むことを特徴とする、プロセス。
請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物の使用であって、パイプライン、ケーブル、ワイヤ外装を製造するため、室内構造物における、車両および家具構造物における、床材、医療用物品、食品包装、ガスケット、フィルム、複合フィルム、複合安全ガラスのためのフィルム、合成皮革、玩具、包装容器、接着剤用フィルムストリップ、衣類、コーティング、ならびにさらには布のための繊維における、使用。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、加水分解に対する抵抗性を有し、揮発性が低くそのために放出が回避でき、そしてプラスチックス、特にPVCのための可塑剤として適し、かつそれらの他の特性を犠牲にしない、新規な組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
驚くべきことには、以下の群:
安息香酸のエステル、好ましくは安息香酸のアルキルエステル、C
8〜C
12−モノアルコールの安息香酸モノエステル、およびモノ−、ジ−、トリ−もしくはポリ−アルキレングリコールの安息香酸ジエステル、
脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステル、
脂肪族トリカルボン酸、好ましくはクエン酸のトリアルキルエステル、さらにはクエン酸のアセチル化トリアルキルエステル、
芳香族ジカルボン酸もしくはトリカルボン酸、好ましくはテレフタル酸、フタル酸、またはトリメリット酸の、ジアルキルエステルまたはトリアルキルエステル、
シクロヘキサンジカルボン酸のジアルキルエステル、
脂肪族ジカルボン酸と、脂肪族のジオール、トリオール、およびテトロールまたはポリオールとのポリエステルまたはカルボン酸エステルであって、その末端基が、エステル化されていないか、または単官能化合物、好ましくはモノアルコールまたはモノカルボン酸を用いてエステル化されており、その数平均モル質量が好ましくは1000〜20000g/molであるもの、
グリセロールエステル、
トリメチロールプロパンエステル、
ペンタエリスリトールエステル、
リン酸のジアリールアルキルエステル、トリアリールエステル、および/またはトリアルキルエステル、
アルカンスルホン酸のアリールエステル
から選択される特定のエステルをある種のカーボジイミドと組み合わせて使用すると、上述の目的が達成されることが今や見出された。
【0009】
したがって、本発明は、以下のもの:
(a)式(I)
R
4−R
8−(−N=C=N−R
8−)
m−R
4 (I)
[式中、
mは、2〜500、好ましくは3〜20、極めて特に好ましくは4〜10の整数を表し、
R
8は、合計して7〜30個の炭素原子およびアリーレンを含む、C
1〜C
12−アルキル置換されたアリーレン、C
7〜C
18−アルキルアリール置換されたアリーレン、および、場合によってはC
1〜C
12−アルキル置換された、アルキレンで橋かけされたアリーレンであり、そして
R
4は、−NCO、−NCNR
5、−NHCONHR
5、−NHCONR
5R
6、または−NHCOOR
7である(ここでR
5およびR
6は、同一であるかまたは異なっていて、C
1〜C
12−アルキル、C
6〜C
12−シクロアルキル、C
7〜C
18−アラルキル、またはアリール基を表し、そして、R
7は、C
1〜C
22−アルキル、C
6〜C
12−シクロアルキル、C
6〜C
18−アリール、またはC
7〜C
18−アラルキル基、および2〜22個の炭素原子を有する不飽和アルキル基、またはアルコキシポリオキシアルキレン基を表す)]の、少なくとも1種のポリマー性芳香族カルボジイミド、および
(b)以下のものを含む群から選択される、少なくとも1種または複数のエステル:安息香酸のC
9〜C
10−アルキルエステル、脂肪族ジカルボン酸、好ましくはコハク酸、アジピン酸および/またはセバシン酸のジ−(C
8〜C
12)−アルキルエステル、分岐状もしくは非分岐状のC
2〜C
8−脂肪族ジカルボン酸、好ましくはコハク酸、アジピン酸および/またはセバシン酸、またはこれらのジカルボン酸の混合物と、分岐状もしくは非分岐状のC
2〜C
8−脂肪族ジオールもしくはポリオール、またはそれらの混合物とのポリエステルであって、その末端基が、エステル化されていないか、または単官能化合物、好ましくはC
4〜C
10−モノアルコールまたはC
2〜C
18−モノカルボン酸を用いてエステル化されており、そしてその数平均モル質量が、好ましくは1000〜20000g/molであるもの、クエン酸のトリ(C
2〜C
6)−アルキルエステル、クエン酸のアセチル化トリ(C
2〜C
6)−アルキルエステル、グリセロールエステル、モノ−、ジ−、トリ−もしくはポリ−(C
2〜C
3)−アルキレングリコールの安息香酸ジエステル、トリメチロールプロパンエステル、ペンタエリスリトールエステル、シクロヘキサンジカルボン酸のジ(C
8〜C
12)−アルキルエステル、テレフタル酸のジ(C
8〜C
12)−アルキルエステル、フタル酸のジ(C
8〜C
12)−アルキルエステル、トリメリット酸のトリ(C
8〜C
12)−アルキルエステル、ポリオールのカルボン酸エステル、たとえば、ペンタエリスリトールのテトラ(C
4〜C
8)−カルボン酸エステル、リン酸のトリ(C
6〜C
10)−アリールエステル、リン酸のジ(C
6〜C
10)−アリール(C
8〜C
12)−アルキルエステル、リン酸のトリ(C
8〜C
12)−アルキルエステル、またはC
10〜C
21−アルカンスルホン酸の(C
6〜C
10)−アリールエステル、および
(c)ポリ塩化ビニルまたはポリビニルブチラール、特にはポリ塩化ビニル
を含む組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の文脈においては、成分(c)としては、さらなるプラスチックスも可能であり、それらは、エチレン、プロピレン、ブタジエン、ポリ塩化ビニル、スチレン、またはアクリロニトリルをベースとする、一連のホモポリマーおよびコポリマーから選択される。特に好ましいのは、塩素化ポリエチレン、ニトリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンエラストマーである。
【0011】
本発明の文脈においては、「アルキレン基で橋かけされたアリーレン」という用語は、好ましくは、カルボジミドのそれぞれの−N=C=N−基が、次式
−N=C=N−AR−(Alk)−AR−N=C=N−
のように、−アリーレン(AR)−アルキレン(Alk)−アリーレン(AR)−を介して相互に結合されていると理解されたい。
【0012】
本発明の好ましい実施形態においては、本発明における組成物には、成分c)として、ポリ塩化ビニルまたはポリビニルブチラール、特に好ましくはポリ塩化ビニルが含まれる。
【0013】
好ましいポリマー性芳香族カルボジイミド(a)は、次式:
【化1】
[式中、R
4は、同一であるかまたは異なっていてよく、−NHCONHR
5、−NHCONR
5R
6、または−NHCOOR
7を含む基から選択され(ここで、R
5およびR
6は、同一であるかまたは異なっていて、C
1〜C
12−アルキル、C
6〜C
12−シクロアルキル、C
7〜C
18−アラルキル基、またはアリール基を表し、R
7は、C
1〜C
22−アルキル、C
6〜C
12−シクロアルキル、C
6〜C
18−アリール、またはC
7〜C
18−アラルキル基、および2〜22個の炭素原子、好ましくは12〜20個、特に好ましくは16〜18個の炭素原子を有する不飽和アルキル基、またはアルコキシポリオキシアルキレン基を表す)、
R
1、R
2、およびR
3は、それぞれ独立して、メチルまたはエチルを表すが、ここでそれぞれのベンゼン環は、ただ1個のメチル基を担持し、そしてn=1〜10である。]
のような、末端に尿素基および/またはウレタン基を有するカルボジイミドである。
【0014】
好ましいのは、式(II)のカルボジイミドであって、R
4=−NHCOOR
7(ここで、R
7は、アルコキシポリオキシアルキレン基である)であり、R
1、R
2およびR
3が、それぞれ独立してメチルまたはエチルであり、それぞれのベンゼン環がただ1個のメチル基を含み、そしてn=1〜10、好ましくはn=1〜4、特に好ましくはn=1〜3であるものである。
【0015】
好ましいアルコキシポリオキシアルキレン基は、200〜600g/mol、特に好ましくは350〜550g/molのモル質量を有するポリエチレングリコールモノメチルエーテルである。
【0016】
本発明において採用される式(II)のカルボジイミドのカルボジイミド含量(シュウ酸を用いる滴定によって測定したNCN含量)は、好ましくは2〜10重量%、好ましくは4〜8重量%、特に好ましくは5〜7重量%である。
【0017】
さらに、本発明において採用される式(II)のカルボジイミドは、GPC粘度法で測定して、1000〜5000g/mol、好ましくは1500〜4000g/mol、特に好ましくは2000〜3000g/molの平均モル質量(Mw)を有しているのが好ましい。
【0018】
さらに、1.2〜2.2、特に好ましくは1.4〜1.8の多分散性(D=Mw/Mn)を有している式(II)のカルボジイミドが好ましい。
【0019】
本発明のさらに好ましい実施形態においては、好ましいのは、式(III):
【化2】
[式中、
R
4は、−NHCONHR
5、−NHCONR
5R
6、または−NHCOOR
7を含む基から選択され(ここで、R
5およびR
6は、同一であるかまたは異なっていて、C
1〜C
12−アルキル、C
6〜C
12−シクロアルキル、C
7〜C
18−アラルキル基、またはC
6〜C
18−アリール基を表し、R
7は、C
1〜C
22−アルキル、C
6〜C
12−シクロアルキル、C
6〜C
18−アリール、またはC
7〜C
18−アラルキル基、および2〜22個の炭素原子、好ましくは12〜20個、特に好ましくは16〜18個の炭素原子を有する不飽和アルキル基、またはアルコキシポリオキシアルキレン基を表す)、そしてn=1〜20、好ましくはn=1〜15である。]
のような、末端に尿素基および/またはウレタン基を有するカルボジイミドである。
【0020】
本発明における、特に式(III)のカルボジイミドのカルボジイミド含量(NCN含量、シュウ酸を用いた滴定により測定)は、好ましくは2〜10重量%である。
【0021】
好ましいアルコキシポリオキシアルキレン基は、200〜600g/mol、特に好ましくは350〜550g/molのモル質量を有するポリエチレングリコールモノメチルエーテルである。
【0022】
好ましいのは、式(III)のカルボジイミドであって、R=−NHCOO
7基(ここで、R
7は、アルコキシポリオキシアルキレンまたは、18個の炭素原子を有する不飽和アルキル基である)であり、n=0〜20、好ましくはn=1〜10、特に好ましくはn=2〜8、極めて特に好ましくはn=3〜6であるものである。
【0023】
式(III)のこれら好ましいカルボジイミドのカルボジイミド含量は、好ましくは2〜8重量%、特に好ましくは3〜6重量%、極めて特に好ましくは4〜5重量%である。
【0024】
さらに、本発明における、特に式(III)のカルボジイミドが、GPC粘度法で測定して、1000〜10000g/mol、好ましくは2000〜8000g/mol、特に好ましくは3000〜6000g/molの平均モル質量(Mw)を有しているのが好ましい。
【0025】
本発明におけるカルボジイミドは、市場で入手することが可能な化合物である。しかしながら、たとえば欧州特許第14191710.4号明細書に記載されているプロセスによって、それらを製造してもよい。
【0026】
本発明の文脈においては、成分b)として使用されるエステルは、好ましくは、以下のものである:1,2−プロパンジオールおよび/または1,3−および/または1,4−ブタンジオールおよび/またはジエチレングリコールおよび/またはジプロピレングリコールおよび/またはポリプロピレングリコールおよび/またはグリセロールおよび/またはペンタエリスリトールと、アジピン酸および/またはセバシン酸および/またはコハク酸とのポリエステル、さらには、酢酸、および/またはC
10〜C
18−脂肪酸、および/または2−エチルヘキサノール、および/またはイソノナノールおよび/またはn−オクタノールおよび/またはn−デカノールで末端封止されたもの、ならびにさらには、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸エステル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジプロピルヘプチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2−エチルヘキシル)、テトラ吉草酸ペンタエリスリトール、テレフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、三メリット酸トリ(2−エチルヘキシル)、リン酸ジフェニルイソデシル、リン酸ジフェニル2−エチルヘキシル、リン酸イソプロピルフェニルジフェニル、リン酸tert−ブチルフェニルジフェニル、ならびに(C
10〜C
21)−アルカンスルホン酸フェニル。
【0027】
この場合においては、成分(b)と(a)とを、重量部で(200:1)から(10:1)まで、好ましくは重量部で(50:1)から(20:1)まで、特に好ましくは重量部で(40:1)から(30:1)までの比率で使用するのが好ましい。
【0028】
本発明の文脈においては、使用されるポリ塩化ビニルまたはポリ酪酸ビニルc)は、好ましくは、たとえばInovyn Deutschland GmbHから入手することが可能な、市販のポリマーである。本発明における組成物の中に存在させるポリ塩化ビニルは、当業者に公知の方法、たとえば懸濁法、マイクロ懸濁法、エマルション法、またはバルク重合法に従って塩化ビニルをホモ重合させることによって調製するのが好ましい。
【0029】
本発明のさらなる好ましい実施形態においては、その組成物に添加剤d)がさらに含まれる。
【0030】
ポリ塩化ビニルまたはポリビニルブチラールc)、ポリマー性芳香族カルボジイミドa)、少なくとも1種または複数のエステルb)、および場合によってはさらなる添加剤d)が省略されている、この場合においては、これが、好ましくは、
200重量部の1種または複数のエステルb)対1重量部のポリマー性芳香族カルボジイミドa)から、
10重量部の1種または複数のエステルb)対1重量部のポリマー性芳香族カルボジイミドa)までの範囲であり、そして
ポリマー性芳香族カルボジイミドa)と1種または複数のエステル(可塑剤)b)とを合計したものが、100重量部のポリ塩化ビニルあたり、10〜100重量部の量に相当している。
【0031】
さらに好ましい実施形態においては、そのポリ塩化ビニル含有組成物が、
好ましくは、40重量部の1種または複数のエステルb)対1重量部のポリマー性芳香族カルボジイミドa)から、
30重量部の1種または複数のエステルb)対1重量部のポリマー性芳香族カルボジイミドa)までの範囲で含み、ここで
ポリマー性芳香族カルボジイミドa)と1種または複数のエステル(可塑剤)b)とを合計したものが、100重量部のポリ塩化ビニルあたり、10〜100重量部の量に相当している。
【0032】
さらなる実施形態においては、本発明は、以下のものを含む組成物に関する:a)およびb)、ポリ塩化ビニルまたはポリビニルブチラールc)、ならびに、PVC安定剤、潤滑剤、充填剤、顔料、難燃剤、光安定剤、発泡剤、ポリマー性加工助剤、耐衝撃性改良剤、蛍光増白剤、および帯電防止剤、たとえば、(C
13〜C
17)−アルキルスルホン酸ナトリウム、およびグリセロールモノオレエートを含む群から選択される1種または複数の添加剤d)。
【0033】
この場合において好ましいのは、以下のものを含む組成物である:a)およびb)、ポリ塩化ビニルまたはポリビニルブチラールc)、ならびに、PVC安定剤、潤滑剤、充填剤、顔料、難燃剤、光安定剤、発泡剤、ポリマー性加工助剤、耐衝撃性改良剤、蛍光増白剤、および帯電防止剤、たとえば、(C
13〜C
17)−アルキルスルホン酸ナトリウム、およびグリセロールモノオレエートを含む群から選択される1種または複数の添加剤d)。
【0034】
これらの添加剤d)は、いかなる組み合わせで存在させてもよい。いくつかの好適な添加剤については、以下においてもっと詳しく説明する。列記した例は、単に説明のためのものであって、本発明におけるポリ塩化ビニル調製物に対していかなる限定も加えるものではない。%の数字はすべて、ポリ塩化ビニル含有組成物の場合ならば全部のポリ塩化ビニル調製物の重量に対するものであり、そうでない場合には、成分a)およびb)からなる組成物の重量に対するものである。
【0035】
したがって、以下に記述する添加剤d)、たとえば、好ましくは安定剤、潤滑剤、可塑剤、充填剤、顔料、難燃剤、光安定剤、発泡剤、ポリマー性加工助剤、および/または耐衝撃性改良剤は、ポリ塩化ビニルまたはポリビニルブチラールc)が存在しなくても、a)およびb)と組み合わせて使用することができる。
【0036】
PVC安定剤は、ポリ塩化ビニルの加工中および/または加工後に放出される塩酸を中和する。PVC安定剤として好適なのは、固体または液体の形状にあるすべての慣用されるポリ塩化ビニル安定剤、たとえばエポキシ/亜鉛、Ca/Zn、Ba/Zn、Pb、またはSn安定剤、さらには金属を含まない安定剤、さらには酸結合性の層状ケイ酸塩たとえばハイドロタルサイトである。本発明における組成物、好ましくはポリ塩化ビニル含有組成物には、0〜7%、好ましくは0.1〜5%、特に好ましくは0.2〜4%、特には0.5〜3%の安定剤を好ましくは含むことができる。
【0037】
さらなる好ましい実施形態においては、潤滑剤が、ポリ塩化ビニル粒子相互の間で有効な筈で、混合、可塑化および成形の際の摩擦力を弱める筈である。本発明におけるポリ塩化ビニル含有組成物の中に存在させることができる潤滑剤としては、プラスチックスの加工で慣用されているすべての潤滑剤が挙げられるが、たとえば以下のものである:好ましくは炭化水素、特に好ましくはオイル類、パラフィン、およびPEワックス、6〜20個の炭素原子を有する脂肪族アルコール、ケトン、カルボン酸、好ましくは脂肪酸またはモンタン酸、酸化PEワックス、カルボン酸の金属塩、カルボキサミド、およびカルボン酸とアルコール、好ましくはエタノール、脂肪族アルコール、グリセロール、エタンジオール、ペンタエリスリトールとのエステル、または酸成分としての長鎖カルボン酸。本発明における組成物、好ましくはポリ塩化ビニル含有組成物には、0〜10%、好ましくは0〜5%、特に好ましくは0.1〜3%、特には0.2〜2%の潤滑剤を含んでいるのが好ましい。
【0038】
さらなる好ましい実施形態においては、充填剤が、可塑化させたポリ塩化ビニルの耐圧性、引張強度、および曲げ強度、さらには硬度および耐熱変形性に、特にプラスの影響を与える。本発明における組成物、好ましくはポリ塩化ビニル含有組成物には、充填剤として、以下のものを含むことができる:カーボンブラック、天然の炭酸カルシウム、たとえば、チョーク、石灰石、および大理石、合成の炭酸カルシウム、ドロマイト、シリケート、シリカ、砂、珪藻土、ケイ酸アルミニウムたとえばカオリン、雲母、および長石、その他の無機充填剤および有機充填剤、たとえば、木粉、木材チップ、または木材繊維。使用するのに好適な充填剤は、炭酸カルシウム、チョーク、ドロマイト、カオリン、シリケート、タルク、またはカーボンブラックである。本発明における組成物、好ましくはポリ塩化ビニル含有組成物には、0〜80%、好ましくは0.1〜60%、特に好ましくは0.5〜50%、特には1〜40%の充填剤を含んでいるのが好ましい。
【0039】
本発明における組成物、好ましくはポリ塩化ビニル含有組成物にはさらに、各種可能な用途に合わせて、得られる製品の色を合わせる目的で、顔料をさらに含んでいてもよい。この目的のためには、無機顔料および有機顔料のいずれもが使用される。無機顔料、たとえば、カドミウム顔料たとえばCdS、コバルト顔料たとえばCoO/Al
2O
3、およびクロム顔料たとえばCr
2O
3を使用することが可能である。好適な有機顔料は、たとえば、モノアゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾメチン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン、フタロシアニン顔料、ジオキサジン顔料、およびアニリン顔料である。本発明における組成物、好ましくはポリ塩化ビニル含有組成物には、0〜10%、好ましくは0.05〜5%、特に好ましくは0.1〜3%、特には0.5〜2%の顔料を含むのが好ましい。
【0040】
燃焼性を抑制し、燃焼時の煙の発生を抑制する目的で、本発明における組成物、好ましくはポリ塩化ビニル含有組成物には、難燃剤をさらに含んでいてもよい。使用される難燃剤は、好ましくは以下のものである:三酸化アンチモン、リン酸エステル、クロロパラフィン、水酸化アルミニウム、ホウ素化合物、亜鉛化合物、三酸化モリブデン、フェロセン、炭酸カルシウム、または炭酸マグネシウム。本発明における組成物、好ましくはポリ塩化ビニル含有組成物には、0〜30%、好ましくは0.1〜25%、特に好ましくは0.2〜20%、特には0.5〜15%の難燃剤を含むのが好ましい。
【0041】
本発明におけるポリ塩化ビニル調製物から調製された物品を、光の影響による各種損傷から保護する目的で、光安定剤を添加してもよい。この目的のためには、ヒドロキシベンゾフェノンまたはヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールを使用するのが好ましい。本発明における組成物、好ましくはポリ塩化ビニル含有組成物には、0〜7%、好ましくは0.1〜5%、特に好ましくは0.2〜4%、特には0.5〜3%の光安定剤を含むのが好ましい。
【0042】
本発明における組成物、好ましくは、ポリ塩化ビニル含有組成物は、発泡剤を使用して、フォームを製造するためにも使用することができる。この目的のためには、化学的または物理的発泡剤をこの組成物に添加するのが好ましい。好適な化学的発泡剤としては、この目的のための、公知であるすべての物質が挙げられるが、好ましくは以下のものである:アゾジカルボンアミド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホヒドラジド)、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、5−フェニルテトラゾール、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラアミン、炭酸亜鉛、または炭酸水素ナトリウム、さらにはこれらの物質を含む混合物。好適な物理的発泡剤は、好ましくは、二酸化炭素またはハロゲン化炭化水素である。本発明における組成物、好ましくはポリ塩化ビニル含有組成物には、0〜20%、好ましくは0.05〜15%、特に好ましくは0.1〜10%、特には0.7〜3%の発泡剤を含むのが好ましい。
【0043】
本発明における組成物、好ましくはポリ塩化ビニル含有組成物にはさらに、たとえばポリマー性加工助剤または耐衝撃性改良剤として機能する、さらなるプラスチックスを含んでいてもよい。これらのさらなるプラスチックスは、エチレン、プロピレン、ブタジエン、酢酸ビニル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、分岐状もしくは非分岐状のC1〜C10アルコールのアルコール成分とのアクリル酸およびメタクリル酸エステル、スチレン、またはアクリロニトリルをベースとするホモポリマーおよびコポリマーを含む、一連のものから選択するのが好ましい。特に好ましいのは、以下のものである:C4〜C8アルコール、特にブタノール、ヘキサノール、オクタノールおよび2−エチルヘキサノールを含む群からの同一であるかまたは異なっているアルコール基とのポリアクリレート、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチルコポリマー、メタクリル酸メチル−メタクリル酸ブチルコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、塩素化ポリエチレン、ニトリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンエラストマー、およびメタクリル酸メチル−スチレン−ブタジエンコポリマー。
【0044】
特に可塑剤として使用した場合、本発明におけるa)およびb)の組成物は、良好な性能特性を有しており、特にそれらによって、可塑化された最終製品で、放出性が低い製品を得ることが可能となる。可塑化されたプラスチックス、好ましくはポリ塩化ビニルc)において本発明における組成物を使用すると、エステルb)の加水分解安定性が向上するために、より耐久性の高い製品を製造することが可能となる。
【0045】
本発明における組成物は、公知の方法で、成分a)およびb)ならびに少なくとも1種のポリ塩化ビニルまたはポリビニルブチラールc)、および場合によっては少なくとも1種の添加剤d)を、混合装置中、好ましくは撹拌混合ユニット、希釈系、およびスタティックミキサーの中で、これらの成分について特定された比率で、混合することによって製造することができる。この場合において、本発明における組成物の成分a)およびb)を最初に混合し、次いで成分c)および場合によっては使用されるd)と混合することもできるし、あるいは、成分a)およびb)のいずれをも、別途に、成分c)および場合によってはd)に加えておき、次いでそれらを混合することも可能である。
【0046】
本発明におけるポリ塩化ビニル組成物は、ドライブレンド、または液状の混合物もしくはペーストとして混合してもよいし、場合によっては、さらに加工して粒状物としてから、さらに加工してもよい。
【0047】
そのような加工操作としては、押出法、射出成形法、スプレー法、カレンダー法、回転成形法、浸漬法、スプレッド法、コーティング法、焼結法、およびキャスティング法などが挙げられるが、それらに限定される訳ではない。
【0048】
本発明はさらに、プラスチック、特にポリ塩化ビニルを製造するためのプロセスも提供するが、それが特徴としているのは、以下の点である:少なくとも1種のプラスチック、特にポリ塩化ビニルc)を、a)およびb)を含む本発明の組成物と、混合装置の中で混合して、均質化させ、次いでその混合物を、成形、特に押出法、射出成形法、スプレー法、カレンダー法、回転成形法、浸漬法、スプレッド法、コーティング法、焼結法、およびキャスティング法によって成形し、そのようにして成形された混合物を次いで加熱して、好ましくは150〜220℃の範囲の温度とする。
【0049】
本発明における組成物によって製造されるプラスチックス、特にポリ塩化ビニルc)もまた、本発明の主題である。
【0050】
これらの本発明におけるプラスチックス、特にポリ塩化ビニルからなるものは、さらに加工することも可能である。このタイプの最終製品としては、具体的には、以下のものが挙げられる:床板、カーペット、人工皮革、異形材、ワイヤおよびケーブルの外装、フィルム、コーティングおよびコーティング組成物、ペイント、染料、インキ、接着剤、シーラント、ならびに接着剤、シーラント、および接着剤シーラントの構成成分。
【0051】
それらに加えて本発明はさらに、上述の最終製品を製造するための、本発明における組成物の使用にも関する。
【0052】
本発明の範囲には、これまでおよびこれから後に参照されるすべての、基、指数、パラメーター、およびそれら相互の組み合わせの一般的または好ましい定義が包含される、すなわちそれぞれの範囲および好ましい範囲の各種各様の組み合わせが含まれる。
【0053】
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであるが、本発明を限定する効果を有するものではない。
【実施例】
【0054】
加水分解安定性の測定:
磁製皿の中で、100gのポリ塩化ビニルc)(Vinnolit(登録商標)S4170、Vinnolit GmbH & Co.KG(Germany))を、60phr(PVC100重量部あたりの重量部)の、アジピン酸と1,2−プロパンジオール/ブタンジオールおよび2−エチルヘキサノールとのポリエステル(10部のアジピン酸、10.6部のジオール(5.3部の1,2−プロパンジオールと5.3部の1,4−ブタンジオールとからなる)、および1部のエチルヘキサノールとからなり、Mw=約7500g/molの平均分子量、および23℃で12000mPasの粘度を有する)b)、ならびに2部のポリマー性芳香族カルボジイミドのCDI 1またはCDI 2(ここで、CDI 2は、式(II)のカルボジイミドで、n=約4、そしてR
1、R
2、R
3=それぞれ独立してメチルまたはエチル、その中でそれぞれのベンゼン環は1個だけのメチル基を有し、R
4=−NHCOOR
7(ここでR
7=シクロヘキシル)であり、そしてCDI 1は、式(III)のカルボジイミドで、n=約4、そしてR
4=−NHCOOR
7(ここでR
7=シクロヘキシル)、ならびに3phrのPVC安定剤(カルボン酸Ca/Zn)のd)と、ロッドを用いて、液体の構成成分が粉体に十分に吸収されて、容器に付着しなくなるまで、混合した。そのようにして得られた粉体混合物を、165℃のロール温度の、2本ロールミルのロールギャップ(0.7mm)の中に少しずつフィードして、均質化させ、ゲル化させた。ミルドシートが形成されたら、ロールギャップを拡げて1mmとした。ミルドシートに繰り返して衝撃を与えることにより、混合結果が改良された。10分間の混合・加工時間の後、ミルドシートを取り出した。小分け(portioning)してから、プレス加工により試験フィルム(200mm×200mm×1mm)を作製した。そのプレスの温度は170℃であり、プレス時間は合計して10分間であったが、その内の□分間は、10bar未満の圧力での加熱相であり、3分間は、100barを超える高圧下でのプレス時間であった。加圧下に、最高で30℃の冷却プレスの中で冷却してから、試験片を脱型した。その試験フィルムを、0.0001gの精度で秤量した。その後で、試験フィルムを、水によって飽和湿度とした雰囲気中、70℃のオーブンの中で、14日間貯蔵した。試験フィルムを取り出してから、それらに付着している可能性がある湿分や液滴を除き、20℃、湿度40%の条件に2日間置いた後で、秤量した。
【0055】
オーブン貯蔵の前および後に、それぞれのタイプのフィルムからS4バーを打ち抜き、そして、貯蔵前後での引張試験(Ametek Lloyd Instruments、シュレッディングマシン LRSKplus、引張速度;200mm/min)で、100%歪みを測定し、貯蔵しなかったフィルムの出発時の値からの差のパーセントとして評価した。
【0056】
可塑化効果
本発明における組成物の可塑化効果を求めるために、表1に記載の組成の、ポリ塩化ビニル化合物のミルドシートを作製した。ミルドシートから、直径35mmの試験片をプレス加工し、それについて、デジタル式ショアー硬度試験器(Zwick GmbH & Co.KG(Ulm))の手段によって、ショアー硬度を測定した。この試験の結果(それぞれ、5回の測定の平均値)を表2に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
可塑化効果の評価
各種の可塑剤を同一の量で使用したときの可塑化効果は、硬度測定の手段によって比較することができる。表1の測定結果が示しているように、本発明における組成物を用いてポリ塩化ビニルの化合物を調製することが可能であり、それらの硬度のレベルは、比較例(例C1)の中にカルボジイミドのCDI 1およびCDI 2を混ぜ込んでも(実施例B1およびB2)、悪影響を受けることはない。
【0060】
重量、および100%歪みでの応力の変化
成分a)を添加することによって(実施例B1およびB2)、湿分によってもたらされるエステル(可塑剤)b)の分解ならびにそれに伴う重量減少は、芳香族ポリマー性カルボジイミドを含まない例C1に比較して、抑制され、そして100%歪みにおける応力の増大に関する変化も少なくなる。
【0061】
評価
したがって、本発明における組成物が、所望の可塑化性能を有し、ポリマー性芳香族カルボジイミドによって、特にPVCにおいては、エステルの加水分解のされやすさが、効果的に防止されることが示された(表2を参照されたい)。
【0062】
相溶性の検討:
この目的のために、試験対象の可塑剤含有PVCの粉体混合物を、2本ローラーミルで均質化およびゲル化をさせてから、プレス加工して滑らかな試験フィルムを形成させ、加熱湿潤貯蔵下での質量損失を測定した。
【0063】
磁製皿の中で、100gのポリ塩化ビニル(S−PVC、K70)を、100phr(PVC100重量部あたりの重量部)の可塑剤、3phrの、PVC安定剤としてのカルボン酸Ca/Zn、および場合によっては2phrのCDI 2と、ロッドを用いて、液体の構成成分が粉体に十分に吸収されて、容器に付着しなくなるまで、混合した。そのようにして得られた粉体混合物を、165℃のロール温度の、2本ローラーミルのロールギャップ(0.7mm)の中に少しずつフィードして、均質化させ、ゲル化させた。ミルドシートが形成されたら、ロールギャップを拡げて1mmとした。ミルドシートに繰り返して衝撃を与えることにより、混合結果が改良された。10分間の混合および加工時間の後、ミルドシートを取り出した。小分けしてから、プレス加工により厚み1mmの試験フィルムを作製した。そのプレスの温度は170℃であり、プレス時間は合計して10分間であったが、その内の7分間は、10bar未満の圧力での加熱相であり、3分間は、100barを超える高圧下でのプレス時間であった。加圧下に、最高で30℃の冷却プレスの中で冷却してから、試験片を脱型し、200mm×100mmの寸法のプレートを切り出した。その試験フィルムを、0.0001gの精度で秤量した。それらのフィルムを、密閉度の高いガラス容器の中にぶら下げて、水の上で70℃にて28日間貯蔵した。28日後に、それらのフィルムをガラス容器から取り出し、空気中に自由状態で1時間ぶら下げておいて、環境順応(climatize)させた。次いで、メタノールを用いてそれらのフィルムの表面を清浄化した。次いで、それらのフィルムを、強制対流型の乾燥キャビネットの中、自由状態で、70℃、16時間ぶら下げて、乾燥させた。乾燥キャビネットから取り出してから、自由状態で1時間ぶら下げておいて、フィルムを環境順応させ、次いで秤量した。それらの試験フィルムの、重量損失のパーセントが、より低かったことは、本発明のカルボジイミドのCDI 2によって、揮発性がより低く、放出物がより少なく、可塑剤のブリード抵抗性および安定化効果が良好となった証拠である。
【0064】
カルボジイミドを含まない比較実験1、3および5(表3参照)は、ポリマー性アジピン酸ポリエステルを高い比率で含む試験片では高い重量損失を示し、そして、モノマー性のアジピン酸エステル、この場合ではアジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)の添加の程度に応じて、重量損失が低下していくことを示している。
【0065】
【表3】
【0066】
例2、4および6における本発明による混合物(表3)は、例1、3および5と直接比較すると、驚くべきことには、加熱湿潤状態で貯蔵したときに、重量低下がより少ない、すなわち、加水分解、放出、および揮発に対する抵抗性が高いことを示している。