(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示のいくつかの態様は、送信電力増幅器の非線形性を推定するのを助けるためにフレームの部分を生成および送信するための技法を提供する。たとえば、位相変調されたヘッダは、特定のパターンに基づいて振幅変調され得る。受信機は、ヘッダについての受信された信号を予想信号と比較し、この比較に基づいて、信号を送信する際に使用される電力増幅器によってもたらされる非線形性の量を推定し得る。
【0012】
本開示の様々な態様について、添付の図面を参照しながら、以下でより十分に説明する。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本開示全体にわたって提示される任意の特定の構造または機能に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が周到で完全になり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように与えられる。本開示の教示に基づいて、本開示の範囲は、本開示の任意の他の態様とは無関係に実装されるにせよ、本開示の任意の他の態様と組み合わせて実装されるにせよ、本明細書で開示する本開示の任意の態様を包含するものであることを、当業者は諒解されたい。たとえば、本明細書に記載した任意の数の態様を使用して、装置が実装されてもよく、または方法が実践されてもよい。加えて、本開示の範囲は、本明細書に記載した本開示の様々な態様に加えて、またはそれらの態様以外に、他の構造、機能、または構造および機能を使用して実践されるそのような装置または方法を包含するものとする。本明細書で開示する本開示のいずれの態様も、請求項の1つまたは複数の要素によって具現化され得ることを理解されたい。
【0013】
特定の態様について本明細書で説明するが、これらの態様の多くの変形および置換が本開示の範囲内に入る。好ましい態様のいくつかの利益および利点が述べられるが、本開示の範囲は、特定の利益、用途、または目的に限定されるものではない。むしろ、本開示の態様は、異なるワイヤレス技術、システム構成、ネットワーク、および送信プロトコルに広く適用可能であるものとし、そのうちのいくつかが例として図および好ましい態様の以下の説明において示される。詳細な説明および図面は、限定的ではなく、本開示の例示にすぎず、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される。
【0014】
例示的なワイヤレス通信システム
本明細書で説明する技法は、直交多重化方式に基づく通信システムを含む様々なブロードバンドワイヤレス通信システムに使用され得る。そのような通信システムの例としては、空間分割多元接続(SDMA)、時分割多元接続(TDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)システムなどが含まれる。SDMAシステムは、複数のSTAに属するデータを同時に送信するために、十分に異なる方向を利用し得る。TDMAシステムは、送信信号を異なるタイムスロットに分割し、各タイムスロットが異なるSTAに割り当てられることによって、複数のSTAが同じ周波数チャネルを共有することを可能にすることができる。OFDMAシステムは、システム帯域幅全体を複数の直交サブキャリアに区分する変調技法である直交周波数分割多重化(OFDM)を利用する。これらのサブキャリアは、トーン、ビンなどと呼ばれることもある。OFDMでは、各サブキャリアは、データを用いて独立して変調され得る。SC-FDMAシステムは、システム帯域幅にわたって分散されるサブキャリア上で送信するためのインターリーブFDMA(IFDMA)、隣接するサブキャリアのブロック上で送信するための局所FDMA(LFDMA)、または隣接するサブキャリアの複数のブロック上で送信するための拡張FDMA(EFDMA)を利用し得る。一般に、変調シンボルは、OFDMでは周波数領域において送られ、SC-FDMAでは時間領域において送られる。
【0015】
本明細書の教示は、様々なワイヤード装置またはワイヤレス装置(たとえば、ノード)に組み込まれ得る(たとえば、その装置内に実装されるか、またはその装置によって実行され得る)。いくつかの態様では、本明細書の教示に従って実装されるワイヤレスノードは、アクセスポイントまたはSTAを備え得る。
【0016】
アクセスポイント(「AP」)は、ノードB、無線ネットワークコントローラ(「RNC」)、発展型ノードB(eNB)、基地局コントローラ(「BSC」)、基地トランシーバ局(「BTS」)、基地局(「BS」)、トランシーバ機能(「TF」)、無線ルータ、無線トランシーバ、基本サービスセット(「BSS」)、拡張サービスセット(「ESS」)、無線基地局(「RBS」)、または何らかの他の用語を含むか、それらのいずれかとして実装されるか、またはそれらのいずれかとして知られている場合がある。
【0017】
アクセス端末(「AT」)は、加入者局、加入者ユニット、移動局(MS)、リモート局、リモート端末、ユーザ端末(UT)、ユーザエージェント、ユーザデバイス、ユーザ機器(UE)、ユーザ局、または何らかの他の用語を含むか、それらのいずれかとして実装されるか、またはそれらのいずれかとして知られている場合がある。いくつかの実装形態では、アクセス端末は、セルラー電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(「SIP」)電話、ワイヤレスローカルループ(「WLL」)局、携帯情報端末(「PDA」)、ワイヤレス接続機能を有するハンドヘルドデバイス、局(「STA」)、またはワイヤレスモデムに接続された何らかの他の適切な処理デバイスを含み得る。したがって、本明細書で教示する1つまたは複数の態様は、電話(たとえば、セルラーフォンまたはスマートフォン)、コンピュータ(たとえば、ラップトップ)、タブレット、ポータブル通信デバイス、ポータブルコンピューティングデバイス(たとえば、携帯情報端末)、エンターテインメントデバイス(たとえば、音楽デバイスもしくはビデオデバイス、または衛星ラジオ)、全地球測位システム(GPS)デバイス、またはワイヤレス媒体もしくはワイヤード媒体を介して通信するように構成された任意の他の適切なデバイスに組み込まれ得る。いくつかの態様では、ノードはワイヤレスノードである。そのようなワイヤレスノードは、たとえば、ワイヤード通信リンクまたはワイヤレス通信リンクを介してネットワーク(たとえば、インターネットなどのワイドエリアネットワークまたはセルラーネットワーク)の接続性またはそのネットワークへの接続性を提供し得る。
【0018】
図1は、本開示の態様が実践され得る、APおよびSTAを有する多元接続多入力多出力(MIMO)システム100を示す。MIMOシステム100は、マルチユーザMIMOシステム(MU-MIMO)であり得る。
図1には示されていないが、別の例示的なワイヤレス通信は、本開示の態様が実践され得る単入力単出力(SISO)であり得る。
【0019】
簡単にするために、1つのみのアクセスポイント110が
図1に示されている。アクセスポイントは、一般に、STAと通信する固定局であり、基地局または何らかの他の用語で呼ばれることもある。STAは固定またはモバイルであってもよく、移動局、ワイヤレスデバイス、または何らかの他の用語で呼ばれることもある。アクセスポイント110は、ダウンリンクおよびアップリンク上で任意の所与の瞬間において1つまたは複数のSTA120と通信し得る。ダウンリンク(すなわち、順方向リンク)は、アクセスポイントからSTAへの通信リンクであり、アップリンク(すなわち、逆方向リンク)は、STAからアクセスポイントへの通信リンクである。STAはまた、別のSTAとピアツーピアで通信し得る。システムコントローラ130は、アクセスポイントに接続し、アクセスポイントの協調および制御を行う。
【0020】
以下の開示の部分は、空間分割多元接続(SDMA)を介して通信することが可能なSTA120について説明するが、いくつかの態様の場合、STA120は、SDMAをサポートしない、いくつかのSTAも含み得る。したがって、そのような態様の場合、AP110は、SDMA STAと非SDMA STAの両方と通信するように構成され得る。この手法は、好都合なことに、より新しいSDMA STAが適宜導入されることを可能にしながら、複数のバージョンのSTA(「レガシー」局)が企業に配備されたままであることを可能にして、それらの耐用年数を延ばすことができる。
【0021】
例示的なシステム100では、アクセスポイント110およびSTA120は、ダウンリンクおよびアップリンク上でのデータ送信のために複数の送信アンテナおよび複数の受信アンテナを用いることができる。SISOシステムでは、AP110およびSTA120は、送信および受信のために単一のアンテナのみを用いることができる。図示されていないが、本開示の態様が展開され得る他の例示的なワイヤレス通信システムは、SISOシステム、MU-MIMOシステム、シングルキャリアMIMOシステム、またはシングルキャリアMU-MIMOシステムを含む。ダウンリンクMIMO送信では、アクセスポイント110のN
ap個のアンテナはMIMOの多入力(MI)部分を表し、K個のSTAのセットはMIMOの多出力(MO)部分を表す。逆に、アップリンクMIMO送信では、K個のSTAのセットはMI部分を表し、アクセスポイント110のN
ap個のアンテナはMO部分を表す。純粋なSDMAでは、K個のSTAのためのデータシンボルストリームが何らかの手段によって符号、周波数または時間において多重化されない場合、N
ap≧K≧1であることが望まれる。TDMA技法、CDMAを用いた異なるコードチャネル、OFDMを用いたサブバンドの独立セットなどを使用してデータシンボルストリームが多重化され得る場合、KはN
apよりも大きくてもよい。選択された各STAは、ユーザ固有のデータをアクセスポイントに送信し、かつ/またはユーザ固有のデータをアクセスポイントから受信する。一般に、選択された各STAは、1つまたは複数のアンテナ(すなわち、N
ut≧1)を備え得る。選択されたK個のSTAは、同じ数または異なる数のアンテナを有することができる。
【0022】
SDMAシステムは、時分割複信(TDD)システムまたは周波数分割複信(FDD)システムであり得る。TDDシステムの場合、ダウンリンクおよびアップリンクは、同じ周波数帯域を共有する。FDDシステムの場合、ダウンリンクおよびアップリンクは、異なる周波数帯域を使用する。MIMOシステム100はまた、送信のために単一のキャリアまたは複数のキャリアを利用し得る。各STAは、(たとえば、コストを低く抑えるために)単一のアンテナまたは(たとえば、追加のコストがサポートされ得る場合)複数のアンテナを備え得る。送信/受信を異なるタイムスロットに分割し、各タイムスロットが異なるSTA120に割り当てられることによって、STA120が同じ周波数チャネルを共有する場合、システム100はTDMAシステムでもあり得る。
【0023】
図2は、本開示の態様が実践され得るMIMOシステム100におけるアクセスポイント110ならびに2つのSTA120mおよび120xのブロック図を示す。上記で説明したように、本明細書で説明する回転決定技法は、アクセスポイント110またはSTA120によって実践され得る。
【0024】
アクセスポイント110は、N
t個のアンテナ224a〜224tを備える。STA120mは、N
ut,m個のアンテナ252ma〜252muを備え、STA120xは、N
ut,x個のアンテナ252xa〜252xuを備える。アクセスポイント110は、ダウンリンク用の送信エンティティおよびアップリンク用の受信エンティティである。各STA120は、アップリンク用の送信エンティティおよびダウンリンク用の受信エンティティである。本明細書で使用する「送信エンティティ」は、ワイヤレスチャネルを介してデータを送信することが可能な独立動作型の装置またはデバイスであり、「受信エンティティ」は、ワイヤレスチャネルを介してデータを受信することが可能な独立動作型の装置またはデバイスである。以下の説明では、下付き文字「dn」はダウンリンクを示し、下付き文字「up」はアップリンクを示し、N
up個のSTAがアップリンク上での同時送信のために選択され、N
dn個のSTAがダウンリンク上での同時送信のために選択され、N
upはN
dnに等しくても等しくなくてもよく、N
upおよびN
dnは静的な値であってもよく、またはスケジューリング間隔ごとに変化することができる。ビームステアリングまたは何らかの他の空間処理技法が、アクセスポイントおよびSTAにおいて使用され得る。
【0025】
アップリンク上では、アップリンク送信のために選択された各STA120において、送信(TX)データプロセッサ288は、データソース286からトラフィックデータを受信し、コントローラ280から制御データを受信する。TXデータプロセッサ288は、STAのために選択されたレートに関連付けられたコーディングおよび変調方式に基づいてSTAのためのトラフィックデータを処理(たとえば、符号化、インターリーブ、および変調)し、データシンボルストリームを提供する。TX空間プロセッサ290は、データシンボルストリームに対して空間処理を実行し、N
ut,m個の送信シンボルストリームをN
ut,m個のアンテナに提供する。各送信機ユニット(TMTR)254は、それぞれの送信シンボルストリームを受信および処理(たとえば、アナログに変換、増幅、フィルタリング、および周波数アップコンバート)して、アップリンク信号を生成する。N
ut,m個の送信機ユニット254は、N
ut,m個のアンテナ252からアクセスポイントへの送信のために、N
ut,m個のアップリンク信号を提供する。
【0026】
N
up個のSTAは、アップリンク上での同時送信のためにスケジュールされ得る。これらのSTAの各々は、そのデータシンボルストリームに対して空間処理を実行し、その送信シンボルストリームのセットをアップリンク上でアクセスポイントに送信する。
【0027】
アクセスポイント110において、N
ap個のアンテナ224a〜224apは、アップリンク上で送信するすべてのN
up個のSTAからアップリンク信号を受信する。各アンテナ224は、受信信号をそれぞれの受信機ユニット(RCVR)222に提供する。各受信機ユニット222は、送信機ユニット254によって実行される処理を補足する処理を実行し、受信シンボルストリームを提供する。RX空間プロセッサ240は、N
ap個の受信機ユニット222からのN
ap個の受信シンボルストリームに対して受信機空間処理を実行し、N
up個の復元されたアップリンクデータシンボルストリームを提供する。受信機空間処理は、チャネル相関行列反転(CCMI)、最小平均2乗誤差(MMSE)、ソフト干渉消去(SIC)、または何らかの他の技法に従って実行される。復元された各アップリンクデータシンボルストリームは、それぞれのSTAによって送信されたデータシンボルストリームの推定値である。RXデータプロセッサ242は、復元された各アップリンクデータシンボルストリームを、そのストリームのために使用されたレートに従って処理(たとえば、復調、デインターリーブ、および復号)して、復号されたデータを取得する。STAごとの復号されたデータは、記憶のためにデータシンク244に、および/またはさらなる処理のためにコントローラ230に提供され得る。
【0028】
ダウンリンク上では、アクセスポイント110において、TXデータプロセッサ210は、データソース208からダウンリンク送信のためにスケジュールされたN
dn個のSTAのためのトラフィックデータを受信し、コントローラ230から制御データを受信し、場合によってはスケジューラ234から他のデータを受信する。様々なタイプのデータは、異なるトランスポートチャネル上で送られ得る。TXデータプロセッサ210は、STAごとのトラフィックデータを、そのSTAのために選択されたレートに基づいて処理(たとえば、符号化、インターリーブ、および変調)する。TXデータプロセッサ210は、N
dn個のダウンリンクデータシンボルストリームをN
dn個のSTAに提供する。TX空間プロセッサ220は、N
dn個のダウンリンクデータシンボルストリームに対して(本開示で説明するプリコーディングまたはビームフォーミングなどの)空間処理を実行し、N
ap個の送信シンボルストリームをN
ap個のアンテナに提供する。各送信機ユニット222は、それぞれの送信シンボルストリームを受信および処理して、ダウンリンク信号を生成する。N
ap個の送信機ユニット222は、N
ap個のアンテナ224からSTAへの送信のために、N
ap個のダウンリンク信号を提供する。
【0029】
各STA120において、N
ut,m個のアンテナ252は、アクセスポイント110からN
ap個のダウンリンク信号を受信する。各受信機ユニット254は、関連するアンテナ252からの受信信号を処理し、受信シンボルストリームを提供する。RX空間プロセッサ260は、N
ut,m個の受信機ユニット254からのN
ut,m個の受信シンボルストリームに対して受信機空間処理を実行し、STAのための復元されたダウンリンクデータシンボルストリームを提供する。受信機空間処理は、CCMI、MMSEまたは何らかの他の技法に従って実行される。RXデータプロセッサ270は、復元されたダウンリンクデータシンボルストリームを処理(たとえば、復調、デインターリーブ、および復号)して、STAのための復号されたデータを取得する。
【0030】
各STA120において、チャネル推定器278は、ダウンリンクチャネル応答を推定し、チャネル利得推定値、SNR推定値、雑音分散などを含み得るダウンリンクチャネル推定値を提供する。同様に、チャネル推定器228は、アップリンクチャネル応答を推定し、アップリンクチャネル推定値を提供する。STAごとのコントローラ280は、典型的には、STAについての空間フィルタ行列を、そのSTAについてのダウンリンクチャネル応答行列Hdn,mに基づいて導出する。コントローラ230は、アクセスポイントについての空間フィルタ行列を、実効アップリンクチャネル応答行列Hup,effに基づいて導出する。STAごとのコントローラ280は、フィードバック情報(たとえば、ダウンリンクおよび/またはアップリンク固有ベクトル、固有値、SNR推定値など)をアクセスポイントに送ってもよい。コントローラ230および280はまた、それぞれ、アクセスポイント110およびSTA120における様々な処理ユニットの動作を制御する。
【0031】
本開示のいくつかの態様によれば、
図2に示す様々なプロセッサは、それぞれ、本明細書で説明する様々な技法を実行して、トレーニング信号および/または本明細書で説明する技法のための他のプロセスに基づいて相対的回転を決定するように、AP110および/またはSTA120における動作を指示し得る。
【0032】
図3は、本開示の態様が実践され得、MIMOシステム100内で用いられ得るワイヤレスデバイス302において利用され得る様々な構成要素を示す。ワイヤレスデバイス302は、本明細書で説明する様々な方法を実装するように構成され得るデバイスの一例である。ワイヤレスデバイス302は、アクセスポイント110またはSTA120であり得る。
【0033】
ワイヤレスデバイス302は、ワイヤレスデバイス302の動作を制御するプロセッサ304を含み得る。プロセッサ304は、中央処理装置(CPU)と呼ばれることもある。読取り専用メモリ(ROM)とランダムアクセスメモリ(RAM)の両方を含み得るメモリ306は、命令およびデータをプロセッサ304に提供する。メモリ306の一部分は、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)を含む場合もある。プロセッサ304は、典型的には、メモリ306内に記憶されたプログラム命令に基づいて論理演算および算術演算を実行する。メモリ306内の命令は、本明細書で説明する方法を実装するように実行可能であり得る。プロセッサ304は、たとえば、相対的回転および/または本明細書で説明する技法のための他のプロセスを決定するために、
図6の動作600を実行または指示し得る。
【0034】
ワイヤレスデバイス302は、ワイヤレスデバイス302とリモートロケーションとの間のデータの送信および受信を可能にするための送信機310および受信機312を含み得るハウジング308を含む場合もある。送信機310および受信機312を組み合わせてトランシーバ314にすることができる。単一または複数の送信アンテナ316は、ハウジング308に取り付けられ、トランシーバ314に電気的に接続されてもよい。ワイヤレスデバイス302は、複数の送信機、複数の受信機、および複数のトランシーバを含む場合もある(図示せず)。トランシーバは、送信と受信の両方のために(図示のように)単一のアンテナを使用することができるか、または送信および受信のために異なるアンテナ(図示せず)を使用することができる。
【0035】
ワイヤレスノード302は、WWANおよび1つまたは複数のWLANと通信する際に複数の送信機、複数の受信機、および/または複数のトランシーバを使用し得る。追加または代替として、ワイヤレスノード302は、単一のトランシーバ314を介してWWANと通信し、トランシーバ314を再同調して(WWANから離調して)1つまたは複数のWLANと通信し得る。
【0036】
ワイヤレスデバイス302は、トランシーバ314によって受信された信号のレベルを検出および定量化しようとして使用され得る信号検出器318を含む場合もある。信号検出器318は、総エネルギー、シンボルごとのサブキャリア当たりのエネルギー、電力スペクトル密度、および他の信号などの信号を検出し得る。ワイヤレスデバイス302は、信号を処理する際に使用するためのデジタル信号プロセッサ(DSP)320を含む場合もある。
【0037】
ワイヤレスデバイス302の様々な構成要素は、バスシステム322によって互いに接続される場合があり、バスシステム322は、データバスに加えて、電力バス、制御信号バス、およびステータス信号バスを含み得る。
【0038】
図4は、本明細書で説明する技法を使用して推定され得る送信電力増幅器の出力における非線形性を示す
図400である。電力増幅器(PA)の出力電力は、所与の周波数の入力電力に対してプロットされる場合があり、ここで、曲線の傾きは、特定の電力レベルの増幅器利得を表す。領域410では、出力電力と入力電力との間に線形関係がある場合があり、利得は一定であり得る。入力電力が増加すると、ある時点において、入力電力レベルおよび出力電力レベルがその線形関係を失い始め、PAが圧縮に入ると、領域430において利得が減少し始める。領域420の場合のように、入力の増加に対してこれ以上出力が増加しない場合、PAは飽和状態に達する。
【0039】
より高い出力電力レベルがより大きい範囲およびより高い受信信号対雑音(SNR)を可能にするので、高い出力電力レベルが一般に望まれる。高い出力電力レベルを実現するために、PAは飽和状態においてまたはその近くで動作し得る。そのような動作は、PAの出力におけるひずみ量の増加と、Txエラーベクトル振幅(EVM)の低下と、信号コンスタレーションの制限とをもたらし得る。
【0040】
図5は、非理想的な信号におけるひずみまたは干渉が信号コンスタレーションとしてどのように視覚化され得るかを示す。この例示的なコンスタレーションでは、4つの点、00、01、10、および11がそれぞれ、シンボル当たり2ビットを符号化する。ビット11を符号化する、雑音、干渉、ひずみなどがない理想的な信号は、たとえば、信号ベクトル502を有する点11において受信されることになろう。非理想的な信号は、実際には、実際の信号ベクトル506を有する点504において受信され得る。理想的な信号ベクトルと実際の信号ベクトルとの間の差がエラーベクトル508である。エラーベクトル508の振幅はEVMである。EVMは、信号品質の測度であり、どのくらい正確にシンボルが信号コンスタレーション内で受信されるかを示し得る。一般に、より低いEVMは、理想的な点により近いコンスタレーション点をもたらす。たとえば、ひずみに起因するより高いEVMは、より散乱した点をもたらし、このことは、より散乱したコンスタレーション点によって、間隔がより接近したコンスタレーション点を区別することがより困難になる場合があるので、信号コンスタレーションを制限する。
【0041】
高い出力電力における高いレベルの線形性および関連するより低いレベルのひずみは、入念な較正、予ひずみおよび適応予ひずみ、または高いバックオフレベルによって達成され得る。しかしながら、これらの技法は、工場較正要件、追加のもしくはよりコストのかかるハードウェアおよび電力、または低下した電力レベルのせいで、より高いコストを負担する場合がある。
【0042】
非線形性推定のための例示的なプリアンブル
上述のように、本開示の態様は、位相変調されたヘッダの振幅変調に基づく非線形性推定を容易にし得る技法を提供する。本技法は、802.11adデバイスおよび802.11ayデバイスなどの、直交周波数分割多重化(OFDM)およびシングルキャリア(SC)変調を利用する任意のタイプのワイヤレスデバイスに適用され得る。
【0043】
図6は、本開示のいくつかの態様による、ワイヤレス通信のための例示的な動作600を示す。動作600は、少なくとも位相変調された第1のヘッダを有するフレームを生成することによって、602において開始する。604において、第1のヘッダが電力増幅器によって増幅される前に第1のヘッダの振幅を変調する。606において、フレームは、送信のために出力される。
【0044】
図7は、本開示のいくつかの態様による、ワイヤレス通信のための例示的な動作700を示す。動作は、
図6に示す動作600に対する相補的な動作と見なされ得る。言い換えれば、動作700は、上記で説明した動作600に従って生成されたフレームを処理するために実行され得る。
【0045】
図示のように、動作700は、少なくとも第1のヘッダを有するフレームを取得することによって、702において開始する。704において、第1のヘッダの振幅変調に関する情報に基づいて、第1のヘッダの送信に関連付けられた伝達関数を推定する。706において、推定された伝達関数に基づいて、フレームの残りの部分を処理する。
【0046】
図8Aは、本開示の態様による、生成および送信され得る例示的なフレーム800Aを示す。例示的なフレーム800Aは、拡張指向性マルチギガビット(EDMG)物理レイヤコンバージェンスプロトコル(PLCP)プロトコルデータユニット(PPDU)を備え得る。図示のように、EDMG PPDUは、レガシーヘッダ(Lヘッダ)810およびEDMGヘッダ(EDMGヘッダA)820を含む様々なヘッダを含み得る。
【0047】
Lヘッダ810とEDMGヘッダ820の両方は、ロバストな変調方式を組み込んで、カバレージエッジ上の受信機がヘッダ中に含まれている情報を正確に受信および復調することを可能にすることができる。Lヘッダ810は、たとえば、802.11adなどの別個の規格において以前に定義されたヘッダであり得る。場合によっては、Lヘッダ810は、2位相シフトキーイング(BPSK)変調され、回転サポートを含むことがある。基準信号(たとえば、搬送波)の位相シフトキーイング(PSK)変調は、基準信号の位相を変調することによってデータを符号化する。BPSK変調は、PSKの一形態であり、
図8Bのコンスタレーション
図800Bに示すように、180度だけ分離された2つの位相830を組み込むことができ、その結果、コンスタレーション点の厳密な配置は特に問題にならない。そのような信号によって符号化される情報は位相に基づき、その信号は低いピーク対平均電力比(PAPR)を有する。
【0048】
EDMGヘッダ820は、BPSK変調されることに加えて、たとえば、4位相シフトキーイング(QPSK)変調されることがある。QPSK変調は、PSKの別の形態であり、
図8Cのコンスタレーション
図800Cに示すように、コンスタレーション図の上で、円を中心として等間隔に離間した4つの位相840を組み込むことができる。QPSK変調によって符号化される情報も位相に基づく場合があり、その信号も低いピーク対平均電力比(PAPR)を有する。
【0049】
本開示のいくつかの態様は、Lヘッダ810およびEDMGヘッダ820の位相において符号化される情報に加えて、ヘッダが送信機または受信機によるPAの線形性の推定を可能にする様々な信号振幅を組み込み得ることを提供する場合がある。この推定は、受信機において知られている定義済みパターンの予想振幅変調に対する、受信および測定された振幅変調の比較に基づき得る。場合によっては、受信機は、(たとえば、振幅変調が適用されたフレームまたは前のフレーム中の)定義済みパターンに関する情報を取得し得る。場合によっては、振幅変調の定義済みパターンは、たとえば、規格において定義され得る。
【0050】
本開示の態様によれば、定義済み振幅変調パターンは、位相変調を変更することなしに組み込まれる場合があり、この追加の変調パターンは、ヘッダの位相変調された部分の既存の復調にほとんどまたはまったく影響を及ぼさない場合がある。たとえば、振幅変調を処理することが可能なワイヤレスノードは、既存の位相変調された部分とともに、復号可能な振幅変調パターンを見出す。振幅変調の処理をサポートしない他のワイヤレスノードは、位相変調された部分を復号することが依然として可能である。次いで、送信機または受信機は、任意のさらなる情報交換なしに受信機におけるEVMを改善するために、推定された非線形性を補償し得る。必要ではないが、(たとえば、振幅変調のために送信側において使用される特定のパターンを識別するために)送信機と受信機との間の追加の情報交換が行われる場合もある。
【0051】
定義済みパターンは、平均電力に基づく公称振幅値とは異なる振幅を含み得る。たとえば、定義済みパターンは、公称振幅値よりも低いかまたは公称振幅値よりも高い振幅を含み得る。定義済みパターンは、振幅変調なしで実装形態に対する円滑遷移を含む場合もあり、帯域外放射アーティファクトなどの他のパラメータに影響を及ぼすことを回避するように設計される場合がある。
【0052】
本開示のいくつかの態様によれば、2つのシンボルを有するLヘッダまたは1つもしくは2つのSCシンボル(448個のシンボルを有する)および各チャネル側におけるガードインターバルを有するEDMGヘッダは、定義済みパターンに従って振幅変調され得る。SCシンボルごとの振幅「a」は、以下の式に基づき得る。
【0054】
上記の式では、kはシンボルインデックスであり、v
1は開始値(最低)であり、v
2は中間値(最高)である。v
1値およびv
2値の例は、v
1=0.5×mおよびv
2=2×mとなるようなものであり、ここで、mは平均電圧値(たとえば、平均電圧レベル、通常は1.0)、またはガードインターバルシンボルの電圧平均である。
【0055】
本開示の他の態様によれば、2つのシンボルを有するLヘッダ810または1つもしくは2つのSCシンボル(448個のシンボルを有する)および各チャネル側におけるガードインターバルを有するEDMGヘッダ820はまた、以下の式に基づいて振幅変調され得る。
【0057】
この場合、v
1値およびv
2値の例は、v
1=0.25×mおよびv
2=4×mとなるようなものであってもよく、ここで、mは平均電力値(通常は1.0)、またはガードインターバルシンボルの電力平均である。
【0058】
本開示のいくつかの態様によれば、EDMGヘッダ820が2つ以上のSCシンボル(512個のシンボルを有する)で構成される場合、2つ以上のSCシンボルの各々について、同じ所定のパターンがシンボルごとの振幅変調に適用され得る。
【0059】
本開示のいくつかの態様によれば、ヘッダの振幅変調は、送信機、受信機、または両方において利用され得る。たとえば、送信機として働くワイヤレスデバイスは、送信機フロントエンドおよび受信機フロントエンドを並行して動作させるように構成される場合もあり、受信機フロントエンドは、送信された信号を捕捉および測定するために使用され得る。この場合、ワイヤレスデバイスは、送信された信号を受信された信号と比較し、v
in伝達関数およびv
out伝達関数によってPA線形性を推定し得る。その比較に基づいて、ワイヤレスデバイスは、出力電力および線形性を最適化するために送信機を監視および調整し得る。たとえば、ワイヤレスデバイスは、送信機予ひずみを調整するためにPA入力電力を同調させるか、またはPAの長期分析を実行することができる。調整された送信パラメータは、後で生成されるフレームの送信に適用され得る。
【0060】
図9は、本開示のいくつかの態様による、例示的なワイヤレストランシーバ900のブロック図である。本開示のいくつかの態様によれば、送信機は、非線形性推定を実行し、その推定に基づいて送信機のPAを調整するように構成され得る。上記で説明したように、ワイヤレスデバイスは、少なくともいくつかの信号を並行して送信および受信することが可能な送信機910および受信機920で構成され得る。送信機910および受信機920は、送信機の出力と受信機の入力との間の無線周波数(RF)カップリング930を含み得る。このRFカップリング930は、オーバージエアカップリング、アンテナまたは回路板上でのRFカップリング、または他のカップリング技法を介したものであり得る。このカップリングは、そのカップリングが信号をひずませない限り、アンテナアレイ全体、アンテナアレイの一部、または単一のアンテナにわたるものであり得る。
【0061】
信号のためのプリアンブルは、プリアンブル生成器ブロック975によって生成され、アップサンプリングおよび整形フィルタブロック980によってアップサンプリングされ得る。Tx RFサブシステム960のPA部分は信号を増幅し得、この増幅された信号はPAによってひずまされ得る。次いで、送信機910は、受信機920の少なくともいくつかの部分がアクティブである間に任意の知られている予ひずみ送信セットアップを使用して、振幅変調されたヘッダを送信し得る。受信機920は、Rx RFサブシステム965および受信機フロントエンド970を介して、振幅変調されたヘッダを含んでいる送信を受信し得る。信号は、送信された信号を受信された信号と比較する、非線形性伝達関数の比較および推定ブロック940によって処理される。次いで、非線形性伝達関数の比較および推定ブロック940は、予ひずみブロック950のための更新されたパラメータを生成し得る。これらの更新されたパラメータは、対応するパラメータを更新し得る予ひずみブロック950に渡される。次いで、これらの更新されたパラメータは、パケットのデータ/ペイロードの前、または次のフレーム(たとえば、1つまたは複数の追加のフレーム)中のいずれかで、送信に適用される。
【0062】
図10は、本開示のいくつかの態様による、例示的なワイヤレス受信機1000のブロック図である。本開示のいくつかの態様によれば、ワイヤレス受信機1000は、パケットのデータ部分1040用の処理ブロックとは別個の、EDMGヘッダなどのヘッダ1005を処理するための処理ブロックを含み得る。受信されたEDMGヘッダが1012において等化された後、ヘッダの予想振幅パターンの推定値がブロック1010において決定され得る。この推定値は、定義済みパターンに基づき得る。ブロック1020において、非線形性伝達関数を決定するために、推定された予想振幅パターンが受信された振幅パターンと比較される。この非線形性伝達関数は平滑化され、次いで、たとえば、ブロック1032における等化の後のデータ部分の受信中に、受信機上の非線形性補正ブロック1030において補正として適用され得る。ヘッダはさらに、ブロック1014においてデマッピングされ、1016において復号され得る。同様に、データ部分は、ブロック1034においてデマッピングされ、1036において復号され得る。加えて、本開示のいくつかの態様によれば、様々な処理ブロックは、特許請求の範囲から逸脱することなく入れ替えられてもよい。たとえば、ブロック1032および1030がスワップされ得る。
【0063】
他のヘッダは、送信電力増幅器における非線形性を推定するために、
図10を参照しながら上記で説明したEDMGヘッダと同様に処理され得る。たとえば、
図11に示すように、振幅変調されたLヘッダは、EDMGヘッダの代わりに(またはそれに加えて)同様の方法でワイヤレス受信機1100によって処理され得る。
【0064】
図12は、本開示のいくつかの態様による、例示的なワイヤレス受信機1200のブロック図である。本開示のいくつかの態様によれば、ワイヤレス受信機1200は、パケットのデータ部分用の処理ブロックとは別個の、EDMGヘッダなどのヘッダを処理するための処理ブロックを含み得る。受信されたEDMGヘッダが受信され、EDMGヘッダ等化器ブロック1210において等化され、EDMGヘッダデマッパブロック1215においてデマッピングされ、EDMGヘッダ低密度パリティチェック(LDPC)復号器1220においてEDMGヘッダを表すビットのセットに復号され得る。
【0065】
このビットのセットは、EDMGヘッダ符号化および変調ブロック1230において再符号化され得る。この再符号化は、ヘッダを送信して再符号化された振幅パターンを生成するために送信機によって使用される同じ符号化および変調を利用し得る。この再符号化された振幅パターンは、ヘッダが正常に復号されたときに送信されたヘッダを正確に表す。再符号化された振幅パターンはまた、パターンのサンプルごとの厳密な予想電力を表す。1240において、非線形性伝達関数を決定するために、再符号化された振幅パターンが受信された振幅パターンと比較される。この非線形性伝達関数は平滑化され、次いで、たとえば、ブロック1255におけるデータ等化の後、かつブロック1260におけるデータデマッピングおよび1265におけるデータ復号の前のデータ部分の受信中に、受信機上の非線形補正1250として適用され得る。加えて、本開示のいくつかの態様によれば、様々な処理ブロックは、特許請求の範囲から逸脱することなく入れ替えられてもよい。たとえば、ブロック1255および1250がスワップされ得る。
【0066】
他のヘッダは、送信電力増幅器における非線形性を推定するために、
図12を参照しながら上記で説明したEDMGヘッダと同様に処理され得る。たとえば、
図13に示すように、振幅変調されたLヘッダは、EDMGヘッダの代わりに(またはそれに加えて)同様の方法でワイヤレス受信機1300によって処理され得る。
【0067】
上記で説明した方法の様々な動作は、対応する機能を実行することが可能な任意の適切な手段によって実行され得る。この手段は、限定はしないが、回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはプロセッサを含む、様々なハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素および/またはモジュールを含み得る。一般に、図に示される動作がある場合、それらの動作は、同様の番号を有する対応する同等のミーンズプラスファンクション構成要素を有し得る。たとえば、
図6に示す動作600は、
図6Aに示す手段600Aに対応し、
図7に示す動作700は、
図7Aに示す手段700Aに対応する。
【0068】
取得する(たとえば、受信する)ための手段は、
図2に示すUT120の受信機(たとえば、受信機ユニット254)および/もしくはアンテナ252、または
図3に示す受信機312および/もしくはアンテナ316を備え得る。送信するための手段および出力するための手段は、
図2に示すSTA120の送信機(たとえば、トランシーバ254の送信機ユニット)および/もしくはアンテナ252、または
図2に示すアクセスポイント110の送信機(たとえば、トランシーバ222の送信機ユニット)および/もしくはアンテナ224であり得る。
【0069】
生成するための手段、検出するための手段、決定するための手段、取得するための手段、選択するための手段、調整するための手段、処理するための手段、符号化するための手段、実行するための手段、変調するための手段、推定するための手段、処理するための手段、および/または適用するための手段は、UT120のプロセッサ260、270、288、および290ならびに/もしくはコントローラ280または
図3に描かれたプロセッサ304および/もしくはDSP320などの1つまたは複数のプロセッサを含み得る処理システムを含み得る。
【0070】
場合によっては、フレームを実際に送信するのではなく、デバイスは、送信のためにフレームを出力するインターフェースを有し得る。たとえば、プロセッサは、バスインターフェースを介して、送信のためにフレームを無線周波数(RF)フロントエンドに出力し得る。同様に、フレームを実際に受信するのではなく、デバイスは、別のデバイスから受信されたフレームを取得するインターフェースを有し得る。たとえば、プロセッサは、バスインターフェースを介して、受信のためにRFフロントエンドからフレームを取得(または受信)し得る。
【0071】
いくつかの態様によれば、そのような手段は、回転を決定するための上記で説明した様々なアルゴリズムを(たとえば、ハードウェアにおいてまたはソフトウェア命令を実行することによって)実装することによって、対応する機能を実行するように構成された処理システムによって実装され得る。
【0072】
本明細書で使用する「決定すること」という用語は、多種多様なアクションを包含する。たとえば、「決定すること」は、計算すること、算出すること、処理すること、導出すること、調査すること、ルックアップすること(たとえば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造においてルックアップすること)、確認することなどを含み得る。また、「決定すること」は、受信すること(たとえば、情報を受信すること)、アクセスすること(たとえば、メモリ内のデータにアクセスすること)などを含み得る。また、「決定すること」は、解決すること、選択すること、選ぶこと、確立することなどを含み得る。
【0073】
本明細書で使用する、項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」を指す句は、単一のメンバーを含むそれらの項目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、およびa-b-c、ならびに複数の同じ要素を有する任意の組合せ(たとえば、a-a、a-a-a、a-a-b、a-a-c、a-b-b、a-c-c、b-b、b-b-b、b-b-c、c-c、およびc-c-c、または任意の他の順序のa、b、およびc)を包含するものとする。
【0074】
本開示に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュールおよび回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス(PLD)、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の市販のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0075】
本開示に関して説明する方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアにおいて、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、またはこれら2つの組合せにおいて具現化され得る。ソフトウェアモジュールは、当技術分野で知られている任意の形態の記憶媒体内に存在し得る。使用され得る記憶媒体のいくつかの例としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROMなどが含まれる。ソフトウェアモジュールは、単一の命令または多くの命令を備えてもよく、いくつかの異なるコードセグメントにわたって、異なるプログラム間で、および複数の記憶媒体にわたって分散されてもよい。記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに接続され得る。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体であってもよい。
【0076】
本明細書で開示する方法は、説明した方法を実現するための1つまたは複数のステップまたはアクションを備える。方法のステップおよび/またはアクションは、特許請求の範囲から逸脱することなく互いに入れ替えられてもよい。言い換えれば、ステップまたはアクションの特定の順序が指定されない限り、特定のステップおよび/またはアクションの順序および/または使用は、特許請求の範囲から逸脱することなく修正されてもよい。
【0077】
説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せにおいて実装され得る。ハードウェアにおいて実装される場合、例示的なハードウェア構成は、ワイヤレスノード内の処理システムを備え得る。処理システムは、バスアーキテクチャを用いて実装され得る。バスは、処理システムの特定の適用例および全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含み得る。バスは、プロセッサ、機械可読媒体、およびバスインターフェースを含む様々な回路を互いにリンクさせることができる。バスインターフェースは、とりわけ、バスを介してネットワークアダプタを処理システムに接続するために使用され得る。ネットワークアダプタは、PHYレイヤの信号処理機能を実装するために使用され得る。STA120(
図1参照)の場合、ユーザインターフェース(たとえば、キーパッド、ディスプレイ、マウス、ジョイスティックなど)もバスに接続され得る。バスは、タイミングソース、周辺装置、電圧調整器、電力管理回路などの様々な他の回路をリンクさせることもできるが、これらの回路は当技術分野でよく知られており、したがって、これ以上は説明しない。
【0078】
プロセッサは、バスを管理することと、機械可読媒体上に記憶されたソフトウェアの実行を含む一般的な処理とを担うことができる。プロセッサは、1つまたは複数の汎用および/または専用プロセッサを用いて実装され得る。例としては、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPプロセッサ、およびソフトウェアを実行することができる他の回路が含まれる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、または他の名称で呼ばれるかどうかにかかわらず、命令、データ、またはそれらの任意の組合せを意味するように広く解釈されるべきである。機械可読媒体は、例として、RAM(ランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリ、ROM(読取り専用メモリ)、PROM(プログラマブル読取り専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラマブル読取り専用メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、もしくは任意の他の適切な記憶媒体、またはそれらの任意の組合せを含み得る。機械可読媒体は、コンピュータプログラム製品において具現化され得る。コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料を備え得る。
【0079】
ハードウェア実装形態では、機械可読媒体は、プロセッサとは別個の処理システムの一部であってもよい。しかしながら、当業者が容易に諒解するように、機械可読媒体またはその任意の部分は、処理システムの外部にあってもよい。例として、機械可読媒体は、伝送線路、データによって変調された搬送波、および/またはワイヤレスノードとは別個のコンピュータ製品を含んでもよく、それらのすべてが、バスインターフェースを介してプロセッサによってアクセスされ得る。代替的に、または追加として、機械可読媒体またはその任意の部分は、キャッシュおよび/または汎用レジスタファイルがそうであり得るように、プロセッサに統合されてもよい。
【0080】
処理システムは、すべてが外部バスアーキテクチャを介して他のサポート回路と互いにリンクされる、プロセッサ機能を提供する1つまたは複数のマイクロプロセッサと、機械可読媒体の少なくとも一部分を提供する外部メモリとを有する汎用処理システムとして構成され得る。代替的に、処理システムは、プロセッサを有するASIC(特定用途向け集積回路)と、バスインターフェースと、ユーザインターフェース(アクセス端末の場合)と、サポート回路と、単一のチップに統合された機械可読媒体の少なくとも一部分とを用いて、あるいは1つまたは複数のFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、PLD(プログラマブル論理デバイス)、コントローラ、状態機械、ゲート論理、個別ハードウェア構成要素、もしくは任意の他の適切な回路、または本開示全体にわたって説明する様々な機能を実行することができる回路の任意の組合せを用いて実装され得る。当業者は、特定の適用例および全体的なシステムに課される全体的な設計制約に応じて処理システムについて説明した機能を最良に実装する方法を認識するであろう。
【0081】
機械可読媒体は、いくつかのソフトウェアモジュールを備え得る。ソフトウェアモジュールは、プロセッサによって実行されると、処理システムに様々な機能を実行させる命令を含む。ソフトウェアモジュールは、送信モジュールおよび受信モジュールを含み得る。各ソフトウェアモジュールは、単一の記憶デバイス内に存在してもよく、複数の記憶デバイスにわたって分散されてもよい。例として、ソフトウェアモジュールは、トリガイベントが発生したとき、ハードドライブからRAMにロードされ得る。ソフトウェアモジュールの実行中に、プロセッサは、アクセス速度を高めるために、命令のうちのいくつかをキャッシュにロードし得る。次いで、1つまたは複数のキャッシュラインは、プロセッサが実行するために汎用レジスタファイルにロードされ得る。以下でソフトウェアモジュールの機能に言及する場合、そのような機能は、そのソフトウェアモジュールからの命令を実行するときにプロセッサによって実装されることが理解されよう。
【0082】
ソフトウェアにおいて実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、またはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または命令もしくはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを搬送もしくは記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を備えることができる。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線(IR)、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)、およびBlu-ray(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。したがって、いくつかの態様では、コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、有形媒体)を備え得る。加えて、他の態様の場合、コンピュータ可読媒体は、一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、信号)を備え得る。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0083】
したがって、いくつかの態様は、本明細書で提示する動作を実行するためのコンピュータプログラム製品を備え得る。たとえば、そのようなコンピュータプログラム製品は、命令を記憶した(および/または符号化した)コンピュータ可読媒体を備えてもよく、命令は、本明細書で説明する動作を実行するように1つまたは複数のプロセッサによって実行可能である。いくつかの態様の場合、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料を含み得る。
【0084】
さらに、本明細書で説明する方法および技法を実行するためのモジュールおよび/または他の適切な手段は、適用可能な場合、STAおよび/または基地局によってダウンロードおよび/または他の方法で取得され得ることを諒解されたい。たとえば、そのようなデバイスは、本明細書で説明する方法を実行するための手段の転送を容易にするためにサーバに接続され得る。代替的に、本明細書で説明する様々な方法は、STAおよび/または基地局が記憶手段(たとえば、RAM、ROM、コンパクトディスク(CD)またはフロッピーディスクなどの物理的記憶媒体など)をデバイスに接続または提供すると様々な方法を取得することができるように、その記憶手段を介して提供され得る。さらに、本明細書で説明する方法および技法をデバイスに提供するための任意の他の適切な技法が利用され得る。
【0085】
特許請求の範囲は、上記で示した厳密な構成および構成要素に限定されないことを理解されたい。特許請求の範囲から逸脱することなく、上記で説明した方法および装置の構成、動作および詳細において、様々な修正、変更および変形が行われてもよい。