特許第6799145号(P6799145)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6799145
(24)【登録日】2020年11月24日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】燃料集合体
(51)【国際特許分類】
   G21C 3/322 20060101AFI20201130BHJP
   G21C 3/30 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   G21C3/322 200
   G21C3/30 130
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-512795(P2019-512795)
(86)(22)【出願日】2017年2月20日
(65)【公表番号】特表2019-529894(P2019-529894A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】EP2017053753
(87)【国際公開番号】WO2018046143
(87)【国際公開日】20180315
【審査請求日】2019年11月12日
(31)【優先権主張番号】62/383,754
(32)【優先日】2016年9月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504446548
【氏名又は名称】ウェスティングハウス エレクトリック スウェーデン アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】ヘルメション ストゥーレ
(72)【発明者】
【氏名】キング ジェレミー
【審査官】 大門 清
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−010258(JP,A)
【文献】 特開2009−282048(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00798745(EP,A1)
【文献】 特開平09−236679(JP,A)
【文献】 特開平01−229997(JP,A)
【文献】 特開2004−077127(JP,A)
【文献】 特開平08−110389(JP,A)
【文献】 特開2011−247651(JP,A)
【文献】 特表2001−507129(JP,A)
【文献】 特開2003−194979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G21C 3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水型原子炉内に設置されるように構成された燃料集合体(1)であって、
上流端部(1a)を画定する上流小部分(3)と、
下流端部(1b)を画定する下流小部分(4)と、
前記上流小部分(3)と前記下流小部分(4)とを連結している主部分(5)と、
前記上流端部(1a)および前記下流端部(1b)を通って延びる長手軸(x)と平行に配置された複数の細長い燃料棒(2)と、
前記上流端部(1a)と前記下流端部(1b)との間の流動空間(6)であって、前記流動空間(6)は、流れ方向(F)に沿って前記上流端部(1a)から前記下流端部(1b)への前記燃料棒(2)と接触しながら前記燃料集合体(1)を通る冷却材の流れを可能にするように構成される、流動空間(6)と、
前記燃料棒(2)と平行に前記主部分(5)を通って延びる内部流路(8)を形成し、前記内部流路(8)を通る前記冷却材の流れを可能にする、少なくとも1つの細長管(7、37)であって、前記細長管(7、37)は、底部(20)、前記上流小部分(3)にある前記内部流路(8)への流入口(21)、および前記下流小部分(4)にある前記内部流路(8)からの流出口(22)を含む、細長管(7、37)と、
を含み、
前記細長管(7、37)は、前記流入口(21)を形成する流入パイプ(23)を含み、
前記流入パイプ(23)は、流入端(24)および流出端(25)を有し、
前記流出端(25)は、前記底部(20)からの或る距離で前記内部流路(8)内に配置され、これにより、前記流出端(25)と前記底部(20)との間の前記内部流路(8)内にスペース(26)を形成
前記細長管(7、37)は、磁性材料を前記底部(20)の方に引き付けるため備えられた少なくとも1つの磁石(28)を含む、
ことを特徴とする、燃料集合体。
【請求項2】
前記細長管(7、37)は内径(D)を有し、前記流入パイプ(23)は、前記流出端(25)において、前記細長管(7、37)の前記内径(D)より小さい外径(d)を有する、請求項1に記載の燃料集合体。
【請求項3】
前記流入端(24)は、前記長手軸(x)に非平行な平面に沿って延びる開口を形成する、請求項1または2のいずれか一項に記載の燃料集合体。
【請求項4】
前記流入パイプ(23)は前記底部(20)を通して延びる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料集合体。
【請求項5】
前記スペース(26)は、前記流入パイプ(23)周りの環状スペースである、請求項4に記載の燃料集合体。
【請求項6】
前記細長管(7、37)は、前記底部(20)を形成する底端部プラグ(27)を含み、前記流入パイプ(23)は前記底端部プラグ(27)を通して延びる、請求項4または5のいずれか一項に記載の燃料集合体。
【請求項7】
前記流出端(25)は、前記底部(20)の下流側0.2m以上の距離に配置される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料集合体。
【請求項8】
前記細長管(7、37)は円筒形状である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の燃料集合体。
【請求項9】
前記燃料集合体(1)は、前記燃料棒(2)の上流の前記上流小部分(3)にデブリフィルタ(16)を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の燃料集合体。
【請求項10】
前記流入端(24)は前記デブリフィルタ(16)の上流に配置される、請求項に記載の燃料集合体。
【請求項11】
前記流入端(24)は前記デブリフィルタの下流に配置される、請求項に記載の燃料集合体。
【請求項12】
前記燃料集合体(1)は、沸騰水型原子炉内に配置されるように構成され、前記細長管(7)は、前記内部流路(8)を通して非沸騰水を搬送するためのウォーターロッドを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の燃料集合体。
【請求項13】
前記燃料集合体(1)は、各々が前記それぞれの内部流路(8)を通して非沸騰水を搬送するためのウォーターロッドを含む少なくとも2つの細長管(7)を含む、請求項12に記載の燃料集合体。
【請求項14】
前記燃料集合体(1)は、加圧水型原子炉中に配置されるように構成され、前記細長管(37)は制御棒を受けるための案内管を含む、請求項1〜11に記載の燃料集合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水型原子炉(nuclear water reactor)、特に、原子力発電所の重水型原子炉または、沸騰水型原子炉BWR(boiling water reactor)もしくは加圧水型原子炉PWR(pressurized water reactor)などの軽水型原子炉LWR(light water reactor)の中に配置されるように構成された燃料集合体に関する。
【0002】
さらに正確に言えば、本発明は、上流端部を画定する上流小部分と、下流端部を画定する下流小部分と、上流部分と下流部分とを連結している主部分と、上流端部および下流端部を通って延びる長手軸と平行に配置された複数の細長い燃料棒と、上流端部と下流端部との間の流動空間であって、上流端部から下流端部への流れ方向に沿って燃料棒と接触しながら燃料集合体を通る冷却材の流れを可能にするように構成される流動空間(flow interspace)と、燃料棒と平行に主部分を通って延びる内部流路を形成し、内部流路を通る冷却材の流れを可能にする、少なくとも1つの細長管であって、底部、上流部分に内部流路への流入口、および下流部分に内部流路からの流出口を含む細長管と、を含む、水型原子炉に配置されるように構成された燃料集合体に関する。
【0003】
内部流路を通る冷却材の流れを可能にするこの細長管の目的は、燃料集合体中に非沸騰の減速用水を提供すること、あるいは、この水型原子炉の運転が中断されるときに、燃料集合体の中に制御棒を導入するためのガイドを提供することであってよい。
【0004】
この細長管は、円形、楕円形、多角形、十字形など、いろいろな断面形状を有してよい。
【背景技術】
【0005】
特許文献1は、水型原子炉のための燃料集合体を開示している。この燃料集合体は、下部タイプレートのキャビティ内のネットワークセクションの下に配置された遮蔽プレートを備える下部タイプレートを含む。この遮蔽プレートは、遮蔽プレートによって下部タイプレートが上側部分と下側部分とに分離されるように、ほぼ水平に配置される。管状フィルタは、管状フィルタが遮蔽プレートの下方と上方とに開口を有するように遮蔽プレートに取付けられる。この管状フィルタの上端は閉じられている。
【0006】
特許文献2は、複数の燃料棒およびデブリフィルタを含む、原子炉用の燃料集合体を開示しており、フィルタは、上流端部と燃料棒との間の冷却材の流れの中に設けられ、冷却材の流れの中のデブリ粒子を捕捉するように構成される。このフィルタデバイスは、冷却材に対する複数の通り穴を含む。
【0007】
水型原子炉中の冷却材の目的は、冷却液および減速材として機能することである。燃料の適切な冷却および中性子の適切な減速を確実にするためには、燃料集合体を通る冷却材の流れを確保することが重要である。
【0008】
前述した管状フィルタおよびデブリフィルタの目的は、冷却材中のデブリ粒子を捕捉し、これにより、燃料集合体中のより高い位置に、特にデブリ粒子が燃料棒の被覆加工に腐食をもたらす可能性のあるスペーサ中にデブリ粒子が捕捉されるのを防止することである。腐食(fretting)は、一次欠陥である被覆加工を貫通する小さな穴を、次いで後の段階で二次欠陥すなわち燃料棒の破損をもたらし、この破損が冷却材中へのウラニウムの漏出をもたらす可能性がある。二次欠陥発生の場合には、原子炉の運転を中断し故障した燃料棒を交換する必要がある。かかる交換は時間を消費しコストがかかる。冷却材中のデブリ粒子は、当然ながら原子力発電所中の他の構成部、例えばポンプなどの不具合の原因にもなり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願第2003/0128798号
【特許文献2】米国特許第6,175,606号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
現在市販され、燃料集合体中に使用されているデブリフィルタは、例えば、これら粒子がワイヤ粒子である場合約7mmなど、或る特定のサイズを上回るデブリ粒子を捕捉するように寸法取りされている。これより小さなデブリ粒子は、無害であるかおよび/またはスペーサに捕捉される確率は低いと見なされている。問題は、かかるより小さなデブリ粒子は無限に循環することになり、捕捉される確率が低いとしても、何百万ものデブリ粒子が捕捉される機会を有することになることである。かかる循環しているより小さなデブリ粒子が原子炉中で自然沈下することはない。
【0011】
本発明の目的は、前述した問題を改善し、デブリ粒子、特に、デブリフィルタで捕捉されない小さなデブリ粒子を自然沈下させることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、最初に定義された燃料集合体によって達成され、この燃料集合体は、細長管が流入口を形成する流入パイプを含むことと、流入パイプが流入端および流出端を有することと、流出端が内部流路内の底部からの或る距離に配置され、これにより内部流路中の流出端と底部との間にスペースが形成されることと、を特徴とする。
【0013】
かかる流入パイプが細長管の中に延びることによって、冷却材によって内部流路に持ち込まれたデブリ粒子、特に小さなデブリ粒子は、細長管の底部直ぐ上のスペースの中に効率的な仕方で捕捉することができる。
【0014】
流入パイプの流出端を出て内部流路に入るとき、内部流路中に流乱または局所的サブ圧力が形成されることになり、いかなるあり得る粒子も冷却材の流れから分離され、底部に向かってスペースの中を沈下することを可能にし、粒子はそこに留まることになる。そして、これら粒子が、燃料集合体、および原子力発電所のいずれかのさらなる構成部に何らかの欠陥を生じさせるのが防止されることになる。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、この細長管は或る内径を有し、流入パイプはその流出端において細長管の内径よりも小さな外径を有する。結果として、流入パイプは、内部流路の流れの面積よりも小さな流れの面積を有することになり、そして、冷却材の流れの流速は、冷却材が内部流路に入ったとき減少することになって圧力の低下が生じる。このような仕方で、前記流乱または局所的サブ圧力が確保されることになる。
【0016】
本発明のさらなる実施形態によれば、流入端は、長手軸に非平行な平面に沿ってまたは平面中に延びる開口を形成する。流入パイプの流入端の開口は、そして冷却材の流れの方に向けられることになり、これは、流入パイプおよび内部流路への冷却材のかなりの流れの流入を確実にする。有利には、開口の平面は、長手軸にそして冷却材の流れに対し横向きに延びることが可能である。具体的には、開口の平面は、長手軸に対し垂直またはほぼ垂直であってよい。
【0017】
本発明のさらなる実施形態によれば、流入パイプは底部を貫通して延びる。これは、製造の観点から有利である。さらに、流入パイプのこのような伸張は、細長管の外側で流入パイプに必要なスペースを、そして冷却材の流れへの一切の悪影響を最小化することを可能にする。
【0018】
本発明のさらなる実施形態によれば、このスペースは、流入パイプ周りの環状のスペースである。
【0019】
本発明のさらなる実施形態によれば、この流入パイプは、細長管と同心である。
【0020】
本発明のさらなる実施形態によれば、細長管は、底部を形成する前記底端部プラグを含み、流入パイプは、この底部端プラグを貫通して延びる。流入パイプおよび底端部プラグは、そして共同構成部を形成し、この構成部は、従来の方法で細長管の端部に取付けることができる。
【0021】
本発明のさらなる実施形態によれば、流出端はこの底部の下流側少なくとも0.2mの距離に配置される。そして、スペースは少なくとも0.2mの高さを有することになり、これは、あり得るデブリ粒子が、細長管の底に沈下することを可能にするのに十分なサブ圧力生成するに足りると見なされる。好ましくは、この距離は少なくとも0.3m、より好ましくは少なくとも0.4m、さらに最も好ましくは0.5mである。
【0022】
本発明のさらなる実施形態によれば、この細長管は円筒形状である。
【0023】
本発明のさらなる実施形態によれば、この細長管は円形の断面を有することができる。但し、この細長管は、楕円形の断面、正方形または矩形の断面、三角形の断面、多角形の断面、または十字形の断面など、任意の可能な断面を有してよい。
【0024】
本発明のさらなる実施形態によれば、この細長管は、磁性材料を底部の方に引き付けるため備えられた少なくとも1つの磁石を含む。かかる少なくとも1つの磁石は、永久磁石を含んでよいが、電磁石とすることも可能である。
【0025】
さらなる実施形態によれば、少なくとも1つの磁石は、細長管の底部に配置された1つ、2つ、3つ、4つの、またはさらに多くの磁石を含んでよい。
【0026】
本発明のさらなる実施形態によれば、燃料集合体は、燃料棒の上流の上流小部分にまたはその中にあるデブリフィルタを含む。かかるデブリフィルタは、或る特定のサイズを上回る全てのデブリ粒子を捕捉することになる。
【0027】
本発明のさらなる実施形態によれば、流入端は、デブリフィルタの上流に配置される。この場合、流入パイプは、したがってこのデブリフィルタを通して延びることになる。全てのデブリ粒子は、そして細長管のスペース中に回収することができる。
【0028】
本発明のさらなる実施形態によれば、流入端はデブリフィルタの下流に配置される。この別形においては、デブリフィルタの捕捉されなかったデブリ粒子、すなわち相対的に小さなデブリ粒子だけが細長管のスペース中に収集されることになる。
【0029】
本発明のさらなる実施形態によれば、燃料集合体は、沸騰水型原子炉の中に配置するように構成され、細長管は、内部流路を通して非沸騰水を搬送するためのウォーターロッドを含む。
【0030】
本発明のさらなる実施形態によれば、燃料集合体は、各々がそれぞれの内部流路を通して非沸騰水を搬送するためのウォーターロッドを含む、少なくとも2つの細長管を含む。例えば、燃料集合体は、各々がそれぞれの内部流路を通して非沸騰水を搬送するためのウォーターロッドを含む、3つの細長管を含んでもよい。
【0031】
本発明のさらなる実施形態によれば、燃料集合体は、加圧水型原子炉中に配置されるように構成され、その細長管は制御棒を受けるための案内管を含む。例えば、燃料集合体は、各々がそれぞれの制御棒を受けるための案内管を含む、複数の細長管を含んでよい。
【0032】
以降に、様々な実施形態の説明を通し、本明細書に添付された図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく解説することする。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の第1実施形態および第2実施形態による、燃料集合体を通る縦断面を概略的に表す。
図2図1の燃料集合体の細長管の一部分を通る縦断面を概略的に表す。
図3】本発明の第3実施形態による、燃料集合体の細長管の一部分を通る縦断面を概略的に表す。
図4】本発明の第4実施形態による、燃料集合体の細長管の一部分を通る縦断面を概略的に表す。
図5】本発明の第5実施形態による、燃料集合体の細長管の一部分を通る縦断面を概略的に表す。
図6】本発明の第6実施形態および第七実施形態による、燃料集合体を通る縦断面を概略的に表す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、水型原子炉、さらに正確には沸騰水型原子炉すなわちBWR内に配置するように構成された燃料集合体1の第1実施形態を表す。燃料集合体1は、細長の形状を有し、燃料集合体1の上流端部1aと下流端部1bとの間の長手軸xに沿って延びる。原子炉内の燃料集合体1の通常の使用の過程において、上流端部1aは燃料集合体1の下端部を形成し、下流端部1bは上端部を形成する。
【0035】
複数の細長い燃料棒2は、長手軸xに平行に配置される。各燃料棒2は、被覆管と、例えば燃料パレットの形で被覆管に包含された核燃料(開示せず)とを含む。
【0036】
燃料棒2は、完全長の燃料棒、および部分長の燃料棒を含んでよい。部分長の燃料棒は、例えば、完全長の燃料棒の長さの1/3および/または2/3の長さを有してよい。図1には、完全長の燃料棒だけが示されている。
【0037】
燃料集合体1は、上流端部1aを画定する上流小部分3、および下流端部1bを画定する下流小部分4を含む。主部分5は、上流小部分3と下流小部分4との間に設けられこれらを連結する。主部分5と上流小部分3との間、および主部分5と下流小部分4との間の境界は、図1中に横方向の点線で示されている。
【0038】
主部分5は、上流小部分3および下流小部分4それぞれの軸長さよりも長い軸長さを有する。
【0039】
さらに、主部分5の軸長さは上流小部分3および下流小部分4の軸長さの和よりも長くてよい。
【0040】
燃料集合体1は、上流端部1aと下流端部1bとの間に流動空間6を画定する。この流動空間6は上流端部1aから下流端部1bの流れの方向Fに沿って燃料集合体1を通る冷却材の燃料棒2に接触しながらの流れを可能にするように構成される。
【0041】
図2を参照すると、この第1実施形態において、燃料集合体1は、燃料棒2と平行に主部分5を通って延びる、それぞれの内部流路8を形成する2つの細長管7も含む。細長管7は、それぞれの内部流路8を通る冷却材の流れを可能にする。この第1実施形態では、細長管7は、冷却材、特に非沸騰水の流れを囲い込む、いわゆるウォーターロッドを形成する。なお、細長管7の数は、2以外の数、例えば1、3、4、5、6以上であってもよい。
【0042】
この第1実施形態では、細長管7は、円筒形状である。具体的に細長管7は円形の断面を有してよい。
【0043】
燃料棒2は、元来から周知の仕方で、スペーサ9によって保持される。この第1実施形態では、スペーサ9は細長管7に取付けられる。
【0044】
また、第1実施形態の燃料集合体1は、燃料棒2、スペーサ9、および流動空間6を囲い込むケーシング10を含む。
【0045】
細長管7は、燃料棒2の真下に設けられた底板11に取付けられる。
【0046】
さらに、細長管7はその下流端部1bで上板12にも取付けられる。上板12は把手13を含む。底板11、細長管7、上板12、およびスペーサ9は、支持構造本体を形成する。この支持構造本体は把手13を使って持ち上げることができ、燃料棒2の重量を支える。
【0047】
この第1実施形態では、図1中に見ることができるように、各細長管7は、底板11に取付けられた管部分7aと、上板12に取付けられた大きな棒を形成する固体部分7bとを含む。
【0048】
燃料集合体1は、しばしば連絡材とも呼ばれる底部材14を含む。底部材14は上流端部1aに延び、冷却材の流れのための流入開口15を画定する。底部材14は、底板11またはケーシング10に取付けられてよい。
【0049】
燃料集合体1は、燃料棒の上流側の上流小部分3にまたはその中にデブリフィルタ16を含む。デブリフィルタ16は、上流端部1aと燃料棒2との間に設けられる。この第1実施形態では、デブリフィルタ16は、上流端部1aと底板8との間に設けられる。デブリフィルタ16は、底板11によって支持されるかまたはこれに取付けられてよい。
【0050】
この第1実施形態において、細長管7の各々は、底部20と、上流小部分3にある、内部流路8への流入口21と、下流小部分4にある、内部流路8からの流出口22とを含む。流出口22は、細長管7の管部分7aの下流端に配置される。
【0051】
また、図2中に見ることができるように、細長管7は、内部流路8への流入口21を形成する流入パイプ23も含む。有利には、流入口21の流れの面積は、流出口22の流れの面積よりも小さい。
【0052】
流入パイプ23は、流入端24および流出端25を有する。流出端25は、内部流路8の内側に底部20からの或る距離に配置される。このようにして、内部流路8中の流出端25と底部20との間にスペース26が形成される。
【0053】
細長管7は内径Dを有する。流入パイプ23は、その流出端25で外径dを有し、これは細長管7の内径Dよりも小さい。
【0054】
流入パイプ23の入力端24は、長手軸xに非平行な平面pに沿って延びる開口を形成する。この第1実施形態では、平面pは長手軸xに垂直である。
【0055】
この第1実施形態において、流入パイプ23は細長管7の底部20を貫通して、特に底部20を貫通して同心円状に延びる。
【0056】
この第1実施形態では、前述したスペース26は、細長管7の流入パイプ23周りの環状スペースである。
【0057】
細長管7は、底部20を形成する底端部プラグ27を含む。そして、流入パイプ23は底端部プラグ27を貫通して延びる。流入パイプ23と底端部プラグと27は、例えば、挿入され溶接されることによって細長管7の端部に取付けられる共同構成部を形成することができる。
【0058】
流入パイプ23の流出端25は、底部20からの或る距離に配置される。具体的に、流出端25は、底部20の下流側0、2mまたは少なくとも0.2mに配置される。
【0059】
さらに具体的には、この底部20からの下流側距離は、少なくとも0.3m、少なくとも0.4m、または少なくとも0.5mであってよい。
【0060】
この底部20からの下流側距離は、最大で1mにすることが可能である。
【0061】
さらに、細長管7は、随意的に、磁性材料すなわち磁性デブリ粒子を底部20の方に引き付けるため備えられた少なくとも1つの磁石28を含んでよい。この第1実施形態には2つの磁石28が示されているが、1つ、3つ、4つ、5つの、またはさらに多くの磁石を底部20の近くに備えることが可能である。これらの磁石は、スペース26に配置される。磁石28は、永久磁石であってよい。
【0062】
磁石または磁石群28は、任意の適切な形状であってよく、例えば、流入パイプ23の周りに設けられた1つの環状磁石とすることも可能であろう。
【0063】
この第1実施形態において、流入パイプ23の流入端24はデブリフィルタ16の上流に配置される。これは、図1の右側の流入パイプ23によって示されている。
【0064】
第2実施形態において、流入パイプ23の流入端24はデブリフィルタ16の下流に配置される。これは、図1の左側の流入パイプ23によって示されている。この第2実施形態では、流入端は、底板11の上流に配置されてよい。
【0065】
図3は第3実施形態を示し、この実施形態は、流入パイプ23が、細長管7の内部スペース8中に偏心的に延びている点で、第1実施形態とは異なる。さらに、流入パイプ23の流入端24は底部プラグ27の上流側表面に配置される。そして、流入端24は、デブリフィルタ16の下流に、また細長管7がどのように底板11に取付けられているかの如何によっては、おそらくは底板11に対しても下流に配置される。
【0066】
図4は第4実施形態を示し、この実施形態は、流入パイプ23が湾曲または屈曲されている点で第1実施形態とは異なる。流入パイプ23は、図4中に見ることができるように、細長管7の側面を通して内部流路8の中に延びている。そして、スペース26は環状ではない。
【0067】
図5は第5実施形態を示し、この実施形態は、流入パイプ23が湾曲または屈曲されている点で第1実施形態とは異なる。但し、この流入パイプ23は、偏心的に底部20を通り、底部プラグ27を通して延びる。さらに、流入パイプ23の流出端25は、垂直にまたはほぼ垂直に伸びている。
【0068】
なお、流入パイプ23の構成はさらに改造することが可能である。特に、第1から第5の実施形態に示された、流入パイプ23、および細長管7へのその取付け方の全ての多様な特徴は相互に組合せることができる。
【0069】
図6は第6実施形態を示し、この実施形態は、燃料集合体1が加圧水型原子炉に配置されるように構成されるという点で第1実施形態とは異なる。
【0070】
なお、開示された全ての実施形態において、類似のまたは一致する要素に対しては同じ参照符号が使われている。
【0071】
また、第6実施形態による燃料集合体1は、細長の形状を有し、長手軸xに沿って燃料集合体1の上流端部1aと下流端部1bとの間に延びる。原子炉中の燃料集合体1の通常の使用の過程において、上流端部1aは燃料集合体1の下端部を形成し、下流端部1bは上端部を形成する。上流端部1aと下流端部1bとの間には流動空間6が設けられる。
【0072】
上流端部1aと下流端部1bとの間の流動空間6の中に、複数の燃料棒2が備えられる。これら燃料棒2は、スペーサ9によって保持される。この第6実施形態において、スペーサ9は、いくつかの細長管37に付着され、図6中にはそのうちの2つが示されている。細長管37は、燃料棒2と平行に主部分5を通って延びる、それぞれの内部流路8を形成し、内部流路8を通る冷却材の流れを可能にする。各細長管37は、PWRの運転が中断されるときに制御棒を受けるように構成された、いわゆる案内管を形成する。制御棒は、下流端部1bからすなわち上方から細長管37の中に導入される。
【0073】
BWR用の燃料集合体1と対照的に、第6実施形態による燃料集合体1は、ケーシングを有さないが、前述した流動空間6はなお含む。
【0074】
細長管37は、燃料棒2の真下に設けられた底板11と、下流端部1bにある上板12と、に取付けられる。底板11、細長管7、上板12、およびスペーサ9は支持構造本体を形成し、支持構造本体は燃料棒2の重量を支える。
【0075】
また、燃料集合体1は底部材14も含む。底部材14は、上流端部1aに延び、冷却材の流れのための流入口15を画定する。底部材14は底板12に取付けられてよい。
【0076】
また、第6実施形態の燃料集合体1は、燃料棒2の上流の上流小部分3にデブリフィルタ16を含む。
【0077】
前の諸実施形態に関連して上記で説明したように、第6実施形態による細長管37の各々は、底部20と、上流小部分3に、内部流路8への流入口21と、下流小部分4に、内部流路8からの流出口22とを含む。
【0078】
また、細長管37は、図2中に見ることができるように、内部流路8への流入口21を形成する流入パイプ23を含む。有利には、流入口21の流れの面積は、流出口22の流れの面積よりも小さい。
【0079】
流入パイプ23は、流入端24および流出端25を有する。流出端25は、内部流路8の内側の、底部20からの或る距離に配置される。このようにして、内部流路8中の流出端25と底部20との間にスペース26が形成される。
【0080】
なお、第6実施形態における流入パイプ23の構成および細長管37中の流入パイプ23の配置は、図2図5に表し、前に説明した第1から第5の実施形態と同様であってもよい。
【0081】
本発明は、開示された実施形態に限定されるものでなく、添付の特許請求の範囲内で変更し改造することが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6