【文献】
L1/8A オートローダ装置(LTO Ultrium 3) 製品仕様,日本,株式会社 日立製作所,2010年10月,[令和2年6月9日検索], インターネット<URL: http://www.hitachi.co.jp/products/it/server/peripherals/products_list/tape/oldmodel/pdf/spec_l1_8a_lto3_200909.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書に開示される様々な実施形態は、環境的に隔離された内部部分を有するテープライブラリラックモジュールに関する。テープライブラリラックモジュールの環境的に隔離された内部部分は、テープライブラリラックモジュールの環境的に隔離された内部部分内のテープ環境(例えば、テープカートリッジにデータを保存するのに適した環境、または気候)を維持しながら、テープライブラリラックモジュールがデータセンタ環境(例えば、データセンタ室内の環境、または気候)内に配置されることを可能にし得る。
【0007】
いくつかの従来のアーカイブソリューションは、データセンタとは別の特殊な目的の部屋にアーカイブハードウェア(例えばテープハードウェア)を配置することを含み得る。このような特殊な目的の部屋は、データセンタよりも厳しい特別の環境条件を維持し得る。それに応じて、これらの従来のアーカイブソリューションは、エネルギー効率がよくないかまたは費用効果が高くない可能性がある。対照的に、本明細書に記載のテープライブラリラックモジュールの実施形態は、テープ環境がより小さな容積(テープライブラリラックモジュールの環境的に隔離された内部部分)内に維持されることを可能にし、このため、いくつかの従来のアーカイブソリューションよりもエネルギー効率がよくおよび/または費用効果の高いソリューションを提供し得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、データセンタは、ラックコンピュータシステムと共にテープライブラリラックモジュールを含み得る。例えば、ラックコンピュータシステムは、データセンタに通常見られるように、サーバラックに取り付けられたサーバを含み得る。ラックコンピュータシステムは、データセンタ環境内でコンピューティング能力を提供するように構成され得る。いくつかの例では、データセンタ環境は、データセンタ温度範囲およびデータセンタ相対湿度範囲を含み得る。例えば、データセンタの温度範囲は約5℃〜約40℃であり得、データセンタの相対湿度範囲は約8パーセント〜約85パーセントであり得る。
【0009】
様々な例において、テープライブラリラックモジュールは、テープライブラリラックモジュールの内部を取り囲むエンクロージャ、内部内のラック、およびラックに取り付けられたテープライブラリユニットを含み得る。テープライブラリユニットは、内部の一部がデータセンタ環境から環境的に隔離されるように囲い込まれた内部の一部内にあってもよい。テープライブラリユニットは、データセンタ環境とは異なるテープ環境内でデータを保存するように構成されているテープカートリッジを含み得る。いくつかの例では、テープ環境は、テープ温度範囲および/またはテープ相対湿度範囲を含み得る。例えば、テープ温度範囲は約16℃〜約25℃であり得、テープ相対湿度範囲は約20パーセント〜約50パーセントであり得る。
【0010】
いくつかの例では、テープライブラリラックモジュールは、テープライブラリユニットを含む内部の一部を冷却するように構成されている冷却ユニットを含み得る。追加的または代替的に、テープライブラリラックモジュールは、テープライブラリユニットを含む内部の一部を加湿するように構成されている加湿器ユニットを含み得る。テープライブラリラックモジュールは、1つ以上の冷却ユニットまたは加湿器ユニットに少なくとも部分的に基づいて、内部の一部内のテープ環境を維持するように構成され得る。テープライブラリラックモジュールのエンクロージャは、上壁、上壁の反対側の底壁、前壁、前壁の反対側の後壁、第1の側壁、および第1の側壁の反対側の第2の側壁を含み得る。いくつかの例では、冷却ユニットはエンクロージャの上壁に取り付けられ得る。さらに、いくつかの例では、加湿器ユニットはエンクロージャの後壁に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、前壁は、テープライブラリラックモジュールの内部へのアクセスを提供するように構成されているドアを含み得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、テープライブラリラックモジュールは、テープライブラリラックモジュールの内部内にサーバおよび/またはスイッチ(例えば、ネットワークスイッチ、コンソールスイッチ、等)を含み得る。例えば、テープライブラリユニットは内部の第1の部分内のラックに取り付けられてもよく、サーバおよび/またはスイッチは内部の第2の部分内のラックに取り付けられてもよい。場合によっては、内部の第1の部分と内部の第2の部分とは、テープカートリッジにデータを保存するのに適した同じ環境(例えば、テープ環境)を共有し得る。例えば、エンクロージャは、テープ環境が維持される境界を定め得る。しかしながら、他の場合では、テープライブラリラックモジュールは、内部の第1の部分が内部の第2の部分から環境的に隔離されるように、内部の第1の部分を内部の第2の部分から仕切る仕切り構造を含み得る。
【0012】
場合によっては、テープライブラリラックモジュールは、内部の環境的に隔離された部分内のラックに取り付けられた複数のテープライブラリユニットを含み得る。例えば、テープライブラリユニットは、拡張ユニットおよび/または制御ユニットを含み得る。拡張ユニットは、テープカートリッジおよび/またはテープカートリッジの保存場所を含み得る。制御ユニットは、テープライブラリユニットを横断してテープカートリッジをそれらのそれぞれの保存場所からテープドライブに移送するように構成されているロボットを含むことができ、またその逆も可能である。テープドライブは、テープライブラリユニット内、例えば制御ユニット内に位置付けされ得る。テープドライブは、テープカートリッジからデータを読み取る、および/またはテープカートリッジにデータを書き込むように構成され得る。
【0013】
本明細書で使用されるとき、「コンピューティング」は、計算、データ保存、データ検索、または通信などの、コンピュータによって行われ得る任意の動作を含む。
【0014】
本明細書で使用されるとき、「コンピューティングデバイス」は、コンピュータシステムまたはその構成要素など、コンピューティング動作を実行することができる任意の様々なデバイスを含む。コンピューティングデバイスの一例はラックマウント型サーバである。本明細書で使用されるとき、コンピューティングデバイスという用語は、当技術分野でコンピュータと呼ばれる集積回路だけに限定されず、プロセッサ、サーバ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラム可能ロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路、および他のプログラム可能回路を広く指し、これらの用語は、本明細書では互換的に使用される。コンピューティングデバイスのいくつかの例には、電子商取引サーバ、ネットワークデバイス、電気通信機器、医療機器、電力管理および制御デバイス、およびプロ用オーディオ機器(デジタル、アナログ、またはそれらの組み合わせ)が含まれる。様々な実施形態において、メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)のようなコンピュータ可読媒体を含み得るが、これに限定されない。あるいは、コンパクトディスク−読み取り専用メモリ(CD−ROM)、光磁気ディスク(MOD)、および/またはデジタル多用途ディスク(DVD)も使用され得る。また、追加入力チャネルは、マウスやキーボードなどのオペレータインタフェースに関連付けられたコンピュータ周辺機器を含み得る。あるいは、例えば、スキャナを含み得る他のコンピュータ周辺機器も使用され得る。さらに、いくつかの実施形態では、追加出力チャネルは、オペレータインターフェースモニタおよび/またはプリンタを含み得る。
【0015】
本明細書で使用されるとき、「データセンタ」は、コンピュータ動作が実行される任意の施設または施設の一部を含む。データセンタは、特定の機能専用または複数の機能を供給するサーバを含め得る。コンピュータ動作の例には、情報処理、通信、試験、シミュレーション、配電および制御、ならびに動作制御が含まれる。
【0016】
本明細書で使用されるとき、「ダクト」は、空気などの流体を導き、分離し、または流すことができる任意のデバイス、装置、要素、またはその一部を含む。ダクトの例には、布または織物ダクト、金属シートダクト、成形ダクト、チューブまたはパイプが含まれる。ダクトの通路の断面形状は、正方形、長方形、円形または変則形状であってもよく、ダクトの長さにわたって均一または変化してもよい。ダクトは、別々に製造された構成要素でも、フレームなどの1つ以上の他の構成要素と一体のものでもよい。
【0017】
本明細書で使用されるとき、「設置された」は、支持構造体または要素上の適所にあるか、またはそれに連結されていることを意味する。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、それが取り付けられている構造上で移動できるように設置される。例えば、サーバは、サーバがレールに沿ってスライドできるように、レール上に設置され得る。
【0018】
本明細書で使用されるとき、「モジュール」は、互いに物理的に連結された構成要素または構成要素の組み合わせを意味する。モジュールは、コンピュータシステム、ラック、送風機、ダクト、配電ユニット、火災抑制システム、および制御システムなどの機能要素およびシステム、ならびにフレーム、ハウジング、または容器などの構造要素を含み得る。いくつかの実施形態では、モジュールは、データセンタから離れた場所で予め製造される。
【0019】
本明細書で使用されるとき、「ラック」は、ラック、容器、フレーム、または1つ以上のコンピューティングデバイスを包含するかまたは物理的に支えることができる他の要素または要素の組み合わせを意味する。
【0020】
本明細書で使用されるとき、「部屋」は、建物の部屋または空間を意味する。本明細書で使用されるとき、「コンピュータ室」は、ラックマウント型サーバなどのコンピュータシステムが動作される建物の部屋を意味する。
【0021】
本明細書で使用されるとき、「空間」は空間、面積または容積を意味する。
【0022】
図1は、いくつかの実施形態による、ラックコンピュータシステム104と共に例示的なテープライブラリラックモジュール102を含むデータセンタ100を図示する。ラックコンピュータシステム104は、データセンタ環境106(例えば、データセンタ室内部の環境)内にコンピューティング能力を提供するように構成され得る。いくつかの例では、データセンタ環境106は、データセンタ100が維持される1つまたは複数の環境パラメータを含み得る。例えば、データセンタ環境106は、データセンタ温度範囲および/またはデータセンタ相対湿度範囲を含み得る。いくつかの例では、データセンタ温度範囲は約5℃〜約40℃であり得、データセンタ相対湿度範囲は約8パーセント〜約85パーセントであり得る。
【0023】
様々な実施形態では、テープライブラリラックモジュール102は、テープライブラリラックモジュール102の内部を取り囲むエンクロージャ108、内部内のラック110、およびラック110に取り付けられたテープライブラリユニット112を含み得る。テープライブラリユニット112は、データセンタ環境106から囲い込まれ環境的に隔離されている内部の一部内にあり得る。テープライブラリユニット112は、データセンタ環境106とは異なるテープ環境114内にデータを保存するように構成されているテープカートリッジ(例えば、
図6を参照して以下で説明するテープカートリッジ612)を含み得る。いくつかの例では、テープ環境114は、テープライブラリラックモジュール102の内部部分が維持される1つまたは複数の環境パラメータを含み得る。例えば、テープ環境114は、テープ温度範囲および/またはテープ相対湿度範囲を含み得る。いくつかの例では、テープ温度範囲は約16℃〜約25℃であり得、テープ相対湿度範囲は約20パーセント〜約50パーセントであり得る。
【0024】
いくつかの例では、テープライブラリラックモジュール102は、テープライブラリユニット112を含むテープライブラリラックモジュール102の内部部分を冷却するように構成されている冷却ユニット116を含み得る。追加的または代替的に、テープライブラリラックモジュール102は、テープライブラリユニット112を含むテープライブラリラックモジュール102の内部部分を加湿するように構成されている加湿器ユニット118を含み得る。テープライブラリラックモジュール102は、冷却ユニット116および/または加湿器ユニット118に少なくとも部分的に基づいて、内部部分内のテープ環境を維持するように構成さ得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、テープライブラリラックモジュール102のエンクロージャ108は、上壁、上壁の反対側の底壁、前壁、前壁の反対側の後壁、第1の側壁、および第1の側壁の反対側の第2の側壁を含み得る。いくつかの例では、冷却ユニット116は、エンクロージャ108の上壁に取り付けられ得る。さらに、いくつかの例では、加湿器ユニット118は、エンクロージャ108の後壁に取り付けられ得る。場合によっては、前壁は、テープライブラリラックモジュール102の内部へのアクセスを提供するように構成されているドア120を含み得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、テープライブラリラックモジュール102は、テープライブラリラックモジュール102の内部内にサポートユニット122を含み得る。サポートユニット122は、テープライブラリユニット112をサポートするように構成され得る。例えば、
図6を参照して以下でさらに詳細に説明するように、サポートユニット122は、1つまたは複数のサーバおよび/または1つまたは複数のスイッチを含み得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、テープライブラリラックモジュール102のラック110は、例えば、米国電子工業会(EIA)によって特定されているような、高さ42Uの標準的なラックであり得る。特定の例では、サポートユニットの各々は高さ1Uであり得、テープライブラリユニットは、高さ1Uから高さ6Uの範囲のユニットを含み得る。しかしながら、他の実施形態では、サポートユニットおよび/またはテープライブラリユニットのサイズは変わってもよい。
【0028】
いくつかの例では、ラックコンピュータシステム104の各々は、それぞれのエンクロージャ124によって少なくとも部分的に囲い込まれている。テープライブラリラックモジュール102のエンクロージャ108は、ラックコンピュータシステム104のエンクロージャ124と同じかまたは類似のフォームファクタを有し得る。いくつかの例では、テープライブラリラックモジュール102のエンクロージャ108は、それがラックコンピュータシステム104と同じラック列126に配置されることができるように形作られ得る。
【0029】
図2は、いくつかの実施形態による、環境的に隔離された内部202を含む例示的なテープライブラリラックモジュール200の側断面図を図示する。いくつかの実施形態によれば、テープライブラリラックモジュール200は、エンクロージャ206の上壁に取り付けられた冷却ユニット204を含み得る。様々な実施形態において、テープライブラリラックモジュール200は、ラックコンピュータシステムにデータセンタ環境を提供するデータセンタ、例えば
図1を参照して上述したデータセンタ100において使用され得る。さらに、いくつかの実施形態では、テープライブラリラックモジュール200は、
図1および
図3〜
図10を参照して上記および下記で説明されるテープライブラリラックモジュールの1つ以上の実施形態の特徴を含み得る。
【0030】
テープライブラリラックモジュール200は、1つまたは複数のテープライブラリユニット208および1つまたは複数のサポートユニット210を含み得る。いくつかの例では、テープライブラリユニット208は、テープライブラリユニットの設計と互換性のある順序で配列された、1つまたは複数の制御ユニットおよび/または1つまたは複数の拡張ユニットを含み得る。さらに、サポートユニットは、1つまたは複数のサーバ、1つまたは複数のコンソールスイッチ、および/または1つまたは複数のネットワークスイッチを含み得る。テープライブラリユニット208は、テープカートリッジおよび他のテープライブラリ構成要素を含み得る。テープカートリッジは、特別のテープ環境内でデータを保存するように構成され得る。サポートユニット210は、テープライブラリユニット208をサポートするように構成され得る。例えば、サーバは、テープライブラリユニット208のある一定の機能を制御するために使用される制御情報を提供するために制御ユニットと通信し得る。テープライブラリユニット208およびサポートユニット210は、
図6を参照して以下でさらに詳細に説明される。
【0031】
いくつかの実施形態では、テープライブラリラックモジュール200は、環境的に隔離された内部202を冷却するように構成されている冷却ユニット204、および/または環境的に隔離された内部202を加湿するように構成されている加湿器ユニット212を含み得る。場合によっては、テープライブラリラックモジュール200は、環境的に隔離された内部202を加熱するように構成されている加熱ユニット214(例えば、エンクロージャに連結された内部加熱ユニット)を含み得る。冷却ユニット204、加湿器ユニット212、および/または加熱ユニット214は、テープライブラリラックモジュール200の環境的に隔離された内部202内のテープ環境を維持するために使用され得る。
図2に示すように、いくつかの実施形態では、テープライブラリユニット208およびサポートユニット210は、同じテープ環境を共有し得る。例えば、テープライブラリラックモジュール200のエンクロージャ206は、内部202内のテープ環境を囲い込み環境的に隔離するエンクロージャであり得る。しかしながら、他の場合には、テープライブラリユニット208は、例えば
図4および
図5を参照して以下で説明されるように、テープ環境がテープライブラリユニットに提供されるがサポートユニットには提供されないようにサポートユニット210から仕切られてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、冷却ユニット204は熱交換器を含み得る。テープライブラリラックモジュール200内の空気は、熱交換器をくまなく循環して空気を冷却し得、空気はテープライブラリラックモジュール200内に循環され得る。すなわち、いくつかの実施形態では、テープライブラリラックモジュール200内の空気は、テープライブラリラックモジュール200の外部にある空気と交換され得ない。外気(例えば、データセンタの空気)は、熱を排除するために熱交換器を通過し得る。1つ以上の吸気ダクト216またはポートが、内部202から冷却ユニット204内に空気を吸い込むように構成され得る。1つ以上の排気ダクト218またはポートが、冷却ユニット204からテープライブラリラックモジュール200の内部202に空気を排出して戻すように構成され得る。
【0033】
いくつかの例では、加湿器ユニット212は、テープライブラリラックモジュール200の環境的に隔離された内部202の内部の空気中の湿気を増加させるように構成され得る。加湿器ユニット212は、(例えば、
図4および
図5を参照して以下に説明するように)取水口220を介して水源/供給源から水を受け取ることができ、湿気排出口222を介してテープライブラリラックモジュール200の環境的に隔離された内部202に湿気を(例えば、ミストの形態で)排出し得る。いくつかの例では、加湿器ユニット212は超音波加湿器であってもよい。しかしながら、テープ環境内の内部202の維持に寄与するのに適した任意の他のタイプの加湿器が、加湿器ユニット212として使用され得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、テープライブラリラックモジュール200は、テープライブラリラックモジュール200の環境的に隔離された内部202内の1つまたは複数の環境パラメータを検出するように構成されている1つまたは複数のセンサ224を含み得る。環境パラメータは、テープライブラリユニットが維持されているテープ環境に関連付けられ得る。例えば、環境パラメータは、温度および/または相対湿度を含み得る。したがって、センサ224は、温度センサおよび/または湿度センサを含み得る。
【0035】
センサ224によって検出された環境パラメータは、1つまたは複数のコントローラ226に通信され得る。例えば、コントローラ226は、テープライブラリラックモジュール200内に(例えば、サーバ内に)存在してもよく、または
図2に示すように、コントローラ226は、テープライブラリラックモジュール200の外部に存在してもよい。いくつかの例では、センサ224は、コントローラ226と通信するように構成されているテープライブラリラックモジュール200内の1つ以上の構成要素(例えばサーバ)に連結されてもよい。コントローラ226は、センサ224からセンサ情報を受信し、センサ情報を(例えば、1つ以上のプロセッサを介して)処理して、冷却ユニット204、加湿器ユニット212、および/または加熱ユニット214をどのように動作させてテープライブラリラックモジュール200の環境的に隔離された内部202内のテープ環境を維持するかを決定し得る。追加的または代替的に、コントローラ226は、テープライブラリラックモジュール200の環境的に隔離された内部202内のテープ環境を維持するために、天気予報データ、データセンタ内に検出された環境パラメータに関連付けられた履歴情報、および/またはテープライブラリラックモジュール200内に検出された環境パラメータに関連付けられた履歴情報に少なくとも部分的に基づいて、冷却ユニット204、加湿器ユニット212、および/または加熱ユニット214をどのように動作させるかを決定し得る。
【0036】
非限定的な例として、テープライブラリラックモジュール200は、夜間は涼しく、日中は暖かく作動する(例えば、データセンタが外気を使用してそれを加熱および冷却するのを促進する場合)データセンタにおいて使用されることがあり、このため、テープライブラリラックモジュール200の内部202は、それに相応して温度の変動を受け得る。冷たい空気は暖かい空気よりも湿気が少ないので、コントローラ226は、夜間は加湿器ユニット212および/または加熱ユニット214の出力を上げ、日中は冷却ユニット204の出力を上げるように決定し得る。例えば、そのような決定は、センサ224から受信したセンサ情報に基づいて、データセンタ内および/またはテープライブラリラックモジュール200内に検出された環境パラメータに関連付けられた履歴情報に基づいて、および/または天気予報データに基づいて、コントローラ226によってなされ得る。
【0037】
いくつかの例では、コントローラ226は、テープライブラリラックモジュール200のドア(例えば、
図1を参照して上述したドア120)がロックされているか否かを制御するためにも使用され得る。コントローラ226は、内部202内に検出された環境パラメータがドアを開くことが安全でないことを示しているとき、ドアをロックしたままにすることを決定し得る。他方、コントローラ226は、内部202内で検出された環境パラメータがドアを開くことが安全であることを示しているとき、ドアを介して内部202へのアクセスを許可するように決定し得る。例えば、コントローラ226は、ドアを開くことが安全であるかどうかを決定する際に、安全基準に対して内部202内に検出された環境パラメータをチェックし得る。
【0038】
図3は、いくつかの実施形態による、環境的に隔離された内部202を含む別の例示的なテープライブラリラックモジュール300の側断面図を図示する。様々な実施形態において、テープライブラリラックモジュール300は、ラックコンピュータシステムにデータセンタ環境を提供するデータセンタ、例えば、
図1を参照して上述したデータセンタ100において使用され得る。さらに、いくつかの実施形態では、テープライブラリラックモジュール300は、
図1、
図2、および
図4〜
図10を参照して上記および下記で説明されるテープライブラリラックモジュールの1つ以上の実施形態の特徴を含み得る。いくつかの実施形態によれば、テープライブラリラックモジュール300は、エンクロージャ206の底壁に取り付けられた冷却ユニット302を含み得る。さらに、テープライブラリラックモジュール300は、エンクロージャ206の底壁から下方に延在する脚部304を含み得る。脚部304は、冷却ユニットがエンクロージャ206の底壁に取り付けられるのと同時に、床と冷却ユニット302との間に隙間を提供するために、テープライブラリラックモジュール300を床に対して高められた位置に支えるように構成され得る。
【0039】
図4は、いくつかの実施形態による、仕切られた環境的に隔離された内部を含む例示的なテープライブラリラックモジュール400の側断面図を図示する。いくつかの実施形態によれば、テープライブラリラックモジュール400は、エンクロージャ404の上壁に取り付けられた冷却ユニット402を含み得る。エンクロージャ404は、テープライブラリラックモジュール400の内部を取り囲み得る。様々な実施形態において、テープライブラリラックモジュール400は、ラックコンピュータシステムにデータセンタ環境を提供するデータセンタ、例えば、
図1を参照して上述したデータセンタ100において使用され得る。さらに、いくつかの実施形態では、テープライブラリラックモジュール400は、
図1〜
図3および
図5〜
図10を参照して上記および下記で説明されるテープライブラリラックモジュールの1つ以上の実施形態の特徴を含み得る。
【0040】
テープライブラリラックモジュール400は、テープライブラリユニット406およびサポートユニット408、例えば、
図2および
図6を参照して上記および下記で説明されるテープライブラリユニットおよびサポートユニットを含み得る。いくつかの実施形態では、テープライブラリユニット406は内部の第1の部分410内に位置付けされ、サポートユニット408は内部の第2の部分412内に位置付けされてもよい。テープライブラリラックモジュール400は、内部の第1の部分410が、内部の第2の部分412から環境的に隔離され、テープライブラリラックモジュール400の外部環境(例えば、データセンター環境)から環境的に隔離されるように、内部の第1の部分410を内部の第2の部分412から仕切る仕切り構造414を含み得る。内部の第1の部分410は、テープ環境がテープライブラリユニット406に対して維持される部分であり得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、内部の環境的に隔離された第1の部分410は、エンクロージャ404と仕切り構造414との組み合わせによって完全に取り囲まれ得る。例えば、エンクロージャ404は、内部部分410の上部境界および側部境界を画定し得、仕切り構造414は、内部部分410の底部境界を画定し得る。いくつかの例では、仕切り構造414は、テープライブラリユニット406および/またはサポートユニット408と平行に延在し得る。しかしながら、仕切り構造414は、第1の部分410が第2の部分412から環境的に隔離されるように、内部の第1の部分410と内部の第2の部分412との間に適切な仕切りを提供する任意の形態を取り得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、テープライブラリラックモジュール400は、内部の第1の部分410を冷却するように構成されている冷却ユニット402(例えば、
図2を参照して上述した冷却ユニット204)および/または内部の第1の部分410を加湿するように構成されている加湿器ユニット416(例えば、
図2を参照して上述した加湿器ユニット220)を含み得る。冷却ユニット402および/または加湿器ユニット416を使用して、テープライブラリラックモジュール400の内部の環境的に隔離された第1の部分410内のテープ環境を維持し得る。
図4に示すように、いくつかの実施形態では、冷却ユニット402はエンクロージャ404の上壁に取り付けられ得、加湿器ユニット416はエンクロージャ404の後壁に取り付けられ得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、冷却ユニット402および/または加湿器ユニット416は、テープライブラリラックモジュール400の環境的に隔離された内部部分内のテープライブラリユニット406にテープ環境を提供するのに適した任意の他の場所に取り付けられてもよい。
【0043】
いくつかの例では、内部の第2の部分412内のサポートユニット408によって生成された熱を使用して、内部の第1の部分410に熱を提供して、第1の部分410内のテープ環境を維持し得る。いくつかの実施形態では、仕切り構造414は、熱が第2の部分412から第1の部分410に流れることを可能にするために1つ以上の通路(図示せず)を提供するように構成され得る。例えば、仕切り構造414は、熱が第1の部分410に望まれるときに通路を提供するために選択的に開く部分を含んでもよい。場合によっては、1つ以上の空気処理デバイス(図示せず)を使用して、通路を介して第2の部分412から第1の部分410に熱を強制的に伝達し得る。
【0044】
様々な例において、テープライブラリラックモジュール400はドレンタンク418を含み得る。例えば、冷却ユニット402は空気を凝縮させることができ、ドレンタンク418は凝縮液を取り込むおよび/または排出するように構成され得る。いくつかの例では、ドレンタンク418によって取り込まれた凝縮液は、
図4の矢印によって示されるように、加湿器ユニット416のための給水として使用され得る。
【0045】
図5は、いくつかの実施形態による、仕切られた環境的に隔離された内部を含む別の例示的なテープライブラリラックモジュール500の側断面図を図示する。いくつかの実施形態によれば、テープライブラリラックモジュール500は、エンクロージャ504の底壁に取り付けられた冷却ユニット502を含み得る。エンクロージャ504は、テープライブラリラックモジュール500の内部を取り囲み得る。様々な実施形態において、テープライブラリラックモジュール500は、ラックコンピュータシステムにデータセンタ環境を提供するデータセンタ、例えば、
図1を参照して上述したデータセンタ100において使用され得る。さらに、いくつかの実施形態では、テープライブラリラックモジュール500は、
図1〜
図4および
図6〜
図10を参照して上記および下記で説明されるテープライブラリラックモジュールの1つ以上の実施形態の特徴を含み得る。
【0046】
テープライブラリラックモジュール500は、テープライブラリユニット506およびサポートユニット508、例えば、
図2および
図6を参照して上記および下記で説明されるテープライブラリユニットおよびサポートユニットを含み得る。いくつかの実施形態では、テープライブラリユニット506は内部の第1の部分510内に位置付けされ得、サポートユニット508は内部の第2の部分512内に位置付けされ得る。テープライブラリラックモジュール500は、内部の第1の部分510が、内部の第2の部分512から環境的に隔離され、テープライブラリラックモジュール400の外部環境(例えば、データセンター環境)から環境的に隔離されるように、内部の第1の部分510を内部の第2の部分512から仕切る仕切り構造514(例えば、
図4を参照して上述した仕切り構造414)を含み得る。内部の第1の部分510は、テープ環境がテープライブラリユニット506に対して維持される部分であり得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、テープライブラリラックモジュール500は、内部の第1の部分510を冷却するように構成されている冷却ユニット502(例えば、
図2を参照して上述した冷却ユニット204)および/または内部の第1の部分510を加湿するように構成されている加湿器ユニット516(例えば、
図2を参照して上述した加湿器ユニット220)を含み得る。冷却ユニット502および/または加湿器ユニット516を使用して、テープライブラリラックモジュール500の内部の環境的に隔離された第1の部分510内のテープ環境を維持し得る。
図5に示すように、いくつかの実施形態では、冷却ユニット502はエンクロージャ504の底壁に取り付けられ得、加湿器ユニット516はエンクロージャ504の後壁に取り付けられ得る。
【0048】
さらに、テープライブラリラックモジュール500は、エンクロージャ504の底壁から下方に延在する脚部518を含み得る。脚部518は、冷却ユニットがエンクロージャ504の底壁に取り付けられるのと同時に、床と冷却ユニット502との間に隙間を提供するために、テープライブラリラックモジュール500を床に対して高められた位置に支えるように構成され得る。
【0049】
場合によっては、外部水源520が、加湿器ユニット516のための給水として使用され得る。例えば、外部水源520は、データセンタ室内の別のモジュールまたはシステムから取り込まれた水であってもよい。別の例として、外部水源520は、加湿器ユニット516に供給されるべき一定量の水を保持する容器(例えば、ボトル)であってもよく、そこで水は定期的に交換されてもよい。容器は、加湿器ユニット516に連結されてもよい。
【0050】
図6は、いくつかの実施形態による、(例えば、
図1〜
図5および
図7〜
図10を参照して上記および下記で説明されるテープライブラリラックモジュールの1つ以上の実施形態による)テープライブラリラックモジュールの内部内の例示的な構成要素600の概略ブロック図を図示する。構成要素600は、1つまたは複数のテープライブラリユニット602および/または1つまたは複数のサポートユニット604を含み得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、テープライブラリユニット602は、1つまたは複数の制御ユニット606、1つまたは複数の拡張ユニット608、および/または1つまたは複数の他のユニット610を含み得る。個々のテープライブラリユニット602は、データを保存/アーカイブするように構成されているテープカートリッジ612を含むか、またはそのための保存場所を提供し得る。例えば、テープカートリッジ612は、長期データ保存を可能にし得る。さらに、個々の制御ユニット606および/または個々の拡張ユニット608は、テープカートリッジ612からデータを読み取り、および/またはテープカートリッジ612にデータを書き込むように構成されている1つまたは複数のテープドライブ614を含み得る。
【0052】
いくつかの例では、制御ユニット606は、テープカートリッジ612をテープドライブ614との間で移送するように構成されているロボット616を含み得る。ロボット616は、テープライブラリユニット602のいくつかまたは全てを横断するように構成され得る。例えば、ロボット616は、拡張ユニット608内を横断して、テープカートリッジ612を拡張ユニット608内の保存場所から取り出し得る。ロボット616は、テープカートリッジ612を制御ユニット606内のまたは別の拡張ユニット608内のテープドライブ614に移送し得る。テープドライブ614は、テープカートリッジ612からデータを読み取り、および/またはテープカートリッジ612にデータを書き込み得る。次いで、ロボット616は、テープカートリッジ612をテープドライブ614から拡張ユニット608内のテープカートリッジの保存場所に戻し得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、サポートユニット604は、1つまたは複数のスイッチ618および/または1つまたは複数のサーバ620を含み得る。例えば、スイッチ618は、サーバ620とテープライブラリラックモジュールの外部にあるネットワーク、例えばデータセンタネットワークとの間のネットワーク接続性を提供するように構成されているネットワークスイッチ6622を含み得る。追加的または代替的に、スイッチ618は、例えば管理目的のために、サーバ620へのコンソールアクセスを可能にするように構成されているコンソールスイッチ624を含み得る。
【0054】
場合によっては、サーバ620は、制御ユニット606および/またはテープドライブ614と通信し得る。例えば、サーバ620は、データセンタネットワークを介してデータ(例えば、テープカートリッジ612に書き込まれるデータ)および/または制御情報(例えば、ロボット616の制御に関連付けられた情報)を受信し得る。サーバ620は、1つ以上のデータケーブル626(例えば、シリアルアタッチドSCSI(SAS)ケーブル、ファイバチャネルケーブル、等)を介してデータをテープドライブ614に送り得る。データケーブル626は、サーバ620をテープドライブ614と連結し得る。さらに、いくつかの例では、制御情報は、1つ以上の制御ケーブル628(例えば、イーサネット(登録商標)ケーブル)を介してサーバ620から制御ユニット606に送信され得る。制御ケーブル628は、サーバ620を制御ユニット606と連結し得る。制御ユニット606は、サーバ620から受信した制御情報に少なくとも部分的に基づいてロボット616を制御し得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、テープライブラリラックモジュールの内部内の構成要素600は、
図4および
図5を参照して上述した仕切り構造のような仕切り構造630を含み得る。いくつかの例では、仕切り構造630は、テープライブラリユニットが位置付けされている内部部分に対する環境隔離を維持しながらケーブル626、628が通過することを可能にするように構成されている通路を含み得る。
【0056】
テープライブラリラックモジュールの内部内の構成要素600は、
図6に示されるもの以外の構成要素を含んでもよい。例えば、構成要素600は、電力を受け取り、その電力をテープライブラリユニット602および/またはサポートユニット604に分配するように構成されている1つまたは複数の配電ユニットを含み得る。
【0057】
図7は、いくつかの実施形態による、データセンタ内のラックコンピュータシステムと共に(例えば、
図1〜
図6および
図8〜
図10を参照して上記および下記で説明されるテープライブラリラックモジュールの1つ以上の実施形態による)テープライブラリラックモジュールを展開し動作させる例示的な方法700のフローチャートである。
【0058】
702において、方法700は、ラックコンピュータシステムをデータセンタ内に配置することを含み得る。ラックコンピュータシステムは、データセンタ内のデータセンタ環境内でコンピューティング能力を提供するように構成され得る。704において、方法700は、データセンタ内にデータセンタ環境を提供することを含み得る。場合によっては、1つまたは複数の気候制御システムが、データセンタ環境を提供するために使用され得る。例えば、冷却システムがデータセンタを冷却するために使用され得、加熱システムがデータセンタを加熱するために使用され得、加湿システムがデータセンタに湿気を加えために使用され得る、等。
【0059】
706において、データセンタ環境を提供することは、データセンタをデータセンタ温度範囲内に維持することを含み得る。いくつかの例では、データセンタ温度範囲は、約5℃〜約40℃であり得る。しかしながら、他の実施形態では、データセンタの温度範囲は異なってもよい。
【0060】
708において、データセンタ環境を提供することは、データセンタをデータセンタ相対湿度範囲内に維持することを含み得る。いくつかの例では、データセンタの相対湿度範囲は、約8パーセント〜約85パーセントであり得る。しかしながら、他の実施形態では、データセンタの相対湿度範囲は異なってもよい。
【0061】
710において、方法700は、ラックコンピュータシステムを動作させることを含み得る。例えば、ラックコンピュータシステムは、テープライブラリラックモジュール内のサーバと通信するため、テープライブラリラックモジュール内のテープカートリッジからのデータにアクセスするための要求を処理するため、および/または他のコンピュータ機能を提供するために使用され得る。
【0062】
712において、方法700は、テープライブラリラックモジュールをデータセンタ内に配置することを含み得る。テープライブラリラックモジュールは、テープ環境内でデータを保存するように構成されているテープカートリッジを含み得る。いくつかの例では、テープライブラリラックモジュールは、ラックコンピュータシステムと同じラック列に配置されてもよい。追加的または代替的に、テープライブラリラックモジュールは、ラックコンピュータシステムとは異なる列に配置されてもよい。例えば、テープライブラリラックモジュールはテープライブラリラックモジュール専用の列に配置され、ラックコンピュータシステムはラックコンピュータシステムに特定の列に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、テープライブラリラックモジュールは列に配置されなくてもよい。例えば、テープライブラリラックモジュールは、スタンドアロンモジュールとしてデータセンタ内に配置されてもよい。
【0063】
714で、方法700は、テープライブラリラックモジュールのそれぞれの内部部分内にテープ環境を提供することを含み得る。内部部分の各々は、それがデータセンタ環境から環境的に隔離されるように囲い込まれ得る。いくつかの例では、内部部分は、テープ環境が内部部分内に包含されるように完全に密封される。テープ環境は、データセンタ環境とは異なる場合がある。場合によっては、テープ環境は、データセンタ環境よりもきつい範囲の環境パラメータを含み得る。例えば、テープ環境のテープ温度範囲は、データセンタ環境のデータセンタ温度範囲よりも狭くてもよい。別の例として、テープ相対湿度範囲は、データセンタ環境のデータセンタ相対湿度範囲よりも狭くてもよい。
【0064】
716において、テープ環境を提供することは、テープライブラリラックモジュールの環境的に隔離された内部部分をテープ温度範囲内に維持することを含み得る。いくつかの例では、テープ温度範囲は、約16℃〜約25℃であり得る。しかしながら、他の実施形態では、テープ温度範囲は異なってもよい。
【0065】
718において、テープ環境を提供することは、テープライブラリラックモジュールの環境的に隔離された内部部分をテープ相対湿度内に維持することを含み得る。いくつかの例では、テープ相対湿度範囲は、約20パーセント〜約50パーセントであり得る。しかしながら、他の実施形態では、テープ相対湿度範囲は異なってもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、テープライブラリラックモジュールの環境的に隔離された内部部分は、例えば、
図1〜
図5、
図8、
図9を参照して上記および下記でさらに詳細に説明されるように、冷却ユニットおよび/または加湿器ユニットに少なくとも部分的に基づいてテープ環境内で維持され得る。
【0067】
720において、方法700は、テープライブラリラックモジュール内のサポートユニットおよび/またはテープライブラリユニットを動作させることを含み得る。例えば、
図6を参照して上述したように、サポートユニットのサーバは、テープライブラリユニットのテープカートリッジからデータを読み書きする要求を受け取り得る。サーバは、テープライブラリユニットの制御モジュールと通信し得る。制御モジュールは、テープカートリッジをテープドライブに移送するようにロボットを制御し得、テープドライブはテープカートリッジに対して要求された読み取り/書き込み動作を行い得る。
【0068】
図8は、いくつかの実施形態による、(例えば、
図1〜
図7、
図9、および
図10を参照して上記および下記で説明されるテープライブラリラックモジュールの1つ以上の実施形態による)テープライブラリラックモジュールの環境的に隔離された内部部分内のテープ環境を制御する例示的な方法800のフローチャートである。
【0069】
802において、方法800は、テープライブラリラックモジュールの環境的に隔離された内部部分内の温度を検出することを含み得る。例えば、
図2を参照して上述したように、1つ以上の温度センサを用いて温度を検出し得る。センサは、テープライブラリラックモジュールの内部部分内に配設され得る。
【0070】
804において、方法800は、検出された温度がテープ環境のテープ温度範囲内にあるかどうかを判定することを含み得る。804において、検出された温度がテープ環境のテープ温度範囲内にないと判定された場合、方法800は、806において、温度がテープ温度範囲内になるように、テープライブラリラックモジュールの冷却ユニットおよび/または加湿器ユニットの動作を調節することを含み得る。方法800は、802において、テープライブラリラックモジュールの環境的に隔離された内部部分内の温度を検出し続けること、および、804において、検出された温度がテープ温度範囲内にあるかどうかを判定すること、をさらに含み得る。
【0071】
804において、検出された温度がテープ環境のテープ温度範囲内にあると決定された場合、方法800は、802において、テープライブラリラックモジュールの環境的に隔離された内部部分内の温度を検出し続けること、および、804において、検出された温度がテープ温度範囲内にあるかどうかを判定すること、を含み得る。
【0072】
図9は、いくつかの実施形態による、(例えば、
図1〜
図8および
図10を参照して上記および下記で説明されるテープライブラリラックモジュールの1つ以上の実施形態による)テープライブラリラックモジュールの環境的に隔離された内部部分内のテープ環境を制御する別の例示的な方法900のフローチャートである。
【0073】
902において、方法900は、テープライブラリラックモジュールの環境的に隔離された内部部分内の相対湿度を検出することを含み得る。例えば、
図2を参照して上述したように、1つ以上の湿度センサを使用して相対湿度を検出し得る。センサは、テープライブラリラックモジュールの内部部分内に配設され得る。
【0074】
904において、方法900は、検出された相対湿度がテープ環境のテープ相対湿度範囲内にあるかどうかを判定することを含み得る。904において、検出された相対湿度がテープ環境のテープ相対湿度範囲内にないと判定された場合、方法900は、906において、相対湿度がテープ相対湿度範囲内になるように、テープライブラリラックモジュールの冷却ユニットおよび/または加湿器ユニットの動作を調節することを含み得る。方法900は、902において、テープライブラリラックモジュールの環境的に隔離された内部部分内の相対湿度を検出し続けること、および、904において、検出された相対湿度がテープ相対湿度範囲内にあるかどうかを判定すること、をさらに含み得る。
【0075】
904において、検出された相対湿度がテープ環境のテープ相対湿度範囲内にあると判定された場合、方法900は、902において、テープライブラリラックモジュールの環境的に隔離された内部部分内の相対湿度を検出し続けること、および、904において、検出された相対湿度がテープ相対湿度範囲内にあるかどうかを判定すること、を含み得る。
【0076】
図10は、いくつかの実施形態による、(例えば、
図1〜
図9を参照して上述したテープライブラリラックモジュールの1つ以上の実施形態による)テープライブラリラックモジュールを構築し、テープライブラリ内のモジュールを動作させる例示的な方法1000のフローチャートである。
【0077】
1002において、方法1000は、エンクロージャ内にラックを提供することを含み得る。エンクロージャは、テープライブラリラックモジュールの内部を取り囲み得る。いくつかの実施形態では、ラックは、高さ42Uの標準ラックであり得る。しかしながら、ラックサイズは他の実施形態では異なってもよい。
【0078】
1004において、方法1000は、テープライブラリラックモジュールの内部部分内のラックに1つまたは複数のサポートユニットを取り付けることを含み得る。例えば、
図6を参照して上述したように、サポートユニットは、1つまたは複数のスイッチおよび/または1つまたは複数のサーバを含み得る。いくつかの実施形態では、サポートユニットの各々は高さ1Uであり得る。しかしながら、サポートユニットのサイズは他の実施形態では変わってもよい。
【0079】
1006において、方法1000は、テープライブラリラックモジュールの環境的に隔離された内部部分内のラックに1つまたは複数のテープライブラリユニットを取り付けることを含み得る。例えば、
図6を参照して上述したように、テープライブラリラックユニットは、1つまたは複数の制御モジュールおよび/または1つまたは複数の拡張モジュールを含み得る。いくつかの例では、テープライブラリユニットは、高さ1U〜高さ6Uの範囲のユニットを含み得る。しかしながら、テープライブラリユニットのサイズは他の実施形態では変わってもよい。
【0080】
1008において、方法1000は、冷却ユニットがテープライブラリラックモジュールの環境的に隔離された内部部分内のテープ環境を維持することができるように、エンクロージャの一部に冷却ユニットを取り付けることを含み得る。例えば、
図1、
図2、および
図4を参照して上述したように、冷却ユニットはエンクロージャの上壁に取り付けられ得る。他の実施形態では、例えば、
図3および
図5を参照して上述したように、冷却ユニットはエンクロージャの底壁に取り付けられ得る。冷却ユニットをエンクロージャの上壁または底壁に取り付けることによって、テープライブラリラックモジュールは、冷却ユニットが別のテープライブラリラックモジュールまたはラックコンピュータシステムの隣接配置を妨げることなく、ラック列に配置され得る。しかしながら、他の実施形態では、冷却ユニットは、エンクロージャの前壁、後壁、または側壁など、エンクロージャの別の部分に取り付けられてもよい。
【0081】
1010において、方法1000は、加湿器ユニットがテープライブラリラックモジュールの環境的に隔離された内部部分内のテープ環境を維持することができるように、エンクロージャの一部に加湿器ユニットを取り付けることを含み得る。例えば、
図1〜
図5を参照して上述したように、加湿器ユニットはエンクロージャの後壁に取り付けられ得る。しかしながら、他の実施形態では、加湿器ユニットは、エンクロージャの上壁、底壁、前壁、または側壁など、エンクロージャの別の部分に取り付けられてもよい。
【0082】
1012において、方法1000は、テープライブラリラックモジュール内のサポートユニットおよび/またはテープライブラリユニットを動作させることを含み得る。例えば、
図6を参照して上述したように、サポートユニットのサーバは、テープライブラリユニットのテープカートリッジからデータを読み書きする要求を受け取り得る。サーバは、テープライブラリユニット内の制御モジュールと通信し得る。制御モジュールは、テープカートリッジをテープドライブに移送するようにロボットを制御し得、テープドライブはテープカートリッジに対して要求された読み取り/書き込み動作を行い得る。
【0083】
開示された技術の少なくともいくつかの実施形態は、以下の項を考慮して記述することができる。
1.データセンタであって、
データセンタ内の第1の環境内でコンピューティング能力を提供するように構成されているラックコンピュータシステムであって、第1の環境は、第1の温度範囲と第1の相対湿度範囲とを含む、ラックコンピュータシステムと、
テープライブラリラックモジュールであって、
テープライブラリラックモジュールの内部を取り囲むエンクロージャと、
テープライブラリラックモジュールの内部内のラックと、を含むテープライブラリラックモジュールと、
テープライブラリラックモジュールの内部の一部内のラックに取り付けられたテープライブラリユニットであって、
内部の一部は、データセンタ内の第1の環境から環境的に隔離されるように囲い込まれており、
テープライブラリユニットは、第2の環境内でデータを保存するように構成されているテープカートリッジを含み、第2の環境は、
データセンタ内の第1の環境の第1温度範囲とは異なる第2の温度範囲と、
データセンタ内の第1の環境の第1の相対湿度範囲とは異なる第2の相対湿度範囲と、を含む、テープライブラリユニットと、
内部の一部を冷却するように構成されている冷却ユニットと、
内部の一部を加湿するように構成されている加湿器ユニットと、を備え、
テープライブラリラックモジュールは、冷却ユニットおよび加湿器ユニットに少なくとも部分的に基づいて内部の一部内の第2の環境を維持するように構成されている、データセンタ。
2.項1に記載のデータセンタであって、
テープライブラリラックモジュールの内部の一部は、内部の第1の部分であり、
テープライブラリラックモジュールは、
内部の第2の部分内のラックに取り付けられたサーバと、
内部の第1の部分が内部の第2の部分から環境的に隔離されるように、内部の第2の部分から内部の第1の部分を仕切る仕切り構造と、をさらに含む、データセンタ。
3.前項のいずれかに記載のデータセンタであって、
エンクロージャは、
上壁と、
上壁の反対側の底壁と、
テープライブラリラックモジュールの内部へのアクセスを提供するように構成されているドアを含む前壁と、
前壁の反対側の後壁と、
第1の側壁と、
第1の側壁の反対側の第2の側壁と、を含み、
冷却ユニットは、エンクロージャの上壁に取り付けられており、
加湿器ユニットは、エンクロージャの後壁に取り付けられている、データセンタ。
4.前項のいずれかに記載のデータセンタであって、
テープライブラリラックモジュールのエンクロージャは、第1のエンクロージャであり、
ラックコンピュータシステムは、少なくとも部分的に第2のエンクロージャによって取り囲まれており、
第1のエンクロージャおよび第2のエンクロージャは、データセンタの同じラック列にある、データセンタ。
5.前項のいずれかに記載のデータセンタであって、
第1の環境の第1の温度範囲は、約5℃〜約40℃であり、
第2の環境の第2の温度範囲は、約16℃〜約25℃であり、
第1の環境の第1の相対湿度範囲は、約8パーセント〜約85パーセントであり、
第2の環境の第2の相対湿度範囲は、約20パーセント〜約50パーセントである、データセンタ。
6.装置であって、
装置の内部を取り囲むように構成されているエンクロージャと、
内部内のラックであって、前記ラックは、その上に取り付けられたテープライブラリユニットを内部の一部内に有するように構成されており、ここで、
テープライブラリユニットは、第1の環境内でデータを保存するように構成されているテープカートリッジを含み、
第1の環境は、第1の温度範囲または第1の相対湿度範囲のうちの少なくとも1つを含む、ラックと、
内部の一部を冷却するように構成されている冷却ユニット、または
内部の一部を加湿するように構成されている加湿器ユニット、の少なくとも1つと、を備え、
ここで、
装置は、冷却ユニットまたは加湿器ユニットを使用して内部の一部内の第1の環境を維持するように構成されており、
内部の一部は、エンクロージャの外部にある第2の環境から環境的に隔離されるように囲い込まれており、
第2の環境は、第2の温度範囲または第2の相対湿度範囲のうちの少なくとも1つを含む、装置。
7.項6に記載の装置であって、
内部の一部は内部の第1の部分であり、
装置は、
内部の第2の部分内のラックに取り付けられたサーバと、
内部の第1の部分が、内部の第2の部分の環境から環境的に隔離されるように、内部の第1の部分を内部の第2の部分から仕切る仕切り構造と、をさらに含む、装置。
8.項6または項7に記載の装置であって、
テープライブラリユニットは、テープドライブを含む第1のテープライブラリユニットであり、
装置は、
テープカートリッジのうちの1つのテープカートリッジを含む第2のテープライブラリユニットをさらに含み、
第1のテープライブラリユニットまたは第2のテープライブラリユニットの各々は、
テープカートリッジを、第2のテープライブラリユニット内のテープカートリッジの保存場所から第1のテープライブラリユニット内のテープドライブに移送し、かつ
テープカートリッジを、第1のテープライブラリユニット内のテープドライブから第2のテープライブラリユニット内のテープカートリッジの保存場所に移送する、ように構成されているロボットを含むテープライブラリ制御ユニットである、装置。
9.項6〜項8のいずれかに記載の装置であって、
装置は、冷却ユニットおよび加湿器ユニットを含み、
エンクロージャは、
上壁と、
上壁の反対側の底壁と、
装置の内部へのアクセスを提供するように構成されているドアを含む前壁と、
前壁の反対側の後壁と、
第1の側壁と、
第1の側壁の反対側の第2の側壁と、を含み、
冷却ユニットは、エンクロージャの上壁に取り付けられており、
加湿器ユニットは、エンクロージャの後壁に取り付けられている、装置。
10.項6〜項9のいずれかに記載の装置であって、
装置は、加湿器ユニットを含み、
装置は、
加湿器ユニットへの給水として使用するための凝縮液を取り込むように構成されているドレンタンクをさらに含む、装置。
11.項6〜項10のいずれかに記載の装置であって、
第1の環境は、第1の温度範囲を含み、
第2の環境は、第2の温度範囲を含み、
第1の温度範囲は、第2の温度範囲よりも狭い、装置。
12.項11に記載の装置であって、
第1の環境の第1の温度範囲は、約16℃〜約25℃であり、
第2の環境の第2の温度範囲は、約5℃〜約40℃である、装置。
13.項6〜項12のいずれかに記載の装置であって、
第1の環境は、第1の相対湿度範囲を含み、
第2の環境は、第2の相対湿度範囲を含み、
第1の相対湿度範囲は、第2の相対湿度範囲よりも狭い、装置。
14.項13に記載の装置であって、
第1の環境の第1の相対湿度範囲は、約20パーセント〜約50パーセントであり、
第2の環境の第2の相対湿度範囲は、約8パーセント〜約85パーセントである、装置。
15.方法であって、
テープライブラリラックモジュールの内部分に第1の環境を提供することを含み、ここで、
テープライブラリラックモジュールは、
テープライブラリラックモジュールの内部を取り囲むエンクロージャであって、内部は内部部分を含む、エンクロージャと、
テープライブラリラックモジュールの内部内のラックと、
内部部分内のラックに取り付けられたテープライブラリユニットであって、テープライブラリユニットは、第1の環境内でデータを保存するように構成されているテープカートリッジを含む、テープライブラリユニットと、
冷却ユニットと、
加湿器ユニットと、を含み、
内部部分は、内部部分がテープライブラリラックモジュールの外部の第2の環境から環境的に隔離されるように囲い込まれており、かつ
第1の環境を提供することは、
冷却ユニットを介して、内部部分を冷却すること、または
加湿器ユニットを介して、内部部分を加湿すること、に基づいて、第1の環境の第1の温度範囲および第1の環境の第1の相対湿度範囲を維持することを含む、方法。
16.項15に記載の方法であって、第1の温度範囲および第1の相対湿度範囲を維持することは、
第2の内部部分内の1つ以上の電子構成要素によって生成された熱であって、
内部部分は、第2の内部部分から仕切られている第1の内部部分であり、かつ
第1の環境は、内部部分には提供されるが別の内部部分には提供されない、熱、または
エンクロージャに連結されている加熱ユニットによって生成された熱、のうちの少なくとも1つを介して、内部部分に熱を提供することをさらに含む、方法。
17.項15または項16に記載の方法であって、
テープライブラリラックモジュールが位置付けされているデータセンタ内の第2の環境を提供することをさらに含み、第2の環境を提供することは、
データセンタ内の温度を第2の環境の第2の温度範囲内に維持することであって、第2の温度範囲は、第1の環境の第1の温度範囲より大きい、維持することと、
データセンタ内の相対湿度を第2の環境の第2の相対湿度範囲内に維持することであって、第2の相対湿度範囲は、第1の環境の第1の相対湿度範囲より大きい、維持することと、を含み、
データセンタは、第2の環境内でコンピューティング能力を提供するように構成されているラックコンピュータシステムを含む、方法。
18.項17に記載の方法であって、
第1の環境の第1の温度範囲は、約16℃〜約25℃であり、
第2の環境の第2の温度範囲は、約5℃〜約40℃であり、
第1の環境の第1の相対湿度範囲は、約20パーセント〜約50パーセントであり、
第2の環境の第2の相対湿度範囲は、約8パーセント〜約85パーセントである、方法。
19.項15〜項18のいずれかに記載の方法であって、
テープライブラリラックモジュールの内部部分は、第1の内部部分であり、
テープライブラリラックモジュールの内部は、第1の内部部分から仕切られている第2の内部部分をさらに含み、
内部部分に第1の環境を提供することは、
第2の内部部分ではなく、第1の内部部分に第1の環境を提供することを含む、方法。
20.項15〜項19のいずれかに記載の方法であって、
テープライブラリラックモジュールの内部に第1の環境を提供すると同時に、
ケーブルを介して、テープライブラリラックモジュールの内部内のサーバからテープライブラリユニット内のテープドライブにデータを送ることであって、ケーブルはサーバをテープドライブに連結する、送ることと、
テープドライブを介して、データをテープカートリッジのうちの1つのテープカートリッジに書き込むことと、をさらに含む、方法。
【0084】
上記の実施形態はかなり詳細に説明されてきたが、一旦上記の開示が十分に理解されれば、多数の変形および修正が当業者には明らかになるであろう。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような変形および修正を包含するように解釈されることを意図している。