特許第6799164号(P6799164)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6799164多次元撮像センサーおよび多次元撮像センサーを含む撮像システムの状態ベースの操作法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6799164
(24)【登録日】2020年11月24日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】多次元撮像センサーおよび多次元撮像センサーを含む撮像システムの状態ベースの操作法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20201130BHJP
   G06F 3/0362 20130101ALI20201130BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   G06F3/01 510
   G06F3/0362
   A61B6/00 300A
【請求項の数】35
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2019-535213(P2019-535213)
(86)(22)【出願日】2017年9月13日
(65)【公表番号】特表2019-530118(P2019-530118A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】US2017051416
(87)【国際公開番号】WO2018053042
(87)【国際公開日】20180322
【審査請求日】2019年4月16日
(31)【優先権主張番号】15/265,753
(32)【優先日】2016年9月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513097067
【氏名又は名称】デンタル・イメージング・テクノロジーズ・コーポレーション
(73)【特許権者】
【識別番号】515169407
【氏名又は名称】テレダイン・ダルサ・ベスローテン・フエンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】TELEDYNE DALSA B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】クラビス,スコット・デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】カトゥツキー,レオニド
(72)【発明者】
【氏名】フレリックス,ジェームズ・ポール
(72)【発明者】
【氏名】フレンチ,エイドリアン・デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ピクストン,カイル・アラン
(72)【発明者】
【氏名】ロイェンス,ヘイン
(72)【発明者】
【氏名】ポルダーデイック,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ロスナー,ヘルムート
【審査官】 星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−508617(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0153980(US,A1)
【文献】 特開2010−055332(JP,A)
【文献】 特開2003−005879(JP,A)
【文献】 特表2004−527853(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0115943(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0034213(US,A1)
【文献】 特開平07−194530(JP,A)
【文献】 特開2006−297096(JP,A)
【文献】 特開2011−232315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
A61B 6/00
G06F 3/033
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多次元センサーを含む撮像センサーを操作するための方法であって、前記方法が、
電子プロセッサによって、前記撮像センサーの前記多次元センサーからの出力を受信することと、
第一の状態移行基準が満たされているという前記多次元センサーからの前記出力に基づく、前記電子プロセッサによる判定に応答して、前記撮像センサーを、前記電子プロセッサによって、第一の動作状態から第二の動作状態へと移行させることと、を含
前記撮像センサーを第一のセンサーポジショナに選択的に結合することであって、前記第一のセンサーポジショナは、前記撮像センサが前記第一のセンサーポジショナに結合されるときに、前記撮像センサー上に既知の大きさおよびベクトル方向の磁場を生成するように位置付けられた永久磁石を含む、結合することと、
前記電子プロセッサによって、前記撮像センサーが前記第一のセンサーポジショナに結合されたと判定することと、
前記多次元センサーの磁気計からの出力に基づいて、前記撮像センサー上の磁場を検出することと、
前記電子プロセッサによって、前記磁場の大きさおよびベクトル方向を判定することと、
前記検出された磁場の前記判定された大きさおよび前記判定されたベクトル方向を、前記第一のセンサーポジショナの前記永久磁石によって生成される前記既知の大きさおよびベクトル方向と比較するここと、をさらに含み、
前記撮像センサが前記第一のセンサーポジショナに結合されたという判定に応答して、ユーザーインターフェースを通して第一の指示を出力することをさらに含み、前記第一の指示が前記第一のセンサーポジショナを使用して画像を取り込むための情報を提供する、
方法。
【請求項2】
多次元センサーを含む撮像センサーを操作するための方法であって、前記方法が、
電子プロセッサによって、前記撮像センサーの前記多次元センサーからの出力を受信することと、
第一の状態移行基準が満たされているという前記多次元センサーからの前記出力に基づく、前記電子プロセッサによる判定に応答して、前記撮像センサーを、前記電子プロセッサによって、第一の動作状態から第二の動作状態へと移行させることと、を含み
前記多次元センサーの加速度計からの出力に基づいて、前記撮像センサーで第一の定義されたジェスチャーパターンが実施されたと判定することをさらに含み、
前記第一の状態移行基準が満たされているという前記判定に応答して、前記撮像センサーを前記第一の動作状態から前記第二の動作状態へと移行させることは、前記撮像センサーで前記第一の定義されたジェスチャーパターンが実施されたという判定に応答して、前記撮像センサーを準備完了状態から作動状態へと移行させることを含み、
前記撮像センサーで前記第一の定義されたジェスチャーパターンが実施されたという判定に応答して、前記準備完了状態から前記作動状態へと移行させることが、前記準備完了状態から複数の作動状態のうちの第一の作動状態へと移行させることをさらに含み、
前記多次元センサーの前記加速度計からの前記出力に基づいて、前記撮像センサーで第二の定義されたジェスチャーパターンが実施されたと判定することであって、前記第二の定義されたジェスチャーパターンは前記第一のジェスチャーパターンから異なる、判定することと、
前記撮像センサーで前記第二の定義されたジェスチャーパターンが実施されたという判定に応答して、前記撮像センサーを前記準備完了状態から前記複数の作動状態のうちの第二の作動状態へと移行させることと、をさらに含み、
前記第二の作動状態で動作中に取り込まれた画像とは異なるように、前記第一の作動状態で動作中に取り込まれた画像を処理することをさらに含む、
方法。
【請求項3】
第二の状態移行基準が満たされているという多次元センサーからの前記出力に基づく、前記電子プロセッサによる判定に応答して、前記撮像センサーを、前記電子プロセッサによって、前記第二の動作状態から前記第三の動作状態へと移行させることと、をさらに含む、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記撮像センサーを前記電子プロセッサによって低電力状態で操作することをさらに含み、前記撮像センサーは、前記低電力状態で動作するとき、画像データを取り込まず、前記撮像センサーを前記第一の動作状態から前記第二の動作状態へと移行させることが、前記撮像センサーを前記低電力状態から準備完了状態へと移行させることを含む、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
第二の状態移行基準が満たされているという前記多次元センサーからの前記出力に基づく、前記電子プロセッサによる判定に応答して、前記撮像センサーを、前記電子プロセッサによって、前記準備完了状態から作動状態へと移行させることと、
前記撮像センサーが前記作動状態で動作する時にのみ画像データを取り込むことと、をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記電子プロセッサが、前記多次元センサーからの前記出力に基づいて、前記低電力状態から前記作動状態へと直接移行できない、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記準備完了状態または前記作動状態で動作する間、前記多次元センサーからの出力に基づいて前記撮像センサーの動きおよび配向を監視することをさらに含み、前記多次元センサーからの前記出力が、
前記多次元センサーの加速度計からの、前記撮像センサーの三次元加速を示す出力と、
前記多次元センサーのジャイロセンサーからの、前記撮像センサーの三次元配向を示す出力と、
前記多次元センサーの磁気計からの、前記撮像センサーの三次元磁場を示す出力と、を含む、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記電子プロセッサにより、一つ以上のエラー状態チェックルーチンを実行して、前記多次元センサーから受信した前記出力に基づいて、エラー状態が存在するかどうかを判定することをさらに含む、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
ユーザーインタフェースによって、前記電子プロセッサによって検出される前記エラー状態を示す通知を出力することをさらに含み、前記通知が前記検出されたエラー状態の緩和のための指示を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザーインターフェースによって前記通知を出力することが、グラフィカルユーザーインタフェース上にテキストベースの通知を表示することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記電子プロセッサによって、前記一つ以上のエラー状態チェックルーチンを実行することが、
前記多次元センサーの電圧モニタリング回路からの出力に基づいて、前記撮像センサーに供給された電力の電圧を検出することと、
前記検出された電圧が第一の電圧閾値を超えるかまたは前記第一の電圧閾値より低い第二の電圧閾値を下回るときに、エラー状態が存在すると判定することと、を含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記電子プロセッサによって、前記一つ以上のエラー状態チェックルーチンを実行することが、
前記多次元センサーの電流モニタリング回路からの出力に基づいて、前記撮像センサーに供給された前記電力の電流を検出することと、
前記電流が第一の電流閾値を超えるかまたは前記第一の電流閾値より低い第二の電流閾値を下回るときに、エラー状態が存在すると判定することと、を含む、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記電子プロセッサによって、前記一つ以上のエラー状態チェックルーチンを実行することが、
前記多次元センサーの温度センサーからの出力に基づいて、前記撮像センサーの温度を検出することと、
前記検出された温度が温度閾値を超えるかまたは前記検出された温度の変化率が温度変化閾値を超えるときに、エラー状態が存在すると判定することと、を含む、請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記電子プロセッサによって、一つ以上のエラー状態チェックルーチンを実行することが、
前記多次元センサーの電圧/電流モニタリング回路からの出力に基づいて、電圧エラー状態が存在するかどうかを判定することと、
前記多次元センサーの前記電圧/電流モニタリング回路からの出力に基づいて、電流エラー状態が存在するかどうかを判定することと、
前記多次元センサーの温度センサーからの出力に基づいて温度エラー状態が存在するかどうかを判定することと、を含む、請求項に記載の方法。
【請求項15】
前記電子プロセッサによって、前記一つ以上のエラー状態チェックルーチンを実行することが、
前記電圧エラー状態が存在するかどうかを判定し、前記電流エラー状態が存在するかどうかを判定し、前記温度エラー状態が存在するかどうかを判定するという前記動作を順次実行することをさらに含み、
前記電子プロセッサは、前記電流エラー状態が存在するかどうかを判定するという前記動作を、前記電圧エラー状態が存在しないと判定した後にだけ実行し、
前記電子プロセッサは、前記温度エラー状態が存在するかどうかを判定するという前記動作を、前記電圧エラー状態と前記電流エラー状態が両方とも存在しないと判定した後にだけ実行する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記撮像センサを撮像システムコントローラコンピュータに選択的に結合することをさらに含み、前記撮像システムコントローラコンピュータが、前記電子プロセッサを含み、
前記電子プロセッサによって、前記一つ以上のエラー状態チェックルーチンを実施することが、前記撮像システムが前記撮像システムコントローラコンピュータに選択的に結合されていることに応答して、前記一つ以上のエラー状態チェックルーチンを実行することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項17】
前記電子プロセッサによって、前記一つ以上のエラー状態チェックルーチンを実施することが、前記撮像センサーによって取り込まれる定義された数の画像に応答して、前記一つ以上のエラー状態チェックルーチンを実行することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項18】
前記電子プロセッサによって、損傷可能性のある衝撃を検出することと、
前記多次元センサーの加速度計からの出力に基づいて加速度の大きさを判定することと、
前記加速度の前記大きさが加速度閾値を超えるときに、前記損傷可能性のある衝撃が発生したと判定することと、
前記損傷可能性のある衝撃が発生したという判定に応答して、ユーザに視覚的に前記撮像センサーを検査するように指示する損傷可能性衝撃通知をグラフィカルユーザーインタフェース上に出力することと、をさらに含む、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記多次元センサーの空気圧センサーからの出力に基づいて、前記電子プロセッサによって、前記撮像センサーのハウジング内の空気圧を判定することと、
前記検出された空気圧が空気圧閾値を超えるときに、前記撮像センサーの前記ハウジングへの噛みつき圧力による損傷可能性が発生したと判定することと、
噛みつき圧力による前記損傷可能性が発生したという判定に応答して、ユーザに視覚的に前記撮像センサーを検査するように指示する噛みつき損傷可能性データ通知をグラフィカルユーザーインタフェース上に出力することと、をさらに含む、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
撮像センサー保管区画内に前記撮像センサーを受容することであって、永久磁石が前記撮像センサー保管区画の近位に位置付けられ、前記撮像センサー保管区画内で既知の大きさおよびベクトル方向を有する磁場を生成する、受容することと、
前記撮像センサーが前記撮像センサー保管区画内に配置されているかどうかを、
前記多次元センサーの磁気計からの出力に基づいて、前記撮像センサー上の磁場を検出することと、
前記電子プロセッサによって、前記磁場の大きさおよびベクトル方向を判定することと、
前記検出された磁場の前記判定された大きさおよび前記判定されたベクトル方向を、前記撮像センサー保管区画内の前記永久磁石によって生成される前記既知の大きさおよびベクトル方向と比較するここと、により判定することと、をさらに含み、
前記第一の状態移行基準が満たされるという、前記多次元センサーからの前記出力に基づく、前記電子プロセッサによる前記判定に応答して、前記撮像センサーを前記第一の動作状態から前記第二の動作状態へと移行させることは、前記撮像センサーが前記撮像センサー保管区画内に配置されたという判定に応答して、前記撮像センサーを準備完了状態から低電力状態へと移行させることを含む、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記撮像センサーが前記撮像センサー保管区画から取り外された、前記多次元センサーの前記磁気計の前記出力に基づく、前記電子プロセッサによる判定に応答して、前記撮像センサーを前記低電力状態から前記準備完了状態へと移行させることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前に前記撮像センサーが前記撮像センサー保管区画に配置されたと判定された後、前記検出された磁場の前記判定された大きさおよび前記判定されたベクトル方向は、前記撮像センサー保管区画内の前記永久磁石によって生成された前記既知の大きさおよびベクトル方向とはもはや合致しないと、前記多次元センサーの前記磁気計の前記出力に基いて、前記電子プロセッサによって判定することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記多次元センサーの加速度計からの出力に基づいて、前記撮像センサーの加速度の大きさを判定することと、
前に前記撮像センサーが前記撮像センサー保管区画内に配置されたと判定された後、前記検出された加速度が加速度閾値を超えるという判定に応答して、前記撮像センサーを前記低電力状態から前記準備完了状態へと移行させることと、をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記第一の状態移行基準が満足されるという前記判定に応答して、前記撮像センサーを前記第一の動作状態から前記第二の動作状態へと移行させることは、前記多次元センサーの加速度計からの出力に基づいて前記撮像センサーの非ゼロ加速を検出することに応答して、前記撮像センサーを低電力状態から準備完了状態へと移行させることを含み、前記多次元センサーの前記加速度計の前記出力に基づいて、定義された期間にわたり前記撮像センサーの加速を大きさゼロで検出することに応答して、前記準備完了状態から前記低電力状態へと移行させることをさらに含む、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記第一の状態移行基準が満たされているという前記判定に応答して、前記撮像センサーを前記第一の動作状態から前記第二の動作状態へと移行させることは、前記撮像センサーが前記第一のセンサーポジショナに結合されたという判定に応答して、前記撮像センサーを準備完了状態から作動状態へと移行させることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項26】
前記撮像センサーが前記第一のセンサーポジショナから切断されたときに、前記多次元センサーの前記磁気計からの前記出力に基づいて判定することと、
前記撮像センサーが前記第一のセンサーポジショナから切断されたという判定に応答して、前記撮像センサーを前記作動状態から前記準備完了状態へと移行させることと、をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第一の指示を出力することは、グラフィカルユーザインタフェース上にテキスト指示を表示すること、およびスピーカーを通して音声指示を出力することからなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項に記載の方法。
【請求項28】
前記撮像センサーが前記第一のセンサーポジショナに結合している間に、前記撮像センサーによって取り込まれる画像の定義された数に応答して第二の指示を出力することをさらに含み、前記第二の指示は、次の画像を取り込むのに使用される第二のセンサーポジショナの識別を含む、請求項に記載の方法。
【請求項29】
前記撮像センサーが前記第二のセンサーポジショナに結合されたときに、前記多次元センサーの前記磁力計によって検出された前記磁場に基づいて判定することをさらに含み、前記第二のセンサーポジショナが、前記撮像センサーが前記第二のセンサーポジショナに結合されるとき、前記撮像センサー上の既知の大きさおよびベクトル方向の第二の磁場を生成するように配置される第二の永久磁石を含み、前記第二の磁場の前記既知の大きさおよびベクトル方向は、前記第一のセンサーポジショナにより生成された前記磁場の前記既知の大きさおよびベクトル方向から異なる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記定義された数の画像を取り込んだ後および前記撮像センサーが前記第二のセンサーポジショナに結合される前、前記撮像センサーを作動状態から準備完了状態へと移行させることと、
前記撮像センサーが前記第二のセンサーポジショナに結合されたという判定に応答して、前記撮像センサーを前記準備完了状態から前記作動状態へと移行させることと、をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第一の作動状態で動作中に、前記ユーザーインターフェースを通して画像取り込み指示の第一セットを出力することと、
前記第二の作動状態で動作中に、前記ユーザーインタフェースを通して画像取り込み指示の第二セットを出力することと、を含み、前記画像取り込み指示の第一のセットが、前記画像取り込み指示の第二のセットから異なる、請求項に記載の方法。
【請求項32】
前記第一のジェスチャーパターンが実施されたと判定することは、前記撮像センサが定義された回数、連続して上昇し、下降したことを判定することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項33】
前記撮像センサーの前記多次元センサーから前記出力を受信することが、前記多次元センサーの加速度計からの前記撮像センサの三次元加速を示す出力を受信することを含み、
前記第一の状態移行基準が満たされているという、前記電子プロセッサによる前記判定に応答して、前記撮像センサーを前記第一の動作状態から前記第二の動作状態へと移行させることは、前記撮像センサーの加速が定義された加速度閾値未満から前記定義された加速度閾値超へと上昇したという、前記三次元センサーの前記加速度計からの前記出力に基づく、判定に応答して、前記撮像センサーを低電力状態から準備完了状態へと移行させることを含み、
前記方法が、
前記撮像センサーで定義されたジェスチャーパターンが実施されたという、前記多次元センサーの前記加速度計からの前記出力に基づく、判定に応答して、前記撮像センサーを前記準備完了状態から作動状態へと移行させることと、
前記多次元センサーの前記加速度計からの前記出力に基づいて、前記作動状態で動作中、前記撮像センサーがX線源と整列されているかどうかを判定することと、
前記作動状態で動作中、前記撮像センサーが前記X線源と整列しているという判定に応答して、前記X線源を起動し、前記撮像センサーを通じて画像データを取り込むことと、をさらに含む、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記撮像センサーの前記加速度が、定義された期間にわたって前記定義された加速度閾値を下回るという、前記多次元センサーの前記加速度計の前記出力に基づく、判定に応答して、前記作動状態からまたは前記準備完了状態から前記低電力状態へと移行させることをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記撮像センサーの前記多次元センサーから前記出力を受信することが、前記多次元センサーの磁気計から前記撮像センサー上に作用する三次元磁場を示す出力を受信することを含み、
前記多次元センサーの前記磁気計からの前記出力に基づいて、前記撮像センサー上に作用する前記磁場の大きさおよびベクトル方向を判定することと、
撮像センサー保管区画の近位に永久磁石を位置付けることにより、前記判定された大きさおよび前記判定されたベクトル方向が前記撮像センサー保管区画内で生成された磁場の既知の大きさおよび既知のベクトル方向と一致するとき、前記撮像センサーが前記撮像センサー保管区画内に配置された、と判定することと、
前記撮像センサーが前記撮像センサー保管区画内に配置されたという、前記磁力計の前記出力に基づく、判定に応答して、前記撮像センサーを前記作動状態からまたは前記準備完了状態から前記低電力状態へと移行させることと、をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
実施形態は、センサーを使用して画像を取り込むためのシステムおよび方法に関する。
【0002】
X線撮像システムは、多くの場合、対象オブジェクトまたは構造を通過したX線放射を検出するためのセンサーを含む。例えば、歯科用途では、口腔内センサーは患者の口腔内に置くことができる。X線放射は、対象オブジェクトに向けられ、そしてセンサーに向かう。口腔内センサーからのデータ出力は、例えば、一つ以上の歯またはその他の歯構造などの対象オブジェクトのX線画像を生成するために処理される。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの例では、多次元センサーは、口腔内X線センサー(時に「撮像センサー」と呼ばれる)に組み込まれる。多次元センサーは、例えば、三次元加速度計、三次元ジャイロスコープセンサー、および三次元磁気計を含み、撮像センサーの九次元の位置情報および移動情報を提供することができる。いくつかの例では、追加的または代替的なセンサーは、例えば、温度センサー、電流/電圧センサーまたはモニタリング回路、および空気圧センサーを含む撮像センサーにも組み込まれ得る。
【0004】
とりわけ、多次元センサーを装備した撮像センサーを使用して、撮像センサーがX線源と、かつ撮像される歯科構造と、いつ適切に整列されるかを判定することができる。さらに、多次元センサーによって提供される情報は、いつ撮像センサーを作動させるかを決定するために、撮像システムによって使用されて、撮像センサーの「健全性」を判定し、そしていくつかの実装では、いつ撮像センサーを「低電力」モードにするかを決定することができる。
【0005】
一実施形態では、本発明は、撮像センサーを操作するための方法を提供し、この撮像センサーは多次元センサーを含む。電子プロセッサは、多次元センサーから出力を受信し、多次元センサーからの出力に基づいた、第一の状態移行基準が満たされているという電子プロセッサによる判定に応答して、撮像センサーを第一の動作状態から第二の動作状態へと移行させる。
【0006】
別の実施形態では、本発明は撮像センサーを操作するための方法を提供し、この撮像センサーは多次元センサーを含む。電子プロセッサは、低電力状態で撮像センサーを動作させる。いくつかの実施形態では、低電力状態で動作する間に、撮像センサーは、いかなる画像データも取り込まず、画像データが取り込まれる「作動」状態に直接移行することはできない。電子プロセッサは、多次元センサーから出力を受信し、多次元センサーからの出力に基づいた、第一の状態移行基準が満足されるという電子プロセッサによる判定に応答して、撮像センサーを低電力状態から準備完了状態へと移行させる。電子プロセッサはまた、多次元センサーからの出力に基づいた、第二の状態移行基準が満足されるという電子プロセッサによってなされた判定に応答して、撮像センサーを準備完了状態から作動状態へと移行させる。電子プロセッサは、作動状態で動作する時のみ撮像センサーを操作して画像データを取り込み、そして多次元センサーからの自動状態移行基準に基づいて低電力状態から作動状態に直接移行はしない。
【0007】
本発明の他の態様は、詳細な説明および添付の図面を考慮することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態による撮像センサーハウジングに組み込まれた多次元センサーを含む撮像システムのブロック図である。
図2-1】図2Aは、図1の撮像システムによって実施されるエラーに対してセンサーをチェックするための方法のフローチャートである。図2Bは、図2Aの方法でのセンサー電圧を確認する方法のフローチャートである。
図2-2】図2Cは、図2Aの方法でのセンサー電流をチェックする方法のフローチャートである。
図2-3】図2Dは、図2Aの方法でのセンサー温度をチェックする方法のフローチャートである。図2Eは、図2Aの方法でのセンサーが落下した可能性(またはセンサーが落下した時)を検出する方法のフローチャートである。
図3-1】図3Aは、図1の撮像システムの撮像センサー用の保管区画(「ガレージ」と呼ばれることもある)の部分的に透明な立面図である。図3Bは、図3Aの保管区画の部分的に透明な俯瞰図である。
図3-2】図3Cは、撮像センサーが無い撮像センサー保管場所の代替的な例の斜視図である。
図3-3】図3Dは、撮像センサーがその中にある図3Cの撮像センサー保管場所の代替的な実施例の斜視図である。
図4図4は、センサーが図3Aおよび3Bの保管区画で検出されるかどうかに基づいて、図1の撮像システムの動作状態間で移行する方法のフローチャートである。
図5図5は、撮像センサーの多次元センサーによって検知される加速度に基づいて、図1の撮像センサーの動作状態の間で移行する方法のフローチャートである。
図6図6Aは、画像を取り込むための第一の位置に撮像センサーを保持するためのセンサーポジショナの斜視図である。図6Bは、画像を取り込むための第二の位置に撮像センサーを保持するための第二のセンサーポジショナの斜視図である。
図7図7は、撮像センサーと図6のセンサーホルダーとの間の結合の検出に基づいて、図1の撮像システムの動作状態の間で移行する方法のフローチャートである。
図8図8は、多次元センサーの出力に基づいた撮像センサーの特定の動きの検知に基づいて、図1の撮像システムの動作状態の間で移行する方法のフローチャートである。
図9図9は、多次元センサーの出力に基づいて、図1の撮像システムの撮像センサーが、患者の口腔内に配置された時を検出する方法のフローチャートである。
図10図10は、多次元センサーによって検出される空気圧に基づいて、図1の撮像システムにおけるセンサーハウジングに対する損傷の可能性を検出する方法のフローチャートである。
図11図11は、多次元センサーからの出力に基づく、図1の撮像システムの複数の動作状態間の移行の状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のあらゆる実施形態が詳細に説明される前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載されるかまたは以下の図面に示される構造の詳細および構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。実践または実施されるその他の実施形態および方法が可能である。
【0010】
図1は、撮像システム100の実施例を図示する。本明細書に記述した実施例では、撮像システム100は、口腔内撮像センサーと併用するための歯科撮像システムである。しかし、他の実装では、撮像システム100は、その他の医療的または非医療的撮像目的のために構成され得る。撮像システム100は、撮像システムコントローラコンピュータ101を含み、これはいくつかの実装では、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、またはその他のコンピューティングデバイス上で実行されるソフトウェアを備える。撮像システムコントローラコンピュータ101は、電子プロセッサ103およびメモリ105を含む。一実施例では、メモリ105のすべてまたは一部は、非一時的およびコンピュータ可読であり、また電子プロセッサ103によって実行される命令を格納して、例えば、本開示に提示されるように、撮像システムコントローラコンピュータ101の機能を提供する。
【0011】
図1の実施例では、撮像システムコントローラコンピュータ101は、ディスプレイ106に通信可能に結合される。システムコントローラコンピュータ101は、ディスプレイ106上に出力されるグラフィカルユーザーインタフェースを生成する。以下でより詳細に論じるように、グラフィカルユーザーインタフェースは、ユーザーから様々な入力を受信し、指示、データ、およびその他の情報をユーザーに出力するよう構成される。ディスプレイ106は、図1の実施例では、撮像システムコントローラコンピュータ101に結合された別個のユニットとして示されているが、他の実装では、ディスプレイ106は撮像システムコントローラコンピュータ101と同じハウジングに統合され、例えばその場合、撮像システムコントローラコンピュータ101がラップトップコンピュータまたはタブレットコンピュータとして実装される。
【0012】
図1の実施例では、撮像システムコントローラコンピュータ101は、X線源107および撮像センサー108に通信可能に結合される。撮像センサー108(この例では、口腔内歯科撮像センサー)は、撮像センサーハウジング109を含む。シンチレータ111、光ファイバープレート113、および画像センサーアレイ115は、撮像センサーハウジング内に位置付けられる。X線放射の受信に応答して、シンチレータ111は、光ファイバープレート113を通過する光子を生成する。画像センサーアレイ115は、光ファイバープレート113によって指向された光子を検出し、X線画像を生成するために使用されるデータを出力する。他の実装には、例えばシンチレータなしで動作するように構成された光子カウンタを含む、他の画像検出構成要素が含まれ得る。
【0013】
センサー電子プロセッサ117もまた、撮像センサーハウジング109内に配置され、検出されたX線放射を示す信号を受信するために、画像センサーアレイ115に通信可能に結合される。いくつかの実装では、センサー電子プロセッサ117はセンサーメモリ119にも結合される。特定の実施形態において、センサー電子プロセッサ117は、様々なセンサー成要素の出力に基づいて、特定の基準に応答して「割込み」を引き起こすように構成されたフィールドプログラマブルゲートアレイとして提供される。その他の実施形態では、センサー電子プロセッサ117は異なるタイプのプロセッサであり、センサーメモリ119は、本明細書に記載されるような特定の機能を提供または実行するようにセンサー電子プロセッサ117によって実行される非一時的コンピュータ可読メモリである。図1では、センサー電子プロセッサ117はまたインタフェースマイクロコントローラ121と通信可能に連結され、また撮像センサーハウジング109内に配置され、また下記でより詳細に検討するように、センサー電子プロセッサ117と撮像システムコントローラコンピュータ101との間の通信を提供するように構成される。いくつかの実装では、撮像システムコントローラコンピュータ101は、例えば、USBケーブルまたはWi−Fiを含む有線または無線接続によって、センサー電子プロセッサ117および/またはインタフェースマイクロコントローラ121に選択的に連結可能である。
【0014】
撮像センサーハウジング109はまた、撮像センサー108の配置、動き、および動作に関する情報を提供する多次元センサー123を含む。図1の実施例では、多次元センサー123は、三次元空間の加速度の大きさおよび方向を示す信号を出力するように構成された三次元加速度計125を含む。多次元センサー123は、三次元ジャイロスコープセンサー127および三次元磁気計129も含む。
【0015】
様々な実装で、撮像センサー108はまた、追加的なセンサー構成要素を含み得る。図1の特定の実施例では、多次元センサー123はまた、撮像センサー108の温度を示す信号を出力するように構成された温度センサー131を含む。撮像センサー108はまた、撮像センサー108に供給される電力の電流および電圧を示す信号を出力するように構成された電流/電圧モニタ回路133および撮像センサー108内の空気圧を示す信号を出力するように構成された空気圧センサー135を含む。いくつかの実装では、電流/電圧モニタ回路133は、撮像センサーハウジング109内に配置されず、代わりに撮像センサーハウジング109に外部的に結合された別個のハウジング内に提供される。
【0016】
図1の実施例では、電流/電圧モニタ回路133および空気圧センサー135は、別個の構成要素として提供され、多次元センサー123に組み込まれない。しかし、他の実装では、電流/電圧モニタ回路133、空気圧センサー135、および温度センサー131は、多次元センサー123に組み込まれてもよい。逆に、いくつかの実装では、加速度計125、ジャイロスコープセンサー127、磁気計129、温度センサー131、電流/電圧モニタ回路133、および空気圧センサー135は、すべて、「多次元センサー」として識別可能な単一の内部構造またはハウジングのない別個の構成要素として、撮像センサーハウジング109内に提供される。それらの実装では、多次元センサー123は、撮像センサーハウジング109内に提供された一つ以上のセンサー構成要素を集合的に指す。最後に、図1の実施例は、撮像センサーハウジング109内のセンサー構成要素のタイプの特定のリストを示すが、他の実装では、撮像センサー108は、より多いか、より少ないか、または異なるセンサー構成要素を含み得る。
【0017】
図1に示す撮像システム100では、撮像システムコントローラコンピュータ101は、撮像センサーハウジング109内に配置されたセンサーからの出力を監視し、センサーからの出力に少なくとも部分的に基づいて様々な構成要素を動作させる。特に、以下でより詳細に説明するように、撮像システムコントローラコンピュータ101は、複数の異なる動作状態のうちの一つにおいて撮像センサー108を動作させ、撮像センサー108のセンサーからの出力に少なくとも部分的に基づいて、動作状態の間で移行する。いくつかの実装では、複数の異なる動作状態は、一つ以上の「低電力」状態、一つ以上の「準備完了」状態、および一つ以上の「作動」状態を含む。
【0018】
「低電力」状態で動作する場合、撮像センサーに提供される電力および/または撮像センサー108の様々な構成要素によって消費される電力は低減され、撮像センサー108の一部の機能/動作が禁止されるか、または制限される(手動のオーバーライドを妨げる)。例えば、いくつかの実装では、撮像センサー108(特に画像センサーアレイ115)は、撮像センサー108が「低電力」状態で動作するときには作動できない。代わりに、撮像センサー108は、第一の状態移行基準が満たされていると判定することに応答して、まず「準備完了」状態へと移行する必要がある。「準備完了」状態で動作する場合、撮像センサー108はまだ作動していないが、撮像システムコントローラコンピュータ101によって検出された第二の状態移行基準が満足されていることを示す入力または状態に応じて、「作動」動作状態に移行され得る。いくつかの実装では、撮像センサー108が「低電力」状態で動作する間、撮像センサーハウジング109内のセンサー構成要素のうち一つ以上に提供される電力も低減または切断される。
【0019】
いくつかの実装では、撮像センサー108と撮像システムコントローラコンピュータ101との間の通信インタフェースは、撮像センサー108が「低電力」状態で動作している時に無効になる。例えば、図1のシステムでは、撮像センサー108が「低電力」状態に入ると、インタフェースマイクロコントローラ121はオフまたは電源ダウンされ得る。センサー電子プロセッサ117は、様々なセンサー構成要素の出力を監視し、状態移行基準が下記にさらに詳細に記述されているように満たされていることを検出するのに応答して、「割込み」ルーチンまたは別のフラグを出力するようにトリガされてもよい。このような実装では、インタフェースマイクロコントローラ121は、割込みに応答して動作を再開し、撮像センサー108と撮像センサーコントローラコンピュータ101との間の通信を回復させる。したがって、以下に提示される実施例のいくつかは、撮像システムコントローラコンピュータ101の電子プロセッサ103によって行われ、実行される機能について述べるが、他の実装では、この機能(状態移行基準の検出および動作状態の移行を含む)は、別の電子プロセッサ、例えば、センサー電子プロセッサ117によって、全部または一部が提供される。
【0020】
いくつかの実装では、「低電力」状態から「準備完了」状態に移行する前に、または他の実装では、「準備完了」状態から「作動」状態に移行する前に、撮像システムコントローラコンピュータ101またはセンサー電子プロセッサ117は、撮像センサー108が適切に動作していることを確認するために、エラー状態チェックルーチンを実施する。他の実装では、エラー状態チェックルーチンは、画像センサー108が単一の動作状態で動作している間に定期的に実施され、例えば、「作動」状態で動作中に各画像が取り込まれた後である。さらに他の実装では、エラー通知によって、電子プロセッサは、他のシステムチェックルーチンまたは自動自己補正ルーチンを自動的に起動させることができる。
【0021】
例示的なエラー状態チェックルーチンが、図2A〜2Eに示される。まず図2Aでは、エラー状態チェックルーチンが開始された後(ブロック201)、撮像システム100は、最初に「電圧」チェックを行う(ブロック203)。撮像センサー108が電圧チェックに合格する場合、撮像システム100は「電流」チェックを行う(ブロック205)。撮像センサー108が電流のチェックに合格すると、撮像システム100は「温度」チェックを実行する(ブロック207)。撮像センサー108が温度チェックに合格すると、撮像システム100は「加速」チェックを実行する(ブロック209)。撮像センサー108がエラー状態チェックルーチンのそれぞれに合格する場合、撮像システム100は、撮像センサー108の動作を続けられる(例えば、「作動」状態での動作または「作動」状態への移行を継続する)。
【0022】
図2Bは、より詳細に「電圧チェック」ルーチンの実施例を図示する。電流/電圧モニタ回路133からの出力に基づいて、撮像システム100は、撮像センサー108に、例えば撮像システムコントローラコンピュータ101に結合されたUSBケーブルを通して供給される電力の電圧を判定する(ブロック211)。検出された電圧が第一の電圧閾値(V1)を超えない場合(ブロック213)、撮像システム100は、撮像センサー108内または撮像センサー108をその電源に接続するケーブルのいずれかにエラー状態があると判定する。この検出された状態に応答して、撮像システム100はセンサーを解除し、いくつかの実装では、センサーが「作動」状態へと移行するのを防止する(ブロック215)。「低電圧」通知は、ユーザーに出力される(ブロック217)。「低電圧」通知は、例えば、撮像システムコントローラコンピュータ101に結合されたディスプレイに示されるグラフィカル通知として出力することができる。いくつかの実装では、「低電圧」通知は、検出された電圧の値を表示し、考えられる是正措置について使用者に指示する。例えば、「低電圧」通知は、撮像センサー108を別のUSBポートに接続するか、撮像センサー108を異なるコンピュータ/撮像システムコントローラコンピュータ101に接続するか、または異なるUSBケーブルを使用して撮像センサー108を撮像システムコントローラコンピュータ101に接続するように指示することができる。「低電圧」通知は、状態が持続する場合、技術サポートに連絡するようユーザーに指示することもできる。いくつかの実装では、検出されたエラー/故障状態(例えば、「低電圧」状態および下記のその他の状態)は、撮像センサー108のエラー/障害を追跡するために使用されるログファイルに記録される。
【0023】
同様に、検出された電圧が第一の電圧閾値よりも高い第二の電圧閾値(V2)を超えると撮像システム100が判定すると(ブロック219)、撮像システム100は、撮像センサー108上の「高電圧」状態を検出する。撮像システム100は、センサーを解除し、いくつかの実装では、センサーが「作動」状態(ブロック221)へ移行するのを防止する。「高電圧」通知は、ユーザーに出力される(ブロック223)。「高電圧」状態は撮像センサー108のハードウェアに損傷を与える可能性があり得るため、「高電圧」通知によって、撮像センサー108を電源から直ちに抜いて損傷を防止するようにユーザーに指示する。いくつかの実装では、検出された電圧の大きさを含む情報などに基づいて、「高電圧」通知は、異なるコンピュータに撮像センサー108を接続してみること、または技術サポートに連絡することをユーザーに伝えるユーザー指示を含む。さらに他の実装では、撮像システム100は、エラーメッセージを直接的に技術サポートシステムに送信し、エラーメッセージに、エラー状態を検出した撮像システムコントローラコンピュータ101の識別および位置、および検出された電圧の大きさの表示を含むように構成され得る。
【0024】
ただし、撮像センサー108に供給される電力の検出された電圧が第一の電圧閾値と第二の電圧閾値との間である場合、撮像センサー108は、試験の「電圧チェック」部分に合格している。次に、撮像システム100は「電流チェック」ルーチンに続く(ブロック225)。
【0025】
図2Cは、エラー状態チェックルーチンの電流チェックの構成要素(図2Aのブロック205)を示す。いくつかの実装では、撮像センサー108が「電圧チェック」構成要素(図2Aのブロック203)に合格しない場合、撮像システム100は電流チェック構成要素を実行することなく、撮像センサー108を解除する。しかし、「電圧チェック」構成要素に合格した後、撮像システム100は、撮像センサー108に提供される電力の電流を判定することによって電流チェック構成要素を開始する(ブロック227)。電流が第一の電流閾値(I1)を下回る場合(ブロック229)、撮像システム100は、「低電流」状態が存在すると判定し、それに応答して、撮像センサー108が解除されるか作動を妨げられ(ブロック231)、そして「低電流」通知が撮像システムコントローラコンピュータ101のグラフィカルユーザーインタフェース上に出力される(ブロック233)。「低電流」通知は、判定された電流の大きさ、検出された問題のトラブルシューティングの指示(例えば、別のUSBポート、別のコンピュータ、または別のUSBケーブルを試すこと)、または技術サポートに連絡する指示を含み得る。
【0026】
電流が第一の電流閾値(I1)を超える場合、撮像システム100は、検出された電流が第一の電流閾値よりも大きい第二の電流閾値(I2)を超えるかどうかを判定する(ブロック235)。そうである場合、撮像システム100は、「高電流」状態が存在すると判定し、それに応答して、撮像センサー108を解除し、いくつかの実装では、撮像センサー108が作動するのを防ぐ(ブロック237)。「高電流」通知はユーザーに出力される(ブロック239)。高電流は撮像センサー108のハードウェアに損傷を与える可能性があり得るため、いくつかの実装では、「高電流」通知によって、センサーを直ちに切断して損傷を防止するようにユーザーに指示する。「高電流」通知は、撮像センサー108を別のコンピュータ(例えば、撮像システムコントローラコンピュータ101)に接続してみるか、別のケーブルを使用して接続するか、または技術サポートに連絡するように、ユーザーに指示することもできる。
【0027】
検出された電流が第一の電流閾値と第二の電流閾値との間である場合、撮像システム100は検出された電流の変化率を判定する。検出された電流の変化率は、一番最近検出された電流および一つ以上の以前に検出された電流に基づいて判定される。いくつかの実装では、ログファイルからのデータを抽出するかまたは読み取ることによって、検出された電流の変化率をより長期間にわたって追跡することができるように、電流ログファイルが維持される。電流の変化率は、変化率電流閾値(I3)と比較される(ブロック241)。いくつかの実装では、この比較は、撮像センサー108が電源(例えば、撮像システムコントローラコンピュータ101)に差し込まれた時点で判定されたベースライン電流に対して定義された閾値よりも大きく増加しているかどうかを示す。変化率が変化率電流閾値を超える場合、撮像センサー108は解除されるか、またはいくつかの実装では作動が防止される(ブロック243)。「高電流変化」通知は、撮像システムコントローラコンピュータ101のグラフィカルユーザーインタフェース上でユーザーに出力される(ブロック245)。「高電流変化」通知は、損傷を防止するために撮像センサー108を切断するようユーザーに指示し、いくつかの実装では、例えば、技術サポートに連絡することを含むトラブルシューティング/軽減のためのさらなる指示を提供する。
【0028】
撮像センサー108がこれらのチェックのすべてに合格し、センサーがすでに作動している場合(ブロック247)、撮像システム100はその現在の動作状態で撮像センサー108を動作させ続けるか、またはエラー状態チェックルーチンの他の構成要素(ブロック249)を続ける。しかし、撮像センサー108がまだ作動していない場合(ブロック247で)、電流チェック構成要素は別の検証試験を含む。撮像システム100は、撮像センサー108を作動させ(ブロック251)、撮像センサー108を作動した直後に電流を測定する(ブロック253)。撮像センサー108を作動させた直後に検出された電流が第四の電流閾値(I4)を超える場合(ブロック255)、撮像センサー108は解除され(ブロック257)、作動プロセスの間に検出された電流に基づいてエラー状態が検出されたことを示す「作動未完了」通知がユーザーに出力される(ブロック259)。「作動未完了」通知は、撮像センサー108が正常に作動しておらず、X線画像が取り込まれないことをユーザーに示す。いくつかの実装では、「作動未完了」通知は、例えば、別のUSBポート、コンピュータ、またはUSBケーブルを試すか、または技術サポートに連絡することを含む、エラー状態を軽減/トラブルシューティングするための追加的な指示も提供し得る。
【0029】
しかしながら、撮像センサー108を作動させた直後に検出された電流が第四の電流閾値(I4)を下回る場合(ブロック255)、撮像システム100は、「作動」状態で撮像センサー108を動作させることに進み、および/またはエラー状態チェックルーチンの次の試験に進む。図2A〜2Eの実施例では、「準備完了」状態から「作動」状態に移行する撮像センサー108は、電流チェック機構の間に「作動」され、そして「温度」チェック構成要素(図2Aのブロック207)および加速チェック(図2Aのブロック209)のために作動したままとなる。しかしながら、いくつかの他の実装では、撮像センサー108が作動した直後に検出される電流を第四の電流閾値(I4)と比較する電流チェック構成要素の一部(ブロック255)は、撮像センサー108が解除されている間に一つ以上の追加的な試験が実施されるまで遅延される。
【0030】
電圧チェック構成要素(図2Aのブロック203)および電流チェック構成要素(図2Aのブロック205)を完了した後、撮像システム100は撮像センサー108に温度チェックを適用する。この例では、撮像センサー108が作動した後に温度チェックが適用される。しかしながら、他の実装では、撮像システム100は、撮像センサー108を作動させる前に温度チェックを行う。撮像センサー108が電圧チェックおよび電流チェック構成要素に合格する場合、温度チェック中に検出された異常な温度は、撮像センサー108の電流および電圧/電流モニタ回路133の両方に対する問題を示し得る。
【0031】
温度チェック構成要素を実行するにあたり、撮像システム100は、最初にセンサーの温度を判定し(ブロック261)、次に、検出された温度を第一の温度閾値(T1)と比較する(ブロック263)。検出された温度が第一の温度閾値を超える場合、撮像システム100は、エラー状態が存在すると判定し、撮像センサー108を解除し(または、いくつかの実装では、撮像センサー108を作動させないようにし)(ブロック265)、撮像システムコントローラコンピュータ101のグラフィカルユーザーインタフェース上でユーザーに「高温」通知を出力する(ブロック267)。高温は、撮像センサー108の回路内の高電流または電気短絡を示す場合があるため、高温通知はいくつかの実装では、撮像センサー108を電源(例えば、撮像システムコントローラコンピュータ101)から直ちに切断し、技術サポートに連絡するように、ユーザーに指示する。いくつかの実装では、撮像システム100は次に、撮像センサー108を冷却することを可能にするために、定められた遅延期間の間は画像センサー108が再作動されるのを防止し続ける(ブロック268)。
【0032】
撮像センサー108の温度が第一の温度閾値(T1)を下回る場合、撮像システム100は次に、撮像センサー108に異常な温度変化率があるかどうかを考慮する。撮像システム100は、一番最近検出された温度および一つ以上の以前に検出された温度に基づいて温度変化率を判定し(ブロック269)、計算された温度変化率を温度変化閾値(T2)と比較する(ブロック271)。温度変化率が温度変化閾値を下回る場合、撮像センサー108はエラー状態チェックルーチンの温度構成要素に合格しており、撮像システム100は撮像センサー108を動作させ続ける(ブロック273)。しかしながら、温度変化率が閾値を超える場合、撮像システム100は、撮像センサー108を解除し(または撮像センサー108を作動させないようにし)(ブロック273)、撮像システムコントローラコンピュータ101のグラフィカルユーザーインタフェース上でユーザーに「温度変化」通知を出す(ブロック277)。「温度変化」通知は、ユーザーが撮像センサー108を直ちに切断して損傷を防止するように指示してもよく、また技術サポートに連絡するようユーザーに指示することもできる。
【0033】
最後に、撮像センサー108がエラー状態チェックルーチンの電圧構成要素、電流構成要素、および温度構成要素に合格した場合、撮像システム100は加速度計127の出力を評価し、作動プロセスの間または前に撮像センサー108が落下しているかどうかを判定する。撮像システム100は、加速度計125の出力に基づいて加速度の絶対的な大きさを判定する(ブロック281)。いくつかの実装では、撮像システム100は、撮像センサー108が「低電力」状態から「準備完了」状態に移行して以来、または最後の「加速チェック」が実施された以来、検出された最大加速度を判定する。検出された加速度が加速度閾値より小さい場合(ブロック283)、撮像センサー108は作動され、その通常の動作が継続される(ブロック285)。しかしながら、検出された加速度が、突然の落下またはその他の損傷を与える可能性のある衝撃を示す加速度閾値を超える場合、「損傷可能性」通知が、撮像システムコントローラコンピュータ101のグラフィカルユーザーインタフェース(ブロック287)上でユーザーに対して出力される。「損傷可能性」通知は、損傷の可能性がある事象が検出されたことを示し、目に見える損傷に対して撮像センサーハウジング109を視覚的に検査するように指示する。いくつかの実装では、撮像センサー108は、エラー状態チェックルーチンの他の構成要素に正常に合格している限り、「損傷可能性」事象が検出された後でも「作動」状態で動作し続ける。さらに、上述のように、いくつかの実装では、加速度計の出力が、突然の落下を示す加速度閾値を超えるかどうかの判定は、撮像センサーのハウジング109内に配置されてそれに応じて割込みを出力するように構成された論理構成要素によって実行され、このことにより、「落下」事象を示す加速度が、撮像センサー108と撮像システムコントローラコンピュータ101の間の通信ならびに撮像システムコントローラコンピュータ101によるさらなる処理をする必要なく、短時間に検出されることが可能になる。いくつかの実施形態では、この論理構成要素は、センサー電子プロセッサ117、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または別の論理回路として提供される。
【0034】
図2A〜2Eを参照して上述した例は、撮像センサー108に適用されるエラー状態チェックルーチンの一例である。他の実装では、ステップは別の順序で実施されてもよく、より多いか、より少ないか、または代替的な試験およびステップを含んでもよい。さらに、上述の試験の失敗はほとんどが結果として、撮像システムコントローラコンピュータ101のグラフィカルユーザーインタフェース上でユーザーに表示される通知に表示されるだけであるが、他の実装では自動化された緩和ステップを提供し得る。例えば、撮像システム100は、一つ以上の特定の試験に合格しない場合、撮像センサー108を電源から自動的に切断するように構成され得る。さらに、問題が解決しない場合、技術サポートに連絡するようにユーザーに指示する代わりに、撮像システム100は、撮像システムコントローラコンピュータ101の識別および/または位置を含んで技術サポートシステムにメッセージを自動的に送信するように構成されてもよい。メッセージは、失敗した試験に関するその他の詳細(撮像センサー108を試験に失敗させたセンサー出力読み取りを含む)も含み得る。
【0035】
上述のように、図2A〜2Eに図示したエラー状態チェックルーチンのうち一つ以上は、撮像センサー108が「作動」状態で動作する間に定期的に実施されてもよく、または撮像センサー108が一つの状態から別の状態に移行する時に実施されてもよい。しかし、撮像システム100は、撮像センサー108の様々なセンサー構成要素からの出力を使用して、一つの動作状態から別の動作状態へと移行するように構成され得る。例えば、図3Aおよび3Bは、使用していない時に撮像センサー108を保管するための「ガレージ」303または「保管ホルダ」を含む撮像システムハウジング301を図示する。永久磁石305は、撮像システムハウジング301に組み込まれ、「ガレージ」303に保存された時に磁場を撮像センサー108に印加するように配置される。永久磁石305によって生成される磁場は、撮像センサー108の磁気計129の出力に基づいて検出および特定され得る大きさおよびベクトル方向を持つ。
【0036】
図4に示すように、撮像システム100は、撮像センサー108が撮像システムハウジング301のガレージ303内に配置されていることを、磁気計129の出力が示すかどうかに基づいて、「低電力」状態と「準備完了」状態との間で移行するように構成される。撮像システム100は、磁気計129からの出力信号を定期的に処理して、撮像センサー108に対する磁場の強度およびベクトル方向を検出する(ブロック401)。撮像センサー108が「低電力」状態で現在動作していない場合(ブロック403)、検出された磁場は、検出された磁場が「ガレージ」303または保管ホルダー内の撮像センサー108の配置を示すかどうかを判定するために分析される(ブロック405)。「ガレージ」303での配置を示す磁場が検出された場合、撮像センサー108は「低電力」状態に移行される(ブロック407)。しかし、「ガレージ」303での配置を示す磁場が検出されない場合、撮像センサー108は「準備完了」状態のままである(ブロック409)。
【0037】
撮像センサー108がすでに「低電力」モードで動作している時(ブロック403)、撮像システム100は、検出された磁場が「ガレージ」303からの撮像センサー108の取り外しを示すかどうかを判定する(ブロック411)。いくつかの実施形態では、「ガレージ」303からの撮像センサー108の取り外しを示す磁場は、検出された磁場の大きさが定められた閾値を下回って減り、および/または検出された磁場のベクトル方向が、所定量だけ永久磁石305によって印加されることが予想される磁場のベクトル方向から偏向するものである。「ガレージ」303からの撮像センサー108の取り外しを示す磁場が検出された場合(ブロック411)、撮像センサー108は、「低電力」モードから「準備完了」モードへと移行される(ブロック409)。しかしながら、検出された磁場が、撮像センサー108が「ガレージ」303内に配置されていることを示し続ける場合、撮像センサー108は「低電力」状態のままである(ブロック407)。
【0038】
いくつかの実装では、撮像センサー108は、永久磁石305によって印加される磁場の検出された変化にのみ基づいて、「ウェークアップ」する(例えば「低電力」状態から「準備完了」状態へと移行する)。しかしながら、いくつかの実装では、撮像センサー108のセンサー構成要素によって提供される追加的または代替的な情報は、撮像センサー108を「準備完了」モードに移行するかどうかを決定するために使用される。例えば、図4にさらに図示されるように、撮像センサー108が「低電力」状態で動作する間、撮像システム100は、加速度計125の出力に基づいて、画像センサー108の加速度を定期的に検出するように構成され得る。検出された加速度が「ウェークアップ」閾値を超える場合(ブロック413)、撮像センサー108は、「準備完了」状態に移行し(ブロック409)、検出された加速度が「ウェークアップ」閾値を下回る場合、撮像センサー108は「低電力」状態のままである(ブロック407)。図4の実施例に示すように、磁場および加速度の「ウェークアップ」基準はいくつかの実施形態では並行して適用され、いずれかの基準を満たす条件によって撮像センサー108が「準備完了」状態に移行される。しかしながら、他の実装では、磁場および加速度の「ウェークアップ」基準が連続して適用され、撮像センサー108が「準備完了」状態に移行する前に両方の基準を満足する必要がある。
【0039】
上述のように、いくつかの実装では、図4に関連してような説明した判定は、撮像センサー108から定期的に受信したデータに基づいて、撮像システムコントローラコンピュータ101によって実施される。しかしながら、他の実装で、例えば、撮像センサー108が低電力モードで動作する間は撮像センサー108と撮像システムコントローラコンピュータ101との間の通信が無効な実装では、状態移行判定の一部またはすべては、センサー電子プロセッサ117によって行われる。さらに他の実装では、撮像センサーハウジング109内に位置する論理構成要素は、多次元センサーからの特定の出力条件に応答して「割込み」を生成するように構成される。例えば、図4を参照すると、加速度計125の出力が「ウェークアップ」閾値を超えた時に、割込みを生成するように構成されたフィールドプログラマブルゲートアレイとして論理構成要素が提供されてもよい。この割込みは、撮像センサー108を低電力状態から準備完了状態へと移行させる。状態移行条件が割込みによって開始される時、撮像センサー108は、撮像システムコントローラコンピュータ101が撮像センサー108の加速度を定期的に監視して、「ウェークアップ」閾値を超えているかどうかを判定する場合に必要となるほど頻繁には、撮像システムコントローラコンピュータ101に加速データを伝達する必要がない場合もある。いくつかの実装では、撮像センサー108が低電力状態で動作する間、加速度データは撮像センサー108から撮像システムコントローラコンピュータ101に通信されない。
【0040】
さらに、図3Aおよび3Bの実施例では、永久磁石305は、「ガレージ」303の上方に配置されるか、またはガレージの壁もしくは表面に永久的に組み込まれる。しかし、他の実装では、永久磁石305は、他の位置に配置することができ、撮像センサー108が「ガレージ」303内に配置される時に、独特の検出可能な磁場を提供することができる。同様に、保管ホルダーが「ガレージ」として図3Aおよび3Bに図示されているが、保管ホルダーは、他の実装では他の構成で、例えば、撮像システムハウジング301の側面上に配置される「ホルスター」またはクリップとして提供され得る。さらに他の実装では、保管ホルダー、または「ガレージ」303は、撮像システムコントローラコンピュータ101から完全に分離されているハウジングとして提供されてもよく、また歯科医師のワークスペース近くで簡単にアクセスできるように配置可能にしてもよい。例えば、図3Cおよび3Dは、撮像センサー108がバックプレート313に対して、一対の支持アーム315によって保持される、画像センサー保管場所311の実施例を図示する。この実施例では、永久磁石はバックプレート313に組み込まれて磁場を生成し、撮像センサー108は画像センサー保管場所311内に配置された時に完全には囲まれない。図3Cは、画像センサー保管場所311のみを示し、図3Dは、撮像センサー108がその中に配置された画像センサー保管場所311を示す。
【0041】
図3Aおよび3Bの実施例は、永久磁石を使用して撮像センサー108が「ガレージ」303内に配置されているかどうかを検出して、その判定に基づいて動作状態の間で移行することについて論じているが、いくつかの他の実装では、他の機構を使用して撮像センサー108が保管位置にあるかどうかを検出して、それに従って動作状態の間で移行することができる。
【0042】
さらに他の実装では、撮像センサー108が「低電力」状態で動作する時、磁気計129は無効化され得る。したがって、撮像センサー108を「準備完了」状態にいつ移行させるかの判定は、別のセンサーまたは複数センサーからの基準に基づいており、例えば、加速度基準(ブロック413)は、装置を「低電力」状態から「準備完了」状態へといつ移行させるかを判定する唯一の試験として適用され得る。
【0043】
同様に、いくつかの実装では、加速度計125からの出力に基づいて検出される加速度は、撮像センサー108が「ガレージ」303内に配置されているという判定無しでも、「準備完了」状態と「低電力」状態の間での移行を制御し得る。これは、例えば、歯科医師が撮像センサー108をカウンタまたはテーブルに配置する場合に発生し得る。図5に示すように、撮像システム100は、加速度計125からの出力に基づいて加速度の絶対的な大きさを判定する(ブロック501)。検出された加速度が、ゼロと等しくない場合(装置が移動していることを示す)(ブロック503)、撮像センサー108は「準備完了」状態で動作する。逆に、検出された加速度が撮像センサー108は静止していることを示す場合(ブロック503)、撮像センサー108は「低電力」状態に置かれる(ブロック507)。
【0044】
いくつかの実装では、撮像センサー108は、ゼロに等しい加速度を検出して直ちに「準備完了」状態から「低電力」状態に移行はされず、代わりに、撮像センサー108が、図5の基準に基づいて「低出力」状態に移行する前に、定義された期間にわたってゼロ加速度を連続的に検出する必要がある。他の実装では、図5に関連して説明した状態移行基準は、撮像センサー108が「作動」状態で動作している場合は適用されず、撮像センサー108が検出されたゼロの加速度に基づいて「低電力」状態に移行できる前に、撮像センサー108は「準備完了」状態で動作していなければならない。
【0045】
状態移行は、撮像センサー108に作用する他の磁場を検出および識別することによっても制御され得る。例えば、図6Aおよび6Bはそれぞれ、撮像センサー108を特定のタイプの画像を取り込む位置に保持するように構成されたセンサーポジショナを示す。図6Aに示す第一のセンサーポジショナ601は、バックプレート603および圧力アーム605を含む。撮像センサー108を第一のセンサーポジショナ601に選択的に結合するために、撮像センサー108は、バックプレート603と圧力アーム605との間に配置される。撮像センサー108は、バックプレート603の形状および圧力アーム605によって加えられる摩擦/圧力によって定位置に保持される。第一の永久磁石607はまた、センサーポジショナ601に結合された時に撮像センサー108に近い場所にある第一のセンサー位置に含まれる。第一の永久磁石607は、撮像センサーが第一のセンサーポジショナ601に結合された時に、撮像センサー108の磁気計129によって検出可能な既知の大きさおよびベクトル方向の磁場を作り出す。
【0046】
図6Bに示す第二のセンサーポジショナ611は、バックプレート613および撮像センサー108を第二のセンサーポジショナ611に選択的に結合するための圧力アーム615も含む。第二のセンサーポジショナ611の形状および配置は、第一のセンサーポジショナ601のそれとは異なるものであり、また患者の口腔内の異なる位置における歯科構造の画像を取り込むために撮像センサーを配置するように構成されている。第二のセンサーポジショナ611はまた、第二の永久磁石617を含む。第二の永久磁石617はまた、第二のセンサーポジショナ611に結合された時に撮像センサー108によって検出可能な既知の大きさおよびベクトル方向の磁場を生成する。しかしながら、第二の永久磁石617のタイプおよび位置決めのため、第二の永久磁石617によって発生し、第二のセンサーのポジショナ611に結合された時に撮像センサー108の磁気計129によって検出される磁場は、第一の永久磁石607によって発生し、撮像センサー108が第一のセンサーポジショナ601に結合された時に磁気計129によって検出される磁場とは異なる。これらの異なる既知の磁場に基づいて、撮像システム102は、磁気計129の出力に基づいて、いつ撮像センサー108がセンサーポジショナに結合されるかを識別し、そして、撮像センサー108が第一のセンサーポジショナ601に結合されているかまたは第二のセンサーポジショナ611に結合されているかを識別するように構成される。
【0047】
図6Aおよび6Bに図示した実施例は、バックプレート603、613内またはその上に配置された永久磁石607、617を示すが、他の実装で他のセンサーポジショナでは、永久磁石は他の固定位置に配置することができる。例えば、永久磁石は、圧力アーム615上に、またはバックプレート613の後ろもしくは下のセンサーポジショナの別の構造部分上に配置されてもよい。
【0048】
図7に図示した通り、センサーポジショナに組み込まれた永久磁場によって印加される磁場は、「準備完了」状態から「作動」状態への移行を制御することができ、いくつかの実装では、複数の異なるセンサーポジショナおよび/またはセンサーポジショナ機構が一連の画像を取り込むために使用され、検出された磁界は撮像システム100のユーザーに自動化された指示を提供するために使用され得る。撮像センサー108が「準備完了」モードで動作している間(ブロック701)、磁場の大きさおよびベクトル方向を判定するために磁気計129の出力を分析する(ブロック703)。検出された磁場は、検出された磁場がセンサーポジショナとの結合を示すかどうかを判定するために分析される(ブロック705)。そうでない場合、撮像センサー108は、「準備完了」状態で動作し続ける(ブロック701)。しかし、検出された磁場がセンサーポジショナとの結合を示す場合(ブロック705)、センサーポジショナのタイプおよび/または構成は、検出された磁場の大きさおよびベクトル方向に基づいて識別される(ブロック707)。これに応じて、撮像センサー108は作動され(ブロック709)、いくつかの実装では、撮像センサー108の配置のための指示が撮像システムコントローラコンピュータ101のグラフィカルユーザーインタフェース上に表示される。画像が取り込まれた後(例えば、ユーザーが起動するかまたは自動のトリガに基づく)(ブロック711)、撮像システムコントローラコンピュータ101のグラフィカルユーザーインタフェースは、取り込まれる次の画像に対する指示を出力する(ブロック713)。いくつかの実施形態では、指示はディスプレイ106上に表示されるテキスト指示として出力されるが、他の実施形態では、指示はスピーカーを介して聞こえるように出力される。
【0049】
いくつかの実施形態では、出力指示はまた、新しいセンサーポジショナまたは新しい構成が、取り込まれる次の画像に必要かどうかも示す。同一のセンサーポジショナおよび同一の構成が次の画像に使用される場合(ブロック715)、撮像センサー108は「作動」状態のままで、次の画像が取り込まれる(ブロック711)。しかし、異なるセンサーポジショナまたは異なる構成が次の画像に対して必要である場合(ブロック715)、撮像センサー108が解除され(ブロック717)、撮像センサーハウジング109とセンサーポジショナ(ブロック705)との間の結合を示す磁場が識別されるまで、検出される磁場が再びモニタされる。
【0050】
図7の実施例は、「準備完了」状態から「作動」状態への移行について説明するが、他の実施形態では、センサーポジショナに組み込まれた永久磁石によって印加される磁場は、例えば、一つの「準備完了」状態から別の「準備完了」状態へ、一つの「作動」状態から別の「作動」状態へ、または「低電力」状態から「準備完了」状態への移行を含む、他のタイプの状態移行を代わりに制御することができる。
【0051】
いくつかの実装では、「準備完了」状態から「作動」状態への移行は、撮像センサー108の他のセンサー構成要素からの出力に基づいて制御され得る。例えば、撮像センサーハウジング109でなされた特定のジェスチャーは、加速度計125および/またはジャイロスコープセンサー127からの出力に基づいて検出され、また「準備完了」状態から「作動」状態へと移行するために使用され得る。図8は、「準備完了」状態から「作動」状態への移行をトリガできる特定のジェスチャーの一例を検出する方法を図示する。この例では、撮像センサー108は、撮像センサー108が連続的に三回上下する場合、「作動」状態に移行される。
【0052】
加速度および/または位置データは、それぞれ、加速度計125および/またはジャイロスコープセンサー127から受信され(ブロック801)、「上昇および下降」ジェスチャーが撮像センサー108で行われたかどうかを判定する(ブロック803)。そうである場合、カウンタはインクリメントされ(ブロック805)、カウンタが3までインクリメントされていない場合(ブロック807)、撮像システム100は加速度/位置データを監視して(ブロック801)追加の「上昇」および「下降」のジェスチャーを検出し続ける(ブロック803)。三つの連続的な「上昇および下降」のジェスチャーが検出され、カウンタが3までインクリメントされた時(ブロック807)、撮像センサー108は「準備完了」状態から「作動」状態(ブロック809)へと移行する。
【0053】
三つの「上昇」および「下降」のジェスチャーが故意に連続的に行われることを確認するために、タイムアウト機構が適用される。最初の「上昇および下降」のジェスチャーが検出されてから(またはいくつかの実装では、最新の「上昇および下降」ジェスチャーが検出されてから)タイムアウト期間がまだ経過していない場合(ブロック811)、撮像システム100は加速度/位置データを監視し続け(ブロック801)、追加の「上昇および下降」のジェスチャーを検出し続ける(ブロック803)。しかし、タイムアウト期間が切れた場合(ブロック811)、カウンタはゼロにリセットされる(ブロック813)。例えば、暗電流をリセットすることを含む撮像システムの他の動作をトリガするために、特定のジェスチャーおよび移動の検出も使用することができる。
【0054】
図8は、撮像センサー108で実施され、撮像センサーハウジング109内の様々なセンサーからの出力に基づいて検出されるジェスチャーの一例のみを図示する。他の実装では、撮像システム100は、三つの連続した「上昇および下降」のジェスチャーの代わりに、他のタイプのジェスチャーを検出するように構成される。いくつかの実装では、異なるジェスチャーを使用して「作動」状態への移行をトリガすることができるだけでなく、撮像システム100によってどの特定のタイプの画像(または画像シリーズ)が取り込まれるかを撮像システム100に示すこともできる。例えば、第一のジェスチャーパターンの検出は、第一のタイプのX線画像が取り込まれ、それに応答して、撮像システムコントローラコンピュータ101のグラフィカルユーザーインタフェースが、第一のタイプX線画像に特に関連する指示および情報を出力することを撮像システム100に示す。逆に、第二の異なるジェスチャーパターンの検出は、第二のタイプのX線画像が取り込まれることを撮像システム100に示し、それに応答して、撮像システムコントローラコンピュータ101のグラフィカルユーザーインタフェースは、第二のタイプX線画像または画像シリーズに特に関連する指示および情報を出力する。別の方法として、撮像システムコントローラコンピュータ101は、検出されたジェスチャーパターンによってどの画像タイプが示されるかに基づいて、取り込まれた画像データを処理または保存してもよい。
【0055】
いくつかの実装では、撮像システム100はまた、撮像センサー108が患者の口腔内に配置された可能性が高い時を検出することによって、一つの状態から別の状態へと移行するように構成され得る。図9は、温度センサー131からの出力に基づいて、撮像センサー108が患者の口腔内に配置されているかどうかを判定する方法を図示する。温度センサー131によって検出された温度は、撮像センサー108が患者の口腔内に置かれた時に増加する可能性が高いため、撮像システム100は三つの異なる温度ベースの基準を適用して、撮像センサー108が患者の口の外側の位置から患者の口腔内の新しい位置へと移動されたことを確認する。
【0056】
第一に、撮像システム100は、温度センサー131の出力に基づいて温度読み取り値を判定および保存する(ブロック901)。本温度は、温度閾値(例えば、98°F)と比較される。(ブロック903)撮像センサー108が患者の口腔内に配置されている場合、感知された温度はこの温度閾値を超えるべきである。
【0057】
第二に、撮像システム100は、一番最近検出された温度およびメモリ(例えば、メモリ105またはセンサーメモリ119)上に保存された以前に検出された温度に基づいて、感知された温度の一次導関数を確定する(ブロック905)。計算された温度の第一の一次導関数は、変化率の閾値と比較される(ブロック907)。撮像センサー108が患者の口の外側の位置(温度は室温)から患者の口腔内の位置(温度は「体温」)に移動した場合、計算された一次導関数はこの変化率の閾値を超えるべきである。
【0058】
第三に、撮像システム100は、感知された温度の二次導関数を確定する(ブロック909)。この二次導関数は、温度の変化率がどれだけ急速に増加するかを示し、「加速度」閾値と比較される(ブロック911)。前と同じように、撮像センサー108が患者の口の外側の位置(温度は室温)から患者の口腔内の位置(温度は「体温」)へと移動した場合、計算された二次導関数は、温度変化率の急激な増加を示すべきであり、この加速度閾値を超えるべきである。
【0059】
三つの温度ベースのすべての基準が満たされている場合、撮像センサー108は、撮像センサー108が患者の口の内側に配置されているという仮定に基づいて「作動」状態に移行される(ブロック913)。しかし、三つの基準のいずれかが満足されていない場合、撮像システム100は、撮像センサー108が患者の口腔内に配置されていること、したがって撮像センサー108が「準備完了」状態のままであることを確認できない(ブロック915)。周囲温度変動に起因して、感知された温度に基づいて撮像センサー108が患者の口腔内に配置されたかどうかを判定するためのいくつかの方法は、結果として偽「陰性」を発生させて、撮像センサー108が患者の口腔内に実際に置かれた後であっても、撮像センサー108が「準備完了」状態のままである場合がある。いくつかの実施形態では、ユーザーは、偽陰性をオーバーライドし、撮像センサー108を、撮像システムコントローラコンピュータ101のグラフィカルユーザー(ブロック917)上のスイッチまたは入力を使用して「作動」状態へと移行させることができる。
【0060】
図2A〜2Eを参照して上述したように、撮像システム100は、撮像センサー108が、状態移行に応じて(またはその準備中に)撮像システムコントローラコンピュータ101に最初に接続される時、または特定の状態で動作している間に定期的に、一つ以上のエラー状態チェックルーチンを適用するように構成され得る。いくつかの実装では、撮像センサー108には、他のタイプのエラー状態検出のために構成された一つ以上の追加的内部センサーが装備されている。例えば、図9は、空気圧センサー135によって検出された撮像センサーハウジング109内の空気圧に基づいて、ハウジングへの突然の衝撃または患者によってハウジングが噛まれることに起因した、撮像センサーハウジング109への損傷の可能性を検出する方法を図示する。
【0061】
図10の実施例では、撮像システム100は、空気圧センサー135の出力を監視する(ブロック1001)。空気圧は温度変化によって自然に変化するため、撮像システム100は温度補正圧力閾値を決定し(ブロック1003)、検出された空気圧を補正した閾値と比較する(ブロック1005)。検出された空気圧が補正された閾値を下回ったままである場合、撮像システム100はその動作を継続する(ブロック1007)。しかしながら、補正された閾値を超える空気圧は、撮像センサーハウジング109を噛むことまたは別の損傷可能性のある衝撃によって引き起こされ得る。したがって、補正閾値よりも高い空気圧を検出することに応答して(ブロック1005)、撮像システム100は、撮像システムコントローラコンピュータ101のグラフィカルユーザーインタフェース上でユーザーに「圧力損傷可能性」通知を出力する(ブロック909)。いくつかの実装では、この通知は、撮像センサーハウジング109を損傷に対して視覚的に点検することをユーザーに指示する。他の実装では、撮像システム100は、損傷の可能性を示す空気圧力を検出することに応答して自動チェックルーチンを実行するよう構成され、自動チェックルーチンの結果に応じて、自動自己修正を適用するかまたはさらなる指示とともにユーザーに通知を出力する。
【0062】
図10の実施例では、損傷可能性事象を示す空気圧力を検出した後でも、撮像システム100は、その動作を継続し(ブロック1007)、撮像センサー108を使用するのを停止すべき程度まで撮像センサーハウジング109が損傷しているかどうかを判定することをユーザーに依存する。しかしながら、他の実装では、撮像システム100は、損傷可能性事象の検出に応答して撮像センサー108を無効にするように構成されてもよく、または操作を継続する前に追加的な緩和措置を取るように構成されてもよい。例えば、撮像システム100は、補正閾値を超える空気圧を検出することに応答して、撮像センサー108のより実質的な検査または試験を要求する技術サポートシステムへの通知を自動的に送信するように構成され得る。他の実装では、撮像システム100は、補正閾値を超える空気圧の検出に応答して、エラー状態チェックルーチン(例えば、図2A〜2Eに示すルーチンのうち一つ以上)を自動的に開始するように構成され得る。
【0063】
さらに他の実装では、撮像システム100は、それぞれ異なる緩和措置をトリガする複数の空気圧閾値を適用し得る。例えば、撮像システム100は、第一の圧力閾値を超えている場合、撮像センサーハウジング109を視覚的に点検するようにユーザーに指示する、グラフィカルユーザーインタフェース上の通知を出力し、第二の(より高い)圧力閾値を超えている場合、図2A〜2Eのエラー状態チェックルーチンを適用し、そして第三の(最高の)閾値を超えている場合、技術サポート担当者が完全に検査するまで、撮像センサーハウジング108を無効化するように構成し得る。
【0064】
上述のシステムおよび方法は、エラー状態を検出するための、そして撮像センサー108の動作を制御する状態間の移行のための、撮像システム100によって実施される方法の実施例を提供する。図11は、撮像センサー108の動作を制御および調節するための上述した様々な方法およびシステムの相互作用を図示した状態図の具体的な例を提供する。図11の実施例では、撮像センサー108は、低電力状態、準備完了状態、および作動状態の三つの状態のうちの一つで動作する。
【0065】
低電力状態1101で動作する時、撮像センサー108は起動できず、すなわち撮像センサー108は画像データを取り込むことはできず、X線源107は起動してX線放射を射出することはできない。いくつかの実装では、撮像センサー108が低電力状態で動作している時、撮像センサー108の他のセンサーおよび/または論理構成要素の一部もオフまたは電源ダウンされる。
【0066】
準備完了状態1103で動作する時、画像センサーアレイ115はオフになるが、準備完了状態1103から作動状態1105へと移行すると、起動される(すなわち、画像データを取り込むように作動される)。図11の実施例では、撮像センサー108は、低電力状態1101から作動状態1105へと直接移行できない。
【0067】
作動状態1105で動作する場合、画像センサーアレイ115はオンになり、ユーザー起動または自動トリガに応答して画像データを取り込む。図11の実施例では、X線源107は起動されて、撮像センサー108が作動状態1105で動作している時に、また多次元センサー123の出力が、撮像センサー108はX線源107と整列していることを示す時に、X線を放射することができる。
【0068】
低電力状態1101で動作する時、撮像センサー108は、撮像センサー108が「ガレージ」303から取り外されたことを検出するのに応答して(例えば、図4の方法)、または閾値を超える加速度を検出することに応答して(例えば、図5の方法)、準備完了状態1103へと移行できる。図11の実施例では、撮像センサー108は、低電力状態1101で動作する時、作動状態1105に直接移行できない。
【0069】
準備完了状態1103で動作する時、撮像センサー108は、ジェスチャーパターンを検出することに応答して(例えば、図8の方法)、作動状態1105へと移行できる。撮像センサー108は、「ガレージ」303における撮像センサー108の配置を検出することに応答して(例えば、図4の方法)、または定義された期間にわたるゼロに等しい加速度を検出することに応答して(例えば、図5の方法)、準備完了状態1103から低出力状態1101へと移行することもできる。
【0070】
作動状態1105で動作する時、撮像センサー108は、X線画像データを取り込むように操作できる。撮像センサー108は、撮像センサー108がセンサーポジショナから取り外されたことを検出するのに応答して(例えば、図7の方法)、作動状態1105から準備完了状態1103へと移行できる。図11の実施例では、撮像センサー108はまた、撮像センサー108が保管場所「ガレージ」303に置かれていることを検出するのに応答して(例えば、図4の方法)、または定義された時間の間のゼロに等しい加速度の検出に応答して(例えば、図5の方法)、作動状態1105から低電力状態1101に直接移行することもできる。
【0071】
図11の状態図を実装するいくつかの撮像システム100では、撮像システム100は、撮像センサー108が準備完了状態1103から作動状態1105へと移行する時、図2A〜2Eおよび図10を参照して上述したエラー状態チェックルーチンの一つ以上を実行するように構成され得る。いくつかの実装では、撮像システム100は、作動状態1105で動作している間定期的に、または作動状態1105で動作中にX線画像の定義された数(例えば、一つ以上)を取り込んだ後、これらのエラー状態チェックルーチンのうち一つ以上も実行する。
【0072】
図11は、撮像システム100によって実施され得る状態図の一つだけの例である。他の実装では、撮像システム100は、一つ以上の「低出力」状態、一つ以上の「準備完了」状態、および一つ以上の「作動」状態を含むより多くの動作状態を実施し得る。他の実施形態では、一つの動作状態から別の動作状態への移行を開始するために、より多いか、より少ないか、または異なる基準が使用され得る。
【0073】
また、上述の実施例は、撮像センサー108のセンサー構成要素からの出力を監視し、状態移行を開始するかどうかを決定する「撮像システム100」を記述する。したがって、様々な異なる実施形態では、これらおよび他の方法は、撮像システム100に含まれる様々なプロセッサまたは撮像システム100に通信可能に結合された他の処理システムのうちの一つ以上によって実行されてもよい。例えば、いくつかの実装では、センサー出力を分析し、状態移行を開始する時を決定し、エラー状態チェックルーチンを実行する方法は、メモリ105に記憶された命令を実行する撮像システムコントローラコンピュータ101の電子プロセッサ103によって提供される。しかしながら、他の実装では、これらの方法は、センサーメモリ119に記憶された命令を実行するセンサー電子プロセッサ117によって提供される。さらに他の実装では、方法のいくつかは、撮像システムコントローラコンピュータ101の電子プロセッサ103によって実施される一方、他の方法は、センサー電子プロセッサ117によって実行されるか、方法は、センサー電子プロセッサ117および撮像システムコントローラコンピュータ101の電子プロセッサ103の両方で実行される命令によって協働して実行される。
【0074】
したがって、本発明は、とりわけ、撮像センサーハウジングに組み込まれたセンサー構成要素からの出力に基づいて、低電力状態を含む複数の動作状態の間で撮像センサーを移行するように構成された撮像システムを提供する。本発明の様々な特徴および利点が下記の特許請求の範囲に記載されている。
図1
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図3-1】
図3-2】
図3-3】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11