【文献】
Vincent Wai-Sun Wong,Molecular characterization of the fecal microbiota in patients with nonalcoholic steatohepatitis - A logitudinal study,PLOS ONE,米国,2013年,vol. 8. no. 4: e62885
【文献】
Katrien H. J. Gaens,Endogenous formation of N-(carboxymethyl)lysine is increased in fatty livers and induces inflammatory markers in an in vitro model of hepatic steatosis,Journal of Hepatology,米国,2012年,vol. 56: 647-655
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
糞便中のピリドキサミン、カルボキシメチルリジン、5−アミノ吉草酸、リノレオイルエタノールアミド、オレオイルエタノールアミド及びインドール−3−カルボアルデヒドからなる群より選択される少なくとも一種の量を測定することを特徴とする、非アルコール性脂肪性肝疾患の診断のための方法。
糞便中のピリドキサミン、カルボキシメチルリジン、5−アミノ吉草酸、リノレオイルエタノールアミド、オレオイルエタノールアミド及びインドール−3−カルボアルデヒドからなる群より選択される少なくとも一種の量を測定するための試薬又は機器を含有することを特徴とする、非アルコール性脂肪性肝疾患の診断用キット。
さらにフィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)属の菌の占有率を測定するための試薬又は機器を含有することを特徴とする、請求項4に記載のキット。
糞便中のフィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)属の菌の占有率が、4%以下である場合に、非アルコール性脂肪性肝疾患が重度であると診断するための、請求項4又は5に記載のキット。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、糞便中のピリドキサミン、カルボキシメチルリジン、5−アミノ吉草酸、リノレオイルエタノールアミド、オレオイルエタノールアミド及び/又はインドール−3−カルボアルデヒドの量を測定することを特徴とする、非アルコール性脂肪性肝疾患の診断方法を提供する。
【0011】
本発明は、また、糞便中のピリドキサミン、カルボキシメチルリジン、5−アミノ吉草酸、リノレオイルエタノールアミド、オレオイルエタノールアミド及び/又はインドール−3−カルボアルデヒドの量並びに糞便中のフィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)属の菌の占有率を測定することを特徴とする、非アルコール性脂肪性肝疾患の診断方法を提供する。
【0012】
本発明において、糞便は、動物より得られる排泄物である。糞便は、例えば、体外に排出されたものが、簡便性又は非侵襲性の点から好ましい。
【0013】
ピリドキサミンは、通常、ピリドキシンの4位ヒドロキシメチル基がアミノメチル基に置換している化合物で、ピリドキサール、ピリドキシンと同じビタミンB6作用をもつ。本発明において、ピリドキサミンは、例えば、塩、エステル等の形態をとってもよいし、又はそれらの代謝物(例えば、ピリドキサール−5−リン酸)等であってもよい。
【0014】
カルボキシメチルリジンは、通常、終末糖化産物(AGEs;Advanced Glycation End Products)の1種であり、アマドリ化合物の酸化的開裂によって生成される。また、脂質の過酸化等から生じるグリオキサール、あるいは次亜塩素酸とセリンから生じるグリコールアルデヒドとリジン残基の反応によっても生成される。本発明において、カルボキシメチルリジンは、例えば、塩、エステル等の形態をとってもよいし、又はそれらの代謝物等であってもよい。
【0015】
5−アミノ吉草酸は、通常、アミノカルボン酸の一種であって、GABA(γ-アミノ酪酸)作動薬等として知られており、例えば、EC 1.21.4.1に分類されるD-プロリンレダクターゼを用いてD-プロリンを変換することによって生成できる。本発明において、5−アミノ吉草酸は、例えば、塩、エステル等の形態をとってもよいし、又はそれらの代謝物(例えば、L−グルタミン酸、5−オキソペンタン酸)等であってもよい。
【0016】
リノレオイルエタノールアミドは、通常、脂肪酸アルカノールアミドの一種であって、例えば、核受容体ペルオキシソーム増殖物質活性化受容体α(PPAR-α)を活性化することによって脂肪分解を促進することや、睡眠時の自律神経安定作用により睡眠関連呼吸障害を予防すること等が知られている。本発明において、リノレオイルエタノールアミドは、例えば、塩、エステル等の形態をとってもよいし、又はそれらの代謝物等であってもよい。
【0017】
オレオイルエタノールアミドは、通常、従来から食品として摂取されてきた天然成分の一種であり、人体に対する安全性が確認されている。さらに脂肪酸アルカノールアミドの一種であって、例えば、核受容体ペルオキシソーム増殖物質活性化受容体α(PPAR-α)を活性化することによって脂肪分解を促進すること、睡眠時の自律神経安定作用により睡眠関連呼吸障害を予防すること、及び炎症を抑制すること等が知られている。本発明において、オレオイルエタノールアミドは、例えば、塩、エステル等の形態をとってもよいし、又はそれらの代謝物等であってもよい。
【0018】
インドール−3−カルボアルデヒドは、通常、ヘテロ芳香族アルデヒドの一種であって、例えば、トリプトファンの代謝経路の中間体であり、インドール環を有すること等が知られている。本発明において、インドール−3−カルボアルデヒドは、例えば、塩、エステル等の形態をとってもよいし、又はそれらの代謝物等であってもよい。
【0019】
本発明において、塩としては、例えば、塩酸等の無機酸との塩、酢酸等の有機酸との塩、ナトリウム、カリウム、アンモニア等の無機塩基との塩等が挙げられ、エステルとしては、例えば、酢酸、エタノール等とのエステル等が挙げられる。
【0020】
ピリドキサミン、カルボキシメチルリジン、5−アミノ吉草酸、リノレオイルエタノールアミド、オレオイルエタノールアミド及び/又はインドール−3−カルボアルデヒドの量を測定する方法は、例えば、市販の試薬(抗体等)、測定機器(CE−TOFMS、薄層クロマトグラフィ、HPLC等)、検査キット(ELISAキット等)等をそれぞれ、又は組み合わせて用いて測定してもよいし、自体公知の方法又は公知の方法等により測定してもよい。
【0021】
ピリドキサミン、カルボキシメチルリジン、5−アミノ吉草酸、リノレオイルエタノールアミド、オレオイルエタノールアミド及び/又はインドール−3−カルボアルデヒドの量を測定する方法は、メタボローム解析法であってもよい。メタボローム解析法は、例えば、以下のようにして実施することができる。まず、糞便からイオン性低分子代謝物を水性溶媒で抽出する。抽出溶液に内部標準物質を添加して飛行時間質量分析装置(例えば、CE−TOFMS)等を用いて測定する。測定されたデータから所定のシグナル/ノイズ(S/N)比を超えるピークを抽出する。抽出したピークについて、質量電荷比(m/z)と泳動時間の値から化合物を同定する。また、ピーク面積値から各化合物の存在量を算出する。当該存在量は、内部標準物質の面積値で規格化した相対面積値であってもよい。
また本発明において、メタボローム解析は、委託会社等に委託して解析等を行ってもよい。
【0022】
非アルコール性脂肪性肝疾患であると診断する場合、目的化合物(ピリドキサミン、カルボキシメチルリジン、5−アミノ吉草酸、リノレオイルエタノールアミド、オレオイルエタノールアミド及び/又はインドール−3−カルボアルデヒド、即ち上記6つの化合物の一種又は二種以上の混合物)が含まれていると考えられる試料中の、目的化合物の含有量は、目的ピークの面積値から下記式(1)を用いて算出してもよい。
【数1】
【0023】
式(1)における目的ピークの面積値は、内部標準物質のピーク面積との比をとることで標準化できる。本発明において、内部標準物質は、通常バイオマーカーである化合物の電気泳動及び質量分析の効率に影響を及ぼさないものであり、特に限定されないが、例えば、メチオニンスルホン、10−カンファ−スルホン酸(10−camphor sulfonic acid、CSA)等が挙げられる。本発明において、試料量は、メタボローム解析(分析)を行う際に、実際に量った検体(糞便)の量の値を用いることが好ましい。
【0024】
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)とは、著しいアルコール消費がない個体における脂肪肝から脂肪性肝炎及び肝硬変に及ぶ、脂肪性肝疾患の全範囲を包含する。この脂肪性肝疾患の重症度は、Brunt分類において、ステージ1〜4に評価、分類されている(Brunt EM et al., Am J Gastroenterol 94: 2467-2474, 1999)。Brunt分類を表1に示す。
【0026】
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患が重度であるとは、例えば、表1に示す肝線維化のBrunt分類におけるステージが3又は4の状態等であることを包含する。
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患が軽度であるとは、例えば、表1に示す肝線維化のBrunt分類におけるステージが1又は2の状態等であることを包含する。
【0027】
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患であると診断する場合の、糞便中のピリドキサミンの量は、式(1)で求めた相対面積値が1.6×10
−3以下、1.4×10
−3以下、又は1.2×10
−3以下等であってもよい。
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患であると診断する場合の、糞便中のカルボキシメチルリジンの量は、式(1)で求めた相対面積値が5.0×10
−4以上、6.0×10
−4以上、又は7.0×10
−4以上等であってもよい。
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患であると診断する場合の、糞便中の5−アミノ吉草酸の量は、式(1)で求めた相対面積値が5.0×10
−2以上、6.0×10
−2以上、又は7.0×10
−2以上等であってもよい。
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患であると診断する場合の、糞便中のリノレオイルエタノールアミドの量は、式(1)で求めた相対面積値が2.0×10
−1以上、3.0×10
−1以上、又は4.0×10
−1以上等であってもよい。
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患であると診断する場合の、糞便中のオレオイルエタノールアミドの量は、式(1)で求めた相対面積値が1.0×10
−1以上、1.5×10
−1以上、又は2.0×10
−1以上等であってもよい。
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患であると診断する場合の、糞便中のインドール−3−カルボアルデヒドの量は、式(1)で求めた相対面積値が1.2×10
−2以下、1.1×10
−2以下、又は1.0×10
−2以下等であってもよい。
【0028】
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患が重度であると診断するピリドキサミンの量は、式(1)で求めた相対面積値が1.0×10
−3以下、8.0×10
−4以下、又は6.0×10
−4以下等であってもよい。
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患が軽度であると診断するピリドキサミンの量は、式(1)で求めた相対面積値が1.0×10
−3を超えて1.6×10
−3以下、1.0×10
−3を超えて1.4×10
−3以下、又は1.0×10
−3を超えて1.2×10
−3以下等であってもよい。
【0029】
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患が重度であると診断するカルボキシメチルリジンの量は、式(1)で求めた相対面積値が1.5×10
−3以上、1.75×10
−3以上、又は2.0×10
−3以上等であってもよい。
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患が軽度であると診断するカルボキシメチルリジンの量は、式(1)で求めた相対面積値が5×10
−4以上1.5×10
−3未満、6×10
−4以上1.5×10
−3未満、又は7×10
−4以上1.5×10
−3未満等であってもよい。
【0030】
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患が重度であると診断する5−アミノ吉草酸の量は、式(1)で求めた相対面積値が1.0×10
−1以上、1.25×10
−1以上、又は1.5×10
−1以上等であってもよい。
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患が軽度であると診断する5−アミノ吉草酸の量は、式(1)で求めた相対面積値が5.0×10
−2以上1.0×10
−1未満、6.0×10
−2以上1.0×10
−1未満、又は7.0×10
−2以上1.0×10
−1未満等であってもよい。
【0031】
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患が重度であると診断するリノレオイルエタノールアミドの量は、式(1)で求めた相対面積値が4.0×10
−1以上、6.0×10
−1以上、又は8.0×10
−1以上等であってもよい。
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患が軽度であると診断するリノレオイルエタノールアミドの量は、式(1)で求めた相対面積値が2.0×10
−1以上4.0×10
−1未満、2.5×10
−1以上4.0×10
−1未満、又は3.0×10
−1以上4.0×10
−1未満等であってもよい。
【0032】
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患が重度であると診断するオレオイルエタノールアミドの量は、式(1)で求めた相対面積値が2.0×10
−1以上、2.5×10
−1以上、又は3.0×10
−1以上等であってもよい。
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患が軽度であると診断するオレオイルエタノールアミドの量は、式(1)で求めた相対面積値が1.0×10
−1以上2.0×10
−1未満、1.25×10
−1以上2.0×10
−1未満、又は1.5×10
−1以上2.0×10
−1未満等であってもよい。
【0033】
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患が重度であると診断するインドール−3−カルボアルデヒドの量は、式(1)で求めた相対面積値が9.0×10
−3以下、8.0×10
−3以下、又は7.0×10
−3以下等であってもよい。
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患が軽度であると診断するインドール−3−カルボアルデヒドの量は、式(1)で求めた相対面積値が9.0×10
−3を超えて1.2×10
−2以下、9.0×10
−3を超えて1.1×10
−2以下、又は9.0×10
−3を超えて1.0×10
−2以下等であってもよい。
【0034】
本発明における別の態様において、非アルコール性脂肪性肝疾患が重度であると診断する場合、式(1)で求めたピリドキサミン及びカルボキシメチルリジンの相対面積値の比は、ピリドキサミン1に対してカルボキシメチルリジンが1.5以上3.3以下、1.75以上2.9以下、又は2以上2.5以下等であってもよい。
本発明における別の態様において、非アルコール性脂肪性肝疾患が軽度であると診断する場合、式(1)で求めたピリドキサミン及びカルボキシメチルリジンの相対面積値の比は、ピリドキサミン1に対してカルボキシメチルリジンが0.3以上1.5未満、0.5以上1.5以下、又は0.9以上1.5以下等であってもよい。
【0035】
本発明における別の態様において、非アルコール性脂肪性肝疾患が重度であると診断する場合、式(1)で求めたピリドキサミン及び5−アミノ吉草酸の相対面積値の比は、ピリドキサミン1に対して5−アミノ吉草酸が100以上250以下、125以上208以下、又は150以上187以下等であってもよい。
本発明における別の態様において、非アルコール性脂肪性肝疾患が軽度であると診断する場合、式(1)で求めたピリドキサミン及び5−アミノ吉草酸の相対面積値の比は、ピリドキサミン1に対して5−アミノ吉草酸が31.3以上100未満、42.8以上83.3以下、又は58.3以上71.4以下等であってもよい。
【0036】
本発明における別の態様において、非アルコール性脂肪性肝疾患が重度であると診断する場合、式(1)で求めたピリドキサミン及びリノレオイルエタノールアミドの相対面積値の比は、ピリドキサミン1に対してリノレオイルエタノールアミドが400以上1333以下、500以上1000以下、又は600以上800以下等であってもよい。
本発明における別の態様において、非アルコール性脂肪性肝疾患が軽度であると診断する場合、式(1)で求めたピリドキサミン及びリノレオイルエタノールアミドの相対面積値の比は、ピリドキサミン1に対してリノレオイルエタノールアミドが125以上400未満、178.6以上333以下、又は250以上300以下等であってもよい。
【0037】
本発明における別の態様において、非アルコール性脂肪性肝疾患が重度であると診断する場合、式(1)で求めたピリドキサミン及びオレオイルエタノールアミドの相対面積値の比は、ピリドキサミン1に対してオレオイルエタノールアミドが200以上500以下、250以上416.6以下、又は300以上375以下等であってもよい。
本発明における別の態様において、非アルコール性脂肪性肝疾患が軽度であると診断する場合、式(1)で求めたピリドキサミン及びオレオイルエタノールアミドの相対面積値の比は、ピリドキサミン1に対してオレオイルエタノールアミドが62.5以上200未満、89.3以上166.7以下、又は100以上150以下等であってもよい。
【0038】
本発明における別の態様において、非アルコール性脂肪性肝疾患が重度であると診断する場合、式(1)で求めたインドール−3−カルボアルデヒド及びカルボキシメチルリジンの相対面積値の比は、インドール−3−カルボアルデヒド1に対してカルボキシメチルリジンが0.167以上0.286以下、0.188以上0.25以下、又は0.194以上0.222以下等であってもよい。
本発明における別の態様において、非アルコール性脂肪性肝疾患が軽度であると診断する場合、式(1)で求めたインドール−3−カルボアルデヒド及びカルボキシメチルリジンの相対面積値の比は、インドール−3−カルボアルデヒド1に対してカルボキシメチルリジンが0.125以上0.167未満、0.136以上0.167未満、又は0.15以上0.167未満等であってもよい。
【0039】
本発明における別の態様において、非アルコール性脂肪性肝疾患が重度であると診断する場合、式(1)で求めたインドール−3−カルボアルデヒド及び5−アミノ吉草酸の相対面積値の比は、インドール−3−カルボアルデヒド1に対して5−アミノ吉草酸が11.1以上21.4以下、12.5以上18.8以下、又は13.9以上17.9以下等であってもよい。
本発明における別の態様において、非アルコール性脂肪性肝疾患が軽度であると診断する場合、式(1)で求めたインドール−3−カルボアルデヒド及び5−アミノ吉草酸の相対面積値の比は、インドール−3−カルボアルデヒド1に対して5−アミノ吉草酸が4.17以上11.1未満、5.45以上10以下、又は5.56以上9.09以下等であってもよい。
【0040】
本発明における別の態様において、非アルコール性脂肪性肝疾患が重度であると診断する場合、式(1)で求めたインドール−3−カルボアルデヒド及びリノレオイルエタノールアミドの相対面積値の比は、インドール−3−カルボアルデヒド1に対してリノレオイルエタノールアミドが44.4以上114.3以下、50以上100以下、又は57.1以上88.9以下等であってもよい。
本発明における別の態様において、非アルコール性脂肪性肝疾患が軽度であると診断する場合、式(1)で求めたインドール−3−カルボアルデヒド及びリノレオイルエタノールアミドの相対面積値の比は、インドール−3−カルボアルデヒド1に対してリノレオイルエタノールアミドが16.7以上44.4未満、22.2以上40以下、又は22.7以上36.4以下等であってもよい。
【0041】
本発明における別の態様において、非アルコール性脂肪性肝疾患が重度であると診断する場合、式(1)で求めたインドール−3−カルボアルデヒド及びオレオイルエタノールアミドの相対面積値の比は、インドール−3−カルボアルデヒド1に対してオレオイルエタノールアミドが22.2以上42.9以下、25.0以上37.5以下、又は27.8以上35.7以下等であってもよい。
本発明における別の態様において、非アルコール性脂肪性肝疾患が軽度であると診断する場合、式(1)で求めたインドール−3−カルボアルデヒド及びオレオイルエタノールアミドの相対面積値の比は、インドール−3−カルボアルデヒド1に対してオレオイルエタノールアミドが8.33以上22.2未満、11.1以上20.0以下、又は11.4以上18.2以下等であってもよい。
【0042】
本発明において、診断とは、例えば、対象が前記疾患に罹っていること又は前記状態になっていることを特定、検出、判定するためのデータを収集すること、前記疾患又は前記状態の重症度を特定、検出、判定するためのデータを収集すること等をいう。
【0043】
本発明において、フィーカリバクテリウム属は、例えば、フィーカリバクテリウム プラウスニッツィイ(Faecalibacterium prausnitzii)等が挙げられる。
【0044】
本発明において、フィーカリバクテリウム属の菌の占有率とは、例えば、糞便あたりのフィーカリバクテリウム属の菌の質量、菌数、体積等を示す。さらに、フィーカリバクテリウム属の菌の占有率を測定する方法は、例えば、市販のキット等を用いて測定する方法、検査委託会社等に外注して測定する方法、又は自体公知の方法若しくは公知の方法(当該菌の16S rRNA遺伝子配列情報を利用した遺伝子解析方法(定量PCR法、末端標識制限酵素断片多型分析、メタゲノム解析等))等により測定してもよい。
【0045】
本発明において、フィーカリバクテリウム属の菌の占有率は、フィーカリバクテリウムのリード数から下記式(2)を用いて算出してもよい。
【数2】
【0046】
本発明において、フィーカリバクテリウムのリード数は、通常、次世代シーケンサーにて分析して出力されるフィーカリバクテリウム由来の遺伝子配列データのことをいい、例えば、次世代シーケンサーを用いてフィーカリバクテリウムのリード数の結果を取得することができる。本発明において、全リード数は、通常、次世代シーケンサーにて分析して出力される全遺伝子配列データのことをいい、例えば、次世代シーケンサーを用いて全リード数の結果を取得することができる。
【0047】
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患であると診断する場合、式(2)で求めた糞便中のフィーカリバクテリウム属の菌の占有率は、糞便中の10%以下が好ましく、糞便中の9%以下がより好ましく、糞便中の8%以下がさらに好ましい。
【0048】
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患が重度であると診断する場合、式(2)で求めた糞便中のフィーカリバクテリウム属の菌の占有率は、6%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、4%以下がより好ましく、3%以下がより好ましく、2%以下がさらに好ましい。
本発明において、非アルコール性脂肪性肝疾患が軽度であると診断する場合、式(2)で求めた糞便中のフィーカリバクテリウム属の菌の占有率は、10%〜6%であることが好ましく、9%〜6%であることがより好ましく、8%〜7%であることがさらに好ましい。
【0049】
本発明における診断方法は、例えば、動物(例えば、ヒト、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル等)に対して使用することができる。
【0050】
本発明において、診断用キットは、本発明における診断方法を実施するために用いられ得る。本発明における診断用キットの態様は、上記本発明における診断方法を簡便に実施するために有用であることが好ましい。また、本発明における診断用キットは、NAFLDを発症していない動物又はNAFLDを発症している動物から採取した糞便中のピリドキサミン、カルボキシメチルリジン、5−アミノ吉草酸、リノレオイルエタノールアミド、オレオイルエタノールアミド及び/又はインドール−3−カルボアルデヒドの量を測定するための試薬又は機器を含んでなる。さらに本発明における診断用キットは、糞便中のフィーカリバクテリウム属の菌の占有率を測定するための試薬及び/又は機器等を含んでいてもよい。本発明における診断用キットに含まれる試薬は、例えば、ELISA実験方法において用いられるピリドキサミン、カルボキシメチルリジン、5−アミノ吉草酸、リノレオイルエタノールアミド、オレオイルエタノールアミド又はインドール−3−カルボアルデヒドに対する抗体等、CE−TOFMS,LC−TOFMS測定に用いられる試薬等、高速液体クロマトグラフィ(high performance liquid chromatography; HPLC)、薄層クロマトグラフィ(thin-layer chromatography; TLC)測定に用いられる試薬等、フィーカリバクテリウム属の菌の16S rRNA遺伝子配列情報を利用した遺伝子解析方法、例えば、定量PCR法、末端標識制限酵素断片多型分析(Terminal Restriction Fragment Length Polymorphism; T-RFLP)、メタゲノム解析等による解析方法等に用いられる試薬等が挙げられる。本発明における診断用キットに含まれる機器は、例えば、CE−TOFMS本体、LC−TOFMS本体、HPLC又はTLC測定に用いられる器具又は装置等、PCR装置、キャピラリー電気泳動装置、シーケンサー等が挙げられる。
【0051】
診断用キットはさらに、使用説明書を含んでいてもよい。使用説明書には、キットに含まれる試薬、機器等の使用方法、測定の手順等が記載されていてもよい。
【0052】
本発明における診断用キットにおける試薬、機器等は、糞便中のピリドキサミン、カルボキシメチルリジン、5−アミノ吉草酸、リノレオイルエタノールアミド、オレオイルエタノールアミド、インドール−3−カルボアルデヒド及び/又はフィーカリバクテリウム属の菌の量を測定するのに適したものを、上記本発明の診断方法に基づいて、それぞれ選択することができる。
【0053】
本発明において、診断用キットには、通常の診断用キットに含まれる試薬、機器等を必要に応じ本発明の効果を損なわない限りにおいて、その構成要素とすることができる。
【実施例】
【0054】
以下、実施例によって本発明を詳述するが、これらの実施例は本発明の一例であり、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
【0055】
[糞便試料]
健常ボランティア及びNAFLD患者の新鮮糞便を採取後すぐに凍結保存した。
【0056】
[測定]
(16SrRNA遺伝子配列の解析)
凍結保存した糞便検体20mgを粉砕処理(直径2mmガラスビーズによる物理的破砕)した後、フェノール・クロロホルム抽出方法により腸内細菌由来のゲノムDNAを抽出し、腸内細菌ゲノムDNAから、16S rRNA遺伝子の可変領域V3及びV4を含む約460bpの領域をPCRにて増幅し、増幅反応後にAMPure XP beads(ベックマン コールター社製)を用いて精製した。各PCR産物にサンプル固有の塩基配列(インデックス)を付与したプライマーを用いたIndex PCRを行い、各サンプルのPCR産物にサンプル識別用インデックスを付与した。PCR反応後のインデックスを付与したPCR増幅産物(ライブラリ)は、AMPure XP beads(ベックマン コールター社製)を用いて精製し、10mM Tris−HCl(pH8.0)に溶解した。
ライブラリの定量は、Quant−iT Pico Green ds DNA Reagent kit(インビトロジェン社製)を用いて行った。詳細には、TE(10mM Tris−HCl、1mM EDTA、pH8.0)で500倍希釈したライブラリをPicoGreenと反応させて、その蛍光強度を蛍光プレートリーダー(テカンジャパン社製)を用いて測定した。4nMに希釈したライブラリ及び4nM PhiX control DNA(イルミナ株式会社製)を0.2N NaOHを用いて変性させた。変性させたライブラリを10pMに希釈し、そこへ10pMに希釈したPhiXを終濃度12.5%になるように添加したものを、次世代シークエンサーMiseq(イルミナ株式会社製)にて分析し、健常者及びNAFLD患者の腸内菌叢解析用の16S rRNA遺伝子配列解析データを得た。
【0057】
(生物学的情報解析;Faecalibacterium)
・菌叢組成解析
Miseqから出力された配列データ(リード;Read)について、CLC Genomics Workbench(CLC bio)を用いて、配列の解析精度(QC)>30のリードのみを抽出し、さらに精度の低い配列末端のトリミング後に、ペアリードを合体(merge)させて得られた配列データを入手した。16S rRNAデータベースへの相同性検索を、local_RDP_classifier(World fusion)及びMetagenome@KIN(World fusion)を用いて行い菌属同定を行った。なお、RDP_classifierの菌属同定の際には、同定信頼度(Confidence value)が0.5以上となったリードのみを採用した。
各検体間の腸内菌叢プロファイルの非類似度(bray-curtis distance)の算出と主座標分析(PCoA解析)は、統計解析ソフトRを用いて行った。
【0058】
(腸内代謝物の測定)
凍結保存した糞便検体50mgに対して超純水450μL(糞便:超純水=1:9となる比率)にてイオン性物質を抽出し、限外濾過フィルター(分画サイズ:5kDa、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社製、型番:UFC3LCCNB−HMT)を用いて限外濾過したろ液をキャピラリー電気泳動−飛行時間型質量分析計(CE−TOFMS(capillary electrophoresis time-of-flight mass spectrometry))により測定した。CE−TOFMSでの測定は、カチオンモード及びアニオンモードで行った。また、凍結保存した糞便検体50mgに対してエタノール450μL(糞便:エタノール=1:9となる比率)にて脂溶性物質を抽出し、限外濾過フィルター(分画サイズ:5kDa、ヒューマン メタボローム テクノロジー社製、型番:UFC3LCCNB−HMT)を用いて限外濾過したろ液を液体クロマトグラフィ−飛行時間型質量分析計(LC−TOFMS(liquid chromatography time-of-flight mass spectrometry))により測定した。LC−TOFMSでの測定は、ポジティブモード及びネガティブモードで行った。なお、上記測定は、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社に委託した。
【0059】
CE−TOFMS又はLC−TOFMSによる測定条件を以下に示す。
(CE−TOFMS(カチオンモード)の測定条件)
キャピラリー(Capillary):Fused silica capillary i.d. 50μm×80 cm
泳動バッファー(Run buffer): Cation Buffer Solution (p/n: H3301-1001)
洗浄バッファー(Rinse buffer): Cation Buffer Solution (p/n: H3301-1001)
サンプルインジェクション(Sample injection): Pressure injection 50 mbar, 10 sec.
CE電圧(CE voltage): Positive, 27 kV
MSイオン化(MS ionization): ESI Positive
MSキャピラリー電圧(MS capillary voltage): 4000 V
シース液(Sheath liquid): HMT Sheath Liquid (p/n: H3301-1020)
【0060】
(CE−TOFMS(アニオンモード)の測定条件)
キャピラリー(Capillary):Fused silica capillary i.d. 50μm×80 cm
泳動バッファー(Run buffer): Anion Buffer Solution (p/n: H3302-1021)
洗浄バッファー(Rinse buffer): Anion Buffer Solution (p/n: H3302-1021)
サンプルインジェクション(Sample injection): Pressure injection 50 mbar, 25 sec.
CE電圧(CE voltage): Positive, 30 kV
MSイオン化(MS ionization): ESI Negative
MSキャピラリー電圧(MS capillary voltage): 3500 V
シース液(Sheath liquid): HMT Sheath Liquid(p/n: H3301-1020)
【0061】
(LC−TOFMS(ポジティブモード)の測定条件)
カラム(Column): ODS column, 2×50 mm, 2μm
カラム温度(Column temp): 40℃
移動相A(Mobile phase A): H
2O/0.1%HCOOH
移動相B(Mobile phase B): Isopropanol:Acetonitrile:H
2O(65:30:5)/0.1%HCOOH, 2 mM HCOONH
4
流速(Flow rate): 0.3 mL/min
実行時間(Run time): 20 min
ポスト時間(Post time): 7.5 min
グラジエント条件(Gradient condition): 0-0.5 min: B 1%, 0.5-13.5 min: B 1-100%, 13.5-20 min: B 100%
MSイオン化モード(MS ionization mode): ESI Positive
MSネビュライザー圧力(MS Nebulizer pressure): 40 psi
MSドライガス流量(MS dry gas flow): 10 L/min
MSキャピラリー電圧(MS capillary voltage): 3500 V
【0062】
(LC−TOFMS(ネガティブモード)の測定条件)
カラム(Column): ODS column, 2×50 mm, 2μm
カラム温度(Column temp): 40℃
移動相A(Mobile phase A): H
2O/0.1%HCOOH
移動相B(Mobile phase B): Isopropanol:Acetonitrile:H
2O(65:30:5)/0.1%HCOOH, 2 mM HCOONH
4
流速(Flow rate): 0.3 mL/min
実行時間(Run time): 20 min
ポスト時間(Post time): 7.5 min
グラジエント条件(Gradient condition): 0-0.5 min: B 1%, 0.5-13.5 min: B 1-100%, 13.5-20 min: B 100%
MSイオン化モード(MS ionization mode): ESI Negative
MSネビュライザー圧力(MS Nebulizer pressure): 40 psi
MSドライガス流量(MS dry gas flow): 10 L/min
MSキャピラリー電圧(MS capillary voltage): 3500 V
【0063】
(NAFLD特徴的腸内バイオマーカーの探索)
フィーカリバクテリウムと腸内代謝物との相関性について、スピアマン(spearman)相関係数が−0.5以下若しくは0.5以上の関係を相関性ありと判定した。なお、測定下限値以下(n.d.)であった検体の測定値を0として計算を行った。
軽度NAFLD患者と重度NAFLD患者間で統計的有意差があり、2種類の特徴的変数予測計算(LEfSe(Linear discriminant analysis(LDA)effect size)法及びRandom Forest法)のいずれにおいても特徴度が高く(いずれの計算でも特徴的変数と予測され)、かつフィーカリバクテリウムとの相関性の強い(スピアマン相関係数の絶対値>0.45)代謝物を特徴的変化を示した物質として判定した。LEfSe法では、効果量(LDA score)が2.5以上の代謝物をNAFLDの重症度に応じた特徴的代謝物と判定し、ランダムフォレスト(Random Forest)法では特徴量(Gini係数)が0.2以上となる代謝物を採用した。
【0064】
(統計解析)
群間比較にはWelch’s t-test若しくはMann-Whitney U testを用い、Benjamini-Hochberg法にて多重検定補正を行った。他群検定にはKruskal wallis検定若しくはSteel-Dwass検定を用いた。
【0065】
[結果]
(腸内菌叢の比較)
PCoA解析の結果、NAFLDの症状の悪化とともに腸内菌叢が変化することが明らかとなった(
図1)。そして、NAFLDの症状が軽度から重度に移行するにしたがって、糞便中におけるフィーカリバクテリウムの占有率が減少することが判明した(
図2)。
【0066】
(腸内代謝物プロファイルの比較)
健常者、軽症及び重症NAFLD患者の代謝物プロファイルをもとに主成分分析を行った結果、健常者と重症NAFLD患者の代謝物プロファイルは異なるクラスターを形成することが確認された(
図3)。また、軽症NAFLD患者の代謝物プロファイルによるクラスターは健常者と重症NAFLD患者のどちらにも分布する傾向が認められた(
図3)。これは、各群の腸内菌叢プロファイルに関するPCoA解析においても同様の傾向が認められており(
図1)、このことから腸内菌叢の変化と腸内代謝物の変化が相関することが確認された。
本主成分分析において、各群の検体分布は、x軸方向に沿って遷移している傾向が強く認められた。したがってNAFLDでない状態から、軽度のNAFLDへ、そして重度のNAFLDへの病態進行には、第一主成分(PC1、x軸方向)における影響力の強い、すなわちPC1への因子負荷量の大きい代謝物が関わっている可能性が考えられる。
【0067】
(フィーカリバクテリウムとメタボロームデータの相関解析)
メタボローム解析で測定された代謝物の主成分分析のPC1における因子負荷量が上位であった代謝物の中でピリドキサミン及び5−アミノ吉草酸が、フィーカリバクテリウムの占有率と相関性があることが確認された(
図4及び5)。代謝物の中でもピリドキサミンはフィーカリバクテリウムとの相関が最も高く、かつRandom forest法にて健常者と重度NAFLD患者間で最も特徴量が高かった(データ示さず)。したがって、ピリドキサミン及び5−アミノ吉草酸がNAFLD病態やその進展を判断するためのマーカーとして有用であることが確認された。なお、
図4及び5のY軸については、Relative area(相対面積)=(目的ピークの面積値)÷(内部標準物質の面積値×試料量)を用いて算出した。
【0068】
(軽症NAFLD患者と重症NAFLD患者間で特徴的な代謝物の抽出)
軽度NAFLD患者と重度NAFLD患者の腸内代謝物の比較を行い、LEfSe法とRandom forest法を用いて軽症NAFLD患者と重症患者で特徴的に変化の認められる代謝物の抽出を行い、さらにフィーカリバクテリウムとの相関性の検証を行った。その結果、ウラシル、カルボキシメチルリジン、リノレオイルエタノールアミド、オレオイルエタノールアミド及びインドール−3−カルボアルデヒドが候補として挙げられた(
図6、7、8及び9)。なお、オレオイルエタノールアミドを候補として選抜する際に、オレオイルエタノールアミドの他に2種類の化合物が候補化合物として挙げられた。代謝物の抽出工程において、オレオイルエタノールアミド及びその他の2種類の候補化合物のうち、オレオイルエタノールアミドの検出頻度が最も高かったので、これを候補化合物として選抜した。なお、オレオイルエタノールアミドは、抽出したピークの質量電荷比及び泳動時間の値に基づき挙げられた3つの候補化合物のうち、それらの値が小さい順に2つ目の候補化合物として得られたので、オレオイルエタノールアミド−2とも表記され得る。ウラシルは普遍的に存在する可能性が高いためNAFLD特異的な変化ではない可能性が考えられるが、カルボキシメチルリジン、リノレオイルエタノールアミド、オレオイルエタノールアミド及びインドール−3−カルボアルデヒドはNAFLDの軽度から重度への病態及び症状進展(NAFLDにおける繊維化の進行)を判断するためのマーカーとして有用であることが確認された。なお、
図6、7、8及び9のY軸については、Relative area(相対面積)=(目的ピークの面積値)÷(内部標準物質の面積値×試料量)から算出した。
なお、エチルアセチミデート、ホモアルゲニン、及びベトニシンは、NAFLDのバイオマーカーとして不適であることを確認した。