特許第6799260号(P6799260)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6799260二次電池用正極材料、及びその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6799260
(24)【登録日】2020年11月25日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】二次電池用正極材料、及びその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/58 20100101AFI20201207BHJP
【FI】
   H01M4/58
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-16838(P2017-16838)
(22)【出願日】2017年2月1日
(65)【公開番号】特開2018-125181(P2018-125181A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2019年10月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】栗田 知周
(72)【発明者】
【氏名】岩田 純一
【審査官】 近藤 政克
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−194846(JP,A)
【文献】 特開2014−197462(JP,A)
【文献】 特開2014−221690(JP,A)
【文献】 国際公開第2018/069957(WO,A1)
【文献】 Journal of Power Sources,2014年,268,p.96-105
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/58
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成式Li4+x(Fe1−z4−0.5x(Pで表され、三斜晶の結晶構造を有することを特徴とする二次電池用正極材料(ただし、前記組成式中、−0.65≦x≦0.75、かつ0.0<z≦0.7であり、Mは、Feを除く2価の金属を表す)。
【請求項2】
前記結晶構造が、空間群P−1に属する請求項1に記載の二次電池用正極材料。
【請求項3】
前記2価の金属が、コバルト及びニッケルの少なくともいずれかである請求項1又は2に記載の二次電池用正極材料。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の二次電池用正極材料を製造する二次電池用正極材料の製造方法であって、
リチウム源、鉄源、2価の金属源、及びリン酸源の混合物を熱処理することを特徴とする二次電池用正極材料の製造方法。
【請求項5】
前記熱処理をする際の温度が、470℃以上720℃以下である請求項4に記載の二次電池用正極材料の製造方法。
【請求項6】
前記熱処理が、不活性雰囲気下で行われる請求項4又は5に記載の二次電池用正極材料の製造方法。
【請求項7】
請求項1から3のいずれかに記載の二次電池用正極材料を含む正極と、
負極と、
電解質と、
を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池用正極材料、及びその製造方法、並びに、前記二次電池用正極材料を用いたリチウムイオン二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話、モバイルパソコン、センシングデバイス、電気自動車などに用いる蓄電池として、エネルギー密度が大きい二次電池が広く使用されている。前記二次電池としては、例えば、リチウムイオン二次電池が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記リチウムイオン二次電池は、酸化還元反応を行う正極活物質を正極に有しており、酸化還元反応を行う負極活物質を負極に有している。前記正極活物質及び前記負極活物質は、化学反応を起こすことでエネルギーを放出する。放出したエネルギーを電気エネルギーとして取り出すことで、前記リチウムイオン二次電池はその機能を発現している。
【0004】
センシングデバイスなどの機器の駆動可能出力及び駆動時間は、電池の正極材料が有するエネルギー密度に大きく影響される。そして、高エネルギー密度の正極材料を得る一つの方法として高電位であることが挙げられる。
【0005】
正極材料として、LiCoO(3.6V−3.7V)、LiMn(3.7V−3.8V)、LiFePO(3.3V−3.4V)などが知られている。これらのうち、LiCoO及びLiMnは、原料となるコバルト(Co)及びマンガン(Mn)の元素価格が高く、従って正極材料の価格が高くなることが問題点である。一方、LiFePOは、低価格元素である鉄を原料としているため正極材料の価格を抑えることができるが、有する電位がLiCoO及びLiMnより低いことが問題点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−222498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、安価な鉄を用いつつ、LiCoOに匹敵する電位を示す二次電池用正極材料、及びその製造方法、並びに前記二次電池用正極材料を用いたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
1つの態様では、二次電池用正極材料は、
組成式Li4+x(Fe1−z4−0.5x(Pで表され、三斜晶の結晶構造を有する(ただし、前記組成式中、−0.65≦x≦0.75、かつ0.0<z≦0.7であり、Mは、Feを除く2価の金属を表す)。
【0009】
また、1つの態様では、前記二次電池用正極材料の製造方法は、
リチウム源、鉄源、2価の金属源、及びリン酸源の混合物を熱処理することを含む。
【0010】
また、1つの態様では、リチウムイオン二次電池は、前記二次電池用正極材料を含む正極と、負極と、電解質と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
1つの側面として、安価な鉄を用いつつ、LiCoOに匹敵する電位を示す二次電池用正極材料を提供できる。
また、1つの側面として、安価な鉄を用いつつ、LiCoOに匹敵する電位を示す二次電池用正極材料の製造方法を提供できる。
また、1つの側面として、安価な鉄を用いつつ、高エネルギー密度のリチウムイオン二次電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、リチウムイオン二次電池の一例を示す概略断面図である。
図2図2は、参考例1、実施例3、実施例4、比較例1の生成物のXRDスペクトルである。
図3図3は、参考例1の正極材料を用いたハーフセルの20サイクル分の定電流充放電曲線である。
図4図4は、実施例4の正極材料を用いたハーフセルの20サイクル分の定電流充放電曲線である。
図5図5は、実施例3、実施例4、及び参考例1の正極材料を用いたハーフセルのサイクル数と容量維持率との関係のプロットである。
図6図6は、Ni、Co、Mg、及びMnの置換割合を変動させた際の容量維持率のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(二次電池用正極材料)
本発明の二次電池用正極材料は、組成式Li4+x(Fe1−z4−0.5x(Pで表される(ただし、前記組成式中、−0.65≦x≦0.75、かつ0.0<z≦0.7であり、Mは、Feを除く2価の金属を表す)。
前記二次電池用正極材料は、三斜晶の結晶構造を有する。
前記二次電池用正極材料は、空間群P−1に属することが好ましい。
【0014】
比較的高い電位が得られる正極材料であるLiCoO(3.6V−3.7V)、及びLiMn(3.7V−3.8V)は、元素価格が高いコバルト(Co)、及びマンガン(Mn)が多く使用されており、正極材料の価格が高くなるという問題点がある。
一方、LiFePOは、低価格元素である鉄を原料としているため正極材料の価格を抑えることができる。しかし、有する電位(3.3V−3.4V)がLiCoO及びLiMnより低いことが問題点である。
【0015】
そこで、本発明者らは、安価な鉄を用いつつ、かつLiCoO(3.6V−3.7V)に匹敵する電位を示す二次電池用正極材料を得るために鋭意検討を行った。
これまでに、本発明者らのひとりは、LiFe(Pが、LiCoO(3.6V−3.7V)に匹敵する電位を示すという知見を得ている。
この知見を踏まえ、LiFe(PのFeを一部2価の金属により置換した二次電池用正極材料を見出した。これは、組成式Li4+x(Fe1−z4−0.5x(P(−0.65≦x≦0.75、かつ0.0<z≦0.7であり、Mは、Feを除く2価の金属を表す)で表され、三斜晶の結晶構造を有する。
前記二次電池用正極材料は、構成元素に鉄を有することから、LiCoOより安価である。また、前記二次電池用正極材料は、LiCoO(3.6V−3.7V)に匹敵する電位を示す。
更に、前記二次電池用正極材料は、2価の金属の種類によっては、充電と放電とを繰り返しても、電位が下がらないことを見出した。この理由としては、以下のようなことであると推測される。Feを含有する二次電池用正極材料は、充放電の際に、Feの価数が2価と3価とで変化する。この価数の変化により、充電された状態の結晶構造が不安定になる。そこで、Feを含有する二次電池用正極材料に、2価の金属を固溶させることで、充電された状態の結晶構造を安定させることができ、その結果、充放電を繰り返しても電位が下がらないと考えられる。
【0016】
ここで、前記組成式において、Mは、Feを除く2価の金属を表す。2価の金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Ni、Co、Mn、Mg、Zn、Cu、Zr、Vなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、高電位を示す点から、Ni、Co、Mn、Mgが好ましい。また、Mとして、Ni及びCoを用いると、高電位を示すだけではなく、充電と放電とを繰り返しても、電位が下がらない特性(以下、「サイクル特性」とも称する)が良好である。
【0017】
ここで、前記組成式において、xの範囲は、−0.65≦x≦0.75であり、−0.10≦x≦0.60が好ましく、0.00≦x≦0.55がより好ましい。
【0018】
ここで、前記組成式において、M=Coの場合、zの範囲は、0.0<z≦0.7が好ましく、0.3≦z≦0.5がより好ましい。
前記組成式において、M=Niの場合、zの範囲は、0.0<z≦0.7が好ましく、0.3≦z≦0.5がより好ましい。
前記組成式において、M=Mgの場合、zの範囲は、0.0<z≦0.7が好ましく、0.0<z≦0.2がより好ましい。
前記組成式において、M=Mnの場合、zの範囲は、0.0<z≦0.7が好ましく、0.0<z≦0.2がより好ましい。
【0019】
開示の二次電池用正極材料の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下の二次電池用正極材料の製造方法が好ましい。
【0020】
(二次電池用正極材料の製造方法)
開示の二次電池用正極材料の製造方法は、熱処理工程を含み、更に必要に応じて、混合工程などのその他の工程を含む。
【0021】
<混合工程>
前記混合工程は、リチウム源、鉄源、2価の金属源、及びリン酸源を混合し、それらの混合物を得る工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、遊星ボールミルを用いて行うことができる。なお、ここで言う2価の金属源は、鉄源を除く。
【0022】
前記リチウム源としては、例えば、リチウム塩などが挙げられる。
前記リチウム塩を構成するアニオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化物イオン、水酸化物イオン、炭酸イオン、シュウ酸イオン、酢酸イオン、硝酸アニオン、硫酸アニオン、リン酸イオン、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化リチウム(LiO)、水酸化リチウム(LiOH)、炭酸リチウム(LiCO)、硝酸リチウム(LiNO)、硫酸リチウム(LiSO)、過塩素酸リチウム(LiClO)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF)などが挙げられる。これらは水和物であってもよいし、無水物であってもよい。これらの中でも、炭酸リチウム、硝酸リチウムが、副反応が起こらない点で好ましい。
【0023】
前記鉄源としては、例えば、鉄塩などが挙げられる。
前記鉄塩を構成するアニオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化物イオン、炭酸イオン、シュウ酸イオン、酢酸イオン、硝酸アニオン、硫酸アニオン、リン酸イオン、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記鉄塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化第一鉄、シュウ酸鉄(II)、硝酸鉄(II)、硫酸鉄(II)、塩化鉄(II)などが挙げられる。これらは水和物であってもよいし、無水物であってもよい。
【0024】
前記2価の金属源としては、例えば、2価の金属塩などが挙げられる。前記2価の金属塩としては、例えば、ニッケル塩、コバルト塩、マンガン塩、マグネシウム塩などが挙げられる。
前記2価の金属塩を構成するアニオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化物イオン、炭酸イオン、シュウ酸イオン、酢酸イオン、硝酸アニオン、硫酸アニオン、リン酸イオン、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ニッケル塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、シュウ酸ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸ニッケル、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、水酸化ニッケルなどが挙げられる。これらは水和物であってもよいし、無水物であってもよい。
前記コバルト塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化コバルト(II)、水酸化コバルト、炭酸コバルト、シュウ酸コバルト、酢酸コバルト、硝酸コバルト、硫化コバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、水酸化コバルト(II)などが挙げられる。これらは水和物であってもよいし、無水物であってもよい。
前記マンガン塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化マンガン(II)、水酸化マンガン、炭酸マンガン、シュウ酸マンガン、酢酸マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガン、塩化マンガン、臭化マンガンなどが挙げられる。これらは水和物であってもよいし、無水物であってもよい。
前記マグネシウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウムなどが挙げられる。これらは水和物であってもよいし、無水物であってもよい。
【0025】
前記リン酸源としては、例えば、リン酸、リン酸塩などが挙げられる。
前記リン酸塩を構成するカチオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アンモニウムイオンなどが挙げられる。
前記リン酸塩としては、例えば、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウムなどが挙げられる。
【0026】
また、前記リチウム源、及び前記リン酸源に代えて、リチウム源かつリン酸源である化合物として、リン酸リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸二水素リチウムなどを用いてもよい。
【0027】
混合の際の、前記リチウム源、前記鉄源、前記2価の金属源、及び前記リン酸源の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Li:Fe:M:P=3.4〜4.8:1.1〜4.3:0〜3.0:6.0(元素比)などが挙げられる。ただし、Feの割合は4.325未満であり、Mの割合は0より大きい。
【0028】
<熱処理工程>
前記熱処理工程としては、前記混合物を熱処理するかぎり、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記熱処理の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、470℃以上720℃以下が好ましく、500℃以上650℃以下がより好ましい。熱処理の温度が、470℃未満であると、所望の結晶構造が得られないことがあり、720℃を超えると、生成物が融解してしまうことがある。
前記熱処理の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以上24時間以下が好ましく、2時間以上18時間以下がより好ましく、3時間以上15時間以下が特に好ましい。
前記熱処理は、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。不活性雰囲気としては、例えば、アルゴン雰囲気などが挙げられる。
【0029】
(リチウムイオン二次電池)
開示のリチウムイオン二次電池は、少なくとも開示の前記二次電池用正極材料を有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
【0030】
前記リチウムイオン二次電池は、安価な鉄を用いつつ、比較的高い電位が得られるLiCoOに匹敵する電位を示す前記二次電池用正極材料を使用している。そして、高電位であることは、高エネルギー密度に寄与する。したがって、前記リチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度のリチウムイオン二次電池となる。
【0031】
前記リチウムイオン二次電池は、例えば、正極を少なくとも有し、更に必要に応じて、負極、電解質、セパレータ、正極ケース、負極ケースなどのその他の部材を有する。
【0032】
<<正極>>
前記正極は、開示の前記二次電池用正極材料を少なくとも有し、更に必要に応じて、正極集電体などのその他の部を有する。
【0033】
前記正極において、前記二次電池用正極材料は、いわゆる正極活物質として機能する。
前記正極における前記二次電池用正極材料の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極において、前記二次電池用正極材料は、導電材、及び結着材とともに混合され、正極層を形成していてもよい。
前記導電材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素系導電材料などが挙げられる。前記炭素系導電材料としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラックなどが挙げられる。
前記結着材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などが挙げられる。
【0034】
前記正極の材質、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、棒状、円板状などが挙げられる。
【0035】
−正極集電体−
前記正極集電体の形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極集電体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ニッケルなどが挙げられる。
【0036】
前記正極集電体は、端子である正極ケースに対して正極層を良好に導通させるためのものである。
【0037】
<<負極>>
前記負極は、負極活物質を少なくとも有し、更に必要に応じて、負極集電体などのその他の部を有する。
【0038】
前記負極の大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、棒状、円板状などが挙げられる。
【0039】
−負極活物質−
前記負極活物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属元素を有する化合物が挙げられる。
前記アルカリ金属元素を有する化合物としては、例えば、金属単体、合金、金属酸化物、金属窒化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属元素としては、例えば、リチウムなどが挙げられる。
前記金属単体としては、例えば、リチウムなどが挙げられる。
前記合金としては、例えば、リチウムを有する合金などが挙げられる。前記リチウムを有する合金としては、例えば、リチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金などが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、リチウムを有する金属酸化物などが挙げられる。前記リチウムを有する金属酸化物としては、例えば、リチウムチタン酸化物などが挙げられる。
前記金属窒化物としては、例えば、リチウムを含有する金属窒化物などが挙げられる。前記リチウムを含有する金属窒化物としては、例えば、リチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物などが挙げられる。
【0040】
前記負極における前記負極活物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0041】
前記負極において、前記負極活物質は、導電材、及び結着材とともに混合され、負極層を形成していてもよい。
前記導電材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素系導電材料などが挙げられる。前記炭素系導電材料としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラックなどが挙げられる。
前記結着材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などが挙げられる。
【0042】
−負極集電体−
前記負極集電体の形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極集電体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ニッケルなどが挙げられる。
【0043】
前記負極集電体は、端子である負極ケースに対して負極層を良好に導通させるためのものである。
【0044】
<<電解質>>
前記電解質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非水電解液、固体電解質などが挙げられる。
【0045】
−非水電解液−
前記非水電解液としては、例えば、リチウム塩と、有機溶媒とを含有する非水電解液などが挙げられる。
【0046】
−−リチウム塩−−
前記リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、六フルオロリン酸リチウム、四フルオロホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0047】
前記リチウム塩の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記有機溶媒中に0.5mol/L〜3mol/Lであることがイオン伝導度の点で好ましい。
【0048】
−−有機溶媒−−
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0049】
前記有機溶媒の前記非水電解液中の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、75質量%〜95質量%が好ましく、80質量%〜90質量%がより好ましい。
前記有機溶媒の含有量が、75質量%未満であると、前記非水電解液の粘度が増加し、電極への濡れ性が低下するため、電池の内部抵抗の上昇を招くことがあり、95質量%を超えると、イオン伝導度が低下し、電池の出力の低下を招くことがある。一方、前記有機溶媒の含有量が、前記より好ましい範囲内であると、高いイオン伝導度を維持することができ、前記非水電解液の粘度を抑えることで電極への濡れ性を維持することができる点で有利である。
【0050】
−固体電解質−
前記固体電解質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機固体電解質、真性ポリマー電解質などが挙げられる。
前記無機固体電解質としては、例えば、LISICON材料、ペロブスカイト材料などが挙げられる。
前記真性ポリマー電解質としては、例えば、エチレンオキシド結合を有するポリマーなどが挙げられる。
【0051】
前記リチウムイオン二次電池における前記電解質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0052】
<<セパレータ>>
前記セパレータの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、セロハン、ポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布などが挙げられる。前記紙としては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙などが挙げられる。
前記セパレータの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シート状などが挙げられる。
前記セパレータの構造は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前記セパレータの大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0053】
<<正極ケース>>
前記正極ケースの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、ステンレス鋼、ステンレス鋼又は鉄にニッケルなどのめっきを施した金属などが挙げられる。
前記正極ケースの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、周囲が反り上がった底の浅い皿状、有底円筒形、有底角柱状などが挙げられる。
前記正極ケースの構造は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。前記積層構造としては、例えば、ニッケル、ステンレス鋼、及び銅の三層構造などが挙げられる。
前記正極ケースの大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0054】
<<負極ケース>>
前記負極ケースの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、ステンレス鋼、ステンレス鋼又は鉄にニッケルなどのめっきを施した金属などが挙げられる。
前記負極ケースの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、周囲が反り上がった底の浅い皿状、有底円筒形、有底角柱状などが挙げられる。
前記負極ケースの構造は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。前記積層構造としては、例えば、ニッケル、ステンレス鋼、及び銅の三層構造などが挙げられる。
前記負極ケースの大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0055】
前記リチウムイオン二次電池の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コイン型、円筒状、角形、シート型などが挙げられる。
【0056】
開示のリチウムイオン二次電池の一例を図を用いて説明する。図1は、開示のリチウムイオン二次電池の一例を示す概略断面図である。
図1に示すリチウムイオン二次電池は、コイン型のリチウムイオン二次電池である。コイン型のリチウムイオン二次電池は、正極集電体11及び正極層12からなる正極10と、負極集電体21及び負極層22からなる負極20と、正極10及び負極20の間に介在する電解質層30とを備える。図1のリチウムイオン二次電池においては、正極集電体11及び負極集電体21は、各々、正極ケース41及び負極ケース42に対して、集電体43を介して固定されている。正極ケース41と負極ケース42との間は、例えば、ポリプロピレン製のパッキング材44で封止されている。集電体43は、正極集電体11と正極ケース41との間、及び負極集電体21と負極ケース42との間の空隙を埋めつつ導通を図るためのものである。
ここで、正極層12は、開示の前記二次電池用正極材料を用いて作製される。
【実施例】
【0057】
以下、開示の技術の実施例について説明するが、開示の技術は下記実施例に何ら限定されるものではない。
実施例、比較例で用いた以下の原材料は、以下の各社から入手して用いた。
LiCO:株式会社高純度化学研究所
FeC・2HO:純正化学株式会社
(NHHPO:関東化学株式会社
NiC・2HO:株式会社高純度化学研究所
CoC・2HO:純正化学株式会社
MnC:株式会社高純度化学研究所
MgC:株式会社高純度化学研究所
【0058】
(実施例1)
<二次電池用正極材料の作製>
1.7549gのLiCO、5.8689gのFeC・2HO、0.6624gのNiC・2HO、及び7.9234gの(NHHPOを遊星ボールミル容器に入れた。その後、遊星ボールミル容器をボールミル装置に配し、ボールミル装置を駆動させて、原材料を混合した。得られた混合物をアルゴン雰囲気下600℃で6時間焼成することで、二次電池用正極材料であるLi4.75Fe3.26Ni0.36(Pを得た。
【0059】
(実施例2〜15、比較例1〜2、参考例1)
表1に示す組成、及び焼成温度の条件にした以外は、実施例1と同様にして、二次電池用正極材料であるLi4+x(Fe1−z4−0.5x(Pを得た。得られた二次電池用正極材料のx及びzの値を表2に示した。
なお、のM=Ni、Coの場合(実施例1〜8)、Li4+x(Fe1−z4−0.5x(Pの合成時に、例えば、Li、LiFeP、LiMP、Fe、Mなど副生成物の生成はなかった。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
参考例1(z=0.0)、実施例3(z=0.3)、実施例4(z=0.5)、比較例1(z=0.7)について、得られた物質のXRDスペクトル(Cu−Kα特性X線による)を図2に示す。回折ピークが現れたことから、これらは、結晶構造であることが分かった。リートベルト解析の結果、参考例1、実施例3、4においては、結晶相は三斜晶(Triclinic)であり空間群P−1(No.2)に属することが分かった。
これは、他の実施例(1、2、5〜15)及び比較例2においても同様であった。なお、実施例9〜14においては、主生成物であるLi4+x(Fe1−z4−0.5x(P(三斜晶)の他に、LiFeP、Li、Feなどの副生成物の生成がわずかに確認された。
比較例1(M=Ni)では、z=0.7のときは、構造を保つことができず、結晶構造が単斜晶(Monoclinic)であるLiNi10相、LiNi(P相、Li相の混合物が生成した。このことから、Niの固溶限はz<0.7であることが分かった。比較例2(M=Co)では、z=1.0のときにおいても三斜晶であったことから、固溶限は存在しないことが分かった。
表3に、実施例1〜14、参考例1、及び比較例2について、三斜晶の格子定数を計算した結果を示す。この表からわかるように、Mを固溶させることにより、格子定数が変化し、格子体積が減少する傾向にあることが分かった。
なお、表3中の( )内の数値は、標準偏差を示している。
【0063】
【表3】
【0064】
<ハーフセルの作製>
実施例1〜15、参考例1、及び比較例1〜2で作製した二次電池用正極材料(正極活物質)を用いて、ハーフセルを作製した。
正極活物質、導電性カーボン(ケッチェンブラック、ライオン株式会社、ECP600JD)、及びポリフッ化ビニリデン(株式会社クレハ、KF#1300)を質量比85:10:5の割合で含有する合剤を正極とした。
電解液としては1MのLithium hexafluorophosphate (LiPF)を、Ethylene carbonate(EC)とDimethyl carbonate(DMC)の混合溶媒(EC:DMC=1:2、v/v)に溶解させたもの(キシダ化学より購入)を用いた。
負極には金属リチウムを用いた。
【0065】
<定電流充放電試験>
作製したハーフセルに対し、定電流充放電試験を行った。定電流充放電試験の条件は以下の通りである。
充電放電共に電圧値終止とした。充電は4.5V終止とした。放電は2.0V終止とした。充電と放電の間には10分の開回路状態での休止を設けた。充電と放電とを1回ずつ行うことを「1サイクル」とする。
【0066】
実施例1〜15、参考例1、及び比較例2の二次電池用正極材料を用いて作製したハーフセルからは、充放電ともに約100mAh/gの容量を確認した。これに対し、比較例1の二次電池用正極材料を用いて作製したハーフセルでは、約35mAh/gの容量を確認した。
【0067】
図3に、参考例1の二次電池用正極材料(z=0.0、x=0.0)の充放電曲線を示す。この充放電曲線の結果から、参考例1で作製した二次電池用正極材料は、高電圧であることが分かった。図4に、実施例4の二次電池用正極材料(M=Ni、z=0.5、x=0.5)を用いて作製したハーフセルの充放電曲線(20サイクル分)を示す。この充放電曲線の結果からも、実施例4で作製した二次電池用正極材料は、高電圧であることが分かった。
参考例1(図3)と実施例4(図4)とを比較すると、実施例4は、参考例1に比べてサイクルの繰り返しに伴う容量減少度(以下、「サイクル特性」とも称する)が小さいことが分かった。
【0068】
図5に、参考例1(z=0.0)、実施例3(M=Ni、z=0.3)、及び実施例4(M=Ni、z=0.5)の各サイクルごとの放電容量のプロットを示す。この図から見て明らかなように、置換量zが大きくなるごとにサイクル特性が向上している。
【0069】
図6に、各M(2価の金属元素)(=Ni、Co、Mn、Mg)について、Feに対するMの割合(元素置換割合)に対する容量維持率の変化を示す。ここでいう容量維持率は、「10サイクル目の放電容量の1サイクル目の放電容量に対する割合」と定義した。
M=Niでは、z≧0.30で容量維持率が大きく向上した。M=Coでは、z=0.50で容量維持率が大きく向上した。このことから、M=Coの場合では、0.50<z<1.0においても、容量維持率が更に向上すると考えられる。M=Mg、Mnでは、z=0の場合と同程度の容量維持率を示した。
これらの結果から、本発明の二次電池用正極材料は、安価な鉄を用いつつ、高電圧を示すことができ、更に、2価の金属元素の種類によっては、容量維持率も向上させることができることが分かった。
【0070】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
組成式Li4+x(Fe1−z4−0.5x(Pで表され、三斜晶の結晶構造を有することを特徴とする二次電池用正極材料(ただし、前記組成式中、−0.65≦x≦0.75、かつ0.0<z≦0.7であり、Mは、Feを除く2価の金属を表す)。
(付記2)
前記結晶構造が、空間群P−1に属する付記1に記載の二次電池用正極材料。
(付記3)
前記2価の金属が、コバルト、ニッケル、マグネシウム、及びマンガンの少なくともいずれかである付記1から2のいずれかに記載の二次電池用正極材料。
(付記4)
前記2価の金属が、コバルト及びニッケルの少なくともいずれかである付記3に記載の二次電池用正極材料。
(付記5)
組成式Li4+x(Fe1−zCo4−0.5x(Pで表され、三斜晶の結晶構造を有する付記1から2のいずれかに記載の二次電池用正極材料(ただし、前記組成式中、−0.65≦x≦0.75、かつ0.0<z≦0.7である)。
(付記6)
組成式Li4+x(Fe1−zNi4−0.5x(Pで表され、三斜晶の結晶構造を有する付記1から2のいずれかに記載の二次電池用正極材料(ただし、前記組成式中、−0.65≦x≦0.75、かつ0.0<z≦0.7である)。
(付記7)
組成式Li4+x(Fe1−zMg4−0.5x(Pで表され、三斜晶の結晶構造を有する付記1から2のいずれかに記載の二次電池用正極材料(ただし、前記組成式中、−0.65≦x≦0.75、かつ0.0<z≦0.7である)。
(付記8)
組成式Li4+x(Fe1−zMn4−0.5x(Pで表され、三斜晶の結晶構造を有する付記1から2のいずれかに記載の二次電池用正極材料(ただし、前記組成式中、−0.65≦x≦0.75、かつ0.0<z≦0.7である)。
(付記9)
付記1から8のいずれかに記載の二次電池用正極材料を製造する二次電池用正極材料の製造方法であって、
リチウム源、鉄源、2価の金属源、及びリン酸源の混合物を熱処理することを特徴とする二次電池用正極材料の製造方法。
(付記10)
前記熱処理をする際の温度が、470℃以上720℃以下である付記9に記載の二次電池用正極材料の製造方法。
(付記11)
前記熱処理が、不活性雰囲気下で行われる付記9又は10に記載の二次電池用正極材料の製造方法。
(付記12)
付記1から8のいずれかに記載の二次電池用正極材料を含む正極と、
負極と、
電解質と、
を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
【符号の説明】
【0071】
10 正極
11 正極集電体
12 正極層
20 負極
21 負極集電体
22 負極層
30 電解質層
41 正極ケース
42 負極ケース
43 集電体
44 パッキング材

図1
図2
図3
図4
図5
図6