(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記上面視において、前記第2領域と前記第3領域とにより構成される稜線は、前記コーナー切刃部における前記第1領域と前記第2領域との境界に繋がっている、請求項2に記載の切削インサート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
しかしながら、特開2007−185766号公報に記載されている旋削インサートを用いて内径加工を行った場合、境界摩耗を十分に低減することが困難である。
【0008】
本開示の目的は、境界摩耗を低減可能な切削インサートおよび内径切削用工具を提供することである。
[本開示の効果]
【0009】
本開示によれば、境界摩耗を低減可能な切削インサートおよび内径切削用工具を提供することができる。
[本開示の実施形態の概要]
【0010】
まず、本開示の実施形態の概要について説明する。
【0011】
(1)本開示に係る切削インサート100は、座面7と、外周面8と、頂面5と、取付孔6とを備えている。外周面8は、座面7に連なっている。頂面5は、外周面8に連なり、外周面8に対して座面7と反対側にある。取付孔6は、頂面5と座面7との間を貫通している。座面7に対して垂直、かつ、頂面5から座面7に向かう方向から頂面5を見る上面視において、頂面5の外形は多角形である。頂面5と外周面8との稜線は、切刃4を構成している。切刃4は、多角形の1つの頂点に形成された曲線状のコーナー切刃部3と、コーナー切刃部3の一端に連なりかつ直線状の第1切刃部1と、コーナー切刃部3の他端に連なりかつ直線状の第2切刃部2とを含んでいる。頂面5は、第1切刃部1に連なる第1すくい面10と、第2切刃部2に連なる第2すくい面20と、コーナー切刃部3に連なりかつ第1すくい面10と第2すくい面20の各々に連なる第3すくい面30とを含んでいる。第3すくい面30は、第1すくい面10に連なる第1領域31と、第2すくい面20に連なる第2領域32とを有している。第1すくい面10および第1領域31の各々のすくい角は、正の角度である。第2すくい面20および第2領域32の各々のすくい角は、負の角度である。
【0012】
上記(1)に係る切削インサート100によれば、第1すくい面10および第1領域31の各々のすくい角は、正の角度であり、第2すくい面20および第2領域32の各々のすくい角は、負の角度である。第1すくい面10および第1領域31の各々のすくい角を正の角度とすることにより、切れ味および切屑処理性能を良好に維持することができる。第2すくい面20および第2領域32の各々のすくい角を負の角度とすることにより、境界摩耗を低減することができる。
【0013】
(2)上記(1)に係る切削インサート100において、第3すくい面30は、第2領域32に連なる第3領域33を含んでいてもよい。第3領域33の傾斜角は、正の角度であってもよい。
【0014】
(3)上記(2)に係る切削インサート100において、上面視において、第2領域32と第3領域33とにより構成される稜線は、コーナー切刃部3における第1領域31と第2領域32との境界に繋がっていてもよい。
【0015】
(4)上記(1)から(3)のいずれかに係る切削インサート100において、第1すくい面10のすくい角は、0°よりも大きく20°よりも小さくてもよい。
【0016】
(5)上記(1)から(4)のいずれかに係る切削インサート100において、第2すくい面20のすくい角は、−10°よりも大きく0°よりも小さくてもよい。
【0017】
(6)上記(1)から(5)のいずれかに係る切削インサート100において、上面視において、頂面5の外形は、三角形状であってもよい。
【0018】
(7)本開示に係る内径切削用工具200は、上記(1)から(6)のいずれかに記載の切削インサート100と、切削インサート100を支持するホルダ70とを備えている。切削インサート100は、ホルダ70の前方71に設けられた切削インサート取付部71に配置されている。上面視において、第2切刃部2は切削インサート取付部71の側面に沿って設けられており、かつ第1切刃部1は、取付孔6に対して前方71に設けられている。
[本開示の実施形態の詳細]
【0019】
次に、図面に基づいて本開示の実施形態の詳細について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0020】
まず、本実施形態に係る切削インサート100の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る切削インサートの構成を示す斜視模式図である。
図2は、本実施形態に係る切削インサートの構成を示す平面模式図である。
図3は、
図2のIII−III線に沿った断面模式図である。
【0021】
図1に示されるように、本実施形態に係る切削インサート100は、座面7と、外周面8と、頂面5と、取付孔6とを主に有している。座面7は、平坦な面である。座面7は、切削インサート100がホルダ70(
図13参照)に取り付けられる面である。外周面8は座面7に連なっている。頂面5は、外周面8に連なり、外周面8に対して座面7と反対側にある。取付孔6は、頂面5と座面7との間を貫通している。外周面8は、取付孔6を取り囲んでいる。座面7に対して垂直、かつ、頂面5から座面7に向かう方向から頂面5を見る上面視において、頂面5の外形は多角形である。本明細書において、上面視とは、頂面5を見る方向が、座面7に対して垂直、かつ、頂面5から座面7に向かう方向であることを意味する。言い換えれば、ある平面に座面7の全面が接するように切削インサート100を置いたときの上面図は、頂面5を上面視により見た図形を表している。ホルダ70に切削インサート100が取り付けられた場合においても、上面視は同様の方向から頂面5を見ることを意味する。すなわち、頂面5を見る方向が、座面7に対して垂直、かつ、頂面5から座面7に向かう方向であることを意味する。頂面5と外周面8との稜線は、切刃4を構成している。
【0022】
図2に示されるように、上面視において、頂面5の外形は、たとえば三角形状である。頂面5の外形が三角形状である場合、三角形の3つの頂点付近が切刃4として使用される。頂面5は、第1すくい面10と、第2すくい面20と、第3すくい面30と、ブレーカ部40と、平坦面50とを主に有している。平坦面50は、取付孔6を取り囲んでいる。なお、頂面5の外形は、三角形に限定されない。頂面5の外形は、たとえば四角形状であってもよい。
【0023】
図3に示されるように、断面視において、外周面8は、たとえばテーパー形状を有している。外周面8は、たとえば頂面5から座面7に向かって外周面8の幅が小さくなるように傾斜している。取付孔6は、頂面5および座面7の各々に開口している。取付孔6は、貫通孔である。頂面5における取付孔6の直径は、座面7における取付孔6の直径よりも大きい。
【0024】
図4は、
図2の領域IVの拡大平面模式図である。
図5は、
図2の領域IVの拡大斜視模式図である。
図4および
図5に示されるように、切刃4は、多角形の1つの頂点に形成されたコーナー切刃部3と、第1切刃部1と、第2切刃部2とを含んでいる。第1すくい面10は、第1切刃部1に連なっている。第2すくい面20は、第2切刃部2に連なっている。第3すくい面30は、コーナー切刃部3に連なっている。第3すくい面30は、第1すくい面10と第2すくい面20の各々に連なっている。第3すくい面30は、第1すくい面10と第2すくい面20との間に位置している。外周面8と第1すくい面10との稜線は、第1切刃部1を構成する。外周面8と第2すくい面20との稜線は、第2切刃部2を構成する。外周面8と第3すくい面30との稜線は、コーナー切刃部3を構成する。外周面8は、逃げ面となる。逃げ角は、たとえば11°である。
【0025】
図4に示されるように、コーナー切刃部3は、曲線状である。第1切刃部1は、直線状である。第1切刃部1は、多角形の一辺でありコーナー切刃部3の一端に連なっている。第2切刃部2は、直線状である。第2切刃部2は、多角形の他の一辺でありコーナー切刃部3の他端に連なっている。コーナー切刃部3は、第1切刃部1と第2切刃部2との間に位置している。
【0026】
第3すくい面30は、第1領域31と、第2領域32と、第3領域33とを有している。第1領域31は、第1すくい面10に連なっている。第2領域32は、第2すくい面20に連なっている。第3領域33は、第2領域32に連なっている。第3領域33は、第2領域32に対してコーナー切刃部3と反対側に位置している。第3領域33は、第1領域31と第2領域32との間に位置している。
【0027】
図4に示されるように、上面視において、第2領域32と第3領域33とにより構成される稜線(第1稜線51)は、コーナー切刃部3における第1領域31と第2領域32との境界に繋がっていてもよい。頂面5は、ブレーカ部40および第2すくい面20の各々に連なる第5傾斜面21を有している。第5傾斜面21は、ブレーカ部40と第2すくい面20との間に位置している。第2すくい面20と第5傾斜面21とにより構成される稜線(第2稜線52)は、第1稜線51に連なっている。
【0028】
図5に示されるように、ブレーカ部40は、突起部である。ブレーカ部40は、第1傾斜面41と、第2傾斜面42と、第3傾斜面43と、第4傾斜面44とを有している。第1傾斜面41は、第1すくい面10に連なっている。第2傾斜面42は、第5傾斜面21に連なっている。第3傾斜面43は、第1すくい面10と、第5傾斜面21と、第1領域31と、第3領域33とに連なっている。第4傾斜面44は、第1傾斜面41、第2傾斜面42、第3傾斜面43および平坦面50の各々に連なっている。第4傾斜面44は、第1傾斜面41と第2傾斜面42との間に位置している。
【0029】
図6は、
図4のVI−VI線に沿った断面模式図である。
図6の断面は、第1切刃部1に沿った直線と、第2切刃部2に沿った直線とがなす角度を2等分する直線を含み、かつ座面7に垂直な断面である。
図6に示す断面において、第3すくい面30のすくい角(第3すくい角θ3)は、正の角度である。第3すくい角θ3は、たとえば15°である。第3すくい角θ3は、たとえば10°以上20°以下であってもよい。
【0030】
本明細書において、ある面が正の角度を有するとは、当該面が切刃4から離れるにつれて、当該面と座面7との距離が小さくなるように、当該面が傾斜していることを意味する。反対に、ある面が負の角度を有するとは、当該面が切刃4から離れるにつれて、当該面と座面7との距離が大きくなるように、当該面が傾斜していることを意味する。
【0031】
切刃4における点Pに連なる面の角度θは、次のように定められる。まず、上面視において、切刃4における特定の点Pについて、法線Nが定められる。当該法線Nは、座面7と平行である。次に、当該点P、および当該法線Nを含み、かつ、当該座面7に垂直な断面が定められる。当該断面における、当該点Pに連なる面と座面7とがなす角度がθである。
【0032】
当該角度θの符号は、すなわち、当該角度θが正の角度であるか、あるいは、負の角度であるかは、次のように定められる。まず、当該断面において、当該座面7に平行で、かつ、当該点Pからブレーカ部40に向かう方向がXと定められる。次に、当該点Pに連なる面をXについて微分したとき、微分係数が負となる場合、当該面の角度θは正の角度である。逆に、当該微分係数が正となる場合、当該面の角度θは負の角度である。
【0033】
図6から
図12において、切刃4における上記の点Pは、第1切刃部1、第2切刃部2、またはコーナー切刃部3から選択された切刃4における1点に定められる。これらの図において、水平方向の破線は、法線Nの一部であり、かつ、当該座面7と平行である。
【0034】
図6に示されるように、第3傾斜面43は、第3すくい面30に連なっている。第3傾斜面43は、第3切刃部3から離れるに従って、第3傾斜面43と座面7との距離が大きくなるように立上っている。第4傾斜面44は、第3傾斜面43に連なっている。第3傾斜面43は、第3すくい面30と第4傾斜面44との間に位置している。第4傾斜面44は、平坦面50に連なっている。第4傾斜面44は、第3傾斜面43と平坦面50との間に位置している。平坦面50と第3傾斜面43とがなす角度は、平坦面50と第4傾斜面44とがなす角度よりも大きくてもよい。第3傾斜面43および第4傾斜面44の各々の傾斜角は、負の角度である。
【0035】
図7は、
図4のVII−VII線に沿った断面模式図である。
図7の断面は、第1切刃部1に対して垂直であり、第1傾斜面41と交差し、かつ座面7に垂直な断面である。
図7に示される断面において、第1すくい面10のすくい角(第1すくい角θ1)は、正の角度である。第1すくい角θ1は、たとえば5°である。第1すくい角θ1は、たとえば0°よりも大きく20°よりも小さくてもよい。第1すくい角θ1は、15°以下であってもよいし、10°以下であってもよい。第1傾斜面41は、第1すくい面10に連なっている。第1傾斜面41は、第1すくい面10に対して第1切刃部1の反対側に位置している。第1傾斜面41は、第1切刃部1から離れるに従って、第1傾斜面41と座面7との距離が大きくなるように立上っている。第1傾斜面41の傾斜角は、負の角度である。
【0036】
図8は、
図4のVIII−VIII線に沿った断面模式図である。
図8の断面は、第1切刃部1に対して垂直であり、第3傾斜面43と交差し、かつ座面7に垂直な断面である。
図8に示される断面において、第1すくい面10のすくい角(第4すくい角θ4)は、正の角度である。第4すくい角θ4は、たとえば10°である。第4すくい角θ4は、たとえば0°よりも大きく15°以下であってもよい。第4すくい角θ4は、第1すくい角θ1よりも大きい。第1すくい面10は、第3すくい面30に近づくに従って、すくい角が大きくなるように変化する部分を有していてもよい。第3傾斜面43は、第1すくい面10に連なっている。第3傾斜面43は、第1すくい面10に対して第1切刃部1の反対側に位置している。第3傾斜面43は、第1切刃部1から離れるに従って、第3傾斜面43と座面7との距離が大きくなるように立上っている部分を有している。
【0037】
図9は、
図4のIX−IX線に沿った断面模式図である。
図9の断面は、第2切刃部2に対して垂直であり、第2傾斜面42と交差し、かつ座面7に垂直な断面である。
図9に示される断面において、第2すくい面20のすくい角(第2すくい角θ2)は、負の角度である。第2すくい角θ2は、たとえば−5°である。第2すくい角θ2は、たとえば−10°よりも大きく0°よりも小さくてもよい。第5傾斜面21は、第2すくい面20に連なっている。第5傾斜面21は、第2すくい面20に対して第2切刃部2の反対側に位置している。第5傾斜面21は、第2切刃部2から離れるに従って、第5傾斜面21と座面7との距離が小さくなるように傾斜している。第2傾斜面42は、第5傾斜面21に連なっている。第5傾斜面21は、第2すくい面20と第2傾斜面42との間に位置している。第2傾斜面42は、第2切刃部2から離れるに従って、第2傾斜面42と座面7との距離が大きくなるように立上っている。第5傾斜面21の傾斜角は、正の角度である。
【0038】
図10は、
図4のX−X線に沿った断面模式図である。
図10の断面は、第2切刃部2に対して垂直であり、第3傾斜面43と交差し、かつ座面7に垂直な断面である。
図10に示される断面において、第2すくい面20のすくい角(第5すくい角θ5)は、負の角度である。第5すくい角θ5は、たとえば−5°である。第5すくい角θ5は、たとえば−10°よりも大きく0°よりも小さくてもよい。第5すくい角θ5は、第2すくい角θ2と同じであってもよい。第3傾斜面43は、第5傾斜面21に連なっている。第5傾斜面21は、第2すくい面20と第3傾斜面43との間に位置している。第3傾斜面43は、第2切刃部2から離れるに従って、第2傾斜面42と座面7との距離が大きくなるように立上っている部分を有している。
【0039】
図11は、
図4のXI−XI線に沿った断面模式図である。
図11の断面は、第1領域31および第3傾斜面43の各々に交差し、かつ座面7に垂直な断面である。
図11に示される断面において、第1領域31のすくい角(第6すくい角θ6)は、正の角度である。第6すくい角θ6は、たとえば17°である。第6すくい角θ6は、たとえば10°以上20°以下であってもよい。第3傾斜面43は、第1領域31に連なっている。第3傾斜面43は、第1領域31に対してコーナー切刃部3の反対側に位置している。第3傾斜面43は、コーナー切刃部3から離れるに従って、第3傾斜面43と座面7との距離が大きくなるように立上っている。第3傾斜面43の傾斜角は、負の角度である。
【0040】
図12は、
図4のXII−XII線に沿った断面模式図である。
図12の断面は、第2領域32、第3領域33および第3傾斜面43の各々に交差し、かつ座面7に垂直な断面である。
図12に示される断面において、第2領域32のすくい角(第7すくい角θ7)は、負の角度である。第7すくい角θ7は、たとえば−5.4°である。第7すくい角θ7は、たとえば−10°より大きく0°よりも小さくてもよい。
【0041】
第3領域33は、第2領域32に連なっている。第3領域33は、第2領域32に対してコーナー切刃部3の反対側に位置している。第3領域33は、コーナー切刃部3から離れるに従って、第3領域33と座面7との距離が小さくなるように傾斜している。別の観点から言えば、第3領域33は、正の傾斜角を有する。第3傾斜面43は、第3領域33に対して第2領域32の反対側に位置している。別の観点から言えば、第3領域33は、第2領域32と第3傾斜面43との間に位置している。
【0042】
次に、本実施形態に係る内径切削用工具の構成について説明する。
図13は、本実施形態に係る内径切削用工具の構成を示す平面模式図である。
【0043】
図13に示されるように、本実施形態に係る内径切削用工具200は、切削インサート100と、ホルダ70と、締結ネジ60とを主に備えている。ホルダ70は、切削インサート100を支持するものである。ホルダ70には、切削インサート取付部71が設けられている。切削インサート取付部71は、ホルダ70に設けられた凹部である。切削インサート取付部71は、ホルダ70の前方91に設けられている。切削インサート100は、切削インサート取付部71に配置される。締結ネジ60は、切削インサート100の取付孔6に配置される。締結ネジ60がホルダ70に設けられたネジ穴(図示せず)にネジ止めされることにより、切削インサート100がホルダ70に固定される。
図13に示されるように、上面視において、第2切刃部2は切削インサート取付部71の側面に沿って設けられている。上面視において、第1切刃部1は、取付孔6に対してホルダ70の前方91に設けられている。
【0044】
次に、本実施形態に係る切削インサート100の作用効果について説明する。
【0045】
本実施形態に係る切削インサート100によれば、第1すくい面10および第1領域31の各々のすくい角は、正の角度であり、第2すくい面20および第2領域32の各々のすくい角は、負の角度である。第1すくい面10および第1領域31の各々のすくい角を正の角度とすることにより、切れ味および切屑処理性能を良好に維持することができる。第2すくい面20および第2領域32の各々のすくい角を負の角度とすることにより、境界摩耗を低減することができる。
【実施例】
【0046】
(サンプル準備)
【0047】
まず、サンプル1−1、1−2、1−3、2−1、2−2、および2−3に係る切削インサート100を準備した。サンプル1−1、1−2、および1−3に係る切削インサート100においては、第1すくい角θ1を5°とし、第2すくい角θ2を−5°とし、第3すくい角θ3を15°とし、第4すくい角θ4を10°とし、第5すくい角θ5を−5°とした。サンプル2−1、2−2、および2−3に係る切削インサート100においては、第1すくい角θ1を5°とし、第2すくい角θ2を5°とし、第3すくい角θ3を15°とし、第4すくい角θ4を10°とし、第5すくい角θ5を10°とした。つまり、サンプル1−1、1−2、および1−3並びにサンプル2−1、2−2、および2−3に係る切削インサート100は、第2すくい角θ2および第5すくい角θ5において異なっており、その他の構成については
図1に記載の切削インサート100の構成と同様である。
【0048】
(評価方法)
【0049】
使用ツールとしては、大昭和精機株式会社製のボーリングヘッドセット(型番:EWN32−60CKB3)と、大昭和精機株式会社製のシャンクホルダ(型番:BT40−CK3−135)とが用いられた。使用機械としては、DMG森精機製のマシニングセンタ(型番:NV5000/BBT40)が用いられた。被削材の材質は、S50Cとした。切削インサート100の材質は、ノンコートサーメットとした。
【0050】
サンプル1−1、1−2、1−3、2−1、2−2、および2−3に係る切削インサート100を有する切削工具を用いて被削材の内径加工が行われた。
図14は、切削インサート100で被削材の内径加工を行っている状態を示す模式図である。
図14に示されるように、ツールが回転しながら切削インサート100のコーナー切刃部3を被削材80の内周面81に当接させることで、内周面81の仕上げ加工が行われた。切削速度(Vc)は、200m/分とした。送り量(f)は、0.06mm/回転とした。切込み量は、0.2mmとした。水溶性の切削液が用いられた。内部給油(2MPa)が用いられた。切削長は、1mとした。
図14における矢印92は、切削インサート100の移動方向である。
図14のXI−XI線に沿った断面における第1領域31のすくい角(第6すくい角θ6)は、正の角度である(
図11参照)。
図14のXII−XII線に沿った断面における第2領域32のすくい角(第7すくい角θ7)は、負の角度である(
図12参照)。
【0051】
(評価結果)
【表1】
サンプル1−1、1−2、1−3、2−1、2−2、および2−3に係る切削インサート100を有する切削工具を用いて被削材の内径加工が行われた後、切削インサート100の第2切刃部2付近の境界摩耗の摩耗量が測定された。表1に示されるように、サンプル1−1、1−2、および1−3に係る切削インサート100の摩耗量は、それぞれ−0.008mm、−0.011mmおよび−0.010mmであった。一方、サンプル2−1、2−2、および2−3に係る切削インサート100の摩耗量は、それぞれ−0.13mm、−0.015mmおよび−0.014mmであった。以上の結果により、第2すくい角θ2および第5すくい角θ5を負の角度とすることにより、摩耗量を低減可能であることが確認された。
【0052】
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。