【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2018年12月13日株式会社協和エクシオ工事現場で実験、2018年12月14日日本コムシス株式会社工事現場で実験、2018年12月17日株式会社ミライト工事現場で実験、2019年 1月 8日東京都渋谷区猿楽町3番3号で実験、2019年1月11日一般社団法人情報通信エンジニアリング協会の安全部会で発表、2019年1月16日・17日現場力向上フォーラムで発表、2019年1月29日一般社団法人情報通信エンジニアリング協会のアクセス部会で発表、2019年2月5日大和電設工業株式会社で公開、2019年3月8日・19日大阪府大阪市都島区東野田町四丁目15番82号で公開、2019年3月12日〜14日株式会社協和エクシオに貸与、2019年3月20日一般社団法人情報通信エンジニアリング協会のEG連絡会で発表、2019年3月25日〜4月26日日本コムシス株式会社に貸与、2019年4月24日日本コムシス株式会社平林テクノセンターで公開
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
身体に装着されるベルトと、ストラップが巻き取られている巻取式墜落防止器と、前記ベルトに取り付けられて前記巻取式墜落防止器を着脱可能に連結する連結具とを備え、
前記巻取式墜落防止器と前記連結具とのいずれか一方が連結突部を備え他方が前記連結突部が挿入されるガイド穴を備え、
前記巻取式墜落防止器と前記連結具とのいずれかがロック機構を備え、
前記連結突部が係合部を備え、前記ガイド穴が前記係合部と係合して前記連結突部を前記ガイド穴から抜け止めする抜け止めを備え、
前記ガイド穴に前記連結突部が挿入された状態で前記連結具と前記巻取式墜落防止器とを相対的に移動させて、前記係合部が前記抜け止めに係合する抜け止め位置と前記係合部が前記抜け止めに係合しない着脱位置とに相対位置が変更可能であり、
前記ロック機構が前記抜け止め位置にある前記連結具と前記巻取式墜落防止器との相対的な移動を規制する、安全帯。
前記ガイド穴に前記連結突部が挿入された状態において、前記連結具に対して前記巻取式墜落防止器を前記抜け止め位置から前記着脱位置に向かって付勢する位置制御用弾性体を備える、請求項1に記載の安全帯。
前記ガイド穴が、前記ガイド穴に挿入された前記連結突部の軸線周りの回転をガイドするガイド壁を備え、前記回転によって前記抜け止め位置から前記着脱位置に前記相対位置が変更可能であり、
前記連結突部の周方向の所定位置に前記係合部が形成されており、
前記ガイド穴の周方向の、前記着脱位置において前記係合部と前記抜け止めとが係合しない位置に、前記抜け止めが形成されている、請求項1又は2に記載の安全帯。
身体に装着されるベルト、ストラップが巻き取られている巻取式墜落防止器、及び前記ベルトに取り付けられて前記巻取式墜落防止器を着脱可能に取付けられる連結具を備える安全帯と、前記ストラップに接続された高所係止フックと、前記高所係止フックが接続された操作棒とを備える、墜落防止装備であって、
前記巻取式墜落防止器と前記連結具とのいずれか一方が連結突部を備え他方が前記連結突部が挿入されるガイド穴を備え、
前記巻取式墜落防止器と前記連結具とのいずれかがロック機構を備え、
前記連結突部が係合部を備え、前記ガイド穴が前記係合部と係合して前記連結突部を前記ガイド穴から抜け止めする抜け止めを備え、
前記ガイド穴に前記連結突部が挿入された状態で前記連結具と前記巻取式墜落防止器とを相対的に移動させて、前記係合部が前記抜け止めに係合する抜け止め位置と前記係合部が前記抜け止めに係合しない着脱位置とに相対位置が変更可能であり、
前記ロック機構が前記抜け止め位置にある前記連結具と前記巻取式墜落防止器との相対的な移動を規制する、墜落防止装備。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の様に、このハーネス型安全帯では、大きく且つ重い巻取式墜落防止器が安全帯本体に取付けられている。地上での作業等における作業性の観点から、巻取式墜落防止器を使用しないときに、この巻取式墜落防止器が安全帯本体から取り外し可能であることが望まれる。一方で、安全性の観点から、この巻取式墜落防止器は、取り外し可能であっても、確実に且つ容易に安全帯本体に取り付けられる必要がある。
【0007】
本発明の目的は、ベルトに巻取式墜落防止器が確実に且つ容易に取り付けられる安全帯と、この安全帯を用いた墜落防止装備と、その墜落防止工法との提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る安全帯は、身体に装着されるベルトと、ストラップが巻き取られている巻取式墜落防止器と、前記ベルトに取り付けられて前記巻取式墜落防止器を着脱可能に連結する連結具とを備える。
前記巻取式墜落防止器と前記連結具とのいずれか一方は連結突部を備え、他方は前記連結突部が挿入されるガイド穴を備える。前記巻取式墜落防止器と前記連結具とのいずれかはロック機構を備える。
前記連結突部は係合部を備える。前記ガイド穴は、前記係合部と係合して前記連結突部を前記ガイド穴から抜け止めする抜け止めを備える。
前記ガイド穴に前記連結突部が挿入された状態で前記連結具と前記巻取式墜落防止器とを相対的に移動させて、前記係合部が前記抜け止めに係合する抜け止め位置と前記係合部が前記抜け止めに係合しない着脱位置とに相対位置が変更可能である。
前記ロック機構は、前記抜け止め位置にある前記連結具と前記巻取式墜落防止器との相対的な移動を規制する。
【0009】
好ましくは、前記安全帯は、前記ガイド穴に前記連結突部が挿入された状態において、前記連結具に対して前記巻取式墜落防止器を前記抜け止め位置から前記着脱位置に向かって付勢する位置制御用弾性体を備える。
【0010】
好ましくは、前記ガイド穴は、前記ガイド穴に挿入された前記連結突部の軸線周りの回転をガイドするガイド壁を備える。前記回転によって前記抜け止め位置から前記着脱位置に前記相対位置が変更可能である。
前記連結突部の周方向の所定位置に前記係合部が形成されている。
前記ガイド穴の周方向の、前記着脱位置において前記係合部と前記抜け止めとが係合しない位置に、前記抜け止めが形成されている。
【0011】
好ましくは、前記抜け止め位置と前記着脱位置との回転角度は、60°以上である。
【0012】
好ましくは、前記ロック機構は、
前記抜け止め位置において前記巻取式墜落防止器の移動を規制するロック位置と、前記巻取式墜落防止器の移動を規制しない待避位置とに移動可能なロックピンと、
前記ロックピンを前記待避位置から前記ロック位置に向かって付勢するロック用弾性体とを備える。
【0013】
好ましくは、前記巻取式墜落防止器と前記連結具とのいずれかが前記ガイド穴と共に前記ロック機構を備える。前記ロック用弾性体は、前記ロックピンを前記ガイド穴の内側向きに付勢している。前記ロックピンは、前記ロック位置において前記着脱位置にある前記連結突部と当接する第一当接面を備える。前記第一当接面は、前記ガイド穴の奥から開口に向かって前記ガイド穴の内側から外側向きに傾斜している。
【0014】
好ましくは、前記巻取式墜落防止器と前記連結具とのいずれかが前記ガイド穴と共に前記ロック機構を備える。前記ロック用弾性体は、前記ロックピンを前記ガイド穴の内側向きに付勢している。前記連結突部は、前記着脱位置において前記ロック位置にある前記ロックピンと当接する第二当接面を備える。前記第二当接面は、前記連結突部の先端から根元に向かって内側から外側向きに傾斜している。
【0015】
好ましくは、この安全帯は、胴ベルトと前記胴ベルトに連結されるランヤードとを備える。前記ランヤードが胴綱と前記胴綱に連結された係止フックとを備える。前記胴綱は、前記巻取式墜落防止器に取り外し不可の状態で取り付けられている。
【0016】
好ましくは、この安全帯は、前記連結具の厚さ方向内側で前記ベルトに取り付けられた固定板を更に備える。前記連結具は、その下方に前記固定板に向かって突出する倒れ防止部を備える。
【0017】
本発明に係る墜落防止装備は、
身体に装着されるベルト、ストラップが巻き取られている巻取式墜落防止器、及び前記ベルトに取り付けられて前記巻取式墜落防止器を着脱可能に取付けられる連結具を備える安全帯と、
前記ストラップに接続された高所係止フックと、
前記高所係止フックが接続された操作棒と
を備える。この墜落防止装備では、
前記巻取式墜落防止器と前記連結具とのいずれか一方は連結突部を備え、他方は前記連結突部が挿入されるガイド穴を備える。前記巻取式墜落防止器と前記連結具とのいずれかはロック機構を備える。
前記連結突部は係合部を備える。前記ガイド穴は、前記係合部と係合して前記連結突部を前記ガイド穴から抜け止めする抜け止めを備える。
前記ガイド穴に前記連結突部が挿入された状態で前記連結具と前記巻取式墜落防止器とを相対的に移動させて、前記係合部が前記抜け止めに係合する抜け止め位置と前記係合部が前記抜け止めに係合しない着脱位置とに相対位置が変更可能である。
前記ロック機構は、前記抜け止め位置にある前記連結具と前記巻取式墜落防止器との相対的な移動を規制する。
【0018】
本発明に係る墜落防止工法は高所で作業する作業者の墜落防止の工法である。
この工法は、
(A)身体に装着されるベルト、ストラップが巻き取られている巻取式墜落防止器、及び前記ベルトに取り付けられて前記巻取式墜落防止器を着脱可能に取付けられる連結具を備える安全帯と、前記ストラップに接続された高所係止フックと、前記高所係止フックが接続された操作棒とを準備する工程、
(B)前記巻取式墜落防止器が、前記ベルトに取り付けられた前記連結具に取付けられる工程、
及び
(C)前記操作棒に接続された前記高所係止フックを高所の被係止物に係止する工程、
を含む。
前記巻取式墜落防止器と前記連結具とのいずれか一方は連結突部を備え、他方は前記連結突部が挿入されるガイド穴を備える。前記巻取式墜落防止器と前記連結具とのいずれかはロック機構を備える。
前記連結突部が係合部を備える。前記ガイド穴は、前記係合部と係合して前記連結突部を前記ガイド穴から抜け止めする抜け止めを備える。
前記ガイド穴に前記連結突部が挿入された状態で前記連結具と前記巻取式墜落防止器とを相対的に移動させて、前記係合部が前記抜け止めに係合する抜け止め位置と前記係合部が前記抜け止めに係合しない着脱位置とに相対位置が変更可能である。
前記ロック機構は、前記抜け止め位置にある前記連結具と前記巻取式墜落防止器との相対的な移動を規制する。
【発明の効果】
【0019】
この安全帯では、巻取式墜落防止器と連結具とが連結突部の係合部とガイド穴の抜け止めとが係合して抜け止めされる。この連結具と巻取式墜落防止器とが相対的に移動させて、係合部が抜け止めに係合する抜け止め位置と係合部が抜け止めに係合しない着脱位置とに相対位置が変更可能である。これにより、巻取式墜落防止器は、連結具に容易に取り付けられる。更に、ロック機構を備えることで、巻取式墜落防止器は連結具に確実に取り付けられる。この墜落防止装備及び墜落防止工法も、この安全帯と同様の効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0022】
図1は、墜落防止装備2が示されている。
図1には、本発明の一実施形態に係る安全帯4と、安全帯4を備える墜落防止装備2が示されている。この墜落防止装備2は、高所係止フック6と、操作棒としての伸縮棹8と、ショックアブソーバー10とを、更に備える。
【0023】
高所係止フック6は、鉤部6a、端部6b及び開閉部6cを備えている。端部6bは、伸縮棹8に取り付けられている。鉤部6aは、端部6bから伸縮棹8から離れる向きに延びている。開閉部6cは、鉤部6aの開口を開閉可能である。高所係止フック6は、建造物等の被係止物に係止可能である。
【0024】
伸縮棹8は、外径の異なる複数の中空パイプを組み合わせた入れ子式構造を備えている。ここでいう入れ子式構造とは、例えば望遠鏡のように、径の大きい中空パイプの内部に径の小さい中空パイプが同軸状に且つ軸方向にスライド可能に収納されている構造をいう。この伸縮棹8は、その軸方向に伸縮可能にされている。伸縮棹8の先端部8aに、高所係止フック6が取り付けられている。この伸縮棹8は操作棒の例示であって、高所係止フック6を高所の被係止物に係合可能にできればよく、伸縮可能でなくてもよい。
【0025】
ショックアブソーバー10は、その上端部を高所係止フック6に連結されている。ショックアブソーバー10は、衝撃荷重が作用すると、その衝撃荷重を緩和する機能を備えている。
【0026】
安全帯4は、一対の肩掛けベルト12及び一対の腿掛けベルト14を形成する一対の主ベルト16と、胴ベルト18と、補助ベルト20と、巻取式墜落防止器22と、ランヤード24と、伸縮調節器26と、ランヤード用連結環としてのD環28と、伸縮調節器用連結環としての角環30とを備える。
【0027】
それぞれの主ベルト16は、上方で折り返されて肩掛けベルト12を形成している。それぞれの主ベルト16は、下方で折り返されて他方の主ベルト16と接続されて腿掛けベルト14を形成している。この安全帯4は、所謂、ハーネス型安全帯である。
【0028】
胴ベルト18は、その一端にバックル32が取り付けられている。作業者の腰に巻かれた胴ベルト18の他端部がバックル32に留められて、胴ベルト18は作業者に装着される。この胴ベルト18は補助ベルト20に取り付けられている。補助ベルト20は、主ベルト16に取り付けられている。この胴ベルト18が直に主ベルト16に取り付けられてもよい。
【0029】
巻取式墜落防止器22には、長尺の細幅織りベルトから成るストラップ34が引き出し可能に巻き取られている。図示されないが、巻取式墜落防止器22はボビンを備えており、このボビンにストラップ34が巻き取られている。図示されないが、弾性体としての渦巻バネが、ストラップ34を巻き取る回転向きに、ボビンを付勢している。この渦巻きバネの付勢により、ストラップ34はボビンに巻き取られている。このストラップ34は、渦巻きバネの付勢力に抗して、引き出し可能である。巻取式墜落防止器22は、図示されないが、遠心爪を備えている。ストラップ34がボビンから急激に引き出された際に、遠心爪がボビンの回転を阻止する。この様に、巻取式墜落防止器22は、ストラップ34の急激な引き出しを阻止する機構を備える。
【0030】
この巻取式墜落防止器22は、胴綱連結部36を備えている。胴綱連結部36は、取り外し不可の状態で、巻取式墜落防止器22の本体ケースと一体に形成されている。本発明における取り外し不可の状態は、切断や破壊等せずに取り外しできない状態をいう。胴綱連結部36は通し孔36aを備えている(
図5(A)及び
図5(B)参照)。
【0031】
ランヤード24は、胴綱38及び胴綱用係止フック40を備えている。胴綱38の先端に胴綱用係止フック40が連結されている。このランヤード24では、例えば、電柱等建造物の周りに胴綱38が巻き回された状態で、胴綱用係止フック40がD環28に係止される。このD環28は、補助ベルト20に取り付けられている。このランヤード24は、所謂、U字つり用ランヤードである。
【0032】
胴綱連結部36の通し孔36aに、胴綱38が通されている。胴綱38は、この通し孔36aに抜け止めされている。胴綱38は、胴綱連結部36から取り外し不可の状態にされている。この安全帯4では、ランヤード24は、巻取式墜落防止器22に、取り外し不可の状態で、取り付けられている。このランヤード24では、胴綱38が胴綱連結部36に直に取り付けられたが、これに限られない。ランヤード24が巻取式墜落防止器22に取り外し不可の状態で取り付けられればよく、胴綱38が連結ロープ等の他の連結部材を介して胴綱連結部36に取り付けられてもよい。
【0033】
この胴綱38は、伸縮調節器26に通されている。伸縮調節器26は、角環30に、着脱可能に連結されている。この角環30は、補助ベルト20に取り付けられている。この伸縮調節器26、角環30及び補助ベルト20を介して、ランヤード24が胴ベルト18に取り付けられている。この伸縮調節器26は、伸縮調節器26から胴綱用係止フック40までの間の胴綱38の長さを調節する機能を備えている。
【0034】
図2には、
図1の巻取式墜落防止器22、ランヤード24及び伸縮調節器26が取り外された安全帯4の一部が示されている。この
図2に示される様に、この安全帯4は、固定板42、連結具44及びD環46を更に備えている。このD環46は、連結具44に回動可能に取り付けられている。
【0035】
固定板42は、一対の主ベルト16が交差する交差部に配置されている。この固定板42に、一対の主ベルト16が互いに交差して通されている。この固定板42は、一対の主ベルト16に取り付けられている。連結具44は、一対の主ベルト16の交差部で、一対の主ベルト16に取り付けられている。固定板42及び連結具44のそれぞれは、一対の主ベルト16に取り外し不可の状態で取り付けられている。
【0036】
図3(A)には固定板42及び連結具44の拡大図が示されている。
図3(B)には、
図3(A)の固定板42及び連結具44の側面図が示されている。なお、
図3(B)では、主ベルト16の記載が省略されている。固定板42は、例えばプラスチック板からなっているが、金属板であってもよい。固定板42には複数のベルト通し42aが形成されている。これらのベルト通し42aに一対の主ベルト16が通されて、固定板42は一対の主ベルト16に取り付けられている。
【0037】
連結具44は、ベースプレート48、本体50、ガイド穴52、抜け止め54及び一対のロックピン56、ガイド環58及びガイド溝60を備える。なお、この連結具44は、一対のロックピン56を備えているが、いずれか一方のロックピン56を備えていてもよい。
【0038】
ベースプレート48は、金属板からなる。ベースプレート48にはベルト通し48aが形成されている。このベルト通し48aに一対の主ベルト16が通されて、ベースプレート48は一対の主ベルト16に取り付けられている。ベースプレート48は、固定板42と厚さ方向に並べられている。固定板42は、連結具44の厚さ方向内側に位置している。ベースプレート48は、倒れ防止部62を備える。倒れ防止部62はベースプレート48の本体から下方に向かって固定板42に近づく向きに傾斜して延びている。倒れ防止部62は、固定板42に向かって突出している。
【0039】
図4(A)には連結具44の外観が示され、
図4(B)には連結具44の内部構造が示されている。
図4(B)に示される様に、連結具44は、位置制御用弾性体としての位置制御バネ64と、ロック用弾性体としてのロックバネ66とを更に備えている。
【0040】
本体50は、ベースプレート48に固定されている。本体50に、ガイド穴52及びガイド溝60が形成されている。ガイド穴52は、本体50を厚さ方向に貫通して、ベースプレート48がガイド穴52の底を形成している。ガイド穴52の断面の輪郭は円形である。ガイド穴52は、ガイド壁68で囲まれている。
【0041】
抜け止め54は、ガイド穴52の開口52aに形成されている。抜け止め54は、ガイド壁68から半径方向内向きに突出している。
図4(A)及び
図4(B)では、ロックピン56は、その先端部56aをガイド穴52の内側に位置させている。ロックピン56は、ロックバネ66によって、ガイド穴52の外側から内側に向かって付勢されている。
【0042】
ガイド環58は、円筒形状を備えている。ガイド溝60は、円弧状に形成されている。ガイド溝60の円弧の中心は、ガイド穴52の中心に一致している。ガイド環58は、ガイド溝60の円弧に沿って移動可能である。位置制御バネ64は、ガイド環58をガイド溝60の他方端から一方端に向かって付勢している。
図4(A)及び
図4(B)では、ガイド環58は、位置制御バネ64に付勢されて、ガイド溝60の一方端に位置している。
【0043】
図5(A)には巻取式墜落防止器22の背面図が示され、
図5(B)には
図5(A)の左から見た巻取式墜落防止器22の側面が示されている。
図5(A)及び
図5(B)に示される様に、巻取式墜落防止器22は、連結突部70及びガイドピン72を更に備える。連結突部70及びガイドピン72は、連結具44に対向する背面22aから突出している。
【0044】
図6(A)及び
図6(B)に示される様に、連結突部70は、突部本体74及び係合部76を備えている。突部本体74は、円柱状の形状を備える。係合部76は、突部本体74の先端において突部本体74の径方向外向きに突出している。係合部76は、円盤形の周方向の一部に切り欠き76aが形成された形状を備えている。係合部76は、その周方向において所定位置に突出し、他の所定位置に切り欠き76aが形成されている。係合部76には、第二当接面としてのテーパ面76bが形成されている。テーパ面76bは、連結突部70の先端から根元に向かって内側から外側向きに傾斜している。
【0045】
図7には、連結具44の使用状態が示されている。
図7には線分A−Aに沿った部分断面と、線分B−Bに沿った部分断面とが、連結突部70と共に示されている。これらの部分断面図では、ガイド穴52の周方向において、連結突部70は切り欠き76aをガイド穴52の抜け止め54の位置に対応させて、連結突部70はガイド穴52に対向している。
図7では、連結突部70は、ガイド穴52に挿入されていない。巻取式墜落防止器22は、連結具44に取り付けられていない。
【0046】
それぞれのロックピン56は、ロックバネ66によって、ガイド穴52の外側から内側向き付勢されている。このロックピン56の先端部56aの一部は、ガイド穴52の内側に位置している。このロックピン56は、ロック位置にある。ロックピン56の先端部56aには、第一当接面としてのテーパ面56bが形成されている。テーパ面56bは、ロックピン56のガイド穴52の奥から開口52aに向かってガイド穴52の内側から外側向きに傾斜している。ガイド環58は、ガイド溝60の一方端に位置している。位置制御バネ64が、ガイド環58をガイド溝60の他方端から一方端に向かって付勢している。
【0047】
図8には、連結具44の他の使用状態が示されている。
図8には線分A−Aに沿った部分断面と、線分B−Bに沿った部分断面とが、連結突部70と共に示されている。これらの部分断面図では、ガイド穴52の周方向において、連結突部70は切り欠き76aをガイド穴52の抜け止め54の位置に位置させて、連結突部70はガイド穴52に挿入されている。巻取式墜落防止器22のガイドピン72は、ガイド環58に挿入されている。
【0048】
連結突部70の係合部76のテーパ面76bが、ロックピン56のテーパ面56bに当接している。この連結突部70が挿入されることで、ロックピン56はロックバネ66の付勢力に抗してロック位置から後退した待避位置にある。その他の構成は、
図7と同様にされている。
図8では、巻取式墜落防止器22は、係合部76が抜け止め54に係合しない着脱位置にある。
【0049】
図9には、連結具44の更に他の使用状態が示されている。
図9には線分A−Aに沿った部分断面と、線分B−Bに沿った部分断面とが、連結突部70と共に示されている。これらの部分断面図では、ガイド穴52の周方向において、連結突部70は係合部76をガイド穴52の抜け止め54の位置に位置させて、連結突部70はガイド穴52に挿入されている。巻取式墜落防止器22のガイドピン72は、ガイド環58に挿入されている。
【0050】
図9では、巻取式墜落防止器22のガイドピン72は、ガイド環58に挿入されている。
図9の両矢印θは、連結突部70の回転角度を表している。
図9は、
図8に対して、連結突部70がその軸線周りに回転角度θだけ回転している。この回転角度θは、例えば90°である。ガイド環58は、位置制御バネ64の付勢力に抗して、ガイド溝60の他方端に位置している。
【0051】
ロックピン56の先端部56aは、ガイド穴52の周方向において、係合部76の切り欠き76aの位置に位置している。ロックピン56は、ロックバネ66の付勢力によってロック位置にある。先端部56aが切り欠き78aに入り込んでいる。ロックピン56と係合部76とが係合している。
図9では、連結突部70の軸方向において、係合部76が抜け止め54に係合している。この巻取式墜落防止器22は、係合部76が抜け止め54に係合する抜け止め位置にある。
【0052】
ここで、安全帯4を用いて、巻取式墜落防止器22の取り付け方法が説明される。この安全帯4では、連結具44に巻取式墜落防止器22が取りつけられる。
【0053】
図7に示される様に、巻取式墜落防止器22の背面22aから突出する連結突部70が、抜け止め54と干渉しない回転向きにされる。このとき、巻取式墜落防止器22のストラップ34の引き出し口22bは、
図1の上向きから90°反時計回りに回転した左向きになっている。
【0054】
この回転向きのまま、連結突部70が、ガイド穴52に挿入される。このとき背面22aから突出するガイドピン72は、ガイド環58に挿入される。連結突部70の係合部76のテーパ面76bがロックピン56のテーパ面56bに当接する。
図8に示される様に、連結突部70がガイド穴52に押し込まれることで、ロックピン56はロックバネ66の付勢に抗して待避位置に移動させられる。
【0055】
巻取式墜落防止器22が時計回りに90°回転させられる。巻取式墜落防止器22と共に連結突部70が90°回転する。ロックピン56の先端部56aは、ロックバネ66の付勢力によって、係合部76の切り欠き76aに入り込む。連結突部70の回転方向において、係合部76がロックピン56と係合する。連結突部70の軸方向において、係合部76が抜け止め54と係合する。
【0056】
この巻取式墜落防止器22の回転によって、ガイドピン72はガイド環58と共に、位置制御バネ64の付勢力に抗して回動する。ガイドピン72及びガイド環58は、ガイド溝60の一方端から他方端に移動させられる。この様にして、連結具44は、
図9に示される状態にされる。
図9の状態では、巻取式墜落防止器22のストラップ34の引き出し口22bは、上向きにされている(
図1参照)。
【0057】
次に、巻取式墜落防止器22の取り外し方法が説明される。
【0058】
図9の状態から、手でロックピン56がロックバネ66の付勢に抗して、ロック位置から待避位置に引かれる。連結突部70の係合部76とロックピン56との係合が解除される。位置制御バネ64の付勢力によって、ガイド環58及びガイドピン72は、ガイド溝60の他方端から一方端に引き戻される。巻取式墜落防止器22が反時計回りに90°回転させられる。連結突部70が、反時計回りに90°回転させられる。巻取式墜落防止器22は、着脱位置に戻される。
【0059】
ロックピン56から手が離されると、ロックピン56は、ロックバネ66の付勢力によって、待避位置からロック位置に移動する。ロックピン56のテーパ面56bが係合部76のテーパ面76bに当接する。ロックピン56によって、連結突部70がガイド穴52から押し出される。この様にして、連結具44から巻取式墜落防止器22が取り外される。
【0060】
この墜落防止装備2を用いて、墜落防止工法が説明される。この墜落防止工法は、高所に昇り降りする、作業者の墜落を防止する工法である。図示されないが、ここでは、安全帯4では、巻取式墜落防止器22は連結具44から取り外されている。
【0061】
安全帯4、高所係止フック6、伸縮棹8、ショックアブソーバー10が準備される(STEP1)。
図1に示される様に、安全帯4のストラップ34の先端部に、ショックアブソーバー10が連結されている。更に、このショックアブソーバー10に高所係止フック6が連結されている。高所係止フック6の端部6bと伸縮棹8の先端部8aとが連結されている。
【0062】
前述の巻取式墜落防止器22の取り付け方法で説明した様に、巻取式墜落防止器22を連結具44に取り付ける(STEP2)。作業者は、安全帯4を装着する(STEP3)。この安全帯4では、巻取式墜落防止器22は、作業者の背中に配置される。巻取式墜落防止器22は、ストラップ34の引き出し口22bを上方にして取り付けられている。
【0063】
伸縮棹8が伸ばされる。伸縮棹8の伸びに合わせて、ストラップ34が引き出される。高所係止フック6が高所の被係止物に係止される(STEP4)。
【0064】
ストラップ34を介して、高所の被係止物と安全帯4が連結されている。作業者が、例えば電柱を昇るとき、巻取式墜落防止器22と高所係止フック6との距離に応じて、ストラップ34が巻き取られる。作業者が、この電柱から降りるとき、巻取式墜落防止器22と高所係止フック6との距離に応じて、ストラップ34が引き出される。万一、作業者が高所から落下したとき、ストラップ34が急激に引き出される。この巻取式墜落防止器22では、ストラップ34の引き出しがロックされる。これにより、作業者の墜落が防止される。
【0065】
この巻取式墜落防止器22は、高所に昇るときや高所から降りるときに使用される。この巻取式墜落防止器22に巻き取られるストラップ34の長さは、一般的に3m以上の長尺である。この巻取式墜落防止器22では、ストラップ34の長さの上限は特に無いが、一般に20m以下である。長いストラップ34が巻き取られている巻取式墜落防止器22は、大きく、重い。この安全帯4では、巻取式墜落防止器22は、不要なときに容易に取り外される。巻取式墜落防止器22は、必要なときに容易に取り付けられる。この安全帯4では、巻取式墜落防止器22を常に装着して作業する必要がない。この安全帯4は、作業者の負担が軽減されている。
【0066】
この安全帯4では、巻取式墜落防止器22と連結具44とは、連結突部70がガイド穴52に挿入されて連結されている。巻取式墜落防止器22と連結具44とは、その間に連結部のためのスペースを必要としない。巻取式墜落防止器22は、その背面22aを連結具44の対向する表面に沿わせて、更には当接させて、連結具44に連結できる。巻取式墜落防止器22と連結具44とは、巻取式墜落防止器22を主ベルト16に近づけて連結できる。この安全帯4を装着した作業者は、巻取式墜落防止器22の重量感が軽減される。この安全帯4は、作業者の装着感に優れる。この安全帯4では、巻取式墜落防止器22と連結具44とのいずれか一方に連結突部70を備え、他方がガイド穴52を備えていればよい。
【0067】
この巻取式墜落防止器22の取り付けでは、連結突部70がガイド穴52に挿入される。連結具44に対して巻取式墜落防止器22が着脱位置から抜け止め位置に回転移動させられる。この安全帯4では、この2つの動作で、巻取式墜落防止器22が連結具44に取り付けられる。この安全帯4は、巻取式墜落防止器22の取り付けが容易である。
【0068】
この安全帯4では、連結具44に対して巻取式墜落防止器22が回転移動させられる。ガイド穴52に連結突部70が挿入された状態で、回転移動により係合部76が抜け止め54に係合する抜け止め位置と係合しない着脱位置とに相対位置が変更可能である。この安全帯4は、この相対位置の変更によって、巻取式墜落防止器22の着脱が容易にされている。この相対位置の変更のための移動は、抜け止め位置と着脱位置とに変更可能であればよい。この回転移動は例示であって、これに限られない。例えば、連結具44に対して巻取式墜落防止器22が直線状の軌跡で移動してもよいし、円弧状の軌跡で移動してもよい。
【0069】
一方で、この安全帯4では、連結具44に対して巻取式墜落防止器22が回転移動することで、ガイド穴52が小さい。連結具44又は巻取式墜落防止器22の、ガイド穴52が形成されるスペースが小さい。このガイド穴52は、巻取式墜落防止器22と連結具44との連結のためのスペースを小さくできる。このガイド穴52は、連結具44の小型化に寄与する。
【0070】
更に、ロック機構としてのロックピン56が、抜け止め位置にある連結具44と巻取式墜落防止器22との相対的な移動を規制する。この安全帯4では、巻取式墜落防止器22が連結具44に確実に取り付けられる。本発明のロック機構は、抜け止め位置にある連結具44と巻取式墜落防止器22との相対的な移動を規制する機能を備えればよい。ロックピン56は、例示であってこれに限られない。このロック機構は、ガイド穴52と連結突部70とに関わらず、連結具44と巻取式墜落防止器22とのいずれに設けられてもよい。
【0071】
この安全帯4では、位置制御バネ64は、連結具44に対して巻取式墜落防止器22を抜け止め位置から着脱位置に向かって付勢している。ロックピン56が相対的な移動を規制しない状態では、巻取式墜落防止器22は着脱位置に戻される。これにより、ロックピン56によってロックされていない状態で、係合部76と抜け止め54とが係合した状態にされることが防止される。ロックピン56によってロックされていない状態で、巻取式墜落防止器22が連結具44に連結されることが防止される。この安全帯4は、安全性に優れている。
【0072】
また、位置制御バネ64を備えるので、ロックピン56が待避位置にされることで、巻取式墜落防止器22が着脱位置に戻される。この安全帯4では、巻取式墜落防止器22の取り外しが容易にされている。
【0073】
更に、着脱位置において、連結突部70の係合部76のテーパ面76bとロックピン56のテーパ面56bとが当接している。ロックバネ66は、ロックピン56を待避位置からロック位置に向かって付勢する。これにより、巻取式墜落防止器22を取り付けるときに、ロックピン56を操作する必要がない。また、巻取式墜落防止器22を取り外すときに、着脱位置にある巻取式墜落防止器22は連結具44から押し出される。これにより、巻取式墜落防止器22の取り外しが容易にされている。また、ロックされていない状態で連結具44に連結されることが確実に防止される。ここでは、連結突部70の係合部76のテーパ面76bとロックピン56のテーパ面56bとが形成されたが、いずれか一方が形成されるだけでもよい。
【0074】
ガイド穴52はガイド壁68を備える。このガイド壁68は、連結突部70の相対移動をガイドする。このガイド壁68によって、巻取式墜落防止器22は着脱位置と抜け止め位置との間で相対移動が容易にされている。
【0075】
この安全帯4では、抜け止め位置と前記着脱位置との回転角度θは90°にされている。この回転角度θを大きくすることで、連結具44から巻取式墜落防止器22が意図せず外れることが防止できる。この観点から、この回転角度θは、好ましくは60°以上であり、更に好ましくは80°以上であり、特に好ましくは90°以上である。
【0076】
このロックピン56では、押し込む向きがロック位置向きであり、引く抜く向きが待避位置向きである。これにより、外力によって、ロックピン56が待避位置に移動することが防止されている。この安全帯4は、安全性に優れている。
【0077】
この安全帯4では、ランヤード24が巻取式墜落防止器22に取り外し不可の状態で取り付けられている。これにより、連結具44に、巻取式墜落防止器22とランヤード24とは常に一緒に取り付けられる。作業者が、巻取式墜落防止器22を取り付けたときに、ランヤード24の取り付け忘れが防止される。
【0078】
作業者は、例えば電柱の柱上においてランヤード24によって自身の体勢を保持する。この体勢で作業者は両手を構造物から離して作業を行う。この柱上作業において、ランヤード24を使用することは欠かせない。この安全帯4では、連結具44に巻取式墜落防止器22とランヤード24とは常に一緒に取り付けられているので、作業者がランヤード24を使用するときに、巻取式墜落防止器22の取り付け忘れが防止される。この安全帯4は、常に巻取式墜落防止器22とランヤード24とが取り付けられるので、安全性に優れている。
【0079】
この安全帯4では、巻取式墜落防止器22は引き出し口22bを上方に向けた姿勢で安定して取り付けられている。この安全帯4では、ストラップ34がスムーズに巻き取られ、ストラップ34がスムーズに引き出される。この安全帯4は、ストラップ34の長さを適正に調整し易い。この安全帯4では、ストラップ34の巻き取り引き出しのときに、引き出し口22bにストラップ34が擦れることが抑制される。このストラップ34の摩耗等の損傷が抑制される。
【0080】
連結具44の倒れ防止部62は、固定板42に向かって突出している。この連結具44は、連結具44の上部が固定板42に対して離れる向きに傾くことが抑制されている。重い巻取式墜落防止器22が取り付けられた連結具44が傾くことが抑制されている。この安全帯4では、巻取式墜落防止器22の引き出し口22bは、安定して上方に向けられる。
【0081】
図10(A)及び
図10(B)には、本発明の他の実施形態に係る安全帯78の連結具80及びD環82が示されている。ここでは、安全帯78について、安全帯4と異なる構成が主に説明され、安全帯4と同様の構成の説明が省略される。また、同様の構成については、安全帯4と同じ符号を用いて説明がされる。この安全帯78は、連結具44及びD環46に代えて、連結具80及びD環82を備える他は、安全帯4と同様の構成を備えている。
【0082】
連結具80は、ベースプレート84、本体86、ガイド穴88、抜け止め90及びロックピン92、取り外し開口94及び取り外し工具96を備えている。連結具80は、図示されないが、更に、ガイド環58及びガイド溝60を備えていてもよい。
【0083】
ベースプレート84にはベルト通し84aが形成されている。このベルト通し84aに一対の主ベルト16が通されて、ベースプレート84は一対の主ベルト16に取り付けられる。
【0084】
本体86は、ベースプレート84に固定されている。本体86に、ガイド穴88、抜け止め90及び取り外し開口94が形成されている。ガイド穴88は、連結突部70が挿入可能である。抜け止め90は、連結突部70の係合部76と係合可能である。取り外し開口94は、ロックピン92のロック位置と待避位置とに移動する方向に交差する方向に、本体86の外面からロックピン92が収容される内部空間に貫通している。
【0085】
ロックピン92は、先端部92aに形成されて連結突部70に当接するテーパ面92bと、第一取り外し当接面としてのテーパ面92cとを備える。このテーパ面92cは、取り外し開口94に対応する位置に形成されている。テーパ面92cは、先端部92aから後端に向かってロックピン92の内側から外側向きに傾斜している。
【0086】
取り外し工具96は、取り外し開口94に挿入される挿入先端部96aに、第二取り外し当接面としてのテーパ面96bが形成されている。このテーパ面96bは、挿入先端部96aが取り外し開口94に挿入された状態において、挿入先端部96aの手元側から先端に向かって、ロックピン92の後端から先端部92a向きに傾斜している。
【0087】
図10(A)では、ロックピン92はロック位置にある。
図10(B)では、取り外し工具96の挿入先端部96aが取り外し開口94に挿入されている。取り外し工具96のテーパ面96bがロックピン92のテーパ面92cに当接している。この当接によって、ロックピン92はロックバネ66の付勢力に抗して待避位置にある。
【0088】
図10(A)及び
図10(B)に示される様に、この安全帯78では、取り外し工具96によって、ロックピン92のロックの解除がされる。この安全帯78では、ロックピン92のロックの解除が容易にされている。なお、このロックピン92では、本体86の内側に、テーパ面92cが形成されているが、このテーパ面92cは、本体86の外側に突出して形成されてもよい。
【0089】
一方で、この安全帯78のロックピン92では、テーパ面92cは本体86の外側に突出していない。このテーパ面92bに、予期せぬ外力の作用によって、ロックピン92のロックが解除されることが防止される。この観点から、この安全帯78は、安全性に優れている。
【0090】
この安全帯78では、安全帯4に比べて、本体86がベースプレート84に下部に固定されている。この安全帯78では、安全帯4に比べて、巻取式墜落防止器22は下方の位置に取付けられる。本体86は、主ベルト16が交差する位置より下方に位置している。また、安全帯78では、D環82は、回動しない状態で、連結具80に取付けられている。その他の構成は、安全帯4と同様にされている。
【解決手段】安全帯4は、ベルト16と、巻取式墜落防止器22と、ベルト16に巻取式墜落防止器22を着脱可能に連結する連結具を備える。巻取式墜落防止器22と連結具とのいずれか一方は連結突部を備え、他方は連結突部が挿入されるガイド穴を備える。巻取式墜落防止器22と連結具とのいずれかはロック機構を備える。連結突部が係合部を備え、ガイド穴が係合部と係合して連結突部をガイド穴から抜け止めする抜け止めを備える。連結具と巻取式墜落防止器22とを相対的に移動させて、係合部が抜け止めに係合する抜け止め位置と係合しない着脱位置とに相対位置が変更可能である。ロック機構は、抜け止め位置にある連結具と巻取式墜落防止器との相対的な移動を規制する。