【文献】
「パチスロマクロスフロンティア2 ART中の演出」,YouTube [online][video],2014年 4月20日,主に4:14〜4:16、5:50〜5:58を参照。,[2019年1月21日検索],URL,https://www.youtube.com/watch?v=g5TJ22fgoII
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施形態1]
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を以下に説明する。
本発明が適用されたスロットマシンの実施形態1について、図面を用いて説明すると、本実施形態のスロットマシン1は、
図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。筐体1aの内部には、
図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、
図1、
図3に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄(所定の順序でそれぞれ21個ずつ描かれている互いに識別可能な複数種類の図柄のうちの3つの図柄)が前面扉1bに設けられた透視窓3からそれぞれ見えるように配置されている。
【0022】
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施形態では後述するRT0〜RT4の規定数として3、RBの規定数として2が定められている)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0023】
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報が表示される等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
【0024】
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(
図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施形態では、後述するRT0〜RT4における規定数の賭数として3枚が定められ、後述するRBにおける規定数の賭数として2枚が定められており、これら遊技状態に応じた規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0025】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施形態では、
図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。また、本実施形態では、入賞役として、入賞ラインLNに役として定められた所定の図柄の組合せが揃ったときに入賞するとともに、且つ所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインLM1〜LM4の何れかに所定の図柄組合せよりも認識しやすい指標となる図柄の組合せが揃うことにより、無効ラインLM1〜LM4の何れかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せることが可能な役を含む。
【0026】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態で何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(
図1参照)から払い出されるようになっている。
【0027】
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、
図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0028】
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載され、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0029】
図5は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。
図5に示すメイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインターフェイス501と、クロック回路502と、照合用ブロック503と、固有情報記憶回路504と、演算回路505と、リセット/割込コントローラ506と、CPU(Central Processing Unit)41aと、ROM(Read Only Memory)41bと、RAM(Random Access Memory)41cと、フリーランカウンタ回路507と、乱数回路508a、508bと、タイマ回路509と、割込コントローラ510と、パラレル入力ポート511と、シリアル通信回路512と、パラレル出力ポート513と、アドレスデコード回路514と、を備えて構成される。
【0030】
本実施形態においてメイン制御部41は、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施形態では、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、シリアル通信回路512を介してサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としても良い。
【0031】
演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。なお、本実施形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
【0032】
[設定値について]
本実施形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選、ナビストック抽選等において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、設定値は1、3、6や、1、4、H(High)等の3段階や、1〜7の7段階で設定してもよく、6段階に限定する必要はない。
【0033】
なお、本実施形態では、何れの設定値が設定されている場合でも、メイン制御部41が行う内部抽選の当選確率は共通であり、設定値に応じてサブ制御部91が行う後述のナビストック抽選、上乗せ抽選の当選確率として異なる当選確率を用いることによりメダルの払出率が変わる構成であるが、メイン制御部41が行う抽選の当選確率、サブ制御部91が行う抽選の当選確率の少なくとも一方または双方の当選確率を設定値に応じて変更することで、メダルの払出率が変わる構成であればよい。
【0034】
設定値を変更するためには、まず、前面扉1bが開放された状態で、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にメイン制御部41の図示しないRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態(設定変更モード)に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がRAMに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。なお、前面扉1bが開放されていなければ設定値を変更できないようにして、前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定変更を防止してもよい。すなわち、前面扉1bの開放と設定キースイッチ37をオン状態にする操作と電源スイッチ39の操作とを設定変更状態の開始条件としてもよい。なお、この場合、設定キースイッチ37がオフ状態になるまで前面扉1bの開閉に関わらず設定値変更状態が維持されるようにしてもよい。すなわち、前面扉1bの開放を設定変更状態の開始条件とした場合であっても前面扉1bの開閉を設定変更状態の終了条件にしなくてもよい。
【0035】
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で前面扉1bを開放して設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。なお、設定値確認状態も設定値変更状態と同様に、前面扉1bが開放されていなければ設定値を変更できないようにして前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定確認を防止してもよい。すなわち、前面扉1bの開放と設定キースイッチ37をオン状態にする操作とを設定確認状態の開始条件としてもよい。また、前面扉1bの開放を設定値確認状態の開始条件とした場合であっても前面扉1bの開閉を設定値確認状態の終了条件にしなくてもよい。
【0036】
図6〜
図8は、本実施形態のスロットマシン1における役の種類、図柄組合せ、及び役に関連する技術事項について説明するための図である。
図9は、本実施形態のスロットマシン1における移行出目の図柄組合せ、及び移行出目に関連する技術事項について説明するための図である。また、
図10は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、
図11は、遊技状態の概要を示す図である。
【0037】
本実施形態におけるスロットマシン1は、
図10に示すように、RT0〜RT4、RB(BB中のRB含む)の何れかに制御される。
【0038】
まず、
図6を参照して、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス(以下、ビッグボーナスをBBと称する)、レギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスをRBと称する)の2種類のボーナスが含まれる。BBは、RT0〜RT4において入賞ラインLNに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BBに入賞すると、後述のレギュラーボーナス(以下、RBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行する。そして、ビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。RBは、RT0〜RT4において入賞ラインLNに「BAR−BAR−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。RBに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。そして、レギュラーボーナスは、何れかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。
図10に示すように、BB、RBの何れかに当選してから入賞するまでは、内部中としてのRT4に制御され、BBまたはRB(まとめてボーナスと呼ぶ)が終了した後は、RT3に制御されることとなる。
【0039】
次に、
図7を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、上段ベル1、上段ベル2、上段ベル3、上段ベル4、上段ベル5、上段ベル6、上段ベル7、上段ベル8、中段ベル、右下がりベル、中段スイカ、右下がりスイカ、中段チェリー、角チェリーが含まれる。以下、上段ベル1、上段ベル2、上段ベル3、上段ベル4、上段ベル5、上段ベル6、上段ベル7、上段ベル8を区別する必要がない場合には、単に上段ベルと呼ぶ。
【0040】
次に、
図8を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、中段リプレイ、右上がりリプレイ、昇格リプレイ、特殊リプレイ、転落リプレイ、赤7リプレイ、青7リプレイが含まれる。
【0041】
次いで、
図9を参照して、移行出目について説明する。RT0、RT2、RT3において移行出目が入賞ラインLNに揃うとRT1に移行する。本実施形態では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、且つ上段ベルを取りこぼした場合に、移行出目が入賞ラインLNに揃う。
【0042】
次に、
図12〜
図16を参照して、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。本実施形態では、遊技状態が、RT1であるか、RT2であるか、RT3であるか、RT4であるか、RB(BB中RB含む)であるか、によって内部抽選の対象となる役またはその当選確率の少なくとも一方が異なる。なお、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。
図12〜
図16においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図12〜
図14においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときの抽選対象役となる旨を示し、×印は、当該遊技状態であるときの抽選対象役とならない旨を示している。また、○印の下に示す数値は、所定の設定値の判定値数(本実施形態では設定値に関わらず共通)を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、例えば、判定値数として「300」が設定されている抽選対象役の当選確率は、300/65536となる。また、
図12は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される特別役の組合せを示し、
図13及び
図14は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される小役の組合せを示し、
図14は、抽選対象役として読み出される再遊技役の組合せを示している。
【0043】
本実施形態では、押し順ベルが当選している場合には、
図17に示すように、押し順ベルの種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。押し順ベルの何れかが当選した場合には、押し順ベルの種類に応じた停止順で停止操作を行うことで、中段ベルが必ず入賞する一方で、押し順ベルの種類に応じた停止順以外の停止順で停止操作を行うことで、一定の割合で上段ベルが入賞するが、上段ベルが揃わず移行出目が停止することもある。このため、押し順ベルの当選時には、押し順ベルの種類に応じた停止順で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。
【0044】
本実施形態では、リプレイGR1〜6、GR11〜13、GR21〜26が当選している場合には、
図18に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。RT1において抽選対象となるリプレイGR1〜6の何れかが当選した場合には、その種類に応じた停止順で停止操作を行うことで、昇格リプレイが入賞してRT0へ移行する一方、その種類に応じた停止順以外の停止順で停止操作を行うことで、中段リプレイが入賞してRT1が維持される。また、RT0において抽選対象となるリプレイGR11〜13の何れかが当選した場合には、その種類に応じた停止順で停止操作を行うことで、特殊リプレイが入賞してRT2へ移行する一方、その種類に応じた停止順以外の停止順で停止操作を行うことで、転落リプレイが入賞してRT1へ移行する。また、RT2において抽選対象となるリプレイGR21〜23の何れかが当選した場合には、その種類に応じた停止順で停止操作を行うことで、中段リプレイまたは赤7リプレイが入賞してRT2が維持される一方、その種類に応じた停止順以外の停止順で停止操作を行うことで、転落リプレイが入賞してRT1へ移行する。また、RT2において抽選対象となるリプレイGR24〜26の何れかが当選した場合には、その種類に応じた停止順で停止操作を行うことで、中段リプレイまたは青7リプレイが入賞してRT2が維持される一方、その種類に応じた停止順以外の停止順で停止操作を行うことで、転落リプレイが入賞してRT1へ移行する。
【0045】
本実施形態では、
図10及び
図11に示すように、RT0〜RT4、ボーナス(RB、BB中のRB)の何れかに制御される。本実施形態では、RT0、RT1、RT3、RT4は、1ゲームあたりのメダルの払出率は100%未満となり、RT2、RB、BBは、1ゲームあたりのメダルの払出率は100%以上となる。RT0〜RT4、RB、BB(RB)のうち、RB及びBBが1ゲームあたりのメダルの払出率がもっとも高く、最も有利な遊技状態である。また、RT0〜RT4のうちRT0、RT2、RT4は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1、3に比較して高い点、特にRT0は、RT2へ移行可能となる点において、RT1、3よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、RT0、RT2、RT4のうちRT2は、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT0、RT4に比較して高い点において、RT0、RT4よりも遊技者にとって有利な状態といえる。
【0046】
また、本実施形態におけるスロットマシンでは、遊技状態がRT0〜2であるときに、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に制御可能となっている。
【0047】
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部91に対して押し順コマンドを送信することで、ナビ演出を実行させる。遊技状態に応じたナビ対象役とは、RT1であるときにはリプレイGR1〜6であり、RT0であるときにはリプレイGR11〜13であり、RT2であるときにはリプレイGR21〜26である。また、RT0〜2の何れにおいても、押し順ベルが共通のナビ対象役である。また、本実施形態においてメイン制御部41は、ATにもARTにも制御していない通常状態(RT1且つ非ATの状態)であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。
【0048】
本実施形態のナビ報知は、遊技補助表示器12の点灯態様を変化させることにより遊技者にとって有利な停止順を識別可能に報知する。なお、ナビ報知の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであっても良い。また、ナビ報知は、遊技補助表示器12、すなわちナビ報知以外の報知にも用いられる表示器によるものに限らず、専用の表示器を用いて実行するものでも良い。本実施形態のナビ演出は、ナビ報知により報知された遊技者にとって有利な停止順を、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって報知する。
【0049】
例えば、左中右の停止順を報知する場合には、「123」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声として、例えば、「左中右!」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。
【0050】
また、左リールを第1停止とする停止順を報知する場合には、「1−−」(左リールが第1停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声としては、例えば、「左!」(左リールが第1停止であることを示す)(左リールが第1停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。また、特に、RT2においてリプレイGR21〜26が当選し、赤7リプレイまたは青7リプレイが入賞する停止順を報知する場合には、上述の停止順画像に加え、各リールに赤7及び青7を狙ったタイミングでの停止操作を促す画像も表示され、そのタイミングでの停止操作が促されるようになっている。
【0051】
ナビ報知及びナビ演出では、RT1においてリプレイGR1〜6の何れかが当選したときには、昇格リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT0においてリプレイGR11〜13の何れかが当選したときには、特殊リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT2においてリプレイGR21〜23の何れかが当選したときには、中段リプレイまたは赤7リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT2においてリプレイGR24〜26の何れかが当選したときには、中段リプレイまたは青7リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。
【0052】
なお、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであっても良い。また、ナビ演出は、液晶表示器51、スピーカ53、54を用いたものに限らず、演出効果LED52、リールLED55等を用いて実行するものであっても良い。
【0053】
以上のように、ナビ報知及びナビ演出では、遊技者にとって有利となる停止順が識別可能に報知される。このため、遊技者は、ナビ演出に従った停止順で停止操作を行うことにより、意図的にRT1において昇格リプレイを入賞させること、中段ベルを入賞させることができ、RT0において特殊リプレイを入賞させること、中段ベルを入賞させること、転落リプレイの入賞を回避すること、移行出目の停止を回避することができ、RT2において中段ベルを入賞させること、転落リプレイの入賞を回避すること、移行出目の停止を回避することができる。
【0054】
本実施形態においてメイン制御部41は、抽選条件が成立した場合にART(RT2でATに制御される状態)に制御するか否かを決定する抽選を行う。また、メイン制御部41は、ART、BBまたはRBの終了時に、複数のゲーム数から規定ゲーム数を選択するとともに、ART、BBまたはRBの終了時からART、BB、RBの何れにも継続して制御されないゲーム数を計数する。規定ゲーム数は、1〜399ゲーム、600ゲームの何れかのゲーム数から選択される。
【0055】
そして、メイン制御部41は、ART抽選に当選し、前兆期間が終了すること、またはART、BBまたはRBの終了時からART、BB、RBの何れにも継続して制御されないゲーム数が規定ゲーム数に到達することでARTに制御する。
【0056】
なお、本実施形態では、ART、BBまたはRBの終了時からのゲーム数を計数し、規定ゲーム数に到達することでARTに制御する構成であるが、ART、BBまたはRBの終了時のうちの何れか一の契機からのゲーム数を計数し、規定ゲーム数に到達することでARTに制御する構成としても良い。また、ARTの終了契機として、ATが終了したときとしているが、AT終了後、押し順ベルを取りこぼして移行出目が停止するか、転落リプレイが入賞すること、すなわちRT2の終了を契機としてゲーム数の計数を開始する構成としても良い。
【0057】
ARTに制御する場合には、まずATに制御する。ATの制御を開始した後、RT2へ移行するまでの状態を準備状態とも呼ぶ。
【0058】
メイン制御部41は、準備状態において、ナビ対象役の当選時にナビ報知を実行する。この際、RT1においては、リプレイGR1〜6の当選時にナビ報知の対象となり、リプレイGR1〜6の当選時に昇格リプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより昇格リプレイを入賞させてRT1からRT0に移行させることが可能となる。また、準備状態に移行後は、RT0〜2のどの遊技状態であっても押し順ベルの当選時には中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となる。
【0059】
RT1において昇格リプレイが入賞し、RT0に移行した後は、リプレイGR11〜13当選時にナビ報知の対象となり、リプレイGR11〜13の当選時に特殊リプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより特殊リプレイを入賞させてRT0からRT2に移行させることが可能となるとともに、転落リプレイの入賞を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。また、前述のように押し順ベルの当選時には中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となるとともに、移行出目の停止を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。
【0060】
RT0において特殊リプレイが入賞し、RT2に移行した場合には、その後最初のリプレイGR21〜23の当選時、または最初のリプレイGR24〜26の当選時に、赤7リプレイを入賞させる停止順を報知するナビ報知または青7リプレイを入賞させる停止順を報知するナビ報知を実行するようになっており、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、赤7リプレイまたは青7リプレイを入賞させるとともに、転落リプレイの入賞を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。また、前述のように押し順ベルの当選時には中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となるとともに、移行出目の停止を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。
【0061】
メイン制御部41は、赤7リプレイまたは青7リプレイが入賞することで準備状態を終了し、ARTの制御を開始する。これに伴いメイン制御部41は、ARTのゲーム数を決定するARTゲーム数抽選を行い、ARTゲーム数抽選で当選したゲーム数を、RAM91cに割り当てられたARTの残りゲーム数として設定し、ARTの残りゲーム数の計数を開始する。
【0062】
ART開始後は、押し順ベルの当選時に中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となるとともに、移行出目の停止を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。また、リプレイGR21〜26の当選時に中段リプレイを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、転落リプレイの入賞を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。
【0063】
また、ART中においては、抽選条件が成立した場合にARTのゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行う。そして、上乗せ抽選に当選した場合には、ART開始時と同様にARTのゲーム数を決定するARTゲーム数抽選を行い、ARTゲーム数抽選で当選したゲーム数を、RAM91cに割り当てられたARTの残りゲーム数に加算する。
【0064】
また、ARTの開始後、1ゲーム消化する毎に残りゲーム数が1減算されるとともに、残りゲーム数が0となる前に特別役が当選した場合にはRT2の終了によりARTを中断し、これに伴いARTのゲーム数の計数も中断する。その後、当選した特別役の入賞を経て対応するボーナスに制御し、当該ボーナス終了後に移行するRT3において移行出目が停止してRT1に移行した時点でATの制御を再開し、これに伴い準備状態を経てRT2に再度移行することでARTを再開し、ARTの残りゲーム数の計数も再開する。
【0065】
また、ARTの開始後、残りゲーム数が0となった場合には、ATの制御を終了する。これに伴いナビ報知が実行されなくなるので、押し順ベルの当選時に移行出目の停止を回避すること、リプレイGR21〜26の当選時に転落リプレイの入賞を回避することが不可能となり、移行出目の停止または転落リプレイの入賞によりRT1に移行することで一連のAT及びARTの制御が終了することとなる。
【0066】
また、本実施形態においてメイン制御部41は、ART中のリプレイGR21〜26の当選時に、初回を除いて中段リプレイが入賞する停止順をナビ報知により報知するようになっており、報知された停止順を無視して停止操作を行った場合には、赤7リプレイまたは青7リプレイが入賞してRT2が維持される場合もあるが、転落リプレイが入賞してRT1へ移行してしまう場合もあるため、リプレイGR21〜26の当選時に、ナビ報知により報知された中段リプレイを入賞させる停止順での停止操作を促すことが可能となり、意味もなく赤7リプレイまたは青7リプレイが入賞することを防止できるようになっている。
【0067】
また、メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると乱数抽選により入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理が行われる(
図12〜
図14等参照)。内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から規定期間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L〜2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(
図15〜
図18等参照)。リール2L〜2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞等が発生したか否かを判定する入賞判定処理が行われる(
図6〜
図9等参照)。入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算が行われるとともに、入賞ライン上の図柄組合せに応じて遊技状態が移行される(
図10、
図11等参照)。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
【0068】
また、メイン制御部41は、内部抽選処理実行中において、ART抽選処理を行い、ATに当選、すなわち、ATゲーム数を付与したときには、ATに制御し、付与されたATゲーム数の間、ナビ報知及びナビ演出のための制御を行う。また、本実施形態のメイン制御部41は、内部抽選処理実行中において、特別役としてのボーナスに当選したときには、内部中としてのRT4に制御し、RT4においても所定のナビ開始ゲーム数の経過後からボーナスに入賞するまでナビ報知及びナビ演出のための制御を行う。
【0069】
次に、スロットマシン1で実行される各処理の内容について詳細に説明する。
【0070】
図19は、メイン制御部が実行するナビ制御処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。先ず、メイン制御部41は、ATに制御されているか否かを判定する(ステップS101)。メイン制御部41は、ATに制御されていない場合(ステップS101;No)、処理を終了し、ATに制御されている場合(ステップS101;Yes)、ナビ対象役(例えば、押し順ベル、押し順リプレイ)に内部当選したか否かを判定する(ステップS102)。メイン制御部41は、ナビ役に内部当選していない場合(ステップS102;No)、処理を終了し、ナビ役に内部当選した場合(ステップS102;Yes)、サブ背制御部91に対して押し順コマンドを送信し(ステップS103)、ナビ報知を行うナビ報知処理を実行し(ステップS104)、処理を終了する。
【0071】
図20は、サブ制御部が実行するナビ制御処理(サブ)の制御内容を示すフローチャートである。先ず、サブ制御部91は、押し順コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1001)。サブ制御部91は、押し順コマンドを受信していない場合(ステップS1001;No)、ステップS1001の処理を繰り返し、押し順コマンドを受信した場合(ステップS1001;Yes)、後述する
図22(A)、
図23(A)に示すナビ画像を液晶表示機51に表示するとともに、スピーカ53、54からナビ音声(例えば、「左!」、「中!」、「右!」等の音声)を出力するナビ演出を実行し(ステップS1002)、遊技者によってストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたか否かを判定する(ステップS1003)。
【0072】
図21は、サブ制御部が記憶する画像の一例を示す図である。
ここで、本実施形態のナビ画像には、
図21(A)に示す操作手順画像(操作態様画像)の一例としての数字画像511〜513と、
図21(B)に示す共通画像の一例としての装飾画像514と、
図21(C)に示す装飾破壊画像(装飾破壊映像)515とが用いられる。本実施形態の数字画像511〜513には、第1停止操作の正解押し順を報知するときに用いられる「1」の数字画像である第1数字画像(第1操作態様画像、第1操作手順画像)511と、第2停止操作の正解押し順を報知するときに用いられる「2」の数字画像である第2数字画像(第2操作態様画像、第2操作手順画像)512と、第3停止操作の正解押し順を報知するときに用いられる「3」の数字画像である第3数字画像(第3操作態様画像、第3操作手順画像)513とが含まれる。本実施形態の装飾画像514は、全ての数字画像511〜513を共通して装飾する楕円形状の画像である。本実施形態の装飾破壊画像515は、爆発した状態を示す画像である。
【0073】
本実施形態では、各画像511〜515の画像データは、サブ制御部91のRAM91cに記憶されており、サブ制御部91は、記憶された画像データを用いて液晶表示機51にナビ画像を表示する制御を行う。例えば、サブ制御部91は、
図21(C)に示すように、装飾画像514、装飾破壊画像515の順に表示した後に、装飾破壊画像515を非表示にする、すなわち、液晶表示器51の表示を消去することによって装飾画像514を消去する演出である共通演出を実行することが可能になっている。また、サブ制御部91は、例えば、後述する
図22(A)に示すように、各数字画像511〜513にそれぞれ共通画像514を合成した各合成画像を正解押し順のストップスイッチ8L、8C、8Rの位置に応じた配置で表示してナビ画像を表示することが可能となっている。
【0074】
また、サブ制御部91は、正解押し順を強調するために、各合成画像の拡大・縮小表示(所謂ズーム表示)が可能となっている。例えば、後述する
図22(A)に示すように、第1停止操作に対応する第1数字画像511の合成画像を最も大きく表示(最大表示)し、第3停止操作に対応する第3数字画像513の合成画像を最も小さく表示(最小表示)し、第2停止操作に対応する第2数字画像512の合成画像を各数字画像511、513の中間の大きさで表示(中間表示)することが可能となっている。
なお、本実施形態では、各画像511〜515は、静止画像によって構成されているが、例えば、動画像(静止画像の連続画像、映像)によって構成されていてもよい。
【0075】
図20に戻り、サブ制御部91は、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されていない場合(ステップS1003;No)、ステップS1003の処理を繰り返し、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作された場合(ステップS1003;Yes)、正解手順、すなわち、正解押し順であったか否かを判定する(ステップS1004)。サブ制御部91は、正解押し順であった場合(ステップ1004;Yes)、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応する操作手順画像(数字画像511〜513)を消去し(ステップS1005)、対応する共通画像(装飾画像514)の共通演出を実行して(装飾画像514、装飾破壊画像515の順に表示してから画像を非表示にして)共通画像の消去表示を行う(ステップS1006)。
【0076】
共通画像の消去表示後、サブ制御部91は、ナビ画像のズーム表示を更新するとともに、ナビ音声の出力を更新してナビ演出を更新し(ステップS1007)、全ての合成画像が消去されて操作手順のナビ、すなわち、押し順ナビを終了するか否かを判定する(ステップS1008)。ここで、ナビ画像のズーム表示の更新とは、残りの合成画像の表示の大きさを変更することをいう。本実施形態のサブ制御部91は、例えば、後述する
図22(C)、
図22(D)に示すように、第1数字画像511の合成画像の消去後に、第2数字画像512の合成画像を中間表示から最大表示に変更し、第3数字画像512の合成画像を最小表示から中間表示に変更する。また、サブ制御部91は、例えば、後述する
図22(F)、
図22(G)に示すように、第2数字画像512の合成画像の消去後に、第3数字画像512の合成画像を中間表示から最大表示に変更する。サブ制御部91は、押し順ナビを終了しない場合(ステップS1008;No)、ステップS1003の処理に戻る。
【0077】
一方、サブ制御部91は、正解押し順でなかった場合(ステップ1004;No)、ナビ画像のズーム表示を更新してナビ演出を更新する(ステップS1009)。具体的には、サブ制御部91は、後述する
図23(B)に示すように、全ての合成画像を中間表示に変更する。ナビ演出更新後、サブ制御部91は、ナビ画像の残りの操作手順画像を全て消去し(ステップS1010)、残りの共通画像の共通演出を同時実行して全ての共通画像の消去表示を行う(ステップS1011)。正解押し順で操作されて押し順ナビを終了する場合(ステップS1008)も含めて全ての共通画像の消去表示を行った後、サブ制御部91は、ナビ終了演出を実行し(ステップS1012)、処理を終了する。具体的には、サブ制御部91は、押し順に正解したときには、後述する
図22(J)に示す押し順正解のナビ終了演出516を実行し、押し順に不正解であったときには、後述する
図23(E)に示す押し順不正解のナビ終了演出517を実行し、処理を終了する。
【0078】
以上が、スロットマシン1で実行される各処理の内容についての説明である。
【0079】
次に、本実施形態に係るスロットマシン1の具体的な制御について説明する。
【0080】
図22は、ストップスイッチを正解押し順で操作したときのナビ演出の表示例を示す図であり、
図23は、ストップスイッチを不正解押し順で操作したときのナビ演出の表示例を示す図である。
本実施形態では、メイン制御部41は、AT制御時(例えば、ART、準備状態)や内部中においてナビ対象役に内部当選したときには、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部91に対して押し順コマンドを送信する。サブ制御部91は、押し順コマンドを受信したときには、ナビ音声をスピーカ53、54から音声出力しつつ
図22または
図23に示すナビ画像を液晶表示器51に表示してナビ演出を実行する。先ず、サブ制御部91は、
図22(A)、
図23(A)に示すように、第1数字画像511の合成画像を最大表示し、第2数字画像512の合成画像を中間表示し、第3数字画像513の合成画像を最小表示する。
【0081】
図22(A)に示す状態において、遊技者によって正解押し順の操作である左ストップスイッチ8Lの第1停止操作がなされた場合、サブ制御部91は、第1数字画像511を液晶表示器51から消去した後に(
図22(B)参照)、合成画像の残りの装飾画像514の装飾破壊画像515を表示し(
図22(C)参照)、装飾破壊画像515を液晶表示器51から消去する(
図22(D)参照)。合成画像消去後、サブ制御部91は、
図22(D)に示すように、第2数字画像512の合成画像を最大表示し、第3数字画像513の合成画像を中間表示する。
【0082】
また、
図22(D)に示す状態において、遊技者によって正解押し順の操作である中ストップスイッチ8Cの第2停止操作がなされた場合、サブ制御部91は、第2数字画像512を液晶表示器51から消去した後に(
図22(E)参照)、合成画像の残りの装飾画像514の装飾破壊画像515を表示し(
図22(F)参照)、装飾破壊画像515を液晶表示器51から消去する(
図22(G)参照)。合成画像消去後、サブ制御部91は、
図22(G)に示すように、第3数字画像512の合成画像を最大表示する。
【0083】
また、
図22(G)に示す状態において、遊技者によって正解押し順の操作である右ストップスイッチ8Rの第3停止操作がなされた場合、サブ制御部91は、第3数字画像513を液晶表示器51から消去した後に(
図22(H)参照)、合成画像の残りの装飾画像514の装飾破壊画像515を表示し(
図22(I)参照)、装飾破壊画像515を液晶表示器51から消去する(
図22(J)参照)。合成画像消去後、サブ制御部91は、
図22(J)に示すように、正解押し順のナビ終了画像516を液晶表示器51に表示する。なお、本実施形態の正解押し順のナビ終了画像516は、「成功!!!」の文字画像である。
【0084】
なお、
図23(A)に示す状態において、遊技者によって不正解押し順の操作である中ストップスイッチ8Cまたは右ストップスイッチ8Rの第1停止操作がなされた場合、サブ制御部91は、各合成画像を全て中間表示に変更した後に(
図23(B)参照)、全ての数字画像511〜513を液晶表示器51から消去し(
図23(C)参照)、各合成画像の残り全ての装飾画像514の装飾破壊画像515をそれぞれ表示し(
図23(D)参照)、全ての装飾破壊画像515を液晶表示器51から消去する(
図23(E)参照)。全ての合成画像消去後、サブ制御部91は、
図23(E)に示すように、不正解押し順のナビ終了演出517を実行する。なお、本実施形態の不正解押し順のナビ終了画像517は、「失敗…」の文字画像である。
【0085】
以上が、本実施形態に係るスロットマシン1の具体的な制御についての説明である。
【0086】
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、ナビ画像を表示するときに用いる各画像511〜515の画像データをRAM91cに記憶している。また、サブ制御部91は、正解押し順を報知するナビ演出を実行するときに、第1数字画像511と装飾画像514との合成画像と、第2数字画像512と装飾画像514との合成画像と、第3数字画像513と装飾画像514との合成画像とを表示する。そして、サブ制御部91は、遊技者によってストップスイッチが操作されて各合成画像を消去するときには、対応する数字画像511〜513を消去した後に、対応する装飾画像514の装飾破壊画像515を表示して装飾画像514の消去表示をする共通演出を実行する。
【0087】
図24は、従来のサブ制御部が記憶する画像の一例を示す図である。
このようにすることで、装飾画像513の消去表示を行わないスロットマシンよりも演出効果を向上できる。また、ナビ画像を表示するときに各数字画像511〜513を共通して装飾する装飾画像514の画像データが各数字画像511〜513の画像データとは別個に記憶されているので、
図24(A)に示すように、各数字画像と装飾画像との合成画像である第1数字装飾画像611と第2数字装飾画像612と第3数字装飾画像613との画像データをそれぞれ記憶する従来のスロットマシンよりも画像データを記憶するデータ容量の増大を低減できる。さらに、各合成画像の装飾画像を消去表示するときに表示する装飾破壊画像515の画像データが各画像511〜514の画像データとは別個に記憶されているので、
図24(B)に示すように、各数字装飾画像611〜613の消去表示を行う連続画像としての第1数字装飾破壊画像614と第2数字装飾破壊画像615と第3数字装飾破壊画像616との画像データをそれぞれ記憶する従来のスロットマシンよりも画像データを記憶するデータ容量の増大を低減できる。この結果、データ容量の増大を低減しつつ演出効果を向上できる。
【0088】
特に、本実施形態のスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作に応じて何れの合成画像の数字画像511〜513が消去された後であるかに関わらず同一の消去表示(装飾画像514、装飾破壊画像515の順に表示した後、画像消去)を行う。
このようにすることで、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作に応じて何れの合成画像の数字画像511〜513が消去された後であるかによって消去表示が異なるスロットマシンよりも消去表示のための画像データを記憶するデータ容量の増大を低減できる。
【0089】
また、本実施形態のスロットマシン1によれば、メイン制御部41は、報知条件としてのAT制御時(例えば、ART、準備状態)や内部中においてナビ対象役に内部当選したときに、サブ制御部91に対して押し順コマンドを送信し、AT制御時または内部中でないときやナビ対象役に内部当選していないときには、サブ制御部91に対して押し順コマンドを送信しないようになっている。
このようにすることで、メイン制御部41がナビ報知できないときにサブ制御部91が誤ってナビ演出を実行することを規制できる。
【0090】
図25、
図26は、サブ制御部が記憶する画像およびサブ制御部が実行するナビ演出の変更例を示す図である。
なお、本実施形態では、ナビ画像において各数字画像511〜513と装飾画像514との合成画像を表示したが、これに限定されず、例えば、文字画像と装飾画像との合成画像を表示してもよい。例えば、文字画像には、
図25(A)に示すように、チェリー等のレア役に内部当選時(特定条件成立時)に、内部当選した可能性を報知するチャンスナビ画像を表示するときに用いられる「!」の文字画像(特定画像)である第1文字画像518と、チャンスナビ画像表示決定時(特定条件成立時)に、ハズレを含むチャンスナビ画像を表示するときに用いられる「?」の文字画像(特定画像)である第2文字画像519とが含まれてもよい。すなわち、RAM91cに各文字画像518、519の画像データが記憶されていてもよい。
【0091】
また、本実施形態では、合成画像には楕円形状の装飾画像514が用いられたが、これに限定されず、複数種類の装飾画像(共通画像)が用いられてもよく、RAM91cに複数種類の装飾画像の画像データが記憶されていてもよい。例えば、複数種類の装飾画像には、
図25(B)に示すように、三角形状の装飾画像520や、四角形状の装飾画像521や、六角星形状の装飾画像522が含まれてもよい。この場合、装飾画像514、520〜522の種類に応じて、ナビ画像によって報知する遊技者に対して付与される有利度が異なるようにしてもよい。例えば、六角星形状の装飾画像522の有利度を最も高くし、三角形状の装飾画像520、四角形状の装飾画像521、楕円形状の装飾画像514の順に有利度を低くしてもよい。また、この場合、各装飾画像514、520〜522の消去表示には、装飾破壊画像515が共通して用いられてもよく、複数種類の装飾破壊画像の画像データをRAM91cに記憶し、例えば、有利度に応じて複数種類の装飾破壊画像が用いられてもよい。
【0092】
この結果、例えば、
図25(C)に示すレア役に内部当選したときのチャンスナビ画像において、第1文字画像517と三角形状の装飾画像520との合成画像を表示してもよい。また、例えば、
図25(D)に示すハズレも含むチャンスナビ画像において、第2文字画像518と四角形状の装飾画像521との合成画像を表示してもよい。これらの場合、チャンスナビ画像には押し順のナビ画像のように第1停止操作から第3停止操作までの優先順位がないので、全ての合成画像を中間表示としてもよい。
このようにすることで、表示された装飾画像514、520〜522の種類について遊技者が興味を抱くようになり、装飾画像の種類に関わらず遊技者に対して付与される有利度が同一となるスロットマシンよりも装飾画像514、520〜522の表示に遊技者が注意を払うように促すことができ、遊技の興趣が向上する。
また、このようにすることにより、レア役に内部当選したとき等の特定条件が成立したときにも、押し順役に内部当選したとき等の報知条件が成立したときにも用いる装飾画像514、520〜522を表示するので、特定条件が成立したときに装飾画像とは異なる画像を表示するスロットマシンよりも画像データを記憶するデータ容量の増大を低減できるだけでなく、演出効果も向上し、遊技の興趣が向上する。
【0093】
また、本実施形態では、ナビ画像において操作手順画像(操作態様画像)として数字画像511〜513が用いられているが、これに限定されず、他の操作手順画像を用いられてもよく、例えば、リール2L、2C、2Rに配置された図柄の画像である図柄画像が用いられてもよい。具体的には、図柄画像には、
図26(A)に示すように、報知条件の一例としての目押し役であるボーナスの内部当選時(内部中も含む)において、「赤7」のボーナス入賞のための目押しのタイミングを報知するときに用いられる「赤7」の目押し図柄画像523と、「青7」のボーナス入賞のための目押しのタイミングを報知するときに用いられる「青7」の目押し図柄画像524と、「白7」のボーナス入賞のための目押しのタイミングを報知するときに用いられる「白7」の目押し図柄画像525とが含まれてもよい。なお、このとき、各図柄画像523〜525は、
図26(A)に示すように、目押しのタイミングに図柄表示され且つ目押し以外のタイミングには図柄非表示となる点滅表示で目押しのタイミングを報知してもよい。また、例えば、操作手順を示す文字画像が用いられてもよい。具体的には、文字画像には、
図26(B)に示すように、報知条件の一例としての3択の押し順役の内部当選時において最初の押し順として不正解の押し順を報知するときに用いられる「Free」の文字画像526が含まれてもよい。よって、RAM91cには、これらの画像523〜526の画像データが記憶されていてもよい。
【0094】
この結果、例えば、
図26(C)に示す目押し役に内部当選したときのチャンスナビ画像において、「赤7」の目押し図柄画像523と六角星形状の装飾画像522との合成画像を表示してもよい。この場合、チャンスナビ画像には押し順のナビ画像のように第1停止操作から第3停止操作までの優先順位がないので、全ての合成画像を中間表示としてもよい。また、例えば、
図26(D)に示す3択のナビ画像において、第1数字画像511と装飾画像514との合成画像を1つ表示するとともに、文字画像526と楕円形状の装飾画像514との合成画像を2つ表示してもよい。この場合、3択のナビ画像には、6択のナビ画像のように、第2停止操作と第3停止操作との優先順位がないので、第1数字画像511と装飾画像514の合成画像のみ最大表示とし、他の2つの合成画像を中間表示としてもよい。
このようにすることで、6択のナビ画像についてだけでなく目押し役のナビ画像や3択のナビ画像についても同様に画像データを記憶するデータ容量の増大を低減できる。
なお、目押し役の目押しタイミングの報知ついてはボーナスに限定されず、例えば、チェリーやスイカ等についても目押しタイミングを報知してもよい。この場合、ボーナスの図柄画像523〜525と同様の図柄画像(「チェリー」や「スイカ」の図柄画像)を新たに設ける必要がある。
また、数字画像や文字画像については上記の例に限定されず、用途に応じた任意の画像に変更してもよい。
【0095】
[実施形態2]
上記実施形態1では、メイン制御部41がAT制御中にナビ報知を実行したが、その他にも、例えば、後述するフリーズ動作も行ってもよい。以下、遊技の進行を遅延させる遅延制御の一例としてのフリーズ動作の制御を行う実施形態2について説明する。
なお、本実施形態では、上記実施形態1と同様の構成及び処理となる部分についてはその詳細な説明を省略し、主として上記実施形態1とは異なる部分について説明する。
【0096】
図27は、実施形態2に係るメイン制御部が実行するフリーズ制御処理の制御内容を示すフローチャートである。先ず、メイン制御部41は、内部当選フラグに基づいて、フリーズ動作を行うか否かを抽選するフリーズ対象役(例えば、押し順ベル)に内部当選したか否かを判定する(ステップS201)。メイン制御部41は、フリーズ対象役に内部当選していない場合(ステップS201;No)、処理を終了し、フリーズ対象役に内部当選している場合(ステップS201;Yes)、AT制御中であるか否かを判定することにより、ナビ報知やナビ演出を実行したか否かを判定する(ステップS202)。メイン制御部41は、ナビ報知等を実行していない場合(ステップS202;No)、処理を終了し、ナビ報知等を実行した場合(ステップS202;Yes)、ナビ報知等が実行されたゲームが終了したか否かを判定する(ステップS203)。メイン制御部41は、ナビ報知等が実行されたゲームが終了していない場合(ステップS203;No)、ステップS203の処理を繰り返し、ナビ報知等が実行されたゲームが終了した場合した場合(ステップS203;Yes)、正解押し順であったか否かを判定する(ステップS204)。メイン制御部41は、正解押し順でなかった場合(ステップS204;No)、処理を終了し、正解押し順であった場合(ステップS204;Yes)、フリーズ動作を行い(ステップS205)、処理を終了する。
【0097】
また、本実施形態では、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、内部当選1コマンドと内部当選2コマンドとを含む複数種類のコマンドを送信する。
【0098】
内部当選1コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときであって、遊技状態コマンドまたはART状態コマンドの送信後に送信される。また、報知対象役の当選を特定可能な内部当選1コマンドは、後述のように当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な有利停止順も特定可能な第1の内部当選1コマンドと、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが有利停止順は特定不能な第2の内部当選1コマンドとからなり、ナビ報知が行われる状態であれば、第1の内部当選1コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、第2の内部当選1コマンドが送信される。
内部当選2コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、何れかのリールが停止した結果、後述の有利停止順か否かが確定したタイミングにおいて送信される。内部当選2コマンドは、後述のように当選した報知対象役の種類も有利停止順も特定可能なコマンドであり、ナビ報知が行われる状態であるか否かに関わらず、報知対象役が当選した場合には、有利停止順か否かが確定したタイミングにおいて送信される。
【0099】
本実施形態においてメイン制御部41は、スタートスイッチ7によるゲームの開始操作がされたタイミングで内部抽選の結果を特定可能な内部当選1コマンドをサブ制御部91に対して送信し、さらに内部抽選においてナビ報知の対象となる報知対象役(押し順ベル、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜26)が当選した場合には、遊技者にとって有利な有利停止順か否かが確定したタイミングにおいても内部抽選の結果を特定可能な内部当選2コマンドをサブ制御部91に対して送信することで、サブ制御部91は、内部当選1コマンド、内部当選2コマンドから特定される内部抽選の結果に応じた演出を行うことが可能とされている。
【0100】
メイン制御部41は、報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態(AT中、または非AT中でナビ報知が行われる場合)であれば、内部当選1コマンドとして、当選した報知対象役の種類も有利停止順も特定可能な第1の内部当選1コマンドをスタートスイッチ7によるゲームの開始操作がされたタイミングで送信し、ナビ報知が行われない状態(非AT中でナビ報知が行われない場合)であれば、内部当選1コマンドとして、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが有利停止順は特定不能な第2の内部当選1コマンドをスタートスイッチ7によるゲームの開始操作がされたタイミングで送信する。
なお、メイン制御部41は、内部抽選においてナビ報知の対象とならない非報知対象役が当選した場合には、有利停止順が変動するものではなく、ナビ報知が行われる状態か否かに関わらず、内部当選1コマンドとして、当選役の種類が特定可能な第2の内部当選1コマンドをスタートスイッチ7によるゲームの開始操作がされたタイミングで送信する。
【0101】
ここで、当選した報知対象役の種類も有利停止順も特定可能な第1の内部当選1コマンドとは、押し順役(押し順ベル、押し順リプレイ)が当選したこと、有利停止順を特定可能なコマンドである。また、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが有利停止順は特定不能な第2の内部当選1コマンドとは、押し順役が当選したことを特定可能であるが、有利停止順を特定不能なコマンドである。
【0102】
このように、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態であれば、内部当選1コマンドとして、当選した報知対象役の種類も有利停止順も特定可能な第1の内部当選1コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、内部当選1コマンドとして、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利停止順は特定不能な第2の内部当選1コマンドが送信されるため、サブ制御部91は、報知対象役が当選し、ナビ報知が行われる状態であれば、第1の内部当選1コマンドから特定される有利停止順を識別可能なナビ演出を実行することが可能となり、報知対象役が当選し、ナビ報知が行われない状態であれば、第2の内部当選1コマンドから特定される報知対象役の種類に応じて、特定の種類の報知対象役が当選した可能性を示唆する演出を実行することが可能となる。
【0103】
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して内部当選1コマンドを送信する際の制御内容について説明する。
【0104】
本実施形態では、ROM41bに当選役毎に報知対象役については第1の内部当選1コマンド及び第2の内部当選1コマンドが設定され、非報知対象役については第2の内部当選1コマンドが設定された内部当選コマンドテーブルが格納されている。また、内部当選コマンドテーブルにおいて報知対象役に対応する第2の内部当選1コマンドは、報知対象役の種類毎に一の第2の内部当選1コマンドが設定されている。
【0105】
そして、
図28に示すように、メイン制御部41は、内部抽選の後に実行する内部当選1コマンド設定処理において、内部抽選処理により設定された内部当選フラグを読み出し(ステップSa01)、ナビ報知を実行するか否かを判定し(ステップSa02)、ナビ報知を実行すると判定した場合(ステップSa02;Yes)、内部当選フラグに基づく当選役に対応して内部当選コマンドテーブルに第1の内部当選1コマンドが設定されているか否かを判定する(ステップSa03)。メイン制御部41は、第1の内部当選1コマンドが設定されている場合(ステップSa03;Yes)、すなわち当選役が報知対象役である場合には、当選役に対応する第1の内部当選1コマンドを内部当選コマンドテーブルから読み出してコマンドキューに設定する(ステップSa04)。一方、メイン制御部41は、第1の内部当選1コマンドが設定されていない場合(ステップSa03;No)、すなわち当選役が非報知対象役である場合には、当選役に対応する第2の内部当選1コマンドを内部当選コマンドテーブルから読み出してコマンドキューに設定し(ステップSa05)、処理を終了する。また、メイン制御部41は、ナビ報知を実行しないと判定した場合(ステップSa02;No)、内部当選フラグに基づく当選役に対応する第2の内部当選1コマンドを内部当選コマンドテーブルから読み出してコマンドキューに設定し(ステップSa05)、処理を終了する。なお、コマンドキューに設定された内部当選1コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に送信されることとなる。
【0106】
このようにすることで、メイン制御部41側でナビ報知を実行しない場合には、内部当選1コマンドから内部抽選の結果に応じた有利停止順がサブ制御部91によって特定されることがない。なお、本実施形態では、内部抽選処理の後に、内部当選フラグを読み出して内部当選1コマンドを設定する構成であるが、内部抽選において内部当選フラグを設定する際に、内部当選1コマンドを設定する構成としても良い。
【0107】
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して内部当選1コマンドを送信する際の制御内容の変形例1について説明する。
【0108】
図29に示すように、メイン制御部41は、内部抽選により設定された内部当選フラグを読み出し(ステップSb01)、読み出した内部当選フラグに基づく当選役が報知対象役か否かを判定する(ステップSb02)。メイン制御部41は、報知対象役である場合(ステップSb02;Yes)、ナビ報知を実行するか否かを判定し(ステップSb03)、ナビ報知を実行する場合(ステップSb03;Yes)、当選した報知対象役を個別に特定し(ステップSb04)、特定した報知対象役に対応する第1の内部当選1コマンドを内部当選コマンドテーブルから読み出してコマンドキューに設定し(ステップSb05)、処理を終了する。一方、メイン制御部41は、報知対象役でない場合(ステップSb02;No)、または、ナビ報知を実行しない場合(ステップSb03;No)、当選役に対応する第2の内部当選1コマンドを内部当選コマンドテーブルから読み出してコマンドキューに設定し(ステップSb06)、処理を終了する。
このようにすることで、変更例1は本実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0109】
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して内部当選1コマンドを送信する際の制御内容の変形例2について説明する。
【0110】
変形例2では、ROM41bに当選役毎に内部当選1コマンドが設定された内部当選コマンドテーブルが格納されている。また、内部抽選において報知対象役についてナビ報知が実行される場合には、1種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)について有利停止順が異なる抽選対象役(例えば、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)毎に個別に当選を判定するのに対して、ナビ報知が実行されない場合には、1種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)について有利停止順に関わらず、1種類の抽選対象役(例えば、押し順ベル)として一括して当選を判定するようになっており、ナビ報知が実行される場合には、1種類の報知対象役について有利停止順が異なる複数種類の抽選対象役の何れかが当選した場合、それぞれ異なる値の内部当選フラグを設定するのに対して、ナビ報知が実行されない場合には、1種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)に対応する1種類の抽選対象役(例えば、押し順ベル)が当選した場合、報知対象役の種類が同じであってもナビ報知が実行される場合に設定される内部当選フラグとは異なる値の内部当選フラグを設定するようになっており、内部当選コマンドテーブルにも、1種類の報知対象役について有利停止順が異なる複数種類の抽選対象役の何れかが当選した場合に設定される内部当選フラグ、1種類の報知対象役に対応する1種類の抽選対象役が当選した場合に設定される内部当選フラグ、それぞれに対応して異なる内部当選1コマンドが設定されている。
【0111】
そして、
図30に示すように、メイン制御部41は、内部抽選処理において、ナビ報知を実行するか否かを判定し(ステップSc01)、ナビ報知を実行する場合(ステップSc01;Yes)、1種類の報知対象役について有利停止順が異なる抽選対象役毎に個別に当選を判定する個別抽選を行う(ステップSc02)。個別抽選においては、
図31(A)に示すように、1種類の報知対象役について、当該種類の報知対象役を構成する抽選対象役毎に内部抽選用乱数値が当選範囲となるか否か(詳しくは、加算値がオーバーフローするか否か)判定し、内部抽選用乱数値が当選範囲内となる抽選対象役の当選を判定し、当該種類の報知対象役を構成する抽選対象役のうち当選した抽選対象役に対応する内部当選フラグを設定する。また、メイン制御部41は、ナビ報知を実行しない場合(ステップSc01;No)、1種類の報知対象役について有利停止順に関わらず、1種類の抽選対象役として一括して当選を判定する一括抽選を行う(ステップSc03)。一括抽選においては、
図31(B)に示すように、1種類の報知対象役について、当該種類の報知対象役をまとめた抽選対象役について内部抽選用乱数値が当選範囲となるか否か判定し、内部抽選用乱数値が当選範囲内となる場合に、当該種類の報知対象役の当選を判定し、当該種類の報知対象役に対応する内部当選フラグを設定する。なお、報知対象役以外は、通常通りに当選の有無が判定されることとなる。そして、各抽選において設定された内部当選フラグに対応する内部当選1コマンドを内部当選コマンドテーブルから読み出してコマンドキューに設定し(ステップSc04)、処理を終了する。なお、特に図示しないが、ナビ報知が実行されない場合に、報知対象役が当選した場合には、内部抽選の後、有利停止順を複数種類の停止順から選択する停止順選択抽選を行い、その結果に応じて有利停止順が変化するようになっている。
このようにすることで、変更例1は本実施形態と同様の作用効果を奏する。なお、変形例2では、内部抽選において内部当選フラグを設定する際に、内部当選1コマンドを設定する構成であるが、内部抽選の後に、内部当選フラグを読み出して内部当選フラグを設定する構成としても良い。
【0112】
また、メイン制御部41は、報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態か否かに関わらず、当選した報知対象役の種類も有利停止順も特定可能な内部当選2コマンドを、当選した報知対象役の有利停止順か否かが確定したタイミングで送信する。ここで、当選した報知対象役の種類も有利停止順も特定可能な内部当選2コマンドとは、第1の内部当選1コマンドと同様のコマンドである。また、当選した報知対象役の有利停止順か否かが確定したタイミングとは、例えば、一部のリールの停止操作がされることで、未だ変動中のリールの停止順に関わらず、有利停止順の成立、不成立が決まるものであれば、一部のリールの停止操作がされることであり、例えば、第1停止リールの停止操作がされた時点で、その後の停止順に関わらず、有利停止順の成立、不成立が決まる場合(左ベル等の当選時において、左リールを第1停止とすることで有利停止順が成立し、中リール、右リールを第1停止とすることで有利停止順が不成立となる場合)には、有利停止順か否かが確定したタイミングとは、第1停止リールの停止操作がされたタイミングである。
【0113】
このように、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態であれば、第1の内部当選1コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、第2の内部当選1コマンドが送信されるとともに、その後、ナビ報知が行われる状態か否かに関わらず、内部当選2コマンドが当選した報知対象役の有利停止順か否かが確定したタイミングで送信されるため、サブ制御部91は、報知対象役が当選し、ナビ報知が行われない状態において、第2の内部当選1コマンドから特定される報知対象役の種類に応じて、特定の種類の報知対象役が当選した可能性を示唆する演出を実行することが可能となり、さらに全リールが停止する前の段階であっても、当選した報知対象役の有利停止順か否かが確定したタイミング以降であれば、内部当選2コマンドから特定される有利停止順が成立したことを示唆する演出、または有利停止順が成立しなかったことを示唆する演出の実行が可能となる。
【0114】
例えば、押し順ベルが当選した場合において、
図32(A)に示すように、ゲームの開始操作がされたタイミングで送信された第2の内部当選1コマンドから特定される報知対象役の種類に基づいて、中段ベルが入賞する可能性(図中黄)と、何れの役も入賞しない可能性(図中白)と、を示唆する小役報知を実行し、第1停止リールの停止操作がされ、押し順ベルの有利停止順か否かが確定したタイミングで送信された内部当選2コマンドから特定される有利停止順に基づいて、有利停止順が確定し、中段ベルが入賞することが確定した場合には、
図32(B)に示すように、中段ベルが入賞する可能性(図中黄)のみを示唆する小役報知に切り替えることで、中段ベルが入賞する可能性を示唆することができる。一方、有利停止順でないことが確定し、中段ベルが入賞しないことが確定した場合には、
図32(C)に示すように、何れの役も入賞しない可能性(図中白)のみを示唆する小役報知に切り替えることで、何れの役も入賞しない可能性を示唆できる。
【0115】
また、上記のような小役報知だけでなく、例えば、ARTに当選していない場合でも、リプレイGR1〜6の当選時に、昇格リプレイが入賞することを条件に、ARTに制御させることが可能な状況、すなわち有利停止順に正解すれば遊技者にとって有利となる状況において、ゲームの開始操作がされたタイミングで送信された第2の内部当選1コマンドから特定される報知対象役の種類に基づいて、遊技者に対して停止順を選択することを促すとともに、遊技者にとって有利となる可能性を示唆する演出を実行し、第2停止リールの停止操作がされ、押し順ベルの有利停止順か否かが確定したタイミングで送信された内部当選2コマンドから特定される有利停止順に基づいて、有利停止順が確定し、昇格リプレイが入賞することが確定した場合に、昇格リプレイが入賞すること、すなわち遊技者にとって有利となることが確定したことを示唆する演出(例えば、確定音の出力等)を実行することで、昇格リプレイが入賞する前の段階においても、昇格リプレイが入賞すること、すなわち遊技者にとって有利となることを示唆することができる。
このように、全リールが停止する前の段階であっても、当選した報知対象役の有利停止順か否かが確定したタイミング以降であれば、内部当選2コマンドから特定される有利停止順に基づいて全リール停止時点の停止態様と矛盾しない演出を行うことができる。
【0116】
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して内部当選2コマンドを送信する際の制御内容について説明する。
【0117】
図33に示すように、メイン制御部41は、停止操作される毎に実行する内部当選2コマンド設定処理において、内部抽選により設定された内部当選フラグを読み出し(ステップSa11)、読み出した内部当選フラグに基づく当選役に対応して内部当選コマンドテーブルに第1の内部当選1コマンドが設定されているか否かを判定する(ステップSa12)。メイン制御部41は、内部当選1コマンドが設定されている場合(ステップSa12;Yes)、すなわち当選役が報知対象役である場合には、有利停止順が確定したか否かを判定する(ステップSa13)。メイン制御部41は、有利停止順が確定したと判定された場合(ステップSa13;Yes)、当選役に対応する第1の内部当選1コマンドの拡張データを内部当選コマンドテーブルから読み出して、内部当選2コマンドを示す種類データと組み合わせた内部当選2コマンドとしてコマンドキューに設定し(ステップSa14)、処理を終了する。一方、メイン制御部41は、第1の内部当選1コマンドが設定されていない場合(ステップSa12;No)、すなわち当選役が非報知対象役である場合、または、有利停止順が確定していないと判定された場合(ステップSa13;No)、内部当選2コマンドを設定せずに処理を終了する。なお、本実施形態では、第1の内部当選1コマンドと、内部当選2コマンドとによって拡張データを共用する構成であるが、第1の内部当選1コマンドと、内部当選2コマンドとによって拡張データを含め、異なる構成としても良い。
【0118】
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して内部当選2コマンドを送信する際の制御内容の変形例1について説明する。なお、当該変形例1は、メイン制御部41がサブ制御部91に対して内部当選1コマンドを送信する際の制御内容の変形例1に対応するものである。
【0119】
図34に示すように、メイン制御部41は、内部抽選により設定された内部当選フラグを読み出し(ステップSb11)、読み出した内部当選フラグに基づく当選役が報知対象役か否かを判定する(ステップSb12)。メイン制御部41は、報知対象役である場合(ステップSb12;Yes)、当選した報知対象役を個別に特定し(ステップSb13)、有利停止順が確定したか否かを判定する(ステップSb14)。メイン制御部41は、有利停止順が確定した場合(ステップSb14;Yes)、当選役に対応する第1の内部当選1コマンドの拡張データを内部当選コマンドテーブルから読み出して、内部当選2コマンドを示す種類データと組み合わせた内部当選2コマンドとしてコマンドキューに設定し(ステップSb15)、処理を終了する。一方、メイン制御部41は、報知対象役でない場合(ステップSb12;No)、または、有利停止順が確定していない場合(ステップSb14;No)、内部当選2コマンドを設定せずに処理を終了する。なお、コマンドキューに設定された内部当選2コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に送信されることとなる。
【0120】
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して内部当選2コマンドを送信する際の制御内容の変形例2について説明する。なお、当該変形例2は、メイン制御部41がサブ制御部91に対して内部当選1コマンドを送信する際の制御内容の変形例2に対応するものである。
【0121】
変形例2では、内部抽選においてナビ報知が実行されない場合には、1種類の報知対象役について有利停止順に関わらず、1種類の抽選対象役として一括して当選を判定する一括抽選を行い、当選役に対応する内部当選1コマンドがサブ制御部91に対して送信される。また、ナビ報知が実行されない場合に、報知対象役が当選した場合には、内部抽選の後、有利停止順を複数種類の停止順から選択する停止順選択抽選を行い、その結果に応じて有利停止順が変化するようになっている。そして、メイン制御部41は、停止操作がされる毎に実行する内部当選2コマンド設定処理において、内部抽選により設定された内部当選フラグを読み出し、当選役が報知対象役か否かを判定する。さらにナビ報知を実行したか否かを判定し、当選役が報知対象役であり、ナビ報知を実行していない場合には、有利停止順が確定したか否かを判定し、有利停止順が確定している場合には、停止順選択抽選において選択された有利停止順を特定可能な内部当選2コマンドをコマンドキューに設定する。
【0122】
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン1によれば、メイン制御部41は、フリーズ対象役の内部当選フラグと、ナビ報知等の実行の有無と、フリーズ対象役の正解の操作手順と実際の操作手順との比較に基づいてフリーズ動作を行うか否かを判定している。具体的には、メイン制御部41は、フリーズ対象役に内部当選したときには、ナビ報知等が実行され、且つ、正解押し順でフリーズ対象役に入賞したときにフリーズ動作を行っている。すなわち、メイン制御部41は、フリーズ対象役である押し順ナビの正解押し順と、実際に遊技者によって操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順とを比較した比較結果に基づいてフリーズ動作を行うか否かを判定している。
このようにすることで、フリーズ対象役内部当選時の正解押し順と、実際に遊技者によって操作されたストップスイッチの押し順とを比較した比較結果に基づいてフリーズ動作を行うか否かを判定しないスロットマシンよりも意図しないフリーズ動作が行われることを低減できる。また、フリーズ対象役の内部当選フラグと、フリーズ対象役の正解の操作手順と実際の操作手順との比較結果とに基づいてフリーズ動作を行い、ナビ報知等を実行したかに関わらずフリーズ動作を行う可能性がある従来のスロットマシンよりも意図しないフリーズ動作が行われることを低減できる。
【0123】
また、本実施形態では、メイン制御部41が内部抽選の結果を特定可能な内部当選1コマンドをサブ制御部91に対して送信することで、サブ制御部91が内部抽選の結果を特定し、ATに制御されている場合には、特定した内部抽選の結果に基づいて有利停止順を報知するようになっている。このような構成において、内部抽選の結果を示すコマンドは、ATに制御されているか否かに関わらず、サブ制御部91に対して送信され、内部抽選の結果が全て特定可能となる構成とすると、サブ制御部91側に不正がなされることで、メイン制御部41側でATに制御する旨が決定されていないにも関わらず、内部当選1コマンドから内部抽選の結果に応じた有利停止順が特定され、ATに制御されていないにも関わらず、有利停止順が報知されてしまう可能性があった。
【0124】
これに対して、本実施形態では、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態であれば、当選した報知対象役の種類も有利停止順も特定可能な第1の内部当選1コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが有利停止順は特定不能な第2の内部当選1コマンドが送信されるので、メイン制御部41側でナビ報知が実行されない場合には、内部当選1コマンドから内部抽選の結果に応じた有利停止順が特定されることはないため、サブ制御部91側に不正がなされてもナビ報知が実行されている状態以外で有利な操作順が報知されてしまうことを防止できる。
【0125】
また、本実施形態では、押し順ベルの当選時において、押し順ベルの種類に対応する停止順で停止操作がされた場合に、遊技者にとって相対的に有利となる中段ベルを入賞させる制御が行われ、押し順ベルの種類に対応する停止順以外の停止順で停止操作がされた場合に、中段ベルを入賞させない制御が行われるとともに、共通ベルの当選時においては、停止順に関わらず、中段ベルを入賞させることが可能な制御が行われるようになっている。そして、押し順ベルの当選時においては、ナビ報知が行われる状態であれば、押し順ベルが当選したことも有利停止順、すなわち中段ベルを入賞させる停止順も特定可能な第1の内部当選1コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、押し順ベルが当選したことは特定可能であるが有利停止順は特定不能な第2の内部当選1コマンドが送信される一方で、押し順ベルと同じく、中段ベルの入賞が許容され、且つ何れの停止順であっても中段ベルを入賞させることが可能となる共通ベルの当選時には、ナビ報知が実行されるか否かに関わらず、押し順ベルに対応する第1の内部当選1コマンド及び押し順ベルに対応する第2の内部当選1コマンドとは異なる内部当選1コマンドであって、共通ベルが当選したことが特定できる共通ベルに対応する第2の内部当選1コマンドが送信されるので、サブ制御部91側で、中段ベルが入賞可能な状況において、押し順ベルに対応した停止順で操作されなければ中段ベルが入賞可能とならないのか、停止順に関わらず中段ベルが入賞可能となるかを特定することができる。特に、停止順に関わらず中段ベルが入賞可能となることが特定された場合には、停止順に関わらず中段ベルが入賞可能となる可能性を示唆する演出を行うことも可能となる。
【0126】
また、本実施形態では、共通ベルが遊技者にとって有利なBBへの移行を伴うBB、遊技者にとって有利なRBへの移行を伴うRBと同時に当選する可能性のある抽選対象役であり、中段ベルが入賞することでBBやRBに当選している可能性が示唆されることとなるため、サブ制御部91側で、共通ベルに対応する内部当選1コマンドにより、BBやRBの当選可能性が示唆される中段ベルの入賞が当選していることを特定可能となるため、このような状況においてBBやRBの当選を期待させる演出を行うことも可能となる。
【0127】
なお、本実施形態では、押し順ベルの当選時においては、ナビ報知が行われる状態であれば、押し順ベルが当選したことも有利停止順、すなわち中段ベルを入賞させる停止順も特定可能な第1の内部当選1コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、押し順ベルが当選したことは特定可能であるが有利停止順は特定不能な第2の内部当選1コマンドが送信される一方で、押し順ベルと同じく、中段ベルの入賞が許容され、且つ何れの停止順であっても中段ベルを入賞させることが可能となる共通ベルの当選時には、ナビ報知が実行されるか否かに関わらず、押し順ベルに対応する第1の内部当選1コマンド及び押し順ベルに対応する第2の内部当選1コマンドとは異なる内部当選1コマンドであって、共通ベルが当選したことが特定できる共通ベルに対応する第2の内部当選1コマンドが送信される構成であるが、報知対象役の当選時においては、ナビ報知が行われる状態であれば、報知対象役が当選したことも遊技者にとって有利な操作手順も特定可能な第1の内部当選1コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、報知対象役が当選したことは特定可能であるが遊技者にとって有利な操作手順は特定不能な第2の内部当選1コマンドが送信される一方で、報知対象役と同じく、有利表示結果の導出が許容され、且つ何れの操作手順であっても有利表示結果を導出させることが可能となる特定の抽選結果となった場合には、ナビ報知が実行されるか否かに関わらず、報知対象役に対応する第1の内部当選1コマンド及び報知対象役に対応する第2の内部当選1コマンドとは異なる内部当選1コマンドであって、特定の抽選結果となったことが特定できる第2の内部当選1コマンドが送信される構成とした場合でも、上記と同様にサブ制御部91側で、有利表示結果が導出可能な状況において、報知対象役に対応した操作手順で操作されなければ有利表示結果が導出可能とならないのか、操作手順に関わらず有利表示結果が導出可能となるかを特定することができる。
【0128】
また、このような構成においても、特定の抽選結果が遊技者にとって有利なBBへの移行を伴うBBやRBと同時に当選する可能性のある抽選結果であることが好ましく、このようにすることで、昇格リプレイ等の有利表示結果が導出されることでBBやRBに当選している可能性が示唆されることとなるため、サブ制御部91側で、特定の抽選結果に対応する内部当選1コマンドにより、BBやRBの当選可能性が示唆される有利表示結果の導出が許容されていることを特定可能となるため、このような状況においてBBやRBの当選を期待させる演出を行うことも可能となる。
【0129】
なお、本実施形態では、報知対象役の当選時に遊技者にとって有利となる操作手順として停止順を適用しているが、複数の異なる操作タイミングのうち何れかの操作タイミングで操作する操作手順、複数の停止順のうち何れかの停止順で操作する操作手順、これらの組合せによる操作手順を遊技者にとって有利となる操作手順として適用しても良い。
【0130】
また、本実施形態では、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態であれば、当選した報知対象役の種類も有利停止順も特定可能な第1の内部当選1コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが有利停止順は特定不能な第2の内部当選1コマンドが送信されることで、メイン制御部41側でナビ報知が実行されない場合には、内部当選1コマンドから内部抽選の結果に応じた有利停止順が特定されることのない構成であるが、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態か否かに関わらず、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが有利停止順は特定不能な内部当選1コマンドを送信し、ナビ報知が行われる状態であれば、さらに当選した報知対象役の種類に応じて有利停止順を特定可能な有利手順コマンドを内部当選1コマンドとは別個に送信する一方、ナビ報知が行われない状態であれば、有利手順コマンドを送信しないようにすることで、メイン制御部41側でナビ報知が実行されない場合には、コマンドから内部抽選の結果に応じた有利停止順が特定されることのない構成としても良い。
【0131】
また、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態であれば、当選した報知対象役の種類も有利停止順も特定可能な内部当選1コマンドを送信し、ナビ報知が行われない状態であれば、内部当選1コマンドを送信しないことにより、メイン制御部41側でナビ報知が実行されない場合には、コマンドから内部抽選の結果に応じた有利停止順が特定されることのない構成としても良い。
【0132】
また、本実施形態では、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態であれば、有利な操作手順が複数手順からなる場合(例えば、リプレイGR1〜6において、第1停止リールが正解となる順番であり、且つ第2停止リールも正解となる順番である操作手順)に、複数手順の全てについて報知され、その際に送信される第1の内部当選1コマンドから複数手順の全てについて特定可能となる構成であるが、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、複数手順からなる有利な操作手順のうち一部の操作手順のみ報知する一部ナビ報知を行う場合(例えば、正解となる第1停止リールのみ報知する場合、有利な操作手順が特定の停止順、且つ特定のタイミングである場合に、停止順またはタイミングのみ報知する場合等)に、一部ナビ報知により報知される有利な操作手順の一部のみが特定可能となる内部当選1コマンドを送信する構成としても良く、このような構成とすることで、本来であれば、有利な操作手順の一部のみが報知される状態において、内部当選1コマンドから内部抽選の結果に応じた有利な操作手順の全てが特定されることはないため、サブ制御部91側に不正がなされても有利な操作手順の全てが報知されるナビ報知が実行されている状態以外で有利な操作手順の全てが報知されてしまうことを防止できる。
【0133】
また、本実施形態では、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態であれば、当選した報知対象役の種類も有利停止順も特定可能な第1の内部当選1コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが有利停止順は特定不能な第2の内部当選1コマンドが送信される構成であるが、このような構成では、ナビ報知が行われない場合に、報知対象役の種類を特定可能な内部当選2コマンドが送信されても一切有利停止順が特定できないと、実施可能な演出が制限されるため、興趣が低下してしまうという問題が生じることとなる。
【0134】
これに対して本実施形態では、ナビ報知が行われない状態において報知対象役が当選したときでも、第2の内部当選1コマンドが送信された後、有利停止順か否かが確定したタイミング、すなわち有利停止順か否かがサブ制御部91側で特定されても遊技者にとっての有利度に影響しないタイミングで有利停止順を特定可能な内部当選2コマンドがサブ制御部91に対して送信されるので、サブ制御部91側に不正がなされてもナビ報知が行われる状態以外で、且つ遊技者にとっての有利度に影響し得る状況で有利停止順が報知されてしまうことを防止しつつ、サブ制御部91側で有利停止順に応じた演出を行うことが可能となるため、演出による興趣を高めることができる。
【0135】
また、本実施形態では、ナビ報知が行われる状態において報知対象役が当選したとき、すなわち有利停止順を特定可能な第1の内部当選1コマンドが送信されているときでも、第1の内部当選1コマンドが送信された後、有利停止順か否かが確定したタイミングで有利停止順を特定可能な内部当選2コマンドがサブ制御部91に対して送信されるので、ナビ報知が行われる状態か否かに関わらず、メイン制御部41が内部当選2コマンドを送信する際の制御を変更せずに済むため、制御内容を簡素化できる。
【0136】
また、本実施形態では、有利停止順を特定可能な内部当選2コマンドとして、有利停止順で停止操作がされた場合でも、有利停止順以外の停止順で停止操作がされた場合でも、共通の内部当選2コマンド、すなわち、内部抽選により決定された有利停止順を特定可能なコマンドを送信するようになっており、遊技者により操作された停止順が有利停止順であっても、有利停止順以外の停止順であっても共通の内部当選2コマンドを送信すれば良いので、制御内容を簡素化できる。
【0137】
また、本実施形態では、報知対象役の当選時において、一部のリールの停止操作がされることで、未だ変動中のリールの停止順に関わらず、有利停止順の成立、不成立が決まることにより、未だ変動中のリールが残っていても、当選した報知対象役の有利停止順か否かが確定するとともに、未だ変動中のリールが残っていても、有利停止順か否かが確定したタイミングで内部当選2コマンドが送信されるので、サブ制御部91側に不正がなされても報知状態以外で、且つ遊技者にとっての有利度に影響し得る状況で有利停止順が報知されてしまうことを防止しつつ、未だ変動中のリールが残っている状況であっても、サブ制御部91側で有利停止順に応じた演出を行うことが可能となる。
【0138】
なお、本実施形態では、報知対象役の当選時に遊技者にとって有利となる有利操作手順として停止順を適用しているが、複数の異なる操作タイミングのうち何れかの操作タイミングで操作する操作手順、複数の停止順のうち何れかの停止順で操作する操作手順、これらの組合せによる操作手順を有利操作手順として適用するものであれば良い。
【0139】
また、本実施形態では、報知対象役の当選時において、一部のリールの停止操作がされることで、未だ変動中のリールの操作手順に関わらず、有利操作手順の成立、不成立が決まることにより、未だ変動中のリールが残っていても、当選した報知対象役の有利操作手順か否かが確定する構成であるが、全てのリールの停止操作がされるまで、有利操作手順の成立、不成立が確定しない構成、例えば、有利操作手順が、全てのリールが特定の操作タイミングで操作される操作手順である構成、有利操作手順が、最終停止リールが特定の操作タイミングで操作される操作手順である構成であっても良く、このような構成であれば、有利操作手順か否かが確定したタイミングは、全てのリールの停止操作がされたタイミングとなる。
【0140】
また、本実施形態では、未だ変動中のリールが残っていても、当選した報知対象役の有利操作手順か否かが確定する構成として、報知対象役の当選時において、一部のリールの停止操作がされることで、未だ変動中のリールの停止順に関わらず、有利停止順の成立、不成立が決まることにより、未だ変動中のリールが残っていても、当選した報知対象役の有利停止順か否かが確定する構成を適用しているが、例えば、有利操作手順が、特定のリールの停止操作が特定のタイミングでされた場合に、他のリールの停止操作のタイミングや停止順に関わらず成立する操作手順であれば、特定のリールの停止操作が特定のタイミングでされることで、当選した報知対象役の有利操作手順か否かが確定する構成を適用しても良い。
【0141】
また、本実施形態では、
図35(A)に示すように、ナビ報知が行われない状態において報知対象役が当選したときに、第2の内部当選1コマンドが送信された後、有利操作手順か否かが確定したタイミングで、有利操作手順を特定可能な内部当選2コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であるが、例えば、ナビ報知が行われない状態において報知対象役が当選したときに、第2の内部当選1コマンドが送信された後、第3停止操作がされたタイミング、すなわち全リールが停止するタイミングで内部当選2コマンドを送信する構成等、ナビ報知が行われない状態において報知対象役が当選したときに、第2の内部当選1コマンドが送信された後、少なくとも有利操作手順か否かが確定したタイミング以降のタイミングで、内部当選2コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であれば、サブ制御部91側に不正がなされてもナビ報知が行われる状態以外で、且つ遊技者にとっての有利度に影響し得る状況で有利操作手順が報知されてしまうことを防止しつつ、サブ制御部91側で有利操作手順に応じた演出を行うことが可能となるため、演出による興趣を高めることができる。
【0142】
また、本実施形態では、内部当選2コマンドが、有利操作手順か否かが確定したタイミング、すなわち有利操作手順か否かが確定する停止操作がされたタイミングで送信される構成であるが、有利操作手順か否かが確定する停止操作が解除されたタイミング、すなわち該当するストップスイッチを離したタイミングで送信される構成でも良い。
【0143】
また、本実施形態では、内部当選2コマンドが、有利操作手順か否かが確定したタイミングのみ送信される構成であるが、有利操作手順か否かが確定したタイミング以降の複数のタイミングのうち何れかのタイミングで送信される構成、さらには、内部当選2コマンドの送信タイミングが抽選結果、報知対象役の種類等に応じて変化する構成としても良い。
【0144】
また、内部当選2コマンドが有利操作手順か否かが確定したタイミング以降の複数のタイミングで送信される構成としても良い。例えば、停止操作がされる毎に、内部当選2コマンドを送信するようにしても良い。このような構成において、押し順ベル等、第1停止操作で有利操作手順か否かが確定するものと、リプレイGR1〜6のように第2停止操作まで有利操作手順か否かが確定しないものと、が混在する場合には、有利操作手順か否かが確定していないタイミングでは、有利操作手順か否かが確定していない旨のコマンドを送信し、有利操作手順か否かが確定したタイミング以降のタイミングでは、有利操作手順を特定可能なコマンドを送信することで、停止操作がされる毎に、一律に何れかのコマンドを送信する構成としても良い。
【0145】
また、本実施形態では、ナビ報知が行われる状態において報知対象役が当選したとき、すなわち有利操作手順を特定可能な第1の内部当選1コマンドが送信されているときでも、第1の内部当選1コマンドが送信された後、有利操作手順か否かが確定したタイミングで有利操作手順を特定可能な内部当選2コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であるが、ナビ報知が行われない状態において報知対象役が当選したときのみ、第2の内部当選1コマンドが送信された後、有利操作手順か否かが確定したタイミング以降のタイミングで有利操作手順を特定可能な内部当選2コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成としても良い。
【0146】
また、本実施形態では、報知対象役が当選したときのみ、有利操作手順を特定可能な内部当選2コマンドが送信される構成であるが、報知対象役が当選していないときにも、内部当選2コマンドを送信する構成としても良く、この場合には、内部当選1コマンドと同内容のコマンドを送信すれば良い。
【0147】
また、本実施形態では、有利操作手順を特定可能な内部当選2コマンドとして、有利操作手順で停止操作がされた場合でも、有利操作手順以外の操作手順で停止操作がされた場合でも、共通の内部当選2コマンド、すなわち内部抽選により決定された有利操作手順を特定可能なコマンドを送信する構成であるが、少なくとも有利操作手順か否かが確定したタイミング以降のタイミングで、当選した報知対象役の有利操作手順を特定可能なコマンドを送信する構成であれば良く、例えば、遊技者が操作した停止順が有利停止順と一致するか否かを特定可能なコマンドを送信することで、サブ制御部91側で、コマンドから特定される内容と、遊技者が操作した停止順と、に基づいて有利操作手順が特定される構成としても良い。
【0148】
なお、本実施形態における報知対象役とは、原則として、報知対象役を構成する抽選対象役に応じて有利表示結果を導出させる操作手順が異なるものであり、有利表示結果を導出させることが可能な抽選結果であってもその操作手順が変化することのない抽選結果(例えば、スイカ、角チェリー等の操作タイミングによっては取りこぼす可能性のある役)は、報知対象役とはならない。また、抽選対象役に応じて有利表示結果を導出させる操作手順が異なる抽選結果であっても、あえて取りこぼしを誘発することによりチャンス目等を導出させる抽選結果(例えば、取りこぼすことでチャンス目が導出される1枚役等)等、報知の有無により遊技者の有利度に影響を与えることを目的としない抽選結果は、報知対象としなくても良く、このような抽選結果となった場合に、当選した役の種類も有利操作手順も特定可能な第1の内部当選1コマンドを送信する構成であっても良い。
【0149】
また、本実施形態では、報知対象役が当選した場合に、報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じた操作手順で操作された場合に、必ず遊技者にとって有利となる有利表示結果(中段ベル、昇格リプレイ、特殊リプレイ等)が導出される構成であるが、報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じた操作手順で操作された場合に、さらに報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じて変動することのない特定の操作手順で操作された場合に、有利表示結果を導出し、特定の操作手順以外の操作手順で導出操作手段が操作された場合に、有利表示結果以外の表示結果を導出する制御を行うものでも良い。この場合に、報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じて変動することのない特定の操作手順とは、例えば、報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じた停止順で操作され、且つ特定の操作タイミングで操作される操作手順、一のリールにおいて報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じた操作タイミングで操作され、且つ他のリールにおいて特定の操作タイミングで操作される操作手順等が該当する。
【0150】
また、本実施形態では、押し順ベルと同じく、中段ベルの入賞が許容される共通ベルの当選時において、停止順に関わらず、左リールが特定のタイミングで操作された場合に中段ベルが入賞する構成であるが、共通ベルの当選時において、停止順、操作タイミングに関わらず、必ず中段ベルが入賞する構成でも良い。
【0151】
また、本実施形態では、報知対象役が当選した場合に、報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じた操作手順で操作された場合に導出される有利表示結果として、メダルの付与を伴う小役の入賞態様、遊技者にとって有利な遊技状態(RT0、RT2)への移行を伴う再遊技役の入賞態様を適用しているが、遊技者にとって有利な表示結果とは、メダルや再遊技の付与、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴わない他の表示結果に対してメダルや再遊技の付与、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う表示結果、メダルの付与を伴う他の表示結果に対してさらに多くのメダルの付与を伴う表示結果、遊技者にとって有利な特典(ART等)の付与を伴わない他の表示結果に対して特典の付与を伴う表示結果、遊技者にとって不利な遊技状態への移行を伴う他の表示結果に対して現在の遊技状態を維持する表示結果または現在の遊技状態よりも有利な遊技状態への移行を伴う表示結果等であれば良い。
【0152】
ここで遊技者にとって有利な特典とは、遊技者にとって有利な有利状態へ移行させることが可能となる権利(有利状態を発生するか否かを決定する抽選に当選すること、有利状態へ移行する入賞が許容されること等)、遊技者にとって有利な操作態様が報知される権利、遊技用価値が付与される期待値が高い遊技状態に制御される権利、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利、有利状態に制御される期間(固定ゲーム数、終了条件によって変動するゲーム数の平均値等)等、遊技者にとって直接的な有利な特典であっても良いし、遊技者にとって直接的に有利ではないが、例えば、インターネット上で特典を得るための条件となる等、遊技者にとって間接的に有利な特典であっても良い。
【0153】
本実施形態は、前述のように報知対象役の当選時において、一部のリールの停止操作がされることで、未だ変動中のリールの操作手順に関わらず、有利操作手順の成立、不成立が決まることにより、未だ変動中のリールが残っていても、当選した報知対象役の有利操作手順か否かが確定する構成であり、
図35(A)に示すように、報知対象役の当選時に、ナビ報知が行われない場合には、ゲームの開始操作がされたタイミングで第2の内部当選1コマンドが送信され、未だ変動中のリールが残っていても、有利操作手順か否かが確定したタイミングで内部当選2コマンドが送信されるようになっている。また、
図35(B)に示すように、報知対象役の当選時にナビ報知が行われる場合にも、ゲームの開始操作がされたタイミングで第1の内部当選1フラグが送信され、未だ変動中のリールが残っていても、有利操作手順か否かが確定したタイミングで内部当選2コマンドが送信されるようになっている。
一方、
図35(B)に示すように、報知対象役の当選時にナビ報知が行われる場合には、ゲームの開始操作がされたタイミングでナビ報知を開始し、全てのリールの停止操作がされるまでナビ報知が継続するようになっているので、遊技者に対して確実に有利操作手順を認識させることができる。
【0154】
なお、本実施形態では、報知対象役の当選時にナビ報知が行われない場合に、ナビ報知が行われる遊技補助表示器12が非表示となる構成であるが、報知対象役の当選時にナビ報知が行われない場合に、有利操作手順を特定不能な表示が行われる構成としても良く、このような構成においても、有利操作手順を特定不能な表示を、全てのリールの停止操作がされるまで継続する構成としても良い。
【0155】
また、本実施形態では、全てのリールの停止操作がされるまでナビ報知が継続する構成であるが、例えば、
図36に示すように、有利操作手順か否かが確定したタイミングまでナビ報知が継続する構成等のように、少なくとも有利操作手順か否かが確定したタイミング以降のタイミングまでナビ報知が継続する構成であれば、遊技者により操作された停止操作の操作手順が有利操作手順か否かが確定するタイミングまでは、ナビ報知が継続するので、有利操作手順か否かが確定するまでは遊技者に対して確実に有利操作手順を認識させることができる。
【0156】
また、このような構成において、報知対象役の当選時にナビ報知が行われない場合に、有利操作手順を特定不能な表示が行われる構成であれば、有利操作手順を特定不能な表示を、有利操作手順か否かが確定したタイミング以降のタイミングまで継続する構成としても良い。
【0157】
また、本実施形態では、内部当選1コマンドが送信されるタイミング及びナビ報知を開始するタイミングが何れもゲームの開始操作がされたタイミングであるが、内部当選1コマンド、ナビ報知を開始するタイミングは、それぞれゲームの開始操作がされたタイミング、ウェイトが経過したタイミング、ゲームの進行に伴いリールが回転開始するタイミング、回転開始後にリールの停止操作が有効となるタイミングの何れかのタイミングであれば良い。
【0158】
すなわちゲームの開始操作がされたタイミングで内部当選1コマンドを送信し、且つナビ報知を開始する構成1−1、ゲームの開始操作がされたタイミングで内部当選1コマンドを送信し、ウェイトが経過したタイミングでナビ報知を開始する構成1−2、ゲームの開始操作がされたタイミングで内部当選1コマンドを送信し、ゲームの進行に伴いリールが回転開始するタイミングでナビ報知を開始する構成1−3、ゲームの開始操作がされたタイミングで内部当選1コマンドを送信し、回転開始後にリールの停止操作が有効となるタイミングでナビ報知を開始する構成1−4、ウェイトが経過したタイミングで内部当選1コマンドを送信し、ゲームの開始操作がされたタイミングでナビ報知を開始する構成2−1、ウェイトが経過したタイミングで内部当選1コマンドを送信し、且つナビ報知を開始する構成2−2、ウェイトが経過したタイミングで内部当選1コマンドを送信し、ゲームの進行に伴いリールが回転開始するタイミングでナビ報知を開始する構成2−3、ウェイトが経過したタイミングで内部当選1コマンドを送信し、回転開始後にリールの停止操作が有効となるタイミングでナビ報知を開始する構成2−4、ゲームの進行に伴いリールが回転開始するタイミングで内部当選1コマンドを送信し、ゲームの開始操作がされたタイミングでナビ報知を開始する構成3−1、ゲームの進行に伴いリールが回転開始するタイミングで内部当選1コマンドを送信し、ウェイトが経過したタイミングでナビ報知を開始する構成3−2、ゲームの進行に伴いリールが回転開始するタイミングで内部当選1コマンドを送信し、且つナビ報知を開始する構成3−3、ゲームの進行に伴いリールが回転開始するタイミングで内部当選1コマンドを送信し、回転開始後にリールの停止操作が有効となるタイミングでナビ報知を開始する構成3−4、回転開始後にリールの停止操作が有効となるタイミングで内部当選1コマンドを送信し、ゲームの開始操作がされたタイミングでナビ報知を開始する構成4−1、回転開始後にリールの停止操作が有効となるタイミングで内部当選1コマンドを送信し、ウェイトが経過したタイミングでナビ報知を開始する構成4−2、回転開始後にリールの停止操作が有効となるタイミングで内部当選1コマンドを送信し、ゲームの進行に伴いリールが回転開始するタイミングでナビ報知を開始する構成4−3、回転開始後にリールの停止操作が有効となるタイミングで内部当選1コマンドを送信し、且つナビ報知を開始する構成4−4の何れの構成としても良い。
【0159】
特に、本実施形態では、ゲーム開始時にゲームの進行を所定期間にわたり遅延させるフリーズ状態に制御するとともに、その間にリールを変動させ、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作により表示結果が導出されるリール演出が実行されることとなるが、例えば、
図37に示すように、ゲームの進行に伴いリールが回転開始するタイミングでナビ報知を開始する構成とすることで、リール演出を伴うフリーズ状態の終了後に、ナビ報知が開始されることとなるため、ナビ報知から特定される操作手順が、通常の遊技における操作手順であることを遊技者に明確に認識させることができ、ナビ報知から特定される操作手順が通常の遊技での操作手順なのかリール演出での操作手順なのか判別し難いといった遊技者の混乱が生じることを防止できる。
【0160】
また、
図38に示すように、回転開始後にリールの停止操作が有効となるタイミングでナビ報知を開始する構成とした場合にも、リール演出を伴うフリーズ状態の終了後に、ナビ報知が開始されることとなるため、ナビ報知から特定される操作手順が、通常の遊技における操作手順であることを遊技者に明確に認識させることができ、ナビ報知から特定される操作手順が通常の遊技での操作手順なのかリール演出での操作手順なのか判別し難いといった遊技者の混乱が生じることを防止できる。
【0161】
また、フリーズ状態に制御されない場合には、
図39(A)に示すように、ゲームの開始操作がされたタイミングでナビ報知を開始するのに対して、フリーズ状態に制御される場合には、
図39(B)に示すように、ゲームの開始操作がされたタイミングではなく、ゲームの進行に伴いリールが回転開始するタイミング(または回転開始後に停止操作が有効化されたタイミング)でナビ報知を開始する構成としても良く、このような構成においても、リール演出を伴うフリーズ状態の終了後に、ナビ報知が開始されることとなるため、ナビ報知から特定される操作手順が、通常の遊技における操作手順であることを遊技者に明確に認識させることができ、ナビ報知から特定される操作手順が通常の遊技での操作手順なのかリール演出での操作手順なのか判別し難いといった遊技者の混乱が生じることを防止できる。
【0162】
また、上記実施形態では、メイン制御部41側で制御するナビ報知と、サブ制御部91側で制御するナビ演出の双方にて遊技者にとって有利な操作手順を識別可能となる構成であるが、メイン制御部41側で制御するナビ報知だけで遊技者にとって有利な操作手順を識別可能となる構成としても良いし、サブ制御部91側で制御するナビ演出だけで遊技者にとって有利な操作手順を識別可能となる構成としても良い。
【0163】
また、上記実施形態では、遊技者にとって有利な特典としてのART等に関する制御をメイン制御部41が行う構成であるが、遊技者にとって有利な特典に関する制御の一部または全部をサブ制御部91が行う構成としても良い。
【0164】
上記実施形態では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施形態1で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
【0165】
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうち何れか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、且つ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。