【実施例1】
【0011】
以下に本発明の実施例1として、インターネットを通じて提供される健康指導プログラムを用いて、ユーザ(利用者)に最適な指導者を選定する例について、図面を参照しつつ説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施例1である健康指導支援装置101の一構成例を示すブロック図である。健康指導支援装置101は、ネットワーク108を介して指導者端末109と、ユーザ端末110と接続されている。指導者端末109は、健康指導プログラムのユーザ(参加者)に対して指導を行う指導者が使用する。ユーザ端末110は、健康指導プログラムを利用するユーザ(参加者)によって操作される。
【0013】
健康指導支援装置101は、キーボードやマウスなどの入力部102と、ディスプレイを表す出力部103と、CPU104と、メモリ105及び記憶媒体106を含む計算機である。指導者端末109及びユーザ端末110も同様の計算機である。なお、メモリ105及び記憶媒体106は記憶部として機能することができる。
【0014】
健康指導支援装置101は、所定の機能を提供するプログラムを記憶媒体106に格納し、メモリ105へロードしてCPU104によって実行される。記憶媒体106には、利用者登録部111と、推奨指導者提示部112と、生活習慣特徴量抽出部113と、クラスタ構築部114と、クラスタ割当部115と、指導者等級処理部116と、適正スコア算出部117と、指導者割当決定部118及び医学知識処理部119がプログラムとして格納される。
【0015】
CPU104は、各機能部のプログラムに従って処理することによって、所定の機能を提供する機能部として稼働する。例えば、CPU104は、利用者登録プログラムに従って処理することで利用者登録部111として機能する。他のプログラムについても同様である。さらに、CPU104は、各プログラムが実行する複数の処理のそれぞれの機能を提供する機能部としても稼働する。計算機及び計算機システムは、これらの機能部を含む装置及びシステムである。
【0016】
利用者登録部111は、健康指導プログラムのユーザを受け付けて、利用者属性テーブル120に登録し、また、問診情報を受け付けて問診情報テーブル122に登録する。また、利用者登録部111は、ユーザの日々の報告を受け付けて生活習慣情報テーブル121に格納する。
【0017】
推奨指導者提示部112は、後述するように、複数の指導者と複数のユーザの組み合わせの中から、高い指導効果が得られる指導者とユーザの組み合わせを提示する。生活習慣特徴量抽出部113は、ユーザの生活習慣情報テーブル121や問診情報テーブル122から特徴量を算出する。
【0018】
クラスタ構築部114は、ユーザや指導者の特徴量等からユーザのグループを生成し、クラスタ管理テーブル127に登録する。クラスタ割当部115は、ユーザのグループ(クラスタ)を指導者に割り当てる。指導者等級処理部116は、指導者等級テーブル126を管理する。
【0019】
適正スコア算出部117は、ユーザのグループに対する指導者の指導適正スコアを算出する。指導者割当決定部118は、指導者の指導適正スコアや指導の予定に基づいてユーザに最適な指導者を割り当てる。
【0020】
健康指導支援装置101には、各機能部が利用する情報を格納したデータベース107が接続される。データベース107は、利用者属性テーブル120、生活習慣情報テーブル121、問診情報テーブル122、指導者属性テーブル123、指導予定テーブル124、指導実績テーブル125、指導者等級テーブル126、クラスタ管理テーブル127、適正判定テーブル128、医学知識管理テーブル129、利用状況テーブル130を格納する。
【0021】
なお、生活習慣情報テーブル121は、
図3〜
図5で示すように、食事関連の生活習慣情報テーブル121−1と、運動関連の生活習慣情報テーブル121−2と、改善目標関連の生活習慣情報テーブル121−3から構成される。
【0022】
図2は、利用者属性テーブル120の一例を示す図である。利用者属性テーブル120は、ユーザを特定する識別子を格納するユーザID201と、ユーザの健康指導プログラムの利用状況202と、指導の為にユーザが確保できる時間を示す被指導可能日時203と、生年月日204と、身長205と、体重206と、性別207と、職種208と、使用する言語209と、在住地域210と、タイムゾーン211と、健康状態212と、プログラム加入履歴213と、ユーザタイプ215と、をひとつのエントリに含む。
【0023】
この情報により、ユーザの属性を基にした分類が可能になる効果がある。健康指導プログラムの開始時に、利用者登録部111がユーザの情報を受け付けて利用者属性テーブル120を生成または更新する。健康状態212は、「00」が健康、「01」がメタボリックを示す。プログラム加入履歴213は、健康指導プログラムの利用回数が格納される。また、ユーザタイプ214には、ユーザの健康指導プログラムに対する積極度が格納され、例えば、数値が大きいほど積極性が高くなる。
【0024】
図3は、食事関連の生活習慣情報テーブル121−1の一例を示す図である。食事関連の生活習慣情報テーブル121−1は、ユーザの識別子を格納するユーザID201と、ユーザ毎の食事情報を特定するための識別子を格納する食事ID301と、食事が摂られた日時を格納する食事日時302と、朝食や昼食、夕食の種類を格納する食事カテゴリ303と、摂取した食事の内容を記録する食事内容304と、外食か否かを示す外食フラグ305と、飲酒があった否かを示す飲酒フラグ306と、をひとつのエントリに含む。
【0025】
食事関連の生活習慣情報テーブル121−1は、ユーザ端末110から入力されたユーザの情報のうち食事に関する情報が、利用者登録部111によって生成または更新される。なお、ユーザは、所定のタイミング(例えば、毎日)で健康指導プログラムで指定された情報をユーザ端末110から健康指導支援装置101へ入力する。
【0026】
この情報により、ユーザの食習慣に関する特徴を元にした分類が可能になる効果がある。なお、ユーザID201は、利用者属性テーブル120と同様の情報を用いる。
【0027】
図4は、運動関連の生活習慣情報テーブル121−2の一例を示す図である。運動関連の生活習慣情報テーブル121−2は、ユーザの識別子を格納するユーザID201と、ユーザが運動した日時を示す運動日時401と、その日の体重402と、当日にユーザが歩いた歩数403と、所定の運動量基準から判定される身体活動レベル404をひとつのエントリに含む。身体活動レベル404は、運動の強度を示す値が格納され、例えば、Mets(身体活動強度)表等で設定された値が格納される。
【0028】
この情報により、ユーザの身体活動の特徴を基にした分類が可能になる効果がある。運動関連の生活習慣情報テーブル121−1は、ユーザ端末110から入力されたユーザの情報のうち運動に関する情報が、利用者登録部111によって生成または更新される。
【0029】
図5は、改善目標関連の生活習慣情報テーブル121−3の一例を示す図である。改善目標関連の生活習慣情報テーブル121−3は、ユーザの識別子を格納するユーザID201と、歩数増加や食事の改善などの予め設定した生活習慣改善の目標を示す改善目標501と、改善目標達成の対象日を示す目標対象日502と、目標が達成されたか否かを示す目標達成度503と、をひとつのエントリに含む。目標達成度503は、例えば、「0」が未達、「1」が達成を示す。
【0030】
この情報により、ユーザの生活習慣改善に対する取組状況を基にした分類が可能になる効果がある。改善目標関連の生活習慣情報テーブル121−3は、ユーザ端末110から入力されたユーザの情報のうち改善目標に関する情報が、利用者登録部111によって生成または更新される。
【0031】
図6は、問診情報テーブル122の一例を示す図である。問診情報テーブル122は、ユーザの識別子を格納するユーザID201と、ユーザが就業しているか否かを示す就業有無601と、希望する指導方法を示す希望指導スタイル602と、服薬の内容を示す服薬状況603と、既往歴604と、平均的な運動の状況を示す運動習慣605と、普段の食事の取り方などの内容を示す食事習慣606と、普段の飲酒の量を示す飲酒量607と、平均的な睡眠時間を示す睡眠量608と、喫煙の有無を示す喫煙有無609と、をひとつのエントリに含む。この情報により、普段の生活スタイルを基にしたユーザの分類が可能になる効果がある。
【0032】
問診情報テーブル122は、健康指導プログラムの開始時などに問診を実施した内容が利用者登録部111等によって問診情報テーブル122に格納される。
【0033】
図7は、指導者属性テーブル123の一例を示す図である。指導者属性テーブル123は、指導者を特定する識別子を格納する指導者ID701と、生年月日702と、身長703と、体重704と、性別705と、等級706と、言語707と、在住地域708と、在住地域のタイムゾーン709と、指導のスタイルを示す指導スタイル710と、指導者が有する資格内容を示す資格情報711と、をひとつのエントリに含む。
【0034】
この情報により、指導者の属性情報を基にした分類が可能になる効果がある。なお、等級706は指導者毎のランクを示す値が設定される。指導者属性テーブル123は、管理者などによって予め設定される。
【0035】
図8は、指導予定テーブル124の一例を示す図である。指導予定テーブル124は、指導者端末109から入力された情報を保持する。指導予定テーブル124は、指導者の識別子を格納する指導者ID701と、指導の日時を示す指導日時801と、指導の実施もしくは予定されているかの状態を示す指導状態802と、指導の対象となっているユーザの識別子を格納する指導対象ユーザ803と、をひとつのエントリに含む。
【0036】
この情報により、指導者の空き状況を把握し、適切に担当を選定する事が可能になる効果がある。なお、指導者ID701は、
図7の指導者属性テーブル123と同様の値である。また、指導予定テーブル124は、指導者端末109からの入力によって生成または更新される。
【0037】
図9は、指導実績テーブル125の一例を示す図である。指導実績テーブル125は、健康指導プログラムの管理者などによって予め設定される情報である。
【0038】
指導実績テーブル125は、指導者の識別子を格納する指導者ID701と、指導者の経験量を示す指導年数901と、過去に指導したユーザ数を格納する指導人数902と、合計指導日数903と、指導期間の途中で脱落したユーザの人数を示す途中脱落者数904と、指導の結果として得られたユーザの平均減量量を示す減量実績905と、ユーザからの指導に対する定量的評価値を示すユーザ評価値906と、をひとつのエントリに含む。この情報により、指導者の実績に基づく分類が可能になる効果がある。
【0039】
指導実績テーブル125は、所定の周期(例えば、1日毎)で更新されて、ユーザ端末200からの減量実績の入力や評価あるいは指導人数の変動などが反映される。
【0040】
図10は、指導者等級テーブル126の一例を示す図である。指導者等級テーブル126は、健康指導プログラムの管理者などによって予め設定される情報である。
【0041】
指導者等級テーブル126は、指導者の識別子を格納する指導者ID701と、指導者の実績から決定される指導者等級1001と、指導者の1時間あたりの報酬を格納する指導単価1002とをひとつのエントリに含む。この情報により、指導者のレベルと単価を考慮した分類が可能になる効果がある。
【0042】
図11は、クラスタ管理テーブル127の一例を示す図である。クラスタ管理テーブル127は、クラスタ構築部114によって生成または更新された情報を格納する。クラスタ管理テーブル127は、分類されたグループを特定するクラスタID1101と、クラスタの種別を示すクラスタ対象1102と、クラスタの特徴を示すクラスタラベル1103と、グループの分類に用いた特徴量を示す特徴量セット1104と、クラスタ内に内包するユーザのIDを示す該当ユーザ1105と、をひとつのエントリに含む。この情報により、分類された結果を用いて適切な指導者の選定を行うことが可能になる効果がある。
【0043】
図12は、適正判定テーブル128の一例を示す図である。適正判定テーブル128は、適正スコア算出部117が生成する情報である。
【0044】
適正判定テーブル128は、指導者の識別子を格納する指導者ID701と、指導者の適正を判定する対象であるクラスタを示す対象クラスタ1201と、該当するクラスタに対する適正度合いを示す適正スコア1202と、をひとつのエントリに含む。この情報により、より指導効果の高い指導者を選定することが可能になる効果がある。
【0045】
図13は、医学知識管理テーブル129の一例を示す図である。医学知識管理テーブル129は、指導者や管理者などによって予め設定された情報である。
【0046】
疾患や身体の状態を示す健康状態1301と、健康状態に対応する運動指導禁忌1302と、食事指導禁忌1303と、薬剤指導禁忌1304と、をひとつのエントリに含む。この情報により、過去の指導履歴において経験があるか否かを判断して適切な指導者を選定することが可能になる効果がある。
【0047】
図14は、利用状況テーブル130の一例を示す図である。利用状況テーブル130は、利用者登録部111等によって生成及び更新される情報である。
【0048】
利用状況テーブル130は、ユーザの識別子を格納するユーザID201と、ユーザの指導中のログイン率1401と、情報の入力状況を示す入力率1402と、体重の減少量を示す減量結果1403と、体重の初期値(健康指導プログラムの開始時)からの減量率を示す減量率1404と、をひとつのエントリに含む。
【0049】
減量結果や減量率は、一例であってそのほか任意の指標を管理することができる。この情報により指導効果に基づいて分類を行うことができる効果がある。ログイン率1401は、予め設定された期間内の入力回数との比が格納される。例えば、1日1回の入力が設定されている場合、毎日1回の入力でログイン率1401=1.0となる。また、入力率1402は、指定された入力項目の数と、実際に入力された項目の数の比を格納することができる。
【0050】
利用状況テーブル130は、所定の周期(例えば、1日)で更新され、ユーザ端末200から入力された生活習慣情報テーブル121−2の体重402から減量結果1403や減量率1404を算出して更新される。また、ユーザ端末200のログインの頻度や入力の内容などに応じてログイン率1401や入力率1402が算出されて更新される。
【0051】
次に、ユーザを分類してユーザ群に対する適正スコア1202を算出する手順を、図を用いて説明する。
図15は、適正スコア1202の算出手順の一例を示すフローチャートである。この処理は健康指導支援装置101が入力部102または指導者端末109から所定の指令を受け付けたときに実行される(1501)。
【0052】
まず、クラスタ構築部114は、ステップ1502にて、クラスタリングに用いる手法を設定する。例えば、代表的なクラスタリング手法としてk−means法など周知または公知の手法を用いる事ができる。その際、クラスタリング手法の設定と共に、何個のクラスタに分類するかも含めて設定を行う。クラスタの分類数は、入力部102や指導者端末109から受け付けることができる。
【0053】
次に、クラスタ構築部114は、ステップ1503にて、クラスタリングする際に用いる特徴量の設定を行う。クラスタ構築部114は、入力部102や指導者端末109から特徴量の指定を受け付ける。ここで設定する特徴量によって適正スコア1202を使用する目的に応じた分類の調整を行うことができる。例えば、特徴量として属性情報を設定すればユーザ等の属性情報による分類となり、あるいは問診結果を主に設定すれば問診結果を反映したユーザの分類を行うことができる。
【0054】
属性情報による分類は、例えば、利用者属性テーブル120の生年月日204(年齢)や性別207、健康状態212等を指定してクラスタリングを行うことができる。また、問診結果による分類は、問診情報テーブル122の既往歴604、運動習慣605、食事習慣606や飲酒量607を指定してクラスタリングを行うことができる。
【0055】
次に、ステップ1504では、生活習慣特徴量抽出部113が、ステップ1503で設定された情報に基づいてデータベース107から特徴量を抽出する。ここで、生活習慣特徴量抽出部113は、抽出したデータをクラスタリングが可能なデータ形式にデータを加工する。
【0056】
例えば、文字列で記録されているデータの場合、名寄せを行うなどして纏めるほか、カテゴリカルデータを数値に変換する等の前処理を行う。また、設定された特徴量が多岐にわたる場合には、変数選択を行って適切な量の変数に絞り込みを行う。
【0057】
次に、ステップ1505では、クラスタ構築部114が上記ステップ1502で設定されたクラスタリング手法でクラスタリングを実行して指定されたクラスタ数でユーザの分類を実行する。次に、ステップ1506では、クラスタ割当部115が、得られた分類結果をクラスタ管理テーブル127に記録する。
【0058】
次に、ステップ1507では、適正スコア算出部117が、各指導者の適正スコア1202を算出する。なお、適正スコア算出部117は、キャリアの浅い指導者等、所定のサンプル数を確保できない場合には適正スコア1202の算出は行わない。
【0059】
適正スコア算出部117は、指導者別に、分類されたクラスタ内に含まれる過去の担当実績を抽出し、平均減量率を算出する。適正スコア算出部117は、全指導者と全クラスタ分について平均減量率を算出した後、標準化して値を0から1に調整した適正スコア1202を算出する。
【0060】
適正スコアSiは、例えば、以下の(1)式に示す手法により指導者別に算出した値を、さらに0から1の範囲に線形変換することで得られる。
【0061】
【数1】
【0062】
なお、上記(1)式において、μは指導者間の平均減量率を示し、σは指導者間の減量率の標準偏差を示し、wiはある指導者の指導成果としての減量率を示している。
【0063】
次に、適正スコア算出部117は、ステップ1508にて、指導者ID701と対象クラスタ1201毎に算出した適正スコア1202を適正判定テーブル128に記録する。
【0064】
以上の手順で適正スコア算出処理が実行され、指導者ID701とユーザの対象クラスタ1201に適正スコア1202が設定される。
【0065】
次に、適正スコア算出部117が算出した適正スコア1202を用いて、最適な指導者を選定する処理について説明する。
【0066】
図16は、新しく登録されたユーザに対して指導者を選定する指導者選定手順の一例を示すフローチャートである。この処理は健康指導支援装置101が入力部102または指導者端末109から所定の指令を受け付けたときに実行される(1601)。
【0067】
まず、指導者割当決定部118は、ステップ1602にて、指導者を選定する対象となるユーザを利用者属性テーブル120から抽出する。対象となるユーザは、例えば、新規のユーザや、指導者を変更するユーザのユーザID201を指定することができる。
【0068】
次に、指導者割当決定部118は、ステップ1603にて問診情報テーブル122を参照して事前問診の有無を判定する。事前問診結果が存在する場合はステップ1604へ進み、事前問診結果が存在しない場合はステップ1610へ進む。
【0069】
ステップ1604では、指導者割当決定部118が、問診情報テーブル122を参照して問診結果の特徴量を抽出する。ここで、特徴量は、クラスタ管理テーブル127に記録された特徴量セット1104に合わせて利用者属性テーブル120や問診情報テーブル122から抽出する。
【0070】
一方、ステップ1610の事前問診情報が無い場合には、例えば属性情報等を用いる。この場合、クラスタ管理テーブル127の特徴量セット1104が属性情報から成るクラスタを用いることで割付を実行可能である。
【0071】
次に、指導者割当決定部118は、ステップ1605にて、ユーザ毎に最も近いクラスタを算出して割り付けを行う。具体的には、指導者割当決定部118が、ユーザ毎に抽出した特徴量をもとに、各クラスタ中心との距離を算出し、最も近いクラスタを探索して当該ユーザの割り付けを行う。
【0072】
指導者割当決定部118は、クラスタ管理テーブル127のクラスタID1101に対応する該当ユーザ1105にユーザIDを設定することで、ユーザをクラスタに割り付ける。
【0073】
次に、指導者割当決定部118は、ステップ1606にて、最適化したい指標(KPI:Key Performance Indicator)の設定を行う。
【0074】
図17に、KPIを設定する画面の一例を示す。KPI設定画面1701では、各指導者A〜Gの過去の指導実績に基づいて定量値を可視化する実績グラフ表示1705と、表示する実績指標を選択する実績指標選択1702と、グラフ表示を行う為の表示ボタン1703、実績指標を採用する際に用いるKPI追加ボタン1704が存在する。本画面では例えば、実績指標に平均減量率を選択すると、実績グラフ表示1705に各指導者A〜Gのこれまでに担当したユーザの平均減量率と標準偏差の情報が表示される。
【0075】
このように実績指標をKPI設定画面1701に表示して最適化が必要な指標を抽出し、管理者や指導者などがKPI追加ボタン1704を使用することで最適な指導者の選定時に用いるKPIを設定することができる。
【0076】
図示の例では、実績指標として平均減量率を用いたが、その他に健康指導プログラムからの脱落率やユーザ評価などの実績指標を選択することが可能である。また、補足指標として標準偏差を例にとったが、これに限らず任意の指標を用いることが可能である。
【0077】
次に、指導者割当決定部118は、ステップ1607にて、
図15の処理で算出された適正スコア1202を用いた指導者の選定を行う。ここで、適正判定テーブル128で管理される適正判定情報を参照し、対象ユーザが所属するクラスタに対する適正スコア1202の高い(所定値以上)指導者ID701を抽出し、適正スコア1202の高い順に並び変えを行う。
【0078】
指導者割当決定部118は、並び変えた中で適正スコア1202の順位が最も高い指導者ID701を選択して、次のスケジュール確認ステップ(1608)にて、指導予定テーブル124で管理される指導予定情報と、利用者属性テーブル120で管理されるユーザの被指導可能日時203とを照らし合わせ、実際に指導が行える場合に、次の指導担当設定ステップにて指導担当者として選定を行う。
【0079】
スケジュール確認ステップ(1608)にて、ユーザの被指導可能日時と指導者の指導可能日時が合わない場合は最適指導者選定ステップ(1607)へ戻り、次点の指導者ID701に関して上記と同様の処理を繰り返す。
【0080】
図18は、あるユーザに対して算出した適正スコア1202をもとに指導者を選定する指導者選定画面1801の一例を示す。指導者選定画面1801には、
図17のKPI設定画面で設定したKPIが選定条件として選定条件表示1802に表示されている。指導者選定の対象であるユーザ情報は選定対象ユーザ情報表示1804に表示されている。
【0081】
このユーザに対して、計算実行ボタン1803を押下し、選定結果を算出する。選定結果は画面上部の指導者選定情報1805に表示される。指導者選定情報1805には、各指導者のID毎に算出した適正スコアと、スケジュールの適合有無(可、不可)が表示される。
【0082】
画面右下には、適正スコアの値を基にして、指導者の選定優先度の高い順に指導者選択表示1806が表示される。図の例では、最も適正スコアの高い指導者が選択されている状態になっており、選定確定ボタン1807を押下することで選定が完了する。上記の一連の処理によって指導効果の最適化を目的とした指導者の選定を従来よりも簡便に実行することが可能である。
【0083】
以上のように、本実施例1によれば、健康指導支援装置101は、指導者の過去の指導実績データと、過去のユーザの属性や蓄積された生活習慣情報テーブル121等のデータを基にして、ある指導者について高い指導効果を発揮できるユーザ群をデータから割り出して、各群(クラスタ)に対する指導適正スコア1202を算出し、指導者選定を行う際に適正スコア1202を考慮して最適な指導者を選定する。これにより、複数の指導者と複数のユーザの中で最適な担当者の選定を、効率的かつ高速に決定することができ、より高い指導効果を得ることができる。また、やむを得ず指導担当を変更する場合に置いても迅速に担当者を決定でき、指導担当の選定に係る作業を大幅に軽減できる。