特許第6799462号(P6799462)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6799462硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6799462
(24)【登録日】2020年11月25日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/037 20060101AFI20201207BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20201207BHJP
   C08F 2/50 20060101ALI20201207BHJP
   C08G 59/48 20060101ALI20201207BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   G03F7/037
   G03F7/004 501
   G03F7/004 512
   C08F2/50
   C08G59/48
   H05K1/03 610L
【請求項の数】10
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-527701(P2016-527701)
(86)(22)【出願日】2015年5月14日
(86)【国際出願番号】JP2015063870
(87)【国際公開番号】WO2015190210
(87)【国際公開日】20151217
【審査請求日】2018年5月7日
(31)【優先権主張番号】特願2014-121312(P2014-121312)
(32)【優先日】2014年6月12日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】310024066
【氏名又は名称】太陽インキ製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(72)【発明者】
【氏名】柴▲崎▼ 陽子
(72)【発明者】
【氏名】秋山 学
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 信人
【審査官】 倉本 勝利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−270293(JP,A)
【文献】 特開2004−184879(JP,A)
【文献】 特開2008−297231(JP,A)
【文献】 特開2010−224319(JP,A)
【文献】 特開2010−032743(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/032529(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/074197(WO,A1)
【文献】 特開2013−053075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F7/00;G03F7/004−7/18;7/26−7/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記式(1)、(2)、
で表される少なくとも一方の構造およびアルカリ可溶性官能基を有するアミドイミド樹脂と、(B)充填剤としての平均粒径が200nm以下の無機粒子と、(C)光重合開始剤と、(D)不飽和二重結合を有する化合物と、を含む硬化性樹脂組成物であって、
前記(B)無機粒子の配合量が、前記(A)アミドイミド樹脂100質量部(ただし、前記(A)アミドイミド樹脂と構造が異なり、アルカリ可溶性官能基を有する樹脂(A1)を含む場合は、前記(A)成分と前記(A1)成分の合計100質量部)に対して、30〜150質量部であり、
硬化性樹脂組成物から得られる50μmの乾燥塗膜が、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液にて現像可能であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
前記(A)アミドイミド樹脂と構造が異なり、アルカリ可溶性官能基を有する樹脂(A1)を含む請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
前記(B)平均粒径が200nm以下の無機粒子が、シリカである請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
(E)熱硬化性樹脂を含む請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
前記(E)熱硬化性樹脂が脂環式骨格を有するエポキシ樹脂である請求項4記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか一項記載の硬化性樹脂組成物が、フィルム上に塗布、乾燥されて得られた樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
【請求項7】
請求項1〜5のうちいずれか一項記載の硬化性樹脂組成物が硬化されてなることを特徴とする硬化物。
【請求項8】
請求項6記載のドライフィルムの樹脂層が硬化されてなることを特徴とする硬化物。
【請求項9】
請求項7記載の硬化物を備えてなることを特徴とするプリント配線板。
【請求項10】
請求項8記載の硬化物を備えてなることを特徴とするプリント配線板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板に関し、詳しくは、従来よりも解像性、強靭性および耐熱性に優れた硬化物を得ることが可能な硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、一部の民生用プリント配線板およびほとんどの産業用プリント配線板のソルダーレジスト組成物には、高精度、高密度の観点から、紫外線照射後、現像することにより画像形成し、熱および光照射の少なくとも何れか一方で仕上げ硬化(本硬化)する液状現像型ソルダーレジスト組成物が使用されている。このような中、環境問題への配慮から、現像液としてアルカリ水溶液を用いるアルカリ現像型フォトソルダーレジスト組成物が主流になっており、実際のプリント配線板の製造において大量に使用されている。
【0003】
従来、アルカリ現像型フォトソルダーレジスト組成物には、アルカリ可溶性樹脂、特にエポキシアクリレート変性樹脂が一般的に用いられている。例えば、特許文献1では、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和一塩基酸の反応生成物に酸無水物を付加した感光性樹脂、光重合開始剤、希釈剤およびエポキシ化合物からなるソルダーレジスト組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭61−243869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
今日、硬化性樹脂組成物としては、アルカリ可溶型ではフェノールノボラック型(クレゾールノボラック型)エポキシアクリレート樹脂やアクリル系共重合型樹脂が広く用いられている。しかしながら、フェノールノボラック型エポキシアクリレート樹脂は必ずしも強靭性に優れているものではなく、また、アクリル系共重合型樹脂は耐熱性に劣る。このように、従来の硬化性樹脂組成物では、強靭性と耐熱性とを高度に両立させることは困難であった。一方、近年プリント配線板上に半導体パッケージ部品を実装するにあたり、接続IO数の増加と部品の小型が同時に進行し配線密度が急激に高くなっている。高密度な配線を可能とするために、高解像性を有する硬化性樹脂組成物が求められている。
【0006】
そこで、本発明の目的は、従来よりも、解像性、強靭性および耐熱性に優れた硬化物を得ることが可能な硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、硬化性樹脂組成物に用いる樹脂を、特定の構造を有する樹脂とし、かつ、充填剤である無機粒子の粒径を所定の値以下とすることで、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)下記式(1)、(2)、
で表される少なくとも一方の構造およびアルカリ可溶性官能基を有するアミドイミド樹脂と、(B)平均粒径が200nm以下の無機粒子と、(C)光重合開始剤と、(D)不飽和二重結合を有する化合物と、を含むことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の硬化性樹脂組成物においては、前記(A)アミドイミド樹脂と構造が異なり、アルカリ可溶性官能基を有する樹脂を含んでもよい。また、前記(B)平均粒径が200nm以下の無機粒子は、シリカであることが好ましい。また、(E)熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。さらに、前記(E)熱硬化性樹脂は脂環式骨格を有するエポキシ樹脂であることが好ましい。
【0010】
本発明のドライフィルムは、本発明の硬化性樹脂組成物が、フィルム上に塗布、乾燥されて得られた樹脂層を有することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の硬化物は、本発明の硬化性樹脂組成物が硬化されてなること、または、本発明のドライフィルムの樹脂層が硬化されてなることを特徴とするものである。
【0012】
本発明のプリント配線板は、本発明の硬化物を備えてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、解像性、強靭性および耐熱性に優れた硬化物を得ることが可能な硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0015】
[硬化性樹脂組成物]
本発明の硬化性樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」とも称す。)は、(A)下記式(1)、(2)、
で表される少なくとも一方の構造およびアルカリ可溶性官能基を有するアミドイミド樹脂(以下、「(A)成分」とも称す)と、(B)平均粒径が200nm以下の無機粒子(以下、「(B)成分」とも称す)と、(C)光重合開始剤(以下、「(C)成分」とも称す)と、(D)不飽和二重結合を有する化合物と(以下、「(D)成分」とも称す)、を含む。樹脂組成物の樹脂成分として上記構造を有する樹脂を用い、かつ、充填剤として平均粒径が200nm以下の無機粒子を用いることで、解像性、強靭性、耐熱性に優れた硬化物を得ることができる。
【0016】
また、本発明の樹脂組成物は、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、アンモニア水溶液などの弱アルカリ性水溶液で現像が可能であり、現像する際に強アルカリ性の現像液を使用する必要がない。また、弱アルカリ性水溶液で現像が可能であるため、環境負荷が少ない。本発明の樹脂組成物は、例えば、炭酸ナトリウム水溶液(30℃、1質量%)への溶解性が1分間で0.05g/L以上である。
【0017】
以下、本発明の樹脂組成物の各成分について、詳細に説明する。
<(A)成分>
本発明の樹脂組成物の(A)成分は、下記式(1)または(2)、
で表される少なくとも一方の構造と、アルカリ可溶性官能基と、を有するアミドイミド樹脂である。本発明の樹脂組成物が、シクロヘキサン環またはベンゼン環に直結したイミド結合を有する樹脂を含むことにより、強靭性および耐熱性に優れた硬化物を得ることができる。特に、(1)で表される構造を有するアミドイミド樹脂は、光の透過性に優れるため、樹脂組成物の解像性を向上させることができる。本発明の樹脂組成物においては、(A)成分は、透明性を有することが好ましく、例えば、(A)成分の乾燥塗膜25μmにおいて、波長365nmの光の透過率は70%以上であることが好ましい。
【0018】
本発明の樹脂組成物の(A)成分における、式(1)および(2)の構造の含有量は、10〜70質量%が好ましい。かかる樹脂を用いることで、溶剤溶解性に優れ、かつ、耐熱性、引張強度や伸度等の物性および寸法安定性に優れる硬化物が得られることになる。好ましくは10〜60質量%であり、より好ましくは20〜50質量%である。
【0019】
式(1)で表される構造を有するアミドイミド樹脂としては、特に、式(3A)、または、(3B)
(式(3A)および(3B)中、それぞれ、Rは1価の有機基であり、H、CFまたはCHであることが好ましく、Xは直接結合または2価の有機基であり、直接結合、CHまたはC(CH等のアルキレン基であることが好ましい。)で表される構造を有する樹脂が、引張強度や伸度等の物性および寸法安定性に優れるため好ましい。本発明の樹脂組成物においては、溶解性や機械物性の観点から、(A)成分として、式(3A)および(3B)の構造を10〜100質量%有する樹脂を好適に用いることができる。より好ましくは20〜80質量%である。
【0020】
本発明の樹脂組成物においては、(A)成分としては、式(3A)および(3B)の構造を、5〜100モル%含有するアミドイミド樹脂を、溶解性や機械物性の観点から好ましく用いることができる。より好ましくは5〜98モル%であり、さらに好ましくは10〜98モル%であり、特に好ましくは20〜80モル%である。
【0021】
また、式(2)で表される構造を有するアミドイミド樹脂としては、特に、式(4A)、または(4B)
(式(4A)および(4B)中、それぞれ、Rは1価の有機基であり、H、CFまたはCHであることが好ましく、Xは直接結合または2価の有機基であり、直接結合、CHまたはC(CHなどのアルキレン基であることが好ましい。)で表される構造を有する樹脂が、引張強度や伸度等の機械的物性に優れる硬化物が得られることから好ましい。本発明の樹脂組成物においては、溶解性や機械物性の観点から、(A)成分として、式(4A)および(4B)の構造を10〜100質量%有する樹脂を好適に用いることができる。より好ましくは20〜80質量%である。
【0022】
本発明の組成物における(A)成分として、式(4A)および(4B)の構造を2〜95モル%含有するアミドイミド樹脂も、良好な機械物性を発現する理由から好ましく用いることができる。より好ましくは10〜80モル%である。
【0023】
(A)成分は、公知の方法により得ることができる。(1)の構造を有するアミドイミド樹脂は、例えば、ビフェニル骨格を有するジイソシアネート化合物と、シクロヘキサンポリカルボン酸無水物と用いて得ることができる。
【0024】
ビフェニル骨格を有するジイソシアネート化合物としては、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジエチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジイソシアネート−2,2’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジイソシアネート−2,2’−ジエチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジトリフロロメチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジイソシアネート−2,2’−ジトリフロロメチル−1,1’−ビフェニルなどが挙げられる。その他、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート化合物などを使用してもよい。
【0025】
シクロヘキサンポリカルボン酸無水物としては、シクロヘキサントリカルボン酸無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸無水物などが挙げれる。
【0026】
また、(2)の構造を有するアミドイミド樹脂は、例えば、上記ビフェニル骨格を有するジイソシアネート化合物と、TMA(無水トリメリット酸)と、2個の酸無水物基を有するポリカルボン酸水物と用いて得ることができる。
【0027】
2個の酸無水物基を有するポリカルボン酸水物としては、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等のアルキレングリコールビスアンヒドロキシトリメリテート等が挙げられる。
【0028】
本発明の樹脂組成物の(A)成分は、上記式(1)、(2)の構造の他に、さらに、アルカリ可溶性の官能基を有している。アルカリ可溶性の官能基を有することで、アルカリ現像が可能な樹脂組成物となる。アルカリ可溶性の官能基としては、カルボキシル基、フェノール系水酸基、スルホ基等を含有するものであり、好ましくはカルボキシル基を含有するものである。
【0029】
本発明の樹脂組成物の(A)成分の酸価は、20〜120mgKOH/gの範囲にあることが好ましく、より好ましくは30〜100mgKOH/gの範囲である。(A)成分の酸価を上記範囲とすることで、良好にアルカリ現像が可能となり、正常な硬化物のパターンを形成することができる。本発明の樹脂組成物の(A)成分の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、一般的に2,000〜150,000であることが好ましい。重量平均分子量が2,000以上の場合、乾燥塗膜のタックフリー性、露光後の塗膜の耐湿性、解像性が良好である。一方、重量平均分子量が150,000以下の場合、現像性と、貯蔵安定性が良好である。より好ましくは5,000〜100,000である。
【0030】
なお、(A)成分の具体例としては、DIC株式会社のユニディックV−8000シリーズ、ニッポン高度紙工業社のSOXR−Uが挙げられる。
【0031】
本発明の樹脂組成物は、(A)成分と構造が異なり、アルカリ可溶性官能基を有する樹脂(以下、(A1)成分とも称す。)を含んでもよい。(A1)成分を含むことにより、樹脂層と基材との密着性が良好なドライフィルムが得られる。従って、ドライフィルムの作業性が優れる。(A)成分と構造が異なるとは、式(1)および(2)の構造を含まないことを意味する。(A1)成分のアルカリ可溶性官能基としては、(A)成分のアルカリ可溶性官能基と同じである。(A1)成分としては、エポキシ樹脂を出発原料とするカルボキシル基含有樹脂、ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂(カルボキシル基含有ウレタン樹脂とも称す。)、不飽和カルボン酸の共重合構造を有するカルボキシル基含有樹脂、フェノール化合物を出発原料とするカルボキシル基含有樹脂、およびそれらカルボキシル基含有樹脂に分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有樹脂の少なくともいずれかであることが好ましい。以下に(A1)成分の具体例を示す。
【0032】
(1)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレンなどの不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂。
(2)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートなどのジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸などのカルボキシル基含有ジアルコール化合物およびポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物などのジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(3)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物と、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物などのジオール化合物の重付加反応によるウレタン樹脂の末端に酸無水物を反応させてなる末端カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(4)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂などの2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物およびジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
(5)上述した(2)または(4)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
(6)上述した(2)または(4)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物など、分子中に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
(7)後述するような2官能またはそれ以上の多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などの2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。ここで、エポキシ樹脂は、固形であることが好ましい。
(8)後述するような2官能エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。ここで、エポキシ樹脂は、固形であることが好ましい。
(9)ノボラックなどの多官能フェノール化合物にエチレンオキサイドなどの環状エーテル、または、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネートを付加させ、得られた水酸基を(メタ)アクリル酸で部分エステル化し、残りの水酸基に多塩基酸無水物を反応させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
(10)これら(1)〜(9)の樹脂に、さらにグリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどの分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有感光性樹脂。
【0033】
(A1)成分は、これらのものに限らず使用することができ、1種類でも複数種混合して使用することもできる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語で、以下他の類似の表現についても同様である。
【0034】
(A1)成分の酸価、重量平均分子量としては、(A)成分の酸価、重量平均分子量と同じ範囲である。(A1)成分の配合量は、(A)成分と(A1)成分の合計100質量部に対して5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上30質量%以下である。上記の範囲とすることにより、良好な強靭性と耐熱性を有する硬化物を得ることができる。
【0035】
<(B)成分>
本発明の樹脂組成物は、(B)平均粒径が200nm以下の無機粒子を含む。(B)無機粒子の平均粒径は、好適には150nm以下であり、より好適には100nm以下である。無機粒子の平均粒径を200nm以下とする理由は以下のとおりである。すなわち、通常、樹脂組成物の露光には、波長が450nm以下の紫外線波長が用いられる。樹脂組成物の解像性を良好にするためには光の散乱を抑えることが必要であるが、樹脂組成物中の無機粒子に光があたると、光は散乱を起こす。粒子径が小さいほど散乱は少なくなるが、本発明者らの検討の結果、無機粒子の粒径を、露光用の紫外線の波長の半分程度である200nm以下とすることにより、解像性を大幅に向上できることが分かった。ここで平均粒径は、レーザー回折法により測定された値である。レーザー回折法による測定装置としては、日機装株式会社(Nanotrac wave)などが挙げられる。
【0036】
硬化物中の無機粒子の平均粒径を測定する際には、まず硬化物の表面をプラズマ処理にてエッチングして無機粒子が見える状態にし、SEM(走査型電子顕微鏡)にて無機粒子を観察する。無機粒子の平均粒径を得るには、1μmの範囲において、観察される無機粒子の直径を測定し、その作業を別の個所も含めて5回行ない、無機粒子の直径の平均値を算出すればよい。プラズマ処理は、例えば、装置としてMARCH PLASMA SYSTEM INC AP−1000を使用し、POWER:500W,Pressure:300Torr,Gas:Ar,処理時間を10分とする。
【0037】
無機粒子としては、例えば、シリカ、硫酸バリウム、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、雲母粉、ハイドロタルサイト、シリチン、シリコロイド等の公知慣用の無機充填剤を用いることができる。これらの中でも、線膨張係数が小さいシリカを好適に用いることができる。なお、これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0038】
本発明の樹脂組成物における(B)成分の配合量は、(A)成分と(A1)成分の合計100質量部((A1)成分を含まない場合、(A)成分100質量部)に対して10〜150質量部が好ましく、より好ましくは30〜120質量部である。(B)成分を10質量部以上とすることで線膨張係数の低減効果を十分に得ることができ、一方、(B)成分を150質量部以下とすることで、本発明の樹脂組成物を塗布する際の作業性の悪化を防止することができる。
【0039】
本発明の樹脂組成物においては、上述のとおり、(B)成分として、線膨張係数が小さいシリカを好適に用いることができるが、この場合、シリカとしては、表面をシランカップリング剤で処理されたものが好ましい。これは液中にて分散された後、沈殿や凝集することを防ぐことができ、その結果、保存安定性に優れるためである。また、樹脂組成物の配合の際にも凝集することなく安定に投入することができ、さらに、得られる硬化物の樹脂と粒子との濡れ性を向上させることもできるからである。
【0040】
シランカップリング剤に含有される有機基としては、例えば、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アミノ基、ウレイド基、クロロプロピル基、メルカプト基、ポリスルフィド基、イソシアネート基等が挙げられる。シランカップリング剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0041】
<(C)成分>
本発明の樹脂組成物は、(C)光重合開始剤を含む。(C)光重合開始剤としては、一般式(I)で表される構造を含むオキシムエステル系、一般式(II)で表される構造を含むα−アミノアセトフェノン系、一般式(III)で表される構造を含むアシルホスフィンオキサイド系、および一般式(IV)で表される構造のチタノセン系からなる群から選択される1種または2種以上を含有することが好ましい。
【0042】
【0043】
一般式(I)中、Rは、水素原子、フェニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルカノイル基またはベンゾイル基を表わす。Rは、フェニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルカノイル基またはベンゾイル基を表わす。
【0044】
およびRにより表されるフェニル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0045】
およびRにより表されるアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、アルキル鎖中に1個以上の酸素原子を含んでいてもよい。また、1個以上の水酸基で置換されていてもよい。RおよびRにより表されるシクロアルキル基としては、炭素数5〜8のシクロアルキル基が好ましい。RおよびRにより表されるアルカノイル基としては、炭素数2〜20のアルカノイル基が好ましい。RおよびRにより表されるベンゾイル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、炭素数が1〜6のアルキル基、フェニル基等が挙げられる。
【0046】
一般式(II)中、RおよびRは、各々独立に、炭素数1〜12のアルキル基またはアリールアルキル基を表わし、RおよびRは、各々独立に、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基を表わし、あるいは2つが結合して環状アルキルエーテル基を形成してもよい。
【0047】
一般式(III)中、RおよびRは、各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アリール基、またはハロゲン原子、アルキル基もしくはアルコキシ基で置換されたアリール基、または炭素数1〜20のカルボニル基(但し、双方が炭素数1〜20のカルボニル基である場合を除く。)を表わす。
【0048】
一般式(IV)中、RおよびR10は、各々独立に、ハロゲン原子、アリール基、ハロゲン化アリール基、複素環含有ハロゲン化アリール基を表わす。
【0049】
オキシムエステル系光重合開始剤の具体例としては、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)などが挙げられる。市販品として、BASFジャパン社製のCGI−325、イルガキュアーOXE01、イルガキュアーOXE02、アデカ社製N−1919、NCI−831等が挙げられる。分子内に2個のオキシムエステル基を有する光重合開始剤やカルバゾール構造を有する光重合開始剤も好適に用いることができる。具体的には、下記一般式(V)で表されるオキシムエステル化合物が挙げられる。
(一般式(V)中、Xは、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、フェニル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)、ナフチル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)を表し、Y、Zはそれぞれ、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン基、フェニル基、フェニル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)、ナフチル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)、アンスリル基、ピリジル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基を表し、Arは、結合か、炭素数1〜10のアルキレン、ビニレン、フェニレン、ビフェニレン、ピリジレン、ナフチレン、チオフェン、アントリレン、チエニレン、フリレン、2,5−ピロール−ジイル、4,4’−スチルベン−ジイル、4,2’−スチレン−ジイルで表し、nは0か1の整数である。)
【0050】
特に、一般式(V)中、X、Yが、それぞれメチル基またはエチル基であり、Zはメチルまたはフェニルであり、nは0であり、Arは、結合か、フェニレン、ナフチレン、チオフェンまたはチエニレンであることが好ましい。
【0051】
また、好ましいカルバゾールオキシムエステル化合物として、下記一般式(VI)で表すことができる化合物を挙げることもできる。
(一般式(VI)中、Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基、または、ニトロ基、ハロゲン原子もしくは炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表す。Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、または、炭素原子数1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表す。Rは、酸素原子または硫黄原子で連結されていてもよく、フェニル基で置換されていてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよいベンジル基を表す。Rは、ニトロ基、または、X−C(=O)−で表されるアシル基を表す。Xは、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアリール基、チエニル基、モルホリノ基、チオフェニル基、または、下記式(VII)で示される構造を表す。)
【0052】
α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤の具体例としては、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン(イルガキュア369、商品名、BASFジャパン社製)、4−(メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン(イルガキュア907、商品名、BASFジャパン社製)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(イルガキュア379、商品名、BASFジャパン社製)等の市販の化合物またはその溶液を用いることができる。
【0053】
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。市販品としては、BASF社製のルシリンTPO、イルガキュアー819などが挙げられる。
【0054】
チタノセン系光重合開始剤としては、ビス(η−2、4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2、6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムが挙げられる。市販品としては、BASFジャパン社製のイルガキュアー784などが挙げられる。
【0055】
他の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;キサントン類;3,3’4,4’−テトラ−(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等各種パーオキサイド類;1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン等が挙げられる。
【0056】
本発明の樹脂組成物においては、上記の光重合開始剤以外にも、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類のような公知慣用の光増感剤の1種または2種以上と組み合わせて用いることができる。さらに、より深い光硬化深度を要求される場合、必要に応じて、3−置換クマリン色素、ロイコ染料等を硬化助剤として組み合わせて用いることができる。
【0057】
本発明の樹脂組成物においては、(C)成分の配合割合は、(A)成分と(A1)成分の合計100質量部((A1)成分を含まない場合、(A)成分100質量部)当り0.05〜30質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜20質量部であり、さらにより好ましくは、0.1〜15質量部である。(C)成分の配合量を上記範囲とすることで反応に必要なラジカルを十分に発生させることができ、また、深部まで光を透過させることができるので、硬化物が脆くなる等の問題を回避することができる。なお、(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0058】
<(D)成分>
本発明の樹脂組成物は、(D)不飽和二重結合を有する化合物を含有する。(D)成分は、活性エネルギー線の照射により光硬化して、本発明の樹脂組成物をアルカリ水溶液に不溶化し、または不溶化を助けることができる。このような化合物としては、慣用公知のポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートが使用でき、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジアクリレート類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコールまたはこれらのエチレオキサイド付加体、プロピレンオキサイド付加体、もしくはε−カプロラクトン付加体などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、およびこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加体もしくはプロピレンオキサイド付加体などの多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価アクリレート類;上記に限らず、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端ポリブタジエン、ポリエステルポリオールなどのポリオールを直接アクリレート化、もしくは、ジイソシアネートを介してウレタンアクリレート化したアクリレート類およびメラミンアクリレート、および上記アクリレートに対応する各メタクリレート類の少なくとも何れか1種などを挙げることができる。
【0059】
さらに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂に、アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート樹脂や、さらにそのエポキシアクリレート樹脂の水酸基に、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のヒドロキシアクリレートとイソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートのハーフウレタン化合物を反応させたエポキシウレタンアクリレート化合物等を挙げることができる。このようなエポキシアクリレート系樹脂は、指触乾燥性を低下させることなく、光硬化性を向上させることができる。上記のような分子中にエチレン性不飽和基を有する化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0060】
(D)成分の配合割合は、(A)成分と(A1)成分の合計100質量部((A1)成分を含まない場合、(A)成分100質量部)当り1〜60質量部が好ましく、より好ましくは5〜50質量部であり、さらに好ましくは10〜40質量部である。(D)成分の配合量を上記範囲とすることで、良好な光反応性を得て、かつ耐熱性を併せ持つことができる。
【0061】
<(E)熱硬化性樹脂>
本発明の樹脂組成物は、さらに耐熱性を向上させるために、(E)熱硬化性樹脂(以下、「(E)成分」とも称す)を含有させることが好ましい。熱硬化性樹脂としては、例えば、多官能エポキシ化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂等分子中に2個以上の環状エーテル基および/または環状チオエーテル基、ポリイソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物等1分子内に2個以上のイソシアネート基、またはブロック化イソシアネート基を有する化合物、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミン樹脂とその誘導体、ビスマレイミド、オキサジン、シクロカーボネート化合物、カルボジイミド樹脂等の公知の熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0062】
エポキシ樹脂としては、1分子中に少なくとも2つのエポキシ基を有する公知慣用の多官能エポキシ樹脂が使用できる。エポキシ樹脂は、液状であってもよく、固形ないし半固形であってもよい。多官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ブロム化エポキシ樹脂;ノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;グリシジルアミン型エポキシ樹脂;ヒダントイン型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;ビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂またはそれらの混合物;ビスフェノールS型エポキシ樹脂;ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;複素環式エポキシ樹脂;ジグリシジルフタレート樹脂;テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;ナフタレン基含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂;エポキシ変性のポリブタジエンゴム誘導体;CTBN変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限られるものではない。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型またはビスフェノールF型のノボラック型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノールノボラック型(ビフェニルアラルキル型)エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂またはそれらの混合物が好ましい。
【0063】
特に、熱硬化性樹脂としては、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂が好ましい。ナフタレンは平面構造であり、線膨張係数を低下させ、耐熱性をより向上させることができるからである。なお、これら熱硬化性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、新日鉄化学製のESN−190、ESN−360、DIC社製のEPICRON HP−4032、EPICRON HP−4032D等が挙げられる。
【0064】
(E)成分としては、解像性の観点から無着色のものが好ましい。このような(E)成分としては、脂環式骨格を有する熱硬化性樹脂が好ましく、例えば、ジシクロペンタジエン骨格含有熱硬化性樹脂が好ましく、特には、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂が好ましい。また、脂環式骨格を有する熱硬化性樹脂は、鎖状骨格のエポキシ樹脂よりもガラス転移温度の向上効果が得られるので好ましい。
【0065】
(E)成分の配合割合は、(A)成分と(A1)成分の合計100質量部((A1)成分を含まない場合、(A)成分100質量部)当り10〜100質量部が好ましく、より好ましくは10〜80質量部である。(E)成分の配合量を上記範囲とすることで、耐熱性を有し、かつ良好な現像性と光反応性を併せ持つ組成物を得ることができる。
【0066】
本発明の樹脂組成物に(E)熱硬化性樹脂を含有させた場合は、熱硬化触媒を含有させてもよい。熱硬化触媒としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物等が挙げられる。また、これら以外にも、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を用いることもできる。
【0067】
市販されている熱硬化触媒としては、例えば四国化成工業社製の2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZ(いずれもイミダゾール系化合物の商品名)、サンアプロ社製のU−CAT3503N、U−CAT3502T(いずれもジメチルアミンのブロックイソシアネート化合物の商品名)、DBU、DBN、U−CATSA102、U−CAT5002(いずれも二環式アミジン化合物およびその塩)等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明の樹脂組成物においては、熱硬化触媒の配合量は、(A)成分と(A1)成分の合計100質量部((A1)成分を含まない場合、(A)成分100質量部)に対して、0.1〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜5.0質量部である。
【0068】
さらに、本発明の樹脂組成物は、組成物の調製のため、または基板やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のため、有機溶剤を使用することができる。このような有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤等を挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート等のエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等である。このような有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0069】
<その他>
本発明の樹脂組成物は、(A)上記式(1)または(2)で表される少なくとも一方の構造およびアルカリ可溶性官能基を有するアミドイミド樹脂と、(B)平均粒径が200nm以下の無機粒子と、(C)光反応開始剤と、(D)不飽和二重結合を有する化合物と、を含むことが特徴であり、それ以外については特に制限はない。例えば、本発明の樹脂組成物においては、必要に応じて公知慣用の着色剤(例えば、酸化チタンなどの白色着色剤、カーボンブラック、チタンブラックなどの黒色着色剤、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジスアゾイエロー等)、熱重合禁止剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤等を添加することができる。
【0070】
本発明の樹脂組成物は、プリント配線板の絶縁性硬化被膜の形成用として好適であり、絶縁性永久被膜の形成用としてさらに好適であり、カバーレイ、ソルダーレジスト、層間絶縁材の形成用として最適である。なお、本発明の樹脂組成物は、ソルダーダムなどの形成に使用することもできる。本発明の樹脂組成物は、液状型でもよく、液状型樹脂組成物を乾燥させて得られるドライフィルム型でもよい。液状型樹脂組成物は、保存安定性の観点から2液型等としてもよいが、1液型としてもよい。
【0071】
[ドライフィルム]
本発明のドライフィルムは、本発明の樹脂組成物を、フィルム(以下、「キャリアフィルム」とも称す)上に塗布し、その後乾燥して得られた樹脂層を有するものである。本発明のドライフィルムは、本発明の樹脂組成物を有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等でキャリアフィルム上に均一な厚さに塗布し、通常、50〜130℃の温度で1〜30分間乾燥して得ることができる。塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で5〜150μm、好ましくは10〜60μmの範囲で適宜設定すればよい。フィルムとしては、キャリアフィルムに限らず、カバーフィルムでもよい。
【0072】
キャリアフィルムとしては、プラスチックフィルムを好適に用いることができ、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等のプラスチックフィルムを用いることが好ましい。キャリアフィルムの厚さについては特に制限はないが、一般に、10〜150μmの範囲で適宜選択される。
【0073】
キャリアフィルム上に本発明の樹脂組成物を塗布した後、さらに、塗膜の表面に塵が付着するのを防ぐ等の目的で、膜の表面に剥離可能なカバーフィルムを積層してもよい。剥離可能なカバーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができ、カバーフィルムを剥離するときに膜とキャリアフィルムとの接着力よりも膜とカバーフィルムとの接着力がより小さいものであればよい。
【0074】
本発明の樹脂組成物をキャリアフィルム上に塗布した後に行う揮発乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用い乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法およびノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
【0075】
[硬化物]
本発明の硬化物は、本発明の樹脂組成物が硬化されてなるもの、および、本発明のドライフィルムの樹脂層が硬化されてなるものである。本発明の硬化物は、本発明の樹脂組成物を塗布し、溶剤を揮発乾燥させた後に得られた塗膜に、またはドライフィルムに対し、活性エネルギー線を照射して露光を行うことにより、活性エネルギー線により照射された部分である露光部を硬化させて得ることができる。
【0076】
[プリント配線板]
本発明のプリント配線板は、本発明の硬化物を備えるものである。本発明のプリント配線板は、本発明の硬化性樹脂組成物をプリント配線板上に直接塗布する方法と、本発明のドライフィルムを用いる方法とにより得ることができる。
【0077】
直接塗布する方法で本発明のプリント配線板を製造する場合、回路形成されたプリント配線板上に本発明の樹脂組成物を直接塗布し、樹脂組成物の塗膜を形成した後、レーザー光等の活性エネルギー線をパターン通りに直接照射するか、またはパターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線を照射することにより露光し、未露光部を希アルカリ水溶液により現像してレジストパターンを形成する。さらに、レジストパターンに例えば500〜2000mJ/cmで活性エネルギー線を照射し、例えば約140〜180℃の温度に加熱して硬化させることにより、硬化物のパターンを有するプリント配線板を製造する。なお、レジストパターンへの活性エネルギー線の照射は、レジストパターンの画像を形成する際の露光で反応しなかった(D)成分などをほぼ完全に硬化反応させるために行われる。
【0078】
ドライフィルムを使用する場合、回路形成されたプリント配線板上に、本発明のドライフィルムを貼り合わせて樹脂層を積層した後、上記と同様に露光後、キャリアフィルムを剥がし、現像する。その後、樹脂層に活性エネルギー線を照射し、例えば約140〜180℃の温度に加熱して硬化させることにより、硬化物のパターンを有するプリント配線板を製造する。なお、硬化被膜のパターンの形成は、フォトリソグラフィ法により形成してもよく、スクリーン印刷法等により形成してもよい。
【0079】
活性エネルギー線の照射に用いられる露光機としては、高圧水銀灯ランプ、超高圧水銀灯ランプ、メタルハライドランプ、水銀ショートアークランプ等を搭載し、350〜450nmの範囲で紫外線を照射できる装置であればよく、さらに、例えば、コンピューターからのCADデータにより直接活性エネルギー線で画像を描くダイレクトイメージング装置のような直接描画装置も用いることができる。直接描画装置の光源としては、水銀ショートアークランプ、LED、最大波長が350〜410nmの範囲にあるレーザー光を用いていればガスレーザー、固体レーザーいずれでもよい。レジストパターンの画像形成のための露光量は膜厚等によって異なるが、一般には20〜1500mJ/cm、好ましくは20〜1200mJ/cmの範囲内とすることができる。
【0080】
現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等を採用することができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類等のアルカリ水溶液を用いることができる。
【実施例】
【0081】
以下、本発明の樹脂組成物について、実施例を用いて詳細に説明する。
【0082】
<実施例1〜25および比較例1〜3>
下記表1〜4の配合に従って、実施例1〜25および比較例1〜3の樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物をパターン形成された評価用の銅箔基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥し、室温まで放冷した。その後、得られた評価基板に対して、高圧水銀灯を搭載した露光装置を用いて最適露光量でレジストパターンを露光し、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で90秒間現像した。硬化物のレジストパターン形成後には、UVコンベア炉にて積算露光量1000mJ/cmの条件で紫外線照射した後、180℃で60分加熱して硬化した。なお、アミドイミド樹脂(A−1)、他の樹脂(A1−1)、(A1−2)については、下記の合成方法に従って合成したものを用いた。得られた評価基板につき、解像性、引張強度、伸び、線膨張係数およびガラス転移点について評価した。表1〜4中の無機粒子の平均粒径は、レーザー回折法による測定値である。なお、最適露光量は、以下の手順で求めた。
【0083】
<最適露光量>
下記表1〜4の配合に従って、実施例1〜25および比較例1〜3の樹脂組成物を調製した。次に、銅貼り積層基板をバフロール研磨後、水洗、乾燥し、得られた樹脂組成物をスクリーン印刷法により塗布し、80℃の熱風循環式乾燥炉で30分乾燥させた。乾燥後、フォトマスク(イーストマン・コダック社製、ステップタブレットNo.2)を介して、高圧水銀灯露光装置を用いて露光した。照射したものをテストピースとし、スプレー圧2kg/cmの現像液(30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液)にて60秒間の現像を行った後、残存塗膜の段数を目視判定した。残存塗膜の段数が10段になる露光量を適正露光量とした。
【0084】
<アミドイミド樹脂(A―1)の合成(合成例1)>
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けたフラスコに、GBL(ガンマブチロラクトン)848.8gとMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)57.5g(0.23モル)、DMBPDI(4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル)59.4g(0.225モル)とTMA(無水トリメリット酸)67.2g(0.35モル)とTMA−H(シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物)29.7g(0.15モル)を仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して80℃に昇温し、この温度で1時間かけて溶解、反応させ、さらに2時間かけて160℃まで昇温した後、この温度で5時間反応させた。反応は炭酸ガスの発泡とともに進行し、系内は茶色の透明液体となった。25℃での粘度が7Pa・sの樹脂固形分17%で溶液酸価が5.3(KOHmg/g)のポリアミドイミド樹脂(A1)の溶液(樹脂がγ−ブチロラクトンに溶解した樹脂組成物)を得た。なお、樹脂の固形分酸価は31.2(KOHmg/g)であった。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定の結果、重量平均分子量34,000であった。ポリアミドイミド樹脂(A−1)は、上記式(1)と(2)の構造とカルボキシル基を有する樹脂である。
【0085】
<他の樹脂(A1−1)の合成(合成例2)>
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート600gにオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂〔DIC社製EPICLON N−695、軟化点95℃、エポキシ当量214、平均官能基数7.6〕1070g(グリシジル基数(芳香環総数):5.0モル)、アクリル酸360g(5.0モル)、およびハイドロキノン1.5gを仕込み、100℃に加熱攪拌し、均一溶解した。次いで、トリフェニルホスフィン4.3gを仕込み、110℃に加熱して2時間反応後、120℃に昇温してさらに12時間反応を行った。得られた反応液に芳香族系炭化水素(ソルベッソ150)415g、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物534g(3.0モル)を仕込み、110℃で4時間反応を行い、冷却後、固形分酸価89mgKOH/g、固形分65%のクレゾールノボラック型カルボキシル基含有樹脂溶液を得た。得られた樹脂を他の樹脂(A1−1)とする。
【0086】
<他の樹脂(A1−2)の合成(合成例3)>
温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置および撹拌装置を備えたオートクレーブに、ノボラック型クレゾール樹脂(昭和高分子(株)製、商品名「ショーノールCRG951」、OH当量:119.4)119.4g、水酸化カリウム1.19gおよびトルエン119.4gを仕込み、撹拌しつつ系内を窒素置換し、加熱昇温した。次に、プロピレンオキシド63.8gを徐々に滴下し、125〜132℃、0〜4.8kg/cmで16時間反応させた。その後、室温まで冷却し、この反応溶液に89%リン酸1.56gを添加混合して水酸化カリウムを中和し、不揮発分62.1%、水酸基価が182.2g/eq.であるノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液を得た。これは、フェノール性水酸基1当量当りアルキレンオキシドが平均1.08モル付加しているものであった。
【0087】
次いで、得られたノボラック型クレゾール樹脂のアルキレンオキシド反応溶液293.0g、アクリル酸43.2g、メタンスルホン酸11.53g、メチルハイドロキノン0.18gおよびトルエン252.9gを、撹拌機、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、110℃で12時間反応させた。反応により生成した水は、トルエンとの共沸混合物として、12.6gの水が留出した。その後、室温まで冷却し、得られた反応溶液を15%水酸化ナトリウム水溶液35.35gで中和し、次いで水洗した。その後、エバポレーターにてトルエンをジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート118.1gで置換しつつ留去し、ノボラック型アクリレート樹脂溶液を得た。次に、得られたノボラック型アクリレート樹脂溶液332.5gおよびトリフェニルホスフィン1.22gを、撹拌器、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、テトラヒドロフタル酸無水物60.8gを徐々に加え、95〜101℃で6時間反応させた。固形物の酸価88mgKOH/g、不揮発分71%のカルボキシル基含有感光性樹脂の樹脂溶液を得た。以下、得られた樹脂を他の樹脂(A1−2)とする。
【0088】
<解像性>
作成した評価基板の硬化被膜のパターンを1,000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察を行い、以下の評価基準で評価した。得られた結果を表1〜4に併記する。
AA:ラインアンドスペース10μm以下を形成可能。
A:ラインアンドスペース15μm以下を形成可能。
B:ラインアンドスペース25μm以下を形成可能。
C:ラインアンドスペース25μmを形成不可能。
【0089】
<引張強度・伸び(強靭性)>
実施例1〜25および比較例1〜3の樹脂組成物を上記と同じ条件で硬化して得た硬化被膜(10mm×40mm)を、島津製作所社製オートグラフAG−Xにて1mm/minの速度で引張試験を行った。得られた結果を表1〜4に併記する。破断点応力と伸び率が大きい場合、強靭性に優れる。
A:破断点応力80N/mm以上/伸び3%以上
B:破断点応力50N/mm以上80N/mm未満/伸び2%以上3%未満
C:破断点応力50N/mm未満/伸び2%未満
【0090】
<線膨張係数・ガラス転移点(耐熱性)>
実施例1〜25、比較例1〜3の樹脂組成物を上記と同じ条件で硬化して得た3mm×10mmのサイズの硬化被膜を、セイコーインスツル社製TMA6100にて10gの荷重を加えながら一定の昇温速度で0℃〜260℃の温度範囲で引張り試験を行った。温度に対する硬化被膜の伸び量から線膨張係数(CTE)を算出した。また、変曲点からガラス転移点(Tg)を得た。得られた結果を表1〜4に併記する。Tgが高く、CTEが低い場合、耐熱性に優れている。
A:Tg180℃以上/CTE40ppm未満
B:Tg150℃以上180℃未満/CTE50ppm未満40ppm以上
C:Tg150℃未満/CTE50ppm以上
【0091】
<ドライフィルム作業性>
実施例1〜25および比較例1〜3の樹脂組成物を厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にギャップ60μmのアプリケーターを用いて塗布し、80℃で30分乾燥し、室温まで放冷して、樹脂層を有するドライフィルムを作製した。得られたPETフィルム上の樹脂層を10cm四方の大きさに切り、対角線を作るように折り曲げた。折り曲げた際に、樹脂層がPET上で安定したフィルム状で存在するかを確認した。
A:PETと同様に折り曲げられ、PETから剥がれない。
B:PETから剥がれないが、折り曲げた部分が割れる。
C:折り曲げた部分が割れ、PETから剥がれ落ちる。
【0092】
<現像性>
実施例1〜25及び比較例1〜3の樹脂組成物を、銅箔基板に塗布し、乾燥後に、塗膜の面積が10cm×10cmで厚さ50μmとなるように、乾燥塗膜を形成した。ビーカーに3Lの1質量%水酸化ナトリウム水溶液を入れ、30℃に加温して現像液を調製した。また、乾燥塗膜を形成した基板の重量を測定した。そして、現像液に基板を浸漬させ、1分間搖動して取り出した。その後、すぐに基板を水洗し、乾燥させてから再度重量を測定した。基板の重量変化から現像性、即ち、(基板の重量変化:g)/(現像液の体積:L)を計算して評価した。現像性の値が高いほど現像速度が速いことがわかる。なお、一般的なポリイミド樹脂(エア・ウォーター株式会社製、TECHMIGHT E2020)を含む組成物の場合、現像性は0.01g/L以下であり、ほぼ不溶である。
【0093】
【表1】
【0094】
アミドイミド樹脂(A−1):合成例1で合成した樹脂(樹脂固形分17%)
アミドイミド樹脂(A−2):SOXR−U(樹脂固形分20%)(ニッポン高度紙工業社製)であり、上記式(2)の構造を有するカルボキシル基含有アミドイミド樹脂に相当
他の樹脂(A1−1):合成例2で合成したカルボキシル基含有樹脂(固形分65%)
他の樹脂(A1−2):合成例3で合成したカルボキシル基含有樹脂(固形分71%)
無機粒子1:平均粒径100nmのシリカ
無機粒子2:平均粒径50nmのシリカ
無機粒子3:平均粒径100nmの硫酸バリウム
無機粒子4:平均粒径1μmのシリカ
光重合開始剤1:BASF社製 TPO
光重合開始剤2:BASF社製 IRG−369
光重合開始剤3:BASF社製 IRG−OXE02
不飽和二重結合を有する化合物1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
不飽和二重結合を有する化合物2:ジシクロペンタジエンジアクリレート
熱硬化性樹脂1:ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂HP4032(150eq)(DIC社製)
熱硬化性樹脂2:ナフトール変性エポキシ樹脂NC7000(230eq)(日本化薬社製)
熱硬化性樹脂3:ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂NC3000(275eq)(日本化薬社製)
熱硬化性樹脂4:ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂XD−1000(250eq)(日本化薬社製)
熱硬化性樹脂5:ジシクロペンタジエン骨格エポキシ樹脂HP―7200H(280eq)(DIC社製)
熱硬化触媒1:メラミン
熱硬化触媒2:ジシアンジアミド
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
表1〜4から、本発明の樹脂組成物は、解像性、耐熱性、および強靭性が優れた硬化物を得ることができることがわかる。また、本発明の樹脂組成物から得られるドライフィルムは、作業性に優れていることがわかる。