(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記所定の操作が行われている間には、絞り数値、シャッタースピードの少なくともいずれか一方を含む撮影に関する設定の設定値が保持されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
前記制御手段は、前記タッチパネルにおいてタッチ位置の移動が第1の距離されたことに応じて、前記第1の表示手段において前記所定のアイテムが移動する距離を、前記操作手段に対する前記所定の操作が行われていない場合よりも、前記操作手段に対する前記所定の操作がされている場合の方が短くなるように制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
前記制御手段は、前記第1の表示手段において前記所定のアイテムを移動するためのタッチ操作を受付ける前記タッチパネルの領域を、前記操作手段に対する前記所定の操作が行われていない場合よりも、前記操作手段に対する前記所定の操作が行われている場合の方が狭くなるように制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
前記制御手段は、ファインダを介して被写体像が視認可能な際に、前記操作手段に対する前記所定の操作が行われていない場合には、前記検出手段で検出したタッチ操作に応じて、タッチが開始される前の前記所定のアイテムの表示位置に基づかず、前記タッチパネルにおいてタッチが開始された位置に基づいた前記第1の表示手段の位置に前記所定のアイテムを表示し、
前記操作手段に対する前記所定の操作が行われている場合には、タッチが開始されても前記所定のアイテムを移動せず、タッチ位置の移動があると、タッチ位置の移動がされる前に前記所定のアイテムが表示されていた位置から、前記タッチ位置の移動に応じた分、移動した位置に前記所定のアイテムを表示するように制御することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
前記所定のアイテムは、設定されたAF位置に常に合焦するように合焦処理を行うコンティニュアスAFが行われる位置を示していることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の撮像装置。
前記所定のアイテムの表示位置は、ワンショットAFが行われる位置を示している際には、前記所定の操作を受付けている場合には、前記タッチパネルへのタッチ位置の移動がされても、前記第1の表示手段において前記所定のアイテムを移動しないことを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。ただし、本形態において例示される構成部品の寸法、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明がそれらの例示に限定されるものではない。
【0010】
<第1の実施形態>
図1に本実施形態を適用可能な装置の一例として、撮像装置100の外観図を示す。背面表示パネル28aは、画像や各種情報を表示する表示部であると共に、タッチパネル70aを備えている。電子ビューファインダ28b(接眼表示部)は、背面表示パネル28aと同様に、画像や各種情報を表示可能な電子ビューファインダである。本実施形態においては、電子ビューファインダ28bを使用している際、タッチパネル70aへの操作を行うことで、各設定項目の変更や電子ビューファインダ28b内のAF位置指定、被写体指定等を行う。なお、電子ビューファインダ28bではなく、光学ファインダで構成してもよく、その場合には、AF枠を始めとする各設定項目(設定値を示すアイテム)を表示するための透過性の表示部(接眼表示部)を光学ファインダ内に備える。
【0011】
シャッターボタン61は、撮影指示を行うためのボタンであり、後述するように半押し(完全に押下をする途中の状態、シャッターボタンは半押し状態を受付可能である)で撮影準備の指示を行い、全押しで撮影指示を行う2段階スイッチの構成を有する。また、本実施形態ではシャッターボタン61を半押しした状態でタッチパネル70aを操作することで、タッチ操作量に対する値変更量を増幅させる。モード切替スイッチ60は各種モードを切り替えるために用いられる。電源スイッチ72は、電源オン、電源オフを切り替えるための押しボタンである。操作部70は、ユーザーからの各種操作を受け付ける各種スイッチ、ボタン、及びタッチパネル70a等の操作部材より成る。
【0012】
コントローラホイール73は、操作部70に含まれる回転操作可能な操作部材であり、方向ボタンと共に選択項目を指示する際などに使用される。コントローラホイール73を回転操作すると、操作量に応じて電気的なパルス信号が発生し、このパルス信号に基づいてシステム制御部50は撮像装置100の各部を制御する。このパルス信号によって、コントローラホイール73が回転操作された角度や、何回転したかなどを判定することができる。なお、コントローラホイール73は回転操作が検出できる操作部材であればどのようなものでもよい。例えば、ユーザの回転操作に応じてコントローラホイール73自体が回転してパルス信号を発生するダイヤル操作部材であってもよい。また、タッチセンサよりなる操作部材(いわゆる、タッチホイール)で、コントローラホイール73自体は回転せず、コントローラホイール73上でのユーザの指の回転動作などを検出するものであってもよい。
【0013】
記録媒体200はメモリカードやハードディスク等であって、記録媒体スロットに格納される。記録媒体スロットに格納された記録媒体200は、撮像装置100との通信が可能となり、記録や再生が可能となる。記録媒体スロットは、通常、蓋202により覆われている。
【0014】
図2は、本実施形態における撮像装置100の構成例を示すブロック図である。
図2において、撮影レンズ103は、1枚のレンズにより表現しているが、ズームレンズ、フォーカスレンズ等の複数のレンズからなるレンズ群である。シャッター101は、絞り機能を備える。撮像部22は、撮影レンズ103及びシャッター101を介して入射する光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。バリア102は、撮像装置100の撮影レンズ103、シャッター101、撮像部22を含む撮像系を覆うことにより、撮像系の汚れや破損を防止する。
【0015】
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータまたはメモリ制御部15からのデータに対して、所定の画素補間処理や、縮小といったリサイズ処理、色変換処理を行う。また、画像処理部24は、A/D変換器23から出力される画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、焦点調節制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のオートフォーカス(AF)処理、自動露出(AE)処理、フラッシュプリ発光(EF)処理が行われる。さらに、画像処理部24は、A/D変換器23から出力される画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のオートホワイトバランス(AWB)処理も行っている。
【0016】
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介して、メモリ32に書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られ、A/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0017】
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器13は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データは、D/A変換器13を介して表示部28により表示される。
【0018】
表示部28は、
図1を参照して説明したように、背面表示パネル28aと電子ビューファインダ28bとを備えている。それぞれLCDや有機EL等の表示器であって、D/A変換器13からのアナログ信号に応じた表示を行う。このように、A/D変換器23によって一度A/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器13においてアナログ変換し、背面表示パネル28aまたは電子ビューファインダ28bに逐次転送して表示する。これにより、表示部28は電子ビューファインダとして機能し、スルー画像表示(ライブビュー表示)を行うことができる。
【0019】
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能な記録媒体であり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、変数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのコンピュータプログラムを含む。
【0020】
システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサーを有する制御部であり、撮像装置100全体を制御する。前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。システムメモリ52には、RAMが用いられ、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部50はメモリ32、D/A変換器13、表示部28等を制御することにより、背面表示パネル28a及び電子ビューファインダ28bへの表示制御も行う。
【0021】
接眼検知部57は、電子ビューファインダ28bに接眼しているか否かを検知するセンサ(接近検知)である。なお、電子ビューファインダ28bに必ずしも実際に接眼していなくてもよく、電子ビューファインダ28bから予め決められた範囲内に眼などの何らかの物体があるか(近接しているか)を検知するようにしても良い。接眼検知部57の判定によりユーザがファインダを覗いているか否かを判定することができる。また、接眼検知部57がなくても、ユーザがファインダを覗いているか否かは、ファインダを介して被写体像を視認可能であるか否かにより判定をしてもよい。このとき、ユーザが背面表示パネル28aと電子ビューファインダ28bとを手動で切り替え可能な構成にし、電子ビューファインダ28bを選択した場合に、後述する制御において、接眼を検知した場合と同様の扱いとなる。
【0022】
モード切替スイッチ60、シャッターボタン61、操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
【0023】
まず、モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを、静止画記録モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画記録モードに含まれるモードとしては、例えば、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモード等がある。モード切替スイッチ60で、これらのモードのいずれかに直接切り替えることができる。あるいは、モード切替スイッチ60で撮影モードの一覧画面に一旦切り換えた後に、表示された複数のモードのいずれかを選択し、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0024】
第1シャッタースイッチ62は、撮像装置100に設けられたシャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり、第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。システム制御部50は、第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF処理、AE処理、AWB処理、EF処理等の動作を開始する。
【0025】
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0026】
操作部70の各操作部材は、表示部28に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。利用者は、表示部28に表示されたメニュー画面と、上下左右の4方向ボタンやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0027】
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。
【0028】
電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや光ディスク、磁気ディスク等から構成される。
【0029】
通信部54は、無線または有線ケーブルによって接続し、映像信号や音声信号等の送受信を行う。通信部54は無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。通信部54は撮像部22で撮像した画像(スルー画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を外部機器に送信可能であり、また、外部機器から画像データやその他の各種情報を受信することができる。
【0030】
また、本実施形態では、上述した操作部70の一つとして、表示部28の背面表示パネル28aに対する接触を検知可能なタッチパネル70aを有する。タッチパネル70aは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いても良い。方式によって、タッチパネルに対する接触があったことでタッチがあったと検出する方式や、タッチパネルに対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検出する方式ものがあるが、いずれの方式でもよい。
【0031】
タッチパネル70aと背面表示パネル28aとは一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル70aを光の透過率が背面表示パネル28aの表示を妨げないように構成し、背面表示パネル28aの表示面の上層に取り付け、タッチパネル70aにおける入力座標と、背面表示パネル28a上の表示座標とを対応付ける。これにより、恰もユーザが背面表示パネル28a上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を構成することができる。システム制御部50はタッチパネル70aへの以下の操作、あるいは状態を検出することができる。
【0032】
・タッチパネル70aにタッチしていなかった指やペンが新たにタッチパネル70aにタッチしたこと。すなわち、タッチの開始。以下、「タッチダウン」と呼ぶ。
・タッチパネル70aを指やペンでタッチしたまま移動していること。以下、「タッチムーブ」と呼ぶ。
・タッチパネル70aへタッチして いた指やペンを離したこと。すなわち、タッチの終了。以下、「タッチアップ」と呼ぶ。
これらの操作・状態や、タッチパネル70a上(タッチパネル上)に指やペンがタッチしている位置の位置座標は内部バスを通じてシステム制御部50に通知される。システム制御部50は通知された情報に基づいてタッチパネル70a上にどのような操作(タッチ操作)が行われたかを判定する。タッチムーブについてはタッチパネル70a上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル70a上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。
【0033】
次に、第1の実施形態におけるタッチ操作処理について、
図3を参照して説明する。この処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することで実現する。なお、この処理は、デジタルカメラ100に電源が入ると開始する。まず、S101において、接眼検知部57により電子ビューファインダ28bに接眼中であるかどうかを判断する。接眼中でなければS102に進み、
図5を参照して後述する処理を行う。
【0034】
一方、接眼中と判断されるとS103に進み、システム制御部50は、タッチ操作を受付けるための有効領域をタッチパネル70a上に設定し、設定された有効領域内にタッチダウン(タッチの開始)されたかどうかを判断する。第1の実施形態では、
図5(a)及び(c)に示すように、タッチパネル70aのおおよそ右半分を有効領域、残りを無効領域としている。なお、この有効領域は右半分に限るものではなく、左半分にしても、ユーザが操作のし易い所望の領域に設定できるようにしても良い。
【0035】
S103においてタッチダウンされていなければS101に戻り、タッチダウンされていればS104に進んで、タッチパネル70a上のタッチ位置を示すタッチ座標を取得する。次のS105において、システム制御部50は、タッチムーブ(タッチ位置の移動)されたかどうか判断する。ここでは例えば、前回のタッチ座標と現在のタッチ座標とを比較して、座標が合致しているか(停止しているか)どうかを判定し、合致していなければ、タッチムーブされたと判断する。また、最初のループの場合には、前回のタッチ座標がないため、タッチムーブされていないと判断する。なお、前回のタッチ座標と現在のタッチ座標とが合致するかどうかで判定するのではなく、誤差吸収或いは処理負荷低減の目的で、ある程度の閾値を設定し、それ以下の差異の場合に等しいと判定する構成としても良い。タッチムーブされていればS109に進み、タッチムーブされていなければS106に進む。
【0036】
S106において、システム制御部50は、コンティニュアスAFが設定されているかどうかを判断する。ユーザはメニュー画面において、被写体にたえずピントを合わせるづけるコンティニュアスAF(例えば動いている被写体に合焦し続けられる)を行うか、撮影準備指示に応じて1回ピント合わせを行うワンショットAFを行うかを設定できる。ワンショットAFは、ピントを合わせたい位置を指定し、ユーザが狙った構図上の位置にピントを合わせた後、半押し中は合焦位置(レンズの位置)を変えない。コンティニュアスAFでは、ユーザの指定した位置に、ピントを合わせ続けることが可能である。本実施形態では、ワンショットAF(第1の合焦制御)では、シャッターボタン61が半押しされた時(SW1 ON)にピントの調整を行うことで、合焦位置を固定する。コンティニュアスAF(サーボAF、第2の合焦制御)では、指定位置に常に合焦するようにAF処理を行うので、シャッターボタン61の半押し後に構図がずれたり、所望の被写体の位置がずれてしまうとピントが所望の被写体に合わなくなってしまう。そこで、シャッターボタン61の半押し後にも、AF位置の変更を可能にすることで被写体がずれてしまった場合にも所望の被写体への合焦を可能にしている。サーボAFが設定されていれば、S107に進み、サーボAFが設定されていなければ、すなわち、ワンショットAFが設定されていれば、S110に進む。
【0037】
S107において、システム制御部50は、タッチアップされたか(タッチが離されたか)どうかを判断する。タッチアップされていなければS104に戻って上述した処理を繰り返し、タッチアップされていればS108に進む。S108では、現在のタッチ座標位置にある被写体についてコンティニュアスAFを開始し、処理を終了する。
【0038】
一方、タッチムーブされていた場合、S109において、システム制御部50は、タッチパネル70aの垂直成分・水平成分毎のタッチムーブ移動量Lx、Lyを取得する。ここでは、前回のタッチ座標と現在のタッチ座標との差から移動量を取得し、S110に進む。S110では、システム制御部50は、シャッターボタン61が半押しされているか(SW1 ON、撮影準備指示)か否かを判定する。半押しされていなければS111に進み、システム制御部50は、移動
係数を通常時に用いるM1に設定する。なお、移動係数M1は、タッチムーブ移動量の垂直成分・水平成分にそれぞれ掛ける係数(M1x、M1y)からなる。そして、S112において、電子ビューファインダ28bに表示する焦点検出領域を示すAF枠を、S109で取得したタッチムーブ移動量Lx、Lyに、移動係数M1を掛け、求めたAF枠移動量Lx×M1x、Ly×M1y分、前回の表示位置から移動する。移動後、S104に戻る。
【0039】
S11
0の判定において半押しされていればS113に進み、システム制御部50は、移動
係数をM1より大きな、シャッターボタン61の半押し状態用の移動係数M2に設定する。移動
係数M1と同様に、移動係数M2は、タッチムーブ移動量の垂直成分・水平成分にそれぞれ掛ける係数(M2x、M2y)からなる。そして、S114において、システム制御部50は、コンティニュアスAFが設定されているかどうかを判断する。コンティニュアスAFが設定されていなければS116に進む。S116では、システム制御部50は、電子ビューファインダ28bに表示するAF枠を、S109で取得したタッチムーブ移動量Lx、Lyに、移動係数M2を掛けたAF枠移動量Lx×M2x、Ly×M2y分、前回の表示位置から移動する。また、コンティニュアスAFが設定されているため、移動したAF枠についてAFを行うとともに、移動したAF枠の被写体について適切な露出となるようにAE処理を行う。コンティニュアスAFでは、シャッターボタン61の半押し後にも、AF枠の移動を可能にし、所望の被写体が動いてしまった場合にも調整可能なようにしている。なお、上述の実施形態においてはタッチ位置の移動量を取得した後にS110において撮影準備指示がされているか否かを判定しているが、これに限らず、撮影準備指示がされているか否かを判定した後にタッチ位置の移動量を取得し、対応する移動係数をかけた分AF枠を移動するようにしてもよい。また、撮影準備指示(シャッターボタン61の半押し)が解除されたか否かを判定し、解除された場合には、移動係数をM1に戻すようにする。
【0040】
一方、ワンショットAFが設定されている場合、S115に進み、システム制御部50は、電子ビューファインダ28bに表示する焦点検出領域を示すAF枠を、現在表示されている位置に固定する。そして、固定したAF枠に対応する焦点検出領域について、AF処理及びAE処理を行う。
【0041】
S117では、シャッターボタン61が全押しされたか(SW2 ON)か否かを判定する。全押しされていなければ、S117の判定を繰り返し、全押しされると、S118に進んで撮影を行う。その後、S119において、タッチアップされたかどうかを判断し、タッチアップされていれば処理を終了し、タッチアップされていなければ、S104の処理に戻る。
【0042】
ここで、S112における処理と、S116における処理の具体例について、
図5を参照して説明する。
図5(a)及び(b)は、シャッターボタン61が半押しされていない場合、
図5(c)及び(d)は、シャッターボタン61が半押しされた場合の、タッチパネル70a上の動作に対する電子ビューファインダ28bにおける表示例を示している。なお、
図5(a)及び(c)の有効領域は、上述したようにAF枠を移動するためのタッチ操作を受付けるためのタッチパネル70a上の領域を示しており、メニュー画面においてその領域の大きさを設定することができる。これは、電子ビューファインダ28bを覗いた状態では鼻がタッチパネルに当たりやすく、さらにはグリップを握った状態ではタッチパネルの左端まで指が届きにくいために行う。例えば、有効領域を半分にすることで、鼻当たりによる誤操作を防ぐことができるとともに、ユーザの操作性を向上することができる。
【0043】
ユーザはカメラを構える際には、左手でレンズ部分を支え、右手でシャッターボタン61の押下(撮影指示をするための押下操作)や、背面のタッチパネル70aへのタッチ操作、その他のボタン等の操作部材の操作をする。シャッターボタン61を半押しした状態において、タッチ操作を行う場合には右手の人差し指をシャッターボタン61の位置に置いた状態で、タッチパネルへの操作を行うことになる。シャッターボタン61の押下中には、絞り数値やシャッタースピードの設定値が保持されているが、シャッターボタンの半押し状態を解除してしまうとこれらの設定値が保持されなくなってしまう。よって、シャッターボタンの半押し状態と、タッチ操作によるAF位置の設定とを上述の実施形態のように操作性良く行えるようにすることでユーザは所望の設定値での撮影が行いやすくなる。
【0044】
図5(a)及び(c)に示すように、有効領域において同じ距離、タッチムーブした場合であっても、シャッターボタン61が半押し状態の時にAF枠が移動する距離(
図5(d))は、そうでない状態の時にAF枠が移動する距離(
図5(b))よりも大きい。このように、システム制御部50はシャッターボタン61が半押しされている場合にはシャッターボタン61が半押しされていない場合に比べ、同じタッチムーブ移動量であっても、AF枠をより長い距離、移動させることができる。
【0045】
次に、接眼中でない場合にS102で行う処理について、
図4を参照して説明する。この処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することで実現する。なお、この処理は、
図3のS102に進むと開始する。まず、S201において、背面表示パネル28aにライブビュー画像を表示する。次にS202において、システム制御部50は、タッチダウンされたかどうかを判断する。タッチダウンされていなければ、S202の処理を繰り返し、タッチダウンされていれば、S203に進む。
【0046】
S203において、システム制御部50は、タッチパネル70a上のタッチ位置を示すタッチ座標を取得し、S204において、背面表示パネル28a上のタッチ座標の位置にAF枠を表示する。次に、S205において、システム制御部50は、タッチムーブされたかどうか判断する。タッチムーブされていなければS205に進み、タッチムーブされていればS203に戻って、上記処理を繰り返す。
【0047】
S206では、システム制御部50は、タッチアップされたかどうかを判断する。タッチアップされていなければS208に進み、タッチアップされていればS207に進む。S207では、表示されたAF枠に含まれる被写体についてコンティニュアスAFを開始し、処理を終了する。なお、AFの設定がワンショットAFとなっている場合にはS207の処理は行わず、S208へ進む。
【0048】
一方、S208では、システム制御部50はシャッターボタン61が半押しされたか(SW1 ON)か否かを判定する。半押しされていなければ、S205に戻って、上述した処理を繰り返す。半押しされていれば、S209に進み、ワンショットAFが設定されているかどうかを判断する。ワンショットAFが設定されている場合、S210において、システム制御部50は、焦点検出領域を表示されたAF枠の位置に固定し、固定した焦点検出領域について、AF処理及びAE処理を行う。
【0049】
一方、ワンショットAFが設定されていない場合、撮影直前までAF位置の変更操作を受け付け、AF処理及びAE処理を行う。S211では、シャッターボタン61が全押しされたか(SW2 ON)か否かを判定する。全押しされていなければ、S205に戻って上述した処理を繰り返し、全押しされていれば、S212に進んで撮影を行った後、S205の処理に戻る。
【0050】
上記の通り第1の実施形態によれば、シャッターボタンが半押しされている場合、シャッターボタンが半押しされていない場合に比べ、同じタッチパネル操作へのタッチムーブ移動量であっても、AF枠をより長い距離、移動させることができる。また、ユーザが指を伸ばした際に、意図しないタイミングで撮影が行われてしまう可能性も低減することができる。これにより、シャッターボタン等の操作部材を半押しした状態でタッチパネルを操作する際の操作性を向上することができる。
【0051】
<変形例>
上述した第1の実施形態では、接眼中にシャッターボタン61が半押しされた場合に、押されていない場合よりも、大きい移動係数を設定することで、AF枠をより長い距離、移動させる場合について説明した。
【0052】
これに対し、移動係数ではなく、有効領域の大きさを変えることでシャッターボタン半押し中のAF枠の移動距離を長くするようにしてもよい。
図5(e)及び(f)は、異なる移動係数を設定するのではなく、タッチパネル70a上のタッチの有効領域を変える場合について示している。
【0053】
シャッターボタン61が半押しされている場合、
図5(c)では、有効領域はタッチパネル70aの右半分の領域であったのに対し、
図5(e)では有効領域を右上の一部の領域にしている。
図5(c)及び(e)のいずれの場合でも、有効領域の端から端までタッチムーブをすると、電子ビューファインダ28bにおいて、AF枠を端から端までの距離、移動させることができる。つまり、有効領域の領域は電子ビューファインダ28bの全領域に対応しており、タッチ有効領域の大きさを変えることで、タッチムーブ距離に対するAF枠の移動量を変更することができる。
【0054】
図5(c)及び(e)ではタッチムーブ距離は異なり、
図5(e)の方が短いが、結果的に移動するAF枠の距離を同じにすることができる。
【0055】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態で
図1及び
図2を参照して説明した撮像装置100に適用可能であるため、撮像装置100の説明は省略する。
【0056】
第2の実施形態では、タッチパネル70aを用いて、電子ビューファインダ28b上に表示するAF枠の位置を指定する場合の別の制御について説明する。本第2の実施形態においては、タッチパネル70aを用いたAF枠の位置の指定方法として、2つの操作方法を備える。一つは、
図7(a)及び(b)で示す様に、タッチパネル70aのタッチ位置に対応した電子ビューファインダ28b上の位置に、焦点検出領域を表すAF枠を移動する「絶対位置操作」方法(第1の操作)である。もう一つは、
図7(c)及び(d)で示す様に、タッチパネル70aをドラッグ操作した距離に応じて、電子ビューファインダ28b上でAF枠を移動する「相対位置操作」方法(第2の操作)である。「絶対位置操作」はよりダイレクトで素早い操作を行うことが可能な一方、タッチパネル70aの所望の位置に指が届かない場合、その位置を指定することができない。「相対
位置操作」は限られた範囲でも、ドラッグ操作を繰り返すことにより全ての領域を移動可能だが、移動に比較的多くの操作回数を要する。
【0057】
次に、第2の実施形態におけるタッチ操作処理について、
図6を参照して説明する。この処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することで実現する。なお、この処理は、デジタルカメラ100に電源が入ると開始する。
【0058】
S301において、接眼検知部57により、電子ビューファインダ28bに接眼中であるかどうかを判断する。接眼中でなければ、S302に進んで、
図5を参照して上述した処理を行う。
【0059】
一方、接眼中の場合、S303において、システム制御部50は現在の焦点検出領域を示すAF枠を電子ビューファインダ28bの中央に表示する。次に、システム制御部50はS304において、タッチダウンされたかどうかを判定する。タッチダウンされていなければS311に進み、タッチダウンされていればS305に進んで、タッチパネル70a上のタッチ位置を示すタッチ座標を取得する。
【0060】
次に、S306において、システム制御部50は、操作方法を「絶対位置操作」に設定する。そして、S307において、システム制御部50は、現在のタッチ座標に対応する電子ビューファインダ28bの位置にAF枠を移動し、S308に進む。
【0061】
S309では、システム制御部50は、タッチが離されたか否かを判定する。タッチが離されたと判定した場合は、S310へ進み、そうでない場合は、S308へ戻る。
【0062】
S310では、システム制御部50は、AF処理を行う。AF処理の設定としてユーザがワンショットAFを選択している場合には、S310において選択されている(AF枠の表示されている)位置にAF処理をし、そのままレンズ位置(合焦位置)を固定する。一方で、ユーザがコンティニュアスAFを選択している場合には、S310からAF処理を開始し、選択されている(AF枠の表示されている)位置に常に合焦するようにする。つまり、AF位置が変更されるまで、S310において開始されたAF処理は続く。
【0063】
S311では、システム制御部50は、シャッターボタン61が半押しされたか(SW1 ON、撮影準備指示がされた)か否かを判定する。シャッターボタン61が半押しされ
ていない場合には
、S304へ進む。
【0064】
S311において半押しされていると判定された場合にはS312に進み、システム制御部50は、操作方法として「相対位置操作」を設定する。その後、S313において、システム制御部50は、AE処理を行う。S312においては、測光処理がされ、測光結果に基づいて絞り値やシャッタースピードの設定値が設定される。S312において設定された設定値は、シャッターボタン61の半押しが解除されるまで、変更されない(保持される)。なお、S304においてタッチアップが検出される前に、シャッターボタン61が半押しされたとしても、S312へと処理を進める。なお、相対位置操作になった場合には、タッチ有効領域を絶対位置の操作の場合よりも狭くするようにしてもよい。
【0065】
S314では、システム制御部50は、サーボAFが設定されているかどうかを判断する。サーボAFが設定されていれば、S315へ進み、そうでない場合は、S323へ進む。
【0066】
S315では、システム制御部50は、タッチの開始がされたか否か(タッチダウン)を判定する。タッチダウンがされたと判定された場合は、S316へ進み、そうでない場合は、S320へ進む。
【0067】
S316では、システム制御部50は、タッチムーブ(タッチ位置の移動)がされたかどうか判断する。タッチムーブされていればS317に進み、タッチムーブされていなければS319に進む。
【0068】
S317では、システム制御部50は、タッチパネル70aの垂直成分・水平成分毎のタッチムーブ移動量Lx、Lyを取得する。そして、S318において、システム制御部50は、電子ビューファインダ28bに表示するAF枠を、S317で取得した移動量Lx、Lyに応じた分、前回の表示位置から移動し、S319に進む。コンティニュアスAFの場合には、移動したAF枠の位置でAF処理をし続けるので、新たに移動したAF枠の位置に基づいたAF処理を開始する。
【0069】
S319において、システム制御部50は、タッチアップがされたか(タッチが離されたか)どうかを判断する。タッチアップされていなければS320へ進み、そうでなければS316へ戻り、タッチムーブに応じてAF枠を移動する処理を受付ける。
【0070】
S320では、システム制御部50は、シャッターボタン61が全押しされたか(SW2 ON)か否かを判定する。全押しされていなければ、S322に進み、全押しされていれば、S322に進んで撮影を行う。
【0071】
S321では、システム制御部50は、撮影処理を行う。シャッターボタン半押し時の絞り値等の撮影に関する設定値で、ユーザに選択されたAF位置に合焦がされた状態で撮像された画像が記録媒体200に記録される。
【0072】
S322では、システム制御部50は、シャッターボタン61の半押し状態が解除されたか否かを判定する。半押し状態が解除されたと判定された場合は、S304へ戻り、そうでない場合は、S315に戻る。
【0073】
S323では、システム制御部50は、AF処理を行う。S323は、S314においてNoと判定されたので、ここではワンショットAFであるとする。ワンショットAFの場合には、撮影準備指示においても再びAF処理を行い、シャッターボタン61が半押しの状態の時はその位置で合焦状態が固定される(コンティニュアスAFのように、繰り返しAF位置において合焦処理を行い続けない)。
【0074】
S324では、システム制御部50は、シャッターボタン61が全押しされたか(SW2 ON)か否かを判定する。全押しされていなければ、S326に進み、全押しされていれば、S325に進んで撮影を行う。
【0075】
S325では、システム制御部50は、S321と同様に撮影処理を行う。
【0076】
S326では、システム制御部50は、シャッターボタン61の半押し状態が解除されたか否かを判定する。半押し状態が解除されたと判定された場合は、S304へ戻り、そうでない場合は、S324に戻る。
【0077】
上記の通り第2の実施形態によれば、シャッターボタンを半押している状態において、ユーザの指定したい位置に指が届かなくても、相対座標設定となるので、タッチムーブ操作をすることにより所望の設定をすることができる。また、ユーザが指を伸ばした際に、意図しないタイミングで撮影が行われてしまう可能性も低減することができる。これにより、シャッターボタン等の操作部材を半押しした状態でタッチパネルを操作する際の操作性を向上することができる。
【0078】
なお、上述した実施形態では、コンティニュアスAFの場合、シャッターボタン61を半押し状態にする前後で絶対位置操作と相対位置操作とを切り替えることを説明したが、これに加えて相対位置操作にする際に移動係数を小さくしてもよい。つまり、半押し状態の前には第1の距離のタッチ位置移動に応じてAF枠が第2の距離移動し、半押し状態の時には、第1の距離のタッチ位置移動に応じてAF枠が第2の距離よりも短い第3の距離移動するようにする。ユーザがシャッターボタン61を半押し前に合焦する位置を設定しており、半押し後に位置を変更するのは、被写体が微妙に移動してしまった場合等であるので、大幅にAF位置を変える可能性が低い。半押し中は、より細かなAF位置の調整をする可能性がより高まるので、移動係数を小さくし、詳細な変更をしやすくすることで所望の被写体へのAF位置を合わせやすくする。
【0079】
なお、上述した例では、シャッターボタン61が半押しされていない場合に、S307において、「絶対位置操作」を設定する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、「絶対位置操作」と「相対位置操作」のいずれかを操作部70を用いて選択しておき、シャッターボタン61が半押しされていない場合には、ユーザーが選択した操作を行うようにしてもよい。その場合であっても、シャッターボタン61が半押しされた場合には、ユーザにより指定された操作方法に関わらず、操作方法を「相対位置操作」に切り替える。これにより、シャッターボタン61の半押し時にタッチ操作範囲が限られてしまう場合でも、任意の場所にAF位置の指定をすることができる。
【0080】
なお、本実施形態では操作対象をAF位置を表示するAF枠としたが、被写体認識を備える撮像装置の場合は被写体の指定としてもよい。その場合、操作方法が「絶対位置操作」の場合にはタッチ位置に対応する位置にある被写体を指定する。操作方法が「相対位置操作」の場合には、予め操作指標を表示しておき、表示されている操作指標をドラッグ操作により移動した後、タッチアップ後一定時間経過した際に被写体を指定するものとする。
【0081】
また、上述した例ではシャッターボタン61の半押しの有無に応じて、操作方法である「絶対位置操作」と「相対位置操作」を切り替えた。しかしながら、ユーザーが予め指定してあった操作方法が「相対位置操作」の場合、第1の実施形態で説明したように、シャッターボタン61の半押し時にはドラッグ操作によるAF枠の移動距離を増幅させるように制御してもよい。
【0082】
また、「相対位置操作」が設定された場合に、
図5(a)及び(c)に示すように、タッチパネル70a上に有効領域と無効領域を設定しても良い。また、接眼時に「絶対位置操作」を行っている場合に、電子ビューファインダ28b全域に対応させた有効領域を設定し、より狭い領域内で位置を指定できるようにしておくことで、操作性を高めることができる。
【0083】
なお、上述した例では、ファインダへの接眼がされているか否かに応じて、シャッターボタン61の半押し中にタッチ操作に関する処理を変えることを説明したが、接眼しているか否かに関わらず、上述の実施形態を適用してもよい。また、AF枠の他に、例えば、ISO感度や、露出、ホワイトバランスの補正値などの設定を行う場合にも適用してもよい。
図8は、一例として、表示部28においてタッチ操作を行うことにより、絞り値を制御する場合について示してる。
図8(a)は、シャッターボタン61が半押しされていない場合を示し、
図8(b)は、シャッターボタン61が半押しされている場合を示している。
図8(a)、(b)共にユーザが表示部28の表示を見ながらタッチ操作をしている。
図8(a)は、シャッターボタン61の半押し前の様子を示しており、絞り数値の設定を受付けるバー上のタッチをした位置の設定値に設定される。
図8(b)は、シャッターボタン61の半押し中の様子を示している。シャッターボタン61の半押し前では、例えば、絞り数値2.8や4といった数値にもタッチをする指が届いたユーザであっても、シャッターボタン61を半押しした状態では、指が届かない可能性が高い。よって、シャッターボタン61の半押し中には、相対座標入力にすることでユーザが所望の設定値の位置へ指が届かなくても、所望の設定を行うことができるようになる。また、このとき、移動係数を絶対座標入力の時よりも大きくするようにしてもよい。このように、シャッターボタン61が半押しされている場合に相対位置操作に基づく制御を可能とすることで、操作性を向上させることができる。
【0084】
また、上述した実施形態において、シャッターボタン61が半押しされている場合に操作量が変化或いは操作方法が変更されることを、電子ビューファインダ28b内にアイコン等の表示により示す構成としてもよい。このようにすることにより、ユーザーに解り易く示すことが可能である。
【0085】
また、上述した実施形態では、シャッターボタン61の半押しにより表示操作を切り替える場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限るものではなく、シャッターボタンでなくても、例えば半押しするとタッチ操作の機能が変わるボタンやAFボタンなど、半押しした状態でタッチ操作を受付ける操作部材であればよい。また、ボタンを押下した状態や、所定の部分をタッチした状態により、所定の設定値の設定がタッチ操作により可能であるような場合に適用可能である。例えば、メニューボタンを押下していない場合にはAF位置の設定を、メニューボタンの押下中には、ISO感度の設定値の設定をタッチパネル70aへのタッチ操作で受付けるような場合にも上述の実施形態は適用可能である。つまり、ボタンを押下した状態から押下状態が解除されると、所望の設定変更が行えなくなってしまうような場合にも、相対座標入力にしたり、移動係数を大きくすることで、タッチ可能な範囲が限られていても所望の設定をすることができる。なお、ボタンでなくても、所定の部分をタッチした状態において、タッチ操作による所定の設定値の変更が可能な場合にも適用可能である。この場合、タッチ位置がずれてしまうと所望の設定値の変更ができなくなるが、上述の実施形態によれば、ユーザは所望の設定値の変更を行うことができる。
【0086】
なお、システム制御部50が行うものとして説明した上述の各種の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0087】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0088】
また、上述した実施形態においては、本発明を撮像装置100に適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、タッチ操作により設定を行うことができるような装置であれば適用可能である。すなわち、本発明は携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ファインダーを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダーなどに適用可能である。
【0089】
また、本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。