(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
錠剤を収容する収容容器と、前記収容容器の底部の周縁に沿って設けられ、前記錠剤を排出する錠剤排出口と、前記錠剤が前記錠剤排出口から排出されるように、回転機構の回転に応じて、前記収容容器の内側面に沿って前記錠剤を前記錠剤排出口に案内する案内機構と、を有する錠剤収容箱と、
前記錠剤排出口の前記錠剤が排出される側に設けられ、弾性力にしたがって前記錠剤排出口を閉口する、磁性材料で形成されたシャッターと、
前記シャッターと磁力で結合され、前記回転機構の回転に応じて回転する結合板と、
を備え、
前記シャッターは、前記回転機構による回転駆動力が伝達されると、弾性力に抗して前記錠剤排出口を開口させ、前記回転機構による回転駆動力が伝達されていないと、弾性力にしたがって前記錠剤排出口を閉口し、
前記結合板は、前記錠剤排出口が開口している状態において、前記回転機構の回転が継続すると、前記シャッターとの間に滑りを生じながら回転し、前記回転機構の回転が停止すると、前記シャッターが前記弾性力にしたがって前記錠剤排出口を閉口するような磁力を有する
ことを特徴とする落下防止付錠剤収容箱。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0009】
本実施形態に係る薬品包装装置10および落下防止付錠剤収容箱100について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る落下防止付錠剤収容箱100では、例えば
図6に示すように、開閉機構120が落下防止付錠剤収容箱100に設置される状態において、落下防止付錠剤収容箱100の高さ方向をY方向とし、落下防止付錠剤収容箱100の底部111cの直交する夫々の辺に沿う方向をX方向およびZ方向とする。
【0010】
===薬品包装装置10===
図1、
図2、
図3、
図4を参照しつつ、薬品包装装置10について、以下のとおり説明する。
図1は、本実施形態に係る薬品包装装置10の斜視図である。
図2は、本実施形態に係る薬品包装装置10の各棚25の扉パネル23を取り外し、下パネル22aを開放した状態の正面図である。
図3は、本実施形態に係る薬品包装装置10の棚25の斜視図である。
図4は、本実施形態に係る薬品包装装置10の包装機構30の正面図である。
【0011】
薬品包装装置10は、所望の錠剤1を包装紙36に包装する装置である。
図1、
図2に示すように、薬品包装装置10は、本体20を含んで構成され、矩形状の本体20は、相互に分離可能な上部構造体21と下部構造体22とを有して構成されている。本実施形態において、本体20は、下部構造体22上に上部構造体21が積層されて連結された構造とする。
【0012】
上部構造体21内には、後述する錠剤収容箱110を収納するために前面、上面及び下面を開放できるケース収納部21aを備え、ケース収納部21aの天面は、着脱可能な天板21bで閉塞されている。
【0013】
図1、
図2に示すように、上部構造体21のケース収納部21a内には、棚25が、紙面に向かって、左右方向に4列配列され、上下方向に5段配列され、合計20個配設されている。各棚25の前端には扉パネル23が取り付けられ、全ての棚25がケース収納部21a内に収納された状態で、各扉パネル23が上部構造体21の前面開口を閉塞する。
【0014】
図3に示すように、棚25の構成は、その中央に紙面に向かって上下方向に開放した通路24が紙面に向かって前後方向に渡って形成されており、この通路24を挟む左右両側に、落下防止付錠剤収容箱100が取り付けられる後述する駆動ベース200が8個ずつ(合計16個)前後方向に並設して取り付けられている。なお、落下防止付錠剤収容箱100については、詳細に後述する。
【0015】
下部構造体22は、前面及び上面が開放され、上面において上部構造体21と連通する。
図2に示すように、下部構造体22内には、後述する包装機構30が収納設置されている。また、前面の開口は観音開き式の下パネル22aにより開閉自在に閉塞されている。
【0016】
図4に示すように、包装機構30は、プリンタ31、ホッパー32の下端開口32aに取り付けられたノズル33、シリコンゴムから成る熱シールヘッド34、ロール35から引き出された包装紙36を搬送するローラ37、包装紙36を切断するカッター38、分包化されて切断された包装紙36を下パネル22aに設けられた取出口22cまで搬送するコンベア39であり、包装紙36の搬送経路に沿って順次設けられている。また、包装機構30は、熱シールヘッド34を動作させるためのモータ34a、ローラ37を駆動するモータ37aおよびコンベア39のモータ39aを備える。
【0017】
包装紙36は、帯状に形成された包装紙36を、帯の延伸方向に沿って谷折りで半分に折り返した状態でロール35に巻回されており、谷折りされた包装紙36によって形成される、相対する2つの面がノズル33を両側から挟むように包装機構30に装着される。そして、包装紙36は、ローラ37によってロール35から引き出された後、プリンタ31により表面に印字が成される。
【0018】
そして、ノズル33から排出される錠剤1が包装紙36内に投入され、熱シールヘッド34による熱溶着で、包装紙36は一包毎に区画される。区画されて分包化された包装紙36は、カッター38で切断され、コンベア39によって本体20の正面に設けられている取出口22cに搬送される。
【0019】
包装機構30は、下部構造体22内の底面左右に取り付けられた引出レール22bに着脱可能にネジ止めされている。これにより包装機構30は、下パネル22aを開放した状態で、下部構造体22内から前方に引出自在とされ、更に、引き出した状態で該引出レール22bに着脱可能とされている。なお、この包装機構30と下部構造体22間に着脱自在にコネクタ接続された包装機構30用のハーネス(不図示)は、包装機構30の引出量を充分に許容できる長さを有している。
【0020】
===落下防止付錠剤収容箱100===
落下防止付錠剤収容箱100は、薬品包装装置10の棚25に配置され、錠剤1を収容する収容箱であり、必要に応じて薬品包装装置10の包装機構30に錠剤1を送出するものである。落下防止付錠剤収容箱100は、錠剤1を収容し、1錠ずつ錠剤1を排出する錠剤収容箱110と、錠剤収容箱110の回転機構112に回転駆動力を与える駆動ベース200から錠剤収容箱110に伝達される回転駆動力に応じて開閉動作する開閉機構120と、を含んで構成されている。
【0021】
==錠剤収容箱110==
図5を参照しつつ、錠剤収容箱110について、以下のとおり説明する。
図5は、本実施形態に係る落下防止付錠剤収容箱100の一部切欠斜視図である。
【0022】
錠剤収容箱110は、患者に処方される錠剤1を種類毎に収納する容器である。錠剤1は、例えば、粉末あるいは結晶性の医薬品を略円筒形状に成形して固めた錠剤や、粉末あるいは液体の医薬品を略円筒形状のカプセルに充填したカプセル剤などである。錠剤1は、そのほか、丸剤、坐剤、トローチ剤などであっても良い。
【0023】
図5には、錠剤収容箱110の外観構成例が示されている。錠剤収容箱110は、錠剤1を収容する収容容器111と、収容容器111の内部に設けられる回転機構112と、を備える。
【0024】
収容容器111は、略円筒形状の円筒部111aと、収容容器111の底板111cの周縁に錠剤1を排出する錠剤排出口111bと、を有する。円筒部111aには、略円柱形状の円柱部112aを有して形成される回転機構112が回転可能に軸支されている。回転機構112は、その回転軸線が円筒部111aの中心軸と一致するように、収容容器111に取り付けられている。つまり、回転機構112は、その回転軸線を中心として収容容器111内で回転する。
【0025】
回転機構112の円柱部112aは、収容容器111の底板111cを所定の厚さで覆い、その厚さ方向(鉛直方向)に錠剤1を錠剤排出口111bに案内するための縦溝112bが穿設されている。収容容器111内の1つの錠剤1は、縦溝112bに入り込み、回転機構112の回転にともなって収容容器111内を回転方向に移動する。縦溝112b内の錠剤1は、縦溝112bが錠剤排出口111bに到達すると、錠剤排出口111bから排出される。
【0026】
この動作の過程において、縦溝112bに他の錠剤1が入り込まないように、収容容器111には、例えば、その内側面から縦溝112bの入り口を塞ぐように板状に延伸するブラシ部材112cが設けられている。これにより、錠剤1が入り込んだ縦溝112bが、所定の位置に移動すると、ブラシ部材112cが縦溝112bの入口部分を塞いでいるため、縦溝112bに他の錠剤1が入り込まない。なお、縦溝112bと、ブラシ部材112cと、を総称して案内機構112dと称する。
【0027】
==駆動ベース200==
ここで、後述する開閉機構120を説明する前に、
図6を参照しつつ、駆動ベース200について、以下のとおり説明する。
図6は、本実施形態に係る落下防止付錠剤収容箱100の分解斜視図である。
【0028】
駆動ベース200は、例えば薬品包装装置10の棚25に配設され、落下防止付錠剤収容箱100が取り付けられる装置である。駆動ベース200は、例えば、ブラシ付き直流モータから成るドラム駆動用モータとしてのドラムモータ(不図示)を有して構成される。回転機構112は、このドラムモータによって正転方向あるいは逆転方向に回転される。駆動ベース200のケースから突出する駆動軸201は、回転機構112の回転伝達孔112eと噛合する。これにより、駆動ベース200の回転駆動力が回転機構112に伝達される。また、駆動軸201は、後述する開閉機構120の結合板124の噛合孔124a1とも噛合する。つまり、駆動ベース200の回転駆動力は、回転機構112および結合板124を同軸で駆動させるように作用する。
【0029】
駆動ベース200のケースには、出口202が設けられている。縦溝112bに入り込んだ錠剤1は、錠剤排出口111bから排出され、該出口202を経て錠剤収容箱110の外部に排出される。出口202の下部には、斜め下方に延在する排出シュート(不図示)が設けられている。駆動ベース200の出口202には、光学式の錠剤検出センサ(不図示)が取り付けられ、該出口202から落下する錠剤1は錠剤検出センサで検知される。
【0030】
なお、錠剤収容箱110は、例えば錠剤排出口111bから錠剤1が1つずつ排出されるような構造のものであればよく、その構造が限定されるものではない。また、駆動ベース200は、薬品包装装置10の棚に設けられるものであり、例えば回転伝達孔112eと噛合孔124a1に回転力を伝達できるものであればよい。
【0031】
本実施形態に係る落下防止付錠剤収容箱100は、錠剤収容箱110から排出される錠剤1が、予期しない時に錠剤排出口111bから排出されないように、以下に示す、錠剤排出口111bの開閉を制御する開閉機構120を備えている。
【0032】
==開閉機構120==
図7、
図8を参照しつつ、開閉機構120について、以下のとおり説明する。
図7は、本実施形態に係る落下防止付錠剤収容箱100の分解斜視図である。
図8は、本実施形態に係る開閉機構120の分解斜視図である。
【0033】
開閉機構120は、駆動ベース200から回転駆動力が伝達されると、錠剤排出口111bから排出される錠剤1を駆動ベース200の出口202に導くように、後述するシャッター122を動作させる機能を有する。
【0034】
図7に示すように、開閉機構120は、収容容器111の底板111cの下方に設けられている。そして、落下防止付錠剤収容箱100が駆動ベース200に取り付けられた状態において、開閉機構120は、収容容器111の底板111cと駆動ベース200の間に配される。開閉機構120は、錠剤排出口111bと略等しい大きさの錠剤通過口121aを有する。収容容器111の底板111cに開閉機構120が配置された状態において、開閉機構120は、その錠剤通過口121aが錠剤排出口111bと同軸上になるように形成されている。また、開閉機構120は、上述したように、回転機構112の回転伝達孔112eと同軸で駆動ベース200の駆動軸201に噛合する。
【0035】
図8に示すように、開閉機構120は、収容ケース121と、シャッター122と、ワッシャ123と、結合板124と、弾性体125と、を含んで構成されている。
【0036】
<<収容ケース121>>
収容ケース121は、開閉機構120の外形を形成し、開閉機構120の他の部材を収容するケースである。収容ケース121は、例えばプラスチック材料で形成され、収容容器111の底部と略等しい大きさの略直方体形状を呈する。これにより、収容ケース121は、収容容器111の底部の周縁から延出する外枠111d内に嵌り込む。
【0037】
収容ケース121は、錠剤排出口111bから排出される錠剤1が通過する錠剤通過口121aと、後述する弾性体125が伸縮するための伸縮案内路121bと、後述する結合板124を収容する嵌入領域121cと、後述するシャッター122の回転範囲を制限する第1制限壁121dおよび第2制限壁121eと、後述する弾性体125の一端を固定する固定部121fと、それぞれの部材が収容ケース121内から抜け出さないように収容ケース121を密閉する蓋(不図示)と、を含んで構成されている。
<<シャッター122>>
【0038】
シャッター122は、収容容器111の錠剤排出口111bと収容ケース121の錠剤通過口121aとの間に設けられ、それぞれが連通する状態と遮断される状態とを切り替える部材である。シャッター122は、例えば磁性材料で形成され、扁平な板形状を呈する。磁性材料とは、例えばステンレスや鉄などである。また、シャッター122は、駆動ベース200の駆動軸201を通す軸通孔122aを有する。
【0039】
シャッター122は、ワッシャ123を介して後述する結合板124に磁力で引き付けられている。これにより、駆動軸201の回転に応じて結合板124が回転するとき、シャッター122も、その回転に応じて回転する。このとき、シャッター122は、軸通孔122aを中心に回転する。シャッター122は、駆動軸201の正転方向(+Y方向から見て半時計回り方向)の移動範囲を第1制限壁121dで制限され、駆動軸201の逆転方向(+Y方向から見て時計回り方向)の移動範囲を第2制限壁121eで制限される。
【0040】
シャッター122は、後述する弾性体125が結合する結合部122bを有する。結合部122bは、弾性体125が結合された状態において、伸縮案内路121b内に配置される。つまり、結合部122bは、シャッター122が回転すると、伸縮案内路121bに沿って移動するように、配置、形成されている。
<<ワッシャ123>>
【0041】
ワッシャ123は、シャッター122と結合板124に挟まれて配置され、シャッター122と結合板124とを摺動させる輪状の部材である。ワッシャ123は、シャッター122と結合板124とが直接接触することによる擦れ損傷を軽減する役割を有する。ワッシャ123は、例えば樹脂材料で形成されている。
<<結合板124>>
【0042】
結合板124は、磁力を有し、駆動軸201の回転に応じて回転する部材である。結合板124は、例えば回転板124aと、回転板124aに収容される磁石124bと、で構成されている。回転板124aは、例えば中央部に噛合孔124a1を有するドーナツ形状を呈する。噛合孔124a1には、駆動軸201が噛み合うように挿通される。これにより、駆動軸201の回転駆動力が回転板124aに伝達される。また、回転板124aの周縁部には、例えば、軸方向(Y方向)に穿孔されるように、磁石124bを収容する複数の磁石収容孔124a2が回転板124aの外縁に沿って設けられている。磁石収容孔124a2には、磁石124bが収容されるが、その全ての磁石収容孔124a2に磁石124bが収容される必要はない。収容される磁石124bの個数は、駆動軸201の回転駆動力やシャッター122との間の磁力によって決められる。このような結合板124は、ワッシャ123を介してシャッター122と同軸で重なり合うため、結合板124が回転すると、その磁力によりシャッター122を回転させることができる。
<<弾性体125>>
【0043】
弾性体125は、シャッター122を弾性付勢する部材である。弾性体125は、例えばコイルバネである。ただし、バネの種類が限定されるものではない。弾性体125は、一端が収容ケース121の固定部(不図示)に接続され、他端が伸縮案内路121b内でシャッター122の結合部122bに接続されている。弾性体125は、シャッター122に対して、駆動軸201の正転方向とは反対方向に弾性力を与える。換言すると、駆動軸201の回転に応じて正転方向に回転するシャッター122は、弾性体125から受ける弾性力に抗して回転する。これにより、シャッター122が正転方向に回転することで錠剤通過口121aが開口した状態となり、駆動軸201が噛合孔124a1から外れると、シャッター122が弾性力で逆転方向に回転し、錠剤通過口121aを閉口させる。
【0044】
==動作==
落下防止付錠剤収容箱100は、開閉機構120の噛合孔124a1に駆動軸201が挿通された状態において、駆動軸201が回転することで錠剤排出口111bを開口させる。落下防止付錠剤収容箱100の動作について、それぞれの状態に分けて詳細に説明する。
【0045】
<<第1状態(閉口状態)>>
図9、
図10を参照しつつ、開閉機構120の錠剤通過口121aがシャッター122で閉口されている状態(以下、「第1状態」と称する。)について、以下説明する。
図9は、本実施形態に係る第1状態の開閉機構120を示す斜視図である。
図10は、本実施形態に係る第1状態の落下防止付錠剤収容箱100を+Y方向から透過的に見た図である。なお、
図10では、開閉機構120の動きをわかりやすく説明するために、開閉機構120の見える部分を実線で示し、見えない部分を一点鎖線で示し、錠剤収容箱110を二点鎖線で示している。後述する
図12、
図14についても同様に示す。
【0046】
図9に示すように、噛合孔124a1に回転駆動力が伝達されていないとき、開閉機構120のシャッター122は、錠剤通過口121aを閉口する。このとき、シャッター122は、上方(+Y方向)から見て時計周り方向に弾性付勢され、第2制限壁121eに当接して移動範囲を制限される。
【0047】
図10では、第1状態における落下防止付錠剤収容箱100を透過的に上方から見たとき、縦溝112bに収容された錠剤1と錠剤排出口111bとの関係を示す。
図10に示すように、錠剤排出口111bと重ならない縦溝112bには、錠剤1が収容されている。一方、錠剤排出口111bと重なる錠剤1は落下するため、その縦溝112bには、錠剤1は収容されていない。
【0048】
<<第2状態(半開口状態)>>
図11、
図12を参照しつつ、開閉機構120の錠剤通過口121aが半開口されている状態(以下、「第2状態」と称する。)について、以下説明する。なお、半開口とは、錠剤通過口121aが閉口されている状態と完全に開口している状態の間の状態をいう。
図11は、本実施形態に係る第2状態の開閉機構120を示す斜視図である。
図12は、本実施形態に係る第2状態の落下防止付錠剤収容箱100を+Y方向から透過的に見た図である。
【0049】
図11に示すように、噛合孔124a1に挿通された駆動軸201に回転駆動力が伝達されると、開閉機構120の結合板124が駆動軸201の回転方向に回転するとともに、結合板124は、その磁力によりシャッター122を駆動軸201の回転方向に回転させる。このとき、シャッター122は、上方(+Y方向)から見て時計回り方向に弾性体125から弾性力を受けているが、該弾性力よりも結合板124とシャッター122との間に生じる磁力が上回っているため、該弾性力に抗して反時計回り方向(駆動軸201の回転方向)に回転する。
【0050】
図12に示すように、駆動軸201の回転に応じて錠剤排出口111bが開口するにつれて、錠剤1を収容する縦溝112bは、錠剤排出口111bに向かって回動する。
図12では、錠剤排出口111bの縁に錠剤1がかかるような状況を示している。例えば、この状態において、駆動軸201の回転が停止し、噛合孔124a1から駆動軸201が外されると、シャッター122は、弾性力にしたがって回転して、錠剤排出口111bを閉口する。これにより、縁にかかった錠剤1が予期せぬタイミングで縁から錠剤排出口111bに移動しても、シャッター122で錠剤排出口111bを閉口しているため、錠剤1が落下しない。
【0051】
<<第3状態(開口状態)>>
図13、
図14を参照しつつ、開閉機構120の錠剤通過口121aが完全に開口されている状態(以下、「第3状態」と称する。)について、以下説明する。
図13は、本実施形態に係る第3状態の開閉機構120を示す斜視図である。
図14は、本実施形態に係る第3状態の落下防止付錠剤収容箱100を+Y方向から透過的に見た図である。
【0052】
図13に示すように、第2状態から、噛合孔124a1に挿通された駆動軸201に回転駆動力が伝達され続けると、開閉機構120は、錠剤通過口121aを完全に開口する。このような状態において、噛合孔124a1に回転駆動力が伝達され続けると、結合板124は、その磁力によりシャッター122に対して駆動軸201の回転方向に回転力を与え続ける。このとき、シャッター122は、第1制限壁121dに当接して移動範囲を制限され、ワッシャ123との間で摺動する。一方、結合板124は、ワッシャ123との間で摺動しながら回転を続ける。
【0053】
駆動軸201が停止し、噛合孔124a1から駆動軸201が外されると、シャッター122は、第2状態で説明したように、+Y方向から見て時計周り方向に弾性体125から弾性力を受けているため、時計回り方向に回転して、錠剤通過口121aを閉口する。
【0054】
図14に示すように、第3状態における落下防止付錠剤収容箱100を上面から透過的に見たとき、駆動軸201の回転が継続している状態では、錠剤排出口111bが開口し続ける。回転機構112の縦溝112bに収容される錠剤1は、回転機構112の回転に応じて、錠剤排出口111bに案内される。錠剤排出口111bを通過した錠剤1は、各種機構を通過して包装機構30に送られる。
【0055】
===その他の実施形態===
<<結合板124>>
上記において、開閉機構120には結合板124が含まれるとして記載したが、これに限定されない。例えば、回転機構112の側に結合板124のようなものを設けて、駆動軸201の回転に応じてシャッター122を回転させるような構造であってもよい。
【0056】
上記において、結合板124の回転板124aに磁石収容孔124a2を有しているとして記載したが、これに限定されない。例えば、磁石124bが回転板124aの磁石収容孔124a2に収容されるような構成ではなく、回転板124aと磁石124bとが同形状で積層するように設けられていてもよい。この場合、磁石124bの厚みや磁力を調整することにより、第3状態のように、駆動軸201の回転が継続するような場合に、結合板124とシャッター122とが滑り合うように構成されることとする。
【0057】
上記において、開閉機構120は、駆動軸201が停止し、噛合孔124a1から駆動軸201が外されると、シャッター122が弾性力により錠剤通過口121aを閉口するように説明したが、これに限定されない。言うまでもなく、駆動軸201が停止したときに、結合板124がシャッター122から受ける動力にしたがって、駆動軸201が逆転方向(+Y方向から見て時計回り方向)に回転するような駆動ベース200である場合、噛合孔124a1から駆動軸201を外さなくとも、シャッター122が錠剤通過口121aを閉口する。
【0058】
===まとめ===
本実施形態における落下防止付錠剤収容箱100は、錠剤1を収容する収容容器111と、収容容器111の底部の周縁に沿って設けられ、錠剤1を排出する錠剤排出口111bと、錠剤1が錠剤排出口111bから排出されるように、回転機構112の回転に応じて、収容容器111の内側面に沿って錠剤1を錠剤排出口111bに案内する案内機構112dと、を有する錠剤収容箱110と、錠剤排出口111bの錠剤1が排出される側に設けられ、弾性力にしたがって錠剤排出口111bを閉口するシャッター122と、を備え、シャッター122は、回転機構112による回転駆動力が伝達されると(つまり、駆動ベース200の回転駆動力が回転機構112に伝達されると)、弾性力に抗して錠剤排出口111bを開口させ、回転機構112が回転駆動力を受けないように駆動ベース200から外されると(より広義には、駆動ベース200の回転駆動力が回転機構112に伝達されていないと)、弾性力にしたがって錠剤排出口111bを閉口する。
【0059】
本実施形態によれば、例えば、
図12で示したように、錠剤1が錠剤排出口111bの縁にかかるような状態で駆動軸201が停止したような状態において、例えば錠剤収容箱110を駆動軸201から抜き取って作業するようなとき、何かの拍子で錠剤1が錠剤排出口111bから落下するようなことを防止することができる。
【0060】
また、本実施形態における落下防止付錠剤収容箱100は、シャッター122は、磁性材料で形成され、シャッター122と磁力で結合され、回転機構112の回転に応じて回転する結合板124をさらに備え、結合板124は、錠剤排出口111bが開口している状態において、回転機構112の回転が継続すると、シャッター122との間に滑りを生じながら回転し、駆動ベース200から回転機構112が取り外されると(より広義には、回転機構112の回転が停止すると)、シャッター122が弾性力にしたがって錠剤排出口111bを閉口するような磁力を有する。
【0061】
本実施形態によれば、磁石124bを用いることにより、シャッター122の移動を容易に制限できる。
【0062】
また、本実施形態における落下防止付錠剤収容箱100のシャッター122は、回転機構112と同軸に設けられる。
【0063】
本実施形態によれば、錠剤排出口111bが開口している状態において、シャッター122を滑らせることにより、磁力を有する結合板124の回転を継続させられる。
【0064】
また、本実施形態における薬品包装装置10は、落下防止付錠剤収容箱100と、落下防止付錠剤収容箱100から排出される錠剤1を包装する包装機構30と、を備えている。
【0065】
本実施形態によれば、例えば、
図12で示したように、錠剤1が錠剤排出口111bの縁にかかるような状態で駆動軸201が停止したような状態において、例えば錠剤収容箱110を駆動軸201から抜き取って作業するようなとき、何かの拍子で錠剤1が錠剤排出口111bから落下するようなことを防止することができる。
【0066】
前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更や改良等が可能であり、また、本発明はその等価物も含む。