【文献】
3GPP TS 24.301 V14.3.0,2017年 3月17日,第200-203ページ,URL,http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/24_series/24.301/24301-e30.zip
【文献】
3GPP TS 23.007 V14.2.0,2017年 3月15日,第77−81ページ,URL,http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/23_series/23.007/23007-e30.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記保守端末において、前記ページング要求部は、加入者情報管理サーバに対して、宛先情報に対応する移動端末の識別情報の問合せを行い、取得した識別情報を含んだページング要求コマンドを送信する、請求項1または2に記載の通信システム。
前記保守端末において、前記ページング要求部は、当該移動端末の在圏情報に対応する通信制御サーバの問合せを行い、問合せをした通信制御サーバに対して、取得した識別情報を含んだページング要求コマンドを送信する、請求項3に記載の通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
図1は、本実施形態のMME100を含んだ通信システムのシステム構成を示す図である。
図1に示されるとおり、この通信システムは、MME(Mobility Management Entity)100、S−GW(ServingGateway)200、P−GW300(PDN Gateway)、PCRF(Policy and Charging Rules Function)400、保守端末500、外部サーバ600、eNodeB700、および移動機800を含んで構成されている。また、MME100、S−GW200、P−GW300、およびPCRF400は、EPC(Envolved Packet Core)というコアネットワークを構成している。
【0013】
MME100は、基地局であるeNodeBを収容し、モビリティ制御およびベアラ制御機能を提供する交換機である。MME100は、その地域ごとに配置されるものであり、一地域に対して一または複数のMME100が配置されている。
【0014】
S−GW200は、基地局であるeNodeBを収容する在圏パケット交換機である。
【0015】
P−GW300は、PDNとの接続するためのゲートウェイ装置であり、IPアドレスの割当てや、S−GW200へのパケット転送などを行う交換機である。また、PCRF400と連携して、QoS制御およびベアラ設定制御などを行う。
【0016】
PCRF400は、ユーザデータ転送のQoS制御および課金制御を行う論理ノードである。
【0017】
保守端末500は、MME100を管理する端末であって、オペレータ操作により、このMME100に対してページング要求コマンドを送信する部分である。MME100は、ページング要求コマンドに応じて、移動機800に対してページング要求を行う。
【0018】
外部サーバ600は、ネットワーク上に配置されており、移動機800に対してパケット配信サービスの提供を行うサーバである。
【0019】
eNodeB700は、基地局であって、移動機800との間で無線通信を行う部分である。
【0020】
移動機800は、ユーザに保持される端末であって、eNodeB700を介して外部サーバ600から配信されるパケットを受信可能な端末である。
【0021】
このような通信システムについて、
図2を用いて、処理の概要について説明する。
図2に示されるとおり、S−GW200とPP−GW300との間のS5/S8インタフェースのベアラは、解放されている。これは、上述したとおり、P−GW300の再開などの様々な要因により生じる。
【0022】
S5/S8インタフェースのベアラが解放されている状況で外部サーバ600が移動機800に対してデータ配信を行うと、P−GW300は、外部サーバ600からのデータをS−GW200に対して送信することができない。外部サーバ600の管理者は、パケット配信ができなかったことをエラー通知などで知ることができるため、その旨を、オペレータ保守者に申告する。その際、外部サーバ管理者は、どの移動機800に対するどの地域宛のパケットが送信できなかったかなどの情報を知っているため、その情報(移動機の電話番号及び移動機の凡その位置)をオペレータ保守者に伝える。
【0023】
保守端末500とMME100とは、保守インタフェースという専用線で通信可能に接続されており、オペレータ保守者は、電話番号と移動機の凡その位置から、IMSIとMME100pool情報(最終在圏MMEアドレスでもよい)を特定し、保守端末500を操作することによって、最終在圏MMEアドレスに基づいたMME100に対して、IMSIが設定されたページング要求コマンドを送信させる。
【0024】
MME100は、ページング要求コマンドを受信すると、その配下にいるeNodeB700に対してページング要求を行う。
【0025】
移動機800は、eNodeB700を介してページング要求を受信すると、再アタッチ処理を行い、MME100に対して位置登録処理を行って、その結果S5/S8インタフェースのベアラの再確立を行う。または、サービス要求処理を行うことで、S5/S8インタフェースのベアラの再確立を行う。これによって、S−GW200とP−GW300との間のS5/S8インタフェースにベアラを再度張ることができ、移動機800に対する着信処理を可能にさせる。
【0026】
つぎに、本実施形態のMME100について説明する。
図3は、MME100の機能構成を示すブロック図である。
図3に示されるとおり、MME100は、在圏情報記憶部101、保守インタフェース102(受信部)、在圏判断部103、ページング制御部104、および通信部105を含んで構成されている。以下、各構成要件について説明する。
【0027】
在圏情報記憶部101は、移動機800のIMSI(International Mobile Subscriber Identity:識別情報に相当)と当該移動機800の在圏位置を示す在圏情報とを含んだプロファイル情報を記憶する部分である。ここでの在圏情報は、MME100の識別情報などである。
【0028】
保守インタフェース102は、保守端末500と専用線によって通信可能に接続されるインタフェースである。
【0029】
在圏判断部103は、保守インタフェース102を介して受信したページング要求コマンドに含まれているIMSIに基づいて、ページング要求コマンドに設定する情報を判断する部分である。この判断に際して、在圏判断部103は、在圏情報記憶部101に記憶されているプロファイル情報を参照して、そのプロファイル情報におけるIMSIの有無を判断する。
【0030】
ページング制御部104は、ページング要求を生成する部分である。このページング制御部104は、保守端末500から送信されたページング要求コマンドに含まれているIMSIがプロファイル情報にあるか否かに応じて、ページング要求を生成する。ページング制御部104は、IMSIのプロファイル情報が
ない場合には、IMSIを設定したページング要求を生成する。IMSIのプロファイル情報が
ある場合には、S−TMSIを設定したページング要求を生成する。このS−TMSIとは、位置登録時にMME100から払い出される移動機800の識別子である。
【0031】
通信部105は、ページング制御部104により生成されたページング要求を、その配下にあるeNodeB700に対して送信する部分である。通信部105は、プロファイルがない場合には、その配下にあるeNodeB700全てに対して送信し、プロファイルがある場合には、そのページング要求に含まれているeNodeB700を指定する情報に基づいたeNodeB700に送信する。
【0032】
図4は、保守端末500の機能構成を示すブロック図である。
図4に示されるとおり、保守端末500は、リセット要求部201(ページング要求部)および操作部202を含んで構成されている。
【0033】
リセット要求部201は、操作部202に受け付けられたIMSIが設定されたページング要求コマンドを生成して、その最終在圏MMEアドレス宛にページング要求コマンドを送信する。
【0034】
操作部202は、オペレータ保守者による操作を受け付ける部分であり、リセットの対象となる移動機800を示すIMSIおよびページング要求コマンドの送信先である最終在圏MMEアドレス(またはそのグループを示すpool情報)を、オペレータ保守者から受け付ける。
【0035】
上記の通りに構成されたMME100の動作について説明する。
図5は、MME100の動作を示すフローチャートである。
図5に示されるとおり、MME100において、保守インタフェース102により保守端末500からIMSIが指定されたページング要求コマンドが受信される(S101)。そして、在圏判断部103により、指定されたIMSIが在圏情報記憶部101のプロファイル情報にあるか否かが判断される(S102)。
【0036】
ここで、IMSIがないと判断されると(S102:プロファイル無し)、MME100の配下にあるeNodeB700全てに対して、IMSIが設定されたページング要求が送信される(S103)。IMSIがあると判断されると(S102:プロファイルあり)、S−TMSIが設定されたページング要求が、MME100の配下にあるeNodeB700のうち、MME100においてS−TMSIに対応付けて記憶されているeNodeB700に対して送信される(S103)。
【0037】
つぎに、上記の通りに動作するMME100を含んだ通信システムにおける処理シーケンスについて説明する。
図6は、本実施形態の通信システムにおける処理シーケンス図を示す。
【0038】
保守端末500において、操作部202により着信NG復旧操作が受け付けられる(S201)。ここでは、対象となる移動機800のIMSIと、最終在圏したMME100のアドレスもしくはpool情報(グループ情報に相当)が指定される。そして、保守端末500において、リセット要求部201により、移動機800のIMSIとpool情報とが設定されたページング要求コマンドが送信される(S202)。
【0039】
MME100において、保守インタフェース102によりページング要求コマンドが受信されると、在圏判断部103により、プロファイル検索処理が行われ、IMSIのプロファイル情報があるか否かが判断される(S203)。
【0040】
ここで、IMSIのプロファイル情報がないと判断されると、ページング制御部104により、そのIMSIが設定されたページング要求(図中ではS1AP_Paging)が生成され、通信部105により送信される(S204)。
【0041】
eNodeB700において、ページング要求が受信されると、無線区間においてRRCページングが送信され(S205)、移動機800において、受信される。
【0042】
移動機800では、再アタッチ処理が起動され(S206)、アタッチ処理(図中のEMM_Attach Requestの送信)が行われる(S207)。そして、このアタッチ処理に基づいて、S−GW200とP−GW300の間のS5/S8インタフェースのベアラが再確立される(S208)。
【0043】
一方、IMSIのプロファイル情報があると判断されると、ページング制御部104により、そのS−TMSIが設定されたページング要求(図中ではS1AP_Paging)が生成される。そして、ページング制御部104および通信部105により、MME100において記憶されている1つもしくは複数のTrackingArea配下のeNodeB700に対して送信される(S209)。トラッキングエリアはトラッキングエリア識別子(TAI;Tracking Area Identifier)によって識別される。移動機800は、eNodeB700が自局の属するトラッキングエリアのトラッキングエリア識別子を報知することで、在圏するトラッキングエリアを把握することができる。移動局の在圏するトラッキングエリアは、移動機800が位置登録(TAU;Tracking Area Update)を行うことでコアネットワーク側に登録される。
【0044】
eNodeB700において、ページング要求が受信されると、無線区間においてRRCページングが送信され(S210)、移動機800において、受信される。
【0045】
移動機800では、サービス接続処理が起動され、サービス要求処理(図中のEMM_Service Requestの送信)が行われる(S211)。そして、サービスリクエスト処理が行われ、S5/S8インタフェースのベアラが再確立される(S212)。
【0046】
上記本実施形態のMME100によると、保守端末500からページング要求コマンドを受けることにより、ページング要求を移動機800に対して送信することができる。すなわち、EPCなどのコアネットワークにおいてS5/S8インタフェースのベアラが解放されていたとしても、移動機800に対してページング要求を行うことができ、ベアラの再確立処理を行わせることができる。
【0047】
つぎに、本実施形態の変形例について説明する。
図7は、変形例における通信システムのシステム構成を示す図である。本変形例においては、外部サーバ600aは、データ配信が未達であることを検出することによって、自動的に保守端末500に通知を行い、保守端末500aは、その通知に応じてページング要求コマンドを送信するものである。
【0048】
図8は、保守端末500aの機能構成を示すブロック図である。
図8に示されるとおり、保守端末500aは、リセット要求部201a、リセット要求認証部201bおよび加入者情報問合部203を含んで構成されている。リセット要求部201aは、外部サーバ600からの移動機リセット要求を受け付ける部分である。そして、リセット要求部201aは、受信したリセット要求が正当な信号であるかを認証し、正当な要求と認めた場合には加入者情報問合部203により取得されたIMSIおよび最終的に在圏したMME100のアドレス(以降、最終在圏MMEアドレスと称す)に基づいて、ページング要求コマンドを生成して、最終在圏MMEアドレスに対応するMME100に対して送信する。
リセット要求認証部201bは、リセット要求部201aにより要求されたリセット要求が正当な信号であるか否かを認証し、その旨をリセット要求部201aに指示する部分である。
【0049】
加入者情報問合部203は、リセット要求部201aにより移動機リセット要求が受け付けられると、そのIPアドレスまたは電話番号をキーにしてHSS510に対して問合せをする部分である。加入者情報問合部203は、問合せの応答としてIMSIおよび最終在圏MMEアドレスを取得する。
【0050】
図9は、変形例における通信システムの処理シーケンスを示す図である。
図9において、外部サーバ600aにより下りのパケットが配信される(S301)。このパケット配信は、S−GW200とP−GW300との間のS5/S8インタフェースが解放されているため、失敗となる。よって、外部サーバ600aにおいて、P−GW300において転送失敗が検知される(S302)。なお、外部サーバ600aは、パケットがどこまで到達したかを判断することができる。そして、外部サーバ600aにおいて、P−GW300までは到達したが、そこから先は転送されなかったと判断される場合には、リセット処理が起動される(S303)。そして、外部サーバ600aにおいて、移動機リセット要求が、保守端末500aに送信される(S304)。この移動機リセット要求には、リセット対象となる移動機のIPアドレスまたは電話番号と、リセット要求信号が正当な要求であることを保守端末で認証するための認証情報(ID、パスワード等)が設定されている。
【0051】
保守端末500aにおいて、移動機リセット要求が受信されると、受信したリセット要求の認証処理を行い(S304a)、正当なリセット要求と認めた場合にはHSS510に対して、IPアドレスまたは電話番号を用いたIMSI等の問い合わせ処理が行われる(S305)。HSS510においては、IPアドレスまたは電話番号等に対応付けて移動機800のIMSIおよびその在圏情報(最終的に在圏したMME100のアドレス)が記憶されている。そして、HSS510において、保守端末500aからの問合せに対して、IMSIおよび最終在圏MMEアドレスが返信される(S306)。
【0052】
保守端末500aにおいて、HSS510から返信された応答に含まれている最終在圏MMEアドレス宛に、IMSIが設定されたページング要求コマンドが送信される(S307)。
【0053】
MME100において、ページング要求コマンドに基づいて、プロファイル検索処理が行われ(S308)、その検索結果に応じたページング要求処理が行われる(S20、S21)。その詳細は、上述
図6と同様である。
【0054】
つぎに、別の変形例について説明する。
図10は、別の変形例における通信システムのシステム構成を示す図である。この変形例は、いわゆるVoLTEによる音声パケットの着信に適用した事例である。
図10によるとIMS(IP Multimedia Subsystem)600bを構成するP−CSCF600b1およびS−CSCF600b2が、発信端末(図示せず)から着信したINVITE信号に基づいた処理を行うことができない場合、当該P−CSCF600b1がMME100に対してページング要求コマンドを送信する。
【0055】
MME100は、P−CSCF600b1から受信したページング要求コマンドに基づいて、移動機800に対してページング要求処理を行うことで、S5/S8インタフェースのベアラの再確立を行うことができる。
【0056】
図11は、この変形例におけるP−CSCF600b1の機能ブロック図である。
図11に示されるとおり、P−CSCF600b1は、通信制御部601(通信判断部)、リセット要求部602(ページング要求部)、および加入者情報問合部603を含んで構成されている。
【0057】
通信制御部601は、P−GW300を含むコアネットワークとの間で通信制御を行う部分であり、パケット転送処理やQos制御を行う部分である。この通信制御部601は、発信端末(図示せず)から受信したSIP信号に基づいてベアラの割当て要求や、SIP信号の転送処理を行う。このSIP信号にはIMSIが設定されている。
【0058】
リセット要求部602は、通信制御部601においてSIP転送処理が失敗した場合に、MME100に対してリセット要求コマンドを送信する部分である。その際、リセット要求部602は、加入者情報問合部603により取得された最終在圏MMEアドレスに基づいたMME100に対してページング要求コマンドを送信する。このページング要求コマンドには、IMSIが設定されている。
【0059】
加入者情報問合部603は、リセット要求部602によりSIP転送処理が失敗したと判断されると、SIP信号に設定されているIMSIをキーにしてHSS510に対して問合せをする部分である。加入者情報問合部603は、問合せの応答としてIMSIに対応する最終在圏MMEアドレスを取得する。
【0060】
つぎに、このIMS600b(P−CSCF600b1)とMME100とを用いた処理について説明する。
図12は、その処理シーケンスを示す図である。なお、
図12におけるIMS600bは、P−CSCF600b1およびS−CSCF600b2の処理を行うものとして説明する。
【0061】
IMS600bにおいて、発信側端末からSIP信号が受信される(S401)。そして、この受信に従って、IMS600bにおいて、PCRF400に対して音声メディア用のDedicated Bearerの割当て処理が行われる。本変形例においては、S5/S8インタフェースのベアラが解放されていることから、PCRF400において、割当NGの応答が、IMS600bに送信される。
【0062】
また、IMS600bにおいて、SIP信号が、P−GW300に送信される(S403)。本実施形態においては、S5/S8インタフェースのベアラが解放されていることから、IMS600bにおいて、転送失敗と判断される。なお、IMS600bにおいて、配信しようとしたパケットは、P−GW300まで届いたのか、さらにそれ以上のノードまで届いたのか判断できる。よって、P−GW300までしかパケットが到着しなかったと判断される場合に、リセット要求部602により、リセット処理が起動される(S404、S405)。
【0063】
つぎに、加入者情報問合部603により、HSS510に対して最終在圏MMEアドレスの問合せ処理が行われ、そのMME100のアドレスが取得される(S406)。
【0064】
リセット要求部602により、取得されたMME100の最終在圏MMEアドレスに宛てて、ページング要求コマンドが送信される(S407)。なお、このページング要求コマンドには、IMSIが設定されている。
【0065】
MME100において、ページング要求コマンドに基づいて、プロファイル検索処理が行われ(S408)、その検索結果に応じたページング要求処理が行われる(S20、S21)。
【0066】
つぎに、本実施形態のMME100の作用効果について説明する。このMME100において、在圏情報記憶部101は、移動機800の識別情報であるIMSIと当該移動機が在圏している場所を示す在圏情報とを含んだプロファイル情報を記憶する。
【0067】
そして、MME100の保守インタフェース102は、外部端末である保守端末500から、リセット対象となる移動機800の識別情報を含んだページング要求コマンドを受信する。そして、在圏判断部103は、受信されたページング要求コマンドに含まれているIMSIが、在圏情報記憶部101に記憶されているプロファイル情報に含まれているか否かを判断する。
【0068】
在圏判断部103は、プロファイル情報に含まれていると判断すると、当該プロファイル情報の在圏情報に応じたeNodeB700に対して、当該プロファイル情報のIMSIを含んだページング処理を行う。また、在圏判断部103は、プロファイル情報に含まれていないと判断すると、MME100の配下にいる全てのeNodeB700に対して、当該プロファイル情報の識別情報を含んだページング処理を行う。
【0069】
この実施形態によれば、保守端末などからのリセット信号に基づいてページング処理を行うことができる。したがって、コアネットワーク内におけるS5/S8インタフェースのベアラが解放されていたとしても、ページング処理を行うことができ、S5S/8インタフェースのベアラの再確立を可能にする。
【0070】
さらに、ページング処理の対象となる移動機の識別情報がプロファイル情報として記憶されていない場合には、MME100の配下にある全てのeNodeB700に対してページング処理のための信号を出力することができる。したがって、プロファイル情報が時間経過やその他の要因によって消去されたとしても、ページング処理を可能にすることができる。
【0071】
特に、受信機専用のIoTなどは、在圏移動に伴ったアタッチ処理などを行うことができないため、保守端末などの外部端末から強制的にアタッチ処理をさせることは有効である。
【0072】
変形例における通信システムは、一または複数の通信制御サーバであるMME100と、外部端末である保守端末500aと、管理サーバである外部サーバ600aとから構成される。
【0073】
この外部サーバ600aは、ネットワークに対する通信の可否を判断する通信判断部(図示せず)と、通信判断部により通信否と判断されると、前記保守端末に対して、移動端末の宛先情報を指示して、当該移動端末のリセット要求を送信するリセット要求部(図示せず)とを備える。
【0074】
また、保守端末500は、リセット要求部から移動機800のリセット要求を受信すると、MME100に対して、移動機800の宛先情報に基づいてページング要求コマンドを送信するリセット要求部201aを備える。
【0075】
この変形例においては、外部サーバ600aが、下りパケットの不達により移動機800に対してリセット要求を行うことができる。保守端末500aは、そのリセット要求を受信することができ、保守者オペレータが操作することなく、自動的にページング要求コマンドを生成して、MME100に送信することができる。
【0076】
その際、保守端末500aにおいて、加入者情報問合部203は、HSS510(加入者情報管理サーバ)に対して、電話番号やIPアドレスなどの宛先情報に対応する移動機800のIMSIの問合せを行い、取得したIMSIを含んだページング要求コマンドを送信する。
【0077】
この処理によって、移動機800の宛先情報からIMSIを導出することができ、自動的にページング要求処理を行うことができる。
【0078】
また、保守端末500aにおいて、リセット要求部201aは、当該移動機800の在圏情報に対応するMME100の問合せを行って、最終在圏MMEアドレスを取得し、そのMME100に対して、移動機800のIMSIを含んだページング要求コマンドを送信する。この処理によって、MME100を適切に選択することができる。
【0079】
また、別の変形例における通信システムは、一または複数のMME100と、IMSを構成するサーバ(P−CSCF600b1)とから構成される。このP−CSCF600b1は、音声パケット制御サーバである。そして、P−CSCF600b1において、通信制御部601は、外部から受けた音声パケットをネットワークに対して送信し、送信の可否を判断する。
【0080】
加入者情報問合部603は、通信否と判断されると、HSS510に対して、宛先となる移動機800の在圏情報に対応するMME100の問合せを行う。そして、リセット要求部602は、問合せにより取得した最終在圏MMEアドレスのMME100に対して、移動機800のIMSIを含んだページング要求コマンドを送信する。
【0081】
この構成により、音声パケットによる通話を行う通話システムにおいて、コアネットワークにおけるS5/S8インタフェースのベアラが解放されていて移動機800に対する着信ができない状態であった場合、早期にそのベアラの再確立を行うことができる。
【0082】
上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0083】
例えば、本発明の一実施の形態におけるMME100,保守端末500、500a、外部サーバ600、P0−CSCF600b1などは、コンピュータとして機能している。
図13は、本実施形態および変形例に係るMME100のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のMME100は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0084】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。MME100のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0085】
MME100における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0086】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、在圏判断部103、ページング制御部104などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0087】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、MME100の在圏判断部103およびページング制御部104は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0088】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0089】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0090】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の保守インタフェース102,通信部105などは、通信装置1004で実現されてもよい。
【0091】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0092】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0093】
また、MME100は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0094】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0095】
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC ConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0096】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0097】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0098】
本明細書において特定の装置によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。例えば、特定の装置がMMEであった場合においては、当該MMEを有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、MME以外の他のネットワークノード(例えば、S-GWなどが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記においてMME以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、S-GWなどその他のゲートウェイ)であってもよい。
【0099】
情報等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0100】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0101】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0102】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0103】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0104】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0105】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0106】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0107】
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0108】
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
【0109】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
【0110】
移動端末は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0111】
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0112】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0113】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0114】
本明細書で「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した場合においては、その要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0115】
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0116】
本明細書において、文脈または技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置である場合以外は、複数の装置をも含むものとする。
【0117】
本開示の全体において、文脈から明らかに単数を示したものではなければ、複数のものを含むものとする。