(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記排気管(21)は、前記内燃機関(E)の下方において、車体中心に対して車幅方向の一方から、前記第1マフラー部(23)が配置された他方に向かって傾斜して配置されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気装置。
前記内管(25)は複数に分割された分割内管(25a,25b)が接続されて構成され、前記分割内管(25a,25b)どうしは、嵌合されてスライド可能に接続されることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の排気装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明に係る内燃機関の排気装置は、前記難点を克服するために発明されたもので、その目的は、前後方向にコンパクトなマフラーを備えた内燃機関の排気装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る内燃機関の排気装置は、鞍乗型車両の車体フレームに支持された内燃機関の排気を排出し、前記内燃機関に接続される排気管と、前記排気管の下流に接続される排気マフラーとを備えた内燃機関の排気装置において、前記排気マフラーは、前記排気管の下流端部に接続される第1マフラー部と、前記第1マフラー部の下流側に接続される第2マフラー部を備え、前記排気管から送られる排気は、第1マフラー部を通って第2マフラー部より前記排気マフラーの外部に排出され、前記第1マフラー部は、前記排気管が接続される内管と前記内管を覆う外管とからなる円筒部と、前記円筒部と前記第2マフラー部を接続する接続部を備え、前記第1マフラー部内には、前記内管と前記外管との間に第1膨張室が設けられ、前記内管には、前記内管内を通る排気量を変更するバルブが内蔵され、前記第1マフラー部は、車両側面視で、上下方向に湾曲する湾曲部が設けられ、前記排気マフラーは、前記第1マフラー部の後方かつ上方に、前記第2マフラー部内に設けられ前記第1膨張室よりも断面積が大きい膨張室が配置され、前記湾曲部における前記内管と前記外管とは同心となるように配置され、前記第2マフラー部は、前記膨張室を形成する外殻をなす第2マフラーボディと、前記第1マフラー部の前記内管の下流端に接続され外気に連通する排気通路管を備え、前記バルブは、前記第1マフラー部の外側に設けられるバルブ駆動部により駆動され、前記第1膨張室と前記排気通路管への流量の割合を変更し、前記第1マフラー部の外径は、前記第2マフラー部の外径より小さく、前記第1マフラー部の前記外管は、前記第2マフラー部の前記第2マフラーボディに、前記接続部を介して接続され
、前記バルブが締結されるバルブ軸が、前記内管の内側と前記外管の外側を連通する筒状の支持部材によって回動自在に支承され、前記バルブ駆動部に結合されることを特徴とするものである。
【0008】
前記構成によれば、内管と外管からなる多重管状の円筒部を、後輪の前方から側方にかけて配置しつつ、スイングアームより外方で、マフラー部の第2マフラー部が車両の前後方向に沿うように、左右方向に湾曲した湾曲部を設けているので、前後方向にコンパクトなマフラーにすることができるとともに、マフラー部後部の大型の膨張室が、車幅方向に突出するのを抑え、鞍乗型車両のバンク角を確保することができる。さらに、第1マフラー部の車幅方向の距離を稼ぐことができるので、第1膨張室の容積の大型化を図ることができる。
【0009】
前記構成において、前記第1マフラー部の前記円筒部を、前記ピボット軸と、前記後輪駆動軸とを結ぶ線分において、前記ピボット軸側の3分の2よりもピボット軸側に配置してもよい。
【0010】
前記構成によれば、円筒部をピボット軸側に配置することで、スイングアームの揺動範囲が比較的小さい位置において円筒部をスイングアームと上下に配置できるので、円筒部の高さの制限を少なくし、第1膨張室の容積を大きくすることができる。
【0011】
前記構成において、前記ピボット軸を、側面視で、前記後輪駆動軸よりも高い位置に配置してもよい。
【0012】
前記構成によれば、ピボット軸を後輪駆動軸よりも高い位置に配置することにより、ピボット軸寄りのスイングアーム下方の空間を大きく確保することができ、単管よりも大径になる多重管の円筒部が配置される空間を確保することができる。
【0013】
前記構成において、前記バルブを駆動するバルブ駆動部を、前記車体フレームの後方、かつ、車幅方向で前記スイングアームの下方において、前記第1マフラー部の上部に配置してもよい。
【0014】
前記構成によれば、バルブ駆動部を車体フレーム、スイングアーム、第1マフラー部で囲まれた空間に配置することで、専用カバーを設けることなく保護することができる。
【0015】
前記構成において、前記排気管を、前記内燃機関の下方において、車体中心に対して車幅方向の一方から、前記第1マフラー部が配置された他方に向かって傾斜して配置してもよい。
【0016】
前記構成によれば、排気管および第1マフラー部を車幅方向に傾斜して配置することで、排気管および第1マフラー部の長さを長くすることが可能となる。
【0017】
前記構成において、前記排気管内に、触媒装置を設け、前記触媒装置を、車幅方向において一方に偏るように配置し、内燃機関に上方および他側方が囲まれてもよい。
【0018】
前記構成によれば、触媒装置を内燃機関に囲まれた位置に配置して、内燃機関の熱で触媒の温度上昇を良好としつつ、触媒と第1マフラー部との間を、短管からなる排気管による通路で構成することで、排気装置のコストを低減する。また、多重管からなる第1マフラー部内に触媒を配置しないので、第1膨張室の容量を大型化することができる。
ことができる。
【0019】
前記構成において、前記第2マフラー部に、前記内管の下流端部と接続される排気通路管を設け、前記排気通路管は、前記内管と接続される上流端部に開口された第1開口部と、第2膨張室を通過した排気が流入する第2開口部を備え、前記排気通路管の前記上流端部と、前記内管の前記下流端部とを、スライド可能に接続してもよい。
【0020】
前記構成によれば、内管と排気通路管とを管の軸方向に嵌合する構造として、内管と排気通路管の組付け性を良好とし、溶接個所を削減して軽量化およびコスト低減を図ることができる。また、管材は熱により管の長手方向に伸縮するため、スライド可能に嵌合して接続することで、管の伸縮を吸収する構造とすることができる。
【0021】
前記構成において、前記内管を複数に分割された分割内管が接続されて構成し、前記分割内管どうしを、嵌合されてスライド可能に接続してもよい。
【0022】
前記構成によれば、内管の分割内管どうしを管の軸方向に嵌合する構造として、分割管および第2膨張室どうしの組付け性を良好とし、溶接個所を削減して軽量化およびコスト低減を図ることができる。また、管材は熱により管の長手方向に伸縮するため、スライド可能に嵌合して接続することで、管の伸縮を吸収する構造とすることができる。
【0023】
前記構成において、前記湾曲部を、前記バルブが配設された部位から前記排気通路管31が接続される部位までの間に設けてもよい。
【0024】
前記構成によれば、湾曲部を、前記バルブが配設された部位から前記接続部が接続される部位までの間に設けることにより、バルブを湾曲部以外の直管状の部位に配置してバルブ形状および作動機構を簡素化しつつ、排気通路管を直管として、排気通路管を収容する第2膨張室を簡素化できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の内燃機関の排気装置は、前後方向にコンパクトなマフラーを備えた内燃機関の排気装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る鞍乗型車両に用いられる内燃機関の排気装置20の一実施形態について、
図1ないし
図18に基づいて説明する。
【0028】
図1は、本実施の形態に係る排気装置20が適用された鞍乗型車両の一例である自動二輪車1の右側面図である。なお、本明細書では、自動二輪車1の前進方向を前方とし、前方を向いた姿勢を基準にして前後左右を定めている。
【0029】
自動二輪車1の車体フレーム2は以下のようになっている。ヘッドパイプ部2aには、左右一対のメインフレーム部2b,2bが固着されており、該左右一対のメインフレーム部2bは内燃機関Eを囲むように、後方に略水平に延びて、下方へ延出している。メインフレーム部2bの上部後方には、シートレール部材2cが取り付けられ、該シートレール部材2cは、左右に開きながら後方に延出している。
【0030】
このような車体フレーム2において、ヘッドパイプ部2aにはフロントフォーク3が枢支され、該フロントフォーク3の上端に左右に延びたハンドル4が取り付けられ、下端に前輪5が軸支され、メインフレーム部2bの下部に設けられたピボット軸2dに前端を軸支されたスイングアーム6が後方へ延出し、その後端に後輪7が後輪駆動軸6aにより軸支されている。スイングアーム6と車体フレーム2の下部との間にリヤクッション8が介装されている。メインフレーム部2bおよびシートレール部材2cには燃料タンク9が架設され、燃料タンク9の後方に乗車用シート10がシートレール部材2cに支持されて設けられている。自動二輪車1の車体には、自動二輪車1の前方上部から側方下部にかけて、カウル70が取り付けられている。
【0031】
車体フレーム2に搭載される内燃機関Eは、例えば直列4気筒の4ストローク内燃機関であり、クランクケース11の上にシリンダブロック12、シリンダヘッド13が順次重ねられて、ボルト(不図示)により一体に締結され、シリンダヘッド13の上方はヘッドカバー14に覆われている。内燃機関Eは、車体に対してクランク軸15を車体幅方向に指向させ、車体フレーム2に囲われ、内燃機関Eの気筒部16を若干前傾させて搭載されている。クランク軸15の回転駆動力は、図示されない駆動ベルトにより後輪駆動軸6aを介して後輪7に伝達される。スイングアーム6を軸支しているピボット軸2dは、
図1に示されるように、車両の側面視で、後輪駆動軸6aよりも高い位置に配置されている。
【0032】
内燃機関Eの気筒部16には、燃料噴射弁(不図示)を備えた吸気マニホールド(不図示)、スロットルボディ17、コネクティングチューブ(不図示)、エアクリーナ18が順次連結されている。エアクリーナ18から吸入された外気は、燃料噴射弁から噴霧される燃料と混合されて混合気となり、内燃機関Eの気筒部16へと送られて燃焼される。
【0033】
内燃機関Eの気筒部16には排気マニホールド19が接続されている。排気マニホールド19は、気筒部16のそれぞれに接続され下方へ延伸したのち後方へ屈曲して延びており、該排気マニホールド19の下流端に、排気管21が接続されている。排気管21の下流端部21eは排気マフラー22に接続されており、排気管21と排気マフラー22とで排気装置20を構成している。排気マフラー22は、排気管21に接続される第1マフラー部23と、第1マフラー部23の後方に接続される第2マフラー部30とから構成されている。内燃機関Eの気筒部16から排出される排気ガスは、排気マニホールド19から排気装置20に送られて外気に排出される。排気装置20は、排気装置取付部材38を備えており、排気装置取付部材38により、自動二輪車1の右側方に位置して斜め後ろ上がりになるように取り付けられている。
【0034】
排気装置取付部材38は、
図4に示されるように、第1マフラー部23と第2マフラー部30のそれぞれに固定される前方取付部38aおよび後方取付部38cと、前方取付部38aから第1マフラー部23の上方に延びる前方取付片38bと、後方取付部38cから延び前方取付片38bの上端とをつなぐ後方取付片38dを備え、前方取付片38bと後方取付片38dとがつながれた箇所に、自動二輪車1に取り付けるための車両取付部としての取付ボス部38eが設けられている。さらに排気装置取付部材38には、軽量化を目的として、貫通孔38fが、前方取付片38bには1個、後方取付片38dには3個設けられている。排気装置20は、
図1に示されるように、排気装置取付部材38の取付ボス部38eに取付ボルト39が挿通され、該取付ボルト39が自動二輪車1に締結されることで取り付けられている。
【0035】
排気装置20は、
図1および
図4に示されるように、排気マニホールド19の後端に接続され内燃機関Eから燃焼された排気ガスが送られる排気管21と、排気管21から送られた排気ガスが消音される排気マフラー22とを備えている。
図4、
図5および
図7に示されるように、排気管21の下流端側に、排気マフラー22の上流側が接続されている。排気マフラー22は、
図1に示されるように、該排気マフラー22が搭載されている自動二輪車1において後方から斜め上に向かって延びた形状に形成されている。
【0036】
第1マフラー部23に接続される排気管21は、
図1に示されるように、内燃機関Eの下方に位置し、上流側排気管21aと下流側排気管21bとで構成されており、上流側排気管21a内には、排気ガスを浄化する触媒装置21cが設けられている。車両を下方から視た
図2に示されるように、排気管21は、車体中心に対して車幅方向の左側から、第1マフラー部23が配置された右側に向かって傾斜して配置され、触媒装置21cは、幅方向において左側に偏るように配置されている。さらに触媒装置21cは、上方および左側方が内燃機関Eに囲まれている。カウル70の下部には開口部70aが設けられており、車両下面視において、触媒装置21cは開口部70a内に位置するように配設されている。
【0037】
図5に示されるように、排気マフラー22は、その内部が第1仕切壁34および第2仕切壁35により、前方から第1膨張室45、第3膨張室47、第2膨張室46に仕切られている。排気管21の下流端部21eに、排気管21からの排気ガスが流通される後述する第1マフラー部23の内管25と、第2マフラー部30の排気通路管31が順次接続されている。内管25および排気通路管31は、排気マフラー22の内部に膨張室45,46,47を貫通し排気装置20の後端まで延びる円筒形状で、内管25の前端から排気通路管31の後端まで略同径となるように形成されている。このように、排気マフラー22は、内管25および排気通路管31と、該排気通路管40の外周の膨張室45,46,47との複数層で構成されている。さらに、排気通路管40の途中には、内管25を開閉することで排気ガスの流通路を切り替える排気バルブ50が設けられている。
【0038】
第1マフラー部23は、
図5および
図7に示されるように、排気管21が接続される二重管状の円筒部24と、該円筒部24と第2マフラー部30を接続する接続部28と、第1マフラー部23の前部を閉塞するフロントカバー29と、円筒部24内に設けられる環状板部材27と、排気バルブ50とを備えている。
【0039】
円筒部24は、排気管21に接続される内管25と、該内管25を覆う外管26とからなり、内管25と外管26とは略同心状に配置された二重管状となっている。
図17に示されるように、外管26の内径d3は、内管25の内径d4の1.5倍以上2.0倍以下の範囲内に設定されている。
【0040】
図5および
図7に示されるように、内管25は、上流側に位置し、排気管21に接続される第1分割内管25aと、第1分割内管25aの下流端部25a
2に接続される第2分割内管25bとからなり、複数の分割された管から構成されている。第1分割内管25aと第2分割内管25bとは略同径にされ、第1分割内管の上流端部25a
1に排気管21の21eが、第1分割内管25aの下流端部25a
2に第2分割内管25bの上流端部25b
1がそれぞれ嵌合され、これらの嵌合された部位には溶接が施されておらず、スライド可能に接続されている。
【0041】
外管26は、上流側に位置する第1分割外管26aと、第1分割外管26aの下流端26a
2に溶接により接続されている第2分割外管26bとからなり、複数の分割された管から構成されている。第1分割外管26aの下流端部26a
2に第2分割外管26bの上流端部26b
1がそれぞれ嵌合され、これらの嵌合された部位には溶接が施されて固着されている。
図5に示されるように、第2分割外管26bの下流端部26b
2は、接続部28の上流端部28aに接続され、溶接により固着されている。
【0042】
第1分割外管26aの上流端26a
1と排気管21との間を閉塞するフロントカバー29は、
図7に示されるように、上流端29aは排気管21の外径と同じ径にされ、下流に行くに従い径が大きくなり下流端29bは、第1分割外管26aの上流端と同じ径に形成されている。フロントカバー29の上流端29aは、排気管21の下流端部21eに接続され溶接にて固定されており、フロントカバー29の下流端29bは、第1分割外管26aの上流端26a
1に接続され溶接にて固定されている。
【0043】
図5に示されるように、第1分割内管25aおよび第1分割外管26aは直線状に形成され、第2分割内管25bおよび第2分割外管26bは緩やかに湾曲した形状に形成され、内管25と外管26とは略同心となるように配置されている。第1マフラー部23の内管25と外管26との間は、第1膨張室45となっている。
【0044】
図7に示されるように、環状板部材27は、内管25の外周面と外管26の内周面とに固着され、第1膨張室45を第1室45aと第2室45bとに分割している。環状板部材27は、
図11に示されるように、円環状に形成された環状板部27aを備えており、該環状板部27aの外径は、第1分割外管26aの内径と同一に形成され、環状板部27aの内径は、該環状板部27aに挿通される第1分割内管25aの外径と同一になるように形成されている。環状板部27aには、第1膨張室45の第1室45aと第2室45bとを連通する連通孔27bが、本実施の形態では2つ設けられている。連通孔27bは、環状板部27aの周方向に沿う形状の長孔に形成されている。上方に形成された連通孔27bは、周方向の略3分の2の長さに形成されており、下方に形成された連通孔27bは、周方向の略3分の1の長さに形成されている。
図7に示されるように、環状板部27aの外周には環状板部27aに対して直角に後方に向かって延びる固定部27cが、内周には前方に向かって延びる固定部27dが、それぞれ所定幅を持って設けられている。
【0045】
図7に示されるように、環状板部材27の固定部27cは、第1分割外管26aの下流側の内周面に当接されて固定され、固定部27dは、第1分割内管25aの下流側の外周面に当接されて、環状板部材27は、第1分割外管26aの内部に、第1分割外管26aの長手方向に対してその面が直角になるように固着されている。内外二重に配置された第1分割外管26aの下流側の内壁と、第1分割内管25aの下流側の外壁は、環状板部材27により閉塞されるように一体に接続されている。
【0046】
内管25のうちの、上流側に位置する第1分割内管25a内には、
図5、
図7および
図9に示されるように、内管25を開閉し、後述する第1貫通孔21dから第1膨張室45に排出する量を変更する排気バルブ50が設けられている。この排気バルブ50は、内燃機関Eの出力に比例して開閉制御されるものであり、排気ガスの流通路を切り替えて排気ガスの膨張による消音を図るとともに、排気ガスに背圧を与えることにより内燃機関Eの特性を調整するための装置である。排気バルブ50は、
図7に示されるように、排気マフラー22のうち、第1分割内管25aと第1分割外管26aとで内外二重にされた部位内であって、排気ガスの流れ方向において環状板部材27より上流側に位置するように配置されている。排気バルブ50は、
図5に示されるように、第1分割内管25aの内周に沿った形状の円盤状に形成されている。なお、
図7に示されるように、排気バルブ50の外径d2は、第1分割内管25aの内径d1よりも小さく設計されており、排気バルブ50が閉じていても、排気バルブ50の上流側の排気ガスのうちごく一部少量は、この隙間を通過して、排気バルブ50の下流側へ通過することができる。
【0047】
排気バルブ50は、
図9ないし
図12に示されるように、座金57を介して一対のネジ52により締結される排気バルブ軸51を備えており、排気バルブ50を開閉作動させるバルブ駆動部60に結合されている。排気バルブ軸51は、
図5に示されるように、排気マフラー22の第1マフラー部23の第1分割外管26aの外面を貫通し、バルブ駆動部60は、排気マフラー22の外側の面に設けられている。
図9に示されるように、排気バルブ軸51は、第1分割内管25aの上部に取り付けられた上部支持部材54と下部に取り付けられた下部支持部材55に軸受53を介して回動自在に支承されている。下部支持部材55の下面には、排気バルブ軸51が抜け落ちるのを防止するキャップ56が取り付けられている。
【0048】
排気バルブ軸51の上部61aは、
図9および
図12に示されるように、第1分割内管25aおよび第1分割外管26aの上部を貫通して上方に延びている。排気バルブ軸51の上部51aに、プーリー62が一体に回動されるように取り付けられ、該プーリー62に駆動ワイヤー63が巻き掛けられ、駆動ワイヤー63が図示されない駆動装置により引っ張られることにより、排気バルブ軸51が回動され、第1分割内管25a内の排気バルブ50を開閉状態に駆動する。プーリー62の周囲は、一対のボルト66により一体に締結される上ケース半体65aと下ケース半体65bとからなるケース65により覆われている。該ケース65は、第1分割外管26aの外面に溶接されたベース部材64に支持されている。
【0049】
排気バルブ50を駆動するバルブ駆動部60は、
図1に示されるように、車体フレーム2の後方に配置され、さらに
図3に示されるように、車幅方向で前記スイングアーム6の下方において、第1マフラー部23の上部に配置されており、バルブ駆動部60は車体フレーム2およびスイングアーム6に囲まれているので、専用カバーを設けなくとも保護することができる。
【0050】
図7に示されるように、排気管21には、排気管21にフロントカバー29が溶接された部位から第1分割内管25aに接続された部位までの間に、第1分割内管25a内と第1膨張室45とを連通する第1貫通孔21dが複数個設けられている。この第1貫通孔21dは、その孔径d7が6mm径に設定されており、周方向に20個、かつ排気管21の長手方向において3列形成されている。内管25内の排気バルブ50が閉塞された場合には、排気管21から内管25に流れ込む排気ガスが、この第1貫通孔21dを通過して、第1膨張室45の第1室45aに流れ込む。
【0051】
第1貫通孔21dは、第1マフラー部23の排気流れ方向において、第1マフラー部23の上流端と、バルブ50の排気バルブ軸51との距離の半分より、上流端側に位置して設けられている。
【0052】
第1マフラー部23は、
図5に示されるように、内管25と外管26とからなる円筒部24と、後述する第2マフラー部30を接続する接続部28を備えている。接続部28は上流端部28aが第2分割外管26bの下流端部28b2の径と略同じ径にされ、下流に行くに従い徐々に径が大きくなり、下流端部28bは、第2マフラー部30の外径と略同じ径に設定され、それぞれが接続されて固着されている。
【0053】
排気マフラー22の第1マフラー部23は、
図1に示されるように、側面視で、上下方向に湾曲して形成されている。また、
図3に示されるように、第1マフラー部23は、車幅方向において、少なくとも一部がスイングアーム6の下方に配置され、スイングアーム6の下方から外方に亘って配置されている。さらに、第1マフラー部23の円筒部24は、
図6に示されるように上面視において、バルブ50が配設されている部位と接続部28との間には、湾曲されて湾曲部23aが形成されている。さらに円筒部24の湾曲部23aは、
図2に示されるように、スイングアーム6より外方において、排気マフラー22の後部の第2マフラー部30が車両の前後方向に沿うように、左右方向において湾曲して形成されている。
【0054】
第1マフラー部23の後方には、
図5に示されるように、第2マフラー部30が接続されている。第2マフラー部30は、第2マフラー部30の外殻をなす第2マフラーボディ32と、第2マフラーボディ32の内部を仕切る第1仕切壁34および第2仕切壁35と、第2マフラーボディ32の下流端を閉塞する後壁36と、第1マフラー部23の内管25の下流端に接続され第1仕切壁34、第2仕切壁35および後壁36を貫通し外気に連通する排気通路管31と、第1仕切壁34および第2仕切壁35を貫通し、第1膨張室45と第2膨張室46とを連通する連通管37とを備えている。
図17に示されるように、連通管37の内径d5は、排気通路管31の内径d6の半分以下に設定されている。
【0055】
図13には第2マフラー部30の縦断面図、
図14には第2マフラー部30を上方から見た図を示している。第2マフラーボディ32は、筒状のアウタボディ部32aと、アウタボディ部32aの内部に所定間隔を存して配置されるインナボディ部32bを備えており、アウタボディ部32aとインナボディ部32bの間には、断熱、吸音を目的としたグラスウール等の充填材33が充填されている。アウタボディ部32aの下流端には、テールカバー部32cが取り付けられており、テールカバー部32cには、排気通路管挿通孔32dが形成されている。
図11および
図12に示されるように、第2マフラーボディ32の排気ガス流れに対して直角な断面形状は、縦長であって中央よりやや上方が最も幅が広くなっており、下方に行くに従い狭くなった非円形断面となっている。
【0056】
図5および
図13に示されるように、第2マフラーボディ32内に配設された排気通路管31は、第1マフラー部23の第2分割内管25bの下流端部25b
2に接続される第1排気通路管31aと、第1排気通路管31aの下流端に接続される第2排気通路管31bとから構成されている。第2排気通路管31bの下流端、すなわち排気通路管31の下流端部31dは、テールカバー部32cの排気通路管挿通孔32dに挿通されて、排気通路管31の下流端部31dは外気に連通されている。
【0057】
第1排気通路管31aの上流端部31a
1と、第2分割内管25bの下流端部25b
2とは略同径にされ、第1排気通路管31aの上流端部31a
1に第2分割内管25bの下流端部25b
2が嵌合され、この嵌合された部位には溶接が施されておらず、スライド可能に接続されている。
【0058】
第2排気通路管31bの上流端部31b
1と、第1排気通路管31aの下流端部31a
2とは略同径にされ、第2排気通路管31bの上流端部31b
1に第1排気通路管31aの下流端部31a
2が嵌合され、この嵌合された部位には溶接が施されておらず、スライド可能に接続されている。
【0059】
排気マフラー22の内部は、
図5、
図13および
図17に示されるように、第1仕切壁34と第2仕切壁35により、前方から第1膨張室45、第3膨張室47、第2膨張室46に仕切られている。第1仕切壁34には、
図15に示されるように、その壁部34aの上部に、第1排気通路管31aが挿通される排気通路管挿通孔34bが、下部に連通管37が挿通される連通管挿通孔34cが形成されている。第2仕切壁35には、
図16に示されるように、その壁部35aの上部に、第1排気通路管31aが挿通される排気通路管挿通孔35bが、下部に連通管37が挿通される連通管挿通孔35cが形成されている。排気通路管挿通孔35bと連通管挿通孔35cの上下方向の間に、第2膨張室46と第3膨張室47を連通する一対の連通孔35dが左右に位置して形成されている。第1仕切壁34および第2仕切壁35は、
図13に示されるように、第2マフラーボディ32の内部にそれぞれ固着されている。
【0060】
排気通路管31は、第1仕切壁34、第2仕切壁35および後壁36の排気通路管挿通孔34b、35b、36bに挿通され、第1仕切壁34、第2仕切壁35および後壁36に固着されて支持されている。連通管37は、第1仕切壁34および第2仕切壁35の連通管挿通孔34c、35cに挿通され、第1仕切壁34、第2仕切壁35に固着されて支持されている。
【0061】
図5および
図17に示されるように、第1膨張室45は、第1マフラー部23の内管25と、外管26および接続部28との間の空間と、第2マフラー部30の第2マフラーボディ32と、第1仕切壁34の上流側の面とで囲まれる空間で構成されている。第2膨張室46は、第2マフラー部30の第2マフラーボディ32と、第2仕切壁35および後壁36で囲まれた空間で構成されている。第3膨張室47は、第2マフラー部30の第2マフラーボディ32と、第1仕切壁34と、第2仕切壁35で囲まれた空間で構成されている。第2マフラー部30の断面積は、第1マフラー部23の円筒部24の断面積よりも大きく設定されている。排気管21、内管25および排気通路管31を通る排気の流れ方向において、第1膨張室45の長さは、第2膨張室46、第3膨張室47のそれぞれの長さよりも長くなるように設定されている。
【0062】
図7に示されるように、排気通路管31の上流端部31cは開口されており、内管25と連通する第1開口部31c
1となっている。排気通路管31の第1排気通路管31aには、第1仕切壁34が固着された部位と第2仕切壁35が固着された部位との間に位置して、第2開口部となる複数の第2貫通孔31eが形成されている。第2貫通孔31eは、排気通路管31と第3膨張室とを連通している。第2貫通孔31eは、その孔径d8が5mm径に設定されており、周方向に19個かつ排気通路管31の長手方向に向かって5列形成されている。
【0063】
前記したように第1貫通孔21dおよび第2貫通孔31eの孔径および個数が設定されているので、第1マフラー部23の内管25に設けられた第1貫通孔21dの孔径d7は、第2貫通孔31eの孔径d8よりも大きく、第1貫通孔21dの総面積A1は、第2貫通孔31eの総面積A2よりも小さくなっている。
【0064】
第1マフラー部23の円筒部24の断面形状は、
図5および
図9に示されるように略円形断面を成す形状であり、第2マフラー部30の断面形状は、
図15および
図16に示されるように、上下方向に長く左右方向に幅の狭い非円形断面を成す形状となっている。さらに、
図3に示されるように、第1マフラー部23の円筒部24の外径は、第2マフラー部30の外径に比べて小さく絞られた形状に形成されている。第1マフラー部23の円筒部24と第2マフラー部30とは、前方から後方に行くに従い断面積が大きくなる接続部28により接続されている。第1マフラー部23の第1膨張室45の外径は、第2マフラー部30の第2膨張室46、第3膨張室47の外径に比べて小径にされている。第2マフラー部30内に設けられている第2膨張室46は、
図3に示されるように、第1マフラー部23の後方かつ上方に配置されており、第2膨張室46は、第1膨張室45よりも断面積が大きくされている。
【0065】
第1マフラー部23の円筒部24は、ピボット軸2dと、後輪駆動軸6aとを結ぶ線分Lにおいて、ピボット軸2d側の3分の2よりもピボット軸2d2側に配置されている。
【0066】
排気マフラー22の第1マフラー部23と第2マフラー部30は、別に小組された後一体に組立てられる。
【0067】
本実施形態の排気装置20の排気ガスの流れについて、
図17および
図18に基づいて説明する。
図17は、排気バルブ50の開放状態における排気ガスの流れを模式的に示したものである。バルブ駆動部60が作動して排気バルブ50が開放状態となった場合には、内燃機関Eから排出される排気ガスは、排気管21を通り、排気管21の下流端から内管25の上流端から排気通路管31に流れ込み、排気通路管31の下流端部31dから外気に排出される。排気管21内の排気ガスは、第1貫通孔21dを通り第1膨張室45の第1室45aにも流れ込むが、大部分の排気ガスは排気通路管31の下流端部31dから排出される。このように排気バルブ50の開放状態では、排気ガスは排気通路管31から直接外気に排出されるので、内燃機関Eの出力を妨げることが少ない状態となる。
【0068】
図18は、排気バルブ50の閉塞状態における排気ガスの流れを模式的に示したものである。内燃機関Eの出力がごく小さく、バルブ駆動部60が制御され作動して排気バルブ50が閉塞状態となった場合には、排気管21内の排気ガスは、第1分割内管25a内の排気バルブ50により閉塞される。この状態では、内燃機関Eから排出されるガスは少量であるため、その大半が排気バルブ50の外周と第1分割内管25aの内周との隙間を通過するが、排気音の発生原因である排気ガスに伴う圧力波は、排気バルブ50の上流の排気管21の第1貫通孔21dを通過して、第1膨張室45の第1室45aに流れ込む。
【0069】
その後第1室45aから環状板部材27の連通孔27bを通り第2室45bへ流入する。さらに、第2室に開口した連通管37を通過し、第2膨張室46内へと流入する。その後、第2膨張室46内から第2仕切壁35の連通孔35dを通り第3膨張室47内へ流入し、第3膨張室47から、排気通路管31の第2貫通孔31eを通り排気通路管31内へ流入し、排気通路管31の下流端部31dから外気へ排出される。このように排気バルブ50の閉塞状態では、内燃機関Eから排出される排気ガスは、排気ガスの流通においては、内管25および排気通路管31を通過する一方、排気ガスの圧力波おいては、各膨張室45,46,47を通過することにより排気音を低減することができる。
【0070】
さらに、この排気バルブ50は、内燃機関Eの出力に比例して開くように制御することで、排気ガスの流通を内燃機関Eの特性に合うように開度を調整して、排気ガスの通過流量を調整するが、圧力波については、排気バルブ50の上流側にて膨張室側(第1膨張室45)に流れることで、出力に比例して大きくなる排気ガスの騒音を効果的に消音することができる。すなわち、このような排気マフラー構造をとることで、出力経路と音経路とを分離して、消音性能を満足させながら、出力の調整を簡単な構造で達成することができる。なお、排気バルブ50がバタフライバルブとなっているので、排気バルブ50の開度を変更することで、所望する内燃機関Eの出力状態、および排気音の消音効果に設定することができる。
【0071】
本発明に係る一実施の形態の内燃機関の排気装置20は、前記したように構成されているので、以下の効果を奏することができる。
【0072】
本実施の形態の排気装置20によれば、内管25と外管26からなる多重管状の円筒部24を備えた第1マフラー部23に、上下方向に湾曲させた湾曲部23aを設けることにより、第1マフラー部23を上下方向に傾斜して配置することができ、第1マフラー部23の容積の大型化を容易にしつつ、第1マフラー部23の前後方向の長さを短くして、前後方向にコンパクトなマフラー22を備えた排気装置20を提供することができる。さらに前方に位置する第1マフラー部23を細径としつつ、第1膨張室45よりも断面積の大きい第2膨張室46が配置された第2マフラー部30を、車両の高い位置に配置することができるので、鞍乗型車両である自動二輪車1のバンク角をより確保することができる。
【0073】
また、
図1に示されるように、内管25と外管26からなる多重管状の円筒部24を備えた第1マフラー部23を、後輪の前方から側方にかけて配置しつつ、
図2に示されるように、スイングアーム6より外方で、第2マフラー部30が車両の前後方向に沿うように、左右方向に湾曲した湾曲部23aが設けられているので、前後方向にコンパクトな排気マフラー22にすることができるとともに、排気マフラー22の後部の第2マフラー部30内の大型の第2膨張室46および第3膨張室47が、車幅方向に突出するのを抑え、自動二輪車1のバンク角を確保することができる。さらに、第1マフラー部23の車幅方向の距離を稼ぐことができるので、第1膨張室45の容積の大型化を図ることができる。
【0074】
さらに、第1マフラー部23の円筒部24を、ピボット軸2dと、後輪駆動軸6aとを結ぶ線分Lにおいて、ピボット軸2d側の3分の2よりもピボット軸2d側に配置することで、スイングアーム6の揺動範囲が比較的小さい位置において円筒部24をスイングアーム6と上下に配置できるので、円筒部24の高さの制限を少なくし、第1膨張室45の容積を大きくすることができる。
【0075】
また、ピボット軸2dを後輪駆動軸6aよりも高い位置に配置することにより、ピボット軸寄りのスイングアーム6下方の空間を大きく確保することができ、単管よりも大径になる多重管の円筒部24が配置される空間を確保することができる。
【0076】
さらにまた、
図3に示されるように、バルブ50を駆動するバルブ駆動部60を、車体フレーム2の後方、かつ、車幅方向でスイングアーム6の下方において、第1マフラー部23の上部に配置しているので、バルブ駆動部60が車体フレーム2、スイングアーム6、第1マフラー部23で囲まれた空間に配置され、専用カバーを設けることなく保護することができる。
【0077】
排気管21を、内燃機関Eの下方において、車体中心に対して車幅方向の一方から、第1マフラー部23が配置された他方に向かって傾斜して配置しているので、排気管21および第1マフラー部23の長さを長くすることが可能となる。
【0078】
さらに
図3に示されるように、排気管21内に触媒装置21cを設け、触媒装置21cを車幅方向において一方に偏るように配置し、内燃機関Eに上方および右側方が囲まれているので、内燃機関Eの熱で触媒の温度上昇を良好としつつ、触媒装置21cと第1マフラー部23との間を、短管からなる排気管21による通路で構成することで、排気装置20のコストを低減することができる。また、多重管からなる第1マフラー部23内に触媒装置21cを配置しないので、第1膨張室45の容量を大型化することができる。
ことができる。
【0079】
また、
図7に示されるように、第2マフラー部30に、内管25の下流端部25b
2と接続される排気通路管31を設け、排気通路管31は、内管25と接続される上流端部31cに開口された第1開口部31c
1と、第2膨張室46を通過した排気が流入する第2開口部31eを備え、排気通路管31の上流端部31cと、内管25の下流端部31c1とを、スライド可能に接続しているので、内管25と排気通路管31とを管の軸方向に嵌合する構造として、内管25と排気通路管31の組付け性を良好とし、溶接個所を削減して軽量化およびコスト低減を図ることができる。また、管材は熱により管の長手方向に伸縮するため、スライド可能に嵌合して接続することで、管の伸縮を吸収する構造とすることができる。
【0080】
さらに、内管25を複数に分割した第1分割内管25aと第2分割内管25bとが接続されて構成し、第1分割内管25aと第2分割内管25bを、嵌合させてスライド可能に接続しているので、第1分割内管25aと第2分割内管25bとを管の軸方向に嵌合する構造として、分割管どうしおよび第2膨張室の組付け性を良好とし、溶接個所を削減して軽量化およびコスト低減を図ることができ、管の伸縮を吸収する構造とすることができる。
【0081】
また第1マフラー部23の湾曲部23aを、排気バルブ50が配設された部位から排気通路管31が接続される部位までの間に設けているので、排気バルブ50を湾曲部23a以外の直管状の部位に配置してバルブ形状および作動機構を簡素化しつつ、排気通路管31を直管として、排気通路管31を収容する第2膨張室46を簡素化できる。
【0082】
前述した実施の形態では、排気バルブ50より上流側であって排気管21と第1分割内管25a内の排気ガスが第1膨張室45と連通するための孔として、排気管21に第1貫通孔21dが設けられていた。しかし、
図19に示されるように、排気装置20として、貫通孔が設けられていない排気管121と、第1貫通孔125cが設けられた第1分割内管125aと第2分割内管125bで構成される内管125を用いてもよく、排気バルブ50より上流側であって排気管121と第1分割内管125a内の排気ガスが第1膨張室45と連通するための孔として、第1分割内管125aの第1貫通孔125cを用いても良い。
【0083】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変更が可能である。また、本発明の排気装置20は、自動二輪車1に限定されず他種の鞍乗型車両にも幅広く適用することができる。