【実施例】
【0198】
以下、更に本発明を理解するため、若干の実施例及び添付図面を組み合わせて本発明に対し詳細に説明する。ただし、本明細書の内容を参照して工程パラメータを改善して実現できることが業者には明白であろう。言及すべき点は、全ての類似する置換及び修正が当業者にとって自明であり、それらは、本発明に含まれる。本発明の応用は、すでに好ましい実施例を通じて記述され、当業者は本発明の内容、精神及び範囲とから外れることなく、本明細書に記載されている応用に対し修正又は適切な変更や組み合わせを行うことで、本発明の技術を明らかに実現及び応用できる。
【0199】
(実施例1)
本実施例に係るナノ炭素耐衝撃性材料の製造工程は、
カーボンナノチューブの間のファンデルワールス力作用により、高温炉内で成長した円筒状の中空カーボンナノチューブ連続体(非特許文献1参照)を空気の浮力作用において、円筒横置型ロール上に巻き付け、ロールも自転しながら軸方向に向かって往復移動でき、移動距離がロールの長さであり、連続して一定時間巻き取った後、得られたカーボンナノチューブ集合体の連続表面にエタノールをスプレーし、同時に円筒形スチールロールで加圧(
図1)を行い、圧力が約4MPaとする。室温下で溶媒を揮発させた後、支持ロール上から取り外し、自己支持性ナノ炭素薄膜(外形は
図2乃至
図4を参照)を形成し、その厚さが約7μmで、面密度が約3g/m
2であるステップ1)と、
更に
図1を参照すると、ステップ1)で得られた自己支持性ナノ炭素薄膜をプレス機でプレス処理することで、更に薄膜の密度が高まり、用いる圧力が15MPaで、温度が約90℃、時間が約2時間であり、最終的に得られた前記ナノ炭素耐衝撃性材料の平均厚さが約5umで、平均面密度が約3g/m
2、平均引張強度が約800MPa、平均弾性率が約120GPa、平均切断時伸びが約9%となるステップ2)と、
を包括する。
【0200】
(実施例2)
本実施例に係るナノ炭素耐衝撃性材料の製造工程は、
実施例1のカーボンナノチューブ製造工程を参照し、カーボンナノチューブの間のファンデルワールス力作用により、高温炉内で成長した円筒状の中空カーボンナノチューブ連続体(前記の代表的な例内で記載されているカーボンナノチューブ連続体の製造工程を参照)を空気の浮力作用において、円筒横置型ロール上に巻き付け、ロールも自転しながら軸方向に向かって往復移動でき、移動距離がロールの長さであり、連続して一定時間巻き取った後、得られたカーボンナノチューブ集合体の連続表面にグラフェンアルコール溶液(濃度が約0.1wt%〜5wt%で、アルコール溶媒はプロパノール、エタノール、エチレングリコール等とすることができ、アルコールと水の混合溶媒でもよい)をスプレーし、同時に円筒形スチールロールで加圧(
図1)を行い、圧力が約4MPaとする。室温下で溶媒を揮発させた後、支持ロール上から取り外し、自己支持性ナノ炭素薄膜を形成し、その厚さが約12μmで、面密度が約6.5g/m
2であるステップ1)と、
ステップ1)で得られたナノ炭素薄膜をプレス機でプレス処理することで、更に薄膜の密度が高まり、圧力が2MPaで、温度が約90℃、時間が約4時間であり、最終的に得られたナノ炭素耐衝撃性材料の平均厚さが約10umで、平均面密度が約6.5g/m
2、平均引張強度が約1200MPa、平均弾性率が約140GPa、平均切断時伸びが約7%となるステップ2)と、
を包括する。
【0201】
(実施例3)
本実施例に係るナノ炭素耐衝撃性材料の製造工程は、
実施例1のカーボンナノチューブ製造工程を参照し、カーボンナノチューブの間のファンデルワールス力作用により、高温炉内で成長した円筒状の中空カーボンナノチューブ連続体(実施例1〜2参照)を空気の浮力作用において、円筒横置型ロール上に巻き付け、ロールも自転しながら軸方向に向かって往復移動でき、連続して一定時間巻き取った後、得られたカーボンナノチューブ集合体の連続表面にグラフェンポリウレタン溶液(濃度が約0.1wt%〜5wt%である)をスプレーし、同時に円筒形スチールロールで加圧を行い、圧力が約4MPaとする。室温下で溶媒を揮発させた後、支持ロール上から取り外し、自己支持性ナノ炭素薄膜を形成し、その厚さが約17μmで、面密度が約8g/m
2であるステップ1)と、
ステップ1)で得られたナノ炭素薄膜をプレス機でプレス処理することで、更に薄膜の密度が高まり、圧力が90MPaで、温度が約110℃、時間が約2時間であり、最終的に得られたナノ炭素耐衝撃性材料の平均厚さが約13umで、平均面密度が約8g/m
2、平均引張強度が約600MPa、平均弾性率が約80GPa、平均切断時伸びが約12%となるステップ2)と、
を包括する。
【0202】
(実施例4)
本実施例渉に係るナノ炭素耐衝撃性材料の製造工程は、
炭素源ガスは、金属触媒(実施例2参照)の作用下で、高温条件により連続的なカーボンナノチューブ連続体を成長させ、得られた連続体を2次元の平面内で絶え間なく集合させ、かつ平行に並んでカーボンナノチューブ薄膜を形成させ、カーボンナノチューブは単層、二層、多層のうちの1種又は2種以上が挙げられ、管径が2〜100nmの範囲で、カーボンナノチューブ同士の間がファンデルワールス力で結合され、形成されたカーボンナノチューブ薄膜の厚さが約5〜15um、面密度が約3〜7g/m
2であるステップ1)と、
ステップ1)で得られたナノ炭素薄膜をプレス機でプレス処理することで、更に薄膜の密度が高まり、室温下でプレス加工し、圧力が120MPaで、時間が約1時間であり、最終的に得られた薄膜の平均引張強度が約300MPa、平均弾性率が約130GPa、平均切断時伸びが約12%となるステップ2)と、
を包括する。
【0203】
(実施例5)
本実施例に係るナノ炭素耐衝撃性材料の製造工程は、
炭素源ガスの高温分解を通じてカーボンナノチューブ連続体(実施例2参照)を形成し、平面に巻き取った集合体により薄膜材料を形成し、該薄膜材料の平均厚さは約22μm、平均面密度が約6.5g/m
2、平均引張強度が約3〜50MPa、平均弾性率が約15GPa、平均切断時伸びが約25%であるステップを包括する。
【0204】
(実施例6)
実施例1で得られた1つのナノ炭素耐衝撃性材料を取って1つの基本ユニットとし、4つの基本ユニットを取って積層し、頂部層上のカーボンナノチューブ集合体の配向角度を0°と定め、2層目上のカーボンナノチューブ集合体の配向角度を90°(すなわち、頂部層のカーボンナノチューブ集合体の配向と直交する)と定め、3層目上のカーボンナノチューブ集合体の配向角度を0°(つまり頂部層のカーボンナノチューブ集合体の配向と同じ)と定め、底層上のカーボンナノチューブ集合体の配向角度を90°(つまり頂部層のカーボンナノチューブ集合体の配向と直交する)と定め、そしてプレス加工を行うことで、形成された構造をA[0/90/0/90])と定義する。類似の方式を参照して別に4つの基本ユニットを取って積層してB[0/45/90/135]が形成する。
400層以上のナノ炭素薄膜をA/B/A/Bの方式により積層してからプレス加工を行うことで、複合構造を有するナノ炭素耐衝撃性材料が形成される。
前記A、B構造層内の隣り合う基本ユニットと基本ユニットの間、及び隣り合うA、B構造層の間は、ポリウレタン接着剤で接着する。
【0205】
(実施例7)
実施例6の形態を参照して、実施例2で得られた1つのナノ炭素耐衝撃性材料を取って1つの基本ユニットとし、A[0/90/0/90]、B[0/45/90/135]構造層(
図5a乃至
図5b参照)を構築した後、複合構造を有するナノ炭素耐衝撃性材料が形成される。
【0206】
(実施例8)
実施例6の形態を参照して、実施例3で得られた1つのナノ炭素耐衝撃性材料を1つの基本ユニットを構築して複合構造を有するナノ炭素耐衝撃性材料が形成される。
【0207】
実施例6乃至実施例8で得られた複合構造を有するナノ炭素耐衝撃性材料の性能テストの結果を表1にまとめた。
【0208】
(実施例9)
市販されているカーボンナノチューブ粉末を取り、ろ過法で製造してバッキーペーパー状のカーボンナノチューブ薄膜が形成され、その厚さは約40μmで、面密度が約12g/m
2、引張強度が約10MPa、弾性率が約2GPa、切断時伸びが約3%である。
【0209】
(実施例10)
紡糸可能なカーボンナノチューブアレイを取り、引き出して超整列カーボンナノチューブ薄膜が形成され、その厚さは約7μmで、面密度が約6g/m
2、引張強度が約400MPa、弾性率が約45GPa、切断時伸びが約3%である。
【0210】
(実施例11)
1)カーボンナノチューブ薄膜の製造:炭素源ガスは、金属触媒の作用下で、高温条件により連続的なカーボンナノチューブ連続体(非特許文献1参照)を成長させ、連続体を2次元の平面内で絶え間なく集合させ、かつ平行に並んでカーボンナノチューブ薄膜を形成させ、カーボンナノチューブは単層、二層、多層のうちの1種又は2種以上が挙げられ、管径が2〜100nmの範囲で、カーボンナノチューブ同士の間がファンデルワールス力で結合され、その後、プレス機でカーボンナノチューブ薄膜(該過程も
図1を参照)をプレス処理することで、更に薄膜の密度を高め、使用する圧力は15MPaで、温度が約90℃、時間が約2h、最終的に得られたカーボンナノチューブ薄膜(外形は
図2乃至
図4に示すものと類似する)の平均面密度が約5g/m
2で、平均引張強度が約300MPa、平均弾性率が約60Gpa、平均断裂伸長が約10%であり、
2)超高分子量ポリエチレンの一方向性織物:表面に接着剤を含浸させた超高分子量ポリエチレン繊維(引張強度が約22CN/dtex)を平面内において平行に並んで一方向性織物を形成し、一方向性織物の面密度が約40g/m
2であり、
3)一層のステップ1)で得られたカーボンナノチューブ薄膜と一層の超高分子量ポリエチレンの一方向性織物をホットプレスして複合し、1つのサブユニットが得られ、ホットプレス処理方法は、
温度が110℃、圧力が2MPa、時間が10minである第1段階と、
温度が130℃、圧力が25MPa、時間が1minである第2段階と、を含み、その後自然空冷し、
4)ステップ3)で得られた4つのサブユニットを0/90/45/−45(1つ目のサブユニット内の一方向性織物の経糸配向を0°と定め、2つ目のサブユニット内の一方向性織物の経糸配向を90°と定め、3つ目のサブユニット内の一方向性織物の経糸配向を45°と定め、4つ目のサブユニット内の一方向性織物の経糸配向を−45°と定め、0/90/45/−45と略記する)に従い1つの構造層として積層し、
5)30個の構造層を積層して防刺構造を形成し、動的穿刺試験を行う。
【0211】
(実施例12)
1)カーボンナノチューブ薄膜の製造:炭素源ガスは、金属触媒の作用下で、高温条件により連続的なカーボンナノチューブ連続体(前記の代表的な実施形態を参照)を成長させ、連続体を2次元の平面内で絶え間なく集合させ、かつ平行に並んでカーボンナノチューブ薄膜を形成させ、カーボンナノチューブは単層、二層、多層のうちの1種又は2種以上が挙げられ、管径が2〜100nmの範囲で、カーボンナノチューブ同士の間がファンデルワールス力で結合され、その後、プレス機でカーボンナノチューブ薄膜をプレス処理することで、更に薄膜の密度を高め、使用する圧力は2MPaで、温度が約90℃、時間が約4時間、最終的に得られたカーボンナノチューブ薄膜の平均面密度が約5.5g/m
2で、平均引張強度が約200MPa、平均弾性率が約45Gpa、平均断裂伸長が約18%であり、
2)アラミド繊維の一方向性織物:表面に接着剤を含浸させたアラミド繊維(引張強度が約22CN/dtex)を平面内において平行に並んで一方向性織物を形成し、一方向性織物の面密度が約110g/m
2であり、
3)一層のステップ1)で得られたカーボンナノチューブ薄膜と一層のアラミド繊維の一方向性織物をホットプレスして複合し、1つのサブユニットが得られ、ホットプレス処理方法は、
温度が110℃、圧力が2MPa、時間が10minである第1段階と、
温度が130℃、圧力が25MPa、時間が1minである第2段階と、を含み、その後自然空冷し、
4)ステップ3)で得られた4つのサブユニットを0/90/45/−45(1つ目のサブユニット内の一方向性織物の経糸配向を0°と定め、2つ目のサブユニット内の一方向性織物の経糸配向を90°と定め、3つ目のサブユニット内の一方向性織物の経糸配向を45°と定め、4つ目のサブユニット内の一方向性織物の経糸配向を−45°と定め、0/90/45/−45と略記する)に従い1つの構造層として積層し、
5)30個の構造層を積層して防刺構造を形成し、動的穿刺試験を行う。
【0212】
(実施例13)
1)カーボンナノチューブ薄膜の製造:炭素源ガスは、金属触媒の作用下で、高温条件により連続的なカーボンナノチューブ連続体(実施例12参照)を成長させ、連続体を2次元の平面内で絶え間なく集合させ、かつ平行に並んでカーボンナノチューブ薄膜を形成させ、カーボンナノチューブは単層、二層、多層のうちの1種又は2種以上が挙げられ、管径が2〜100nmの範囲で、カーボンナノチューブ同士の間がファンデルワールス力で結合され、その後、プレス機でカーボンナノチューブ薄膜をプレス処理することで、更に薄膜の密度を高め、室温下でプレス加工し、圧力は120MPaで、時間が約1時間、最終的に得られたカーボンナノチューブ薄膜の平均面密度が約5g/m
2で、平均引張強度が約200MPa、平均弾性率が約45Gpa、平均断裂伸長が約18%であり、
2)超高分子量ポリエチレンの一方向性織物:表面に接着剤を含浸させた超高分子量ポリエチレン繊維を平面内において平行に並んで一方向性織物を形成し、一方向性織物の面密度が約40g/m
2であり、
3)一層のステップ1)で得られたカーボンナノチューブ薄膜と一層の超高分子量ポリエチレンの一方向性織物をホットプレスして複合し、1つのサブユニットが得られ、ホットプレス処理方法は、
温度が110℃、圧力が2MPa、時間が10minである第1段階と、
温度が130℃、圧力が25MPa、時間が1minである第2段階と、を含み、その後自然空冷し、
4)ステップ3)で得られた4つのサブユニットを0/45/90/−45に従い1つの構造層として積層し、
5)10個の構造層を積層して防刺構造を形成し、動的穿刺試験を行う。
【0213】
(比較例1)
実施例11内の超高分子量ポリエチレンの10つのユニットを取って積層して動的試験を行う。
【0214】
(比較例2)
実施例12内のアラミドの8つのユニットを取って積層して動的試験を行う。
【0215】
(実施例14)
市販されているカーボンナノチューブ粉末を取り、ろ過法で製造してバッキーペーパー状のカーボンナノチューブ薄膜が形成され、その厚さは約40μmで、面密度が約12g/m
2、引張強度が約10MPa、弾性率が約2GPa、切断時伸びが約3%である。更に前記バッキーペーパー状のカーボンナノチューブ薄膜を実施例11内のカーボンナノチューブ薄膜に取り換え、また実施例11の形態を参照して、前記バッキーペーパー状のカーボンナノチューブ薄膜と超高分子量ポリエチレンの一方向性織物を結合して防刺複合材料を形成し、その平均面密度は約170g/m
2で、最大穿刺深度が約50cmである。
【0216】
(実施例15)
紡糸可能なカーボンナノチューブアレイを取り、引き出して超整列カーボンナノチューブ薄膜が形成され、その厚さは約7μmで、面密度が約6g/m
2、引張強度が約400MPa、弾性率が約45GPa、切断時伸びが約3%である。更に前記超整列カーボンナノチューブ薄膜を実施例12内のカーボンナノチューブ薄膜に取り換え、また実施例12の形態を参照して、前記超整列カーボンナノチューブ薄膜とアラミド繊維の一方向性織物を結合して防刺複合材料を形成し、その平均面密度は約115g/m
2で、最大突き刺し深さが約18cmである。最大負荷が約850Nである。
【0217】
(実施例16)
1)カーボンナノチューブの間のファンデルワールス力作用により、高温炉内で成長した円筒状の中空カーボンナノチューブ連続体(非特許文献1参照)を空気の浮力作用において、円筒横置型ロール上に巻き付け、ロールも自転しながら軸方向に向かって往復移動でき、移動距離がロールの長さであり、連続して一定時間巻き取った後、得られたカーボンナノチューブ集合体の連続表面にエタノールをスプレーし、同時に円筒形スチールロールで加圧(該過程も
図1を参照)を行い、圧力が約4MPaとする。室温下で溶媒を揮発させた後、支持ロール上から取り外し、自己支持性ナノ炭素薄膜を形成し、その後、プレス機でプレス処理することで、更に薄膜の密度を高め、使用する圧力は15MPaで、温度が約90℃、時間が約2時間、最終的に得られたカーボンナノチューブ薄膜(外形は
図2乃至
図4に示すものと類似する)の平均面密度が約5.5g/m
2で、平均引張強度が約300MPa、平均弾性率が約60Gpa、平均断裂伸長が約10%であり、Mとマークし、
2)超高分子量ポリエチレンの緯糸なし織物:一層の4つの一方向性織物を0/90/0/90(定義は、前記に同じ)に従い積層して形成し、その面密度は約120g/m
2で、Pとマークし、
3)構造設計:上下両側がいずれも12つのPを積層した構造であり、中間が60つのM層を積層した構造で、12P/60M/12Pとマークし、
4)コールドプレス処理:圧力が8MPa、時間を30minで防弾複合材料が得られ、その性能テストデータを表3にまとめた。
【0218】
(実施例17)
1)実施例16のカーボンナノチューブ製造工程を参照し、カーボンナノチューブの間のファンデルワールス力作用により、高温炉内で成長した円筒状の中空カーボンナノチューブ連続体(前記の代表的な例内で記載されているカーボンナノチューブ連続体の製造工程を参照)を空気の浮力作用において、円筒横置型ロール上に巻き付け、ロールも自転しながら軸方向に向かって往復移動でき、移動距離がロールの長さであり、連続して一定時間巻き取った後、得られたカーボンナノチューブ集合体の連続表面にグラフェンアルコール溶液(濃度が約0.1wt%〜5wt%で、アルコール溶媒はプロパノール、エタノール、エチレングリコール等とすることができ、アルコールと水の混合溶媒でもよい)をスプレーし、同時に円筒形スチールロールで加圧(
図1参照可)を行い、圧力が約4MPaとする。室温下で溶媒を揮発させた後、支持ロール上から取り外し、自己支持性ナノ炭素薄膜を形成し、その後、プレス機でプレス処理することで、更に薄膜の密度を高め、圧力は2MPaで、温度が約90℃、時間が約4時間、最終的に得られたカーボンナノチューブ薄膜の平均面密度が約5.5g/m
2で、平均引張強度が約450MPa、平均弾性率が約90Gpa、平均断裂伸長が約7%であり、Mとマークし、
2)超高分子量ポリエチレンの緯糸なし織物:一層の4つの一方向性織物を0/90/0/90(定義は、前記に同じ)に従い積層して形成し、その面密度は約120g/m
2で、Pとマークし、
3)構造設計:上下両側が各々7つ、17つのPを積層した構造であり、中間が60つのM層を積層した構造で、7P/60M/17Pとマークし、
4)コールドプレス処理:圧力が8MPa、時間を30minで防弾複合材料が得られ、 その性能テストデータを表3にまとめた。
【0219】
(実施例18)
1)炭素源ガスは、金属触媒(実施例17参照)の作用下で、高温条件により連続的なカーボンナノチューブ連続体を成長させ、得られた連続体を2次元の平面内で絶え間なく集合させ、かつ平行に並んでカーボンナノチューブ薄膜を形成させ、カーボンナノチューブは単層、二層、多層のうちの1種又は2種以上が挙げられ、管径が2〜100nmの範囲で、カーボンナノチューブ同士の間がファンデルワールス力で結合され、平面に巻き取ることで、カーボンナノチューブ薄膜が形成され、その後、プレス機でプレス処理することで、更に薄膜の密度を高め、室温でプレス加工し、圧力は10MPaで、時間が約1時間、最終的に得られた薄膜の平均面密度が約5.5g/m
2で、平均引張強度が約200MPa、平均弾性率が約45Gpa、平均断裂伸長が約18%であり、Mとマークし、
2)超高分子量ポリエチレンの緯糸なし織物:一層の4つの一方向性織物を0/90/0/90に従い積層して形成し、その面密度は約120g/m
2で、Pとマークし、
3)構造設計:上下両側が17つ、7つのPを積層した構造であり、中間が60つのM層を積層した構造で、17P/60M/7Pとマークし、
4)コールドプレス処理:圧力が8MPa、時間を30minで防弾複合材料が得られ、その性能テストデータを表3にまとめた。
【0220】
(実施例19)
1)カーボンナノチューブは、炭素源ガスの高温分解を通じて連続体を形成し、平面に巻き取った集合体により薄膜材料を形成し、面密度が約5.5g/m
2、引張強度が約200MPa、弾性率が約45GPa、切断時伸びが約18%であり、Pとマークし、
2)超高分子量ポリエチレンの緯糸なし織物:一層の4つの一方向性織物を0/90/0/90に従い積層して形成し、その面密度は約120g/m
2で、Pとマークし、
3)構造設計:1つPと2つMを積層して1個の構造ユニットが形成され、24個の構造ユニットを積層し、(1P/2M)24とマークし、
4)コールドプレス処理:圧力が8MPa、時間を30minで防弾複合材料が得られ、その性能テストデータを表3にまとめた。
【0221】
(比較例3)
超高分子量ポリエチレンの緯糸なし織物:一層の4つの一方向性織物を0/90/0/90に従い積層して形成する。面密度は120g/m
2で、Pとマークし、24つのPを積層して形成された防弾複合材料の性能テストデータを表3にまとめた。
【0222】
(実施例20)
市販されているカーボンナノチューブ粉末を取り、ろ過法で製造してバッキーペーパー状のカーボンナノチューブ薄膜が形成され、その厚さは約40μmで、面密度が約12g/m
2、引張強度が約10MPa、弾性率が約2GPa、切断時伸びが約3%である。更に実施例16の形態を参照して、前記バッキーペーパー状のカーボンナノチューブ薄膜と超高分子量ポリエチレンの緯糸なし織物を結合することで防弾複合材料を形成し、平均面密度は約125g/m
2、貫通層数が約9で、V50値が約510m/s、デフォネーションが約22mmである。
【0223】
(実施例21)
紡糸可能なカーボンナノチューブアレイを取り、引き出して超整列カーボンナノチューブ薄膜が形成され、その厚さは約7μmで、面密度が約6g/m
2、引張強度が約400MPa、弾性率が約45GPa、切断時伸びが約3%である。更に実施例17の形態を参照して、前記超整列カーボンナノチューブ薄膜と超高分子量ポリエチレンの緯糸なし織物を結合することで防弾複合材料を形成し、平均面密度は約126g/m
2、貫通層数が約10で、V50値が約520m/s、デフォネーションが約1mmである。
【0224】
【表1】
注記:防弾規格:GA141−2010警察用防弾テスト基準。防刺規格:GA−2008。
【0225】
【表2】
【0226】
【表3】
【0227】
ここで言及すべき点は、本発明の添付図面が均しく非常に簡略化された形を用い、かつ正しくない比率を使用し、本発明の実施例の説明を補助するために使用される。本明細書で使用されるとき、用語「包括」、「含む」又はこれらの他のいかなる変形は、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。例えば、列挙した構成要素を含むプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの構成要素だけに限定されず、そのようなプロセス、方法、物品、または装置に対して明示的に列挙してない、あるいは固有の他の構成要素も含むことができる。
【0228】
本発明では好適な実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明の範囲を限定するものではなく、当業者にとって、本発明に対して様々変更及び変化を行うことができる。本発明の精神及び原理から逸脱することなく、行った修正、均等範囲内の置換、改善などは、均しく本発明の保護範囲内に含めるものであるのが勿論である。
【0229】
(付記)
(付記1)
カーボンナノチューブ集合体のナノ炭素耐衝撃性材料製造における用途であって、前記カーボンナノチューブ集合体は、少なくとも1つの連続面を有するマクロ構造であり、前記少なくとも1つの連続面内に複数のカーボンナノチューブが密集して分布され、かつ前記複数のカーボンナノチューブのうちの少なくとも一部のカーボンナノチューブの少なくとも局所的な断片が前記少なくとも1つの連続面内において連続的に延伸することを特徴とする、用途。
【0230】
(付記2)
前記ナノ炭素耐衝撃性材料が防弾複合材料であり、前記防弾複合材料は、
複数のカーボンナノチューブが密集して形成された2次元平面のマクロ構造を含む少なくとも1つのカーボンナノチューブ集合体と、
少なくとも一側の表面上に少なくとも1つの前記カーボンナノチューブで覆われる織物と、
を包括することを特徴とする、付記1に記載の用途。
【0231】
(付記3)
前記カーボンナノチューブ集合体は、複数のカーボンナノチューブにより交り合わせることで形成された2次元の平面構造を包括することを特徴とする、付記1に記載の用途。
【0232】
(付記4)
前記ナノ炭素耐衝撃性材料が防刺複合材料であり、かつ前記防刺複合材料は、
複数のカーボンナノチューブが密集して形成されたカーボンナノチューブ薄膜を含む少なくとも1つのカーボンナノチューブ集合体と、
少なくとも一側の表面上に少なくとも1つの前記カーボンナノチューブ薄膜で覆われる柔軟な基布と、
を包括することを特徴とする、付記1に記載の用途。
【0233】
(付記5)
前記カーボンナノチューブ集合体内の複数のカーボンナノチューブにより交り合わせることでカーボンナノチューブ薄膜が形成されることを特徴とする、付記1〜4のいずれか一つに記載の用途。
【0234】
(付記6)
積層して設けられる少なくとも2つの前記カーボンナノチューブ集合体を包括し、各前記カーボンナノチューブ集合体が均しく2次元平面のマクロ構造を呈することを特徴とする、付記1〜4のいずれか一つに記載の用途。
【0235】
(付記7)
前記カーボンナノチューブ集合体は、複数の配向・配列の基本ユニットを包括し、各前記基本ユニットが複数のカーボンナノチューブにより交り合わせることで形成された2次元の平面構造を包括することを特徴とする、付記1〜4のいずれか一つに記載の用途。
【0236】
(付記8)
積層して設けられる少なくとも2つの前記カーボンナノチューブ集合体において、少なくとも1つの前記カーボンナノチューブ集合体は第1方向に沿って配向・配列する複数の基本ユニットを含み、少なくとも別の1つの前記カーボンナノチューブ集合体が第2方向に沿って配向・配列する複数の前記基本ユニットを含み、前記第1方向と前記第2方向との間が0〜180°の狭角となり、好ましくは45〜135°であることを特徴とする、付記7に記載の用途。
【0237】
(付記9)
複数の前記基本ユニットは、前記少なくとも1つの連続面内に密集して配列され、かつ互いに平行となり、前記カーボンナノチューブ集合体がマクロ構造の秩序化という形態になることを特徴とする、付記7に記載の用途。
【0238】
(付記10)
前記基本ユニット内の複数の前記カーボンナノチューブが無秩序に交り合わせることで、前記カーボンナノチューブ集合体を微細構造の無秩序化という形態になることを特徴とする、付記7に記載の用途。
【0239】
(付記11)
前記基本ユニットは、カーボンナノチューブ連続体が前記少なくとも1つの連続面上に沈着すると共に緻密化処理を経た後で形成された2次元の平面構造を包括し、前記カーボンナノチューブ連続体が複数の前記カーボンナノチューブにより無秩序に交り合うことで形成され、かつ緻密化処理の前に密閉型、半密閉型又は開放型の2次元又は3次元の空間構造を呈することを特徴とする、付記7に記載の用途。
【0240】
(付記12)
前記カーボンナノチューブ連続体は、浮遊触媒法で製造して形成されることを特徴とする、付記11に記載の用途。
【0241】
(付記13)
複数の前記カーボンナノチューブ連続体は、前記少なくとも1つの連続面上に連続的に沈着すると共に緻密化処理を経た後、複数の前記基本ユニットを形成することを特徴とする、付記11に記載の用途。
【0242】
(付記14)
隣り合う2つの前記基本ユニットの縦方向周縁部の間は間隔をあけ、隣接又は互いに交差して配置されることを特徴とする、付記7に記載の用途。
【0243】
(付記15)
前記少なくとも1つの連続面は、平面又は曲面とすることを特徴とする、付記1に記載の用途。
【0244】
(付記16)
隣接に設けられる2つの前記カーボンナノチューブ集合体の間は、直接結合され、又は隣接に設けられる2つの前記カーボンナノチューブ集合体の間に接着剤層又はせん断増粘流体が更に設けられることを特徴とする、付記7に記載の用途。
【0245】
(付記17)
前記カーボンナノチューブ集合体の表面及び/又は内部にグラフェンが更に分布されることを特徴とする、付記1〜4、付記8〜16のいずれか一つに記載の用途。
【0246】
(付記18)
少なくとも1つの前記カーボンナノチューブ集合体内の少なくとも1本の前記カーボンナノチューブ上にグラフェンシートで覆うことを特徴とする、付記17に記載の用途。
【0247】
(付記19)
少なくとも1つの前記グラフェンシートは、前記カーボンナノチューブ集合体内の少なくとも2本のカーボンナノチューブの間に接合されることを特徴とする、付記17に記載の用途。
【0248】
(付記20)
前記ナノ炭素耐衝撃性材料は、複数のグラフェン集合体を更に包括し、前記複数のグラフェン集合体が少なくとも1つの前記カーボンナノチューブ集合体と固結されることを特徴とする、付記17に記載の用途。
【0249】
(付記21)
少なくとも1つの前記カーボンナノチューブ集合体及び少なくとも1つの前記複数のグラフェン集合体は、2次元平面のマクロ構造を呈し、かつ前記少なくとも1つのカーボンナノチューブ集合体及び前記少なくとも1つの複数のグラフェン集合体が積層して設けられることを特徴とする、付記20に記載の用途。
【0250】
(付記22)
前記カーボンナノチューブ集合体は、多孔質構造を有し、前記多孔質構造に含まれる孔の孔径が10nm〜200nmで、空隙率が10%〜60%とすることを特徴とする、付記1に記載の用途。
【0251】
(付記23)
前記カーボンナノチューブ集合体は、自己支持性カーボンナノチューブ薄膜とすることを特徴とする、付記1に記載の用途。
【0252】
(付記24)
前記ナノ炭素耐衝撃性材料全体は、軟質フィルム状又は片状の構造とすることを特徴とする、付記1に記載の用途。
【0253】
(付記25)
前記ナノ炭素耐衝撃性材料の厚さは、1〜100μmであり、好ましくは5〜15μmであることを特徴とする、付記1に記載の用途。
【0254】
(付記26)
前記ナノ炭素耐衝撃性材料の面密度は、2〜20g/m
2であり、好ましくは5〜10g/m
2であることを特徴とする、付記1に記載の用途。
【0255】
(付記27)
前記ナノ炭素耐衝撃性材料の引張強度は、10Mpa以上で、好ましくは90MPa以上であり、より好ましくは200MPa以上であり、弾性率が10Gpa以上であり、好ましくは30GPa以上であり、より好ましくは60MPa以上であることを特徴とする、付記1に記載の用途。
【0256】
(付記28)
前記ナノ炭素耐衝撃性材料の耐熱温度範囲は、液体窒素温度〜500℃とすることを特徴とする、付記1に記載の用途。
【0257】
(付記29)
前記カーボンナノチューブの管径は、2nm〜100nmとすることを特徴とする付記1〜4、付記8〜16、付記18〜28のいずれか一つに記載の用途。
【0258】
(付記30)
前記カーボンナノチューブ集合体内のカーボンナノチューブ含有量は、99wt%以上とすることを特徴とする付記1〜4、付記8〜16、付記18〜28のいずれか一つに記載の用途。
【0259】
(付記31)
前記カーボンナノチューブ薄膜の応力≧10MPa、伸び率≧2%となり、長手及び短手方向における引張応力の差の絶対値は長手或いは短手方向における引張応力の20%より小さいか又は等しく、長手及び短手方向における切断時伸びの差の絶対値が長手或いは短手方向における切断時伸びの10%より小さいか又は等しいことを特徴とする、付記4に記載の用途。
【0260】
(付記32)
前記カーボンナノチューブ薄膜の厚さは、前記柔軟な基布の厚さより小さいか又は等しいことを特徴とする、付記4に記載の用途。
【0261】
(付記33)
前記柔軟な基布を構成する高性能繊維の強度≧2.0GPa、弾性率≧80GPa、伸び率が3〜5%とすることを特徴とする、付記4に記載の用途。
【0262】
(付記34)
前記柔軟な基布は、緯糸なし織物から選択され、前記緯糸なし織物の面密度が35〜180g/m
2とすることを特徴とする、付記4、32、33のいずれか一つに記載の用途。
【0263】
(付記35)
前記柔軟な基布と前記カーボンナノチューブ集合体は、ホットプレスで結合されることを特徴とする、付記4、32、33のいずれか一つに記載の用途。
【0264】
(付記36)
前記柔軟な基布及び前記カーボンナノチューブ集合体は、更に接着剤で接着され、前記接着剤はPVA、ケイ素類、ポリエチレン類又はポリウレタン類の接着剤等が挙げられることを特徴とする、付記4、32、33のいずれか一つに記載の用途。
【0265】
(付記37)
前記カーボンナノチューブ集合体及び/又は柔軟な基布の表面に樹脂薄膜が付着される。前記樹脂薄膜の材質は、エポキシ、ポリエチレン類或いはポリエステル類の化合物が挙げられることを特徴とする、付記4、32、33のいずれか一つに記載の用途。
【0266】
(付記38)
前記カーボンナノチューブ集合体は、カーボンナノチューブ薄膜で、かつ前記カーボンナノチューブ薄膜の前記基本ユニットの配向方向における強度が50MPa〜12GPaであり、好ましくは120MPa〜1GPaであり、前記配向方向に直交する強度が30MPa〜10GPaであり、好ましくは60MPa〜800MPaであることを特徴とする、付記2に記載の用途。
【0267】
(付記39)
前記織物を構成する単糸の引張強度は22CN/dtex以上であり、好ましくは35CN/dtex以上であることを特徴とする、付記2に記載の用途。
【0268】
(付記40)
前記高性能繊維織物の面密度は、35〜220g/m
2であり、より好ましくは120〜160g/m
2であることを特徴とする、付記2に記載の用途。
【0269】
(付記41)
前記織物は、高性能繊維織物から選択され、前記高性能繊維織物は緯糸なし織物及び/又は交織布が挙げられ、
前記高性能繊維織物を構成する高性能繊維は、超高分子量ポリエチレン繊維、アラミド繊維及びポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維のいずれか1種又は数種の組み合わせが挙げられることを特徴とする、付記2、39、40のいずれか一つに記載の用途。
【0270】
(付記42)
積層して設けられる少なくとも二層の織物及び/又は積層して設けられる少なくとも2つの前記カーボンナノチューブ集合体を包括し、前記カーボンナノチューブ集合体がフィルム状であることを特徴とする、付記2に記載の用途。
【0271】
(付記43)
隣接する二層の前記織物間に少なくとも1つの前記カーボンナノチューブ集合体が分布されることを特徴とする、付記42に記載の用途。
【0272】
(付記44)
隣接する2つの前記カーボンナノチューブ集合体の間に少なくとも一層の前記織物が分布されることを特徴とする、付記42に記載の用途。
【0273】
(付記45)
隣接する二層の前記織物が緯糸なし織物で、かつうちの一層の前記織物の経糸配向方向と他層の前記織物の経糸配向方向との間で0〜180°の狭角を成し、好ましくは45°〜135°の狭角を成すことを特徴とする、付記42に記載の用途。
【0274】
(付記46)
隣接する二層の前記織物間の少なくとも1つの前記カーボンナノチューブ集合体内の前記基本ユニットの配向方向は、うちの少なくとも1つの前記織物内の経糸配向方向と同じ、前記織物が緯糸なし織物であることを特徴とする、付記42に記載の用途。
【0275】
(付記47)
少なくとも1つの前記織物の裏向ける両側表面に前記カーボンナノチューブ集合体が結合されることを特徴とする、付記2、42〜46のいずれか一つに記載の用途。
【0276】
(付記48)
うちの1つの前記織物が交織布で、かつ前記織物両側に分布する2つのフィルム状となる前記カーボンナノチューブ集合体の構造が対称となることを特徴とする、付記2、42〜46のいずれか一つに記載の用途。
【0277】
(付記49)
前記カーボンナノチューブ集合体と前記織物との間は、真空処理、コールドプレス或いはホットプレス処理を経て密着することを特徴とする、付記2、42〜46のいずれか一つに記載の用途。
【0278】
(付記50)
前記カーボンナノチューブ集合体と前記織物の間は、更に接着剤を通じて結合することを特徴とする、付記2、42〜46のいずれか一つに記載の用途。
【0279】
(付記51)
前記カーボンナノチューブ集合体の表面に第1接着剤分子が分布されることを特徴とする、付記2、42〜46のいずれか一つに記載の用途。
【0280】
(付記52)
前記織物の前記カーボンナノチューブ集合体とマッチする表面上に第2接着剤分子が分布され、前記第1接着剤分子と前記第2接着剤分子は、同一或いは異なることを特徴とする、付記2、42〜46のいずれか一つに記載の用途。
【0281】
(付記53)
前記防刺複合材料で製造された防刺構造を包括し、前記防刺構造は、積層して設けられる複数のサブユニットを含み、各サブユニットが前記防刺複合材料を含むことを特徴とする、付記4に記載の用途。
【0282】
(付記54)
前記防刺構造は、N個のサブユニットを包括し、Nが4の整数倍であることを特徴とする、付記53に記載の用途。
【0283】
(付記55)
隣り合う2つの前記サブユニット内の1つの前記サブユニット内のカーボンナノチューブ集合体の基本ユニットは、第1方向に沿って配向・配列し、もう1つの前記サブユニット内のカーボンナノチューブ集合体の基本ユニットが第2方向に沿って配向・配列し、前記第1方向と前記第2方向との間が0〜180°の狭角となり、好ましくは45〜135°の狭角となることを特徴とする、付記53、54に記載の用途。
【0284】
(付記56)
ナノ炭素耐衝撃性材料の製造方法であって、複数のカーボンナノチューブを用意し、該複数のカーボンナノチューブが密集することでカーボンナノチューブ集合体を形成させ、前記カーボンナノチューブ集合体が少なくとも1つの連続面を有するマクロ構造であり、前記複数のカーボンナノチューブのうちの少なくとも一部のカーボンナノチューブの少なくとも局所的な断片が前記少なくとも1つの連続面内において連続的に延伸することを包括することを特徴とする、製造方法。
【0285】
(付記57)
前記カーボンナノチューブの間のファンデルワールス力の作用を利用して少なくとも1つのカーボンナノチューブ連続体を1つの連続面上に集合させてから緻密化処理を行うことで、前記カーボンナノチューブ集合体を形成することを包括し、前記カーボンナノチューブ連続体は、複数の前記カーボンナノチューブが交り合わせることで形成され、かつ緻密化処理の前に密閉型、半密閉型又は開放型の2次元又は3次元の空間構造を呈することを特徴とする、付記56に記載の製造方法。
【0286】
(付記58)
複数の前記カーボンナノチューブ連続体を1つの連続面上に連続的に集合させてから緻密化処理を行うことで、複数の配向の基本ユニットを含む前記カーボンナノチューブ集合体を形成させ、各前記基本ユニットは少なくとも1つの前記カーボンナノチューブ連続体からなる2次元の平面構造を含むことを特徴とする、付記56、57のいずれか一つに記載の製造方法。
【0287】
(付記59)
複数の前記基本ユニットは、1つの連続面内に密集して配列され、かつ互いに平行となり、従って前記カーボンナノチューブ集合体がマクロ構造の秩序化された形態になることを特徴とする、付記58に記載の製造方法。
【0288】
(付記60)
隣り合う2つの前記基本ユニットの縦方向周縁部の間は間隔をあけ、隣接又は互いに交差して配置されることを特徴とする、付記58に記載の製造方法。
【0289】
(付記61)
前記カーボンナノチューブ連続体は、複数の前記カーボンナノチューブが無秩序に交り合わせることで、形成された前記カーボンナノチューブ集合体を微細構造の無秩序化された形態になる、付記58に記載の製造方法。
【0290】
(付記62)
前記カーボンナノチューブ連続体は、浮遊触媒法で製造して形成されることを特徴とする、付記57、59、60、61のいずれか一つに記載の製造方法。
【0291】
(付記63)
少なくとも2つの2次元平面のマクロ構造を呈する前記カーボンナノチューブ集合体を用意することと、
前記少なくとも2つのカーボンナノチューブ集合体を積層して設けることと、
を包括することを特徴とする、付記56、57、59、60、61のいずれか一つに記載の製造方法。
【0292】
(付記64)
前記少なくとも2つのカーボンナノチューブ集合体内の少なくとも1つのカーボンナノチューブ集合体は、第1方向に沿って配向・配列する複数の基本ユニットを含み、少なくとも別の1つの前記カーボンナノチューブ集合体が第2方向に沿って配向・配列する複数の基本ユニットを含み、前記第1方向と前記第2方向との間が0〜180°の狭角を成し、好ましくは45〜135°の狭角を成すことを特徴とする付記63に記載の製造方法。
【0293】
(付記65)
前記少なくとも2つのカーボンナノチューブ集合体に加圧して一体構造として結合させ、又は、接着剤により前記少なくとも2つのカーボンナノチューブ集合体を一体構造として結合させることを特徴とする付記63に記載の製造方法。
【0294】
(付記66)
前記連続面は、平面或いは曲面とすることを特徴とする付記56または57に記載の製造方法。
【0295】
(付記67)
隣接に設けられる2つの前記カーボンナノチューブ集合体の間に接着剤層又はせん断増粘流体が設けられることを包括することを特徴とする付記63に記載の製造方法。
【0296】
(付記68)
接着剤及び/又は溶媒を使用或いは使用しないことで、前記緻密化処理を完成させることを包括することを特徴とする付記57に記載の製造方法。
【0297】
(付記69)
前記カーボンナノチューブ集合体に対して加圧処理を行うことを包括することを特徴とする付記56、57、59、60、61のいずれか一つに記載の製造方法。
【0298】
(付記70)
少なくともローラホットプレス、平面プレス機ホットプレスのうちのいずれか1種又は2種方式の組み合わせを選択して前記カーボンナノチューブ集合体に対しホットプレス処理を行うことを包括することを特徴とする付記69に記載の製造方法。
【0299】
(付記71)
前記ホットプレス処理で用いる温度は、室温〜300℃であり、好ましくは80〜120℃であり、圧力が2〜50Mpaであり、好ましくは4〜8Mpaであることを特徴とする付記70に記載の製造方法。
【0300】
(付記72)
少なくとも1つの前記カーボンナノチューブ集合体内の少なくとも1本の前記カーボンナノチューブ上にグラフェンを覆うことを更に含むことを特徴とする、付記56、57、59、60、61、64、65、67、68、70、71のいずれか一つに記載の製造方法。
【0301】
(付記73)
前記カーボンナノチューブ集合体の形成過程中又は前記カーボンナノチューブ集合体が形成された後、少なくとも被覆、浸潤、浸漬、吹付塗装のうちのいずれか1種方式を選択してグラフェンと前記カーボンナノチューブ集合体を構成する複数の前記カーボンナノチューブとを結合させることを包括することを特徴とする付記72に記載の製造方法。
【0302】
(付記74)
防刺複合材料の製造方法であって、
複数のカーボンナノチューブ連続体を1つの連続平面又は曲面上に連続的に集合させると共に緻密化処理を経た後に複数の配向の基本ユニットを形成させ、該複数の基本ユニットが密集して配列されてフィルム状のカーボンナノチューブ集合体を形成させ、前記カーボンナノチューブ連続体が複数のカーボンナノチューブにより無秩序に交り合うことで形成され、かつ緻密化処理の前に密閉型、半密閉型又は開放型の2次元又は3次元の空間構造を呈することと、
前記カーボンナノチューブ集合体を柔軟な基布の表面に覆われることで、前記防刺複合材料になることと、
を包括することを特徴とする、製造方法。
【0303】
(付記75)
前記カーボンナノチューブ連続体は、浮遊触媒法で製造して形成されることを特徴とする、付記74に記載の製造方法。
【0304】
(付記76)
前記柔軟な基布及び前記柔軟な基布と結合される前記カーボンナノチューブ集合体に対しホットプレス処理を行うことを包括することを特徴とする付記74、75のいずれか一つに記載の製造方法。
【0305】
(付記77)
前記ホットプレス処理の条件は、温度が室温〜140℃で、圧力が1〜30MPa、時間が1min以上であることを特徴とする、付記76に記載の製造方法。
【0306】
(付記78)
前記ホットプレス処理は、温度が110〜120℃で、圧力が1〜4MPa、時間が10〜30minである第1段階と、温度が120〜140℃で、圧力が15〜30MPa、時間が1〜3minである第2段階と、を包括し、
又は、温度が室温で、圧力が1〜30MPa、時間が1〜30minであることを特徴とする付記76に記載の製造方法。
【0307】
(付記79)
防刺複合材料の製造方法であって、複数のカーボンナノチューブ連続体を柔軟な基布の表面上に連続的に集合させすると共に緻密化処理を経た後に複数の配向の基本ユニットを形成させ、該複数の基本ユニットが密集して配列されてフィルム状のカーボンナノチューブ集合体を形成させ、従って防刺複合材料になり、前記カーボンナノチューブ連続体は、複数のカーボンナノチューブにより無秩序に交り合うことで形成され、かつ緻密化処理の前に密閉型、半密閉型又は開放型の2次元又は3次元の空間構造を呈することを包括することを特徴とする、製造方法。
【0308】
(付記80)
前記カーボンナノチューブ連続体は、浮遊触媒法で製造して形成されることを特徴とする、付記79に記載の製造方法。
【0309】
(付記81)
前記柔軟な基布及び前記柔軟な基布と結合される前記カーボンナノチューブ集合体に対しホットプレス処理を行うことを包括することを特徴とする付記79、80のいずれか一つに記載の製造方法。
【0310】
(付記82)
防弾複合材料の製造方法であって、
複数のカーボンナノチューブ連続体を1つの連続面上に連続的に集合させすると共に緻密化処理を経た後に複数の配向の基本ユニットを形成させ、該複数の基本ユニットが密集して配列されて2次元平面のマクロ構造を有するカーボンナノチューブ集合体を形成させ、前記カーボンナノチューブ連続体は複数のカーボンナノチューブにより無秩序に交り合うことで形成され、かつ緻密化処理の前に密閉型、半密閉型又は開放型の2次元又は3次元の空間構造を呈することと、
前記カーボンナノチューブ集合体と織物の表面を固着して前記防弾複合材料になることと、
を包括することを特徴とする、製造方法。
【0311】
(付記83)
前記カーボンナノチューブ連続体は、浮遊触媒法で製造して形成されることを特徴とする、付記82に記載の製造方法。
【0312】
(付記84)
少なくとも二層の織物を積層して設けて基本構造ユニットを形成することと、
前記基本構造ユニットの少なくとも一側表面に少なくとも1つの前記カーボンナノチューブ集合体、及び/又は前記基本構造ユニット内に少なくとも1つの前記カーボンナノチューブ集合体を嵌め込むことと、
を包括することを特徴とする、付記82又は83に記載の製造方法。
【0313】
(付記85)
前記織物は緯糸なし織物で、少なくとも1つの前記カーボンナノチューブ集合体内の前記基本ユニットの配向方向が少なくとも1つ前記の織物内の経糸配向方向と同じであることを特徴とする、付記84に記載の製造方法。
【0314】
(付記86)
前記織物が交織布で、かつ前記基本構造ユニットの裏向ける両側表面を覆う2つの前記カーボンナノチューブ集合体の構造が対称となることを特徴とする、付記84に記載の製造方法。
【0315】
(付記87)
前記カーボンナノチューブ集合体と前記織物の表面の間に接着剤を設けることで、前記カーボンナノチューブ集合体と前記織物を接着させることを包括することを特徴とする、付記84に記載の製造方法。
【0316】
(付記88)
少なくとも真空処理、ホットプレス、コールドプレスのうちのいずれか方式で前記織物と前記カーボンナノチューブ集合体の間の空気を追い出すことで、前記カーボンナノチューブ集合体と前記織物を密着させることを包括することを特徴とする、付記84に記載の製造方法。