特許第6799641号(P6799641)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6799641自動運転車両に使用されるM.2互換デバイスを保持するための保持用トレイ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6799641
(24)【登録日】2020年11月25日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】自動運転車両に使用されるM.2互換デバイスを保持するための保持用トレイ
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/12 20060101AFI20201207BHJP
   B60W 50/10 20120101ALI20201207BHJP
【FI】
   H05K7/12 P
   B60W50/10
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-123699(P2019-123699)
(22)【出願日】2019年7月2日
(65)【公開番号】特開2020-36000(P2020-36000A)
(43)【公開日】2020年3月5日
【審査請求日】2019年9月10日
(31)【優先権主張番号】16/102,661
(32)【優先日】2018年8月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516357421
【氏名又は名称】バイドゥ ユーエスエイ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Baidu USA LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100163511
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 啓太
(72)【発明者】
【氏名】ウェイユ リュー
(72)【発明者】
【氏名】ジー リー
(72)【発明者】
【氏名】フー−カン リャオ
【審査官】 三森 雄介
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3215830(JP,U)
【文献】 特開2008−078431(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0023134(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0371383(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/12− 7/14
H05K 5/00− 5/06
B60W 50/00−50/16
G06F 1/16− 1/18
H01R 13/40−13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転車両に使用されるM.2モジュールを保持するためのトレイ装置であって、
第1長手方向縁部、第2長手方向縁部、第1横方向縁部および第2横方向縁部を有する略矩形形状に構成される基板と、
前記第1長手方向縁部に沿って前記基板の上面に配置される第1ガードレールと、
前記第2長手方向縁部に沿って前記基板の上面に配置される第2ガードレールであって、前記第1ガードレールおよび前記第2ガードレールはM.2モジュールを前記第1ガードレールと前記第2ガードレールとの間に保持し、前記第1ガードレールおよび前記第2ガードレールは前記基板の上面に支持され、前記M.2モジュールが前記第1横方向縁部および前記第2横方向縁部を横切って延びることを可能にする第2ガードレールと、
前記基板の底面に配置されるライザ部材であって、前記M.2モジュールが前記トレイ装置とともに自動運転車両内のデータ処理システムの母板上に取り付けられるとき、前記母板上且つ前記トレイ装置の下方に取り付けられた電子部品に対して前記基板による強い圧力が印加されることを防ぐために、ライザ部材が前記トレイ装置を前記母板の上方に持ち上げるように構成されるライザ部材と、を備えるトレイ装置。
【請求項2】
前記M.2モジュールが前記基板とともに前記データ処理システムの前記母板上に取り付けられる前に、前記M.2モジュールは、前記第1ガードレールと前記第2ガードレールとの間における前記基板の上面に配置されている、請求項1に記載のトレイ装置。
【請求項3】
前記基板は、前記自動運転車両の自動運転中の振動によって前記M.2モジュールが曲がらないように前記M.2モジュールの剛性を向上させる、請求項2に記載のトレイ装置。
【請求項4】
前記基板の上面に配置された接着ストリップをさらに含み、前記接着ストリップは、前記M.2モジュールを前記基板の上面に向かって引き寄せるための引力を生成する、請求項1に記載のトレイ装置。
【請求項5】
前記接着ストリップは、前記M.2モジュールに対して追加のサスペンション効果を提供するためにフォームパッド内に配置されている、請求項4に記載のトレイ装置。
【請求項6】
前記ライザ部材は、前記ライザ部材の底面に配置された接着ストリップをさらに含み、前記接着ストリップは、前記トレイ装置を前記母板の上面に向かって引き寄せるための引力を生成する、請求項1に記載のトレイ装置。
【請求項7】
前記ライザ部材は、前記基板の第1端部の近くに配置された第1ライザ部材と、前記基板の第2端部の近くに配置された第2ライザ部材とを含む、請求項1に記載のトレイ装置。
【請求項8】
前記基板の前記第1長手方向縁部および前記第2長手方向縁部の各々の長さの範囲が、63mm〜69mmである、請求項1に記載のトレイ装置。
【請求項9】
前記基板の前記第1長手方向縁部および前記第2長手方向縁部の各々の長さが約63.5mmである、請求項1に記載のトレイ装置。
【請求項10】
前記基板の前記第1長手方向縁部および前記第2長手方向縁部の各々の長さが約68.5mmである、請求項1に記載のトレイ装置。
【請求項11】
前記基板の前記第1横方向縁部および前記第2横方向縁部の各々の幅の範囲が24mm〜28mmである、請求項1に記載のトレイ装置。
【請求項12】
前記基板の前記第1横方向縁部および前記第2横方向縁部の各々の幅が約24.5mmである、請求項1に記載のトレイ装置。
【請求項13】
前記基板の前記第1横方向縁部および前記第2横方向縁部の各々の幅が約27.5mmである、請求項1に記載のトレイ装置。
【請求項14】
前記トレイ装置の高さの範囲が4mm〜7mmである、請求項1に記載のトレイ装置。
【請求項15】
前記トレイ装置の高さが約4.2mmである、請求項1に記載のトレイ装置。
【請求項16】
前記トレイ装置の高さが約7.1mmである、請求項1に記載のトレイ装置。
【請求項17】
前記ライザ部材は、前記母板の底部からネジを挿入して前記トレイ装置を前記データ処理システムの前記母板に取り付けることを可能にするように、前記ライザ部材の中に埋め込まれたネジ付きナットをさらに含む、請求項1に記載のトレイ装置。
【請求項18】
前記ライザ部材は、前記母板の底部からネジを挿入して前記トレイ装置を前記データ処理システムの前記母板に取り付けることを可能にするように、前記ライザ部材の中に埋め込まれたネジ穴を含むように成形される、請求項1に記載のトレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は主に自動運転車両に使用されるM.2モジュールに関する。より詳細には、本発明の実施形態は、自動運転車両に使用されるM.2モジュールを保持するためのトレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転モードで走行する(例えば、ドライバーレス)車両は、乗員、特に運転手をいくつかの運転に関する責務から解放させることができる。車両は、自動運転モードで走行する時に、車載センサを利用して様々な位置までナビゲートすることができるので、最小限のヒューマンマシンインタラクションや、乗客がいないなどの状況で車両を走行させることが可能となる。
【0003】
通常に、自動運転車両(ADV)はデータ処理システムによって制御され、該データ処理システムは、センサデータに基づいてADV周囲の運転環境を感知し、感知情報に基づいてADVをある地点から別の地点に走行させるための経路を計画し、様々なセンサ(例えば、LIDAR、RADAR、GPS、カメラ)から得られた計画および制御データに基づいて適切な制御コマンドを発行することによって制御するための様々な機能を含む。自動運転の感知、計画、および制御のインテンシブコンピューティングのために、処理および記憶モジュールなどのますます多くの処理リソースがデータ処理システム内に配置されている。
【0004】
ADVに採用されている汎用型モジュールの1つは、M.2互換デバイスまたはモジュールである。しかしながら、M.2モジュールがデータ処理システムの母板に取り付けられている場合、車両走行中の振動により、M.2モジュールは破損しやすい。このような破損の可能性を減らすための効果的な方法は欠如となっている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様により、トレイ装置を提供する。該トレイ装置は、自動運転車両に使用されるM.2モジュールを保持するためのものであって、第1長手方向縁部、第2長手方向縁部、第1横方向縁部および第2横方向縁部を有する略矩形形状に構成される基板と、前記第1長手方向縁部に沿って前記基板の上面に配置される第1ガードレールと、前記第2長手方向縁部に沿って前記基板の上面に配置される第2ガードレールであって、前記第1ガードレールおよび前記第2ガードレールはM.2モジュールを前記第1ガードレールと前記第2ガードレールとの間に保持し、前記第1ガードレールおよび前記第2ガードレールは前記基板の上面に支持され、前記M.2モジュールが前記第1横方向縁部および前記第2横方向縁部を横切って延びることを可能にする第2ガードレールと、前記基板の底面に配置されるライザ部材であって、前記M.2モジュールが前記トレイ装置とともに自動運転車両内のデータ処理システムの母板上に取り付けられるとき、前記母板上且つ前記トレイ装置の下方に取り付けられた電子部品に対して前記基板による強い圧力が印加されることを防ぐために、ライザ部材が前記トレイ装置を前記母板の上方に持ち上げるように構成されるライザ部材と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の実施形態は、各図面において制限的ではなく例示的なものとして示され、図面における同一符号は、類似の素子を示す。
図1】一実施形態によるM.2モジュールを保持するためのトレイ装置を示す斜視図である。
図2】一実施形態によるM.2モジュールを保持するためのトレイ装置を示す下面図である。
図3】一実施形態によるM.2モジュールを保持するためのトレイ装置を示す長手方向側面図である。
図4】一実施形態によるM.2モジュールを保持するためのトレイ装置を示す上面図である。
図5】一実施形態によるM.2モジュールを保持するためのトレイ装置を示す横方向側面図である。
図6A】別の実施形態によるM.2デバイスを保持するためのトレイ装置を示す斜視図である。
図6B】別の実施形態によるM.2デバイスを保持するためのトレイ装置を示す上面図である。
図6C】別の実施形態によるM.2デバイスを保持するためのトレイ装置を示す長手方向側面図である。
図6D】別の実施形態によるM.2デバイスを保持するためのトレイ装置を示す下面図である。
図6E】別の実施形態によるM.2デバイスを保持するためのトレイ装置を示す横方向側面図である。
図7A】別の実施形態によるM.2デバイスを保持するためのトレイ装置を示す斜視図である。
図7B】別の実施形態によるM.2デバイスを保持するためのトレイ装置を示す長手方向側面図である。
図7C】別の実施形態によるM.2デバイスを保持するためのトレイ装置を示す横方向側面図である。
図7D】別の実施形態によるM.2デバイスを保持するためのトレイ装置を示す上面図である。
図7E】別の実施形態によるM.2デバイスを保持するためのトレイ装置を示す下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に説明される詳細を参照しながら本発明の様々な実施形態および態様を記述し、添付図面には前記様々な実施形態を示す。以下の説明及び図面は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではないことを理解されたい。本発明の様々な実施形態を完全に把握するために、多数の特定の詳細を説明する。なお、本発明の実施形態を簡潔的に説明するように、周知または従来技術の詳細について説明していない場合もある。
【0008】
本明細書において、「一実施形態」又は「実施形態」とは、当該実施形態を参照しながら説明された特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも一実施形態に含まれてもよいと意味する。「一実施形態では」という表現は、本明細書の全体において全てが同一の実施形態を指すとは限らない。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、ADVを動作させるデータ処理システムにM.2互換モジュールまたはデバイスを搭載する前に、M.2モジュールの剛性を高めるためにM.2モジュールをトレイ装置に載置する。その後、M.2モジュールが載せられたトレイ装置を、データ処理システムのボードまたは母板に取り付ける。M.2モジュールがトレイ装置に載せられているので、全体の剛性が大幅に向上しており、ADVの自動運転中の物理的動きおよび揺れ動き(oscillation)または振動(vibration)によるM.2モジュールへの物理的衝撃に耐えることができる。また、トレイ装置はADVの走行中にM.2モジュールにもサスペンション効果を与える。従って、M.2モジュールは自動運転中にダメージを受けにくい。
【0010】
一実施形態によれば、M.2モジュールを保持するためのトレイ装置は、第1および第2長手方向縁部または側縁並びに第1および第2横方向縁部または側縁を含む略矩形の基板を含む。トレイ装置は、第1長手方向縁部に沿って基板の上面に配置された第1ガードレール(単にガードまたはガード部材ともいう)および第2長手方向縁部に沿って配置された第2ガードレールをさらに含む。第1ガードレールおよび第2ガードレールは、例えば取り付けしやすくするために、M.2モジュールを前記第1ガードレールと前記第2ガードレールとの間に保持するとともに、基板により支持され、M.2モジュールが第1横方向縁部および第2横方向縁部を横切って延びることを可能にするように構成される。トレイ装置は、基板の底面(例えば、トレイ装置の底部)に配置されたライザ部材をさらに含む。例えば、省スペースのために、M.2モジュールがトレイ装置とともにADV内のデータ処理システムの母板上に取り付けられるとき、ライザ部材は、トレイ装置の下方における母板上に取り付けられた電子部品に対して基板による強い圧力が印加されることを防ぐために、トレイ装置を母板の上方に持ち上げて母板から離せるように構成される。
【0011】
一実施形態では、M.2モジュールを母板に取り付ける前に、M.2モジュールを基板の上面に配置するとともに第1ガードレールと第2ガードレールとの間に保持する。その後、トレイ装置によって保持されているM.2モジュールを母板に取り付ける。従って、M.2モジュールは、ADVの自動運転中の物理的動きまたは揺れ動き(oscillation)/振動(vibration)により曲がることはない。さらに、接着ストリップを基板の上面に配置する。接着ストリップは、M.2モジュールを基板の上面に引き寄せるための引力を生じる。接着ストリップは、自動運転中においてM.2モジュールの所々への移動可能性を減らすために使用される。さらに、接着ストリップはフォームパッドの形態であってもよく、さらに自動運転中にサスペンションを提供し、M.2モジュールと基板との間の接触衝撃を緩和する。次に、母板上におけるトレイ装置の所々への移動可能性を減らすために、別の接着ストリップをライザ部材の底部に配置することができる。あるいは、ライザ部材は、母板の底部または反対側からネジを挿入してトレイ装置を母板に装着または取り付けることができるように、ネジ付きナット、又はライザ部材の中に形成されたネジ穴を備える。
【0012】
図1は、一実施形態によるM.2モジュールを保持するためのトレイ装置を示す斜視図である。図1を参照すると、トレイ装置100は略矩形の基板101を含む。基板101は実質的に互いに平行な第1長手方向縁部(長手方向側縁ともいう)および第2長手方向縁部(例えば、長手方向縁部105)を含む。基板101は実質的に互いに平行な第1横方向縁部(横方向側縁ともいう)および第2横方向縁部(例えば、横方向縁部106)を含む。
【0013】
第1ガードレール102(保持部材ともいう)は、基板101の第1長手方向縁部に配置されるかまたは取り付けられる。第2ガードレール103は、基板101の第2長手方向縁部に配置されるかまたは取り付けられる。第1ガードレール102、第2ガードレール103、および基板101は、M.2モジュール500のようなM.2モジュールを内部に保持することを可能にするためにU字形トレイを形成する。第1ガードレール102、第2ガードレール103および基板101は、U字形保持トレイに成形された単一の材料片であってもよいことに留意されたい。第1ガードレール102および第2ガードレール103は、M.2モジュール500をトレイ装置100内に保持および拘束するように構成される一方で、データ処理システムの母板へ取り付けるために、M.2モジュール500の長手方向端部が基板101の横方向縁部を横切って延びるかまたは越えることを可能にするように構成される。
【0014】
図1に示すように、M.2モジュール500は、第1長手方向端部501と第2長手方向端部502とを含む。第1長手方向端部501は、プリント回路基板(PCB)上に、M.2互換ソケット(図7Aに示す)に挿入可能な導電性ピンまたはパッドのアレイを含み、該M.2互換ソケットは、自動運転車両を動作させるためのデータ処理システム(例えば、産業用パーソナルコンピュータまたはIPC)の母板上に配置されている。第2長手方向端部502は、例えば図7Aに示すように、データ処理システムの母板上に配置されたナットまたはボルトにネジを挿入してねじ込むことを可能にする切欠きまたはキャビティを含む。従って、M.2モジュール500は、母板にしっかりと取り付けることができる。
【0015】
M.2は、内部に装着されたコンピュータ拡張カードおよび関連するコネクタのための仕様であり、PCI Expressミニカードの物理カードレイアウトとコネクタを使用するmSATA規格に代わるものである。M.2は、より自由度の高い物理仕様を有するので、様々なモジュール幅及び長さが可能にされ、より高級なインターフェース機能の可用性に合わせることが可能であり、一般的に、ソリッドステートストレージアプリケーション、特にウルトラブックやタブレットなどの小型デバイスでの使用にmSATAよりも適している。
【0016】
M.2モジュールは矩形を呈しており、一側にエッジコネクタがあり(75ヶ所に最大で67ピンを有し、ピッチが0.5mm、ピンがPCBの異なる側に重なっている)、反対側の縁部の中央に半円形の取り付け穴がある。M.2モジュールは、ホストの回路基板にある相手側コネクタに取り付けられており、1本の取り付けネジでモジュールをしっかりと固定している。構成要素はモジュールのどちらの側にも取り付けることができ、実際のモジュールの種類によって構成要素の厚さが制限されるため、構成要素の最大許容厚さが片側1.5mmである。片面と両面のM.2モジュールには異なるホスト側コネクタが使用されているため、M.2拡張カードとホストのPCBとの間には異なるスペースが提供される。ホスト上の回路基板は通常、長さの異なるM.2モジュールを受け入れるように設計されており、つまり、長いM.2モジュールを受け入れることができるソケットは、通常、取り付けネジの位置を変えることによって短いM.2モジュールを受け入れることもできる。
【0017】
自動運転車両とは、車両が運転手からの入力をほとんどまたは全く伴わずに環境をナビゲートする自動運転モードで構成可能な車両を指す。そのような自動運転車両は、車両が動作する環境に関する情報を検出するように構成される1つまたは複数のセンサを有するセンサシステムを含むことができる。車両とその関連コントローラは、検出された情報を使用して環境を通過するようにナビゲートする。自動運転車両は、手動運転モード、完全自動運転モード、または部分自動運転モードで動作することができる。
【0018】
しかしながら、図1を再び参照すると、PCBが非常に薄いため、M.2モジュール500は、車両の物理的動きの間に、特にM.2モジュール500とM.2モジュール500の下方にある母板に取り付けられた電子部品との間の相対的な動きにより、ダメージを受けやすい。一実施形態では、M.2モジュール500を母板に取り付ける前にM.2モジュール500をトレイ装置100に配置することによって、トレイ装置100がM.2モジュール500を保護するとともにM.2モジュール500の曲がりを防止するのでM.2モジュール500の剛性が向上する。
【0019】
一実施形態によれば、接着ストリップ104が基板101の上面に配置される。M.2モジュール500が接着ストリップ104の上部に配置されると、接着ストリップ104の接着性により、M.2モジュール500を基板101の上面に引き寄せるための引力が生じ、M.2モジュール500の所々への移動、例えば基板101の上面に対して横方向への移動を防止することができる。一実施形態では、接着ストリップ104は接着フォームパッドで実施される。フォームパッドが可撓性を有するため、M.2モジュール500が基板101の上面に当接して配置され母板に取り付けられると、フォームパッドはM.2モジュール500と基板101の上面との間に分離力を生じ、実際には基板101とM.2モジュール500は一体にインタロックされている。
【0020】
図2は一実施形態に係るトレイ装置100およびM.2モジュール500の下面図を示し、図3は一実施形態に係るトレイ装置100およびM.2モジュール500の長手方向側面図を示す。図2および図3を参照すると、一実施形態では、ライザ部材は、基板101の底面に配置されている。ライザ部材は、M.2モジュール500とトレイ装置100とが一緒に母板に取り付けられるとき、基板のレベル(即ち、エントリトレイ装置(entry tray device)100)を母板の上方に持ち上げ、更に母板上且つトレイ装置100の下方に配置された電子部品に印加される圧力が大幅に低減される。
【0021】
本実施形態では、第1のライザ部材111は基板101の一端部の近くに配置され、第2のライザ部材112は、基板101の他端部の近くに配置されている。1つまたは複数のライザ部材により、トレイ装置100と母板との間に配置された電子部品は圧力をかけられたり潰されたりしない。一実施形態では、接着剤層(adhesive layer)もライザ部材111、112の底面に設けられる。接着剤層により、トレイ装置100の所々への移動(例えば、母板の表面に対して横方向への移動)チャンスを減らすことができる。ライザ部材111、112は、例示的なものに過ぎないことに留意されたい。より多いまたはより少ない数のライザ部材を実施することができ、基板101上におけるそれらの相対位置は異なっていてもよい。
【0022】
一実施形態では、基板101の長手方向寸法または長さ110(例えば長手方向縁部102〜103の長さ)の範囲が、約63〜69ミリメートル(mm)である。一つの特定の実施形態では、基板101の長さが約63.5mmである。別の特定の実施形態では、基板101の長さが約68.5mmである。
【0023】
図4は一実施形態に係るトレイ装置100およびM.2モジュール500の上面図を示し、図5は一実施形態に係るトレイ装置100およびM.2モジュール500の横方向側面図を示す。一実施形態では、トレイ装置100の横方向寸法または幅115の範囲が約24mm〜28mmである。一つの特定の実施形態では、トレイ装置100の幅が約24.5mmである。別の特定の実施形態では、トレイ装置100の幅が約27.5mmである。一実施形態では、トレイ装置100の高さ120の範囲が約4mm〜7mmである。一つの特定の実施形態では、トレイ装置100の高さが約4.2mmである。別の特定の実施形態では、トレイ装置100の高さが約7.1mmである。
【0024】
上述したように、図1図5に示されるトレイ装置100の特定の構成は、例示的なものに過ぎない。他の実施形態により、図6A図6Eなどの他の構成を実施することもできる。図6C図6Eに示すように、特定の母板構成に応じて、底部に単一のライザ部材を設けていてもよい。ライザ部材は、基板101の底面の任意の位置に配置することができる。下面図および側面図を示す図6Dおよび図6Eを参照し、この実施形態では単一のライザ部材611が実施されている。また、ライザ部材611の位置は、基板の中心にはない。このような構成は、母板の利用可能空間に応じてなされている。単一のライザ部材611のサイズは、トレイ装置全体を支持するのに十分に大きくしてもよく、バランスをとるために基板の底面内の適切な位置に配置される。複数の接着パッド615〜616は、ライザ部材611の底部に配置することができる。また、基板の底部の領域620のような特定の領域は、その下方の母板上の電子部品のために多くの空間を確保するために切り取られてもよい。
【0025】
図7A図7Eは、別の実施形態によるM.2デバイスを保持するためのトレイ装置の様々な図を示す。斜視図を示す図7Aを参照すると、M.2モジュール500は、母板700上に配置されたネジ付きナット701にねじ込むネジを使用して第2長手方向端部502を介して取り付けることができ、第1長手方向端部501はM.2互換ソケット702内に挿入可能である。また、ライザ部材111は、ネジ703を母板700の底部から挿入して、図7B(長手方向側面図)、図7C(横方向側面図)、図7D(上面図)および図7E(下面図)に示すように、トレイ装置100を母板に取り付けるように、ライザ部材111内に埋め込まれたネジ付きナットまたはネジ穴を含む。
【0026】
本明細書において、本発明の実施形態は、既にその具体的な例示的な実施形態を参照しながら記載された。明らかなように、添付された特許請求の範囲に記載された本発明のより広い趣旨および範囲を逸脱しない限り、本発明に対して様々な変更を行うことができる。それゆえに、本明細書および図面は、限定的な意味でなく、例示的な意味で理解されるべきである。


図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E