(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポリマーAおよびBの少なくとも1つが、アミノ基含有アルコキシシリル基ならびに少なくとも1つのさらなるアミノ基および/または少なくとも1つのさらなるアルコキシシリルおよび/または少なくとも1つのさらなるアミノ基含有アルコキシシリル基で前記鎖末端で官能化されており、ここで、前記アミノ基がスペーサーありまたはなしで前記ポリマー鎖の前記鎖末端に結合していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム混合物。
前記ポリマーAおよびBの少なくとも1つが、前記鎖末端でおよび/または前記ポリマー鎖に沿っておよび/またはカップリング部位でシランスルフィド基で官能化されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム混合物。
前記ポリマーAおよびBの少なくとも1つが、前記鎖末端でおよび/または前記ポリマー鎖に沿っておよび/またはカップリング部位でシロキサン基で官能化されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴム混合物。
前記ゴムブレンドが、5〜100phr(高分子量の少なくとも1つの溶液重合ジエンポリマーAを基準として)の低分子量の少なくとも1つの溶液重合ポリマーBを含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のゴム混合物。
前記ゴムブレンドが、40〜100ムーニー単位のムーニー粘度(ASTM−D 1646に従ってML1+4、100℃)を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のゴム混合物。
前記ゴム混合物中の前記ゴムブレンドの前記ジエンポリマーAの割合が、前記ゴム混合物中に存在する固体ゴムの総量を基準として少なくとも50phrであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のゴム混合物。
少なくとも運転表面と接触するトレッド部が、請求項1〜11のいずれか一項に記載の硫黄で架橋されたゴム混合物を含むことを特徴とする、請求項12に記載の車両用タイヤ。
【背景技術】
【0002】
タイヤの、とりわけ空気車両用タイヤの走行特性は、トレッドのゴム組成物に大きく依存し、トレッド混合物の組成物に対する要求は特に高い。ゴム混合物におけるカーボンブラック充填材のシリカとの部分的なまたは完全な置き換えにより、過去数年にわたって走行特性が概してより高いレベルに達している。しかしながら、シリカ含有トレッド混合物においても同じく、反対の傾向に従うタイヤ特性の公知のトレードオフは依然として存在する。例えば、ウェットグリップおよびドライ制動の改善は、依然として一般に、転がり抵抗の冬季特性および摩耗特性の悪化を必然的に伴う。
【0003】
トレッドにおけるトレードオフを解決するために様々なアプローチが既に追求されてきた。例えば、変性ポリマーを含めて、多種多様な異なるポリマー、樹脂、可塑剤および微粉化された充填材がゴム混合物用に使用されてきており、混合物製造を変更することによって加硫物特性に影響を及ぼす試みが行われてきた。
【0004】
欧州特許出願公開第1052270 A号明細書は、例えば、充填材としてのカーボンブラックをベースとするトレッド混合物であって、氷上での効果的なグリップのために他の成分の中でも液体ポリマー、例えばポリブタジエンを含むトレッド混合物を開示している。
【0005】
独国特許出願公開第3804908 A1号明細書は同様に、充填材としてのカーボンブラックをベースとするトレッド混合物であって、良好な冬季特性のために液体ポリブタジエンを含むトレッド混合物を開示している。
【0006】
高いビニル含量および高いガラス転移温度(T
g)を有する液体ポリブタジエンが、従来の可塑剤油の代用品としてタイヤトレッド用に欧州特許出願公開第1035164 A号明細書に提案されている。
【0007】
国際公開第2012/084360 A1号パンフレットはまた、改善された転がり抵抗を有するゴム混合物であって、固体スチレン−ブタジエンゴムと並行して液体ブタジエンゴムを含むゴム混合物を開示している。
【0008】
欧州特許出願公開第2 778 184 A1号明細書において、ポリマー混合物が高分子量のSSBRおよび低分子量のSSBRから製造されており、ここで、SSBRはまた官能化されていてもよい。このポリマー混合物は、タイヤ用のゴム混合物に使用される。
【0009】
独国特許出願公開第102008058996 A1号明細書および独国特許出願公開第102008058991 A1号明細書は、従来の可塑剤油の代用品として、多量の非官能化合成ゴムを有するトレッド混合物における末端アミン変性液体ポリブタジエンまたは末端カルボキシル変性液体ポリブタジエンを開示している。このタイヤは、耐摩耗性を同時に維持しながら、低燃費および良好な接着特性と、プロフィル溝底部での亀裂を抑える能力との間の非常に良好なバランスを特徴とすると言われている。
【0010】
欧州特許第2060604 B1号明細書は、60phrの天然ゴムと組み合わせて、20,000g/モルのM
wを有する官能化ポリマーと、充填材としてのカーボンブラックとを含むゴム混合物を開示している。
【0011】
米国特許出願公開第20020082333 A1号明細書は、非官能化合成ゴムと、充填材としてのシリカとをベースとするNRを含まないゴム混合物においてシランよりむしろトリエトキシシラン変性ポリブタジエンを使用することによって加工性を改善している。
【0012】
欧州特許第1 535 948 B1号明細書は、官能基として、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサン基を有するスチレン−ブタジエンゴムであって、3つ以上のポリマー鎖が1つのポリオルガノシロキサン基とつながっている、スチレン−ブタジエンゴムを開示している。シリカ含有ゴム混合物におけるこのポリマーと非官能化ブタジエンゴムとの組み合わせは、改善された転がり抵抗、摩耗およびウェットグリップ特性をもたらすと言われている。
【0013】
欧州特許出願公開第2 853 558 A1号明細書は、フタロシアニン基および/またはヒドロキシル基および/またはエポキシ基および/またはシランスルフィド基で官能化された、そして0重量%〜12重量%のスチレン含量を有する、および非加硫状態で、−75〜−120℃のDSCによるガラス転移温度(T
g)を有するスチレン−ブタジエンゴムを使用することによって車両用タイヤ用のゴム混合物における転がり抵抗および摩耗特性を改善することを開示している。
【0014】
欧州特許第1 925 363 B1号明細書は、高分子量の変性ジエンゴムと組み合わせて低分子量を有する変性(官能化)SBRを含むタイヤ用のゴム組成物を開示している。これは、他の特性の中でも転がり抵抗を改善すると言われている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この文献に用いられる多分散性PDについての数字は、ポリマーの重量平均分子量M
wと数平均分子量M
nとの商である(PD=M
w/M
n)。
【0020】
この文献に用いられる単位「phr」(重量でゴムの百部当たりの部)は、ゴム業界におけるブレンドレシピについての量の標準単位である。個々の物質の重量部の用量は、この文献では、混合物またはブレンド中に存在する、高分子量の、したがって一般に固体である全てのゴムの総質量の100重量部を基準とする。本発明に従って存在する1300〜10,000g/モルのM
wを有するポリマーBはそれ故、phr計算のための百部のゴムとして含まれない。
【0021】
この本文で用いられる表現phf(重量で充填材の百部当たりの部)は、ゴム業界において充填材用のカップリング剤についての量の慣習単位である。本出願との関連で、phfは、存在するシリカに関するものであり、カーボンブラックなどの、存在する任意の他の充填材はシランの量の計算に含まれないことを意味する。
【0022】
本発明によれば、ゴム混合物用のゴムブレンドは、室温でそのままで一般に固体ゴムである、高分子量のジエンポリマーA、および室温でそのままで一般に液体である、低分子量のポリマーBを含む。
【0023】
少なくとも1つの共役ジエンおよび任意選択的に1つ以上のビニル芳香族化合物から形成される、高分子量の溶液重合ジエンポリマーAは、例えば、ブタジエン、イソプレンおよびスチレンをベースとする多種多様な異なるジエンポリマーであってもよい。ジエンポリマーAが置換共役ジエン単位を含有する場合には、ビニル含量についての数字は、当量を、例えばイソプレン単位の場合には3,4−結合成分を基準とするのに対して、ブタジエン単位の存在下では、ビニル含量についての数字は、1,2−結合成分を基準とする。
【0024】
好ましくは、ジエンポリマーAは、ポリブタジエンまたはスチレン−ブタジエンゴム(スチレン−ブタジエンコポリマー)である。
【0025】
本発明のゴム混合物はさらに、ゴムブレンド中に、少なくとも1つの共役ジエン、
または少なくとも1つの共役ジエンおよび1つ以上のビニル芳香族化合物、
または少なくとも1つもしくは2つ以上のビニル芳香族化合物から形成される、低分子量の溶液重合ポリマーBを含む。これは、例えば、低分子量の液体ポリブタジエン、低分子量のスチレン−ブタジエンコポリマーまたはビニル芳香族化合物をベースとする樹脂様化合物であってもよい。
【0026】
ポリマーAおよびBの少なくとも1つが、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シランスルフィド基、アミノ基、シロキサン基、有機ケイ素基、フタロシアニン基およびアミノ基含有アルコキシシリル基から選択される少なくとも1つの基で鎖末端でおよび/またはポリマー鎖に沿っておよび/またはカップリング部位で官能化されていることは、本発明に絶対不可欠である。官能化に関して、複数のポリマー鎖が1つの官能化部位または1つのカップリング部位に結合していることが可能である。
【0027】
官能化は、ゴム混合物における最適加工性を可能にし、ゴム混合物における良好な充填材−ポリマー相互作用をもたらし、それは究極的に、特性の改善された特性のプロフィルをもたらす。
【0028】
本発明のゴム混合物用のゴムブレンドは、当業者に公知の方法によって製造されてもよい。例えば、ジエンポリマーAおよびポリマーBは、官能化試薬のその後の投与ありで有機溶媒中でのアニオン重合によって互いに別々に製造されてもよい。その場合、2つの反応液は、組み合わせられ、効率的に輸送できる、かつ、加工できるブレンドを得るように、溶媒なし(例えば、蒸留または真空蒸発による溶媒の除去)のゴムブレンドを得るために一緒に処理される。
【0029】
本発明の好ましい進展において、少なくとも低分子量の溶液重合ポリマーBは、明記される基で官能化されている。このようにして、ポリマーマトリックス中のポリマーBの良好な分配を達成することが可能であり、充填材をうまく組み入れることができる。
【0030】
高分子量の溶液重合ジエンポリマーAもまた官能化されている場合が特に好ましい。これは、加工性と、結果として生じるゴム混合物の特性へのプラス効果とをさらに改善する。
【0031】
ポリマーAおよびBは、異なる基で官能化されている。これらは、例えば、次の構造I):
I) (R
1R
2R
3)Si−
(ここで、構造におけるR
1、R
2、R
3は、同じもしくは異なるものであってもよく、1〜20個の炭素原子を有する線状もしくは分岐のアルコキシ、シクロアルコキシ、アルキル、シクロアルキルまたはアリール基から選択されてもよい)
の有機ケイ素基であってもよく、ここで、式I)の官能基は、直接にまたはブリッジを介してポリマーのポリマー鎖に結合しており、そしてここで、ブリッジは、環式および/または脂肪族および/または芳香族要素と鎖中のまたは鎖上のヘテロ原子とをまた含有してもよい飽和もしくは不飽和炭素鎖からなる。R
1、R
2、R
3ラジカルは好ましくは、アルコキシ基、例えばエトキシ基である。構造I)がブリッジを介してポリマーに結合している場合、ブリッジは、例えば、次の構造II):
II) (R
1R
2R
3)Si−Y−X−
(ここで、式II)において、Yは、n=1〜8のアルキル鎖(−CH
2)
n−であり、Xは、エステル、エーテル、ウレタン、ウレア、アミン、アミド、チオエーテル、チオエステルからなる群から選択される官能基である)
の連結であってもよい。XおよびYがここではブリッジを形成する。
【0032】
ゴム混合物の特に良好な特性を得るために、ポリマーAおよびBの少なくとも1つが、アミノ含有アルコキシシリル基ならびに少なくとも1つのさらなるアミノ基および/または少なくとも1つのさらなるアルコキシシリル基および/または少なくとも1つのさらなるアミノ基含有アルコキシシリル基(ここで、アミノ基は、スペーサーありもしくはなしでポリマー鎖の鎖末端に結合している)で鎖末端で官能化されている場合に有利であることが見いだされた。
【0033】
同様に良好な混合特性は、ポリマーAおよびBの少なくとも1つが、シランスルフィド基で鎖末端でおよび/またはポリマー鎖に沿っておよび/またはカップリング部位で官能化されている場合に達成することができる。本発明との関連で、シランスルフィド基は、少なくとも1個の硫黄原子と少なくとも1つの置換シリル基−SiR
3とを含有する有機ラジカルを意味する。
【0034】
少なくとも1つのシランスルフィド基で官能化された官能化ポリマーは、シロキシ、シロキサン、シロキシ−アルジミンまたはアミノシロキサン基で官能化された、しかしながら、硫黄を含まない、すなわち、いかなる硫黄原子も含有しない官能化ポリマーと比較して、特に、改善された転がり抵抗指標および/または改善された摩耗特性および/または改善された引裂特性および/または、特に、高められた剛性などの改善されたハンドリング予知因子、および/または改善されたウェットグリップ特性などの改善された物理的特性を達成することが見いだされた。
【0035】
シランスルフィド基で官能化されたポリマーは、例えば、欧州特許出願公開第2 853 558 A1号明細書に開示されている。それらは、シランスルフィド官能化試薬の存在下でのアニオン重合によって得られてもよい。使用されてもよいシランスルフィド官能化試薬の例としては、(MeO)
2(Me)Si−(CH
2)
2−S−SiMe
2C(Me)
3、(MeO)
2(Me)Si−(CH
2)
2−S−SiMe
2C(Me)
3または(MeO)
3Si−(CH
2)
2−S−SiMe
2C(Me)
3が挙げられる。
【0036】
ポリマーAおよびBの少なくとも1つがシロキサン基で鎖末端でおよび/またはポリマー鎖に沿っておよび/またはカップリング部位で官能化されている場合もまた好ましい。この種のシロキサン基は、例えば、国際公開第2009077295 A1号パンフレットおよび国際公開第2009077296 A1号パンフレットに開示されている。
【0037】
本発明の好ましい進展において、ポリマーAおよびBの少なくとも1つは、カップリング部位を有する。これらのカップリング部位は、例えば、スズ(Sn)またはケイ素(Si)であってもよい。
【0038】
特に良好な加工性のゴム混合物を得るために、ゴムブレンドが5〜100phr(高分子量の少なくとも1つの溶液重合ジエンポリマーAを基準として)の低分子量の少なくとも1つの溶液重合ポリマーBを含む場合に有利であることが見いだされた。したがってそれは、1:1以下のジエンポリマーA対ポリマーBの重量比を有してもよい。
【0039】
加工特性は、ゴム混合物用のゴムブレンドが40〜100ムーニー(Mooney)単位のムーニー粘度(ASTM−D 1646に従ったML1+4、100℃)を有するので、さらに改善することができる。
【0040】
車両用タイヤに使用される場合にウェットグリップ特性を損なうことなく、改善された冬季特性および/または摩耗特性および/または転がり抵抗特性を有する本発明の硫黄架橋性ゴム混合物は、請求項1に記載のゴムブレンドだけでなく、30〜300phr、好ましくは20〜250phr、より好ましくは20〜150phr、最も好ましくは80〜110phrの少なくとも1つのシリカを含む。少なくとも1つの官能化ポリマーAまたはBの存在は、官能基によるポリマーへのシリカの良好な連結の同時可能性があって、ポリマーマトリックス中のシリカの最適分配をもたらすことができる。これは、特性の改善されたプロフィルをもたらす。
【0041】
シリカが存在する場合、それは、タイヤゴム混合物用の充填材として典型的に好適である、当業者に公知のいずれかのタイプのシリカであってもよい。しかしながら、35〜400m
2/g、好ましくは35〜350m
2/g、より好ましくは100〜320m
2/g、最も好ましくは120〜235m
2/gの窒素表面積(BET表面積)(DIN ISO 9277およびDIN 66132に従って)、および30〜400m
2/g、好ましくは50〜330m
2/g、より好ましくは100〜300m
2/g、最も好ましくは110〜230m
2/gのCTAB表面積(ASTM D 3765に従って)を有する、微粉化された、沈澱シリカを使用することが特に好ましい。そのようなシリカは、例えばタイヤトレッド用のゴム混合物において、加硫物の特に良好な物理的特性をもたらす。加えて、利点は、同じ製品特性を維持しながら改善された生産性をもたらす混合時間の減少の結果として混合物の加工に現れることができる。使用されるシリカはしたがって、例えば、Evonik製のUltrasil(登録商標)VN3タイプ(商品名)のものか、またはHDシリカとして公知の高分散性シリカ(例えば、Solvey製のZeosil(登録商標)1165 MP)かのどちらかであってもよい。
【0042】
本発明のゴム混合物はまた、1〜20phf、好ましくは1〜5phfの少なくとも1つのブロックされたおよびまたはブロックされていないメルカプトシランをシランカップリング剤として含有する。
【0043】
加工性をさらに改善するために、および存在するシリカおよび任意の他の極性充填材をジエンゴムに結び付けるために、シランカップリング剤がゴム混合物に使用されてもよい。ここでは、1つ以上の異なるシランカップリング剤を互いに組み合わせて使用することが可能である。ゴム混合物はしたがって、異なるメルカプトシランの混合物を含んでもよい。ブロックされていないメルカプトシランで意味されるものは、−S−H基、すなわち、硫黄原子上に水素原子を有するシランである。ブロックされたメルカプトシランで意味されるものは、−S−PG基(ここで、PGは硫黄原子上の保護基の省略形である)を有するシランである。好ましい保護基はアシル基である。使用されるメルカプトシランは、ゴム混合物での使用について当業者に公知の全てのそれらのメルカプトシランであってもよい。先行技術から公知のそのようなメルカプトシランは、例えば、国際公開第99/09036号パンフレットから公知である。国際公開第2008/083241 A1号パンフレット、国際公開第2008/083242 A1号パンフレット、国際公開第2008/083243 A1号パンフレットおよび国際公開第2008/083244 A1号パンフレットに記載されているようなメルカプトシランを使用することもまた可能である。使用可能なシランの例としては、Momentive,USAによって異なる変形でNXT名称で販売されているものが挙げられる。本発明の好ましい実施形態において、ゴム混合物は、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシランをブロックされたメルカプトシランとして含有する。
【0044】
加えて、ゴム混合物は、活性化剤および/または充填材、特にカーボンブラックの結合のための試剤をさらに含有する。後者は、充填材としての少なくとも1つのカーボンブラックととりわけ組み合わせてゴム混合物の非常に良好な物理的特性を生じさせる、例えば、欧州特許出願公開第2589619 A1号明細書に開示されているような、例えば、化合物S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸、および/またはその金属塩であってもよい。
【0045】
述べられたシランおよび活性化剤は、ゴム混合物の製造において、好ましくは少なくとも1つのマスターバッチ混合段階において添加される。
【0046】
ゴム混合物は、特有のゴムブレンドだけでなくさらなるゴムを含んでもよい。
【0047】
これらのさらなるゴムは、天然ポリイソプレン、合成ポリイソプレン、ブタジエンゴム、溶液重合スチレン−ブタジエンゴム、乳化重合スチレン−ブタジエンゴム、ハロブチルゴム、ポリノルボルネン、イソプレン−イソブチレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、アクリレートゴム、フルオロゴム、シリコーンゴム、ポリスルフィドゴム、エピクロロヒドリンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンターポリマー、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム、イソプレン−ブタジエンコポリマーおよび水素化スチレン−ブタジエンゴムからなる群から選択されてもよい。
【0048】
さらなるゴムは好ましくは、少なくとも1つのジエンゴムである。
【0049】
ジエンゴムは、ジエンおよび/またはシクロアルケンの重合または共重合によって生じるゴムを意味し、したがって主鎖、または側基のどちらかにC=C二重結合を有する。
【0050】
少なくとも1つのジエンゴムは好ましくは、合成ポリイソプレン(IR)および天然ポリイソプレン(NR)およびスチレン−ブタジエンゴム(SBR)およびポリブタジエン(BR)からなる群から選択される。
【0051】
全ての実施形態の天然および/または合成ポリイソプレンは、シス−1,4−ポリイソプレン、または3,4−ポリイソプレンのどちらかであってもよい。しかしながら、シス−1,4−含量が90重量%超のシス−1,4−ポリイソプレンの使用が好ましい。第一に、Ziegler−Natta(チーグラー−ナッタ)触媒を使って、または細かく分離されたリチウムアルキルを使用して溶液中での立体特異的な重合によってそのようなポリイソプレンを得ることが可能である。第二に、天然ゴム(NR)は、1つのそのようなシス−1,4−ポリイソプレンであり;天然ゴム中のシス−1,4含量は、99重量%超である。
【0052】
加えて、1つ以上の天然ポリイソプレンと、1つ以上の合成ポリイソプレンとの混合物もまた考えられる。
【0053】
ブタジエンゴム(=BR、ポリブタジエン)は、当業者に公知の任意のタイプであってもよい。これらには、いわゆる高−シスおよび低−シスタイプが含まれ、ここで、90重量%以上のシス含量を有するポリブタジエンは、高−シスタイプと言われ、90重量%未満のシス含量を有するポリブタジエンは、低−シスタイプと言われる。低−シスポリブタジエンの例は、20重量%〜50重量%のシス含量を有するLi−BR(リチウム触媒ブタジエンゴム)である。高−シスBRは、特に良好な摩耗特性およびゴム混合物の低いヒステリシスを達成する。
【0054】
さらなるゴムとしてのスチレン−ブタジエンゴムは、溶液重合スチレン−ブタジエンゴム(SSBR)、または乳化重合スチレン−ブタジエンゴム(ESBR)のどちらかであってもよく、少なくとも1つのSSBRと、少なくとも1つのESBRとの混合物を使用することもまた可能である。用語「スチレン−ブタジエンゴム」および「スチレン−ブタジエンコポリマー」は、本発明との関連で同意語として用いられる。
【0055】
好ましくは、ゴム混合物におけるゴムブレンド中のジエンポリマーAの割合は、ゴム混合物中に存在する固体ゴムの総量を基準として少なくとも50phrであり、ここで、−既に述べられたように−低分子量のポリマーBは、phr基準について百重量部の決定には含まれない。
【0056】
シリカだけでなく、ゴム混合物は、通常の量で当業者に公知のさらなる充填材を含んでもよい。これらは、カーボンブラックまたは他の充填剤、例えば、アルミノシリケート、カオリン、チョーク、デンプン、酸化マグネシウム、二酸化チタン、ゴムゲル、繊維(例えばアラミド繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セルロース繊維)、カーボンナノチューブ(CNT、離散CNT、中空炭素繊維(HCF)および、ヒドロキシル、カルボキシルおよびカルボニル基などの、1つ以上の官能基を含有する変性CNTなどの)、黒鉛およびグラフェン、ならびに炭素−シリカ二重相充填材であってよい。
【0057】
可能なカーボンブラックは、当技術分野の精通者に公知の全てのタイプのカーボンブラックである。
【0058】
一実施形態において、カーボンブラックは、30g/kg〜250g/kg、好ましくは30〜180g/kg、より好ましくは40〜180g/kg、最も好ましくは40〜130g/kgの、ヨウ素吸着数とも言われる、ASTM D 1510に従ったヨウ素価、および30〜200mL/100g、好ましくは70〜200mL/100g、より好ましくは90〜200mL/100gのASTM D 2414に従ったDBP価を有する。
【0059】
ASTM D 2414に従ったDBP価は、ジブチルフタレートを用いてカーボンブラックまたは淡色充填材の比吸収体積を決定する。
【0060】
特に車両用タイヤ用の、ゴム混合物でのそのようなタイプのカーボンブラックの使用は、生態学的に適切な転がり抵抗に順繰りに影響を及ぼす、耐摩耗性と熱増成との間の最良の可能な折衷を確実にする。ここでは、たった1つのタイプのカーボンブラックがそれぞれのゴム混合物に使用されることが好ましいが、ゴム混合物へ様々なタイプのカーボンブラックを混ぜ込むこともまた可能である。しかし、存在するカーボンブラックの総量は、最大で300phrに相当する。
【0061】
本発明の好ましい進展において、ゴム混合物は、0.1〜20phrのカーボンブラックを含有する。カーボンブラックのこれらの少量を前提として、転がり抵抗およびウェットグリップに関して最良のタイヤ特性を達成することができた。
【0062】
本発明のゴム混合物は、150phr以下、好ましくは80phrの少なくとも1つの可塑剤を含有してもよい。
【0063】
本発明との関連で使用される可塑剤には、芳香族、ナフテン系またはパラフィン系鉱油可塑剤、例えばMES(マイルド抽出溶媒和物)またはRAE(残留芳香族抽出物)またはTDAE(処理留出物芳香族抽出物)、または方法IP 346に従って3重量%未満の多環芳香族化合物の含量を好ましくは有するゴム液化油(rubber−to−liquid oil)(RTL)もしくはバイオマス液化油(biomass−to−liquid oil)(BTL)または菜種油もしくは油ゴムもしくは可塑剤樹脂もしくはポリマーB以外のさらなる液体ポリマーなどの、当業者に公知である可塑剤全てが含まれる。可塑剤は好ましくは、本発明のゴム混合物の製造における少なくとも1つのマスターバッチ混合段階で添加される。
【0064】
さらに、本発明のゴム混合物は、通常の重量割合で標準添加剤を含んでもよい。これらの添加剤には、
a)老化安定剤、例えばN−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、N,N’−ジトリル−p−フェニレンジアミン(DTPD)、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン(TMQ)、N,N’−ビス−(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン(77PD)、
b)活性化剤、例えば酸化亜鉛および脂肪酸(例えばステアリン酸)、
c)ワックス、
d)樹脂、とりわけ粘着性付与樹脂、
e)2,2’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィド(DBD)などの素練り助剤、ならびに
f)加工助剤、例えば脂肪酸塩、例えば亜鉛石鹸、ならびに脂肪酸エステルおよびそれらの誘導体
が含まれる。
【0065】
本発明のゴム混合物がタイヤの内部構成要素または存在する強化要素と直接接触する工業用ゴム物品のために使用される場合に特に、多くの場合粘着性付与樹脂の形態での、好適な接合システムが一般にまた、ゴム混合物に添加される。
【0066】
さらなる添加剤の総量の割合は、3〜150phr、好ましくは3〜100phr、より好ましくは5〜80phrである。
【0067】
総割合のさらなる添加剤は、0.1〜10phr、好ましくは0.2〜8phr、より好ましくは0.2〜4phrの酸化亜鉛(ZnO)を含む。
【0068】
これは、当業者に公知の任意のタイプの酸化亜鉛、例えばZnOペレットまたは粉末であってもよい。従来使用されている酸化亜鉛は一般に、10m
2/g未満のBET表面積を有する。しかしながら、10〜60m
2/gのBET表面積を有するナノ酸化亜鉛と呼ばれるものを使用することもまた可能である。
【0069】
加硫は任意選択的に、いくつかの加硫促進剤が同時に硫黄供与体として機能することができる状態で、硫黄および/または硫黄供与体の存在下でおよび加硫促進剤の助けを借りて実施される。
【0070】
硫黄および/またはさらなる硫黄供与体ならびにまた1つ以上の加硫促進剤は、最後の混合工程において通常の量でゴム混合物に添加される。加硫促進剤は、チアゾール加硫促進剤、メルカプト加硫促進剤および/またはスルフェンアミド加硫促進剤、チオカルバメート加硫促進剤、チウラム加硫促進剤、チオホスフェート加硫促進剤、チオウレア加硫促進剤、キサントゲネート加硫促進剤ならびにグアニジン加硫促進剤からなる群から選択される。
【0071】
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(DCBS)、ベンゾチアジル−2−スルフェノモルホリド(MBS)およびN−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(TBBS)からなる群から選択される少なくとも1つのスルフェンアミド加硫促進剤、ならびに/またはグアニジン加硫促進剤、例えばジフェニルグアニジン(DPG)を使用することが好ましい。
【0072】
使用される硫黄供与体物質は、当業者に公知の任意の硫黄供与体物質であってもよい。ゴム混合物が硫黄供与体物質を含む場合、それは好ましくは、例えば、チウラムジスルフィド、例えばテトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド(TESPT)、チウラムテトラスルフィド、例えばジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)、ジチオホスフェート、例えばDipDis(ビス(ジイソプロピル)チオホスホリルジスルフィド)、ビス(O,O−2−エチルヘキシルチオホスホリル)ポリスルフィド(例えばRhenocure SDT 50(登録商標)、Rheinchemie GmbH)、亜鉛ジクロリルジチオホスフェート(例えばRhenocure ZDT/S(登録商標)、Rheinchemie GmbH)、亜鉛アルキルジチオホスフェート、1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン、ジアリールポリスルフィドおよびジアルキルポリスルフィドからなる群から選択される。
【0073】
例えば、Vulkuren(登録商標)、Duralink(登録商標)もしくはPerkalink(登録商標)商品名で得られるようなさらなる網状構造形成システム、または国際公開第2010/049216 A2号パンフレットに記載されているような網状構造形成システムもまた、ゴム混合物において使用することができる。このシステムは、4超の官能価で架橋する加硫剤と少なくとも1つの加硫促進剤とを含有する。
【0074】
加えて、加硫抑制剤がゴム混合物中に存在してもよい。
【0075】
本発明による硫黄架橋性ゴム混合物は、最初に、1つ以上の混合段階において、加硫システム(硫黄および加硫に影響を及ぼす物質)を除いて全ての成分を含む予備混合物が製造されるゴム業界において通常の方法によって製造される。最終混合物は、最終混合段階において加硫システムを添加することによって製造される。最終混合物は、例えば、押出操作によってさらに処理され、適切な形状に変換される。これに、本発明との関連で添加された加硫システムのおかげで硫黄架橋が起こる、加硫によるさらなる処理が続く。
【0076】
ゴム混合物は、蛇腹、コンベヤーベルト、エアスプリング、コード、ベルト、ホースまたは履物底などの、多種多様な異なるゴム物品のために使用され得る。
【0077】
しかしながら、ゴム混合物は好ましくは、工業および建設現場車両、トラック、自動車および二輪車用タイヤなどの、空気車両用タイヤおよび全ゴムタイヤを意味すると理解される、車両用タイヤに用途を見いだす。
【0078】
本発明のゴム混合物は、車両用タイヤ、とりわけ空気車両用タイヤの異なる構成要素に使用され得る。これは、例えば、側壁、フランジプロフィルおよび内部タイヤ構成要素であってもよい。しかしながら、運転表面と接触する車両用タイヤのトレッド部用に本ゴム混合物を使用することが好ましい。これは、ウェットグリップ特性を損なうことなく、改善された冬季特性および/または摩耗特性および/または転がり抵抗特性を特徴とするタイヤを提供する。
【0079】
トレッドは、本ゴム混合物から完全にまたは部分的にのみなってもよい。例えば、トレッドは、キャップのみまたは基部のみが請求項1に記載のゴム混合物からなってもよい、キャップ/基部構造を有してもよい。本発明との関連で、「キャップ」は、外側上に放射状に配列されている、道路と接触するトレッド部を意味すると理解される(上方トレッド部またはトレッドキャップ)。本発明との関連で、「基部」は、内側上に放射状に配列されたトレッド部を意味すると理解され、それ故に、運転操作において道路と接触しないか、またはタイヤ寿命の終わりにのみ接触する(下方トレッド部またはトレッド基部)。
【0080】
本発明のゴム混合物はさらにまた、お互いにおよび/または別のもの(多成分トレッド)の最上部上の1つに並行して配置された様々なトレッド混合物からなるトレッドにも好適である。
【0081】
車両用タイヤの製造において、本混合物は、所望の構成要素の形状で押し出され、公知の方法によってタイヤブランクに適用される。構成要素が、ゴム混合物の狭いストリップの巻き取りによって製造されることもまた可能である。その後、タイヤは、標準条件下で加硫される。
【0082】
本発明はこれから、比較例および実施例によって詳細に例示される。
【実施例】
【0083】
ゴムブレンドの製造
1,3−ブタジエンとスチレンとの共重合(ジエンポリマーA)
共重合は、有機溶媒、モノマー、極性コーディネーター化合物、開始剤化合物および他の成分の添加前に窒素でパージされたジャケット付き40Lスチール反応器で行った。次の成分:シクロヘキサン溶媒(18,560g)、ブタジエンモノマー(1777g)、スチレンモノマー(448g)およびテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA、1.0g)を明記される順に添加し、混合物を40℃に加熱し、これに、痕跡の水分または他の不純物を除去するためのn−ブチルリチウムでの滴定が続いた。n−BuLi(14.08ミリモル)を重合反応器に添加して重合反応を開始した。重合を20分間行い、その過程で重合温度を70℃超に上昇させなかった。次に、モノマーとしてのブタジエン(1202g)およびスチレン(91g)を55分にわたって添加した。重合をさらなる20分間行い、これに、63gのブタジエンモノマーの添加が続いた。20分後に、重合を、官能化のためのヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)(開始剤を基準として0.5当量)を添加することによって停止した。得られたポリマーは、シロキサン基官能化されている。総モノマー重量を基準として、0.25重量%のIRGANOX(登録商標)1520、BASFを安定剤としてポリマー溶液に添加した。この混合物を10分間攪拌した。
【0084】
非官能化ポリマーA−1の調製のためには、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)よりはむしろ、メタノールの添加によって重合を終わらせた。
【0085】
1,3−ブタジエンとスチレンとの共重合(低分子量のポリマーB)
共重合は、有機溶媒、モノマー、極性コーディネーター化合物、開始剤化合物および他の成分の添加前に窒素でパージされたジャケット付き5Lスチール反応器で行った。次の成分:シクロヘキサン溶媒(3000g)、テトラヒドロフラン(45g)、ブタジエンモノマー(375g)、スチレンモノマー(125g)を明記される順に添加し、混合物を25℃に加熱し、これに、痕跡の水分または他の不純物を除去するためのn−ブチルリチウムでの滴定が続いた。n−BuLi(5.6g)を重合反応器に添加して重合反応を開始した。重合を15分間行い、その過程で重合温度を70℃超に上昇させなかった。15分後に、重合を、官能化のためのヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)(開始剤を基準として0.5当量)を添加することによって停止した。得られたポリマーは、シロキサン基官能化されている。総モノマー重量を基準として、0.25重量%のIRGANOX(登録商標)1520、BASFを安定剤としてポリマー溶液に添加した。この混合物を10分間攪拌した。
【0086】
非官能化比較ポリマーB−1の調製のためには、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)よりはむしろ、メタノールの添加によって重合を終わらせた。
【0087】
1,3−ブタジエンとスチレンとの共重合(ジエンポリマーC)
共重合は、有機溶媒、モノマー、極性コーディネーター化合物、開始剤化合物および他の成分の添加前に窒素でパージされたジャケット付き40Lスチール反応器で行った。次の成分:シクロヘキサン溶媒(18,560g)、ブタジエンモノマー(1412g)、スチレンモノマー(507g)およびテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA、7.8g)を明記される順に添加し、混合物を40℃に加熱し、これに、痕跡の水分または他の不純物を除去するためのn−ブチルリチウムでの滴定が続いた。n−BuLi(8.32ミリモル)を重合反応器に添加して重合反応を開始した。重合を20分間行い、その過程で重合温度を70℃超に上昇させなかった。次に、モノマーとしてのブタジエン(955g)およびスチレン(103g)を55分にわたって添加した。重合をさらなる20分間行い、これに、50gのブタジエンモノマーの添加が続いた。20分後に、ポリマーを、3−tert−ブチルジメチルシリルチオプロピルジメトキシメチルシラン[(MeO)
2(Me)Si−(CH
2)
3−S−SiMe
2C(Me)
3](開始剤を基準として0.97当量)の添加によって官能化した。さらなる20分後に、重合を、メタノールを添加することによって終わらせた。得られたポリマーは、シランスルフィド基官能化されている。総モノマー重量を基準として、0.25重量%のIRGANOX(登録商標)1520、BASFを安定剤としてポリマー溶液に添加した。この混合物を10分間攪拌した。
【0088】
1,3−ブタジエンの重合(低分子量のポリマーD−1およびD−2)
共重合は、有機溶媒、モノマー、極性コーディネーター化合物、開始剤化合物および他の成分の添加前に窒素でパージされたジャケット付き5Lスチール反応器で行った。次の成分:シクロヘキサン溶媒(3000g)、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン(1.05g)、ブタジエンモノマー(409g)を明記される順に添加し、混合物を40℃に加熱し、これに、痕跡の水分または他の不純物を除去するためのn−ブチルリチウムでの滴定が続いた。n−BuLi(5.2g)を重合反応器に添加して重合反応を開始した。重合を15分間行い、その過程で重合温度を70℃超に上昇させなかった。15分後に、ポリマーを、官能化のための3−tert−ブチルジメチルシリルチオプロピルメトキシジメチルシラン(開始剤を基準として0.97当量)を添加することによって停止した。60分後に、残っているリビングポリマー鎖をメタノールの添加によって停止させた。得られたポリマーは、シランスルフィド基官能化されている。総モノマー重量を基準として、0.25重量%のIRGANOX(登録商標)1520、BASFを安定剤としてポリマー溶液に添加した。この混合物を10分間攪拌した。
【0089】
非官能化ポリマーD−1の調製のためには、3−tert−ブチルジメチルシリルチオプロピルメトキシジメチルシラン[(MeO)(Me)
2Si−(CH
2)
3−S−SiMe
2C(Me)
3]よりはむしろ、メタノールの添加によって重合を終わらせた。
【0090】
1,3−ブタジエンとスチレンとの共重合(低分子量のポリマーD−3およびD−4)
共重合は、有機溶媒、モノマー、極性コーディネーター化合物、開始剤化合物および他の成分の添加前に窒素でパージされたジャケット付き5Lスチール反応器で行った。次の成分:シクロヘキサン溶媒(3000g)、テトラヒドロフラン(45g)、ブタジエンモノマー(400g)、スチレンモノマー(100g)を明記される順に添加し、混合物を25℃に加熱し、これに、痕跡の水分または他の不純物を除去するためのn−ブチルリチウムでの滴定が続いた。n−BuLi(5.7g)を重合反応器に添加して重合反応を開始した。重合を15分間行い、その過程で重合温度を70℃超に上昇させなかった。15分後に、ポリマーを、官能化のための3−tert−ブチルジメチルシリルチオプロピルメトキシジメチルシラン(開始剤を基準として0.97当量)を添加することによって停止した。60分後に、残っているリビングポリマー鎖をメタノールの添加によって停止させた。得られたポリマーは、シランスルフィド基官能化されている。総モノマー重量を基準として、0.25重量%のIRGANOX(登録商標)1520、BASFを安定剤としてポリマー溶液に添加した。この混合物を10分間攪拌した。
【0091】
非官能化ポリマーD−3の調製のためには、3−tert−ブチルジメチルシリルチオプロピルメトキシジメチルシラン[(MeO)(Me)
2Si−(CH
2)
3−S−SiMe
2C(Me)
3]よりはむしろ、メタノールの添加によって重合を終わらせた。
【0092】
表1は、ポリマーA〜Dについての分析データをリストアップする。
【0093】
【表1】
【0094】
ジエンポリマーAまたはA−1およびポリマーBまたはB−1の2.149混合物のポリマー溶液を、様々な組み合わせで組み合わせた。これに、溶媒および他の揮発性物質を除去するためにスチームでのストリッピング、および30分間の70℃のオーブン中での、次にさらに3日間の室温での乾燥が続いた。このようにして得られたゴムブレンドは、100部のジエンポリマーAまたはA−1を基準として、そして30部(phr)のポリマーBまたはB−1を含有した。
【0095】
純ポリマーA/BまたはA−1/B−1の調製のためには、ポリマー溶液を、これらの成分の調製のための混合物から直接に、すなわち、いかなる他のポリマー溶液との組み合わせなしにワーク−アップした。
【0096】
表2aは、製造された様々なブレンドについての呼称をリストアップする。Eは、本発明のブレンドを、Vは、相当する比較ブレンドを特定する。加えて、表2aは、分析索引としてのMU(ムーニー単位)でのそれぞれのブレンドのムーニー粘度をリストアップする。
【0097】
【表2a】
【0098】
存在するポリマーC対存在するポリマーD−1/D−2/D−3/D−4に基づく重量比が100:20であるような割合のジエンポリマーCのポリマー溶液と、同割合のポリマーD−1/D−2/D−3/D−4の混合物のポリマー溶液とを同様に組み合わせた。これに、溶媒および他の揮発性物質を除去するためにスチームでのストリッピング、および30分間の70℃のオーブン中での、次にさらに3日間の室温での乾燥が続いた。このようにして得られたゴムブレンドは、100部のジエンポリマーCを基準として、各場合に20部(phr)のポリマーD−1/D−2/D−3/D−4を含有した。
【0099】
表2bは、製造されたこれらの様々なブレンドについての呼称をリストアップする。ここでもまた、Eは、本発明のブレンドを特定する。加えて、表2bは、分析索引としてのMU(ムーニー単位)でのそれぞれのブレンドのムーニー粘度をリストアップする。
【0100】
【表2b】
【0101】
表2aのゴムブレンドを使用し、比較混合物V1〜V5のようにシランカップリング剤としてのTESPDを使って非官能化ポリマーA−1およびB−1から構成されるゴムブレンドVならびにゴムブレンドE−1〜E−3を使って表3のゴム混合物を生み出した。加えて、本発明のゴム混合物E1〜E3を、シランカップリング剤としてのブロックされたおよび/またはブロックされていないメルカプトシランと組み合わせてゴムブレンドE−1〜E−3を使って製造した。
【0102】
【表3】
【0103】
表4にまとめられた試験結果は、ContiWinterContact TS830プロフィルの195/65 R15サイズタイヤに関して確認された。このために、各場合にタイヤのトレッド用のゴム混合物を、表3に示される組成物と類似して製造した。全ての結果は、タイヤV1についての100%を基準とする相対評価として報告する。100%を越える値は、比較タイヤV1よりも優れており、改善を表す。
【0104】
ABSウェット制動特性は、ウェット運転表面上で80km/hからの制動距離によって測定した。
【0105】
ABSドライ制動特性は、ドライ運転表面上で100km/hからの制動距離によって測定した。
【0106】
転がり抵抗は、90km/hでの対応する機械で測定された転がり抵抗力に相当する。
【0107】
摩耗値は、10,000キロメートルについて運転後のタイヤの減量である。
【0108】
冬季特性を評価するために、スノー牽引力、すなわち、雪で覆われた運転表面上での加速走行における牽引力を確認する。
【0109】
【表4】
【0110】
表4は、シランカップリング剤としてのブロックされたおよび/またはブロックされていないメルカプトシランと組み合わせた特有のゴムブレンドの使用が、ウェットグリップ特性のいかなる悪化もなしに、転がり抵抗、冬季特性および摩耗に関して明確な改善を達成することを示す;E1〜E3を参照されたい。ドライ制動特性は、それによって実質的に影響を受けないままであるか、または同様にわずかに改善される。しかしながら、同様に理解できるように、これらの利点は、ゴムブレンドEの1つの成分が官能化されている場合にのみ現れる。本発明のゴムブレンドを含有する混合物は同様に、残りの混合物を上回って加工特性(+=非常に良好な、o=良好な、−=困難な)において利点を有する。
【0111】
加えて、表2bのゴムブレンドを使用して表5のゴム混合物を生み出した。官能化SBR入り混合物をまた、混合物V6、V7、V13およびV14の形態で比較混合物として導入した。V7およびV13では、液体SBRを混合物の製造において添加する。混合物V6〜V11は、シランカップリング剤としてTESPDを含有し、そして一方、混合物V12、V13およびE4〜E7は、シランカップリング剤としてメルカプトシランを含む。混合物は、接線実験室ミキサーでベース混合物およびその後完成混合物の製造の標準条件下に製造した。全ての混合物を使用して160℃で圧力下の最適加硫によって試験検体を製造し、これらの試験検体を使用して次の試験方法によってゴム業界に典型的な材料特性を測定した。
・ DIN ISO 7619−1に合わせたデュロメーターによる室温および70℃でのショア(Shore)A硬度
・ DIN 53 512に合わせた室温および70℃での回復力(Resil.)
・ 膨張振幅±0.2%および10Hzの振動数で10%の予備圧縮で、DIN 53 513に合わせた動的機械測定からの0℃および70℃での損失係数tan δ(温度掃引)
・ DIN 53 516または新DIN/ISO 4649に合わせた室温での摩耗
【0112】
【表5】
【0113】
表5にリストアップされた結果は、ウェットグリップ特性が、特有のゴムブレンドと組み合わせてブロックされたおよび/またはブロックされていないメルカプトシランとのシランカップリング剤としてのTESPDの交換に関して同じレベルのままであることを示す。ここで用いられる指標は、実質的に一定のままである、室温での回復力である。これは、転がり抵抗(指標:70℃での回復力または70℃での損失係数tan δ)にプラスの影響を及ぼす。これは、一定のまたはわずかに改善されたさえの摩耗特性と一緒に生じる。表5のデータはまた、表4に示された利点を反映している。