(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記金属間化合物結晶の組成が、Sn99〜60質量%、Cu0.1〜35質量%、Ni6.5〜0.1質量%、Ge0.001〜0.1質量%、であることを特徴とする請求項1に記載の接合材用金属粒子。
【背景技術】
【0002】
IoT(Internet of Things)の進展や、一層の省エネルギーが求められる中で、その技術の核心を担うパワー半導体の重要性が益々高まっている。しかしながら、その活用には多くの課題がある。パワー半導体は、高電圧、大電流の大きな電力を扱うことと超高速伝送から、多くの熱を発して高温となる。現行のSiパワー半導体に求められる耐熱性は約175℃程度への対応であるが、約200℃の温度に耐えるSiパワー半導体の開発が進められており、また、SiCやGaNのような次世代のパワー半導体は高速通信伝送にはデバイスの表裏面に金を使用し伝送特性を維持し、極高温耐熱性250〜500℃に耐えることが要求される。
【0003】
一方、接合材に関して言えば、上述のようなSiCやGaNのような次世代のパワー半導体に求められる高い耐熱性を有する接合材は存在しない。
例えば、特許文献1に開示されているSnAgCu系接合材(粉末はんだ材料)では、約125℃程度に対応したパワー半導体に適用可能であるに過ぎず、次世代のパワー半導体に適用することができない。
【0004】
一方、本出願人は特許文献2において、外殻と、コア部とからなり、前記コア部は、金属又は合金を含み、前記外殻は、金属間化合物の網目状から成り、前記コア部を覆っており、前記コア部は、Sn又はSn合金を含み、前記外殻は、SnとCuとの金属間化合物を含む、金属粒子を提案している。この金属粒子により形成された接合部は、長時間にわたって高温動作状態が継続した場合でも、また、高温動作状態から低温停止状態へと大きな温度変動を伴うなど、過酷な環境下で使用された場合でも、長期にわたって高い耐熱性、接合強度及び機械的強度を維持することができる。
しかし、金属間化合物は脆いという弱点があり、この問題点を解決すれば、更に高い耐熱性、接合強度及び機械的強度を有する接合材を提供できることになる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
先に、本明細書における用語法は、特に説明がない場合であっても、以下による。
(1)金属というときは、金属元素単体のみならず、複数の金属元素を含む合金、金属間化合物を含むことがある。
(2)ある単体の金属元素に言及する場合、完全に純粋に当該金属元素のみからなる物質だけを意味するものではなく、微かな他の物質を含む場合もあわせて意味する。すなわち、当該金属元素の性質にほとんど影響を与えない微量の不純物を含むものを除外する意味ではないことは勿論、たとえば、母相という場合、Snの結晶中の原子の一部が他の元素(たとえば、Cu)に置き換わっているものを除外する意味ではない。例えば、前記他の物質または他の元素は、金属粒子中、0〜0.1質量%含まれる場合がある。
(3)エンドタキシャル接合とは、金属・合金となる物質中(本発明ではSnおよびSn−Cu合金を含む母相)に金属間化合物が析出し、この析出の最中にSn−Cu合金と金属間化合物とが結晶格子レベルで接合し、結晶粒を構成することを意味している。エンドタキシャルという用語は公知であり、例えばNature Chemisry 3(2): 160-6、2011年の160頁左欄最終パラグラフに記載がある。
【0012】
本発明の金属粒子は、SnおよびSn−Cu合金を含む母相中に、Sn、Cu、NiおよびGeを含む金属間化合物を有することを特徴とする。
【0013】
図1は、本発明の金属粒子をFIB(集束イオンビーム)で薄くカッティングした断面のSTEM像である。
図1で示される金属粒子の粒子径は、およそ5μmであるが、本発明の金属粒子の粒子径は、例えば好適には1μm〜50μmの範囲である。
図1の金属粒子を参照すると、該金属粒子は、SnおよびSn−Cu合金を含む母相140中に、Sn、Cu、NiおよびGeを含む金属間化合物120を有している。
【0014】
本発明の金属粒子は、例えばCuが0.7〜15質量%、Niが0.1〜5質量%、Geが0.001〜0.1質量%、残部がSnであり、好ましくは、Cuが4〜15質量%、Niが0.1〜1質量%、Geが0.001〜0.01質量%、残部がSnである。
【0015】
本発明の金属粒子は、例えば8質量%Cu、1質量%Ni、0.001質量%Geおよび残部がSnからなる組成の原材料から製造することができる。例えば、該現原材料を溶融し、これを窒素ガス雰囲気中で高速回転する皿形ディスク上に供給し、遠心力により該溶融金属を小滴として飛散させ、減圧下で冷却固化させることにより得られる。
【0016】
本発明の金属粒子の製造に好適な製造装置の一例を
図2を参照して説明する。粒状化室1は上部が円筒状、下部がコーン状になっており、上部に蓋2を有する。蓋2の中心部には垂直にノズル3が挿入され、ノズル3の直下には皿形回転ディスク4が設けられている。符号5は皿形回転ディスク4を上下に移動可能に支持する機構である。また粒状化室1のコーン部分の下端には生成した粒子の排出管6が接続されている。ノズル3の上部は粒状化する金属を溶融する電気炉(高周波炉:従来はセラミックるつぼを使用したが、本発明ではGe添加用としてカーボンるつぼを使用している)7に接続されている。混合ガスタンク8で所定の成分に調整された雰囲気ガスは配管9及び配管10により粒状化室1内部及び電気炉7上部にそれぞれ供給される。粒状化室1内の圧力は弁11及び排気装置12、電気炉7内の圧力は弁13及び排気装置14によりそれぞれ制御される。ノズル3から皿形回転ディスク4上に供給された溶融金属は皿形回転ディスク4による遠心力で微細な液滴状になって飛散し、減圧下で冷却されて固体粒子になる。生成した固体粒子は排出管6から自動フィルター15に供給され分別される。符号16は微粒子回収装置である。
【0017】
溶融金属を高温溶解から冷却固化させる過程は、本発明の金属粒子を形成するために重要である。
例えば次のような条件が挙げられる。
溶解炉7における金属の溶融温度を600℃〜800℃に設定し、その温度を保持したまま、ノズル3から皿型回転ディスク4上に溶融金属を供給する。
皿形回転ディスク4として、内径35mm、回転体厚さ5mmの皿形ディスクを用い、毎分8万〜10万回転とする。
粒状化室1として、9×10
-2Pa程度まで減圧する性能を有する真空槽を使用して減圧した上で、15〜50℃の窒素ガスを供給しつつ排気を同時に行って、粒状化室1内の気圧を1×10
−1Pa以下とする。
【0018】
また、本発明の金属粒子における金属間化合物結晶の組成は、Sn99〜60質量%、Cu0.1〜35質量%、Ni6.5〜0.1質量%、Ge0.001〜0.1質量%、であることが好ましく、Sn、Cu、Ni、Geの原子数の比として、例えばSn40〜70、Cu30〜50、Ni4〜9.5、Ge0.01〜0.001であるのが好ましい。
また、本発明の金属粒子における金属間化合物の割合は、金属粒子全体に対し、例えば20〜60質量%であり、30〜40質量%が好ましい。
前記金属間化合物の組成および割合は、前記金属粒子の製造条件に従うことにより満たすことができる。
【0019】
本発明の金属粒子は、前記母相および前記金属間化合物の少なくとも1部が、エンドタキシャル接合してなることが好ましい。上述のように、エンドタキシャル接合とは、金属・合金となる物質中(本発明ではSnおよびSn−Cu合金を含む母相)に金属間化合物が析出し、この析出の最中にSn−Cu合金と金属間化合物とが結晶格子レベルで接合し、結晶粒を構成するものである。エンドタキシャル接合の形成により、金属間化合物の脆さの課題を解決できるとともに、下記で説明するSnの結晶構造の変化による機械的強度の低下も抑制でき、更に高い耐熱性、接合強度及び機械的強度を有する接合材を提供できる。なお、本発明の金属粒子を用いて形成された接合部は、金属粒子のエンドタキシャル接合が維持されることを本発明者らは確認している。
本発明の金属粒子のエンドタキシャル接合は、本発明の金属粒子を形成するための、溶融金属を高温溶解から冷却固化させる条件にしたがって形成することができる。
【0020】
Snの結晶構造は、約13℃〜約160℃の温度領域では正方晶(なお、正方晶の結晶構造を有するSnをβ−Snという。)であり、これより低い温度領域になると立方晶(なお、立方晶の結晶構造を有するSnをα−Snという。)に結晶構造が変化する。また、β−Snの結晶構造は、約160℃を超える温度領域で高温相結晶の斜方晶に変化する(なお、斜方晶の結晶構造を有するSnをγ−Snという。)。そして、とりわけ正方晶のβ−Snと立方晶のα−Snの間の相転移時には、大きな体積変化が生じることが一般的に知られている。
本発明の金属粒子は、約160℃以下でも(たとえば、常温でも)高温相結晶を含有している。たとえば、この金属粒子を含む接合材を接合工程で加熱する際に、当該接合材を完全には溶融させない半溶融状態とし、金属間化合物と母相とのエンドタキシャル接合を含む状態とすれば、冷却後の160℃以下の温度領域でも高温相結晶を含む状態を維持する。そして、かかる高温相結晶は、ある程度まで温度を下げても、正方晶の低温相結晶β−Snへの相転移を起こしにくく、正方晶のβ−Snに相転移しないままのSnについては、α−Snへの相転移が生じず、温度の低下によるα−Snへの相転移に伴う大きな体積変化が生じない。したがって、160℃以下の温度領域でも(たとえば、常温でも)高温相結晶を有するSnを含む接合材は、Snを組成に含む他の接合材(すなわち、160℃以下の温度領域でも高温結晶相を意図的には含ませていないもの)よりも、温度変化による体積変化が低減される。
また、電子部品には、Cu、Ag、Au、Niその他さまざまな金属が用いられるが、Snは、これらのさまざまな金属と良好に接合する。
したがって、本発明の金属粒子は、幅広い温度領域で(たとえば、常温でも)高温相結晶相を含有し、正方晶の低温相β−Snが生じることを出来る限り回避することによって、温度変化による正方晶のβ−Snから立方晶のα−Snへの相転移に伴う大きな体積変化を起こしにくいという性質を有し、かつ、電子部品に用いられるさまざまな金属とも良好に接合するため、とりわけ微細な接合箇所の接合材料に有用である。
【0021】
上記Snの結晶構造の変化の抑制による効果は、金属粒子中のエンドタキシャル接合によって良好に奏される。
【0022】
本発明の金属粒子は、シート状あるいはペースト状に加工し、これを接合対象物に接した状態で160℃〜180℃を3分以上保持し235℃〜265℃で溶融させた上で固化させることにより、良好な接合を形成することができる。
本発明の金属粒子を材料に含むシートは、当該金属粒子を、例えば、以下のようにローラーで圧接することによって得ることができる。すなわち、対向する向きに回転する一対の圧接ローラーの間に、本発明の金属粒子を供給し、圧接ローラーから金属粒子に約100℃から150℃程度の熱を加えて、金属粒子を圧接することによりシートが得られる。
また例えば、Snより導電性が高いCu、Ni合金粒子、水素化Ti粉末と、本発明の金属粒子(IMC粒子)とを組み合わせると、導電性がよく、かつ、比較的幅広い温度領域で体積変化が抑制されることからセラミック等の異質接合材シートを作ることができ、放熱機能を有する接合材として機能する機材を得ることもできる。
【0023】
また、本発明の金属粒子を有機ビヒクル中に混在させて、導電性ペーストを得ることもできる。
【0024】
なお、前記シートまたは前記導電性ペーストは、SnAgCu系合金粒子、Cu、Cu合金粒子、Ni、Ni合金粒子またはこれらの混合物のような他の粒子を加え、金属粒子との混合物としてもよい。これら他の粒子は、必要に応じてSiのような金属でコートされていてもよい。
例えば、Snより導電性が高いCuやNi合金粒子と金属粒子とを組み合わせると、導電性がよく、かつ、比較的幅広い温度領域で体積変化が抑制された金属接合層が得られる。
【実施例】
【0025】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されない。
【0026】
実施例1
原材料として8質量%Cu、1質量%Ni、0.001質量%Geおよび残部がSnからなる組成の原材料を用い、
図2に示す製造装置により、直径約3〜13μmの金属粒子を製造した。
その際、以下の条件を採用した。
溶解炉7に溶融るつぼを設置し、その中に上記原材料を入れ、650℃で溶融し、その温度を保持したまま、ノズル3から皿型回転ディスク4上に溶融金属を供給した。
皿形回転ディスク4として、直径35mm、回転盤厚さ5〜3mmの皿形ディスクを用い、毎分8万〜10万回転とした。
粒状化室1として、9×10
-2Pa程度まで減圧する性能を有する真空槽を使用して減圧した上で、15〜50℃の窒素ガスを供給しつつ排気を同時に行って、粒状化室1内の気圧を1×10
−1Pa以下とした。
【0027】
得られた金属粒子は、前記
図1に示すような断面を有しており、金属粒子断面のEDSによる元素マッピング分析を行ったところ、Cuが10.24質量%、Niが0.99質量%、Geが0.001質量%、残部Snであることが判明した。
【0028】
また、金属粒子1における金属間化合物は、金属粒子中、30〜35質量%を占めていた。
【0029】
図3は、金属粒子1の実施例1で得られた金属粒子断面のSTEM像および部分分析結果である。
図3上段を参照すると、SnおよびSn−Cu合金を含む母相140中に、Sn、Cu、NiおよびGeからなる金属間化合物120が存在していることが分かる。また、母相140と金属間化合物120との間で、格子定数(および結晶方位)が揃い(
図3では0.3nm)、それぞれの結晶が、連続的に結晶格子レベルで接合していることが確認された。すなわち、
図3上段によれば、格子の接合が実現していることからエンドタキシャル接合であることが確認され、なおかつ、
図3下段の母相140と金属間化合物120の界面の透過型電子回折パターンによれば、その結晶間にはバッファー層がないことも確認された。
【0030】
なお本発明の金属粒子において、エンドタキシャル接合は、母相と金属間化合物との接合面の全体を100%としたとき、30%以上が好ましく、60%以上がさらに好ましい。前記エンドタキシャル接合の割合は、例えば次のようにして算出できる。
前記
図1で示すような金属粒子の断面を電子顕微鏡写真撮影し、金属間化合物とSn−Cu合金との接合面を任意に50か所サンプリングする。続いて、その接合面を画像解析し、
図3で示すようなエンドタキシャル接合が、サンプリングした接合面に対してどの程度存在するのかを調べる。
【0031】
また
図3から、本実施例の金属粒子におけるSnの少なくとも一部が、常温下でも高温相結晶を含有していることが分かった。
【0032】
次に、金属粒子1を乾粉圧接してシートを作成し、当該シートを金電極と銅基板との接合に用い、260℃の高温保持試験(HTS)を行ったところ、試験開始時から約100時間までは、シェア強度が約50MPaから約60MPaまで上昇し、100時間超の時間領域では、ほぼ60MPaで安定するという試験結果が得られた。
また、(-40〜200℃)の冷熱サイクル試験(TCT)では、全サイクル(1000サイクル)に渡って、シェア強度が約50MPaで安定するという試験結果が得られた。
【0033】
実施例2
8質量%Cu、3質量%Ni、0.1質量%Geおよび残部がSnからなる組成の原材料を用いて、実施例1と同様に金属粒子2を製造した。
次に、金属粒子2を70質量部と、90質量%Cu・10質量%Ni合金粉末30質量部とを均一に混合し、乾粉圧接してシートを作成した(50μm厚)。当該シートを銅基板とシリコン素子の接合に用い、260℃の高温保持試験(HTS)を行ったところ、試験開始時から約100時間までは、シェア強度が約60MPaから約70MPaまで上昇し、100時間超の時間領域では、ほぼ60MPaで安定するという試験結果が得られた。
また、(-40〜200℃)の冷熱サイクル試験(TCT)では、全サイクル(1000サイクル)に渡って、シェア強度が約50MPaで安定するという試験結果が得られた。
【0034】
比較例1
なお、比較例として、従来のSnAgCu系接合材(粒径5μmの粉末はんだ材料)を用い、実施例1の(-40〜200℃)の冷熱サイクル試験(TCT)を行ったところ、100サイクルももたずに接合部崩壊してしまい、本発明の金属粒子のような耐熱性および強度を到底得ることができなかった。
本発明者らの検討により、従来のSnAgCu系接合材は、金属間化合物が存在せず、単一金属の元素が分散していることが確認された。また金属母相のSn−Cu合金が高温相の結晶構造をもたないことも確認された。
【0035】
図4は、実施例1で得られた金属粒子1(IMC)または比較例1のSnAgCu系接合材(SAC)を乾粉圧接してシートを作成し、これらシートを金電極と銅基板との接合部に用い、220℃に加熱した後の、金電極表面の光学顕微鏡像である。
また
図5は、実施例1で得られた金属粒子1(IMC)または比較例1のSnAgCu系接合材(SAC)を乾粉圧接してシートを作成し、これらシートを金電極と銅基板との接合部に用い、240℃に加熱した後の、金電極表面の光学顕微鏡像である。
図4および
図5の結果から、加熱温度220℃では、IMC、SACを使用した場合いずれも金電極表面に変化は見られなかったが、加熱温度240℃ではSACを使用した場合に金電極表面に激しいSn拡散現象が見られた。
図5においてIMCに変化は見られなかった。
【0036】
図6は実施例1で得られた金電極−銅基板の接合部を冷熱衝撃試験に供した後の、接合部断面の光学顕微鏡像である。
冷熱衝撃試験は、低温さらし温度が-40℃、高温さらし温度が175℃で50サイクル行った。
図6から、金電極−銅基板の接合部が崩壊されず、良好な接合状態が維持されていることが確認できる。
【0037】
図7は比較例1で得られた金電極−銅基板の接合部を冷熱衝撃試験に供した後の、接合部断面の光学顕微鏡像である。
冷熱衝撃試験は、低温さらし温度が-40℃、高温さらし温度が175℃で50サイクル行った。
図7から、冷熱衝撃試験50サイクル後であっても金電極−銅基板間の接合部が崩壊してしまったことが確認できる。
【0038】
図8は、
図1の金属粒子における、AES分析を行う箇所を示す図である。
図1における四角形で囲んだ部分が、
図8で拡大されている。また
図8のナンバリング部分に対し、AES分析が行われた。
また
図9は、上記ICP−AES分析結果を示す図である。なお
図9中、IMCとは、Sn、Cu、NiおよびGeを含む金属間化合物結晶を意味する。
【0039】
以上、添付図面を参照して本発明を詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、その基本的技術思想および教示に基づき、種々の変形例を想到できることは自明である。
【課題】極高温ないし極低温環境の過酷な温度変動に対しても、どのような接合部界面においても過剰なSn拡散現象を抑制し金属間化合物の脆さを克服できる優れた接合強度および機械的強度を維持できる金属粒子を提供する。
【解決手段】SnおよびSn−Cu合金を含む母相中に、Sn、Cu、NiおよびGeを含む金属間化合物結晶を有し、前記金属粒子の組成が、Cu0.7〜15質量%、Ni0.1〜5質量%、Ge0.001〜0.1質量%、残部がSnであり、前記母相の組成がSn95〜99.9質量%、Cu5質量%以下および不可避不純物0.1質量%以下であり、前記母相中に前記金属間化合物が包含されて存在する、粒子径が1μm〜50μmである金属粒子によって上記課題を解決した。