特許第6799768号(P6799768)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイリスオーヤマ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6799768-取付具及び照明装置 図000002
  • 特許6799768-取付具及び照明装置 図000003
  • 特許6799768-取付具及び照明装置 図000004
  • 特許6799768-取付具及び照明装置 図000005
  • 特許6799768-取付具及び照明装置 図000006
  • 特許6799768-取付具及び照明装置 図000007
  • 特許6799768-取付具及び照明装置 図000008
  • 特許6799768-取付具及び照明装置 図000009
  • 特許6799768-取付具及び照明装置 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6799768
(24)【登録日】2020年11月26日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】取付具及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 19/00 20060101AFI20201207BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20201207BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20201207BHJP
   F21V 29/75 20150101ALI20201207BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20201207BHJP
【FI】
   F21V19/00 211
   F21S2/00 230
   F21V29/503
   F21V29/75
   F21Y115:10 500
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-50369(P2016-50369)
(22)【出願日】2016年3月15日
(65)【公開番号】特開2017-168235(P2017-168235A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2019年2月8日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年3月8日に発行のカタログにて発表
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】昆田 昌三
(72)【発明者】
【氏名】和賀 博憲
【審査官】 大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0313181(US,A1)
【文献】 特開2010−182520(JP,A)
【文献】 特開2003−132731(JP,A)
【文献】 特開2012−009303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/00
F21S 2/00
F21V 29/503
F21V 29/75
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚に取り付けられる長尺状の照明装置を、当該棚に取り付けるための取付具であって、
前記棚の棚受けに対しての前記照明装置の取り付け位置が前記照明装置の長手方向に沿って変位可能となるように位置規制を行うための位置調整部と、
前記棚の棚受けに係止するように、基部と、前記照明装置の長手方向を基準とする前記基部の両端から同方向に折れ曲がって延びる第1の延出部及び第2の延出部と、を有する係止部と、
前記第2の延出部の延出端から前記第1の延出部に対して遠ざかる方向に延びる長尺の固定部と、を有し、
前記係止部は、
前記第1の延出部と前記第2の延出部との間に、前記照明装置の端に当接可能な第3の延出部を有し、
前記照明装置の端部に前記第3の延出部が当接したときが、前記第1の延出部と前記照明装置の端部との前記長手方向における距離が最小の取り付け状態となる、取付具。
【請求項2】
前記第1の延出部、第3の延出部、第2の延出部、の順で延出長さが長い、ことを特徴とする請求項1に記載の取付具。
【請求項3】
外側筺体が樹脂で形成された棚に取付けられる照明装置であって、請求項1又は請求項2に記載の取付具を備えた照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付具及び照明装置、特に、長尺状の照明装置を棚に取り付けるための取付具及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、棚に長尺状の照明装置を取り付けるための取付具が知られている。
【0003】
また、このような取付具としては、例えば、一対の柱状金属フレームにL字形状のアームの基部を固定するとともに、アームの上面間に棚板を固定した棚構造に長尺状の照明装置を取り付ける場合に使用するものが既に知られている(例えば、特許文献1参照)。この際、長尺状の照明装置は、棚板の下面側において一対のアームの間に跨るように配置し、照明装置の両端と一対のアームとを取付具により固定するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−050133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような取付具にあっては、長尺状の照明装置の長さに対して一対のアームの離間距離の方が長い場合、照明装置をガタ付きが発生しないように容易に取り付けることが困難であるという問題があった。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するために、棚に対して長尺な照明装置を容易に取り付けることができる取付具及び照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る取付具は、上記目的を達成のため、棚に取り付けられる長尺状の照明装置を、当該棚に取り付けるための取付具であって、棚の取り付け部位に照明装置の長手方向に沿って変位可能となるように位置規制を行うための位置調整部を有するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、照明装置の長手方向に沿う位置規制を行うための伸縮自在とする位置調整部を有することにより、棚に対して長尺な照明装置を容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施の形態に係る取付具を装着した照明装置の斜視図である。
図2】本発明の一実施の形態に係る取付具を含む照明装置の分解斜視図である。
図3】本発明の一実施の形態に係る取付具を装着した照明装置の要部の断面図を示し、(A)は照明装置の断面図、(B)はヒートシンクの断面図である。
図4】本発明の一実施の形態に係る取付具の周辺部分の照明装置を示し、(A)は左端側の要部の分解斜視図、(B)はカバーの断面図である。
図5】本発明の一実施の形態に係る取付具の周辺部分の照明装置の右端側の要部の分解斜視図である。
図6】本発明の一実施の形態に係る取付具の斜視図である。
図7】本発明の一実施の形態に係る取付具の正面図である。
図8】本発明の一実施の形態に係る取付具を幅広状態で装着した照明装置の要部の斜視図である。
図9】本発明の一実施の形態に係る取付具を幅狭状態で装着した照明装置の要部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の一実施形態に係る取付具について、図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の取付具における好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。また、以下に示す実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組み合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下に示す実施の形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0011】
図1及び図2に示すように、照明装置10は、全体として長尺状の矩形な外観を呈している。なお、以下の説明では、照明装置10を棚下(図示せず)に設置した場合における使用者側から見た場合を方向の基準とする。すなわち、長尺方向である長手方向は左右方向又は長さ方向とも称する場合がある。同様に、底面側は上下方向の下方、上面側は上下方向の上方とも称する場合がある。この上下方向を照明装置10の高さ方向とも称する場合がある。さらに、利用者側となる手前方向を前方、利用者側とは反対側となる奥行き方向を後方とも称する場合がある。また、この前後方向を照明装置10の幅方向又は短手方向とも称する場合がある。
【0012】
照明装置10は、ヒートシンク11と、ヒートシンク11の底面側に配置したLED基板12と、LED基板12を覆うようにヒートシンク11の底面側に装着する透光性カバー13と、ヒートシンク11の上面側を覆うカバー14と、を備える。これらヒートシンク11、LED基板12、透光性カバー13、カバー14は、LED基板12のを基準として長尺状であり、この長さによって照明装置10の全体としての長さを規定することができる。照明装置10は、長手方向に沿う一端側(右側)に電源ユニット15を収納する収納ユニット20を配置し、他端側(左側)にカバーユニット30を配置している。
【0013】
図3に示すように、ヒートシンク11は、幅方向に沿う断面において略クランク状に屈曲した金属(例えば、アルミ)の押し出し成型品である。ヒートシンク11は、LED基板12を底面側で支持する上面部11Aと、上面部11Aの後端縁から下向きに屈曲する隔壁部11Bと、隔壁部11Bの下端から後方に延びる底面部11Cと、を一体に有している。なお、ヒートシンク11は、長手方向に沿う押し出し成型品であるため、これら上面部11A、隔壁部11B、底面部11Cは、以下に示す各部位を含めて特に言及しない限り長手方向に沿って一体に延在しているものとする。
【0014】
上面部11Aは、平板状の支持面部111と、支持面部111の底面側前後に位置して長手方向に沿って延在する一対の保持溝部112と、支持面部111の先端縁に沿って上下に屈曲したモール部113と、支持面部111の後端寄りにおいて上方に向けて立ち上がる一対のレール部114と、モール部113の下端側を内向きに屈曲させたカバー上端保持溝部115と、を有する。
【0015】
支持面部111は、LED基板12よりも幅広であり、レール部114を放熱フィン兼用としてLED基板12からの熱を放熱する。なお、ヒートシンク11は、その全体として放熱機能を有している。
【0016】
保持溝部112は、互いに接近する方向に屈曲した断面L字形状とすることでLED基板12を落下防止状態で保持する。
【0017】
モール部113は、上述した放熱機能に加え、照明装置10の外観上の装飾の一部として利用することも可能となっている。したがって、モール部113には、例えば、少なくとも表面に銀幕塗装等の表面処理を施してもよい。
【0018】
レール部114は、後述するネジ16の雄ネジ部と螺合することができる。この際、レール部114は、適宜所定位置に雌ネジを形成してもよいし、ネジ16の螺合をさせた際に塑性変形によりネジ留め状態を許容するよう構成してもよい。なお、この場合には、一対のレール部114は、照明装置10の長手方向に沿う位置調整部として機能することも可能である。
【0019】
カバー上端保持溝部115は、一方の保持溝部112を利用して透光性カバー13の上端と係合し、透光性カバー13を保持する。
【0020】
隔壁部11Bは、支持面部111と透光性カバー13とで灯室17を形成する。隔壁部11Bは、奥側の保持溝部112から奥下に傾斜する傾斜壁部116と、傾斜壁部116の下端から下方に延びる縦壁部117と、を備える。
【0021】
傾斜壁部116は、LED基板12を配置した灯室17の内表面に、例えば、白色塗装や白色シート(図示せず)の貼り付けによって、LED基板12の下面に実装したLED素子12Aから出射した照明光束を前方下向きに反射する反射面を兼用する。なお、縦壁部117に関しても、角度が異なる以外は傾斜壁部116と実質的に同一の機能を有している。
【0022】
底面部11Cは、平面部118と、平面部118の先端寄りから縦壁部117の下端寄りとの間を接続するカバー下端保持溝部119と、平面部118の後端寄りから楔状に立ち上がる後カバー係合部120と、を備える。
【0023】
カバー下端保持溝部119は、平面部118の先端及び縦壁部117の下端と協働して透光性カバー13の下端(後端)と係合し、透光性カバー13の下端(後端)を保持する。
【0024】
LED基板12は、本実施の形態では、矩形の発光面を有する多数のLED素子12Aを一列以上で長手方向に沿って配置しており、例えば、その右端に位置するLED素子12Aを高電位側とし、その左端に位置するLED素子12Aを低電位側としている。したがって、その配線は、電源ユニット15から高電位側のLED素子12Aに電力が供給され、低電位側からアースされる。なお、配線コードは、例えば、支持面部111とカバー14との間の空間内、又は、隔壁部11Bと底面部11Cとカバー14とで形成される空間内、を利用して配策される。
【0025】
透光性カバー13は、例えば、白色透明の合成樹脂(例えば、PCやPMMA)から断面略L字形状に形成されている。透光性カバー13は、その両端を上端及び下端としてカバー上端保持溝部115及びカバー下端保持溝部119と係合する。これにより、透光性カバー13は、ヒートシンク11に保持される。なお、透光性カバー13は、その内面(灯室17側)及び外表面の少なくとも何れか一方に長手方向に延びる1条以上のリブ(図示せず)を形成し、レンズ機能を具備させることによって配光制御してもよい。なお、透光性カバー13は、その上端は後方から前方に折り返すように屈曲させており、その下端は後方上向きに階段状に屈曲させている。これにより、透光性カバー13は、外方(下方又は前方)からの外力に対してカバー上端保持溝部115及びカバー下端保持溝部119との係合状態を維持するとともに、長手方向へのスライドを許容しつつ下方への脱落を抑制するようになっている。
【0026】
カバー14は、合成樹脂(例えば、ABS)の一体成型により上面壁部14Aと背面壁部14Bとを備えている。本実施の形態において、カバー14は、その左端側にカバーユニット30を配置していることから、その分だけヒートシンク11よりも長手方向に短く形成されている。
【0027】
図4に示すように、上面壁部14Aは、底面側(内面側)に一対のレール部114を前後で挟む一対のリブ141と、上面側(表面側)にリブ141よりも前後方向に幅広な凹陥状のガイド溝142と、を一体に形成している。
【0028】
ガイド溝142の底面には、長手方向に沿う溝143と、ネジ16を挿通するネジ挿通孔144と、を形成している。
【0029】
背面壁部14Bは、その下端に後カバー係合部120と係合する係合部145を一体に有している。なお、係合部145は下方に向けて開放しているが、後カバー係合部120が楔状に屈曲していることから、単なる係合ではなく、嵌め込み(スライド)としてもよい。
【0030】
電源ユニット15は、商用電源等からの外部電力(又はバッテリ等からの内部電力)が供給され、必要に応じて整流・昇圧(又は降圧)等の電源制御を行ったうえでLED素子12Aを含む各種電子部品等に電力を供給する。
【0031】
図5に示すように、収納ユニット20は、上カバー21と、下前カバー22と、下後カバー23と、を備える。
【0032】
上カバー21は、カバー14と同様に、合成樹脂(例えば、ABS)の一体成型により上面壁部21Aと、背面壁部21Bと、内端壁21Cと、を備えている。
【0033】
上面壁部21Aは、上面側(表面側)にガイド溝142と同じ幅及び深さで連続する凹部211と、ネジ16を挿通するネジ挿通孔212と、を形成している。
【0034】
内端壁21Cは、例えば、ヒートシンク11及びカバー14の右側端部を保持するように所定の嵌合突起等を形成している。これにより、例えば、ヒートシンク11及びカバー14をガタ無く保持する。
【0035】
下前カバー22は、例えば、見掛け上において透光性カバー13と同一であり、ダミーの透光性カバー機能を有している。なお、本実施の形態においては、この下前カバー22と上カバー21との間に電源ユニット15を収納し、固定ネジ15Aを介して下前カバー22に電源ユニット15が固定される。この際、LED基板12に実装したLED素子12Aからの照明光は下前カバー22には漏れないようになっている。なお、下前カバー22は、透光性カバー13と同一でなく、遮光性カバーや装飾カバーとしてもよい。
【0036】
下後カバー23は、例えば、見掛け上においてヒートシンク11の底面部11C及びカバー14の背面壁部14Bの一部の機能を有している。なお、材質はヒートシンク11と同じである必要はない。
【0037】
カバーユニット30は、上カバー31と、背面カバー32と、端部カバー33と、を有する。
【0038】
上カバー31は、カバー14と同様に、合成樹脂(例えば、ABS)の一体成型により上面壁部31Aを備えている。この上面壁部31Aは、上面側(表面側)にガイド溝142と同じ幅及び深さで連続する凹部311と、ネジ16を挿通するネジ挿通孔312と、を形成している。なお、上カバー31の下方空間には、他の照明装置を接続する場合の電力供給用コネクタ(図示せず)を配置することができる。この際、電力供給用コネクタから他の照明装置への配線(図示せず)は、端部カバー33に形成した導出孔33aから引き出される。
【0039】
背面カバー32は、上縁に上カバー31と係合する上係合部321と、下縁に後カバー係合部120と係合する下係合部322と、を一体に形成している。
【0040】
端部カバー33は、左端部の開放端を閉じる機能を有している。この際、上カバー31、背面カバー32、底面部11Cで構成する空間内には、別途他の照明装置1を連結する場合の電源ユニットを収納することも可能である。
【0041】
一方、照明装置1の左右両端部の上面には、照明装置1を棚(例えば、棚下等)に取り付けるための取付具40がネジ16を介して固定可能となっている。
【0042】
図6及び図7に示すように、取付具40は、長尺状の照明装置1を棚に取り付けるためのものであって、棚の取り付け部位に照明装置1の長手方向に沿って変位可能となるように位置規制を行うための位置調整部を有する。なお、詳細は後述するが、位置調整部は、照明装置1の天面に対応して設けている。具体的に位置調整部は、照明装置1の右端部にあっては、カバー14の上面壁部14Aと収納ユニット20の上カバー21と対応して設けている。また、位置調整部は、照明装置1の左端部にあっては、カバー14の上面壁部14Aとカバーユニット30の上カバー31とに対応して設けている。
【0043】
取付具40は、棚の棚受けDに係止する係止部41と、係止部41と一体の固定部42と、を有している。
【0044】
係止部41は、基部41aと、照明装置1の長手方向を基準とする基部41aの両端から同方向に折れ曲がって延びる第1の延出部41b及び第2の延出部41cと、を有する。
【0045】
基部41aは、第1の延出部41bと第2の延出部41cとの間に、固定部42が照明装置1の長手方向の最短位置となるように照明装置1の端面に当接可能な第3の延出部41dを有する。これにより、取付具40が不測に照明装置1に収納されることを抑制することができる。
【0046】
第2の延出部41cの延出長さ(高さ)は、ネジ16の頭部の高さよりも高いのが望ましい。これにより、ネジ16の頭部が棚下で邪魔になったりすることがない。なお、第2の延出部41cの高さは、より高い方が照明装置1の設置位置を低く、すなわち、棚下から使用者側に接近させることができる。
【0047】
ところで、第1の延出部41b、第3の延出部41d、第2の延出部41c、の延出長さは、この順で延出長さを長くするのが望ましい。これにより、端部側から順に長さを短くすることができ、取付具40の小型化に貢献することができる。
【0048】
固定部42は、第2の延出部41cの延出端から第1の延出部41bに対して遠ざかる方向に延びる長尺であり、照明装置1の右端部にあっては、カバー14の上面壁部14Aと収納ユニット20の上カバー21とに跨る長さを有している。同様に、固定部42は、照明装置1の左端部にあっては、カバー14の上面壁部14Aとカバーユニット30の上カバー31とに跨る長さを有している。したがって、照明装置1のガイド溝142は、端面に開放して固定部42を長尺方向に沿ってスライド可能としている。
【0049】
固定部42は、長尺方向に沿って間隔をおいて並び、かつ、長尺方向に沿って延びる長穴状の一対の開口42aを備える。なお、本実施の形態においては、この開口42a、ガイド溝142、及びネジ16が特許請求の範囲における位置調整部を構成している。したがって、照明装置1のガイド溝142は、照明装置1の天面において一対の開口42aの長尺方向と照明装置1の長手方向とが一致するように固定部42をスライド可能とするとともに、一対の開口42aの長尺方向の長さを照明装置1に対する固定部42のスライド範囲として位置規制する。また、ネジ16は、一対の開口42aを挿通するとともに一対のレール部114にネジ部が螺合することで固定部42を位置規制したうえで取付具40を照明装置1の上面に対して固定する固定部材としての機能を有している。固定部42の肉厚は、ガイド溝142の深さと同じかそれ以下とするのが好ましい。
【0050】
このような基本構成において、本実施の形態に係る取付具40は、棚の取り付け部位に照明装置1の長手方向に沿って変位可能となるように位置規制を行うための位置調整部を有することにより、棚に対して長尺な照明装置を容易に取り付けることにある。
【0051】
次に、本実施の形態に係る取付具40の作用を説明する。上記の構成において、取付具40は、固定部42をガイド溝142に位置させた状態で、開口42aを介してネジ挿通孔144,ネジ挿通孔212,ネジ挿通孔312にネジ16を挿通し、レール部114に軽く螺合する。
【0052】
これにより、取付具40は、ガイド溝142に沿って開口42aの長さの範囲内でスライドさせることができる。この際、図8に示すように、第3の延出部41dを照明装置1の端部から離すほど、照明装置1の長手方向に長い棚への取り付けが可能となる。一方、図9に示すように、第3の延出部41dを照明装置1の端部に接触したときが、照明装置1の長手方向に最小に短い取り付け状態となる。
【0053】
そして、棚受けDに係止部41を係止させ(又は係止可能となるように位置調整し)、ネジ16を強固にレール部114に螺合させることにより、照明装置1の上面に対して左右一対の取付具40を固定することができる。
【0054】
ところで、本発明の取付具40は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載した技術的範囲には、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれる。
【0055】
例えば、上記実施の形態では、位置調整部として開口42a、ガイド溝142、及びネジ16を用いた場合で説明したが、上記に限定されるものではない。例えば、ガイド溝142の溝壁に多数の凹凸を形成し、固定部42の長手方向に沿う両縁部にこの凹凸と係合する凹凸を設けて互いに雌雄を異ならせて弾発係合することで位置規制したうえで固定するものでもよい。また、ネジ16に替えて、ガイド溝142の溝壁にラックギヤを形成し、このラックギヤと係合するピニオンギヤとして無段階に位置規制したうえで固定するよう構成してもよい。
【0056】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施の形態による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0057】
その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【0058】
以上説明したように、本発明に係る取付具40は、棚に対して長尺な照明装置を容易に取り付けることができるという効果を有し、長尺状の照明装置を棚に取り付けるための取付具全般に有用である。
【符号の説明】
【0059】
1 照明装置
16 ネジ(位置調整部)
40 取付具
41 係止部
41a 基部
41b 第1の延出部
41c 第2の延出部
41d 第3の延出部
42 固定部
42a 開口(位置調整部)
D 棚受け(棚)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9