(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記1周期内において、前記センサが検出する前記検出対象の光源のみに光の放射を開始させるタイミングと、残りの前記光源からの光の放射を開始させるタイミングと、をずらす位相差の制御を行う請求項1、請求項3または請求項4に記載の照明装置。
前記センサは、前記第1期間における前記検出対象の光源の点灯期間が前記検出値を検出する予め設定された検出時間より短い場合、前記検出対象の光源の光量を検出しない請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の照明装置。
前記制御装置は、前記2つ以上の照明装置のそれぞれと電気的に接続され、前記光検出装置が検出した前記照明装置の光量と、前記照明装置における前記センサが検出した光量とに基づいて、検出対象の照明装置からの光量が所定範囲内に収まるように、前記検出対象の照明装置を制御する請求項14に記載の照明システム。
前記制御装置は、前記2つ以上照明装置を2以上の照明グループに分類し、前記光検出装置が測定した前記照明装置から検出した光量と前記照明装置の前記センサが検出した光量とに基づく補正データを、前記照明装置が属する前記照明グループごとに送信する請求項14または請求項15に記載の照明システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態1)
以下では、本実施形態の照明装置10を
図1ないし
図7に基づいて説明する。本実施形態に係る照明システム20を
図1及び
図3に基づいて説明し、移動体30を
図8に基づいて説明する。図中においては、同じ部材に対し、同じ符号を付して重複する説明を省略する。各図面が示す部材の大きさや位置関係は、説明を明確にするために誇張していることがある。以下の説明において、本実施形態を構成する各要素は、複数の要素を一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、一の部材の機能を複数の部材で分担して実現してもよい。
【0016】
本実施形態の照明装置10は、
図1に示すように、光源1aと、センサ2と、制御部3と、を備えている。センサ2は、光源1aの光量を検出する。制御部3は、光源1aの点灯を制御する。光源1aは、第1光源1fと、第2光源1sと、を有している。光源1aは、発光色の異なる2種類以上を有している。光源1aは、第1光源1f及び第2光源1sを少なくとも含む。
図1では、発光色の異なる2種類以上の光源1aとして、赤色光を放射する赤色LED1a1と、緑色光を放射する緑色LED1a2と、青色光を放射する青色LED1a3と、白色光を放射する白色LED1a4と、を例示している。言い換えれば、第1光源1fは、赤色LED1a1であり、第2光源1sは、白色LED1a4である。
【0017】
制御部3は、第1期間と、第2期間と、の組を1周期として、複数の周期を繰り返し、複数の周期それぞれにおける第1光源1fの光及び第2光源1sの光による合成光が同じ光出力となるように、光源1aの点灯を制御する。ここで、合成光とは、第1光源1fの光と第2光源1sの光とを合わせ、人間の目から見て実質的に一様な状態の光をいう。
【0018】
第1期間は、センサ2が光量を検出する検出対象の光源1aである第1光源1fのみ又は第2光源1sのみに光を放射させる。言い換えれば、本実施形態の照明装置10では、
図2に示すように、第1期間は、2種類以上の光源1aのうち、1種類の光源1aのみに光を放射させる単色期間である。
【0019】
第2期間は、第1光源1f及び第2光源1sに光を放射させる。言い換えれば、本実施形態の照明装置10では、第2期間は、2種類以上の光源1aに光を放射させる混色期間である。すなわち、制御部3は、複数の周期における2種類以上の光による混色光が同じ光色となるように、2種類以上の光源1aの点灯を制御している。
【0020】
図2では、時刻t1から時刻t4までを1周期として例示しており、時刻t1以後から時刻t2までが赤色LED1a1のみに光を放射させる単色期間を示し、時刻t2以後から時刻t4までが混色期間を示す。以下では、赤色LED1a1のみに光を放射させる単色期間を第1単色期間T1とも称する。
図2では、たとえば、赤色光の検出を行う場合、1種類の光源1aを赤色LED1a1とし、2種類以上の光源1aを、赤色LED1a1、緑色LED1a2、青色LED1a3及び白色LED1a4として例示している。同様に、時刻t5から時刻t8までは、1周期を示しており、時刻t5以後から時刻t6までが緑色LED1a2のみに光を放射させる単色期間を示し、時刻t6以後から時刻t8までが混色期間を示す。以下では、緑色LED1a2のみに光を放射させる単色期間を第2単色期間T2とも称する。時刻t9から時刻t12までは、1周期を示しており、時刻t9以後から時刻t10までが青色LED1a3のみに光を放射させる単色期間を示し、時刻t10以後から時刻t12までが混色期間を示す。以下では、青色LED1a3のみに光を放射させる単色期間を第3単色期間T3とも称する。時刻t13から時刻t16までは、1周期を示しており、時刻t13以後から時刻t14までが白色LED1a4のみに光を放射させる単色期間を示し、時刻t14以後から時刻t16までが混色期間を示す。以下では、白色LED1a4のみに光を放射させる単色期間を第4単色期間T4とも称する。各周期では、赤色LED1a1、緑色LED1a1、青色LED1a3及び白色LED1a4の光による混色光が人の目には同じ光色として認識できる。ここで、同じ光色とは、照明装置10から放射される混色光の色が完全に一致する場合だけでなく、人が光色の違いを実質的に区別できない場合も含む。
【0021】
センサ2は、第1期間における第1光源1fの光量及び第1期間における第2光源1sの光量を各別に検出した検出値を出力する。すなわち、センサ2は、単色期間における1種類の光源1aの光量を検出した検出値を出力する。制御部3は、さらに、
図3に示すように、検出結果に基づいて、光源1aの光量が目標範囲内に収まるように第1光源1f及び第2光源1sの点灯を各別に制御している。制御部3は、検出結果に基づいて、光源1aの光量が目標範囲内に収まるように、2種類以上の光源1aの点灯を各別に制御しているといえる。検出結果は、検出値が、所定回数において検出された値に応じている。
【0022】
図3では、1周期において、赤色LED1a1のみに光を放射させる第1単色期間T1の間に、センサ2が赤色光の光量を連続して10回検出した検出値の積分した値を赤色LED1a1の検出結果としている。
図3中においては、1周期における混色期間を省略している。同様に、
図3では、1周期において、緑色LED1a2のみに光を放射させる第2単色期間T2の間に、センサ2が緑色光の光量を連続して10回検出した検出値の積分した値を緑色LED1a2の検出結果としている。
図3では、1周期において、青色LED1a3のみに光を放射させる第3単色期間T3の間に、センサ2が青色光の光量を連続して10回検出した検出値の積分した値を青色LED1a3の検出結果としている。
図3では、1周期において、白色LED1a4のみに光を放射させる第4単色期間T4の間に、センサ2が白色光の光量を連続して10回検出した検出値の積分した値を白色LED1a4の検出結果としている。
【0023】
本実施形態の照明装置10では、制御部3は、検出値が所定回数において検出された値に対応した検出結果に基づいて、光源1aの点灯を各別に制御する構成で、より色ばらつきを少なくできる。
【0024】
以下では、本実施形態の照明装置10を備えた照明システム20の構成について、
図1に基づいて説明する。照明システム20は、1つ以上の照明装置10と、制御装置21と、を有している。
図1では、1つの照明装置10を例示している。制御装置21は、照明装置10の駆動を制御することができるように構成されている。照明装置10は、さらに、制御装置21と通信する通信部3cを備えている。通信部3cは、制御装置21からの求めに応じて、検出値を制御装置21に送信することができるように構成されていることが好ましい。
【0025】
本実施形態に係る照明システム20では、通信部3cは、光源1aの予め定められた所定時間の点灯後に、検出値の送信を行うように構成されていることが好ましい。照明システム20では、通信部3cは、光源1aの予め定められた所定時間の点灯後に、検出値の送信を行うことで、光源1aの点灯が安定した適宜の時間などで、センサ2の検出を行うことができる。照明装置10は、光源1aに電力を供給できるように、外部電源22と電気的に接続されている。制御装置21は、照明装置10から送信された検出値を積算する演算機能を備えている。制御装置21は、センサ2で検出した複数回の検出値を積算した値に対応した検出結果を照明装置10に送信できるように構成されている。制御装置21は、適宜のプログラムで駆動するパーソナル・コンピュータで構成されている。
【0026】
照明装置10は、
図1に示す光源1aとセンサ2と制御部3に加え、
図5ないし
図7に示すように、筐体4と、光学部材5と、を備えている。光源1aとセンサ2と制御部3とは、実装基板1bと一体的に形成されて、光源ユニット10aの一部を構成している。
図5ないし
図7では、制御部3を省略している。
【0027】
照明装置10は、
図5に示すように、複数のLEDグループ1gが長尺の実装基板1b上に実装されている。複数のLEDグループ1gのそれぞれは、発光色の異なる4種類の光源1aが1群として纏まっている。LEDグループ1gは、発光色の異なる4種類の光源1aをLEDとして、赤色LED1a1と、緑色LED1a2と、青色LED1a3と、白色LED1a4と、を1種類ずつ備えている。4種類のLEDは、実装基板1bの短手方向の中央部に、実装基板1bの長手方向に沿って、直線状に配置されている。1つのLEDグループ1gでは、4種類のLEDが互いにほぼ等しい間隔で配置されている。複数のLEDグループ1gは、所定の間隔を隔てて配置されている。複数のLEDは、直線状に配置される構成だけに限られるものではない。各LEDグループ1gにおいて、複数のLEDは、4個のLEDが2×2のマトリクス状に並べられるように配置されるなど、直線状以外の他に配置された構成でも構わない。
【0028】
発光色の異なる2種類以上の光源1aは、赤色LED1a1と、緑色LED1a2と、青色LED1a3と、白色LED1a4の4種類だけに限られない。発光色の異なる2種類以上の光源1aは、たとえば、シアン色の光を放射するシアンLED、マゼンタ色の光を放射するマゼンタLED及び黄色光を放射する黄色LEDの3種類だけでもよい。
【0029】
LEDは、たとえば、LEDチップと、LEDチップを収納する凹所が設けられたパッケージと、凹所を封止する透光性の封止材とを備えた構成とすることができる。LEDは、たとえば、LEDチップとパッケージと封止材とを備えた表面実装型発光ダイオードであってもよいし、LEDチップ単体だけであってもよい。照明装置10では、発光色が同じ種類のLEDは、同じ電流でほぼ同じ色の光が放射できるように、予め分類された同一の色ランクのLEDが用いられている。照明装置10は、発光色ごとに同一のランクのLEDを使用し、1つの照明装置10内において、LEDの発光色ごとの色が揃うように構成されている。光源1aは、LEDを用いる構成だけに限られない。光源1aは、LEDの代わりに、有機EL素子や蛍光灯などの放電灯を利用する構成であってもよい。
【0030】
実装基板1bは、矩形平板の外形形状をしている。実装基板1bは、ガラスエポキシ樹脂基板が用いられている。実装基板1bは、ガラスエポキシ樹脂基板だけに限られない。実装基板1bは、たとえば、絶縁層を介して、所定の形状の配線が設けられた金属基板などであってもよい。実装基板1bは、発光色が同じ光を放射するLEDごとに点灯できるように、所定の形状の配線を用いて、発光色の同じ種類のLEDごとに電気的に直列接続させている。実装基板1bには、発光色の同じ種類のLEDごとに給電できるように、コネクタ1cが設けられている。発光色の同じLEDは、1個でもよいし、複数個であってもよい。
【0031】
センサ2は、発光色の異なるLEDごとの光量を検出することができるように構成されている。センサ2は、実装基板1bに設けられている。センサ2は、
図5及び
図7に示すように、センサ素子2aと、第1カバー2dと、導光部材2cと、第2カバー2bと、を備えている。
【0032】
センサ素子2aは、実装基板1bに実装されている。センサ素子2aは、光学フィルタを備えたフォトダイオードを有している。センサ素子2aは、少なくとも3つのフォトダイオードを有している。3つのフォトダイオードは、互いに異なる光学フィルタを備えている。光学フィルタは、互いに異なる色の光を透過させる。異なる光学フィルタは、たとえば、赤色光、緑色光または青色光のいずれかを選択的に透過させる。
【0033】
センサ素子2aは、各色の光学フィルタに対応する3つのフォトダイオードのそれぞれによって、発光色の異なる光源1aそれぞれの光量を検出することができる。センサ素子2aは、光源1aから放射された光を電気信号に変換して、変換した電気信号を出力する。センサ素子2aは、赤色光、緑色光、青色光にそれぞれ感度を持ち、検出値を各色16ビットのデジタル値で出力するように構成されている。センサ素子2aは、赤色光の光量、緑色光の光量及び青色光の光量の検出値を、シリアルデータとして出力することができる。センサ素子2aは、I
2C(Inter-Integrated Circuit)インターフェースに対応したカラーセンサを用いることができる。
【0034】
第1カバー2dは、実装基板1bに取り付けられている。第1カバー2dは、導光部材2cを保持できるように構成されている。第1カバー2dは、光源1a及びセンサ素子2aに近接して配置されている。第1カバー2dは、たとえば、エポキシ樹脂などの樹脂材料で形成されている。第1カバー2dは、黒色樹脂で形成されていることが好ましい。第1カバー2dは、黒色樹脂で形成されている場合、導光部材2cを導光する光源1aからの光が、外光や実装基板1bで反射された反射光などにより影響を受けることを抑制できる。
【0035】
導光部材2cは、第1カバー2dの凹部に収納されるように構成されている。導光部材2cは、実装基板1bに実装された発光色の異なる光源1aそれぞれからの光をセンサ素子2aに導光できるように構成されている。
【0036】
導光部材2cは、
図5に示すように、第1受光部2c1と、第2受光部2c2と、第3受光部2c3と、第4受光部2c4と、を有している。第1受光部2c1は、赤色LED1a1と対向するように設けられる。第2受光部2c2は、緑色LED1a2と対向するように設けられる。第3受光部2c3は、青色LED1a3と対向するように設けられる。第4受光部2c4は、白色LED1a4と対向するように設けられる。導光部材2cは、第1受光部2c1から入射された赤色光を、センサ素子2aの受光面に照射できるように構成されている。導光部材2cは、第2受光部2c2から入射された緑色光を、センサ素子2aの受光面に照射できるように構成されている。導光部材2cは、第3受光部2c3から入射された青色光を、センサ素子2aの受光面に照射できるように構成されている。導光部材2cは、第4受光部2c4から入射された白色光を、センサ素子2aの受光面に照射できるように構成されている。導光部材2cは、アクリル樹脂で形成されている。導光部材2cは、アクリル樹脂で形成される構成だけに限られない。導光部材2cは、ポリカーボネート樹脂などの透光性樹脂で形成されていてもよい。導光部材2cは、透光性樹脂だけに限られず、ガラスを用いて形成されていてもよい。導光部材2cは、適宜の形状に形成されている。第2カバー2bは、導光部材2cを覆うように設けられる。第2カバー2bは、たとえば、エポキシ樹脂などの構成材料で形成することができる。第2カバー2bは、黒色樹脂で形成されていることが好ましい。第2カバー2bは、黒色樹脂で形成されている場合、導光部材2cを導光する光源1aからの光が、外光の影響を受けることを抑制できる。
【0037】
制御部3は、
図1に示すように、駆動制御部3aと、点灯回路3bと、通信部3cと、駆動電源部3dと、を備えている。駆動制御部3aは、点灯回路3bを制御する制御信号を出力できるように構成されている。制御信号としては、オン・デューティ比に対応させたPWM(Pulse Width Modulation)信号が挙げられる。駆動制御部3aは、点灯回路3bを構成するスイッチング素子のオンとオフとをPWM信号により制御することで、所定の電流を光源1aに流すことができる。駆動制御部3aは、発光色の異なる2種類以上の光源1aの出力を個別に制御することができるように構成されている。言い換えれば、駆動制御部3aは、赤色LED1a1、緑色LED1a2、青色LED1a3及び白色LED1a4の各々を個別に調光制御できるように構成されている。駆動制御部3aは、センサ2から出力された検出値に基づいて、赤色光の光量、緑色光の光量及び青色光の光量を各別に取得することができる。
【0038】
駆動制御部3aは、たとえば、CPU(Central Processing Unit)を備えたマイクロコンピュータで構成されている。マイクロコンピュータは、内蔵された記憶部3a1に記憶している適宜のプログラムを実行させることで、所定の制御動作を行うことができる。記憶部3a1は、電気的に書き換え可能な不揮発性半導体メモリで構成されている。不揮発性半導体メモリは、たとえば、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などが挙げられる。記憶部3a1は、光源1aの光出力を補正する補正係数が記憶されていてもよい。補正係数は、たとえば、センサ2で検出された光源1aの光量が所定の光量となるように、PWM信号のパルス幅を変調する補正値が挙げられる。
【0039】
点灯回路3bは、光源1aの光出力を調整することができるように構成されている。点灯回路3bは、第1点灯回路3b1と、第2点灯回路3b2と、第3点灯回路3b3と、第4点灯回路3b4と、を備えている。第1点灯回路3b1は、赤色LED1a1の点灯を制御できるように構成されている。第2点灯回路3b2は、緑色LED1a2の点灯を制御できるように構成されている。第3点灯回路3b3は、青色LED1a3の点灯を制御できるように構成されている。第4点灯回路3b4は、白色LED1a4の点灯を制御できるように構成されている。第1点灯回路3b1と第2点灯回路3b2と第3点灯回路3b3と第4点灯回路3b4とは、基本的に同様の構成としている。照明装置10は、赤色LED1a1、緑色LED1a2、青色LED1a3及び白色LED1a4それぞれが点灯回路3bからの給電により、任意の光色の混色光を放射できるように構成されている。照明装置10は、たとえば、赤色LED1a1、緑色LED1a2及び青色LED1a3の光出力の比率を調整することで、放射される光が白色光となる。以下では、主として、第1点灯回路3b1の構成について説明する。
【0040】
第1点灯回路3b1は、降圧チョッパ回路と、駆動回路と、を備えている。降圧チョッパ回路は、スイッチング素子を備えている。駆動回路は、スイッチング素子のオンとオフとの駆動を制御する。第1点灯回路3b1は、降圧チョッパ回路と駆動回路とで、スイッチング電源回路を構成している。第1点灯回路3b1は、外部電源22からの直流電圧を、光源1aを構成する複数の赤色LED1a1の直列回路に適した駆動電圧まで降圧する。第1点灯回路3b1は、スイッチング素子のデューティ比に応じて、赤色LED1a1の光出力を増減させることができる。第1点灯回路3b1は、直列接続された複数の赤色LED1a1を一括して制御できる。
【0041】
通信部3cは、照明装置10の外部に設けられた制御装置21と相互に通信できるように構成されている。通信部3cは、照明装置10から放射させる光の光色や複数の照明装置10間の色ばらつきを少なくさせる補正係数の情報を制御部3に伝達できるように構成されている。通信部3cは、たとえば、RS−485トランシーバで構成される。RS−485トランシーバは、米国電子工業会の通信規格に準拠したRS−485の信号の送信及び信号の受信を行うことができる。
【0042】
駆動電源部3dは、駆動制御部3aと点灯回路3bと通信部3cとに、駆動用の電力を供給できるように構成されている。駆動電源部3dは、たとえば、外部電源22からの電力を2つの抵抗器の直列回路により分圧して、所定の駆動用の電力を供給できるように構成されている。
【0043】
筐体4は、
図5ないし
図7に示すように、ボディ4aと、端面板4bと、固定ねじ4cと、を備えている。筐体4は、長尺の外形形状をしている。筐体4は、光源ユニット10aと、光学部材5と、を保持できるように構成されている。
【0044】
ボディ4aは、底板4a1と、側板4a2と、を備えている。底板4a1は、平面視において矩形状の外形形状をしている。底板4a1は、切欠き部4kを備えている。底板4a1は、切欠き部4kにより、長手方向の両端が切り欠かれるように構成されている。側板4a2は、底板4a1の長手方向に沿って、底板4a1の短手方向の両端部から底板4a1の厚み方向に突出するように設けられている。一対の側板4a2は、互いに対向するように配置されている。側板4a2は、底板4a1と反対の先端部に一対のリブ4dが設けられている。リブ4dは、側板4a2の先端部から側板4a2の厚み方向に沿って、筐体4の内部に向けて延びるように設けられている。リブ4dは、筐体4の長手方向に沿って、設けられている。一対のリブ4dで形成された溝部4daには、光学部材5の鍔部5bが差し込まれ、光学部材5を保持することができるように構成されている。ボディ4aは、
図5及び
図7に示すように、長手方向と直交する方向に沿った断面視において、底板4a1と、一対の側板4a2とでC字状の外形形状をしている。ボディ4aは、長手方向の両端部が開口しており、開口を塞ぐように、平板状の端面板4bが設けられている。
【0045】
筐体4は、開口部4aaを備えている。開口部4aaは、底板4a1と、一対の側板4a2と、一対の端面板4bとで囲まれるように設けられている。筐体4は、光学部材5により開口部4aaが塞がれるように構成されている。筐体4は、光源ユニット10aを内部に収容することができるように形成されている。筐体4は、たとえば、ねじにより、光源ユニット10aを底板4a1にねじ止め固定することができるように構成されている。
【0046】
ボディ4aは、
図7に示すように、ねじ保持部4eを備えている。ねじ保持部4eは、断面視がC字状の外形形状をしている。ねじ保持部4eは、底板4a1における側板4a2が突出した表面側と反対の裏面側の両端部に設けられている。ねじ保持部4eは、端面板4bを挿通する固定ねじ4cが、ねじ止めされるように構成されている。ボディ4aは、一対の脚部4fを備えている。脚部4fは、ボディ4aの長手方向に沿って設けられている。脚部4fは、長手方向と直交する断面視において、L字状の外形形状をしている。脚部4fは、ボディ4aの底板4a1の厚み方向に沿って、底板4a1から離れる向きに突出している。一対の脚部4fは、先端が互いに離れるように構成されている。脚部4fには、照明装置10が保持される被保持体にねじ止めして保持できるように、複数の貫通孔が形成されていてもよい。
【0047】
光学部材5は、光源1aからの光が透過できるように構成されている。光学部材5は、透光性材料で構成されている。透光性材料は、たとえば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂やガラスなどが挙げられる。光学部材5は、光源1aと相対する面に、レンズ5aを有している。レンズ5aは、光源1aからの光を、筐体4の外部に所定の配光特性で出射できるように構成されている。レンズ5aは、たとえば、フレネルレンズで構成することができる。光学部材5は、平板の長尺の外形形状に形成されている。光学部材5は、短手方向の両端に長手方向に沿った一対の鍔部5bを有している。一対の鍔部5bは、光学部材5の短手方向における両端の各々から外方に伸びるように設けられている。光学部材5は、ボディ4aの長手方向に沿って設けられた一対のリブ4dで構成される溝部4daに、鍔部5bがスライド挿入されるように構成されている。光学部材5は、ボディ4aに対して、装着及び脱離ができるように構成されている。
【0048】
照明装置10の組み立て時には、ボディ4aの開口した端部から光源ユニット10a及び光学部材5がボディ4aの内部に差し込まれる。照明装置10は、光源ユニット10a及び光学部材5がボディ4a内に収納された後、端面板4bにより開口が塞がれる。端面板4bは、固定ねじ4cによりボディ4aのねじ保持部4eにねじ止めされる。
【0049】
以下では、本実施形態の照明装置10を備えた移動体30として、
図8に示す航空機30aについて説明する。航空機30aは、照明装置10が客室30aaに設けられている。航空機30aは、たとえば、コックピットに制御装置21が備えられている。制御装置21は、客室30aaに設けられた照明装置10を制御できるように構成されている。航空機30aは、複数の照明装置10を備えている。航空機30aは、前後方向に沿って、複数の照明装置10が長手方向に直線状に配置されている。航空機30aは、照明システム20が搭載される本体を構成している。すなわち、本実施形態に係る移動体30は、照明システム20と、照明システム20が搭載される本体と、を備えていることが好ましい。移動体30は、航空機30aだけに限られず、たとえば、リニアモータで可動する車両などであってもよい。
【0050】
本実施形態に係る移動体30では、
図8に示すように、たとえば、2列の通路30bが設けられた航空機30aにおける客室30aaの上方に照明装置10が設けられている。航空機30aでは、通路30bと窓30eとの間に窓30e側の座席31があり、2つの通路30bの間に通路30b側の座席31設けられている。
【0051】
座席31は、それぞれ、航空機30aの左右方向に沿って並ぶ2列の座席31が3組設けられている。航空機30aでは、窓側の座席31に対応して鉛直方向の上側に収納棚32が設けられている。収納棚32は、航空機30aの前後方向に沿って配置された長尺の荷物入れを構成している。収納棚32は、座席31の上部の天井材30cに接するように配置されている。
【0052】
照明装置10は、航空機30aの前後方向に沿って伸びる通路30bに沿って、客室30aa内の天井材30cを照明できるように配置されている。照明装置10は、被保持体となる航空機30aの天井材30cに、脚部4fがねじなどで固定されて取り付けられている。照明装置10は、座席31に座った乗客からは見えないように配置されている。
【0053】
次に、本実施形態の照明装置10の動作について、より詳細に説明する。
【0054】
近年、照明装置は、LEDや有機EL素子などの固体発光素子よりなる光源が用いられることで、小型化や軽量化を図ることが容易になっている。固体発光素子よりなる光源が用いられた照明装置は、小型化や軽量化に伴って、たとえば、航空機などの移動体にも利用されている。航空機は、複数の照明装置が備えられている。照明装置は、光源として、複数のLEDを用いる場合、LEDごとの個体ばらつき、LEDの経年劣化や異なる種類のLEDにおける温度特性の違いに起因して、複数の照明装置同士に光出力ばらつきが生ずる場合がある。照明装置は、光源の光出力ばらつきに起因して、色ばらつきが生ずる。照明装置では、光源の光量をセンサで検出し、光源の光量が目標範囲内に保たれるように、フィードバック制御することで、複数の照明装置同士の色ばらつきを少なくすることができる。
【0055】
しかしながら、照明装置では、色ばらつきを少なくさせるため、発光色の異なる光源ごとに点灯させてセンサで光量を検出させていたのでは、色ばらつきを少なくする補正を行うたびに、航空機の乗客に違和感を生じさせる場合がある。
【0056】
また、照明装置では、予め複数の照明装置同士の色ばらつきを少なくさせるように、光源からの光を制御させて点灯させても、周囲の温度変化や光源の点灯に伴う温度上昇などに起因して、再び色ばらつきの補正を行う必要が生ずるおそれもある。照明装置では、特に、光源にLEDを用いた場合、緑色LED、青色LEDや白色LEDは、InGaNなどの半導体材料を発光層に用いた構造とすることで高輝度に発光させることができる。赤色LEDは、AlInGaPやGaPなどの半導体材料を発光層に用いた構造とすることで高輝度に発光させることができる。照明装置は、緑色LED、青色LEDや白色LEDに対し、半導体材料の異なる赤色LEDの光出力特性が温度変化に対し顕著に異なる傾向にある。
【0057】
さらに、照明装置では、異なる発光色の光源の数が増えるにつれ、センサが光源の光量を検出する検出時間が短くなり、光源の光量を精度よく検出することが難しくなる傾向にある。
【0058】
そこで、本実施形態の照明装置10では、たとえば、照明装置10の工場出荷時などにおいて、複数の照明装置10の間で色ばらつきが生じないように、予め駆動制御部3aが点灯回路3bを制御する制御信号に補正を行うことができるように構成されている。照明装置10は、放射された光を測定する分光器を利用して、複数の照明装置10の間での色ばらつきが少なくなるように補正することができる。補正は、たとえば、センサ2で検出した光源1aの光量に基づいた照明装置10の色度と、分光器により測定した色度とを比較して行われる。照明装置10では、センサ2で検出した光量に基づく色度と、分光器による色度とが一致するような補正係数が、駆動制御部3aの記憶部3a1に記憶される。補正係数は、たとえば、分光器と、照明装置10のセンサ2と、に接続されたコンピュータに演算させることができる。コンピュータは、センサ2が検出した光量が所定値となるような補正係数を演算する。
【0059】
照明装置10は、制御装置21からの調光信号に基づいた光色の光を放射できるように、制御部3が発光色の異なる2種以上の光源1aごとの点灯を、補正係数で補正したPWM信号で制御する。本実施形態の照明装置10では、分光器を利用した補正により、複数の照明装置10の間の初期の色ばらつきを予め少なくしている。
【0060】
照明装置10は、制御装置21からの調光信号に対応する光色の光が放射できるように、補正係数を用いて調光信号を補正し、発光色の異なる光源1aごとに所定のデューティ比の電流を流して光源1aの点灯を制御させている。
【0061】
次に、本実施形態の照明装置10において、より色ばらつきを低くする制御について説明する。照明装置10では、複数の照明装置10同士の間に生ずる色ばらつきを、一定期間ごとに補正することで、複数の照明装置10の間で色ばらつきが生ずることを少なくすることができるように構成している。照明装置10は、一定時間ごとに光源1aの光量を補正することで、たとえば、移動体30に取り付けられた後でも、放射される光の光出力ばらつきを少なくさせることができる。
【0062】
照明装置10では、発光色の異なる2種以上の光源1aごとに、センサ2が光源1aの光量を検出し、検出した検出値を駆動制御部3aへ出力する。本実施形態の照明装置10では、たとえば、PWM信号における1周期の13.7%の期間を単色期間とし、1周期の残りの86.3%の期間を混色期間としている。
【0063】
照明装置10では、センサ2で検出する検出対象の発光色の光源1aを点灯させるため、制御装置21からの調光信号に対応するデューティ比の設定値をそのまま、駆動制御部3aを構成するマイクロコンピュータのレジスタに記憶させる。照明装置10では、PWM信号における1周期の13.7%以下のデューティの設定値の場合、センサ2が検出対象の光源1aの光量の検出を行わない。
【0064】
言い換えれば、本実施形態の照明装置10では、センサ2は、第1期間における検出対象の光源1aの点灯期間が検出値を検出する予め設定された検出時間より短い場合、検出対象の光源1aの光量を検出しないことが好ましい。
【0065】
照明装置10は、第1期間における検出対象の光源1aの点灯期間が検出値を検出する予め設定された検出時間より短い場合、センサ2が光量を検出する検出対象の光源1aの光量を検出しないことで、より検出感度を高めることを容易にできる。
【0066】
照明装置10は、センサ2で検出する検出対象以外の発光色の光源1aを点灯させるため、制御装置21からの調光信号に対応するデューティの設定値に変更が加えられる。照明装置10では、変更が加えられたデューティの設定値が、駆動制御部3aを構成するマイクロコンピュータのレジスタに記憶させる。照明装置10では、センサ2が検出する検出時間として、1周期の13.7%に相当する時間を、調光信号に対応するデューティの設定値に足した値をレジスタに設定して、光源1aの点灯を制御する。
【0067】
照明装置10では、
図4に示す、制御部3は、1周期内において、センサ2が光量を検出する検出対象の光源1aのみに光の放射を開始させるタイミングと、残りの光源1aからの光の放射を開始させるタイミングと、をずらす位相差の制御を行うことが好ましい。
【0068】
本実施形態の照明装置10は、位相差の制御を行う比較的簡単な構成で、1周期内の総光量を維持することができる。
【0069】
制御部3は、発光色の異なる複数の光源1aのうち、検出対象以外の光源1aの点灯を開始するタイミングを、検出対象の光源1aの光量の検出が完了した単色期間の後にシフトさせる。照明装置10では、検出対象の光源1aも検出対象以外の光源1aのオン・デューティ比も、1周期内では変化させない。センサ2は、単色期間において、1種類の光源1aのみの光量を検出する。
【0070】
本実施形態の照明装置10は、所定の光源1aの光量を検出する場合、発光色の異なる光源1aを全て点灯させる場合であっても、検出対象の光源1aを点灯させるタイミングと、検出対象以外の光源1aを点灯させるタイミングとを異ならせている。
【0071】
照明装置10は、検出対象とする光源1aのみを先に点灯させて光量を検出し、センサ2による検出を終了させた後、検出対象とする光源1aの点灯を維持し、検出対象以外の光源1aの点灯を開始させる。照明装置10では、検出対象の光源1aと検出対象以外の光源1aとの点灯時間が同じであれば、検出対象の光源1aは、先に点灯しているため、検出対象以外の光源1aよりも先に消灯する。
【0072】
照明装置10は、光源1aの光量を検出する単色期間及び混色期間において、全てのLEDのオン・デューティ比を補正前と補正後とで変化させないように制御している。照明装置10は、人が照明装置10からの光を視認した場合でも、発光色の異なる光源1aだけが点灯していることを認識できないようにすることができる。照明装置10では、放射された光を人が視認した場合でも、放射光の光色が変化して見えることを抑制することができる。照明装置10では、複数の光源1aのうち、1つの光源1aの光量の検出について説明したが、他の光源1aの光量についても各々、同様の手順で個別に検出される。
【0073】
照明装置10は、光源1aの光量をセンサ2で検出する場合、単色期間を設けていても、各光源1aのオン・デューティ比の割合が一定に保たれていれば、発光色の異なる2種以上の光源1aの光による混色光の光色が単色期間のない制御の場合と変化しない。
【0074】
本実施形態の照明装置10では、
図3に示すように、1周期の検出値が所定回数において積分された値を検出結果としている。
図3では、所定回数として、センサ2で検出した検出値の積算を10回行っている。所定回数は、センサ2の光検出精度、検出データを積算する演算能力や光出力ばらつきを抑制する精度などによって適宜に設定することができる。照明装置10は、赤色LED1a1の光量を検出する第1単色期間T1の間に、赤色LED1a1からの赤色光をセンサ2で10回検出し、10回の検出値それぞれを加算した加算値を検出結果として、赤色LED1a1の点灯を制御できるように構成されている。照明装置10は、緑LED1a2の光量を検出する第2単色期間T2の間に、緑色LED1a2からの緑色光をセンサ2で10回検出し、10回の検出値それぞれを加算した加算値を検出結果として、緑色LED1a2の点灯を制御できるように構成されている。照明装置10は、青色LED1a3の光量を検出する第3単色期間T3の間に、青色LED1a3からの青色光をセンサ2で10回検出し、10回の検出値それぞれを加算した加算値を検出結果として、青色LED1a3の点灯を制御できるように構成されている。照明装置10は、白色LED1a4の光量を検出する第4単色期間T4の間に、白色LED1a4からの白色光をセンサ2で10回検出し、10回の検出値それぞれを加算した加算値を検出結果として、白色LED1a4の点灯を制御できるように構成されている。
【0075】
本実施形態の照明装置10は、通信部3cを介して、センサ2で検出した所定回数の検出値を制御装置21に送信する。制御装置21では、補正係数として、所定回数の検出値を積算した値を演算する。制御装置21は、演算した補正係数を利用した検出結果を照明装置10へ送信する。照明装置10は、検出結果に基づいて、光源1aの点灯を制御する。照明システム20では、制御装置21で補正係数の演算を行う構成だけに限られず、照明装置10の駆動制御部3aで補正係数の演算を行って行ってもよい。照明装置10では、調光信号の値に補正係数を乗じることで、補正されたデューティ比を演算し、補正を行うことができる。照明装置10では、検出値が所定回数において検出された値として、検出値が所定回数において積分された値だけに限られず、所定回数の検出値の平均値でもよいし、所定回数の検出値の最大値でもよい。
【0076】
制御部3は、光源1aの光量を検出する場合、光源1aへの電流を制御することが好ましい。照明装置10は、たとえば、光源1aの最大オン・デューティ比が86.3%となると、仮に、点灯時の最大オン・デューティ比が100%の場合、光量の検出時に光源1a全体から出射される混色光の明るさがおおよそ14%低下する。照明装置10では、たとえば、センサ2による検出しない場合にLED1aに流す電流と比較して、制御部3は、光量の検出時、LED1aに流す電流を増加させるように制御させることができる。照明装置10は、LED1aに流れる電流を大きくすることで、光量の検出の前後で、光源1aから出射される混色光の明るさを一定に保つことができる。
【0077】
(実施形態2)
本実施形態の照明装置10は、
図2や
図4に示す実施形態1の制御を
図9に示す制御を行う構成にする点が主として相違する。照明装置10は、駆動制御部3aの記憶部3a1に記憶させたプログラムを適宜に変更することで、光源1aの点灯やセンサ2の光量の検出の制御を適宜に変更させることができる。本実施形態に係る照明システム20は、
図1に示す照明システム20の構成でプログラムを変更して構成することができる。実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を用いて適宜説明を省略する。
【0078】
本実施形態の照明装置10では、制御部3は、1周期内において、センサ2が光量を検出する検出対象の光源1aのみに光の放射を開始させるタイミングと、残りの光源1aからの光の放射を開始させるタイミングと、をずらす位相差の制御を行っている。照明装置10では、制御部3は、複数の周期のうちの2以上の周期にわたって、位相差を徐々に大きくしていることが好ましい。
【0079】
本実施形態の照明装置10では、制御部3は、位相をずらすタイミングが同じ制御を行う構成と比較して、位相差を徐々に大きくすることで、照明装置10から放射される光のちらつきを、抑制させることができる。
【0080】
以下では、本実施形態の照明装置10の制御を、より詳細に説明する。
【0081】
照明装置10では、制御部3は、PWM信号のオン・デューティ比に基づいて、発光色の異なる2種類以上の光源1aそれぞれの点灯を各別に制御している。制御部3は、単色期間において、PWM信号の1周期内で所定のオン・デューティ比を維持したまま1種類の光源1aのみに光を放射させる。制御部3は、1種類の光源1aとは別の残りの種類の光源1aをPWM信号の1周期内でオン・デューティ比を維持したまま放射を開始させるタイミングを、1種類の光源1aの放射を開始させるタイミングとずらす制御を行っている。
図9は、位相をずらすタイミングを複数の周期にわたって徐々に大きくした例を示している。
図9では、時刻t51から時刻t53、時刻t54から時刻t58、時刻t59から時刻t63、時刻t64から時刻t67までが1周期を示している。
図9では、時刻t51から時刻t52、時刻t54から時刻t56、時刻t59から時刻t61、時刻t64から時刻t65までが単色期間を示している。
【0082】
照明装置10では、
図9に示すように、複数の周期において、時刻t51から時刻t53までは、赤色LED1a1、緑色LED1a2、青色LED1a3及び白色LED1a4それぞれの光の放射を開始するタイミングが同一で位相をずらす制御をしていない。照明装置10は、時刻t51から時刻t53の次の1周期である時刻t54から時刻t58において、赤色LED1a1の光の放射を時刻t55で開始させ、緑色LED1a2、青色LED1a3及び白色LED1a4の光の放射を時刻t56で開始させる。照明装置10は、緑色LED1a2、青色LED1a3及び白色LED1a4に対し、赤色LED1a1の光の放射を開始させるタイミングを早めて位相差の制御を行っている。照明装置10では、時刻t54から時刻t58の次の1周期である時刻t59から時刻t63において、赤色LED1a1の光の放射を時刻t60で開始させ、緑色LED1a2、青色LED1a3及び白色LED1a4の光の放射を時刻t61から開始させる。照明装置10は、緑色LED1a2、青色LED1a3及び白色LED1a4に対し、赤色LED1a1の光の放射を開始するタイミングを更に早めて、位相差を更に大きくしている。照明装置10では、時刻t59から時刻t63の次の1周期である時刻t64から時刻t67において、赤色LED1a1の光の放射を時刻t64で開始させ、緑色LED1a2、青色LED1a3及び白色LED1a4の光の放射を時刻t65から開始させる。照明装置10は、緑色LED1a2、青色LED1a3及び白色LED1a4に対し、赤色LED1a1の光の放射を開始するタイミングを早めて、位相差を最も大きくしている。
【0083】
本実施形態の照明装置10では、センサ2は、位相差が最も大きい1周期における第1期間で、検出対象の光源1aの光量を検出していることが好ましい。
【0084】
照明装置10では、センサ2は、位相差が最も大きい1周期における第1期間で光源1aの光量を検出することにより、より検出感度を高めることを容易にすることができる。
【0085】
本実施形態の照明装置10では、センサ2は、第1期間における検出対象の光源1aの点灯期間が検出値を検出する予め設定された検出時間より短い場合、検出対象の光源1aの光量を検出しないことが好ましい。
【0086】
照明装置10は、第1期間における検出対象の光源1aの点灯期間が検出値を検出する予め設定された検出時間より短い場合、センサ2が光量を検出する検出対象の光源1aの光量を検出しないことで、より検出感度を高めることを容易にすることができる。
【0087】
照明装置10では、第1期間における光源1aの点灯時間が予め定められたセンサ2の検出時間よりも短い場合、センサ2で検出した検出値で光源1aが制御されていなくとも、光出力ばらつきが小さく、検出値を積分する演算処理を簡略化させることができる。
【0088】
本実施形態の照明装置10では、
図3に示す実施形態1と異なり、
図10に示すように、1周期の検出値が所定回数において積分された値を検出結果とする。
図10では、所定回数として、10回を例示している。
【0089】
照明装置10は、赤色LED1a1の光量を検出する1周期の単色期間で赤色LED1a1の光量を1回検出し、連続する複数の周期ごとの単色期間それぞれから検出した検出値を積算した積算値を検出結果として、光源1aの点灯を制御するように構成されている。照明装置10は、緑LED1a2の光量を検出する1周期の単色期間で緑色LED1a2の光量を1回検出し、連続する複数の周期ごとの単色期間それぞれから検出した検出値を積算した積算値を検出結果として、光源1aの点灯を制御するように構成されている。照明装置10は、青色LED1a3の光量を検出する1周期の単色期間で青色LED1a3の光量を1回検出し、連続する複数の周期ごとの単色期間それぞれから検出した検出値を積算した積算値を検出結果として、光源1aの点灯を制御するように構成されている。照明装置10は、白色LED1a4の光量を検出する1周期の単色期間で白色LED1a4の光量を1回検出し、連続する複数の周期ごとの単色期間それぞれから検出した検出値を積算した積算値を検出結果として、光源1aの点灯を制御するように構成されている。
【0090】
照明装置10では、センサ2が赤色光、緑色光、青色光、白色光の順番で光源1aの光量の検出を実施し、検出した検出値の積分を所定回数繰り返すことで、より色ずれの少ない構成とすることができる。
【0091】
本実施形態の照明装置10は、実施形態1の照明装置10の構成を適宜に用いて構成されてもよい。本実施形態の照明装置10は、実施形態1と同様に、照明システム20や移動体30に適用することもできる。
【0092】
(実施形態3)
図11ないし
図14に示す本実施形態の照明装置10は、
図1に示す実施形態1のセンサ2が主としてセンサ2を備えた照明装置10内における光源1aの光量を検出するのに対し、他の照明装置10の光量も検出する点が主として相違する。以下では、本実施形態に係る照明システム20を
図11、
図12及び
図14に基づいて説明し、移動体30を
図14に基づいて説明する。実施形態1及び実施形態2と同様の構成要素については、同一の符号を用いて適宜説明を省略する。
【0093】
本実施形態の照明装置10を備えた照明システム20では、複数の照明装置10が連なるように配置されている。
図11、
図12及び
図14では、複数の照明装置10として、4つを例示している。以下では、4つの照明装置10を、第1照明装置10A、第2照明装置10B、第3照明装置10C、第4照明装置10Dと称することもある。第1照明装置10Aは、第2照明装置10Bと隣接して配置されている。第2照明装置10Bは、第3照明装置10Cと隣接して配置されている。第2照明装置10Bは、第1照明装置10Aと第3照明装置10Cとの間に配置されている。第3照明装置10Cは、第4照明装置10Dと隣接して配置されている。第3照明装置10Cは、第2照明装置10Bと第4照明装置10Dとの間に配置されている。第1照明装置10Aと第2照明装置10Bと第3照明装置10Cと第4照明装置10Dとは、同様の構造に形成されている。以下では、本実施形態の照明装置10を、
図11に示す第1照明装置10Aの構造を例にして、説明する。
【0094】
本実施形態の照明装置10では、センサ2は、他の照明装置10の光量を検出できるように構成されている。
図11、
図12及び
図14では、第1照明装置10Aのセンサ2が、第2照明装置10Bを他の照明装置10として、第2照明装置10Bの光量を検出できるように構成されている。
【0095】
図13に示す本実施形態の照明装置10では、
図1に示す実施形態1のセンサ2が長尺の筐体4の長手方向の中央部に設けられているのに対し、センサ2が筐体4の長手方向の一端部に設けられている。筐体4は、さらに、受光路部2c5を備えている。受光路部2c5は、隣接する他の照明装置10からの光を、センサ素子2aまで導光できるように構成されている。受光路部2c5は、端面板4bを介して、入射された他の照明装置10からの光を受けて、センサ素子2aの受光面に照射する。
【0096】
筐体4は、隣接する他の照明装置10からの光が内部に入射できるように、端面板4bの厚み方向に貫通する窓孔4baを備えている。端面板4bでは、窓孔4baが透光性の窓材4gで封止されている。窓材4gは、透光性材料で形成されている。窓材4gの透光性材料としては、たとえば、ポリカーボネート樹脂若しくはアクリル樹脂が挙げられる。端面板4bは、窓材4gを備えた構成だけに限られない。端面板4bは、受光路部2c5の先端部が、窓孔4baに挿入されるように構成されてもよい。端面板4bは、隣接する他の照明装置10からの光が入射できるように、端面板4b全体が透光性材料で形成されていてもよい。
【0097】
照明装置10では、受光路部2c5が導光する光は、隣接する他の照明装置10における光源1aが発光する光に依存するため、赤色光、緑色光、青色光及び白色光のいずれかとなる。受光路部2c5は、たとえば、アクリル樹脂で形成される。受光路部2c5は、適宜の形状に形成されている。受光路部2c5の一部は、第2カバー2bに覆われてセンサ2と一体的に構成されている。光源1aは、発光色の異なる2種類以上の構成だけに限られない。光源1aは、発光色の同じ複数のLEDであってもよい。光源1aは、同じ発光色の光源を複数の群とし、複数の群ごとに駆動できるように構成されていてもよい。
【0098】
言い換えれば、本実施形態の照明装置10は、長尺の筐体4を備えている。筐体4は、内部に光源1aとセンサ2と制御部3とを収納している。筐体4は、長手方向の端部において、外部からの光を内部に入射するように構成されている。センサ2は、端部から入射された外部からの光の光量を検出するように構成されている。制御部3は、センサ2が光源1aの光量を検出した検出値と、センサ2が端部から入射された外部からの光の光量を検出した検出値とに対応する検出結果に基づいて、光源1aの光量が目標範囲内に収まるように、光源1aの点灯を制御していることが好ましい。
【0099】
本実施形態の照明装置10では、センサ2が、端部から入射された外部からの光の光量を検出する比較的簡単な構成で、照明装置10の光量ばらつきを、より少なくさせることができる。特に、本実施形態の照明装置10では、端部から入射された外部からの光の光量が他の照明装置10からの光の光量の場合、隣接する照明装置10同士の光量ばらつきを、より少なくすることができる。すなわち、第1照明装置10Aの制御部3は、第1照明装置10Aの光源1aの光量を検出した検出値と、第2照明装置10Bの光量を検出した検出値とに対応する検出結果に基づいて、第1照明装置10Aの光源1aの点灯を制御する。本実施形態の照明装置10は、他の照明装置10の光量を検出することで、他の照明装置10との光量ばらつきを少なくできる。
【0100】
照明装置10では、端部から入射された外部からの光の光量が他の照明装置10とは別体の基準光源を用いる場合、照明装置10の光量ばらつきをより精度よく少なくすることもできる。
【0101】
本実施形態の照明装置10では、筐体4は、端部から入射された外部からの光をセンサ2に導光する受光路部2c5を有していることが好ましい。
【0102】
本実施形態の照明装置10では、受光路部2c5を有する構成により、端部から入射された外部からの光をセンサ2が精度よく検出することができる。照明装置10では、他の照明装置10からの光を端部から入射させる場合、他の照明装置10からの光を精度よく検出することができる。
【0103】
以下では、本実施形態の照明システム20の構成について、簡単に説明する。
【0104】
本実施形態に係る照明システム20は、
図14に示す航空機30aに備えられている。航空機30aでは、前後方向に沿って、複数の照明装置10が長手方向に直線状に配置される。複数の照明装置10は、他の照明装置10の光が端部から入射できるように、互いに隣接して配置されている。
【0105】
照明システム20は、
図11に示すように、1つの制御装置21が、4つの照明装置10を制御するように構成されている。制御装置21は、4つの照明装置10の駆動を各別に制御できるように構成されている。4つの照明装置10は、それぞれ外部電源22と電気的に接続されている。照明装置10それぞれは、送り配線できるように構成されている。外部電源22は、たとえば、直流28Vの電圧を出力することができるように構成されている。
【0106】
次に、本実施形態に係る照明システム20の動作について、比較例の照明システムと比較して説明する。
【0107】
比較例の照明システムは、複数の照明装置の各々に備えたセンサで、各照明装置それぞれの光源の光出力のみを検出し、センサで検出された検出結果に基づいて、光源の光量をフィードバック制御している。比較例の照明システムでは、複数の照明装置それぞれは、光源の光量をフィードバック制御させることで、初期の光源の特性ばらつき、光源の経時劣化及び光源の温度特性などに起因した光源の光出力ばらつきを少なくすることができる。
【0108】
ところで、比較例の照明システムでは、個々の照明装置の光源の光量をフィードバック制御しても、光源の光出力を検出するセンサのセンサ特性ばらつき、センサの経時劣化などに起因して、複数の照明装置同士の間で光出力ばらつきが生ずるおそれがある。
【0109】
これに対し、本実施形態に係る照明システム20では、たとえば、第1照明装置10Aのセンサ2が第1照明装置10Aの光源1aの光量を検出し、第1照明装置10Aの光源1aの光量をフィードバック制御する。照明システム20では、第1照明装置10Aにおける光源1aの光出力ばらつきを少なくする。照明システム20は、さらに、複数の照明装置10のうち、たとえば、第1照明装置10Aのセンサ2が第1照明装置10Aと隣接する第2照明装置10Bの光量を検出する。照明システム20は、制御装置21からの指令で、第1照明装置10Aのセンサ2が第1照明装置10Aの光源1aの光量を検出するのと同様に、第1照明装置10Aのセンサ2が第2照明装置10Bの光量を検出する。
【0110】
照明システム20は、第2照明装置10Bの光量と第1照明装置10Aの光量との差が小さくなるように、第1照明装置10Aの光源1aの光量をフィードバック制御する。照明システム20では、第1照明装置10Aと、第2照明装置10Bとの間の光出力ばらつきを、より少なくすることができる。
【0111】
以下では、
図12を用いて本実施形態に係る照明システム20を、より具体的に説明する。
【0112】
比較例の照明システムでは、個々の照明装置ごとに光源の光量をフィードバック制御した場合、たとえば、第4照明装置の光出力を基準とすると、第4照明装置の光出力が100%に対し、第3照明装置の光出力が98%となる場合がある。比較例の照明システムでは、たとえば、第4照明装置の光出力を基準とすると、第4照明装置の光出力が100%に対し、第2照明装置の光出力が105%となる場合がある。比較例の照明システムでは、たとえば、第4照明装置の光出力を基準とすると、第4照明装置の光出力が100%に対し、第1照明装置の光出力が97%となる場合がある。
【0113】
本実施形態に係る照明システム20では、制御装置21が、たとえば、第3照明装置10Cと第4照明装置10Dとに同じ光出力を出力するように指令を出す。照明システム20では、同じタイミングで、第3照明装置10Cの光量と、第4照明装置10Dの光量とが一致するように、第4照明装置10Dの光出力を基準として、第3照明装置10Cにおける光源1aの点灯を制御する。
【0114】
より具体的には、第3照明装置10Cは、制御装置21からの指令に基づいて、発光色の異なる2種以上の光源1aごとにセンサ2が光量を検出する。第3照明装置10Cでは、さらに、制御装置21からの指令に基づいて、隣接する第4照明装置10Dにおける発光色の異なる2種以上の光源1aごとに、第3照明装置10Cのセンサ2が光量を検出する。第3照明装置10Cでは、第3照明装置10Cの光源1aの光量を検出するのと同様にして、第4照明装置10Dの光源1aの光量を検出している。
図12では、照明装置10が隣接する他の照明装置10の光量を検出することを、破線の矢印で例示している。
【0115】
照明システム20では、制御装置21からの指令に基づいて、第3照明装置10Cのセンサ2が第4照明装置10Dの光量を検出しているので、制御装置21は、第3照明装置10Cのセンサ2が検出する第4照明装置10Cの光源1aの発光色を特定できる。第3照明装置10Cは、第3照明装置10Cのセンサ2が検出した第3照明装置10Cにおける光源1a2の光量の検出値を、通信部3cから制御装置21に送信する。第3照明装置10Cは、第3照明装置10Cのセンサ2が検出した第4照明装置10Dにおける光源1a2の光量の検出値を、通信部3cから制御装置21に送信する。
【0116】
制御装置21は、第3照明装置10Cの光源1aの光量と、第4照明装置10Cの光源1aの光量との差が小さくなるように、第3照明装置10Cの光源1aの点灯を補正する補正係数を演算する。制御装置21は、演算した補正係数を利用した検出結果を第3照明装置10Cへ送信する。第3照明装置10Cは、検出結果に基づいて、光源1aの点灯を制御する。本実施形態に係る照明システム20では、第3照明装置10Cの光源1aの光量を、第4照明装置10Dの光源1aの光量と一致するように補正することで、第3照明装置10Cと第4照明装置10Dとの光出力ばらつきをより少なくすることができる。
【0117】
照明システム20では、たとえば、補正前の第3照明装置10Cの光出力が第4照明装置10Dに対して98%の場合、補正後の第3照明装置10Cの光出力が100%となるように光出力を向上させる補正を行う。すなわち、第3照明装置10Cは、制御装置21からの指令で同じ光出力の光を照射している第4照明装置10Dの光出力を、第3照明装置10Cのセンサ2で検出し、第3照明装置10Cの光源1aが照射する光出力に反映させている。
【0118】
次に、照明システム20は、第3照明装置10Cの光出力を第4照明装置10Dの光出力と一致するように補正するのと同様にして、第2照明装置10Bの光出力を第3照明装置10Cの光出力と一致するように補正する。照明システム20では、たとえば、補正前の第2照明装置10Cの光出力が第3照明装置10Cの光出力に対して105%の場合、補正後の第2照明装置10Cの光出力が100%となるように光出力を低下させる補正を行う。照明システム20は、第2照明装置10Bの光出力を第3照明装置10Cの光出力と一致するように補正した後、第1照明装置10Aの光出力を第2照明装置10Bの光出力と一致するように補正する。照明システム20では、たとえば、補正前の第1照明装置10Aの光出力が第2照明装置10Bの光出力に対して97%の場合、補正後の第1照明装置10Aの光出力が100%となるように光出力を向上させる補正を行う。照明システム20は、第3照明装置10Cから第1照明装置10Aまで端から順次に、隣接する照明装置10の光出力と一致するように補正することで、第4照明装置10Dの明るさに隣接する全ての照明装置10の光出力を一致させる。照明システム20は、隣接する全ての照明装置10の光出力を一致させるように補正することで、照明装置10同士の光出力ばらつきをより少なくすることができる。
【0119】
すなわち、本実施形態に係る照明システム20では、照明装置10が2つ以上備えられており、端部から入射された外部からの光が隣接する他の照明装置10からの光であることが好ましい。
【0120】
本実施形態の照明システム20では、隣接する他の照明装置10からの光により、照明装置10同士の光出力ばらつきを少なくできる。
【0121】
本実施形態の照明装置10は、上述の構成だけに限られず、実施形態1及び実施形態2の構成を適宜に用いて構成してもよい。
【0122】
(実施形態4)
図15に示す本実施形態の照明装置10は、
図1の実施形態1や
図11に示す実施形態3の異なる発光色の光源1aを用いる代わりに、全て同じ発光色の光源1aを備えた点が主として相違する。実施形態1ないし実施形態3と同様の構成要素については、同一の符号を用いて適宜説明を省略する。
【0123】
本実施形態の照明装置10では、
図15に示すように、光源1aと、センサ2と、制御部3と、を備えている。センサ2は、光源1aの光量を検出する。制御部3は、光源1aの点灯を制御する。光源1aは、第1光源1fと、第2光源1sと、を有している。第1光源1fは、1チップで昼白色が発光可能な蛍光体を備えた発光ダイオードが用いられている。第2光源1sは、1チップで昼白色が発光可能な蛍光体を備えた発光ダイオードが用いられている。第1光源1fと第2光源1sとは、同じ昼白色の光を発光する。第1光源1fと第2光源1sとは、点灯を各別に制御できるように構成されている。
【0124】
制御部3は、第1期間と、第2期間と、の組を1周期として、複数の周期を繰り返し、1周期それぞれにおける第1光源1fの光及び第2光源1sの光による合成光が同じ光出力となるように、光源1aの点灯を制御する。第1光源1fの光及び第2光源1sの光の合成光は、昼白色の光色をしている。第1期間では、センサ2が光量を検出する検出対象の第1光源1fのみ又は第2光源1sのみに光を放射させる。第2期間では、第1光源1f及び第2光源1sに光を放射させる。センサ2は、第1期間における第1光源1fの光量及び第1期間における第2光源1sの光量を各別に検出した検出値を出力する。制御部3は、さらに、検出結果に基づいて、光源1aの光量が目標範囲内に収まるように、第1光源1f及び第2光源1sの点灯を各別に制御する。検出結果は、検出値が、所定回数において検出された値に対応している。
【0125】
本実施形態の照明装置10では、制御部3は、検出値が所定回数において検出された値に対応した検出結果に基づいて、光源1aの点灯を各別に制御する構成で、より光出力ばらつきを少なくできる。
【0126】
以下では、本実施形態の照明装置10の制御を、より詳細に説明する。
【0127】
照明装置10では、制御部3は、発光色が同じ第1光源1fと第2光源1sそれぞれの点灯をPWM信号のオン・デューティ比に基づいて各別に制御している。制御部3の第5点灯回路3b5は、第1期間において、PWM信号の1周期内で所定のオン・デューティ比を維持したまま第1光源1fのみに光を放射させる。制御部3の第6点灯回路3b6は、第2光源1sをPWM信号の1周期内でオン・デューティ比を維持したまま放射を開始させるタイミングを、第1光源1fに光の放射を開始させるタイミングとずらす制御を行っている。
【0128】
本実施形態の照明装置10は、第1光源1fの光量を検出する1周期の第1期間で第1光源1fの光量を1回検出し、連続する複数の周期ごとの第1期間それぞれから検出した検出値を積算した積算値を検出結果として、光源1aの点灯を制御する。照明装置10は、第2光源1sの光量を検出する1周期の第1期間で第2光源1sの光量を1回検出し、連続する複数の周期ごとの第1期間それぞれから検出した検出値を積算した積算値を検出結果として、光源1aの点灯を制御する。
【0129】
本実施形態の照明装置10では、センサ2が第1光源1f、第2光源1sの順番で光源1aの光量の検出を実施し、検出した検出値の積分を所定回数繰り返すことで、より光出力ばらつきの少ない構成とすることができる。
【0130】
ところで、光源の光量のフィードバック制御を行わない比較例の照明装置では、経時劣化に伴って、第1光源と、第2光源とを駆動する駆動回路ごとに、光出力がばらつくおそれがある。比較例の照明装置では、第1光源と、第2光源とを駆動する駆動回路ごとに、光出力にばらつきがあると、第1光源と第2光源との間で、輝度むらが生ずる場合がある。
【0131】
本実施形態の照明装置10では、第1光源1fと第2光源1sとを駆動する駆動回路ごとに、光源1aの光量のフィードバック制御を行うことで、輝度むらを少なくすることができる。
【0132】
光源1aは、昼白色が発光可能な発光ダイオードだけに限られない。光源1aは、JIS Z 9112で規格化された昼光色が発光可能な発光ダイオード、白色が発光可能な発光ダイオード、温白色が発光可能な発光ダイオード若しくは電球色が発光可能な発光ダイオードであってもよい。光源1aは、JIS Z 9112で規格化された発光ダイオードだけに限られない。光源1aは、たとえば、ANSI C78.377で規格化された光色が発光可能な発光ダイオードであってもよい。
【0133】
本実施形態の照明装置10は、実施形態1ないし実施形態3の照明装置10の構成を適宜に用いて構成してもよい。本実施形態の照明装置10は、実施形態1と同様に、照明システム20や移動体30に適用することもできる。
【0134】
(実施形態5)
本実施形態の照明システム20は、
図12に示す実施形態3のように、隣接する他の照明装置10におけるセンサ2で光検出を用いる代わりに光検出装置23を用いて、複数の照明装置10同士の光出力ばらつきを少なくさせる点が主として相違する。本実施形態の照明システム20では、実施形態1と同様の照明装置10を用いて構成されている。実施形態1及び実施形態3と同様の構成要素については、同一の符号を用いて適宜説明を省略する。
【0135】
本実施形態の照明システム20では、
図16、
図17A、
図17B及び
図17Cに示すように、照明装置10は、2つ以上備えられている。照明システム20は、光検出装置23を備えている。光検出装置23は、2つ以上の照明装置10と別体に備えられている。光検出装置23は、2つ以上の照明装置10の光量を検出できるように構成されている。光検出装置23は、制御装置21からの求めに応じて、検出した光量に基づく検出値を制御装置21に送信することができるように構成されている。
【0136】
本実施形態の照明システム20は、光検出装置23が、制御装置21からの求めに応じて、検出した光量に基づく検出値を制御装置21に送信することで、検出対象の照明装置10の光量を検出することができる。照明システム20は、検出対象の照明装置10の光量を検出することで、所定の光量が出力できない照明装置10を特定し、特定した照明装置10の交換に利用できる。照明システム20は、複数の照明装置10の光量を検出して、照明装置10の光量を同じにする補正に利用することで、複数の照明装置10同士の光出力ばらつきを少なくすることに利用できる。
【0137】
本実施形態の照明システム20では、制御装置21は、複数の照明装置10のそれぞれと電気的に接続されている。光検出装置23は、制御装置21と電気的に接続できるように構成されている。光検出装置23は、制御装置21からの指令に基づいて、照明装置10の光出力を検出することができるように構成されている。制御装置21は、光検出装置23が検出する検出対象の照明装置10における光源1aの光量を検出した検出値を取得できるように構成されている。
【0138】
制御装置21は、たとえば、
図17Aに示すように、光検出装置23が検出した第2照明装置10Bにおける光源1aの光量を検出した検出値が取得できるように構成されている。
図17Aでは、光検出装置23から制御装置21へ送信される検出値のデータを、白抜きの破線の矢印で例示している。
【0139】
制御装置21は、たとえば、
図17Bに示すように、第2照明装置10Bのセンサ2が検出した第2照明装置10Bの光源1aの光量を検出した検出値を取得できるように構成されている。
図17Bでは、第2照明装置10Bから制御装置21へ送信される検出値のデータを、白抜きの矢印で例示している。
【0140】
制御装置21は、たとえば、
図17Cに示すように、光検出装置23が検出した検出値と、第2照明装置10Bのセンサ2が検出した検出値とに基づいて、第2照明装置10Bの光源1aの点灯を制御する補正データを送信するように構成されている。
図17Cでは、制御装置21から第2照明装置10Bへ送信される補正データを、黒矢印で例示している。第2照明装置10Bは、第2照明装置10Bの光源1aを補正データに基づいて、光源1aの点灯を制御する。
【0141】
本実施形態の照明システム20では、第2照明装置10Bと同様にして、第1照明装置10A、第3照明装置C及び第4照明装置Dも、光検出装置23で検出対象の照明装置10の光量を検出する。照明システム20では、光検出装置23で検出対象の照明装置10の光量を検出し、照明装置10を制御することで、検出対象の照明装置10における光出力ばらつきが少なくなるように制御できる。
【0142】
すなわち、本実施形態の照明システム20では、制御装置21は、複数の照明装置10それぞれと電気的に接続されている。制御装置21は、光検出装置23が検出した照明装置10の光量と、照明装置10におけるセンサ2とが検出した光量とに基づいて、検出対象の照明装置10からの光量が所定範囲に収まるように、検出対象の照明装置10を制御することが好ましい。
【0143】
本実施形態の照明システム20は、制御装置21が、光検出装置23が検出した照明装置10の光量と、照明装置10におけるセンサ2とが検出した光量とに基づいて、検出対象の照明装置10を制御する構成で、照明装置10同士の光出力ばらつきを低くできる。
【0144】
本実施形態の照明システム20では、光検出装置23は、対象となる照明装置10からの光量を検出できるように、適宜に配置できるように構成されている。光検出装置23は、制御装置21からの指令に基づいて、対象となる照明装置10からの光源1aの点灯と同期して、光源1aの光量を検出できるように構成されている。照明システム20では、光検出装置23が使用されない場合、制御装置21と電気的に接続されていなくともよい。
【0145】
光検出装置23は、たとえば、カラーセンサ、照度センサ若しくは分光器などを利用した構成とすることができる。カラーセンサは、フォトダイオードにカラーフィルタを組み合わせて構成されており、所定の色調の光出力を検出することができる。照度センサは、フォトトランジスタ、若しくはフォトダイオードを備えて構成されており、光出力を検出することができる。分光器としては、たとえば、プリズム分光器、回折格子を使う格子分光器、干渉縞を利用する干渉分光器を利用することができる。
【0146】
制御装置21は、光源1aから所定の光量が出力できるように補正するための補正係数を含んだ補正データを照明装置10に送信するように構成されている。照明システム20では、制御装置21が補正データを照明装置10に送信する構成により、光検出装置23を利用して、隣接する照明装置10同士の光出力ばらつきを少なくさせることができる。
【0147】
次に、本実施形態の照明システム20の動作について、説明する。
【0148】
本実施形態の照明システム20では、複数の照明装置10同士の間で光出力ばらつきが生じないように、駆動制御部3aが点灯回路3bを制御する制御信号に補正を行うことができるように構成されている。照明装置10は、光検出装置23を利用して、複数の照明装置10の間での光出力ばらつきが少なくなるように、光源1aの点灯が補正される。補正は、たとえば、センサ2で検出した光源1aの光量に基づいた照明装置10の光量と、光検出装置23により測定した光量と、を比較して行われる。制御装置21は、センサ2で検出した光源1aの光量と、光検出装置23による光量とが一致するような補正係数を演算する。照明装置10では、制御装置21で演算された補正係数が駆動制御部3aの記憶部3a1に記憶される。補正係数は、たとえば、光検出装置23と、照明装置10のセンサ2と、に接続された制御装置21のコンピュータに演算させることができる。補正係数は、制御装置21で演算する構成だけに限られず、光検出装置23で補正係数の演算を行って行ってもよい。
【0149】
ところで、照明システムでは、照明装置の故障、照明装置における光源の経時劣化、照明装置におけるセンサの経時劣化に伴って、特定の照明装置において所定の光出力が出力できない場合、複数の照明装置のうち、特定の照明装置だけが交換される場合がある。
【0150】
比較例の照明システムでは、複数の照明装置のうち、交換された1つ以上の照明装置は、制御装置から同じ調光信号が送信されても、交換されていない1つ以上の照明装置と比較して、光出力が大きく異なる場合がある。照明システムでは、劣化環境が揃っている複数の照明装置は、劣化環境が揃っていない照明装置と比較して、光出力が大きく異なる傾向にある。
【0151】
比較例の照明システムでは、複数の照明装置のうち、交換された新しい1つ以上の照明装置と、交換されていない古い1つ以上の照明装置との間で、2つ以上の照明グループの分類が形成される。
【0152】
本実施形態の照明システム20では、たとえば、
図17Aに示すように、第1照明装置10Aと第2照明装置10Bだけが交換される場合がある。照明システム20では、交換されていない第3照明装置10C及び第4照明装置10Dが第1照明グループ10fを構成し、交換された第1照明装置10A及び第2照明装置10Bが第2照明グループ10sを構成する。
【0153】
本実施形態の照明システム20では、制御装置21が第1照明グループ10fと、第2照明グループ10sとを弁別するように分類する。照明システム20は、複数の照明装置10について光量を検出しなくとも、たとえば、第1照明グループ10fのうちの第2照明装置10Bの光量だけと、第2照明グループ10sのうちの第3照明装置10Cの光量だけとを検出する。制御装置21は、第1照明グループ10fの第2照明装置10Bの光量と、第2照明グループ10sの第3照明装置10Cの光量とに基づいて、照明装置10同士の光出力ばらつきを少なくする補正データを演算する。制御装置21は、補正データを、補正する第2照明装置10Bが属する第1照明グループ10fに送信する。照明システム20では、補正データに基づいて、第1照明グループ10fに属する第1照明装置10A及び第2照明装置10Bの点灯が制御される。
【0154】
言い換えれば、本実施形態の照明システム20では、制御装置21は、2以上の照明装置10を、2以上の照明グループに分類する。制御装置21は、光検出装置23が測定した照明装置10からの検出した光量と照明装置10のセンサ2が検出した光量とに基づく補正データを、照明装置10が属する照明グループごとに送信することが好ましい。
【0155】
本実施形態の照明システム20では、制御装置21が、補正データを照明グループごとに送信する構成で、比較的簡単に複数の照明装置10同士の光出力ばらつきを少なくできる。
【0156】
照明システム20では、制御装置21は、たとえば、照明装置10それぞれの駆動制御部3aに設けた履歴検知部3a2の履歴で、照明グループを分類することができる。履歴検知部3a2は、タイマカウンタで構成させることができる。照明装置10は、照明装置10ごとのアドレスと、履歴検知部3a2でカウントしたカウント値とを、通信部3cから制御装置21に送信できるように構成されている。制御装置21は、たとえば、照明装置10を取り付けてからの履歴検知部3a2のカウンタ値が、所定値範囲内であれば、同じ照明グループを構成するとして分類すればよい。制御装置21では、照明装置10が交換された新しい照明装置10か、交換されていない古い照明装置10かの新旧交換情報の履歴を管理することができる。照明システム20では、制御装置21は、複数の照明装置10に対して定期的に通信を行うポーリング処理で、通信ができない照明装置10については、交換された照明装置10と見做して照明グループを分類することもできる。照明システム20では、ポーリング処理を行う場合、制御装置21が履歴検知部3a2を備える構成となる。
【0157】
言い換えれば、本実施形態の照明システム20では、制御装置21は、2以上の照明グループの分類を、複数の照明装置10のうち、交換された照明装置10を検知する履歴検知部3a2の情報に基づいて行うことが好ましい。
【0158】
制御装置21は、2以上の照明グループの分類を、複数の照明装置10のうち、交換された照明装置10を検知する履歴検知部3a2の情報に基づいて行うことで、比較的簡単に照明装置10同士の光出力ばらつきを少なくできる。
【0159】
なお、照明システム20では、センサ2で照明装置10の光量を検出しない場合、光検出装置23の検出値と、照明装置10の光源1aに流す電流に対応した目標値の光量比とに基づいて、補正係数を求めて光源1aの制御に反映させることもできる。照明システム20は、センサ2で光源1aの光量のフィードバック制御を行わない場合であっても、光検出装置23を利用して、複数の照明装置10同士の光出力ばらつきを検出し、複数の照明装置10同士の光出力ばらつきを少なくできる。照明システム20では、履歴検知部3a2を利用して、照明装置10の交換を表示させる構成としてもよい。照明装置10では、照明装置10の交換を、光源1aの点滅などにより表示させることもできる。照明システム20では、たとえば、複数の照明装置10それぞれが1種類の光源1aのみを備える構成であっても、照明装置10同士の光源1aの光出力ばらつきを少なくさせるように、制御部3が検出結果に基づいて光源1aを制御することもできる。
【0160】
本実施形態の照明装置10は、上述の構成だけに限られず、実施形態1ないし実施形態4の構成を適宜に用いて構成してもよい。
【0161】
本発明は、上述の実施形態だけに限定されず、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲で、種々変更することができる。