(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に説明する実施形態は、本発明の種々の実施形態の一つに過ぎない。本発明の実施形態は、下記実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外も含み得る。また、下記の実施形態は、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(実施形態1)
(1.1)構成
実施形態1に係る点灯装置1は、
図1に示すように、光源ユニット100を点灯させるために用いられる。本実施形態の点灯装置1は、自動車のような車両に設けられた光源ユニット100を点灯させるために用いられる。
【0013】
まず、点灯装置1の負荷である光源ユニット100について説明する。
【0014】
光源ユニット100は、LEDのような半導体発光素子からなる光源110と、電力が供給されたときに光源110の発光特性を示す負荷情報を出力する負荷情報出力部120とを備える。
【0015】
光源110は例えば複数のLEDからなり、複数のLEDは直列又は並列に接続されている。
【0016】
負荷情報出力部120は、例えば抵抗器R10からなる。光源110は、その発光特性(光束ランク)に応じて複数(例えば5つ)の段階に分かれており、複数の段階のそれぞれで負荷情報出力部120を構成する抵抗器R10の抵抗値があらかじめ決められている。例えば製造時などに光源110ごとに発光特性が決定され、発光特性に応じた抵抗値の抵抗器R10が負荷情報出力部120として光源ユニット100に設けられている。
【0017】
負荷情報出力部120と分圧抵抗(抵抗器R2)との直列回路に一定の直流電圧が印加されると、つまり負荷情報出力部120に電力が供給されると、抵抗器R10の両端間に抵抗器R10の抵抗値に応じた電圧が発生し、この電圧値が光源110の発光特性に対応した負荷情報となる。ここにおいて、「負荷情報」とは光源110の発光特性に対応した情報であり、負荷情報をもとに光源110の発光特性を特定することができる。光源110の発光特性は、例えば光源110の入力仕様を表す情報であり、光源110の入力仕様としては、入力電流、入力電圧、入力電力のうち1つ以上の情報を含むことが好ましい。本実施形態では光源110の発光特性が光源110の入力電流の情報を含んでおり、光源110の入力電流の情報をもとに電流出力部10の出力電流を設定できる。
【0018】
下記の表1は、5段階の発光特性(光束ランク)と、抵抗器R10の抵抗値と、光束ランクごとに光源110に流れる出力電流の目標値との関係を示している。
【0020】
次に、本実施形態の点灯装置1について説明する。
【0021】
点灯装置1は、
図1に示すように、電流出力部10と、負荷特性取込部20と、制御部30とを備える。また、本実施形態の点灯装置1は出力電流検出部40を更に備えている。点灯装置1と光源ユニット100とは電線などを介して電気的に接続されている。
【0022】
電流出力部10は、例えば、インダクタL1、スイッチング素子Q1、ダイオードD1、及び平滑コンデンサC1を備えた昇圧型のDC−DCコンバータからなる。
【0023】
インダクタL1の一端は電源スイッチSW1を介して直流電源E1の正極に接続されている。直流電源E1は、例えば自動車のバッテリ、又は自動車のバッテリを電源とする電源回路である。直流電源E1は、交流電源から供給される交流電力を整流、平滑して直流に変換するAC/DC変換回路でもよい。
【0024】
スイッチング素子Q1は例えばMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)からなる。スイッチング素子Q1のドレイン電極はインダクタL1の他端に接続されている。スイッチング素子Q1のソース電極は直流電源E1の負極に接続されている。スイッチング素子Q1のゲート電極には、制御部30からの駆動信号VS1が入力されている。
【0025】
ダイオードD1のアノードは、インダクタL1とスイッチング素子Q1との接続点に接続されている。
【0026】
平滑コンデンサC1は、ダイオードD1のカソードとスイッチング素子Q1のソース電極との間に接続されている。平滑コンデンサC1の両端間には、光源110と、抵抗器R1(出力電流検出部40)との直列回路が接続されている。
【0027】
負荷特性取込部20は、抵抗器R2と、スイッチ素子Q2と、マイクロコンピュータ31とで構成される。抵抗器R2の一端には直流電圧Vccが印加される。抵抗器R2の他端は抵抗器R10の一端に接続されている。スイッチ素子Q2は例えばMOSFETからなり、スイッチ素子Q2のドレイン電極は抵抗器R10の他端に接続されており、スイッチ素子Q2のソース電極は回路のグランドに接続されている。
【0028】
ここで、抵抗器R2の抵抗値を1kΩ、抵抗器R2,R10の直列回路に印加する直流電圧Vccの電圧値を5Vとした場合、光束ランクごとの分圧電圧VL1の電圧値と抵抗器R2,R10の直列回路に流れる電流I1とは表2に示す通りである。
【0030】
ここで、光束ランクごとの分圧電圧VL1をもとに、各々の光束ランクで分圧電圧VL1が取り得る範囲(判定範囲)があらかじめ設定されており、表3は光束ランクごとの分圧電圧VL1の判定範囲と出力電流の目標値とを示す。制御部30が備えるマイクロコンピュータ31のメモリは、光束ランクごとに、分圧電圧VL1の判定範囲と出力電流の目標値とを対応付けた情報(表3参照)をあらかじめ記憶している。なお、マイクロコンピュータ31のメモリは、表1、表2のデータをあらかじめ記憶してもよい。
【0032】
出力電流検出部40は、光源110と直列に接続された抵抗器R1からなる。
【0033】
制御部30は、マイクロコンピュータ31と、駆動信号生成回路32とを備える。
【0034】
マイクロコンピュータ31はCPU(central processing unit)とメモリとを備える。CPUが、メモリに記憶されたプログラムを実行することで、負荷情報出力部120から負荷情報を取り込む機能、負荷情報をもとに光源110の発光特性を判定する機能、光源110の発光特性に応じて電流出力部10の出力を制御する機能などが実現される。マイクロコンピュータ31の出力ポートPO1は、スイッチ素子Q2のゲート電極に接続されている。アナログ入力ポートAD1には、抵抗器R2と抵抗器R10との接続点の電圧が入力される。アナログ入力ポートAD2には、入力電圧V1を抵抗器R3,R4で分圧した電圧V6が入力される。
【0035】
駆動信号生成回路32は、アンプ321と、誤差演算部322と、コンパレータ323と、発振回路324とを備える。
【0036】
アンプ321は例えばオペアンプからなり、抵抗器R1の両端間に発生する電圧V2を増幅する。
【0037】
誤差演算部322は例えばオペアンプからなり、アンプ321の出力電圧V3と、マイクロコンピュータ31のアナログ出力ポートDA1から出力される目標電圧V4との誤差電圧を出力する。
【0038】
発振回路324は所定の周波数の三角波を発生する。
【0039】
コンパレータ323のプラス入力端子は誤差演算部322の出力端子に接続されている。コンパレータ323のマイナス入力端子は発振回路324の出力端子に接続されている。コンパレータ323の出力端子はスイッチング素子Q1のゲート電極に接続されている。
【0040】
(1.2)動作説明
本実施形態の点灯装置1の動作を
図2に基づいて説明する。
【0041】
車両の運転者の操作又は車両のECU(electronic control unit)からのオン指令に応じて電源スイッチSW1がオンして、直流電源E1から点灯装置1に電力が供給されると、マイクロコンピュータ31が初期化処理を行う(ステップS1)。マイクロコンピュータ31は初期化後に動作を開始し、光源ユニット100の負荷情報出力部120から負荷情報を読み込む動作を行う(ステップS2)。
【0042】
マイクロコンピュータ31は、負荷情報の読み込み動作を行う前は、出力ポートPO1の電圧レベルをLレベルにして、スイッチ素子Q2をオフにしており、この状態では負荷情報出力部120には電力が供給されていない。そして、マイクロコンピュータ31は、負荷情報の読み込み動作を行うときは、出力ポートPO1の電圧レベルをHレベルにして、スイッチ素子Q2をオンにする。このとき、抵抗器R2,R10の直列回路に直流電圧Vccが印加され、直流電圧Vccを抵抗器R2と抵抗器R10とで分圧した分圧電圧VL1がマイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD1に入力される。
【0043】
マイクロコンピュータ31は、スイッチ素子Q2をオンにした状態で、アナログ入力ポートAD1に入力される分圧電圧VL1をA/D変換して、分圧電圧VL1を取り込む。マイクロコンピュータ31は、分圧電圧VL1を取り込むと、出力ポートPO1の電圧レベルをLレベルにして、スイッチ素子Q2をオフにしており、抵抗器R10への電力の供給を遮断する。これにより、マイクロコンピュータ31は、負荷情報を取り込むときのみ、負荷情報出力部120に電力を供給し、負荷情報を取り込むとき以外では、負荷情報出力部120に電力を供給しない。
【0044】
マイクロコンピュータ31は、分圧電圧VL1を取り込むと、分圧電圧VL1の測定値を、光束ランクごとの分圧電圧VL1の検出範囲と比較することで、光源110の光束ランク、すなわち光源110の負荷仕様を判別する(ステップS3)。マイクロコンピュータ31は、光源110の光束ランクを判別すると、光束ランクに応じた出力電流の設定値をメモリから取り込む(ステップS4)。なお、マイクロコンピュータ31は、分圧電圧VL1の測定値が、光束ランク1〜5のいずれの判定範囲にも入っていなければ、負荷情報出力部120から負荷情報を取り込む回路などで異常が発生していると判断し、出力電流の目標値を設定する処理を行わない。
【0045】
マイクロコンピュータ31は、光源110の光束ランクを判別すると、アナログ入力ポートAD2に入力された電圧V6をA/D変換し、電圧V6の測定値をもとに入力電圧V1を検出する(ステップS5)。そして、マイクロコンピュータ31は、入力電圧V1の検出値が作動範囲内か否かを判定する(ステップS6)。直流電源E1は車両のバッテリを電源としているので、直流電源E1の電源電圧は変動する可能性があり、入力電圧V1の測定値が作動範囲内であれば、光源110を点灯させる処理を開始する。
【0046】
入力電圧V1の測定値が作動範囲内であれば(ステップS6:Yes)、マイクロコンピュータ31は、出力電流の設定値に応じた目標電圧V4をアナログ出力ポートDA1からコンパレータ323のプラス入力端子に出力させる(ステップS7)。
【0047】
このとき、駆動信号生成回路32では、アンプ321が抵抗器R1の両端間に発生する電圧V2を増幅し、誤差演算部322が、アンプ321の出力電圧V3と、マイクロコンピュータ31から入力される目標電圧V4との差電圧を増幅する。
【0048】
ここで、発振回路324から出力される三角波の電圧値が誤差演算部322の出力電圧以下であれば、コンパレータ323の出力電圧はHレベルになる。また、発振回路324から出力される三角波の電圧値が誤差演算部322の出力電圧を超えると、コンパレータ323の出力電圧はLレベルになる。これにより、コンパレータ323は、誤差演算部322の出力電圧V5が大きいほど、つまり電圧V3と目標電圧V4との誤差が大きいほど、オンデューティが大きくなるようなPWM信号である駆動信号VS1を発生する。そして、駆動信号生成回路32は、この駆動信号VS1をスイッチング素子Q1のゲート電極に出力する。これにより、電流出力部10のスイッチング素子Q1のオンデューティが調整され、電流出力部10から光源110に供給される電流が、光源110の光束ランクに対応した出力電流の目標値に制御される。
【0049】
一方、入力電圧V1の測定値が作動範囲外であれば(ステップS6:No)、マイクロコンピュータ31は、目標電圧V4を駆動信号生成回路32に出力せず(ステップS8)、電流出力部10の出力を停止させており、光源110は消灯する。
【0050】
本実施形態では、負荷特性取込部20は、光源ユニット100から負荷情報を取り込む取込時のみ負荷情報出力部120に電力を供給し、取込時以外では負荷情報出力部120に電力を供給しないので、消費電力の低減を図ることができる。また、負荷特性取込部20は、昇圧チョッパからなる電流出力部10が動作していない状態で、光源ユニット100から負荷情報を取り込んでいるので、ノイズの影響が少ない状態で負荷情報を取り込むことができる。負荷特性取込部20での消費電力が増加した場合、負荷特性取込部20に動作電圧を供給する電源回路での損失や発熱が増加するが、本実施形態では、負荷特性取込部20での消費電力を低減できるので、電源回路での損失や発熱の増大を抑制できる。
【0051】
また、負荷特性取込部20は、負荷情報を取り込む際に、負荷情報出力部120の抵抗器R10に100μA以上、本実施形態では1mA以上の電流I1を流している。ここで、負荷特性取込部20と負荷情報出力部120とは電線を介して接続されており、電線を接続するためのコネクタが設けられている。コネクタの接点部分などに100μA未満の微少電流が流れると、接点部分に酸化皮膜が形成されて、接触不良などが発生する可能性がある。本実施形態では、負荷特性取込部20が抵抗器R10に少なくとも100μA以上の電流I1を流しているので、点灯装置1と光源ユニット100との間がコネクタを介して接続されている場合でもコネクタの接点部分に酸化皮膜が形成されにくい。よって、点灯装置1と光源ユニット100とを接続する電線がコネクタを介して接続されている場合でも、コネクタの接点部分に金めっきなどの処理を行う必要がなく、点灯装置1と光源ユニット100との電気的接続の信頼性が向上し、耐ノイズ性能も向上する。なお、消費電力の抑制と微少電流による悪影響とを考慮し、負荷特性取込部20が負荷情報を取り込む際に抵抗器R10に供給する電流は100μA以上かつ10mA以下の範囲内であるのが好ましく、特に1mA以上かつ10mA以下の範囲内にあるのが好ましい。
【0052】
(1.3)変形例
以下に、上記実施形態の変形例を列記する。なお、以下に説明する変形例の各構成は、上記実施形態で説明した各構成と適宜組み合わせて適用可能である。
【0053】
(1.3.1)変形例1
図3は変形例1の点灯装置1の回路図である。
【0054】
上記の実施形態では1つの点灯装置1で1つの光源ユニット100を点灯させているが、変形例1では1つの点灯装置1で2つの光源ユニット100A,100Bを点灯させる。なお、上記の実施形態と共通する構成には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0055】
光源ユニット100A,100Bは、それぞれ、LEDのような半導体発光素子からなる光源110A,110Bと、電力が供給されたときに光源110A,110Bの発光特性を示す負荷情報をそれぞれ出力する負荷情報出力部120A,120Bとを備える。光源110Aは例えば複数のLEDからなり、複数のLEDは直列又は並列に接続されている。同様に、光源110Bは例えば複数のLEDからなり、複数のLEDは直列又は並列に接続されている。負荷情報出力部120Aは、光源110Aの光束レベルに応じた抵抗値の抵抗器R11を備えている。負荷情報出力部120Bは、光源110Bの光束レベルに応じた抵抗値の抵抗器R12を備えている。
【0056】
点灯装置1は、電流出力部10A,10Bと、負荷特性取込部20と、制御部30と、出力電流検出部40A,40Bとを備える。
【0057】
電流出力部10A,10Bは、それぞれ、光源ユニット100A,100Bに電流を供給する。
【0058】
負荷特性取込部20は、抵抗器R2と、スイッチ素子Q2,Q3と、マイクロコンピュータ31とで構成される。抵抗器R2の一端には直流電圧Vccが印加される。抵抗器R2の他端は、抵抗器R11の一端と、抵抗器R12の一端とに接続されている。抵抗器R11の他端はスイッチ素子Q2の一端に接続され、スイッチ素子Q2の他端は回路のグランドに接続されている。また、抵抗器R12の他端はスイッチ素子Q3の一端に接続され、スイッチ素子Q3の他端は回路のグランドに接続されている。
図3ではスイッチ素子Q2,Q3を模式的な記号で図示しているが、スイッチ素子Q2,Q3は例えばMOSFETなどで構成される。
【0059】
出力電流検出部40A,40Bは、それぞれ、電流出力部10A,10Bの出力電流を検出する。
【0060】
制御部30は、マイクロコンピュータ31と、駆動信号生成回路32A,32Bとを備えている。
【0061】
マイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD1には、抵抗器R2と抵抗器R11,R12との接続点の電圧が入力される。アナログ入力ポートAD2には、電流出力部10Aの入力電圧を抵抗器R3,R4で分圧した電圧が入力される。アナログ入力ポートAD3には、電流出力部10Bの入力電圧を抵抗器R5,R6で分圧した電圧が入力される。出力ポートPO1,PO2は、それぞれスイッチ素子Q2,Q3の制御端子に接続されている。アナログ出力ポートDA1からは駆動信号生成回路32Aに目標電圧が出力され、アナログ出力ポートDA2からは駆動信号生成回路32Bに目標電圧が出力される。
【0062】
駆動信号生成回路32Aは、出力電流検出部40Aから入力される検出電圧と、マイクロコンピュータ31から入力される目標電圧とに基づいて、出力電流が光源ユニット100Aの光束ランクに応じた目標電流となるように電流出力部10Aの出力を制御する。
【0063】
駆動信号生成回路32Bは、出力電流検出部40Bから入力される検出電圧と、マイクロコンピュータ31から入力される目標電圧とに基づいて、出力電流が光源ユニット100Bの光束ランクに応じた目標電流となるように電流出力部10Bの出力を制御する。
【0064】
以下に、変形例1の点灯装置1の動作について説明する。
【0065】
変形例1の点灯装置1では、スイッチSW1,SW2のいずれかがオンになると、直流電源E1から点灯装置1に電力が供給されて、マイクロコンピュータ31が初期化処理を行う。マイクロコンピュータ31は、初期化後に動作を開始し、光源ユニット100A,100Bの負荷情報出力部120A,120Bから負荷情報を読み込む動作を行う。
【0066】
マイクロコンピュータ31は、負荷情報の読み込み動作を行う前は、出力ポートPO1,PO2の電圧レベルをLレベルにして、スイッチ素子Q2,Q3をオフにしており、この状態では負荷情報出力部120A,120Bには電力が供給されていない。
【0067】
マイクロコンピュータ31は、負荷情報の読み込み動作を行うときは、まず、出力ポートPO1の電圧レベルをHレベル、出力ポートPO2の電圧レベルをLレベルにして、スイッチ素子Q2をオン、スイッチ素子Q3をオフにする。このとき、抵抗器R2,R11の直列回路に直流電圧Vccが印加され、直流電圧Vccを抵抗器R2と抵抗器R11とで分圧した分圧電圧V11がマイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD1に入力される。
【0068】
マイクロコンピュータ31は、スイッチ素子Q2をオン、スイッチ素子Q3をオフにした状態で、アナログ入力ポートAD1に入力される分圧電圧V11をA/D変換して、分圧電圧を取り込む。マイクロコンピュータ31は、分圧電圧V11の測定値を、光束ランクごとの分圧電圧の検出範囲と比較することで、光源110Aの負荷仕様、すなわち光源110Aの光束ランクを判別する。
【0069】
マイクロコンピュータ31は、光源110Aの光束ランクを判別すると、出力ポートPO1の電圧レベルをLレベル、出力ポートPO2の電圧レベルをHレベルにして、スイッチ素子Q2をオフ、スイッチ素子Q3をオンにする。このとき、抵抗器R2,R12の直列回路に直流電圧Vccが印加され、直流電圧Vccを抵抗器R2と抵抗器R12とで分圧した分圧電圧V12がマイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD1に入力される。
【0070】
マイクロコンピュータ31は、スイッチ素子Q2をオフ、スイッチ素子Q3をオンにした状態で、アナログ入力ポートAD1に入力される分圧電圧V12をA/D変換して、分圧電圧V12を取り込む。マイクロコンピュータ31は、分圧電圧V12の測定値を、光束ランクごとの分圧電圧の検出範囲と比較することで、光源110Bの負荷仕様、すなわち光源110Bの光束ランクを判別する。
【0071】
マイクロコンピュータ31は、光源110A,110Bの光束ランクを判別すると、出力ポートPO1,PO2の電圧レベルをLレベルにして、スイッチ素子Q2,Q3をオフにする。また、マイクロコンピュータ31は、アナログ入力ポートAD2,AD3にそれぞれ入力された電圧をA/D変換し、これらの電圧をもとに電流出力部10A,10Bの入力電圧を求める。
【0072】
ここで、スイッチSW1がオンであり、かつ、直流電源E1の電源電圧が作動範囲内であれば、マイクロコンピュータ31は、光源110Aの光束ランクから求めた目標電圧を駆動信号生成回路32Aに出力する。駆動信号生成回路32Aは、出力電流検出部40Aの検出電圧と、マイクロコンピュータ31から入力される目標電圧とに基づいて、光源110Aに光束ランクに応じた電流値が供給されるように、電流出力部10Aの出力を制御する。
【0073】
スイッチSW1がオフであるか、又は、スイッチSW1がオンであっても直流電源E1の電源電圧が作動範囲外であれば、マイクロコンピュータ31は、駆動信号生成回路32Aに目標電圧を出力せず、光源110Aを消灯させる。
【0074】
スイッチSW2がオンであり、かつ、直流電源E1の電源電圧が作動範囲内であれば、マイクロコンピュータ31は、光源110Bの光束ランクから求めた目標電圧を駆動信号生成回路32Bに出力する。駆動信号生成回路32Bは、出力電流検出部40Bの検出電圧と、マイクロコンピュータ31から入力される目標電圧とに基づいて、光源110Bに光束ランクに応じた電流値が供給されるように、電流出力部10Bの出力を制御する。
【0075】
スイッチSW2がオフであるか、又は、スイッチSW2がオンであっても直流電源E1の電源電圧が作動範囲外であれば、マイクロコンピュータ31は、駆動信号生成回路32Bに目標電圧を出力せず、光源110Bを消灯させる。
【0076】
このように、変形例1では1つの点灯装置1で2つの光源ユニット100A,100Bを点灯させており、点灯装置1の負荷特性取込部20は、光源ユニット100A,100Bを点灯させる前に光源ユニット100A,100Bの負荷情報を取得する。負荷特性取込部20は、光源ユニット100Aの負荷情報出力部120Aから負荷情報を取り込む取込時のみ負荷情報出力部120Aに電力を供給し、取込時以外では負荷情報出力部120Aに電力を供給していない。また、負荷特性取込部20は、光源ユニット100Bの負荷情報出力部120Bから負荷情報を取り込む取込時のみ負荷情報出力部120Bに電力を供給し、取込時以外では負荷情報出力部120Bに電力を供給していない。よって、取込時以外でも負荷情報出力部120A,120Bに電力を供給する場合に比べて、負荷特性取込部20による消費電力を抑制できる。
【0077】
また、負荷特性取込部20は、負荷情報出力部120Aと負荷情報出力部120Bとに別個に電力を供給しているので、負荷情報出力部120Aと負荷情報出力部120Bとに同時に電力を供給する場合に比べて消費電力を少なくできる。
【0078】
また、変形例1では、抵抗器R2とスイッチ素子Q2とマイクロコンピュータ31とで負荷情報出力部120Aから負荷情報を取り込む回路が構成され、抵抗器R2とスイッチ素子Q3とマイクロコンピュータ31とで負荷情報出力部120Bから負荷情報を取り込む回路が構成される。すなわち、負荷特性取込部20では、負荷情報出力部120Aから負荷情報を取り込む回路と、負荷情報出力部120Bから負荷情報を取り込む回路とで、回路の一部(抵抗器R2)が共通の回路で構成されているので、回路部品を減らして回路の小型化を図ることができる。
【0079】
なお、変形例1の負荷特性取込部20では、スイッチ素子Q2が、負荷情報出力部120Aの抵抗器R11と回路のグランドとの間に接続されているが、スイッチ素子Q2は、抵抗器R2と抵抗器R11との間に接続されてもよい。この場合、抵抗器R11の一端はスイッチ素子Q2に接続され、抵抗器R11の他端は回路のグランドに接続される。
【0080】
また、変形例1の負荷特性取込部20では、スイッチ素子Q3が、負荷情報出力部120Bの抵抗器R12と回路のグランドとの間に接続されているが、スイッチ素子Q3は、抵抗器R2と抵抗器R12との間に接続されてもよい。この場合、抵抗器R12の一端はスイッチ素子Q3に接続され、抵抗器R12の他端は回路のグランドに接続される。
【0081】
このように、スイッチ素子Q2,Q3が抵抗器R2と抵抗器R11,R12との間に接続されていれば、点灯装置1と光源ユニット100A,100Bとの間を接続する電線が地絡するような異常が発生しても、抵抗器R2と抵抗器R11,R12とに電流が流れ続けない。
【0082】
また、負荷特性取込部20は、光源ユニット100Aから負荷情報を取り込んだ後、光源ユニット100Bから負荷情報を取り込んでいるが、負荷情報を取り込む順番は上記の順番に限定されない。負荷特性取込部20は、負荷情報出力部120Bに電力を供給して光源ユニット100Bから負荷情報を取り込んだ後、負荷情報出力部120Aに電力を供給して光源ユニット100Aから負荷情報を取り込んでもよい。負荷情報取込部20は、2以上の光源ユニット100の負荷情報出力部120に順番に電力を供給し、電力を供給した負荷情報出力部120から負荷情報を取り込めばよい。
【0083】
また、変形例1では、1つの点灯装置1で2つの光源ユニット100A,100Bを点灯させているが、1つの点灯装置1で3つ以上の光源ユニット100を点灯させてもよい。この場合でも、負荷特性取込部20は、各光源ユニット100の負荷情報出力部120から負荷情報を取り込む取込時のみ、各光源ユニット100の負荷情報出力部120に個別に電力を供給して、負荷情報出力部120から負荷情報を取り込めばよい。
【0084】
(1.3.2)変形例2
図4は変形例2の点灯装置1の回路図である。
【0085】
変形例1の点灯装置1は、2つの光源ユニット100A,100Bにそれぞれ電流を供給する2つの電流出力部10A,10Bを備えているが、変形例2の点灯装置1では、1つの電流出力部10で2つの光源ユニット100A,100Bに電流を供給している。
【0086】
ここにおいて、実施形態1又は変形例1と共通する構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。なお、電流出力部10、駆動信号生成回路32、及び出力電流検出部40は実施形態1と同様であるので、その説明は省略する。また、負荷特性取込部20は変形例1と同様であるので、その説明は省略する。
【0087】
光源ユニット100A,100Bの光源110A,110Bは、電流出力部10の出力端子間に直列に接続されている。光源110A,110Bのうち一方の光源110Bと並列にスイッチ素子Q4が接続されている。したがって、光源110Aには電流出力部10から出力される電流が常に流れる。一方、光源110Bには、スイッチ素子Q4がオフのときのみ、電流出力部10から出力される電流が流れる。ここにおいて、光源ユニット100A,100Bは前照灯に用いられ、例えば光源ユニット100Aの光源110Aがすれ違い用前照灯(いわゆる、ロービーム)であり、光源ユニット100Bの光源110Bが走行用前照灯(いわゆる、ハイビーム)である。したがって、光源110Bはスイッチ素子Q4がオフのときのみ点灯することになる。
【0088】
マイクロコンピュータ31の入力ポートPI1は、スイッチSW2を介して直流電源E1の正極に接続され、出力ポートPO3はスイッチ素子Q4の制御端子に接続されている。
【0089】
以下に、変形例2の点灯装置1の動作について説明する。
【0090】
スイッチSW1がオンになると、直流電源E1から点灯装置1に電力が供給され、マイクロコンピュータ31が初期化処理を行う。マイクロコンピュータ31は、初期化後に動作を開始し、光源ユニット100A,100Bの負荷情報出力部120A,120Bから負荷情報を読み込む動作を行う。マイクロコンピュータ31は、負荷情報出力部120A,120Bから負荷情報を読み込むと、光源110A,110Bの光束ランクを判定し、光束ランクに応じた目標電圧を設定する。なお、負荷特性取込部20が負荷情報を取り込んで、目標電圧を設定するまでの処理は、変形例1と同様であるので、その説明は省略する。
【0091】
マイクロコンピュータ31は入力ポートPI1の電圧レベルを監視し、入力ポートPI1の電圧レベルに応じて光源ユニット100A,100Bを両方とも点灯させるか、光源ユニット100Aのみを点灯させるかを決定する。
【0092】
例えばスイッチSW2がオフであり、入力ポートPI1の電圧レベルがLレベルになっていると、マイクロコンピュータ31は、出力ポートPO3からLレベルの信号を出力して、スイッチ素子Q4をオフさせ、光源ユニット100Aのみを点灯させる。また、マイクロコンピュータ31は、電流出力部10の出力電流の設定値を、光源ユニット100Aのみを点灯させる場合の設定値とする。そして、マイクロコンピュータ31は、電流出力部10の入力電圧が作動範囲内か否かを判定し、作動範囲内であれば、出力電流の設定値に応じた目標電圧を駆動信号生成回路32に出力する。駆動信号生成回路32は、出力電流検出部40の検出電圧と、マイクロコンピュータ31から入力される目標電圧とに基づいて、電流出力部10の出力を制御する。これにより、電流出力部10から光源ユニット100Aのみを点灯させるのに必要な電流が光源ユニット100Aに供給される。
【0093】
一方、スイッチSW2がオンであり、入力ポートPI1の電圧レベルがHレベルになっていると、マイクロコンピュータ31は、出力ポートPO3からHレベルの信号を出力して、スイッチ素子Q4をオンさせ、光源ユニット100A,100Bを点灯させる。マイクロコンピュータ31は、電流出力部10の出力電流の設定値を、光源ユニット100Aを点灯させる場合の設定値と、光源ユニット100Bを点灯させる場合の設定値とのうち小さい方の電流値とする。そして、マイクロコンピュータ31は、電流出力部10の入力電圧が作動範囲内か否かを判定し、作動範囲内であれば、出力電流の設定値に応じた目標電圧を駆動信号生成回路32に出力する。駆動信号生成回路32は、出力電流検出部40の検出電圧と、マイクロコンピュータ31から入力される目標電圧とに基づいて、電流出力部10の出力を制御する。これにより、電流出力部10から光源ユニット100A,100Bを点灯させるのに必要な電流が光源ユニット100A,100Bに供給される。
【0094】
なお、1つの電流出力部10で、並列に接続された複数の光源ユニット100を点灯させる場合、制御部30は、複数の光源ユニット100から取得した負荷情報をもとに、各光源ユニット100の定格電流の合計値に電流出力部10の出力電流を制御すればよい。
【0095】
(1.3.3)その他の変形例
実施形態1では光源110の発光特性が5つのランクに分かれているが、発光特性は2つ以上のランクに分かれていればよい。
【0096】
また、光源110はLEDに限定されない。光源110は半導体光源であればよく、例えば有機発光ダイオードでもよい。
【0097】
負荷情報出力部120は抵抗器からなり、電力が供給されると発光特性ごとにあらかじめ決められた電圧値を出力しているが、発光特性ごとにあらかじめ決められた電流値を出力してもよい。
【0098】
また、負荷情報出力部120は負荷情報を記憶したメモリなどでもよい。この場合、負荷情報取込部20は、負荷情報出力部120を構成するメモリから負荷情報を取り込むインターフェースを有し、負荷情報を読み込むときのみメモリ(負荷情報出力部120)に電力を供給して、メモリから負荷情報を取り込めばよい。
【0099】
(実施形態2)
実施形態2に係る点灯装置1を
図5に基づいて説明する。なお、実施形態2で説明する構成(変形例を含む)は、他の実施形態で説明する構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて適用可能である。
【0100】
(2.1)構成
本実施形態の点灯装置1は、電流出力部10と、負荷特性取込部20と、温度取込部50と、制御部30とを備える。また、本実施形態の点灯装置1は出力電流検出部40を更に備えている。なお、電流出力部10、負荷特性取込部20、制御部30、及び出力電流検出部40は実施形態1と同様の構成を有しているので、その説明は省略する。
【0101】
本実施形態の点灯装置1は、自動車のような車両に設けられた光源ユニット100を点灯させるために用いられる。光源ユニット100は、光源110と、負荷情報出力部120と、光源ユニット100の温度を測定する温度測定部130とを備える。なお、光源110及び負荷情報出力部120は実施形態1と同様であるので、その説明は省略する。
【0102】
温度測定部130は、光源110の周囲の温度を測定する。温度測定部130は、例えば光源ユニット100のケース内部に設けられたサーミスタRt1を有しており、サーミスタRt1の抵抗値は光源110の周囲の温度に応じて変化する。なお、温度測定部130は光源110の温度を直接測定してもよい。
【0103】
点灯装置1の温度取込部50は、抵抗器R21と、スイッチ素子Q5と、マイクロコンピュータ31とで構成される。抵抗器R21の一端には直流電圧Vccが印加される。抵抗器R21の他端はサーミスタRt1の一端に接続されている。サーミスタRt1の他端と回路のグランドとの間にスイッチ素子Q5が接続されている。
【0104】
制御部30は、マイクロコンピュータ31と、駆動信号生成回路32とを備えている。なお、駆動信号生成回路32の構成は実施形態1と同様であるからその説明は省略する。
【0105】
マイクロコンピュータ31はCPUとメモリとを備える。CPUが、メモリに記憶されたプログラムを実行することで、負荷情報出力部120から負荷情報を取り込む機能、負荷情報をもとに発光特性を判定する機能、温度測定部130から温度の測定値を取り込む機能、発光特性及び温度の測定値に応じて電流出力部10の出力を制御する機能などが実現される。マイクロコンピュータ31の出力ポートPO1,PO4は、スイッチ素子Q2,Q5の制御電極に接続されている。アナログ入力ポートAD1には、抵抗器R2と抵抗器R10との接続点の電圧が入力される。アナログ入力ポートAD4には、抵抗器R21とサーミスタRt1との接続点の電圧が入力される。アナログ出力ポートDA1は、駆動信号生成回路32に接続されている。なお、マイクロコンピュータ31のCPUが実行するプログラムは、点灯装置1の工場出荷時にあらかじめメモリに記憶されていてもよいし、メモリカードなどの記憶媒体に記録されて提供されてもよいし、電気通信回線を通して提供されてもよい。
【0106】
(2.2)動作説明
以下に、本実施形態の点灯装置1の動作を説明する。
【0107】
車両の運転者の操作又は車両のECUからのオン指令に応じて電源スイッチSW1がオンになり、直流電源E1から点灯装置1に電力が供給されると、マイクロコンピュータ31が初期化処理を行う。マイクロコンピュータ31は初期化後に動作を開始し、光源ユニット100の負荷情報出力部120から負荷情報を読み込む動作を行う。なお、マイクロコンピュータ31が、負荷情報出力部120から負荷情報を読み込み、負荷情報に基づいて光束ランクを判別する動作は実施形態1と同様であるから、その説明は省略する。
【0108】
次に、マイクロコンピュータ31は光源ユニット100の温度測定部130から温度の測定値を読み込む動作を行う。マイクロコンピュータ31は、温度の測定値の読み込み動作を行う前は、出力ポートPO4の電圧レベルをLレベルにして、スイッチ素子Q5をオフにしており、この状態では温度測定部130には電力が供給されていない。そして、マイクロコンピュータ31は、温度の測定値の読み込み動作を行うときは、出力ポートPO4の電圧レベルをHレベルにして、スイッチ素子Q5をオンにする。このとき、抵抗器R21とサーミスタRt1との直列回路に直流電圧Vccが印加され、直流電圧Vccを抵抗器R21とサーミスタRt1とで分圧した分圧電圧がマイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD4に入力される。
【0109】
マイクロコンピュータ31は、スイッチ素子Q5をオンにした状態で、アナログ入力ポートAD4に入力される分圧電圧をA/D変換して、分圧電圧を取り込む。マイクロコンピュータ31は、アナログ入力ポートAD4に入力された分圧電圧をもとにサーミスタRt1の抵抗値を求め、サーミスタRt1の抵抗値から周囲の温度を取得する。マイクロコンピュータ31は、分圧電圧の測定値を取り込むと、出力ポートPO4の電圧レベルをLレベルにして、スイッチ素子Q5をオフにしており、サーミスタRt1への電力の供給を遮断する。これにより、マイクロコンピュータ31は、温度の測定値を取り込むときのみ、温度測定部130に電力を供給し、温度の測定値を取り込むとき以外では、温度測定部130に電力を供給しない。
【0110】
マイクロコンピュータ31は、光源110の光束ランクを判別すると、光束ランクに応じた出力電流の設定値をメモリから取り込む。また、マイクロコンピュータ31は、温度測定部130から取得した温度の測定値に基づいて、光束ランクに応じて決定された出力電流の設定値を補正する。例えば、マイクロコンピュータ31のメモリには、温度の閾値と、温度の測定値が閾値を超えたときの補正量とが、あらかじめ設定されている。
【0111】
マイクロコンピュータ31は、温度測定部130から取得した温度の測定値が閾値よりも低ければ、光束ランクに応じて決定された出力電流の設定値に基づいて目標電圧を決定し、この目標電圧をアナログ出力ポートDA1から駆動信号生成回路32に出力する。また、マイクロコンピュータ31は、温度測定部130から取得した温度の測定値が閾値以上であれば、光束ランクに応じて決定された出力電流の設定値から補正量を減算して出力電流の設定値を求める。そして、マイクロコンピュータ31は、補正後の出力電流の設定値に基づいて目標電圧を決定し、この目標電圧をアナログ出力ポートDA1から駆動信号生成回路32に出力する。
【0112】
駆動信号生成回路32は、出力電流検出部40からの検出電圧が、マイクロコンピュータ31から入力される目標電圧に一致するように、駆動信号VS1のオンデューティを調整しており、電流出力部10からの出力電流が所望の電流値に制御される。
【0113】
ここにおいて、マイクロコンピュータ31は、光源ユニット100の点灯中に温度測定部130から温度の測定値を周期的に取り込み、温度の測定値に基づいて出力電流の設定値を補正する処理を周期的に行う。本実施形態では、マイクロコンピュータ31は、温度の測定値に基づいて、高温時に出力電流を低減する動作を行っている。
【0114】
ここにおいて、光源ユニット100では光源110が備えるLEDは放熱用基板やヒートシンクなどに取り付けられているので、光源110の温度変化は、駆動信号生成回路32におけるフィードバック制御の制御周期よりも緩慢であると想定される。したがって、マイクロコンピュータ31は、駆動信号生成回路32におけるフィードバック制御の制御周期よりも長い間隔で温度測定部130から温度の測定値を取り込んでいる。例えば、駆動信号生成回路32におけるフィードバック制御の制御周期が例えば100マイクロ秒程度であれば、マイクロコンピュータ31は、10ミリ秒〜1秒程度の周期で、温度測定部130から温度の測定値を取り込めばよい。
【0115】
ここで、点灯装置1の温度取込部50において、直流電圧Vccを5V、抵抗器R21の抵抗値を1kΩとする。また、サーミスタRt1の仕様は、25℃における抵抗値が10kΩで、25℃と50℃の間でのB定数が3380Kである。
【0116】
サーミスタRt1の抵抗値は、25℃では10kΩ、100℃では0.9760kΩ、125℃では0.5324kΩというように、高温になるほど抵抗値が小さくなるように変化する。したがって、マイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD4に入力される分圧電圧は、高温になるほど電圧値が小さくなり、例えば25℃、100℃、125℃の各温度では、それぞれ4.545V、2.470V、1.737Vとなる。したがって、マイクロコンピュータ31は、アナログ入力ポートAD4に入力される分圧電圧をもとに、光源110の周囲の温度を取得することができる。
【0117】
なお、温度取込部50が温度測定部130から温度の測定値を取り込む際に、サーミスタRt1に流れる電流は、例えば25℃では0.455mA、100℃では2.530mA、125℃では3.263mAとなる。上述のように、高温になるほどサーミスタRt1の抵抗値が小さくなるため、温度取込部50が温度測定部130から温度の測定値を取り込む際に、サーミスタRt1に流れる電流は高温になるほど増加する。本実施形態では、高温時においても温度を取り込むときのみ、温度取込部50が温度測定部130に電力を供給しているので、温度測定部130に常時電力が供給されている場合に比べて、温度測定部130での消費電力を抑制できる。
【0118】
(2.3)変形例
以下に、上記実施形態の変形例を列記する。なお、以下に説明する変形例の各構成は、実施形態1,2で説明する各構成と適宜組み合わせて適用可能である。
【0119】
(2.3.1)変形例1
図6は変形例1の点灯装置1の回路図である。なお、実施形態2と共通する構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0120】
実施形態2では、抵抗器R10と回路のグランドとの間にスイッチ素子Q2が接続され、サーミスタRt1と回路のグランドとの間にスイッチ素子Q5が接続され、マイクロコンピュータ31によってスイッチ素子Q2,Q5が別々にオン/オフされていた。それに対して、変形例1では、抵抗器R10及びサーミスタRt1と、回路のグランドとの間にスイッチ素子Q6が接続されている。スイッチ素子Q6の制御端子はマイクロコンピュータ31の出力ポートPO5に接続されている。
【0121】
マイクロコンピュータ31は、負荷情報及び温度の測定値を取り込むとき以外は出力ポートPO5の電圧レベルをHレベルにして、スイッチ素子Q6をオフにしており、負荷情報出力部120及び温度測定部130には電力が供給されない。
【0122】
一方、マイクロコンピュータ31は、負荷情報及び温度の測定値を取り込むときのみ出力ポートPO5の電圧レベルをHレベルにして、スイッチ素子Q6をオンにする。スイッチ素子Q6がオンになると、負荷情報出力部120及び温度測定部130に電力が供給される。マイクロコンピュータ31は、出力ポートPO5の電圧レベルをHレベルにした状態で、アナログ入力ポートAD1,AD4の入力電圧をA/D変換して、光源110の負荷情報と温度の測定値とを取り込んでいる。
【0123】
マイクロコンピュータ31は、光源110の負荷情報をもとに光束ランクを判別し、光束ランクと温度の測定値とに基づいて電流出力部10の出力電流を制御する。なお、マイクロコンピュータ31が光源110の光束ランクと温度の測定値とに基づいて電流出力部10の出力電流を制御する処理は実施形態2と同様であるので、その説明は省略する。
【0124】
変形例1では、負荷特性取込部20が抵抗器R2とスイッチ素子Q6とマイクロコンピュータ31とで構成され、温度取込部50が抵抗器R21とスイッチ素子Q6とマイクロコンピュータ31とで構成されている。すなわち、負荷特性取込部20と温度取込部50とで回路の一部(スイッチ素子Q6)が、共通の回路で構成されているので、負荷特性取込部20と温度取込部50とが別々にスイッチ素子を備える場合に比べて、回路の小型化を図ることができる。
【0125】
(2.3.2)変形例2
図7は変形例2の点灯装置1の回路図である。なお、実施形態2と共通する構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0126】
実施形態2では、直流電圧Vccを発生する電源回路から負荷情報出力部120及び温度測定部130に電圧を印加している。それに対して、変形例2では、マイクロコンピュータ31の出力ポートPO6,PO7から、それぞれ負荷情報出力部120、温度測定部130に電圧を印加している。
【0127】
すなわち、マイクロコンピュータ31の出力ポートPO6と回路のグランドとの間に抵抗器R2と抵抗器R10とが直列に接続される。そして、抵抗器R2と抵抗器R10との接続点の電圧がマイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD1に入力されている。
【0128】
また、マイクロコンピュータ31の出力ポートPO7と回路のグランドとの間に抵抗器R21とサーミスタRt1とが直列に接続される。そして、抵抗器R21とサーミスタRt1との接続点の電圧がマイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD4に入力されている。
【0129】
変形例2では、マイクロコンピュータ31は、負荷情報を取り込むとき以外は出力ポートPO6の電圧レベルをLレベルとし、負荷情報出力部120には電力を供給していない。マイクロコンピュータ31は、負荷情報を取り込むときは、出力ポートPO6の電圧レベルをHレベルとし、出力ポートPO6から抵抗器R2と抵抗器R10との直列回路に一定電圧を印加する。このとき、マイクロコンピュータ31は、アナログ入力ポートAD1に入力された分圧電圧をA/D変換することで、抵抗器R10の両端電圧を求め、この両端電圧から光源110の光束ランクを判別する。
【0130】
また、マイクロコンピュータ31は、温度の測定値を取り込むとき以外は出力ポートPO7の電圧レベルをLレベルとし、温度測定部130には電力を供給していない。マイクロコンピュータ31は、温度測定部130から温度の測定値を取り込むときは、出力ポートPO7の電圧レベルをHレベルとし、出力ポートPO7から抵抗器R21とサーミスタRt1との直列回路に一定電圧を印加する。このとき、マイクロコンピュータ31は、アナログ入力ポートAD4に入力された分圧電圧をA/D変換することで、サーミスタRt1の両端電圧を求め、この両端電圧から温度の測定値を取得する。
【0131】
変形例2では、マイクロコンピュータ31の出力ポートPO6,PO7から、それぞれ負荷情報出力部120、温度測定部130に電圧を印加しているので、実施形態2に比べてスイッチ素子Q2,Q5をなくすことができ、回路の小型化を図ることができる。
【0132】
(2.3.3)変形例3
図8は変形例3の点灯装置1の回路図である。なお、実施形態2と共通する構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0133】
上記の実施形態2では1つの点灯装置1で1つの光源ユニット100を点灯させているが、変形例3では1つの点灯装置1で2つの光源ユニット100A,100Bを点灯させる。なお、実施形態2又は実施形態1の変形例1と共通する構成には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0134】
光源ユニット100A,100Bは、それぞれ、LEDのような半導体発光素子からなる光源110A,110Bと、電力が供給されたときに光源110A,110Bの発光特性を示す負荷情報をそれぞれ出力する負荷情報出力部120A,120Bとを備えている。また、光源ユニット100A,100Bは、それぞれ、光源110A,110Bの温度を測定する温度測定部130A,130Bを備えている。
【0135】
点灯装置1は、電流出力部10A,10Bと、負荷特性取込部20と、温度取込部50と、制御部30と、出力電流検出部40A,40Bとを備える。なお、電流出力部10A,10Bと出力電流検出部40A,40Bとは実施形態1の変形例1と同様の構成を有しているので、その説明は省略する。
【0136】
負荷特性取込部20は、抵抗器R2と、スイッチ素子Q2,Q3と、マイクロコンピュータ31とで構成される。抵抗器R2の一端には直流電圧Vccが印加される。抵抗器R2の他端はスイッチ素子Q2,Q3の一端に接続されている。スイッチ素子Q2の他端には抵抗器R11の一端が接続され、抵抗器R11の他端は回路のグランドに接続されている。また、スイッチ素子Q3の他端には抵抗器R12の一端が接続され、抵抗器R12の他端は回路のグランドに接続されている。
【0137】
温度取込部50は、抵抗器R21と、スイッチ素子Q5,Q7と、マイクロコンピュータ31とで構成される。抵抗器R21の一端には直流電圧Vccが印加される。抵抗器R21の他端はスイッチ素子Q5,Q7の一端に接続されている。スイッチ素子Q5の他端にはサーミスタRt1の一端が接続され、サーミスタRt1の他端は回路のグランドに接続されている。また、スイッチ素子Q7の他端にはサーミスタRt2の一端が接続され、サーミスタRt2の他端は回路のグランドに接続されている。
【0138】
制御部30は、マイクロコンピュータ31と、駆動信号生成回路32A,32Bとを備えている。なお、駆動信号生成回路32A,32Bは実施形態1の変形例1と同様の構成を有しているので、その説明は省略する。
【0139】
マイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD1には、抵抗器R2とスイッチ素子Q2,Q3との接続点の電圧が入力される。マイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD2には、電流出力部10Aの入力電圧を抵抗器R3,R4で分圧した電圧が入力される。アナログ入力ポートAD3には、電流出力部10Bの入力電圧を抵抗器R5,R6で分圧した電圧が入力される。アナログ入力ポートAD4には、抵抗器R21とスイッチ素子Q5,Q7との接続点の電圧が入力される。出力ポートPO1はスイッチ素子Q2の制御端子に接続され、出力ポートPO2はスイッチ素子Q3の制御端子に接続されている。出力ポートPO8はスイッチ素子Q5の制御端子に接続され、出力ポートPO9はスイッチ素子Q7の制御端子に接続されている。アナログ出力ポートDA1からは駆動信号生成回路32Aに目標電圧が出力され、アナログ出力ポートDA2からは駆動信号生成回路32Bに目標電圧が出力される。
【0140】
以下に、変形例3の点灯装置1の動作を
図9のフロー図に基づいて説明する。
【0141】
変形例3の点灯装置1では、スイッチSW1,SW2のいずれかがオンになると、直流電源E1から点灯装置1に電力が供給されて、マイクロコンピュータ31が初期化処理を行う(ステップS11)。マイクロコンピュータ31は初期化後に動作を開始し、光源ユニット100A,100Bの負荷情報出力部120A,120Bから負荷情報を読み込む動作を行う(ステップS12)。
【0142】
マイクロコンピュータ31は、負荷情報の読み込み動作を行う前は、出力ポートPO1,PO2の電圧レベルをLレベルにして、スイッチ素子Q2,Q3をオフにしており、この状態では負荷情報出力部120A,120Bには電力が供給されていない。そして、マイクロコンピュータ31は、負荷情報の読み込み動作を行うときは、まず出力ポートPO1の電圧レベルをHレベルにして、スイッチ素子Q2をオンにする。このとき、抵抗器R2,R11の直列回路に直流電圧Vccが印加され、直流電圧Vccを抵抗器R2と抵抗器R11とで分圧した分圧電圧VL1がマイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD1に入力される。マイクロコンピュータ31は、スイッチ素子Q2をオンにした状態で、アナログ入力ポートAD1に入力される分圧電圧VL1をA/D変換して、分圧電圧VL1の電圧値を求める。マイクロコンピュータ31は、分圧電圧VL1を取り込むと、出力ポートPO1の電圧レベルをLレベルにして、スイッチ素子Q2をオフにしており、抵抗器R11への電力の供給を遮断する。
【0143】
次に、マイクロコンピュータ31は、出力ポートPO2の電圧レベルをHレベルにして、スイッチ素子Q3をオンにする。このとき、抵抗器R2,R12の直列回路に直流電圧Vccが印加され、直流電圧Vccを抵抗器R2と抵抗器R12とで分圧した分圧電圧VL2がマイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD1に入力される。マイクロコンピュータ31は、スイッチ素子Q3をオンにした状態で、アナログ入力ポートAD1に入力される分圧電圧VL2をA/D変換し、分圧電圧VL2の電圧値を求める。マイクロコンピュータ31は、分圧電圧VL2の測定値を取り込むと、出力ポートPO2の電圧レベルをLレベルにして、スイッチ素子Q3をオフにしており、抵抗器R12への電力の供給を遮断する。
【0144】
マイクロコンピュータ31は、分圧電圧VL1,VL2を取り込むと、分圧電圧VL1,VL2の測定値を、光束ランクごとの分圧電圧の検出範囲と比較することで、光源110A,110Bの光束ランク(負荷仕様)を判別する(ステップS13)。マイクロコンピュータ31は、光源110A,110Bの光束ランクを判別すると、光束ランクに応じた出力電流の設定値をメモリから取り込む(ステップS14)。なお、マイクロコンピュータ31は、分圧電圧VL1,VL2の測定値が、光束ランク1〜5のいずれの判定範囲にも入っていなければ、負荷情報を取り込む回路などで異常が発生していると判断し、出力電流の目標値を設定する処理を行わない。
【0145】
マイクロコンピュータ31は、光源110A,110Bの光束ランクを判別すると、アナログ入力ポートAD2に入力された電圧V6をA/D変換し、電圧V6の測定値をもとに電流出力部10Aに入力される入力電圧V1を取り込む。また、マイクロコンピュータ31は、アナログ入力ポートAD3に入力された電圧V7をA/D変換し、電圧V7の測定値をもとに電流出力部10Bに入力される入力電圧V2を取り込む(ステップS15)。
【0146】
マイクロコンピュータ31は、入力電圧V1,V2の測定値を取り込むと、入力電圧V1,V2の測定値がそれぞれ作動範囲内か否かを判定する(ステップS16,S17,S18)。直流電源E1は車両のバッテリを電源としているので、直流電源E1の電源電圧は変動する可能性がある。マイクロコンピュータ31は、入力電圧V1,V2の測定値が作動範囲内であれば、光源110A,110Bを点灯させる処理を開始し、入力電圧V1,V2の測定値が作動範囲外であれば、光源110A,110Bを点灯させる処理を行わない。
【0147】
ここで、ステップS16,S17の判定処理で、入力電圧V1,V2の測定値が作動範囲内であれば(ステップS16:Yes,ステップS17:Yes)、マイクロコンピュータ31は、光源110A,110Bの両方を点灯させる。マイクロコンピュータ31は、光源110Aの光束ランクに応じた目標電圧V41を駆動信号生成回路32Aに出力し(ステップS19)、光源110Bの光束ランクに応じた目標電圧V42を駆動信号生成回路32Bに出力する(ステップS20)。このとき、駆動信号生成回路32A,32Bによって電流出力部10A,10Bの出力が制御され、電流出力部10A,10Bから光源ユニット100A,100Bに電流が供給されることで、光源110A,110Bが点灯する。
【0148】
その後、マイクロコンピュータ31は、例えば10ミリ秒ごとに温度測定部130A,130Bから温度の測定値を取り込む処理を行う(ステップS21)。マイクロコンピュータ31は、温度の測定値の読み込み動作を行う前は、出力ポートPO8,PO9の電圧レベルをLレベルにして、スイッチ素子Q5,Q7をオフにしており、この状態では温度測定部130には電力が供給されていない。そして、マイクロコンピュータ31は、温度の測定値の読み込み動作を行うときは、まず出力ポートPO8の電圧レベルをHレベルにして、スイッチ素子Q5をオンにする。このとき、抵抗器R21とサーミスタRt1との直列回路に直流電圧Vccが印加され、直流電圧Vccを抵抗器R21とサーミスタRt1とで分圧した分圧電圧がマイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD4に入力される。マイクロコンピュータ31は、スイッチ素子Q5をオンにした状態で、アナログ入力ポートAD4に入力される分圧電圧をA/D変換し、分圧電圧の電圧値から光源110Aの温度を求める。マイクロコンピュータ31は、分圧電圧の測定値を取り込むと、出力ポートPO8の電圧レベルをLレベルにして、スイッチ素子Q5をオフにしており、サーミスタRt1への電力の供給を遮断する。
【0149】
次に、マイクロコンピュータ31は、出力ポートPO9の電圧レベルをHレベルにして、スイッチ素子Q7をオンにする。このとき、抵抗器R21とサーミスタRt2との直列回路に直流電圧Vccが印加され、直流電圧Vccを抵抗器R21とサーミスタRt2とで分圧した分圧電圧がマイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD4に入力される。マイクロコンピュータ31は、スイッチ素子Q7をオンにした状態で、アナログ入力ポートAD4に入力される分圧電圧をA/D変換し、分圧電圧の電圧値から光源110Bの温度を求める。マイクロコンピュータ31は、分圧電圧の測定値を取り込むと、出力ポートPO9の電圧レベルをLレベルにして、スイッチ素子Q7をオフにしており、サーミスタRt1への電力の供給を遮断する。
【0150】
マイクロコンピュータ31は、温度測定部130A,130Bから温度の測定値を取り込むと、光源110A,110Bの温度の測定値をもとに目標電圧V41,V42を補正する処理を行う。そして、マイクロコンピュータ31は、補正後の目標電圧V41,V42を駆動信号生成回路32A,32Bに出力しており、電流出力部10A,10Bの出力電流を温度の測定値に応じて補正する(ステップS22)。
【0151】
このように、マイクロコンピュータ31は、例えば10ミリ秒が経過するごとに温度測定部130A,130Bから温度の測定値を取り込み、光源ユニット100A,100Bの温度変化に応じて、点灯装置1から光源ユニット100A,100Bに供給する電流値を補正する。
【0152】
また、ステップS16,S17の判定処理で、入力電圧V1の測定値は作動範囲内であるが、入力電圧V2の測定値が作動範囲外になった場合(ステップS16:Yes,ステップS17:No)、マイクロコンピュータ31は光源110Aのみを点灯させる。
【0153】
マイクロコンピュータ31は、光源110Aの光束ランクに応じた目標電圧V41を駆動信号生成回路32Aに出力する(ステップS23)。このとき、駆動信号生成回路32Aによって電流出力部10Aの出力が制御され、電流出力部10Aから光源ユニット100Aに電流が供給されることで、光源110Aが点灯する。
【0154】
その後、マイクロコンピュータ31は、例えば10ミリ秒ごとに温度測定部130Aから温度の測定値を取り込む処理を行う(ステップS24)。
【0155】
マイクロコンピュータ31は、温度測定部130Aから温度の測定値を取り込むと、光源110Aの温度の測定値をもとに目標電圧V41を補正する処理を行う。そして、マイクロコンピュータ31は、補正後の目標電圧V41を駆動信号生成回路32Aに出力し、電流出力部10Aの出力電流を温度の測定値に応じて補正する(ステップS25)。これにより、光源ユニット100Aの温度変化に応じて、点灯装置1から光源ユニット100Aに供給される電流値が補正される。
【0156】
また、ステップS16,S17の判定処理で、入力電圧V2の測定値は作動範囲内であるが、入力電圧V1の測定値が作動範囲外になった場合(ステップS16:No,ステップS18:Yes)、マイクロコンピュータ31は光源110Bのみを点灯させる。
【0157】
マイクロコンピュータ31は、光源110Bの光束ランクに応じた目標電圧V42を駆動信号生成回路32Bに出力する(ステップS26)。このとき、駆動信号生成回路32Bによって電流出力部10Bの出力が制御され、電流出力部10Bから光源ユニット100Bに電流が供給されることで、光源110Bが点灯する。
【0158】
その後、マイクロコンピュータ31は、例えば10ミリ秒ごとに温度測定部130Bから温度の測定値を取り込む処理を行う(ステップS27)。
【0159】
マイクロコンピュータ31は、温度測定部130Bから温度の測定値を取り込むと、光源110Bの温度の測定値をもとに目標電圧V42を補正する処理を行う。そして、マイクロコンピュータ31は、補正後の目標電圧V42を駆動信号生成回路32Bに出力し、電流出力部10Bの出力電流を温度の測定値に応じて補正する(ステップS28)。
【0160】
以後、マイクロコンピュータ31は、例えば10ミリ秒が経過するごとに温度測定部130Bから温度の測定値を取り込み、光源ユニット100Bの温度変化に応じて、点灯装置1が光源ユニット100Bに供給する電流値を補正する。
【0161】
また、ステップS16,S17の判定処理で、入力電圧V1,V2の測定値が両方ともに作動範囲外であった場合(ステップS16:No,ステップS18:No)、マイクロコンピュータ31は光源110A,110Bを消灯させる。
【0162】
マイクロコンピュータ31は、駆動信号生成回路32A,32Bに目標電圧V41,V42を出力せず(ステップS29)、光源110A,110Bを消灯させる。
【0163】
なお、変形例3では、負荷特性取込部20のスイッチ素子Q2が抵抗器R2と抵抗器R11との間に接続されているが、スイッチ素子Q2は抵抗器R11と回路のグランドとの間に接続されてもよい。同様に、負荷特性取込部20のスイッチ素子Q3が抵抗器R2と抵抗器R12との間に接続されているが、スイッチ素子Q3は抵抗器R12と回路のグランドとの間に接続されてもよい。
【0164】
また、変形例3では、温度取込部50のスイッチ素子Q5が抵抗器R21とサーミスタRt1との間に接続されているが、スイッチ素子Q5はサーミスタRt1と回路のグランドとの間に接続されてもよい。同様に、温度取込部50のスイッチ素子Q7が抵抗器R21とサーミスタRt2との間に接続されているが、スイッチ素子Q7はサーミスタRt2と回路のグランドとの間に接続されてもよい。
【0165】
また、変形例3では、1つの点灯装置1で2つの光源ユニット100を点灯させているが、1つの点灯装置1で3つ以上の光源ユニット100を点灯させてもよい。この場合でも、負荷特性取込部20は、各光源ユニット100の負荷情報出力部120から負荷情報を取り込む取込時のみに、各光源ユニット100の負荷情報出力部120に個別に電力を供給して、負荷情報出力部120から負荷情報を取り込めばよい。また、温度取込部50は、各光源ユニット100の温度測定部130から温度の測定値を取り込む取込時のみに、各光源ユニット100の温度測定部130に順番に電力を供給して、温度測定部130から温度の測定値を取り込めばよい。
【0166】
(2.3.4)変形例4
図10は変形例4の点灯装置1の回路図である。
【0167】
変形例4では、実施形態2の変形例3で説明した点灯装置1において、負荷特性取込部20と、温度取込部50とで、回路の一部が共通の回路で構成されている。なお、負荷特性取込部20及び温度取込部50以外の構成は変形例3と同様であるから、共通する構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0168】
負荷特性取込部20は、抵抗器R2と、スイッチ素子Q2,Q3と、マイクロコンピュータ31とで構成される。抵抗器R2の一端には直流電圧Vccが印加される。抵抗器R2の他端にはスイッチ素子Q2,Q3の一端が接続されている。スイッチ素子Q2の他端と回路のグランドとの間には抵抗器R11が接続され、スイッチ素子Q3の他端と回路のグランドとの間には抵抗器R12が接続されている。
【0169】
また、温度取込部50は、抵抗器R2と、スイッチ素子Q5,Q7と、マイクロコンピュータ31とで構成される。抵抗器R2の一端には直流電圧Vccが印加される。抵抗器R2の他端にはスイッチ素子Q5,Q7の一端が接続されている。スイッチ素子Q5の他端と回路のグランドとの間にはサーミスタRt1が接続され、スイッチ素子Q7の他端と回路のグランドとの間にはサーミスタRt2が接続されている。
【0170】
ここで、マイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD1には、スイッチ素子Q2,Q3,Q5,Q7と、抵抗器R2との接続点の電圧が入力される。
【0171】
以下に、負荷特性取込部20及び温度取込部50の動作について説明する。
【0172】
マイクロコンピュータ31は、負荷情報及び温度の読み込み動作を行う前は、出力ポートPO1,PO2,PO8,PO9の電圧レベルをLレベルにして、スイッチ素子Q2,Q3,Q5,Q7をオフにする。この状態では負荷情報出力部120A,120B及びサーミスタRt1,Rt2には電力が供給されていない。
【0173】
マイクロコンピュータ31は、光源ユニット100Aの負荷情報の読み込み動作を行うときは、出力ポートPO2,PO8,PO9の電圧レベルをLレベルにした状態で、出力ポートPO1の電圧レベルをHレベルにする。このとき、スイッチ素子Q2のみがオン、スイッチ素子Q3,Q5,Q7がオフになり、抵抗器R2,R11の直列回路に直流電圧Vccが印加される。そして、直流電圧Vccを抵抗器R2と抵抗器R11とで分圧した分圧電圧がマイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD1に入力される。マイクロコンピュータ31は、スイッチ素子Q2のみをオンにした状態で、アナログ入力ポートAD1に入力される分圧電圧をA/D変換し、分圧電圧の電圧値から光源110Aの負荷情報(光束ランク)を求める。マイクロコンピュータ31は、分圧電圧の測定値を取り込むと、出力ポートPO1の電圧レベルをLレベルにして、スイッチ素子Q2をオフにしており、抵抗器R11への電力の供給を遮断する。
【0174】
マイクロコンピュータ31は、光源ユニット100Bの負荷情報の読み込み動作を行うときは、出力ポートPO1,PO8,PO9の電圧レベルをLレベルにした状態で、出力ポートPO2の電圧レベルをHレベルにする。このとき、スイッチ素子Q3のみがオン、スイッチ素子Q2,Q5,Q7がオフになり、抵抗器R2,R12の直列回路に直流電圧Vccが印加される。そして、直流電圧Vccを抵抗器R2と抵抗器R12とで分圧した分圧電圧がマイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD1に入力される。マイクロコンピュータ31は、スイッチ素子Q3のみをオンにした状態で、アナログ入力ポートAD1に入力される分圧電圧をA/D変換し、分圧電圧の電圧値から光源110Bの負荷情報(光束ランク)を求める。マイクロコンピュータ31は、分圧電圧の測定値を取り込むと、出力ポートPO2の電圧レベルをLレベルにして、スイッチ素子Q3をオフにしており、抵抗器R12への電力の供給を遮断する。
【0175】
マイクロコンピュータ31は、光源ユニット100Aの温度の読み込み動作を行うときは、出力ポートPO1,PO2,PO9の電圧レベルをLレベルにした状態で、出力ポートPO8の電圧レベルをHレベルにする。このとき、スイッチ素子Q5のみがオン、スイッチ素子Q2,Q3,Q7がオフになり、抵抗器R2とサーミスタRt1との直列回路に直流電圧Vccが印加される。そして、直流電圧Vccを抵抗器R2とサーミスタRt1とで分圧した分圧電圧がマイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD1に入力される。マイクロコンピュータ31は、スイッチ素子Q5のみをオンにした状態で、アナログ入力ポートAD1に入力される分圧電圧をA/D変換し、分圧電圧の電圧値から光源110Aの温度を求める。マイクロコンピュータ31は、分圧電圧の測定値を取り込むと、出力ポートPO8の電圧レベルをLレベルにして、スイッチ素子Q5をオフにしており、サーミスタRt1への電力の供給を遮断する。
【0176】
マイクロコンピュータ31は、光源ユニット100Bの温度の読み込み動作を行うときは、出力ポートPO1,PO2,PO8の電圧レベルをLレベルにした状態で、出力ポートPO9の電圧レベルをHレベルにする。このとき、スイッチ素子Q7のみがオン、スイッチ素子Q2,Q3,Q5がオフになり、抵抗器R2とサーミスタRt2との直列回路に直流電圧Vccが印加される。そして、直流電圧Vccを抵抗器R2とサーミスタRt2とで分圧した分圧電圧がマイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートAD1に入力される。マイクロコンピュータ31は、スイッチ素子Q7のみをオンにした状態で、アナログ入力ポートAD1に入力される分圧電圧をA/D変換し、分圧電圧の電圧値から光源110Bの温度を求める。マイクロコンピュータ31は、分圧電圧の測定値を取り込むと、出力ポートPO9の電圧レベルをLレベルにして、スイッチ素子Q7をオフにしており、サーミスタRt2への電力の供給を遮断する。
【0177】
以上のように、マイクロコンピュータ31は、スイッチ素子Q2,Q3,Q5,Q7のうちのいずれか1つをオンにすることで、光源ユニット100A,100Bの負荷情報又は温度の測定値を取得することができる。
【0178】
ここにおいて、変形例4では、負荷特性取込部20と温度取込部50とで回路の一部(抵抗器R2)が共通の回路で構成されているので、回路の小型化を図ることができる。また、マイクロコンピュータ31のアナログ入力ポートが1つで済むという利点もある。
【0179】
(実施形態3)
図11は、本実施形態に係る照明器具200の断面図である。
【0180】
本実施形態に係る照明器具200は、例えば車両用の前照灯装置である。
【0181】
照明器具200は、実施形態2で説明した点灯装置1及び光源ユニット100を収納する器具本体201を備えている。
【0182】
器具本体201はボディ202とカバー203とで構成される。
【0183】
ボディ202は、合成樹脂又は金属により、前面に開口部を有する箱状に形成されている。
【0184】
カバー203は、ガラスやアクリル樹脂などの透光性を有する材料で形成されており、ボディ202の開口部に取り付けられる。
【0185】
光源ユニット100は、光源110が実装された基板101を有している。基板101には、抵抗器R10からなる負荷情報出力部120と、サーミスタRt1からなる温度測定部130とが実装されている。
【0186】
基板101は放熱部材102に取り付けられており、放熱部材102はねじなどの支持部材103を介してボディ202に固定されている。
【0187】
また、光源ユニット100は配光を制御するレンズ105を有し、レンズ105は支持部材104を介して放熱部材102に取り付けられている。また、放熱部材102には、光源110から照射された光を反射して、反射光をレンズ105に入射させるための反射部材106が取り付けられている。
【0188】
ボディ202には点灯装置1も収納されており、点灯装置1と光源ユニット100の基板101とは電線61を介して電気的に接続されている。また、点灯装置1は電線62を介して直流電源E1に接続されている。
【0189】
ここにおいて、照明器具200は、実施形態2で説明した点灯装置1と光源ユニット100とを備えるものに限定されず、実施形態1、2(変形例を含む)で説明した点灯装置1と光源ユニット100とを備えていればよい。
【0190】
本実施形態の照明器具200は実施形態1,2(変形例を含む)で説明した点灯装置1を備えているので、消費電流を低減することができる点灯装置1を備えた照明器具200を提供できる。
【0191】
なお、照明器具200は車両用の前照灯装置に限定されず、住宅、商業施設、オフィスビルなどの施設において使用される施設用照明やダウンライトなどの照明器具でもよい。
【0192】
(実施形態4)
図12に本実施形態に係る車両300の斜視図を示す。
【0193】
車両300は、例えば、セダンタイプの普通乗用車である。
【0194】
車両300の車体301の前部における左右両側には実施形態3で説明した照明器具200が配置されている。照明器具200は、実施形態1,2(変形例を含む)で説明した説明した点灯装置1を備えているので、消費電流を低減することができる点灯装置1を備えた車両300を提供できる。
【0195】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の点灯装置1は1以上の光源ユニット100(100A,100B)を点灯させる。光源ユニット100は、光源110と、電力が供給されたときに光源110の発光特性を示す負荷情報を出力する負荷情報出力部120と、を備える。点灯装置1は、電流出力部10と負荷特性取込部20と制御部30とを備える。電流出力部10は1以上の光源ユニット100の光源110に電流を供給する。負荷特性取込部20は、1以上の光源ユニット100の負荷情報出力部120に電力を供給することによって、負荷情報出力部120から負荷情報を取り込む。制御部30は、負荷特性取込部20によって取り込まれた負荷情報に基づいて、電流出力部10が光源110に供給する電流を制御する。負荷特性取込部20は、負荷情報を取り込む取込時のみ負荷情報出力部120に電力を供給し、取込時以外は負荷情報出力部120に電力を供給しないように構成されている。
【0196】
第1の態様の点灯装置によれば、負荷特性取込部20は、負荷情報を取り込む取込時以外は負荷情報出力部120に電力を供給しないので、負荷情報出力部120に電力を常に供給する場合に比べて消費電力を低減することができる。
【0197】
第2の態様の点灯装置1は、第1の態様において、電流出力部10は2以上の光源ユニット100の光源110に電流を供給するのが好ましい。負荷特性取込部20は、2以上の光源ユニット100がそれぞれ備える2以上の負荷情報出力部120に電力を供給することによって、2以上の負荷情報出力部120から負荷情報を取り込むことが好ましい。
【0198】
第2の態様の点灯装置によれば、電流出力部10が2以上の光源ユニット100の光源110に電流を供給する場合でも、制御部30は、2以上の光源ユニット100の各々に供給する電流を、当該光源ユニット100の負荷情報に基づいて制御することができる。
【0199】
第3の態様の点灯装置1は、第2の態様において、負荷特性取込部20において、2以上の負荷情報出力部120に電力をそれぞれ供給することによって、2以上の負荷情報出力部120から負荷情報をそれぞれ取り込む2以上の回路の一部が、共通の回路で構成されていることも好ましい。
【0200】
第3の態様の点灯装置1によれば、2以上の回路の一部が、共通の回路で構成されているので、回路の小型化を図ることができる。
【0201】
第4の態様の点灯装置1は、第2又は第3の態様において、負荷特性取込部20は、2以上の負荷情報出力部120に順番に電力を供給してもよい。負荷特性取込部20は、2以上の負荷情報出力部120のうち電力を供給した負荷情報出力部120から負荷情報を取り込むように構成されてもよい。
【0202】
第4の態様の点灯装置1によれば、負荷特性取込部20は、2以上の負荷情報出力部120に順番に電力を供給するので、2以上の負荷情報出力部120に同時に電力を供給する場合に比べて消費電力を低減できる。
【0203】
第5の態様の点灯装置1では、第2〜第4のいずれかの態様において、1つの電流出力部10が2以上の光源ユニット100の光源110に電流を供給してもよい。制御部30は、電流出力部10が光源110に供給する電流値を、2以上の光源ユニット100の負荷情報に基づいて設定した電流値に制御してもよい。
【0204】
第5の態様の点灯装置1によれば、1つの電流出力部10が2以上の光源ユニット100の光源110に電流を供給する場合に、2以上の光源ユニット100の負荷情報に基づいて電流出力部10が光源110に供給する電流値を制御することができる。
【0205】
第6の態様の点灯装置1では、第2〜第4のいずれかの態様において、2以上の光源ユニット100のそれぞれに電流出力部10が別個に設けられてもよい。制御部30は、2以上の光源ユニット100のそれぞれの負荷情報に基づいて、当該光源ユニット100に対応する電流出力部10が光源110に供給する電流値を制御する。
【0206】
第6の態様の点灯装置1によれば、2以上の光源ユニット100のそれぞれに電流出力部10が別個に設けられている場合、電流出力部10が光源110に供給する電流値を、対応する光源ユニット100の負荷情報に基づいて制御できる。
【0207】
第7の態様の点灯装置1では、第1〜第6のいずれかの態様において、負荷特性取込部20は、電流出力部10が光源ユニット100の光源110に電流を供給する前に、当該光源ユニット100の負荷情報出力部120に電力を供給して負荷情報出力部120から負荷情報を取り込むように構成されてもよい。
【0208】
第7の態様の点灯装置1によれば、電流出力部10から光源ユニット100に、光源ユニットの負荷情報に基づいて制御された出力電流が供給されるから、光源ユニット100に適切な電流を供給して光源ユニット100を点灯させることができる。
【0209】
第8の態様の点灯装置1は、第1〜第7のいずれかの態様において、1以上の光源ユニット100に設けられた温度測定部130に電力を供給することによって、温度測定部130から温度の測定値を取り込む温度取込部50を、更に備えてもよい。制御部30は、負荷情報と温度取込部50によって取り込まれた温度の測定値とに基づいて、電流出力部10が光源110に供給する電流を制御してもよい。温度取込部50は、温度の測定値を取り込む温度取込時のみ温度測定部130に電力を供給し、温度取込時以外は温度測定部130に電力を供給しないように構成されてもよい。
【0210】
第8の態様の点灯装置1によれば、温度取込部50は、温度取込時以外は温度測定部130に電力を供給しないように構成されているので、温度測定部130に電力を常に供給する場合に比べて消費電力を低減することができる。
【0211】
第9の態様の点灯装置1は、第8の態様において、電流出力部10は2以上の光源ユニット100の光源110に電流を供給してもよい。温度取込部50は、2以上の光源ユニット100がそれぞれ備える2以上の温度測定部130に電力を供給することによって、2以上の温度測定部130から温度の測定値を取り込むように構成されてもよい。
【0212】
第9の態様の点灯装置によれば、電流出力部10が2以上の光源ユニット100の光源110に電流を供給する場合でも、制御部30は、2以上の光源ユニット100の各々に供給する電流を、当該光源ユニット100の温度測定部130の測定値に基づいて制御することができる。
【0213】
第10の態様の点灯装置1は、第9の態様において、温度取込部50において、2以上の温度測定部130に電力をそれぞれ供給することによって、2以上の温度測定部130から温度の測定値をそれぞれ取り込む2以上の回路の一部が、共通の回路で構成されてもよい。
【0214】
第10の態様の点灯装置1によれば、2以上の温度測定部130から温度の測定値をそれぞれ取り込む2以上の回路の一部が、共通の回路で構成されているから、回路の小型化を図ることができる。
【0215】
第11の態様の点灯装置1は、第9又は第10の態様において、温度取込部50は、2以上の温度測定部130に順番に電力を供給してもよい。温度取込部50は、2以上の温度測定部130のうち電力を供給した温度測定部130から温度の測定値を取り込むように構成されてもよい。
【0216】
第11の態様の点灯装置1によれば、温度取込部50は、2以上の温度測定部130順番に電力を供給しているから、2以上の温度測定部130に同時に電力を供給する場合に比べて消費電力を低減できる。
【0217】
第12の態様の点灯装置1は、第8〜第11のいずれかの態様において、温度取込部50は、光源110の点灯中に、温度測定部130に周期的に電力を供給して、温度測定部130から温度の測定値を周期的に取り込むように構成されてもよい。
【0218】
第12の態様の点灯装置1によれば、光源110の点灯中に光源110の温度が変化する場合でも、制御部30が、温度取込部50によって周期的に取り込まれた温度の測定値に基づいて、光源110に供給する電流を制御することができる。
【0219】
第13の態様の点灯装置1は、第12の態様において、制御部30は、所定の制御周期で電流出力部10の出力電流を測定してフィードバック制御を行っており、温度取込部50が温度の測定値を取り込む周期が制御周期よりも長いことが好ましい。
【0220】
第13の態様の点灯装置1によれば、光源110の温度はフィードバック制御の制御周期に比べて緩やかに変化すると想定されるので、温度の測定値を取り込む周期を制御周期よりも長くすることで、応答性を損なわずに消費電力を低減することができる。
【0221】
第14の態様の点灯装置1は、第8〜第13のいずれかの態様において、温度取込部50を構成する回路の一部と、負荷特性取込部20を構成する回路の一部とが、共通の回路で構成されていてもよい。
【0222】
第14の態様の点灯装置1によれば、温度取込部50を構成する回路の一部と、負荷特性取込部20を構成する回路の一部とが、共通の回路で構成されるので、回路の小型化を図ることができる。
【0223】
一態様の照明器具200は、第1〜第14のいずれかの態様の点灯装置1と、点灯装置1を保持する器具本体201とを備えている。
【0224】
これにより、消費電力を低減した点灯装置1を備えた照明器具200を提供できる。
【0225】
一態様の車両300は、一態様の照明器具200と、照明器具200が取り付けられる車体301とを備えている。
【0226】
これにより、消費電力を低減した点灯装置1を備えた車両300を提供できる。