特許第6799928号(P6799928)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6799928
(24)【登録日】2020年11月26日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】脱墨処理方法および古紙再生処理装置
(51)【国際特許分類】
   D21C 5/02 20060101AFI20201207BHJP
【FI】
   D21C5/02
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-36524(P2016-36524)
(22)【出願日】2016年2月29日
(65)【公開番号】特開2017-155344(P2017-155344A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2018年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】雑賀 理通
【審査官】 長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−011022(JP,A)
【文献】 特開2011−038206(JP,A)
【文献】 特開2011−226021(JP,A)
【文献】 特開平11−200270(JP,A)
【文献】 特開平04−272286(JP,A)
【文献】 特開平05−154476(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102012210988(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21B1/00−1/38
D21C1/00−11/14
D21D1/00−99/00
D21F1/00−13/12
D21G1/00−9/00
D21H11/00−27/42
D21J1/00−7/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の処理部で構成する古紙再生処理系において、一つの処理部をなす脱墨部で、気泡となす空気の供給下にパルプ混合液を脱墨処理しつつ脱墨排液を泡沫として槽外へ排出し、脱墨した脱墨パルプ混合液を脱墨部から次工程に送出し、
脱墨部から槽外へ排出する脱墨排液量の測定操作において、パルプ混合液を脱墨部の測定基準液位まで供給した後にパルプ混合液の供給を一時停止して測定開始時とし、脱墨パルプ混合液の送出が測定開始時から所定時間経過した時点を供給再開時として脱墨部へのパルプ混合液の供給を再開し、脱墨部内のパルプ混合液の液位が測定基準液位に復帰した時点を測定終了時とし、供給再開時から測定終了時までに脱墨部に供給したパルプ混合液量を測定供給量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨部から送出した脱墨パルプ混合液量を測定送出量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨部から排出した脱墨排液量を測定損失量とし、測定供給量から測定送出量を減算して求めた測定損失量を制御指標値とし、
空気量制御操作において、制御指標値が基準値より多い場合は、脱墨部での泡沫の発生量が過剰であると判断し、脱墨部への空気供給量を低減し、
制御指標値が基準値より少ない場合は、脱墨部での泡沫の発生量が過少であると判断し、脱墨部への空気供給量を増加することを特徴とする脱墨処理方法。
【請求項2】
複数の処理部で構成する古紙再生処理系において、一つの処理部をなす脱墨部で、気泡となす空気の供給下にパルプ混合液を脱墨処理しつつ脱墨排液を泡沫として槽外へ排出し、脱墨した脱墨パルプ混合液を脱墨部から次工程に送出し、
脱墨部から槽外へ排出する脱墨排液量の測定操作において、パルプ混合液を脱墨部の測定基準液位まで供給した後にパルプ混合液の供給を一時停止して測定開始時とし、脱墨パルプ混合液の送出が測定開始時から所定時間経過した時点を供給再開時として脱墨部へのパルプ混合液の供給を再開し、脱墨部内のパルプ混合液の液位が測定基準液位に復帰した時点を測定終了時とし、供給再開時から測定終了時までに脱墨部に供給したパルプ混合液量を測定供給量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨部から送出した脱墨パルプ混合液量を測定送出量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨部から排出した脱墨排液量を測定損失量とし、測定供給量から測定送出量を減算して測定損失量を求め、測定供給量に占める測定損出量の割合である損失割合を制御指標値とし、
空気量制御操作において、制御指標値が基準値より多い場合は、脱墨部での泡沫の発生量が過剰であると判断し、脱墨部への空気供給量を低減し、
制御指標値が基準値より少ない場合は、脱墨部での泡沫の発生量が過少であると判断し、脱墨部への空気供給量を増加することを特徴とする脱墨処理方法。
【請求項3】
複数の処理部で構成する古紙再生処理系において、一つの処理部をなす脱墨部で、気泡となす空気の供給下にパルプ混合液を脱墨処理しつつ脱墨排液を泡沫として槽外へ排出し、脱墨した脱墨パルプ混合液を脱墨部から次工程に送出し、
脱墨部から槽外へ排出する脱墨排液量の測定操作において、パルプ混合液を脱墨部の測定基準液位まで供給した後にパルプ混合液の供給を一時停止して測定開始時とし、脱墨パルプ混合液の送出が測定開始時から所定時間経過した時点を供給再開時として脱墨部へのパルプ混合液の供給を再開し、脱墨部内のパルプ混合液の液位が測定基準液位に復帰した時点を測定終了時とし、供給再開時から測定終了時までに脱墨部に供給したパルプ混合液量を測定供給量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨部から送出した脱墨パルプ混合液量を測定送出量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨部から排出した脱墨排液量を測定損失量とし、測定供給量から測定送出量を減算して測定損失量を求め、測定損失量を測定開始時から測定終了時までに経過した測定時間で除算した単位時間当たりの損失量を制御指標値とし、
空気量制御操作において、制御指標値が基準値より多い場合は、脱墨部での泡沫の発生量が過剰であると判断し、脱墨部への空気供給量を低減し、
制御指標値が基準値より少ない場合は、脱墨部での泡沫の発生量が過少であると判断し、脱墨部への空気供給量を増加することを特徴とする脱墨処理方法。
【請求項4】
測定操作と空気量制御操作を繰り返して脱墨部から排出する脱墨排液量を適正量に収斂させることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の脱墨処理方法。
【請求項5】
測定基準液位は、脱墨部の槽内に設けた液位検出部で検出し、
測定供給量および測定送出量は、ポンプの定格吐出量と稼働時間との積として算出し、もしくは流量計で計測することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の脱墨処理方法。
【請求項6】
古紙再生処理系を構成する複数の処理部と、各処理部を制御する制御部を備え、処理部の一つをなす脱墨部は、脱墨槽と、測定基準液位を検出する液位検出部と、パルプ混合液を脱墨槽に供給する供給ポンプと、脱墨した脱墨パルプ混合液を脱墨槽から送出する送出ポンプと、脱墨槽内に配置した気泡放出装置と、気泡放出装置に空気を供給する空気供給装置を有し、気泡となす空気の供給下にパルプ混合液を脱墨処理しつつ脱墨排液を泡沫として槽外へ排出し、
制御部は、脱墨槽から排出する脱墨排液量の測定操作において、供給ポンプによるパルプ混合液の供給によって槽内液位が測定基準液位に達したことを液位検出部で検出した時に供給ポンプを一時停止して測定開始時とし、送出ポンプよる脱墨パルプ混合液の排出が測定開始時から所定時間経過した時点を供給再開時として供給ポンプによる脱墨槽へのパルプ混合液の供給を再開し、脱墨槽内のパルプ混合液の液位が測定基準液位に復帰した時点を測定終了時とし、供給再開時から測定終了時までに脱墨槽に供給したパルプ混合液量を測定供給量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨槽から送出した脱墨パルプ混合液量を測定送出量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨槽から排出した脱墨排液量を測定損失量とし、測定供給量から測定送出量を減算して求めた測定損失量を制御指標値とし、
空気量制御操作において、制御指標値が基準値より多い場合は、脱墨槽での泡沫の発生量が過剰であると判断し、空気供給装置の空気供給量を低減し、
制御指標値が基準値より少ない場合は、脱墨槽での泡沫の発生量が過少であると判断し、空気供給装置の空気供給量を増加することを特徴とする古紙再生処理装置。
【請求項7】
古紙再生処理系を構成する複数の処理部と、各処理部を制御する制御部を備え、処理部の一つをなす脱墨部は、脱墨槽と、測定基準液位を検出する液位検出部と、パルプ混合液を脱墨槽に供給する供給ポンプと、脱墨した脱墨パルプ混合液を脱墨槽から送出する送出ポンプと、脱墨槽内に配置した気泡放出装置と、気泡放出装置に空気を供給する空気供給装置を有し、気泡となす空気の供給下にパルプ混合液を脱墨処理しつつ脱墨排液を泡沫として槽外へ排出し、
制御部は、脱墨槽から排出する脱墨排液量の測定操作において、供給ポンプによるパルプ混合液の供給によって槽内液位が測定基準液位に達したことを液位検出部で検出した時に供給ポンプを一時停止して測定開始時とし、送出ポンプよる脱墨パルプ混合液の排出が測定開始時から所定時間経過した時点を供給再開時として供給ポンプによる脱墨槽へのパルプ混合液の供給を再開し、脱墨槽内のパルプ混合液の液位が測定基準液位に復帰した時点を測定終了時とし、供給再開時から測定終了時までに脱墨槽に供給したパルプ混合液量を測定供給量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨槽から送出した脱墨パルプ混合液量を測定送出量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨槽から排出した脱墨排液量を測定損失量とし、測定供給量から測定送出量を減算して測定損失量を求め、測定供給量に占める測定損出量の割合である損失割合を制御指標値とし、
空気量制御操作において、制御指標値が基準値より多い場合は、脱墨槽での泡沫の発生量が過剰であると判断し、空気供給装置の空気供給量を低減し、
制御指標値が基準値より少ない場合は、脱墨槽での泡沫の発生量が過少であると判断し、空気供給装置の空気供給量を増加することを特徴とする古紙再生処理装置。
【請求項8】
古紙再生処理系を構成する複数の処理部と、各処理部を制御する制御部を備え、処理部の一つをなす脱墨部は、脱墨槽と、測定基準液位を検出する液位検出部と、パルプ混合液を脱墨槽に供給する供給ポンプと、脱墨した脱墨パルプ混合液を脱墨槽から送出する送出ポンプと、脱墨槽内に配置した気泡放出装置と、気泡放出装置に空気を供給する空気供給装置を有し、気泡となす空気の供給下にパルプ混合液を脱墨処理しつつ脱墨排液を泡沫として槽外へ排出し、
制御部は、脱墨槽から排出する脱墨排液量の測定操作において、供給ポンプによるパルプ混合液の供給によって槽内液位が測定基準液位に達したことを液位検出部で検出した時に供給ポンプを一時停止して測定開始時とし、送出ポンプよる脱墨パルプ混合液の排出が測定開始時から所定時間経過した時点を供給再開時として供給ポンプによる脱墨槽へのパルプ混合液の供給を再開し、脱墨槽内のパルプ混合液の液位が測定基準液位に復帰した時点を測定終了時とし、供給再開時から測定終了時までに脱墨槽に供給したパルプ混合液量を測定供給量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨槽から送出した脱墨パルプ混合液量を測定送出量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨槽から排出した脱墨排液量を測定損失量とし、測定供給量から測定送出量を減算して測定損失量を求め、測定損失量を測定開始時から測定終了時までに経過した測定時間で除算した単位時間当たりの損失量を制御指標値とし、
空気量制御操作において、制御指標値が基準値より多い場合は、脱墨槽での泡沫の発生量が過剰であると判断し、空気供給装置の空気供給量を低減し、
制御指標値が基準値より少ない場合は、脱墨槽での泡沫の発生量が過少であると判断し、空気供給装置の空気供給量を増加することを特徴とする古紙再生処理装置。
【請求項9】
制御部は、測定操作と空気量制御操作を繰り返して空気供給装置の空気供給量を適正量に収斂させることを特徴とする請求項6から8の何れか1項に記載の古紙再生処理装置。
【請求項10】
制御部は、測定供給量および測定送出量として、供給ポンプおよび送出ポンプの定格吐出量と稼働時間との積、もしくは別途に設けた流量計の計測値を用いることを特徴とする請求項6から8の何れか1項に記載の古紙再生処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、古紙再生処理装置に関し、脱墨排液の処理に係る技術である。
【背景技術】
【0002】
従来の古紙再生処理の脱墨処理では、脱墨槽でパルプ混合液に界面活性剤等の脱墨剤を添加し、脱墨槽の下方から気泡を供給してフローテーションによりパルプ混合液に含まれたインク、トナー等を浮遊分離している。パルプ混合液に含まれたインク、トナー等は、気泡に付着して泡沫となって脱墨槽の液面上に浮遊し、脱墨槽から槽外へ脱墨排液として排出される。
【0003】
泡沫の発生量はパルプ混合液の性状にもよるが、脱墨槽へ気泡として供給する空気供給量の多寡によって変化する。泡沫の発生量が多い場合は気泡の放出量が過剰で脱墨排液に含まれるパルプ繊維が多くなり、泡沫の発生量が少ない場合は気泡の放出量が過少でインク、トナー等の黒色成分を十分に除去できず、抄紙した再生紙に黒点が発現する。
【0004】
このため、例えば特許文献1に記載するものでは、脱墨装置の脱墨槽に、上部の開口部から脱墨槽の外部へ溢れ出す気泡の押上力を受けて変移する蓋体を設け、蓋体の開き位置に基づいて、開口部から外部へ溢れ出す気泡の溢流量を把握し、この溢流量から脱墨槽内の脱墨の状態を判断している。
【0005】
また、脱墨槽から槽外へ泡沫として排出した後に排水タンクに廃棄される脱墨排液量を損失量として測定し、この損失量を指標として脱墨槽に放出する気泡量を制御する方法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−38206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
損失量の測定は、脱墨排液量を直接的に測定することが好ましい。しかし、脱墨排液は泡沫として排出されるので、泡の量をセンサ等を用いて直接的に測定することは困難である。
【0008】
このため、排水タンクに廃棄した泡沫状の脱墨排液を破泡処理等を行って後に沈殿槽に廃棄排水として移送し、この移送量や移送に要する時間を疑似的に損失量として扱い、脱墨槽で発生させる気泡量を制御する指標としていた。
【0009】
しかし、排水タンクには他の経路からも排水が流入するので、この他の経路から流入する排水量を減算する必要があり、計算が複雑となって測定結果を出すまでの時間が長くなる問題があった。
【0010】
本発明は、上記した課題を解決するものであり、脱墨部における脱墨処理の運転状態を簡易な構成で検知して効率良く制御することができる脱墨処理方法および古紙再生処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の脱墨処理方法は、複数の処理部で構成する古紙再生処理系において、一つの処理部をなす脱墨部で、気泡となす空気の供給下にパルプ混合液を脱墨処理しつつ脱墨排液を泡沫として槽外へ排出し、脱墨した脱墨パルプ混合液を脱墨部から次工程に送出し、脱墨部から槽外へ排出する脱墨排液量の測定操作において、パルプ混合液を脱墨部の測定基準液位まで供給した後にパルプ混合液の供給を一時停止して測定開始時とし、脱墨パルプ混合液の送出が測定開始時から所定時間経過した時点を供給再開時として脱墨部へのパルプ混合液の供給を再開し、脱墨部内のパルプ混合液の液位が測定基準液位に復帰した時点を測定終了時とし、供給再開時から測定終了時までに脱墨部に供給したパルプ混合液量を測定供給量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨部から送出した脱墨パルプ混合液量を測定送出量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨部から排出した脱墨排液量を測定損失量とし、測定供給量から測定送出量を減算して求めた測定損失量を制御指標値とし、空気量制御操作において、制御指標値が基準値より多い場合は、脱墨部での泡沫の発生量が過剰であると判断し、脱墨部への空気供給量を低減し、制御指標値が基準値より少ない場合は、脱墨部での泡沫の発生量が過少であると判断し、脱墨部への空気供給量を増加することを特徴とする。
【0012】
本発明の脱墨処理方法は、複数の処理部で構成する古紙再生処理系において、一つの処理部をなす脱墨部で、気泡となす空気の供給下にパルプ混合液を脱墨処理しつつ脱墨排液を泡沫として槽外へ排出し、脱墨した脱墨パルプ混合液を脱墨部から次工程に送出し、
脱墨部から槽外へ排出する脱墨排液量の測定操作において、パルプ混合液を脱墨部の測定基準液位まで供給した後にパルプ混合液の供給を一時停止して測定開始時とし、脱墨パルプ混合液の送出が測定開始時から所定時間経過した時点を供給再開時として脱墨部へのパルプ混合液の供給を再開し、脱墨部内のパルプ混合液の液位が測定基準液位に復帰した時点を測定終了時とし、供給再開時から測定終了時までに脱墨部に供給したパルプ混合液量を測定供給量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨部から送出した脱墨パルプ混合液量を測定送出量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨部から排出した脱墨排液量を測定損失量とし、測定供給量から測定送出量を減算して測定損失量を求め、測定供給量に占める測定損出量の割合である損失割合を制御指標値とし、空気量制御操作において、制御指標値が基準値より多い場合は、脱墨部での泡沫の発生量が過剰であると判断し、脱墨部への空気供給量を低減し、制御指標値が基準値より少ない場合は、脱墨部での泡沫の発生量が過少であると判断し、脱墨部への空気供給量を増加することを特徴とする。
本発明の脱墨処理方法は、複数の処理部で構成する古紙再生処理系において、一つの処理部をなす脱墨部で、気泡となす空気の供給下にパルプ混合液を脱墨処理しつつ脱墨排液を泡沫として槽外へ排出し、脱墨した脱墨パルプ混合液を脱墨部から次工程に送出し、
脱墨部から槽外へ排出する脱墨排液量の測定操作において、パルプ混合液を脱墨部の測定基準液位まで供給した後にパルプ混合液の供給を一時停止して測定開始時とし、脱墨パルプ混合液の送出が測定開始時から所定時間経過した時点を供給再開時として脱墨部へのパルプ混合液の供給を再開し、脱墨部内のパルプ混合液の液位が測定基準液位に復帰した時点を測定終了時とし、供給再開時から測定終了時までに脱墨部に供給したパルプ混合液量を測定供給量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨部から送出した脱墨パルプ混合液量を測定送出量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨部から排出した脱墨排液量を測定損失量とし、測定供給量から測定送出量を減算して測定損失量を求め、測定損失量を測定開始時から測定終了時までに経過した測定時間で除算した単位時間当たりの損失量を制御指標値とし、空気量制御操作において、制御指標値が基準値より多い場合は、脱墨部での泡沫の発生量が過剰であると判断し、脱墨部への空気供給量を低減し、制御指標値が基準値より少ない場合は、脱墨部での泡沫の発生量が過少であると判断し、脱墨部への空気供給量を増加することを特徴とする。
本発明の脱墨処理方法において、測定操作と空気量制御操作を繰り返して脱墨部から排出する脱墨排液量を適正量に収斂させることを特徴とする。
【0014】
本発明の脱墨処理方法において、測定基準液位は、脱墨部の槽内に設けた液位検出部で検出し、測定供給量および測定送出量は、ポンプの定格吐出量と稼働時間との積として算出し、もしくは流量計で計測することを特徴とする。
【0015】
本発明の古紙再生処理装置は、古紙再生処理系を構成する複数の処理部と、各処理部を制御する制御部を備え、処理部の一つをなす脱墨部は、脱墨槽と、測定基準液位を検出する液位検出部と、パルプ混合液を脱墨槽に供給する供給ポンプと、脱墨した脱墨パルプ混合液を脱墨槽から送出する送出ポンプと、脱墨槽内に配置した気泡放出装置と、気泡放出装置に空気を供給する空気供給装置を有し、気泡となす空気の供給下にパルプ混合液を脱墨処理しつつ脱墨排液を泡沫として槽外へ排出し、制御部は、脱墨槽から排出する脱墨排液量の測定操作において、供給ポンプによるパルプ混合液の供給によって槽内液位が測定基準液位に達したことを液位検出部で検出した時に供給ポンプを一時停止して測定開始時とし、送出ポンプよる脱墨パルプ混合液の排出が測定開始時から所定時間経過した時点を供給再開時として供給ポンプによる脱墨槽へのパルプ混合液の供給を再開し、脱墨槽内のパルプ混合液の液位が測定基準液位に復帰した時点を測定終了時とし、供給再開時から測定終了時までに脱墨槽に供給したパルプ混合液量を測定供給量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨槽から送出した脱墨パルプ混合液量を測定送出量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨槽から排出した脱墨排液量を測定損失量とし、測定供給量から測定送出量を減算して求めた測定損失量を制御指標値とし、空気量制御操作において、制御指標値が基準値より多い場合は、脱墨槽での泡沫の発生量が過剰であると判断し、空気供給装置の空気供給量を低減し、制御指標値が基準値より少ない場合は、脱墨槽での泡沫の発生量が過少であると判断し、空気供給装置の空気供給量を増加することを特徴とする。
【0016】
本発明の古紙再生処理装置は、古紙再生処理系を構成する複数の処理部と、各処理部を制御する制御部を備え、処理部の一つをなす脱墨部は、脱墨槽と、測定基準液位を検出する液位検出部と、パルプ混合液を脱墨槽に供給する供給ポンプと、脱墨した脱墨パルプ混合液を脱墨槽から送出する送出ポンプと、脱墨槽内に配置した気泡放出装置と、気泡放出装置に空気を供給する空気供給装置を有し、気泡となす空気の供給下にパルプ混合液を脱墨処理しつつ脱墨排液を泡沫として槽外へ排出し、制御部は、脱墨槽から排出する脱墨排液量の測定操作において、供給ポンプによるパルプ混合液の供給によって槽内液位が測定基準液位に達したことを液位検出部で検出した時に供給ポンプを一時停止して測定開始時とし、送出ポンプよる脱墨パルプ混合液の排出が測定開始時から所定時間経過した時点を供給再開時として供給ポンプによる脱墨槽へのパルプ混合液の供給を再開し、脱墨槽内のパルプ混合液の液位が測定基準液位に復帰した時点を測定終了時とし、供給再開時から測定終了時までに脱墨槽に供給したパルプ混合液量を測定供給量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨槽から送出した脱墨パルプ混合液量を測定送出量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨槽から排出した脱墨排液量を測定損失量とし、測定供給量から測定送出量を減算して測定損失量を求め、測定供給量に占める測定損出量の割合である損失割合を制御指標値とし、空気量制御操作において、制御指標値が基準値より多い場合は、脱墨槽での泡沫の発生量が過剰であると判断し、空気供給装置の空気供給量を低減し、制御指標値が基準値より少ない場合は、脱墨槽での泡沫の発生量が過少であると判断し、空気供給装置の空気供給量を増加することを特徴とする。
本発明の古紙再生処理装置は、古紙再生処理系を構成する複数の処理部と、各処理部を制御する制御部を備え、処理部の一つをなす脱墨部は、脱墨槽と、測定基準液位を検出する液位検出部と、パルプ混合液を脱墨槽に供給する供給ポンプと、脱墨した脱墨パルプ混合液を脱墨槽から送出する送出ポンプと、脱墨槽内に配置した気泡放出装置と、気泡放出装置に空気を供給する空気供給装置を有し、気泡となす空気の供給下にパルプ混合液を脱墨処理しつつ脱墨排液を泡沫として槽外へ排出し、制御部は、脱墨槽から排出する脱墨排液量の測定操作において、供給ポンプによるパルプ混合液の供給によって槽内液位が測定基準液位に達したことを液位検出部で検出した時に供給ポンプを一時停止して測定開始時とし、送出ポンプよる脱墨パルプ混合液の排出が測定開始時から所定時間経過した時点を供給再開時として供給ポンプによる脱墨槽へのパルプ混合液の供給を再開し、脱墨槽内のパルプ混合液の液位が測定基準液位に復帰した時点を測定終了時とし、供給再開時から測定終了時までに脱墨槽に供給したパルプ混合液量を測定供給量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨槽から送出した脱墨パルプ混合液量を測定送出量とし、測定開始時から測定終了時までに脱墨槽から排出した脱墨排液量を測定損失量とし、測定供給量から測定送出量を減算して測定損失量を求め、測定損失量を測定開始時から測定終了時までに経過した測定時間で除算した単位時間当たりの損失量を制御指標値とし、空気量制御操作において、制御指標値が基準値より多い場合は、脱墨槽での泡沫の発生量が過剰であると判断し、空気供給装置の空気供給量を低減し、制御指標値が基準値より少ない場合は、脱墨槽での泡沫の発生量が過少であると判断し、空気供給装置の空気供給量を増加することを特徴とする。
本発明の古紙再生処理装置において、制御部は、測定操作と空気量制御操作を繰り返して空気供給装置の空気供給量を適正量に収斂させることを特徴とする。
【0018】
本発明の古紙再生処理装置において、制御部は、測定供給量および測定送出量として、供給ポンプおよび送出ポンプの定格吐出量と稼働時間との積、もしくは別途に設けた流量計の計測値を用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
以上のように本発明によれば、脱墨部へ供給するパルプ混合液の供給量と脱墨部から排出する脱墨パルプ混合液の排出量との差量を脱墨排液による損失量として求めることにより、直接的に測定することが困難な脱墨部での泡沫の発生量を簡易な構成で検知することができる。そして、この損失量を制御指標値とすることにより、脱墨部における脱墨処理の運転状態を簡易な構成で検知して効率良く制御することができる。すなわち、脱墨処理を適正に実施する状態での泡沫の発生量を基準値とし、パルプ混合液の性状によって変化する脱墨部から泡沫として排出する脱墨排液量を制御指標値とし、制御指標値と基準値との比較により、脱墨部での泡沫の発生量の多寡を判断して脱墨部への空気供給量を適正に制御し、脱墨処理を適正に実施することができる。
【0020】
供給ポンプおよび送出ポンプにチューブポンプを用いることにより、ポンプ内でのパルプ混合液の詰まりを防止することができ、ポンプの吐出量を正確に制御して損失量の測定を的確に、かつ容易に算出できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態における脱墨排液処理装置の構成を示す模式図
図2】同実施の形態における古紙再生処理装置の要部を示す模式図
図3】同実施の形態における古紙再生処理装置の全体構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図3において、古紙再生処理装置1は、使用済みの古紙2(故紙)を離解し、再生紙4を製造するものであり、古紙再生処理系を構成する複数の処理部と、各処理部を制御する制御部100を備えている。
【0023】
各処理部は、細断された紙材を離解してパルプ混合液を製造するパルパー装置6と、紙材をパルパー装置6へ供給する紙材供給装置8と、パルパー装置6で得られたパルプ混合液からトナー等の印刷用着色成分を分離して除去する脱墨処理部をなす脱墨装置10と、脱墨装置10において脱墨されたパルプ混合液を脱水して湿紙を製造する抄紙装置12と、湿紙を脱水する湿紙脱水装置13と、脱水した湿紙を乾燥して再生紙4にする湿紙乾燥装置14と、再生紙4に対して仕上工程を行う仕上装置15と、脱墨装置10から排出された脱墨排液16を処理する脱墨排液処理部をなす脱墨排液処理装置17と、白水タンク18等からなり、白水タンク18に上水の供給源19が連通している。
【0024】
パルパー装置6と脱墨装置10の間にはパルプ混合液を供給するパルプ混合液供給ポンプ20が設けてあり、白水タンク18と脱墨装置10の間には希釈液供給ポンプ21が設けてあり、パルプ混合液供給ポンプ20と希釈液供給ポンプ21とで脱墨装置10に対する供給ポンプを構成する。脱墨装置10と抄紙装置12の間には脱墨パルプ混合液送出ポンプ22を設けている。図1に示すように、パルプ混合液供給ポンプ20および脱墨パルプ混合液送出ポンプ22はチューブポンプからなり、希釈液供給ポンプ21もチューブポンプとすることも可能である。
【0025】
脱墨装置10は、脱墨槽23と、脱墨槽23内の底部から気泡を放出する気泡放出装置24と、気泡放出装置24に空気を供給する空気供給装置(エアポンプ等)25とを有している。気泡放出装置24は、脱墨槽23内の底部に配置され、通気性を有する多孔質のエアストーン等で構成されており、上面が気泡放出面として形成されている。
【0026】
また、脱墨槽23には、脱墨槽23の外部へ泡沫として溢流する脱墨排液を脱墨排液処理装置17へ排出する受泡部26および測定基準液位に配置した液位検出部51が設けられている。
【0027】
図2に示すように、脱墨排液処理装置17は、受泡部26から取り出した脱墨排液が流入する凝集槽27と、凝集槽27に凝集剤を供給する凝集剤添加部28と、ろ過部29と、排液タンク30からなる。
【0028】
凝集槽27は、液面上に位置して脱墨排液の泡沫を消泡する消泡羽根31と、槽内の液中に位置して凝集剤を含む脱墨排液を撹拌する撹拌手段をなす撹拌羽根32と、消泡羽根31および撹拌羽根32を回転駆動するモータ33を備えている。なお、撹拌羽根32に代えて撹拌手段として散気装置を設けることも可能である。凝集槽27は底部に接続した凝集処理液排出管34を介してろ過部29の一次側に連通しており、凝集処理液排出管34の途中に開閉バルブ35を介装している。
【0029】
ろ過部29は、凝集槽27から排出する凝集処理液に含まれる浮遊物質(印刷用着色成分等)の凝集物をろ過するフィルタ36を備えている。フィルタ36は、濾紙や活性炭、金属製メッシュ、合成樹脂製メッシュ、フェルト等からなる。ろ過部29は二次側に接続したろ液排出管37を介して排液タンク30に連通している。
【0030】
排液タンク30は、底部に排水バルブ38を備え、循環流路39を介して脱墨槽23に連通しており、循環流路39に循環ポンプ40を介装している。
制御部100には、脱墨装置10を制御する機能回路として、脱墨排液量の測定操作回路および空気量制御操作回路が設定されている。
【0031】
脱墨排液量の測定操作回路は、脱墨槽23から排出する脱墨排液量を測定するものである。すなわち、パルプ混合液供給ポンプ20および希釈液供給ポンプ21によるパルプ混合液(希釈液を含む)の供給によって脱墨槽23の槽内液位が測定基準液位L1に達したことを液位検出部51で検出した時にパルプ混合液供給ポンプ20および希釈液供給ポンプ21を一時停止して測定開始時S1とし、連続的に運転する脱墨パルプ混合液送出ポンプ22よる脱墨パルプ混合液の排出に伴って槽内液位L2が低下し、測定開始時S1から所定時間経過した時点、すなわち所定量排出した時点を供給再開時S2としてパルプ混合液供給ポンプ20および希釈液供給ポンプ21による脱墨槽23へのパルプ混合液(希釈液を含む)の供給を再開し、脱墨槽23の槽内のパルプ混合液の液位が測定基準液位L1に復帰したことを液位検出部51で検出した時点を測定終了時S3として計測する。
【0032】
そして、パルプ混合液の供給再開時S2から測定終了時S3までにパルプ混合液供給ポンプ20および希釈液供給ポンプ21で脱墨槽23に供給したパルプ混合液量(希釈液を含む)を測定供給量Yとし、測定開始時S1から測定終了時S3までに脱墨パルプ混合液送出ポンプ22で脱墨槽23から送出した脱墨パルプ混合液量を測定送出量Xとし、測定開始時S1から測定終了時S3までに脱墨槽23から受泡部26に排出した脱墨排液量を測定損失量αとし、測定供給量Yから測定送出量Xを減算して測定損失量α=Y−Xを求める。
【0033】
測定供給量Yは、パルプ混合液供給ポンプ20および希釈液供給ポンプ21の定格吐出量と供給再開時S2から測定終了時S3までの稼働時間との積として求めるが、別途に流量計を設けてその計測値を用いることも可能である。
【0034】
測定送出量Xは、脱墨パルプ液供給ポンプ22の定格吐出量と測定開始時S1から測定終了時S3までの稼働時間との積として求めるが、別途に流量計を設けてその計測値を用いることも可能である。
【0035】
パルプ混合液供給ポンプ20および脱墨パルプ混合液送出ポンプ22をなすチューブポンプは、可撓性チューブ20a、22aと、可撓性チューブ20a、22aを支持する円弧状のガイド面を有するケーシング20c、22cと、可撓性チューブ20a、22aを押圧して内部の流体を移送する押圧ローラ20d、22dと、押圧ローラ20d、22dをケーシング20c、22cのガイド面に沿って正逆方向の何れの方向にも旋回させるロータ20e、22eと、ロータ20e、22eを回転駆動するロータ駆動部(図示省略)を備えている。
【0036】
このチューブポンプを用いることで、ポンプ内においてパルプ混合液の詰まりを防ぐことができる。また、チューブポンプの吐出量は、押圧ローラ20d、22dの移動速度と移動時間との積により定まるので、脱墨槽23へ供給するパルプ混合液の測定供給量Yおよび抄紙部12へ送出する脱墨パルプ混合液の測定送出量Xを正確に制御できる。チューブポンプの吐出量は、事前に行った実験データを用いて算出しても良く、チューブポンプの仕様書に記載されたカタログデータを用いて算出しても良い。
【0037】
空気量制御操作回路では、測定損失量αを制御指標値V1とする。また、事前の試験運転により性状の異なる複数種類のパルプ混合液を脱墨処理し、気泡放出装置24から放出する気泡量を加減し、脱墨処理を適正に実施する状態で測定した泡沫の発生量を基準値Vとする。この発生量の測定は以下に説明する方法と同様にして行う。また、基準値Vはユーザが任意に変更可能であり、基準値Vを変更することにより脱墨能力(漂白能力)を好みに応じて微調整可能である。例えば、制御部100の操作パネルに選択切替可能な脱墨モードとして「パワフル」、「標準」、「ECO」の3つの脱墨モードを設けることも可能である。
【0038】
制御指標値V1(測定損失量α)が基準値Vより多い場合は、脱墨槽23での泡沫の発生量が過剰であると判断し、空気供給装置25による空気供給量を低減する。制御指標値V1が基準値Vより少ない場合は、脱墨槽23での泡沫の発生量が過少であると判断し、空気供給装置25による空気供給量を増加する。この空気供給量の増減量は1回の操作量を定めており、基準値Vに対する制御指標値V1の偏差の多寡にかかわらず定量とする。偏差に応じて増減量を変更することも可能である。
【0039】
そして、制御部100は、測定操作と空気量制御操作を繰り返すことで、一回の測定操作における測定損失量αが誤差を含む値であっても、最終的には空気供給装置25の空気供給量を適正量に収斂させ、結果として脱墨槽23から排出する脱墨排液量を適正量に収斂させる。
【0040】
空気量制御操作を行っても、空気供給量の増減の影響が測定損失量αの増減として現出するには時間を要するので、測定操作と空気量制御操作を組み合わせて1回行った後に、相当時間経過後に測定操作と空気量制御操作を繰り返すことが望ましく、あるいは測定操作のみを相当回数実施した後に、その測定結果に基づいて空気量制御操作を行っても良い。
【0041】
制御指標値V1は、測定供給量Yに占める測定損出量αの割合である損失割合として求めることも可能である。あるいは、制御指標値V1は、測定損失量αを測定開始時から測定終了時までに経過した測定時間で除算した単位時間当たりの損失量として求めることも可能である。
【0042】
以下、上記した構成の作用を説明する。
[古紙再生処理]
図3に示すように、古紙再生処理装置1で古紙2から再生紙4を製造する工程では、古紙2を細断した紙材、もしくは細断していない定形状の紙材が紙材供給装置8によってパルパー装置6へ供給され、パルパー装置6において離解処理されてパルプ混合液が製造される。パルパー装置6で得られたパルプ混合液を繊維濃度が約2%〜4%になるまで希釈してパルプ混合液供給ポンプ20で脱墨装置10に供給し、さらに、希釈液供給ポンプ21で白水タンク18の白水を供給して、繊維濃度を0.5%〜0.6%に希釈する。
【0043】
脱墨装置10ではパルプ混合液から印刷用着色成分が除去され、脱墨装置10から脱墨パルプ混合液が抄紙装置12に供給されて湿紙が製造される。
このようにして製造された湿紙は、湿紙脱水装置13で脱水された後、湿紙乾燥装置14で乾燥されて再生紙4が製造される。この再生紙4は仕上装置15で仕上げられた後に、古紙再生処理装置1から排出される。
[脱墨処理]
脱墨装置10では、図2に示すように、パルプ混合液供給ポンプ20および希釈液供給ポンプ21によりパルプ混合液(希釈液を含む)が脱墨槽23内に導入されるとともに、パルプ混合液に脱墨剤が投入される。空気供給装置25から供給する空気が泡放出装置24の泡放出面から脱墨槽23内のパルプ混合液中に多数の微細な泡沫として放出され、パルプ混合液中の印刷用着色成分が泡沫に付着する。その後、泡沫は脱墨槽23内のパルプ混合液の液面に浮上し、受泡部26へ溢れ出る。
【0044】
制御部100は、測定操作において、上述した手順で、測定供給量Y、測定送出量Xを求め、測定供給量Yから測定送出量Xを減算して測定損失量α=Y−Xを求める。そして、空気量制御操作において、制御指標値V1が基準値Vより多い場合は、脱墨槽23での泡沫の発生量が過剰であると判断し、空気供給装置25による空気供給量を低減する。制御指標値V1が基準値Vより少ない場合は、脱墨槽23での泡沫の発生量が過少であると判断し、空気供給装置25による空気供給量を増加し、測定操作と空気量制御操作を繰り返し、空気供給装置25の空気供給量を適正値に制御する。
【0045】
すなわち、本実施の形態では、脱墨槽23へ供給するパルプ混合液の供給量と脱墨部から排出する脱墨パルプ混合液の排出量との差量を脱墨排液により失われた損失量として求めることにより、直接的に測定することが困難な脱墨槽23での泡沫の発生量を簡易な構成で検知することができ、脱墨槽23における脱墨処理の運転状態を簡易な構成で検知して効率良く制御することができる。また、パルプ混合液供給ポンプ20および脱墨パルプ混合液送出ポンプ22にチューブポンプを用いることにより、ポンプ内でのパルプ混合液の詰まりを防止することができ、ポンプの吐出量を正確に制御して損失量の測定を的確に、かつ容易に算出できる。
[脱墨排液処理]
脱墨排液処理装置17では、図1に示すように、受泡部26から取り出した脱墨排液が凝集槽27に流入する。この凝集槽27に流入した脱墨排液に凝集剤添加部28から凝集剤を供給する。
【0046】
凝集槽27では、液面上で消泡羽根31が回転して脱墨排液の泡沫を消泡し、液中で撹拌羽根32が回転して凝集剤と脱墨排液を混合して凝集処理し、トナー等の印刷用着色成分が凝集して凝集物(フロック)を形成する。
【0047】
この凝集物を含む脱墨排液が凝集槽27の底部に接続した凝集処理液排出管34を通してろ過部29の一次側に流入する。
ろ過部29では、凝集槽27から排出する凝集処理液に含まれる浮遊物質(印刷用着色成分等)の凝集物をフィルタ36でろ過し、フィルタ36を透過したろ液がろ過部29の二次側に接続したろ液排出管37を通して排液タンク30に流入する。
【0048】
排液タンク30に流入したろ液は、底部の排水バルブ38を通して槽外へ排出されるとともに、一部が循環流路39を通して脱墨槽23の受泡部26に流入し、泡沫を消泡する。
【符号の説明】
【0049】
1 古紙再生処理装置
6 パルパー装置
10 脱墨装置
12 抄紙装置
17 脱墨排液処理装置
20 パルプ混合液供給ポンプ
22 脱墨パルプ混合液送出ポンプ
23 脱墨槽
26 受泡部
27 凝集槽
28 凝集剤添加部
29 ろ過部
30 排液タンク
31 消泡羽根
32 撹拌羽根
36 フィルタ
51 液位検出部
100 制御部
Y 測定供給量
X 測定送出量
α 測定損失量
図1
図2
図3