特許第6799945号(P6799945)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6799945閉形式形状当てはめと共に減衰正弦曲線当てはめを用いてフラッター試験データを分析するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6799945
(24)【登録日】2020年11月26日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】閉形式形状当てはめと共に減衰正弦曲線当てはめを用いてフラッター試験データを分析するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 7/02 20060101AFI20201207BHJP
   G01H 17/00 20060101ALI20201207BHJP
   B64F 5/00 20170101ALI20201207BHJP
【FI】
   G01M7/02 H
   G01H17/00 D
   B64F5/00
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-104306(P2016-104306)
(22)【出願日】2016年5月25日
(65)【公開番号】特開2017-21011(P2017-21011A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2019年5月13日
(31)【優先権主張番号】14/731,255
(32)【優先日】2015年6月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100161274
【弁理士】
【氏名又は名称】土居 史明
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ イー.グッドマン
【審査官】 福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−160145(JP,A)
【文献】 特開平11−118661(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0158891(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 7/00〜7/08
B64F 5/00
G01H 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉形式形状当てはめを用いてシステム同定を行うための、コンピューターで実行される方法であって、
複数のセンサー(104)から得られた一組のデータを受信することと、
前記複数のセンサー(104)から特定のセンサーを選択することと、
一群の加振についての、前記特定のセンサーに関するデータを前記一組のデータから集めることと、
前記特定のセンサーに関する前記一群の加振についての線形最小二乗問題を定式化することと、
前記特定のセンサーに関する前記一群の加振についての前記線形最小二乗問題を解くことと、
前記特定のセンサーに関する前記一群の加振についての前記一組のデータから、モード形状情報を得るべく、1つ又は複数のモード形状項を抽出することと、を含み、
前記複数のセンサー(104)のうちの各センサーが順番に選択され、前記特定のセンサーに代わって各センサーごとに、前記集めること、前記定式化すること、前記解くこと、および前記抽出することを繰り返すことにより、前記複数のセンサー(104)のうちの各センサー及び前記一群の加振についてのデータの組からモード形状情報を得るように構成された、方法。
【請求項2】
前記特定のセンサーに関する前記一群の加振についての線形最小二乗問題を定式化することは、当てはめ式のうち、前記特定のセンサー及び前記一群の加振のみに関連する部分を選択することを含み、前記当てはめ式の前記選択部分は、ブロック対角行列の非ゼロブロックに対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記線形最小二乗問題を定式化することは、変数置換を行うことによって、当てはめ式を、最小二乗閉形式最適化を行うことによって前記モード形状項の最適値を見つけることができるシンプルな線形式の形にすることを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記線形最小二乗問題を解くことは、当てはめ式におけるモード形状項及び加振項の変数の置換によって得られた一組の式を解くことを含む、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
1つ又は複数のモード形状項を抽出することは、当てはめ式におけるモード形状項及び加振項の変数の置換を逆にすることによって、前記当てはめ式の1つ又は複数のモード形状項及び加振項を得ることを含む、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記一組のデータを受信することは、センサー、振動事象、及び時点に関して指標付けされた、センサー応答と時間とのペアの形態のフラッター履歴データを受信することを含む、請求項1〜のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
非線形最適化を行うことをさらに含み、前記特定のセンサーに関する前記一群の加振についての前記線形最小二乗問題を解くことは、1つ又は複数の周波数及び減衰及びモード形状項の最適化をもたらし、これによって前記非線形最適化のための計算工程の量を減らす、請求項1〜のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記複数のセンサー(104)のうちの第1の組について非線形最適化を行うことと、
前記複数のセンサー(104)のうちの第2の組について前記線形最小二乗問題を解くことをさらに含み、前記第2の組は、前記第1の組を含み且つこれより大きい、請求項1〜のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
当てはめ式にパラメーターをロードすることと、
前記線形最小二乗問題を解くことによって得られた前記モード形状情報を用いて、当てはめ式のオフセットならびにモード形状の振幅及び位相を求めることと、
データ値からの当てはめ値の偏差である、前記当てはめ式の1つ又は複数の残差を計算すること、をさらに含む、請求項1〜のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
1つ又は複数の振動事象に供される構造体(102)に関する、フラッター試験データを供給するように構成された複数のセンサー(104)であって、前記フラッター試験データは、前記複数のセンサー(104)によって取得された物理的測定値に対応する機械可読履歴データである、センサーと、
前記機械可読履歴データを受信するとともに処理を実行するように構成されたコンピュータープロセッサと、
を含むシステム(100)であって、前記処理は、
前記複数のセンサー(104)から得られた一組のデータを受信することと、
前記複数のセンサー(104)から特定のセンサーを選択することと、
一群の加振についての、前記特定のセンサーに関するデータを前記一組のデータから集めることと、
前記特定のセンサーに関する前記一群の加振についての線形最小二乗問題を定式化することと、
前記特定のセンサーに関する前記一群の加振についての前記線形最小二乗問題を解くことと、
前記特定のセンサーに関する前記一群の加振についての前記一組のデータから、モード形状情報を得るべく、1つ又は複数のモード形状項を抽出することと、を含み、
前記複数のセンサー(104)のうちの各センサーが順番に選択され、前記特定のセンサーに代わって各センサーごとに、前記集めること、前記定式化すること、前記解くこと、および前記抽出することを繰り返すことにより、前記複数のセンサー(104)のうちの各センサー及び前記一群の加振についてのデータの組からモード形状情報を得るように構成された、システム(100)。
【請求項11】
飛行中に前記フラッター試験データを取得するための前記複数のセンサー(104)を備える航空機をさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記定式化は、当てはめ式のうち、前記特定のセンサー及び前記一群の1つ又は複数の振動事象のみに関連する部分を選択することを含み、前記当てはめ式の前記選択部分は、前記当てはめ式全体に対応するブロック対角ヤコビ行列(200)の非ゼロブロックに対応する、請求項10または11に記載のシステム。
【請求項13】
前記定式化は、変数置換を行うことによって、当てはめ式を、最小二乗閉形式最適化を行うことによって前記モード形状項の最適値を見つけることができるシンプルな線形式の形態にすることを含む、請求項10〜12のいずれか1つに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、観測された入出力データから動的システムを数学的にモデリングする技術及び科学としてのシステム同定に関し、より具体的には、航空機構造体の振動モードのフラッター飛行試験、及び、特定の各飛行条件おける各構造体構成のモード特性の同定に関し、これは、例えば、航空機の空力弾性安定性の限界を推定するのに利用することができるものである。
【背景技術】
【0002】
高層建築物、橋、及び航空機の機体などの、多くの種類の建築構造体は、例えば風や飛行中の航空機の対気速度による動的空気力によって引き起こされる振動ストレスにさらされる。このような構造体にかかる動的空気力は、フラッターと称される、構造体の不安定な振動性の空力弾性変形、すなわち振動を引き起こすことがある。フラッターは、曲げやねじれなどの様々なタイプの運動又は応力を含む場合があり、これらの組み合わせは、モード(例えば変形のモード)又は振動モードと称されることがある。
【0003】
例えば、飛行中の航空機の主翼の場合、空力弾性変形は、航空機の通常の動作エンベロープ内では、比較的穏やかで安定である。しかしながら、フラッターの場合には、空力弾性変形が不安定なモードになり、このモードでは、ねじれ(例えばツイスト)運動が空気流からエネルギーを取り込み、これによって特定の振動モード(例えば、ねじれ運動そのもの、あるいは、曲げなどの他の運動とねじれ運動との組み合わせ)が引き起こされて振幅がますます大きくなり、大きな振幅の振動が起こって、これが主翼にダメージを与えるおそれがある。
【0004】
このような状況となる可能性を減らすため、通常、徹底的な飛行及び風洞試験を行うことによって、航空機のフライトエンベロープ全体にわたって、航空機の様々な空力弾性構造体のフラッター特性を観察及び記録し、その航空機にとっての安全な動作速度及び高度エンベロープを予測している。このような試験においては、例えば、主翼、胴体、及び尾翼などの航空機の種々の構造体に、多数の様々なタイプのセンサー又は変換器(トランスデューサ)を取り付ける。センサーは、例えば、加速度計、歪みゲージ、温度センサ、及び、速度インジケータを含む。飛行試験中には、例えば、エルロン、エレベーター、ラダー、又はフラップなどの制御表面を所定量ゆがめるなどして、センサを様々に加振する。与えられた振動(入力)と、センサーからの応答(出力)との対応関係は、飛行試験データに含められる。飛行試験データを有用なものにするためには、通常、コンピューターによって分析する必要がある。しかしながら、飛行中には、航空機及び運航乗務員を危険にさらすことを避けるため、さらなる加振又は新たな加振を行う前に分析結果が必要とされる場合がよくある。最悪なのは、分析結果の計算が完了するまで試験飛行が中断され、計算が完了すると試験飛行が再開される、というケースである。このような中断は、航空機のダウンタイム、ならびに、滑走路や管制塔などの設備、グラウンド、及び運航乗務員の非効率的な使用という点で、費用がかかる。従って、空力弾性変形及び振動応答性に関する構造体の試験(例えばフラッター試験)において、フラッター試験データの分析及び使用を計算効率良く迅速に行う方法が必要とされており、これは、その他の風の負荷を受ける構造物や、誘発された振動にさらされる構造物、例えば建物や橋梁など、の設計及び試験においても利点を有する。
【発明の概要】
【0005】
1つ又は複数の実施形態において、動的システムの自由応答減衰データ履歴(free response time decay data history)に基づくシステム同定は、新たな形の動的システム自由応答減衰の式を採用し、これによれば、モード形状(mode shape)を線形係数として扱うことができる。当該システム同定は、さらに、ブロック対角化された感度行列を生成することにより、各センサーのモード形状を互いに独立に計算することができ、システム同定プロセスを大幅にスピードアップすることができる。別の実施形態においては、閉形式形状当てはめを用いることによって、少数のセンサーからなる組みの当てはめから周波数及び減衰及び振動レベルが求められると、大きな組のセンサーについてのモード形状を得ることができる。別の実施形態において、非線形最適化に閉形式形状当てはめを組み込むことによって、感度のヤコビ行列を求め、且つ、残差を評価し、これによって非線形最適化の完了までに要する時間を減らすことができる。ここで、非線形最適化とは、1つ又は複数の制約又は条件に従って、何らかの目的関数の最大値又は最小値を近似することを言い、目的関数とは、レーベンバーグ・マルカート法又は減衰最小二乗法などの、1つ又は複数の変数の関数である。当業者には理解されるように、概して、本明細書における「最適化する」という用語及びその変形(例えば「最適化」「最適化された」など)は、言及しているパラメーター、プロセス、データ、項、及び/又は関連付けられた関係が、改善、調節、設定、及び/又は(以前のものに比べて)向上することを示し、完璧又は起こりうる絶対的最良を示すものではない。
【0006】
一実施形態において、閉形式形状当てはめを用いてシステム同定を行うための、コンピューターで実行される方法は、複数のセンサーから得られた一組のデータを受信することと、複数のセンサーから特定のセンサーを選択することと、一群の振動についての、特定のセンサーからの一組のデータを集めることと、特定のセンサーに関する一群の振動についての線形最小二乗問題を定式化することと、特定のセンサーに関する一群の振動についての線形最小二乗問題を解くことと、1つ又は複数のモード形状項を抽出して、特定のセンサーに関する一群の振動についての一組のデータから、モード形状情報を得ること、を含む。
【0007】
別の実施形態において、システムは、1つ又は複数の振動事象に供される構造体から、フラッター試験データを供給するように構成された複数のセンサーであって、当該フラッター試験データは、センサーによって取得された物理的測定値に対応する機械可読履歴データである、センサーと、機械可読履歴データを受信するとともに処理を実行するように構成されたコンピュータープロセッサと、を含む。ここで、当該処理は、履歴データに対して、一連の減衰正弦曲線の1つ又は複数の当てはめを行うことと、履歴データに対する一連の減衰正弦曲線の1つ又は複数の当てはめのうちの第1の当てはめの第1誤差の高速フーリエ変換(FFT)を計算することと、一連の減衰正弦曲線に含まれる次の減衰正弦曲線を推定することと、閉形式形状当てはめの1又は複数回の繰り返しを行うことによって、モード形状項を最適化する‐最適値の近似値を求めるプロセスのことをいう‐とともに、第1の非線形当てはめを行うことによって、一連の減衰正弦曲線についての周波数及び減衰及び振動レベル項を最適化することと、最適化された周波数及び減衰及び振動レベルならびにモード形状項を用いて、履歴データに対する一連の減衰正弦曲線の第2の非線形当てはめを行うことと、非線形当てはめの結果を出力することと、を含む。
【0008】
さらなる実施形態において、非一時的なコンピューター可読媒体は、構造体に取り付けられたセンサーによって取得された測定結果から、構造体の振動に対応する履歴データを受け取ることと、振動についてのセンサーからの履歴データに関する線形最小二乗問題を定式化することと、振動についてのセンサーからの履歴データに関する線形最小二乗問題を解くことと、1つ又は複数のモード形状項を抽出して、履歴データから構造体についてのモード形状情報を得ることを、コンピューターシステムによる実行に応答してコンピューターシステムに行わせる命令を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態による、システム同定のためのシステムを示す概略システム図である。
図2】一実施形態による、各センサーについての閉形式形状当てはめを処理するための、異なるセンサー間の相対的独立性を示す、疎行列図である。
図3】一実施形態による、閉形式形状当てはめを処理する方法を示すフローチャートである。
図4】一実施形態による、閉形式形状当てはめを非線形当てはめに組み込む方法を示すフローチャートである。
図5】一実施形態による、小さな組のセンサーを用いてキーパラメーターを求めた後に、非常に大きな組のセンサーのモード形状を得る方法を示すフローチャートである。
図6】1つ又は複数の実施形態による、非線形最適化処理をスピードアップするために閉形式形状当てはめが適用された非線形最適化の方法を示すフローチャートである。
図7】一実施形態による、ヤコビアンを求める方法であって、図6に示したような非線形最適化方法に適用することができる方法を示すフローチャートである。
図8】一実施形態による、残差を評価する方法であって、図6及び図7に示したような非線形最適化方法に適用することができる方法を示すフローチャートである。
図9】一実施形態による、システム同定のためのシステム用の処理を実行するのに適したコンピューターシステムの一例を示すブロック図である。
【0010】
本開示の実施形態及びその利点は、以下の詳細な説明を参照することによって最も理解されるであろう。なお、図面の1つ又は複数に示した同様の要素は、同様の参照数字で示しており、これらの図面における図示は、実施形態を例示することを目的としており、実施形態を限定することを目的としたものではない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、概して、航空機構造体のフラッター試験データの分析に特に適用可能な、システム同定方法及びシステムに係る1つ又は複数の実施形態を示す。なお、本開示は、風又は空気流に対するフラッター応答を有する任意の構造物、例えば橋梁や高層ビルなどにも広く適用可能である。
【0012】
1つ又は複数の実施形態は、動的システムの自由応答時間減衰データ履歴に基づくシステム同定に用いることができる。このような用途の1つは、航空機の一般的なフラッター飛行試験である。フラッターとは、構造体の振動モードと、このような振動に起因する動的空気力との相互作用によって引き起こされる不安定状態である。フラッター試験では、様々な飛行条件における、様々な構造体の構成の場合の、航空機のモード周波数、減衰、及びモード形状を同定することが望まれる。一般的には、異なる構造体構成及び飛行条件のそれぞれについて、複数の試験を行って、航空機の振動モードを引き起こし、自由応答減衰を記録する。次に、減衰データを処理することによって、特定の飛行条件下での各構造体構成のモード特性を判定する。各構造体構成及び特定の飛行条件についてのモード特性の判定結果(例えばモード形状情報)は、モード周波数及び減衰の傾向当てはめ(trend fitting)すなわちトラッキング(tracking)を通してさらに有用なものにすることができる。
【0013】
モード形状情報は、モード周波数及び減衰のトラッキング(傾向当てはめ)を行う際に、非常に有用となりうる。周波数及び減衰の傾向を用いて、航空機の空力弾性安定性の限界を推定する(例えば、フラッターが起こることが予測される速度を推定する)ことができる。
【0014】
従来の方法では、非線形最適化により、ドウェル(dwell)及び減衰フラッター試験データから周波数、減衰、及びモード形状を求めていた。ドウェル及び減衰フラッター試験データは、例えば、構造体固有のモード(特定の形態の振動すなわちモード形状)を励起した後、加振を停止し、構造体の応答が消えるのを待つという試験によって得ることができる。振動の減衰から一連のフラッター履歴データが生成され、これを、複数の減衰正弦波の級数としてモデリングすることができる。あるセンサーに関するモード形状情報は、そのセンサーの応答データが非線形最適化に含まれている場合にのみ求めることができる。非線形最適化における未知数の数は、モデル(例えば減衰正弦波の級数)へのデータの当てはめに含まれるセンサーの数に依存する。従来の方法では、適切なモード形状を得るためには、多くのセンサーが非線形最適化に含まれる必要があった。しかしながら、センサーの数が多いと、計算に必要な時間が長くなり、専用コンピューターでも数時間要することが通常である。これは、上述したように、飛行試験及び飛行試験に必要なリソースのスケジューリングに悪影響を及ぼす。システム同定のためのシステム及び方法の例は、2012年3月6日に付与された米国特許第8131491号(B2)「METHOD AND APPARATUS FOR EVALUATING DATA REPRESENTING A PLURALITY OF EXCITATIONS OF A PLURALITY OF SENSORS」、及び、2005年9月20日に付与された米国特許6947858号(B2)「METHODS AND APPARATUS FOR ANALYZING FLUTTER TEST DATA USING DAMPED SINE CURVE FITTING」に記載されており、これらはいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0015】
1つ又は複数の実施形態によれば、非常に大きな非線形最適化問題を2つの部分に分ける方法が開示される。第1の部分は、モード周波数、減衰、及び加振レベルデータを主たる対象とする。第2の部分はモード形状データを主たる対象とする。
【0016】
1つ又は複数の実施形態によれば、モード形状データに関する対処法(上記第2の部分)は、さらに、各センサに対する個別の問題にまで分割適用することが可能である。以下に詳しく説明するように、モード形状データのこの種の対処法としては、多くの小さな問題を解く方が、1つの大きな問題を解くよりもはるかに速い。(すなわち、センサ毎の個別の問題を解くよりも、多くのセンサに関わる問題を一度に解く方が難しくまた時間を要する。)
【0017】
1つ又は複数の実施形態によれば、各センサについてのモード形状の解は、非線形最適化に代えて、線形最小二乗問題(非反復の閉形式)としても定式化することができる。周波数、減衰、及び加振レベルの所与のデータに対して、閉形式の線形最小二乗法を用いることによって、非線形最適化法よりも迅速に最適モード形状データを求めることができる。
【0018】
1つ又は複数の実施形態によれば、これらの手法の2つの適用例が示される。第1の例は、モード形状の拡張であり、小さな組みのセンサーに基づきモード周波数、減衰、及び振動レベルのデータを求めた後、大きな組みのセンサーについて最適モード形状が求められる。この一例が、方法500(以下に図5に関連付けて説明する)によって示されている。第2の例は、大きな組(又は任意の組)のセンサーについての非線形最適化に、閉形式モード形状当てはめを組み込むことである。一般的な非線形最適化の例は、方法400(以下に図4に関連付けて説明する)によって示されている。また、ヤコビ行列(例えば非線形最適化に広く適用可能である)を求める別の例は、方法600(以下に図6に関連付けて説明する)によって示されている。
【0019】
図1は、一実施形態による、システム同定のためのシステム100を示している。システム100によって示す例において、フラッター試験に供される構造体102は、図示のように航空機であってもよいし、励起振動を受ける別の構造体であってもよい。構造体102は、一組のセンサー104を備えており、これらのセンサーには、以下の式のために、変数「j」という指標を付し、当該組のセンサー104の中の一のセンサーを任意に特定するときには、センサー(j)又はセンサーjと称することにする。センサー104は、例えば、加速度計、歪みゲージ、流速センサー、温度センサーなど、様々なタイプのセンサーを含みうる。各センサーは、それぞれが応答の対象とする種類のデータ(例えば、加速度、歪み、流速、温度)を提供することができ、当該データは、例えば、データが報告又は測定された履歴時間と関連付けることができる。
【0020】
例えば、構造体102の試験は、構造体102(例えば航空機102)に、一群の振動(図示せず)を与えることを含む。例えば、航空機の場合、振動事象(excitation event)は、航空機の1つ又は複数の制御表面を動かすこと、パワー出力レベル(例えばスロットル)を調節すること、又は種々の振動を組み合わせることによってもたらすことができる。振動事象により、例えば、構造体102からのインパルス応答が得られる。振動が与えられると、当該組のセンサー104のうちの様々なセンサーがこれに反応し、センサー(j)の応答と時間とのペアとして、センサーデータ(例えば測定データ)が得られる。なお、時刻歴は、変数「p」という指標が付される。pは、初期値が例えば1であり、データ中に記録される時点pは、「tp」と表される。各振動事象は、以下の式のために、変数「k」という指標が付けられ、当該一群の振動のうちの所与の振動事象を、振動事象(k)と称することにする。振動事象(k)が与えられた際の、時点pにおけるセンサー(j)の応答と時間とのペア(例えば測定データ又はセンサーデータ)は、Yj,k(tp)として表すことができる。
【0021】
システム同定のためのシステム100は、測定かつ時間特定されたセンサーデータを受信するためのコンピューターシステム108を含みうる。例えば、コンピューターシステム108は、テレメトリ(telemetry)105を介してセンサーデータを受信する。他の実施形態として、コンピューターシステム108は、データを一旦記録した後、当該センサーデータを受信してもよい。例えば、航空機102内の装置によって飛行中にデータを記録してもよい。記録装置が飛行記録データ106を作成し、これを(データ転送107によって示すように)コンピューターシステム108に転送してもよい。データ転送107は、例えば、有線もしくは無線通信、又は、磁気、電気もしくは光学媒体などのコンピューター可読媒体からのデータの読み込みによって行うことができる。
【0022】
コンピューター108は、センサーデータYj,k(tp)を受信すると、複数の様々な方法で当該センサーデータを処理することができる。この処理は、フラッター試験データに適用可能であるが、これに限定されるわけではない。例えば、動的システムの同定は、減衰正弦波の級数を含む式:
【数1】
を、試験データ(例えば測定データ又はセンサー応答データ)Yj,k(tp)に当てはめる非線形最適化を用いて行うことができる。ここで適用される最小二乗最適化式は、以下の式(0)のようになる。
【数2】
同式において、
kは、振動事象の数であり、
jは、応答センサーの数であり、
pは、時点の数であり、
kは、振動事象の指標であり、
jは、センサの組の指標であり、
pは、時点の指標であり、
pは、データが取得された一連の時点のうちの1つであり、
Rngj,kは、振動事象(k)が与えられたセンサー(j)からの応答についての正規化係数であり、
j,k(tp)は、振動事象(k)を与えられた応答センサー(j)についての特定の時点(p)における測定データである。また、
振動事象(k)が与えられた応答センサー(j)についての特定の時点(p)における当てはめ式は、
【数3】
である。
【0023】
この最適化では、当てはめ式、すなわち下記の式(1)における係数Wi、Di、AOi,j、ΦOi,j、すなわち、センサー(j)に関するモード(i)の周波数、減衰、及びモード形状情報が求められる。この当てはめでは、各当てはめ式は、定数項(Cj,k)および減衰正弦波の級数から構成されている。第1の時点t1は、例えばゼロとしてよい。正弦波の振幅A及び位相Φは、加振レベル(上付きE)に関するものと、出力モード形状(上付きO)に関するものに分けることができる。当てはめ式は、以下のとおりである。
【数4】
同式において、
j,kは、振動事象(k)に対するセンサー(j)からの応答に関する非正弦波状の定数であり、
Nは、モードの数であり、
iは、モードの指標(例えば、モード(l)...モード(i)...モード(N))であり、
pは、データが取得された一連の時点のうちの1つであり、
1は、データが取得された一連の時点のうちの第1の時点である。また、
i、Wiは、モード(i)の減衰項及び周波数項であり、減衰率ξiは、以下のように計算される。
【数5】
Ei,k、ΦEi,kは、モード(i)及び振動事象(k)に対する、加振レベルの振幅及び位相である。加振レベルは、第1の加振すなわちk=1について固定されており、各モード(i)に対し、AEi,l=1.0及びΦEi,l=0.0である。
Oi,j、ΦOi,jは、モード(i)に対する応答センサー(j)における(出力すなわち)モード形状の振幅及び位相である。
【0024】
図2は、行列200に関する疎行列図であり、この行列は、当てはめ式(1)によって記述される一連の方程式を、非線形最適化を利用して解く際に用いることができる。このような解法によれば、計算の数値的精度内で、式(1)の項、すなわち、Di、Wi、AEi,k、ΦEi,k(非線形最適化を必要とする項)、及び、Cj,k、AOi,j、ΦOi,j(閉形式形状当てはめによって求めることができる項)に対して、最適又は最良の当てはめをもたらすことができる。最終的な結果は、これらの項すべてについての最適化である。非線形最適化処理は、各項に対する当てはめの感度(偏微分係数)を必要とする。行列200は、数学的にはしばしばヤコビ行列と称される、偏微分係数の行列である。マトリクス200の疎行列図では、式(1)を解くのに用いられる行列200における非ゼロ項を×で示し(「非ゼロ」項とは、実数体のうちのゼロを含む任意の値を取ることができる項のことを指し、ゼロの値しかとることのできないゼロ項と区別される)、ゼロ項は空欄のままとしている。なお、式(1)は、実際には、p(時点)と共に、j(センサー)、k(振動事象)、i(モード)によって指標付けされた一連の式である。行列200の例は、2つの振動(k=1,2)、3つのセンサー(j=1,2又は3)、及び、2つのモード(i=1,2)に対す当てはめ式に関するものである。
【0025】
図2に示すように、いくつかのブロック(例えばブロック202、203)は、すべての項がゼロ項である。また、このようなゼロブロックに比べて、非ゼロ項(例えばブロック201などの、×印が付いているもの)を有するブロックは、比較的少なく、この点で、行列200は、「希薄」であると言うことができる。非ゼロ項を有するブロック(概して行列200の対角線に沿って位置しており、これによって行列200はブロック対角型であると言うことができる)は、ヤコビ行列内のどの項が非ゼロであるかを示し、これはすなわち、当てはめ式のどの項(図2における行列200の上部に示す、Di、Wi、AEi,k、ΦEi,k、Cj,k、AOi,j、ΦOi,j)が、どの測定データ値(図2における行列200の左側に示す、Yj,k(tp)の影響を受けるかを示す。なお、i=1,2について、AEi,l=1.0であり、ΦEi,l=0.0であることから、これらの項は、解く必要がない定数であるため、行列200の上部に記載されていない。
【0026】
従って、図2によって示した特定の例に関し、図2のブロック201は、センサー1の項はセンサー1のデータの影響を受けることを示す。ブロック202は、センサー2及びセンサー3の項が、センサー1のデータから独立している(影響を受けない)ことを示す。そして、ブロック203は、センサー1の項が、センサー2及びセンサー3のデータから独立している(影響を受けない)ことを示す。このように行列200がブロック対角型であれば、線形最小二乗法による当てはめの式を解くことが単純化される。
【0027】
図2において、当てはめ式の項は、周波数と減衰(Wi、Di)の項、ならびに加振の振幅と位相(AEi,k、ΦEi,k)の項が、それぞれまとめて配置されている。また、図2における行列200の上部に示すように、定数項とモード形状の振幅及び位相の項(Cj,k、AOi,j、ΦOi,j)が、各センサーについてまとめられている。このような配置により、センサー(j)の項に関して行列200がブロック対角型となる。容易に理解できるように、行列200のこのブロック対角型を用いることによって、周波数、減衰、及び、加振の振幅及び位相の項が決まると、最適化問題は、各センサー(j)ごとの、そのセンサの測定データのみを用いる問題に分けることができる。例えば、当該データは、各センサー毎の各加振データのみ(例えばセンサー(1)についてのY1,1;Y1,2)を含む。
【0028】
従って、図2は、一実施形態による、(例えば、一組のセンサー104のうちの)各センサー(j)について(図3で示すような)閉形式形状当てはめ(closed form shape fit)の処理を行うための、センサー(j)間の相互独立性を示している。従って、図2に示したブロック対角型を用いることによって、当てはめ式を解くという全体の問題を、より小さなサブ問題、すなわち各センサー(j)についての1つのサブ問題に分けることが可能になる。各サブ問題は、短時間で処理することができる(当てはめ式(1)の該当部分を解くことができる)ため、すべてのサブ問題を解くのにかかるトータルの時間は、センサー毎のサブ問題に分けることなく当てはめ式(1)全体を解く場合よりも、大幅に少なくなる。
【0029】
図3は、一実施形態による、閉形式形状当てはめの処理を行うための方法300を示している。図3に示すように、方法300の処理は、開始すると、センサー指標jを初期化するサブプロセス301に進む。図3の例をより簡単に説明するため、指標jは、1に初期化され、方法300によって(例えばサブプロセス307において)、1からNjまで1ずつ値が増やされるものと仮定する。従って、jが値Njに達すると、図3に示すように、方法300は、サブプロセス302において、センサー(j)のすべてについてのデータが処理されたと判断し、方法300の処理を「終了」する。一組のセンサー104の処理の一例を図3に示しているが、例えば一組のセンサー104のうちの特定のサブセットを処理したいといった、様々な検討事項に応じて、指標jを、任意の所望の値に初期化するとともに任意の所望の態様で値を増やすことができ、指標jと実際のセンサー104との対応関係は、方法300のユーザーの規定によって変更することができる。
【0030】
方法300は、サブプロセス303へと続き、ここで、すべての振動事象(k)に関するセンサー(j)のデータを集める。図2の例では、j=1(例えばセンサー1のデータ)の場合、センサー1(一番目の指標=1)及び振動事象1及び2(二番目の指標=1又は2)についてのデータY1,1;Y1,2が集められ、例えば、コンピューターシステム108のコンピュータープロセッサによって処理できるよう、コンピューターシステム108のコンピューターメモリにおける特定のアクセス可能な場所に配置される。データY1,1;Y1,2は、例えば、j=1、k=1又は2における、データが収集されたすべての時点tpについてのデータYj,k(tp)を含んでもよいし、あるいは、時点によるデータを、所望に応じて、選択されたサブセットの時点tpに限定してもよい。例えば、データを取得した率よりも少ないサンプリング率でデータを含めることもでき、例えば、3回に1回の時点のデータのみを用いてもよい。例えば、通常は、一秒当たり1000回のデータ取得時点というサンプリング率でデータを取得するところ、より低い周波数のモードについては、一秒当たり500のサンプルの率で使用する(例えば、一回置きのデータ取得時点のものを使用する)こともできる。このデータ率の削減は、しばしばデータ間引きとよばれ、精度の重大な又は望ましくない低下を伴うことなく、処理を高速化することができる。データ率をどれだけ減らすかを選択する際に鍵となるのは、1サイクルあたりのデータ取得時点の数である。例えば、20Hz(ヘルツ)モードで1秒当たりのデータ取得時点が500の場合、1サイクルあたり25のデータ取得時点が存在し、これは、多くの場合、通常の所望精度には十分であると考えられる。
【0031】
方法300は、サブプロセス304に続き、ここで、すべての振動事象(k)についてのセンサー(j)に関する当てはめ式(1)を解くための線形最小二乗問題の定式化を行う。図2の例の場合、すべての振動事象(k)についてのセンサー(j)に関する当てはめ式を解くことは、行列200の対角線上の非ゼロブロックのうちの1つに対応する小さな組(式(1)によって表した全体の組よりも数が少ない)の式を解くことに相当する。図2の例において、j=1の場合(例えばセンサー1のデータ)の当てはめ式の組はブロック201に対応し、センサ2用の当てはめ式の組は、行列200の対角線上の第2の非ゼロブロックに対応する、というようになる。従って、図2の例の場合、サブプロセス304で、センサー1、すべての振動、及びすべてのモードに関する当てはめ式(1)を解くための線形最小二乗問題を定式化することは、j=1、k=1又は2、i=1又は2として、式(1)を定式化することを意味する。周波数(W)、減衰(D)、振動振幅(AE)及び振動位相(ΦE)の項が決まり(例えば既知の項であり)、センサーが選択された(例えばj=1である)状態で、三角関数に関する恒等式:sin(A+B)=sin(A)cos(B)+cos(A)sin(B)を用いることによって、式(1)を次のような形で書くことができる。
【数6】
【0032】
式(2)は、サブプロセス304において、以下の変数置換(3)を、モード形状の振幅(AO)及び位相(ΦO)(例えば未知の項)、ならびに、振動の振幅(AE)及び位相(ΦE)(例えば既知の項)について行い、モード形状の項(未知)のための新たな変数AS及びAC、並びに、加振の項(既知)のための新たな変数XS及びXCを以下のように規定することによって、より簡単な形で書くことができる。
【数7】
置換(3)を用いると、式(2)は、
【数8】
となる。
【0033】
式(4)は、シンプルな線形方程式であり、これに対して最小二乗閉形式最適化を行うことによって、未知数(AS及びACのモード形状項)に対する最適値を見つけることができる。このように、式(4)を与えることによって、サブプロセス304は、特定のセンサーjに関するすべての振動事象(k)についての当てはめ式(1)を閉形式で解くための線形最小二乗問題を定式化する。
【0034】
式(4)は、定数及びモード形状の項(C、AS及びACの項)について、代数的手法を用いて直接解くことができるので、式(4)は、閉形式であると言われる。閉形式形状当てはめによって、決定論的又は単純な代数解が式(4)に対して与えられ、これは、例えば、近似(ガウス・ニュートン法等)又は解析的な他の手法に依存しないものである。
【0035】
方法300は、サブプロセス305へと続き、ここで、サブプロセス304で定式化された閉形式形状当てはめ問題に解を与える。特定のセンサーjが選択されてjが固定されていることを想起すると、式(4)は、Nk・Np個の線形方程式系(指標pのすべての時点に対する指標k)として定式化することができ、変数はNk+2N個(Nk個の定数(Cj,k)および指標iのASi,j、ACi,j)である。この式は、行列の形で、例えば、XA=Yとして書くことができ、ここで、Xは、Nk・Np×(Nk+2N)型の既知の拡大行列であり、Aは、(Nk+2N)×1型の未知の列ベクトルであり、Yは、(Nk・Np)×1型のYj,k(tp)データ値の列ベクトルである。行列X及び列ベクトルYは、上述したRngj,k正規化係数によって正規化されていてもよい。次に、式XA=Yは、例えばある1つの手法を用いて、A=[XTX]-1[XTY]としてAについて解くことができる。ガウスの消去法などの他の手法を用いることもできる。このようにして、サブプロセス305は、すべての振動事象(k)についてのセンサー(j)に関する当てはめ式(4)の線形最小二乗問題の解をもたらす。
【0036】
図2に示した例−行列200の例は、Nk=2つの加振(k=1、2)、Nj=3個のセンサー(j=1、2又は3)、N=2つのモード(i=1、2)、p=1・・Npである当てはめ式について与えられる‐において、各センサーjについて解くことは、変数の数がNk+2N=2+2・2=6で、線形方程式の数がNk・Np=2Npの問題を解くことであり、積は、2NP×6である。センサーは3つなので、閉形式形状当てはめを用いて各センサーについて個別に解く場合、3つの2NP×6問題が存在する。センサーが3つで、すべてのセンサーについて同時に解く場合、1つの6Np×18問題となる。通常、1つの大きな問題(例えばこの例では6Np×18)を解く方が、複数の小さな問題(例えばこの例では3つの2NP×6)を解くよりも、はるかに多くの計算時間を必要とする。従って、方法300を用いることによって、最適化及びシステム同定のための当てはめ式(1)を解くことに関する計算効率において、大きな利点が得られる。
【0037】
方法300は、サブプロセス306へと続き、ここで、サブプロセス305によって与えられた式(4)の解から、式(2)の定数及びモード形状の項(式(1)と同じである)を抽出する。このようにして、サブプロセス306は、式(2)で用いた元の変数で表された閉形式形状当てはめ問題に対する解を与える。サブプロセス306は、以下のように、新たな変数AS及びACに関する変数置換(3)を逆に行うことによって、モード形状の振幅(AO)及び位相(ΦO)を「復元する」ことができる。
【数9】
なお、MATLAB(登録商標)などの多くの市販の数学パッケージによって、atan2関数が提供されており、これを式(5)に、ΦOi,j=atan2(ACi,j,ASi,j)のように適用することによって、必要な4象限位相情報を得ることができる。
【0038】
このようにして、サブプロセス306は、すべての振動事象(k)についてのセンサー(j)に関する当てはめ式(1)の線形最小二乗解を提供することができる。このプロセスは、センサーjに関する閉形式形状当てはめと称される。
【0039】
方法300は、サブプロセス307へと続き、ここで、センサー指標jを増やす。サブプロセス302に関して述べたように、任意のサブセットのセンサーを任意の順序で処理することができ、1からNjまで、指標jに従って、センサーが番号付けされた通りに1つずつ順番に進むことは、単なる一例である。どの特定の組のセンサー(例えば任意の1つ、任意の2つなど、又はすべて)を選んでもよく、所望の任意の順序で、サブプロセス302及び307に加えた修正に従って、センサーごとに処理することができる。
【0040】
図4は、一実施形態による方法400を示している。当該方法によれば、1つ又は複数の減衰正弦波を用いることにより、方法300の閉形式形状当てはめが、フラッター試験データ(例えば、システム100によってセンサー104からコンピューターシステム108に与えられる飛行試験データ)の非線形当てはめに組み込まれる。具体的には、方法400は、ステップ401において、フラッター履歴データセットとして、一連のデータポイントYj,k(tp)を読み込む。この読み込みは、例えば、前記データポイントを、コンピューターシステム108の記憶装置又はコンピューター可読メモリに格納することによって行われる。方法400は、次に、ステップ402へと続き、データセットYj,k(tp)に対して非線形ゼロ正弦当てはめを行う。すなわち、式(1)における定数項のみを含み、正弦波を全く含まない状態で、当てはめ値:
【数10】
を求める。
【0041】
判定ブロック403において、曲線当てはめプロセスが完了したかどうか、例えば、いくつかの事前に指定された基準を満たす十分な正弦波項が当てはめに含まれているかどうかが判定される。当てはめにおいて減衰正弦波のうちの1つが不安定である場合には、当てはめプロセスを完了してもよい。一般的には、当てはめにおける正弦波のすべてが安定であるべきである。また、各正弦波の振幅は、全体のうちの有意な部分であるべきである。一般に、各正弦波の振幅は、当てはめ誤差より大きい必要がある。方法400が完了していない場合、例えば、「式」(0)に基づく評価によって、当てはめ誤差が求められる。
【0042】
ステップ404において、高速フーリエ変換(FFT)関数が、当てはめ誤差に適用される。ステップ405において、次の減衰正弦モードがFFT関数から推定される。より具体的には、次の減衰正弦の周波数及び位相が、FFT内の最大ピークから取り出される。一実施形態において、ハーフパワー法を用いて減衰を推定し、振幅の初期値をゼロに設定してもよい。振幅の初期値としてゼロを用いることは、次の正弦波を加えることによって当てはめの精度が低下することを防止するのに役立つ。ステップ406において、曲線当てはめにおける減衰正弦モードの数を増やす。
【0043】
ステップ407では、当てはめにおけるその時点の正弦波を用いて、式(1)内の「既知数」のその時点の値、すなわち、周波数(W)、減衰(D)、ならびに振動の振幅(AE)及び位相(ΦE)に方法300を適用する。これにより、「未知数」、すなわち、定数(C)、ならびにモード形状の振幅(AO)及び位相(ΦO)の解を求める。
【0044】
ステップ408において、ステップ407の結果を用いて非線形最適化を行うことによって、周波数(W)、減衰(D)、振動振幅(AE)、振動位相(ΦE)の各項について、新たな値を求めることができる。
【0045】
ステップ409において、当てはめにおけるその時点の正弦波を用いて、式(1)内の「既知数」のその時点の値、すなわち、新たな周波数(W)、減衰(D)、ならびに新たな振動の振幅(AE)及び位相(ΦE)に方法300を適用する。これにより、「未知数」、すなわち、定数(C)、ならびにモード形状の振幅(AO)及び位相(ΦO)の項の修正された解を求める。判定ブロック410において、十分なステップが行われたことによって(例えばステップ408及び409の繰り返し‐これは、選択された回数、例えば、予め決められた回数、又は、例えば修正された解が収束しているかに基づく収束ベースで決まる回数行われる)、式(1)における定数(C)、ならびにモード形状の振幅(AO)及び位相(ΦO)の項について、十分に修正された値が得られたと判定された場合、方法400は、ステップ411に続く。そうでない場合、ステップ408、409のさらなる繰り返し、及び、判定ブロック410が行われる。
【0046】
ステップ411において、非線形「N」減衰正弦当てはめ(「N」は、当てはめ内の正弦のその時点の数である)が、フラッター試験データセットYj,k(tp)に適用される。この非線形「N」減衰正弦当てはめ処理中に、すべての測定可能な構造体モードの周波数、減衰、及びモード形状が、試験データから同定される。ステップ412において、方法400は、例えば、結果を印刷する、モニターに結果を表示する、又はデータファイルに結果を書き込むなどによって、結果を出力する。方法400は、次に、判定ブロック403へと続き、ここで、曲線当てはめプロセスが完了しているかどうかが判定される。
【0047】
方法400は、周波数、減衰、及びモード形状について、ステップ407、408、409、410を行わずに非線形「N」減衰正弦当てはめを用いて以前に得られていたものと同じ結果をもたらすかもしれないが、例えば計算操作又はコンピューター時間などの所要時間がはるかに少なくて済む。例えば、70個のセンサーによるフラッター試験データの場合、スピードアップは、2正弦当てはめでは36:1、4正弦当てはめでは60:1であった。閉形式形状当てはめ(方法300)は、周波数、減衰、及び振動レベルにのみついて最適化する(例えば、ステップ408で周波数/減衰を最適化する)非線形最適化の特定のバージョンのみで用いられる。これら2つの最適化は、選択された回数(予め決められた回数又は収束ベースの回数)のステップについて、行うことができる。
【0048】
図5は、一実施形態による、小さな組のセンサー(データセットA)を用いてキーパラメーターを求めた後に、非常に大きな組のセンサー(データセットB)に対するモード形状を得る方法500を示している。方法500は、モード周波数及び減衰(ならびに振動の振幅及び位相)のデータを、小さな組(A)のセンサーを用いて求めた後に、方法300を用いて、非常に大きな組(B)のセンサーに対するモード形状を計算する手段を提供する。これらのモード形状を得るのに要する時間は、大きな組のセンサーの「標準的な」当てはめよりも、はるかに少ない。1つのサンプルケースとして、70個のセンサーの組に「標準的」な当てはめを行う場合に比べて、7個から70個に拡張する2正弦当てはめのスピードアップは、360:1であった。小さな組のセンサーのみからも周波数及び減衰が得られたが、これは、より大きな組のセンサーを用いた標準的な当てはめと同じではない。方法500の1つの目的は、小さな組のセンサーの標準的な当てはめから得られた周波数、減衰、及び振動レベルのデータを利用して、可能な限りで最良のモード形状を得ることである。
【0049】
方法500は、ステップ501において、フラッター履歴データについての一連のデータポイントYj,k(tp)を読み込む。この読み込みは、例えば、当該組のデータポイントを、コンピューターシステム108の記憶装置又はコンピューター可読メモリに格納することによって行ってもよい。このフラッター履歴データの組は、より小さな組A(例えば限定されたセンサー104の組)のデータ、及び、より大きな組B(例えばすべてのセンサー104からなる組)のデータの両方を含みうる。
【0050】
方法500は、次に、ステップ502へと続き、式(1)において定数項のみを含むゼロ正弦波で、AのデータセットYj,k(tp)に対する非線形ゼロ正弦当てはめを行うことによって、Aのデータセットについての当てはめ値:
【数11】
を求める。
【0051】
判定ブロック503において、曲線当てはめプロセスが完了したかどうか、例えば、いくつかの事前に指定された基準を満たす十分な正弦波項が当てはめに含まれているかどうかが判定される。当てはめにおける減衰正弦波のうちの1つが不安定である場合には、当てはめプロセスを完了してもよい。一般的には、当てはめ内の正弦波のすべてが安定しているべきである。また各正弦波の振幅は、全体のうちの有意な部分であるべきである。一般に、各正弦波の振幅は、当てはめ誤差より大きい必要がある。方法500が完了していない場合、例えば、「式」(0)に基づく評価によって、当てはめ誤差が求められる。
【0052】
ステップ504において、高速フーリエ変換(FFT)関数が、当てはめ誤差に適用される。ステップ505において、FFT関数から次の減衰正弦モードが推定される。より具体的には、次の減衰正弦の周波数及び位相が、FFT内の最大ピークから取り出される。一実施形態において、ハーフパワー法を用いて、減衰を推定し、振幅の初期値をゼロに設定してもよい。振幅の初期値としてゼロを用いることは、次の正弦波を加えることによって当てはめの精度が低下することを防止するのに役立つ。ステップ506において、曲線当てはめにおける減衰正弦モードの数を増やす。
【0053】
ステップ511において、非線形「N」減衰正弦当てはめ(「N」は、当てはめ内の正弦のその時点の数である)が、データセットAのフラッター試験データに適用される。この非線形「N」減衰正弦当てはめ処理中に、すべての測定可能な構造体モードの周波数、減衰、及びモード形状が、試験データから同定される。ステップ511は、例えば方法400の手法を用いてもよく、例えば、閉形式形状当てはめを行うステップ407、周波数/減衰の最適化を行うステップ408、閉形式形状当てはめを行うステップ409、選択された回数−例えば予め決められた回数又は収束ベースの回数−に基づいて、十分なステップが行われるまで、ステップ408、409を繰り返すステップ410、を行ってもよい。
【0054】
ステップ512において、方法500は、例えば、結果を印刷する、モニターに結果を表示する、又はデータファイルに結果を書き込むなどによって、データセットAについての当てはめの結果を出力する。方法500は、次に、判定ブロック513へと続き、ここで、データセットBについてのシェイプ当てはめが希望されているかどうかを判定する。(Yesであればステップ514に進み、Noであれば判定ブロック503に進む。)
【0055】
ステップ514において、方法500は、ステップ512の非線形「N」減衰正弦当てはめの結果を、例えばコンピューターシステム108のデータ記憶装置又はコンピューターシステム108がアクセス可能なコンピューター可読媒体に保存する。ステップ515において、方法500は、ステップ514で格納されたデータセットAについての周波数及び減衰(Wi、Di)の項及び振動の振幅及び位相(AEi,k、ΦEi,k)の項などの結果を用いて、方法300によってデータセットBについての「閉形式形状当てはめ」を行い、定数ならびにモード形状の振幅及び位相(Cj,k、AOi,j、ΦOi,j)の項を求める。ステップ516において、方法500は、例えば、結果を印刷する、モニターに結果を表示する、又はデータファイルに結果を書き込むなどによって、データセットBについての閉形式形状当てはめの結果を出力する。方法500は、次に、ステップ517において、「N」正弦当てはめ結果及びデータセットAのデータ(例えば、ステップ514で格納されたもの)を、ステップ504〜517のさらなる繰り返しに備えてロードした上で、ブロック503へと続き、ここで、データセットBについての曲線当てはめが完了しているかどうかを判定する。
【0056】
図6は、1つ又は複数の実施形態による、非線形最適化処理をスピードアップするために閉形式形状当てはめを適用した非線形最適化方法600を示している。
【0057】
方法600は、閉形式形状当てはめ(例えば方法300)を用いて、この線形最小二乗解を非線形最適化処理に埋め込む例を提示しており、これによって、ほとんどの問題のサイズにおいて、非線形最適化におけるパラメーターの数を大幅に減らすことができる。例えば、表1に示すとおり、問題のサイズが大きくなるにつれて、非線形最適化におけるパラメーターの数は徐々に大きくなる一方、閉形式形状当てはめ内のパラメーターの数は、パラメーターの数の増加のほとんどを吸収する。方法600で例示したプロセスは、モード周波数及び減衰を最適化し、モード形状は、最適化プロセス内の最適化パラメーターの関数として扱うことができる。従って、方法600は、非線形最適化におけるパラメーターの数が減るため、最適化のための計算時間を減らすことができる。
【0058】
当てはめ式におけるパラメーターの数を以下に示す。また、非線形最適化を必要とするパラメーターの数、及び、閉形式形状当てはめ(例えば方法300)を用いて求めることができるパラメーターの数も示している。非線形最適化を必要とするパラメーターは、各モードの周波数及び減衰、ならびに、各振動の振幅及び位相(最初の1つを除く‐各モード(i)について、AEi,l=1.0且つΦEi,l=0.0であることを想起のこと)である。閉形式形状当てはめを用いて求めることができるパラメーターは、各振動における各センサーのオフセット値、及び、各センサーの各モードについての出力モード形状の振幅及び位相である。表1は、サンプルの問題サイズの例を提示しており、この表において、
Nは、モードの数であり、
Kは、振動事象の数であり、
Jは、各振動事象についての応答センサーの数であり、
Nparmは、当てはめ式内のすべてのパラメーターの数、すなわち、
=2N+2N(NK−1)+NK・NJ+2N・NJであり、
Nparm1は、非線形最適化を必要とするパラメーターの数、すなわち、
=2N+2N(NK−1)であり、
Nparm2は、閉形式形状当てはめによって求められるパラメーターの数、すなわち、
K・NJ+2N・NJである。
【表1】
【0059】
閉形式形状当てはめ線形最小二乗最適化(例えば方法300)は、実際には任意の非線形最適化処理に組み込むことができる。方法600は、一実施形態による、閉形式形状当てはめ(例えば方法300)が組み込まれた非線形最適化処理の一例を提示している。より具体的には、閉形式形状当てはめは、方法600において、「残差を評価する」サブプロセス602、「ヤコビアンを求める」サブプロセス603、及び、「残差を評価する」サブプロセス605に適用されている。
【0060】
サブプロセスにおいて、方法600は、ステップサイズを初期化することによって、レーベンバーグ・マルカート法、又は他の最適化検索方法などの非線形最適化処理を開始する。このようなステップサイズは、通常、例えばレーベンバーグ・マルカートプロセスでは、記号δで表され、実行される検索又は非線形最適化の種類、問題のパラメーター及び制約の値、ならびにその他の考慮事項に従って選択することができる。サブプロセス602において、方法600は、初期パラメーターについての残差を評価するが、ここに、図8に示した方法800を用いて、閉形式形状当てはめ(方法300)が組み込まれる。残差は、例えば、「式」(0)に示したような、データ値からの当てはめ値の偏差として求められる。ステップ603において、ヤコビアンすなわち感度行列が更新される。閉形式形状当てはめ(例えば方法300)を、図7に示したように、サブプロセス603に組み込むことができ、これによって当該プロセスの計算効率が向上する。サブプロセス604において、方法600によって解かれつつある非線形最適化問題のパラメーターが、サブプロセス601、サブプロセス607、又はサブプロセス609のいずれかによって決定された、その時点のステップサイズを用いて更新される。サブプロセス605において、方法600の非線形最適化処理は、更新されたパラメータについての残差を評価するが、ここに、図8に示した方法800を用いて、閉形式形状当てはめ(方法300)が組み込まれる。図6に示すように、判定ブロック606において、残差が減っている(データ値からの当てはめ値の偏差の二乗の合計が、サブプロセス605又はサブプロセス602のいずれかにおいて以前に計算された値より小さい)と判定された場合は、方法600は、判定ブロック608に進み、そうでない場合は、方法600は、サブプロセス607に進んでステップサイズ(例えばδ)を減らし、サブプロセス604に進む。判定ブロック608においては、収束についての試験が行われ、図6に示すように、解が収束している場合は、プロセス600は、非線形最適化の解に到達したと判断されて終了し、そうでない場合は、方法600は、サブプロセス609に進んでステップサイズ(例えばδ)を増やし、サブプロセス603に進む。
【0061】
方法600は、周波数、減衰、及びモード形状について、従来の非線形「N」減衰正弦当てはめを用いて以前に得られたものと同じ結果をもたらすかもしれないが、例えば計算操作又はコンピューター時間などの所要時間がはるかに少なくて済む。例えば、70個のセンサーによるフラッター試験データの場合、スピードアップは、4正弦当てはめでは470:1であり、136個のセンサーによるフラッター試験データの場合、スピードアップは、4正弦当てはめで1020:1であった(表1も参照のこと)。
【0062】
図7は、偏微分係数が差分を用いて推定される場合にヤコビアンを求める方法700を示している。方法700は、1つ又は複数の実施形態による、図6に示したような非線形最適化の方法に適用することができる。
【0063】
方法700は、一連の「残差を評価する」操作を必要とし、これらの操作に、一実施形態による閉形式形状当てはめ(例えば方法300)を組み込むことができる。より具体的には、閉形式形状当てはめは、方法700において、「残差を評価する」サブプロセス701及び704に適用することができ、これによって、各サブプロセス及び方法600のプロセス全体の計算効率が向上する。
【0064】
サブプロセス701において、方法700は、最適化問題を解くためのヤコビ行列を求めるプロセスを開始する。サブプロセス701は、一組のその時点のパラメーター値について、残差(例えば、「式」(0)に示したような、データ値からの当てはめ値の偏差)を求める。サブプロセス701は、図8に示した方法800を組み込んでおり、当該方法は、閉形式形状当てはめ(例えば方法300)を組み込んでいる。
【0065】
方法700は、サブプロセス702において、事前に指定された組のパラメーターから第1のパラメーターを選択し、サブプロセス703に進む。サブプロセス703において、当該パラメーター、そして当該パラメーターのみ(例えば、サブプロセス702から進んできた場合は第1のパラメーターであり、サブプロセス708から進んできた場合は「次の」パラメーター)が、方法700の開始時の元の値に変更(図7に示した「Del Param」)を加えることによって修正される。この変更は、例えば、ヤコビアンが適用された最適化問題の全体の解について達成が望まれる精度のオーダーの変更である場合、小さなものと考えられる。サブプロセス704において、サブプロセス703で得られた修正済みパラメーターを用いて、残差が求められる。サブプロセス704は、サブプロセス701と同様に、図8に示した方法800を組み込んでおり、当該方法は、閉形式形状当てはめ(例えば方法300)を組み込んでいる。
【0066】
プロセス705において、直近のサブプロセス704で得られた計算残差とサブプロセス701で得られた計算残差との差(例えば図7に示した「Del Resid」)、及び、サブプロセス703で行われたパラメーターのサイズの変更(例えば図7に示した「Del Param」)を用いて、ヤコビ行列の偏微分係数のうちの1つが計算され、これによって、図7に示すように「Del Resid/Del Param」の割合が計算される。
【0067】
サブプロセス706において、偏微分係数が、例えば、コンピューターシステム108のコンピューターメモリ又は記憶装置に保存される。判定ブロック707において、すべてのパラメーターについて偏微分係数が求められたと判定された場合は、図7に示すように、方法700は終了し、そうでない場合は、サブプロセス708に進んで次のパラメーターを選択し、サブプロセス703へと続く。
【0068】
図8は、1つ又は複数の実施形態による、残差を評価する方法800を示している。方法800は、閉形式形状当てはめ(例えば方法300)をサブプロセス802に組み込んでおり、これにより、残差を評価するプロセスの計算効率を向上させることができる。方法800は、例えば、図6に示した方法600などの、非線形最適化方法に適用することができる。また、方法800は、例えば、図7の方法700で示したような、最適化問題を解くための感度のヤコビ行列を求める方法にも適用することができる。
【0069】
サブプロセス801において、方法800は、当てはめ式にパラメーターをロードすることによって、残差(例えば、「式」(0)に示したような、データ値からの当てはめ値の偏差)を求めるプロセスを開始する。換言すれば、式(1)を容易に求めることができるように、式(1)のための周波数及び減衰のパラメーターならびに振動の振幅及び位相のパラメーターを、例えばコンピューターシステム108のメモリ又は記憶装置に格納し、アクセスしやすくする。
【0070】
サブプロセス802において、方法300のような閉形式形状当てはめ線形最小二乗処理を行って、当てはめ式(式(1))のオフセット(例えば定数Cj,kの値)及びモード形状の振幅及び位相(例えばAOi,j、ΦOi,j)の値を求める。方法300の閉形式手法を用いることによって、これらの値の解を、従来の非線形最適化を用いて式(1)を解く場合よりも、(例えば表1で示したように)より少ない時間で計算することができる。
【0071】
サブプロセス803において、残差(例えば、式(1)についての、データ値からの当てはめ値の偏差)が、当てはめ式(式(1))のすべての項(例えば、定数、周波数/減衰、振動、モード形状の項)を用いて計算される。
【0072】
図9は、1つ又は複数の実施形態による、データ分析、又はシステム同定などの他のソフトウェア処理、又は非線形最適化処理を実行するのに適したコンピューターシステム900の一例を示すブロック図である。コンピューターシステム900は、コンピューターシステム900の様々なコンポーネント間で、情報データ、信号、及び情報を通信するためのバス902又はその他の通信機構を含む。コンポーネントは、入出力(I/O)コンポーネント904を含み、これは、例えばキーパッド/キーボードからキーを選択する、1つ又は複数のボタン又はリンクを選択するなどのユーザーのアクションを処理し、対応する信号をバス902に送信するものである。I/Oコンポーネント904は、ディスプレイ911などの出力コンポーネント、及び、カーソル制御器913(キーボード、キーパッド、マウスなど)も含みうる。オプションのオーディオ入力/出力コンポーネント905を含んでいてもよく、これによって、ユーザーは、音声を用いて、音声信号を変換することで情報を入力することが可能になる。オーディオ入力/出力コンポーネント905を設けることによって、ユーザーが音声を聞くことが可能となる。トランシーバー又はネットワークインタフェース906は、コンピュータシステム900と、写真測量システム106又は物理的サポートシステム104などの他の装置との間で、信号を送受信する。一実施形態において、伝送は無線であってよいが、他の伝送媒体又は方法が適する場合もある。プロセッサ912は、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は他の処理コンポーネントで構成することができ、これらの様々な信号を処理して、例えば、コンピューターシステム900に表示させたり、通信リンク918を介して他の装置に伝送したりする。プロセッサ912は、さらに、他の装置に対するクッキーやIPアドレスなどの情報の伝送を制御する。
【0073】
コンピューターシステム900のコンポーネントは、さらに、システムメモリコンポーネント914(例えばRAM)、静的記憶コンポーネント916(例えばROM)、及び/又はディスクドライブ917を含む。コンピューターシステム900は、プロセッサ912及び他のコンポーネントによって、システムメモリコンポーネント914に含まれている1つ又は複数の命令シーケンスを実行することにより、特定の操作を行う。ロジックは、コンピューター可読媒体内に符号化することができ、ここでの媒体とは、プロセッサ912に命令を与えて実行させることに関与する任意の媒体を指す。このような媒体は、さまざまな形態を取ることができ、限定するものではないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含む。様々な実施態様において、不揮発性媒体は、光ディスク又は磁気ディスクを含み、揮発性媒体は、システムメモリコンポーネント914などの動的メモリを含み、伝送媒体は、バス902を構成するワイヤを含め、同軸ケーブル、銅線、及び光ファイバーを含む。一実施形態において、ロジックは、非一時的なコンピューター可読媒体内に符号化される。一実施例において、伝送媒体は、電波、光、及び赤外線データ通信中に生成されるような音波または光波の形態をとることができる。
【0074】
コンピューター可読媒体のいくつかの一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD−ROM、他の任意の光媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する他の任意の物理的媒体、RAM、PROM、EEPROM、FLASH−EEPROM、他の任意のメモリチップもしくはカートリッジ、又はコンピューターが読み取るように構成されている他の任意の媒体を含む。
【0075】
本開示の様々な実施形態において、本開示を実施するための命令シーケンスの実行は、コンピューターシステム900によって行うことができる。本開示の他の様々な実施形態において、通信リンク918によってネットワーク(LAN、WLAN、PSTN、及び/又は、電気通信、モバイルもしくは携帯電話ネットワークを含む他の様々な有線又は無線ネットワーク)に接続された複数のコンピューターシステム900が、命令シーケンスを実行することによって、互いに連携して本開示を実施してもよい。
【0076】
場合によっては、本開示によって提示される様々な実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、又は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実施することができる。また、場合によっては、本明細書に記載した様々なハードウェアコンポーネント及び/又はソフトウェアコンポーネントは、本開示の精神から逸脱することなく、これらを組み合わせて、ソフトウェア、ハードウェア、及び/又はこれら両方を含む複合コンポーネントとすることができる。場合によっては、本明細書に記載した様々なハードウェアコンポーネント及び/又はソフトウェアコンポーネントは、本開示の精神から逸脱することなく、ソフトウェア、ハードウェア、及び/又はこれら両方を含むサブコンポーネントに分けることができる。また、場合によっては、ソフトウェアコンポーネントをハードウェアコンポーネントとして実施することも、またその逆も想定される。
【0077】
本開示による、プログラムコード及び/又はデータなどのソフトウェアは、1つ又は複数のコンピューター可読媒体に格納することができる。また、本明細書に明記されたソフトウェアが、ネットワーク接続された及び/又は他の態様の、1つ又は複数の汎用又は特定の目的のコンピューター及び/又はコンピューターシステムを用いて実施されることも想定される。場合によっては、本明細書に記載された様々な工程の順序を、変更したり、組み合わせて複合工程としたり、サブステップに分けたりしても、本明細書に記載の特徴を実現しうる。
【0078】
また、本開示は、以下の付記による実施形態を含む。
【0079】
付記1. 閉形式形状当てはめを用いてシステム同定を行うための、コンピューターで実行される方法であって、
複数のセンサーから得られた一組のデータを受信することと、
前記複数のセンサーから特定のセンサーを選択することと、
一群の加振についての、前記特定のセンサーからの前記一組のデータを集めることと、
前記特定のセンサーに関する前記一群の加振についての線形最小二乗問題を定式化することと、
前記特定のセンサーに関する前記一群の加振についての前記線形最小二乗問題を解くことと、
1つ又は複数のモード形状の項を抽出して、前記特定のセンサーに関する前記一群の加振についての前記一組のデータから、モード形状情報を得ることと、を含む方法。
【0080】
付記2.前記特定のセンサーに関する前記一群の加振についての線形最小二乗問題を定式化することは、当てはめ式のうち、前記特定のセンサー及び前記一群の加振のみに関連する部分を選択することを含み、前記当てはめ式の前記選択部分は、ブロック対角行列の非ゼロブロックに対応する、付記1に記載の方法。
【0081】
付記3. 前記線形最小二乗問題を定式化することは、変数置換を行うことによって、当てはめ式を、最小二乗閉形式最適化を行うことによって前記モード形状の項の最適値を見つけることができるシンプルな線形二乗式の形にすることを含む、付記1又は2に記載の方法。
【0082】
付記4.前記線形最小二乗問題を解くことは、当てはめ式におけるモード形状の項及び加振項の変数の置換によって得られた一組の式を解くことを含む、付記1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【0083】
付記5.1つ又は複数のモード形状項を抽出することは、当てはめ式におけるモード形状の項及び加振の項の変数の置換を逆にすることによって、前記当てはめ式の1つ又は複数のモード形状の項及び加振の項を得ることを含む、付記1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【0084】
付記6.前記複数のセンサーのうちの各センサーが順番に選択され、前記方法を繰り返すことによって、前記複数のセンサーのうちの各センサー及び前記一群の加振についてのデータの組からモード形状情報を得る、付記1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【0085】
付記7.前記組のデータを受信することは、センサー、振動事象、及び時点によって指標付けされた、センサー応答と時間とのペアの形態のフラッター履歴データを受信することを含む、付記1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【0086】
付記8.非線形最適化を行うことをさらに含み、前記特定のセンサーに関する前記一群の加振についての前記線形最小二乗問題を解くことは、1つ又は複数の周波数及び減衰及びモード形状の項の最適化をもたらし、これによって前記非線形最適化のための計算工程の量を減らす、付記1〜7のいずれか1つに記載の方法。
【0087】
付記9.前記複数のセンサーのうちの第1の組について非線形最適化を行うことと、
前記複数のセンサーのうちの第2の組について前記線形最小二乗問題を解くことをさらに含み、前記第2の組は、前記第1の組を含み且つこれより大きい、付記1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【0088】
付記10.当てはめ式にパラメーターをロードすることと、
前記線形最小二乗問題を解くことによって得られた前記モード形状情報を用いて、当てはめ式のオフセットならびにモード形状の振幅及び位相を求めることと、
前記当てはめ式の1つ又は複数の残差を計算すること、をさらに含む、付記1〜9のいずれか1つに記載の方法。
【0089】
付記11.
1つ又は複数の振動事象に供される構造体から、フラッター試験データを供給するように構成された複数のセンサーであって、前記フラッター試験データは、前記センサーによって取得された物理的測定値に対応する機械可読履歴データである、センサーと、
前記機械可読履歴データを受信するとともに処理を実行するように構成されたコンピュータープロセッサと、を含むシステムであって、前記処理は、
前記履歴データに対して、一連の減衰正弦曲線の1つ又は複数の当てはめを行うことと、
前記履歴データに対する前記一連の減衰正弦曲線の前記1つ又は複数の当てはめのうちの第1の当てはめの第1誤差の高速フーリエ変換(FFT)を計算することと、
前記一連の減衰正弦曲線に含まれる次の減衰正弦曲線を推定することと、
閉形式形状当てはめの1又は複数回の繰り返しを行うことによって、1つ又は複数のモード形状の項を最適化するとともに、第1の非線形当てはめを行うことによって、前記一連の減衰正弦曲線についての1つ又は複数の周波数及び減衰及び加振レベルの項を最適化することと、
前記最適化された周波数及び減衰及び加振レベルならびにモード形状の項を用いて、前記履歴データに対する前記一連の減衰正弦曲線の第2の非線形当てはめを行うことと、
前記非線形当てはめの結果を出力することと、を含む、システム。
【0090】
付記12.飛行中に前記フラッター試験データを取得するための前記複数のセンサーを備える航空機をさらに含む、付記11に記載のシステム。
【0091】
付記13.前記閉形式形状当てはめを行うことは、
前記複数のセンサーのうちの特定のセンサーに関する、一群の前記1つ又は複数の振動事象についての線形最小二乗問題を定式化することと、
前記特定のセンサーに関する、前記一群の1つ又は複数の振動事象についての前記線形最小二乗問題を解くことと、
1つ又は複数のモード形状の項を抽出して、前記特定のセンサーに関する前記一群の1つ又は複数の振動事象についての前記一組のデータから、モード形状情報を得ることと、
前記複数のセンサーのそれぞれについて、前記定式化すること、解くこと、及び抽出することを繰り返すこと、をさらに含む付記11又は12に記載のシステム。
【0092】
付記14.前記閉形式形状当てはめを行うことは、特定のセンサーに関する、一群の1つ又は複数の振動事象についての線形最小二乗問題を定式化することをさらに含み、当該定式化は、当てはめ式のうち、前記特定のセンサー及び前記一群の1つ又は複数の振動事象のみに関連する部分を選択することを含み、前記当てはめ式の前記選択部分は、前記当てはめ式全体に対応するブロック対角ヤコビ行列の非ゼロブロックによって解かれるものである、付記11〜13のいずれか1つに記載のシステム。
【0093】
付記15.前記閉形式形状当てはめを行うことは、線形最小二乗問題を定式化することをさらに含み、当該定式化は、変数置換を行うことによって、当てはめ式を、最小二乗閉形式最適化を行うことによって前記モード形状の項の最適値を見つけることができるシンプルな線形二乗式の形態にすることを含む、付記11〜14のいずれか1つに記載のシステム。
【0094】
付記16.前記閉形式形状当てはめを行うことは、当てはめ式におけるモード形状の項及び加振の項の変数の置換により得られた式としての線形最小二乗問題を解くことをさらに含む、付記11〜15のいずれか1つに記載のシステム。
【0095】
付記17.前記閉形式形状当てはめを行うことは、当てはめ式におけるモード形状の項及び加振の項の変数の置換により得られた式としての線形最小二乗問題を解く結果得られた1つ又は複数のモード形状の項を抽出することをさらに含み、当該抽出は、モード形状の項及び加振の項の変数の置換を逆にすることによって、前記当てはめ式の1つ又は複数のモード形状の項及び加振の項を得ることを含む、付記11〜16のいずれか1つに記載のシステム。
【0096】
付記18.前記コンピュータープロセッサは、さらに、前記複数のセンサーのうちの第1の組について非線形最適化を行うとともに、閉形式形状当てはめを用いて、前記複数のセンサーのうちの第2の組について線形最小二乗問題を解くように構成されており、前記第2の組は、前記第1の組を含み且つこれより大きい、付記11〜17のいずれか1つに記載のシステム。
【0097】
付記19.前記コンピュータープロセッサは、さらに、前記一連の減衰正弦曲線から当てはめ式に1つ又は複数のパラメーターをロードし、閉形式形状当てはめを用いて線形最小二乗問題を解くことによって得られたモード形状情報を用いて、当てはめ式のオフセットならびにモード形状の振幅及び位相を求め、前記当てはめ式の1つ又は複数の残差を計算するように構成されている、付記11〜18のいずれか1つに記載のシステム。
【0098】
付記20. 構造体に取り付けられたセンサーによって取得された測定結果から、前記構造体の加振に対応する履歴データを受け取ることと、
前記加振についての前記センサーからの前記履歴データに関する線形最小二乗問題を定式化することと、
前記加振についての前記センサーからの前記履歴データに関する前記線形最小二乗問題を解くことと、
1つ又は複数のモード形状の項を抽出して、前記履歴データから前記構造体についてのモード形状情報を得ることを、コンピューターシステムによる実行に応答してコンピューターシステムに行わせる命令を含む、非一時的なコンピューター可読媒体。
【0099】
上記の記載は、本開示を、記載したとおりの形態又は特定の使用分野に限定することを意図したものではない。従って、本明細書における明確な記載又は暗示の有無にかかわらず、本開示に照らして、本開示に対する様々な代替の実施形態及び/又は改変が可能であることがわかるであろう。本開示の実施形態の説明は以上のとおりであるが、当業者であれば、本開示の範囲を逸脱することなく、その形態及び細部において変更が可能であることが認識できるであろう。従って、本開示は特許請求の範囲のみによって限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図9