(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記抗体又はそれらの抗原結合断片が、式(A)の少なくとも一つの部分へとコンジュゲートされ、ここでAb-S1は、抗体又はそれらの抗原結合断片の第一の重鎖のシステイン硫黄原子への結合であり、並びにAb-S2は、抗体又はそれらの抗原結合断片の第二の重鎖のシステイン硫黄原子への結合である、請求項1記載のコンジュゲート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(詳細な説明)
以下の記載においてなされる特定の実施態様への言及は、本開示の原理を説明するのみのものと考えられる。更に、多くの改良及び変更が当業者には明らかであるので、これは、本明細書に記載の通り示されるまさにその構成及びプロセスに本開示を限定することを意図するものではない。従って、全ての好適な改良及び等価物が、本開示の範囲内にあり、以下の特許請求の範囲により定義されるものとして用いられ得る。
【0013】
(I. 定義)
本明細書及び以下の特許請求の範囲で使用される言葉「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(include)」、及び「含んでいる(including)」は、述べられた特徴、整数、成分、又は工程の存在を明示することを意図するものであるが、それらは、1つ以上の追加のその特徴、整数、成分、又は工程の存在又は追加を除外しない。
【0014】
本明細書での実施態様のいずれかに使用される一般用語は、以下の通り定義され得る;しかし、述べられた意味は、用語自体の範囲を限定すると解釈されるべきでない。
【0015】
記号
【化1】
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は、結合点を示す。
【0016】
本明細書で使用される用語「コンジュゲート」は、多量体抗原-結合化合物又は多量体免疫グロブリン、リンカー、及び生物活性分子を有する化合物を指す。例示的な例には、式(I)、及び図(1)の化合物がある。
【0017】
本明細書で使用される用語「スペーサー」は、多量体抗原-結合化合物又は多量体免疫グロブリンを生物活性分子から空間的に分離し、細胞内でリンカーの異化を可能にするために使用される、リンカーの化学的ビルディングブロックを指す。スペーサーは、Z
1及びZ
2により表すことができる。
【0018】
本明細書で使用される用語「アルキル」は、一般式C
nH
2n+1を有する炭化水素基を指す。アルキルの例には、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。更にアルキル基の例には、1〜10個の炭素原子、1〜9個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜7個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜5個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、1〜3個の炭素原子、1若しくは2個の炭素原子、又は1個の炭素原子を有するものがあるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
本明細書で使用される用語「アリール」は、一価又は多環式の芳香族炭化水素を指す。アリール基の例には、6〜18個の炭素原子を有するものがあるが、これらに限定されるものではない。更にアリール基の例には、フェニル、置換されたフェニル、ナフタレニル、アントラセニル、インデニル、テトラヒドロナフチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
本明細書で使用される用語「アルケニル」は、少なくとも1個の不飽和部位を有する2個以上の炭素原子の脂肪族の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を指す。アルケニル基の例には、エチレニル、ビニル、アリルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
本明細書で使用される用語「アルキニル」は、少なくとも1個の三重結合を含む一価の脂肪族炭化水素基を指す。アルキニル基の例には、2〜20個の炭素原子を有する(及び少なくとも1個の三重結合を含む)ものを含むが、これらに限定されるものではない。アルキニル基の例にはまた、エチニル、プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、1-ペンチニル、ヘキシニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
本明細書で使用される用語「シクロアルキル」は、一価飽和炭素環基を指す。シクロアルキル基の例は、3〜7員の環炭素原子を有するものがある。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルがあるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」は、その芳香環内に少なくとも1個のヘテロ原子を含む一価芳香族基を指す。ヘテロアリール基は、窒素、硫黄、又は酸素から独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含む、5〜18個までの原子を含む縮合環系(少なくとも1個が芳香族でなくてはならない)を含むが、これらに限定されるものではない。例示的なヘテロアリール基は更に、ピリジニル、トリアゾリル、フリル、ピラジニル、チエニル、イソオキサゾリル、インダゾリル、フラザニル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、及びフロピリジニルであるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
本明細書で使用される用語「ヘテロシクリル」は、少なくとも1個の環原子が、窒素、酸素、リン、及び硫黄から選択されるヘテロ原子である、3〜18個の炭素原子を有するものを含むが、これらに限定されるものではない、飽和又は部分飽和の炭素環基を指す。ヘテロシクリルは、例えば、単環又は二環であり得る。ヘテロシクリル基の例には、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チオキサニル、2H-ピラニル、ジオキサニル、ジチアニル、ピペリジノなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
本明細書で使用される句「医薬として許容し得る塩」は、本明細書に記載されるコンジュゲート化合物、例えば式(I)、図(1)、式(III)の化合物の有機塩と無機塩の両方を指す。これらの塩は、医薬として許容し得るものであり、且つ硫酸塩、クエン酸塩、硝酸塩、リン酸塩、アスコルビン酸塩、塩化物、臭化物、グルコン酸塩、安息香酸塩、シュウ酸塩、パントテン酸塩などがある。本明細書での医薬として許容し得る塩が、その構造内に2つ以上の荷電した原子並びに1つ以上の対イオンを含み得ることに留意されたい。医薬として許容し得る塩としての本明細書でのコンジュゲート化合物の製造は、当業者に周知である。
【0026】
本明細書で使用される用語「治療上有効な量」は、投与される目的である所望の効果を生み出す量を指す。正確な量は治療の目的に依存するだろうが、公知の技法を利用して当業者により確認可能だろう(例えば、Lloydの文献((1999)「医薬配合の技能、科学、及び技術(The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding)」を参照されたい)。
【0027】
(II. 多量体抗原-結合化合物コンジュゲート)
本開示は、式(I)を含む、多量体抗原-結合化合物コンジュゲートを提供する:
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
(式中:
IC1は、第一の免疫グロブリン鎖であり、並びに
IC2は、第二の免疫グロブリン鎖であり;
更にここで、IC1及び/又はIC2は、単独で又は一緒に、少なくとも1つの抗原-結合ドメインを含み;
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり;
Eは、O、S、NR
4、又はCR
5R
6であり;
Dは、生物活性分子であり;
Aは、存在しないか、天然若しくは非天然のアミノ酸、又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり;
Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR
5R
6-、又は-NR
4-であり;
Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、
ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;並びに
Yは、存在しないか、
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
ここで、A
1、A
3、R
1、及びR
3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、又は-O-C(=O)-NR
4-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
A
4及びA
5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR
18-、又は-CR
5R
6-であり;
R
17は、O、S、NR
18、又はCR
5R
6であり;
R
18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はアシルであり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており;
R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である)。
【0028】
一実施態様において、多量体免疫グロブリン又は抗原-結合化合物は、生理的条件下で、所与の結合パートナーにいくらかの特異性を持って結合することが可能な任意の分子である。いくつかの態様において、多量体免疫グロブリン又は抗原-結合化合物は、細胞又は細胞集団に結合することが可能である。
【0029】
ある実施態様において、本開示は、IC1が、抗体又はその抗原-結合部分の第一の重鎖であり;並びに、IC2が、抗体又はその抗原-結合部分の第二の重鎖である、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。IC1及びIC2が抗体重鎖である特定の部分の実施態様において、IC1及び/又はIC2の1以上は、それぞれ独立して、抗体軽鎖又はその抗原-結合部分と、会合又は結合する(例えば、完全な四量体抗体構造を形成する)ことができる。更なる実施態様において、本開示は、抗原-結合化合物-コンジュゲートが、還元条件下で実質的に安定している、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。更なる実施態様において、本開示は、Dが細胞傷害性物質である、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。
【0030】
ある実施態様において、本開示は、IC1が、抗体又はその抗原-結合部分の重鎖であり;並びに、IC2が、抗体又はその抗原-結合部分の軽鎖である、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。IC1が抗体重鎖であり且つIC2が抗体軽鎖である特定の部分-実施態様において、IC1/IC2構築体は、別の抗体重鎖/軽鎖対と会合又は結合する(例えば、完全な四量体抗体構造を形成する)ことができる。更なる実施態様において、本開示は、抗原-結合化合物-コンジュゲートが還元条件下で実質的に安定している、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。更なる実施態様において、本開示は、Dが細胞傷害性物質である、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。更なる実施態様において、本開示は、抗原-結合化合物-コンジュゲートが、腫瘍-関連抗原へ特異的に結合する、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。
【0031】
ある実施態様において、本開示は、抗原-結合化合物-コンジュゲートが、還元条件下及び/又は1種以上の還元剤の存在下で、実質的に安定している、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。本開示を目的とする還元剤は、ジスルフィド結合を破断又は破壊することができる任意の物質を含む。好適な還元剤の例は、ジチオスレイトール(DTT)、2-メルカプトエタノール(BME)、2-メルカプトエチルアミン(MEA)、ナトリウムメタンチオラート、2-スルファニルエタンスルホン酸ナトリウム、システイン、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、及び前述のいずれかの誘導体が挙げられる。還元条件としては、1種以上の還元剤の存在下でのインキュベーション、若しくはこれによる処理、及び/又は高温が挙げられる。更なる実施態様において、本開示は、Dが細胞傷害性物質である、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。更なる実施態様において、本開示は、抗原-結合化合物-コンジュゲートが腫瘍-関連抗原に特異的に結合する、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。
【0032】
ある実施態様において、本開示は、Dが細胞傷害性物質(本明細書において「生物活性分子」とも称される)である、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。本明細書において使用されるように、細胞傷害性物質は、細胞の成長、生存能又は増殖に弊害をもたらす任意の物質を含む。本開示の状況において使用することができる細胞傷害性物質の例としては、例えば、1-(2クロロエチル)-1,2-ジメタンスルホニルヒドラジド、1,8-ジヒドロキシ-ビシクロ[7.3.1]トリデカ-4,9-ジエン-2,6-ジイン(diyne)-13-オン、1-デヒドロテストステロン、5-フルオロウラシル、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、9-アミノカンプトテシン、アクチノマイシンD、アマニチン、アミノプテリン、アングイジン、アントラサイクリン、アントラマイシン(AMC)、アウリスタチン、ブレオマイシン、ブスルファン、酪酸、カリケアミシン、カンプトテシン、カルミノマイシン、カルムスチン、セマドチン、シスプラチン、コルヒチン、コンブレタスタチン、シクロホスファミド、シタラビン、サイトカラシンB、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ダカルバジン(decarbazine)、ジアセトキシペンチルドキソルビシン、ジブロモマンニトール、ジヒドロキシアントラシン(anthracin)ジオン、ジソラゾール(disorazole)、ドラスタチン、ドキソルビシン、デュオカルマイシン、エキノマイシン、エレウテロビン、エメチン、エポチロン、エスペラマイシン、エストラムスチン、臭化エチジウム、エトポシド、フルオロウラシル、ゲルダナマイシン、グラミシジンD、糖質コルチコイド、イリノテカン、レプトマイシン、レウロシン(leurosine)、リドカイン、ロムスチン(CCNU)、メイタンシノイド、メクロレタミン、メルファラン、メルカトプリン(mercatopurine)、メトプテリン、メトトレキセート、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、N8-アセチルスペルミジン、ポドフィロトキシン、プロカイン、プロプラノロール、プテリジン、ピューロマイシン、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)、リゾキシン、ストレプトゾトシン、タリソマイシン、タキソール、テノポシド(tenoposide)、テトラカイン、チオエパクロラムブシル、トマイマイシン、トポテカン、チューブリシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、スプリセオスタチン、アマナチン(amanatin)、又はカリケアミシン、及び前述のいずれかの誘導体が挙げられる。特定の実施態様に従い、該細胞傷害性物質は、DM1又はDM4などのメイタンシノイド、トマイマイシン誘導体、又はドラスタチン誘導体である。当該技術分野において公知の他の細胞傷害性物質は、本開示の範囲内であることが意図され、これは例えば、タンパク質毒素、例えばリシン、C.ディフィシル毒素、シュードモナス外毒素、リシン、ジフテリア毒素、ボツリヌス毒素、ブリョジン、サポリン、ヤマゴボウ毒素(すなわち、フィトラッカトキシン及びフィトラッキゲニン)、並びにSapraらの文献(Pharmacol. & Therapeutics, 2013, 138:452-469)に示されたものなどの他のものを含む。
【0033】
ある実施態様において、本開示は、抗原-結合化合物-コンジュゲートが、腫瘍-関連抗原に特異的に結合する、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。
【0034】
一実施態様において、本開示は、Z
2が、以下の構造式により表され:
-Z
2A-Z
2B-Z
2C-Z
2D-、
(式中、
Z
2A、Z
2B、Z
2C、及びZ
2Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1、-C(=O)-O-(CH
x)
p1、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R
4)、-O-C(=S)-N(R
4)-、又は-C(=S)-N(R
4)-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つ、R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルである。);並びに
Z
1が、以下の構造式により表され:
-Z
1A-Z
1B-Z
1C-Z
1D-、
(式中、
Z
1A、Z
1B、Z
1C及びZ
1Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1、-C(=O)-O-(CH
x)
p1、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R
4)、-O-C(=S)-N(R
4)-、又は-C(=S)-N(R
4)-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つ、R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルである。);
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。
【0035】
本開示はまた、図(1)に示した構造を有する多量体免疫グロブリンコンジュゲートも提供する:
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
(図中、M
1、M
2、M
3、及び/又はM
4の1以上は、それぞれ独立に、存在しない(すなわち、隣接S原子は、ジスルフィド結合を介して、互いに直接結合される)か、又は式(II)により表される構造を有し:
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
ここで、LC1は、第一の抗体軽鎖であり、
LC2は、第二の抗体軽鎖であり、
HC1は、第一の抗体重鎖であり、並びに
HC2は、第二の抗体重鎖であり:
ここで、LC1、LC2、HC1及び/又はHC2は、少なくとも1つの抗原-結合ドメインを含み;
Eは、O、S、NR
4、又はCR
5R
6であり;
Dは、生物活性分子であり;
Aは、存在しないか、天然若しくは非天然のアミノ酸、又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり;
Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR
5R
6-、又は-NR
4-であり;
Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、
ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;並びに
Yは、存在しないか、
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
ここで、A
1、A
3、R
1、及びR
3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、又は-O-C(=O)-NR
4-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
A
4及びA
5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR
18-、又は-CR
5R
6-であり;
R
17は、O、S、NR
18、又はCR
5R
6であり;
R
18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はアシルであり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており;
R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である)。
【0036】
ある実施態様において、本開示は、図(1)により示された構造を有する多量体免疫グロブリンコンジュゲートを提供し:
ここで、Z
2は、以下の構造式により表され:
-Z
2A-Z
2B-Z
2C-Z
2D-、
(式中、
Z
2A、Z
2B、Z
2C、及びZ
2Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R
4)、-O-C(=S)-N(R
4)-、又は-C(=S)-N(R
4)-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つ、R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルである。);並びに
Z
1は、以下の構造式により表され:
-Z
1A-Z
1B-Z
1C-Z
1D-、
(式中、
Z
1A、Z
1B、Z
1C及びZ
1Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R
4)、-O-C(=S)-N(R
4)-、又は-C(=S)-N(R
4)-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つ、R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルである。);
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である。
【0037】
ある実施態様において、本開示は、コンジュゲートが、還元条件下で実質的に安定している、図(1)に示された構造を有する、多量体免疫グロブリンコンジュゲートを提供する。更なる実施態様において、本開示は、コンジュゲートが、腫瘍-関連抗原に特異的に結合する、図(1)に示された構造を有する、多量体免疫グロブリンコンジュゲートを提供する。
【0038】
ある実施態様において、本開示は、コンジュゲートが、腫瘍-関連抗原に特異的に結合する、図(1)に示された構造を有する、多量体免疫グロブリンコンジュゲートを提供する。
【0039】
(A. 抗体及び多量体抗原-結合化合物)
特定の実施態様において、本明細書において使用するための多量体免疫グロブリン又は抗原-結合化合物は、抗体を含む。本明細書で使用される用語「抗体」は、特定の抗原と特異的に結合又は相互作用する相補性決定領域(CDR)を少なくとも1つ含む、任意の抗原-結合分子又は分子複合体を意味する。用語「抗体」は、ジスルフィド結合により相互結合された2本の重(H)鎖及び2本の軽(L)鎖である4本のポリペプチド鎖を含む免疫グロブリン分子、並びにそれらの多量体(例えば、IgM)を含む。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書においてHCVR又はV
Hと略される)及び重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つのドメイン、C
H1、C
H2及びC
H3を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書においてLCVR又はV
Lと略される)及び軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメイン(C
L1)を含む。V
H領域及びV
L領域は更に、フレームワーク領域(FR)と称されるより保存された領域により隔てられた、相補性決定領域(CDR)と称される超可変性領域へ細分され得る。V
H及びV
Lの各々は、アミノ-末端からカルボキシ-末端へ、以下の順序で配置された、3つのCDR及び4つのFRで構成されている:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。本開示の異なる実施態様において、抗体のFRは、ヒト生殖細胞系配列と同一であってよいか、又は天然に若しくは人工的に修飾されてよい。アミノ酸コンセンサス配列は、2つ以上のCDRの並行比較解析を基に規定されてよい。
【0040】
本明細書で使用される用語「抗体」はまた、完全抗体分子の抗原-結合断片も含む。本明細書で使用される用語である抗体の「抗原-結合部分」、抗体の「抗原-結合断片」などは、抗原に特異的に結合し複合体を形成する、天然の、酵素的に入手可能な、合成の又は遺伝子操作された、ポリペプチド又は糖タンパク質のいずれかを含む。抗体の抗原-結合断片は、例えばタンパク質分解性消化技術、又は抗体の可変ドメイン及び任意に定常ドメインをコードしているDNAの操作及び発現に関与している組換え遺伝子操作技術などの、任意の好適な標準技術を使用し、完全抗体分子から誘導することができる。かかるDNAは、公知であるか、及び/又は商業的供給業者、DNAライブラリー(例えばファージ-抗体ライブラリーを含む)から容易に入手可能であり、或いは合成することができる。DNAは、配列決定され、且つ例えば、1以上の可変ドメイン及び/又は定常ドメインを、好適な立体配置へ配列するために、又はコドンを導入、システイン残基を作製、アミノ酸を修飾、付加若しくは欠失するためなどに、化学的に又は分子生物学技術を使用することにより、操作されてよい。
【0041】
抗原-結合断片の非限定的例は、以下を含む:(i)Fab断片;(ii)F(ab')2断片;(iii)Fd断片;(iv)Fv断片;(v)単鎖Fv(scFv)分子;(vi)dAb断片;及び、(vii)抗体の超可変領域に類似しているアミノ酸残基(例えば、CDR3ペプチドなどの単離された相補性決定領域(CDR))、又は拘束されたFR3-CDR3-FR4ペプチドからなる最小認識単位。ドメイン-特異的抗体、単一ドメイン抗体、ドメイン-欠失抗体、キメラ抗体、CDR-グラフト化抗体、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ミニボディ、ナノボディ(例えば、一価のナノボディ、二価のナノボディなど)、小型モジュールの免疫医薬品(SMIP)、及びサメ可変IgNARドメインなどの他の操作された分子もまた、本明細書で使用される表現「抗原-結合断片」に包含される。
【0042】
抗体の抗原-結合断片は、典型的には、少なくとも1つの可変ドメインを含むであろう。この可変ドメインは、任意のサイズ又はアミノ酸組成であってよく、且つ一般に1以上のフレームワーク配列に隣接するか又はこれとインフレームである少なくとも1つのCDRを含むであろう。V
Lドメインに会合されたV
Hドメインを有する抗原-結合断片において、V
Hドメイン及びV
Lドメインは、任意の好適な配列で、互いに対し配置され得る。例えば、可変領域は、二量体であってよく、且つV
H-V
H、V
H-V
L又はV
L-V
Lダイマーを含んでよい。或いは、抗体の抗原-結合断片は、単量体のV
H又はV
Lドメインを含んでよい。
【0043】
特定の実施態様において、抗体の抗原-結合断片は、少なくとも1つの定常ドメインに共有結合された少なくとも1つの可変ドメインを含むことができる。本開示の抗体の抗原-結合断片内に認めることができる可変ドメイン及び定常ドメインの立体配置の例は、非限定的に以下を含む:(i)V
H-C
H1;(ii)V
H-C
H2;(iii)V
H-C
H3;(iv)V
H-C
H1-C
H2;(v)V
H-C
H1-C
H2-C
H3;(vi)V
H-C
H2-C
H3;(vii)V
H-C
L;(viii)V
L-C
H1;(ix)V
L-C
H2;(x)V
L-C
H3;(xi)V
L-C
H1-C
H2;(xii)V
L-C
H1-C
H2-C
H3;(xiii)V
L-C
H2-C
H3;及び、(xiv)V
L-C
L。先に列記した例証的立体配置のいずれかを含む可変ドメイン及び定常ドメインの任意の立体配置において、可変ドメイン及び定常ドメインは、互いに直接連結されるか、又は完全な若しくは部分的なヒンジ若しくはリンカー領域により連結されるかのいずれかであることができる。ヒンジ領域は、単独のポリペプチド分子中の隣接する可変ドメイン及び/又は定常ドメインの間に可動性又は半-可動性の連結を生じる、少なくとも2個(例えば、5、10、15、20、40、60個又はそれ以上)のアミノ酸からなることができる。更に、本開示の抗体の抗原-結合断片は、互いの及び/又は1以上のモノマーV
H若しくはV
Lドメインとの非共有結合的会合における(例えば、ジスルフィド結合による)、先に列記した可変ドメイン及び定常ドメインの立体配置のいずれかのホモ-ダイマー又はヘテロ-ダイマー(又は他の多量体)を含むことができる。
【0044】
完全抗体分子のように、抗原-結合断片は、単一特異性又は多重特異性(例えば二重特異性)であることができる。抗体の多重特異性抗原-結合断片は、典型的には、少なくとも2つの異なる可変ドメインを含み、ここで各可変ドメインは、個別の抗原へ又は同じ抗原上の異なるエピトープへ特異的に結合することが可能である。任意の多重特異性抗体フォーマットは、当該技術分野において利用可能な慣習的な技術を使用し、本開示の抗体の抗原-結合断片の状況での使用に適合させることができる。
【0045】
本開示の特定の実施態様において、本開示の抗体は、ヒト抗体である。本明細書で使用される用語「ヒト抗体」は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列から誘導された可変領域及び定常領域を有する抗体を含むことが意図されている。本開示のヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列によりコードされていないアミノ酸残基(例えば、インビトロのランダム若しくは部位特異的な突然変異誘発又はインビボの体細胞突然変異により導入された突然変異)を、例えばCDRに、とりわけCDR3に含み得る。しかし本明細書で使用される用語「ヒト抗体」は、マウスなどの、別な哺乳動物種の生殖細胞系から誘導されたCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフトされた抗体を含むことは意図しない。
【0046】
本開示の抗体は、一部の実施態様において、組換えヒト抗体であることができる。本明細書で使用される用語「組換えヒト抗体」は、宿主細胞へトランスフェクションされた組換え発現ベクターを使用し発現された抗体(以下に更に説明)、組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体(以下に更に説明)、ヒト免疫グロブリン遺伝子に関してトランスジェニックである動物(例えばマウス)から単離された抗体(例えば、Taylorらの文献、(1992) Nucl. Acids Res. 20:6287-6295参照)、又はヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングが関与する他の手段により調製され、発現され、作出され、若しくは単離された抗体などの、組換え手段により調製され、発現され、作出され、又は単離される全てのヒト抗体を含むことが意図される。かかる組換えヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列から誘導された可変領域及び定常領域を有する。しかし特定の実施態様において、かかる組換えヒト抗体は、インビトロ突然変異誘発(又は、ヒトIg配列についてのトランスジェニック動物が使用される場合は、インビボ体細胞突然変異誘発)に供され、結果的に組換え抗体のV
H領域及びV
L領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系V
H配列及びV
L配列に由来しかつ関連している一方で、インビボのヒト抗体生殖細胞系レパトア内には天然には存在しない配列である。
【0047】
本明細書において使用するための多量体免疫グロブリン又は抗原-結合化合物が、抗体又はそれらの抗原-結合断片である実施態様において、抗体又は抗原-結合断片は、1種以上の抗原結合パートナーに結合する。該抗原-結合パートナーは、膜貫通分子(例えば、受容体)又は成長因子などのポリペプチドであることができる。例証的な抗原には、レニンなどの分子;ヒト成長ホルモン及びウシ成長ホルモンを含む成長ホルモン;成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;α1-アンチトリプシン;インスリンA鎖;インスリンB鎖;プロインスリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;vmc因子(factor vmc)、IX因子、組織因子(TF)、及びフォン・ウィルブランド因子などの凝固因子;プロテインCなどの抗凝固因子;心房性ナトリウム利尿因子;肺サーファクタント;ウロキナーゼ又はヒトの尿若しくは組織型のプラスミノゲンアクチベーター(t-PA)などのプラスミノゲンアクチベーター;ボンベシン;トロンビン;造血成長因子;腫瘍壊死因子-α及び-β;エンケファリナーゼ;RANTES(活性化正常T細胞における発現および分泌調節性(regulated on activation normally T-cell expressed and secreted));ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MlP-I-α);ヒト血清アルブミンなどの血清アルブミン;ミュラー管抑制因子;リラキシンA鎖;リラキシンB鎖;プロリラキシン;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;βラクタマーゼなどの微生物タンパク質;DNアーゼ;19E;CTLA-4などの細胞傷害性T-リンパ球関連抗原(CTLA);インヒビン;アクチビン;血管内皮細胞成長因子(VEGF);ホルモン又は成長因子の受容体;プロテインA又はD;リウマトイド因子;骨由来神経栄養因子(bone-derived neurotrophic factor)(BDNF)、ニューロトロフィン-3、-4、-5、若しくは-6(NT-3、NT4、NT-5、若しくはNT-6)などの神経栄養因子又はNGF-βなどの神経成長因子;血小板由来成長因子(PDGF);aFGF及びbFGFなどの線維芽細胞増殖因子;線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)、上皮成長因子(EGF);TGF-α及びTGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、TGF-β4、又はTGF-β5を含むTGF-βなどのトランスフォーミング成長因子(TGF);インスリン様成長因子-1及び-II(IGF-1及びIGF-II);デス(I-3)-IGF-1(脳IGF-1)、インスリン様成長因子結合タンパク質、EpCAM、GD3、FLT3、PSMA、PSCA、MUCI、MUCI6、STEAP、CEA、TENB2、EphA受容体、EphB受容体、葉酸受容体、FOLRI、メソテリン、クリプト、αvβ6、インテグリン、VEGF、VEGFR、EGFR、トランスフェリン受容体、lRTAI、lRTA2、lRTA3、lRTA4、lRTA5;CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD14、CD19、CD20、CD21、CD22、CD25、CD26、CD28、CD30、CD33、CD36、CD37、CD38、CD40、CD44、CD52、CD55、CD56、CD59、CD70、CD79、CD80、CD81、CD103、CD105、CD134、CD137、CD138、CDI52などのCDタンパク質、又は引用により全体として組み込まれる米国特許公開第2008/0171040号若しくは米国特許公開第2008/0305044号に開示された1つ以上の腫瘍関連抗原若しくは細胞表面受容体に結合する抗体;エリスロポエチン;骨誘導因子;免疫毒素;骨形成タンパク質(BMP);インターフェロン-α、-β、及び-γなどのインターフェロン;コロニー刺激因子(CSF)、例えば、M-CSF、GM-CSF、及びG-CSF;インターロイキン(IL)、例えば、IL-1からIL-10;スーパーオキシドジスムターゼ;T-細胞受容体;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;例えば、HIVエンベロープの一部などのウイルス抗原;輸送タンパク質;ホーミング受容体;アドレッシン;調節タンパク質;CD11a、CD11b、CD11c、CD18、ICAM、VLA-4、及びVCAMなどのインテグリン;腫瘍関連抗原、例えば、AFP、ALK、B7H4、BAGEタンパク質、β-カテニン、brc-abl、BRCA1、BORIS、CA9(炭酸脱水酵素IX)、カスパーゼ-8、CD20、CD40、CD123、CDK4、CEA、CLEC12A、c-kit、cMET、CTLA4、サイクリン-B1、CYP1B1、EGFR、EGFRvIII、エンドグリン、Epcam、EphA2、ErbB2/Her2、ErbB3/Her3、ErbB4/Her4、ETV6-AML、Fra-1、FOLR1、GAGEタンパク質(例えば、GAGE-1、-2)、GD2、GD3、GloboH、グリピカン-3、GM3、gp100、Her2、HLA/B-raf、HLA/EBNA1、HLA/k-ras、HLA/MAGE-A3、hTERT、IGF1R、LGR5、LMP2、MAGEタンパク質(例えば、MAGE-1、-2、-3、-4、-6、及び-12)、MART-1、メソテリン、ML-IAP、Muc1、Muc16(CA-125)、MUM1、NA17、NGEP、NY-BR1、NY-BR62、NY-BR85、NY-ESO1、OX40、p15、p53、PAP、PAX3、PAX5、PCTA-1、PDGFR-α、PDGFR-β、PDGF-A、PDGF-B、PDGF-C、PDGF-D、PLAC1、PRLR、PRAME、PSCA、PSGR、PSMA(FOLH1)、RAGEタンパク質、Ras、RGS5、Rho、SART-1、SART-3、Steap-1、Steap-2、STn、サバイビン、TAG-72、TGF-β、TMPRSS2、Tn、TNFRSF17、TRP-1、TRP-2、チロシナーゼ、及びウロプラキン-3、並びに上述のいずれかのポリペプチドの断片があるが、これらに限定されない。
【0048】
一部の実施態様において、抗体は、抗-PRLR抗体、例えば米国特許公開第2015/0056222 A1号に開示されたものである。
【0049】
本明細書での実施態様は、治療用途に特異性のある標的である。一実施態様において、多量体免疫グロブリン又は抗原-結合化合物は、腫瘍抗原と定義される抗原と相互作用を持ち、且つ結合するように製造されるが、ある種類の腫瘍に特異性のある抗原、又は特定の種類の腫瘍に共有され、過剰発現し、若しくは修飾されている抗原を含む。説明的な例には、肺癌のα-アクチニン-4、メラノーマのARTC1、慢性骨髄性白血病のBCR-ABL融合タンパク質、メラノーマのB-RAF、CLPP、又はCdc27、扁平上皮癌のCASP-8、及び腎細胞癌のhsp70-2、並びに以下の共有される腫瘍特異性抗原、例えば:BAGE-1、GAGE、GnTV、KK-LC-1、MAGE-A2、NA88-A、TRP2-INT2がある。
【0050】
(B. 生物活性分子)
本明細書の生物活性分子(本明細書において、「薬物」、「毒素」、「細胞傷害性物質」、「化学療法薬」などとも称される)は、特定の細胞、細胞型、又は組織へ標的化される場合、哺乳動物における治療用途を有するあらゆる分子を含む。典型的な実施態様において、該分子は、哺乳動物内の標的に有益に送達され、とりわけ、血管又はリンパ系に放出される分子に比べて、細胞へ、次に細胞内に(例えば、エンドサイトーシス)有益に送達される。
【0051】
一態様において、生物活性分子は、細胞成長の阻害、妨害、低減、及び/又は防止をもたらす化合物である。生物活性分子はまた、壊死又はアポトーシスによる細胞死ももたらし得る。本明細書に記載されるコンジュゲート化合物に使用するための説明的な生物活性分子には、メイタンシノイド(例えば、DM1、DM4、又はそれらの誘導体など)、アウリスタチン(例えば、MMAE、MMAD、MMAFなど)、デュオカルマイシン(例えば、MGBA)、ドラスタチン、トキソイド、及び他の化学療法的に有効な薬物がある。一部の実施態様において、生物活性分子(D)は、以下の構造を有する:
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0052】
本開示の状況において使用され得る他の生物活性分子の具体例は、例えば1-デヒドロテストステロン、2-ピロリノドキソルビシン、5-フルオロウラシル、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、アマニチン、アクチノマイシンD、アントラサイクリン(例えばPNU-159682)、アントラマイシン(AMC)、ブレオマイシン、ブスルファン、カリケアミシン、カルムスチン、シスプラチン、コルヒチン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、シクロホスファミド、シタラビン、サイトカラシンB、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ダカルバジン、ジブロモマンニトール、ジヒドロキシアントラシンジオン、ドキソルビシン、エメチン、エピルビシン、臭化エチジウム、エトポシド、グラミシジンD、糖質コルチコイド、リドカイン、ロムスチン(CCNU)、メクロレタミン、メルファラン、メトトレキセート、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、モルホリノ-ドキソルビシン、プロカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、ピロロベンゾジアザピン、シビロマイシン、ストレプトゾトシン、タキソール、テノポシド、テトラカイン、チオエパクロラムブシル、トリコテセン、ツブリシン、ビンクリスチン、及び前述のもののいずれかの立体異性体、等量式、アナログ又は誘導体が挙げられる。
【0053】
一実施態様において、該生物活性分子は、メイタンシノイド又はメイタンシノイドアナログである。本明細書での使用のためのメイタンシノイドの例は、全ての目的のために引用により本明細書に組み込まれているWiddisonらの文献(J.Med.Chem., 2006, 49, 4392-4408)に記載されている。一部の実施態様において、該生物活性分子は、WO 2014/145090A1に記載されたメイタンシノイドである。
【0054】
本開示の状況において使用され得る細胞傷害性物質の例はまた、1-(2クロロエチル)-1,2-ジメタンスルホニルヒドラジド、1,8-ジヒドロキシ-ビシクロ[7.3.1]トリデカ-4,9-ジエン-2,6-ジイン-13-オン、1-デヒドロテストステロン、5-フルオロウラシル、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、9-アミノカンプトテシン、アクチノマイシンD、アマニチン、アミノプテリン、アングイジン、アントラサイクリン、アントラマイシン(AMC)、アウリスタチン、ブレオマイシン、ブスルファン、酪酸、カリケアミシン、カンプトテシン、カルミノマイシン、カルムスチン、セマドチン、シスプラチン、コルヒチン、コンブレタスタチン、シクロホスファミド、シタラビン、サイトカラシンB、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ダカルバジン、ジアセトキシペンチルドキソルビシン、ジブロモマンニトール、ジヒドロキシアントラシンジオン、ジソラゾール、ドラスタチン、ドキソルビシン、デュオカルマイシン、エキノマイシン、エレウテロビン、エメチン、エポチロン、エスペラマイシン、エストラムスチン、臭化エチジウム、エトポシド、フルオロウラシル、ゲルダナマイシン、グラミシジンD、糖質コルチコイド、イリノテカン、レプトマイシン、レウロシン、リドカイン、ロムスチン(CCNU)、メイタンシノイド、メクロレタミン、メルファラン、メルカトプリン、メトプテリン、メトトレキセート、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、N8-アセチルスペルミジン、ポドフィロトキシン、プロカイン、プロプラノロール、プテリジン、ピューロマイシン、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)、リゾキシン、ストレプトゾトシン、タリソマイシン、タキソール、テノポシド、テトラカイン、チオエパクロラムブシル、トマイマイシン、トポテカン、チューブリシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンカアルカロイド、ビンデシン、ビノレルビン、スプリセオスタチン、アマナチン、又はカリケアミシン、及び前述のいずれかの誘導体を含むが、これらに限定されるものではない。特定の実施態様に従い、該細胞傷害性物質は、DM1又はDM4などのメイタンシノイド、トマイマイシン誘導体、又はドラスタチン誘導体である。当該技術分野において公知の他の細胞傷害性物質は、本開示の範囲内であることが意図され、これは例えば、タンパク質毒素、例えばリシン、C.ディフィシル毒素、シュードモナス外毒素、リシン、ジフテリア毒素、ボツリヌス毒素、ブリョジン、サポリン、ヤマゴボウ毒素(すなわち、フィトラッカトキシン及びフィトラッキゲニン)、並びにSapraらの文献(Pharmacol. & Therapeutics, 2013, 138:452-469)に示されたもののような他のものを含む。
【0055】
ある実施態様において、本開示は、生物活性分子(D)が、細胞傷害性生物活性マクロライドである、コンジュゲート、例えば式(I)、式(II)、又は式(III)の化合物に関する。更なる実施態様において、本開示は、生物活性マクロライドとして、式(I)(a)により表されるメイタンシノイドを提供する:
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
A
6、A
7、A
8、A
9は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、N-アルキルアミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR
4であり、更にここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;且つ、R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である)。
【0056】
一部の実施態様において、該生物活性分子(D)は、以下の構造を有する:
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0057】
更なる実施態様において、該メイタンシノイドは、以下の構造式(II)(a)により表される:
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0058】
(C. リンカー)
本明細書において提供されるリンカーは、生物活性化合物(例えば細胞傷害性物質)を、多量体抗原-結合化合物(例えば抗体)の(例えばシステイン残基の)スルフヒドリル基に共有結合する。特定の態様において、該リンカーは、3-炭素架橋を介して、2個のスルフヒドリル基を結合する。かかるリンカーは、コンジュゲーションプロセス時に切断される抗体ジスルフィドのシステイン残基を再結合するように働くことができる。
【0059】
ある実施態様において、本開示は、式(IV)により表されたリンカーを提供する:
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
(式中:
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり;
Aは、存在しないか、天然若しくは非天然のアミノ酸、又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり;
Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR
5R
6-、又は-NR
4-であり;
Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、
ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
Yは、存在しないか、
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
ここで、A
1、A
3、R
1、及びR
3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、又は-O-C(=O)-NR
4-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
A
4及びA
5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR
18-、又は-CR
5R
6-であり;
R
17は、O、S、NR
18、又はCR
5R
6であり;
R
18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はアシルであり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており;
R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である)。
【0060】
更なる実施態様において、本開示は、式(IV)により表されるリンカーを提供する:
(式中、Z
2は、以下の構造式により表され:
-Z
2A-Z
2B-Z
2C-Z
2D-、
ここで:
Z
2A、Z
2B、Z
2C、及びZ
2Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R
4)、-O-C(=S)-N(R
4)-、又は-C(=S)-N(R
4)-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つ、R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;並びに
ここで、Z
1は、以下の構造式により表され:
-Z
1A-Z
1B-Z
1C-Z
1D-、
ここで、Z
1A、Z
1B、Z
1C及びZ
1Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R
4)、-O-C(=S)-N(R
4)-、又は-C(=S)-N(R
4)-であり、ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つ、R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である。)。
【0061】
ある実施態様において、メイタンシノイドは、リンカーの一部を提供する。
【0062】
ある実施態様において、本開示は、Aが、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン、チロシン、システイン、及びシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸である、式(I)、式(II)、式(III)、又は式(IV)の化合物を提供する。
【0063】
ある実施態様において、本開示は、Aが、バリン-シトルリン、シトルリン-バリン、リジン-フェニルアラニン、フェニルアラニン-リジン、バリン-アスパラギン、アスパラギン-バリン、トレオニン-アスパラギン、セリン-アスパラギン、アスパラギン-セリン、フェニルアラニン-アスパラギン、アスパラギン-フェニルアラニン、ロイシン-アスパラギン、アスパラギン-ロイシン、イソロイシン-アスパラギン、アスパラギン-イソロイシン、グリシン-アスパラギン、アスパラギン-グリシン、グルタミン酸-アスパラギン、アスパラギン-グルタミン酸、シトルリン-アスパラギン、アスパラギン-シトルリン、アラニン-アスパラギン、アスパラギン-アラニンからなる群から選択されるペプチドである、式(I)、式(II)、式(III)、又は式(IV)の化合物を提供する。
【0064】
ある実施態様において、本開示は、Xが:
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択されるアリールである、式(I)、式(II)、式(III)、又は式(IV)の化合物を提供する:
(式中、R
9、R
10、R
11、及びR
12は、それぞれ独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ハロゲン、NR
13R
14、ニトロ、シアノ、-OH、-O-C(=O)-R
15、-C(=O)-R
15、-C(=O)-O-R
15、-C(=O)-NR
13R
14であり;且つ、更にここで、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;且つ、R
13及びR
14は、それぞれ独立に、H又は任意に置換されているアルキルであり;且つ、R
15は任意に置換されているアルキルである)。
【0065】
一態様において、該リンカーは、リガンドを、治療薬及びマーカーと共有結合的に連結するのに有用である。別の態様において、該リンカーは、結合された部分の化学的及び/又は全身的な安定性を向上させる。別の態様において、該リンカーは、結合された部分のインビボ毒性を低減する。別の態様において、該リンカーは、結合された部分の薬物動態、薬力学、及び/又はバイオアベイラビリティを向上させる。一態様において、該リンカーは、切断可能なリンカーである。すなわち該リンカーは、標的細胞又は細胞集団の中又はその近くの部位で、薬理学的に効果的な形態で、生物活性分子を切断し、放出することができる。別の態様において、該リンカーは、切断不可能であるが、この抗体-薬物コンジュゲートは、薬理学的に効果的な形態で、分解され、その結合された部分を放出することができる。
【0066】
(D. 例証的コンジュゲート)
一態様において、本開示は、式(I)を有する多量体抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する:
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
(式中:
IC1は、第一の免疫グロブリン鎖であり、並びに、IC2は、第二の免疫グロブリン鎖であり;更にここで、IC1及び/又はIC2は、少なくとも1つの抗原-結合ドメインを含み;
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり;
Eは、O、S、NR
4、又はCR
5R
6であり;
Dは、生物活性分子であり;
Aは、存在しないか、天然若しくは非天然のアミノ酸、又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり;
Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR
5R
6-、又は-NR
4-であり;
Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、
ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;並びに
Yは、存在しないか、
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
ここで、A
1、A
3、R
1、及びR
3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、又は-O-C(=O)-NR
4-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
A
4及びA
5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR
18-、又は-CR
5R
6-であり;
R
17は、O、S、NR
18、又はCR
5R
6であり;
R
18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はアシルであり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており;
R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である)。
【0067】
ある実施態様において、本開示は、IC1が、抗体又はその抗原-結合部分の第一の重鎖であり;並びに、IC2が、抗体又はその抗原-結合部分の第二の重鎖である、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。IC1及びIC2が抗体重鎖である特定の部分-実施態様において、IC1及び/又はIC2の1以上は、各々独立して、抗体軽鎖又はその抗原-結合部分と会合又は結合され得る(例えば、完全な四量体抗体構造を形成する)。更なる実施態様において、本開示は、抗原-結合化合物-コンジュゲートが、還元条件下で実質的に安定している、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。更なる実施態様において、本開示は、Dが、細胞傷害性物質である、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。
【0068】
ある実施態様において、本開示は、IC1が、抗体又はその抗原-結合部分の重鎖であり;並びに、IC2が、抗体又はその抗原-結合部分の軽鎖である、式(I)により表された抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。IC1が抗体重鎖であり且つIC2が抗体軽鎖である特定の部分-実施態様において、IC1/IC2構築体は、別の抗体重鎖/軽鎖の対と会合又は結合され得る(例えば、完全な四量体抗体構造を形成する)。更なる実施態様において、本開示は、抗原-結合化合物-コンジュゲートが、還元条件下で実質的に安定している、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。本明細書において使用される表現「実質的に安定」とは、抗体又は他の多量体免疫グロブリンの文脈において使用される場合、2個の個別のポリペプチド鎖を連結する再結合されたジスルフィドは、SDS-PAGEゲルの還元環境などの還元条件下で、又は37℃で血清(例えば、ヒト、サル、ウシ、マウス、ラットなど)の存在下、又は90℃よりも高い温度などで、抗体又は免疫グロブリンが実質的に無傷で保持され得ることを意味する。更なる実施態様において、本開示は、Dが、細胞傷害性物質である、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。更なる実施態様において、本開示は、抗原-結合化合物-コンジュゲートが、腫瘍-関連抗原に特異的に結合する、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。
【0069】
ある実施態様において、本開示は、抗原-結合化合物-コンジュゲートが還元条件下で実質的に安定している、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。更なる実施態様において、本開示は、Dが、細胞傷害性物質である、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。更なる実施態様において、本開示は、抗原-結合化合物-コンジュゲートが、腫瘍-関連抗原に特異的に結合する、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。
【0070】
ある実施態様において、本開示は、Dが、例えば本明細書の別所に示した細胞傷害性物質のいずれかを含む、細胞傷害性物質である、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。
【0071】
ある実施態様において、本開示は、抗原-結合化合物-コンジュゲートが、腫瘍-関連抗原に特異的に結合する、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。
【0072】
一部の実施態様において、-C(=E)-の炭素は、アリール基に直接結合されない。一部の実施態様において、-C(=E)-の炭素は、フェニル基に直接結合されない。
【0073】
一実施態様において、本開示は、式(I)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する:
(式中、Z
2は、以下の構造式により表され:
-Z
2A-Z
2B-Z
2C-Z
2D-、
ここで、
Z
2A、Z
2B、Z
2C、及びZ
2Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R
4)、-O-C(=S)-N(R
4)-、又は-C(=S)-N(R
4)-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つ、R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;並びに
Z
1は、以下の構造式により表され:
-Z
1A-Z
1B-Z
1C-Z
1D-、
ここで、
Z
1A、Z
1B、Z
1C及びZ
1Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R
4)、-O-C(=S)-N(R
4)-、又は-C(=S)-N(R
4)-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つ、R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である。)。
【0074】
ある実施態様において、本開示は、以下の構造(I)(b)により表される式(I)の化合物を提供する:
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0075】
ある実施態様において、本開示は、IC1が、抗体又はその抗原-結合部分の第一の重鎖であり;並びに、IC2が、抗体又はその抗原-結合部分の第二の重鎖である、式(I)(b)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。更なる実施態様において、本開示は、抗原-結合化合物-コンジュゲートが、還元条件下で実質的に安定している、式(I)(b)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。
【0076】
ある実施態様において、本開示は、IC1が、抗体又はその抗原-結合部分の重鎖であり;並びに、IC2が、抗体又はその抗原-結合部分の軽鎖である、式(I)(b)により表された抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。更なる実施態様において、本開示は、抗原-結合化合物-コンジュゲートが、還元条件下で実質的に安定している、式(I)(b)により表される抗原-結合化合物-コンジュゲートを提供する。
【0077】
ある態様において、本開示は、図(1)に示した構造を有する多量体免疫グロブリンコンジュゲートも提供する:
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
(図中、M
1、M
2、M
3、及び/又はM
4の1以上は、それぞれ独立に、存在しない(すなわち、隣接するS原子は、ジスルフィド結合を介して、互いに直接結合される)か、又は式(II)により表される構造を有し:
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
ここで、LC1は、第一の抗体軽鎖であり、
LC2は、第二の抗体軽鎖であり、
HC1は、第一の抗体重鎖であり、並びに
HC2は、第二の抗体重鎖であり:
ここで、LC1、LC2、HC1及び/又はHC2は、少なくとも1つの抗原-結合ドメインを有し;並びに
Eは、O、S、NR
4、又はCR
5R
6であり;
Dは、生物活性分子であり;
Aは、存在しないか、天然若しくは非天然のアミノ酸、又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり;
Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR
5R
6-、又は-NR
4-であり;
Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、
ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;並びに
Yは、存在しないか、
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
ここで、A
1、A
3、R
1、及びR
3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR
4-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
A
4及びA
5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR
18-、又は-CR
5R
6-であり;
R
17は、O、S、NR
18、又はCR
5R
6であり;
R
18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はアシルであり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており;
R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である)。
【0078】
ある実施態様において、本開示は、図(1)に示される構造を有する多量体免疫グロブリンコンジュゲートを提供する:
(式中、Z
2は、以下の構造式により表され:
-Z
2A-Z
2B-Z
2C-Z
2D-、
ここで:
Z
2A、Z
2B、Z
2C、及びZ
2Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R
4)、-O-C(=S)-N(R
4)-、又は-C(=S)-N(R
4)-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つ、R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;並びに
Z
1は、以下の構造式により表され:
-Z
1A-Z
1B-Z
1C-Z
1D-、
ここで、
Z
1A、Z
1B、Z
1C及びZ
1Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R
4)、-O-C(=S)-N(R
4)-、又は-C(=S)-N(R
4)-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つ、R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である。)。
【0079】
ある実施態様において、本開示は、コンジュゲートが、還元条件下で実質的に安定している、図(1)に示された構造を有する多量体免疫グロブリンコンジュゲートを提供する。更なる実施態様において、本開示は、コンジュゲートが、腫瘍-関連抗原に特異的に結合する、図(1)に示された構造を有する多量体免疫グロブリンコンジュゲートを提供する。
【0080】
ある実施態様において、本開示は、コンジュゲートが、腫瘍-関連抗原に特異的に結合する、図(1)に示された構造を有する多量体免疫グロブリンコンジュゲートを提供する。
【0081】
ある実施態様において、式(II)は、以下の構造(II)(b)により表される:
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0082】
下記式の化合物が、本明細書において提供される:
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
(式中:
IGは、抗原-結合免疫グロブリンであり;
xは、1〜4の整数であり;
SP
Aは:
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここで:
R
Nは、水素原子又はアルキルであり;
R
Mは、アルキルであり;
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
により表される2個の結合は、免疫グロブリンのシステインへの結合であり;並びに
bは、2〜8の整数であり;並びに、
A、W、X、Y、Z
1、及びDは、本明細書に定義されたものである。)。
【0083】
一部の実施態様において、本化合物は、以下の構造を有し:
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
(式中:
IGは、抗原-結合免疫グロブリンであり;
xは、1〜4の整数であり;
SP
Aは:
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここで:
R
Nは、水素原子又はアルキルであり;
R
Mは、アルキルであり;
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
により表される2個の結合は、免疫グロブリンのシステインへの結合であり;並びに
bは、2〜8の整数であり;並びに、
Aは、本明細書の別所に定義されたものである。)。
【0084】
一部の実施態様において、Aは、ジペプチドである。
【0085】
一部の実施態様において、SP
Aは:
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0086】
一部の実施態様において、SP
Aは:
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0087】
一部の実施態様において、SP
Aは:
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0088】
一部の実施態様において、SP
Aは:
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0089】
一部の実施態様において、SP
A-A-は:
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここで:
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
により表される2個の結合は、免疫グロブリンのシステインへの結合であり;並びに
bは、2〜8の整数である。)。
【0090】
一部の実施態様において、SP
A-A-は:
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここで:
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
により表される2個の結合は、免疫グロブリンのシステインへの結合であり;並びに
bは、2〜8の整数である。)。
【0091】
一部の実施態様において、SP
A-A-は:
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここで:
R
Nは、水素原子又はアルキルであり;
R
Mは、アルキルであり;
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
により表される2個の結合は、免疫グロブリンのシステインへの結合であり;並びに
bは、2〜8の整数である。)。
【0092】
一部の実施態様において、SP
A-A-は:
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0093】
一部の実施態様において、SP
A-A-は:
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0094】
一部の実施態様において、SP
A-A-は:
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0095】
一部の実施態様において、SPA-A-は:
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0096】
抗体又はその抗原結合断片が、式(A)の少なくとも1つの部分にコンジュゲートされる抗体、又はその抗原結合断片を含む、抗体-薬物コンジュゲートも、本明細書において提供される:
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
(式中:
Ab-S1は、抗体又はその抗原結合断片のシステイン硫黄原子への結合であり;
Ab-S2は、抗体又はその抗原結合断片のシステイン硫黄原子への結合であり;
Xは、-N(R
A)-又は-O-であり;
ここで、R
Aは、水素原子又はアルキルであり;
R
N及びR
Mは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキルであり;
Aは、存在しない、すなわち結合であるか、又はペプチドを含むスペーサーであり;
ここで、ペプチドは、2〜20のアミノ酸を含み;
Dは、生物活性分子であり;並びに
bは、2〜8の整数である。)。
【0097】
一部の実施態様において、本抗体又はその抗原結合断片は、Ab-S1が、抗体又はその抗原結合断片の第一の重鎖のシステイン硫黄原子への結合であり、及びAb-S2が、抗体又はその抗原結合断片の第二の重鎖のシステイン硫黄原子への結合である、式(A)の少なくとも1つの部分を含む。
【0098】
一部の実施態様において、本抗体又はその抗原結合断片は、Ab-S1が、抗体又はその抗原結合断片の軽鎖のシステイン硫黄原子への結合であり、及びAb-S2が、抗体又はその抗原結合断片の重鎖のシステイン硫黄原子への結合である、式(A)の少なくとも1つの部分を含む。
【0099】
一部の実施態様において、本抗体又はその抗原結合断片は:
(i)Ab-S1が、抗体又はその抗原結合断片の第一の重鎖のシステイン硫黄原子への結合であり、及びAb-S2が、抗体又はその抗原結合断片の第二の重鎖のシステイン硫黄原子への結合である、式(A)の少なくとも1つの部分;並びに
(ii)Ab-S1が、抗体又はその抗原結合断片の軽鎖のシステイン硫黄原子への結合であり、及びAb-S2が、抗体又はその抗原結合断片の重鎖のシステイン硫黄原子への結合である、式(A)の少なくとも1つの部分:を含む。
【0100】
一部の実施態様において、本抗体又はその抗原結合断片は、Ab-S1が、抗体又はその抗原結合断片の第一の重鎖のシステイン硫黄原子への結合であり、及びAb-S2が、抗体又はその抗原結合断片の第二の重鎖のシステイン硫黄原子への結合である、式(A)の2つの部分を含む。
【0101】
一部の実施態様において、本抗体又はその抗原結合断片は:
(i)Ab-S1が、抗体又はその抗原結合断片の第一の重鎖のシステイン硫黄原子への結合であり、及びAb-S2が、抗体又はその抗原結合断片の第二の重鎖のシステイン硫黄原子への結合である、式(A)の2つの部分;並びに
(ii)Ab-S1が、抗体又はその抗原結合断片の軽鎖のシステイン硫黄原子への結合であり、及びAb-S2が、抗体又はその抗原結合断片の重鎖のシステイン硫黄原子への結合である、式(A)の2つの部分:を含む。
【0102】
一部の実施態様において、本抗体薬物コンジュゲートは、抗体を含む。
【0103】
一部の実施態様において、本抗体は、抗-PRLR抗体である。
【0104】
一部の実施態様において、Xは、-N(R
A)-である。特定の実施態様において、R
Aは、水素原子である。
【0105】
一部の実施態様において、Xは、-O-である。
【0106】
一部の実施態様において、R
N及びR
Mは、両者とも水素原子である。一部の実施態様において、R
Nは、水素原子であり、並びにR
Mは、アルキルである。一部の実施態様において、R
N及びR
Mは、両者ともアルキルである。
【0107】
一部の実施態様において、Xは-O-であり、並びにR
N及びR
Mは、両者とも水素原子である。一部の実施態様において、Xは-O-であり、R
Nは、水素原子であり、並びにR
Mは、アルキルである。一部の実施態様において、Xは-O-であり、並びにR
N及びR
Mは、両者ともアルキルである。一部の実施態様において、Xは-O-であり、R
Nは、水素原子であり、並びにR
Mは、メチルである。一部の実施態様において、Xは-O-であり、並びにR
N及びR
Mは、両者ともメチルである。
【0108】
一部の実施態様において、bは、3〜6の整数である。一部の実施態様において、bは4である。一部の実施態様において、R
N及びR
Mは、両者とも水素原子であり、並びにbは4である。
【0109】
一部の実施態様において、Xは-O-であり、R
N及びR
Mは、両者とも水素原子であり、並びにbは4である。一部の実施態様において、Xは-O-であり、R
N及びR
Mは、両者ともアルキルであり、並びにbは4である。一部の実施態様において、Xは-O-であり、R
N及びR
Mは、両者ともメチルであり、並びにbは4である。一部の実施態様において、Xは-O-であり、R
Nは、アルキルであり、R
Mは、水素原子であり、並びにbは4である。
【0110】
一部の実施態様において、Xは-N(H)-であり、R
N及びR
Mは、両者とも水素原子であり、並びにbは4である。
【0111】
一部の実施態様において、R
A、R
N及びR
Mは、それぞれ独立して、水素原子又はC
1-6アルキルである。
【0112】
一部の実施態様において、Aは、ジペプチドを含むスペーサーである。一部の実施態様において、ジペプチドは、バリン-シトルリンである。一部の実施態様において、Aは:
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここで、
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
は、Dへの結合であり、並びにAA
1及びAA
2は、それぞれ独立して、アミノ酸である。
【0113】
一部の実施態様において、AA
1-AA
2は、バリン-シトルリン、シトルリン-バリン、リジン-フェニルアラニン、フェニルアラニン-リジン、バリン-アスパラギン、アスパラギン-バリン、トレオニン-アスパラギン、セリン-アスパラギン、アスパラギン-セリン、フェニルアラニン-アスパラギン、アスパラギン-フェニルアラニン、ロイシン-アスパラギン、アスパラギン-ロイシン、イソロイシン-アスパラギン、アスパラギン-イソロイシン、グリシン-アスパラギン、アスパラギン-グリシン、グルタミン酸-アスパラギン、アスパラギン-グルタミン酸、シトルリン-アスパラギン、アスパラギン-シトルリン、アラニン-アスパラギン、又はアスパラギン-アラニンである。
【0114】
一部の実施態様において、Aは:
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここで:
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
は、Dへの結合であり、並びにR
AA1及びR
AA2は、それぞれ独立して、アミノ酸側鎖である。本明細書で使用される「アミノ酸側鎖」とは、天然及び非-天然のアミノ酸を含むα-アミノ酸のα-炭素へ結合された、一価の非-水素置換基をいう。アミノ酸側鎖の例は、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、及びシトルリンのα-炭素置換基を含むが、これらに限定されるものではない。
【0115】
一部の実施態様において、Aは:
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここで、
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
は、Dへの結合である。
【0116】
一部の実施態様において、Aは、存在しない。
【0117】
一部の実施態様において、Dは、アウリスタチン又はメイタンシノイドである。
【0118】
一部の実施態様において、Dは、アウリスタチンであり、ここでアウリスタチンは、MMAE、MMAD、又はMMAFである。
【0119】
一部の実施態様において、Dは、MMAFである。
【0120】
一部の実施態様において、Dは、メイタンシノイドである。
【0121】
一部の実施態様において、Aは、2〜20のアミノ酸を含むペプチドを含むスペーサーであり、並びにDは、メイタンシノイドである。
【0122】
一部の実施態様において、Aは存在せず、並びにDは、アウリスタチンである。
【0123】
一部の実施態様において、Aは、生物活性マクロライドとして、式(I)(a)により表される:
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
A
6、A
7、A
8、A
9は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、N-アルキルアミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR
4であり、更にここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;且つ、R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である)。
【0124】
一部の実施態様において、Dは、DM1又はDM4である。
【0125】
一部の実施態様において、Dは:
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0126】
一部の実施態様において、Dは:
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0127】
一部の実施態様において、式(A)の部分は:
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0128】
一部の実施態様において、式(A)の部分は:
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0129】
一部の実施態様において、式(A)の部分は:
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここでR
N及びR
Mは、独立して、水素原子又はC
1-6アルキルである。
【0130】
一部の実施態様において、式(A)の部分は:
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0131】
一部の実施態様において、式(A)の部分は:
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0132】
一部の実施態様において、式(A)の部分は:
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここでDは、メイタンシノイドである。
【0133】
一部の実施態様において、式(A)の部分は:
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここでDは、メイタンシノイドである。
【0134】
一部の実施態様において、式(A)の部分は:
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0135】
一部の実施態様において、式(A)の部分は:
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0136】
一部の実施態様において、式(A)の部分は:
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここでDは、アウリスタチンである。
【0137】
一部の実施態様において、式(A)の部分は:
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここでDは、アウリスタチンである。
【0138】
一部の実施態様において、本抗体又はその抗原結合断片は、式(B1)又は(B2)の部分を更に含む:
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0139】
一部の実施態様において、式(A)の部分は:
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0140】
(III. コンジュゲートの合成方法)
(A. コンジュゲーション法)
本開示は、図(1)に示した構造を有する多量体免疫グロブリンコンジュゲートの製造方法を提供し:
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
(図中、M
1、M
2、M
3、及び/又はM
4の1以上は、それぞれ独立に、存在しない(すなわち、隣接S原子は、ジスルフィド結合を介して、互いに直接結合される)か、又は式(II)により表される構造を有し:
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
ここで、LC1は、第一の抗体軽鎖であり、
LC2は、第二の抗体軽鎖であり、
HC1は、第一の抗体重鎖であり、及び
HC2は、第二の抗体重鎖であり:
ここで、LC1、LC2、HC1及び/又はHC2は、少なくとも1つの抗原-結合ドメインを含み;
Eは、O、S、NR
4、又はCR
5R
6であり;
Dは、生物活性分子であり;
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり;
Aは、存在しないか、天然若しくは非天然のアミノ酸、又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり;
Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR
5R
6-、又は-NR
4-であり;
Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、
ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;並びに
Yは、存在しないか、
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
ここで、A
1、A
3、R
1、及びR
3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、又は-O-C(=O)-NR
4-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
A
4及びA
5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR
18-、又は-CR
5R
6-であり;
R
17は、O、S、NR
18、又はCR
5R
6であり;
R
18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はアシルであり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており;
R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である)、
該方法は、
(a)多量体免疫グロブリン中に存在するシステイン残基間の1個以上のジスルフィド結合を還元し、2個のスルフヒドリル基を形成する工程;
(b)工程(a)由来のスルフヒドリル基と共有結合を形成する試薬をコンジュゲートする工程:を含み、ここで該試薬は、式(III)により表され:
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
(更に式中、
LGは、脱離基であり;
Eは、O、S、NR
4、又はCR
5R
6であり;
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり;
Dは、存在しないか、又は生物活性分子であり;
Aは、存在しないか、天然若しくは非天然のアミノ酸、又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり;
Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR
5R
6-、又は-NR
4-であり;
Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、
ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;並びに
Yは、存在しないか、
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
ここで、A
1、A
3、R
1、及びR
3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、又は-OC(=O)-NR
4-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
A
4及びA
5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR
18-、又は-CR
5R
6-であり;
R
17は、O、S、NR
18、又はCR
5R
6であり;
R
18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はアシルであり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており;
R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である)。
【0141】
ある実施態様において、多量体免疫グロブリンコンジュゲートの製造方法は、工程(b)で得られた生成物を、クロマトグラフィー、透析、限外濾過、及び/又は接線流濾過により、精製することを更に含む。
【0142】
ある実施態様において、本開示は、多量体免疫グロブリンコンジュゲートの製造方法を提供し:
ここでZ
2は、以下の構造式により表され:
-Z
2A-Z
2B-Z
2C-Z
2D-、
(式中、
Z
2A、Z
2B、Z
2C、及びZ
2Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R
4)、-O-C(=S)-N(R
4)-、又は-C(=S)-N(R
4)-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つ、R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルである。);
Z
1は、以下の構造式により表され:
-Z
1A-Z
1B-Z
1C-Z
1D-、
(式中、
Z
1A、Z
1B、Z
1C及びZ
1Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R
4)、-O-C(=S)-N(R
4)-、又は-C(=S)-N(R
4)-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つ、R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルである。);
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である。
【0143】
更なる実施態様において、本開示は、構造式(III)により表される試薬中の脱離基が、ハロゲン、トシル、メシル、OAc、OMe、トリフラート、硝酸エステル、チオラート、リン酸エステル、カルボン酸エステル、又はフェノキシドである、多量体免疫グロブリンコンジュゲートの製造方法を提供する。更なる実施態様において、脱離基は、ブロモである。
【0144】
ある実施態様において、本開示は、式(II)が、以下の構造(II)(b)により表される、多量体免疫グロブリンコンジュゲートの製造方法を提供する:
【0145】
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0146】
更なる実施態様において、本開示は、式(III)が、以下の構造(III)(b)により表される、多量体免疫グロブリンコンジュゲートの製造方法を提供する:
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0147】
(B. リンカー-ペイロード試薬)
本開示はまた、以下の構造式(III)により表される試薬にも関する:
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
LGは、脱離基であり;
Eは、O、S、NR
4、又はCR
5R
6であり;
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり;
Dは、存在しないか、又は生物活性分子であり;
Aは、存在しないか、天然若しくは非天然のアミノ酸、又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり;
Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR
5R
6-、又は-NR
4-であり;
Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり、
ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;並びに
Yは、存在しないか、
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
ここで、A
1、A
3、R
1、及びR
3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、又は-O-C(=O)-NR
4-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
A
4及びA
5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR
18-、又は-CR
5R
6-であり;
R
17は、O、S、NR
18、又はCR
5R
6であり;
R
18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はアシルであり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており;
R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である)。
【0148】
ある実施態様において、本開示は、構造式(III)により表される試薬を提供し:
ここでZ
2は、以下の構造式により表され:
-Z
2A-Z
2B-Z
2C-Z
2D-、
(式中、
Z
2A、Z
2B、Z
2C、及びZ
2Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R
4)、-O-C(=S)-N(R
4)-、又は-C(=S)-N(R
4)-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つ、R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルである。);並びに
Z
1は、以下の構造式により表され:
-Z
1A-Z
1B-Z
1C-Z
1D-、
(式中、
Z
1A、Z
1B、Z
1C及びZ
1Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R
4)、-O-C(=S)-N(R
4)-、又は-C(=S)-N(R
4)-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つ、R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルである。);
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である。
【0149】
更なる実施態様において、本開示は、脱離基が、ハロゲン、トシル、メシル、OAc、OMe、トリフラート、硝酸エステル、チオラート、リン酸エステル、カルボン酸エステル、フェノキシドである、構造式(III)により表される試薬を提供する。更なる実施態様において、本開示は、脱離基が、ブロモである、構造式(III)により表される試薬を提供する。
【0150】
ある実施態様において、本開示は、以下の構造(III)(b)により表される式(III)の試薬を提供する:
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0151】
別の実施態様において、本化合物は、式(aa)又は(bb)を有する:
M-Z
2-A-W-X-Y-Z
1-D (aa)
M-A-D (bb)
(式中、Mは:
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここで、Xは、-O-又は-NH-であり、並びにLGは、脱離基、例えばBrであり;且つ
Z
2、A、W、X、Y、Z
1、及びDは、本明細書に定義されたものである。)。
【0152】
一部の実施態様において、(i)式(aa)のM-Z2-A-、又は(ii)式(bb)のM-A-は:
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
であり;
ここで、bは、2〜8の整数であり、R
Nは、水素原子又はアルキルであり、並びにR
Mは、アルキルである。
【0153】
式(L1)のリンカー-ペイロード化合物も、本明細書において提供される:
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
Uは:
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
ここで、LG
1及びLG
2は、各出現で独立して、脱離基であり;
Xは、-N(R
A)-又は-O-であり;
ここで、R
Aは、水素原子又はアルキルであり;
R
N及びR
Mは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキルであり;
Aは、存在しない、すなわち結合であるか、又はペプチドを含むスペーサーであり、
ここで、ペプチドは、2-20のアミノ酸を含み;
Dは、生物活性分子であり;且つ
bは、2〜8の整数である。)。
【0154】
一部の実施態様において、脱離基は、ハロゲン、トシル、メシル、OAc、OMe、トリフラート、硝酸エステル、チオラート、リン酸エステル、カルボン酸エステル、又はフェノキシドである。
【0155】
一部の実施態様において、脱離基は、-Brである。
【0156】
一部の実施態様において、Xは、-N(R
A)-である。特定の実施態様において、R
Aは、水素原子である。
【0157】
一部の実施態様において、Xは、-O-である。
【0158】
一部の実施態様において、R
N及びR
Mは、両者とも水素原子である。一部の実施態様において、R
Nは、水素原子であり、並びにR
Mは、アルキルである。一部の実施態様において、R
N及びR
Mは、両者ともアルキルである。
【0159】
一部の実施態様において、Xは-O-であり、並びにR
N及びR
Mは、両者とも水素原子である。一部の実施態様において、Xは-O-であり、R
Nは水素原子であり、並びにR
Mはアルキルである。一部の実施態様において、Xは-O-であり、並びにR
N及びR
Mは、両者ともアルキルである。一部の実施態様において、Xは-O-であり、R
Nは水素原子であり、並びにR
Mはメチルである。一部の実施態様において、Xは-O-であり、並びにR
N及びR
Mは両者ともメチルである。
【0160】
一部の実施態様において、bは、3〜6の整数である。一部の実施態様において、bは4である。一部の実施態様において、R
N及びR
Mは、両者とも水素原子であり、並びにbは4である。
【0161】
一部の実施態様において、Xは-O-であり、R
N及びR
Mは、両者とも水素原子であり、並びにbは4である。一部の実施態様において、Xは-O-であり、R
N及びR
Mは、両者ともアルキルであり、並びにbは4である。一部の実施態様において、Xは-O-であり、R
N及びR
Mは、両者ともメチルであり、並びにbは4である。一部の実施態様において、Xは-O-であり、R
Nはアルキルであり、R
Mは水素原子であり、並びにbは4である。
【0162】
一部の実施態様において、Xは-N(H)-であり、R
N及びR
Mは、両者とも水素原子であり、並びにbは4である。
【0163】
一部の実施態様において、Aは、ジペプチドを含むスペーサーである。一部の実施態様において、該ジペプチドは、バリン-シトルリンである。一部の実施態様において、Aは:
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここで:
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
は、Dへの結合である。
【0164】
一部の実施態様において、Aは:
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここで:
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
は、Dへの結合である。
【0165】
一部の実施態様において、Aは、存在しない。
【0166】
一部の実施態様において、Dは、アウリスタチン又はメイタンシノイドである。
【0167】
一部の実施態様において、Dは、アウリスタチンであり、ここでアウリスタチンは、MMAE、MMAD、又はMMAFである。
【0168】
一部の実施態様において、DはMMAFである。
【0169】
一部の実施態様において、Dはメイタンシノイドである。
【0170】
一部の実施態様において、Aは、2〜20のアミノ酸を含むペプチドを含むスペーサーであり、並びにDは、メイタンシノイドである。
【0171】
一部の実施態様において、Aは、存在せず、並びにDは、アウリスタチンである。
【0172】
一部の実施態様において、Aは、生物活性マクロライドとして、式(I)(a)により表される:
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
A
6、A
7、A
8、A
9は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、N-アルキルアミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR
5R
6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CH
x)
p1-、-C(=O)-O-(CH
x)
p1-、-(CH
x)
p1-C(=O)-、-(CH
x)
p1-C(=O)-O-、-(O-(CH
2)
p2-)
p3-、-((CH
2)
p2-O-)
p3-、-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO
2-、-NR
4-、-N(R
4)-C(=O)-N(R
8)-、-N(R
4)-C(=O)O-、-N(R
4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R
4)-、-C(=O)-N(R
4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR
4であり、更にここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;且つ、R
4、R
5、R
6、及びR
8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である)。
【0173】
一部の実施態様において、Dは、DM1又はDM4である。
【0174】
一部の実施態様において、Dは:
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0175】
一部の実施態様において、Dは:
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0176】
一部の実施態様において、式(L1)の化合物は:
【化85】
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である。
【0177】
一部の実施態様において、式(L1)の化合物は:
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0178】
一部の実施態様において、式(L1)の化合物は:
【化87】
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であり、ここで、R
N及びR
Mは、独立して、水素原子又はC
1-6アルキルである。
【0179】
一部の実施態様において、式(L1)の化合物は:
【化88】
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である。
【0180】
一部の実施態様において、式(L1)の化合物は:
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0181】
一部の実施態様において、式(L1)の化合物は:
【化90】
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であり、ここで、Dは、メイタンシノイドである。
【0182】
一部の実施態様において、式(L1)の化合物は:
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここで、Dは、メイタンシノイドである。
【0183】
一部の実施態様において、式(L1)の化合物は:
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0184】
一部の実施態様において、式(L1)の化合物は:
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0185】
一部の実施態様において、式(L1)の化合物は:
【化94】
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であり、ここで、Dは、アウリスタチンである。
【0186】
一部の実施態様において、式(L1)の化合物は:
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここで、Dは、アウリスタチンである。
【0187】
一部の実施態様において、式(L1)の化合物は:
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0188】
リンカーペイロードは、例えば、以下に記したような、カルボン酸カップリング条件により合成することができる:
【化97】
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。
【0189】
このカルボン酸は、例えば、以下に記したように、酸ハロゲン化物から合成することができる:
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0190】
(IV. 医薬組成物及び使用方法)
本明細書の実施態様は、例えば、式(I)、図(1)、又は式(III)の化合物など、本明細書記載のコンジュゲート、並びにこれらの混合物を含む組成物を含む。いくつかの態様において、該化合物は、式(I)(b)、式(II)(b)、又は式(III)(b)の化合物により更に表される。
【0191】
組成物は、1種以上の医薬として許容し得る担体、希釈剤、及び/又は賦形剤を更に含む医薬組成物であり得る。いくつかの態様において、該医薬組成物は、例えば、式(I)、図(1)、及び/又は式(III)の化合物などの、本明細書記載のコンジュゲート、又はこれらの混合物の医薬として許容し得る塩である。
【0192】
医薬として許容し得る好適な担体、希釈剤、及び賦形剤は、当技術分野において周知であり、臨床的状況が保証する通りに当業者により決定され得る。好適な担体、希釈剤、及び賦形剤の例には:適切な組成物pHの維持のための緩衝剤(例えば、クエン酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、乳酸緩衝剤、シュウ酸緩衝剤など)、担体タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、食塩水、ポリオール(例えば、トレハロース、スクロース、キシリトール、ソルビトールなど)、界面活性剤(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポリオキソレート(polyoxolate)など)、抗菌剤、及び酸化防止剤がある。
【0193】
所望の場合、本明細書の医薬組成物は、第二の、又はより多い治療剤(例えば、式(I)、図(1)、及び/又は式(III)のアジュバントなど)を含み得る。第二の治療剤は、例えば、式(I)、図(1)、及び/又は式(III)の化合物と同じ組成物に含まれることができ、或いは、例えば、式(I)、図(1)、及び/又は式(III)の化合物とは別に(投与の時間、又は型及び位置の点で)投与することができる。
【0194】
生物活性分子の当業者は、例えば、式(I)、図(1)、及び/又は式(III)の化合物のそれぞれが、生じた化合物が、出発化合物に類似した特異性及び/又は活性を依然として維持するような方法で修飾できることを理解するだろう。この観点で、例えば、式(I)、図(1)、及び/又は式(III)の化合物の生物活性分子(D)は、ありとあらゆる生物活性分子のアナログ及び誘導体を含むことができる。
【0195】
一態様において、本開示は、治療上有効な量の、例えば、式(I)、図(1)、及び/又は式(III)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、並びに1種以上の医薬として許容し得る担体、希釈剤、又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0196】
別の態様において、本開示は、治療上有効な量の、例えば、式(I)(b)、式(II)(b)、及び/又は式(III)(b)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、並びに1種以上の医薬として許容し得る担体、希釈剤、又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0197】
上述のとおり、例えば、式(I)、及び/又は図(1)のコンジュゲート化合物は、多量体免疫グロブリン又は多量体抗原-結合化合物のリンカーへの結合と、それによる生物活性分子が、共有結合のコンジュゲートを形成するように、種々の官能基を伴い製造され得る。多量体免疫グロブリン又は多量体抗-結合化合物(anti-binding compound)は、コンジュゲート化合物を、多量体免疫グロブリン又は多量体抗-結合化合物結合パートナーに、典型的にはポリペプチド又は他の同様な抗原に特異的に標的化する。ある実施態様において、コンジュゲートは、異常な細胞成長を起こしている細胞又は増殖性障害に関与している細胞上に存在する結合パートナーを有する多量体免疫グロブリン又は多量体抗-結合化合物を含むように設計される。ある実施態様において、例えば、式(I)、及び/又は図(1)のコンジュゲート化合物は、各化合物のリンカーが、コンジュゲートにより結合された細胞内部で異化されるように設計される。従って、本明細書のコンジュゲート実施態様による生物活性分子の送達は、通常毒性が高すぎて従来投与ができなかっただろう生物活性分子の送達を可能にする。本明細書の実施態様は、これらのコンジュゲートの、異常な細胞成長を起こしている細胞又は増殖性障害に関与している細胞へのより高選択性で特異的な送達を可能にする(細胞外部での異化により、生物活性化合物を、例えば血液又はリンパ系中に放出するのと比較して)。
【0198】
当業者には想像できるとおり、本明細書に記載される共有結合のコンジュゲート化合物は、あらゆる種類の有用な生物活性分子を送達するのに使用でき、あらゆる種類の細胞集団に選択的に標的化することができ、例えば、選択された多量体免疫グロブリン又は多量体抗-結合化合物が、適切な細胞結合パートナーを認識する限り、該コンジュゲートを使用して、異常な成長を起こしている細胞に抗増殖薬を送達し、又はウイルスに感染している細胞に抗ウイルス薬を送達することができる。
【0199】
この観点で、本明細書に記載されるコンジュゲート化合物の使用方法に関する実施態様が、提供される。
【0200】
本明細書に記載される医薬組成物は、異常な細胞成長を阻害し、妨げ、及び/若しくは予防するのに、又は哺乳動物の種々の増殖性障害若しくは病態の治療において有用である。典型的な実施態様において、該哺乳動物はヒトである(本明細書の実施態様は、ヒトに関して記載されるだろう)。他の哺乳動物には、霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ラクダなどを含む、検出可能な増殖性障害を患い得るあらゆる哺乳動物が含まれる。更に、本医薬組成物のコンジュゲート化合物が、異常な細胞成長を起こしている細胞の選択的な標的化のために、又は本明細書に記載される種々の増殖性障害若しくは病態の治療のために設計されていることが理解される。
【0201】
従って、本明細書の実施態様は、異常な細胞成長を阻害する方法又はヒトの増殖性障害の治療の方法であって、該ヒトに、治療上有効な量の本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む方法を含む。
【0202】
治療上有効な量の本明細書に記載される医薬組成物の投与は、様々な方法、例えば、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、局所、皮内、鼻腔内、又は気管支内投与によって実施することができる。本明細書の医薬組成物は、例えば、バイオリスティック(biolistic)送達(例えば、本明細書の医薬組成物の肺又は脳腫瘍へのバイオリステッィク送達)により、異常な細胞成長部位に直接投与することもできる(異常な細胞成長に直接又は間接に接触する)。本明細書の医薬組成物の投与のための投薬計画は、担当する医療従事者又は他の当業者により、並びに特定の臨床状況に基づいて決定されるだろう。医薬分野で周知であるとおり、あるヒト、すなわち患者に対する用量は、患者の大きさ、患者の体表面積、患者の年齢及び全般的な健康状態、患者の性別、投与の時間及び経路、並びに第二の治療剤の存在を含むいくつかの因子により決まる。いくつかの場合において、例えば、式(I)、図(1)、及び/又は式(III)の化合物の本明細書記載のコンジュゲートは、1投与あたり1μg〜100mg/kg体重の量で存在し得る(連続注入が投与経路として考えられる場合、1分あたり1pg/kg体重ほどが考えられ得ることに留意されたい)。医薬組成物は、1日あたり1回以上、数日、数週、数か月、又は数年の期間にわたって投与できる。
【0203】
増殖性障害又は疾患、例えば腫瘍の治療は、腫瘍サイズを低減し、腫瘍中に壊死若しくはアポトーシスを起こし、腫瘍を殺し、腫瘍がその大きさを増加するのを停止し、且つ/又は腫瘍の浸潤若しくは転移を防止する方法を含む。
【0204】
異常な細胞成長を阻害する方法、又は増殖性障害を治療する方法に従って治療することができる医学的状態の例には:あらゆる種類の悪性腫瘍、例えば、肺、結腸、前立腺、腎臓、膵臓、肝臓、卵巣、皮膚の癌、リンパ腫、白血病など;自己免疫疾患、例えば、全身性狼瘡、関節リウマチ、多発性硬化症;ウイルス感染、例えば、CMV感染、HIV感染、AIDS、肝炎、HPV感染;疼痛;精神障害;及び、炎症性疾患がある。
【0205】
先に述べられたとおり、本明細書に記載される医薬組成物はまた、哺乳動物のウイルス感染、疼痛、炎症性疾患、自己免疫疾患などの予防又は治療にも有用である。
【0206】
一態様において、本開示は、異常な細胞成長を低減し、妨げ、又は停止する方法であって、該異常な細胞を、該異常な細胞成長を妨げ、低減し、又は停止するのに充分な量の、本明細書記載のコンジュゲート、例えば、式(I)、図(1)、及び/又は式(III)の化合物と接触させることを含み、その間に該異常な細胞成長が妨げられ、低減され、又は停止される方法を提供する。
【0207】
一態様において、本開示は、細胞を殺す方法であって、該細胞を、該細胞を殺すのに充分な量の本明細書記載のコンジュゲート、例えば、式(I)、図(1)、及び/又は式(III)の化合物と接触させることを含み、その間に該細胞が殺される方法を提供する。
【0208】
一実施態様において、本開示は、細胞を殺す方法であって、該細胞を、該細胞を殺すのに充分な量の、本明細書記載のコンジュゲート、例えば、式(I)、図(1)、及び/又は式(III)の化合物と接触させることを含み、その間に該細胞が殺され、更に該細胞が腫瘍細胞である方法を提供する。
【0209】
一態様において、本開示は、医学的障害を患っている個体の該医学的障害の治療の方法であって、該個体に、有効量の本明細書記載のコンジュゲート、例えば式(I)、図(1)、及び/又は式(III)の化合物を含む組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0210】
一実施態様において、本開示は、医学的障害を患っている個体の該医学的障害の治療の方法であって、該個体に、有効量の本明細書記載のコンジュゲート、例えば式(I)、図(1)、及び/又は式(III)の化合物を含む組成物を投与することを含み、追加の療法を連続して又は引き続いて投与することを更に含む方法を提供する。
【0211】
一実施態様において、本開示は、追加の療法が、放射線療法、化学療法、手術、又はそれらの組み合わせである方法を提供する。
【0212】
一実施態様において、本開示は、医学的障害を患っている個体の該医学的障害の治療の方法であって、該個体に、有効量の、本明細書記載のコンジュゲート、例えば式(I)、図(1)、及び/又は式(III)の化合物を含む組成物を投与することを含み、並びに追加の療法を連続して若しくは引き続いて投与すること及び少なくとも1種の追加の治療剤を投与することを更に含む方法を提供する。
【0213】
ある態様において、治療される医学的障害は、腫瘍、癌、感染症、神経変性疾患、骨疾患、及び心血管疾患から選択される。
【0214】
最後に、本明細書の実施態様は、本明細書に記載のコンジュゲート、例えば、式(I)、図(1)、及び/又は式(III)により表される化合物の混合物を含み得る。
【0215】
本開示は、特に多くの実施態様を参照し示され且つ説明されているが、形態及び詳細の変更を、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に明らかにされた様々な実施態様を行うことができること、並びに本明細書に明らかにされた様々な実施態様は、特許請求の範囲を限定するものとして働くことを意図しないことは、当業者には理解されるであろう。
【実施例】
【0216】
(V. 実施例)
(実験の詳細)
下記実施例は、単に例証を目的として提供され、本開示の範囲を制限することを意図するものではない。
【0217】
プロトンNMRスペクトルは、Varian Inova 300MHz又は500MHz装置で取得し、質量スペクトルは、イオントラップ分析器を備えた1100シリーズLC/MSD又はシングル四重極分析器を備えた1200シリーズLC/MSDのいずれかの、エレクトロスプレーイオン化を使用する、2種のAgilent LCMS装置の一方で収集した。コンジュゲートの質量スペクトルは、実施例に詳述したように収集した。出発物質は全て、市販品を購入し、精製せずに使用したのに対し、溶媒は、市販品を購入し、必要ならば当技術分野で周知の方法により乾燥させた。下記は、実施例において使用した略語の列挙であり、括弧内にそれらの完全な化学名を記している:Boc(N-tert-ブトキシカルボニル)、DCM(ジクロロメタン)、DIEA(N,N-ジイソプロピルエチルアミン)、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)、EtOAc(酢酸エチル)、HATU(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロリン酸)、HCl(塩酸)、HOAc(氷酢酸)、HOAT(1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール)、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、LCMS(タンデムHPLC及び質量分析)、MeCN(アセトニトリル)、MeMgI(ヨウ化メチルマグネシウム)、MMAF(モノメチルアウリスタチンF)、NaHCO
3(炭酸水素ナトリウム)、Na
2SO
4(無水硫酸ナトリウム)、NH
4Cl(塩化アンモニウム)、t-BuOK(カリウムtert-ブトキシド)、TFA(トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)。
【0218】
(実施例1:)
本実施例は、本開示のリンカー化合物による、抗体の1個以上のジスルフィド結合の架橋(すなわち、再結合)による、分子の抗体へコンジュゲーションの有用性を例示している。特に、本開示の代表的リンカー-薬物分子である、コンセプト実証(proof-of-concept)のリンカー分子(すなわち、2-(ブロモ-メチル)アクリレート(1)[Sigma Aldrich社])は、抗体上のシステイン残基で抗体へコンジュゲートさせ、生じたコンジュゲート分子を、還元条件下で、SDS-PAGEを用いて安定性について評価した。
【0219】
(コンジュゲート製造及び特徴決定)
【0220】
簡単には、50mM HEPES、150mM NaCl、pH7.5中の、FcアイソタイプIgG1の被験モノクローナル抗体(「mAb1」、10mg/ml)を、1mMジチオスレイトール(0.006mg/抗体1mg)により、37℃で30分間還元した。ゲル濾過(G-25、pH4.5、酢酸ナトリウム)後、DMSO(10mg/ml)中の2-(ブロモ-メチル)アクリル酸メチル(1、1.2当量/ジスルフィド)を、還元された抗体へ添加し、この混合物を、1M HEPES(pH7.4)により、pH7.0に調節し、4時間反応させた。アルキル化直後に、抗体を、0.5mMデヒドロアスコルビン酸(dhAA)により4時間酸化させた。このコンジュゲートを、サイズ排除クロマトグラフィーにより精製した。タンパク質濃度を、UVスペクトル分析により決定した。サイズ排除HPLCは、全てのコンジュゲートは、95%超モノマー性であることを確立した。コンジュゲートは、還元及び非還元SDS-PAGEにより分析した(
図2)。
【0221】
図2のレーン1は、分子量マーカー(KDaltons)を示す。
図2のレーン2は、無傷のmAb1(コンジュゲートされない、還元されない)である。
図2のレーン3は、dhAAにより処理されたmAb1-1コンジュゲート(コンジュゲートされ、酸化され、還元されない)である。75KDa辺りのレーン3の小さいバンドは、重-軽鎖「半-抗体」分子(
図2において「HL」と表される)を表していると考えられる。
図2のレーン4及びレーン5は、ブランクである。
図2のレーン6は、還元条件下のmAb1であり、これは個別の重鎖及び軽鎖のバンドとして出現する。
図2のレーン7は、還元条件下で、dhAAにより処理されたmAb1-1コンジュゲートである。レーン8、9、10、11、及び12は、ブランクである。
図2レーン7に示されたように、mAb1-1コンジュゲートは、還元条件下で実質的に無傷であり続け、このことは、ブロモメタクリレート化合物により形成されたジスルフィド連結は、抗体を安定化するように働き、且つ還元条件下での、免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖の解離を防止することを示唆している。
【0222】
いずれかの理論に拘束されるものではないが、還元及び非還元SDS-PAGEにより分析されるこれらの実験の結果は、mAb1上のシステイン残基間のジスルフィド結合の還元により得られた遊離スルフヒドリル基が、化合物1と反応した後に、mAb1は、安定したコンジュゲートを形成することを示唆している。更に、化合物1は、共有結合により、mAb1上の2個の遊離スルフヒドリル基を係留する。結果的に、mAb1-1コンジュゲートは、還元条件下でその構造を維持する。
【0223】
従って、このコンセプト実証の実験は、本実施例において使用される化合物1の被験化合物に類似している本開示のリンカー-薬物化合物は、様々な薬物、毒素及び他の分子を、システイン残基を介して、抗体へコンジュゲートするために使用し、同時に生じる抗体-薬物コンジュゲートの構造完全性を維持することができることを明らかにしている。
【0224】
(実施例2:)
本開示のリンカー-薬物分子の代表である、別のコンセプト実証のリンカー分子(すなわち、3-ブロモ-2-(ブロモメチル)プロパン酸メチル(2)[Sigma Aldrich社])を、抗体上のシステイン残基で、還元したIgG1抗体へコンジュゲートさせ、生じたコンジュゲート分子を、実施例1(トリス/グリシン4〜12%、クマシー染色)におけるように、非還元及び還元条件下でのSDS-PAGEを用いて評価した。
【0225】
(2-ブロモメチル-N-(1-フェニル-エチル)-アクリルアミド(6))
【0226】
2-ブロモメチル-アクリル酸(2.0g;12.12mmol)を、磁気攪拌子、熱電対、コンデンサー及び窒素投入口を装備した50mLの3-首丸底フラスコ中で、塩化チオニル(2.6mL;4.3g;36.36mmol)中に溶解した。この透明な茶色溶液を、90〜92℃で3時間還流し、次に真空中で濃縮させ、対応する酸塩化物4の2.01g(収率90.5%)を得た。
【0227】
磁気攪拌子、添加漏斗、熱電対及び窒素投入口を装備した別の50mLの3-首丸底フラスコへ、R-1-フェニル-エチルアミン(275mg;2.27mmol)、触媒DMAP(28mg;0.23mmol、0.1当量)及びDCM(10mL)を投入した。この溶液を、氷浴により、0℃まで急冷した。塩化2-ブロモメチル-アクリロイル4(500mg;2.73mmol、1.2当量)も同じく、DCM(10mL)により希釈し、0℃まで急冷し、添加漏斗により、この反応混合物へ、ゆっくり添加した。この反応物を、氷浴中で攪拌し、一晩かけて、室温までゆっくり温めた。この反応物を、酢酸エチルにより希釈し、Na
2SO
4により洗浄し、濾過し、真空で濃縮乾固し、この粗生成物を、最小量のDCM中に溶解し、シリカゲル上で精製した(ヘキサン中0−100%EtOAc)。不純物の最も少ない画分(LCにより)を一緒にし、濃縮乾固させ、表題化合物を白色固形物(0.12g, 20%)として生じた。
【化99】
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【化100】
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【0228】
(3-ブロモ-2-ブロモメチル-N-(1-フェニル-エチル)-プロピオンアミド(9))
【0229】
3-ブロモ-2-ブロモメチル-プロピオン酸(1.0g;4.07mmol)を、磁気攪拌子、熱電対、コンデンサー及び窒素投入口を装備した25mLの3-首丸底フラスコ中で、塩化チオニル(0.9mL;1.45g;12.2mmol)中に溶解した。この透明な茶色溶液を、90〜92℃で3時間還流し、次に真空中で濃縮させ、対応する酸塩化物0.89g(収率83%)を得た。
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
【0230】
磁気攪拌子、添加漏斗、熱電対及び窒素投入口を装備した別の50mLの3-首丸底フラスコへ、R-1-フェニル-エチルアミン(149mg;1.23mmol)、触媒DMAP(18mg;0.15mmol、0.1当量)及びDCM(10mL)を投入した。この溶液を、氷浴により、0℃まで急冷した。塩化3-ブロモ-2-ブロモメチル-プロピオニル8(390mg;1.48mmol、1.2当量)も同じく、DCM(10mL)により希釈し、0℃まで急冷し、添加漏斗により、この反応混合物へ、ゆっくり添加した。この反応物を、氷浴中で攪拌し、一晩かけて、室温までゆっくり温めた。この反応物を、酢酸エチルにより希釈し、Na
2SO
4により洗浄し、濾過し、真空で濃縮乾固し、この粗生成物を、最小量のDCM中に溶解し、シリカゲル上で精製した(ヘキサン中0−100%EtOAc)。不純物の最も少ない画分(LCにより)を一緒にし、濃縮乾固させ、表題化合物を白色固形物(0.13g, 24%)として生じた。
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
【化103】
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【0231】
(コンジュゲートの製造及び特徴決定)
【0232】
簡単には、50mM HEPES、150mM NaCl、pH7.5中の、FcアイソタイプIgG1の被験モノクローナル抗体(「mAb1」、10mg/ml)を、1mMジチオスレイトール(0.006mg/抗体1mg)により、37℃で30分間還元した。ゲル濾過(G-25、pH4.5、酢酸ナトリウム)後、DMSO(10mg/ml)中のリユニオン(reunion)試薬1、2、6、又は9(1.2当量/ジスルフィド)を、還元された抗体へ添加し、この混合物を、1M HEPES(pH7.4)により、pH7.0に調節し、4時間反応させた。アルキル化直後に、抗体を、0.5mMデヒドロアスコルビン酸(dhAA)により4時間酸化させた。このコンジュゲートを、サイズ排除クロマトグラフィーにより精製した。タンパク質濃度を、UVスペクトル分析により決定した。サイズ排除HPLCは、全てのコンジュゲートは、95%超モノマー性であることを確立した。
図3は、このコンジュゲートの還元及び非還元SDS-PAGEゲルを含む(トリス/グリシン4〜12%、クマシー染色)。
【0233】
図3のレーン1は、分子量マーカー(KDaltons)を示す。
図3のレーン2は、無傷のmAb1(コンジュゲートされない、還元されない)である。レーン3及びレーン4は、各々、mAb1-6及びmAb1-9のコンジュゲートである。75KDa辺りのレーン3及びレーン4の大きいバンドは、重-軽鎖「半-抗体」分子(
図3において「HL」と表される)に対応している。
図3のレーン5及びレーン6は、それぞれ、mAb1-2及びmAb1-1のコンジュゲートである。両方のコンジュゲートに関する150KDa辺りの大きいバンドは、無傷の抗体に対応している。レーン7は、ブランクである。
図3のレーン8は、還元条件下のmAb1であり、これは個別の重鎖及び軽鎖のバンドとして出現する。レーン9及びレーン10は、それぞれ、還元条件下の、mAb1-6及びmAb1-9のコンジュゲートである。これらのレーンにおいて、軽鎖(25KDa)、重鎖(50KDa)、及び重-軽鎖、すなわち「半-抗体」分子に対応する3つのバンドが、存在する。
図3のレーン11及びレーン12は、それぞれ、還元条件下での、mAb1-2及びmAb1-1のコンジュゲートである。両方のコンジュゲートに関する150KDa辺りの大きいバンドは、無傷の抗体に対応している。
図3レーン11及び12に示されたように、mAb1-2及びmAb1-1コンジュゲートは、還元条件下で実質的に無傷であり続け、このことは、ジスルフィドリユニオン化合物により形成されたジスルフィド連結は、抗体を安定化するように働き、且つ還元条件下での、免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖の解離を防止することを示唆している。
【0234】
いずれかの理論に拘束されるものではないが、還元及び非還元SDS-PAGEにより分析される、これらの実験の結果は、mAb1上のシステイン残基間のジスルフィド結合の還元により得られた遊離スルフヒドリル基が、ジスルフィドリユニオン化合物と反応した後に、mAb1は、安定したコンジュゲートを形成することを示唆している。更に、mAb1上の2個の遊離スルフヒドリル基上に形成された係留は、共有結合である。結果的に、mAb1-6及びmAb1-9コンジュゲートは、還元条件下でそれらの構造の大部分を維持し、且つmAb1-2及びmAb1-1コンジュゲートにおいてIgG構造のほぼ全ては、無傷のままである。
【0235】
従って、この追加のコンセプト実証の実験は、本実施例において使用される化合物1、2、6、及び9に類似している、本開示のリンカー-薬物化合物は、様々な薬物、毒素及び他の分子を、システイン残基を介して、抗体へコンジュゲートするために使用し、同時に生じる抗体-薬物コンジュゲートの構造完全性を維持することができることを明らかにしている。
【0236】
(実施例3)
(リンカー合成)
【0237】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
(-(3-ブロモ-2-ブロモメチル-プロピオニルアミノ)-ヘキサン酸(13))
【0238】
(工程1:6-アミノ-ヘキサン酸tert-ブチルエステル(11)の製造)
磁気攪拌子及び窒素投入口を装備した50mLの丸底フラスコへ、6-アミノヘキサン酸(2.0g;15mmol)及び塩化チオニル(5.0mL;69mmol;4.5当量)を投入した。この溶液を、30℃又はそれ以下で、2時間攪拌し、真空で濃縮乾固した。この褐色の半固形物へ、t-BuOH(5.0mL;87mmol;5.7当量)中の炭酸水素ナトリウム(2.6g;30mmol;2.0当量)のスラリーを添加し、このスラリーを、周囲温度で更に2時間攪拌した。ブタノールを、真空で、40℃で除去した。粘稠な白色スラリーを、酢酸エチルにより希釈し、1N NaOHの4部分、H
2Oの3部分、ブラインの1部分により洗浄した。有機物を、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、且つ濃縮し、2.2g(収率77%)を無色の油状物として生じた。MS(ESI、ポジティブ):C
10H
21NO
2の計算値、187.3;実測値188.4 (M+H)。
【化105】
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【0239】
(工程2:6-(3-ブロモ-2-ブロモメチル-プロピオニルアミノ)-ヘキサン酸tert-ブチルエステル(12)の製造)
【0240】
磁気攪拌子及び窒素投入口を装備した50mLの丸底フラスコへ、DCM(5.0mL)中の6-アミノヘキサン酸tert-ブチルエステル11(0.50g;2.7mmol)及びジメチルアミノピリジン(0.03g;0.27mmol;0.10当量)を投入した。この溶液を、氷浴により、0℃まで急冷した。塩化3-ブロモ-2-ブロモメチル-プロピオニル8(0.90g;3.4mmol;1.2当量)を、DCM(5mL)中に溶解し、反応混合物へ0℃でゆっくり添加した。攪拌しながら、周囲温度まで一晩かけてゆっくり温めた。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機混合物を、H
2O、5%NaHCO
3及びブラインで洗浄した。この有機物を、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、ヘキサン中の0〜100%酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラム上で精製し、0.49g(収率42%)を透明な黄色油状物として得た。
【化106】
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【0241】
(工程3:6-(3-ブロモ-2-ブロモメチル-プロピオニルアミノ)-ヘキサン酸(13)の製造)
【0242】
磁気攪拌子及び窒素投入口を装備した50mLの丸底フラスコへ、DCM(10mL)中の6-(3-ブロモ-2-ブロモメチル-プロピオニルアミノ)-ヘキサン酸tert-ブチルエステル12(0.26g;0.62mmol)及びトリフルオロ酢酸(0.70mL;9.3mmol;15当量)を投入した。この溶液を、周囲温度で一晩攪拌させ、濃縮乾固させ、アセトニトリル及びH
2O(各々1.0mL)中に溶解し、凍結及び凍結乾燥させ、0.22g(100%)を固形物として得た。MS(ESI、ポジティブ):C
10H
17Br
2NO
3の計算値、359.0;実測値358.0、360.0、362.0(M+H)、380.0、382.0、384.0(M+Na)、356.0、358.0、360.0(M-H)。
【化107】
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【0243】
【化108】
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(6-(3-ブロモ-2-ブロモメチル-プロピオニルオキシ)-ヘキサン酸(17))
【0244】
(工程1:6-ヒドロキシ-ヘキサン酸tert-ブチルエステル(15)の製造)
磁気攪拌子、熱電対、コンデンサー及び窒素投入口を装備した250mLの丸底フラスコに、DCM中の6-ヘキサノラクトン14(3.7g;32mmol)及びt-BuOH(100mL)を投入し、引き続きt-BuOK(3.9g;35mmol;1.1当量)を投入した。この溶液を攪拌し、且つ3時間還流加熱した。この溶液をトルエンで希釈し、水及びブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過及び濃縮し、4.8g(収率80%)を透明な黄色油状物として得た。
【化109】
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【0245】
(工程2:6-(3-ブロモ-2-ブロモメチル-プロピオニルオキシ)-ヘキサン酸tert-ブチルエステル(16)の製造)
【0246】
磁気攪拌子及び窒素投入口を装備した50mLの丸底フラスコへ、DCM(5.0mL)中の、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸tert-ブチルエステル15(0.50g;2.7mmol)及びジメチルアミノピリジン(0.03g;0.27mmol;0.10当量)を投入した。この溶液を、氷浴により、0℃まで急冷した。3-ブロモ-2-ブロモメチル-プロピオニルクロリド8(0.90g;3.4mmol;1.3当量)を、DCM(5.0mL)中に溶解し、この反応混合物へ0℃でゆっくり添加した。この混合物を、攪拌し、且つ周囲温度まで一晩かけてゆっくり温めた。この反応混合物を、酢酸エチルにより希釈し、有機混合物を、H
2O、5%NaHCO
3及びブラインにより洗浄した。この有機物を、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮させ、ヘキサン中の0−100%酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラム上で精製し、0.75g(収率78%)を透明黄色油状物として得た。
【化110】
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【0247】
(工程3:6-(3-ブロモ-2-ブロモメチル-プロピオニルオキシ)-ヘキサン酸(17)の製造)
【0248】
磁気攪拌子及び窒素投入口を装備した50mLの丸底フラスコへ、DCM(10mL)中の6-(3-ブロモ-2-ブロモメチル-プロピオニルオキシ)-ヘキサン酸tert-ブチルエステル16(0.70g;1.7mmol)及びトリフルオロ酢酸(1.3mL;17mmol;10当量)を投入した。この溶液を、周囲温度で一晩攪拌し、濃縮し、ヘキサン中の0−100%酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラム上で精製し、0.34g(収率56%)を透明な無色の油状物として得た。MS(ESI、ポジティブ):C
10H
16Br
2O
4の計算値、360.0;実測値380.8、382.8、384.8(M+Na)、276.0、278.0(M-H)。
【化111】
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【0249】
【化112】
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(6-((3-ブロモ-2-(ブロモメチル)プロパノイル)オキシ)-6-メチルヘプタン酸(22))
【0250】
(工程1:6-ヒドロキシ-6-メチル-ヘプタン酸(19)の製造)
磁気攪拌子、添加漏斗、コンデンサー、熱電対及び窒素投入口を装備した250mLの3つ首丸底フラスコへ、5-アセチル吉草酸18(1.0g;6.9mmol)及び無水THF(50mL)を投入した。この溶液を攪拌し、ドライアイス/アセトン浴により、-78℃まで急冷した。この冷たい溶液へ、THF/トルエン中の1.4M MeMgI(29mL;40mmol;5.8当量)を、添加漏斗により、15分間かけてゆっくり添加した。この反応物を、-78℃で2時間攪拌し、その後-10℃までゆっくり温め、飽和NH
4Cl水溶液を添加し、過剰なグリニャールをクエンチした。この二相混合物を、周囲温度まで温め、酢酸エチルにより希釈し、有機層を廃棄した。水層を、1M HClにより酸性とし、酢酸エチル(3×50mL)により抽出した。有機相を一緒にし、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、0.63g(収率57%)を透明な無色油状物として得た。
【化113】
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【0251】
(工程2:6-ヒドロキシ-6-メチル-ヘプタン酸tert-ブチルエステル(20))
【0252】
磁気攪拌子、添加漏斗、コンデンサー、熱電対及び窒素投入口を装備した100mLの3つ首丸底フラスコへ、6-ヒドロキシ-6-メチル-ヘプタン酸19(0.68g;4.2mmol)及びDCM(30mL)を投入した。この溶液を、周囲温度で攪拌し、N,N’-ジイソプロピル-O-tert-ブチルイソ尿素(2.6g;13mmol)を、添加漏斗を介して滴加した。この反応物を、一晩攪拌させ、その後40℃で3時間加熱した。溶媒を除去し、粗生成物を、ヘキサン中の0−50%酢酸エチルにより溶出する、シリカゲルフラッシュカラム上で精製し、生成物画分を真空で蒸発させ、表題化合物を透明な無色の油状物として得た(0.28g、収率30%)。
【化114】
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【0253】
(工程3-4:化合物21及び化合物22の製造)
【0254】
化合物20は、DMAPを用い、化合物8によりアシル化し、化合物21を生じることができ、且つt-ブチル保護基のトリフルオロ酢酸(trifluoroacidic acid)除去は、ペイロード及びリンカーペイロードにカップリングすることができる、所望のヒンダード官能基化された酸リンカー22を提供する。
【0255】
(実施例4)
(メイタンシノイドリンカーペイロード)
【化115】
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【0256】
化合物23は、WO2014145090に記載の方法に従い、白色固形物(0.074g、63%)として製造した。MS(ESI、ポジティブ):C
55H
78ClN
9O
15の計算値、1139.5;実測値1141.4(M+H)。
【0257】
(6-(3-ブロモ-2-ブロモメチル-プロパンアミド)-カプロアミド-L-バリン-L-シトルリン-p-アミノ-ベンジルカルバモイル-N-メチル-β-アラニン-N-メチル-L-アラニン-メイタンシン-3-エステル(24))
【0258】
化合物23(0.016g, 0.013mmol)、化合物13(0.016g, 0.045mmol)及びHATU(0.024g, 0.063mmol)を、乾燥した丸底フラスコへと秤量し、DMF(3.0mL)中に溶解させ、且つシリンジを介してDIEA(0.010mL, 0.057mmol)により処理した。このフラスコを、アルゴンで掃流し、ゴム栓で密封し、且つ周囲温度で22時間攪拌した。この反応物を、水で希釈し、100gのC18 Aq RediSep Goldカラム上で、ISCO CombiFlashシステムにより精製し(水中の20−80%MeCN、両方共0.05%HOAc、15分間かけて、50mL/分)、最も透明な画分を凍結及び凍結乾燥させ、表題化合物を白色固形物(0.015g, 75%)として得た。MS(ESI、ポジティブ):C
65H
93Br
2ClN
10O
17の計算値、1480.5/1481.5(最も豊富なアイソトープ);実測値1481.5/1483.6(M+H)。
【0259】
(2-(ブロモメチル)-アクリルアミド-6-カプロアミド-L-バリン-L-シトルリン-p-アミノベンジルカルバモイル-N-メチル-β-アラニン-N-メチル-L-アラニン-メイタンシン-3-エステル(25))
【0260】
化合物24(0.021g, 0.014mmol)を、MeCN(4.0mL)中に溶解し、pH9.00の緩衝液(4.0mL、Fisher Chemical社#SB114-500)により処理し、このフラスコを、アルゴンで掃流し、ゴム栓で密封し、且つ周囲温度で20時間攪拌した。この反応物を、ドライアイス上で凍結させ、固形物まで凍結乾燥させ、MeCN/水1:1中に溶解し、50gのC18 Aq RediSep Goldカラム上で、ISCO CombiFlashシステムにより精製し(水中の20−80%MeCN、両方共0.05%HOAc、12分間かけて、40mL/分)、最も透明な画分を凍結及び凍結乾燥させ、表題化合物を白色固形物(0.013g, 65%)として得た。MS(ESI、ポジティブ):C
65H
92BrClN
10O
17の計算値、1400.6(最も豊富なアイソトープ);実測値1401.5(M+H)。
【0261】
【化116】
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(2-(ブロモメチル)-アクリラト-6-カプロアミド-L-バリン-L-シトルリン-p-アミノベンジルカルバモイル-N-メチル-β-アラニン-N-メチル-L-アラニン-メイタンシン-3-エステル(26))
【0262】
化合物17(0.022g, 0.061mmol)、化合物23(0.024g, 0.020mmol)、及びHATU(0.038g, 0.10mmol)を、乾燥した丸底フラスコへと秤量し、DMF(3.0mL)中に溶解させ、且つシリンジを介してDIEA(0.02mL, 0.12mmol)により処理した。このフラスコを、アルゴンで掃流し、ゴム栓で密封し、且つ周囲温度で24時間攪拌した。この反応物を、真空で油状物へと濃縮し、MeCN/水1:1中に溶解し、1滴の10%水性HOAcで処理し、50gのC18 Aq RediSep Goldカラム上で、ISCO CombiFlashシステムにより精製し(水中の20−80%MeCN、両方共0.05%HOAc、12分間かけて、40mL/分)、不純物の最も少ない画分を凍結及び凍結乾燥させ、表題化合物を白色固形物(0.012g, 43%)として得た。MS(ESI、ポジティブ):C
65H
91BrClN
9O
18の計算値、1401.5(最も豊富なアイソトープ);実測値1402.6(M+H)。
【0263】
(実施例5)
(アウリスタチンリンカーペイロード)
【化117】
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【0264】
(6-(3-ブロモ-2-ブロモメチル-プロパンアミド)-カプロアミド-モノメチルアウリスタチンF(28))
【0265】
化合物13(0.040g, 0.11mmol)及びHATU(0.033g, 0.087mmol)を、乾燥した丸底フラスコへと秤量し、DMF(2.0mL)中に溶解させ、且つシリンジを介してDIEA(0.030mL, 0.17mmol)により処理した。このフラスコを、アルゴンで掃流し、ゴム栓で密封し、且つ周囲温度で0.5時間攪拌した。次にDMF(1.0mL)中のモノメチルアウリスタチンF 27(0.034g, 0.046mmol)の溶液を添加し、再度フラスコをアルゴンで掃流し且つ密封し、この反応物を更に18時間攪拌した。この反応物を、水(3mL)により希釈し、100gのC18 Aq RediSep Goldカラム上で、ISCO CombiFlashシステムにより精製した(水中の20−80%MeCN、両方共0.05%HOAc、17分間かけて、50mL/分)。LCMSによる生成物-含有画分を、一緒にし、ドライアイス/アセトン浴において凍結させ、且つ凍結乾燥させ、表題化合物を白色固形物(0.024g, 44%)として得た。MS(ESI、ポジティブ):C
49H
80Br
2N
6O
10の計算値、1072.4(最も豊富なアイソトープ);実測値1073.5 (M+H)。
【0266】
(2-(ブロモメチル)-アクリルアミド-6-カプロアミド-モノメチルアウリスタチンF(29))
【0267】
化合物28(0.013g, 0.012mmol)を、MeCN(2.0mL)中に溶解し、pH9.00の緩衝液(2.0mL、Fisher Chemical社#SB114-500)により処理し、このフラスコを、アルゴンで掃流し、ゴム栓で密封し、且つ周囲温度で40時間攪拌した。この反応物は、LCMSにより、わずかに56%の生成物への転換を示し、そのため飽和NaHCO
3水溶液を添加し、そのpHを8.5まで上げて、この反応物を、周囲温度で更に7時間攪拌した。この反応物を、10%水性HOAc(1.0mL)により酸性とし、50gのC18 Aq RediSep Goldカラム上で、ISCO CombiFlashシステムにより精製した(水中の20−80%MeCN、両方共0.05%HOAc、12分間かけて、40mL/分)。LCMSによる生成物-含有画分を、一緒にし、ドライアイス/アセトン浴において凍結させ、且つ凍結乾燥させ、表題化合物を白色固形物(9mg)として得た。これは、HPLCによりわずかに85%の純度であったので、30gのC18 Aq RediSep Goldカラム上で、ISCO CombiFlashシステムにより再精製し(水中の20−80%MeCN、両方共0.05%HOAc、12分間かけて、30mL/分)、不純物の最も少ない画分を凍結及び凍結乾燥させ、表題化合物を白色固形物(0.005g, 42%)として得た。MS(ESI、ポジティブ):C
55H
78ClN
9O
15の計算値、990.5/992.5(最も豊富なアイソトープ);実測値991.5/993.5(M+H)。
【0268】
(コンジュゲート製造及び特徴決定)
【0269】
50mM HEPES、150mM NaCl、pH7.5中の、両者共FcアイソタイプIgG1(10mg/ml)を伴う、US20150056222(WO2015026907)からの抗-PRLRモノクローナル抗体、H1H6765P、及び非-標的化モノクローナル抗体を、1mMジチオスレイトール(0.006mg/抗体mg)により、37℃で30分間還元した。ゲル濾過(G-25、pH4.5、酢酸ナトリウム)後、DMSO(10mg/ml)中の化合物26、28、又は29(1.2当量/ジスルフィド)の1種を、還元された抗体へ添加し、この混合物を、1M HEPES(pH7.4)により、pH7.0に調節し、4時間反応させた。アルキル化直後に、抗体を、0.5mMデヒドロアスコルビン酸(dhAA)により4時間酸化させるか、又は大気酸化させた。このコンジュゲートを、サイズ排除クロマトグラフィーにより精製した。タンパク質濃度を、UVスペクトル分析により決定した。サイズ排除HPLCは、全てのコンジュゲートは、95%超モノマー性であることを確立した。化合物26のメイタンシノイドコンジュゲート26に関する薬物、対、抗体の比(DAR)は、吸光係数280nm=8115cm
-1 M
-1、及び252nm=49407cm
-1 M
-1を用いて決定し、これらはDAR値2を生じた。アウリスタチンコンジュゲートのDARは、決定しなかった。コンジュゲートは、還元及び非還元SDS-PAGEにより分析し、
図4は、ゲルを含む(トリス/グリシン4〜12%、クマシー染色)。
【0270】
図4のレーン1は、分子量マーカー(KDaltons)を示す。
図4のレーン2は、無傷のH1H6765P抗体(コンジュゲートされず、非還元)を含む。レーン3及びレーン4は、それぞれ、H1H6765P-28及びH1H6765P-29コンジュゲートである。3つの大きいバンドが、75、125、及び150KDa辺りに、レーン3及びレーン4に存在し、重-軽鎖「半-抗体」、重-重-軽鎖抗体、及び無傷の抗体コンジュゲートに対応している。
図4のレーン5は、H1H6765P-26であり、75及び150KDa辺りに、大きいバンドのみを伴い、これらは、それぞれ、重-軽鎖「半-抗体」、及び無傷の抗体コンジュゲートに対応している。レーン6及びレーン7は、ブランクである。
図4のレーン8は、還元条件下のH1H6765Pを含み、これは個別の重鎖及び軽鎖バンドを出現させている。レーン9及びレーン10は、それぞれ、還元条件下での、H1H6765P-28及びH1H6765P-29コンジュゲートである。これらのレーンにおいて、25、50、及び75KDa辺りの3つの大きいバンドは、それぞれ、軽鎖、重鎖、及び重-軽鎖「半-抗体」コンジュゲートに対応している。
図4のレーン11は、還元条件下のコンジュゲートH1H6765P-26を含む。そのレーンにおいて、75、125、及び150KDa辺りに存在するバンドは、重-軽鎖「半-抗体」、重-重-軽鎖抗体、及び無傷の抗体コンジュゲートに対応している。
図4レーン9-10に示されるように、これらのコンジュゲートは、還元条件下で、部分的に無傷のままである。レーン11において、H1H6765P-26は、実質的に無傷のままであり、このことは、ジスルフィドリユニオンリンカーペイロードにより形成されたジスルフィド連結は、抗体を安定化するように働き、且つ還元条件下での、免疫グロブリン重鎖の軽鎖への及び重鎖の重鎖への解離を防止することを示唆している。
【0271】
(質量分析によるコンジュゲート分析)
【0272】
コンジュゲートH1H6765P-28及びH1H6765-26を、Prominence LC-20ADポンプを備えたShimadzu HPLC、SIL-20AC HT自動採取器及びSPD-20A UV検出器を装備した、Thermo Q-Exactive(Hybrid Quadrupole-Orbitrap)上で、ESI-MSにより分析した。
【0273】
各コンジュゲートは、MilliQ水により1mg/mLとなるよう希釈した。PNGase F(P0704L, New England Biolabs社)は、MilliQ水により75,000U/mLとなるよう希釈した。希釈したPNGase Fの5μLを、各試料の50μLへ添加し、これらの試料を、37℃で振盪しながら(500RPM)、一晩インキュベーションした。各試料の5μLを、LC-MSシステムに注入した。
【0274】
クロマトグラフィー分離は、表1に示した勾配を持つ、移動相A(水中0.1%ギ酸)及び移動相B(アセトニトリル中0.1%ギ酸)で構成するLC勾配により、達成した。流量は、0.4ml/分に設定した。Waters BEH C18 カラム(50×2.1mm、1.7μmの粒子サイズ)は、分析の間は60℃に維持した。3〜14分の間の流れは、MS用とし、その他は廃棄した。
【0275】
表1:LC勾配
【表1】
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【0276】
(質量分析設定)
【0277】
HESIイオン化源を伴うThermo Q-Exactiveを使用し、LCからの溶出液を検出した。他の主要なパラメータは、表2に列挙している。
【0278】
表2:無傷の質量分析のためのQ-Exactiveパラメータ
【表2】
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【0279】
収集された質量スペクトルは、Thermo Protein Deconvolutionソフトウェアを用いてデコンボリューションした。Manual ReSpectTMを、実験型(Experiment Types)として選択した。ノイズ除去は、信頼性95%として設定し、質量許容差は、25ppmに設定した。
【0280】
図5は、H1H6765-28の脱グリコシル化されたコンジュゲートの質量スペクトルを含む。質量ピークは、リンカーペイロード28又は酸化により提供されたジスルフィドリユニオンにより、無傷、重-重-軽鎖、又は「半-抗体」のいずれかと一致する。28が、スルフヒドリル間に共有結合を生じる程度は、反応されたリンカー-ペイロードに対応する、わずかな(discreet)質量増加として現れた(993Da、-1 臭素、又は913Da、-2 臭素)。質量スペクトルは、表3にまとめている。
【表3】
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【0281】
図6は、H1H6765-26の脱グリコシル化されたコンジュゲートの質量スペクトルを含む。質量ピークは、リンカーペイロード26又は酸化により提供されたジスルフィドリユニオンにより、無傷、又は「半-抗体」のいずれかと一致する。26が、スルフヒドリル間に共有結合を作る程度は、反応されたリンカー-ペイロードに対応する、わずかな質量増加として現れた(1323Da)。質量スペクトルは、表4にまとめている。
【表4】
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【0282】
(実施例6)
(インビトロ細胞傷害性アッセイ)
【0283】
この実施例では、種々の抗体-薬物コンジュゲートが、抗原を発現している腫瘍細胞をインビトロにおいて殺す能力を評価した。
【0284】
細胞を、Nunclon Delta Surface 96ウェルプレートに、1ウェルあたり1000個(HEK293及びHEK293/PRLR)又は6000個(T47D)の細胞で播種し、且つ細胞を、完全増殖培地において一晩成長させた。細胞生存能曲線のために、連続希釈したコンジュゲート又は遊離の代表的なペイロードを、100nM〜5pMの範囲の最終濃度で細胞に加え、3日間インキュベートした。生存能を測定するために、細胞をCCK8(Dojindo社製)と共に、最後の1〜3時間インキュベートし、450nmでの吸光度(OD450)を、Victor X4(PerkinElmer社製)で測定した。ジギトニン(40nM)処理した細胞からのバックグラウンドOD450レベル(CCK8)を、全てのウェルから差し引き、生存能を、未処理の対照のパーセンテージとして表す。IC
50値を、10点反応曲線上で、4パラメータロジスティック方程式から決定した(GraphPad Prism)。メイタンシノイドコンジュゲートの曲線及びIC
50値は全て、UV DAR値を基にしたペイロード当量に対して補正する。アウリスタチン(MMAF)コンジュゲートに関しては、良好な推定を、UV又は質量分析により得ることができないので、IC
50値は、DAR値1(すなわち、抗体濃度と等しい)に割り当てた。
【0285】
図7において、メイタンシノイドペイロード(WO2014145090からの化合物7)は、予想されたように、アッセイした細胞株のいずれにおいても最大100nMまで活性がなかった。アイソタイプ対照のカテプシンB切断可能なコンジュゲートである、アイソタイプ対照-26は、同様に不活性であった。しかし、標的化されたカテプシンB切断可能なH1H6765P-26コンジュゲートは、活性があり、操作された細胞株HEK293/hPRLRにおいてIC
50は〜4nMであり、且つ内在性細胞株T47Dにおいて0.52nMであった。H1H6765P-26は、予想されたように、未変性の細胞株HEK293(標的を発現していない)においては、最大100nMまで不活性であった。非コンジュゲートH1H6765Pは、これらのアッセイにおいて、活性を欠いていた。
【0286】
図8において、化合物27(MMAF)ペイロードは、予想されたように、アッセイした細胞株のいずれにおいても最大100nMまで活性がなかった。対照の切断不可能なコンジュゲートである、アイソタイプ対照-28又はアイソタイプ対照-29は、同様に不活性であった。しかし、標的化された切断不可能なコンジュゲートH1H6765P-28又はH1H6765P-29は、活性があり、操作された細胞株HEK293/hPRLRにおいてIC
50は、それぞれ、〜0.04nM及び〜0.03nMであり、且つ内在性細胞株T47Dにおいて、それぞれ、0.03nM及び0.03nMであった。H1H6765P-28も対照-29も、予想されたように、未変性の細胞株HEK293(標的を発現していない)においては、最大100nMまで活性があった。非コンジュゲートH1H6765Pは、これらのアッセイにおいて、活性を欠いていた。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
式(I)を含む、多量体抗原-結合化合物-コンジュゲート:
(化1)
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(式中:
IC1は、第一の免疫グロブリン鎖であり、並びに
IC2は、第二の免疫グロブリン鎖であり;
更にここで、IC1及び/又はIC2は、少なくとも1つの抗原-結合ドメインを含み;
Z1及びZ2は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり;
Eは、O、S、NR4、又はCR5R6であり;
Dは、生物活性分子であり;
Aは、存在しないか、天然若しくは非天然のアミノ酸、又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり;
Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR5R6-、又は-NR4-であり;
Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、
ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
Yは、存在しないか、
(化2)
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であり、
ここで、A1、A3、R1、及びR3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、又は-O-C(=O)-NR4-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
A4及びA5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR18-、又は-CR5R6-であり;
R17は、O、S、NR18、又はCR5R6であり;
R18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はアシルであり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており;
R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である)。
(構成2)
前記IC1が、抗体又はその抗原-結合部分の第一の重鎖であり;並びに、前記IC2が、抗体又はその抗原-結合部分の第二の重鎖である、構成1記載の抗原-結合化合物-コンジュゲート。
(構成3)
前記IC1が、抗体又はその抗原-結合部分の重鎖であり;並びに、前記IC2が、抗体又はその抗原-結合部分の軽鎖である、構成1記載の抗原-結合化合物-コンジュゲート。
(構成4)
前記化合物-コンジュゲートが、還元条件下で実質的に安定している、構成1〜3のいずれか一項記載の抗原-結合化合物-コンジュゲート。
(構成5)
前記Dが細胞傷害性物質である、構成1〜4のいずれか一項記載の抗原-結合化合物-コンジュゲート。
(構成6)
前記Dが、メイタンシノイドである、構成1〜5のいずれか一項記載の抗原-結合化合物-コンジュゲート。
(構成7)
前記メイタンシノイドが、式(I)(a)により表される、構成6記載の抗原-結合化合物-コンジュゲート:
(化3)
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(式中、
A6、A7、A8、A9は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、N-アルキルアミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4であり、
更にここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;且つ
R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である)。
(構成8)
前記メイタンシノイドが、以下の構造式(II)(a)により表される、構成7記載の抗原-結合化合物-コンジュゲート:
(化4)
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。
(構成9)
前記Dが、アウリスタチン、デュオカルマイシン、ドラスタチン10、ピロロベンゾジアゼピン、スプリセオスタチン、アマナチン、又はカリケアミシンである、構成1〜5のいずれか一項記載の抗原-結合化合物-コンジュゲート。
(構成10)
前記抗原-結合化合物-コンジュゲートが、腫瘍-関連抗原に特異的に結合する、構成1〜9のいずれか一項記載の抗原-結合化合物-コンジュゲート。
(構成11)
図(1)に示したような構造を有する、多量体免疫グロブリンコンジュゲート:
(化5)
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(図中、M1、M2、M3、及び/又はM4の1以上は、それぞれ独立に、存在しないか、又は式(II)により表される構造を有し:
(化6)
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ここで、LC1は、第一の抗体軽鎖であり、LC2は、第二の抗体軽鎖であり、HC1は、第一の抗体重鎖であり、及びHC2は、第二の抗体重鎖であり:
ここで、LC1、LC2、HC1及び/又はHC2は、少なくとも1つの抗原-結合ドメインを含み;並びに
Eは、O、S、NR4、又はCR5R6であり;
Dは、生物活性分子であり;
Aは、存在しないか、天然若しくは非天然のアミノ酸、又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり;
Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR5R6-、又は-NR4-であり;
Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
Yは、存在しないか、
(化7)
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であり、
ここで、A1、A3、R1、及びR3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
A4及びA5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR18-、又は-CR5R6-であり;
R17は、O、S、NR18、又はCR5R6であり;
R18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルであり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており;
R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である)。
(構成12)
前記コンジュゲートが、還元条件下で実質的に安定している、構成11記載のコンジュゲート。
(構成13)
前記多量体免疫グロブリンコンジュゲートが、腫瘍-関連抗原に特異的に結合する、構成11又は12記載の多量体免疫グロブリンコンジュゲート。
(構成14)
式(III)の試薬:
(化8)
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(式中:
LGは、脱離基であり;
Eは、O、S、NR4、又はCR5R6であり;
Z1及びZ2は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり;
Dは、存在しないか、又は生物活性分子であり;
Aは、存在しないか、天然若しくは非天然のアミノ酸、又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり;
Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR5R6-、又は-NR4-であり;
Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、
ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
Yは、存在しないか、
(化9)
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であり、
ここで、A1、A3、R1、及びR3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
A4及びA5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR18-、又は-CR5R6-であり;
R17は、O、S、NR18、又はCR5R6であり;
R18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はアシルであり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており;
R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である)。
(構成15)
前記脱離基が、ハロゲン、トシル、メシル、OAc、OMe、トリフラート、硝酸エステル、チオラート、リン酸エステル、カルボン酸エステル、又はフェノキシドである、構成14記載の試薬。
(構成16)
前記脱離基が、ブロモである、構成15記載の試薬。
(構成17)
前記Z2が、以下の構造式により表され:
-Z2A-Z2B-Z2C-Z2D-、
(式中、
Z2A、Z2B、Z2C、及びZ2Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R4)、-O-C(=S)-N(R4)-、又は-C(=S)-N(R4)-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つ、R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルである。);並びに
Z1が、以下の構造式により表され:
-Z1A-Z1B-Z1C-Z1D-、
(式中、
Z1A、Z1B、Z1C及びZ1Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R4)、-O-C(=S)-N(R4)-、又は-C(=S)-N(R4)-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つ、R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルである。);
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である、構成1〜16のいずれか一項記載の化合物。
(構成18)
図(1)に示した構造を有する多量体免疫グロブリンコンジュゲートの製造方法であって:
(化10)
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(図中、M1、M2、M3、及び/又はM4の1以上は、それぞれ独立に、存在しないか、又は式(II)により表される構造を有し:
(化11)
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ここで、LC1は、第一の抗体軽鎖であり、LC2は、第二の抗体軽鎖であり、HC1は、第一の抗体重鎖であり、及びHC2は、第二の抗体重鎖であり:
ここで、LC1、LC2、HC1及び/又はHC2は、少なくとも1つの抗原-結合ドメインを含み;並びに
Eは、O、S、NR4、又はCR5R6であり;
Dは、生物活性分子であり;
Z1及びZ2は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり;
Aは、存在しないか、天然若しくは非天然のアミノ酸、又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり;
Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR5R6-、又は-NR4-であり;
Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、
ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
Yは、存在しないか、
(化12)
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であり、
ここで、A1、A3、R1、及びR3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
A4及びA5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR18-、又は-CR5R6-であり;
R17は、O、S、NR18、又はCR5R6であり;
R18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルであり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており;
R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である);
該方法が、
(a)多量体免疫グロブリン中に存在するシステイン残基間の1個以上のジスルフィド結合を還元し、2個のスルフヒドリル基を形成する工程;
(b)工程(a)由来のスルフヒドリル基と共有結合を形成する試薬をコンジュゲートする工程:を含み、ここで該試薬は、式(III)により表される、前記方法:
(化13)
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(更に式中、
LGは、脱離基であり;
Eは、O、S、NR4、又はCR5R6であり;
Z1及びZ2は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり;
Dは、存在しないか、又は生物活性分子であり;
Aは、存在しないか、天然若しくは非天然のアミノ酸、又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり;
Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR5R6-、又は-NR4-であり;
Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、
ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
Yは、存在しないか、
(化14)
[この文献は図面を表示できません]
であり、
ここで、A1、A3、R1、及びR3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;
A4及びA5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR18-、又は-CR5R6-であり;
R17は、O、S、NR18、又はCR5R6であり;
R18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はアシルであり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており;
R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり;
p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ
xは、0、1、又は2である)。
(構成19)
前記方法が、クロマトグラフィー、透析、限外濾過、及び/又は接線流濾過により、工程(b)で得られた生成物を精製することを更に含む、構成18記載の方法。
(構成20)
前記脱離基が、ハロゲン、トシル、メシル、OAc、OMe、トリフラート、硝酸エステル、チオラート、リン酸エステル、カルボン酸エステル、フェノキシドである、構成18又は19記載の方法。
(構成21)
前記脱離基が、ブロモである、構成16記載の方法。
(構成22)
治療上有効な量の構成1〜17のいずれか一項記載の化合物又はその医薬として許容し得る塩、及び1種以上の医薬として許容し得る担体、希釈剤、又は賦形剤を含む、医薬組成物。
(構成23)
異常な細胞成長を低減し、妨げ、又は停止する方法であって、該異常な細胞を、該異常な細胞成長を妨げ、低減し、又は停止するのに充分な量の構成1〜17のいずれか一項記載の化合物と接触させることを含み、且つその間に該異常な細胞成長が妨げられ、低減され、又は停止される、前記方法。
(構成24)
細胞を殺す方法であって、該細胞を、該細胞を殺すのに充分な量の構成1〜17のいずれか一項記載の化合物と接触させることを含み、且つその間に該細胞が殺される、前記方法。
(構成25)
前記細胞が腫瘍細胞である、構成24記載の方法。
(構成26)
医学的障害を患っている個体の該医学的障害の治療の方法であって、該個体に、有効量の構成1〜17のいずれか一項記載の化合物を含む組成物を投与することを含む、前記方法。
(構成27)
前記個体が哺乳動物である、構成26記載の方法。
(構成28)
連続して又は引き続いて追加の療法を施すことを更に含む、構成26又は27のいずれか一項記載の方法。
(構成29)
前記追加の療法が、放射線療法、化学療法、又は両者の組み合わせである、構成28記載の方法。
(構成30)
癌の治療のための医薬品の製造のための、構成1〜17のいずれか一項記載の化合物の使用。
(構成31)
抗体、又はそれらの抗原結合断片を含む抗体-薬物コンジュゲートであって、ここで抗体又はそれらの抗原結合断片が、式(A)の少なくとも1つの部分へとコンジュゲートされている、前記コンジュゲート:
(化15)
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(式中、
Ab-S1は、抗体又はそれらの抗原結合断片のシステイン硫黄原子への結合であり;
Ab-S2は、抗体又はそれらの抗原結合断片のシステイン硫黄原子への結合であり;
Xは、-N(RA)-又は-O-であり;
ここで、RAは、水素原子又はアルキルであり;
RN及びRMは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキルであり;
Aは、存在しないか、又はペプチドを含むスペーサーであり;
ここでペプチドは、2〜20のアミノ酸を含み;
Dは、生物活性分子であり;且つ
bは、2〜8の整数である。)。
(構成32)
前記抗体又はそれらの抗原結合断片が、式(A)の少なくとも一つの部分を含み、ここでAb-S1は、抗体又はそれらの抗原結合断片の第一の重鎖のシステイン硫黄原子への結合であり、並びにAb-S2は、抗体又はそれらの抗原結合断片の第二の重鎖のシステイン硫黄原子への結合である、構成31記載のコンジュゲート。
(構成33)
前記抗体又はそれらの抗原結合断片が:
(i)Ab-S1が、抗体又はそれらの抗原結合断片の第一の重鎖のシステイン硫黄原子への結合であり、並びにAb-S2が、抗体又はそれらの抗原結合断片の第二の重鎖のシステイン硫黄原子への結合である、式(A)の2つの部分;並びに
(ii)Ab-S1が、抗体又はそれらの抗原結合断片の軽鎖のシステイン硫黄原子への結合であり、並びにAb-S2が、抗体又はそれらの抗原結合断片の重鎖のシステイン硫黄原子への結合である、式(A)の2つの部分:
を含む、構成31記載のコンジュゲート。
(構成34)
前記コンジュゲートが、抗-PRLR抗体を含む、構成31記載のコンジュゲート。
(構成35)
前記Xが、-NH-である、構成31記載のコンジュゲート。
(構成36)
前記Xが、-O-である、構成31記載のコンジュゲート。
(構成37)
前記Xが、-NH-又は-O-であり、並びにRN及びRMが、両者とも水素原子である、構成31記載のコンジュゲート。
(構成38)
前記bが、4である、構成37記載のコンジュゲート。
(構成39)
前記Aが:
(化16)
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であり、ここで、
(化17)
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が、Dへの結合であり、並びにAA1及びAA2が、それぞれ独立して、アミノ酸である、構成31記載のコンジュゲート。
(構成40)
前記Aが:
(化18)
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であり、ここで、
(化19)
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が、Dへの結合である、構成39記載のコンジュゲート。
(構成41)
前記Aが、存在しない、構成31記載のコンジュゲート。
(構成42)
前記Dが、アウリスタチン又はメイタンシノイドである、構成31記載のコンジュゲート。
(構成43)
前記Dが、MMAE、MMAD、又はMMAFである、構成31記載のコンジュゲート。
(構成44)
前記Dが、メイタンシノイドである、構成31記載のコンジュゲート。
(構成45)
前記Dが、DM1又はDM4である、構成31記載のコンジュゲート。
(構成46)
前記Dが:
(化20)
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である、構成31記載のコンジュゲート。
(構成47)
前記Dが:
(化21)
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である、構成31記載のコンジュゲート。
(構成48)
前記式(A)の部分が:
(化22)
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である、構成31記載のコンジュゲート。
(構成49)
前記式(A)の部分が:
(化23)
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である、構成31記載のコンジュゲート。
(構成50)
前記式(A)の部分が:
(化24)
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であり、ここでDがメイタンシノイドである、構成31記載のコンジュゲート。
(構成51)
前記式(A)の部分が:
(化25)
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であり、ここでDがメイタンシノイドである、構成31記載のコンジュゲート。
(構成52)
前記式(A)の部分が:
(化26)
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である、構成31記載のコンジュゲート。
(構成53)
前記式(A)の部分が:
(化27)
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である、構成31記載のコンジュゲート。
(構成54)
前記式(A)の部分が:
(化28)
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であり、ここでDがアウリスタチンである、構成31記載のコンジュゲート。
(構成55)
前記式(A)の部分が:
(化29)
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であり、ここでDがアウリスタチンである、構成31記載のコンジュゲート。
(構成56)
前記式(A)の部分が:
(化30)
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である、構成31記載のコンジュゲート。
(構成57)
式(L1)の化合物:
(化31)
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(式中、RUは:
(化32)
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であり、
ここで、LG1及びLG2は、各出現で独立して、脱離基であり;
Xは、-N(RA)-又は-O-であり;
ここで、RAは、水素原子又はアルキルであり;
RN及びRMは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキルであり;
Aは、存在しない、すなわち結合であるか、又はペプチドを含むスペーサーであり、
ここで、ペプチドは、2〜20のアミノ酸を含み;
Dは、生物活性分子であり;且つ
bは、2〜8の整数である。)。
(構成58)
前記脱離基が、ハロゲン化物である、構成57記載の化合物。
(構成59)
前記Xが、-NH-である、構成57記載の化合物。
(構成60)
前記Xが、-O-である、構成57記載の化合物。
(構成61)
前記RN及びRMが、両者とも水素原子である、構成57記載の化合物。
(構成62)
前記bが、3〜6の整数である、構成57記載の化合物。
(構成63)
前記RN及びRMが、両者とも水素原子であり、且つbが4である、構成57記載の化合物。
(構成64)
前記Aが:
(化33)
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であり、ここで
(化34)
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が、Dへの結合であり、且つAA1及びAA1が、それぞれ独立して、アミノ酸である、構成57記載の化合物。
(構成65)
前記Aが:
(化35)
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であり、ここで
(化36)
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が、Dへの結合である、構成57記載の化合物。
(構成66)
前記Aが、存在しない、構成57記載の化合物。
(構成67)
前記Dが、アウリスタチン又はメイタンシノイドである、構成57記載の化合物。
(構成68)
前記Dが、MMAE、MMAD、又はMMAFである、構成57記載の化合物。
(構成69)
前記Dが、メイタンシノイドである、構成57記載の化合物。
(構成70)
前記Dが、
(化37)
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である、構成57記載の化合物。
(構成71)
前記Dが、
(化38)
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である、構成57記載の化合物。
(構成72)
前記化合物が:
(化39)
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である、構成57記載の化合物。
(構成73)
前記化合物が:
(化40)
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である、構成57記載の化合物。
(構成74)
前記化合物が:
(化41)
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であり、ここでDが、メイタンシノイドである、構成57記載の化合物。
(構成75)
前記化合物が:
(化42)
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であり、ここでDが、メイタンシノイドである、構成57記載の化合物。
(構成76)
前記化合物が:
(化43)
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である、構成57記載の化合物。
(構成77)
前記化合物が:
(化44)
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である、構成57記載の化合物。
(構成78)
前記化合物が:
(化45)
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であり、ここでDが、アウリスタチンである、構成57記載の化合物。
(構成79)
前記化合物が:
(化46)
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であり、ここでDが、アウリスタチンである、構成57記載の化合物。
(構成80)
前記化合物が:
(化47)
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である、構成57記載の化合物。