特許第6800055号(P6800055)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6800055
(24)【登録日】2020年11月26日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】天吊り用据え付け具
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20201207BHJP
   F24F 1/0317 20190101ALI20201207BHJP
   F16B 1/00 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   F24F1/0007 401D
   F24F1/0317
   F16B1/00 A
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-44144(P2017-44144)
(22)【出願日】2017年3月8日
(65)【公開番号】特開2018-146204(P2018-146204A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2019年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】酒井 洋司
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 史吉
(72)【発明者】
【氏名】本木 一郎
【審査官】 田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−021816(JP,A)
【文献】 特開2011−133190(JP,A)
【文献】 特開2013−213621(JP,A)
【文献】 特開2004−313526(JP,A)
【文献】 特開2010−163806(JP,A)
【文献】 特開平10−080599(JP,A)
【文献】 特開2009−121753(JP,A)
【文献】 特開2000−055391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/20
F24F 1/0317
F16B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井の下方に配置された天井パネルに設けられた天井開口の外周縁部を前記天井パネルの下方から覆い、製品本体が取り付けられる化粧パネルと、
前記化粧パネルにおける前記天井側に取り付けられる天吊金具と、
前記天吊金具の前記天井側に取り付けられる第1天吊りボルトと、
製品本体を前記天井に吊るすために前記天井に埋設されている第2天吊りボルトおよび前記第1天吊りボルトとの双方に固定されて、前記天井パネルの面内と平行な方向のうち第1の方向において前記第1天吊りボルトの位置を調整可能に固定する第1天吊り位置調整金具と、
前記天井パネルの面内と平行な方向のうち前記第1の方向と交差する第2の方向において前記第1天吊りボルトの位置を調整可能に固定する第2天吊り位置調整金具と、
を備えることを特徴とする天吊り用据え付け具。
【請求項2】
前記第2天吊りボルトは、前記天井開口の外周縁部の四隅に配設される4本のボルトを有し、
4本のボルトのうち対角に配置された2本が前記第1天吊り位置調整金具に固定され、
4本のボルトのうち対角に配置された残りの2本が前記第2天吊り位置調整金具に固定されること、
を特徴とする請求項1に記載の天吊り用据え付け具。
【請求項3】
前記第1天吊り位置調整金具は、前記第1天吊り位置調整金具の長手方向に沿って設けられて前記第2天吊りボルトが固定される長孔である位置調整長孔と、前記第1天吊りボルトが固定される固定孔とを備え
前記第2天吊り位置調整金具は、前記第2天吊り位置調整金具の長手方向に沿って設けられて前記第2天吊りボルトが固定される長孔である位置調整長孔と、前記第1天吊りボルトが固定される固定孔とを備えること、
を特徴とする請求項1または2に記載の天吊り用据え付け具。
【請求項4】
前記化粧パネルは、前記天吊金具を固定する固定孔を異なる位置に複数備えること、
を特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載の天吊り用据え付け具。
【請求項5】
前記化粧パネルは、外形寸法が異なる前記化粧パネルに変更可能であること、
を特徴とする請求項に記載の天吊り用据え付け具。
【請求項6】
前記化粧パネルは、前記製品本体を固定する固定部およびダクト接続用のダクト接続口取付部を有すること、
を特徴とする請求項またはに記載の天吊り用据え付け具。
【請求項7】
前記天井パネルと前記化粧パネルとの間にコーキング材を備えること、
を特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の天吊り用据え付け具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気扇、暖房機または乾燥機といった製品を天井に据え付けるための天吊り用据え付け具に関する。
【背景技術】
【0002】
天井裏にバス乾燥機能、暖房機能および換気機能を備えた天井埋め込み型の製品を取り付ける際には天井部に据え付け用の開口が開けられる。初めて天井部に上記製品が取り付けられる場合であれば、製品の仕様に合わせた指定の寸法の開口が開けられる。しかし、従来機種および他社製品から新たに製品を置き換える場合には、製品によって必要な開口寸法が異なるため、既存の開口を塞ぐかまたは拡大して、新規に据え付ける製品に開口の寸法を合わせている。
【0003】
このような製品の天井への据え付け方法は2種類ある。1つ目の方法は、天井材の上に補強材である野縁を固定し、野縁に直接ねじで製品を固定する野縁据え付けである。野縁据え付けの場合、製品を置き換える場合には、新規に据え付ける製品の開口寸法に合わせて野縁が組み直される。2つ目の方法は、天吊り用据え付け具を用いて製品を吊る天吊据え付けである。天吊据え付けの場合、製品を置き換える場合には、既設製品を吊っているアンカーボルトを再利用するが、既設製品を吊っているアンカーボルトを再利用して新しい製品を据え付けることができない場合には、新規でアンカーボルトを天井に埋め込んでいる。
【0004】
特許文献1には、換気扇を天吊据え付けするための取付具として、補助枠を換気扇本体が挿通される枠体と、枠体の側壁に端部が接続され且つ、上方を門形に突設された天井枠と、天井枠に回動自在に設けられ、防振部材が装着されたアンカーボルト取付板とにより形成した取付具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5−1936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の技術によれば、既存のアンカーボルトの位置によっては既存のアンカーボルトを流用できない場合が生じる。この場合は、新規でアンカーボルトを埋め込む必要があり、据え付け作業の負担が増える、という問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、天井に製品を取り付ける際の施工性の向上が可能な天吊り用据え付け具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる天吊り用据え付け具は、天井の下方に配置された天井パネルに設けられた天井開口の外周縁部を天井パネルの下方から覆い、製品本体が取り付けられる化粧パネルと、化粧パネルにおける天井側に取り付けられる天吊金具と、天吊金具の天井側に取り付けられる第1天吊りボルトと、を備える。また、天吊り用据え付け具は、製品本体を天井に吊るすために天井に埋設されている第2天吊りボルトおよび第1天吊りボルトとの双方に固定されて、天井パネルの面内と平行な方向のうち第1の方向において第1天吊りボルトの位置を調整可能に固定する第1天吊り位置調整金具と、天井パネルの面内と平行な方向のうち第1の方向と交差する第2の方向において第1天吊りボルトの位置を調整可能に固定する第2天吊り位置調整金具と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、天井に製品を取り付ける際の施工性の向上が可能な天吊り用据え付け具が得られる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態にかかる天吊り用据え付け具を用いた製品の据え付け方法を示す模式図
図2】本発明の実施の形態にかかる天吊金具を示す斜視図であり、(a)は正面側から見た斜視図であり、(b)は背面側から見た斜視図
図3】本発明の実施の形態にかかる化粧パネルと天吊金具との取り付け方法を示す分解斜視図
図4】本発明の実施の形態にかかる化粧パネルの構成を示す拡大図であり、図3における領域Aの要部拡大図
図5】本発明の実施の形態にかかる天吊り位置調整金具を示す図であり、(a)は天吊り位置調整金具の上面図であり、(b)と(c)は天吊り位置調整金具の側面図
図6】本発明の実施の形態にかかる天吊り位置調整金具に対する既設アンカーボルトおよび新設アンカーボルトの取り付け方法を示す分解斜視図
図7】本発明の実施の形態にかかる化粧パネルの取り付け方法を示す斜視図
図8】本発明の実施の形態にかかる天吊金具と新設アンカーボルトとの固定方法を表す分解斜視図
図9】本発明の実施の形態にかかる化粧パネルのコーキング材の配置例を示す図であり、(a)は天井パネルの下方から見た斜視図であり、(b)は図9(a)における線分IX(b)−IX(b)に沿った断面図
図10】バス乾燥暖房換気システムの据え付け例を示す模式図
図11】本発明の実施の形態にかかる化粧パネルへの1部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの取り付け方法を示す図
図12】本発明の実施の形態にかかる化粧パネルへの1部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの取り付け方法を示す図
図13】本発明の実施の形態にかかる化粧パネルへの2部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体および3部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体の取り付け方法を示す図
図14】本発明の実施の形態にかかる化粧パネルへの2部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体および3部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体の取り付け方法を示す図
図15】本発明の実施の形態にかかる化粧パネルに排気用ダクト接続口および副吸込みダクト接続口を取り付けた状態を示す図
図16】本発明の実施の形態にかかる化粧パネルのダクト接続口取付部を示す図
図17】本発明の実施の形態における化粧パネルのダクト接続口取付部の詳細を示す要部拡大図
図18】本発明の実施の形態にかかる排気用ダクト接続口および副吸込みダクト接続口における化粧パネル取付け部を示す図
図19】本発明の実施の形態における排気用ダクト接続口および副吸込みダクト接続口における化粧パネル取付け部の詳細を示す要部拡大図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態にかかる天吊り用据え付け具を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
実施の形態
図1は、本発明の実施の形態にかかる天吊り用据え付け具を用いた製品の据え付け方法を示す模式図である。図2は、本発明の実施の形態にかかる天吊金具を示す斜視図であり、(a)は正面側から見た斜視図であり、(b)は背面側から見た斜視図である。図3は、本発明の実施の形態にかかる化粧パネル20と天吊金具10との取り付け方法を示す分解斜視図である。図4は、本発明の実施の形態にかかる化粧パネル20の構成を示す拡大図であり、図3における領域Aの要部拡大図である。
【0013】
本発明の実施の形態にかかる天吊り用据え付け具は、換気扇、暖房機または乾燥機といった製品を天井に据え付けるための天吊り用据え付け具である。以下では、バス乾燥暖房換気システムを天井に据え付ける場合を例に説明する。本実施の形態にかかる天吊り用据え付け具は、図1に示すように、天井48の下方に配置された天井パネル46の面内において、天井パネル46に設けられた天井パネル開口46aの外周縁部を天井パネル46の下方から覆い、バス乾燥暖房換気システムの製品本体60が取り付けられる化粧パネル20と、化粧パネル20における天井48側に取り付けられて、化粧パネル20を新設アンカーボルト31で天吊り固定する天吊金具10と、バス乾燥暖房換気システムの製品本体60を天井に吊るすために天井48に埋設されている既設アンカーボルト32および新設アンカーボルト31との双方に固定されて、天井パネル46の面内と平行な方向において新設アンカーボルト31の位置を調整可能に固定する天吊り位置調整金具30と、を備える。
【0014】
天吊金具10は、図2に示すようにL字状を有する金具であり、ステンレスといった耐食性の高い金属材料によって構成されている。天吊金具10は、上部となる長手方向の一端に、第1天吊りボルトである新設アンカーボルト31を固定するためのアンカーボルト固定部10aである屈曲部を備える。また、天吊金具10は、下部となる長手方向の他端に、化粧パネル20に固定するための引掛け部10bとねじ孔10cを備える。アンカーボルト固定部10aには図示しない長円状の開口が設けられており、長円状のアンカーボルト通し孔11aが設けられたゴムブッシュ11がこの開口に嵌め込まれている。ゴムブッシュ11は、長円状のアンカーボルト通し孔11aが設けられているため、施工時にアンカーボルトのピッチが多少ずれていても作業性が悪化することはない。
【0015】
化粧パネル20は、図3に示すように矩形平板状の外形形状を有し、矩形形状の中央部に、天井パネル46の開口に合わせた形状および寸法を有する開口部20aを備える。また、化粧パネル20の外形寸法は、既存製品のパネル外形および後述する天井パネル46における天井パネル開口46aより大きい寸法とされている。図3および図4に示すように、化粧パネル20の開口部20aにおける一対の長辺には、開口部20aの縁から天井48に向けて立設された天吊金具固定部20bが設けられている。
【0016】
また、天吊金具固定部20bには、図3および図4に示すように、天吊金具10を固定するための固定孔として切り欠き部20cとねじ孔20dとが設けられている。天吊金具10の引掛け部10bを天吊金具固定部20bの切り欠き部20cに差し込み、天吊金具10のねじ孔10cと天吊金具固定部20bのねじ孔20dにねじ21を挿入してねじ固定することによって、化粧パネル20の天吊金具固定部20bと天吊金具10とが固定される。
【0017】
化粧パネル20には、4本の天吊金具10が、対向する一対の天吊金具固定部20bに取り付けられる。切り欠き部20cとねじ孔20dとは、天吊金具固定部20bの長手方向において異なる位置に複数設けられており、アンカーボルトの設置状態によって天吊金具10の固定位置を選択することができる。
【0018】
図5は、本発明の実施の形態にかかる天吊り位置調整金具30を示す図であり、(a)は天吊り位置調整金具30の上面図であり、(b)は天吊り位置調整金具30の側面図であり、(c)は天吊り位置調整金具30の側面図である。天吊り位置調整金具30は、図5に示すようにコの字形状の断面形状を有する棒状の金具であり、ステンレスといった耐食性の高い金属材料によって構成されている。天吊り位置調整金具30は、あらかじめ天井48に配設されている第2天吊りボルトである既設アンカーボルト32が固定される位置調整長孔30aと、新設される新設アンカーボルト31が固定される固定孔30bとを備える。
【0019】
図6は、本発明の実施の形態にかかる天吊り位置調整金具30に対する既設アンカーボルト32および新設アンカーボルト31の取り付け方法を示す分解斜視図である。天吊り位置調整金具30は、既設アンカーボルト32の下端側に配置されて、既設アンカーボルト32および新設アンカーボルト31に固定される。
【0020】
新設アンカーボルト31は、固定孔30bに通され、ナット40およびワッシャー41を用いて、新設アンカーボルト31の長手方向においてナット40とワッシャー41とで固定孔30bを挟み込むように天吊り位置調整金具30に固定される。
【0021】
既設アンカーボルト32は、位置調整長孔30aに通され、ワッシャー43およびナット42を用いて天吊り位置調整金具30に固定される。天吊り位置調整金具30の位置調整長孔30aは、天吊り位置調整金具30の長手方向に沿った長孔とされているため、新設アンカーボルト31が規定の位置に位置するように既設アンカーボルト32の固定位置を調整可能とされている。また、既設アンカーボルト32は、天井裏の高さおよび化粧パネル20の吊り高さに応じて、短く切断して天吊り位置調整金具30に固定される。
【0022】
図7は、本発明の実施の形態にかかる化粧パネル20の取り付け方法を示す斜視図である。図8は、本発明の実施の形態にかかる天吊金具10と新設アンカーボルト31との固定方法を表す分解斜視図である。化粧パネル20は、化粧パネル20に固定された4本の天吊金具10の長円状のアンカーボルト通し孔11aの各々に新設アンカーボルト31を通し、化粧パネル20と天井パネル46との高さを合わせて、ワッシャー44とナット45を用いて固定される。化粧パネル20の外形寸法は、既存製品のパネル外形より大きい寸法とされており、天井パネル46における天井パネル開口46aの周囲の日焼け跡および変色を覆い隠すことができる。
【0023】
図9は、本発明の実施の形態にかかる化粧パネル20のコーキング材47の配置例を示す図であり、(a)は天井パネル46の下方から見た斜視図であり、(b)は図9(a)における線分IX(b)−IX(b)に沿った断面図である。室内の湿気に起因した天井裏への湿気流入防止のために、図9に示すように化粧パネル20と天井パネル46との間のすき間の全周は、コーキング材47で塞がれる。
【0024】
図10は、バス乾燥暖房換気システムの据え付け例を示す模式図である。図10においては、浴室61の天井パネル46にバス乾燥暖房換気システムの製品本体60が据え付けられている。浴室61の天井パネル46に据え付けられるバス乾燥暖房換気システムの製品本体60には、浴室61のみの換気が可能な1部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体50と、浴室61の他に脱衣室62の脱衣室副吸込み口63およびトイレ64のトイレ副吸込み口65のどちらか一方を選択して脱衣室62またはトイレ64のどちらか一方の換気を行うことができる2部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体52、および浴室61の他に脱衣室62およびトイレ64の双方とも換気可能な3部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体53とがある。
【0025】
図11および図12は、本発明の実施の形態にかかる化粧パネル20への1部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの取り付け方法を示す図である。1部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの場合は、1部屋排気用ダクト接続口56があらかじめ1部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体50に取り付けられている。この場合は、図11に示すように化粧パネル20の下方から1部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体50を斜めから水平方向に差し込みまたはスライドして化粧パネル20の開口部20aに差し込み、図12に示すように製品固定ねじ51を1部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体50に設けられた固定孔50aと化粧パネル20に設けられた固定孔20hとに通して、1部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体50を化粧パネル20にねじ固定する。
【0026】
図13および図14は、本発明の実施の形態にかかる化粧パネル20への2部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体52および3部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体53の取り付け方法を示す図である。2部屋換気用バス乾燥暖房換気システムおよび3部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの場合は、図13に示すように化粧パネル20の下方から2部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体52または3部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体53を化粧パネル20の開口部20aに差し込み、図14に示すように2部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体52または3部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体53を1部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体50の場合と同様にして製品固定ねじ56で固定する。
【0027】
図15は、本発明の実施の形態にかかる化粧パネル20に排気用ダクト接続口54および副吸込みダクト接続口55を取り付けた状態を示す図である。図16は、本発明の実施の形態にかかる化粧パネル20のダクト接続口取付部20gを示す図である。図17は、本発明の実施の形態における化粧パネル20のダクト接続口取付部20gの詳細を示す要部拡大図である。
【0028】
2部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体52および3部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体53には、排気用ダクト接続口54および副吸込みダクト接続口55が取り付けられていない。このため、2部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体52または3部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本53を化粧パネル20に固定する前に、図15に示すようにあらかじめ化粧パネル20に排気用ダクト接続口54および副吸込みダクト接続口55が取り付けられる。
【0029】
図15から図17に示すように、化粧パネル20の開口部20aにおける一対の短辺には、開口部20aの縁から天井48に向けて立設された、ダクト接続用のダクト接続口取付部20gが設けられている。ダクト接続口取付部20gには、図16および図17に示すように複数の切り欠き部20eと複数の孔20fとが設けられている。排気用ダクト接続口54および副吸込みダクト接続口55は、ダクト接続口取付部20gに取り付けられる。
【0030】
なお、天吊金具固定部20bとダクト接続口取付部20gとは、双方が切り欠き部20cとねじ孔20dと切り欠き部20eと孔20fとを備えることによって、互いに流用可能となる。また、天吊金具固定部20bとダクト接続口取付部20gとのうち一方のみに切り欠き部20cとねじ孔20dと切り欠き部20eと孔20fとを設けて天吊金具固定部20bとダクト接続口取付部20gとに流用できるようにしてもよい。図13においては、一対の天吊金具固定部20bのうち一方の天吊金具固定部20bをダクト接続口取付部20gにも流用した図を示している。また、図15においては、一対の天吊金具固定部20bのうち他方の天吊金具固定部20bをダクト接続口取付部20gにも流用した図を示している。
【0031】
図18は、本発明の実施の形態にかかる排気用ダクト接続口54および副吸込みダクト接続口55における化粧パネル取付け部54c,55cを示す図である。図19は、本発明の実施の形態における排気用ダクト接続口54および副吸込みダクト接続口55における化粧パネル取付け部54c,55cの詳細を示す要部拡大図である。排気用ダクト接続口54および副吸込みダクト接続口55の下端部には、図18および図19に示すように、化粧パネル20のダクト接続口取付部20gが取り付けられる化粧パネル取付け部54c,55cが設けられている。また、化粧パネル取付け部54c,55cには、図19に示すように、面内に突出部54b,55bを有する引掛け部54a,55aが形成されている。
【0032】
化粧パネル20に排気用ダクト接続口54および副吸込みダクト接続口55を取り付ける際には、排気用ダクト接続口54および副吸込みダクト接続口55の化粧パネル取付け部54c,55cを化粧パネル20のダクト接続口取付部20gに位置合わせする。そして、化粧パネル取付け部54c,55cの引掛け部54a,55aをダクト接続口取付部20gの切り欠き部20eにスライドさせて差し込み、引掛け部54aの突出部54bをダクト接続口取付部20gの孔20fに嵌め込んで仮固定する。これより、化粧パネル20に排気用ダクト接続口54および副吸込みダクト接続口55を取り付けることができる。
【0033】
上述した実施の形態にかかる天吊り用据え付け具を用いたバス乾燥暖房換気システムの製品本体60の天吊据え付けでは、化粧パネル20に天吊金具10がねじ固定され、天吊金具10に新設アンカーボルト31がねじ固定される。また、新設アンカーボルト31に天吊り位置調整金具30がねじ固定され、天吊り位置調整金具30に既設アンカーボルト32がねじ固定される。そして、バス乾燥暖房換気システムの製品本体60が化粧パネル20にねじ固定される。これにより、バス乾燥暖房換気システムの製品本体60を天吊据え付けできる。
【0034】
既定の長さの新設アンカーボルト31を用いる場合には、天井裏の高さおよび化粧パネル20の吊り高さに応じて既設アンカーボルト32を短く切断する。これにより、化粧パネル20の吊り高さを容易に且つ自在に調整することが可能である。これにより、施工性の向上および施工時間の短縮が可能である。また、既設アンカーボルト32を短く切断する代わりに、新設アンカーボルト31の長さを調整してもよい。あらかじめ新設アンカーボルト31の長さを調整することで、屋根裏での既設アンカーボルト32の切断作業が不要となり、据え付け作業が容易になる。
【0035】
また、既設アンカーボルト32は、天吊り位置調整金具30に設けられた位置調整長孔30aに取り付けられる。位置調整長孔30aは、天吊り位置調整金具30の長手方向に沿った長孔とされているため、位置調整長孔30aにおける既設アンカーボルト32の固定位置を、天吊り位置調整金具30の長手方向において移動させることが可能である。また、天吊り位置調整金具30は、既設アンカーボルト32を中心軸として回転可能とされている。これにより、既設アンカーボルト32および新設アンカーボルト31を変形させることなく、天吊り位置調整金具30と既設アンカーボルト32との位置決めおよび接続を容易に且つ確実に行うことができ、また、新たなアンカーボルトを天井48に埋め込む必要がなく、施工性の向上および施工時間の短縮が可能である。
【0036】
また、変形させることなく既設アンカーボルト32および新設アンカーボルト31を天吊り位置調整金具30に取り付けられるため、既設アンカーボルト32および新設アンカーボルト31に不要な応力が掛かることがなく、既設アンカーボルト32および新設アンカーボルト31の強度に問題が生じることがなく、信頼性の高い据え付けが可能である。
【0037】
また、化粧パネル20の外形寸法は、既存製品のパネル外形より大きい寸法とされている。すなわち、化粧パネル20の外形寸法は、天井パネル46における既存の天井パネル開口46aの開口寸法より大きい寸法とされている。したがって、化粧パネル20を取り付けることで、化粧パネル20が天井パネル開口46aを塞ぐとともに天井パネル開口46aの周囲まで覆うため、天井パネル開口46aの周囲の日焼け跡および変色を完全に覆い隠すことができる。これにより、新たなバス乾燥暖房換気システムを据え付ける場合でも、グリルといった別部材を用いることなく、天井パネル46の見栄えを損なうことなくバス乾燥暖房換気システムを据え付けることができる。
【0038】
また、新たに据え付けるバス乾燥暖房換気システムの製品本体60のパネル外形が、既存製品のパネル外形より大きい場合は、天井パネル開口46aを広げればよい。また、新たに据え付けるバス乾燥暖房換気システムの製品本体60のパネル外形が、既存製品のパネル外形より小さい場合には、化粧パネル20が天井パネル開口46aの周囲まで覆うため、既存の天井パネル開口46aを塞ぐ作業が不要であり、施工性の向上および施工時間の短縮が可能である。
【0039】
また、既存製品が野縁据え付けされていた場合に、新しい製品を再度、野縁据え付けする場合には、天井パネル開口を新しい製品に対応した寸法に変更するのには手間がかかり、特に塞ぐ作業は非常に負担が大きく、野縁を組み直す作業も非常に負担が大きかった。
【0040】
過去に使用された既設アンカーボルト32が存在する場合には、本実施の形態にかかる天吊り用据え付け具を用いることで、既存製品が野縁据え付けされていた場合でも、既設の天井パネル開口を流用して新しい製品への置き換えが容易に可能であり、施工性および施工時間の改善が可能である。
【0041】
また、化粧パネル20は、外形寸法が異なる複数の化粧パネル20のうちのいずれか1つに変更可能である。これにより、天井パネル開口46aの寸法またはバス乾燥暖房換気システムの製品本体60の寸法に応じて適切な寸法の化粧パネル20を選択可能となる。
【0042】
したがって、本実施の形態にかかる天吊り用据え付け具によれば、天井に製品を取り付ける際の施工性の向上が可能であり、意匠性の高い製品の据え付けが可能となる。
【符号の説明】
【0043】
10 天吊金具、10a アンカーボルト固定部、10b 引掛け部、10c,20d ねじ孔、11 ゴムブッシュ、11a アンカーボルト通し孔、20 化粧パネル、20a 開口部、20b 天吊金具固定部、20c,20e 切り欠き部、20f 孔、20g ダクト接続口取付部、30 天吊り位置調整金具、30a 位置調整長孔、20h,30b,50a 固定孔、31 新設アンカーボルト、32 既設アンカーボルト、40,42,45 ナット、41,43,44 ワッシャー、46 天井パネル、46a 天井パネル開口、47 コーキング材、48 天井、50 1部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体、51,56 製品固定ねじ、52 2部屋換気用バス乾燥暖房換気システムの製品本体、53 3部屋換気用バス乾燥暖房換気システム製品本体、54 排気用ダクト接続口、54a,55a 引掛け部、54b,55b 突出部、54c,55c 化粧パネル取付け部、55 副吸込みダクト接続口、56 1部屋排気用ダクト接続口、60 バス乾燥暖房換気システムの製品本体、61 浴室、62 脱衣室、63 脱衣室副吸込み口、64 トイレ、65 トイレ副吸込み口。
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