(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6800075
(24)【登録日】2020年11月26日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】挿入式フィルターユニット
(51)【国際特許分類】
A24D 3/04 20060101AFI20201207BHJP
【FI】
A24D3/04
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-78094(P2017-78094)
(22)【出願日】2017年4月11日
(62)【分割の表示】特願2015-546064(P2015-546064)の分割
【原出願日】2013年12月19日
(65)【公開番号】特開2017-140046(P2017-140046A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2017年4月13日
【審判番号】不服2019-8591(P2019-8591/J1)
【審判請求日】2019年6月26日
(31)【優先権主張番号】1223159.3
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ブルックバンク、アーロン
(72)【発明者】
【氏名】ヤング、リチャード
【合議体】
【審判長】
山崎 勝司
【審判官】
槙原 進
【審判官】
川上 佳
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第4972856(US,A)
【文献】
特表2009−504175(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/077314(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/051115(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/086751(WO,A1)
【文献】
特開平3−232481(JP,A)
【文献】
米国特許第5666977(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部を有する喫煙品用フィルターに挿入するための挿入式フィルターユニットであって、
前記挿入式フィルターユニットは、所定の大きさを有するタバコ部分を含み、
前記挿入式フィルターユニットは、前記タバコ部分を貯蔵するための円筒状のキャビティーを画定する外方ケーシングを含み、
前記挿入式フィルターユニットは、ユーザーによって喫煙品用フィルターの前記凹部に挿入されるように構成された挿入式フィルターユニット。
【請求項2】
挿入式フィルターユニットは複数の穴を含み、煙を挿入式フィルターユニットを通ってほぼ軸方向に移動させることを特徴とする請求項1記載の挿入式フィルターユニット。
【請求項3】
前記複数の穴は、挿入式フィルターユニットの平坦な端部に配された少なくとも1つの穴を含むことを特徴とする請求項2記載の挿入式フィルターユニット。
【請求項4】
挿入式フィルターユニットの第1の平坦な端部に複数の穴そして挿入式フィルターユニットの第2の平坦な端部に複数の穴を含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の挿入式フィルターユニット。
【請求項5】
挿入式フィルターユニットが、繊維性ろ過材を含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の挿入式フィルターユニット。
【請求項6】
射出成型によって形成されることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の挿入式フィルターユニット。
【請求項7】
プラスチック材から形成されることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の挿入式フィルターユニット。
【請求項8】
挿入式フィルターユニットが、風味剤を含むことを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載の挿入式フィルターユニット。
【請求項9】
挿入式フィルターユニットが、吸着剤を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の挿入式フィルターユニット。
【請求項10】
第1の直径を有する1つ以上の部分および該第1の直径より小さい第2の直径を有する1つ以上の部分を含むことを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載の挿入式フィルターユニット。
【請求項11】
請求項1乃至10いずれか1項記載の挿入式フィルターユニットを収容するように構成された凹部を含み、前記凹部に挿入された請求項1乃至10いずれか1項記載の挿入式フィルターユニットを有する喫煙品。
【請求項12】
請求項1乃至10いずれか1項記載の挿入式フィルターユニットを収容するように構成された凹部を含む喫煙品と、請求項1乃至10いずれか1項記載の挿入式フィルターユニットと、を含む組合せ。
【請求項13】
前記組合せの挿入式フィルターユニットが請求項10記載の挿入式フィルターユニットであって、その挿入式フィルターユニットは、前記第1の直径を有する挿入式フィルターユニットの前記1つ以上の部分が、使用時に、前記凹部の管状の壁と接触し、前記凹部と前記挿入式フィルターユニットがしっかりと嵌るようにされている、請求項12記載の組合せ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は凹部を有する喫煙品用フィルターのための挿入式フィルターユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
紙紙巻きタバコや他の喫煙品にはある量のタバコが含まれ、これを燃焼させて煙を発生させることができ、その煙が使用者に吸入される。喫煙品用のフィルターは、タバコの燃焼の結果生じる煙が使用者の口へ到達する前にその煙を改良するために用いられる。この目的で当技術分野において知られているフィルターは、繊維質のセルロースアセテートのプラグまたは類似の物理的特性を備えた他の材料のプラグで形成することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特定の煙成分の除去を改良するため、喫煙品用フィルターに種々の添加物を加えることができる。そのような例には活性炭のような煙吸着剤がある。これらの煙吸着剤は特定の煙成分を吸着し、フィルターを通過する煙流からそれらを除去する。
【0004】
煙の成分を除去することに加え、フィルター添加物はフィルターを通過する煙に特性を付与することもできる。例えば、その国の規制が許す場合、香料や風味剤を組み込んで、フィルターを通過した煙の香りや味覚の特性を変えてもよい。
【0005】
従来、上記の特徴が組み込まれたフィルターを備える喫煙品はパック入りで販売されており、各パックの中の喫煙品は同じ風味や香りおよび吸着の特性を共有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、凹部を有する喫煙品用フィルターに挿入するための挿入式フィルターユニットを提供し、この挿入式フィルターユニットは、煙変性剤を貯蔵するためのキャビティーを画定する外方ケーシングを含み、この挿入式フィルターユニットは、ユーザーによって喫煙品用フィルターの凹部に挿入されるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明が容易に理解されるように、その実施態様を以下に添付図面を説明して単に例示目的で説明する。
【
図1】本発明の第1の実施態様による喫煙品および挿入式フィルターユニットの側面から見た断面図である。
【
図2】
図1に示したフィルターおよび挿入式フィルターユニットの斜視図である。
【
図3】本発明の第2の実施態様によるフィルターおよび挿入式フィルターユニットの斜視図である。
【
図4】本発明の第3の実施態様によるフィルターおよび挿入式フィルターユニットの側面図である。
【
図5】本発明の第4の実施態様によるフィルターおよび挿入式フィルターユニットの斜視図である。
【
図7】挿入式フィルターユニットの第1部分および第2部分の斜視図である。
【
図8】挿入式フィルターユニットの断面斜視図である。
【
図9】挿入式フィルターユニットの第1部分および第2部分の断面斜視図である。
【
図10】喫煙品に挿入された挿入式フィルターユニットの側面から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1には吸い口端11および遠位端12を有する喫煙品10が示されている。喫煙品10は、タバコロッド15およびそれに取り付けられたフィルター20を備える。タバコロッド15はタバコ包装紙16で包まれている。
【0009】
フィルター20は
図2にさらに詳細に示されている。フィルター20は円筒状のろ過領域21および管状のろ過領域22を備え、これは使用時にフィルター20を介して吸引される主流煙の方向に対して円筒状ろ過領域21の下流にある。円筒状のろ過領域および管状のろ過領域22は繊維質のセルロースアセテートのようなフィルター材または当技術分野で既知の他の好適な材料で形成されてもよい。
【0010】
特定の実施態様では円筒状のろ過領域21は長さが約12mmでもよく、管状のろ過領域22は長さが約15mmでもよい。
【0011】
円筒状のろ過領域21および/または管状のろ過領域22のフィルター材に添加剤を供してもよい。例えば、ビーズ状、粒状または糸状の活性炭などの吸着材を供してもよい。添加剤は、フィルターの製造時にろ過材に添加してもよい。例えば、フィルタートウがガーニチャーに搬送される際に添加剤をトウに連続的に添加してろ過材全体に分散させてもよい。これとは別に添加剤をパルス式に添加して添加剤を含むろ過材内にセクションを形成してもよい。
【0012】
円筒領域21および管状のろ過領域22はプラグラッパー23で包まれてもよい。フィルター20はタバコロッド15に、フィルター20を取り囲むチッピング紙24を用いて取り付けられてもよい。
図1〜3に示すチッピング紙24はフィルター20よりも僅かに長いため、チッピング紙24がフィルター20の周りを包むと重なりが形成される。この重なりに何らかの形態の接着剤を有してもよく、例えば糊がその内面に塗布され、使用時にタバコ包装紙16の外面に付着してもよい。フィルター20をタバコロッド15に取り付ける当技術分野で既知の他の取り付け手段を用いてもよい。
【0013】
フィルター20は円筒状のろ過領域21と管状のろ過領域22で画定された凹部25を有する。凹部25は吸い口端11から延びて、ほぼ円筒状の挿入式フィルターユニット30を収容するように配置されている。凹部25はフィルター20の長さの少なくとも一部に沿って延びている。収納部25の形状は挿入式フィルターユニット30の形状にぴったり合うように作られていてもよい。
図1〜3に示す実施態様では、円筒状の挿入式フィルターユニット30は凹部25の中空の円筒形状とぴったり合う。凹部25および挿入式フィルターユニット30の長さおよび直径などの寸法は、互いにぴったり合うように選択してもよい。例えば、長さが約13mmで最も広いところで約5mmの直径を有する挿入式フィルターユニット30は、長さが約15mmで直径が5mmより僅かに大きい凹部に挿入して、凹部25と挿入式フィルターユニット30がしっかりと嵌るようにしてもよい。
【0014】
活性炭セクションを含むフィルター20’の実施態様を
図3に示す。この実施態様では円筒状のセクション21がセルロースアセテートなどのフィルター材の領域21Aと活性炭セクション21Bとを含む。フィルター材の領域21Aは長さが約5mmであり、活性炭セクション21Bは特定の実施態様では長さが7mmであってもよい。
【0015】
使用の際、活性炭セクション21Bはフィルター20’を通過する煙流から特定の粒状物と蒸気相成分を除去する。活性炭が粒状物および/または蒸気相成分の除去の効果を有している間、活性炭は望ましくない特定の味を芳香性を付与する可能性がある。使用の際
活性炭セクション21Bの下流に位置するフィルター材領域は、活性炭セクション21Bの活性炭が、フィルター材21Aの下流に位置する材料に望ましくない感覚刺激特性を与えるのを妨げる。
【0016】
図4には上記とは別のフィルター20’’が示されている。この実施態様では、円筒状のフィルター材21を包むチッピング紙24は硬い厚紙様の材料で形成されており、円筒状のフィルター材21の吸い口端を越えて延びていて、挿入式フィルターユニット30を挿入することができる凹部25を形成している。この実施態様では管状のろ過領域22は用いられていない。この硬い厚紙様の材料は、螺旋状にねじれた厚紙の管であってもよい。また別の実施態様では従来の剛性のチッピング紙24を使用してもよく、凹部25に
図4に破線を使用して示す硬い厚紙様の材料から形成されたさらなる管55を設けてもよい。
【0017】
図5は
図1および2を参照して説明したのと実質的に類似するフィルター20’’’および挿入式フィルターユニット30を示している。しかしながら、この実施態様は管状のろ過領域22が
図2に示す管状のろ過領域22より短いという点で上述のものとは異なる。これによりこの実施態様において円筒状の隙間26が管状のろ過領域22および円筒状のろ過領域21の間に設けられる。
【0018】
挿入式フィルターユニット30は長さや直径などの寸法が多様でもよく、多様な寸法の喫煙品と併用してもよい。フィルター20および挿入式フィルターユニット30は、寸法範囲が当技術分野で既知の「極細(superslim)」または「半細(demislim)」から「大
型(king size)」までの種々の喫煙品と併用してもよい。
【0019】
挿入式フィルターユニット30は、ユーザーが喫煙品10を喫煙した際に挿入式フィルターユニット30を通過する煙の感覚刺激特性を変性するために配された添加剤を含んでもよい。
【0020】
当然のことながら、挿入式フィルターユニット30を凹部25に挿入せずに喫煙品10を同じように喫煙してもよい。円筒状のろ過領域21、管状のろ過領域22の材料は、使用者が喫煙品10の吸い口端11を吸ったときに従来の喫煙品の圧力降下に相当する圧力降下をもたらすようなものでもよい。挿入式フィルターユニット30は、挿入式フィルターユニット30がフィルター20の収納部25に挿入されたときに圧力降下を顕著に変えないように配置してもよい。
【0021】
図6は一実施態様による組み立てられた状態にあるほぼ円筒状で閉じた端部を有する中空の挿入式フィルターユニット30を示している。挿入式フィルターユニット30は、その両端に位置する環状列の5つの穴31を有する。これとは別の実施態様では挿入式フィルターユニット30は、挿入式フィルターユニット30の両端に位置する1つの穴または列状に配されたあらゆる好適な数の穴を有してもよい。
【0022】
挿入式フィルターユニット30は第1の直径を有する1つ以上の部分50およびこの第1の直径より小さい第2の直径を有する1つ以上の部分51を含んでもよい。例えば、挿入式フィルターユニット30に中央部分50および中央部分50の両側に中央部分50より小さい直径を有する端部51を設けてもよい。端部51の小さい直径によりユーザーは凹部25の内側に端部を位置させることができる。その後ユーザーは、凹部25内に挿入式フィルターユニット30を押し続ける。広い中央部分50は、凹部の管状の壁と接触し、凹部と挿入式フィルターユニット30がしっかりと嵌るようにする。
【0023】
挿入式フィルターユニット30および凹部25を接触させることにより可聴音またはユ
ーザーが凹部25内にフィルターユニット30を挿入した際にユーザーが感じる触覚的フィードバックなどの感覚的な表示が生じるようにしてもよい。従って、ユーザーに挿入式フィルターユニット30が完全に凹部25内に挿入されたことが示される。
【0024】
挿入式フィルターユニット30は、1つの実施態様において組み立てられた際に長さが約13mm、外径が約5.24mm、内径が約4.93mmであってもよい。複数の穴31はそれぞれ約1mmの直径を有してもよい。しかしながら、当業者であればこれらの寸法は種々の事項を考慮して変えてもよいことを理解するはずである。例えば、挿入式フィルターユニット30の長さおよび直径は、フィルター20および挿入式フィルターユニット30が挿入される凹部25の寸法によって変わる。穴の直径並びに数は、挿入式フィルターユニット30の内容物によって変えてもよい。直径の小さい穴は、小さい単位当たりの大きさの内容物に使用して、内容物の望ましくない放出が生じるのを減少させ、大きな穴は、喫煙品10が喫煙されている間挿入式フィルターユニット30から放出されにくい内容物に使用してもよい。また穴の直径は、圧力降下が従来の喫煙品を喫煙した際に体験される圧力降下に一致させることができるように選択してもよい。
【0025】
挿入式フィルターユニット30は射出成形によって形成してもよく、ポリビニルアルコール(PVOH)を含むプラスチック材から形成してもよいが、他の好適な材料を使用してもよい。挿入式フィルターユニット30を形成するために使用される材料は、透明、不透明または半透明であってもよい。挿入式フィルターユニット30は色つきまたは無色であってもよい。挿入式フィルターユニット30は、印刷によって特徴を付してもよい。挿入式フィルターユニット30にエンボス加工またはデボス加工によって特徴を付してもよい。
【0026】
図7は分解されたまたは組み立てられていない状態の挿入式フィルターユニット30を示している。挿入式フィルターユニット30は、相互に係合可能な受け部分35および挿入部分40を含む。受け部分35および挿入部分40は、受け部分35の係合部分の直径が挿入部分40の係合部分の直径より大きくなるように構成され、これにより挿入式フィルターユニット30が組み立てられる際に受け部分35および挿入部分40の間に重なる部分を形成してもよい。受け部分35および挿入部分40は、両方とも中空であり、組み立てられたときに挿入式フィルターユニット30が
図8に示す円筒状のキャビティー41を画定する。
【0027】
組み立てられていないまたは分解された状態の挿入式フィルターユニット30の断面を
図9に示す。受け部分35には複数の内方円周方向に延びたリッジ45が設けられており、挿入部分40にはこれと協働する複数の外方円周方向に延びたくぼみ46が設けられている。受け部分35の内方円周方向に延びたリッジ45は、挿入部分40の外方円周方向に延びたくぼみ
46と協働して、挿入式フィルターユニット30が組み立てられる際に挿入式フィルターユニット30の受け部分35および挿入部分40の間に締まりばめを形成しやすくしている。
【0028】
挿入式フィルターユニット30は、受け部分35の係合部分と挿入部分40の係合部分が重なるように受け部分35と挿入部分40を共に押し込むことによって組み立てられる。フィルターユニット30が完全に組み立てられると、受け部分35の先行縁部は挿入部分40の肩部47と接触し、内方円周方向に延びたリッジ45は外方円周方向に延びたくぼみ46と係合する。同様に挿入部分40の先行縁部は、挿入式フィルターユニット30が完全に組み立てられると受け部分35の肩部48と接触する。このように係合することによってユーザーに可聴音および触覚的フィードバックを与えるようにしてもよい。このような感覚的表示はユーザーに挿入式フィルターユニット30が組み立てられたことを知らせる。
【0029】
図8は挿入式フィルターユニット30が組み立てられたときの断面を示している。挿入式フィルターユニット30は、煙変性剤の保持に適したキャビティー41を画定している。
【0030】
煙変性剤は、タバコ、薄板状のタバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替え品またはタバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品を組み込んだ非喫煙品などのタバコ産業製品を含んでもよい。
【0031】
煙変性剤はミントまたはコーヒーなどの風味剤を含んでもよい。風味剤は植物の形体で提供してもよい。
【0032】
煙変性剤は活性炭などの吸着剤またはセルロースアセテートなどのタバコ業界で使用されている繊維性ろ過材を含んでもよい。
【0033】
一部の実施態様ではキャビティー41はタバコを含む。タバコは紙巻きタバコ用のタバコロッドを形成するための当業界で知られているのと実質的に類似の方法で処理してもよい。タバコが流れに搬送される際、タバコはキャビティー41の内側に嵌るようにキャビティー41の寸法に対応する所定の大きさを有する部分に切断される。これは挿入式フィルターユニット30に使用されるタバコを既存のタバコ処理方法をほんの僅かに変えるだけで処理できるという利点を有する。
【0034】
挿入式フィルターユニット30は、挿入式フィルターユニット30が挿入される喫煙品10とは別個にユーザーに提供してもよい。喫煙品10を喫煙する前にユーザーは喫煙品10のフィルター20内に挿入式フィルターユニット30を挿入してもよい。
【0035】
これとは別に喫煙品10を挿入式フィルターユニット30が既に挿入された状態でユーザーに提供してもよい。
【0036】
いずれかの場合において、挿入式フィルターユニット30は、フィルター20を形成した後、フィルター20の凹部25内に挿入される。挿入式フィルターユニット30を設けることの利点は、挿入式フィルターユニット30が多種のあらゆる煙変性剤を含むことが可能になり、これにより風味および吸着剤含有物などの種々の特徴を有する喫煙品を喫煙品自体の製造に変更を加えることなく提供することができるということである。
【0037】
図10は挿入式フィルターユニット30が挿入されている喫煙品10を示している。ユーザーは、従来の方法でタバコロッド15の遠位端12に火を付け、喫煙品10を喫煙する。煙はフィルター20を通過し、遠位端に配置された穴31を通って挿入式フィルターユニット30内を通過する。煙の感覚刺激性品質は、挿入式フィルターユニット30の内容物によって変えてもよい。煙は挿入式フィルターユニット30の吸い口端の穴を通ってユーザーの口に入る。
【0038】
本明細書を通して使用されている用語「香味」及び「香味料」は、各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味や香りを製品に加えるために用いることができる材料を指す。そのような材料は、抽出物、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物息消臭剤などのその他の添加剤などが挙げられる。これら材料は模造品、合成または天然成分であってもよく、またはこれらのブレンドであってもよい。これら材料は、例えば油、液体、粉末などの任意の好適な形態であってもよい。
【0039】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れた挿入式フィルターユニットを提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。