特許第6800086号(P6800086)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6800086
(24)【登録日】2020年11月26日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】燃焼機器
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20201207BHJP
   F24C 3/02 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   F24C3/12 K
   F24C3/12 E
   F24C3/02 H
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-86354(P2017-86354)
(22)【出願日】2017年4月25日
(65)【公開番号】特開2018-185088(P2018-185088A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2019年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秦 紳一朗
(72)【発明者】
【氏名】小林 夕翔也
【審査官】 河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−106729(JP,A)
【文献】 特開2003−257603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/02
F24C 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナと、
バーナに供給される燃料の流量を調整可能な流量調整弁と、
ユーザがバーナの火力に関する操作を行う火力操作スイッチと、
火力操作スイッチから入力される火力操作信号に応じて、流量調整弁を制御するマイコンと、
センサと、
センサからの信号に基づいて異常の発生を検知し、異常の発生を検知すると、バーナの火力を低減または制限するように、マイコンへ入力される火力操作信号を制御する安全回路を備える、燃焼機器。
【請求項2】
火力操作スイッチが、ユーザの操作によって導通すると、バーナの火力を下げる火力操作信号をマイコンに入力する火力低減操作スイッチを備えており、
安全回路が、火力低減操作スイッチと並列に接続された強制火力低減スイッチを備えており、
安全回路が、異常の発生を検知すると、強制火力低減スイッチを導通させる、請求項1の燃焼機器。
【請求項3】
安全回路が、異常の発生を検知してから所定時間が経過すると、強制火力低減スイッチを導通から非導通に切り換える、請求項2の燃焼機器。
【請求項4】
火力操作スイッチが、ユーザの操作によって導通すると、バーナの火力を上げる火力操作信号をマイコンに入力する火力増加操作スイッチと、火力増加操作スイッチからマイコンへの火力操作信号の入力を許可する状態と禁止する状態の間で切り換わる入力制御スイッチを備えており、
安全回路が、異常の発生を検知すると、入力制御スイッチを、火力増加操作スイッチからマイコンへの火力操作信号の入力を禁止する状態に切り換える、請求項1から3の何れか一項の燃焼機器。
【請求項5】
センサが、調理容器の側面への炎溢れを検出する紫外線センサを備えている、請求項1から4の何れか一項の燃焼機器。
【請求項6】
調理容器の有無を検出する調理容器検出手段をさらに備えており、
調理容器検出手段で調理容器が検出されない場合に、紫外線センサによる炎溢れの検出を停止する、請求項5の燃焼機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、燃焼機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バーナと、バーナに供給される燃料の流量を調整可能な流量調整弁と、ユーザがバーナの火力に関する操作を行う火力操作スイッチと、火力操作スイッチから入力される火力操作信号に応じて、流量調整弁を制御するマイコンと、センサを備える燃焼機器が開示されている。この燃焼機器では、マイコンが、センサからの信号に基づいて異常の発生を認識し、異常の発生を認識すると、バーナの火力を低減するように、流量調整弁を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−106729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、マイコンが異常の発生を認識して、バーナの火力を低減する処理を行うまでの間に、マイコンでの処理時間が必要となり、数十ミリ秒−百ミリ秒程度の遅延が生じる。異常の発生時に、バーナの火力を速やかに低減または制限することが可能な技術が期待されている。
【0005】
本明細書では、上記の課題を解決する技術を提供する。本明細書では、燃焼機器において、異常の発生時にバーナの火力を速やかに低減または制限することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する燃焼機器は、バーナと、バーナに供給される燃料の流量を調整可能な流量調整弁と、ユーザがバーナの火力に関する操作を行う火力操作スイッチと、火力操作スイッチから入力される火力操作信号に応じて、流量調整弁を制御するマイコンと、センサと、センサからの信号に基づいて異常の発生を検知し、異常の発生を検知すると、バーナの火力を低減または制限するように、マイコンへ入力される火力操作信号を制御する安全回路を備えている。
【0007】
上記の構成によれば、安全回路が、センサからの信号に基づいて異常の発生を検知し、異常の発生を検知すると、バーナの火力を低減または制限するように、マイコンへ入力される火力操作信号を制御する。マイコンは、火力操作信号に応じて、流量調整弁を制御する処理を行うのみであり、この処理は短時間で行うことが可能である。上記の構成によれば、異常の発生時にバーナの火力を速やかに低減または制限することができる。
【0008】
上記の燃焼機器は、火力操作スイッチが、ユーザの操作によって導通すると、バーナの火力を下げる火力操作信号をマイコンに入力する火力低減操作スイッチを備えていてもよく、安全回路が、火力低減操作スイッチと並列に接続された強制火力低減スイッチを備えていてもよく、安全回路が、異常の発生を検知すると、強制火力低減スイッチを導通させてもよい。
【0009】
上記の構成では、安全回路が、異常の発生を検知した場合に、強制火力低減スイッチを導通することで、マイコンに、火力低減操作スイッチが導通した場合と同様に、バーナの火力を下げる火力操作信号を入力することができる。異常の発生時に、バーナの火力を速やかに低減することができる。
【0010】
上記の燃焼機器では、安全回路が、異常の発生を検知してから所定時間が経過すると、強制火力低減スイッチを導通から非導通に切り換えてもよい。
【0011】
安全回路が、異常の発生を検知した後、強制火力低減スイッチを導通したままとしてしまうと、それ以上バーナの火力を下げることができなくなってしまう。上記の構成によれば、安全回路が、異常の発生を検知してから所定時間が経過すると、強制火力低減スイッチを導通から非導通に切り換えるので、さらにバーナの火力を下げる必要がある場合に、再び強制火力低減スイッチを非導通から導通に切り換えることができ、さらにバーナの火力を下げることができる。
【0012】
上記の燃焼機器は、火力操作スイッチが、ユーザの操作によって導通すると、バーナの火力を上げる火力操作信号をマイコンに入力する火力増加操作スイッチと、火力増加操作スイッチからマイコンへの火力操作信号の入力を許可する状態と禁止する状態の間で切り換わる入力制御スイッチを備えていてもよく、安全回路が、異常の発生を検知すると、入力制御スイッチを、火力増加操作スイッチからマイコンへの火力操作信号の入力を禁止する状態に切り換えてもよい。
【0013】
上記の構成では、安全回路が、異常の発生を検知した場合に、入力制御スイッチを切り換えて、火力増加操作スイッチからマイコンへの火力操作信号の入力を禁止する。異常の発生時に、バーナの火力をそれ以上増加させないように、速やかに制限することができる。
【0014】
上記の燃焼機器では、センサが、調理容器の側面への炎溢れを検出する紫外線センサを備えていてもよい。
【0015】
上記の構成では、調理容器の側面への炎溢れが生じた場合に、バーナの火力を速やかに低減または制限することができる。
【0016】
上記の燃焼機器は、調理容器の有無を検出する調理容器検出手段をさらに備えていてもよく、調理容器検出手段で調理容器が検出されない場合に、紫外線センサによる炎溢れの検出を停止してもよい。
【0017】
紫外線センサにより調理容器の側面の炎溢れを検出する構成では、ユーザが鍋ふり調理を行っている場合や、調理容器を用いずに直火で調理を行っている場合に、通常のバーナの炎を調理容器の側面の炎溢れと誤って検出するおそれがある。上記の構成によれば、調理容器検出手段で調理容器が検出されない場合に、紫外線センサによる炎溢れの検出を停止するので、ユーザが鍋ふり調理を行っている場合や、調理容器を用いずに直火で調理を行っている場合に、紫外線センサが炎溢れと誤って検出することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例に係る燃焼機器2の概略の構成を示す。
図2】実施例に係る燃焼機器2の一部の回路構成を示す。
図3】実施例に係る燃焼機器2の別の一部の回路構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施例)
図1に示す本実施例の燃焼機器2は、上部に配置された第1コンロ4、第2コンロ6および第3コンロ8と、内部に配置されたグリル庫10を備える、調理用のガスコンロである。
【0020】
第1コンロ4には、第1コンロバーナ12と、第1コンロバーナ12に点火する第1コンロ点火装置14と、第1コンロバーナ12の着火を検知する第1コンロ着火検知器16と、第1コンロ4に載置される鍋等の調理容器の底面に当接して、調理容器の有無および調理容器の底面の温度を検知する第1コンロ鍋底センサ18と、第1コンロ4に載置された調理容器の側面への炎溢れを検知する第1コンロ紫外線センサ20が設けられている。第2コンロ6には、第2コンロバーナ22と、第2コンロバーナ22に点火する第2コンロ点火装置24と、第2コンロバーナ22の着火を検知する第2コンロ着火検知器26と、第2コンロ6に載置される鍋等の調理容器の底面に当接して、調理容器の有無および調理容器の底面の温度を検知する第2コンロ鍋底センサ28と、第2コンロ6に載置された調理容器の側面への炎溢れを検知する第2コンロ紫外線センサ30が設けられている。第3コンロ8には、第3コンロバーナ32と、第3コンロバーナ32に点火する第3コンロ点火装置34と、第3コンロバーナ32の着火を検知する第3コンロ着火検知器36と、第3コンロ8に載置される鍋等の調理容器の底面に当接して、調理容器の有無および調理容器の底面の温度を検知する第3コンロ鍋底センサ38と、第3コンロ8に載置された調理容器の側面への炎溢れを検知する第3コンロ紫外線センサ40が設けられている。
【0021】
グリル庫10には、グリル庫10の内部において上部から下方に向けて炎を燃焼させるグリル上部バーナ42と、グリル上部バーナ42に点火するグリル上部点火装置44と、グリル上部バーナ42の着火を検知するグリル上部着火検知器46と、グリル庫10の内部において下部から上方に向けて炎を燃焼させる第1グリル下部バーナ48および第2グリル下部バーナ50と、第1グリル下部バーナ48に点火する第1グリル下部点火装置52と、第2グリル下部バーナ50に点火する第2グリル下部点火装置54と、第1グリル下部バーナ48の着火を検知する第1グリル下部着火検知器56と、第2グリル下部バーナ50の着火を検知する第2グリル下部着火検知器58と、グリル庫10内の温度を検知するグリル温度検知器60が設けられている。
【0022】
燃焼機器2には、ガス供給路62を介して、都市ガス、プロパンガス等の燃料ガスが供給される。ガス供給路62には、ガス供給路62を開閉する主開閉弁64が介装されている。ガス供給路62は、第1コンロガス供給路66と、第2コンロガス供給路68と、第3コンロガス供給路70と、グリルガス供給路72に分岐している。
【0023】
第1コンロガス供給路66は、第1コンロバーナ12に燃料ガスを供給する。第1コンロガス供給路66には、第1コンロガス供給路66を開閉する第1コンロ開閉弁74と、第1コンロガス供給路66を流れる燃料ガスの流量を調整する第1コンロ流量調整弁76が介装されている。第2コンロガス供給路68は、第2コンロバーナ22に燃料ガスを供給する。第2コンロガス供給路68には、第2コンロガス供給路68を開閉する第2コンロ開閉弁78と、第2コンロガス供給路68を流れる燃料ガスの流量を調整する第2コンロ流量調整弁80が介装されている。第3コンロガス供給路70は、第3コンロバーナ32に燃料ガスを供給する。第3コンロガス供給路70には、第3コンロガス供給路70を開閉する第3コンロ開閉弁82と、第3コンロガス供給路70を流れる燃料ガスの流量を調整する第3コンロ流量調整弁84が介装されている。
【0024】
グリルガス供給路72には、グリルガス供給路72を開閉するグリル開閉弁86が介装されている。グリルガス供給路72は、グリル上部ガス供給路88と、グリル下部ガス供給路90に分岐している。グリル上部ガス供給路88は、グリル上部バーナ42に燃料ガスを供給する。グリル上部ガス供給路88には、グリル上部ガス供給路88を流れる燃料ガスの流量を調整するグリル上部流量調整弁92が介装されている。グリル下部ガス供給路90は、第1グリル下部ガス供給路94と、第2グリル下部ガス供給路96に分岐している。第1グリル下部ガス供給路94は、第1グリル下部バーナ48に燃料ガスを供給する。第2グリル下部ガス供給路96は、第2グリル下部バーナ50に燃料ガスを供給する。グリル下部ガス供給路90には、グリル下部ガス供給路90を流れる燃料ガスの流量を調整するグリル下部流量調整弁98が介装されている。
【0025】
主開閉弁64、第1コンロ開閉弁74、第2コンロ開閉弁78、第3コンロ開閉弁82、グリル開閉弁86は、ソレノイドによって弁体を開放位置と閉鎖位置の間で移動させる電磁弁である。第1コンロ流量調整弁76、第2コンロ流量調整弁80、第3コンロ流量調整弁84、グリル上部流量調整弁92、グリル下部流量調整弁98は、ステッピングモータによって弁体の開度を調整する電動弁である。なお、第1コンロ流量調整弁76、第2コンロ流量調整弁80、第3コンロ流量調整弁84、グリル上部流量調整弁92、グリル下部流量調整弁98としては、ユーザの操作に連動するメカニカルバルブと、ラッチ式開閉弁の組み合わせによって、燃料ガスの流量を調整するものであってもよい。
【0026】
燃焼機器2はさらに、マイコン100と、第1コンロ4での加熱のオン/オフ操作や、第1コンロ4での火力の増減操作を行う第1コンロ操作スイッチ102と、第1コンロ操作スイッチ102に対応して設けられた第1コンロ安全回路104と、第2コンロ6での加熱のオン/オフ操作や、第2コンロ6での火力の増減操作を行う第2コンロ操作スイッチ106と、第2コンロ操作スイッチ106に対応して設けられた第2コンロ安全回路108と、第3コンロ8での加熱のオン/オフ操作や、第3コンロ8での火力の増減操作を行う第3コンロ操作スイッチ110と、第3コンロ操作スイッチ110に対応して設けられた第3コンロ安全回路112と、グリル庫10での加熱のオン/オフ操作や、グリル庫10での火力の増減操作を行うグリル操作スイッチ114を備えている。第1コンロ操作スイッチ102、第2コンロ操作スイッチ106、第3コンロ操作スイッチ110およびグリル操作スイッチ114は、ユーザが手動で操作可能である。
【0027】
マイコン100は、第1コンロ4が消火している状態で、第1コンロ操作スイッチ102から、第1コンロ4での加熱をオンにする信号が入力されると、主開閉弁64、第1コンロ開閉弁74を開くとともに、第1コンロ点火装置14を用いて第1コンロ4に点火する。マイコン100は、第1コンロ4が点火している状態で、第1コンロ操作スイッチ102から、第1コンロ4での火力を増加または低減する信号が入力されると、第1コンロ流量調整弁76の開度を増加または低減させて、第1コンロ4での火力を増加または低減させる。マイコン100は、第1コンロ4が点火している状態で、第1コンロ操作スイッチ102から、第1コンロ4での加熱をオフにする信号が入力されると、主開閉弁64、第1コンロ開閉弁74を閉じて、第1コンロ4を消火する。マイコン100は、第2コンロ6、第3コンロ8、グリル庫10における点火、火力の増減、消火についても、第1コンロ4と同様の制御を行う。
【0028】
図2および図3は、マイコン100と、第1コンロ操作スイッチ102と、第1コンロ安全回路104と、第1コンロ着火検知器16と、第1コンロ鍋底センサ18と、第1コンロ紫外線センサ20の回路構成を示している。
【0029】
図2に示すように、マイコン100の第1コモン出力は、第1コンロ操作スイッチ102のNOT回路200に入力される。NOT回路200は、NPNトランジスタを用いたNOT回路である。NOT回路200の出力は、抵抗器202を介して、FET204のゲート端子に接続されている。FET204は、P型チャネルのFETである。FET204のゲート端子は、抵抗器206を介して、第1電源電位(例えば12V)に接続されている。FET204のソース端子は、第1電源電位に接続されている。FET204のドレイン端子とソース端子の間には、逆並列ダイオード208が接続されている。FET204のドレイン端子は、火力低減操作スイッチ210の一端に接続されている。火力低減操作スイッチ210は、ユーザの操作に応じて、導通と非導通の間で切り換わる。火力低減操作スイッチ210の他端は、ダイオード212のアノードに接続されている。ダイオード212のカソードは、NOT回路214の入力に接続されている。NOT回路214は、NPNトランジスタを用いたNOT回路である。NOT回路214の出力は、抵抗器216を介して、第2電源電位(例えば5V)に接続されている。また、NOT回路214の出力は、抵抗器218を介して、マイコン100の第1スイッチ入力に接続されている。
【0030】
マイコン100が第1コモン出力にL電位(例えば0V)を出力している場合、FET204はオフとなっており、火力低減操作スイッチ210の一端と第1電源電位は非導通となっている。この場合、火力低減操作スイッチ210の導通/非導通に関わらず、マイコン100の第1スイッチ入力にはH電位(例えば5V)が入力される。マイコン100が第1コモン出力にH電位(例えば5V)を出力すると、FET204がオンとなり、火力低減操作スイッチ210の一端に第1電源電位が導通する。この場合、火力低減操作スイッチ210が導通すると、マイコン100の第1スイッチ入力にはL電位(例えば0V)が入力され、火力低減操作スイッチ210が非導通となると、マイコン100の第1スイッチ入力にはH電位(例えば5V)が入力される。マイコン100は、第1スイッチ入力がH電位からL電位に切り換わるたびに、火力低減操作スイッチ210の操作が行われたと認識して、第1コンロ流量調整弁76の開度を一段階低減させる。これによって、第1コンロ4の火力が一段階低減する。
【0031】
マイコン100の第2コモン出力は、第1コンロ操作スイッチ102のNOT回路220に入力される。NOT回路220は、NPNトランジスタを用いたNOT回路である。NOT回路220の出力は、抵抗器222を介して、FET224のゲート端子に接続されている。FET224は、P型チャネルのFETである。FET224のゲート端子は、抵抗器226を介して、第1電源電位(例えば12V)に接続されている。FET224のソース端子は、第1電源電位に接続されている。FET224のドレイン端子とソース端子の間には、逆並列ダイオード228が接続されている。FET224のドレイン端子は、火力増加操作スイッチ230の一端に接続されている。火力増加操作スイッチ230は、ユーザの操作に応じて、導通と非導通の間で切り換わる。火力増加操作スイッチ230の他端は、ダイオード232のアノードに接続されている。ダイオード232のカソードは、トランジスタ234のエミッタ端子に接続されている。トランジスタ234は、PNP型のトランジスタである。トランジスタ234のコレクタ端子は、NOT回路236の入力に接続されている。NOT回路236は、NPNトランジスタを用いたNOT回路である。NOT回路236の出力は、抵抗器238を介して、第2電源電位(例えば5V)に接続されている。また、NOT回路236の出力は、抵抗器240を介して、マイコン100の第2スイッチ入力に接続されている。
【0032】
マイコン100が第2コモン出力にL電位(例えば0V)を出力している場合、FET224はオフとなっており、火力増加操作スイッチ230の一端と第1電源電位は非導通となっている。この場合、火力増加操作スイッチ230の導通/非導通や、トランジスタ234のオン/オフに関わらず、マイコン100の第2スイッチ入力にはH電位(例えば5V)が入力される。マイコン100が第2コモン出力にH電位(例えば5V)を出力すると、FET224がオンとなり、火力増加操作スイッチ230の一端に第1電源電位が導通する。この際に、トランジスタ234がオンとなっており、かつ火力増加操作スイッチ230が導通すると、マイコン100の第2スイッチ入力にはL電位(例えば0V)が入力され、それ以外の場合には、マイコン100の第2スイッチ入力にはH電位(例えば5V)が入力される。マイコン100は、第2スイッチ入力がH電位からL電位に切り換わるたびに、火力増加操作スイッチ230の操作が行われたと認識して、第1コンロ流量調整弁76の開度を一段階増加させる。これによって、第1コンロ4の火力が一段階増加する。
【0033】
図3に示すように、第1コンロ紫外線センサ20は、第3電源電位(例えば3.3V)と、接地電位(例えば0V)に接続されている。第1コンロ紫外線センサ20は、第1コンロ4に載置された調理容器の側面への炎溢れを検知すると、L電位(例えば0V)を出力し、それ以外の場合には、H電位(例えば3.3V)を出力する。第1コンロ紫外線センサ20には、マイコン100の紫外線センサ制御出力から、検知開始または検知停止を指示する信号が入力される。第1コンロ紫外線センサ20は、マイコン100から検知開始を指示されると、炎溢れの検知を行い、マイコン100から検知停止を指示されると、炎溢れの検知を行わない。炎溢れの検知を行わない場合、第1コンロ紫外線センサ20は、常にH電位(例えば3.3V)を出力する。
【0034】
第1コンロ安全回路104は、異常検知部242と、スイッチ制御部244と、リセット部246を備えている。第1コンロ紫外線センサ20の出力は、異常検知部242のNOT回路248の入力に接続されている。NOT回路248の入力は、抵抗器250を介して第3電源電位にも接続されている。NOT回路248は、PNP型トランジスタを用いたNOT回路である。NOT回路248の出力は、可変抵抗器252を介して接地電位に接続されている。また、NOT回路248の出力は、可変抵抗器254とキャパシタ256を介して、接地電位に接続されている。可変抵抗器254とキャパシタ256の接続点は、オペアンプ258の非反転入力端子に接続されている。オペアンプ258の反転入力端子は、抵抗器260を介して第3電源電位に接続されているとともに、抵抗器262を介して接地電位に接続されている。オペアンプ258の出力端子は、抵抗器264とキャパシタ266を介して、接地電位に接続されている。抵抗器264とキャパシタ266の接続点は、異常検知部242からの出力として、マイコン100の異常検知入力に接続されているとともに、スイッチ制御部244と、リセット部246に入力される。
【0035】
第1コンロ紫外線センサ20が炎溢れを検出しておらず、H電位を出力している場合、NOT回路248はL電位を出力しており、キャパシタ256には電荷が蓄積されていない。この場合、オペアンプ258の非反転入力端子にはL電位が入力される。オペアンプ258の反転入力端子には、第3電源電位と接地電位の電位差を抵抗器260と抵抗器262で分圧した電圧が、しきい値電圧として入力されている。このため、オペアンプ258の非反転入力端子にL電位が入力されている場合、オペアンプ258の出力端子はL電位となり、異常検知部242はL電位を出力している。
【0036】
第1コンロ紫外線センサ20が炎溢れを検出して、L電位を出力すると、NOT回路248はH電位を出力し、キャパシタ256への充電が行われる。キャパシタ256へ充電が行われている状態で、第1コンロ紫外線センサ20で炎溢れが検出されなくなり、H電位が出力されると、NOT回路248はL電位を出力し、キャパシタ256から放電が行われる。キャパシタ256における充放電の速度は、可変抵抗器252と可変抵抗器254の抵抗値を調整することで、調整可能である。第1コンロ紫外線センサ20で継続的に炎溢れが検出されて、キャパシタ256から放電されることなく充電が進むと、オペアンプ258の非反転入力端子にしきい値電圧を超える電圧が入力される。これによって、オペアンプ258がH電位を出力して、異常検知部242からはH電位が出力される。
【0037】
異常検知部242の出力は、スイッチ制御部244のNOT回路268に入力される。NOT回路268は、NPNトランジスタを用いたNOT回路である。NOT回路268の出力は、第1リレー270のコイル272の一端に接続されている。第1リレー270は、コイル272に通電がされると、スイッチ274を導通し、コイル272に通電がされないと、スイッチ274を非導通とする。コイル272の他端は、第1電源電位(例えば12V)に接続されている。コイル272の一端は、ダイオード276のアノードに接続されており、コイル272の他端は、ダイオード276のカソードに接続されている。スイッチ274は、第1コンロ操作スイッチ102の火力低減操作スイッチ210と並列に接続されている(図2参照)。すなわち、スイッチ274の一端は、火力低減操作スイッチ210の一端に接続されており、スイッチ274の他端は、火力低減操作スイッチ210の他端に接続されている。
【0038】
異常検知部242からの出力がL電位である場合、NOT回路268はH電位を出力するので、第1リレー270のコイル272への通電がされず、スイッチ274は非導通となっている。異常検知部242からの出力がH電位となると、NOT回路268はL電位を出力するので、第1リレー270のコイル272への通電がされて、スイッチ274が導通する。スイッチ274が導通すると、ユーザが火力低減操作スイッチ210を操作していないにも関わらず、火力低減操作スイッチ210が操作された場合と同様に、マイコン100への第1スイッチ入力がH電位からL電位に切り替わる。これによって、マイコン100は、火力低減操作スイッチ210の操作が行われたと認識して、第1コンロ流量調整弁76の開度を一段階低減させる。これによって、第1コンロ4の火力が一段階低減する。スイッチ274は、強制火力低減スイッチということができる。
【0039】
異常検知部242において、NOT回路268の出力は、第2リレー278のコイル280の一端にも接続されている。第2リレー278は、コイル280に通電がされると、スイッチ282を導通し、コイル280に通電がされないと、スイッチ282を非導通とする。コイル280の他端は、第1電源電位(例えば12V)に接続されている。コイル280の一端は、ダイオード284のアノードに接続されており、コイル280の他端は、ダイオード284のカソードに接続されている。スイッチ282の一端は、第3電源電位(例えば3.3V)に接続されており、スイッチ282の他端は、ラッチ回路286に接続されている。ラッチ回路286は、第1コンロ操作スイッチ102のトランジスタ234のゲート端子に接続している(図2参照)。また、ラッチ回路286には、第1コンロ着火検知器16が接続されている。第1コンロ着火検知器16の出力は、マイコン100の着火検知入力に入力されるとともに、ラッチ回路286にも入力される。
【0040】
異常検知部242からの出力がL電位である場合、NOT回路268はH電位を出力するので、第2リレー278のコイル280への通電がされず、スイッチ282は非導通となっている。この場合、ラッチ回路286は、トランジスタ234のゲート端子にL電位を出力しており、トランジスタ234はオンとなっている。この状態で、火力増加操作スイッチ230をユーザが操作すると、マイコン100の第2スイッチ入力がH電位からL電位に切り換わり、マイコン100は火力増加操作スイッチ230の操作を認識して、第1コンロ流量調整弁76の開度を一段階増加させる。これによって、第1コンロ4の火力が一段階増加する。
【0041】
異常検知部242からの出力がH電位となると、NOT回路268はL電位を出力するので、第2リレー278のコイル280への通電がされて、スイッチ282が導通する。スイッチ282が導通すると、ラッチ回路286がトランジスタ234のゲート端子にH電位を出力する。これによって、トランジスタ234がオフとなり、火力増加操作スイッチ230をユーザが操作しても、マイコン100の第2スイッチ入力がL電位に切り換わることがなく、マイコン100は火力増加操作スイッチ230の操作を認識しなくなる。トランジスタ234は、火力増加操作スイッチ230からマイコン100への信号の入力を許可する状態と禁止する状態の間で切り換わる入力制御スイッチということができる。
【0042】
ラッチ回路286は、いったんスイッチ282が導通してトランジスタ234をオフとすると、その後にスイッチ282が非導通となっても、トランジスタ234をオフとした状態を維持する。ラッチ回路286は、トランジスタ234をオフとした状態で、第1コンロ着火検知器16から第1コンロバーナ12が消火したことを示す信号を受信すると、ラッチを解除して、トランジスタ234のゲート端子にL電位を出力する。これによって、トランジスタ234がオンとなり、マイコン100は再びユーザによる火力増加操作スイッチ230の操作を認識するようになる。
【0043】
異常検知部242の出力は、リセット部246のNOT回路288にも入力される。NOT回路288は、NPNトランジスタを用いたNOT回路である。NOT回路288の出力は、NOT回路290の入力に接続されている。NOT回路290は、PNP型トランジスタを用いたNOT回路である。NOT回路290の出力は、可変抵抗器292を介して接地電位に接続されている。また、NOT回路290の出力は、可変抵抗器294とキャパシタ296を介して、接地電位に接続されている。可変抵抗器294とキャパシタ296の接続点は、オペアンプ298の非反転入力端子に接続されている。オペアンプ298の反転入力端子は、抵抗器300を介して第3電源電位に接続されているとともに、抵抗器302を介して接地電位に接続されている。オペアンプ298の出力端子は、NOT回路304の入力に接続されている。NOT回路304は、NPNトランジスタを用いたNOT回路である。NOT回路304の出力は、抵抗器306を介して、異常検知部242の可変抵抗器254とキャパシタ256の接続点に接続されている。
【0044】
異常検知部242からの出力がL電位である場合、NOT回路288はH電位を出力し、NOT回路290はL電位を出力するので、キャパシタ296には電荷が蓄積されていない。この場合、オペアンプ298の非反転入力端子にはL電位が入力される。オペアンプ298の反転入力端子には、第3電源電位と接地電位の電位差を抵抗器300と抵抗器302で分圧した電圧が、しきい値電圧として入力されている。このため、オペアンプ298の非反転入力端子にL電位が入力されている場合、オペアンプ298の出力端子はL電位となり、NOT回路304はH電位を出力する。
【0045】
異常検知部242からの出力がH電位となると、NOT回路288はL電位を出力し、NOT回路290はH電位を出力するので、キャパシタ296への充電が行われる。キャパシタ296における充電の速度は、可変抵抗器292と可変抵抗器294の抵抗値を調整することで、調整可能である。異常検知部242が継続的にH電位を出力し続けて、キャパシタ296への充電が進むと、オペアンプ298の非反転入力端子にしきい値電圧を超える電圧が入力される。これによって、オペアンプ298の出力端子がH電位となり、NOT回路304がL電位を出力する。これによって、キャパシタ256から抵抗器306への放電がなされて、異常検知部242からはL電位が出力される。
【0046】
上述したように、異常検知部242からの出力がH電位となると、スイッチ制御部244が火力低減操作スイッチ210に並列に接続されたスイッチ274を導通させて、マイコン100に、火力低減操作スイッチ210の操作が行われた場合と同様に、第1コンロ4の火力を一段階低減する処理を実行させる。仮に、第1コンロ安全回路104がリセット部246を備えていない場合、その後も炎溢れが継続して検出される場合でも、スイッチ274が導通したままとなり、マイコン100に、さらに第1コンロ4の火力を低減する処理を実行させることができなくなってしまう。
【0047】
これに対して、本実施例の燃焼機器2では、異常検知部242からの出力がH電位となり、スイッチ制御部244がスイッチ274を導通させて、マイコン100に、第1コンロ4の火力を一段階低減する処理を実行させた後も、所定時間にわたって炎溢れが継続して検出されると、リセット部246が異常検知部242のキャパシタ256を放電させる。これによって、異常検知部242からの出力が一時的にL電位となり、スイッチ274が非導通となる。その後も炎溢れが継続して検出されると、異常検知部242からの出力が再びH電位となり、スイッチ274が再び導通となって、マイコン100に、第1コンロ4の火力をさらに一段階低減する処理を実行させる。このような構成とすることによって、炎溢れが検出されない火力となるまで、第1コンロ4の火力を繰り返し低減させることができる。
【0048】
マイコン100には、第1コンロ鍋底センサ18から、調理容器の有無についての検出信号が入力される。ユーザが鍋ふりを行う場合や、調理容器を用いずに直火で調理する場合など、調理容器が載置されていない状況では、第1コンロ紫外線センサ20が、第1コンロバーナ12の通常の炎を、調理容器の側面の炎溢れと誤って検出するおそれがある。そこで、本実施例の燃焼機器2では、マイコン100は、第1コンロ鍋底センサ18で調理容器が検出されない場合に、第1コンロ紫外線センサ20に炎溢れの検知停止を指示する。これによって、ユーザが鍋ふりを行う場合や、調理容器を用いずに直火で調理する場合について、第1コンロ紫外線センサ20が炎溢れと誤って検出することを防止することができる。
【0049】
以上のように、本実施例の燃焼機器2は、第1コンロバーナ12と、第1コンロバーナ12に供給される燃料の流量を調整可能な第1コンロ流量調整弁76と、ユーザが第1コンロバーナ12の火力に関する操作を行う第1コンロ操作スイッチ102と、第1コンロ操作スイッチ102から入力される火力操作信号に応じて、第1コンロ流量調整弁76を制御するマイコン100と、第1コンロ紫外線センサ20と、第1コンロ紫外線センサ20からの信号に基づいて異常の発生を検知し、異常の発生を検知すると、第1コンロバーナ12の火力を低減または制限するように、マイコン100へ入力される火力操作信号を制御する第1コンロ安全回路104を備えている。
【0050】
本実施例の燃焼機器2では、第1コンロ操作スイッチ102が、ユーザの操作によって導通すると、第1コンロバーナ12の火力を下げる火力操作信号をマイコン100に入力する火力低減操作スイッチ210を備えており、第1コンロ安全回路104が、火力低減操作スイッチ210と並列に接続されたスイッチ274を備えており、第1コンロ安全回路104が、異常の発生を検知すると、スイッチ274を導通させる。
【0051】
本実施例の燃焼機器2では、第1コンロ安全回路104が、異常の発生を検知してから所定時間が経過すると、スイッチ274を導通から非導通に切り換える。
【0052】
本実施例の燃焼機器2では、第1コンロ操作スイッチ102が、ユーザの操作によって導通すると、第1コンロバーナ12の火力を上げる火力操作信号をマイコン100に入力する火力増加操作スイッチ230と、火力増加操作スイッチ230からマイコン100への火力操作信号の入力を許可する状態と禁止する状態の間で切り換わるトランジスタ234を備えており、第1コンロ安全回路104が、異常の発生を検知すると、トランジスタ234を、火力増加操作スイッチ230からマイコン100への火力操作信号の入力を禁止する状態に切り換える。
【0053】
本実施例の燃焼機器2では、第1コンロ紫外線センサ20が、調理容器の側面への炎溢れを検出する紫外線センサである。
【0054】
本実施例の燃焼機器2では、調理容器の有無を検出する第1コンロ鍋底センサ18をさらに備えており、第1コンロ鍋底センサ18で調理容器が検出されない場合に、第1コンロ紫外線センサ20による炎溢れの検出を停止する。
【0055】
なお、図2および図3に示す、第1コンロ操作スイッチ102、異常検知部242、スイッチ制御部244、リセット部246の具体的な回路構成は、同様の動作を行うものであれば、他の回路構成で置き換えられてもよい。
【0056】
例えば、図3に示すスイッチ制御部244の第1リレー270は、半導体スイッチング素子によって置き換えられてもよい。この場合、半導体スイッチング素子は、異常検知部242がL電位を出力する場合に、火力低減操作スイッチ210の一端と他端の間を非導通とし、異常検知部242がH電位を出力する場合に、火力低減操作スイッチ210の一端と他端の間を導通とするものであれば、どのようなものを用いてもよい。同様に、スイッチ制御部244の第2リレー278は、半導体スイッチング素子によって置き換えられてもよい。この場合、半導体スイッチング素子は、異常検知部242がL電位を出力する場合に、第3電源電位とラッチ回路286の間を非導通とし、異常検知部242がH電位を出力する場合に、第3電源電位とラッチ回路286の間を導通とするものであれば、どのようなものを用いてもよい。
【0057】
図2および図3に示す回路構成において、スイッチ制御部244が、第2リレー278、ダイオード284、ラッチ回路286を備えておらず、第1コンロ操作スイッチ102がトランジスタ234を備えていない構成としてもよい。あるいは、図2および図3に示す回路構成において、スイッチ制御部244が、第1リレー270、ダイオード276を備えていない構成としてもよい。
【0058】
図2および図3では、燃焼機器2において、第1コンロ4に関連する部分、すなわち、マイコン100と、第1コンロ操作スイッチ102と、第1コンロ安全回路104と、第1コンロ着火検知器16と、第1コンロ鍋底センサ18と、第1コンロ紫外線センサ20の回路構成について説明した。燃焼機器2において、第2コンロ6に関連する部分、すなわち、マイコン100と、第2コンロ操作スイッチ106と、第2コンロ安全回路108と、第2コンロ着火検知器26と、第2コンロ鍋底センサ28と、第2コンロ紫外線センサ30の回路構成や、第3コンロ8に関連する部分、すなわち、マイコン100と、第3コンロ操作スイッチ110と、第3コンロ安全回路112と、第3コンロ着火検知器36と、第3コンロ鍋底センサ38と、第3コンロ紫外線センサ40の回路構成は、上記と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0059】
上記の構成において、第1コンロ紫外線センサ20、第2コンロ紫外線センサ30、第3コンロ紫外線センサ40の代わりに、別のセンサによって異常の発生を検知する構成としてもよい。例えば、第1コンロ鍋底センサ18、第2コンロ鍋底センサ28、第3コンロ鍋底センサ38で検出される調理容器の底面の温度が所定温度を超える場合に、異常の発生を検知する構成としてもよい。あるいは、燃焼機器2の近傍にユーザが存在しているか否かを検知する人感センサを燃焼機器2に設けておいて、ユーザが不在となると異常の発生を検知する構成としてもよい。あるいは、燃焼機器2に感震センサを設けておいて、地震などによる振動を検知すると、異常の発生を検知する構成としてもよい。
【0060】
上記の実施例において、グリル温度検知器60で検出されるグリル庫10内の温度が所定温度を超える場合に、異常の発生を検知して、グリル上部バーナ42、第1グリル下部バーナ48および第2グリル下部バーナ50の火力を低減または制限するように、マイコン100へ入力される火力操作信号を制御するグリル安全回路(図示せず)を別途設けてもよい。
【0061】
あるいは、上記の実施例において、グリル排気口からの炎溢れを検知するグリル排気口紫外線センサ(図示せず)と、グリル排気口紫外線センサからの信号に基づいて異常の発生を検知し、異常の発生を検知すると、グリル上部バーナ42、第1グリル下部バーナ48および第2グリル下部バーナ50の火力を低減または制限するように、マイコン100へ入力される火力操作信号を制御するグリル安全回路(図示せず)を別途設けてもよい。
【0062】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0063】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0064】
2 :燃焼機器
4 :第1コンロ
6 :第2コンロ
8 :第3コンロ
10 :グリル庫
12 :第1コンロバーナ
14 :第1コンロ点火装置
16 :第1コンロ着火検知器
18 :第1コンロ鍋底センサ
20 :第1コンロ紫外線センサ
22 :第2コンロバーナ
24 :第2コンロ点火装置
26 :第2コンロ着火検知器
28 :第2コンロ鍋底センサ
30 :第2コンロ紫外線センサ
32 :第3コンロバーナ
34 :第3コンロ点火装置
36 :第3コンロ着火検知器
38 :第3コンロ鍋底センサ
40 :第3コンロ紫外線センサ
42 :グリル上部バーナ
44 :グリル上部点火装置
46 :グリル上部着火検知器
48 :第1グリル下部バーナ
50 :第2グリル下部バーナ
52 :第1グリル下部点火装置
54 :第2グリル下部点火装置
56 :第1グリル下部着火検知器
58 :第2グリル下部着火検知器
60 :グリル温度検知器
62 :ガス供給路
64 :主開閉弁
66 :第1コンロガス供給路
68 :第2コンロガス供給路
70 :第3コンロガス供給路
72 :グリルガス供給路
74 :第1コンロ開閉弁
76 :第1コンロ流量調整弁
78 :第2コンロ開閉弁
80 :第2コンロ流量調整弁
82 :第3コンロ開閉弁
84 :第3コンロ流量調整弁
86 :グリル開閉弁
88 :グリル上部ガス供給路
90 :グリル下部ガス供給路
92 :グリル上部流量調整弁
94 :第1グリル下部ガス供給路
96 :第2グリル下部ガス供給路
98 :グリル下部流量調整弁
100 :マイコン
102 :第1コンロ操作スイッチ
104 :第1コンロ安全回路
106 :第2コンロ操作スイッチ
108 :第2コンロ安全回路
110 :第3コンロ操作スイッチ
112 :第3コンロ安全回路
114 :グリル操作スイッチ
200 :NOT回路
202 :抵抗器
204 :FET
206 :抵抗器
208 :逆並列ダイオード
210 :火力低減操作スイッチ
212 :ダイオード
214 :NOT回路
216 :抵抗器
218 :抵抗器
220 :NOT回路
222 :抵抗器
224 :FET
226 :抵抗器
228 :逆並列ダイオード
230 :火力増加操作スイッチ
232 :ダイオード
234 :トランジスタ
236 :NOT回路
238 :抵抗器
240 :抵抗器
242 :異常検知部
244 :スイッチ制御部
246 :リセット部
248 :NOT回路
250 :抵抗器
252 :可変抵抗器
254 :可変抵抗器
256 :キャパシタ
258 :オペアンプ
260 :抵抗器
262 :抵抗器
264 :抵抗器
266 :キャパシタ
268 :NOT回路
270 :第1リレー
272 :コイル
274 :スイッチ
276 :ダイオード
278 :第2リレー
280 :コイル
282 :スイッチ
284 :ダイオード
286 :ラッチ回路
288 :NOT回路
290 :NOT回路
292 :可変抵抗器
294 :可変抵抗器
296 :キャパシタ
298 :オペアンプ
300 :抵抗器
302 :抵抗器
304 :NOT回路
306 :抵抗器
図1
図2
図3