【文献】
CATR,Discussions on the frame structure design for NR[online],3GPP TSG-RAN WG1#84b R1-163132,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_84b/Docs/R1-163132.zip>,2016年 4月 1日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す説明図である。
図1において、無線通信システム10は、無線通信の送信機及び受信機として機能する無線通信装置としての基地局20と、無線通信の送信機及び受信機としての機能する無線通信装置としての移動局30とを備える。基地局20及び移動局30はそれぞれ複数であってもよい。
【0012】
基地局20は、移動通信のコアネットワーク80に接続されている。例えば、基地局20が送信機として機能し、移動局30が受信機として機能することにより、コアネットワーク80若しくは他の移動局からのデータ又は基地局20で生成したデータを、基地局20から移動局30に送信するダウンリンク(DL)の無線通信を行うことができる。また、基地局20が受信機として機能し、移動局30が送信機として機能することにより、移動局30で生成したデータを基地局20に送信するアップリンク(UL)の無線通信を行うことができる。基地局20で受信されたデータは、コアネットワーク80若しくは他の移動局に送信され、又は基地局20内で処理される。
【0013】
なお、DLのデータ伝送では、HARQ再送のためのACK/NACKフィードバックはULを通じて行われる。一方、ULのデータ伝送では、HARQ再送のためのACK/NACKフィードバックはDLを通じて行われる。
【0014】
本実施形態の無線通信システム10は、3GPPの第4世代(4G)、LTE(Long Term Evolution)、LTE−Advanced又はLTE−AdvancedProの通信規格に準拠した通信方式を用いてもよいし、第5世代(5G)又はその後の次世代の通信規格に準拠した通信方式を用いてもよい。
【0015】
本実施形態の無線通信システム10は、5Gのユースケースとして検討されている、高速大容量のeMBB(enhanced Mobile Broadband)、超高信頼低遅延のURLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications)、多端末同時接続であるmMTC(massive Machine Type Communications)等のデータ通信に適用可能である。特に、本実施形態の無線通信システム10は、eMBBのデータ(以下「eMBBデータ」という。)とともに、自動運転、遠隔医療などを想定したURLLCのデータ(以下「URLLCデータ」という。)等の低遅延送信データを送受信する無線通信に適する。ここで、URLLCデータ等の低遅延送信データは、例えば、移動通信網の無線区間における片方向の遅延時間として数ms以下(例えば1ms以下)が要求され、移動通信網を介したエンド・ツー・エンドの遅延時間として10ms以下が要求されるデータである。
【0016】
基地局20は、一つ又は複数のセル(セクタ、セクタセルとも呼ばれる。)を形成する。セルは地上又は海上に2次元的に形成してもよいし、上空から地上又は海上に向けて3次元的に形成してもよい。セルは、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセル、大セル等であってもよい。複数のセルは、複二次元的に又は三次元的に隣り合うように分布するセルラー構造を構成してもよいし、階層的に一部又は全部が重なり合った階層セル構造を構成してもよい。基地局20は、マクロセル基地局、スモールセル基地局、フェムトセル基地局、ピコセル基地局、大セル基地局、地上等に固定設置された固定基地局、地上、海上、上空などを移動可能な移動型の基地局等であってもよい。基地局20は、eNodeB(evolved Node B:eNB)、gNodeB(gNB)、en−NodeB(en−gNB)、アクセスポイント等と呼ばれる無線通信装置であってもよい。
【0017】
移動局30は、ユーザ装置(UE)、ユーザ端末、端末、端末装置、移動機等と呼ばれる無線通信装置であってもよい。移動局30は、利用者が携帯した状態で使用可能な装置、移動体(例えば自動車、列車、飛行体、船舶)の中で使用可能な装置、移動体や他の装置に組み込んで設置可能な装置などであってもよい。移動局30は、移動している状態で通信を行ってもよいし、固定配置された状態で通信を行ってもよい。
【0018】
本実施形態の無線通信システムでは、各種の多元接続技術を用いることができる。多元接続技術は、複数の移動局に対し互いに異なる周波数または時間または拡散符号を割り当てる周波数分割多元接続方式(FDMA:Frequency Division Multiple Access)、時分割多元接続方式(TDMA:Time Division Multiple Access)、又は、符号分割多元接続方式(CDMA:Code Division Multiple Access)であってもよい。多元接続技術は、複数の移動局それぞれに異なる基地局アンテナ指向性を割り当てる空間分割多元接続方式(SDMA)であってもよい。
【0019】
多元接続技術は、FDMA技術の一つして分類される直交周波数分割多重伝送(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)に基づく多元接続技術、すなわち直交周波数分割多元接続方式(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)と呼ばれる方式でもよい。
【0020】
上記FDMA、TDMA、CDMA、SDMAの各多元接続方式は、互いに異なる周波数、時間、拡散符号、基地局アンテナ指向性、という互いに直交または準直交した無線リソースを各移動局に割り当てることから、これらの多元接続方式は直交多元接続(OMA)技術として大まかに分類される。
【0021】
本実施形態の無線システムでは、単独の直交多元接続(OMA)技術を用いてもよいし、FDMA、TDMA、CDMA、SDMAといった各OMA技術のうち、2つまたは3つの方式が併用されるハイブリッド型の方式、例えば、FDMAとTDMAの組合せ、FDMAとTDMAとSDMAの組合せ、といった複数のOMA技術を併用してもよい。
【0022】
本実施形態の無線システムは、直交多元接続(OMA技術)に分類されるSDMAの原理に基づき複数の移動局の通信を同一周波数および同一タイミングで多重化するMU−MIMO伝送方式を用いた超高密度多元接続型の無線通信システムであってもよい。超高密度多元接続型の無線通信システムには、各移動局に割り当てられた無線リソースの一部または全体での相互干渉を許容した非直交多元接続(NoMA)技術を適用してもよい。
【0023】
本実施形態の無線システムにおいて、下りの通信と上りの通信に互いに異なる多元接続方式を用いてもよい。例えば、下りの通信にOFDMAを用い、上りの通信にFDMA(Single Carrier-FDMA)を用いてもよい。
【0024】
基地局20と移動局30との間の無線区間は、1個又は複数の無線フレームを用いて無線通信が行われる。無線フレームは、例えば、周波数軸方向の所定の周波数帯(例えば、数百MHz、数GHz、数十GHzなど)に設定された所定の周波数幅(例えば、20MHz)のシステム帯域を有し、時間軸方向の所定の時間間隔(例えば、10ms)をする。システム帯域は、使用される周波数帯等に応じて設定され、20MHzのほか、40MHz、80MHz、160MHz又は400MHzであってもよい。
【0025】
無線フレームは、時間軸方向においてスケジューリングの最小単位である所定の送信時間間隔(TTI)を有する1個又は複数個のサブフレームで構成される。例えば、TTIが1msである場合、無線フレームは10個のサブフレームで構成される。TTIは、1msのほか、0.5ms、0.25ms又は0.125msであってもよい。TTIを短くして無線フレーム長を短縮することにより、無線区間における伝送の低遅延化を図ることができる。
【0026】
無線フレームは、周波数軸方向において所定のサブキャリア間隔(例えば15kHz)を有する1個又は複数個のサブキャリアで構成される。サブキャリア間隔は、周波数帯、システム帯域等に応じて設定され、15kHzのほか、30kHz、60kHz又は120kHzであってもよい。サブフレームは、例えば、時間軸方向において1個又は複数個のスロットで構成され、1スロットは1個又は複数個(例えば6個又は7個)のシンボルで構成されてもよい。
【0027】
本実施形態の無線通信システムにおいて、基地局20と移動局30との間における各種データ及び信号の無線通信に使用可能な前述のTTI、システム帯域、送信電力などの無線リソースの割り当てるスケジューリングを行う。スケジューリングは、例えば基地局20で行われる。無線リソースの周波数軸及び時間軸それぞれの方向の割り当ては、1個又は複数のリソースエレメント(RE)をを最小単位として行われる。リソースエレメント(RE)は例えば1個のサブキャリアと1個のシンボルで構成される。リソース割り当ての最小単位が複数のリソースエレメント(RE)で構成される場合、リソース割り当ての最小単位が複数のリソースエレメントで構成されるブロックをリソースブロック(RB)と呼ばれる場合がある。シンボルは、上記各種の通信方式における時間軸方向の変調の1単位である。例えば、OFDMにおけるシンボルはOFDMシンボルと呼ばれる。
【0028】
なお、本実施形態における無線フレームの構成は例示したものであり、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロット、サブキャリア及びシンボルの数、リソースブロックに含まれるリソースエレメント(サブキャリア、シンボル)の数は、様々に変更することができる。
【0029】
本実施形態の無線通信システムは、次のように基地局20から移動局30への下りリンク(DL)の無線通信を行う。例えば、下りリンク制御情報(DCI)は、サブフレームの所定領域に配置された下り制御チャネル領域を用いて、基地局20から移動局30へ送信される。下り制御チャネルは、例えばLTE、LTE−Advancd、5GではPDCCH(Physical Downlink Control Channel)又はePDCCH(enhanced Physical Downlink Control Channel)とも呼ばれ、各移動局に対する上下リンクの無線リソース割当情報、データ信号のMCS、上りリンクのHARQ再送制御に関わるACK/NACKフィードバック、各移動局への送信電力制御等の用途で用いられる。下りリンクデータは、サブフレームの所定領域に配置された下りデータチャネル領域を用いて、基地局20から移動局30へ送信される。下りデータチャネルは、例えばPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)とも呼ばれる。下りリンク信号には、受信信号からデータを復調するための伝搬路の推定、シンボルタイミング同期、受信品質測定などのための参照信号(RS)が含まれる。データ復調用参照信号にはDMRS(Demodulation Reference Signal)及びCRS(Cell-specific Reference Signal)が含まれ、品質測定用参照信号にはCSI−RS(Channel State Information Reference Signal)が含まれる。
【0030】
本実施形態の無線通信システムは、例えば次のように移動局30から基地局20への上りリンク(UL)の無線通信を行う。例えば、上りリンクデータは、サブフレームの所定領域に配置された上りデータチャネル領域を用いて、移動局30から基地局20へ送信される。上りデータチャネルは、例えばLTE、LTE−Advancd、5GではPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)とも呼ばれる。上りリンク信号には、受信信号からデータを復調するための伝搬路の推定、シンボルタイミング同期、受信品質測定などのための参照信号(RS)が含まれる。データ復調用参照信号にはDMRS(Demodulation Reference Signal)が含まれ、品質測定用参照信号にはSRS(Sounding Reference Signal)が含まれる。上り制御チャネルに相当するPUCCH(Physical Uplink Control Channel)では、下りリンクでのCRSやCSI−RSを用いた品質測定結果等のフィードバック、下りリンクのHARQ再送制御に関わるACK/NACKフィードバック等の用途で用いられる。
【0031】
制御チャネル領域は、例えば、LTE、LTE−Advancdの場合、サブフレームの時間軸方向の先頭領域(例えば、1シンボル分又は2シンボル分)に設定され、データチャネル領域は、その制御チャネル領域に続く後続の残りの領域に設定される。
【0032】
また、本実施形態の無線通信システムでは、ハイブリッドARQ(HARQ)再送制御と、そのHARQの応答(ACK/NACK)に基づいて変調符号化方式を選択する適応変調符号化(AMC:Adaptive Modulation and Coding)制御を行っている。このHARQ制御及びAMC制御では、一定の伝送誤りおよび複数回の再送を許容し、受信側からのACK/NACKフィードバック結果に基づき、無線伝送における変調レベルおよび符号化率を制御することにより、無線伝送の高信頼化を図っている。
【0033】
次に、本実施形態の無線通信システムにおける低遅延送信データの無線通信に用いる無線リソースの割り当てについて説明する。本実施形態では、1つのサブフレームにおいて低遅延送信データであるURLLCデータと他のデータであるeMBBのデータ(以下「eMBBデータ」という。)を基地局20から移動局30にDL通信する場合について例示する。
【0034】
図2(a)及び(b)は参考例に係るサブフレーム400のリソース割り当てを示す説明図である。
図2(a)はURLLCのトラフィックがないときのリソース割り当てを示し、
図2(b)はURLLCのトラフィックがあるときのリソース割り当てを示している。サブフレーム400の時間軸方向における先頭の領域は、DL制御情報を割り当て可能な制御チャネル領域410であり、その後続の残り領域は、送信データ(URLLCデータ、eMBBデータ)を割り当て可能なデータチャネル領域420である。
【0035】
図2(a)に示すURLLCのトラフィックがない場合は、サブフレーム400のデータチャネル領域420の全体にeMBBデータのリソースが割り当てられ、基地局20から移動局30に高速大容量のデータを確実に送信できるようにしている。
【0036】
図2(b)に示すユーザ#1のURLLCのトラフィックがある場合は、サブフレーム400のデータチャネル領域420の一部のサブキャリアについて、リソース割当帯域幅が最小になるようにユーザ#1のURLLCデータのリソース(以下「URLLC用リソース」ともいう。)422が時間軸方向に優先的に割り当てられ、データチャネル領域420の残りの部分にユーザ#2のeMBBデータのリソース(以下「eMBB用リソース」421ともいう。)が割り当てられている。
【0037】
本参考例では、URLLC用リソース422の割り当てが、狭帯域の周波数範囲の割り当てとなり、URLLCデータの無線伝送時に周波数ダイバーシチ効果が得られにくい。そのため、URLLCデータの無線伝送の信頼度が低下するだけでなく、再送が発生しやすくなるため、再送に伴う伝送遅延分散が増大し、低遅延の無線伝送が難しい。
【0038】
そこで、本実施形態では、URLLCのトラフィックがある場合、サブフレーム400におけるリソース割当帯域幅の最小化ではなく、サイズに応じて時間軸方向の割り当てが最小化になるように、URLLCデータのリソース割り当てを行っている。
【0039】
なお、以下の実施形態では、基地局20からサブフレームのデータチャネル領域で送信される複数種類の送信データのうち、第1データ(通常遅延送信データ)がeMBBデータであり、第1データよりも低遅延の無線伝送が要求される第2データ(低遅延送信データ)がURLLCデータである場合について説明するが、他のデータの組み合わせであってもよい。また、本実施形態では、基地局20から移動局30へのダウンリンクの無線伝送について説明するが、本実施形態におけるサブフレームのリソース割当や送信電力制御などは、移動局30から基地局20へのアップリンクの無線伝送にも同様に適用できる。
【0040】
(実施例1)
図3(a)は本実施形態に係る無線通信システムにおけるサブフレーム400のリソース割り当ての一例を示す説明図であり、
図3(b)は同サブフレーム400中のURLLCデータ送信時における周波数軸方向の送信電力分布の一例を示すグラフである。
【0041】
図3(a)に示すように、サブフレーム400のデータチャネル領域420において、URLLCデータの時間方向のリソース割り当て量をリソースエレメントの単位で最小化にする条件下で、URLLCデータのサイズに応じて周波数方向におけるシステム帯域の一部又は全体にURLLCリソース422を割り当てている。本実施例では、URLLC用リソース422の割り当てが周波数方向優先でのリソース割り当てである。従って、時間軸方向(シンボル方向)優先割り当ての場合に比べ、より短時間でURLLCデータを送信可能になり、かつ広帯域な無線伝送となるため周波数ダイバーシチ効果が得られやすい。よって、URLLCデータの伝送信頼度が向上するとともに、URLLCデータの再送発生確率を削減することできるので、URLLCデータの無線伝送の低遅延化を図ることができる。
【0042】
なお、
図3(b)に示すように、本例では、URLLCデータを送信しているタイミングにおいて周波数軸方向のURLLC用リソース422の送信帯域での送信電力P422と、その他のeMBB用リソース421の送信帯域での送信電力P421は互いに同じになっている。
【0043】
また、
図3(a)の例において、URLLCデータに先だって移動局30に送信されるDL制御情報には、サブフレーム400におけるリソース割当情報が含まれている。例えば、URLLCデータのリソース割当領域を規定する情報(以下「URLLCリソース割当情報」ともいう。)は、URLLC用リソース422が割り当てられた周波数軸方向における周波数範囲を規定する情報(例えば、サブキャリアの識別情報)と時間軸方向における時間範囲(例えば、シンボル範囲)を規定する情報と、を含む。制御情報を受信した移動局30は、サブフレーム400の先頭部分の制御情報に含まれるURLLCリソース割当情報に基づいて、その同一のサブフレーム400で送信されるURLLCデータを受信して復調・復号することができる。
【0044】
また、
図3(a)に示すように、周波数軸方向においてURLLC用リソース422を連続的に割り当てているので、制御情報に含まれるURLLCリソース割当情報の情報量を少なくすることができる。
【0045】
また、
図3(a)及び
図3(b)において、サブフレーム400のURLLCデータには、受信信号からURLLCデータを復調するための伝搬路の推定等に用いられるDMRSが含まれる。
【0046】
(実施例2)
図4(a)は本実施形態に係る無線通信システムにおけるサブフレーム400のリソース割り当ての他の例を示す説明図であり、
図4(b)は同サブフレーム400中のURLLCデータ送信時における周波数軸方向の送信電力分布の一例を示すグラフである。なお、
図4(a)及び
図4(b)において、前述の
図3(a)及び
図3(b)と共通する部分については説明を省略する。
【0047】
図4(a)及び
図4(b)の例では、URLLCデータの送信タイミングにおいて、システム帯域全体の平均的な送信電力を所定電力に維持した条件下で、URLLC用リソース422における送信電力P422を、URLLC用リソース422以外の他のリソース領域(本例の場合、eMBB用リソース421’)よりも高めるように送信電力を制御している。このようにURLLC用リソース422に送信電力を集中させることにより、URLLCデータ(URLLCパケット)の受信品質をさらに改善することができるので、URLLCデータの再送発生率を更に削減することができる。よって、更にURLLCデータの伝送の低遅延化を図ることができる。
【0048】
なお、eMBB用リソース421’に割り当てる送信電力を0としてもよい。この場合、URLLCデータの送信タイミングでeMBB用リソースを割り当てないことと等価である。
【0049】
(実施例3)
図5は、本実施形態に係る無線通信システムにおけるサブフレーム400のリソース割り当ての更に他の例を示す説明図である。なお、
図5において、前述の
図3(a)及び
図4(a)と共通する部分については説明を省略する。
【0050】
図5の例では、サブフレーム400のデータチャネル領域における時間方向先頭部分(制御チャネル領域410に隣接した部分)にURLLC用リソース422を割り当てている。本例では、サブフレーム400のデータチャネル領域420の先頭部分でURLLCデータを送信することにより、同一のサブフレーム400内でURLLCデータに対する応答(ACK/NACK)を受信したり、その応答に基づくHARQによる再送を行ったりすることが可能になり、HARQ RTT(Round-Trip Time)を極力減らすことができる。
【0051】
(実施例4)
図6は、本実施形態に係る無線通信システムにおけるサブフレーム400のリソース割り当ての更に他の例を示す説明図である。本例は、複信方式としてTDD(Time Division Duplex)を用いた場合の例である。なお、
図5において、前述の
図3(a)、
図4(a)及び
図5と共通する部分については説明を省略する。
【0052】
図6の例では、サブフレーム400のデータチャネル領域420における時間方向先頭部分(制御チャネル領域410に隣接した部分)にURLLC用リソース422を割り当てるとともに、「Self−Contained TDDサブフレーム」と呼ばれる技術を当該データチャネル領域420に適用している。本例では、データチャネル領域420の先頭部分でDL送信したURLLCデータに対する応答(ACK/NACK)を、その同一のデータチャネル領域420内の後続領域に割り当てたHARQ−ACK/NACK用リソース423により移動局30から受信している。この同一のサブフレーム400のデータチャネル領域420内で移動局30からフィードバックされた応答(ACK/NACK)に基づいて、HARQの再送制御を速やかに実施することができる。例えば、ACKに基づいてURLLCデータの送信完了を速やかに判断したり、NACKに基づいてURLLCデータの再送を速やかに実施したりすることができる。よって、URLLCデータの無線伝送の更なる低遅延化が可能になる。
【0053】
なお、
図6のHARQ−ACK/NACK用リソース423において、上記HARQの応答(NACK)に基づくURLLCデータの再送を行ってもよい。
【0054】
図7(a)は本実施形態に係る無線通信システムにおけるサブフレーム400のリソース割り当ての更に他の例を示す説明図であり、
図7(b)は同サブフレーム400中のURLLCデータ送信時における周波数軸方向の送信電力分布の一例を示すグラフである。なお、
図7(a)及び
図7(b)において、前述の
図3〜
図6と共通する部分については説明を省略する。
【0055】
(実施例5)
図7(a)及び
図7(b)の例では、移動局30におけるURLLCデータに対する応答(ACK/NACK)の送信タイミングにおいて、システム帯域全体の平均的な送信電力を所定電力に維持する条件下で、HARQ−ACK/NACK用リソース423における送信電力を、HARQ−ACK/NACK用リソース以外の他のUL用リソース424よりも高めるように送信電力を制御している。このように移動局30においてHARQ−ACK/NACK用リソース423に送信電力を集中させることにより、URLLCデータに対する応答(ACK/NACK)をより確実に基地局20へフィードバックすることができるので、更にURLLCデータの伝送の低遅延化を図ることができる。例えば、HARQ−ACK受信誤りを抑圧して伝送遅延時間を短縮することができる。
【0056】
なお、
図7(a)及び
図7(b)の例において上記HARQの応答(NACK)に基づくURLLCデータの再送を
図6のHARQ−ACK/NACK用リソース423で行う場合、その再送タイミングにおける送信電力を他のeMBB用リソースよりも高めるように送信電力を制御してもよい。HARQ−ACK/NACK用リソース423に割り当てる送信電力値の決定・制御は,データ送信側(DLでは基地局20、ULでは移動局30)がデータ受信側に所要受信品質に基づく目標値となるよう送信電力を指示(制御)するクローズドループ送信電力制御によって決定してもよいし、データ受信側がデータ送信側からの基準信号(参照信号)の受信電力測定結果を元に所要受信品質に基づく目標値となるよう自主的に制御・決定するケース(オープンループ送信電力制御)によって決定してもよい。
【0057】
また、HARQ−NACK信号の受信品質が悪く、HARQ−NACK信号をデータ送信側で所定のタイミングで受信できなかった場合、データ送信側でHARQ−NACKが受信されたとみなされることが一般的と考えられる。そこで、URLLCデータに対するHARQ−ACKを送信する場合のみ他のeMBB用リソースよりも高める処理を適用し、HARQ−NACKを送信する場合は、送信電力を必要最小限に抑え、移動局の消費電力の節約を図るために、URLLCデータに対するHARQ−ACK/NACK用リソース423に割り当てる送信電力をeMBB用リソースよりも高める処理を行わなくてもよい。
【0058】
(実施例6)
図8は、本実施形態に係る無線通信システムにおけるサブフレームのリソース割り当ての更に他の例を示す説明図である。
図8において、前述の
図3〜
図7と共通する部分については説明を省略する。
図8の例では、複数シンボルで構成されるサブフレーム400の中に含まれるリソースエレメントの1単位(1シンボル時間)ではURLLCデータの全体を送信できない。そのため、サブフレーム400のデータチャネル領域の時間軸方向における先頭部分の第1シンボルの全体と第2シンボルの一部に、URLLC用リソース422を割り当てることにより、制御情報に含まれるURLLCリソース割当情報の情報量を少なくするとともに、1つのサブフレーム400内で確実にURLLCデータを送信できるようにしている。
【0059】
なお、移動局30が基地局20から遠く伝搬損失が大きい場合等、URLLCデータリソースへ割り当てる送信電力密度を高める必要がある場合には、eMBB用リソース421’へ送信電力割当を0にしたり、URLLCデータリソースへ割り当てるリソースブロック数(帯域幅)を減らして、時間軸方向へのリソース割り当り量をさらに増やしたりしてもよい。
【0060】
以上の
図3〜
図8の例では、サブフレーム400の周波軸方向においてURLLC用リソース422及びHARQ−ACK/NACK用リソース423を連続的に割り当てているが、無線区間の伝搬路利得の高い周波数を優先的に割り当ててもよい。例えば、URLLC用リソース422及びHARQ−ACK/NACK用リソース423の少なくとも一方について、周波数軸方向において複数箇所に分散させて非連続に割り当てるビットマップ型割り当てを行ってもよい。また、オープンループでの周波数ダイバーシチを得るためにシステム帯域の周波数方向の両端部に分散させて割り当てる帯域端分散型割り当てを行ってもよい。
【0061】
図9は、本実施形態に係る無線通信システムにおける送信側の基地局20の一例を示す機能ブロック図である。なお、移動局30が送信側になる場合も同様に構成することができる。
【0062】
図9において、基地局20はURLLCデータのリソース割当部210と送信部220と情報記憶部230とを備える。
【0063】
リソース割当部210は、URLLCデータが送信対象に含まれるとき、無線フレームを構成するサブフレームのデータチャネル領域において、URLLCデータの時間方向のリソース割り当て量をリソースエレメントの単位で最小化にする条件下で、URLLCデータのサイズに応じて周波数方向におけるシステム帯域の一部又は全体にURLLCデータのリソース(URLLC用リソース)を割り当てる。リソース割当部210は、同一のサブフレーム400内にURLLC用リソースとともにHARQ−ACK/NACK用リソースを割り当ててもよい。送信部220は、リソース割当部210によって割り当てられたサブフレーム400内のURLLC用リソースにおいてURLLデータを送信する。
【0064】
リソース割当部210は、例えば、データサイズ計算部211とリソース決定部212と情報記憶部213とを備える。
【0065】
データサイズ計算部211は、サブフレーム400で送信される送信対象に含まれるURLLCデータのサイズを計算する。
【0066】
リソース決定部212は、データサイズ計算部211で計算したURLLCデータのサイズに基づいて、サブフレーム400のデータチャネル領域420において、URLLCデータの時間方向のリソース割り当て量をリソースエレメントの単位で最小化にする条件下で、URLLCデータのサイズに応じて周波数方向におけるシステム帯域の一部又は全体にURLLC用リソースを割り当てるように、URLLC用リソースを決定する。また、リソース決定部212は、同一のサブフレーム400内にURLLC用リソース及びHARQ−ACK/NACK用リソースを割り当てる場合は、HARQ−ACK/NACK用リソースについても決定する。リソース決定部212は、決定したURLLC用リソース又はURLLC用リソース及びHARQ−ACK/NACK用リソースの両方についてのリソース割当情報を送信部220に渡す。
【0067】
送信部220は、送信データ取得部221と送信信号生成部222と無線通信部223とを備える。
【0068】
送信データ取得部221は、例えば、移動通信網のコアネットワーク80から移動局30宛てのURLLCデータを取得する。送信データ取得部221は、他の移動局からURLLCデータを取得してもよいし、基地局20内に設けたMEC(Mobile Edge Computing)等のコンピュータ装置などから情報処理装置から取得してもよい。送信側の無線通信装置が移動局30の場合は、送信データ取得部221は、移動局30に設けた各種センサ、測定装置などの出力に基づいて生成されたデータを取得してもよい。
【0069】
送信信号生成部222は、送信データ取得部221から受けたeMBBデータ及びURLLCデータを含む送信対象の送信データと、リソース割当部210から受けたリソース割当情報と、情報記憶部230から読み出した送信パラメータなどの各種情報に基づいて、サブフレーム400で送信される制御情報及び送信データ等について符号化及び変調などの処理を行って送信信号を生成する。例えば、サブフレーム400の制御チャネル領域410に、URLLC用リソース又はURLLC用リソース及びHARQ−ACK/NACK用リソースの両方についてのリソース割当情報を配置し、サブフレーム400のデータチャネル領域420のURLLCリソースにURLLCデータを配置し、データチャネル領域420のURLLCリソース以外の部分にeMBBデータを配置するように、送信信号を生成する。
【0070】
無線通信部223は、送信信号生成部222で生成した送信信号について、所定の周波数変換と電力増幅とを行い、無線信号としてアンテナ21から送信する。無線通信部223は、前述のURLLCリソースに電力リソースを集中させる制御を行ってもよい。
【0071】
情報記憶部230は、URLLC用リソース及びHARQ−ACK/NACK用リソースの割り当てに用いる送信パラメータなどの各種情報を記憶する。
【0072】
図10は、本実施形態に係るダウンリンクのURLLCデータを含む送信データの送受信の一例を示すシーケンス図である。
図10は、前述の
図3及び
図4のサブフレームでURLLCデータを送信する場合の例である。
【0073】
図10において、基地局20は、対象のサブフレームで送信するeMBBデータ及びURLLCデータを含む送信対象の送信データを取得し(S101)、URLLCデータのサイズを計算し(S102)、そのURLLCデータのサイズに応じて、サブフレームのデータチャネル領域におけるURLLC用リソースを決定する(S103)。
【0074】
次に、基地局20は、上記対象のサブフレームの所定の先頭タイミングが到来したら、制御チャネル領域においてURLLCリソース情報を含む制御情報を送信し(S104)、URLLC用リソースに対応するタイミングが到来するまでeMBB用リソースによりeMBBデータのみを送信する(S105)。
【0075】
その後、基地局20は、URLLC用リソースに対応するタイミングが到来したら、URLLC用リソースによりURLLCデータを送信するとともに、eMBB用リソースによりeMBBデータを送信する。
【0076】
URLLCデータの送信が完了すると、基地局20は、サブフレームが終了するまでeMBB用リソースによりMBBデータのみを送信する(S105)。
【0077】
図11は、本実施形態に係るダウンリンクのURLLCデータを含む送信データの送受信の他の例を示すシーケンス図である。
図11は、前述の
図5及び
図8のサブフレームでURLLCデータを送信する場合の例である。なお、
図11のステップS201〜S204については
図10と共通するので、それらの説明は省略する。
【0078】
図11において、基地局20は、制御情報を送信した(S204)後、URLLC用リソースによりURLLCデータを送信するとともに、eMBB用リソースによりeMBBデータを送信する(S205)。URLLCデータの送信が完了すると、基地局20は、サブフレームが終了するまでeMBB用リソースによりMBBデータのみを送信する(S206〜S208)。
【0079】
図12は、本実施形態に係るダウンリンクのURLLCデータを含む送信データの送受信の更に他の例を示すシーケンス図である。
図12は、前述の
図6及び
図7のサブフレームでURLLCデータを送信する場合の例である。なお、
図12のステップS301〜S305については
図10及び
図11と共通するので、それらの説明は省略する。
【0080】
図12において、基地局20は、URLLCデータの送信が完了する(S305)と、URLLCデータの送信に対する応答(HARQ−ACK/NACK)の送受信タイミングが到来するまでeMBB用リソースによりMBBデータのみを送信する(S306〜S307)。
【0081】
次に、基地局20は、応答(HARQ−ACK/NACK)の送受信タイミングが到来すると、HARQ−ACK/NACK用リソースにより上記応答(HARQ−ACK/NACK)を移動局30から受信する(S308)。基地局20は、この応答の受信時に、HARQ−ACK/NACK用リソース以外のeMBB用リソースによりMBBデータを送信してもよい。また、基地局20は、否定的な応答を受信した場合、HARQ−ACK/NACK用リソースにより移動局30にURLLCデータを再送してもよい。
【0082】
上記応答(HARQ−ACK/NACK)の受信、又は上記応答の受信及びURLLCデータの再送が終了した後、基地局20は、サブフレームが終了するまでeMBB用リソースによりMBBデータのみを送信する(S309)。
【0083】
なお、以上説明した複数の実施形態の無線通信システムそれぞれにおいて、基地局20と移動局30との間で各種のアンテナダイバーシチを適用してもよい。アンテナダイバーシチは、空間的に離隔した複数のアンテナ(アンテナポート)を用いた空間ダイバーシチであってもよいし、互いに異なる偏波の複数のアンテナ(アンテナポート)を用いる偏波ダイバーシチであってもよい。
【0084】
図13(a),(b)及び(c)はそれぞれ、本実施形態に係る無線通信システムに適用可能な受信アンテナダイバーシチ(SIMOダイバーシチ)、送信アンテナダイバーシチ(MISOダイバーシチ)及び送受信アンテナダイバーシチ(MIMOダイバーシチ)の一例を示す説明図である。
【0085】
図13(a)の受信アンテナダイバーシチにおいて、受信側の移動局30は、互いに異なる位置又は互いに異なる偏波特性の複数のアンテナ31(1)、31(2)を備えている。移動局30は、互いに異なるフェージングを受けた複数のアンテナ31(1)、31(2)の受信信号を選択又は合成することにより、受信品質を向上させることができる。よって、URLLCデータの無線伝送における更なる低遅延化及び伝送信頼度の向上を図ることができる。
【0086】
図13(b)の送信アンテナダイバーシチにおいて、送信側の基地局20は、互いに異なる位置又は互いに異なる偏波特性の複数のアンテナ21(1)、21(2)を備えている。移動局30は、基地局20の複数のアンテナ21(1)、21(2)から送信され互いに異なるフェージングを受けた送信信号をアンテナ31で受信し、その複数の受信信号を選択又は合成することにより、受信品質を向上させることができる。特に、送信アンテナダイバーシチを適用した場合は、アンテナ設置スペースに制約のある小型の移動局におけるアンテナダイバーシチの高次化に頼ることなく受信品質向上を図ることができる。
【0087】
図13(c)の送受信アンテナダイバーシチ(MIMOダイバーシチ)は、
図13(a)の受信アンテナダイバーシチと
図13(b)の送信アンテナダイバーシチとを組み合わせたものである。送信側の基地局20及び受信側の移動局30はそれぞれ、互いに異なる位置又は互いに異なる偏波特性の複数のアンテナ21(1)、21(2)及び複数のアンテナ31(1)、31(2)を備えている。移動局30は、互いに異なるフェージングを受けた複数の受信信号を選択又は合成することにより、受信品質を向上させることができる。特に、送受信アンテナダイバーシチを適用した場合は、送信側及び受信側の双方でのダイバーシチ利得獲得による更なる受信品質向上を図ることができる。
【0088】
なお、
図13(b)及び
図13(c)において送信アンテナダイバーシチを実現する方法としては、例えば、送信側での伝搬路情報取得を必要とする方法と、送信側での伝搬路情報取得を不要とする方法とがある。
【0089】
送信側での伝搬路情報取得を必要とする方法では、例えば、送信側で取得した伝搬路情報に基づいて、送信最大比合成、ビームフォーミング又は送信アンテナ選択の制御を行う。送信最大比合成では、受信側で最大受信SNRが得られるように各アンテナポートの送信信号の振幅又は位相を制御する。ビームフォーミングでは、各アンテナポートの送信信号の位相のみを制御する。送信アンテナ選択では、伝搬路利得の高い送信アンテナポートのみを選択するように制御する。
【0090】
送信側での伝搬路情報取得を不要とする方法では、例えば、送信側で時空間符号化(w−CDMAで標準化されたSTC、STBC等)、空間周波数符号化(LTEで標準化されたSFC,SFBC等)又は循環遅延ダイバーシチ(例えば「J.H. Song, J.H. Kim, H.K. Song, "Space-Time Cyclic Delay Diversity Encoded Cooperative Transmissions for Multiple Relays," IEICE Trans Commun., Vol.E92-B, No.6, pp.2320-2323, June 2009」参照)の技術を適用することにより、送信側で伝搬路情報を取得することなくダイバ−シチ利得を獲得することができる。特に、循環遅延ダイバーシチを適用した場合、特別な空間符号化を用いることなくダイバーシチ利得を獲得することができる。
【0091】
以上、本実施形態によれば、サブフレーム400のデータチャネル領域420においてURLLCデータ等の低遅延送信データが送信される時間方向のリソース割り当て量をリソースエレメントの単位で最小化にすることにより、低遅延送信データの伝送における低遅延化を図ることができる。
【0092】
更に、周波数方向におけるシステム帯域の一部又は全体に低遅延送信データのリソースを割り当てることにより、低遅延送信データを送信するときの周波数ダイバーシチの適用が可能になる。この周波数ダイバーシチの効果により、低遅延送信データの伝送信頼度の向上を図ることができるとともに、無線伝送時における再送制御の発生を抑制して更に低遅延送信データの伝送における低遅延化を図ることができる。
【0093】
しかも、データチャネル領域420における低遅延送信データの周波数方向におけるリソースの割り当てを、低遅延送信データのサイズに応じて行うことにより、低遅延送信データへのリソース割り当てを必要最小限に行い、低遅延送信データ以外の他データの伝送に用いるリソース割り当て領域を増やすことができるので、周波数利用効率を高めることができる。
【0094】
以上のように、本実施形態によれば、周波数利用効率を高めるとともに、eMBBデータ等の通常データよりも低遅延の伝送が要求されるURLLCデータ等の低遅延送信データの伝送信頼度の向上と低遅延送信データの伝送における低遅延化を図ることができる。
【0095】
また、本実施形態によれば、システム帯域全体の平均的な送信電力を所定電力に維持する条件下で低遅延送信データが送信されるリソース割当領域に対して電力リソースを集中させることができる。よって、システム帯域全体の送信電力を所定電力に維持しつつ、低遅延送信データの伝送信頼度の向上と低遅延送信データの伝送における低遅延化を図ることができる。
【0096】
なお、本明細書で説明された処理工程並びに移動通信システムの構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
【0097】
ハードウェア実装については、実体(例えば、各種無線通信装置、Node B、端末、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
【0098】
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、上記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、FLASHメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
【0099】
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であれよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
【0100】
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。