(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像捕捉デバイスは、前記コンテナキャリッジデバイスに搭載され、前記画像捕捉デバイスは、前記コンテナの側面から前記コンテナの前記画像を捕捉するように構成および/または配列される、請求項1〜5のいずれかに記載のシステム。
光源をさらに備え、前記光源および前記画像捕捉デバイスは、前記光源が前記画像捕捉デバイスの反対に位置付けられるように、前記コンテナキャリッジデバイスに搭載される、請求項1〜6のいずれかに記載のシステム。
前記相関データは、複数の判定されたピクセル距離と前記さらなるコンテナの中へ吸引された液体の複数の判定された体積との間の複数の相関に基づいて生成される、請求項18に記載のシステム。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
向上した信頼性、向上した品質、向上した精度、および向上したスループットで流体物質を自動的に評価するための改良された方法およびシステムを提供することが、本発明の目的であり得る。
【0004】
本発明の目的は、さらなる実施形態が従属請求項および以下の説明に組み込まれる、独立請求項の主題によって解決される。
【0005】
本開示の第1の側面によると、コンテナの中の流体物質を評価する方法が提供される。とりわけ、第1の側面による方法は、
図1を参照して例示的に説明されるような分注先端評価システムを動作させるための方法、および/または
図42−55を参照して例示的に説明されるようなサンプル品質検出デバイスを動作させるための方法を指し得る。また、第1の側面による方法は、
図5−15および/または
図9−21を参照して例示的に説明されるような体積検出システムを動作させるための方法を指し得る。また、第1の側面の方法は、
図8−21を参照して例示的に説明されるような相関データ生成システムを動作させるための方法を指し得る。
【0006】
第1の側面による方法は、
画像捕捉デバイスを使用して、コンテナの少なくとも一部の画像を捕捉するステップであって、画像捕捉デバイスは、画像捕捉ユニットを備えてもよい、ステップと、
少なくとも1つのコンピュータデバイスおよび/または少なくとも1つの処理デバイスを使用して、画像の少なくとも一部の複数の色パラメータを取得するステップと、
複数の色パラメータに基づいて、コンテナの中に含有される流体物質のサンプル分類結果を生成するステップと
を含む。
その中で、サンプル分類結果は、流体物質中の少なくとも1つの干渉物質の濃度を表す、および/または示す。
ここで、ならびに以下では、画像捕捉デバイスおよび/または画像捕捉ユニットは、例えば、分注先端画像捕捉ユニットを指し得る。
【0007】
第1の側面の方法の実施形態によると、複数の色パラメータを取得するステップは、
画像の少なくとも一部のヒストグラムを生成するステップであって、前記ヒストグラムは、複数の色チャネルを備える、ステップと、
複数の色チャネルの複数の平均値および/または平均を取得するステップであって、複数の色パラメータは、複数の色チャネルの複数の平均値を含む、ステップと
を含む。
その中で、平均および/または平均値は、色チャネルのそれぞれについて、もしくは色チャネルの一部について、判定されてもよい。
【0008】
第1の側面の方法の実施形態によると、複数の色パラメータを取得するステップは、
画像の少なくとも一部のヒストグラムを生成するステップであって、前記ヒストグラムは、複数の色チャネルを備える、ステップと、
複数の色チャネルの複数のリーマン和を取得および/または判定するステップであって、複数の色パラメータは、複数の色チャネルの複数のリーマン和を含む、ステップと
を含む。
その中で、リーマン和は、色チャネルのそれぞれについて、もしくは色チャネルの一部について、取得および/または判定されてもよい。
【0009】
第1の側面の方法の実施形態によると、複数の色パラメータを取得するステップは、
画像の少なくとも一部のヒストグラムを生成するステップであって、前記ヒストグラムは、複数の色チャネルを備える、ステップ、
複数の色チャネルの複数のモードを取得するステップ、
複数の色チャネルの複数の最大値を取得するステップ、および/または
複数の色チャネルの複数の最小値を取得するステップであって、複数の色パラメータは、複数の色チャネルの複数のモード、最大値、および/または最小値を含む、ステップ
を含む。
【0010】
第1の側面の方法の実施形態によると、複数の色パラメータを取得するステップは、
画像の少なくとも一部のヒストグラムを生成するステップであって、前記ヒストグラムは、複数の色チャネルを備える、ステップ、
複数の色チャネルの複数のヒストグラムヘッドを取得するステップ、
複数の色チャネルの複数のヒストグラムテールを取得するステップ、
複数の色チャネルの複数のヒストグラムヘッド率を取得するステップ、および/または
複数の色チャネルの複数のヒストグラムテール率を取得するステップであって、複数の色パラメータは、複数の色チャネルの複数のヒストグラムヘッド、ヒストグラムテール、ヒストグラムヘッド率、および/またはヒストグラムテール率を含む、ステップ
を含む。
【0011】
第1の側面の方法の実施形態によると、複数の色パラメータは、色チャネルの複数の平均、色チャネルの複数のリーマン和、色チャネルの複数のモード、色チャネルの複数の最大値、色チャネルの複数の最小値、色チャネルの複数のヒストグラムヘッド、色チャネルの複数のヒストグラムテール、色チャネルの複数のヒストグラムヘッド率、色チャネルの複数のヒストグラムテール率、または前述の任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。
【0012】
第1の側面の方法の実施形態によると、複数の色チャネルは、例えば、RGBモデルの中に、赤色成分と、緑色成分と、青色成分とを含む。しかしながら、例えば、CMYK色モデル等の任意の他のタイプの色モデルもまた、使用されてもよい。
【0013】
第1の側面の方法の実施形態によると、サンプル分類結果は、少なくとも1つの分類識別子を備え、少なくとも1つの分類識別子は、複数の色パラメータの少なくとも一部と相関性がある、および/または流体物質中の少なくとも1つの干渉物質の濃度と相関性がある。
【0014】
第1の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、サンプル分類結果に基づいてフラッギング結果を生成するステップを含み、フラッギング結果は、流体物質の品質を示す。代替として、または加えて、流体物質の品質は、サンプル適格性結果に基づく。
【0015】
第1の側面の方法の実施形態によると、少なくとも1つの干渉物質は、ヘモグロビン、黄疸、および脂血症から選択される、1つまたはそれを上回るものである。
【0016】
第1の側面の方法の実施形態によると、コンテナは、流体物質および/またはサンプルを吸引するように構成される分注先端である。
【0017】
第1の側面の方法の実施形態によると、画像捕捉デバイスは、コンテナの側面から流体物質の一部および/またはコンテナの画像を捕捉するように構成ならびに/もしくは配列される。
【0018】
第1の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、
少なくとも1つのコンピュータデバイスを使用して、画像内の参照点を識別および/または判定するステップであって、その参照点は、コンテナと関連付けられる、ステップと、
少なくとも1つのコンピュータデバイスを使用して、画像の中のコンテナ内の流体物質の表面レベルを識別および/または判定するステップと、
参照点と表面レベルとの間の距離を判定および/または測定するステップと、
相関データに基づいて、距離を流体物質の体積に変換するステップであって、前記相関データは、コンテナ内の体積と参照点からコンテナ内の複数の表面レベルまでの距離との間の相関についての情報を含む、ステップと
を含む。
しかしながら、「相関データ」という用語は、方程式および/または距離と体積との間の関数関係も指し得ることに留意されたい。
【0019】
第1の側面の方法の実施形態によると、距離は、ピクセル距離によって測定される。
【0020】
第1の側面の方法の実施形態によると、コンテナは、流体物質を吸引するように構成される分注先端であり、参照点を識別するステップは、分注先端上に形成される参照線、例えば、分注先端の本体上に形成される参照線を識別および/または判定するステップを含む。
【0021】
第1の側面の方法の実施形態によると、参照線は、捕捉された画像のパターン合致に基づいて、および/またはセグメンテーションに基づいて識別される。
【0022】
第1の側面の方法の実施形態によると、参照線を識別するステップは、捕捉された画像内の参照線を表すパターンを検索するステップを含む。
【0023】
第1の側面の方法の実施形態によると、参照線を識別するステップは、捕捉された画像の少なくとも一部を参照画像と比較するステップを含む。
【0024】
第1の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、捕捉された画像の一部ならびに参照画像の合致率、合致スコア、および/または相関値を判定するステップを含む。
【0025】
第1の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、
液体をさらなるコンテナに供給するステップと、
供給された液体の体積を判定するステップと、
コンテナのさらなる画像を捕捉するステップと、
さらなるコンテナと関連付けられる画像内の参照点の間のピクセル距離を判定するステップと、
判定された体積を判定されたピクセル距離と相関させるステップと
を含む。
【0026】
第1の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、判定された体積および判定されたピクセル距離に基づいて相関データを生成するステップを含む。
【0027】
第1の側面の方法の実施形態によると、相関データは、複数の判定されたピクセル距離とさらなるコンテナに供給される液体の複数の判定された体積との間の複数の相関に基づいて生成される。
【0028】
第1の側面の方法の実施形態によると、供給された液体は、染料溶液を備える。代替として、または加えて、供給された液体の体積は、分光光度法に基づいて判定される。
【0029】
第1の側面の方法の実施形態によると、供給された液体の体積を判定するステップは、供給された液体の質量を判定するステップを含む。
【0030】
上記で説明されるような第1の側面による方法の任意の実施形態は、上記で説明されるような第1の側面による方法の1つまたはそれを上回るさらなる実施形態と組み合わせられ得ることに留意されたい。これは、特に有利な相乗効果を提供することを可能にし得る。
【0031】
本開示の第2の側面によると、流体物質を評価するためのシステムのコンピュータデバイス上で実行されると、第1の側面による、および/または第1の側面の任意の実施形態による、方法のステップを実施するようにコンピュータデバイスならびに/もしくはシステムに命令する、コンピュータプログラム要素が提供される。
【0032】
本開示の第3の側面によると、本開示の第2の側面によるコンピュータプログラム要素が記憶される、非一過性のコンピュータ可読媒体が提供される。
【0033】
本開示の第4の側面によると、流体物質を評価するためのシステムが提供される。とりわけ、第4の側面によるシステムは、例えば、
図1を参照して例示的に説明されるような分注先端評価システム、および/または、例えば、
図42−55を参照して例示的に説明されるようなサンプル品質検出デバイスを指し得る。また、第4の側面によるシステムは、例えば、
図1、
図6−15、および/または
図9−21を参照して例示的に説明されるような体積検出システムを指し得る。また、第4の側面によるシステムは、例えば、
図8−21を参照して例示的に説明されるような相関データ生成システムを指し得る。
【0034】
第4の側面によるシステムは、分注先端を有する、サンプルピペット操作デバイスを備える。サンプルピペット操作デバイスは、物質ピペット操作デバイスを指し得る。その中で、サンプルピペット操作デバイスは、少なくとも部分的に分注先端に係合するように、かつ分注先端の中へ流体物質を吸引するように構成される。本システムはさらに、画像捕捉ユニットと、処理デバイスを備え得る、および/または指し得る、少なくとも1つのコンピュータデバイスとを備える。その中で、画像捕捉ユニットは、分注先端の中の流体物質の少なくとも一部の画像を捕捉するように構成され、コンピュータデバイスは、画像の少なくとも一部の複数の色パラメータを取得するように、かつ複数の色パラメータに基づいて、分注先端の中に含有される流体物質のサンプル分類結果を生成するように構成され、サンプル分類結果は、流体物質中の少なくとも1つの干渉物質の濃度を表す、および/または示す。
【0035】
言い換えると、本システムは、分注先端を有する、サンプルピペット操作デバイスを備えてもよく、サンプルピペット操作デバイスは、分注先端に係合するように構成され、サンプルピペット操作デバイスは、分注先端の中へ流体物質を吸引するように構成される。本システムはさらに、分注先端の中の流体物質の少なくとも一部の画像を捕捉するように構成される、画像捕捉ユニットと、少なくとも1つのコンピュータデバイスと、少なくとも1つのコンピュータデバイスによって実行されると、本システムに、画像捕捉ユニットを使用して、分注先端の中の流体物質の少なくとも一部の画像を捕捉させ、画像の少なくとも一部の複数の色パラメータを取得させ、複数の色パラメータに基づいて、分注先端の中に含有される流体物質のサンプル分類結果を生成させる、命令を記憶する、少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体とを備えてもよく、サンプル分類結果は、流体物質中の少なくとも1つの干渉物質の濃度を表す。
【0036】
第4の側面のシステムの実施形態によると、コンピュータデバイスはさらに、
画像の少なくとも一部のヒストグラムを生成するステップであって、前記ヒストグラムは、複数の色チャネルを備える、ステップ、
複数の色チャネルの複数の平均値を取得するステップ、および/または
複数の色チャネルの複数のリーマン和を取得するステップ
を行うように構成される、
ならびに/もしくはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれらを行わせる。
その中で、複数の色パラメータは、色チャネルの複数の平均および/または複数のリーマン和を含む。
【0037】
第4の側面のシステムの実施形態によると、サンプル分類結果は、少なくとも1つの分類識別子を備え、少なくとも1つの分類識別子は、複数の色パラメータの少なくとも一部と相関性がある、および/または流体物質中の少なくとも1つの干渉物質の濃度と相関性がある。その中で、サンプル分類結果は、複数の分類識別子のうちの少なくとも1つを含んでもよく、複数の分類識別子は、複数の色パラメータと相関性がある。
【0038】
第4の側面のシステムの実施形態によると、コンピュータデバイスはさらに、
画像内の参照点を識別するステップであって、前記参照点は、分注先端と関連付けられる、ステップと、
画像の中の分注先端内の流体物質の表面レベルを識別するステップと、
参照点と表面レベルとの間の距離を判定および/または測定するステップと、
相関データに基づいて、距離を流体物質の体積に変換するステップであって、前記相関データは、分注先端内の体積と参照点から分注先端内の複数の表面レベルまでの距離との間の相関についての情報を含む、ステップと
を行うように構成される、ならびに/もしくはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれらを行わせる。
その中で、相関データはまた、方程式および/または距離と体積との間の関数関係を指し得る。
【0039】
第4の側面のシステムの実施形態によると、コンピュータデバイスは、分注先端の本体上に形成される参照線を判定するように、かつ判定された参照線に基づいて参照点を判定するように構成される。その中で、画像内の参照点は、分注先端の本体上に形成される参照線を含んでもよい。
【0040】
第4の側面のシステムの実施形態によると、コンピュータデバイスは、捕捉された画像のパターン合致に基づいて、および/またはセグメンテーションに基づいて、参照線を判定するように構成される。
【0041】
第4の側面のシステムの実施形態によると、コンピュータデバイスは、捕捉された画像内の参照線を表すパターンを検索および/または識別するように構成される。
【0042】
第4の側面のシステムの実施形態によると、コンピュータデバイスは、捕捉された画像の少なくとも一部を参照画像と比較するように構成される。
【0043】
第4の側面のシステムの実施形態によると、コンピュータデバイスは、捕捉された画像の一部ならびに参照画像の合致率、合致スコア、および/または相関値を判定するように構成される。
【0044】
第4の側面のシステムの実施形態によると、画像捕捉ユニットは、分注先端の側面から流体物質の一部の画像を捕捉するように構成および/または配列される。
【0045】
第4の側面のシステムの実施形態によると、本システムはさらに、サンプルピペット操作モジュールを備え、画像捕捉ユニットは、サンプルピペット操作モジュールに取り付けられる。
【0046】
第4の側面のシステムの実施形態によると、本システムはさらに、画像捕捉ユニットの反対に位置付けられ、かつ分注先端の側面に位置付けられる、光源を備え、光源は、分注先端の側面から分注先端を照射するように構成される。
【0047】
第4の側面のシステムの実施形態によると、本システムはさらに、光源と、サンプルピペット操作モジュールとを備え、光源および画像捕捉ユニットは、サンプルピペット操作モジュールに取り付けられ、および/または光源および画像捕捉ユニットは、分注先端の画像がサンプルピペット操作モジュールの任意の位置で捕捉されることができるように、サンプルピペット操作モジュールとともに、例えば、水平に移動するように構成される。具体的には、画像は、軌道に沿った、および/またはサンプルピペット操作モジュールのサンプル移送ガイドに沿った任意の位置で捕捉されてもよい。
【0048】
第4の側面のシステムの実施形態によると、サンプルピペット操作デバイスは、さらなる分注先端の中へ液体を吸引するように構成され、本システムは、吸引された液体の体積を判定するように構成され、画像捕捉ユニットは、さらなる分注先端のさらなる画像を捕捉するように構成され、コンピュータデバイスは、さらなる分注先端と関連付けられる画像内の参照点の間のピクセル距離を判定するように構成され、かつ判定された体積を判定されたピクセル距離と相関させるように構成される。
【0049】
第4の側面のシステムの実施形態によると、コンピュータデバイスは、判定された体積および判定されたピクセル距離に基づいて、相関データを生成するように構成される。
【0050】
第4の側面のシステムの実施形態によると、相関データは、複数の判定されたピクセル距離とさらなる分注先端の中へ吸引される液体の複数の判定された体積との間の複数の相関に基づいて生成される。
【0051】
第4の側面のシステムの実施形態によると、吸引された液体は、染料溶液を備える。代替として、または加えて、本システムは、分光光度法に基づいて吸引された液体の体積を判定するように構成される。
【0052】
第4の側面のシステムの実施形態によると、本システムは、吸引された液体の質量を判定するように、かつ吸引された液体の判定された質量に基づいて吸引された液体の体積を判定するように構成される。
【0053】
上記で説明されるような第4の側面によるシステムの任意の実施形態は、上記で説明されるような第4の側面によるシステムの1つまたはそれを上回るさらなる実施形態と組み合わせられ得ることに留意されたい。これは、特に有利な相乗効果を提供することを可能にし得る。
【0054】
さらに、上記ならびに以下で説明されるような第4の側面によるシステムの任意の特徴、機能、特性、および/または要素は、上記ならびに以下で説明されるような第1の側面による方法の特徴、機能、特性、ステップ、および/または要素であってもよいことに留意されたい。逆も同様に、上記ならびに以下で説明されるような第1の側面による方法の任意の特徴、機能、特性、ステップ、および/または要素は、上記ならびに以下で説明されるような第4の側面によるシステムの特徴、機能、特性、および/または要素であってもよい。
【0055】
本開示の第5の側面によると、流体物質を評価するためのシステムが提供される。とりわけ、第5の側面によるシステムは、例えば、
図56−58を参照して例示的に説明されるような先端整合検出デバイスを指し得る。第5の側面によるシステムはさらに、例えば、
図1、
図5−15、および/または
図9−21を参照して例示的に説明されるような分注先端評価システムならびに/もしくは体積検出システムを指し得る。また、第5の側面によるシステムは、
図8−21を参照して例示的に説明されるような相関データ生成システムを指し得る。
【0056】
第5の側面によるシステムは、少なくとも部分的に分注先端に係合するように構成される、サンプルピペット操作デバイスを備え、サンプルピペット操作デバイスは、分注先端の中へ流体物質を吸引するように構成され、分注先端は、少なくとも1つの参照線を有する。サンプルピペット操作デバイスは、物質ピペット操作デバイスを指し得る。
本システムはさらに、分注先端の少なくとも一部の画像を捕捉するように構成される、画像捕捉ユニットと、
少なくとも1つのコンピュータデバイスであって、前記少なくとも1つのコンピュータデバイスは、処理デバイスを含み得、前記処理デバイスは、
分注先端の画像の一部から分注先端の少なくとも1つの参照線を識別するステップと、
少なくとも1つの参照線の少なくとも1つの特性を判定するステップと、
少なくとも1つの参照線の少なくとも1つの特性を閾値と比較するステップと
を行うように構成され、その閾値は、分注先端の不整合を表す、少なくとも1つのコンピュータデバイスと
を備える。コンピュータデバイスは、少なくとも1つの参照線の特性が閾値を満たすかどうかを判定するように構成されてもよく、閾値は、分注先端の不整合を表す。その中で、不整合は、画像捕捉ユニットに対する、および/またはサンプルピペット操作モジュールに対する不整合を指し得る。
【0057】
本システムはまた、ソフトウェア命令を記憶する、少なくとも1つのコンピュータ可読データ記憶媒体を備えてもよく、前記ソフトウェア命令は、少なくとも1つの処理デバイスによって、および/またはコンピュータデバイスによって実行されると、本システムに、
分注先端の画像から分注先端の少なくとも1つの参照線を識別するステップと、
少なくとも1つの参照線の1つまたはそれを上回る特性を取得するステップと、
少なくとも1つの参照線の特性が、閾値を満たすかどうかを判定するステップであって、前記閾値は、分注先端の不整合を表す、ステップと
を行わせる。
【0058】
第5の側面のシステムの実施形態によると、少なくとも1つの参照線は、分注先端上に形成される、第1の参照線と、第2の参照線とを備える。
【0059】
第5の側面のシステムの実施形態によると、少なくとも1つの参照線は、分注先端上に形成される、第1の参照線と、第2の参照線とを備え、少なくとも1つのコンピュータデバイスはさらに、
第1の参照線の長さを判定および/または計算するステップと、
第2の参照線の長さを判定および/または計算するステップと、
第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する線の角度を判定および/または計算するステップであって、線は、第1の参照線の事前判定された点および第2の参照線の事前判定された点を接続する、ステップと、
に基づいて、少なくとも1つの参照線の少なくとも1つの特性を取得するステップと、
第1の参照線の長さ、第2の参照線の長さ、および線の角度のうちの少なくとも1つに基づいて、分注先端の不整合、例えば、画像捕捉ユニットに対する、および/またサンプルピペット操作モジュールに対する不整合を判定するステップと
を行うように構成される、ならびに/もしくはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれらを行わせる。
【0060】
第5の側面のシステムの実施形態によると、本システムは、不整合を判定することに応答して、サンプルピペット操作デバイスが分注先端の中へ流体物質を吸引することを防止するように構成される、および/またはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれを行わせる。一例として、コンピュータデバイスは、不整合を判定することに応答して、中断信号を生成および/または出力するように構成されてもよい。
【0061】
第5の側面のシステムの実施形態によると、少なくとも1つのコンピュータデバイスはさらに、不整合を判定することに応答して、分注先端の中への流体物質の吸引にフラグを付ける、および/または吸引を開始するように構成される、ならびに/もしくはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれを行わせる。
【0062】
第5の側面のシステムの実施形態によると、少なくとも1つのコンピュータデバイスはさらに、
分注先端の画像の一部から分注先端の少なくとも1つの参照線を識別するステップと、
画像の中の分注先端内の流体物質の表面レベルを識別するステップと、
少なくとも1つの参照線と表面レベルとの間の距離を判定および/または測定するステップと、
相関データに基づいて、距離を流体物質の体積に変換することによって、流体物質の体積を判定するステップであって、前記相関データは、分注先端内の体積と少なくとも1つの参照線から分注先端内の複数の表面レベルまでの距離との間の相関についての情報を含む、ステップと
を行うように構成される、ならびに/もしくはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれらを行わせる。
その中で、相関データはまた、方程式および/または距離と体積との間の関数関係を指し得る。
【0063】
第5の側面のシステムの実施形態によると、コンピュータデバイスは、捕捉された画像のパターン合致に基づいて、および/またはセグメンテーションに基づいて、参照線を判定するように構成される。
【0064】
第5の側面のシステムの実施形態によると、コンピュータデバイスは、捕捉された画像内の参照線を表すパターンを検索するように構成される。
【0065】
第5の側面のシステムの実施形態によると、コンピュータデバイスは、捕捉された画像の少なくとも一部を参照画像と比較するように構成される。
【0066】
第5の側面のシステムの実施形態によると、コンピュータデバイスは、捕捉された画像の一部ならびに参照画像の合致率、合致スコア、および/または相関値を判定するように構成される。
【0067】
第5の側面のシステムの実施形態によると、少なくとも1つの参照線は、分注先端上に形成される、第1の参照線と、第2の参照線とを備え、少なくとも1つのコンピュータデバイスはさらに、
画像内の第1の参照線の長さを判定および/または計算するステップと、
画像内の第2の参照線の長さを判定および/または計算するステップと、
第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する線の角度を判定および/または計算するステップであって、前記線は、第1の参照線の事前判定された点および第2の参照線の事前判定された点を接続する、ステップと、
第1の参照線の長さ、第2の参照線の長さ、および線の角度のうちの少なくとも1つに基づいて、分注先端の不整合、例えば、画像捕捉ユニットに対する、および/またはサンプルピペット操作モジュールに対する不整合を判定するステップと、
不整合の判定に基づいて、流体物質の体積を調節するステップと
を行うように構成される、ならびに/もしくはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれらを行わせる。
【0068】
第5の側面のシステムの実施形態によると、分注先端の不整合は、側面不整合と、深度不整合とを含む。その中で、側面不整合は、カメラおよび/または画像捕捉ユニットの光軸に対する分注先端の変位を指し得る。深度不整合は、カメラおよび/または画像捕捉ユニットの光軸に沿った分注先端の変位を指し得る。
【0069】
第5の側面のシステムの実施形態によると、少なくとも1つの参照線は、分注先端上に形成される、第1の参照線と、第2の参照線とを備え、少なくとも1つのコンピュータデバイスはさらに、
画像内の第1の参照線の事前判定された点を識別するステップと、
画像内の第2の参照線の事前判定された点を識別するステップと、
第1の参照線の事前判定された点および第2の参照線の事前判定された点を接続する、整合線を画定するステップと、
第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する整合線の角度を判定するステップと、
角度を閾値角度値と比較するステップと
を行うように構成され、その閾値角度値は、分注先端の側面不整合を表す、および/またはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれらを行わせる。
その中で、整合線の角度が閾値角度値未満であるかどうかが判定されてもよく、閾値角度値は、分注先端の側面不整合を表す。
【0070】
第5の側面のシステムの実施形態によると、第1の参照線の事前判定された点は、画像内の第1の参照線の中心点であり、第2の参照線の事前判定された点は、画像内の第2の参照線の中心点である。
【0071】
第5の側面のシステムの実施形態によると、本システムは、第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する整合線の角度が、閾値角度値を満たす、および/または超えることを判定することに応答して、サンプルピペット操作デバイスが分注先端の中へ流体物質を吸引することを防止するように構成される、ならびに/もしくはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれを行わせる。本システムおよび/またはコンピュータデバイスは、第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する整合線の角度が、閾値角度値を満たす、および/または超えることを判定することに応答して、中断信号を生成ならびに/もしくは出力するように構成されてもよい。故に、本システムは、整合線の角度が少なくとも閾値角度値であることを判定することに応答して、物質ピペット操作デバイスおよび/またはサンプルピペット操作デバイスが分注先端の中へ流体物質を吸引することを防止するように構成されてもよい。
【0072】
第5の側面のシステムの実施形態によると、少なくとも1つのコンピュータデバイスはさらに、第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する整合線の角度が、閾値角度値を満たす、および/または超えることを判定することに応答して、分注先端の中への流体物質の吸引にフラグを付ける、ならびに/もしくは、例えば、吸引にフラグを付けることによって、分注先端の中への流体物質の吸引を開始するように構成される、および/またはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれを行わせる。故に、本システムは、整合線の角度が少なくとも閾値角度値であることを判定することに応答して、分注先端の中への流体物質の吸引にフラグを付けるように構成されてもよい。
【0073】
第5の側面のシステムの実施形態によると、少なくとも1つのコンピュータデバイスはさらに、
先端の捕捉された画像に基づいて、少なくとも1つの参照線の長さを判定および/または識別するステップと、
少なくとも1つの参照線の実際の長さを取得するステップと、
少なくとも1つの参照線の長さと少なくとも1つの参照線の実際の長さとの間の比を計算するステップと、
比に基づいて、分注先端の深度不整合を判定するステップと
を行うように構成される、ならびに/もしくはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれらを行わせる。
【0074】
代替として、または加えて、本ソフトウェア命令はさらに、本システムに、
先端の捕捉された画像から第1の参照線の長さを識別するステップと、
第1の参照線の実際の長さを取得するステップと、
第1の参照線の長さと第1の参照線の実際の長さとの間の比を計算するステップと、
比に基づいて、分注先端の深度不整合を判定するステップと
を行わせる。
【0075】
第5の側面のシステムの実施形態によると、本システムはさらに、比に基づいて、流体物質の判定された体積を調節するように構成される、および/またはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれを行わせる。
【0076】
第5の側面のシステムの実施形態によると、本システムはさらに、光源と、サンプルピペット操作モジュールとを備え、光源および画像捕捉ユニットは、サンプルピペット操作モジュールに取り付けられ、および/または光源および画像捕捉ユニットは、分注先端の画像がサンプルピペット操作モジュールの任意の位置で捕捉されることができるように、サンプルピペット操作モジュールとともに、例えば、水平に移動するように構成される。一例として、画像は、軌道に沿った、および/またはサンプルピペット操作モジュールのサンプル移送ガイドに沿った任意の位置で捕捉されてもよい。
【0077】
第5の側面のシステムの実施形態によると、サンプルピペット操作デバイスは、さらなる分注先端の中へ液体を吸引するように構成され、本システムは、吸引された液体の体積を判定するように構成される。画像捕捉ユニットは、さらなる分注先端のさらなる画像を捕捉するように構成され、コンピュータデバイスは、さらなる分注先端と関連付けられる画像内の参照点の間のピクセル距離を判定するように構成され、かつ判定された体積を判定されたピクセル距離と相関させるように構成される。
【0078】
第5の側面のシステムの実施形態によると、コンピュータデバイスは、判定された体積および判定されたピクセル距離に基づいて、相関データを生成するように構成される。
【0079】
第5の側面のシステムの実施形態によると、相関データは、複数の判定されたピクセル距離とさらなる分注先端の中へ吸引される液体の複数の判定された体積との間の複数の相関に基づいて生成される。
【0080】
第5の側面のシステムの実施形態によると、吸引された液体は、染料溶液を備え、および/または本システムは、分光光度法に基づいて吸引された液体の体積を判定するように構成される。
【0081】
第5の側面のシステムの実施形態によると、本システムは、吸引された液体の質量を判定するように、かつ吸引された液体の判定された質量に基づいて吸引された液体の体積を判定するように構成される。
【0082】
上記で説明されるような第5の側面によるシステムの任意の実施形態は、上記で説明されるような第5の側面によるシステムの1つまたはそれを上回るさらなる実施形態と組み合わせられ得ることに留意されたい。これは、特に有利な相乗効果を提供することを可能にし得る。
【0083】
本開示の第6の側面によると、コンテナの中の流体物質を評価する方法が提供される。とりわけ、第6の側面による方法は、例えば、
図1、
図5−15、
図9−21、および/または
図56−68を参照して例示的に説明されるような、先端整合検出デバイスを動作させるため、分注先端完全性評価デバイスを動作させるため、体積検出システムを動作させるため、ならびに/もしくは分注先端評価システムを動作させるための方法を指し得る。
【0084】
第6の側面による方法は、
画像捕捉デバイスを使用して、コンテナの少なくとも一部の画像を捕捉するステップであって、コンテナは、分注先端であってもよい、ステップと、
少なくとも1つのコンピュータデバイスを使用して、コンテナの画像からコンテナの第1の参照線および第2の参照線を判定ならびに/または識別するステップと、
第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの特性を判定ならびに/または取得するステップと
を含む。
その中で、少なくとも1つの特性は、第1の参照線の長さ、第2の参照線の長さ、ならびに第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する線の角度のうちの少なくとも1つを備え、線は、第1の参照線の事前判定された点および第2の参照線の事前判定された点を接続する。第6の側面による方法はさらに、第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの特性を、分注先端の不整合を表す閾値と比較するステップを含む。
【0085】
言い換えると、第6の側面による方法は、
画像捕捉ユニットを使用して、コンテナの少なくとも一部の画像を捕捉するステップと、
少なくとも1つのコンピュータデバイスを使用して、分注先端の画像から分注先端の第1の参照線および第2の参照線を識別するステップと、
第1および第2の参照線の1つまたはそれを上回る特性を取得するステップであって、特性は、第1の参照線の長さ、第2の参照線の長さ、および参照線に対する線の角度のうちの少なくとも1つを含み、線は、第1の参照線の事前判定された点および第2の参照線の事前判定された点を接続する、ステップと、
少なくとも1つの参照線の特性が閾値を満たすかどうかを判定するステップであって、閾値は、分注先端の不整合を表す、ステップと
を含んでもよい。
【0086】
第6の側面の方法の実施形態によると、第1の参照線ならびに第2の参照線は、捕捉された画像のパターン合致に基づいて、および/またはセグメンテーションに基づいて判定される。
【0087】
第6の側面の方法の実施形態によると、第1の参照線および第2の参照線を判定するステップは、捕捉された画像内の第1の参照線および/または第2の参照線を表すパターンを検索するステップを含む。
【0088】
第6の側面の方法の実施形態によると、第1の参照線および第2の参照線を判定するステップは、捕捉された画像の少なくとも一部を参照画像と比較するステップを含む。
【0089】
第6の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、捕捉された画像の一部ならびに参照画像の合致率、合致スコア、および/または相関値を判定するステップを含む。
【0090】
第6の側面の方法の実施形態によると、コンテナは、流体物質を含有し、本方法はさらに、
捕捉された画像の中のコンテナ内の流体物質の表面レベルを識別するステップと、
第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つと表面レベルとの間の距離を判定するステップと、
相関データに基づいて、距離を流体物質の体積に変換することによって、流体物質の体積を判定するステップであって、前記相関データは、コンテナ内の体積と第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つからコンテナ内の複数の表面レベルまでの距離との間の相関についての情報を含む、ステップと
を含む。
その中で、相関データはまた、方程式および/または距離と体積との間の関数関係を指し得る。
【0091】
第6の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、
画像内の第1の参照線の長さを判定するステップと、
画像内の第2の参照線の長さを判定するステップと、
第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する線の角度を判定するステップであって、線は、第1の参照線の事前判定された点および第2の参照線の事前判定された点を接続する、ステップと、
第1の参照線の長さ、第2の参照線の長さ、および線の角度のうちの少なくとも1つに基づいて、コンテナの不整合を判定するステップと、
不整合の判定に基づいて、流体物質の体積を調節するステップと
を含む。
その中で、不整合は、画像捕捉ユニットに対する、および/またはサンプルピペット操作モジュールに対する不整合を指し得る。
【0092】
第6の側面の方法の実施形態によると、コンテナの不整合は、側面不整合と、深度不整合とを含む。その中で、側面不整合は、カメラおよび/または画像捕捉ユニットの光軸に対する分注先端の変位を指し得、深度不整合は、カメラおよび/または画像捕捉ユニットの光軸に沿った分注先端の変位を指し得る。
【0093】
第6の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、
画像内の第1の参照線の事前判定された点を識別するステップと、
画像内の第2の参照線の事前判定された点を識別するステップと、
第1の参照線の事前判定された点および第2の参照線の事前判定された点を接続する、整合線を画定するステップと、
第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する整合線の角度を判定するステップと、
角度を閾値角度値と比較するステップであって、その閾値角度値は、コンテナの側面不整合を表す、ステップと
を含む。
【0094】
第6の側面の方法の実施形態によると、第1の参照線の事前判定された点は、画像内の第1の参照線の中心点であり、第2の参照線の事前判定された点は、画像内の第2の参照線の中心点である。
【0095】
第6の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する整合線の角度が、閾値角度値を満たす、および/または超えることを判定することに応答して、コンテナの中への流体物質の吸引を防止するステップを含む。故に、吸引を防止する中断信号は、第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する整合線の角度が、閾値角度値を満たす、および/または超えることを判定することに応答して、生成されてもよい。
【0096】
第6の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する整合線の角度が、閾値角度値を満たす、および/または超えることを判定することに応答して、コンテナの中への流体物質の吸引にフラグを付けるステップ、ならびに/もしくはコンテナの中への流体物質の吸引を開始するステップを含む。
【0097】
第6の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、
コンテナの捕捉された画像に基づいて、第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つの長さを判定するステップと、
例えば、データ記憶デバイスから、第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つの実際の長さを取得するステップと、
第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つの長さと第1の参照線および第2の参照線のうちの少なくとも1つの実際の長さとの間の比を計算するステップと、
比に基づいて、コンテナの深度不整合を判定するステップと
を含む。
【0098】
第6の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、比に基づいて、流体物質の判定された体積を調節するステップを含む。
【0099】
上記で説明されるような第6の側面による方法の任意の実施形態は、上記で説明されるような第6の側面による方法の1つまたはそれを上回るさらなる実施形態と組み合わせられ得ることに留意されたい。これは、特に有利な相乗効果を提供することを可能にし得る。
【0100】
さらに、上記ならびに以下で説明されるような第5の側面によるシステムの任意の特徴、機能、特性、および/または要素は、上記ならびに以下で説明されるような第6の側面による方法の特徴、機能、特性、ステップ、および/または要素であってもよいことに留意されたい。逆も同様に、上記ならびに以下で説明されるような第6の側面による方法の任意の特徴、機能、特性、ステップ、および/または要素は、上記ならびに以下で説明されるような第5の側面によるシステムの特徴、機能、特性、および/または要素であってもよい。
【0101】
本開示の第7の側面によると、流体物質を評価するためのシステムのコンピュータデバイス上で実行されると、第6の側面による方法のステップを実施するようにコンピュータデバイスおよび/またはシステムに命令する、コンピュータプログラム要素が提供される。
【0102】
本開示の第8の側面によると、第7の側面によるコンピュータプログラム要素が記憶される、非一過性のコンピュータ可読媒体が提供される。
【0103】
本開示の第9の側面によると、流体物質を評価するためのシステムが提供される。第9の側面によるシステムは、例えば、
図69−79を参照して例示的に説明されるような粒子濃度チェックシステム、例えば、
図5−15を参照して例示的に説明されるような体積検出システム、例えば、
図8−21を参照して例示的に説明されるような相関データ生成システム、および/または、例えば、
図32−34を参照して例示的に説明されるような反応容器残留体積検出デバイスを指し得る。
【0104】
第9の側面によるシステムは、1つまたはそれを上回るコンテナを支持および/もしくは保持するように構成される、コンテナキャリッジデバイスと、コンテナキャリッジデバイス上のコンテナのうちの少なくとも1つの中の流体物質を分注するように構成される、サンプルピペット操作デバイスおよび/または物質ピペット操作デバイスと、コンテナキャリッジデバイス上のコンテナのうちの少なくとも1つの画像を捕捉するように構成される、画像捕捉デバイスと、少なくとも1つの処理デバイスならびに/もしくは少なくとも1つのコンピュータデバイスとを備える。
その中で、本システムは、
サンプルピペット操作デバイスを使用して、コンテナの中へ少なくとも1つの流体物質を分注するステップと、
画像捕捉デバイスを使用して、コンテナキャリッジデバイス上のコンテナの画像を捕捉するステップと、
少なくとも1つの処理デバイスを使用して、コンテナの画像を分析し、コンテナの中の分注された少なくとも1つの流体物質の体積を判定するステップと、
少なくとも1つの処理デバイスを使用して、コンテナの画像を分析し、コンテナの中の流体物質の全体積の粒子濃度を判定するステップと
を行うように構成される。
【0105】
本システムは、ソフトウェア命令を記憶する、少なくとも1つのコンピュータ可読データ記憶媒体を備えてもよく、前記ソフトウェア命令は、少なくとも1つの処理デバイスによって実行されると、本システムに、
コンテナの中へ1つまたはそれを上回る流体物質を分注するステップと、
コンテナキャリッジデバイス上のコンテナの画像を取得するステップと、
コンテナの画像を分析し、コンテナの中の分注された流体物質の体積を判定するステップと、
コンテナの画像を分析し、コンテナの中の流体物質の全体積の粒子濃度を判定するステップと
を行わせる。
【0106】
第9の側面のシステムの実施形態によると、流体物質の全体積は、少なくとも1つの体液および/または少なくとも1つの試薬を備える。
【0107】
第9の側面のシステムの実施形態によると、本システムはさらに、
コンテナの中に含有される少なくとも1つの流体物質に試薬を分注した後に、画像捕捉デバイスを使用して、コンテナの第1の画像を捕捉および/または取得するステップであって、少なくとも1つの流体物質は、少なくとも1つの体液を備える、ステップと、
添加された試薬をコンテナの中の少なくとも1つの流体物質と混合した後に、画像捕捉デバイスを使用して、コンテナの第2の画像を捕捉および/または取得するステップと、
少なくとも1つの処理デバイスを使用して、コンテナの第1の画像を分析し、コンテナの中の分注された試薬の体積を判定するステップと、
少なくとも1つの処理デバイスを使用して、コンテナの第2の画像を分析し、コンテナの中の流体物質の全体積の粒子濃度を判定するステップと
を行うように構成される、ならびに/もしくはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれらを行わせる。
【0108】
第9の側面のシステムの実施形態によると、粒子濃度は、常磁性粒子の濃度を備える。
【0109】
第9の側面のシステムの実施形態によると、少なくとも1つの試薬は、化学発光基質を備える。
【0110】
第9の側面のシステムの実施形態によると、第1の画像は、試薬がコンテナの中へ分注された後の約0.2秒で捕捉され、第2の画像は、混合の約6.5秒後に捕捉される。
【0111】
第9の側面のシステムの実施形態によると、画像捕捉デバイスは、コンテナキャリッジデバイスに搭載され、画像捕捉デバイスは、コンテナの側面からコンテナの画像を捕捉するように構成および/または配列される。
【0112】
第9の側面のシステムの実施形態によると、本システムはさらに、光源を備え、光源および画像捕捉デバイスは、光源が画像捕捉デバイスの反対に位置付けられるように、コンテナキャリッジデバイスに搭載される。
【0113】
第9の側面のシステムの実施形態によると、コンテナキャリッジデバイスは、回転可能プレートを備える、洗浄ホイールであり、回転可能プレートは、コンテナを画像捕捉デバイスまで回転させるように構成される。
【0114】
第9の側面のシステムの実施形態によると、本システムはさらに、例えば、適切なハードウェアおよび/またはソフトウェア手段によって、コンテナがコンテナキャリッジデバイス上に存在するかどうかを検出するように構成される、ならびに/もしくはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれを行わせる。
【0115】
第9の側面のシステムの実施形態によると、少なくとも1つの処理デバイスは、
画像内の参照点を判定および/または識別するステップであって、参照点は、コンテナと関連付けられる、ステップと、
画像の中のコンテナ内の少なくとも1つの流体物質の表面レベルを判定および/または識別するステップと、
参照点と表面レベルとの間の距離を判定および/または測定するステップと、
相関データに基づいて、距離を分注された少なくとも1つの流体物質および/または試薬の体積に変換するステップであって、前記相関データは、コンテナ内の体積と参照点からコンテナ内の複数の表面レベルまでの距離との間の相関についての情報を含む、ステップと
を行うように構成される、ならびに/もしくはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれらを行わせる。
【0116】
第9の側面のシステムの実施形態によると、参照点を判定および/または識別するステップは、コンテナの底部分を判定ならびに/もしくは識別するステップを含む。
【0117】
第9の側面のシステムの実施形態によると、距離は、ピクセル距離によって測定される。
【0118】
第9の側面のシステムの実施形態によると、処理デバイスは、捕捉された画像のパターン合致に基づいて、および/またはセグメンテーションに基づいて、参照点を判定するように構成される。
【0119】
第9の側面のシステムの実施形態によると、処理デバイスは、捕捉された画像内の参照点を表すパターンを検索するように構成される。
【0120】
第9の側面のシステムの実施形態によると、処理デバイスは、捕捉された画像の少なくとも一部を参照画像と比較するように構成される。
【0121】
第9の側面のシステムの実施形態によると、処理デバイスは、捕捉された画像の一部ならびに参照画像の合致率、合致スコア、および/または相関値を判定するように構成される。
【0122】
第9の側面のシステムの実施形態によると、サンプルピペット操作デバイスは、さらなるコンテナの中へ液体を吸引するように構成され、本システムは、吸引された液体の体積を判定するように構成され、画像捕捉ユニットは、さらなるコンテナのさらなる画像を捕捉するように構成され、処理デバイスは、さらなるコンテナと関連付けられる画像内の参照点の間のピクセル距離を判定するように構成され、かつ判定された体積を判定されたピクセル距離と相関させるように構成される。
【0123】
第9の側面のシステムの実施形態によると、処理デバイスは、判定された体積および判定されたピクセル距離に基づいて、相関データを生成するように構成される。
【0124】
第9の側面のシステムの実施形態によると、相関データは、複数の判定されたピクセル距離とさらなるコンテナの中へ吸引される液体の複数の判定された体積との間の複数の相関に基づいて生成される。
【0125】
第9の側面のシステムの実施形態によると、吸引された液体は、染料溶液を備える。代替として、または加えて、本システムは、分光光度法に基づいて吸引された液体の体積を判定するように構成される。
【0126】
第9の側面のシステムの実施形態によると、本システムは、吸引された液体の質量を判定するように、かつ吸引された液体の判定された質量に基づいて吸引された液体の体積を判定するように構成される。
【0127】
第9の側面のシステムの実施形態によると、少なくとも1つの処理デバイスはさらに、
例えば、センサから輝度値を受信することに基づいて、および/または、例えば、画像処理に基づいて、コンテナの画像から流体物質の全体積の輝度を取得ならびに/もしくは判定するステップと、
流体物質の輝度および較正データに基づいて、流体物質の全体積の粒子濃度を判定するステップと、
判定された粒子濃度を閾値と比較するステップと、
判定された粒子濃度が閾値を下回ることを判定することに応答して、流体物質の全体積を含有するコンテナにフラグを付けるステップと
を行うように構成される、および/またはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれらを行わせる。
【0128】
第9の側面のシステムの実施形態によると、本システムはさらに、
サンプルピペット操作デバイスを使用して、コンテナから流体物質の少なくとも一部を吸引するステップと、
画像捕捉デバイスを使用して、コンテナの少なくとも一部の第3の画像を捕捉するステップと、
少なくとも1つの処理デバイスを使用して、第3の画像を参照画像と比較するステップと、
少なくとも1つの処理デバイスを使用して、第3の画像と参照画像との間の類似性に基づいて合致スコアを判定するステップと、
生成された合致スコアを閾値と比較するステップと
を行うように構成される、および/またはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれらを行わせる。
【0129】
第9の側面のシステムの実施形態によると、本システムはさらに、少なくとも1つの処理デバイスを使用して、第3の画像内の着目エリアを判定するように構成され、および/またはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれを行わせ、第3の画像を比較するステップは、第3の画像内の着目エリアを参照画像の少なくとも一部と比較するステップを含む。
【0130】
第9の側面のシステムの実施形態によると、着目エリアは、コンテナの底部に隣接する領域を備える。
【0131】
第9の側面のシステムの実施形態によると、本システムはさらに、
合致スコアが閾値に等しい、および/またはそれを下回るときに、コンテナからの吸引の結果にフラグを付けること、ならびに/もしくは
合致スコアが閾値を超えないときに、コンテナからの吸引の結果にフラグを付けること
を行うように構成される、および/またはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれらを行わせる。
【0132】
第9の側面のシステムの実施形態によると、コンテナキャリッジデバイスは、複数のコンテナスロットを備え、各コンテナスロットは、コンテナを支持するように構成され、本システムはさらに、
画像捕捉デバイスを使用して、コンテナキャリッジデバイスの第1の位置において複数のコンテナスロットのうちの1つの第4の画像を捕捉するステップと、
少なくとも1つの処理デバイスを使用して、第4の画像を参照画像と比較するステップと、
少なくとも1つの処理デバイスを使用して、第4の画像と参照画像との間の類似性に基づいて合致スコアを生成するステップと、
合致スコアを閾値と比較するステップと
を行うように構成される、および/またはソフトウェア命令はさらに、本システムにこれらを行わせる。
【0133】
第9の側面のシステムの実施形態によると、閾値を超える、および/または満たす合致スコアは、複数のコンテナスロットのうちの1つにおけるコンテナの非存在を表す。
【0134】
第9の側面のシステムの実施形態によると、本システムは、合致スコアが閾値を下回るときに、複数のコンテナスロットのうちの1つからコンテナを除去するように構成される、および/またはソフトウェア命令はさらに、合致スコアが閾値を満たさないときに、本システムに複数のコンテナスロットのうちの1つからコンテナを除去させる。
【0135】
第9の側面のシステムの実施形態によると、本システムは、合致スコアが閾値を超える、および/または満たすことを判定した後に、ならびに/もしくはそれに応答して、コンテナキャリッジデバイスを第2の位置まで移動させるように構成される。代替として、または加えて、ソフトウェア命令はさらに、合致スコアが閾値を超えることを判定した後に、本システムにコンテナキャリッジデバイスを第2の位置まで移動させる。
【0136】
上記で説明されるような第9の側面によるシステムの任意の実施形態は、上記で説明されるような第9の側面によるシステムの1つまたはそれを上回るさらなる実施形態と組み合わせられ得ることに留意されたい。これは、特に有利な相乗効果を提供することを可能にし得る。
【0137】
本開示の第10の側面によると、コンテナの中の流体物質を評価するための方法が提供される。第10の側面による方法は、例えば、
図69−79を参照して例示的に説明されるような粒子濃度チェックシステムを動作させるための方法、および/または例えば、
図5−15を参照して例示的に説明されるような体積検出システムを動作させるための方法を指し得る。
【0138】
第10の側面による方法は、
サンプルピペット操作デバイスを使用して、コンテナの中へ少なくとも1つの流体物質を分注するステップと、
画像捕捉デバイスを使用して、コンテナキャリッジデバイスの上に配列されるコンテナの少なくとも一部の画像を捕捉および/または取得するステップであって、そのコンテナキャリッジデバイスは、1つまたはそれを上回るコンテナを支持ならびに/もしくは保持するように構成される、ステップと、
少なくとも1つのコンピュータデバイスを使用して、コンテナの画像を分析し、コンテナの中の少なくとも1つの分注された流体物質の体積を判定するステップと、
少なくとも1つのコンピュータデバイスを使用して、コンテナの画像を分析し、コンテナの中の流体物質の全体積の粒子濃度を判定するステップと
を含む。
その中で、「流体物質の全体積」という用語は、少なくとも1つの分注された流体物質、随意に、少なくとも1つの添加された試薬を指し得る。
【0139】
第10の側面の方法の実施形態によると、コンテナの画像を捕捉および/または取得するステップは、
コンテナの中に含有される少なくとも1つの流体物質に試薬を分注した後に、画像捕捉デバイスを使用して、コンテナの第1の画像を捕捉および/または取得するステップであって、少なくとも1つの流体物質は、少なくとも1つの体液を含む、ステップと、
試薬を添加した、および/または、例えば、添加された試薬をコンテナの中の少なくとも1つの流体物質と混合した後に、画像捕捉デバイスを使用して、コンテナの第2の画像を捕捉ならびに/もしくは取得するステップと
を含む。
その中で、コンテナの画像を分析し、少なくとも1つの分注された流体物質の体積を判定するステップは、コンテナの第1の画像を分析し、コンテナの中に含有される分注された試薬の体積を判定するステップを含み、コンテナの画像を分析し、流体物質の全体積の粒子濃度を判定するステップは、コンテナの第2の画像を分析し、コンテナの中の流体物質の全体積の粒子濃度を判定するステップを含む。
【0140】
上記で説明されるような第10の側面による方法の任意の実施形態は、上記で説明されるような第10の側面による方法の1つまたはそれを上回るさらなる実施形態と組み合わせられ得ることに留意されたい。これは、特に有利な相乗効果を提供することを可能にし得る。
【0141】
さらに、上記ならびに以下で説明されるような第9の側面によるシステムの任意の特徴、機能、特性、および/または要素は、上記ならびに以下で説明されるような第10の側面による方法の特徴、機能、特性、ステップ、および/または要素であってもよいことに留意されたい。逆も同様に、上記ならびに以下で説明されるような第10の側面による方法の任意の特徴、機能、特性、ステップ、および/または要素は、上記ならびに以下で説明されるような第9の側面によるシステムの特徴、機能、特性、および/または要素であってもよい。
【0142】
本開示の第11の側面によると、流体物質を評価するためのシステムのコンピュータデバイス上で実行されると、第10の側面による方法のステップを実施するようにコンピュータデバイスおよび/またはシステムに命令する、コンピュータプログラム要素が提供される。
【0143】
本開示の第12の側面によると、第11の側面によるコンピュータプログラム要素が記憶される、非一過性のコンピュータ可読媒体が提供される。
【0144】
本開示の第13の側面によると、コンテナの中の流体物質を評価するための方法が提供される。第13の側面による方法は、例えば、
図5−15を参照して例示的に説明されるような体積検出システムを動作させるための方法、例えば、
図35−36を参照して例示的に説明されるような分注調節システムを動作させるための方法、例えば、
図8−21を参照して例示的に説明されるような相関データ生成システムを動作させるための方法、および/または、例えば、
図32−34を参照して例示的に説明されるような残留体積検出デバイスを動作させるための方法を指し得る。
【0145】
第13の側面による方法は、
物質分注デバイスを使用して、流体物質をコンテナに分注するステップと、
少なくとも1つのコンピュータデバイスを使用して、コンテナの中の流体物質の体積を判定および/または測定するステップと、
物質分注デバイスの動作情報を受信するステップであって、前記動作情報は、流体物質分注デバイスの動作パラメータを含む、ステップと、
流体物質の標的分注体積を受信するステップと、
流体物質の判定された体積を標的分注体積と比較するステップと、
物質分注デバイスの較正情報を生成するステップと、
較正情報に基づいて、物質分注デバイスの動作パラメータを調節するステップと
を含む。
【0146】
第13の側面の方法の実施形態によると、流体物質の体積を判定および/または測定するステップは、
画像捕捉デバイスを使用して、コンテナの少なくとも一部の画像を捕捉するステップと、
少なくとも1つのコンピュータデバイスを使用して、画像内の参照点を識別するステップであって、前記参照点は、コンテナと関連付けられる、ステップと、
少なくとも1つのコンピュータデバイスを使用して、画像の中のコンテナ内の流体物質の表面レベルを識別するステップと、
参照点と表面レベルとの間の距離を判定するステップと、
相関データに基づいて、距離を流体物質の体積に変換するステップであって、前記相関データは、コンテナ内の体積と参照点からコンテナ内の複数の表面レベルまでの距離との間の相関についての情報を含む、ステップと
を含む。
【0147】
第13の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、
液体をさらなるコンテナに供給するステップと、
供給された液体の体積を判定するステップと、
コンテナのさらなる画像を捕捉するステップと、
さらなるコンテナと関連付けられる画像内の参照点の間のピクセル距離を判定するステップと、
判定された体積を判定されたピクセル距離と相関させるステップと
を含む。
【0148】
第13の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、判定された体積および判定されたピクセル距離に基づいて相関データを生成するステップを含む。
【0149】
第13の側面の方法の実施形態によると、相関データは、複数の判定されたピクセル距離とさらなるコンテナに供給される液体の複数の判定された体積との間の複数の相関に基づいて生成される。
【0150】
第13の側面の方法の実施形態によると、供給された液体は、染料溶液を備える。代替として、または加えて、供給された液体の体積は、分光光度法に基づいて判定される。
【0151】
第13の側面の方法の実施形態によると、供給された液体の体積を判定するステップは、供給された液体の質量を判定するステップを含む。
【0152】
第13の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、
コンテナから流体物質の少なくとも一部を吸引するステップと、
画像捕捉デバイスを使用して、コンテナの少なくとも一部の画像を捕捉するステップと、
画像を参照画像と比較するステップと、
画像と参照画像との間の類似性に基づいて、合致スコアを生成するステップと
を含む。
【0153】
第13の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、
合致スコアを閾値と比較するステップ、および/または
合致スコアが閾値を超えることを判定するステップ
を含む。
【0154】
第13の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、画像内の着目エリアを判定するステップを含み、画像を比較するステップは、画像内の着目エリアを参照画像の少なくとも一部と比較するステップを含む。
【0155】
第13の側面の方法の実施形態によると、着目エリアは、コンテナの底部に隣接する領域を含む。
【0156】
第13の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、合致スコアが閾値を満たす、および/または下回るときに、コンテナからの吸引の結果にフラグを付けるステップを含む。
【0157】
第13の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、
コンテナキャリッジデバイスの複数のコンテナスロットの中に複数のコンテナを配列するステップと、
画像捕捉デバイスを使用して、コンテナキャリッジデバイスの第1の位置において複数のコンテナスロットのうちの1つの画像を捕捉するステップと、
画像を参照画像と比較するステップと、
画像と参照画像との間の類似性に基づいて、合致スコアを生成するステップと
を含む。
【0158】
第13の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、
合致スコアを閾値と比較するステップ、および/または
合致スコアが閾値を超える、ならびに/もしくは満たすことを判定するステップであって、閾値を超える合致スコアは、複数のコンテナスロットのうちの1つにおけるコンテナの非存在を表す、ステップ
を含む。
【0159】
第13の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、合致スコアが閾値を下回るときに、複数のコンテナスロットのうちの1つからコンテナを除去するステップを含む。
【0160】
第13の側面の方法の実施形態によると、本方法はさらに、合致スコアが閾値を超える、および/または満たすことを判定した後に、コンテナキャリッジデバイスを第2の位置まで移動させるステップを含む。
【0161】
上記で説明されるような第13の側面による方法の任意の実施形態は、上記で説明されるような第13の側面による方法の1つまたはそれを上回るさらなる実施形態と組み合わせられ得ることに留意されたい。これは、特に有利な相乗効果を提供することを可能にし得る。
【0162】
さらに、上記ならびに以下で説明されるような第9の側面によるシステムの任意の特徴、機能、特性、および/または要素は、上記ならびに以下で説明されるような第13の側面による方法の特徴、機能、特性、ステップ、および/または要素であってもよいことに留意されたい。逆も同様に、上記ならびに以下で説明されるような第13の側面による方法の任意の特徴、機能、特性、ステップ、および/または要素は、上記ならびに以下で説明されるような第9の側面によるシステムの特徴、機能、特性、および/または要素であってもよい。
【0163】
本開示の第14の側面によると、流体物質を評価するためのシステムのコンピュータデバイス上で実行されると、第13の側面による方法のステップを実施するようにコンピュータデバイスおよび/またはシステムに命令する、コンピュータプログラム要素が提供される。
【0164】
本開示の第15の側面によると、第14の側面によるコンピュータプログラム要素が記憶される、非一過性のコンピュータ可読媒体が提供される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
コンテナの中の流体物質を評価する方法であって、
画像捕捉デバイスを使用して、前記コンテナの少なくとも一部の画像を捕捉するステップと、
少なくとも1つのコンピュータデバイスを使用して、前記画像の少なくとも一部の複数の色パラメータを取得するステップと、
前記複数の色パラメータに基づいて、前記コンテナの中に含有される前記流体物質のサンプル分類結果を生成するステップと
を含み、
前記サンプル分類結果は、前記流体物質中の少なくとも1つの干渉物質の濃度を表す、方法。
(項目2)
複数の色パラメータを取得するステップは、
前記画像の少なくとも一部のヒストグラムを生成するステップであって、前記ヒストグラムは、複数の色チャネルを備える、ステップと、
前記複数の色チャネルの複数の平均値を取得するステップであって、前記複数の色パラメータは、前記複数の色チャネルの前記複数の平均値を含む、ステップと
を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
複数の色パラメータを取得するステップは、
前記画像の少なくとも一部のヒストグラムを生成するステップであって、前記ヒストグラムは、複数の色チャネルを備える、ステップと、
前記複数の色チャネルの複数のリーマン和を取得するステップと
を含み、
前記複数の色パラメータは、前記複数の色チャネルの前記複数のリーマン和を含む、項目1および2のいずれかに記載の方法。
(項目4)
複数の色パラメータを取得するステップは、
前記画像の少なくとも一部のヒストグラムを生成するステップであって、前記ヒストグラムは、複数の色チャネルを備える、ステップ、
前記複数の色チャネルの複数のモードを取得するステップ、および/または
前記複数の色チャネルの複数の最大値を取得するステップ、ならびに/もしくは
前記複数の色チャネルの複数の最小値を取得するステップであって、前記複数の色パラメータは、前記複数の色チャネルの前記複数のモード、最大値、および/または最小値を含む、ステップ
を含む、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
複数の色パラメータを取得するステップは、
前記画像の少なくとも一部のヒストグラムを生成するステップであって、前記ヒストグラムは、複数の色チャネルを備える、ステップ、
前記複数の色チャネルの複数のヒストグラムヘッドを取得するステップ、および/または
前記複数の色チャネルの複数のヒストグラムテールを取得するステップ、
前記複数の色チャネルの複数のヒストグラムヘッド率を取得するステップ、ならびに/もしくは
前記複数の色チャネルの複数のヒストグラムテール率を取得するステップであって、前記複数の色パラメータは、前記複数の色チャネルの前記複数のヒストグラムヘッド、ヒストグラムテール、ヒストグラムヘッド率、および/またはヒストグラムテール率を含む、ステップ
を含む、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
前記複数の色パラメータは、前記色チャネルの複数の平均、前記色チャネルの複数のリーマン和、前記色チャネルの複数のモード、前記色チャネルの複数の最大値、前記色チャネルの複数の最小値、前記色チャネルの複数のヒストグラムヘッド、前記色チャネルの複数のヒストグラムテール、前記色チャネルの複数のヒストグラムヘッド率、前記色チャネルの複数のヒストグラムテール率、または前述の任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7)
前記複数の色チャネルは、赤色成分と、緑色成分と、青色成分とを含む、項目2−6のいずれかに記載の方法。
(項目8)
前記サンプル分類結果は、少なくとも1つの分類識別子を備え、
前記少なくとも1つの分類識別子は、前記複数の色パラメータの少なくとも一部と相関性がある、および/または前記流体物質中の前記少なくとも1つの干渉物質の濃度と相関性がある、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9)
前記サンプル分類結果に基づいてフラッギング結果を生成するステップをさらに含み、前記フラッギング結果は、前記流体物質の品質を示す、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10)
前記少なくとも1つの干渉物質は、ヘモグロビン、黄疸、および脂血症から選択される、1つまたはそれを上回るものである、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11)
前記コンテナは、前記流体物質を吸引するように構成される分注先端である、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目12)
前記画像捕捉デバイスは、前記コンテナの側面から前記流体物質の前記一部および/または前記コンテナの前記画像を捕捉するように構成ならびに/もしくは配列される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目13)
前記少なくとも1つのコンピュータデバイスを使用して、前記画像内の参照点を識別するステップであって、その参照点は、前記コンテナと関連付けられる、ステップと、
前記少なくとも1つのコンピュータデバイスを使用して、前記画像の中の前記コンテナ内の前記流体物質の表面レベルを識別するステップと、
前記参照点と前記表面レベルとの間の距離を判定するステップと、
相関データに基づいて、前記距離を前記流体物質の体積に変換するステップであって、前記相関データは、前記コンテナ内の体積と前記参照点から前記コンテナ内の複数の表面レベルまでの距離との間の相関についての情報を含む、ステップと
さらに含む、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目14)
前記距離は、ピクセル距離によって測定される、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記コンテナは、前記流体物質を吸引するように構成される分注先端であり、
参照点を識別するステップは、前記分注先端上に形成される参照線を識別するステップを含む、項目13または14のいずれかに記載の方法。
(項目16)
前記参照線は、前記捕捉された画像のパターン合致および/またはセグメンテーションに基づいて識別される、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記参照線を識別するステップは、前記捕捉された画像内の前記参照線を表すパターンを検索するステップを含む、項目15または16のいずれかに記載の方法。
(項目18)
前記参照線を識別するステップは、前記捕捉された画像の少なくとも一部を参照画像と比較するステップを含む、項目15−17のいずれかに記載の方法。
(項目19)
前記捕捉された画像の前記一部ならびに前記参照画像の合致率および/または相関値を判定するステップをさらに含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
液体をさらなるコンテナに供給するステップと、
前記供給された液体の体積を判定するステップと、
前記コンテナのさらなる画像を捕捉するステップと、
前記さらなるコンテナと関連付けられる前記画像内の参照点の間のピクセル距離を判定するステップと、
前記判定された体積を前記判定されたピクセル距離と相関させるステップと
をさらに含む、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目21)
前記判定された体積および前記判定されたピクセル距離に基づいて相関データを生成するステップをさらに含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記相関データは、複数の判定されたピクセル距離と前記さらなるコンテナに供給される液体の複数の判定された体積との間の複数の相関に基づいて生成される、項目21の1項に記載の方法。
(項目23)
前記供給された液体は、染料溶液を備え、および/または
前記供給された液体の前記体積は、分光光度法に基づいて判定される、項目20−22のいずれかに記載の方法。
(項目24)
前記供給された液体の前記体積を判定するステップは、前記供給された液体の質量を判定するステップを含む、項目20−23のいずれかに記載の方法。
(項目25)
流体物質を評価するためのシステムのコンピュータデバイス上で実行されると、項目1−24のいずれかに記載の方法のステップを実施するように前記コンピュータデバイスに命令する、コンピュータプログラム要素。
(項目26)
項目25に記載のコンピュータプログラム要素が記憶される、非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目27)
流体物質を評価するためのシステムであって、
分注先端を有する、サンプルピペット操作デバイスであって、前記サンプルピペット操作デバイスは、少なくとも部分的に前記分注先端に係合するように、かつ前記分注先端の中へ流体物質を吸引するように構成される、サンプルピペット操作デバイスと、
画像捕捉ユニットと、
少なくとも1つのコンピュータデバイスと
を備え、
前記画像捕捉ユニットは、前記分注先端の中の前記流体物質の少なくとも一部の画像を捕捉するように構成され、
前記コンピュータデバイスは、
前記画像の少なくとも一部の複数の色パラメータを取得するステップと、
前記複数の色パラメータに基づいて、前記分注先端の中に含有される前記流体物質のサンプル分類結果を生成するステップと
を行うように構成され、
前記サンプル分類結果は、前記流体物質中の少なくとも1つの干渉物質の濃度を表す、システム。
(項目28)
前記コンピュータデバイスはさらに、
前記画像の少なくとも一部のヒストグラムを生成するステップであって、前記ヒストグラムは、複数の色チャネルを備える、ステップ、
前記複数の色チャネルの複数の平均値を取得するステップ、および/または
前記複数の色チャネルの複数のリーマン和を取得するステップ
を行うように構成され、
前記複数の色パラメータは、前記複数の色チャネルの前記複数の平均および/または前記複数のリーマン和を含む、項目27に記載のシステム。
(項目29)
前記サンプル分類結果は、少なくとも1つの分類識別子を備え、
前記少なくとも1つの分類識別子は、前記複数の色パラメータの少なくとも一部と相関性がある、および/または前記流体物質中の前記少なくとも1つの干渉物質の濃度と相関性がある、項目27および28のいずれかに記載のシステム。
(項目30)
前記コンピュータデバイスはさらに、
前記画像内の参照点を識別するステップであって、前記参照点は、前記分注先端と関連付けられる、ステップと、
前記画像の中の前記分注先端内の前記流体物質の表面レベルを識別するステップと、
前記参照点と前記表面レベルとの間の距離を判定するステップと、
相関データに基づいて、前記距離を前記流体物質の体積に変換するステップであって、前記相関データは、前記分注先端内の体積と前記参照点から前記分注先端内の複数の表面レベルまでの距離との間の相関についての情報を含む、ステップと
を行うように構成される、項目27−29のいずれかに記載のシステム。
(項目31)
前記コンピュータデバイスは、前記分注先端の本体上に形成される参照線を判定するように、かつ前記判定された参照線に基づいて前記参照点を判定するように構成される、項目27−30のいずれかに記載のシステム。
(項目32)
前記コンピュータデバイスは、前記捕捉された画像のパターン合致および/またはセグメンテーションに基づいて、前記参照線を判定するように構成される、項目31に記載のシステム。
(項目33)
前記コンピュータデバイスは、前記捕捉された画像内の前記参照線を表すパターンを検索するように構成される、項目31および32のいずれかに記載のシステム。
(項目34)
前記コンピュータデバイスは、前記捕捉された画像の少なくとも一部を参照画像と比較するように構成される、項目31−33のいずれかに記載のシステム。
(項目35)
前記コンピュータデバイスは、前記捕捉された画像の前記一部ならびに前記参照画像の合致率および/または相関値を判定するように構成される、項目34に記載のシステム。
(項目36)
前記画像捕捉ユニットは、前記分注先端の側面から前記流体物質の前記一部の前記画像を捕捉するように構成および/または配列される、項目27−35のいずれかに記載のシステム。
(項目37)
サンプルピペット操作モジュールをさらに備え、
前記画像捕捉ユニットは、前記サンプルピペット操作モジュールに取り付けられる、項目27−36のいずれかに記載のシステム。
(項目38)
前記画像捕捉ユニットの反対に位置付けられ、かつ前記分注先端の側面に位置付けられる、光源をさらに備え、
前記光源は、前記分注先端の前記側面から前記分注先端を照射するように構成される、項目27−37のいずれかに記載のシステム。
(項目39)
光源と、サンプルピペット操作モジュールとをさらに備え、
前記光源および前記画像捕捉ユニットは、前記サンプルピペット操作モジュールに取り付けられ、および/または
前記光源および前記画像捕捉ユニットは、前記分注先端の画像が前記サンプルピペット操作モジュールの任意の位置で捕捉されることができるように、前記サンプルピペット操作モジュールとともに移動するように構成される、項目27−38のいずれかに記載のシステム。
(項目40)
前記サンプルピペット操作デバイスは、さらなる分注先端の中へ液体を吸引するように構成され、
前記システムは、前記吸引された液体の体積を判定するように構成され、
前記画像捕捉ユニットは、前記さらなる分注先端のさらなる画像を捕捉するように構成され、
前記コンピュータデバイスは、前記さらなる分注先端と関連付けられる前記画像内の参照点の間のピクセル距離を判定するように構成され、かつ前記判定された体積を前記判定されたピクセル距離と相関させるように構成される、項目27−39のいずれかに記載のシステム。
(項目41)
前記コンピュータデバイスは、前記判定された体積および前記判定されたピクセル距離に基づいて、相関データを生成するように構成される、項目40に記載のシステム。
(項目42)
前記相関データは、複数の判定されたピクセル距離と前記さらなる分注先端の中へ吸引される液体の複数の判定された体積との間の複数の相関に基づいて生成される、項目41の1項に記載のシステム。
(項目43)
前記吸引された液体は、染料溶液を備え、および/または
前記システムは、分光光度法に基づいて前記吸引された液体の前記体積を判定するように構成される、項目40−42のいずれかに記載のシステム。
(項目44)
前記システムは、前記吸引された液体の質量を判定するように、かつ前記吸引された液体の前記判定された質量に基づいて前記吸引された液体の前記体積を判定するように構成される、項目40−43のいずれかに記載のシステム。
(項目45)
流体物質を評価するためのシステムであって、
少なくとも部分的に分注先端に係合するように構成される、サンプルピペット操作デバイスであって、前記サンプルピペット操作デバイスは、前記分注先端の中へ流体物質を吸引するように構成され、前記分注先端は、少なくとも1つの参照線を有する、サンプルピペット操作デバイスと、
前記分注先端の少なくとも一部の画像を捕捉するように構成される、画像捕捉ユニットと、
少なくとも1つのコンピュータデバイスであって、
前記分注先端の前記画像の前記一部から前記分注先端の前記少なくとも1つの参照線を識別するステップと、
前記少なくとも1つの参照線の少なくとも1つの特性を判定するステップと、
前記少なくとも1つの参照線の前記少なくとも1つの特性を閾値と比較するステップと
を行うように構成され、その閾値は、前記分注先端の不整合を表す、少なくとも1つのコンピュータデバイスと
を備える、システム。
(項目46)
前記少なくとも1つの参照線は、前記分注先端上に形成される、第1の参照線と、第2の参照線とを備える、項目45に記載のシステム。
(項目47)
前記少なくとも1つの参照線は、前記分注先端上に形成される、第1の参照線と、第2の参照線とを備え、
前記少なくとも1つのコンピュータデバイスはさらに、
前記少なくとも1つの参照線の前記少なくとも1つの特性を取得するステップであって、前記少なくとも1つの特性を取得することは、
前記第1の参照線の長さを判定するステップと、
前記第2の参照線の長さを判定するステップと、
前記第1の参照線および前記第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する線の角度を判定するステップであって、前記線は、前記第1の参照線の事前判定された点および前記第2の参照線の事前判定された点を接続する、ステップと
に基づく、ステップと、
前記第1の参照線の前記長さ、前記第2の参照線の前記長さ、および前記線の前記角度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記分注先端の前記不整合を判定するステップと
を行うように構成される、項目45−46のいずれかに記載のシステム。
(項目48)
前記システムは、前記不整合を判定することに応答して、前記サンプルピペット操作デバイスが前記分注先端の中へ前記流体物質を吸引することを防止するように構成される、項目45−47のいずれかに記載のシステム。
(項目49)
前記少なくとも1つのコンピュータデバイスはさらに、前記不整合を判定することに応答して、前記分注先端の中への前記流体物質の吸引にフラグを付ける、および/または吸引を開始するように構成される、項目45−48のいずれかに記載のシステム。
(項目50)
前記少なくとも1つのコンピュータデバイスはさらに、
前記分注先端の前記画像の前記一部から前記分注先端の前記少なくとも1つの参照線を識別するステップと、
前記画像の中の前記分注先端内の前記流体物質の表面レベルを識別するステップと、
前記少なくとも1つの参照線と前記表面レベルとの間の距離を判定するステップと、
相関データに基づいて、前記距離を前記流体物質の体積に変換することによって、前記流体物質の前記体積を判定するステップであって、前記相関データは、前記分注先端内の体積と前記少なくとも1つの参照線から前記分注先端内の複数の表面レベルまでの距離との間の相関についての情報を含む、ステップと
を行うように構成される、項目45−49のいずれかに記載のシステム。
(項目51)
前記コンピュータデバイスは、前記捕捉された画像のパターン合致および/またはセグメンテーションに基づいて、前記参照線を判定するように構成される、項目50に記載のシステム。
(項目52)
前記コンピュータデバイスは、前記捕捉された画像内の前記参照線を表すパターンを検索するように構成される、項目50および51のいずれかに記載のシステム。
(項目53)
前記コンピュータデバイスは、前記捕捉された画像の少なくとも一部を参照画像と比較するように構成される、項目50−52のいずれかに記載のシステム。
(項目54)
前記コンピュータデバイスは、前記捕捉された画像の前記一部ならびに前記参照画像の合致率および/または相関値を判定するように構成される、項目53に記載のシステム。
(項目55)
前記少なくとも1つの参照線は、前記分注先端上に形成される、第1の参照線と、第2の参照線とを備え、
前記少なくとも1つのコンピュータデバイスはさらに、
前記画像内の前記第1の参照線の長さを判定するステップと、
前記画像内の前記第2の参照線の長さを判定するステップと、
前記第1の参照線および前記第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する線の角度を判定するステップであって、前記線は、前記第1の参照線の事前判定された点および前記第2の参照線の事前判定された点を接続する、ステップと、
前記第1の参照線の前記長さ、前記第2の参照線の前記長さ、および前記線の前記角度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記分注先端の前記不整合を判定するステップと、
前記不整合の前記判定に基づいて、前記流体物質の前記体積を調節するステップと
を行うように構成される、項目45−54のいずれかに記載のシステム。
(項目56)
前記分注先端の前記不整合は、側面不整合と、深度不整合とを含む、項目45−55のいずれかに記載のシステム。
(項目57)
前記少なくとも1つの参照線は、前記分注先端上に形成される、第1の参照線と、第2の参照線とを備え、
前記少なくとも1つのコンピュータデバイスはさらに、
前記画像内の前記第1の参照線の事前判定された点を識別するステップと、
前記画像内の前記第2の参照線の事前判定された点を識別するステップと、
前記第1の参照線の前記事前判定された点および前記第2の参照線の前記事前判定された点を接続する、整合線を画定するステップと、
前記第1の参照線および前記第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する前記整合線の角度を判定するステップと、
前記角度を閾値角度値と比較するステップと
を行うように構成され、その閾値角度値は、前記分注先端の側面不整合を表す、項目45−56のいずれかに記載のシステム。
(項目58)
前記第1の参照線の前記事前判定された点は、前記画像内の前記第1の参照線の中心点であり、前記第2の参照線の前記事前判定された点は、前記画像内の前記第2の参照線の中心点である、項目47−57のいずれかに記載のシステム。
(項目59)
前記システムは、前記第1の参照線および前記第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する前記整合線の角度が、前記閾値角度値を満たす、および/または超えることを判定することに応答して、前記サンプルピペット操作デバイスが前記分注先端の中へ前記流体物質を吸引することを防止するように構成される、項目57−58のいずれかに記載のシステム。
(項目60)
前記少なくとも1つのコンピュータデバイスはさらに、前記第1の参照線および前記第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する前記整合線の角度が、前記閾値角度値を満たす、および/または超えることを判定することに応答して、前記分注先端の中への前記流体物質の吸引にフラグを付ける、ならびに/もしくは前記分注先端の中への前記流体物質の吸引を開始するように構成される、項目57−59のいずれかに記載のシステム。
(項目61)
前記少なくとも1つのコンピュータデバイスはさらに、
前記先端の前記捕捉された画像に基づいて、前記少なくとも1つの参照線の長さを判定するステップと、
前記少なくとも1つの参照線の実際の長さを取得するステップと、
前記少なくとも1つの参照線の前記長さと前記少なくとも1つの参照線の前記実際の長さとの間の比を計算するステップと、
前記比に基づいて、前記分注先端の深度不整合を判定するステップと
を行うように構成される、項目45−60のいずれかに記載のシステム。
(項目62)
前記システムはさらに、前記比に基づいて、前記流体物質の前記判定された体積を調節するように構成される、項目61に記載のシステム。
(項目63)
光源と、サンプルピペット操作モジュールとをさらに備え、
前記光源および前記画像捕捉ユニットは、前記サンプルピペット操作モジュールに取り付けられ、および/または
前記光源および前記画像捕捉ユニットは、前記分注先端の画像が前記サンプルピペット操作モジュールの任意の位置で捕捉されることができるように、前記サンプルピペット操作モジュールとともに移動するように構成される、項目45−62のいずれかに記載のシステム。
(項目64)
前記サンプルピペット操作デバイスは、さらなる分注先端の中へ液体を吸引するように構成され、
前記システムは、前記吸引された液体の体積を判定するように構成され、
前記画像捕捉ユニットは、前記さらなる分注先端のさらなる画像を捕捉するように構成され、
前記コンピュータデバイスは、前記さらなる分注先端と関連付けられる前記画像内の参照点の間のピクセル距離を判定するように構成され、かつ前記判定された体積を前記判定されたピクセル距離と相関させるように構成される、項目45−63のいずれかに記載のシステム。
(項目65)
前記コンピュータデバイスは、前記判定された体積および前記判定されたピクセル距離に基づいて、相関データを生成するように構成される、項目64に記載のシステム。
(項目66)
前記相関データは、複数の判定されたピクセル距離と前記さらなる分注先端の中へ吸引される液体の複数の判定された体積との間の複数の相関に基づいて生成される、項目65に記載のシステム。
(項目67)
前記吸引された液体は、染料溶液を備え、および/または
前記システムは、分光光度法に基づいて前記吸引された液体の前記体積を判定するように構成される、項目64−66のいずれかに記載のシステム。
(項目68)
前記システムは、前記吸引された液体の質量を判定するように、かつ前記吸引された液体の前記判定された質量に基づいて前記吸引された液体の前記体積を判定するように構成される、項目64−67のいずれかに記載のシステム。
(項目69)
コンテナの中の流体物質を評価する方法であって、
画像捕捉デバイスを使用して、前記コンテナの少なくとも一部の画像を捕捉するステップと、
少なくとも1つのコンピュータデバイスを使用して、前記コンテナの前記画像から前記コンテナの第1の参照線および第2の参照線を判定するステップと、
前記第1の参照線および前記第2の参照線のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの特性を判定するステップであって、
前記少なくとも1つの特性は、前記第1の参照線の長さ、前記第2の参照線の長さ、ならびに前記第1の参照線および前記第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する線の角度のうちの少なくとも1つを備え、
前記線は、前記第1の参照線の事前判定された点および前記第2の参照線の事前判定された点を接続する、ステップと、
前記第1の参照線および前記第2の参照線のうちの少なくとも1つの前記少なくとも1つの特性を、分注先端の不整合を表す閾値と比較するステップと
を含む、方法。
(項目70)
前記第1の参照線ならびに前記第2の参照線は、前記捕捉された画像のパターン合致に基づいて、および/またはセグメンテーションに基づいて判定される、項目69に記載の方法。
(項目71)
前記第1の参照線および前記第2の参照線を判定するステップは、前記捕捉された画像内の前記第1の参照線および/または前記第2の参照線を表すパターンを検索するステップを含む、項目69および70のいずれかに記載の方法。
(項目72)
前記第1の参照線および前記第2の参照線を判定するステップは、前記捕捉された画像の少なくとも一部を参照画像と比較するステップを含む、項目69−71のいずれかに記載の方法。
(項目73)
前記捕捉された画像の前記一部ならびに前記参照画像の合致率および/または相関値を判定するステップをさらに含む、項目72に記載の方法。
(項目74)
前記コンテナは、流体物質を含有し、前記方法はさらに、
前記捕捉された画像の中の前記コンテナ内の前記流体物質の表面レベルを識別するステップと、
前記第1の参照線および前記第2の参照線のうちの少なくとも1つと前記表面レベルとの間の距離を判定するステップと、
相関データに基づいて、前記距離を前記流体物質の体積に変換することによって、前記流体物質の前記体積を判定するステップであって、前記相関データは、前記コンテナ内の体積と前記第1の参照線および前記第2の参照線のうちの少なくとも1つから前記コンテナ内の複数の表面レベルまでの距離との間の相関についての情報を含む、ステップと
を含む、項目69−73のいずれかに記載の方法。
(項目75)
前記方法はさらに、
前記画像内の前記第1の参照線の長さを判定するステップと、
前記画像内の前記第2の参照線の長さを判定するステップと、
前記第1の参照線および前記第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する線の角度を判定するステップであって、前記線は、前記第1の参照線の事前判定された点および前記第2の参照線の事前判定された点を接続する、ステップと、
前記第1の参照線の前記長さ、前記第2の参照線の前記長さ、および前記線の前記角度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記コンテナの前記不整合を判定するステップと、
前記不整合の前記判定に基づいて、前記流体物質の前記体積を調節するステップと
を含む、項目69−74のいずれかに記載の方法。
(項目76)
前記コンテナの前記不整合は、側面不整合と、深度不整合とを含む、項目69−75のいずれかに記載の方法。
(項目77)
前記画像内の前記第1の参照線の事前判定された点を識別するステップと、
前記画像内の前記第2の参照線の事前判定された点を識別するステップと、
前記第1の参照線の前記事前判定された点および前記第2の参照線の前記事前判定された点を接続する、整合線を画定するステップと、
前記第1の参照線および前記第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する前記整合線の角度を判定するステップと、
前記角度を閾値角度値と比較するステップであって、その閾値角度値は、前記コンテナの側面不整合を表す、ステップと
をさらに含む、項目69−76のいずれかに記載の方法。
(項目78)
前記第1の参照線の前記事前判定された点は、前記画像内の前記第1の参照線の中心点であり、前記第2の参照線の前記事前判定された点は、前記画像内の前記第2の参照線の中心点である、項目77に記載の方法。
(項目79)
前記第1の参照線および前記第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する前記整合線の角度が、前記閾値角度値を満たす、および/または超えることを判定することに応答して、前記コンテナの中への前記流体物質の吸引を防止するステップをさらに含む、項目77−78のいずれかに記載の方法。
(項目80)
前記第1の参照線および前記第2の参照線のうちの少なくとも1つに対する前記整合線の角度が、前記閾値角度値を満たす、および/または超えることを判定することに応答して、前記コンテナの中への前記流体物質の吸引にフラグを付けるステップ、ならびに/もしくは前記コンテナの中への前記流体物質の吸引を開始するステップをさらに含む、項目77−79のいずれかに記載の方法。
(項目81)
前記コンテナの前記捕捉された画像に基づいて、前記第1の参照線および前記第2の参照線のうちの少なくとも1つの長さを判定するステップと、
前記第1の参照線および前記第2の参照線のうちの少なくとも1つの実際の長さを取得するステップと、
前記第1の参照線および前記第2の参照線のうちの少なくとも1つの前記長さと前記第1の参照線および前記第2の参照線のうちの前記少なくとも1つの前記実際の長さとの間の比を計算するステップと、
前記比に基づいて、前記コンテナの深度不整合を判定するステップと
をさらに含む、項目69−80のいずれかに記載の方法。
(項目82)
前記比に基づいて、前記流体物質の前記判定された体積を調節するステップをさらに含む、項目81に記載の方法。
(項目83)
流体物質を評価するためのシステムのコンピュータデバイス上で実行されると、項目69−82のいずれかに記載の方法のステップを実施するように前記コンピュータデバイスに命令する、コンピュータプログラム要素。
(項目84)
項目83に記載のコンピュータプログラム要素が、記憶される、非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目85)
流体物質を評価するためのシステムであって、
1つまたはそれを上回るコンテナを支持するように構成される、コンテナキャリッジデバイスと、
前記コンテナキャリッジデバイス上の前記コンテナのうちの少なくとも1つの中の流体物質を分注するように構成される、サンプルピペット操作デバイスと、
前記コンテナキャリッジデバイス上の前記コンテナのうちの少なくとも1つの画像を捕捉するように構成される、画像捕捉デバイスと、
少なくとも1つの処理デバイスと
を備え、前記システムは、
前記サンプルピペット操作デバイスを使用して、コンテナの中へ少なくとも1つの流体物質を分注するステップと、
前記画像捕捉デバイスを使用して、前記コンテナキャリッジデバイス上の前記コンテナの画像を捕捉するステップと、
前記少なくとも1つの処理デバイスを使用して、前記コンテナの前記画像を分析し、前記コンテナの中の前記分注された少なくとも1つの流体物質の体積を判定するステップと、
前記少なくとも1つの処理デバイスを使用して、前記コンテナの前記画像を分析し、前記コンテナの中の流体物質の全体積の粒子濃度を判定するステップと
を行うように構成される、システム。
(項目86)
前記流体物質の全体積は、少なくとも1つの体液および/または少なくとも1つの試薬を備える、項目85に記載のシステム。
(項目87)
前記システムはさらに、
コンテナの中に含有される前記少なくとも1つの流体物質に試薬を分注した後に、前記画像捕捉デバイスを使用して、前記コンテナの第1の画像を捕捉するステップであって、前記少なくとも1つの流体物質は、少なくとも1つの体液を備える、ステップと、
前記コンテナの中の前記少なくとも1つの流体物質と試薬を添加および/または混合した後に、前記画像捕捉デバイスを使用して、前記コンテナの第2の画像を捕捉するステップと、
前記少なくとも1つの処理デバイスを使用して、前記コンテナの前記第1の画像を分析し、前記コンテナの中の前記分注された試薬の前記体積を判定するステップと、
前記少なくとも1つの処理デバイスを使用して、前記コンテナの前記第2の画像を分析し、前記コンテナの中の前記流体物質の全体積の粒子濃度を判定するステップと
を行うように構成される、項目85−86のいずれかに記載のシステム。
(項目88)
前記粒子濃度は、常磁性粒子の濃度を備える、項目85−87のいずれかに記載のシステム。
(項目89)
前記少なくとも1つの試薬は、化学発光基質を備える、項目85−88のいずれかに記載のシステム。
(項目90)
前記第1の画像は、前記試薬が前記コンテナの中へ分注された後の約0.2秒で捕捉され、前記第2の画像は、混合の約6.5秒後に捕捉される、項目85−89のいずれかに記載のシステム。
(項目91)
前記画像捕捉デバイスは、前記コンテナキャリッジデバイスに搭載され、前記画像捕捉デバイスは、前記コンテナの側面から前記コンテナの前記画像を捕捉するように構成および/または配列される、項目85−90のいずれかに記載のシステム。
(項目92)
光源をさらに備え、前記光源および前記画像捕捉デバイスは、前記光源が前記画像捕捉デバイスの反対に位置付けられるように、前記コンテナキャリッジデバイスに搭載される、項目85−91のいずれかに記載のシステム。
(項目93)
前記コンテナキャリッジデバイスは、回転可能プレートを備える、洗浄ホイールであり、
前記回転可能プレートは、前記コンテナを前記画像捕捉デバイスまで回転させるように構成される、項目85−92のいずれかに記載のシステム。
(項目94)
前記システムはさらに、前記コンテナが前記コンテナキャリッジデバイス上に存在するかどうかを検出するように構成される、項目85−93のいずれかに記載のシステム。
(項目95)
前記少なくとも1つの処理デバイスは、
前記画像内の参照点を判定するステップであって、前記参照点は、前記コンテナと関連付けられる、ステップと、
前記画像の中の前記コンテナ内の前記少なくとも1つの流体物質の表面レベルを判定するステップと、
前記参照点と前記表面レベルとの間の距離を判定するステップと、
相関データに基づいて、前記距離を前記分注された少なくとも1つの流体物質および/または試薬の体積に変換するステップであって、前記相関データは、前記コンテナ内の体積と前記参照点から前記コンテナ内の複数の表面レベルまでの距離との間の相関についての情報を含む、ステップと
を行うように構成される、項目85−94のいずれかに記載のシステム。
(項目96)
参照点を判定するステップは、前記コンテナの底部分を判定するステップを含む、項目85−95のいずれかに記載のシステム。
(項目97)
前記距離は、ピクセル距離によって測定される、項目95−96のいずれかに記載のシステム。
(項目98)
前記処理デバイスは、前記捕捉された画像のパターン合致および/またはセグメンテーションに基づいて、前記参照点を判定するように構成される、項目95−97のいずれかに記載のシステム。
(項目99)
前記処理デバイスは、前記捕捉された画像内の前記参照点を表すパターンを検索するように構成される、項目95および98のいずれかに記載のシステム。
(項目100)
前記処理デバイスは、前記捕捉された画像の少なくとも一部を参照画像と比較するように構成される、項目95−99のいずれかに記載のシステム。
(項目101)
前記処理デバイスは、前記捕捉された画像の前記一部ならびに前記参照画像の合致率および/または相関値を判定するように構成される、項目100に記載のシステム。
(項目102)
前記サンプルピペット操作デバイスは、さらなるコンテナの中へ液体を吸引するように構成され、
前記システムは、前記吸引された液体の体積を判定するように構成され、
前記画像捕捉ユニットは、前記さらなるコンテナのさらなる画像を捕捉するように構成され、
前記処理デバイスは、前記さらなるコンテナと関連付けられる前記画像内の参照点の間のピクセル距離を判定するように構成され、かつ前記判定された体積を前記判定されたピクセル距離と相関させるように構成される、項目85−101のいずれかに記載のシステム。
(項目103)
前記処理デバイスは、前記判定された体積および前記判定されたピクセル距離に基づいて、相関データを生成するように構成される、項目102に記載のシステム。
(項目104)
前記相関データは、複数の判定されたピクセル距離と前記さらなるコンテナの中へ吸引される液体の複数の判定された体積との間の複数の相関に基づいて生成される、項目103に記載のシステム。
(項目105)
前記吸引された液体は、染料溶液を備え、および/または
前記システムは、分光光度法に基づいて前記吸引された液体の前記体積を判定するように構成される、項目102−104のいずれかに記載のシステム。
(項目106)
前記システムは、前記吸引された液体の質量を判定するように、かつ前記吸引された液体の前記判定された質量に基づいて前記吸引された液体の前記体積を判定するように構成される、項目102−105のいずれかに記載のシステム。
(項目107)
前記少なくとも1つの処理デバイスはさらに、
前記コンテナの前記画像から前記流体物質の前記全体積の輝度を取得および/または判定するステップと、
前記流体物質の前記輝度および較正データに基づいて、前記流体物質の全体積の粒子濃度を判定するステップと、
前記判定された粒子濃度を閾値と比較するステップと、
前記判定された粒子濃度が前記閾値を下回ることを判定することに応答して、前記流体物質の全体積を含有する前記コンテナにフラグを付けるステップと
を行うように構成される、項目85−106のいずれかに記載のシステム。
(項目108)
前記システムはさらに、
前記サンプルピペット操作デバイスを使用して、前記コンテナから前記流体物質の少なくとも一部を吸引するステップと、
前記画像捕捉デバイスを使用して、前記コンテナの少なくとも一部の第3の画像を捕捉するステップと、
前記少なくとも1つの処理デバイスを使用して、前記第3の画像を参照画像と比較するステップと、
前記少なくとも1つの処理デバイスを使用して、前記第3の画像と前記参照画像との間の類似性に基づいて合致スコアを判定するステップと、
前記生成された合致スコアを閾値と比較するステップと
を行うように構成される、項目85−107のいずれかに記載のシステム。
(項目109)
前記システムはさらに、
前記少なくとも1つの処理デバイスを使用して、前記第3の画像内の着目エリアを判定するように構成され、
前記第3の画像を比較するステップは、前記第3の画像内の前記着目エリアを前記参照画像の少なくとも一部と比較するステップを含む、項目85−108のいずれかに記載のシステム。
(項目110)
前記着目エリアは、前記コンテナの底部に隣接する領域を備える、項目109に記載のシステム。
(項目111)
前記システムはさらに、前記合致スコアが前記閾値に等しい、および/またはそれを下回るときに、前記コンテナからの前記吸引の結果にフラグを付けるように構成される、項目108−110のいずれかに記載のシステム。
(項目112)
前記コンテナキャリッジデバイスは、複数のコンテナスロットを備え、各コンテナスロットは、コンテナを支持するように構成され、
前記システムはさらに、
前記画像捕捉デバイスを使用して、前記コンテナキャリッジデバイスの第1の位置において前記複数のコンテナスロットのうちの1つの第4の画像を捕捉するステップと、
前記少なくとも1つの処理デバイスを使用して、前記第4の画像を参照画像と比較するステップと、
前記少なくとも1つの処理デバイスを使用して、前記第4の画像と前記参照画像との間の類似性に基づいて合致スコアを生成するステップと、
前記合致スコアを閾値と比較するステップと
を行うように構成される、項目85−111のいずれかに記載のシステム。
(項目113)
前記閾値を超える、および/または満たす前記合致スコアは、前記複数のコンテナスロットのうちの前記1つにおける前記コンテナの非存在を表す、項目112に記載のシステム。
(項目114)
前記システムは、前記合致スコアが前記閾値を下回るときに、前記複数のコンテナスロットのうちの前記1つから前記コンテナを除去するように構成される、項目108−113のいずれかに記載のシステム。
(項目115)
前記システムは、前記合致スコアが閾値を超える、および/または満たすことを判定した後に、前記コンテナキャリッジデバイスを第2の位置まで移動させるように構成される、項目108−114のいずれかに記載のシステム。
(項目116)
コンテナの中の流体物質を評価するための方法であって、
サンプルピペット操作デバイスを使用して、コンテナの中へ少なくとも1つの流体物質を分注するステップと、
画像捕捉デバイスを使用して、コンテナキャリッジデバイスの上に配列される前記コンテナの少なくとも一部の画像を捕捉するステップであって、そのコンテナキャリッジデバイスは、1つまたはそれを上回るコンテナを支持するように構成される、ステップと、
少なくとも1つのコンピュータデバイスを使用して、前記コンテナの前記画像を分析し、前記コンテナの中の前記少なくとも1つの分注された流体物質の体積を判定するステップと、
前記少なくとも1つのコンピュータデバイスを使用して、前記コンテナの前記画像を分析し、前記コンテナの中の流体物質の全体積の粒子濃度を判定するステップと
を含む、方法。
(項目117)
前記コンテナの前記画像を捕捉するステップは、
コンテナの中に含有される前記少なくとも1つの流体物質に試薬を分注した後に、前記画像捕捉デバイスを使用して、前記コンテナの第1の画像を捕捉するステップであって、前記少なくとも1つの流体物質は、少なくとも1つの体液を含む、ステップと、
前記添加された試薬を前記コンテナの中の前記少なくとも1つの流体物質と混合した後に、前記画像捕捉デバイスを使用して、前記コンテナの第2の画像を捕捉するステップと
を含み、
前記コンテナの前記画像を分析し、前記少なくとも1つの分注された流体物質の前記体積を判定するステップは、前記コンテナの前記第1の画像を分析し、前記コンテナの中に含有される前記分注された試薬の前記体積を判定するステップを含み、
前記コンテナの前記画像を分析し、前記流体物質の全体積の前記粒子濃度を判定するステップは、前記コンテナの前記第2の画像を分析し、前記コンテナの中の前記流体物質の全体積の粒子濃度を判定するステップを含む、項目116に記載の方法。
(項目118)
流体物質を評価するためのシステムのコンピュータデバイス上で実行されると、項目116−117のいずれかに記載の方法のステップを実施するように前記コンピュータデバイスに命令する、コンピュータプログラム要素。
(項目119)
項目118に記載のコンピュータプログラム要素が記憶される、非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目120)
コンテナの中の流体物質を評価するための方法であって、
物質分注デバイスを使用して、流体物質をコンテナに分注するステップと、
少なくとも1つのコンピュータデバイスを使用して、前記コンテナの中の前記流体物質の体積を判定するステップと、
前記物質分注デバイスの動作情報を受信するステップであって、前記動作情報は、前記流体物質分注デバイスの動作パラメータを含む、ステップと、
前記流体物質の標的分注体積を受信するステップと、
前記流体物質の前記判定された体積を前記標的分注体積と比較するステップと、
前記物質分注デバイスの較正情報を生成するステップと、
前記較正情報に基づいて、前記物質分注デバイスの前記動作パラメータを調節するステップと
を含む、方法。
(項目121)
前記流体物質の前記体積を判定するステップは、
画像捕捉デバイスを使用して、前記コンテナの少なくとも一部の画像を捕捉するステップと、
少なくとも1つのコンピュータデバイスを使用して、前記画像内の参照点を識別するステップであって、前記参照点は、前記コンテナと関連付けられる、ステップと、
前記少なくとも1つのコンピュータデバイスを使用して、前記画像の中の前記コンテナ内の前記流体物質の表面レベルを識別するステップと、
前記参照点と前記表面レベルとの間の距離を判定するステップと、
相関データに基づいて、前記距離を前記流体物質の体積に変換するステップであって、前記相関データは、前記コンテナ内の体積と前記参照点から前記コンテナ内の複数の表面レベルまでの距離との間の相関についての情報を含む、ステップと
を含む、項目120に記載の方法。
(項目122)
液体をさらなるコンテナに供給するステップと、
前記供給された液体の体積を判定するステップと、
前記コンテナのさらなる画像を捕捉するステップと、
前記さらなるコンテナと関連付けられる前記画像内の参照点の間のピクセル距離を判定するステップと、
前記判定された体積を前記判定されたピクセル距離と相関させるステップと
をさらに含む、項目120−121のいずれかに記載の方法。
(項目123)
前記判定された体積および前記判定されたピクセル距離に基づいて相関データを生成するステップをさらに含む、項目122に記載の方法。
(項目124)
前記相関データは、複数の判定されたピクセル距離と前記さらなるコンテナに供給される液体の複数の判定された体積との間の複数の相関に基づいて生成される、項目123の1項に記載の方法。
(項目125)
前記供給された液体は、染料溶液を備え、および/または
前記供給された液体の前記体積は、分光光度法に基づいて判定される、項目122−124のいずれかに記載の方法。
(項目126)
前記供給された液体の前記体積を判定するステップは、前記供給された液体の質量を判定するステップを含む、項目122−125のいずれかに記載の方法。
(項目127)
前記コンテナから前記流体物質の少なくとも一部を吸引するステップと、
画像捕捉デバイスを使用して、前記コンテナの少なくとも一部の画像を捕捉するステップと、
前記画像を参照画像と比較するステップと、
前記画像と前記参照画像との間の類似性に基づいて、合致スコアを生成するステップと
をさらに含む、項目120−126のいずれかに記載の方法。
(項目128)
前記合致スコアを閾値と比較するステップ、および/または
前記合致スコアが閾値を超えることを判定するステップ
をさらに含む、項目127に記載の方法。
(項目129)
前記画像内の着目エリアを判定するステップをさらに含み、
前記画像を比較するステップは、前記画像内の前記着目エリアを前記参照画像の少なくとも一部と比較するステップを含む、項目127−128のいずれかに記載の方法。
(項目130)
前記着目エリアは、前記コンテナの底部に隣接する領域を含む、項目129に記載の方法。
(項目131)
前記合致スコアが前記閾値を満たす、および/または下回るときに、前記コンテナからの前記吸引の結果にフラグを付けるステップをさらに含む、項目127−130のいずれかに記載の方法。
(項目132)
コンテナキャリッジデバイスの複数のコンテナスロットの中に複数のコンテナを配列するステップと、
画像捕捉デバイスを使用して、前記コンテナキャリッジデバイスの第1の位置において前記複数のコンテナスロットのうちの1つの画像を捕捉するステップと、
前記画像を参照画像と比較するステップと、
前記画像と前記参照画像との間の類似性に基づいて、合致スコアを生成するステップと
をさらに含む、項目127−131のいずれかに記載の方法。
(項目133)
前記合致スコアを閾値と比較するステップ、および/または
前記合致スコアが閾値を超える、ならびに/もしくは満たすことを判定するステップであって、前記閾値を超える前記合致スコアは、前記複数のコンテナスロットのうちの前記1つにおける前記コンテナの非存在を表す、ステップ
をさらに含む、項目132に記載の方法。
(項目134)
前記合致スコアが前記閾値を下回るときに、前記複数のコンテナスロットのうちの前記1つから前記コンテナを除去するステップをさらに含む、項目127−133のいずれかに記載の方法。
(項目135)
前記合致スコアが閾値を超える、および/または満たすことを判定した後に、前記コンテナキャリッジデバイスを第2の位置まで移動させるステップをさらに含む、項目127−134のいずれかに記載の方法。
(項目136)
流体物質を評価するためのシステムのコンピュータデバイス上で実行されると、項目120−135のいずれかに記載の方法のステップを実施するように前記コンピュータデバイスに命令する、コンピュータプログラム要素。
(項目137)
項目136に記載のコンピュータプログラム要素が記憶される、非一過性のコンピュータ可読媒体。
【発明を実施するための形態】
【0245】
同様の参照数字が、いくつかの図の全体を通して同様の部品およびアセンブリを表す、図面を参照して、種々の実施形態が詳細に説明される。種々の実施形態の参照は、本明細書に添付される請求項の範囲を限定しない。加えて、本明細書に記載される任意の実施例は、限定的であることを意図せず、添付の請求項の多くの可能性として考えられる実施形態のうちのいくつかを記載するにすぎない。
【0246】
図1は、生物試料を分析するための例示的器具100のブロック図である。いくつかの実施形態では、器具100は、物質調製システム102と、調製評価システム104と、物質評価システム106とを含む。1つまたはそれを上回るコンテナ110は、器具100のシステムとともに使用され、分注先端112と、容器114とを含む。また、器具100の中に提供される、1つまたはそれを上回るコンテナキャリッジデバイス116も示される。さらに、調製評価システム104は、体積検出システム120と、分注先端評価システム122と、キャリッジ検出システム126とを含む。いくつかの実施形態では、体積検出システム120は、分注先端画像捕捉ユニット130および容器画像捕捉ユニット132を利用する。いくつかの実施形態では、分注先端評価システム122は、分注先端画像捕捉ユニット130を使用し、粒子濃度チェックシステム124は、容器画像捕捉ユニット132を使用する。いくつかの実施形態では、キャリッジ検出システム126は、キャリッジ画像捕捉ユニット134を使用する。
【0247】
本開示の概要部分で説明されるような、第4の側面、第5の側面、および/または第9の側面による、流体物質を評価するためのシステムはそれぞれ、生物試料を分析するための器具100を指し得る、ならびに/もしくはそれぞれは、器具100の1つまたはそれを上回る構成要素および/またはデバイスを指し得ることに留意されたい。さらに、本開示の概要部分で説明されるような、第1の側面、第6の側面、第10の側面、および/または第13の側面による、流体物質を評価するための方法はそれぞれ、器具100を動作させるための方法を指し得る、ならびに/もしくはそれぞれは、器具100の1つまたはそれを上回る構成要素および/またはデバイスを動作させるための方法を指し得る。
【0248】
生物試料分析器具100は、種々の目的のために生物試料を分析するように動作する。いくつかの実施形態では、生物試料分析器具100は、血液サンプルを分析するように構成され、血液ならびにその成分を採取、検査、処理、貯蔵、および/または輸血するように動作する。
【0249】
物質調製システム102は、物質評価システム106によるさらなる分析のために、1つまたはそれを上回る物質を調製するように動作する。いくつかの実施形態では、物質調製システム102は、コンテナ110を用いて物質118を等分し、コンテナ110から物質118を吸引し、物質118をコンテナ110に分注するように動作する。
【0250】
調製評価システム104は、物質評価システム106による後続の分析のために、物質の調製を評価するように動作する。いくつかの実施形態では、調製評価システム104は、物質118が分析のために適切に調製されているかどうかを判定するように、1つまたはそれを上回る画像捕捉ユニットを利用する。本明細書に説明されるように、調製評価システム104は、物質評価システム106が、物質118を使用して信頼できる結果を生じるように、物質118の体積または完全性の直接かつ単純な測定を提供して、物質118が適切に調製されているかどうかを判定する。
【0251】
物質評価システム106は、物質調製システム102によって調製される物質118を評価するように動作する。一例として、物質評価システム106は、
図2を参照して説明されるような免疫学的検定を行う。
【0252】
コンテナ110は、物質評価システム106によって分析される1つまたはそれを上回る物質118を調製するために使用される。コンテナ110は、試料管(本明細書ではサンプル管とも称される)、ピペット操作先端、および容器等の種々のタイプであることができる。いくつかの実施形態では、コンテナ110は、分注先端112と、容器114とを含む。
【0253】
分注先端112は、容器114等の他のコンテナから物質118を等分または吸引するように、物質調製システム102に提供される。例えば、分注先端112は、試料管からサンプルを等分する、またはサンプル容器もしくは試薬容器からサンプルまたは試薬を吸引するために使用される。分注先端112の実施例は、
図13および14を参照してさらに詳細に説明ならびに図示される。
【0254】
容器114は、調製および分析のための物質118を含有するように、物質調製システム102に提供される。いくつかの実施形態では、物質調製システム102は、容器114の中へ物質118を分注する。容器114の実施例は、本明細書でさらに詳細に説明される、サンプル容器と、希釈液容器と、反応容器とを含む。
【0255】
コンテナキャリッジデバイス116は、物質調製システム102、調製評価システム104、および物質評価システム106が、種々の様式でコンテナ110を使用するように、器具100の中の種々の場所でコンテナ110を保持して担持するように構成される。コンテナキャリッジデバイス116の実施例は、
図2を参照してさらに詳細に説明および図示される、容器ラック(例えば、サンプルラック、試薬ラック、および希釈液ラック)、サンプル提示ユニット、容器キャリッジユニット(例えば、サンプルキャリッジユニット、反応容器キャリッジユニット、および試薬キャリッジユニット)、容器移送ユニット(例えば、サンプル移送ユニット、試薬移送ユニット、インキュベータ移送ユニット、および反応容器移送ユニット)、ならびに容器保持プレートまたはホイール(例えば、サンプルホイール、インキュベータ、および洗浄ホイール)を含む。
【0256】
物質118は、器具100内の種々の検査および分析のために、調製、評価、ならびに検査される。物質118は、器具100の中で等分、吸引、および分注されることができる、任意の物質を含む。いくつかの実施形態では、物質118は、流体特性を有し、したがって、本明細書では流体物質と称される。いくつかの実施形態では、流体物質118は、単一の流体物質である。他の実施形態では、流体物質118は、複数の物質の混合物である。
【0257】
調製評価システム104の体積検出システム120は、コンテナ110の中の流体物質118の体積を検出し、コンテナ110の中で保持される体積が標的として適切であるかどうかを判定するように動作する。本明細書に説明されるように、体積検出システム120は、分注先端画像捕捉ユニット130を使用して分注先端112における体積、および容器画像捕捉ユニット132を使用して容器114における体積を検出するように構成される。
【0258】
調製評価システム104の分注先端評価システム122は、流体物質118の完全性を評価するように動作する。いくつかの実施形態では、分注先端評価システム122は、分析手順に干渉し得、不正確な結果を生成し得る、任意の干渉物質を検出する。本明細書に説明されるように、分注先端評価システム122は、分注先端画像捕捉ユニット130を使用して、分注先端112における流体物質118の品質、および分注先端画像捕捉ユニット130に対する分注先端112の整合を判定するように構成される。
【0259】
粒子濃度チェックシステム124は、反応容器、サンプル容器、希釈容器、キュベット、または器具100の中でプロセスの全体を通して使用される、任意の好適なタイプの容器等の容器の中に含有される、流体物質中の粒子濃度を判定するように動作する。いくつかの実施形態では、反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、容器画像捕捉ユニット132を使用する。
【0260】
分注先端画像捕捉ユニット130は、1つまたはそれを上回る場所で分注先端112の画像を捕捉するように動作する。いくつかの実施形態では、分注先端画像捕捉ユニット130は、器具100の中の特定の場所で固定される。他の実施形態では、器具100の他の構成要素から独立して、または器具100の1つもしくはそれを上回る構成要素とともにのいずれかで、移動することができる、分注先端画像捕捉ユニット130は、器具100の中に移動可能に配置される。器具100のいくつかの実施形態は、複数の分注先端画像捕捉ユニット130を含む。本明細書に説明されるように、分注先端画像捕捉ユニット130は、カメラユニット550(例えば、
図11)と、カメラユニット2550(
図11および67)とを含むことができる。
【0261】
容器画像捕捉ユニット132は、1つまたはそれを上回る場所で容器114の画像を捕捉するように動作する。いくつかの実施形態では、容器画像捕捉ユニット132は、器具100の中の特定の場所で固定される。他の実施形態では、器具100の他の構成要素から独立して、または器具100の1つもしくはそれを上回る構成要素とともにのいずれかで、移動することができる、容器画像捕捉ユニット132は、器具100の中に移動可能に配置される。器具100のいくつかの実施形態は、複数の容器画像捕捉ユニット132を含む。本明細書に説明されるように、容器先端画像捕捉ユニット132は、カメラユニット730(例えば、
図24)を含む。
【0262】
キャリッジ画像捕捉ユニット134は、1つまたはそれを上回る場所で、コンテナ110を伴う、もしくは伴わないコンテナキャリッジデバイス116の画像を捕捉するように動作する。いくつかの実施形態では、キャリッジ画像捕捉ユニット134は、器具100の中の特定の場所で固定される。他の実施形態では、器具100の他の構成要素から独立して、または器具100の1つもしくはそれを上回る構成要素とともにのいずれかで、移動することができる、キャリッジ画像捕捉ユニット134は、器具100の中に移動可能に配置される。器具100のいくつかの実施形態は、複数のキャリッジ画像捕捉ユニット134を含む。
【0263】
図1を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、器具100は、データ通信ネットワーク138を介して管理システム136と通信するように動作する。例えば、器具100は、それを通して器具100が管理システム136と通信する、通信デバイス(
図3の通信デバイス246等)を含む。
【0264】
いくつかの実施形態では、管理システム136は、器具100から遠隔に位置し、器具100からのデータに基づいて診断を行うように構成される。加えて、器具100は、器具の性能を評価し、レポートを生成することができる。管理システム136の一実施例は、Beckman Coulter, Inc.(Brea, CA)から入手可能なPROサービス遠隔サービスアプリケーションを実行する、1つまたはそれを上回るコンピュータデバイスを含む。
【0265】
Beckman Coulter PROサービス遠隔サービスアプリケーションは、ネットワーク(例えば、ネットワーク138)を経由して、生物学的サンプル分析器具100と遠隔診断コマンドセンター(例えば、管理システム136)との間のセキュアな連続接続を提供することができる。生物試料分析器具100は、Ethernetポート、Wi−Fi、またはセルラーネットワークを介して、インターネットによって遠隔診断コマンドセンターに接続されてもよい。
【0266】
図1を依然として参照すると、データ通信ネットワーク138は、データ収集デバイス108とデータ処理システム136との間等の1つまたはそれを上回るコンピュータデバイスの間でデジタルデータを通信する。ネットワーク138の実施例は、ローカルエリアネットワーク、およびインターネット等の広域ネットワークを含む。いくつかの実施形態では、ネットワーク138は、無線通信システム、有線通信システム、または無線および有線通信システムの組み合わせを含む。有線通信システムは、種々の可能性として考えられる実施形態では、電気または光学信号を使用してデータを伝送することができる。無線通信システムは、典型的には、電磁波を介して、光学信号または高周波(RF)信号の形態等の信号を伝送する。無線通信システムは、典型的には、光学またはRF信号を伝送するための光学もしくはRF伝送機と、光学またはRF信号を受信するための光学もしくはRF受信機とを含む。無線通信システムの実施例は、Wi−Fi通信デバイス(無線ルータまたは無線アクセスポイントを利用する等)、セルラー通信デバイス(1つまたはそれを上回るセルラー基地局を利用する等)、および他の無線通信デバイスを含む。
【0267】
図2は、
図1の生物試料分析器具100の実施例を概略的に図示する。図示される実施例では、器具100は、免疫学的検定分析器として構成される。上記で説明されるように、器具100は、物質調製システム102と、調製評価システム104と、物質評価システム106とを含む。いくつかの実施形態では、物質調製システム102は、サンプル供給ボード140と、サンプル提示ユニット142と、反応容器フィーダ144と、反応容器キャリッジユニット146と、サンプル移送ユニット148と、ピペット操作先端フィーダ150と、サンプルピペット操作デバイス152と、サンプルホイール158と、試薬キャリッジユニット160と、試薬ピペット操作デバイス162と、試薬貯蔵デバイス164と、試薬装填デバイス166と、インキュベータ移送ユニット170と、インキュベータ172と、反応容器移送ユニット174と、洗浄ホイール176と、基質装填デバイス180とを含む。いくつかの実施形態では、物質評価システム106は、光測定デバイス190と、評価処理デバイス192とを含む。物質評価システム106のいくつかの実施形態はさらに、インキュベータ移送ユニット170、インキュベータ172、反応容器移送ユニット174、洗浄ホイール176、および基質装填デバイス180によって行われる、少なくともいくつかの動作と関連付けられる。
【0268】
サンプル供給ボード140は、複数のサンプルラックの中で複数のサンプル管を受容するように構成される。いくつかの実施形態では、ユーザ(例えば、検査技師)は、サンプル管の1つまたはそれを上回るラックをサンプル供給ボード140に装填する。サンプル供給ボード140は、ピペット操作のためにラックをサンプル提示ユニット142まで移動させることができ、ピペット操作後にサンプル提示ユニット142によって戻される、ピペット操作されたラックを受容する。
【0269】
サンプル提示ユニット142は、サンプル管の1つまたはそれを上回るラックを指定場所に移送するように動作する。いくつかの実施形態では、サンプル供給ボード140は、1つのサンプルラックをサンプル提示ユニット142に提供するように動作する。さらに、サンプル提示ユニット142は、ラックおよびラック上のサンプルIDを識別するように動作することができる。サンプル提示ユニット142は、サンプルピペッタがラックの中のサンプル管から等分する、サンプルピペット操作場所にラックを移送する。サンプルピペッタがラックの中のサンプル管のうちの1つから等分するとき、サンプル提示ユニット142は、次のピペット操作のためにラックの中の別のサンプル管を送り出す。サンプル管の全てがピペット操作された後、サンプル提示ユニット142は、ラックをサンプル供給ボード140に戻す。サンプル提示ユニット142は、サンプルラック提示ユニットを含むことができる。他の実施形態では、サンプル提示ユニット142は、単一の管を担持するパックを移送するように構成される。サンプル提示ユニット142はまた、カップまたは容器等の他のタイプのコンテナのために構成されて使用されることが理解される。
【0270】
反応容器フィーダ144は、複数の反応容器を反応容器キャリッジユニット146に供給する。ユーザは、反応容器フィーダ144の中に大量の新しい空の反応容器を装填することができる。いくつかの実施形態では、反応容器フィーダ144は、反応容器を反応容器キャリッジユニット146に供給するとき、反応容器を配向するように動作する。
【0271】
反応容器キャリッジユニット146は、反応容器フィーダ144からサンプル移送ユニット148に反応容器を移送するように動作する。いくつかの実施形態では、反応容器キャリッジユニット146は、反応容器フィーダ144から1つまたはそれを上回る反応容器を取り上げ、反応容器をサンプル移送ユニット148に移送する。
【0272】
サンプル移送ユニット148は、反応容器キャリッジユニット146からサンプルホイール158および試薬キャリッジユニット160に空の反応容器を移送するように動作する。さらに、サンプル移送ユニット148は、等分されたサンプル容器を試薬キャリッジユニット160に移送し、サンプル容器を試薬キャリッジユニット160からサンプルホイール158に戻して移送するように動作する。サンプル移送ユニット148はさらに、事前判定されたプロセスに使用されたサンプル容器および希釈液容器を処分するように動作することができる。
【0273】
ピペット操作先端フィーダ150は、ピペット操作先端をサンプルピペット操作デバイス152に供給する。本書では、ピペット操作先端は、分注先端112の実施例であり、したがって、本明細書では分注先端112と称されることもできる。いくつかの実施形態では、ラックの中の複数のピペット操作先端は、ピペット操作先端フィーダ150の中のアレイの中に装填される。ピペット操作先端は、ピペット操作のために、サンプルピペット操作デバイス152に移送されて係合される。いったん使用されると、ピペット操作先端は、廃棄するようにサンプルピペット操作デバイス152から係脱され、サンプルピペット操作デバイス152は、ピペット操作先端フィーダ150に戻ることができる。ユーザは、使用済みのピペット操作先端を含む、固形廃棄物を破棄することができる。
【0274】
サンプルピペット操作デバイス152は、種々のピペット操作動作を行う。サンプルピペット操作デバイス152は、ピペット操作先端フィーダ150からピペット操作先端を受容し、ピペット操作先端をサンプルピペット操作デバイス152に係合する。いくつかの実施形態では、サンプルピペット操作デバイス152は、ピペッタマンドレルをピペット操作先端に押し込むことによってピペット操作先端に係合し、ピペット操作先端に嵌合するピペッタマンドレルを持ち上げる。本明細書に説明されるように、ピペット操作先端のいくつかの実施形態は、単一の使用または複数の使用後に使い捨てできる。
【0275】
いくつかの実施形態では、サンプルピペット操作デバイス152は、サンプルアリコートピペット操作ユニット(「サンプルアリコートガントリ」)152Aと、サンプル精密ピペット操作ユニット(「サンプル精度ガントリ」)152Bとを含む。
【0276】
サンプルアリコートピペット操作ユニット152Aは、サンプル提示ユニット142の中に位置するサンプル管からサンプルのアリコートをピペットで採取し、サンプルホイール158上のサンプル容器の中へサンプルのアリコートを分注するように動作する。サンプルアリコートピペット操作ユニットは、ピペット操作がサンプル毎に完了したときに、使用済みのピペット操作先端を処分することができる。本明細書に説明されるように、サンプアリコートピペット操作ユニット152Aは、例えば、
図11、12A、および12Bを参照して本明細書でさらに説明される、カメラユニット550を含むことができる。
【0277】
サンプル精密ピペット操作ユニット152Bは、試薬キャリッジユニット160の上に位置するサンプル容器からサンプルをピペットで採取するように動作する。次いで、サンプル精密ピペット操作ユニットは、サンプルを反応容器に分注することができる。いくつかの実施形態では、サンプルは、反応容器に分注される前に、(例えば、試薬ピペット操作デバイス162によって提供される洗浄緩衝剤とともに)サンプル希釈を作成するように、最初に希釈容器に分注されることができる。サンプル精密ピペット操作ユニットは、事前判定された検査が完了したときに、使用済みのピペット操作先端を処分することができる。本明細書に説明されるように、サンプル精密ピペット操作ユニット152Bは、
図11、12A、12B、および67を参照して本明細書でさらに説明される、カメラユニット2550を含むことができる。
【0278】
サンプルホイール158は、その上にサンプル容器内の等分されたサンプルを貯蔵する。いくつかの実施形態では、サンプルホイール158は、蒸発によって変化させられる被分析物濃度を低減させるように、約4〜10℃等のより低い温度でサンプルを維持するように動作する。サンプル容器は、付加的検査が要求される場合、試薬ピペット操作後に、サンプルホイール158に戻して移送されることができる。
【0279】
試薬キャリッジユニット160は、複数の容器を支持し、容器を異なる場所に移送するように構成される。いくつかの実施形態では、試薬キャリッジユニット160は、試薬ピペット操作デバイス162の試薬ピペッタ毎に同時に使用されることができる、複数の4つの容器(例えば、3つまたは4つの容器)を保持するように構成される。いくつかの実施形態では、試薬キャリッジユニット160は、約30℃〜40℃で熱的に制御される。他の実施形態では、試薬キャリッジユニット160は、例えば、酵素の一貫した動力学的反応を確実にするように、約37℃で維持される。
【0280】
いくつかの実施形態では、試薬キャリッジユニット160は、反応容器、希釈容器、およびサンプル容器を保持し、サンプルピペット操作および試薬ピペット操作のために容器を運搬するように構成される。いくつかの実施形態では、試薬キャリッジユニット160は、事前判定された経路に沿って移動可能であるキャリッジシャトルを含む。例えば、試薬キャリッジユニット160は、サンプル移送ユニット148から反応容器、希釈容器、およびサンプル容器を受け入れるように、サンプル移送ユニット148の近くまで移動される。さらに、試薬キャリッジユニット160は、試薬をピペットで採取するために試薬ピペット操作デバイス162まで、かつサンプルをピペットで採取するためにサンプル精密ピペット操作ユニット152Bまで移動することができる。いくつかの実施形態では、試薬キャリッジユニット160は、希釈容器およびサンプル容器を除去するようにサンプル移送ユニット148まで、かつ反応容器を除去するように培養移送ユニット170まで移動する。
【0281】
試薬ピペット操作デバイス162は、試薬貯蔵デバイス164から試薬キャリッジユニット160上の反応容器に試薬をピペットで採取するように動作する。いくつかの実施形態では、試薬ピペット操作デバイス162は、スループットをサポートするように同時に異なる試験でピペット操作を行うことができる、複数のピペッタを含む。いくつかの実施形態では、試薬ピペット操作デバイス162は、約30℃〜40℃で熱的に制御される。他の実施形態では、試薬ピペット操作デバイス162は、例えば、酵素反応の一貫した結合反応速度を確実にするように、約37℃で維持される。
【0282】
試薬貯蔵デバイス164は、試薬を貯蔵する。試薬貯蔵デバイスは、試薬パックを事前判定された場所に移送するように構成される、試薬移送ユニットを含む。いくつかの実施形態では、試薬貯蔵デバイス164は、試薬装填デバイス166から試薬貯蔵デバイス164に、試薬ピペット操作デバイス162によるピペット操作のために試薬貯蔵デバイス164からピペット操作場所に、ピペット操作場所から試薬貯蔵デバイス164に、試薬が消費された場合、ピペット操作場所から廃棄場所に、試薬が期限切れになる場合、試薬貯蔵デバイス164から廃棄場所に、および試薬パックを装填解除するために試薬貯蔵デバイス164から試薬装填デバイス166に、試薬パックを移送することができる。いくつかの実施形態では、試薬貯蔵デバイス164は、約2℃〜15℃で熱的に制御される。他の実施形態では、試薬貯蔵デバイス164は、約4℃〜10℃で維持される。
【0283】
試薬装填デバイス166は、1つまたはそれを上回る試薬パックを装填するように動作する。ユーザは、試薬パックを試薬装填デバイス166に装填することができる。
【0284】
インキュベータ移送ユニット170は、インキュベータ172に、およびそこから、反応容器を移送する。いくつかの実施形態では、インキュベータ移送ユニット170は、試薬キャリッジユニット160からインキュベータ172にピペット操作された反応容器のうちの1つまたはそれを上回るものを移送する。さらに、インキュベータ移送ユニット170は、インキュベータ172から試薬キャリッジユニット160に1つまたはそれを上回る反応容器を移送することができる。インキュベータ移送ユニット170はまた、インキュベータ172から、読み取られた、または完了した反応容器を除去することもできる。
【0285】
インキュベータ172は、事前判定された温度を維持するように熱的に制御される。いくつかの実施形態では、インキュベータ172は、約30℃〜40℃で維持される。他の実施形態では、インキュベータ172は、例えば、免疫学的反応および酵素反応を確実にするように、約37℃で維持される。一例として、インキュベータ172は、検定インキュベーションを行う。
【0286】
反応容器移送ユニット174は、インキュベータ172に、およびそこから、反応容器を移送する。いくつかの実施形態では、反応容器移送ユニット174は、培養された反応容器をインキュベータ172から洗浄ホイール176に移送し、検定反応容器を洗浄ホイール176からインキュベータ172に移送し、基質インキュベーションまたは酵素反応のために、基質を含有する反応容器を洗浄ホイール176からインキュベータ172に移送し、基質インキュベーション後に、洗浄された反応容器をインキュベータ172から光測定デバイス190に移送し、読み取られた、または完了した反応容器を光測定デバイス190からインキュベータ172に移送する。使用済みの反応容器は、廃棄場所に送達されることができる。
【0287】
洗浄ホイール176は、診断プロセスの種々の側面が物質評価システム106を用いて行われるように、その上で反応容器を受容して支持する。洗浄ホイール176の実施例は、
図23−25を参照してさらに詳細に説明および図示される。いくつかの実施形態では、洗浄ホイール176は、インキュベーション後に粒子から結合または遊離被分析物を分離する熱的に制御されたデバイスである。いくつかの実施形態では、洗浄ホイール176は、約30℃〜40℃で維持される。他の実施形態では、洗浄ホイール176は、例えば、酵素反応を確実にするように、約37℃で維持される。
【0288】
基質ピペット操作デバイス178は、基質を洗浄された反応容器に分注するように動作する。基質の一実施例は、磁性粒子上で捕捉される被分析物の数量に対応する検出を提供するように光を生じることができる、Lumi−Phos 530等の免疫学的検定酵素反応のための化学発光基質である。
【0289】
基質装填デバイス180は、供給される1つまたはそれを上回る基質を装填するように動作する。いくつかの実施形態では、基質装填デバイス180は、2つのボトルのセットを含み、そのうちの一方が、使用中であり、そのうちの他方が、装填解除および新規装填プロセスのために配列される。基質ピペット操作デバイス178は、使用中のボトルから基質を引き出すように動作することができる。
【0290】
光測定デバイス190は、免疫学的分析に起因する光(例えば、
図4の光L)を検出して測定するように動作する。いくつかの実施形態では、照度計とも称されることができる、光測定デバイス190は、基質を含有する反応容器から化学発光の規模を読み取るための光電子増倍管(PMT)を含有する、光が入り込まないエンクロージャを含む。反応容器は、反応容器移送ユニット174によって、光測定デバイス190に移送され、そこから除去されることができる。
【0291】
評価処理デバイス192は、光測定デバイス190によって検出される光の量についての情報を受信し、情報に基づいて分析を評価するように動作する。
【0292】
図3は、生物試料分析器具100、または物質調製システム102、調製評価システム104、および物質評価システム106等の器具100の種々のシステムを含む、本開示の側面を実装するために使用されることができる、コンピュータデバイスの例示的なアーキテクチャを図示する。さらに、器具100のシステムに含まれる1つまたはそれを上回るデバイスもしくはユニットもまた、
図3に図示されるように、コンピュータデバイスの少なくともいくつかの構成要素を伴って実装されることもできる。そのようなコンピュータデバイスは、本明細書では参照番号200として指定される。コンピュータデバイス200は、本明細書に説明されるオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、およびソフトウェアモジュール(ソフトウェアエンジンを含む)を実行するために使用される。
【0293】
コンピュータデバイス200は、いくつかの実施形態では、中央処理装置(CPU)等の少なくとも1つの処理デバイス202を含む。種々の処理デバイスが、種々の製造業者、例えば、IntelまたはAdvanced Micro Devicesから入手可能である。本実施例では、コンピュータデバイス200はまた、システムメモリ204と、システムメモリ204を含む種々のシステム構成要素を処理デバイス202に結合するシステムバス206とを含む。システムバス206は、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺機器用バス、および種々のバスアーキテクチャのうちのいずれかを使用するローカルバスを含む、任意の数のタイプのバス構造のうちの1つである。
【0294】
コンピュータデバイス200に好適なコンピュータデバイスの実施例は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、モバイルデバイス(スマートフォン、iPod(登録商標)モバイルデジタルデバイス、もしくは他のモバイルデバイス等)、またはデジタル命令を処理するように構成される他のデバイスを含む。
【0295】
システムメモリ204は、読取専用メモリ208と、ランダムアクセスメモリ210とを含む。起動中等にコンピュータデバイス200内で情報を転送するように作用する基本ルーチンを含有する、基本入出力システム212が、典型的には、読取専用メモリ208の中に記憶される。
【0296】
コンピュータデバイス200はまた、デジタルデータを記憶するために、いくつかの実施形態では、ハードディスクドライブ等の二次記憶デバイス214も含む。二次記憶デバイス214は、二次記憶インターフェース216によってシステムバス206に接続される。二次記憶デバイスおよびそれらの関連付けられるコンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令(アプリケーションプログラムおよびプログラムモジュールを含む)、データ構造、およびコンピュータデバイス200の他のデータの不揮発性記憶装置を提供する。
【0297】
本明細書に説明される例示的な環境は、二次記憶デバイス等のハードディスクドライブを採用するが、他のタイプのコンピュータ可読記憶媒体も他の実施形態で使用される。これらの他のタイプのコンピュータ可読記憶媒体の実施例は、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、ベルヌーイカートリッジ、コンパクトディスク読取専用メモリ、デジタル多用途ディスク読取専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、または読取専用メモリを含む。いくつかの実施形態は、非一過性の媒体を含む。
【0298】
オペレーティングシステム218、1つまたはそれを上回るアプリケーションプログラム220、他のプログラムモジュール222、およびプログラムデータ224を含む、いくつかのプログラムモジュールは、二次記憶デバイス214またはメモリ204の中に記憶されることができる。
【0299】
いくつかの実施形態では、コンピュータデバイス200は、ユーザが入力をコンピュータデバイス200に提供することを可能にする入力デバイスを含む。入力デバイス226の実施例は、キーボード228、ポインタ入力デバイス230、マイクロホン232、およびタッチセンサ式ディスプレイ240を含む。他の実施形態は、他の入力デバイス226を含む。入力デバイスは、多くの場合、システムバス206に結合される入出力インターフェース238を通して、処理デバイス202に接続される。これらの入力デバイス226は、パラレルポート、シリアルポート、ゲームポート、またはユニバーサルシリアルバス等の任意の数の入出力インターフェースによって接続されることができる。入力デバイスとインターフェース238との間の無線通信も可能であり、いくつかの可能性として考えられる実施形態では、赤外線、BLUETOOTH(登録商標)無線技術、WiFi技術(802.11a/b/g/n等)、セルラー、または他の高周波通信システムを含む。
【0300】
本例示的実施形態では、タッチセンサ式表示デバイス240はまた、ビデオアダプタ242等のインターフェースを介してシステムバス206に接続される。タッチセンサ式表示デバイス240は、ユーザがディスプレイに触れるときにユーザから入力を受信するためのタッチセンサを含む。そのようなセンサは、容量センサ、圧力センサ、または他のタッチセンサであることができる。センサは、ディスプレイとの接触だけでなく、接触の場所および経時的な接触の移動も検出する。例えば、ユーザは、書き込まれた入力を提供するように、画面を横断して指またはスタイラスを移動させることができる。書き込まれた入力は、評価され、いくつかの実施形態では、テキスト入力に変換される。
【0301】
表示デバイス240に加えて、コンピュータデバイス200は、スピーカまたはプリンタ等の種々の他の周辺デバイス(図示せず)を含むことができる。
【0302】
コンピュータデバイス200はさらに、ネットワークを横断して通信を確立するように構成される通信デバイス246を含む。いくつかの実施形態では、ローカルエリアネットワーキング環境または広域ネットワーキング環境(インターネット等)で使用されるとき、コンピュータデバイス200は、典型的には、無線ネットワークインターフェース248等のネットワークインターフェースを通してネットワークに接続される。他の可能性として考えられる実施形態は、他の有線および/または無線通信デバイスを使用する。例えば、コンピュータデバイス200のいくつかの実施形態は、Ethernet(登録商標)ネットワークインターフェースまたはネットワークを横断して通信するためのモデムを含む。さらに他の実施形態では、通信デバイス246は、短距離無線通信が可能である。短距離無線通信は、一方向または双方向短・中距離無線通信である。短距離無線通信は、種々の技術およびプロトコルに従って確立されることができる。短距離無線通信の実施例は、高周波識別(RFID)、近距離通信(NFC)、Bluetooth(登録商標)技術、およびWi−Fi技術を含む。
【0303】
コンピュータデバイス200は、典型的には、少なくともある形態のコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータデバイス200によってアクセスされることができる、任意の利用可能な媒体を含む。一例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体およびコンピュータ可読通信媒体を含む。
【0304】
コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータ等の情報を記憶するように構成される任意のデバイスで実装される、揮発性および不揮発性、可撤性および非可撤性媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ、読取専用メモリ、電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、コンパクトディスク読取専用メモリ、デジタル多用途ディスクまたは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶または他の磁気記憶デバイス、もしくは所望の情報を記憶するために使用されることができ、コンピュータデバイス200によってアクセスされることができる任意の他の媒体を含むが、それらに限定されない。
【0305】
コンピュータ可読通信媒体は、典型的には、搬送波または他の輸送機構等の変調データ信号でコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを具現化し、任意の情報配信媒体を含む。「変調データ信号」という用語は、その特性のうちの1つまたはそれを上回るものを、信号の中の情報を符号化するような様式で設定もしく変更させる信号を指す。一例として、コンピュータ可読通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続等の有線媒体、ならびに音響、高周波、赤外線、および他の無線媒体等の無線媒体を含む。上記のうちのいずれかの組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0306】
血液サンプルは、全血、血清、血漿、および他の血液成分または分画である。いくつかの実施形態では、生物試料分析器具100は、1つまたはそれを上回る体液サンプルタイプを分析するように構成される。体液は、血液、尿、唾液、脳脊髄液、羊水、糞便、粘液、細胞または組織抽出物、および核酸抽出物である。サンプルとも称される試料は、ドナーセンター、医師の診察室、瀉血専門医の診察室、病院、診療所、および他の医療設定において採取されるが、それらに限定されない。採取された体液およびその成分は、次いで、多くの場合、臨床検査室、病院、血液バンク、医師の診察室、または他の医療設定において、もしくはそれを通して、処理、検査、および分配される。本開示では、器具100は、主に、抗体または免疫グロブリンの使用を通して溶液中の巨大分子の存在もしくは濃度を測定する、免疫学的検定を行うことが説明される。そのような巨大分子はまた、本明細書では被分析物とも称される。他の実施形態では、しかしながら、器具100は、任意のタイプの生物試料分析器を含む。例えば、器具100は、臨床化学分析器、血液型分析器、核酸分析器、微生物学分析器、または任意の他のタイプの体外診断(IVD)分析器であることができる。
【0307】
図4は、免疫学的分析のための例示的方法300を図示する概略図である。いくつかの実施形態では、方法300は、動作302、304、306、308、310、312、および314を含む。いくつかの実施形態では、方法300における動作のうちの少なくともいくつかは、器具100の物質調製システム102、調製評価システム104、および/または物質評価システム106によって行われる。
【0308】
動作302では、キュベット320(例えば、反応容器)が、事前判定された位置に輸送され、磁性粒子322を含む第1の試薬が、キュベット320の中へ分注される。いくつかの実施形態では、キュベット320は、反応容器であり、洗浄ホイール176に輸送される。
【0309】
動作304では、サンプルまたは試料324が、キュベット320の中へ分注される。いくつかの実施形態では、ピペット操作先端フィーダ150から供給されるピペット操作先端が係合される、サンプルピペット操作デバイス152は、事前判定された位置に輸送されたサンプル容器からサンプル324を吸引する。いったんサンプルがキュベット320の中へ分注されると、キュベット320は、ともに結合されたサンプル324中の抗原および磁性粒子でそれぞれ形成される磁性粒子担体を産生するよう、必要とされる場合、混合を受けてもよい。
【0310】
動作306では、キュベット320は、磁性粒子担体が磁気採取ユニット326によって磁気的に採取され、結合・遊離分離が結合・遊離洗浄吸引ノズル328によって実施される、第1の洗浄プロセスを受ける。結果として、キュベット320の中の未反応物質330が、除去される。
【0311】
動作308では、標識抗体を含む標識試薬等の第2の試薬332が、キュベット320の中へ分注される。結果として、ともに結合された磁性粒子担体および標識抗体332でそれぞれ形成される免疫複合体334が、産生される。
【0312】
動作310では、第2の結合・遊離洗浄プロセスが、磁気採取構造336によって磁性粒子担体を磁気的に採取するように行われる。さらに、結合・遊離分離が、結合・遊離洗浄吸引ノズル338によって行われる。結果として、磁性粒子担体と結合されていない標識抗体332が、キュベット320から除去される。
【0313】
動作312では、酵素340を含む基質が、キュベット320の中へ分注され、次いで、混合される。酵素反応のために必要なある反応時間が経過した後、キュベット320は、光測定デバイス190等の測光システムに輸送される。
【0314】
動作314では、酵素340および免疫複合体334が、標識抗体332上の酵素との基質340反応を通してともに結合され、光Lが、免疫複合体334から放射され、光測定デバイス190等の測光システムによって測定される。光測定デバイス190は、測定される光の量に従って、試料に含まれる抗原の量を計算するように動作する。
【0315】
図5−39を参照すると、体積検出システム120の実施例が説明される。
【0316】
図5は、
図1の体積検出システム120の実施例のブロック図である。いくつかの実施形態では、体積検出システム120は、分注先端体積検出デバイス400と、容器体積検出デバイス402とを含む。体積検出システム120はさらに、相関データ406を生成する相関データ生成システム404を含む。
【0317】
分注先端体積検出デバイス400は、分注先端112の中へ吸引される流体物質118の体積を検出するように動作する。
【0318】
流体物質118は、コンテナの中に分注され、さらなる分析のために提示されるために好適な任意のタイプであってもよい。種々の実施形態では、流体物質118は、分析を受ける試料、サンプル調製成分、希釈液、緩衝剤、試薬、または前述の任意の組み合わせであってもよい。流体物質118が血液またはその成分を伴う場合、流体物質118の実施例は、全血、血漿、血清、赤血球、白血球、血小板、希釈液、試薬、またはそれらの任意の組み合わせを含む。流体物質118は、唾液、脳脊髄液、尿、羊水、糞便、粘液、細胞または組織抽出液、核酸、もしくは着目被分析物を含有する疑いがある任意の他のタイプの体液、組織、または物質等の他のタイプの体液物質であってもよい。流体物質118が試薬である場合、試薬は、生物試料の分析で使用するために公知である種々のタイプであってもよい。試薬のいくつかの実施例は、標識特異的結合試薬、例えば、抗体もしくは核酸プローブを含有する液体試薬、反応性および/または非反応性物質を含有する液体試薬、赤血球懸濁液、ならびに粒子懸濁液を含む。他の実施形態では、試薬は、化学発光基質であることができる。
【0319】
本明細書に説明されるように、分注先端112は、種々のタイプであり、異なるプロセスに使用されることができる。分注先端112の一実施例は、サンプルピペット操作デバイス152とともに使用されることができる、ピペット操作先端である。分注先端体積検出デバイス400は、分注先端画像捕捉ユニット130を利用することができる。分注先端体積検出デバイス400の実施例は、
図9−21を参照してさらに詳細に図示および説明される。
【0320】
容器体積検出デバイス402は、容器114内に含有される流体物質118の体積を検出するように動作する。本明細書に説明されるように、容器114は、種々のタイプであり、異なるプロセスに使用されることができる。容器114の実施例は、器具100の中でプロセスの全体を通して使用される、反応容器、サンプル容器、および希釈容器を含む。容器体積検出デバイス402は、容器画像捕捉ユニット132を利用することができる。容器体積検出デバイス402の実施例は、
図22−39を参照してさらに詳細に図示および説明される。
【0321】
相関データ生成システム404は、相関データ406を生成する。相関データ406は、コンテナ110の中で受容される流体物質118の体積を判定するように、体積検出システム120によって使用される情報を提供する。いくつかの実施形態では、相関データ生成システム404は、体積検出システム120から独立した装置である。他の実施形態では、相関データ生成システム404は、体積検出システム120の少なくともいくつかのリソースを使用するように構成される。
【0322】
図6は、体積検出システム120を動作させる例示的方法410を図示する、フローチャートである。いくつかの実施形態では、方法410における動作のうちの少なくともいくつかは、器具100の物質調製システム102、調製評価システム104、および/または物質評価システム106によって行われる。他の実施形態では、器具100の他の構成要素、ユニット、およびデバイスが、方法410における動作のうちの少なくとも1つを行うために使用される。
【0323】
動作412では、流体物質118が、コンテナ110の中へ提供される。いくつかの実施形態では、物質調製システム102は、動作412を行うことができる。他の実施形態では、コンテナ110は、コンテナ110が器具100の中へ装填され、器具100によって使用される前に、流体物質118を事前装填される。
【0324】
動作414では、流体物質118を含むコンテナ110は、分注先端画像捕捉ユニット130および容器画像捕捉ユニット132等の画像捕捉ユニットに輸送される。
【0325】
動作416では、画像捕捉ユニットは、コンテナ110の画像を捕捉する。いくつかの実施形態では、コンテナ110の画像は、事前判定された解像度のデジタル画像である。
【0326】
動作418では、調製評価システム104(例えば、体積検出システム120)は、コンテナ110内の流体物質118の体積を判定するように、画像を分析する。動作416の実施例は、
図7を参照してさらに詳細に説明される。
【0327】
動作420では、調製評価システム104(例えば、体積検出システム120)は、判定された体積が公差範囲内に入るかどうかを判定する。判定された体積が公差範囲外であるとき、コンテナ110の中への流体物質118の提供は、不適切であったと見なされる。いくつかの実施形態では、そのような公差範囲は、コンテナ110の中へ提供されることが意図される、流体物質118の標的体積からの許容偏差に基づいて判定される。検出された体積が公差範囲内に入ると判定されるとき(動作420において、「はい」)、方法410は、続けて事前判定された次のステップを行う。そうでなければ(動作420において、「いいえ」)、方法410は、動作422に移行する。
【0328】
動作422では、調製評価システム104(例えば、体積検出システム120)は、コンテナ110内の流体物質118の体積が後続のプロセスのために適切ではないことを示すように、コンテナ110にフラグを付ける。代替として、調製評価システム104は、器具100の中の関連付けられる検査または分析プロセスを停止するように動作する。他の実施形態では、評価結果は、流体物質の不適切な体積に起因して誤りがあり得る、検査結果を自動的に調節するために使用されることができる。さらに他の実施形態では、本明細書に説明されるように、評価結果は、体積判定に応答して、流体物質の体積を自動的に調節するために使用されることができる。
【0329】
図7は、
図6の動作418を行うための例示的方法430を図示する、フローチャートである。具体的には、方法430は、コンテナ110の中に含有される流体物質118の体積を判定するように、コンテナ110の捕捉された画像を分析するためのプロセスを提供する。
【0330】
動作432では、調製評価システム104(例えば、体積検出システム120)は、画像内の参照点を検出する。参照点は、コンテナ110と関連付けられる。いくつかの実施形態では、参照点は、コンテナ110上に形成される検出可能な構造の場所または一部を含む。他の実施形態では、参照点は、コンテナ110の一部として構成される。参照点の他の実施例も可能である。種々の画像処理方法が、画像内の流体物質118の表面レベルを検出するために使用されることができる。
【0331】
動作434では、調製評価システム104(例えば、体積検出システム120)は、画像の中のコンテナ110内の流体物質118の表面レベルを検出する。種々の画像処理方法が、画像内の流体物質118の表面レベルを検出するために使用されることができる。
【0332】
動作436では、調製評価システム104(例えば、体積検出システム120)は、参照点と表面レベルとの間の距離を測定する。いくつかの実施形態では、距離は、画像内の参照点と表面レベルとの間のピクセル距離によって測定される。いくつかの実施形態では、ピクセル距離は、2つのピクセル点の間のユークリッド距離に基づいて計算される。
【0333】
動作438では、調製評価システム104(例えば、体積検出システム120)は、相関データ406に基づいて距離を体積に変換する。相関データ406は、コンテナ内110の体積と参照点からコンテナ110内の複数の異なる表面レベルまでの距離との間の相関についての情報を含む。相関データを生成する例示的方法が、
図8を参照して説明される。
【0334】
図8は、相関データ406を生成するように相関データ生成システム404を動作させるための例示的方法450を図示する、フローチャートである。いくつかの実施形態では、器具100の一部が、相関データ生成システム404として使用される。他の実施形態では、相関データ生成システム404は、器具100から独立して相関データを生成する。
【0335】
動作452では、相関データ生成システム404は、液体をコンテナに供給する。方法450で使用されるコンテナは、本明細書の体積検出プロセスを受ける同一のコンテナ110である。方法450で使用される液体は、器具100で使用される流体物質118と同じである必要はない。
【0336】
動作454では、相関データ生成システム404は、液体を有するコンテナの画像を捕捉する。
【0337】
動作456では、相関データ生成システム404は、参照点(すなわち、動作432において説明されるような参照点)と動作454において捕捉される画像内の流体表面との間の距離を抽出する。いくつかの実施形態では、距離は、動作432、434、および436等の方法430の動作のうちの少なくともいくつかと同様に判定されることができる。
【0338】
動作458では、相関データ生成システム404は、コンテナに供給される液体の体積を測定する。種々の方法が、コンテナ内の液体体積を判定するために使用されることができる。そのような方法のうちのいくつかが、本書で説明される。
【0339】
動作460では、相関データ生成システム404は、動作456において計算される距離および動作458において測定される体積を相関させる。
【0340】
動作462では、相関データ生成システム404は、十分な数の相関が相関データ406を生成するために行われているかどうかを判定する。該当する場合(動作470において、「はい」)、方法450は、動作464に移行する。そうでなければ(動作470において、「いいえ」)、方法450は、液体がコンテナに供給される動作452に戻り、後続の動作は、距離とコンテナ内の液体の体積との間の付加的相関を判定するように行われる。相関データの十分な範囲を取得するために、コンテナに供給される液体の量は、相関プロセスの異なるサイクルにおいて変化することができる。加えて、コンテナに供給される液体の量は、特定の体積または体積範囲の信頼できる結果を取得するよう、相関サイクルのうちのいくつかについてほぼ同一のままであることができる。
【0341】
動作464では、相関データ生成システム404は、動作460において行われる複数の相関に基づいて、相関データ408を作成する。いくつかの実施形態では、相関データ408は、距離と体積との間の関係を推論するように推定されることができる。例えば、相関曲線、ルックアップテーブル、または数式が、データを適合させ、距離とコンテナ内の体積との間の関係を推定するように、相関データ408から作成されることができる。
【0342】
図9−21を参照すると、
図5の分注先端体積検出デバイス400の実施例が説明される。
【0343】
図9は、
図5の分注先端体積検出デバイス400の実施例を図示する。いくつかの実施形態では、分注先端体積検出デバイス400は、サンプル吸引体積検出デバイス500を含む。さらに、分注先端体積検出デバイス400は、先端体積相関データ生成システム504によって生成される先端体積相関データ506を使用する。
【0344】
サンプル吸引体積検出デバイス500は、サンプルピペット操作デバイス152のサンプルピペット操作先端の中へ吸引されるサンプルの体積を判定するように動作する。サンプル吸引体積検出デバイス500の構造および動作の実施例が、以下で説明される。
【0345】
先端体積相関データ生成システム504は、先端体積相関データ506を生成する。先端体積相関データ506は、分注先端(例えば、サンプルピペット操作先端)の中で受容される流体物質の体積を判定するように、分注先端体積検出デバイス400によって使用される情報を提供する。いくつかの実施形態では、先端体積相関データ生成システム504は、分注先端体積検出デバイス400から独立した装置である。他の実施形態では、先端体積相関データ生成システム504は、分注先端体積検出デバイス400の少なくともいくつかのリソースを使用するように構成される。先端体積相関データ生成システム504および先端体積相関データ506は、
図5に図示されるように、相関データ生成システム404および相関データ406に含まれる、またはそれらの実施例である。
【0346】
信頼できる臨床診断は、分析される物質の正確かつ精密な吸引および分注を要求する。例えば、血液または任意の他の体液等の試料を分析する自動分析器では、規定量に対する反応容器内の試薬等の試料および他の物質の分注された量の変動が、分析結果に影響を及ぼし、検査および分析の信頼性を低下させ得る。したがって、高い正確度で吸引または分注された量を測定し、その量が好適な範囲内である、吸引または分注された試料のみを選択するための技術を確立することが有益である。液体体積を測定する1つの方法は、共振周波数を使用して、容器の内側の液体の高さを判定することによって、液体表面のレベルを検出することである。他の場合では、空気圧が、分注先端によって吸引される液体(例えば、サンプル)の粘度を判定するために使用される。さらに他の場合において、流量センサが、吸引または分注される液体の流速を判定するために使用される。
【0347】
しかしながら、これらのアプローチは、種々の不利点を有する。例えば、共振周波数を使用する液体表面レベルの検出および空気圧を使用する流体粘度の検出は、コンテナの中の液体体積を判定することはできるが、吸引または分注される液体体積を定量化することはできない。流量センサは、流量センサが配列される管類を通過する液体の体積を定量化することはできるが、吸引または分注される液体体積を確実に測定することはできない。これらの方法は、誤った結果の場合に、不正確なサンプル吸引を識別するためのプロセスを有していない。
【0348】
本明細書でさらに詳細に説明されるように、分注先端体積検出デバイス400は、吸引される流体物質(例えば、サンプル)の体積を定量化するための画像処理方法を採用する。流体物質の体積は、円錐形の分注先端等の透明または半透明コンテナの中に吸引される。コンテナが撮像され、参照点が画像内で検出される。分注先端体積検出デバイスは、流体物質のメニスカスから参照点までの距離を測定し、体積較正曲線を使用して、距離を体積に相関させる。コンテナの内側で吸引される体積が吸引の精度または正確度の仕様内ではない場合、吸引もしくは検査全体がフラグを付けられる。ユーザまたはオペレータが、吸引の結果についての情報を受信することができる。
【0349】
図10は、サンプル吸引体積検出デバイス500に関連するサンプル吸引システム510の例示的構造を概略的に図示する。図示される実施例では、サンプル吸引体積検出デバイス500は、主に、分注先端体積検出デバイス400の実施例として説明および図示される。しかしながら、任意のタイプの分注先端体積検出デバイス400が、サンプル吸引体積検出デバイス500と同一または同様の様式で使用され得ることが理解される。
【0350】
いくつかの実施形態では、サンプル吸引システム510は、サンプル移送ガイド514に沿って異なる位置の間で移動可能である、サンプルピペット操作モジュール512を含む。サンプルピペット操作モジュール512は、先端供給位置516、サンプル分注位置518、先端廃棄位置520、およびサンプル吸引位置522まで移動することができる。いくつかの実施形態では、サンプルピペット操作モジュール512は、基部524と、基部524において支持されるマンドレル526とを含む。サンプルピペット操作モジュール512は、サンプルコンテナ530に対してマンドレル526を含む基部524を垂直に移動させるように構成される、垂直移送ユニット528を含む。マンドレル526は、本明細書ではピペット操作先端またはプローブ、吸引先端またはプローブ、もしくは使い捨て先端またはプローブ112とも称される、分注先端112を搭載するように構成される。
【0351】
器具100上で、サンプルが、汚染の危険性を回避するように分注先端によって吸引される。サンプルピペット操作モジュール512は、先端供給位置516まで移動し、分注先端供給ユニット534によって供給される分注先端112の中にマンドレル526を挿入するようにモジュール512の基部524を垂直に下げることができる。次いで、サンプルピペット操作モジュール512は、サンプルピペット操作モジュール512がサンプルコンテナ530からサンプル540の事前判定された体積を吸引するように動作する、サンプル吸引位置522まで移動する。いったんサンプルが吸引されると、サンプル吸引体積検出デバイス500は、分注先端112の中に吸引されるサンプルの体積を検出する。いくつかの実施形態では、サンプル吸引体積検出デバイス500は、体積検出のプロセスの一部として分注先端112の画像を捕捉するように、分注先端画像捕捉ユニット130を含む。その後に、サンプルピペット操作モジュール512は、反応コンテナ536の中へサンプルの吸引された体積を分注するように、サンプル分注位置518まで移動し、次いで、分注先端廃棄ユニット538の中へ分注先端112を破棄するように、先端廃棄位置520まで移動する。
【0352】
いくつかの実施形態では、サンプル吸引システム510は、
図2に図示されるように、器具100の少なくともいくつかの構成要素を伴って実装される。例えば、サンプルピペット操作モジュール512は、器具100のサンプルピペット操作デバイス152(サンプルアリコートピペット操作ユニット152Aおよびサンプル精密ピペット操作ユニット152Bを含む)に対応する。サンプルコンテナ530は、サンプル管に対応することができる。分注先端供給ユニット534は、ピペット操作先端フィーダ150に対応することができる。反応コンテナ536は、サンプル容器、反応容器、または任意の他の容器に対応することができる。
【0353】
図11、12A、および12Bは、
図10のサンプル吸引システム510を図示する。
図11は、
図10のサンプル吸引システムの斜視図であり、
図12Aは、サンプル吸引システム510の側面図であり、
図12Bは、サンプルピペット操作モジュール512が、サンプル吸引体積検出デバイス500を使用する体積検出のためにサンプル吸引位置522にあることを図示する、サンプル吸引システム510の別の側面図である。
【0354】
図示されるように、分注先端画像捕捉ユニット130は、サンプルアリコートピペット操作ユニット152Aに搭載される、第1のカメラユニット550およびその関連付けられる構成要素を含む。いくつかの実施形態では、第1のカメラユニット550およびそのような他の構成要素は、サンプルアリコートピペット操作ユニット152Aの対応するマンドレルおよび分注先端とともに移動するように構成される。
【0355】
いくつかの実施形態では、カメラユニット550は、カラーデジタル画像を取得するための相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサを含む。他の実施形態では、カメラユニット550は、カラーデジタル画像を取得するための電荷結合素子(CCD)画像センサを含む。
図12に示されるように、カメラユニット550は、分注先端112の側面に位置する。カメラユニット550の他の実施形態は、白黒またはグレースケール写真を取得するように構成される。カメラユニット550の一実施例は、AE3−ISマシンビジョンカラーカメラ+IOボード(例えば、部品番号AE3C−IS−CQBCKFS1−B)等のCognex Corporation(Natick, MA)から入手可能である、ADVANTAGE 102と名付けられたモデルを含む。
【0356】
分注先端画像捕捉ユニット130はさらに、カメラ550用の光源552を含むことができる。光源552は、所望に応じて撮影される分注先端112およびその周辺を照射するために使用される。光源552は、種々の場所で配列されることができる。図示される実施例では、光源552は、カメラユニット550の反対で分注先端112の後方に位置付けられ、したがって、バックライトとして使用される。光源552の他の場所も可能である。光源552の一実施例は、Moritex Corporation(Japan)から入手可能なMDBLシリーズを含む。
【0357】
他の実施形態では、カメラユニット550は、分注先端112に向かって光を放射するように動作可能である、LEDライト等の光源551を含む。本構成では、光源552は、分注先端112がカメラユニット550と画面553との間に位置付けられるように、カメラユニット550の反対にあるように配列される画面553によって置換されることができる。画面553は、カメラの開口に向かって光を反射することによって、カメラユニットの視野(FOV)の方向に戻って光を放つために使用される。画面553は、異なる反射強度を提供することができる、1つまたはそれを上回る種々の材料で作製される。例えば、画面553は、再帰反射シートを含み、その一実施例は、3M Company(Maplewood, MN)から入手可能な3M
TM Scotchlite
TMシート7610を含む。他の実施形態では、光源552は、カメラユニット550からの光源551および画面553とともに使用されることができる。
【0358】
いくつかの実施形態では、カメラユニット550および光源552(または画面553)は、サンプルピペット操作モジュール512に取り付けられ、分注先端112の画像がサンプルピペット操作モジュール512の任意の位置で捕捉されるように、サンプルピペット操作モジュール512とともに水平に移動するように構成される。例えば、吸引されたサンプルを含有する分注先端112の画像は、サンプルが吸引された後(すなわち、サンプル吸引位置522)およびサンプルが分注される前(すなわち、サンプル分注位置518)の任意の位置で撮影されることができる。他の実施形態では、カメラユニット550が、サンプルピペット操作モジュール512に取り付けられる一方で、光源552(または画面553)は、サンプルピペット操作モジュール512に取り付けられない。さらに他の実施形態では、カメラユニット550が、サンプルピペット操作モジュール512に取り付けられない一方で、光源552(または画面553)は、サンプルピペット操作モジュール512に取り付けられる。さらに他の実施形態では、カメラユニット550も光源552(または画面553)も、サンプルピペット操作モジュール512に取り付けられない。
【0359】
加えて、分注先端画像捕捉ユニット130は、サンプル精密ピペット操作ユニット152Bに搭載される、第2のカメラユニット2550およびその関連付けられる構成要素を含むことができる。第2のカメラユニット2550およびその関連付けられる構成要素は、第1のカメラユニット550およびその関連付けられる構成要素と同様に構成されることができる。
【0360】
いくつかの実施形態では、第2のカメラユニット2550およびそのような他の構成要素は、サンプルアリコートピペット操作ユニット152Aの対応するマンドレルおよび分注先端とともに移動するように構成される。
【0361】
第2のカメラユニット2550は、第1のカメラユニット550と同様に構成されることができる。カメラユニット2550の一実施例は、AE3−ISマシンビジョンカラーカメラ+IOボード(例えば、部品番号AE3−IS−CQBCKFP2−B)等のCognex Corporation(Natick, MA)から入手可能である、ADVANTAGE 102と名付けられたモデルを含む。
【0362】
分注先端画像捕捉ユニット130はさらに、カメラ2550用の光源2552を含むことができる。光源2552は、所望に応じて撮影される分注先端112およびその周辺を照射するために使用される。光源2552は、種々の場所で配列されることができる。図示される実施例では、光源2552は、カメラユニット2550の反対で分注先端112の後方に位置付けられ、したがって、バックライトとして使用される。光源2552の他の場所も可能である。光源2552の一実施例は、Moritex Corporation(Japan)から入手可能なMDBLシリーズを含む。
【0363】
他の実施形態では、カメラユニット550は、分注先端112に向かって光を放射するように動作可能である、LEDライト等の光源2551を含む。本構成では、光源2552は、分注先端112がカメラユニット2550と画面2553との間に位置付けられるように、カメラユニット550の反対にあるように配列される画面2553によって置換されることができる。画面2553は、カメラの開口に向かって光を反射することによって、カメラユニットの視野(FOV)の方向に戻って光を放つために使用される。画面2553は、異なる反射強度を提供することができる、1つまたはそれを上回る種々の材料で作製される。例えば、画面2553は、再帰反射シートを含み、その一実施例は、3M Company(Maplewood, MN)から入手可能な3M
TM Scotchlite
TMシート7610を含む。他の実施形態では、光源2552は、カメラユニット2550からの光源2551および画面2553とともに使用されることができる。
【0364】
いくつかの実施形態では、カメラユニット2550および光源2552(または画面2553)は、静止し、サンプルピペット操作モジュール512の移動から独立するように構成される。他の構成もまた、他の実施形態では可能である。
【0365】
本明細書に説明されるように、カメラユニット2550およびその関連付けられる構成要素が、
図67でさらに図示されるように、先端整合検出に使用されることができる。
【0366】
図13および14を参照すると、分注先端112の実施例が説明される。具体的には、
図13は、分注先端112の実施例の概略斜視図であり、
図14は、分注先端112の遠位端の断面図である。
【0367】
分注先端112は、近位端560および遠位端562から延在する。分注先端112は、分注先端112をサンプルピペット操作モジュール512のマンドレル526に取り付けるように構成される、基礎部分564を近位端560において含む。分注先端112はさらに、基礎部分564から延在する伸長本体部分566を含む。基礎部分564と、本体部分566とを含む、分注先端112は、流体物質を吸引、含有、および分注するためのピペット操作通路(またはチャネル)572を画定する。いくつかの実施形態では、分注先端112(分注先端112を含む)は、使い捨てできる。他の実施形態では、分注先端112(分注先端112を含む)は、使い捨てではない、または処分される前に複数回使用可能である。
【0368】
いくつかの実施形態では、分注先端112は、分注先端画像捕捉ユニット130によって検出可能である参照線570を含む。参照線570は、分注先端112の種々の場所で形成されることができる。いくつかの実施形態では、参照線570は、分注先端112の本体部分566上に形成される。他の実施形態では、参照線570は、分注先端112の基礎部分564上に形成される。参照線570のいくつかの実施例は、分注先端112の中に吸引される流体物質の表面レベルまたはメニスカスが、参照線570と分注先端112の遠位端562との間に配列されるように位置する。他の実施形態では、参照線570は、吸引された流体物質のメニスカスが、遠位端562に対して参照線570の上方に(すなわち、参照線570と近位端560との間に)配列されるように位置する。
【0369】
参照線570は、種々の様式で分注先端112に提供される。いくつかの実施形態では、参照線570は、分注先端112上に形成される突起、隆起、くぼみ、切り欠き、または任意の他の可視要素等の検出可能な構造である。他の実施形態では、参照線570は、分注先端112の上に塗装される、または取り付けられる、マーカもしくはインジケータである。参照線570は、分注先端112に一体的に形成または成形されることができる。代替として、参照線570は、別個に作製され、分注先端112に取り付けられる。
【0370】
参照線570は、サンプルが分析検査のために適切に吸引されているかどうかを判定するように、分注先端112の画像が分析されるときに、参照点として使用される。本明細書に説明されるように、サンプル吸引体積検出デバイス500は、参照線570とサンプルメニスカスとの間の距離を測定することによって、分注先端112の中の吸引されたサンプル体積を測定する。参照線570が分注先端112上に形成されるため、参照線570は、分注先端112以外の構造によって提供される任意の参照点と比較して、体積測定のための一貫した参照点を提供する。例えば、マンドレル526の中の一部または点が参照点として使用される場合、分注先端112に対するマンドレル526の位置は、マンドレル526までの分注先端112の挿入深度に応じて変動し、それによって、不正確な体積測定を引き起こし得る。対照的に、参照線570は、分注先端112に対して静止し、したがって、正確な測定を提供することができる。
【0371】
図14に図示されるように、ピペット操作通路572は、内径が近位端560から遠位端562までより小さくなる、テーパ状区分574を含む。ピペット操作通路572はさらに、遠位端562において、またはそれに隣接して、一定の内径を有する直線区分576を含む。直線区分576は、等分するために250μL等の大きい体積を吸引することが可能な分注先端112を依然として提供しながら、約2〜5μL等の小さい体積を吸引することの正確度および精度を向上させることができる。
【0372】
図15は、分注先端体積検出デバイス400を動作させる例示的方法600を図示する、フローチャートである。図示される実施例では、方法600は、主に、サンプル吸引体積検出デバイス500に関して説明される。しかしながら、方法600はまた、他のタイプの分注先端体積検出デバイス400にも同様に適用可能である。いくつかの実施形態では、方法600は、サンプル吸引システム510およびサンプル吸引体積検出デバイス500によって行われる。
【0373】
一般に、方法600は、計測アルゴリズムを使用して、分注先端の中の吸引された体積の分析を行い、計算された吸引体積が公差範囲外である場合、吸引結果または検査結果にフラグを付ける。
【0374】
動作602では、サンプル吸引システム510は、プログラムされた通りに、分注先端112の中へサンプル540(
図10)等の流体物質を吸引するように動作する。
【0375】
動作604では、サンプル吸引システム510は、吸引されたサンプル540を含有する分注先端112を分注先端画像捕捉ユニット130に輸送する。いくつかの実施形態では、分注先端画像捕捉ユニット130は、輸送を伴わずに、吸引後に分注先端112の画像を捕捉するように配列される。
【0376】
動作606では、サンプル吸引体積検出デバイス500の分注先端画像捕捉ユニット130は、分注先端112の画像を捕捉する。いくつかの実施形態では、分注先端112の画像は、事前判定された解像度のデジタル画像である。
【0377】
動作608では、サンプル吸引体積検出デバイス500は、分注先端112内のサンプル540の体積を判定するように、画像を分析する。動作608の実施例は、
図16−19を参照してさらに詳細に説明される。
【0378】
動作610では、サンプル吸引体積検出デバイス500は、判定された体積が公差範囲内に入るかどうかを判定する。判定された体積が公差範囲外であるとき、分注先端112の中のサンプル540の吸引は、不適切と見なされる。いくつかの実施形態では、そのような公差範囲は、分注先端112の中へ吸引されることが意図される、サンプル540の標的吸引体積からの許容偏差に基づいて判定される。公差範囲は、標的吸引体積に応じて変動し得る。公差範囲の実施例は、以下の通りである。
【0380】
検出された体積が公差範囲内に入ることが判定されるとき(動作610において、「はい」)、方法600は、続けて事前判定された次のステップを行う。そうでなければ(動作610において、「いいえ」)、方法600は、動作612に移行する。
【0381】
動作612では、サンプル吸引体積検出デバイス500は、分注先端112の中の吸引されたサンプル体積が後続のプロセスのために適切ではないことを示すように、吸引にフラグを付ける。他の実施形態では、吸引されたサンプルを使用した検査結果全体は、検査結果が不適切であり得ることを示す、または示唆するように、フラグを付けられることができる。代替として、サンプル吸引体積検出デバイス500は、器具100の中の関連付けられる検査または分析プロセスを停止するように動作する。他の実施形態では、評価結果は、流体物質の不適切な体積に起因して誤りがあり得る、検査結果を自動的に調節するために使用されることができる。さらに他の実施形態では、本明細書に説明されるように、評価結果は、体積判定に応答して、流体物質の体積を自動的に調節するために使用されることができる。
【0382】
図16−19を参照すると、捕捉された画像が分注先端の中のサンプル体積を判定するように分析される、
図15の動作608の実施例が説明される。具体的には、
図16は、
図15の動作608を行うための例示的方法630を図示する、フローチャートである。方法630は、分注先端の捕捉された画像620の例示的分析を図示する、
図17−19も参照して説明される。
【0383】
動作632では、サンプル吸引体積検出デバイス500は、捕捉された画像620内の分注先端112の参照線570を検出する。種々の画像処理方法が、画像620内の参照線570を検出するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、参照線570は、事前訓練された参照画像に基づいて、参照線を表すパターンを検索する、パターン合致機能によって検出される。例えば、そのようなパターン合致機能は、システムの中に記憶され、参照線として認識されているパターンについて捕捉された画像を走査する、パターン検索を実行する。相関値または合致率(例えば、合致%)は、調節可能である。他の方法も、他の実施形態では可能である。そのような画像処理方法の一実施例は、エッジ検出(「Edge」)、パターン合致(「Pattern Match」)、およびヒストグラム分析(「Histogram」)等の種々のツールを提供する、Cognex Corporation(Natick, MA)から入手可能なCognex In−Sight Vision Softwareによって、実装されることができる。
【0384】
動作634では、サンプル吸引体積検出デバイス500は、参照線570の中心点650を検出する。
図17に図示されるように、いったん参照線570が検出されると、中心点650は、参照線570の中間点として計算されることができる。
【0385】
動作636では、サンプル吸引体積検出デバイス500は、分注先端112の中の吸引されたサンプル体積の表面レベル652(
図18)を検出する。種々の画像処理方法が、画像内の表面レベル652を検出するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、動作632と同様に、表面レベル652は、事前訓練された参照画像に基づいて、パターン合致機能によって検出される。他の方法も、他の実施形態では可能である。
【0386】
動作638では、サンプル吸引体積検出デバイス500は、表面レベル652の中心点654を検出する。
図18に図示されるように、いったん表面レベル652が検出されると、中心点654は、表面レベル652の線の中間点として計算されることができる。
【0387】
動作640では、サンプル吸引体積検出デバイス500は、参照線570の中心点650と表面レベル652の中心点654との間の距離L1(
図19)を測定する。いくつかの実施形態では、距離L1は、画像620内の中心点650と654との間のピクセル距離によって測定される。いくつかの実施形態では、ピクセル距離は、2つのピクセル点の間のユークリッド距離に基づいて計算される。
【0388】
動作642では、サンプル吸引体積検出デバイス500は、先端体積相関データ506に基づいて距離L1を体積に変換する。相関データ506は、分注先端112内の体積と、参照線570の中心点650と分注先端112内の複数の異なる表面レベル652の中心点654との間の距離L1との間の相関についての情報を含む。いくつかの実施形態では、相関データ506は、
図20に図示されるように、相関曲線660にプロットされることができる。相関データ506を生成する例示的方法が、
図21を参照して説明される。
【0389】
図20は、相関データ506に対応する例示的相関曲線660である。いくつかの実施形態では、相関曲線660は、中心点650と654との間の距離L1(例えば、ピクセル距離)と、分注先端112内の吸引されたサンプルの体積V1との間の関係を示す。相関曲線660は、
図21を参照して説明される、相関データ506に含まれる複数の離散データ点をプロットすることによって、取得されることができる。
図20に図示されるように、相関曲線は、距離L1が増加するにつれて、吸引された体積V1が、概して、減少することを示す。参照線570が、表面レベル652の上方に配列されるように分注先端112上に形成されるため、距離L1は、概して、体積V1と逆相関する。
【0390】
図21は、先端体積相関データ506を生成するように、先端体積相関データ生成システム504を動作させるための例示的方法670を図示する、フローチャートである。
【0391】
いくつかの実施形態では、相関データ506は、分光学的技法を使用して作成される。例えば、先端体積相関データ生成システム504は、抽出されたピクセル距離情報と分注先端の中の流体体積情報との間の相関を示すために、染料溶液を使用する。分光光度計が、具体的波長における染料の吸光度を測定するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、先端体積相関データ生成システム504は、標的体積範囲内の複数の点(例えば、5、10、50、100、および110μL)を選択し、分注先端によってこれらの体積設定を吸引し、ピクセル距離計算のために分注先端の画像を撮影する。次いで、先端体積相関データ生成システム504は、画像から計算されるピクセル距離と分光光度計によって計算される体積との間の較正曲線を描く。
【0392】
動作672では、先端体積相関データ生成システム504は、染料溶液を分注先端112に吸引する。
【0393】
動作674では、先端体積相関データ生成システム504は、染料溶液を含有する分注先端112の画像を捕捉する。
【0394】
動作676では、先端体積相関データ生成システム504は、参照線570と動作674において捕捉される画像内の染料溶液の表面線との間の距離を抽出する。いくつかの実施形態では、距離は、ピクセル距離によって測定される。いくつかの実施形態では、距離は、動作632、634、636、638、および640等の方法630の動作のうちの少なくともいくつかと同様に判定される。他の方法も、他の実施形態では可能である。
【0395】
動作678、680、および682中に、先端体積相関データ生成システム504は、分注先端112の中に吸引される染料溶液の体積を測定する。種々の方法が、染料溶液体積を判定するために使用されることができる。図示される実施例では、分光学的アプローチが、以下で説明されるように使用される。
【0396】
動作678では、先端体積相関データ生成システム504は、希釈液の既知の体積を有する、二次コンテナに染料溶液を分注する。
【0397】
動作680では、先端体積相関データ生成システム504は、二次コンテナの中に分注される希釈染料溶液の光学密度を測定する。いくつかの実施形態では、分光光度計が、染料溶液の光学密度を測定するために使用される。分光光度計は、二次コンテナ内の希釈染料溶液を通過する、規定波長の光の量を測定する。
【0398】
動作682では、先端体積相関データ生成システム504は、光学密度を分注先端内の染料溶液の体積に変換する。
【0399】
動作684では、先端体積相関データ生成システム504は、動作676において計算される距離および動作682において計算される体積を相関させる。
【0400】
動作686では、先端体積相関データ生成システム504は、十分な数の相関が先端体積相関データ506を生成するために行われているかどうかを判定する。該当する場合(動作686において、「はい」)、方法670は、動作688に移行する。そうでなければ(動作686において、「いいえ」)、方法670は、染料溶液が分注先端112に吸引される動作672に戻り、後続の動作は、距離と分注先端内の染料溶液の体積との間の付加的相関を判定するように行われる。相関データの十分な範囲を取得するために、染料溶液の異なる量が、異なる相関サイクルにおいて分注先端112の中に吸引される。加えて、分注先端の中に吸引される染料溶液の量は、特定の体積または体積範囲の信頼できる結果を取得するよう、相関サイクルのうちのいくつかについて略同一のままであることができる。
【0401】
動作688では、先端体積相関データ生成システム504は、動作684において行われる複数の相関に基づいて、先端体積相関データ506を作成する。いくつかの実施形態では、相関データは、分光光度計によって測定される、対応する吸引された体積とともに、各画像のピクセル距離をプロットすることによって、相関曲線(例えば、
図20の相関曲線660)として図示される。相関曲線は、距離と分注先端112内の体積との間の関係を推定するために使用される。
【0402】
図9−21を参照して説明されるような分注先端体積検出デバイス400は、種々の用途に好適であるように修正されることができる。いくつかの実施形態では、分注先端体積検出デバイス400は、患者サンプル以外の任意の流体物質に使用される。いくつかの実施形態では、分注先端体積検出デバイス400の分注先端画像捕捉ユニットは、バックライト設定を使用しない。さらに、分注先端画像捕捉ユニットは、サンプルピペット操作モジュールおよび他の関連付けられるデバイスとともに移動する、カメラおよびバックライトのセットとは対照的に、固定カメラおよびバックライト設定を用いて実行されることができる。分注先端の参照線は、分注先端上に形成される線以外の何かであることができる。いくつかの実施形態では、分注先端用のマンドレルが、参照点として使用される。いくつかの実施形態では、分注先端体積検出デバイス400に関連するパターン合致機能は、発見線または区画等の種々のアルゴリズムを採用する。いくつかの実施形態では、測定体積範囲は、110μLを上回ることができる。いくつかの実施形態では、分注先端体積検出デバイス400は、本明細書に図示されるようなサンプルピペット操作先端以外の種々の形状(例えば、円筒形、円錐形、長方形、および正方形)における任意のコンテナに使用される。他の実施形態では、先端体積相関データ生成システム504は、染料溶液以外の任意の液体を採用し、分光法以外の技法を使用する。例えば、既知の体積に対応する複数の参照線を伴うJIG先端が、使用されることができる。
【0403】
上記で使用される画像処理方法の一実施例は、エッジ検出(「Edge」)、パターン合致(「Pattern Match」)、およびヒストグラム分析(「Histogram」)等の種々のツールを提供する、Cognex Corporation(Natick, MA)から入手可能なCognex In−Sight Vision Softwareによって、実装されることができる。
【0404】
いくつかの実施形態では、吸引されたサンプルの測定された体積は、検査結果の相対光単位(RLU)を調節するために使用されることができる。サンプル体積(ならびに基質/試薬体積等)が免疫学的検定のためのRLUと相関するため、本相関が測定され、調節の基準として使用されることができる。さらに、測定された体積は、向上した比合致および検定性能のために試薬体積を調節するようにフィードバックとして使用されることができる。
【0405】
ここで
図22−39を参照すると、
図5の容器体積検出デバイス402の実施例が説明される。
【0406】
図22は、
図5の容器体積検出デバイス402の実施例を図示する。いくつかの実施形態では、容器体積検出デバイス402は、反応容器分注体積検出デバイス700と、反応容器残留体積検出デバイス702と、分注調節デバイス704と、反応容器検出デバイス706とを含む。反応容器分注体積検出デバイス700は、容器体積相関データ生成システム710によって生成される容器体積相関データ712を使用する。
【0407】
反応容器分注体積検出デバイス700は、反応容器等の容器114の中へ分注される流体物質118の体積を判定するように動作する。反応容器分注体積検出デバイス700の構造および動作の実施例は、
図27−31を参照して説明および図示される。
【0408】
反応容器残留体積検出デバイス702は、反応容器等の容器114の中に残留する流体物質118の体積を判定するように動作する。反応容器残留体積検出デバイス702の実施例は、
図32−34を参照して説明および図示される。
【0409】
分注調節デバイス704は、反応容器等の容器114に分注される流体物質体積の測定に基づいて、ピペッタおよびポンプデバイス等の物質分注デバイスの動作を調節するように動作する。分注調節デバイス704の実施例は、
図35および36を参照して説明ならびに図示される。
【0410】
反応容器検出デバイス706は、反応容器等の容器114の存在または非存在を検出するように動作する。反応容器検出デバイス706の実施例は、
図37−39を参照して説明および図示される。
【0411】
容器体積相関データ生成システム710は、容器体積相関データ712を生成する。容器体積相関データ712は、容器(例えば、反応容器)の中へ分注される流体物質の体積を判定するように、容器体積検出デバイス402によって使用される情報を提供する。いくつかの実施形態では、容器体積相関データ生成システム710は、容器体積検出デバイス402から独立した装置である。他の実施形態では、容器体積相関データ生成システム710は、容器体積検出デバイス402の少なくともいくつかのリソースを使用するように構成される。容器体積相関データ生成システム710および容器体積相関データ712は、
図5に図示されるように、相関データ生成システム404および相関データ406に含まれる、またはそれらの実施例である。
【0412】
図23−26を参照することに先立って、信頼できる臨床診断は、分析される物質の正確かつ精密な吸引および分注を要求することに留意されたい。例えば、血液または任意の他のタイプの体液等の試料を分析する自動分析器では、規定量に対するコンテナ(例えば、ピペット操作先端もしくは反応容器)内の試薬等の試料および他の物質の分注または吸引された量の変動が、分析結果に影響を及ぼし、検査および分析の信頼性を低下させ得る。さらに、臨床診断業界では、異なるポンプユニットから分注される流体の体積を正確かつ精密に制御して合致させることは困難である。したがって、高い正確度で吸引または分注された量を測定し、その量が好適な範囲内である、吸引または分注された試料のみを選択するための技術を確立することが有益である。液体体積を測定する1つの方法は、流体管路内の流体圧力を監視し、流体圧力を分注された体積に相関させることである。他の場合では、流量センサが、吸引または分注される液体の流速を判定するために使用される。さらに他の場合では、IA試薬の制御された分注からの化学発光信号が、容器からの吸引後に、容器の中の過剰な残留体積の存在に使用される。さらに他の場合では、IA試薬の制御された分注からの化学発光信号が、複数のポンプデバイスの体積分注特性を判定するために使用される。
【0413】
しかしながら、これらのアプローチは、いくつかの不利点を有する。例えば、圧力センサは、流体粘度を判定することはできるが、分注された体積を定量化することはできない。流量センサは、流量センサが配列される管類を通過する液体の体積を定量化することはできるが、吸引または分注される液体体積を確実に測定することはできない。さらに、場所のオフセットに起因して、低体積測定インラインを正確な反応容器に相関させることは困難である。また、化学発光信号は、吸引に続いて、少量の残留流体体積を検出することができない。化学発光信号は、異なるポンプデバイスの間で体積合致特性の精密な直接推定値を提供しない。化学発光信号は、試薬特性およびロット変動を分注された体積または残留体積等の着目システム変数と混同させる。
【0414】
本明細書でさらに詳細に説明されるように、容器体積検出デバイス402は、容器(例えば、反応容器)の中に分注および吸引される流体物質の体積を定量化するための画像処理方法を採用する。流体物質の体積は、透明な円筒容器等の透明または半透明コンテナの中に分注または吸引される。容器が撮像され、参照点が画像内で検出される。いくつかの実施形態では、容器の底部特徴が、画像内の参照点として使用される。容器体積検出デバイスは、流体物質のメニスカスから参照点までの距離を測定し、体積較正曲線を使用して距離を体積に相関させる。コンテナ内に分注される体積が、吸引の正確度の仕様内ではない場合、分注もしくは検査全体がフラグを付けられる。ユーザまたはオペレータが、吸引の結果についての情報を受信することができる。
【0415】
加えて、容器の中に分注される流体物質の測定された体積は、システム内のポンプおよびピペッタの異なる組み合わせに関して記録され、ポンプおよびピペッタの組み合わせを較正し、システム内の異なるポンプおよびピペッタを制御することの正確度を向上させるために使用される。
【0416】
さらに、容器体積検出デバイス402は、吸引に続いて、容器の中に残留する少量の残留流体体積の存在を検出することができる。いくつかの実施形態では、パターン認識アルゴリズムが、そのような残留体積検出に使用される。
【0417】
図23−26を参照して、容器体積検出デバイス402が含まれる、コンテナキャリッジデバイス720の例示的構造および動作が説明される。
【0418】
図23は、容器体積検出デバイス402が含まれる、例示的コンテナキャリッジデバイス720を図示する。図示される実施例では、コンテナキャリッジデバイス720は、器具100の中で洗浄ホイール176(
図2)等の洗浄ホイールとして実装される。したがって、コンテナキャリッジデバイス720はまた、本明細書では洗浄ホイール720とも称される。実施形態では、他のタイプのコンテナキャリッジデバイス720が、容器体積検出デバイス402とともに使用される。
【0419】
図示されるように、コンテナキャリッジデバイスまたは洗浄ホイール720は、診断プロセスの種々の側面を行うように構成される。いくつかの実施形態では、洗浄ホイール720は、筐体ユニット722と、筐体ユニット722に対する回転可能プレート724とを含む。洗浄ホイール720は、回転可能プレート724の中に形成され、コンテナ728を受容して支持するように構成される、複数のコンテナ座部726を含む。コンテナキャリッジデバイス720が洗浄ホイールとして構成される場合、そのようなコンテナ728は、反応容器を含む。したがって、コンテナ728はまた、本明細書では反応容器728とも称される。
【0420】
いくつかの実施形態では、容器体積検出デバイス402は、洗浄ホイール720に搭載される。上記で説明されるように、容器体積検出デバイス402は、容器画像捕捉ユニット132を含む。容器画像捕捉ユニット132の例示的構造は、
図24および25を参照してさらに詳細に説明される。
【0421】
図24および25を参照すると、容器画像捕捉ユニット132を含む、容器体積検出デバイス402の例示的構造が説明される。具体的には、
図24は、容器画像捕捉ユニット132を図示する、
図23のコンテナキャリッジデバイス720の別の斜視図であり、
図25は、容器画像捕捉ユニット132を含む、容器体積検出デバイス402を伴う洗浄ホイール720の上面図である。
【0422】
容器画像捕捉ユニット132は、カメラユニット730と、光源732とを含む。いくつかの実施形態では、カメラユニット730は、カラーデジタル画像を取得するための相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサを含む。他の実施形態では、カメラユニット730は、カラーデジタル画像を取得するための電荷結合素子(CCD)画像センサを含む。カメラユニット730の他の実施形態は、白黒またはグレースケール写真を取得するように構成される。光源732は、所望に応じて撮影される、容器728、スロット736、および/または容器728ならびに/もしくはスロット736の周辺を照射するために使用される。光源732は、種々の場所で固定されることができる。図示される実施例では、光源732は、カメラユニット730に対面して容器728の後方に位置付けられ、したがって、バックライトとして使用される。光源732の他の場所も、可能である。光源732の一実施例は、Moritex Corporation(Japan)から入手可能なMDBLシリーズを含む。
【0423】
他の実施形態では、カメラユニット730は、容器728に向かって光を放射するように動作可能である、LEDライト等の光源731を含む。本構成では、光源732は、容器728がカメラユニット730と画面733との間に位置付けられるように、カメラユニット730の反対にあるように配列される画面733によって置換されることができる。画面733は、カメラの開口に向かって光を反射することによって、カメラユニットの視野(FOV)の方向に戻って光を放つために使用される。画面733は、異なる反射強度を提供することができる、1つまたはそれを上回る種々の材料で作製される。例えば、画面733は、再帰反射シートを含み、その一実施例は、3M Company(Maplewood, MN)から入手可能な3M
TM Scotchlite
TMシート7610を含む。他の実施形態では、光源732は、カメラユニット730からの光源731および画面733とともに使用されることができる。カメラユニット730の一実施例は、Cognex Corporation(Natick, MA)から入手可能である、ADVANTAGE 102と名付けられたモデルを含む。
【0424】
いくつかの実施形態では、カメラユニット730および光源732(または画面733)は、洗浄ホイール720の筐体ユニット722に取り付けられる。カメラユニット730および光源732(または画面733)は、回転可能プレート724が筐体ユニット722に対して回転されるにつれて、回転可能プレート724によって支持される反応容器728がカメラユニット730と光源732(または画面733)との間に位置付けられるように、配列される。
【0425】
いくつかの実施形態では、筐体ユニット722は、カメラユニット730と光源732(または画面733)との間で反応容器728のうちの1つを露出する、スロット736を画定する。反応容器728が、筐体ユニット722のスロット736を通してカメラユニット730および光源732(または画面733)と整合されるとき、反応容器728の画像が、カメラユニット730によって捕捉されることができる。筐体ユニット722が不透明材料で作製される、他の実施形態では、筐体ユニット722は、スロット736を置換する透明または半透明領域を含む。透明または半透明領域は、カメラユニット730がそれを通して画像を捕捉することを可能にする。
【0426】
カメラユニット730の一実施例は、Cognex Corporation(Natick, MA)から入手可能な部品番号ADV102−CQBCKFW1−B等のADV102 Machine Vision Cameraである。
【0427】
上記で説明されるように、反応容器の中に含有される患者サンプルは、器具100の中の種々のモジュール、ユニット、またはデバイスの間で輸送される。器具100の中の診断プロセスの種々の側面は、洗浄ホイール720の中で行われる。洗浄ホイール720は、その周囲で複数の反応容器728を輸送する。洗浄ホイール720上の反応容器728は、複数の検査結果に対応することができる。本構成では、カメラユニット730および光源732(または画面733)は、洗浄ホイール720に固定される。カメラユニット730は、光源732(または画面733)が位置する、洗浄ホイール720の中へ対面する。カメラユニット730は、カメラユニット730と光源732(または画面733)との間でカメラユニット730の視野(FOV)を通って移動する、反応容器728の画像を捕捉する。いくつかの実施形態では、反応容器728は、反応容器728の画像がカメラユニット730によって捕捉されるときに静止する。他の実施形態では、カメラユニット730は、反応容器728が移動している間に反応容器728の画像を捕捉する。反応容器の画像は、反応容器728毎に捕捉されることができる。カメラユニット730は、回転可能プレート724が筐体ユニット722に対して回転するにつれて、診断プロセスの全体を通して複数のステップで画像を撮影する。いくつかの実施形態では、診断プロセスが進行中ではないときに、カメラユニット730と光源732(または画面733)(例えば、スロット736に位置するコンテナ座部726)との間の場所に反応容器を運ぶことが可能である。
【0428】
洗浄ホイール720は、異なる動作モードで動作可能である。いくつかの実施形態では、洗浄ホイール720は、検査処理モードで、または診断ルーチンモードで動作される。他の実施形態では、洗浄ホイール720は、プライミング等の検査調製モードで動作可能である。検査処理モードでは、洗浄ホイール720は、回転可能プレート724上で1つまたはそれを上回る容器を保持し、事前判定された分析検査のために容器を回転させる。本明細書では自動システム診断(ASD)とも称される、診断ルーチンモードでは、器具100は、アイドル状態であり、検査を起動しない。いくつかの実施形態では、診断ルーチンモードでは、洗浄ホイール720は、容器分注体積検出(例えば、反応容器分注体積検出デバイス700による)、容器残留体積検出(例えば、反応容器残留体積検出デバイス702による)、分注調節(例えば、分注調節デバイス704による)、および容器検出(例えば、反応容器検出デバイス706による)等の調製評価システム104の動作のうちの少なくとも1つを行うように動作される。他の実施形態では、調製評価システム104の動作は、検査処理モードで行われることができる。
【0429】
いくつかの実施形態では、洗浄ホイール720は、その水理特性に基づいて異なるプロファイルおよび正確度を有することができる、複数の分注先端とともに動作される。検査処理モードでは、複数の分注先端のうちの2つまたはそれを上回るものは、洗浄ホイール720上の容器の中に物質を分注することができる。診断ルーチンモードでは、分注先端は、独立して動作されることができ、したがって、各分注先端の動作条件が、例えば、分注調節デバイス704によって行われる分注調節において等、監視されて評価されることができる。
【0430】
図26は、洗浄ホイール720とともに容器体積検出デバイス402を動作させる例示的方法750を図示する、フローチャートである。いくつかの実施形態では、方法750における動作のうちの少なくともいくつかは、器具100の物質調製システム102、調製評価システム104、および/または物質評価システム106によって行われる。他の実施形態では、器具100の他の構成要素、ユニット、およびデバイスが、方法750における動作のうちの少なくとも1つを行うために使用される。いくつかの実施形態では、方法750は、動作752、754、756、758、および760を含む。
【0431】
動作752では、物質調製システム102は、洗浄ホイール720上の反応容器738から流体物質の過剰な体積を吸引するように動作する。いくつかの実施形態では、流体物質の過剰な体積が、洗浄ホイール720上の1つまたはそれを上回る事前判定された分析手順後に反応容器738内に残留する。反応容器内のそのような過剰な物質体積は、
図4に図示されるように、基質が反応容器の中へ分注される前等に、後続のプロセスのために反応容器738から除去される必要がある。
【0432】
動作754では、物質調製システム102は、反応容器738を洗浄ホイール720上の容器画像捕捉ユニット132に輸送する。
【0433】
動作746では、容器体積検出デバイス402は、反応容器738の中で残留体積検出を行う。いくつかの実施形態では、反応容器残留体積検出デバイス702は、残留体積検出を実行するように動作する。
【0434】
動作748では、物質調製システム102は、反応容器738の中へ流体物質(例えば、
図4に図示されるような基質)を分注するように動作する。
【0435】
動作760では、容器体積検出デバイス402は、反応容器738の中で分注体積検出を行う。いくつかの実施形態では、反応容器分注体積検出デバイス700は、分注体積検出を実行するように動作する。
【0436】
図27は、反応容器分注体積検出デバイス700を動作させる例示的方法800を図示する、フローチャートである。方法800は、主に、反応容器分注体積検出デバイス700に関して説明されているが、方法600はまた、他のタイプの容器体積検出デバイス402にも同様に適用可能である。いくつかの実施形態では、方法800は、コンテナキャリッジデバイス720(例えば、洗浄ホイール)および反応容器分注体積検出デバイス700によって行われる。
【0437】
一般に、方法800は、容器の中に分注または吸引される流体物質の体積の分析を行い、計算された体積が公差範囲外である場合に、分注または吸引結果、もしくは検査結果にフラグを付ける。
【0438】
動作802では、流体物質が、プログラムされた通りに、例えば、コンテナキャリッジデバイス720の中で支持される反応容器728に分注される。流体物質の実施例は、本明細書に説明されるように、サンプル、希釈液、試薬、基質、またはそれらの任意の組み合わせを含む。例えば、希釈液または試薬が、洗浄ホイールのための診断モード中に使用される。
【0439】
動作804では、コンテナキャリッジデバイス720は、分注された物質を含有する反応容器738を容器画像捕捉ユニット132に輸送する。いくつかの実施形態では、容器画像捕捉ユニット132は、輸送を伴わずに、分注後に反応容器738の画像を捕捉するように配列される。他の実施形態では、動作802における分注は、容器画像捕捉ユニット132が定位置に配列され、分注後に反応容器738を移動させることなく、反応容器738の画像を捕捉する場所で起こる。
【0440】
動作806では、反応容器分注体積検出デバイス700の容器画像捕捉ユニット132は、反応容器738の画像を捕捉する。いくつかの実施形態では、反応容器738の画像は、事前判定された解像度のデジタル画像である。
【0441】
動作808では、反応容器分注体積検出デバイス700は、反応容器738内の流体物質の体積を判定するように、画像を分析する。動作808の実施例は、
図28および29を参照してさらに詳細に説明される。
【0442】
動作810では、反応容器分注体積検出デバイス700は、判定された体積が公差範囲内に入るかどうかを判定する。判定された体積が公差範囲外であるとき、反応容器738の中の流体物質の分注は、不適切と見なされる。いくつかの実施形態では、そのような公差範囲は、反応容器738の中へ分注されることが意図される、流体物質の標的分注体積からの許容偏差に基づいて判定される。公差範囲は、標的吸引体積および他の要因に応じて変動し得る。一例として、標的分注体積(V)が200μLである場合、これは、194μL≦V≦206μLであれば容認可能と見なされる。他の実施例では、これは、標準偏差(V(n))が±1μLと等しいまたはそれ未満である場合に、容認可能と見なされる。
【0443】
検出された体積が公差範囲内に入ることが判定されるとき(動作810において、「はい」)、方法800は、続けて事前判定された次のステップを行う。そうでなければ(動作810において、「いいえ」)、方法800は、動作812に移行する。
【0444】
動作812では、反応容器分注体積検出デバイス700は、反応容器738内の分注された体積が後続のプロセスのために適切ではないことを示すように、分注にフラグを付ける。他の実施形態では、分注された流体物質を使用した検査結果全体は、検査結果が不適切であり得ることを示す、または示唆するように、フラグを付けられることができる。代替として、反応容器分注体積検出デバイス700は、器具100の中の関連付けられる検査または分析プロセスを停止するように動作する。他の実施形態では、評価結果は、流体物質の不適切な体積に起因して誤りがあり得る、検査結果を自動的に調節するために使用されることができる(一例として、ある体積範囲内で、RLUは、基質体積に比例し、ある時点で、照度計開口範囲を超え、次いで、停滞状態になり、希釈係数により減少する)。さらに他の実施形態では、評価結果は、体積判定に応答して、流体物質の体積を自動的に調節するために使用されることができる。
【0445】
図28および29を参照すると、捕捉された画像が反応容器の中に分注される体積を判定するように分析される、
図27の動作808の実施例が説明される。具体的には、
図28は、
図27の動作608を行うための例示的方法830を図示する、フローチャートである。方法830は、反応容器の捕捉された画像780の例示的分析を図示する、
図29も参照して説明される。
【0446】
動作832では、反応容器分注体積検出デバイス700は、捕捉された画像780内の反応容器738の参照部分784を検出する。いくつかの実施形態では、参照部分784は、反応容器738の底部分を含む。反応容器738の他の部分が、参照部分784として使用されることができる。
【0447】
種々の画像処理方法が、画像780内の底部分784を検出するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、底部分784は、事前訓練された参照画像に基づいて、底部分を表すパターンを検索する、パターン合致機能によって検出される。例えば、そのようなパターン合致機能は、システムの中に記憶され、底部分として認識されているパターンについて捕捉された画像を走査する、パターン検索を実行する。相関値または合致率(例えば、合致%)は、調節可能である。他の方法も、他の実施形態では可能である。そのような画像処理方法の一実施例は、エッジ検出(「Edge」)、パターン合致(「Pattern Match」)、およびヒストグラム分析(「Histogram」)等の種々のツールを提供する、Cognex Corporation(Natick, MA)から入手可能なCognex In−Sight Vision Softwareによって、実装されることができる。
【0448】
動作834では、反応容器分注体積検出デバイス700は、底部分784の中心点786を検出する。
図29に図示されるように、いったん底部分784が検出されると、中心点786は、底部分784の中間点として計算されることができる。
【0449】
動作836では、反応容器分注体積検出デバイス700は、反応容器738の中の配置された体積の表面レベル788(
図29)を検出する。種々の画像処理方法が、画像780内の表面レベル788を検出するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、動作832と同様に、表面レベル788は、事前訓練された参照画像に基づいて、パターン合致機能によって検出される。他の方法も、他の実施形態では可能である。
【0450】
動作838では、反応容器分注体積検出デバイス700は、表面レベル788の中心点790を検出する。
図29に図示されるように、いったん表面レベル788が検出されると、中心点790は、表面レベル788の線の中間点として計算されることができる。
【0451】
動作840では、反応容器分注体積検出デバイス700は、底部分784の中心点786と表面レベル788の中心点790との間の距離L2(
図29)を測定する。いくつかの実施形態では、距離L2は、画像780内の中心点786と790との間のピクセル距離によって測定される。いくつかの実施形態では、ピクセル距離は、2つのピクセル点の間のユークリッド距離に基づいて計算される。
【0452】
動作842では、反応容器分注体積検出デバイス700は、容器体積相関データ712(
図22)に基づいて距離L2を体積に変換する。相関データ712は、反応容器738内の体積と、底部分784の中心点786と反応容器738内の複数の異なる表面レベル788の中心点790との間の距離L2との間の相関についての情報を含む。いくつかの実施形態では、相関データ712は、
図30に図示されるように、相関曲線860にプロットされることができる。相関データ712を生成する例示的方法が、
図31を参照して説明される。
【0453】
図30は、相関データ712に対応する例示的相関曲線860である。いくつかの実施形態では、相関曲線860は、中心点786と790との間の距離L2(例えば、ピクセル距離)と、反応容器738内の分注された流体物質782の体積V2との間の関係を示す。図示される実施例では、相関曲線860は、反応容器738の中に分注される流体物質の質量と反応容器738内の流体物質のピクセル高さとの間の関係を示す。質量は、流体物質の密度に基づいて、体積に変換されることができる。反応容器内の流体物質のピクセル高さは、距離D2に対応する。
【0454】
相関曲線860は、
図31を参照して説明される、相関データ712に含まれる複数の離散データ点をプロットすることによって、取得されることができる。
図30に図示されるように、相関曲線は、距離L2が増加するにつれて、分注体積V2(または質量M2)が、概して、増加することを示す。反応容器738の底部分784が参照点として選定されるため、距離L2は、概して、体積V2(または質量M2)と線形的に相関する。例えば、距離L2および体積V2は、一般に10μLを超える体積について、線形的に相関する。
【0455】
図31は、容器体積相関データ712を生成するように、容器体積相関データ生成システム710を動作させるための例示的方法870を図示する、フローチャートである。
【0456】
いくつかの実施形態では、相関データ712が、重量分析を使用して作成される。例えば、容器体積相関データ生成システム710は、抽出されたピクセル距離情報と容器内の流体体積情報との間の相関を示すために、流体の異なる体積を使用する。いくつかの実施形態では、容器体積相関データ生成システム710は、標的体積範囲内の複数の点(例えば、190、195、200、205、および210μL)を選択し、容器の中へこれらの体積設定を分注し、ピクセル距離計算のために容器の画像を撮影する。次いで、容器体積相関データ生成システム710は、画像から計算されるピクセル距離と重量分析によって計算される質量との間の較正曲線を描く。質量は、次いで、流体の密度を使用して体積に変換される。
【0457】
動作872では、容器体積相関データ生成システム710は、反応容器738等の空の容器の質量を測定する。
【0458】
動作874では、容器体積相関データ生成システム710は、容器の中へ流体を分注する。
【0459】
動作876では、容器体積相関データ生成システム710は、流体を含有する容器の画像を捕捉する。
【0460】
動作878では、容器体積相関データ生成システム710は、反応容器738の底部分784等の容器の参照部分と動作876中に捕捉される画像内の流体の表面線との間の距離を抽出する。いくつかの実施形態では、距離は、ピクセル距離によって測定される。いくつかの実施形態では、距離は、動作832、834、836、838、および840等の方法830の動作のうちの少なくともいくつかと同様に判定される。他の方法も、他の実施形態では可能である。
【0461】
動作880、882、および884中に、容器体積相関データ生成システム710は、容器の中に分注される流体の体積を測定する。種々の方法が、流体体積を判定するために使用されることができる。図示される実施例では、重量アプローチが、以下で説明されるように使用される。
【0462】
動作880では、容器体積相関データ生成システム710は、分注される流体を含有する容器の質量を測定する。
【0463】
動作882では、容器体積相関データ生成システム710は、容器の中に含有される流体の質量を計算する。いくつかの実施形態では、容器内の流体の質量は、(動作880において取得される)流体を含有する容器の全質量から(動作872において取得される)空の容器の質量を減算することによって、計算されることができる。
【0464】
動作884では、容器体積相関データ生成システム710は、流体の密度に基づいて、流体質量を体積に変換する。
【0465】
動作886では、容器体積相関データ生成システム710は、動作878において計算される距離および動作884において取得される体積を相関させる。
【0466】
動作888では、容器体積相関データ生成システム710は、十分な数の相関が容器体積相関データ712を生成するために行われているかどうかを判定する。該当する場合(動作888において、「はい」)、方法870は、動作890に移行する。そうでなければ(動作888において、「いいえ」)、方法870は、別の流体が容器に分注される動作874に戻り、後続の動作は、距離と容器内の流体の体積との間の付加的相関を判定するように行われる。相関データの十分な範囲を取得するために、流体の異なる量が、異なる相関サイクルにおいて容器に分注される。加えて、容器に分注される流体の量は、相関の信頼できる結果を取得するよう、相関サイクルのうちのいくつかについて略同一のままであることができる。
【0467】
動作890では、容器体積相関データ生成システム710は、動作886において行われる複数の相関に基づいて、容器体積相関データ712を作成する。いくつかの実施形態では、相関データ712は、対応する分注された体積とともに、各画像のピクセル距離をプロットすることによって、相関曲線(例えば、
図30の相関曲線860)として図示される。相関曲線は、距離と容器内の体積との間の関係を推定するために使用される。
【0468】
図32−34を参照すると、反応容器残留体積検出デバイス702の例示的動作が説明される。
【0469】
図32は、反応容器残留体積検出デバイス702を動作させる例示的方法900を図示する、フローチャートである。いくつかの実施形態では、方法900は、動作902、904、906、908、910、および912を含む。
【0470】
一般に、方法900は、容器が吸引された後に容器が残留体積を含有するかどうかを判定するように、容器の分析を行う。容器が公差範囲外である体積を含有する場合、吸引結果または検査結果は、フラグを付けられる。
【0471】
動作902では、反応容器残留体積検出デバイス702は、反応容器738等の容器から物質を吸引する。
【0472】
動作904では、反応容器残留体積検出デバイス702は、容器を容器画像捕捉ユニット132に輸送する。いくつかの実施形態では、容器画像捕捉ユニット132は、輸送を伴わずに、吸引後に容器の画像を捕捉するように配列される。他の実施形態では、動作902における吸引は、容器画像捕捉ユニット132が定位置に配列され、吸引後に容器を移動させることなく、容器の画像を捕捉する場所で起こる。
【0473】
動作906では、容器画像捕捉ユニット132は、容器の画像を捕捉する。いくつかの実施形態では、容器の画像は、事前判定された解像度のデジタル画像である。
【0474】
動作908では、反応容器残留体積検出デバイス702は、容器内の物質の存在を判定するように画像を分析する。動作908の実施例は、
図33および34に関してさらに詳細に説明される。
【0475】
動作910では、反応容器残留体積検出デバイス702は、残留体積の存在が公差範囲内に入るかどうかを判定する。残留体積の存在が公差範囲外であるとき、容器からの物質の吸引は、不適切と見なされる。公差範囲は、許容検査成果のために耐えられる反応容器内の残留体積の範囲を表す。例えば、反応容器は、許容検査結果のために完全に空になるように吸引される必要がない。いくつかの実施形態では、そのような公差範囲は、
図33でさらに説明されるように、捕捉された画像と事前訓練された画像との間のパターン合致スコアの観点から判定される。一例として、反応容器の中の4μLまたはそれ未満の残留体積が容認可能と見なされる場合、4μLの体積を含有する反応容器の画像に類似するものとして解釈されることができる、パターン合致スコアが、公差閾値として使用されるであろう。
【0476】
残留体積の存在が公差範囲内に入ることが判定されるとき(動作910において、「はい」)、方法900は、続けて事前判定された次のステップを行う。そうでなければ(動作910において、「いいえ」)、方法900は、動作812に移行する。
【0477】
動作912では、反応容器残留体積検出デバイス702は、容器からの吸引が後続のプロセスのために適切ではないことを示すように、吸引結果にフラグを付ける。他の実施形態では、吸引された容器を使用した検査結果全体は、検査結果が不適切であり得ることを示す、または示唆するように、フラグを付けられることができる。代替として、反応容器残留体積検出デバイス702は、器具100の中の関連付けられる検査または分析プロセスを停止するように動作する。他の実施形態では、評価結果は、流体物質の不適切な体積に起因して誤りがあり得る、検査結果を自動的に調節するために使用されることができる。
【0478】
図33および34を参照すると、捕捉された画像が容器内の残留物952を判定するように分析される、
図32の動作908の実施例が説明される。具体的には、
図33は、
図32の動作908を行うための例示的方法930を図示する、フローチャートである。方法930は、容器の捕捉された画像942の例示的分析を図示する、
図34も参照して説明される。
【0479】
動作932では、反応容器残留体積検出デバイス702は、捕捉された画像942内の着目エリア946を検出する。いくつかの実施形態では、着目エリア946は、容器944の底部分を含む。いくつかの実施形態では、画像内の容器944は、上記で議論される反応容器738を表す。反応容器738の他の部分が、参照部分784として使用されることができる。
【0480】
種々の画像処理方法が、画像942内の底部分946を検出するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、底部分946は、事前訓練された参照画像に基づいて、底部分を表すパターンを検索する、パターン合致機能によって検出される。例えば、そのようなパターン合致機能は、システムの中に記憶され、底部分として認識されているパターンについて捕捉された画像を走査する、パターン検索を実行する。相関値または合致率(例えば、合致%)は、調節可能である。他の方法も、他の実施形態では可能である。そのような画像処理方法の一実施例は、エッジ検出(「Edge」)、パターン合致(「Pattern Match」)、およびヒストグラム分析(「Histogram」)等の種々のツールを提供する、Cognex Corporation(Natick, MA)から入手可能なCognex In−Sight Vision Softwareによって、実装されることができる。
【0481】
動作934では、反応容器残留体積検出デバイス702は、着目エリア946を参照画像948と比較する。いくつかの実施形態では、参照画像948は、着目エリア946に対応する一部950を含む。他の実施形態では、参照画像948は、捕捉された画像942の着目エリア946に対応する一部950のみである。
【0482】
いくつかの実施形態では、参照画像948は、空である同一の容器944の画像を表す。理想的な吸引が容器944の底部分の中に残留流体を残さないため、空の容器944の事前訓練された画像が、参照画像948として使用される。他の実施形態では、他の画像が、参照画像948として使用されることができる。
【0483】
動作936では、反応容器残留体積検出デバイス702は、捕捉された画像942と参照画像948との間の合致スコアを生成する。合致スコアは、捕捉された画像942が参照画像948にいかに密接に合致するかを表す。合致スコアは、容器内の過剰な残留流体の存在のためのカットオフを判定するために測定基準として使用される。
【0484】
動作938では、反応容器残留体積検出デバイス702は、合致スコアが閾値を満たすかどうかを判定する。合致スコアが閾値を満たす場合(動作938において、「はい」)、容器の中に残留流体がない、または許容残留流体があることが考慮され、方法930は、事前判定された次のステップに移行する。そうでなければ(動作938において、「いいえ」)、方法930は、動作940において継続する。例えば、合致スコアが事前判定された閾値またはカットオフ値を下回る場合、過剰な残留流体が容器の中に存在することが考慮され、方法930は、動作940に移行する。
【0485】
動作940では、反応容器残留体積検出デバイス702は、容器からの吸引が後続のプロセスのために適切ではないことを示すように、吸引結果にフラグを付ける。他の実施形態では、吸引された容器を使用した検査結果全体は、検査結果が不適切であり得ることを示す、または示唆するように、フラグを付けられることができる。代替として、反応容器残留体積検出デバイス702は、器具100の中の関連付けられる検査または分析プロセスを停止するように動作する。他の実施形態では、評価結果は、流体物質の不適切な体積に起因して誤りがあり得る、検査結果を自動的に調節するために使用されることができる。
【0486】
代替として、方法930は、画像比較を行い、カットオフ値を割り当てるために他のアプローチを使用する。そのようなアプローチの実施例は、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、および分類ツリー等の共通分類ツールを利用する。
【0487】
図35および36を参照して、分注調節デバイス704の例示的動作が説明される。
【0488】
図35は、分注調節デバイス704が動作される、例示的システム960のブロック図である。
【0489】
一般に、分注調節デバイス704は、ピペッタおよびポンプの内蔵調節を行い、それによって、ピペット操作正確度および全体的システム精度を向上させるために、容器画像捕捉ユニット132の体積測定容量を使用することができる。図示される実施例では、単一体積または複数体積分注が、容器の中へ行われ、次いで、測定のために洗浄ホイールに移送される。上記で説明されるように、反応容器分注体積検出デバイス700によって行われることができる、体積測定の結果が取得され、分注調節デバイス704は、ポンプおよびピペッタの組み合わせ毎に正確度を判定する。いくつかの実施形態では、ポンプと関連付けられる測定された体積は、ポンプおよびピペッタの組み合わせの動作パラメータを調節するために使用される。一例として、ポンプ毎のステップ分解能が、調節されることができる、またはオフセットが、ポンプ毎にソフトウェア命令に追加される。調節後、分注調節デバイス704は、正確度についてポンプを再びチェックし、必要に応じてポンプを再調節することができる。いくつかの実施形態では、分注調節デバイス704は、器具が臨床検査のためにアイドルである間に、そのような調節動作を行う。他の実施形態では、分注調節デバイス704は、器具初期化中に調節動作を行う。いくつかの実施形態では、分注調節デバイス704は、ユーザまたは修理部門がステータスを遠隔で監視し、保守もしくは部品交換のために修理技術者を送るとき等の保守決定を行うことができるように、調節動作を周期的に行い、ポンプ性能の動向を監視する。
【0490】
図35に図示されるように、物質調製システム102は、流体物質118を1つまたはそれを上回る容器114(例えば、洗浄ホイール上の反応容器728)に分注する。反応容器分注体積検出デバイス700は、次いで、本明細書に説明されるように、容器114の中で体積測定を行い、体積測定962の結果を分注調節デバイス704に提供する。いくつかの実施形態では、分注調節デバイス704は、体積測定962の結果を分析し、次いで、物質調製システム102を較正して分注正確度を向上させるために使用されることができる、較正情報964を生成する。
【0491】
図36は、分注調節デバイス704を動作させるための例示的方法970を図示する、フローチャートである。いくつかの実施形態では、方法970は、動作972、974、976、978、980、および982を含む。
【0492】
動作972では、分注調節デバイス704は、物質調製システム102の1つまたはそれを上回る動作パラメータを受信する。上記で説明されるように、物質調製システム102は、流体物質118を容器114に分注するように動作する、サンプルピペット操作デバイス152、試薬ピペット操作デバイス、および基質ピペット操作デバイス178等の1つまたはそれを上回る物質分注デバイスを含む。動作パラメータは、物質分注デバイスの構成、設定、および動作ステータスについての種々の情報を含む。いくつかの実施形態では、そのような物質分注デバイスは、分注ユニット(例えば、ピペッタ)を動作させるポンプデバイスを含む。ポンプデバイスのいくつかの実施例は、ステッピングモータ等の種々のタイプのモータによって動作される。ステッピングモータが使用されるとき、動作パラメータは、ピペッタを介した分注の量を調節するように制御される、ステップ分解能を含むことができる。
【0493】
動作974では、分注調節デバイス704は、流体物質118の標的分注体積を受信する。標的分注体積は、物質分注デバイスの動作パラメータに基づいて、容器114に分注されることが意図される、流体物質118の体積を表す。
【0494】
動作976では、分注調節デバイス704は、容器114に分注されている、検出された体積を受信する。
【0495】
動作978では、分注調節デバイス704は、検出された体積を標的体積と比較する。一例として、第1のピペッタを使用する第1のポンプデバイスを含む、第1の物質分注デバイスは、100μLの標的体積を容器に分注するように構成される。分注後、容器の中に分注される体積は、99.9μLであることが検出される。次いで、分注調節デバイス704は、100μLの標的体積および99.9μLの検出された体積を比較し、第1の物質分注デバイスの中で標的体積と検出された体積との間に0.1μLの相違があることを判定する。
【0496】
いくつかの実施形態では、単一の物質分注デバイスからの複数の分注事例は、グループと見なされる。一例として、特定の物質分注デバイスは、100μLの標的体積とともに、ポンプデバイスおよび容器(または3つの容器)を使用して、第1の分注、第2の分注、および第3の分注を行う。3つの分注事例後に、容器に分注される体積は、第1の分注事例では100.5μL、第2の分注事例では99.5μL、第3の分注事例では100μLであることが検出される。いくつかの実施形態では、検出された体積の全てが、物質分注デバイスを較正するためにともに使用されることができる。例えば、3つの検出された体積の標準偏差(例えば、本実施例では0.5μL)が、例えば、そのステッピングモータのステップ分解能を調節することによって、物質分注デバイスを較正するために使用されることができる。本実施例では、較正情報964が生成され、標準偏差を減少させるために使用される。他の実施形態では、上記で説明されるように、検出された体積はそれぞれ、分注事例毎に物質分注デバイスを較正するために使用されることができる。
【0497】
他の実施形態では、複数の物質分注デバイスからの複数の分注事例は、グループと見なされる。一例として、100μLの標的体積とともに、第1の物質分注デバイスが、第1の分注を行い、第2の物質分注デバイスが、第2の分注を行い、第3の物質分注デバイスが、第3の分注を行う。分注後、第1の物質分注デバイスによって分注される体積は、100.5μLであることが検出され、第2の物質分注デバイスによって分注される体積は、99.5μLであることが検出され、第3の物質分注デバイスによって分注される体積は、100μLであることが検出される。いくつかの実施形態では、検出された体積の全ては、物質分注デバイスを較正するためにともに使用されることができる。例えば、3つの検出された体積の標準偏差(例えば、本実施例では0.5μL)が、例えば、そのステッピングモータのステップ分解能を調節することによって、物質分注デバイスを較正するために使用されることができる。本実施例では、較正情報964が生成され、標準偏差を減少させるために使用される。他の実施形態では、上記で説明されるように、検出された体積は、個別の物質分注デバイスを較正するために使用されることができる。
【0498】
動作980では、分注調節デバイス704は、物質分注デバイスの較正情報964を生成する。較正情報964は、物質分注デバイスによって分注される体積が、標的体積により近く変化させられるように、物質分注デバイスを制御する情報を含む。物質分注デバイスがステッピングモータを含む場合、較正情報964は、ステッピングモータによって分注される体積を調節するように、ステッピングモータのステップ分解能の調節を含む。
【0499】
動作982では、分注調節デバイス704は、較正情報964に基づいて、物質分注デバイスの動作パラメータを調節する。物質分注デバイスは、修正された動作パラメータに基づいて、同一または異なる体積を分注するように動作することができる。3つの分注事例がグループと見なされる、上記の実施例では、較正後に容器に分注される体積が、再び検出される。
【0500】
図37−39を参照すると、反応容器検出デバイス706の例示的動作が説明される。
【0501】
図37は、反応容器検出デバイス706を動作させる例示的方法1000を図示する、フローチャートである。いくつかの実施形態では、方法1000は、動作1002、1004、1006、1008、1010、および1012を含む。
【0502】
一般に、システム初期化またはリセット中に、洗浄ホイールの内側の容器は、除去される必要がある。反応容器検出デバイス706は、本初期化シーケンス中に容器の全てまたはいくつかが除去されたかどうかを判定するために、容器画像捕捉ユニット132を利用することができる。いくつかの実施形態では、洗浄ホイールは、各容器場所が画像捕捉ユニットによってチェックされるように、全位置に送り出すように動作する。各洗浄ホイール送り出し位置で、反応容器検出デバイス706は、捕捉された画像を参照画像(例えば、容器を伴わない洗浄ホイールの画像)と比較することによって、容器の存在についてチェックするように、パターン合致アルゴリズム等の画像処理を行うことができる。本開示の例示的実施形態による、反応容器検出デバイス706は、容器内の体積を調べる、または利用する、他のアプローチとは対照的に、信頼できる結果を提供する。反応容器検出デバイス706が容器の幾何学形状への密接な合致を探すと、参照画像からの大きい偏差が、容器の存在を示し、小さい偏差が、容器の非存在を示すであろう。存在が判定される場合、本システムは、容器を除去し、容器が正常に除去されたことを確認するように再びチェックすることができる。いったん容器が所与のホイール場所に存在しないことが判定されると、ホイールは、次の位置に送り出し、プロセスを繰り返すことができる。
【0503】
図示される実施例では、反応容器検出デバイス706は、主に、洗浄ホイール720に関して説明される。しかしながら、他の実施形態では、反応容器検出デバイス706は、他のタイプのコンテナキャリッジデバイスとともに使用される。
【0504】
動作1002では、反応容器検出デバイス706は、容器画像捕捉ユニット132を使用して、洗浄ホイール720上の容器スロット1044(
図39)(例えば、スロット736)の画像を捕捉する。
【0505】
動作1004では、反応容器検出デバイス706は、洗浄ホイール720上の容器1042(
図39)(例えば、反応容器738)の存在または非存在を判定するように、画像を分析する。動作1004の実施例は、
図38および39を参照してさらに詳細に説明される。
【0506】
動作1006では、反応容器検出デバイス706は、容器が容器スロットに存在するかどうかを判定する。該当する場合(動作1006において、「はい」)、方法1000は、動作1008において継続する。そうでなければ(動作1006において、「いいえ」)、方法1000は、動作1010に移行する。
【0507】
動作1008では、反応容器検出デバイス706は、洗浄ホイール720の容器スロットから容器を除去する。他の実施形態では、器具100の中の他のデバイス(
図2に図示されるような移送またはキャリッジデバイス等)は、洗浄ホイール720から容器を除去するように動作する。さらに他の実施形態では、容器は、洗浄ホイール720から手動で除去される。
【0508】
動作1010では、反応容器検出デバイス706は、洗浄ホイール720の位置の全てが先行動作(例えば、動作1002、1004、1006、および1008)を通して分析されたかどうかを判定する。該当する場合(動作1010において、「はい」)、方法1000は、事前判定された次のステップを進める。そうでなければ(動作1010において、「いいえ」)、方法1000は、動作1012に移行する。
【0509】
動作1012では、反応容器検出デバイス706は、洗浄ホイール720を次の位置まで移動させ、動作1002および後続の動作を繰り返す。
【0510】
図38および39を参照すると、捕捉された画像が洗浄ホイール上の容器の存在を判定するように分析される、
図37の動作1004の実施例が説明される。具体的には、
図38は、
図37の動作1004を行うための例示的方法1020を図示する、フローチャートである。方法1020は、洗浄ホイール上の容器スロット1044の捕捉された画像1040の例示的分析を図示する、
図39も参照して説明される。
【0511】
動作1022では、反応容器検出デバイス706は、捕捉された画像1040内の着目エリア1046を検出する。いくつかの実施形態では、着目エリア1046は、洗浄ホイール720の容器スロット1044(例えば、スロット736)の少なくとも一部を含む。いくつかの実施形態では、着目エリア1046は、容器の底部分、または容器の底部分の場所に対応する画像内の一部を含む。着目エリアを検出するための一例示的方法は、エッジ検出(「Edge」)、パターン合致(「Pattern Match」)、およびヒストグラム分析(「Histogram」)等の種々のツールを提供する、Cognex Corporation(Natick, MA)から入手可能なCognex In−Sight Vision Softwareによって、実装されることができる。
【0512】
動作1024では、反応容器検出デバイス706は、着目エリア1046を参照画像1048と比較する。いくつかの実施形態では、参照画像1048は、着目エリア1046に対応する一部を含む。他の実施形態では、参照画像1048自体が、捕捉された画像1040の着目エリア1046に対応する。
【0513】
いくつかの実施形態では、参照画像1048は、その中に容器1042を伴わない容器スロット1044の画像を表す(
図39)。他の実施形態では、他の画像が、参照画像948として使用されることができる。例えば、参照画像は、その中に容器を伴う容器スロットの画像である。
【0514】
動作1026では、反応容器検出デバイス706は、捕捉された画像1040と参照画像1048との間の合致スコアを生成する。合致スコアは、捕捉された画像1040が参照画像1048にいかに密接に合致するかを表す。合致スコアは、洗浄ホイール720のスロット1044の中の容器1042の存在のためのカットオフを判定するために測定基準として使用される。
【0515】
動作1028では、反応容器検出デバイス706は、合致スコアが閾値を満たすかどうかを判定する。合致スコアが閾値を満たす場合(動作1028において、「はい」)、容器が洗浄ホイールのスロットに存在しないことが考慮され、方法1020は、動作1030に移行する。そうでなければ(動作1028において、「いいえ」)、容器が洗浄ホイールのスロットに存在することが考慮され、方法1020は、動作1032において継続する。例えば、合致スコアが事前判定された閾値またはカットオフ値を下回る場合、容器が洗浄ホイールのスロットに存在することが考慮され、方法1020は、動作1032に移行する。
【0516】
動作1030では、反応容器検出デバイス706は、洗浄ホイール720のスロット1044における容器1042の非存在を確認する。
【0517】
動作1032では、反応容器検出デバイス706は、洗浄ホイール720のスロット1044における容器1042の存在を確認する。
【0518】
図22−39を参照して説明されるように、容器体積検出デバイス402は、種々の用途に好適であるように修正されることができる。例えば、容器体積検出デバイス402は、体外診断(IVD)分析器等の着目被分析物を検出するように流体物質を調製および/または使用する任意の分析器に適用されることができる。いくつかの実施形態では、容器体積検出デバイス402およびその方法は、洗浄ホイール以外の任意のデバイスまたはユニットに適用されることができる。容器体積検出デバイス402のいくつかの実施形態は、全反応体積チェックに適用されることができる。いくつかの実施形態では、容器体積検出デバイス402で使用される較正曲線は、ピクセル距離と分光光度計を使用して取得される比色体積結果との間に確立される。他の実施形態では、容器体積検出デバイス402で使用される較正曲線は、ピクセル距離と光子計数モジュールを使用して取得されるアルカリホスファターゼ反応結果との間に確立される。さらに他の実施形態では、容器体積検出デバイス402で使用される較正曲線は、外壁上の既知の体積高さにおける線とともにJIG反応容器を使用して確立される。容器体積検出デバイス402の中の残留体積検出に関して(例えば、10μLを上回る体積に関して)、線発見またはグレースケール合致が、適用可能であり得る。
【0519】
本開示の例示的実施形態による、容器体積検出デバイス402は、他の種々の用途で使用されることができる。いくつかの実施形態では、容器体積検出デバイス402は、分注先端不整合を検出するために使用される。例えば、容器画像捕捉ユニット132は、分注先端が視野に進入するときに、分注先端が中心から外れているかどうかを判定するために使用される。他の実施形態では、容器体積検出デバイス402は、ホイール位置付け完全性を検出するために使用される。例えば、容器画像捕捉ユニット132は、洗浄ホイールが傾転されている、または誤って位置付けられているかどうかを判定するために使用される。さらに他の実施形態では、容器体積検出デバイス402は、飛沫、発泡、または不良な磁化のような任意の異常な条件を検出するために使用される。さらに他の実施形態では、容器体積検出デバイス402は、擦過傷、変色、および透過性等のRV完全性を検出するために使用される。さらに他の実施形態では、容器体積検出デバイス402は、先端整合完全性を検出するために使用される。
【0520】
容器体積検出デバイス402で使用される光源は、反応容器の背後に位置する必要はない。バックライトデバイスの他の場所も可能である。代替として、光源は、カメラユニットに組み込まれ、カメラユニットから照射するように構成されることができる。カメラユニットに組み込まれる、そのような光源は、本明細書に図示されるように、反応容器の背後に位置する画面とともに使用されることができる。いくつかの実施形態では、容器体積検出デバイス402で使用されるカメラユニットは、IRスペクトルを使用して、容器および/または洗浄ホイールの温度を監視するように構成される。
【0521】
上記で説明されるように、容器体積検出デバイス402の反応容器検出デバイス706は、洗浄ホイール以外の任意のコンテナキャリッジデバイスに適用されることができる。上記で説明されるように、容器体積検出デバイス402の分注調節デバイス704は、基質体積のレベルを測定し、検査結果のRLUを調節し、較正を微調整して正確度を向上させるために、測定されたレベルを使用するように動作することができる。
【0522】
本開示の例示的実施形態による、器具100は、パターン合致等の本明細書に説明されるような画像評価動作を実装するために、種々のプログラムソリューションを採用する。いくつかの実施形態では、そのようなプログラムソリューションは、既製のソフトウェアソリューションを使用して開発される。プログラムソリューションの一実施例は、Cognex Corporation(Natick, MA)から入手可能なIn−Sight Explorer Software(In−Sight Vision Softwareとも称される)である。
【0523】
ここで
図40および後続の図を参照すると、分注先端評価システム122の実施例が説明される。
【0524】
図40は、
図1の分注先端評価システム122の実施例のブロック図である。いくつかの実施形態では、分注先端評価システム122は、分注先端完全性評価デバイス1100を含む。
【0525】
分注先端完全性評価デバイス1100は、分注先端112の中へ吸引される流体物質118の品質および分注先端112の整合を評価するように動作する。本明細書に説明されるように、分注先端112は、種々のタイプであり、異なるプロセスに使用されることができる。分注先端112の一実施例は、サンプルピペット操作デバイス152とともに使用されることができる、ピペット操作先端である。分注先端完全性評価デバイス1100は、分注先端画像捕捉ユニット130を利用することができる。分注先端完全性評価デバイス1100の実施例は、
図41を参照してさらに詳細に図示および説明される。
【0526】
図41は、
図40の分注先端完全性評価デバイス1100の実施例のブロック図である。いくつかの実施形態では、分注先端完全性評価デバイス1100は、サンプル品質検出デバイス1112と、先端整合検出デバイス1114とを含む。
【0527】
いくつかの実施形態では、分注先端完全性評価デバイス1100は、
図10のサンプル吸引システム510を伴って実装される。他の実施形態では、分注先端完全性評価デバイス1100は、コンテナを用いて流体物質を吸引または分注するように動作可能な他のタイプのシステムで使用されることができる。
【0528】
サンプル品質検出デバイス1112は、サンプルピペット操作デバイス152のサンプルピペット操作先端の中へ吸引されるサンプルの品質を検出するように動作する。サンプル品質検出デバイス1112の構造および動作の実施例は、
図42−55を参照して説明される。
【0529】
分注先端の中のサンプル品質の検出に加えて、サンプル品質検出デバイス1112はまた、容器114内に含有される流体物質118の品質を検出するために使用されることもできる。本明細書に説明されるように、容器114は、種々のタイプであり、異なるプロセスに使用されることができる。容器114の実施例は、器具100の中でプロセスの全体を通して使用される、反応容器と、サンプル容器と、希釈容器とを含む。いくつかの実施形態では、サンプル品質検出デバイス1112は、容器画像捕捉ユニット132を利用することができる。
【0530】
先端整合検出デバイス1114は、サンプルピペット操作モジュール512および/または分注先端画像捕捉ユニット130に対する分注先端112の公差ならびに不整合を検出するように動作する。分注先端112の許容公差および/または分注先端112の不整合は、例えば、本明細書の分注先端体積検出デバイス400によって行われるように、分注先端112内の吸引されたサンプル体積を検出することの正確度を低減させることができる。先端整合検出デバイス1114はさらに、公差および不整合の検出に基づいて、分注先端112の中に吸引される液体の検出された体積を調節または補正するように動作する。先端整合検出デバイス1114の構造および動作の実施例は、
図56−68を参照して説明される。
【0531】
図42−55を参照すると、サンプル品質検出デバイス1112の実施例が説明される。
【0532】
図42は、サンプル品質検出デバイス1112の実施例を図示する。いくつかの実施形態では、サンプル品質検出デバイス1112は、画像捕捉デバイス1120と、画像評価デバイス1122と、分類データ生成デバイス1124と、分類デバイス1126とを含む。また、吸引されたサンプル1130、画像1132、1つまたはそれを上回る色パラメータ1134、分類データ1136、およびサンプル分類結果1138も示される。
【0533】
サンプル品質検出デバイス1112は、分注先端を用いて吸引されるサンプルの品質を評価し、サンプルが後続の分析のために十分な品質を有するかどうかを判定するように動作する。サンプル品質が損なわれていることが判定される場合、器具は、サンプル品質についてユーザに知らせる、および/または検査を停止することができる。
【0534】
いくつかの実施形態では、サンプル管の中で提供されるサンプル(例えば、
図4のサンプル324)は、サンプル完全性を損ない、臨床検査に影響を及ぼし得る、種々の干渉性物質または干渉物質を含有する。許容レベルを上回る干渉物質を含有する、そのようなサンプルは、容易に検出されることができない、誤っているが信じられる結果を引き起こし得る。化学および免疫学的検定システムについては、干渉物質の実施例は、ヘモグロビン、ビリルビン(本明細書では、ビリルビンによって引き起こされる病状である、黄疸とも称される)、および脂質(本明細書では、脂質によって引き起こされる病状である、脂血症とも称される)を含む。検定に応じて、ヘモグロビン、黄疸、および脂血症の濃度は、歪んだ結果を引き起こす干渉が生じないことを確実にするように、事前判定されたレベルに限定されるべきである。
【0535】
種々の方法が、サンプル品質を評価するために使用されている。そのような方法のいくつかの実施例は、分光光度計を使用する化学分析器を含む。サンプル品質を判定するために、そのような分光光度計を使用することは、サンプルの化学分析から独立した事象であり、したがって、製造業者に応じて、サンプル完全性を判定するために付加的サンプルを要求し得る。分光光度計が測定に具体的波長を使用するため、本システムは、LEDまたは平行光源のいずれかを要求し、いくつかの検定の最終生成物との干渉物質のスペクトル重複に起因して、複雑な数学的処理を使用する。また、高脂血症サンプルは、多くの場合、検査においてサンプル体積に影響を及ぼし得る、体積変位を呈する。したがって、サンプル品質を評価するための方法は、そうするための別個の検査を要求し、付加的費用を引き起こしている。結果として、一次サンプル検査が品質チェック後のみに行われることができるため、一次サンプル検査が遅延させられる。代替として、一次サンプル検査およびサンプル品質検査が同時に実行される場合、損なわれたサンプルが、一次サンプル検査中または後のみにフラグを付けられることができる。この場合、サンプルが再採取される必要があり、また、検査結果の遅延を引き起こす。
【0536】
対照的に、サンプル完全性検出デバイス1112は、器具100と組み込まれ、サンプルの分析のために構成される、器具100の種々の構成要素を使用する。したがって、単一の器具は、遅延および付加的費用を引き起こすことなく、サンプルの品質を評価することと、サンプルの分析を行うこととの両方を行うことができる。
【0537】
上記で説明されるように、いくつかの実施形態では、サンプル完全性検出デバイス1112は、
図10のサンプル吸引システム510とともに使用される。他の実施形態では、サンプル完全性検出デバイス1112は、コンテナを用いて流体物質を吸引するように動作可能な他のタイプのシステムで使用されることができる。
【0538】
図示される実施例では、サンプル完全性検出デバイス1112は、主に、
図2および4に図示されるように、免疫学的検定分析器との関連で説明される。例えば、サンプル完全性検出デバイス1112は、分注先端の中に吸引されるサンプル中のヘモグロビン、黄疸、および脂血症等の干渉物質の濃度を検出するように動作する。しかしながら、他の実施形態では、サンプル完全性検出デバイス1112は、他のタイプの器具の中でサンプルの品質を評価するために使用される。
【0539】
一般に、サンプル完全性検出デバイス1112は、内側に流体を伴う透明な円筒形状のコンテナの画像を獲得する。サンプル完全性検出デバイス1112は、次いで、画像の中の着目領域内の個別のピクセルについての情報を抽出する。ピクセルについての情報は、流体を分類するために使用される。サンプル完全性検出デバイス1112は、流体をカテゴリにグループ化するために使用される分類子を採用する、分類子モデルを含む。コンテナの中に吸引される流体の色が事前判定された仕様内ではない場合、吸引または検査は、フラグを付けられる。いくつかの実施形態では、器具のオペレータは、流体完全性が所与の流体のための仕様外であることが判定されるとき、流体吸引についての情報を受信する。
【0540】
依然として
図42を参照すると、画像捕捉デバイス1120は、分注先端1180を用いて吸引されるサンプル1130の画像1132を捕捉するように動作する(
図45)。いくつかの実施形態では、サンプル1130は、サンプル540の実施例であり、分注先端1180は、
図10に示されるように、分注先端112の実施例である。いくつかの実施形態では、画像捕捉デバイス1120は、変動する時間間隔で分注先端1180を用いて吸引されるサンプル1130の1つを上回る画像を捕捉するように動作する。例えば、画像捕捉デバイス1120は、約30ミリ秒離れて、または任意の他の時間間隔で、分注先端1180を用いて吸引されるサンプル1130の2つの画像を連続的に捕捉するように動作する。いくつかの実施形態では、画像捕捉デバイス1120は、カメラユニット550と、光源552とを含む、分注先端画像捕捉ユニット130を利用する。いくつかの実施形態では、画像捕捉デバイス1120の光源552は、白色バックライトを生成する。他の実施形態では、光源552は、画像捕捉中に固定されることができるか、または可変であり得るかのいずれかである、1つもしくはそれを上回る着色バックライトを提供する。いくつかの実施形態では、光源552は、異なる露光時間でバックライトを生成することができる。例えば、光源552は、約6ミリ秒の露光時間でバックライトを生成することができ、画像捕捉デバイス1120は、約6ミリ秒の露光時間の直後に第1の画像を捕捉し、約30秒で第2の画像を捕捉するように動作する。一実施形態では、第1の画像は、試薬がコンテナの中に分注された後に、約0.2秒で取得される。実施形態では、第2の画像は、混合の約6.5秒後に取得される。さらなる実施形態では、第1の画像は、試薬がコンテナの中に分注された後に、約0.2秒で取得され、第2の画像は、混合の約6.5秒後に取得される。変動する露光時間は、色パラメータについて捕捉された画像の評価を向上させ得る。例えば、サンプルが高い濃度を有する場合には、より長い露光時間は、同様に、画像評価デバイス1122が異なる色パラメータを効果的に評価することができるように、より明るい画像をもたらすであろう。
【0541】
画像評価デバイス1122は、捕捉された画像1132を処理して評価し、1つまたはそれを上回る色パラメータ1134を生成するように動作する。色パラメータ1134は、サンプル1130に含有される干渉物質の濃度レベルを判定するために使用される。画像評価デバイス1122の実施例は、
図44−48を参照してさらに詳細に図示および説明される。
【0542】
分類データ生成デバイス1124は、分類データ1136を生成するように動作する。以下で説明されるように、分類データ1136は、サンプル分類結果1138を生成するために分類デバイス1126によって使用される、異なる量の干渉物質のための分類標識のリストを含む。分類データ生成デバイス1124の実施例は、
図49−53を参照してさらに詳細に図示および説明される。
【0543】
分類デバイス1126は、色パラメータ1134および分類データ1136に基づいて、サンプル分類結果1138を生成するように動作する。サンプル分類結果1138は、サンプル1130の品質を示す情報を含む。例えば、サンプル分類結果1138は、吸引されたサンプル1130中のヘモグロビン、黄疸、および脂血症等の干渉物質の濃度レベルを表す情報を含み、干渉物質の濃度レベルが、個別に、または組み合わせてのいずれかで、容認可能であることを示す。したがって、サンプル分類結果1138は、サンプル1130が器具100の中の検査室分析のために十分な品質を有するかどうかを判定するために使用される。分類デバイス1126の実施例は、
図54−55を参照してさらに詳細に図示および説明される。
【0544】
図43は、サンプル完全性検出デバイス1112を動作させるための例示的方法1150を図示する、フローチャートである。いくつかの実施形態では、方法600は、サンプル吸引システム510(
図10)およびサンプル完全性検出デバイス1112によって行われる。
【0545】
一般に、方法1150は、ヘモグロビン、黄疸(ビリルビン)、および脂血症等の干渉物質の濃度の観点から、分注先端の中のサンプル品質の分析を行い、評価された品質が許容範囲外で分類される場合に、検査結果にフラグを付ける。
【0546】
動作1152では、サンプル吸引システム510は、プログラムされた通りに、分注先端1180(
図45)(
図10に示されるような分注先端112の実施例である)の中へサンプル1130等の流体物質を吸引するように動作する。
【0547】
動作1154では、サンプル吸引システム510は、吸引されたサンプル1130を含有する分注先端1180を画像捕捉デバイス1120(分注先端画像捕捉ユニット130を含む)に輸送する。いくつかの実施形態では、画像捕捉デバイス1120の分注先端画像捕捉ユニット130は、輸送を伴わずに、吸引後に分注先端1180の画像を捕捉するように配列される。
【0548】
動作1156では、分注先端画像捕捉ユニット130は、分注先端1180の画像1132を捕捉する。いくつかの実施形態では、分注先端1180の画像1132は、事前判定された解像度のデジタル画像である。いくつかの実施形態では、分注先端画像捕捉ユニット132は、変動する時間間隔で分注先端1180の1つを上回る画像を捕捉することができる。例えば、分注先端画像捕捉ユニット132は、約30ミリ秒離れて、または任意の他の時間間隔で、分注先端1180の2つの画像を捕捉することができる。動作1158では、サンプル完全性検出デバイス1112は、分注先端1180内のサンプル1130中の干渉物質のレベルを判定するように、画像1132を分析する。動作1158の実施例は、
図44−55を参照してさらに詳細に説明される。
【0549】
動作1160では、サンプル完全性検出デバイス1112は、干渉物質レベルが公差範囲内に入るかどうかを判定する。判定されたレベルが公差範囲外であるとき、分注先端112の中のサンプル1130の吸引は、不適切と見なされる。公差範囲は、サンプルのタイプおよび/またはその中の干渉物質のタイプに応じて、変動し得る。いくつかの実施形態では、判定された干渉物質レベルが公差範囲内に入るかどうかは、以下で説明されるように、分類識別子または分類子を使用して評価されることができる。
【0550】
検出された干渉物質レベルが公差範囲内に入ることが判定されるとき(動作1160において、「はい」)、方法1150は、続けて事前判定された次のステップを行う。そうでなければ(動作1160において、「いいえ」)、方法1150は、動作1162に移行する。
【0551】
動作1162では、サンプル完全性検出デバイス1112は、分注先端1180内の吸引されたサンプル1130が後続のプロセスのために適切ではないことを示すように、吸引にフラグを付ける。他の実施形態では、吸引されたサンプルを使用した検査結果全体は、検査結果が不適切であり得ることを示す、または示唆するように、フラグを付けられることができる。代替として、サンプル完全性検出デバイス1112は、器具100の中の関連付けられる検査または分析プロセスを停止するように動作する。他の実施形態では、評価結果は、損なわれたサンプル品質に起因して誤りがあり得る、検査結果を自動的に調節するために使用されることができる。
【0552】
図44−55を参照すると、捕捉された画像1132が分析され、分注先端の中に吸引されるサンプルの品質が判定される、
図43の動作1158の実施例が説明される。いくつかの実施形態では、動作1158は、画像評価デバイス1122、分類データ生成デバイス1124、およびサンプル完全性検出デバイス1112の分類デバイス1126によって行われる。
【0553】
図44は、
図42の画像評価デバイス1122を動作させる例示的方法1170を図示する、フローチャートである。いくつかの実施形態では、方法1170は、動作1172、1174、および1176を含む。方法1170は、捕捉された画像1132の例示的分析を図示する、
図45も参照して説明される。
【0554】
動作1172では、画像評価デバイス1122は、画像1132の中で分注先端1180の場所を特定する。種々の画像処理方法が、画像1132内の分注先端1180を検出するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、分注先端1180は、事前訓練された参照画像に基づいて、分注先端を表すパターンを検索する、パターン合致機能によって場所を特定される。そのような画像処理方法は、Python(例えば、その輪郭発見機能)等の種々のプログラミング言語で実装されることができる。そのような画像処理方法の一例示的方法は、エッジ検出(「Edge」)、パターン合致(「Pattern Match」)、およびヒストグラム分析(「Histogram」)等の種々のツールを提供する、Cognex Corporation(Natick, MA)から入手可能なCognex In−Sight Vision Softwareによって、実装されることができる。
【0555】
動作1174では、画像評価デバイス1122は、事前判定された着目領域1182を検出する。着目領域1182は、分注先端1180内のサンプル1130の品質を判定するように評価される、画像1132の領域である。着目領域1182は、異なる画像1132内のサンプル1130を含むものとして繰り返し検出可能である、領域として事前設定される。種々の方法が、着目領域1182を検出するために使用されることができる。そのような方法の一実施例は、
図46を参照して説明される。いくつかの実施形態では、1つを上回る事前判定された着目領域が存在し得、したがって、画像評価デバイス1122は、1つを上回る事前判定された着目領域を検出する。例えば、3つの事前判定された着目領域、すなわち、着目領域1182の上方の第1の着目領域、着目領域1182等の第2の着目領域、および着目領域1182の下方の第3の着目領域が存在し得る。
【0556】
動作1176では、画像評価デバイス1122は、捕捉された画像1132の色パラメータ1134(
図42)を抽出する。いくつかの実施形態では、画像1132内の着目領域1182は、色パラメータ1134を生成するように分析される。色パラメータを抽出する一実施例は、
図47および48を参照して説明される。
【0557】
図46は、画像1132内の着目領域1182を見出すための例示的方法1190を図示する、フローチャートである。いくつかの実施形態では、方法1190は、動作1192および1194を含む。方法1190は、
図45も参照して説明される。
【0558】
一般に、いったん分注先端1180の場所が判定されると、画像評価デバイス1122は、着目領域1182を判定するためにオフセット係数のセットを使用する。いくつかの実施形態では、着目領域1182は、着目領域1182が、概して、吸引されたサンプル1130に対して中心にあるように、分注先端1180内のサンプル1130の垂直および水平軸に対してほぼ中心にある分注先端画像の下位区分を含むように最適化される。他の実施形態では、他の場所が、着目領域1182のために可能である。他の実施形態では、前述のように、1つを上回る着目領域が存在し得る。
【0559】
動作1192では、画像評価デバイス1122は、分注先端1180と関連付けられる参照線を見出す。いくつかの実施形態では、参照線は、画像1132内の分注先端1180の縦縁1184である。分注先端1180の他の線も、参照線として使用されることができる。
【0560】
動作1194では、画像評価デバイス1122は、事前判定されたオフセット1186によって参照線1184から離れて位置する領域の場所を特定する。いくつかの実施形態では、事前判定されたオフセット1186が、着目領域1182の水平位置を判定する一方で、着目領域1182の垂直位置は、画像1132の底部からの事前判定された高さ1188として事前設定される。いくつかの実施形態では、画像捕捉ユニットが分注先端に対するサンプル高さにおいて繰り返し配列されるため、着目領域の垂直位置は、異なる画像の間で略同じままである。
【0561】
上記で使用される画像処理方法の一実施例は、エッジ検出(「Edge」)、パターン合致(「Pattern Match」)、およびヒストグラム分析(「Histogram」)等の種々のツールを提供する、Cognex Corporation(Natick,MA)から入手可能なCognex In−Sight Vision Softwareによって、実装されることができる。
【0562】
図47は、画像1132の色パラメータを抽出するための例示的方法1210のフローチャートである。方法1210は、画像1132の例示的ヒストグラム1220を図示する、
図48も参照して説明される。いくつかの実施形態では、方法1210は、動作1212および1214を含む。
【0563】
動作1212では、画像評価デバイス1122は、画像1132のヒストグラム1220を生成する。いくつかの実施形態では、ヒストグラム1220は、画像1132内の着目領域1182のデータから生成される。いくつかの実施形態では、1つを上回る着目領域があり、したがって、画像評価デバイス1122は、画像1132内の着目領域毎にヒストグラム1120を生成する。例えば、画像1132内に3つの着目領域がある場合には、画像評価デバイス1122は、3つの個別のヒストグラムを生成する。
【0564】
図48に図示されるように、ヒストグラム1220は、画像1132(例えば、その着目領域1182)内の異なる色の分布を表す。いくつかの実施形態では、ヒストグラム1220は、(本明細書ではビンとも称される)色範囲の固定リストのそれぞれの中に色を有する、ピクセルの数を示す。ヒストグラム1220は、任意のタイプの色空間のために構築されることができる。図示される実施例では、RGB色モデルが、使用される。他の実施形態では、CMYK色モデルおよび任意の他の色モデルが、使用されることができる。
【0565】
ヒストグラム1220は、最初に、画像1132(例えば、その着目領域1182)内の色(すなわち、RGBモデルの中の赤色、緑色、青色)をいくつかのビンに離散化し、各ビンの中のピクセルの数を計数することによって生成されることができる。例えば、画像1132が8ビット画像である場合、各ビンが10個の値を含むように、色毎に0〜255の値が、複数のビンにグループ化される。一例として、第1のビンは、0と等しく、それを上回り、かつ10未満の値を含み、第2のビンは、10と等しく、それを上回り、かつ20未満の値を含み、第3のビンは、20と等しく、それを上回り、かつ30未満の値を含む。
図48に図示されるように、それぞれ、RGBモデルの中の赤色、緑色、および青色成分を表す、第1の色チャネル1222、第2の色チャネル1224、および第3の色チャネル1226が、ヒストグラム1220で描写される。他の実施形態では、RGBモデル、CMYK色モデル、または任意の他の色モデルの中の異なる色成分が、使用されることができる。他の実施形態では、画像は、15ビットカラー、16ビットカラー、24ビットカラー、30ビットカラー、36ビットカラー、48ビットカラー、または任意の他のビット値等の異なるビットであることができる。
【0566】
動作1214では、画像評価デバイス1122は、ヒストグラム1220から複数の色パラメータ1134を取得する。いくつかの実施形態では、画像評価デバイス1122は、6つの色パラメータを作成する。例えば、第1の色パラメータ1232は、第1の色チャネル1222の平均であり、第2の色パラメータ1234は、第2の色チャネル1224の平均であり、第3の色パラメータ1236は、第3の色チャネル1226の平均である。さらに、第4の色パラメータ1242は、第1の色チャネル1222のリーマン和であり、第5の色パラメータ1244は、第2の色チャネル1224のリーマン和であり、第6の色パラメータ1246は、第3の色チャネル1226のリーマン和である。第1、第2、および第3の色チャネル1222、1224、ならびに1226のリーマン和は、それぞれ、第1、第2、および第3の色チャネル1222、1224、ならびに1226の曲線の下の面積を表す。
【0567】
他の実施形態では、他の色パラメータが、ヒストグラム1220から生成される。例えば、色パラメータは、第1の色チャネル1222の最大値、第2の色チャネル1224の最大値、第3の色チャネル1226の最大値、第1の色チャネル1222の最小値、第2の色チャネル1224の最小値、第3の色チャネル1226の最小値、第1の色チャネル1222のモード、第2の色チャネル1224のモード、第3の色チャネル1226のモード、第1の色チャネル1222のヒストグラムヘッド、第2の色チャネル1224のヒストグラムヘッド、第3の色チャネル1226のヒストグラムヘッド、第1の色チャネル1222のヒストグラムテール、第2の色チャネル1224のヒストグラムテール、第3の色チャネル1226のヒストグラムテール、第1の色チャネル1222のヒストグラムヘッド率、第2の色チャネル1224のヒストグラムヘッド率、第3の色チャネル1226のヒストグラムヘッド率、第1の色チャネル1222のヒストグラムテール率、第2の色チャネル1224のヒストグラムテール率、および第3の色チャネル1226のヒストグラムテール率を含むことができる。ヒストグラムヘッドは、ヒストグラムの最小グレースケール値を規定する。例えば、第1の色チャネル1222のヒストグラムヘッドは、ヒストグラム内の第1の色チャネル1226の最小グレースケール値を規定する。ヒストグラムテールは、ヒストグラムの最大グレースケール値を規定する。例えば、第1の色チャネル1222のヒストグラムテールは、ヒストグラム内の第1の色チャネル1226の最大グレースケール値を規定する。ヒストグラムヘッド率は、最低グレースケール値を有するグレースケール値の規定範囲内に存在する、ヒストグラム内の総ピクセルの割合を規定する。例えば、第1の色チャネル1222のヒストグラムヘッド率は、第1の色チャネル1222の最低グレースケール値の規定範囲内に存在する、ヒストグラム内の第1の色チャネル1222の総ピクセルの割合を規定する。ヒストグラムテール率は、最高グレースケール値を有するグレースケール値の規定範囲内に存在する、ヒストグラムの中で表される総ピクセルの割合を規定する。例えば、第1の色チャネル1222のヒストグラムテール率は、第1の色チャネル1222の最高グレースケール値の規定範囲内に存在する、ヒストグラム内の第1の色チャネル1222の総ピクセルの割合を規定する。
【0568】
他の実施形態では、色パラメータは、色チャネル(例えば、第1、第2、および第3の色チャネル)の平均、色チャネル(例えば、第1、第2、および第3の色チャネル)のピーク、および/または色チャネル(例えば、第1、第2、および第3の色チャネル)の標準偏差を含む。さらに他の実施形態では、他のタイプの色パラメータも使用される。
【0569】
図49は、
図42の分類データ生成デバイス1124を動作させるための例示的方法1270のフローチャートである。方法1270は、
図50および51を参照して説明される。
図50は、干渉物質値が分類標識に解析されることを図示する、例示的表1278であり、
図51は、
図42の分類デバイス1126からの出力としての役割を果たすことができる、サンプル分類識別子1310の例示的セットである。
【0570】
いくつかの実施形態では、以下で説明されるように、異なるレベルのサンプル数量が、本明細書ではサンプル分類識別子とも称される、複数の標的変数に分類される。具体的には、分類デバイス1126は、サンプル分類識別子のうちの1つとしてサンプルの品質を判定する。分類データ生成デバイス1124は、特定の干渉物質または干渉物質の特定のセットのサンプル分類識別子を生成するように動作する。いくつかの実施形態では、サンプル分類識別子は、最初に、個々の干渉物質の濃度値に基づいて、特定のサンプルの干渉物質値を標識セットに解析することによって構築される。干渉物質のための標的のセットは、次いで、サンプル中の干渉物質の全ての範囲を規定する、標識の単一セット(すなわち、サンプル分類識別子)に合体される。
【0571】
依然として
図49を参照すると、動作1272では、分類データ生成デバイス1124は、各干渉物質の濃度値を定義する。一例として、
図50に図示されるように、第1の干渉物質1280、第2の干渉物質1282、および第3の干渉物質1284である、3つの干渉物質が、分注先端の中に吸引されるサンプル1130について評価される。濃度値1290、1292、および1294は、それぞれ、干渉物質1280、1282、および1284について定義される。いくつかの実施形態では、濃度値は、1つまたはそれを上回る離散濃度値として定義される。他の実施形態では、濃度値は、濃度値の範囲として定義される。
【0572】
例えば、3つの濃度値1290(例えば、値1−1、値1−2、および値1−3)が、第1の干渉物質1280について定義され、3つの濃度値1292(例えば、値2−1、値2−2、および値2−3)が、第2の干渉物質1282について定義され、3つの濃度値1294(例えば、値3−1、値3−2、および値3−3)が、第3の干渉物質1284について定義される。他の実施形態では、他の数の濃度値が、同一または異なる干渉物質について定義される。
【0573】
動作1274では、分類データ生成デバイス1124は、分類標識1300、1302、および1304を濃度値1290、1292、および1294に割り当てる。同一実施例では、第1の干渉物質1280の濃度値1290は、ゼロ、中、および高等の3つの分類標識1300を割り当てられる。第2の干渉物質1282の濃度値1292は、非存在および存在等の2つの分類標識1302を割り当てられる。第3の干渉物質1284の濃度値1294は、ゼロ、中、および高等の3つの分類標識1304を割り当てられる。分類標識の他の実施形態も可能である。例えば、他の実施形態では、第2の干渉物質1282の濃度値1292は、3つの分類標識1300および1304に類似する、ゼロ、中、ならびに高等の3つの分類標識を割り当てられることができる。他の実施形態では、濃度値1290および1294は、2つの分類標識1302に類似する、非存在ならびに存在等の分類標識を割り当てられることができる。
【0574】
動作1276では、分類データ生成デバイス1124は、干渉物質濃度値の異なる組み合わせ等に基づいて、サンプル分類識別子1310のリストを生成する。サンプル分類識別子1310は、概して、問題になっている全ての干渉物質の組み合わせのレベルまたは濃度を表すために使用される。以下で説明されるように、サンプル分類識別子1310は、分類デバイス1126のための標的変数または分類デバイス1126からの出力としての役割を果たす。
【0575】
図51に図示されるように、サンプル分類識別子1310のリストは、分類標識1300、1302、および1304の可能性として考えられる組み合わせの全てを含む。サンプル分類識別子1310の例示的表記法は、順番に、第1の干渉物質1280の分類標識1300、第2の干渉物質1282の分類標識1302、および第3の干渉物質1284の分類標識1304の組み合わせである。図示される実施例では、第1の干渉物質1280の3つ分類標識(例えば、ゼロ、中、および高)、第2の干渉物質1282の2つの分類標識(例えば、非存在および存在)、ならびに第3の干渉物質1284の3つの分類標識(例えば、ゼロ、中、および高)があるため、18(=3×2×3)個のサンプル分類識別子1310があり得る。サンプル分類識別子はまた、本明細書ではサンプル分類子とも称される。他のサンプル分類識別子も可能である。例えば、第2の干渉物質1282は、2つの分類標識(例えば、非存在および存在)の代わりに、3つの分類標識(例えば、ゼロ、中、および高)を有することができる。
【0576】
図50は、各干渉物質が5つの値を有する、3つの干渉物質の混合物の色パラメータデータ表1320の実施例を図示する。図示される実施例では、第1の干渉物質1280は、ヘモグロビンであり、第2の干渉物質1282は、黄疸(ビリルビン)であり、第3の干渉物質1284は、脂血症(脂質)であり、器具100は、免疫学的検定分析器である。一例として、第1の干渉物質1280は、ゼロの分類標識1300を伴う値1−1の0mg/dL、中の分類標識1300を伴う値1−2の250および500mg/dL、ならびに高の分類標識1300を伴う値1−3の750および1000mg/dL等の5つの値を伴う3つの区画に分割される。第2の干渉物質1282は、非存在の分類標識1302を伴う値2−1の0mg/dL、存在の分類標識1302を伴う値2−2の10および20mg/dL、ならびに存在の分類標識1302を伴う値2−3の30および40mg/dL等の5つの値を伴う3つの区画に分割される。他の実施形態では、第2の干渉物質1282は、ゼロの分類標識1302を伴う値2−1の0mg/dL、中の分類標識1302を伴う値2−2の10および20mg/dL、ならびに高の分類標識1302を伴う値2−3の30および40mg/dL等の5つの値を伴う3つの区画に分割されることができる。第3の干渉物質1284は、ゼロの分類標識1304を伴う値3−1の0mg/dL、中の分類標識1304を伴う値3−2の125および250mg/dL、ならびに高の分類標識1304を伴う値3−3の375および500mg/dL等の5つの値を伴う3つの区画に分割される。
【0577】
図53は、
図52に示されるような第1、第2、および第3の干渉物質の組み合わせから出力されることが予測される、サンプル分類子1310の例示的セットを示す。
図53の分類子1310は、
図52に示されるような第1、第2、および第3の干渉物質に基づいて、可能性として考えられる出力のうちのいくつかのみを図示する。サンプル分類子1310の表記法は、
図51を参照して説明されるように作成される。例えば、脂質がサンプル中に0mg/dL存在する場合(表1320の中の「ゼロ」)、10mg/dLの黄疸が、サンプルの中に含まれ(表1320の中の「存在」)、375mg/dLのヘモグロビンが、サンプルの中に含まれ(表1320の中の「高」)、サンプル分類子1310は、「ZeroPresentHigh」として指定される。他のサンプル分類子1310も、可能である。例えば、脂質がサンプル中に0mg/dL存在する場合(分類標識として「ゼロ」)場合、10mg/dLの黄疸がサンプルの中に含まれる場合に、「存在」の代わりに「中」の分類標識を有することができ、375mg/dLのヘモグロビンが、サンプルの中に含まれ(分類標識として「高」)、サンプル分類子1320は、「ZeroMediumHigh」として指定されるであろう。さらなる一例として、脂質がサンプル中に0mg/dL存在する場合(分類標識として「ゼロ」)、0mg/dLの黄疸がサンプルの中に含まれる場合に、「非存在」の代わりに「ゼロ」の分類標識を有することができ、375mg/dLのヘモグロビンが、サンプルの中に含まれ(分類標識として「高」)、サンプル分類子1320は、「ZeroZeroHigh」として指定されるであろう。
図54は、
図42の分類デバイス1126の実施例を概略的に図示するブロック図である。上記で説明されるように、分類デバイス1126は、色パラメータ1134のうちの1つまたはそれを上回るものを受信し、サンプル分類結果1138を生成するように動作する。分類デバイス1126はさらに、サンプル分類結果1138を生成するように分類データ1136を受信する。いくつかの実施形態では、分類デバイス1126は、フィードバックデータ1330を生成する。本明細書に説明されるように、分類デバイス1126は、いかなる別個のデバイスもサンプル品質を評価するために必要とされないように、器具100に組み込まれる。
【0578】
いくつかの実施形態では、色パラメータ1134は、上記で説明されるように、色パラメータ1232、1234、1236、1242、1244、および1246のうちの少なくとも1つを含む。他の実施形態では、分類デバイス1126は、色パラメータ1232、1234、1236、1242、1244、および1246の全てを利用する。さらに他の実施形態では、分類デバイス1126は、他のタイプの色パラメータを使用する。
【0579】
いくつかの実施形態では、分類デバイス1126は、色パラメータ1134を処理し、サンプル分類結果1138としてサンプル分類識別子1310のリストから1つを選択するように動作する。サンプル分類結果1138は、概して、サンプル品質または完全性を示す、サンプル分類識別子1310のうちの1つを含む。したがって、サンプル品質検出デバイス1112の出力は、サンプルの中に含有される干渉物質の量または濃度の定量化可能な数ではない。むしろ、サンプル品質検出デバイス1112は、サンプル品質の単純なインジケーションである、分類子(すなわち、分類識別子)を出力する。
【0580】
サンプルが問題になっている複数の干渉物質を含有する場合、そのような干渉物質は、1つの干渉物質が他の干渉物質の検出に影響を及ぼすようにスペクトル重複を引き起こし得る。例えば、ヘモグロビン(赤色または同等物)、ビリルビン(黄色または同等物)、および脂質(白色または同等物)は、サンプル中の干渉物質であり、ヘモグロビン、ビリルビン、および脂質に対する吸収は、少なくとも部分的に重複し、干渉物質を区別することを困難にする。故に、干渉物質の具体的量または濃度を出力することとは対照的に、サンプル分類子を使用することによって、サンプル品質結果を単純化することが望ましい。
【0581】
いくつかの実施形態では、分類デバイス1126は、分類デバイス1126の動作を向上させるように適合されるフィードバックデータ1330を使用する。フィードバックデータ1330は、入力された色パラメータ1134と出力されたサンプル分類結果1138との間の相関についての情報を含むことができる。フィードバックデータ1330は、分類デバイス1126をさらに訓練することによって、将来の動作を向上させるようにフィードバックされて使用される。
【0582】
いくつかの実施形態では、分類デバイス126は、機械学習モデルを採用する。例えば、分類デバイス126は、分類に使用されるデータを分析する、1つまたはそれを上回る関連付けられる学習アルゴリズムを伴う管理学習モデルである、サポートベクターマシン(SVM)モデルを使用する。ロジスティック回帰、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、および分類ツリー等の他のモデルもまた、おそらく他の実施形態で使用される。
【0583】
図54に図示されるように、分類デバイス1126のいくつかの実施形態は、訓練動作1340および通常動作1342を行う。訓練動作1340では、SVM訓練アルゴリズムを採用する分類デバイス1126は、それぞれサンプル分類のうちの1つに属するためにマークされる、訓練実施例サンプルのセットからモデルを構築する。モデルは、新しい実施例を一方または他方の分類に割り当て、それを非確率的線形分類子にする。SVMモデルは、別個の分類の実施例が、可能な限り広い明確な間隙によって分割されるようにマップされる、空間内の点としての実施例の表現である。新しい実施例が、次いで、同一の空間の中へマップされ、それらが入る間隙の側面に基づいて、分類に属することが予測される。線形分類の代替として、SVMモデルは、それらの入力を高次元特徴空間の中へマップする、カーネル方法(例えば、放射基底関数)を使用して非線形分類を行うことができる。例えば、SVMモデルは、分類に使用されることができる、高次元または無次元空間内の超平面または超平面のセットを構築する。一般に、限界が大きくなるほど、分類子の一般化誤差が低くなるため、良好な分離は、任意の部類の最近傍訓練データ点までの最大距離を有する超平面によって達成される。
【0584】
本明細書の図示される実施例では、SVMのための次元空間は、上記で説明されるRGBプロファイルから構築され、6つの色パラメータに対応する6次元予測因子空間をもたらす。上記で説明されるように、分類の標的変数は、個々のHILデータの濃度範囲に基づいて、サンプル毎の測定された干渉物質値(例えば、本明細書では集合的にHILと称される、ヘモグロビン、黄疸、および脂血症)を標識のセットに解析することによって、構築される。干渉物質毎のサンプル標識は、3つ全てのHIL成分の範囲を分類する、単一の標識に合体される。本全体的サンプル分類標識が、SVM分類子の標的変数としての役割を果たす。
【0585】
いくつかの実施形態では、SVM分類子は、サポートベクターおよび訓練誤差の数を規則化する、「ニュー」として公知のハイパーパラメータで同調される。分類子は、例えば、ニュー規則化SVM分類子(「sklearn.svm.NuSvc」等)のための内蔵サポートを有する、Sci−Kit学習モジュールを使用して、Pythonで実装される。
【0586】
いったんSVMモデルが訓練動作1340において確立されると、分類デバイス1126は、患者サンプルの品質が現場における器具100の中で研究室分析について評価される、通常動作1342のために準備ができている。いくつかの実施形態では、分類デバイス1126は、器具100が顧客の現場において配設される前に事前訓練される。他の実施形態では、分類デバイス1126は、通常動作1342においてフィードバックデータ1330を用いて更新され続ける。さらに他の実施形態では、分類デバイス1126は、顧客によって構成可能である。
【0587】
図55は、サンプル分類結果1138および関連付けられるフラッギング結果1352の例示的データセット1350である。
図43を参照して説明されるように、サンプル完全性検出デバイス1112は、吸引されたサンプル1130が後続のプロセス(
図43の動作1162)のために適切な品質を有するかどうかを示すように、フラッギング結果を生成する。
図55に図示されるように、サンプル分類結果1138のうちの1つまたはそれを上回るものは、関連付けられるサンプルが器具100の中で研究室分析のために十分な品質を有していないことを示すと見なされる。そのようなサンプル分類結果1138と関連付けられるサンプルは、サンプルの低下した品質を示すようにフラグを付けられることができる。一例として、データセット1350は、フラグを付けられる必要があるサンプルを表す、サンプル分類結果を図示する。
【0588】
図42−55に説明されるように、サンプル品質検出デバイス1112は、(複数の色パラメータと関連付けられる)複雑な可変空間を、サンプル品質を表す単純な出力(サンプル分類子を含む)に変換するように動作する。出力されたサンプル分類結果1138は、サンプルが研究室分析のために十分な品質または完全性を有するよう適切に調製されているかどうかをユーザに知らせるために使用される。
【0589】
サンプル品質検出デバイス1112は、種々の用途のために好適であるように修正されることができる。例えば、サンプル品質検出デバイス1112は、任意の体外診断分析器に、任意のサンプル管もしくは反応容器に、または任意のコンテナ形状に適用可能である。いくつかの実施形態では、サンプル品質検出デバイス1112の画像評価デバイス1122は、画像処理に所定の着目領域を使用する必要がない。画像捕捉デバイス1120のカメラユニットは、任意のタイプまたは品質であることができる。例示的実施形態による、サンプル品質検出デバイス1112は、モバイルデバイスを伴うカメラ等の顧客レベルカメラユニットを使用することができる。画像捕捉デバイス1120で使用される光源は、任意の位置に位置することができる。いくつかの実施形態では、分類デバイス1126は、顧客場所において現場で訓練されることができる。さらに他の実施形態では、分類デバイス1126は、顧客の患者サンプルおよび干渉物質(例えば、HIL)値の一意の集合に基づいて、性能を調節するように学習アルゴリズムによって適合されることができる。
【0590】
図56−68を参照すると、先端整合検出デバイス1114の実施例が説明される。
【0591】
図56は、先端整合検出デバイス1114の実施例のブロック図である。先端整合検出デバイス1114は、分注先端112の不整合を検出し、分注先端112の中に含有される液体物質の検出された体積を補正するように動作する。
【0592】
いくつかの実施形態では、画像ベースの体積検出デバイス1500が、サンプル等の液体物質を吸引した分注先端112の画像を捕捉し、分注先端112の画像に基づいて液体物質の体積を計算するように動作する。画像ベースの体積検出デバイス1500の実施例は、本明細書に説明されるような分注先端体積検出デバイス400を含む。例えば、本明細書に説明されるように、サンプルピペット操作デバイス152は、分注先端112の中へサンプルを吸引するために使用され、分注先端体積検出デバイス400は、分注先端画像捕捉ユニット130を使用して分注先端の画像を捕捉し、捕捉された画像を分析することによって、吸引されたサンプルの体積を計算する。
【0593】
いくつかの実施形態では、分注先端112内の液体物質(例えば、サンプル)の検出された体積は、
図57および58に説明されるように、公差ならびに不整合の種々の原因に起因して、必ずしも正確ではない。故に、体積1502は、ある程度の誤差を伴って検出される。
【0594】
先端整合検出デバイス1114は、少なくとも、サンプルピペット操作モジュール512および/または分注先端画像捕捉ユニット130に対する分注先端112の不整合を検出するように動作する。分注先端112の不整合は、分注先端112内の吸引されたサンプル体積を検出する際に誤差を引き起こす。先端整合検出デバイス1114は、画像ベースの体積検出デバイス1500(例えば、分注先端体積検出デバイス400)によって検出される物質体積を補正し、吸引された物質1504の補正された体積を提供するように動作する。
【0595】
本明細書に説明されるように、先端整合検出デバイス1114および画像ベースの体積検出デバイス1500は、器具100の一部であることができ、したがって、本明細書に説明されるように、器具100のシステム、デバイス、構成要素、エンジン、および他の部品に関連して動作される。
【0596】
図57は、分注先端112の構成における可能性として考えられる公差を図示する、分注先端112の実施例の断面図である。分注先端112は、1つまたはそれを上回る次元で許容公差を伴って設計される。そのような次元のうちのいくつかは、長さL10、L11、およびL12、ならびに幅または直径D10、D11、およびD12を含む。分注先端112のために許容される公差は、分注先端112を用いて含有される物質の体積に影響を及ぼし得る。
【0597】
図58は、分注先端112の例示的不整合を概略的に図示する。図示されるように、分注先端112(本明細書では112とも称される)が、そのマンドレル528等のサンプルピペット操作モジュール512と係合されるとき、分注先端112は、必ずしも所望に応じて位置付けられるわけではない。いくつかの実施形態では、分注先端112を垂直に位置付けること、またはマンドレル526と一致していることが望ましくあり得る。しかしながら、分注先端112は、マンドレル526に対して傾転されることができ、物質540の体積は、分注先端画像捕捉ユニット130の視点から異なって視認されることができる。したがって、分注先端112の不整合は、分注先端112の中に吸引される物質540の体積を検出することの正確度に影響を及ぼし得る。
【0598】
図59は、分注先端112の可能性として考えられるタイプの不整合を図示する。略
図1は、分注先端画像捕捉ユニット130のカメラユニットに対する分注先端112の位置を示す。Z軸は、概して、それに沿って分注先端112が延在する、軸として画定されるが、X軸は、略
図2に示されるように、それに沿って分注先端112が分注先端画像捕捉ユニット130のカメラユニットに対して左から右側または右から左側に傾転されることができる、方向として画定される。分注先端112がX軸方向に傾転されるとき、不整合は、略
図2(「側面不整合」)に示されるように、側面不整合角度Cによって表されることができる。Y軸は、略
図3に示されるように、それに沿って分注先端112がカメラユニットから離れて、またはそれに向かって傾転されることができる、方向として画定される。分注先端112がY軸方向に傾転されるとき、不整合は、略
図3(「深度不整合」)で描写されるように、深度不整合角度Dによって表されることができる。そのような深度不整合は、先端画像捕捉ユニット130によって捕捉される2次元画像から識別されない。
【0599】
図60Aは、先端整合検出デバイス1114とともに使用されるように構成される、例示的分注先端1510の断面側面図である。本実施例における分注先端1510は、
図13および14を参照して説明されるような分注先端112と同様に構成される。したがって、分注先端1510の説明は、主に、分注先端112との差異に限定され、他の説明は、簡潔にするために省略されている。
【0600】
本実施例では、分注先端1510は、(
図60Aの分注先端の部分の拡大図である)
図60Bおよび60Cでより良好に図示されるように、第1の参照線1512と、第2の参照線1514とを含む。いくつかの実施形態では、第1および第2の参照線1512ならびに1514は、
図62を参照して説明されるように、分注先端の側面不整合を検出するために使用される。加えて、第1および第2の参照線1512ならびに1514のうちの少なくとも1つは、
図62に説明されるように、分注先端の深度不整合を検出するために使用される。
【0601】
いくつかの実施形態では、参照線1512および1514は、分注先端画像捕捉ユニット130によって検出可能であるように構成される。参照線1512および1514は、分注先端1510の種々の場所で形成されることができる。いくつかの実施形態では、第1の参照線1512は、吸引された物質の表面レベルまたはメニスカスが第1の参照線1512の下方に(すなわち、第1の参照線1512と分注先端1510の遠位端562との間に)配列されるように位置する。他の実施形態では、第1の参照線1512は、吸引された物質のメニスカスが遠位端562に対して第1の参照線1512の上方に(すなわち、参照線570と近位端560との間に)配列されるように位置する。いくつかの実施形態では、第1の参照線1512は、
図13に示されるような参照線570に対応する。
【0602】
第2の参照線1514は、第1の参照線1512に対して分注先端1510の遠位端562の近くに配列されることができる。一例として、第1の参照線1512は、100μLを伴う吸引された物質の表面線が第1の参照線1512の下方に(すなわち、第1の参照線1512と分注先端1510の遠位端562との間に)配列されるように位置する一方で、第2の参照線1514は、2μLを伴う吸引された物質の表面線が第2の参照線1512の上方に(すなわち、第1の参照線1512と第2の参照線1514との間に)配列されるように位置する。
【0603】
第1および第2の参照線1512ならびに1514は、種々の様式で分注先端1510に提供される。いくつかの実施形態では、参照線は、分注先端上に形成される突起、隆起、くぼみ、切り欠き、または任意の他の可視要素等の検出可能な構造である。他の実施形態では、参照線は、分注先端上に塗装される、または取り付けられる、マーカもしくはインジケータである。参照線は、分注先端に一体的に形成または成形されることができる。代替として、参照線は、別個に作製され、分注先端に取り付けられる。
【0604】
図61は、分注先端整合を評価するための例示的方法1550を図示する、フローチャートである。いくつかの実施形態では、方法1550は、先端整合検出デバイス1114によって行われる。他の実施形態では、器具100の他の部品が、先端整合検出デバイス1114とともに、またはそれに代替して、方法1550を実行することができる。
【0605】
動作1552では、サンプル吸引システム510等の器具100は、プログラムされた通りに、分注先端1510の中へサンプル等の流体物質を吸引する。
【0606】
動作1554では、サンプル吸引システム510等の器具100は、吸引されたサンプルを含有する分注先端1510を分注先端画像捕捉ユニット130に輸送する。いくつかの実施形態では、分注先端画像捕捉ユニット130は、輸送を伴わずに、吸引後に分注先端の画像を捕捉するように配列される。次いで、分注先端画像捕捉ユニット130は、分注先端1510の画像を捕捉する。いくつかの実施形態では、分注先端1510の画像は、事前判定された解像度のデジタル画像である。
【0607】
動作1556では、画像ベースの体積検出デバイス1500(例えば、
図9に示されるような分注先端体積検出デバイス400またはサンプル吸引体積検出デバイス500)等の器具100は、捕捉された画像を分析することによって、分注先端1510内の物質の体積を検出する。動作1556の一実施例は、例えば、
図16−19を参照して説明される。
【0608】
動作1558では、先端整合検出デバイス1114等の器具100は、捕捉された画像を使用して分注先端1510の不整合を検出する。動作1558の実施例は、
図62−68を参照して説明される。
【0609】
動作1560では、先端整合検出デバイス1114等の器具100は、(動作1558において検出されるような)不整合の検出に基づいて、(動作1556において検出されるような)検出された体積を補正するように動作する。
【0610】
図62は、分注先端不整合を検出するための例示的方法1570を図示する、フローチャートである。本方法では、先端整合検出デバイス1114は、(動作1572において)
図59の略
図2で描写されるような側面不整合および(動作1574において)
図59の略
図3で描写されるような深度不整合を検出することができる。
【0611】
図63は、分注先端不整合を検出するための別の例示的方法1600を図示する、フローチャートである。方法1600は、分注先端の側面不整合を示す例示的画像を概略的に図示する、
図64も参照して説明される。
【0612】
本方法では、側面不整合は、動作1602、1604、1606、1608、1610、1612、および1614を用いて検出されることができる。深度不整合は、動作1602、1622、1624、および1626を用いて検出されることができる。いくつかの実施形態では、側面不整合は、例えば、本明細書に説明されるような分注先端体積検出デバイス400またはサンプル吸引体積検出デバイス500によって行われる、体積検出プロセスの一部として検出されることができる。例えば、動作1602、1604、1606、1608、および1616は、分注先端体積検出デバイス400またはサンプル吸引体積検出デバイス500によって行われる動作のうちのいくつかと同じであり、もしくは類似し、したがって、分注先端体積検出デバイス400またはサンプル吸引体積検出デバイス500のそのような動作によって置換されることができる。
【0613】
動作1602では、先端整合検出デバイス1114は、分注先端1510の画像を取得する。分注先端1510の画像は、分注先端画像捕捉ユニット130によって捕捉されることができる。
【0614】
動作1604では、先端整合検出デバイス1114は、分注先端1510の第1の参照線1512の事前判定された点1640を検出する。いくつかの実施形態では、事前判定された点1640は、第1の参照線1512の中心である。第1の参照線1512の他の点も、他の実施形態で使用されることができる。
【0615】
動作1606では、先端整合検出デバイス1114は、分注先端1510の中に含有される流体物質1630のメニスカス1632の事前判定された点1642を検出する。いくつかの実施形態では、事前判定された点1642は、分注先端内の物質のメニスカスの中心である。メニスカスの他の点も、他の実施形態で使用されることができる。
【0616】
他の実施形態では、流体物質のメニスカスの代わりに、第2の参照線1514が使用される。本願では、先端整合検出デバイス1114は、分注先端の第2の参照線の事前判定された点(例えば、中心)を検出する。
【0617】
動作1608では、先端整合検出デバイス1114は、点1640と1642との間の線1634を画定するように、点1640および1642を接続する。
【0618】
動作1620では、先端整合検出デバイス1114は、参照線1636に対する線1634の角度Cを判定する。いくつかの実施形態では、参照線1636は、分注先端画像捕捉ユニット130によって捕捉される画像内の垂直線と平行である。他の線も、他の実施形態では参照線1636として使用されることができる。
【0619】
第1の参照線1512および吸引された物質1630のメニスカス1632は、線1634を判定するために使用されるが、他の参照線または点も、線1634を画定するために使用されることができる。例えば、第1の参照線1512、第2の参照線1514、吸引された物質のメニスカス1632、分注先端1510の他の部分、および分注先端1510に係合するサンプルピペット操作モジュール512の任意の部分の任意の組み合わせがある。
【0620】
動作1612では、先端整合検出デバイス1114は、角度Cが閾値未満であるかどうかを判定する。閾値は、分注先端が傾転されることができる、最大許容角度を表す。分注先端が閾値角度値を上回る角度で傾転されるとき、物質の検出された体積は、信頼できる結果について容認不可能と見なされる。いくつかの実施形態では、閾値角度値は、約0.5〜約5度に及ぶ。他の実施形態では、閾値角度値は、約1〜約3度に及ぶ。さらに他の実施形態では、閾値角度値は、約2度である。
【0621】
線1634の角度Cが閾値角度値未満であることが判定される場合(本動作において、「はい」)、方法1600は、動作1616において継続する。そうでなければ(本動作において、「いいえ」)、方法1600は、先端整合検出デバイス1114が、分注先端内の吸引された体積が後続のプロセスのために適切ではないことを示すように、吸引にフラグをつける、動作1614に移行する。動作1614では、別の吸引が、動作1602および後続の動作を繰り返すために別の分注先端を使用して行われることができる。
【0622】
動作1616では、分注先端内の物質の体積が、捕捉された画像を使用して取得される。いくつかの実施形態では、分注先端体積検出デバイス400またはサンプル吸引体積検出デバイス500は、本明細書に説明されるような本動作を行うことができる。
【0623】
動作1618では、先端整合検出デバイス1114は、検出された体積が閾値体積値よりも大きいかどうかを判定する。閾値体積値は、側面不整合および/または深度不整合による影響を受け得る(もしくは有意に影響を受け得る)、分注先端内の最大体積を表す。分注先端の中に含有される物質の体積が本閾値よりも大きいとき、側面および深度不整合が、分注先端内の体積の検出に有意に影響を及ぼさず、分注先端のそのような体積の計算が、側面および深度不整合にかかわらず容認可能であることが考慮される。分注先端の中に含有される物質の体積が本閾値と等しい、またはそれよりも小さいとき、側面または深度不整合は、捕捉された画像に基づく体積の検出に有意に影響を及ぼし得、そのような体積の計算は、容認不可能であろうことが考慮される。
【0624】
いくつかの実施形態では、閾値体積値は、約3〜約30μLに及ぶ。他の実施形態では、閾値体積値は、約5〜約20μLに及ぶ。さらに他の実施形態では、閾値角度値は、約10μLである。
【0625】
検出された体積が閾値体積値よりも大きいことが判定される場合(本動作において、「はい」)、方法1600は、計算された体積が報告される、動作1620において継続する。そうでなければ(本動作において、「いいえ」)、方法1600は、動作1622および後続の動作に移行する。
【0626】
動作1622では、先端整合検出デバイス1114は、第2の参照線1514を使用して、検出された体積を補正するように動作する。第2の参照線を使用して体積を補正するための例示的方法が、
図65および66を参照して説明される。
【0627】
図示される実施例では、角度が閾値角度値を満たさない場合、分注先端に行われた吸引がフラグを付けられることが主に説明される。代替として、方法1600は、分注先端の中へ試薬、サンプル、または基質等の特定の物質を吸引する前に行われることができる。本構成では、角度が閾値角度値を満たさない場合、先端整合検出デバイス1114は、意図された物質が分注先端の中へ吸引されることを防止するように動作する、またはそのような意図された物質の吸引が行われるべきではない、もしくは注意して行われるべきであるという通知を生成するように動作することができる。
【0628】
図65は、第2の参照線を使用して体積を補正するための例示的方法1650を図示する、フローチャートである。方法1650は、
図63の動作1602のように、先端整合検出デバイス1114が分注先端1510の画像を取得する、動作1652から始まることができる。
【0629】
動作1654では、先端整合検出デバイス1114は、捕捉された画像内の第2の参照線1514の長さを測定する。
【0630】
動作1656では、先端整合検出デバイス1114は、第2の参照線1514の測定された長さと第2の参照線1514の実際の長さとの間の比を計算する。第2の参照線1514の実際の長さは、公知である。例えば、第2の参照線1514の実際の長さは、分注先端1510の実際のモデルもしくは製品から、または不整合ではない分注先端1510の画像から測定されることができる。
【0631】
捕捉された画像から測定される第2の参照線1514の長さは、分注先端1510が
図59の略
図3で描写されるようにY方向に傾転される、第2の参照線1514の実際の長さとは異なるであろう。したがって、第2の参照線1514の測定された長さと実際の長さとの間の比は、深度不整合が分注先端において起こる量(すなわち、分注先端が
図59の略
図3のようにY方向に傾転される量)を示すことができる。
【0632】
動作1658では、先端整合検出デバイス1114は、比を使用して物質の検出された体積を補正するように動作する。第2の参照線1514の測定された長さと実際の長さとの間の比は、分注先端の深度不整合の程度と相関性があるため、比はまた、捕捉された画像から検出される物質の体積とも相関性がある。したがって、比は、捕捉された画像から推定される分注先端内の物質の体積を調節するために使用されることができる。
【0633】
第2の参照線1514は、動作1652、1654、1656、および1658で使用されることが主に説明されるが、他の参照線または点も、同一の動作に使用されることができる。例えば、第1の参照線1512または分注先端1510内の他の特徴が、第2の参照線1514の代わりに使用されることができる。
【0634】
図示される実施例では、第2の参照線1514の測定された長さと第2の参照線1514の実際の長さとの間の比が、測定された体積を調節するために使用されることが、主に説明される。しかしながら、別の実施形態では、方法1650は、分注先端の中へ試薬、サンプル、または基質等の特定の物質を吸引する前に行われることができる。本願では、比が事前判定された閾値を満たさない場合、先端整合検出デバイス1114は、意図された物質が分注先端の中へ吸引されることを防止するように動作する、またはそのような意図された物質の吸引が行われるべきではない、もしくは注意して行われるべきであるという通知を生成するように動作することができる。
【0635】
図66は、第2の参照線を使用して体積を補正するための別の例示的方法1670を図示する、フローチャートである。方法1650は、カメラユニットに対する分注先端の深度不整合を概略的に図示する、
図67も参照して説明される。
【0636】
本方法1670では、動作1672、1674、および1676は、
図65の動作1652、1654、および1656と同じであり、もしくは類似し、したがって、これらの動作の説明は、簡潔にするために省略されている。
【0637】
動作1678では、先端整合検出デバイス1114は、動作1676において計算される比に基づいて、深度角度D(
図59および
図67の略
図3)を計算する。深度角度Dは、分注先端がY方向(すなわち、深度方向)に傾転される角度を表し、比と相関性がある。
【0638】
動作1680では、先端整合検出デバイス1114は、深度角度Dに基づいて着目線E’を計算する。着目線E’は、分注先端の近接端1684を、カメラと適切に整合された分注先端の第2の参照線1514の中心1686との間に延在する(すなわち、垂直線1687と整合される)カメラ視点線1685に接続する、線を表す。着目線E’は、カメラ視点線1685から分注先端の近接端1684まで垂直に延在する。
【0639】
いくつかの実施形態では、着目線E’は、
図67で描写されるように、線Eおよび角度D’を使用して計算されることができる。いくつかの実施形態では、角度D’は、角度D’およびDが比較的小さい、深度角度Dに近似されることができる。線Eは、分注先端の近接端1684とカメラ視点線1688との間に延在する線である。カメラ視点線1688は、カメラおよび不整合分注先端1690の第2の参照線1514の中心1689から延在する(すなわち、深度角度Dにおいて不整合である)。したがって、着目E’は、不整合分注先端から取得される線Eの調節または補償に対応する。
【0640】
いくつかの実施形態では、
図67に図示されるように、先端整合検出デバイス1114は、分注先端画像捕捉ユニット130(
図10)の中に含まれる、カメラユニット2550を含む、または利用する。
図2に図示されるように、カメラユニット2550は、サンプル精密ピペット操作ユニット(「サンプル精度ガントリ」)152B上に搭載される。上記で説明されるように、カメラユニット2550およびその関連付けられる構成要素は、カメラユニット550およびその関連付けられる構成要素(例えば、光源551、光源552、ならびに画面553)と同様に構成される。カメラユニット2550の一実施例は、Cognex Corporation(Natick, MA)から入手可能な部品番号AE3−IS−CQBCKFP2−B等のAE3−ISマシンビジョンカラーカメラ+IOボードである。
【0641】
動作1682では、先端整合検出デバイス1114は、着目線E’に基づいて、検出された体積を調節する。
【0642】
図68は、先端整合検出デバイス1114によって行われる補正前および補正後の容器検出のデータ1694の例示的表である。表1994では、第2の列は、補正前に分注先端の中へ吸引される物質の検出された体積を示し、第3の列は、先端整合検出デバイス1114を使用する補正後の物質の体積を示す。
【0643】
図69−79を参照すると、粒子濃度チェックシステム124の実施例が説明される。
【0644】
図69は、
図1の粒子濃度チェックシステム124の実施例のブロック図である。いくつかの実施形態では、粒子濃度チェックシステム124は、反応容器粒子濃度チェックシステム1700を含む。
【0645】
反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、反応容器の中に含有される流体物質中の粒子濃度を判定するように動作する。他の実施形態では、反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、器具100の中でプロセスの全体を通して使用される、サンプル容器、希釈容器、およびキュベット等の他のタイプの容器内の粒子濃度を検出するために使用されることもできる。いくつかの実施形態では、反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、本明細書に説明されるような容器画像捕捉ユニット132を使用する。
【0646】
臨床診断用途では、常磁性粒子を使用する結合・遊離分離は、典型的には、具体的信号を生成するために使用される。しかしながら、ある公差に起因して、異なるサイズを伴う粒子が残留することができ、1つまたはそれを上回る洗浄ステップにわたって一貫した粒子留保率を有することを困難にし得る。洗浄を通して粒子損失に影響を及ぼす、いくつかの要因がある。要因の実施例は、分注先端整合、反応容器の位置付け、および再懸濁回転速度変化を含む。しかしながら、そのような要因は、精密に監視されることができない。
【0647】
図4に説明されるように、粒子濃度または粒子留保率を測定するための一例示的方法は、洗浄後に残される粒子を直接測定するツールとして標識常磁性粒子(例えば、アルカリホスファターゼ)を使用することである。標識常磁性粒子によって生成される光等の信号は、信号が粒子量に比例すると仮定して、粒子濃度を推定するように測定される。しかしながら、本方法は、結果を取得するためにある程度の時間(例えば、少なくとも約5分)を要する、酵素反応を要求し得る。本方法はまた、洗浄あたりの常磁性粒子を計算するために、単一の洗浄後の結果および2回の洗浄後の結果を比較することも要求する。付加的費用が、標識粒子等の診断ツールを提供するために要求される。アルカリホスファターゼ活性および結合能力は、より長く持続せず、したがって、安定性周期を検討して定義する必要がある。
【0648】
反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、反応容器の画像を分析することによって、粒子留保率を識別するように動作する。反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、反応容器内で異なる濃度の粒子を作成することによって、現場で較正データを生成することができる。
【0649】
本明細書に説明されるように、反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、器具100の一部であり、したがって、本明細書に説明されるような器具100のシステム、デバイス、構成要素、エンジン、および他の部品に関連して動作される。
【0650】
図70は、異なる粒子濃度を伴う反応容器の例示的画像1701を示す。左の画像は、キュベット320(
図4)および反応容器728(
図23)等の反応容器1707内の流体物質1708が他の画像よりも少ない粒子を含有することを示す。中心画像は、反応容器内の流体物質が左の画像よりも多く、右の画像よりも少ない粒子を含有することを示す。右の画像は、反応容器内の流体物質が他の画像よりも多くの粒子を含有することを示す。描写されるように、常磁性粒子濃度がより高くなるとき、濁度が増加し、したがって、輝度がそれに応じて変化する。粒子の数が反応容器の中で増加すると、反応容器のバックライトから生成され、反応容器を通して透過される光子の数は、より少なくなる。故に、輝度は、カメラによって捕捉される反応容器の画像上で変化する。
【0651】
反応容器の画像内の輝度は、反応容器内の粒子濃度だけでなく、カメラ露光時間にも依存し得る。光学カメラ露光時間は、検定のタイプおよび所望の粒子濃度の量に応じて判定されることができる。さらに、粒子濃度測定の変動性は、粒子濃度の関数として変動する。したがって、いくつかの実施形態では、特定の粒子濃度範囲が、正確な測定を取得するために使用されるものである。
【0652】
図71は、反応容器粒子濃度チェックシステム1700の実施例のブロック図である。いくつかの実施形態では、反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、画像捕捉デバイス1702と、較正データ生成デバイス1704と、画像評価デバイス1706とを含む。
【0653】
画像捕捉デバイス1702は、反応容器1707の中に含有される流体物質1708の画像1701を捕捉するように動作する。いくつかの実施形態では、画像捕捉デバイス1702は、カメラユニット730と、光源732(または画面733)とを含む、容器画像捕捉ユニット132を利用する。いくつかの実施形態では、画像捕捉デバイス1702の光源732は、白色バックライトを生成する。他の実施形態では、光源732は、画像捕捉中に固定されることができるか、または可変であり得るかのいずれかである、1つもしくはそれを上回る着色バックライトを提供する。
【0654】
反応容器1707内の流体物質1708は、着目粒子を含有し、粒子の濃度は、画像1701を分析することによって測定されるものである。いくつかの実施形態では、流体物質1708は、サンプル、試薬、基質、および/または他の物質の混合物を含む。流体物質1708の一実施例は、
図4に示されるように、第1の試薬322、サンプル324、第2の試薬332、および基質340の混合物である。
図4の実施例では、流体物質1708は、基質340が反応容器の中へ分注される、動作310後の物質であることができる。反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、反応容器内の標識常磁性粒子の濃度を測定することができる。
【0655】
較正データ生成デバイス1704は、反応容器内の粒子濃度を判定するために使用可能な較正データを生成するように動作する。較正データ生成デバイス1704の実施例は、
図73を参照して説明される。
【0656】
画像評価デバイス1706は、画像捕捉デバイス1702によって捕捉される反応容器の画像を評価するように動作する。捕捉された画像は、反応容器1707の中に含有される粒子の濃度を判定するように評価される。
【0657】
図72は、反応容器の中に含有される流体物質中の粒子濃度を測定するための例示的方法1720を図示する、フローチャートである。いくつかの実施形態では、方法1720は、反応容器粒子濃度チェックシステム1700および/または器具100の他の部品によって行われることができる。
【0658】
動作1712では、流体物質1708が、プログラムされた通りに、反応容器1707に分注される。いくつかの実施形態では、反応容器1707は、コンテナキャリッジデバイス720の中で支持される。流体物質の実施例は、本明細書に説明されるように、サンプル、希釈液、試薬、基質、またはそれらの任意の組み合わせを含む。例えば、希釈液または試薬が、洗浄ホイールのための診断モード中に使用される。いくつかの実施形態では、反応容器1707は、サンプル等の他の流体物質をすでに含有し、流体物質1708が反応容器1707に分注された後、流体物質1708は、反応容器1707の中で他の流体物質と混合される。混合は、流体物質と直接接触する撹拌器、流体物質と直接もしくは間接接触する超音波プローブ、または任意の他の好適な混合装置を用いて行われることができる。
【0659】
動作1714では、コンテナキャリッジデバイス720は、分注された物質を含有する反応容器1707を容器画像捕捉ユニット132に輸送する。いくつかの実施形態では、容器画像捕捉ユニット132は、輸送を伴わずに、分注後に反応容器1707の画像を捕捉するように配列される。他の実施形態では、動作1712における分注は、容器画像捕捉ユニット132が定位置に配列され、分注後に反応容器1707を移動させることなく、反応容器1707の画像を捕捉する場所で起こる。
【0660】
動作1716では、容器画像捕捉ユニット132は、反応容器1707の画像1701を捕捉する。いくつかの実施形態では、コンテナ1707の画像1701は、事前判定された解像度のデジタル画像である。いくつかの実施形態では、容器画像捕捉ユニット132は、事前判定された時間周期にわたる混合後に反応容器1707の画像1702を捕捉する。例えば、容器画像捕捉ユニット132は、混合の約6.5秒後に反応容器1707の画像1702を捕捉する。
【0661】
動作1718では、反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、反応容器1707内の着目粒子の留保率を判定するように、画像を分析する。動作1718の実施例は、
図76を参照してさらに詳細に説明される。
【0662】
動作1720では、反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、測定された粒子濃度が濃度閾値を満たすかどうかを判定する。測定された粒子濃度が閾値外であるとき、反応容器1707の中の流体物質の分注は、不適切と見なされる。いくつかの実施形態では、濃度閾値は、異なるタイプの検査物質に応じて変動する。濃度閾値の実施例は、
図77を参照して説明される。
【0663】
測定された粒子濃度が閾値を満たすことが判定されるとき(動作1720において、「はい」)、方法1710は、続けて事前判定された次のステップを行う。そうでなければ(動作1720において、「いいえ」)、方法1710は、動作1722に移行する。
【0664】
動作1722では、反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、反応容器内の物質が後続のプロセスのために適切ではないことを示すように、反応容器にフラグを付ける。他の実施形態では、流体物質を使用した検査結果全体は、検査結果が不適切であり得ることを示す、または示唆するように、フラグを付けられることができる。代替として、反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、器具100の中の関連付けられる検査または分析プロセスを停止するように動作する。他の実施形態では、評価結果は、流体物質の不適切な体積に起因して誤りがあり得る、検査結果を自動的に調節するために使用されることができる。
【0665】
図73は、較正データを生成するための例示的方法1730を図示する、フローチャートである。方法1730は、較正データを生成するために使用される例示的物質の表1750である
図74、および較正データからプロットされる例示的較正曲線1760ならびに1762を示す
図75も参照して説明される。いくつかの実施形態では、方法1730は、較正データ生成デバイス1704によって行われる。
【0666】
動作1732では、異なる粒子濃度を伴う複数の物質が、個別の反応容器の中へ分注される。一例として、
図74に示されるように、6つの既知の粒子濃度を伴う6つの物質が、6つの反応容器の中へ分注される。物質の数が増加すると、較正データは、より正確で信頼性があり得る。
【0667】
いくつかの実施形態では、特定の粒子濃度を伴う物質が、最初に、反応容器の中に事前判定された量の粒子を分注し、反応容器の中へ事前判定された量の基質を分注することによって、調製されることができる。
図74の実施例では、100%濃度倍率を伴う第1の物質が、200μLの粒子(例えば、常磁性粒子)および0μLの基質を分注することによって調製され、90%濃度倍率を伴う第2の基質が、180μLの粒子および20μLの基質を分注することによって調製され、80%濃度倍率を伴う第3の物質が、160μLの粒子および40μLの基質を分注することによって調製され、70%濃度倍率を伴う第4の物質が、140μLの粒子および60μLの基質を分注することによって調製され、60%濃度倍率を伴う第5の物質が、120μLの粒子および80μLの基質を分注することによって調製され、50%濃度倍率を伴う第6の物質が、100μLの粒子および100μLの基質を分注することによって調製される。
【0668】
図示される実施形態では、動作1732は、複数の反応容器の中へ異なる粒子濃度を伴う物質を同時に分注することによって行われる。他の実施形態では、異なる濃度を伴う物質が、1つずつ反応容器の中へ分注され、各反応容器が、後続の動作において撮像され、輝度を判定するように分析される。
【0669】
動作1734では、反応容器が、容器画像捕捉ユニット132まで移動される。他の実施形態では、反応容器は、事前に定位置に配列される。
【0670】
動作1736では、容器画像捕捉ユニット132は、反応容器1707のそれぞれの画像を捕捉する。いくつかの実施形態では、捕捉された画像は、グレースケールデジタル画像である。他の実施形態では、捕捉された画像は、カラーデジタル画像である。
【0671】
動作1738では、捕捉された画像はそれぞれ、反応容器の中に含有される物質の輝度を判定するように分析される。いくつかの実施形態では、輝度は、0〜255の範囲等のグレースケール範囲によって識別される。他の範囲も、他の実施形態で可能である。
【0672】
動作1740では、較正データが、物質の輝度および物質の既知の粒子濃度を相関させることによって生成される。全ての物質が評価されるとき、較正データは、検査物質中の粒子濃度を評価するための基準として使用され得る、較正曲線にプロットされることができる。
【0673】
本明細書に説明されるように、各検定は、性能を最適化するように、異なる粒子タイプおよび粒子濃度を有する。したがって、較正データおよび較正曲線は、異なる検定が粒子濃度を正確に検出するために取得される必要がある。
【0674】
図75に示されるように、較正データ1760の例示的セットが、2ミリ秒の露光時間とともにトロポニンI(TnI)の物質タイプに関して提示される。較正データ1762の例示的セットが、1ミリ秒の露光時間とともに総トリヨードチロニン(TT3)の物質タイプに関して提示される。較正曲線が、これらの実施例で描写されるようなデータ点を使用してプロットされることができる。
【0675】
図76は、反応容器の中に含有される流体物質中の粒子濃度を測定するための例示的方法1770を図示する、フローチャートである。いくつかの実施形態では、方法1770は、反応容器粒子濃度チェックシステム1700および/または器具100の他の部品によって行われる。
【0676】
本方法1770では、動作1772および1774は、
図72の動作1712、1714、および1716と同様に行われる。したがって、これらの動作の説明は、簡潔にするために省略されている。
【0677】
動作1776では、反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、方法1730において取得されるような較正データを読み出す。
【0678】
動作1778では、反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、反応容器内の物質の輝度を判定するように、捕捉された画像を分析する。次いで、反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、判定された輝度および較正データに基づいて、反応容器内の粒子濃度を判定する。
【0679】
いくつかの実施形態では、捕捉された画像内の物質の輝度は、事前判定された範囲のグレースケール値(例えば、0〜255のグレースケール)等の数値として識別されることができる。他の実施形態では、異なる識別が、捕捉された画像内の物質の輝度を表すために使用されることができる。いったん物質の輝度が捕捉された画像内で判定されると、較正データが、判定された輝度に対応する粒子濃度値を見出すように調べられる。較正データが判定された輝度に対応する正確なデータ点を有していない場合、濃度値が、既知のデータ点に基づいて推定されることができる。代替として、較正データから取得される較正曲線は、捕捉された画像内の物質の輝度に対応する粒子濃度値を判定するために使用されることができる。
【0680】
動作1780では、反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、測定された粒子濃度が濃度閾値を満たすかどうかを判定する。測定された粒子濃度が閾値を満たすことが判定されるとき(動作1780において、「はい」)、方法1770は、続けて事前判定された次のステップを行う。そうでなければ(動作1780において、「いいえ」)、方法1770は、動作1782に移行する。
【0681】
動作1782では、反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、反応容器内の物質が後続のプロセスのために適切ではないことを示すように、反応容器にフラグを付ける。他の実施形態では、流体物質を使用した検査結果全体は、検査結果が不適切であり得ることを示す、または示唆するように、フラグを付けられることができる。代替として、反応容器粒子濃度チェックシステム1700は、器具100の中の関連付けられる検査または分析プロセスを停止するように動作する。他の実施形態では、評価結果は、流体物質の不適切な体積に起因して誤りがあり得る、検査結果を自動的に調節するために使用されることができる。
【0682】
図77は、異なる検定物質の例示的濃度閾値の例示的表1790である。測定された粒子濃度が関連付けられる閾値外であるとき、反応容器の中の流体物質の分注は、不適切と見なされ、フラグを付けられることができる。示されるように、異なる検定物質1792は、異なる濃度閾値1794を有する。例えば、HBcAbに関して、所望の粒子濃度1796は、6.7mg/mLであり、濃度閾値1794は、85%と等しいまたはそれを上回る。したがって、HBcAb中の粒子濃度が6.7mg/mLの85%(約5.695mg/mL)と等しいまたはそれを上回る場合、反応容器は、検査のために容認可能と見なされる。
【0683】
図78および79を参照すると、反応容器粒子濃度チェックシステム1700の動作ならびに機能はまた、コーティングされていない粒子が、結合・遊離機能を一般化し、システム故障を検出するために使用され得る、診断機能の一部として使用されることもできる。具体的には、
図78は、例示的診断方法1800のフローチャートである。方法1800は、較正データが作成される動作1802と、診断検査が行われる動作1804とを含む。
図79はさらに、方法1800を図示する。いくつかの実施形態では、方法1800の動作1802は、動作1810、1812、1814、1816、および1820を含み、動作1804は、動作1820、1822、1824、1826、および1830を含む。これらの動作は、上記で説明されるような反応容器粒子濃度チェックシステム1700によって行われる動作と同じく、または同様に行われる。したがって、方法1800における動作は、簡潔にするために簡単に説明される。
【0684】
動作1802を行うために、着目粒子が、容器の中へ分注される(動作1810)。次いで、緩衝溶液が、容器の中に分注され(動作1812)、容器が混合される(動作1814)。次いで、容器の画像が、容器が画像捕捉ユニットまで移動された後に捕捉される(動作1816)。捕捉された画像は、較正データを取得するように分析される(動作1818)。
【0685】
動作1804を行うために、着目粒子が、容器の中へ分注される(動作1820)。次いで、緩衝溶液が、容器の中に分注され(動作1822)、容器が混合される(動作1824)。次いで、容器の画像が、容器が画像捕捉ユニットまで移動された後に捕捉される(動作1826)。捕捉された画像は、較正データに基づいて粒子濃度を測定するために分析される(動作1828)。取得された粒子濃度は、診断機能を果たすために使用されることができる。
【0686】
上記で説明される種々の実施形態は、例証として提供されるにすぎず、本明細書に添付された請求項を限定すると解釈されるべきではない。当業者は、本明細書に図示および説明される例示的実施形態ならびに用途に従うことなく、かつ以下の請求項の真の精神および範囲から逸脱することなく行われ得る、種々の修正ならびに変更を容易に認識するであろう。