特許第6800248号(P6800248)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 山▲東▼理工大学の特許一覧

特許6800248CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途
<>
  • 特許6800248-CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途 図000026
  • 特許6800248-CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途 図000027
  • 特許6800248-CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途 図000028
  • 特許6800248-CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途 図000029
  • 特許6800248-CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途 図000030
  • 特許6800248-CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途 図000031
  • 特許6800248-CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途 図000032
  • 特許6800248-CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途 図000033
  • 特許6800248-CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途 図000034
  • 特許6800248-CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途 図000035
  • 特許6800248-CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途 図000036
  • 特許6800248-CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途 図000037
  • 特許6800248-CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途 図000038
  • 特許6800248-CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途 図000039
  • 特許6800248-CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途 図000040
  • 特許6800248-CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途 図000041
  • 特許6800248-CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途 図000042
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6800248
(24)【登録日】2020年11月26日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】CO2ドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びその発泡剤としての用途
(51)【国際特許分類】
   C09K 3/00 20060101AFI20201207BHJP
   B82B 1/00 20060101ALI20201207BHJP
   C08G 18/00 20060101ALI20201207BHJP
   C08J 9/08 20060101ALI20201207BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20201207BHJP
【FI】
   C09K3/00 111B
   B82B1/00ZNM
   C08G18/00 HZAB
   C08J9/08CET
   C08J9/08CEV
   C08G101:00
【請求項の数】18
【全頁数】61
(21)【出願番号】特願2018-562596(P2018-562596)
(86)(22)【出願日】2017年5月11日
(65)【公表番号】特表2019-523794(P2019-523794A)
(43)【公表日】2019年8月29日
(86)【国際出願番号】CN2017083949
(87)【国際公開番号】WO2017206693
(87)【国際公開日】20171207
【審査請求日】2018年11月29日
(31)【優先権主張番号】201610392162.3
(32)【優先日】2016年6月2日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518420341
【氏名又は名称】山▲東▼理工大学
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲畢▼ 戈▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】▲畢▼ 玉遂
【審査官】 井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−202609(JP,A)
【文献】 特表2010−511733(JP,A)
【文献】 特表2011−511141(JP,A)
【文献】 特表2007−528434(JP,A)
【文献】 特開2001−096544(JP,A)
【文献】 特開平04−253718(JP,A)
【文献】 特開平08−073554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 3/00
C07C 1/00−409/44
C08G 18/00− 71/04
C08F 2/00− 2/60
C08F283/01
C08F290/00−299/08
C08J 9/00− 9/42
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡剤であって、下記の一般式(I)を有する有機アミン塩化合物又は下記の一般式(I)を有する有機アミン塩化合物の混合物を含み、
n− [ Bm+ (I)
式において、An−はCOドナーとしての−n価のアニオンであって、n=1又は2であり、
m+は、+1価のアンモニウムイオン、+1価のヒドラジンイオン(HN−NH)、+2価のヒドラジンイオン(HN−NH)、及び/又はm個の−NRH基及び/又は−NRH−基を有する一種類又は複数種類の有機アミン(B)のカチオンを含み、
m=1−5であり、
【化1】
であり、
n−は、下記のアニオンから選択される一種類又は複数種類であり、
(a)炭酸イオン:CO2−
(c)炭酸水素イオン:HO−COO
ここで、R又はRは、H、R、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂肪族炭化水素基、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂環式炭化水素基、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C10芳香族炭化水素基からそれぞれ別々に選択され;
前提条件として、前記一般式(I)の化合物はNに結合されたR基を少なくとも一つ有し;
当該R基は、下記の基から選択される一種類又は複数種類であり、
(1a)H[OCH(R1a)CH(R2a)]−;
(2a)H[OCH(R1a)CH(R2a)CH(R3a)]−;又は、
(3a)H[OCH(R1a)CH(R2a)CH(R3a)CH(R4a)]−;
ここで、qの値又は平均値は、q=1−4であり、R1a、R2a、R3a又はR4aは、H、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂肪族炭化水素基、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂環式炭化水素基、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C10芳香族炭化水素基からそれぞれ別々に選択され;
ここで、有機アミン化合物(B)は、2−50個の炭素原子を有する有機アミン化合物であり;及び
発泡剤中の水の含有量は5−40wt%であり、一般式(I)の化合物又は混合物は、一般式(I)の化合物又は混合物の総重量に対して、22−96wt%のモノアルカノールアミンの塩及びジアルカノールアミンの塩を含有する、発泡剤。
【請求項2】
(1a)H[OCH(R1a)CH(R2a)]−は、H(OCHCH−、H(OCHCH(CH))−、H(OCH(CH)CH−、H(OCHCH(C))−、H(OCH(C)CH−、H(OCHCH(CHCl))−、H(OCH(CHCl)CH−、又はH(OCHCH(CBr))−である、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項3】
発泡剤のpH値は7.5−10である、請求項1又は2に記載の発泡剤。
【請求項4】
発泡剤中の水の含有量は5−35wt%であり、及び/又は
発泡剤のpH値は7.8−9.5である、請求項3に記載の発泡剤。
【請求項5】
発泡剤中の水の含有量は10−30wt%であり、及び/又は
発泡剤のpH値は8−9.5である、請求項4に記載の発泡剤。
【請求項6】
発泡剤において、一般式(I)の化合物と水の総含有量は、発泡剤の総重量に対して、70−100%であり、及び/又は
一般式(I)の化合物は平均的に各分子が1.5−5個のR基を含有する、請求項1又は2に記載の発泡剤。
【請求項7】
発泡剤において、一般式(I)の化合物と水の総含有量は、発泡剤の総重量に対して、80−99.0%である、請求項6に記載の発泡剤。
【請求項8】
有機アミンBは、m〜m+3個の第一級アミン、第二級アミン及び/若しくは第三級アミン基を有し、又は第四級アンモニウム基を有し、並びにあるいは
前記有機アミン化合物(B)は、2−20個の炭素原子を有する有機アミン化合物である、請求項1又は2に記載の発泡剤。
【請求項9】
又はRは、H、R、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂肪族炭化水素基、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいシクロブチル基又はシクロヘキシル基、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいフェニル基又はメチルフェニル基からそれぞれ別々に選択され、かつ、R1a、R2a、R3a又はR4aは、H、メチル基又はヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいエチル基、又はヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいプロピル基又はイソプロピル基、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいシクロヘキシル基、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいフェニル基又はメチルフェニル基からそれぞれ別々に選択され、
R基は、HOCHCH−、HOCHCH(CH)−、HOCH(CH)CH−、HOCHCH(C)−、HOCH(C)CH−、HOCHCH(CHCl)−、HOCH(CHCl)CH−、HOCHCH(CBr)−又はHOCH(CBr)CH−である、請求項1記載の発泡剤。
【請求項10】
1a、R2a、R3a又はR4aは、H、メチル基,クロロメチル基、ブロモメチル基、エチル基、シクロヘキシル基、又はフェニル基からそれぞれ別々に選択される、請求項9に記載の発泡剤。
【請求項11】
発泡剤を製造する方法であって、
当該方法は、第1の原料と第2の原料を水中で、オプションで触媒の存在下で、反応させることを含み、ここで、第1の原料は、下記から選択される一種類又は複数種類を含み:
N−COONH、RN−COOHの有機アミン類化合物(M)塩、RN−COOHのヒドラジン塩、RN−NH−COONH、RN−NH−COOHのヒドラジン塩、又はRN−NH−COOHの有機アミン類化合物(M)塩であって、ここで、R又はRは、H、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂肪族炭化水素基、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されたいずれかのC−C脂環式炭化水素基、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C10芳香族炭化水素基からそれぞれ別々に選択され;
(NHCO、炭酸ヒドラジン、炭酸アンモニウムヒドラジン、又は炭酸有機アミン類化合物(M)塩;
HO−COONH、炭酸水素ヒドラジン、又は有機アミン類化合物(M)の炭酸水素塩;
第2の原料は、下記から選択される一種類又は複数種類を含む:
【化2】
又はスチレンオキシド、ここで、R1a、R2a、R3a又はR4aは、H、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂肪族炭化水素基、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂環式炭化水素基、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C10芳香族炭化水素基からそれぞれ別々に選択され;
前記の有機アミン類化合物(M)は、下記から選択される有機アミン類化合物である:
−C24ヒドロカルビルアミン類;
ジ(C−C16ヒドロカルビル)アミン類;
−C14ヒドロカルビレン基ジアミン類;
−C16ポリアルキレンポリアミン類;
三個の第一級アミン基を有するC−C18有機トリアミン類、又は四個の第一級アミン基を有するC−C18有有機テトラミン類;又は、
−C10アルカノールアミン類
から選択され、及び、
発泡剤中の水の含有量は5−40wt%であり、化合物の総重量に対して、25−95wt%のモノアルカノールアミンの塩及びジアルカノールアミンの塩を有し、又は、当該発泡剤は、化合物の総重量に対して、15−90wt%のモノアルカノールアミン及びジアルカノールアミンを有する、方法。
【請求項12】
当該エポキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、ブチレンオキシド、又はエポキシクロロブタン又はスチレンオキシド、及びそれらのいずれか二種類又は複数種類の混合物であり、及び/又は、
触媒はアンモニア水である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ポリウレタン発泡組成物であって、
0.01−100重量%の請求項1乃至10のいずれか1項に規定の発泡剤
−50重量%の物理発泡剤、
0−5重量%の水、及び
0.0−99.99重量%のポリマーポリオール、を含み、
ここで、前記重量%は、ポリウレタン発泡組成物の総重量に基づくものである、ポリウレタン発泡組成物。
【請求項14】
0.1−80重量%の請求項1乃至10のいずれか1項に規定の発泡剤
−40重量%の物理発泡剤、
0−4重量%の水、及び
20.0−99.9重量%のポリマーポリオール、を含み、
ここで、前記前記重量%は、ポリウレタン発泡組成物の総重量に基づくものである、請求項1に記載のポリウレタン発泡組成物。
【請求項15】
3−60wt%の請求項1乃至10のいずれか1項に規定の発泡剤、;
0−40重量%の物理発泡剤、
0−4重量%の水、及び
40−97wt%重量%のポリマーポリオール、を含み、
ここで、前記前記重量%は、ポリウレタン発泡組成物の総重量に基づくものである、請求項1に記載のポリウレタン発泡組成物。
【請求項16】
合計0.5−4wt%の水を含有する、請求項1に記載のポリウレタン発泡組成物。
【請求項17】
ポリウレタン泡沫材料であって、
請求項1乃至1のいずれか1項に規定のポリウレタン発泡組成物がポリイソシアネート単体及び/又はイソシアネート末端のプレポリマーに混合され反応で形成されたものである、ポリウレタン泡沫材料。
【請求項18】
ビス(ヒドロキシエチルアミン)カーボネート、ジ(ヒドロキシプロピルアミン)カーボネート、炭酸水素(ヒドロキシエチルアミン)塩、炭酸水素(ヒドロキシプロピルアミン)塩、ジエチレントリアミンの炭酸塩、トリエチレンテトラミンの炭酸塩、テトラメチレンペンタミンの炭酸塩、ジプロピレントリアミンの炭酸塩、トリプロピレンテトラミンの炭酸塩及びテトラプロピレンペンタミンの炭酸塩を発泡剤とする用途であって、それらはポリスチレン発泡又はポリ塩化ビニル発泡に用いられる、用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、COドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物及びそれが発泡剤としての用途に関し、更に具体的に、COドナーとしてのアニオンを有するだけでなく、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルキルアルコキシ基も有する基を、可溶化性基とするか、又はC2−C14ヒドロカルビル基(例えば、2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基又はフェネチル基)を可溶化性基とする新型の有機アミン塩類化合物、及びそれがポリウレタンフォーム又はPVC発泡材料又はポリスチレン発泡等の材料のような発泡材料における応用を提供している。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン硬質フォームは新しい高分子材料として、重量が軽く、強度が強く、極めて低い熱伝導率を有するため、高品質の断熱保温材料であり、冷蔵保温に広く応用され、特に、化学武器の冷蔵保温、建筑の省エネルギー、太陽エネルギー、自動車、冷蔵庫冷凍庫等の家電等の産業に応用される。ポリウレタン硬質フォームの生産で最も重要な原料は、発泡剤である。現在、これら発泡剤は、シクロペンタン以外に全部クロロフルオロカーボン含有物質であって、大気のオゾン層を破壊するため、各国の政府は既に「モントリオール議定書」の国際協約に署名して、このような製品の生産と使用に対する制限と淘汰と禁止を行っている。中国も同協定に署名している。
【0003】
現在、中国はまだ第2世代のクロロフルオロカーボン含有発泡剤HCFC−141b(フルオロジクロロエタン)とシクロペンタンを使用するが、欧米等の先進国では既にHCFC−141bの使用が禁止されている。中国政府は、2009年と2010年の消費レベルで、2013年にHCFC−141bの消費を凍結し、2015年には消費量の20%を削減し、2025年以前に生産と使用を完全に禁止することを約束した。現在、欧米等の先進国で使用されているのは、第3世代の発泡剤であるペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)とペンタフルオロブタン(HFC−365)であり、第2、第3世代の発泡剤のGWP(地球温暖化係数)はいずれも高いため、欧米は2019年以前に第3世代の発泡剤の使用を禁止するようとしている。よって、アメリカのハネウェル社はまた、第4世代の物理発泡剤であるクロロトリフルオロプロピレン(LBA)を開発し、そのODP(オゾン層を破壊する係数)はゼロであって、第3世代に比べて比較的環境に優しいが、GWPが1を超え、当該製品は値段が高い。要するに、シクロペンタン以外のこれら物理発泡剤自身及び生産過程は、塩素フッ素元素に関連するため、環境問題は完全に解決できず、淘汰される。
【0004】
従来技術には、COを直接にポリウレタン発泡剤とすることが開示されているが、COガスの逃出し、及びそれが原料MDIとポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオール中の溶解度が良くないため、COガスが発泡組成物中で均一に分散できず、発泡過程が制御し難い。
【0005】
また、従来技術には少量の水を直接にポリウレタン発泡剤とすることが開示されているが、水分子の水素結合とポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールでの水の溶解度が良くないため、水分子が液滴の形で発泡組成物(例えば、ポリエーテルポリオール成分)中に存在し、発泡材料中で局部的な過反応及び発泡が引き起こされる。水を発泡剤とすると、ポリウレタン泡沫材料中に比較的多い尿素結合を有するため、泡沫材料の強度と断熱特性に大きく影響する。なお、発泡剤として用いられる水の量がわずかに増加すると、ポリウレタン発泡体の特性及び寸法安定性が著しく影響される。水が唯一の発泡剤として用いられると、ポリウレタンフォームには収縮、スコーチ及び断熱不良の問題(shrinkage,scorching,inadequate heat insulation)がある。
【0006】
要するに,従来技術における発泡剤(例えば、水)は、分子レベルで発泡組成物中に分散できないため、セルの不均一な分布及びセルサイズの不均一性が生じ、最終的に発泡体の強度及び断熱特性に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術中に存在する欠点を克服するために、本発明の発明目的は、クロロフルオロカーボンを含有せず、大気オゾン層を破壊しない、ポリウレタン発泡剤及びその製造方法を提供することである。
【0008】
本発明の目的は、COドナーとしてのアニオンを有するだけでなく、ヒドロキシアルキル又はヒドロキシアルキルアルコキシ基を可溶化基とするか又はC−C14ヒドロカルビル(如2−クロロエチル、3-クロロプロピル又はフェネチル)を可溶化基とする新型有機アミン塩類化合物、ポリウレタンフォーム又はPVC発泡材料又はポリスチレン発泡材料のような発泡材料中の応用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
当該新型の有機アミン塩類化合物は発泡剤として適切である。それが発泡過程でCOガスを生成する。本願の発明者は、COドナーとしての−n価のアニオンは、昇温される温度下で分解されてCOガスを生成し易く、更に比較的低い温度下で発泡されると、下記のCOドナーとしての−n価を有するアニオンは、MDI及びTDIに含まれるNCO基のようなイソシアネート単体により活性化されて、COガスを迅速に釈放することを意外に発見した。また、可溶化基を有して、発泡剤が十分に発泡原料(例えば、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオール)中に溶解させるか又は発泡原料との間に良好な相互溶解度を有するようにするため、本発明の発泡剤は、発泡組成物中に均一分散されて均一に発泡され、ポリウレタンフォーム中のセルの分布も比較的均一であり、セルのサイズは比較的均一である。また、本発明の発泡剤化合物は、ヒドロキシル基及び/又はアミノ基を含有し、当該発泡剤が分解されてCOを釈放した後に生成された分解生成物は依然としてヒドロキシル基及び/又はアミノ基を含有し、分解生成物の分子量が比較的低い時に、これらは鎖伸長剤又は架橋剤としてイソシアネートと反応してポリマーを形成するのに適切であるが、分解生成物の分子量が比較的高い(例えば、数平均分子量が100−3000)時に、これらは発泡組成物中の一部のポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールを代えることができ、例えば、従来技術の発泡組成物を基にポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールの投与量を適切に減少する。本分野の技術者は、本発明に記載の発泡剤の平均水酸基価及びポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールの平均水酸基価を基に本発明の発泡剤の投与量及びポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールの投与量を計算できる。特に、ポリオール及びポリイソシアネートを用いて発泡する過程で、若し本発明の有機アミン塩類化合物を発泡剤として用いると、有機アミン塩類化合物は「発泡点」とされるだけでなく「鎖伸長点」及び/又は「架橋点」とされ、セルの力学強度及び机械強度を明らかに高め、取得されたポリウレタンフォームは良好なサイズ安定性を有する。よって、上記の三つの方面を基に、本発明を完成した。
【0010】
本願において、「COドナーとしてのアニオン」とは、加熱の状況下又は在発泡過程で分解されてCOを釈放できるアニオンである。
【0011】
本発明の第1の実施案によると、下記の一般式(I)を有する有機アミン塩化合物(即ち、有機アルコールアミン塩化合物)又は有機アミン塩化合物の混合物(即ち、有機アルコールアミン塩化合物の混合物)を提供し、
n−[Bm+ (I)
式において、An−はCOドナーとしての−n価のアニオンであって、n=1、2又は3であり、
m+は、+1価のアンモニウムイオン、+1価のヒドラジンイオン(HN−NH)、+2価のヒドラジンイオン(HN−NH)、及び/又はm個の−NRH基及び/又は−NRH−基を有する一種類又は複数種類の有機アミンBのカチオンであるか又はこれらを含み、
m=1−10であって、m=1−5であることが好ましく、m=1−2であることが更に好ましく、
【化1】
であり、
n−は、下記のアニオンから選択される一種類又は複数種類であり、
(a)カルバミン酸イオン又はカルバゼートイオン:RN−COO又はRN−NH−COO
(b)炭酸イオン:CO2−
(c)ギ酸イオン:HCOO
(d)炭酸水素イオン:HO−COO
(e)有機モノカーボネートイオン:RO−COO、ここで、Rは、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C26ヒドロカルビル基(C−C10ヒドロカルビル基が好ましく、C−Cヒドロカルビル基が更に好ましい)、又はC−C26アシル基(C−C10アシル基が好ましく、C−Cアシル基が更に好ましい)であり;
(f)有機ポリカルバミン酸イオン:OOC−N(R)−R−N(R)−COO、又はR’(−N(R)−COO
式において、Rは、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C16ヒドロカルビレン基(hydrocarbylene)(C−C10ヒドロカルビレン基が好ましく、C−Cヒドロカルビレン基が更に好ましい)であり、R’は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよい三価C−C20ヒドロカルビル基(三価C−C15アルキレン基が更に好ましい)であり;
【化2】
式において、R’は、H、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C26ヒドロカルビル基(C−C10ヒドロカルビル基が好ましく、C−Cヒドロカルビル基が更に好ましい)、又はC−C26アシル基(C−C10アシル基が好ましく、C−Cアシル基が更に好ましい)であり;又は、
(h)有機基ポリカーボネートイオン:OOC−ORO−COO
式において、Rは、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C26ヒドロカルビレン基(C−C10ヒドロカルビレン基が好ましく、C−Cヒドロカルビレン基が更に好ましい)であり;
ここで、R、R、R又はRは、H、R、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂肪族炭化水素基(C−Cアルキル基が好ましく、C−Cアルキル基が更に好ましい)(例えば、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基)、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂環式炭化水素基(例えば、シクロブチル基又はシクロヘキシル基)、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C10芳香族炭化水素基(フェニル基又はメチルフェニル基が好ましい)からそれぞれ別々に選択され;
前提条件は、上記の一般式(I)の化合物において、R、R、R又はR中の少なくとも一つがN原子に結合されたR基であるか、又は前記一般式(I)の化合物はNに結合されたR基を少なくとも一つ有し;
当該R基は、下記の基から選択される一種類又は複数種類であり、
(1a)H[OCH(R1a)CH(R2a)]−、例えばH(OCHCH−、H(OCHCH(CH))−、H(OCH(CH)CH−、H(OCHCH(C))−、H(OCH(C)CH−、H(OCHCH(CHCl))−、H(OCH(CHCl)CH−又はH(OCHCH(CBr))−;
(2a)H[OCH(R1a)CH(R2a)CH(R3a)]−;又は、
(3a)H[OCH(R1a)CH(R2a)CH(R3a)CH(R4a)]−;
ここで、qの値又は平均値は、q=1−50であり、R1a、R2a、R3a又はR4aは、H、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂肪族炭化水素基、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂環式炭化水素基、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C10芳香族炭化水素基からそれぞれ別々に選択される。
【0012】
本発明の第2の実施案によると、下記の一般式(I)を有する有機アミン塩化合物(即ち、有機アルコールアミン塩化合物)又は有機アミン塩化合物の混合物(即ち、有機アルコールアミン塩化合物の混合物)を提供し、
n−[Bm+ (I)
式において、An−はCOドナーとしての−n価のアニオンであって、n=1、2又は3であり、
m+は、+1価のアンモニウムイオン(NH)、及び/又はm個の−NRH基及び/又は−NRH−基(即ち、m個の+Hに結合されてカチオンを形成する第一級アミン、第二級アミン及び/又は第三級アミン基)を有する一種類又は複数種類の有機アミンBのカチオン(即ち、一種類又は複数種類の有機アミンBで形成されたカチオン)であるか又はこれらを含み、
m=1−10であって、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9あるいは、10個、
【化3】
であり、
n−は、下記のアニオンから選択される一種類又は複数種類であり、
(a)カルバミン酸イオン:RN−COO
(b)炭酸イオン:CO2−
(c)ギ酸イオン:HCOO
(d)炭酸水素イオン:HO−COO
(e)有機モノカーボネートイオン:RO−COO、ここで、Rは、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C26ヒドロカルビル基(C−C10ヒドロカルビル基が好ましく、C−Cヒドロカルビル基が更に好ましい)、又はC−C26アシル基(C−C10アシル基が好ましく、C−Cアシル基が更に好ましい)であり;
(f)有機ポリカルバミン酸イオン:OOC−N(R)−R−N(R)−COO、又はR’(−N(R)−COO
式において、Rは、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C16アルキレン基(C−C10ヒドロカルビレン基が好ましく、C−Cヒドロカルビレン基が更に好ましい、例えば、−CH−CH−)、R’は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよい三価C−C20ヒドロカルビル基(三価C−C15アルキレン基が更に好ましい、例えば、−CH−CH(CH−)−CH−など)であり;
【化4】
式において、R’は、H、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C26ヒドロカルビル基(C−C10ヒドロカルビル基が好ましく、C−Cヒドロカルビル基が更に好ましい)、又はC−C26アシル基(C−C10アシル基が好ましく、C−Cアシル基が更に好ましい)であり;又は、
(h)有機ポリカーボネートイオン:OOC−ORO−COO
式において、Rは、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C26ヒドロカルビレン基(C−C10ヒドロカルビレン基が好ましく、C−Cヒドロカルビレン基が更に好ましい)であり;
ここで、R、R、R又はRは、H、R、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂肪族炭化水素基(C−Cアルキル基が好ましく、C−Cアルキル基が更に好ましい)(例えば、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基)、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂環式炭化水素基(例えば、シクロブチル基又はシクロヘキシル基)、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C10芳香族炭化水素基(フェニル基又はメチルフェニル基が好ましい)からそれぞれ別々に選択され;
前提条件は、上記の一般式(I)の化合物において、R、R、R又はR中の少なくとも一つ(例えば、1又は2個)がN原子に結合されたR基(即ち、N−R基)であるか、又は前記一般式(I)の化合物はNに結合されたR基を少なくとも一つ(例えば、1又は2個)(即ち、少なくとも一つのN−R基)有し;
当該R基は、下記の基から選択される一種類又は複数種類であり、
(1a)H[OCH(R1a)CH(R2a)]−、例えばH(OCHCH−、H(OCHCH(CH))−、H(OCH(CH)CH−、H(OCHCH(C))−、H(OCH(C)CH−、H(OCHCH(CHCl))−、H(OCH(CHCl)CH−又はH(OCHCH(CBr))−;
(2a)H[OCH(R1a)CH(R2a)CH(R3a)]−;又は、
(3a)H[OCH(R1a)CH(R2a)CH(R3a)CH(R4a)]−;
ここで、qの値又は平均値は、q=1−50であり、好ましくは1~20、より好ましくは1~5、より好ましくはq = 1~4、より好ましくはq = 1~3、特に好ましくはq = 1~2.5、より好ましくはq = 1.5~2.0、 qの平均として計算して、qは5~50、より好ましくは10~20であり; R1a、R2a、R3a又はR4aは、H、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂肪族炭化水素基、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂環式炭化水素基、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C10芳香族炭化水素基からそれぞれ別々に選択される。
【0013】
本発明の第3の実施案によると、下記の一般式(I)を有する有機アミン塩化合物(即ち、有機アルコールアミン塩化合物)又は有機アミン塩化合物の混合物(即ち、有機アルコールアミン塩化合物の混合物)を提供し、即ち、下記の一般式(I)のヒドラジノ基を有するアルコールアミン塩類化合物を提供し、
n−[Bm+ (I)
式において、An−はCOドナーとしての−n価のアニオンであって、n=1、2又は3であり、
m+は、+1価のアンモニウムイオン、+1価のヒドラジンイオン(HN−NH)、+2価のヒドラジンイオン(HN−NH)、及び/又はm個の−NRH基及び/又は−NRH−基を有する一種類又は複数種類の有機アミンBのカチオンであるか又はこれらを含み、
そして、An−及びBm+中の少なくとも一つは、ヒドラジンを含み、及び/又はヒドラジノ基又は置換ヒドラジノ基を含み、
m=1−10であって、m=1−5であることが好ましく、m=1−2であることが更に好ましく、
【化5】
であり、
n−は、下記のアニオンから選択される一種類又は複数種類であり、
(a)カルバミン酸イオン又はカルバゼートイオン:RN−COO又はRN−NH−COO
(b)炭酸イオン:CO2−
(c)ギ酸イオン:HCOO
(d)炭酸水素イオン:HO−COO
(e)有機モノカーボネートイオン:RO−COO、ここで、Rは、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C26ヒドロカルビル基(C−C10ヒドロカルビル基が好ましく、C−Cヒドロカルビル基が更に好ましい)、又はC−C26アシル基(C−C10アシル基が好ましく、C−Cアシル基が更に好ましい)であり;
(f)有機ポリカルバミン酸イオン:OOC−N(R)−R−N(R)−COO、又はR’(−N(R)−COO
式において、Rは、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C16ヒドロカルビレン基(C−C10ヒドロカルビレン基が好ましく、C−Cヒドロカルビレン基が更に好ましい)、R’は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよい三価C−C20ヒドロカルビル基(三価C−C15ヒドロカルビレン基が更に好ましい)であり;
【化6】
式において、R’は、H、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C26ヒドロカルビル基(C−C10ヒドロカルビル基が好ましく、C−Cヒドロカルビル基が更に好ましい)、又はC−C26アシル基(C−C10アシル基が好ましく、C−Cアシル基が更に好ましい)であり;又は、
(h)有機ポリカーボネートイオン:OOC−ORO−COO
式において、Rは、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C26ヒドロカルビレン基(C−C10ヒドロカルビレン基が好ましく、C−Cヒドロカルビレン基が更に好ましい)であり;
ここで、R、R、R又はRは、H、R、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂肪族炭化水素基(C−Cアルキル基が好ましく、C−Cアルキル基が更に好ましい)(例えば、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基)、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂環式炭化水素基(例えば、シクロブチル基又はシクロヘキシル基)、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C10芳香族炭化水素基(フェニル基又はメチルフェニル基が好ましい)からそれぞれ別々に選択され;
前提条件は、上記の一般式(I)の化合物において、R、R、R又はR中の少なくとも一つ(例えば、1又は2個)がN原子に結合されたR基であるか、又は前記一般式(I)の化合物はNに結合されたR基を少なくとも一つ(例えば、1又は2個)有し;
当該R基は、下記の基から選択される一種類又は複数種類であり、
(1a)H[OCH(R1a)CH(R2a)]−、例えばH(OCHCH−、H(OCHCH(CH))−、H(OCH(CH)CH−、H(OCHCH(C))−、H(OCH(C)CH−、H(OCHCH(CHCl))−、H(OCH(CHCl)CH−又はH(OCHCH(CBr))−;
(2a)H[OCH(R1a)CH(R2a)CH(R3a)]−;又は、
(3a)H[OCH(R1a)CH(R2a)CH(R3a)CH(R4a)]−;
ここで、qの値又は平均値は、q=1−50であり;R1a、R2a、R3a又はR4aは、H、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂肪族炭化水素基、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂環式炭化水素基、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C10芳香族炭化水素基からそれぞれ別々に選択される。
【0014】
好ましくは、An−が(a)カルバミン酸イオン又はカルバゼートイオンであると、上記の一般式(I)の化合物中のR、R、R又はR中の少なくとも一つ(例えば、1又は2個)はN原子に結合されるR基であり、前記一般式(I)の化合物は少なくとも一つ(例えば、1又は2個)のNに結合されるR基と少なくとも一つ(例えば、1又は2個)のヒドラジノ基又は置換ヒドラジノ基を有し;又は、An−が(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)又は(h)であると、前記一般式(I)の化合物は有機アミンBを含み、当該有機アミンBは少なくとも一つ(例えば、1又は2個)のNに結合されるR基と少なくとも一つ(例えば、1又は2個)のヒドラジノ基又は置換ヒドラジノ基を有する。
【0015】
本願において、「An−及びBm+中の少なくとも一つは、ヒドラジンを含み、及び/又はヒドラジノ基又は置換ヒドラジノ基を含む」ことは、一般式(I)の化合物が少なくとも一つのヒドラジンイオンを含み、及び/又は少なくとも一つのヒドラジノ基又は置換ヒドラジノ基を含むことを指し;更に具体的に、An−が(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)又は(h)から選択される一種類又は複数種類であると、Bm+は、+1価のヒドラジンイオン(HN−NH)、+2価のヒドラジンイオン(HN−NH)、及び/又は具有ヒドラジノ基又は置換ヒドラジノ基(例えば、当該ヒドラジノ基又は置換ヒドラジノ基は、−NRH基及び/又は−NRH−基に対応する)を有する一種類又は複数種類の有機アミンBのカチオン(即ち、有機アミンB具有ヒドラジノ基又は置換ヒドラジノ基)であるかそれらを含み、又は、An−が(a)カルバゼートイオンRN−NH−COOであると、Bm+は、+1価のアンモニウムイオン、+1価のヒドラジンイオン(HN−NH)、+2価のヒドラジンイオン(HN−NH)、及び/又はm個の−NRH基及び/又は−NRH−基を有する一種類又は複数種類の有機アミンBのカチオンであるかそれらを含み、当該有機アミンBは、ヒドラジノ基又は置換ヒドラジノ基を有するか又は有しない。
【0016】
本発明の第4の実施案によると、下記の一般式(I)を有する有機アミン塩化合物を提供し、
n−[Bm+ (I)
式において、An−はCOドナーとしての−n価のアニオンであって、n=1又は2であり、
m+は、+1価のアンモニウムイオン、+1価のヒドラジンイオン(HN−NH)、+2価のヒドラジンイオン(HN−NH)、及び/又はm個の−NRH基及び/又は−NRH−基を有する一種類又は複数種類の有機アミンBのカチオンであるか又はこれらを含み、
m=1−10であって、m=1−5であることが好ましく、m=1−2であることが更に好ましく、
【化7】
であり、
n−は、下記のアニオンから選択される一種類又は複数種類であり、
(a)カルバミン酸イオン又はカルバゼートイオン:RN−COO又はRN−NH−COO
(b)炭酸イオン:CO2−
(c)ギ酸イオン:HCOO;又は
(d)炭酸水素イオン:HO−COO
ここで、R,R,R又はRは、H、R、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂肪族炭化水素基(C−Cアルキル基が好ましく、C−Cアルキル基が更に好ましい)(例えば、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基)、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂環式炭化水素基(例えば、シクロブチル基又はシクロヘキシル基)、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C10芳香族炭化水素基(フェニル基又はメチルフェニル基が好ましい);
前提条件は、An−が(a)カルバミン酸イオン又はカルバゼートイオンであると、上記の一般式(I)の化合物中のR、R、R又はR中の少なくとも一つはN原子に結合するR基であるか、又は前記一般式(I)の化合物はNに結合されたR基を少なくとも一つ有し;又は、An−が(b)、(c)又は(d)であると、前記一般式(I)の化合物は有機アミンBを有し、且つ当該有機アミンBはNに結合されたR基を少なくとも一つ有し、
当該R基は、下記の基から選択される一種類又は複数種類であり、
(1a)H[OCH(R1a)CH(R2a)]−、例えばH(OCHCH−、H(OCHCH(CH))−、H(OCH(CH)CH−、H(OCHCH(C))−、H(OCH(C)CH−、H(OCHCH(CHCl))−、H(OCH(CHCl)CH−又はH(OCHCH(CBr))−;
(2a)H[OCH(R1a)CH(R2a)CH(R3a)]−;又は、
(3a)H[OCH(R1a)CH(R2a)CH(R3a)CH(R4a)]−;
ここで、qの値又は平均値は、q=1−50;R1a、R2a、R3a又はR4aは、H、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂肪族炭化水素基、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂環式炭化水素基、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C10芳香族炭化水素基からそれぞれ別々に選択される。
【0017】
本願において、好ましくは、少なくとも一つのN−R基を有する有機アミン類化合物Bは、前記有機アミン類化合物(M)、アンモニア及び/又はヒドラジンの各分子の少なくとも一つのN原子上に、上記一個又は複数のR基で置換されて形成される。
【0018】
本願において、好ましくは、An−が(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)又は(h)であると、一般式(I)の化合物の各分子は平均で、1−5.5個のR基を有し、1.3−5個のR基が好ましく、1.5−2個のR基が更に好ましく、これらR基は、少なくとも一つのN−R基を有する有機アミン類化合物B中に存在し;又は、An−が(a)カルバミン酸イオン又はカルバゼートイオンであると、一般式(I)の化合物の各分子は平均で、1−5.5個のR基を有し、1.3−5のR基が好ましく、1.5−2個のR基が更に好ましく、これらR基は有機アミン類化合物B及び/又はアニオン(a)中に存在する。
【0019】
本願において、好ましくは、Rは、ヒドロキシプロピル基、即ちHO−CH−CH(CH)−又はHO−CH(CH)−CH−、ヒドロキシエチル基及び/又は、ヒドロキシクロロプロピル基である。
【0020】
本願において、好ましくは、一般式(I)の化合物又は化合物の混合物において、一個のR基を有する一般式(I)の化合物(例えば、モノアルコールアミン塩)と二個のR基を有する一般式(I)の化合物(例えば、ジオールアミン塩)とのモル比は、1:0〜1:2.5であって、1:0.3〜1:2が好ましく、1:0.5〜1:1が更に好ましい。
【0021】
本願において、An−[Bm+は、化学式又は一般式ABpでも示される。それらは、アルコールアミン塩化合物である。よって、水の存在下でイオン化合物の形で現れる。
【0022】
本願において、好ましくは、A又はAn−は、下記のアニオンから選択される一種類又は複数種類である:
(a)カルバミン酸イオン又はカルバゼートイオン:RN−COO又はRN−NH−COO
(b)炭酸イオン:CO2−;又は
(d)炭酸水素イオン:HO−COO
本願において、好ましくは、
【化8】
である。好ましくは、m=1又は2又は3である。
【0023】
本願において、好ましくは、置換ヒドラジノ基は、上記の置換基R,R,R又はRで置換されるヒドラジノ基である。
【0024】
本願において、一般的に、An−がギ酸イオン(c)である一般式(I)の化合物又は化合物の混合物のpHは5.5−6.5である。An−がギ酸イオン(c)である一般式(I)の化合物(pH=5.5−6.5)以外、一般式(I)の他の化合物のpHは7.5−10であって、7.8−9.5が好ましく、pHが8−9であることが更に好ましい。好ましくは、一般式(I)の化合物又は化合物の混合物のアルカリ金属とアルカリ土類金属の含有量は0−200ppm(質量)であって、100ppm未満であることが好ましく、10ppm未満であることが更に好ましく、検出限界未満又は0ppmであることが最も好ましい。
【0025】
好ましくは、本願において、一般式(I)の化合物又は化合物の混合物中の水の含有量は、0−40wt%であって、5−35wt%が好ましく、10−30wt%が更に好ましく、15−25wt%がより更に好ましい。そして、本願において、一般式(I)の化合物又は化合物の混合物は、一般式(I)の化合物又は化合物の混合物の総重量に対して、22−96wt%であって、25−95wt%が好ましく、27−90wt%が好ましく、30−85wt%が好ましく、40−80wt%が好ましく、45−75wt%が更に好ましいモノアルコールアミン(例えば、モノエタノールアミン及び/又はモノプロパノールアミン)の塩とジオールアミン(例えば、ジエタノールアミン及び/又はジプロパノールアミン)の塩(即ち、両者の合計:モノアルコールアミンの塩+ジオールアミンの塩)を含有する。又は、一般式(I)の化合物又は化合物の混合物は、一般式(I)の化合物又は化合物の混合物の総重量に対して、15−90wt%であって、17−88wt%が好ましく、20−85wt%が好ましく、25−80wt%が好ましく、30−70wt%が更に好ましいモノアルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン及び/又はモノプロパノールアミン)とジアルカノールアミン(例えば、ジエタノールアミン及び/又はジプロパノールアミン)を有する(即ち、両者の合計:モノアルカノールアミン+ジアルカノールアミン)。
【0026】
好ましくは、一般式(I)の化合物は平均で、各分子が1.5−5個のR基を含有する。
【0027】
本願において、ヒドラジンイオンとは、+1価のヒドラジンイオン(HN−NH)又は+2価のヒドラジンイオン(HN−NH)を指す。即ち、ヒドラジンイオンは、+1価のヒドラジンイオン(HN−NH)及び+2価のヒドラジンイオン(HN−NH)であるか又はそれらを含む。
【0028】
本願において、一般式(I)の化合物の各分子は、少なくとも一つの上記R基を有する。
本願において、R基は下記の基と同じであるか又は異なる:ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂肪族炭化水素基(C−Cアルキル基が好ましい)、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂環式炭化水素基(例えば、シクロブチル基又はシクロヘキシル基)、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C10芳香族炭化水素基(フェニル基又はメチルフェニル基が好ましい)。
【0029】
本願において、−NRH基は、−NR4+H基を指し、−NRH−基は、−NRH)−基を指す。一般的に、有機アミンBは≧m個(例えば、m〜m+3個)の第一級アミン、第二級アミン及び/又は第三級アミン基を有し、オプションとして第四級アンモニウム基を有する。例を挙げると、CHCHNHH(即ち、エチルアミンカチオン、CHCHNHH)は、エチルアミンと一個のHイオンが結合されて形成されたものであって、ここで、B1+=CHCHNHH又はCHCHNHHであり、m=1、B=エチルアミンである。上記の式において、第一級アミン、第二級アミン及び/又は第三級アミン基は、−NR基及び−NR−基から選択される。
【0030】
有機アミン類化合物Bは、m〜m+3個の第一級アミン、第二級アミン及び/又は第三級アミン基を有し、オプションとして第四級アンモニウム基の有機アミン類を有する。好ましくは、有機アミン類化合物Bは、2−200個の炭素原子(3−50個が好ましく、3−20個が更に好ましく、3−12個がより更に好ましい)の有機アミン化合物を有する。一般的に、それは上述のR基を有する。
【0031】
本願において、有機アミン類化合物B、又は≧m個(例えば、m〜m+3個)の第一級アミン、第二級アミン及び/又は第三級アミン基を有し且つオプションとして第四級アンモニウム基を有する有機アミン類化合物Bと、m個のHイオンが結合されてBm+になる。
【0032】
好ましくは、An−は、(a)−(h)から選択される二種類以上の前記アニオンの結合又は混合物であり、及び/又は、Bm+は、二種類以上の上記有機アミンカチオンの結合又は混合物である。よって、一般式(I)の化合物は、混合物である。
【0033】
本願において、p個のBm+は同じであるか又は異なり、又はp個のBは同じであるか又は異なる。好ましくは、p個のBm+が異なり、又はp個のBが異なる。
【0034】
本発明は更に、発泡剤を提供し、それは一般式(I)を有する有機アミン塩化合物又は有機アミン塩化合物の混合物を含むか、又は主に一般式(I)を有する有機アミン塩化合物又は有機アミン塩化合物の混合物で組成される。
【0035】
また、実施案を提供し、ここで、An−は下記のアニオンから選択される一種類又は複数種類である:(a)、(c)、(d)、(e)、(f);又は(h)。
一般的に、一般式(I)において、+2又は+3価の一つのAn−は一個又は複数のBm+とそれぞれ塩をなす。そして、複数の−NH基及び/又は−NH−基を有する一つの有機アミンイオンBm+は一個又は複数のAn−と塩をなす。
(c)HCOOについて、ギ酸アンモニウム、ギ酸ヒドラジン又はギ酸有機アミン塩自体が比較的安定的な化合物であって、分解温度は通常100℃を超え、例えば、ギ酸アンモニウムの融点は116℃に達する。しかし、ギ酸アンモニウム、ギ酸ヒドラジン又はギ酸有機アミン塩を、ポリウレタン発泡剤とすると、それらがイソシアネート(例えば、MDI)に接触すると不安定になることを発見した。原因は、ギ酸アンモニウム、ギ酸ヒドラジン又はギ酸有機アミン塩がNCO基と反応して不安定の無水物基を生成した後に、迅速に分解されて二酸化炭素を放出すると同時に、一酸化炭素も放出するからであって、実際の応用において、換気、爆発防止に注意しなければならない。
【0036】
同じく、下記のアニオンがイソシアネート(例えば、MDI)に接触されると不安定になる:(e)RO−COO;(f)OOC−N(R)−R−N(R)−COO又はR’(−N(R)−COO;又は(h)OOC−ORO−COO
好ましくは、(e)RO−COOは、炭酸水素ヒドロカルビルエステル(例えば、炭酸水素メチル又は炭酸水素エチルエステル)で形成されたアニオン又は酸イオンである。
【0037】
好ましくは、(f)OOC−N(R)−R−N(R)−COO又はR’(−N(R)−COOそれぞれはアルキレン基ジ(カルバミン酸)又はアルキレン基トリ(カルバミン酸)で形成されたアニオン又は酸イオンである。
【0038】
好ましくは、(h)OOC−ORO−COOはアルキレンジカーボネート(例えば、エチレンアンモニウム重炭酸塩NHOOC−OCHCHO−COONH)で形成されたアニオン又は酸イオンである。
【0039】
好ましくは、例えば、一般式(I)の化合物を発泡剤として断熱型のポリウレタン泡沫材料を製造するとき、特に閉鎖セル型のポリウレタン泡沫材料を製造するとき、発泡効率、発泡剤のにおい、断熱性能とセルサイズ安定性及びポリウレタンフォーム完成品のサイズ安定性から考慮して、qの平均値で計算すると、q=1−5であって、q=1−4が好ましく、q=1−3が更に好ましく、q=1−2.5が特に好ましく、q=1.5−2.0が更に特に好ましい。よって、更に好ましくは、Bは二種類以上の化合物の混合物である。更に好ましくは、B中には、少なくとも一つのN−H基(N−H共有結合、即ち、Nに結合されるH)が含まれる。
【0040】
,R,R及びRは:H、R、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂肪族炭化水素基(例えば、メチル基又はエチル基又はプロピル基)、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいシクロブチル基又はシクロヘキシル基、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいフェニル基又はメチルフェニル基からそれぞれ別々に選択される。
【0041】
好ましくは、R1a、R2a、R3a又はR4aは:H、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂肪族炭化水素基、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂環式炭化水素基、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C芳香族炭化水素基(例えば、フェニル基又はメチルフェニル基)からそれぞれ別々に選択される。
【0042】
更に好ましくは、R1a、R2a、R3a又はR4aは:H、メチル基、又はヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいエチル基、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいプロピル基又はイソプロピル基、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいシクロヘキシル基、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいフェニル基又はメチルフェニル基からそれぞれ別々に選択される。
【0043】
更に好ましくは、R1a、R2a、R3a又はR4aは:H、メチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、エチル基、シクロヘキシル基、又はフェニル基からそれぞれ別々に選択される。
【0044】
一般的に、一般式(I)の有機アミン塩化合物は、アルカノールアミン化合物又はアルカノールアミン化合物残基を含有する。言い換えると、一般式(I)の有機アミン塩化合物は、COドナーとしてのアニオンAn−を有し、且つアルカノールアミン化合物又はアルカノールアミン化合物残基を含有する一種類又は複数種類の有機アミン塩化合物である。
【0045】
好ましくは、An−は、下記のアニオンから選択される一種類又は複数種類であり、
(a)RN−COO又はRN−NH−COO;ここで、R及びRは、水素、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基からそれぞれ別々に選択され;
(b)CO2−
(c)HCOO
(d)HO−COO;又は、
【化9】
式において、R’は、H、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C26ヒドロカルビル(C−C10ヒドロカルビルが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基が更に好ましい)、C−C26アシル基(C−C10アシル基が好ましく、ホルミル基、アセチル基又はプロピオニル基が更に好ましい)である。
【0046】
本願において、「置換されていてもよい」は、行われるか又は行われないことを示し、置換又は未置換を示す。「オプションで」は、あるか又はないことを示す。
【0047】
一般的に、一般式(I)の化合物において、アンモニア、ヒドラジン又は有機アミン化合物B中のアミノ基及び/又はアミン基(即ち、−NH基及び/又は−NH−基)の50−100%はアニオンAn−で中和され、言い換えると、アミノ基及び/又はアミン基の塩生成率は50−100%である。好ましくは、アンモニア、ヒドラジン又は有機アミン化合物B中のアミノ基及び/又はアミン基の65−100%はアニオンAn−で中和される。更に好ましくは、アンモニア、ヒドラジン又は有機アミン化合物B中のアミノ基及び/又はアミン基の75−100%はアニオンAn−で中和される。更に好ましくは、アンモニア、ヒドラジン又は有機アミン化合物B中のアミノ基及び/又はアミン基の75−90%はアニオンAn−で中和される。
【0048】
n−がギ酸イオン(c)である一般式(I)の化合物(pH=5.5−6.5)以外、他の一般式(I)の化合物のpHは通常7.5−10であって、pHが7.8−9.5であることが好ましく、pHが8−9であることが更に好ましい。例えば、アンモニア、ヒドラジン又は有機アミン化合物B中のアミノ基及び/又はアミン基(即ち、−NH基及び/又は−NH−基)の50−95%がアニオンAn−で中和されると、一般式(1)の化合物は比較的安定である。
アンモニア、ヒドラジン又は有機アミン化合物B中のアミノ基及び/又はアミン基の100%がアニオンAn−で中和されると、一般式(I)は下記の一般式になる:
【化10】
【0049】
本願において、簡単のために、m個(ここで、m=1−10個、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の−NH基及び/又は−NH−基を有する有機アミンイオンは+m価の有機アミンイオンと考えられてもよい。
【0050】
好ましくは、m個(例えば、m=1又はm=2−10、例えば3、4、5個)の−NH基及び/又は−NH−基を有する有機アミンイオン(Bm+)について、ここで、化合物Bは、少なくとも一つ(少なくとも二個が好ましい)のN−H共有結合(即ち、少なくとも一つのNに結合される活性水素を有する)の有機アミン類化合物(M)、アンモニア及び/又はヒドラジンを、出発原料として形成される。即ち、B又はBm+中のN−R基は、前記有機アミン類化合物(M)、アンモニア及び/又はヒドラジンの各分子の少なくとも一つのN原子上に、上記一個又は複数のR基で置換されて形成される。即ち、化合物Bは、N−R基(又はN−H共有結合)を有する有機アミン類化合物である。好ましくは、N−R基を有する有機アミン類化合物Bは、前記有機アミン類化合物(M)、アンモニア及び/又はヒドラジンの各分子の少なくとも一つのN原子上に、上記の一個又は複数のR基で置換されて形成される。
【0051】
好ましくは、R及びR中の少なくとも一つはHであり、RがHであり、RがH又はR基(例えば、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基又はヒドロキシクロロプロピル基)であることが好ましい。
【0052】
好ましくは、有機アミン類化合物(M),即ち、少なくとも一つのN−H(即ち、N−H共有結合又はNに結合されるH、活性水素を少なくとも一つ有する)を有する有機アミン類化合物(M)であって、下記から選択される有機アミン類化合物である:
−C24ヒドロカルビルアミン類(第一級アミン類)、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、エイコシルアミン、テトラデシルアミン、未置換又は置換(例えば、ハロゲン置換)のアニリン、未置換又は置換(例えば、ハロゲン置換)のベンジルアミン、シクロヘキシルアミン,メチルシクロヘキシルアミン、シクロヘキシルメチルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン又はN−メチルN-メチルベンジルアミンなどであり;
ジ(C−C16ヒドロカルビル)アミン類(第二級アミン類、即ち、一つの第二級アミン基を有するモノアミン類)、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルプロピルアミン、エチルプロピルアミン、ジブチルアミン、エチルブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジ(デシル)アミン、ジ(テトラデシル)アミン、ジ(ヘキサデシル)アミン、ジ(オクタデシル)アミン、ジ(エイコシル)アミン又はジ(テトラコシル)アミンなどであり;
−C14アルキレン基上にヒドロキシル基で置換されていてもよいC−C14アルキレン基ジアミン類(ここで、二つのアミン基はそれぞれ別々に第一級アミン基又は第二級アミン基である)、例えば、エチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、N−メチル,N’エチル−1,3−プロピレンジアミン、ブタンジアミン(1,2又は1,3−又は1,4−ブタンジアミンのような種々の異性体を含む)、ペンタメチレンジアミン(種々の異性体を含む)、ヘキサメチレンジアミン(種々の異性体を含む)、3−ヒドロキシメチル−ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン(種々の異性体を含む)、3−ヒドロキシメチル−ヘプチレンジアミン、オクタメチレンジアミン(種々の異性体を含む)、3,5−ジヒドロキシルオクタメチレンジアミン、ノナンジアミン(種々の異性体を含む)、デカンジアミン(種々の異性体を含む)、3,6−ジヒドロキシルデカンジアミン、ドデカンジアミン、テトラデカンジアミン、p又はm−フェニレンジアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジフェニルメタンジアミン(MOCA)、又はピペラジンなどであり;
−C14アルキレン基上にヒドロキシル基で置換されていてもよいC−C16ポリアルキレンポリアミン類、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジプロピレントリアミン,トリプロピレンテトラミン,テトラプロピレンペンタミン、ペンタメチレンヘキサミン、ジブチルトリアミン、ブチレンテトラミン、テトラブチレンペンタミン、トリエチレンジアミンジメチルジエチルトリアミン、トリス(2-ヒドロキシ-1,3-プロピレン)テトラミン又はテトラ(2−ヒドロキシ−1,3−プロピレン)ペンタアミンなどであり;
三個の第一級アミン基を有するヒドロキシル基で置換されていてもよいC−C18有機トリアミン類又は四個の第一級アミン基を有するヒドロキシル基で置換されていてもよいC−C18有機テトラミン類、例えば、1,3,5−トリアミン−シクロヘキサン、1,3,5−トリス(アミノエチル)-シクロヘキサン、1,3,5−トリス(アミノプロピル)−1,3,5−ヘキサヒドロトリアジン、1,3,5−トリス(メチルアミノプロピル)−1,3,5−ヘキサヒドロトリアジン、又は、メラミン、ペンタエリスリトールなどであり;又は、
−C10アルコールアミン類、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モノブタノールアミン、又はジブチルアルコールアミンなどである。
【0053】
更に好ましくは、(M)は下記から選択される:
メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、未置換又は置換(例えばハロゲン置換)のアニリン、未置換又は置換(例えばハロゲン置換)のベンジルアミン、シクロヘキシルアミン、又はメチルシクロヘキシルアミン;
ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、ジプロピルアミン、又はメチルプロピルアミン;
エチレンジアミン、N−メチル−エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、N−メチル,N’エチル−1,3−プロピレンジアミン、ブタンジアミン(1,2又は1,3−又は1,4−ブタンジアミンのような種々の異性体を含む)、ペンタメチレンジアミン(種々の異性体を含む)、ヘキサメチレンジアミン(種々の異性体を含む)、3−ヒドロキシメチル−ヘキサメチレンジアミン、p又はm−フェニレンジアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジフェニルメタンジアミン(MOCA)、又はピペラジン;
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、又はテトラエチレンペンタミン;
1,3,5−トリアミノ−シクロヘキサン、1,3,5−トリス(アミノエチル)−シクロヘキサン、1,3,5−トリス(アミノプロピル)−1,3,5−ヘキサヒドロトリアジン、1,3,5−トリス(メチルアミノプロピル)−1,3,5−ヘキサヒドロトリアジン、又は、メラミン、ペンタエリスリトール;
又は、
モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、又はモノブタノールアミン。
【0054】
一般的に、Bm+が+1価のアンモニウムイオン(NH)又はヒドラジンイオン以外のm個(例えば、2−10個、例えば3、4、5個)の−NH基及び/又は−NH−基を有する有機アミンイオンであると(即ち、Bm+が+1価のアンモニウムイオン(NH)又はヒドラジンイオンではなく、即ち、Bがアンモニア又はヒドラジンでない時)、化合物Bは、上記有機アミン類化合物(M)、アンモニア及び/又はヒドラジンを出発原料とするか又は誘因剤としてエポキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、ブチレンオキシド、又はエポキシクロロブタン又はスチレンオキシド、及びそれらのいずれか二種類又は複数種類の混合物)と反応して形成される。
【0055】
更に具体的に、化合物BとAn−で形成される塩であるか、又はBとAで形成される塩であり、又は簡単に言えば、化合物Bは、上記の有機アミン類化合物(M)、アンモニア及び/又はヒドラジンと(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)又は(h)中の一種類又は複数種類のアニオンで形成される塩を出発原料とするか又は誘因剤として、エポキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、ブチレンオキシド、又はエポキシクロロブタン又はスチレンオキシド、及びそれらのいずれか二種類又は複数種類の混合物)と反応して形成される。
【0056】
また、An−が(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)又は(h)中のいずれか一種類であって且つBm+がm個(例えば、1又は2−10個、例えば3、4、5個)の−NH基及び/又は−NH−基を有する有機アミンイオンであると(即ち、Bm+が+1価のアンモニウムイオン(NH)又はヒドラジンイオンではなく、即ち、Bがアンモニア又はヒドラジンでない時)、前記述化合物(I)は溶媒(プロトン性溶媒、アルコール類溶媒又はDMFが好ましく、例えば、水)中で、いずれかの触媒(例えば、アンモニア水、又は有機アミン類、例えばエチルアミン、ジエチルアミン又はトリエチルアミン)の存在下で、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)又は(h)中から選択される一種類又は複数種類のアニオンとアンモニア又はヒドラジンで形成されるアンモニウム塩又はヒドラジン塩[例えば、カルバミン酸アンモニウム、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルキルアルコキシ基で置換されたカルバミン酸アンモニウム(RN−COO−+NH)、ヒドラジンカルバメート、カルバゼートアンモニウム、カルバゼートヒドラジン、炭酸アンモニウム(CO2−NH)、炭酸ヒドラジン、炭酸アンモニウムヒドラジン、重炭酸アンモニウム、炭酸水素ヒドラジン、ギ酸ヒドラジン又はギ酸アンモニウム、及びそれらのいずれか二種類又は複数種類の混合物]又は前記アニオンと上記一種類又は複数種類の有機アミン化合物(M)で形成された有機アミン塩(例えば、カルバメート有機アミン塩、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルキルアルコキシ基で置換されたカルバメート有機アミン塩、カルバゼート有機アミン塩、N−ヒドロキシアルキル基又はN−ヒドロキシアルキルアルコキシ基で置換されたカルバゼート有機アミン塩、炭酸有機アミン塩、炭酸水素有機アミン塩、ギ酸有機アミン塩、及びそれらのいずれか二種類又は複数種類の混合物)が、エポキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、エポキシ臭素、ブチレンオキシド又はスチレンオキシド、及びそれらのいずれか二種類又は複数種類の混合物)と反応して形成される。一般的に、ここでの溶媒は下記から選択される一種類又は複数種類であるが、これらに限定されるものではない:メタノール、エタノール、エチレングリコール、エチレングリコール、分子量が400未満であるポリエチレングリコール、分子量が300未満であるポリプロピレングリコール、グリセリン、蟻酸グリセリド又は水。
【0057】
また、An−が(a)RN−COOアニオンであって且つBm+が+1価のアンモニウムイオン(NH)又はヒドラジンイオン[即ち、+1価のヒドラジンイオン(HN−NH)又は+2価のヒドラジンイオン(HN−NH)]であると、前記化合物(I)はRN−COO−+NH又はRN−COON−NH又は(RN−COO(HN−NH)であり、ここで、R又はR中の一つ又は二つは、上記のR基である。これら化合物RN−COO−+NH又はRN−COON−NH又は(RN−COO(HN−NH)が既にR基を有するため、直接に一般式(I)の化合物とするか又は発泡剤としてもよく、勿論、これら化合物RN−COO−+NH又はRN−COON−NH又は(RN−COO(HN−NH)も更に上記のエポキシドと反応して、カチオン部分中にアルコールアミン化合物又はアルコールアミン残基を有する一般式(I)の化合物を取得する。An−が(a)RN−NH−COOアニオンであって且つBm+が+1価のアンモニウムイオン(NH)又はヒドラジンイオン[即ち、+1価のヒドラジンイオン(HN−NH)又は+2価のヒドラジンイオン(HN−NH)]であると、前記化合物(I)はRN−NH−COO−+NH又はRN−NH−COON−NH又は(RN−NH−COO(HN−NH)であり、ここで、R又はR中の又一つ又は二つは上記のR基である。これら化合物RN−NH−COO−+NH又はRN−NH−COON−NH又は(RN−NH−COO(HN−NH)既にR基を有するため、直接に一般式(I)の化合物とするか又は発泡剤としてもよく、勿論、これら化合物RN−NH−COO−+NH又はRN−NH−COON−NH又は(RN−NH−COO(HN−NH)も更に上記のエポキシドと反応して、カチオン部分中にアルコールアミン化合物又はアルコールアミン残基を有する一般式(I)の化合物を取得する。
【0058】
一般的に、An−が(g)アニオンであって且つBm+がm個(例えば、2−10個、例えば3、4、5個)の−NH基及び/又は−NH−基を有する有機アミンイオンを有すると(即ち、Bm+が+1価のアンモニウムイオン(NH)又はヒドラジンイオではなく、即ち、Bがアンモニア又はヒドラジンでない時)、前記化合物(I)はオルトギ酸エステル類化合物が溶媒(プロトン性溶媒、アルコール類溶媒又はDMFが好ましい)中で、いずれかの触媒(例えば、アンモニア水、又は有機アミン類、例えばエチルアミン、ジエチルアミン又はトリエチルアミン)の存在下で、有機アルコールアミン類に属する有機アミンM又は少なくとも一つの上記N−R基を有する有機アルコールアミン類に属する化合物Bと水の存在下で加水分解反応で形成される。好ましくは、前記水の存在量は、オルトギ酸エステル類化合物の少なくとも二つのエステル基が加水分解を行うことができる量であり、更に好ましくは、水の存在量は、オルトギ酸エステル類化合物の三つのエステル基が加水分解を行うことができる量である。オルトギ酸エステルの加水分解触媒は通常アルカリ性化合物であって、有機アミンが好ましい。好ましくは、少なくとも一つの上記N−R基(即ち、Nに結合される少なくとも一つのR基)を有する有機アミン類化合物Bは、アンモニア、ヒドラジン及び/又は上述の有機アミン化合物(M)と上述のエポキシド類(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、ブチレンオキシド(1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシドなどの様々な異性体を含む)、エポキシクロロブタン(1,2-エポキシ-4-クロロブタン、2,3-エポキシ-1-クロロブタンなどの各種異性体を含む)又はスチレンオキシド、及びそれらのいずれか二種類又は複数種類の混合物)と反応して形成される。当該R基において、qの平均値(即ち、エポキシドの重合度)は上記のように定義される。qの平均値は、ポリウレタン泡沫材料の具体的な応用で選択できる。好ましくは、断熱型のポリウレタン泡沫材料の製造に用いられるとき、特に閉鎖セル型のポリウレタン泡沫材料の製造に用いられるとき、発泡効率、発泡剤のにおい、断熱性能とセルサイズ安定性及びポリウレタンフォーム完成品のサイズ安定性から考慮して、又はオープンセル又はセミオープンセルのポリウレタン泡沫材料に用いられるとき、発泡効率、発泡剤のにおい、断熱性能とセルサイズ安定性及びポリウレタンフォーム完成品のサイズ安定性から考慮して、qの平均値で計算すると、q=1−5であって、q=1.2−4.5が好ましく、q=1.3−4が更に好ましく、q=1.5−3.5が特に好ましい。
【0059】
好ましくは、オルトギ酸エステル類化合物は、下記の化合物から選択される一種類又は複数種類である:オルトギ酸トリ(C−C)ヒドロカルビルエステル類、オルトギ酸トリ(C−C)ヒドロカルビルエステル類が好ましい。例えば、トリメチルオルトホルメート、オルトギ酸トリエチル、オルトギ酸メチルジエチルエステル、オルトギ酸プロピル、オルトギ酸メチルジプロピルエステル、オルトギ酸トリブチルエステル、オルトギ酸トリフェニルエステル、オルトギ酸トリベンジルエステル、アセチルオルトギ酸ジエチルエステル、アセチルオルトギ酸エチルメチルエステル、オルトギ酸トリ(エチレングリコール)エステル、オルトギ酸トリ(ジエチレングリコール)エステル、オルトギ酸トリ(トリエチレングリコール)エステル、オルトギ酸トリ(テトラエチレングリコール)エステル、オルトギ酸トリ(ポリエチレングリコール(重合度=5−10))エステル、オルトギ酸トリ(プロピレングリコール)エステル、オルトギ酸トリ(ジプロピレングリコール)エステル、オルトギ酸トリ(トリプロピレングリコール)エステル、オルトギ酸トリ(テトラプロピレングリコール)エステル、オルトギ酸トリ(ポリプロピレングリコール(重合度=5−10))エステル。
【0060】
好ましくは、オルトギ酸エステルの加水分解過程で用いられる溶媒は、下記の化合物から選択される一種類又は複数種類であるが、これらに限定されるものではない:メタノール、エタノール、エチレングリコール、エチレングリコール、分子量が400未満であるポリエチレングリコール、分子量が300未満であるポリプロピレングリコール、グリセリン、ギ酸グリセリンエステル又は水。
【0061】
上記一般式(I)の化合物を製造するために、複数の製造方法を用いて製造することができる。例を挙げると、以下、代表的な製造方法を説明する。
【0062】
本発明の第5の実施案によると、本発明は更に、COドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物を製造する方法、又はAn−が(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)又は(h)中のいずれか一種類又は複数種類のアニオンである上記の前記一般式(I)の化合物を製造する方法を提供し、当該方法は、第1の原料及び第2の原料が溶媒(プロトン性溶媒又はアルコール類溶媒が好ましい)中で、オプションで触媒(例えば、アンモニア水、又は有機アミン類,如エチルアミン,ジエチルアミン又はトリエチルアミン)の存在下で反応することを含み、ここで、第1の原料は、下記の化合物から選択される一種類又は複数種類である:
【0063】
N−COONH、RN−COOHの有機アミン類化合物(M)塩、RN−COOHのヒドラジン塩(例えば、ヒドラジンカルバメート)、RN−NH−COONH(例えば、カルバゼートアンモニウム)、RN−NH−COOHのヒドラジン塩(例えば、カルバゼートヒドラジン)、又はRN−NH−COOHの有機アミン類化合物(M)塩、ここで、R又はRは、H,ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂肪族炭化水素基(C−Cアルキル基が好ましい)、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C脂環式炭化水素基(例えば、シクロブチル基又はシクロヘキシル基)、又は、ヒドロキシル基又はアミノ基又はハロゲンで置換されていてもよいC−C10芳香族炭化水素基(フェニル基又はメチルフェニル基が好ましい)からそれぞれ別々に選択され;
(NHCO、炭酸ヒドラジン、炭酸アンモニウムヒドラジン、又は炭酸有機アミン類化合物(M)塩;
HCOONH、ギ酸ヒドラジン、又はギ酸有機アミン類化合物(M)塩;
HO−COONH(即ち、重炭酸アンモニウム)、炭酸水素ヒドラジン、又は有機アミン類化合物(M)の炭酸水素塩;
O−COONH、RO−COOHのヒドラジン塩、又はRO−COOHの有機アミン類化合物(M)塩;
NHOOC−N(R)−R−N(R)−COONH、R’(−N(R)−COO)(NH、HOOC−N(R)−R−N(R)−COOHのヒドラジン塩、HOOC−N(R)−R−N(R)−COOHの有機アミン類化合物(M)塩、R’(−N(R)−COOH)のヒドラジン塩、又はR’(−N(R)−COOH)の有機アミン類化合物(M)塩;又は
NHOOC−ORO−COONH、HOOC−ORO−COOHのヒドラジン塩、又はHOOC−ORO−COOHの有機アミン類化合物(M)塩;
第2の原料は、下記の化合物から選択される一種類又は複数種類である:
【化11】
又はスチレンオキシド(styrene oxide);
ここで、R、R、R、R、R’、Rは上述のように定義され、R1a、R2a、R3a又はR4aは上述のように定義され、有機アミン類化合物(M)は上述のように定義される。
【0064】
好ましくは、An−が(a)−(f)又は(h)の一般式(I)である化合物を製造する反応において、第1の原料と第2の原料とのモル比は一般的に1:1.3−5であって、1:1.5−4.5が好ましく、1:1.6−4が更に好ましく、例えば、1:1.5〜1:3である。
【0065】
好ましくは、第1の原料は、下記の化合物から選択される一種類又は複数種類である:
カルバミン酸アンモニウム、カルバメート有機アミンM(カルバミン酸アミンと略称する)、ヒドラジンカルバメート、カルバゼートアンモニウム、カルバゼートヒドラジン、HN−NH−COOHの有機アミン類化合物(M)塩、N−置換アミン基ギ酸アンモニウム(RN−COO−+NH、又はRN−COOHと呼ばれるアンモニウム塩、RとRが異なる場合H)、N−置換アミン基ギ酸有機アミンM塩(即ち、RN−COOHとMで形成された塩、アミン基ギ酸アミンと略称され、RとRが異なる場合H)、炭酸アンモニウム、炭酸有機アミンM塩(即ち、HCOとMで形成された塩、炭酸アミンと略称される)、炭酸ヒドラジン、炭酸アンモニウムヒドラジン、ギ酸アンモニウム、ギ酸有機アミンM塩(即ち、ギ酸とM形成された塩、ギ酸アミンと略称される)、ギ酸ヒドラジン、重炭酸アンモニウム、炭酸水素有機アミンM塩(即ち、Mの炭酸水素塩、炭酸水素アミンと略称される)、炭酸水素ヒドラジン、RO−COONH、RO−COOHのM塩、RO−COOHのヒドラジン塩、NHOOC−N(R)−R−N(R)−COONH、R’(−N(R)−COONH、HOOC−N(R)−R−N(R)−COOHのM塩、HOOC−N(R)−R−N(R)−COOHのヒドラジン塩、R’(−N(R)−COOH)のM塩、R’(−N(R)−COOH)のヒドラジン塩、NHOOC−ORO−COONH、HOOC−ORO−COOHの有機アミンM塩、又はHOOC−ORO−COOHのヒドラジン塩、ここで、Mは、上記の有機アミン類化合物(M)である。
【0066】
本願において、MHは、有機アミンMと一つ又は複数の水素イオン(H)とが結合されて形成されたカチオンである。
【0067】
好ましくは、第2の原料は、下記の化合物から選択される一種類又は複数種類である:
エチレンオキシド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、ブチレンオキシド(1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド等の各種異性体を含む)、エポキシクロロブタン(1,2−エポキシ−4−クロロブタン、2,3−エポキシ−1−クロロブタンなどの各種異性体を含む)又はスチレンオキシド。
【0068】
好ましくは、本発明は更に、An−が(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)又は(h)中のいずれか一種類又は複数種類のアニオンである一般式(I)の化合物を製造する方法を提供し、当該方法は、溶媒(プロトン性溶媒又はDMFが好ましく、例えば、水)中で、オプションで触媒(例えば、アンモニア水、又は有機アミン類、例えばエチルアミン、ジエチルアミン又はトリエチルアミン)の存在下で、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)又は(h)から選択される一種類又は複数種類のアニオンとアンモニア又はヒドラジンで形成されたアンモニウム塩又はヒドラジン塩(例えば、カルバミン酸アンモニウム、アミノ基上にヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルキルアルコキシ基で置換されたカルバミン酸アンモニウム、ヒドラジンカルバメート、カルバゼートアンモニウム、カルバゼートヒドラジン、炭酸アンモニウム、炭酸ヒドラジン、炭酸アンモニウムヒドラジン、ギ酸ヒドラジン、ギ酸アンモニウム、炭酸水素ヒドラジン、又は重炭酸アンモニウム、及びそれらの二種類又は複数種類の混合物)又は前記アニオンと上記一種類又は複数種類の有機アミン化合物(M)で形成された有機アミン塩(例えば、カルバメート有機アミンM塩、アミノ基上にヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルキルアルコキシ基で置換されたカルバメート有機アミンM塩、カルバゼート有機アミンM塩、N−ヒドロキシアルキル基又はN−ヒドロキシアルキルアルコキシ基で置換されたカルバゼート有機アミンM塩、炭酸有機アミンM塩、ギ酸有機アミンM塩又は炭酸水素有機アミンM塩、及びそれらの二種類又は複数種類の混合物)を第1の原料として、第2の原料としての上記エポキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、ブチレンオキシド(1,2−ブチレンオキシド,2,3−ブチレンオキシドのような各種異性体を含む)、エポキシクロロブタン(1,2−エポキシ−4−クロロブタン、2,3−エポキシ−1−クロロブタンなどの各種異性体を含む)又はスチレンオキシド、及びそれらの二種類又は複数種類の混合物)と反応させる。又は、別の方法(好ましくない)として、前添加工程および後中和工程の両方を含む方法を使用することができ、即ち、上述の一般式(I)の化合物を製造する方法は、先ず、アンモニア、ヒドラジン又は上記の一種類又は複数種類の有機アミン化合物(M)を、第2の原料としての上記エポキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、ブチレンオキシド(1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシドのような各種異性体を含む)、エポキシクロロブタン(1,2−エポキシ−4−クロロブタン、2,3−エポキシ−1−クロロブタンのような各種異性体を含む)又はスチレンオキシド、及びそれらの二種類又は複数種類の混合物)と反応させ、その後に、取得された化合物を、アニオンAn−の前駆体に属する対応酸(即ち、(a)−(g)から選択される一種類又は複数種類のアニオンで生成される一種類又は複数種類の酸化合物又は酸性化合物(例えば、CO、カルバミン酸、又はギ酸))と中和反応させる。好ましくは、pHが7.5以上であるよう中和させ、7.8以上であることが好ましく、8以上であることが更に好ましい。ギ酸アンモニウム(融点116℃)、ギ酸ヒドラジン又はギ酸有機アミンM塩発泡剤のpH値は5.5−6.5の範囲であり、更に通常5.5−6.0の範囲である。ここで、An−がギ酸イオン(c)である一般式(I)の化合物のpHは5.5−6.5の範囲であって、更に通常5.5−6.0の範囲である。
【0069】
本発明の第6の実施案によると、本発明は更に、COドナーとしてのアニオンを有するオルトギ酸有機アミン塩類化合物を製造する方法を提供し、又はAn−が(g)で示されるアニオンである一般式(I)の化合物を製造する方法を提供し、当該方法は、オルトギ酸エステル類化合物が溶媒(プロトン性溶媒、アルコール類溶媒が好ましい、例えば、水)中で、オプションで触媒(例えば、アンモニア水、又はエチルアミン、ジエチルアミン又はトリエチルアミンのような有機アミン類)の存在下で、また、有機アルコールアミン類に属する有機アミンM又は少なくとも一つの上記N−R基を有し有機アルコールアミン類に属する化合物Bと水との存在下で、加水分解反応を行う。好ましくは、前記水の存在量は、オルトギ酸エステル類化合物の少なくとも二つのエステル基が加水分解を行うことができる量であり、更に好ましくは、水の存在量は、オルトギ酸エステル類化合物の三つのエステル基が加水分解を行うことができる量である。
【0070】
本発明の第6の実施案によると、有機アミン類化合物Bは、ヒドラジンといずれかのアンモニアを出発原料とするか又は誘因剤としてエポキシドと反応して形成されたものであり、当該エポキシドは、下記のエポキシド:
【化12】
又はスチレンオキシド
から選択される一種類又は複数種類である。
【0071】
本願において、好ましくは、一般式(I)の化合物がヒドラジノアルコールアミン塩化合物(即ち、第3の実施案による一般式(I)の化合物)であると、An−又はBm+中の少なくとも一種類は、ヒドラジノ基又は置換ヒドラジノ基を含有する。第5の実施案による一般式(I)のヒドラジノアルコールアミン塩化合物を製造する方法において、第1種類の原料中の少なくとも一種類は、ヒドラジン又はヒドラジノ基を含有する。第6の実施案による一般式(I)のヒドラジノアルコールアミン塩化合物を製造する方法において、有機アルコールアミン類化合物B中の少なくとも一種類は、ヒドラジノ基又は置換ヒドラジノ基を含有する。
【0072】
本願において、好ましくは、少なくとも一つの上記N−R基(即ち、少なくとも一つのNに結合されるR基)を有し有機アミン類に属する化合物Bは、アンモニア、ヒドラジン及び/又は上記の有機アミン化合物(M)とエポキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、ブチレンオキシド(如1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシドのような各種の異性体を含む)、エポキシクロロブタン(1,2−エポキシ−4−クロロブタン、2,3−エポキシ−1−クロロブタンのような各種の異性体を含む)又はスチレンオキシド、及びそれらのいずれか二種類又は複数種類の混合物を反応させて製造されたものである。当該R基において、qは平均値(即ち、エポキシドの重合度)であって、上記のように定義されている。An−が(g)で示されるアニオンである一般式(I)の化合物を製造する時に、アンモニア又は有機アミン化合物(M)とエポキシドのモル比は1.3−7であることが好ましく、1.5−4であることが更に好ましく、1.5−3であることがより更に好ましい。An−が(g)で示される当該一般式(I)の化合物は発泡剤として断熱型のポリウレタン泡沫材料の製造に用いられる。即ち、本発明は更に、An−が(g)で示されるアニオンである一般式(I)の化合物を製造する方法を提供し、当該方法は、アンモニア又は上記の一種類又は複数種類の有機アミン化合物(M)が、第2の原料としてのエポキシドと反応して、少なくとも一つの上記N−R基(即ち、少なくとも一つのNに結合されるR基)を有する有機アミン類化合物Bを製造する。その後に、オルトギ酸エステル類化合物は、溶媒(プロトン性溶媒、アルコール類溶媒が好ましい、例えば、水)中で、いずれかの触媒(例えば、アンモニア水、又はエチルアミン、ジエチルアミン又はトリエチルアミンのような有機アミン類)の存在下で、また、有機アルコールアミン類に属する有機アミンM又は少なくとも一つの上記N−R基を有し有機アルコールアミン類に属する化合物Bと水の存在下で、加水分解反応を行う。好ましくは、前記水の存在量は、オルトギ酸エステル類化合物の少なくとも二つのエステル基が加水分解を行うことができる量であり、更に好ましくは、水の存在量は、オルトギ酸エステル類化合物の三つのエステル基が加水分解を行うことができる量である。
【0073】
好ましくは、オルトギ酸エステル類化合物は下記の化合物から選択される一種類又は複数種類である:オルトギ酸トリ(C−C)ヒドロカルビルエステル類、好ましくはオルトギ酸トリ(C−C)ヒドロカルビルエステル類、例えば、トリメチルオルトホルメート、オルトギ酸トリエチル、オルトギ酸メチル基ジエチル基エステル、オルトギ酸トリプロピルエステル、オルトギ酸メチル基ジプロピル基エステル、オルトギ酸トリブチルエステル、オルトギ酸トリフェニル基エステル、オルトギ酸トリベンジルエステル、アセチル基オルトギ酸二エチル基エステル、アセチル基オルトギ酸エチル基メチル基エステル、オルトギ酸ジエチレングリコールエステル、オルトギ酸プロピレングリコールエステル、オルトギ酸ポリエチレングリコールエステル、又はオルトギ酸エステル中のR基は(1a)、(2a)又は(3a)の特徴に合致する。
【0074】
好ましくは、本願において、溶媒は下記から選択される一種類又は複数種類である:メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、分子量が400未満のポリエチレングリコール、分子量が300未満のポリプロピレングリコール、グリセリン、グリセリンエステル又は水。
ヒドラジノアルコールアミン塩を製造する時に、第1の原料はヒドラジンを含むか又はヒドラジノ基を含有し、又は、第1の原料中の少なくとも一種類は、ヒドラジンを含むか又はヒドラジノ基を含有する。ヒドラジンは、有毒、可燃性および爆発性の化合物であるため、使用する時に使用知識を真面目に閲読し、関連の要件と規制を厳格に実行しなげればならない。
【0075】
本発明の第7の実施案によると、上記第5及び/又は第6の実施案の方法で取得されたCOドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物又は化合物の混合物を提供する。好ましくは、当該化合物又は当該化合物の混合物は、化合物又は化合物の混合物の総重量に対して、22−96wt%を含有し、25−95wt%が好ましく、27−90wt%が好ましく、30−85wt%が好ましく、40−80wt%が好ましく、45−75wt%のモノアルコールアミン(例えば、モノエタノールアミン及び/又はモノプロパノールアミン)の塩とジオールアミン(例えば、ジエタノールアミン及び/又はジプロパノールアミン)の塩(即ち、二種類の塩の重量の合計)が更に好ましい。又は、好ましくは、当該化合物又は当該化合物の混合物は、化合物又は化合物の混合物の総重量に対して、15−90wt%を含有し、17−88wt%が好ましく、20−85wt%が好ましく、25−80wt%が好ましく、30−70wt%のモノアルコールアミン(例えば、モノエタノールアミン及び/又はモノプロパノールアミン)とジオールアミン(例えば、ジエタノールアミン及び/又はジプロパノールアミン)(即ち、二種類のアルコールアミンの重量の合計)が更に好ましい。
【0076】
本発明の第8の実施案によると、一般式(I)を有する有機アミン塩化合物、上記第5と第6の実施案の方法で取得されたCOドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物、発泡剤としての用途、特にポリウレタン発泡剤、ポリスチレン発泡剤又はポリ塩化ビニル発泡剤としての用途を提供する。上記これら化合物は、本願で、本発明の発泡剤又は本発明のポリウレタン発泡剤と略称される。
【0077】
また、本発明は、本発明の発泡剤をポリスチレン発泡剤又はポリ塩化ビニル発泡剤とする用途を提供し、ここで、An−は下記のアニオンから選択される一種類又は複数種類である:
(a) RN−COO又はRN−NH−COO;ここで、RとRはそれぞれ別々に水素、メチル基、エチル基、H(OCHCH−、H(OCHCH(CH))−、H(OCH(CH)CH−、H(OCHCH(C))−、H(OCH(C)CH−、H(OCHCH(CHCl))−、H(OCH(CHCl)CH−又はH(OCHCH(CBr))−である;
(b) CO2−;又は
(d) HO−COO
【0078】
また、ギ酸アンモニウム(融点116℃)又はギ酸有機アミンM塩の分解温度が比較的高いことに鑑みて、人々は、それらがポリウレタン発泡に適合ではないと考えている。しかし、本願の発明者は大量の研究により、ギ酸アンモニウム(融点116℃)又はギ酸有機アミンM塩がイソシアネート基に接触する時にNCO基と反応して不安定の無水物を生成した後に、迅速に分解されて二酸化炭素ガスと一酸化炭素を放出するため、実際の応用において必要な措置を採用して換気及び爆発防止を行うべきであることを発見した。また、ギ酸ヒドラジンは、類似の性能を有する。
【0079】
本願において、ギ酸アンモニウムとエポキシドを用いて一般式(I)の化合物を製造する時に、好ましくは、先ずギ酸とアンモニア水を反応させてギ酸アンモニウム水溶液を取得し、その後に少量の有機アミン(例えば、メチルアミン、ジメチルアミン又はトリメチルアミン、エチルアミン又はジエチルアミン)を添加して、加熱脱水又は減圧濃縮又は真空濃縮(例えば、水の含有量が7−15wt%になるまで、例えば、10wt%程度)を行い、その後にエポキシド(例えば、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキサイド)を導入して反応させて、ギ酸アルコールアミン塩(I)を取得する。ここで、少量の有機アミン(例えば、メチルアミン、ジメチルアミン又はトリメチルアミン、エチルアミン又はジエチルアミン)の添加により、ギ酸アルコールアミン塩(I)が発泡組成物(「白色材料」)の調製に用いられる時に発泡組成物(「白色材料」)が結晶化され、沈殿される現象を防止できる。ギ酸ヒドラジンとエポキシドを用いて一般式(I)の化合物を製造する時に、ギ酸アンモニウムとエポキシドを用いて一般式(I)の化合物を製造する時と類似又は相当する性能又は応用効果を取得した。また、ギ酸を採用してアルコールアミン類化合物と直接に反応して一般式(I)の化合物を製造することもできる。
【0080】
本願において、重炭酸アンモニアを第1の原料として第2の原料と反応させて一般式(I)の化合物を製造する時に、例えば、メチルアミン,ジメチルアミン,アルコールアミン類,他のアミン類触媒,バイメタル触媒類(類)のような触媒が使用でき、又は加圧加熱が採用できる。
【0081】
また、下記のアルコールアミン類の化合物から選択される少なくとも一種類のアルコールアミン化合物(これらは少なくとも一つのN−Hを有する有機アミン類化合物(M)):
−C12アルコールアミン類、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノブタノールアミン、ジブチルアルコールアミン、又はトリブタノールアミン、
アニオンAn−の前駆体に属する対応酸(例えば、CO)を用いて中和反応させて形成された以下の一般式(Ia)の有機アミン塩化合物
n−[Bm+ (Ia)
は、好ましくはないが、直接に発泡剤とすることができ、特にポリウレタン発泡剤、ポリスチレン発泡剤又はポリ塩化ビニル発泡剤とすることができる。ギ酸又はギ酸塩を発泡剤として用いるとき、反応中でCOが生成されるため、必要な装置を採用して換気と爆発防止を行わなければならず、ギ酸アミン塩類を発泡剤として用いるとき、イソシアネートの存在は必要であるが、これはイソシアネートと反応する時に二酸化炭素と一酸化炭素を放出するからである。上記のこれら化合物は、本願で本発明の発泡剤と略称される。ポリウレタン発泡剤であるか又はポリウレタン発泡組成物中に用いられる。勿論、一般式(Ia)のこれら化合物の発泡剤は好ましくはなく、これはpH値が通常8未満であり、更に7.5未満であり、より更に7.1未満になり、pH=6−7に達する。断熱型のポリウレタン泡沫材料の製造に用いられる時に、特に閉鎖セル型のポリウレタン泡沫材料の製造に用いられる時に、発泡效率、発泡剤のにおい、断熱性能とセルサイズ安定性及びポリウレタンフォームのサイズ安定性から総合的に考慮して、又はオープンセル又はセミオープンセルのポリウレタン泡沫材料に用いられる時に、発泡效率、発泡剤のにおい、セル繊細度及びポリウレタンフォーム完成品のサイズ安定性から考慮して、これら有機アミン塩化合物(Ia)(これらは、その場(in situ)で有機アミン類化合物(M)とエポキシドの反応で製造されたのではない)は好ましくない。
【0082】
即ち、先ずアンモニア、ヒドラジン及び/又は有機アミンとエポキシドの反応でアルコールアミンを製造した後に、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)及び/又は(h)のアニオンに応じる酸性物質又は酸性化合物(例えば、二酸化炭素又はカルバミン酸)で中和させて、一般式(I)の有機アミン塩化合物を取得する場合、取得された有機アミン塩化合物(即ち、アルコールアミン塩)のpH(通常pH<7)、CO前駆体の含有量(CO釈放量に関連する)及び発泡反応中の活性はあまり良くない(オルトギ酸エステル又はヒドラジンのような安全性又はコスト面で利点を有する場合を除く)。よって、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)及び/又は(h)のアニオンとアンモニア、ヒドラジン及び/又は有機アミン(M)で形成された塩を、直接にエポキシドと反応させて一般式(I)の化合物を取得することが好ましい。
【0083】
また、ビス(ヒドロキシエチルアミン)カーボネート、ジ(ヒドロキシプロピルアミン)カーボネート、炭酸水素(ヒドロキシエチルアミン)塩、炭酸水素(ヒドロキシプロピルアミン)塩は、発泡剤としてポリスチレン発泡又はポリ塩化ビニル発泡中に用いるのに特に適合である。これら化合物は、上記一般式(I)の化合物に属する。また、例えば、ジエチレントリアミンの炭酸塩、トリエチレンテトラミンの炭酸塩、テトラメチレンペンタミンの炭酸塩、ジプロピレントリアミンの炭酸塩、トリプロピレンテトラミンの炭酸塩、テトラプロピレンペンタミンの炭酸塩のような上記一般式(I)の化合物に属しないポリアルキレンポリアミンの炭酸塩も発泡剤としてポリスチレン発泡又はポリ塩化ビニル発泡中に用いるのに特に適合である。
【0084】
一般的に、(c)ギ酸イオンを含有するギ酸アミン塩類発泡剤は、ポリスチレン発泡剤又はポリ塩化ビニル発泡剤に直接に用いることができない。
【0085】
また、本願の発明者は、ギ酸アンモニウム又はギ酸ヒドラジンとポリマーポリオールとの混和性が比較的良く、即ちギ酸アンモニウム又はギ酸ヒドラジンはポリマーポリオール中に直接に溶解できるため、ギ酸アンモニウム又はギ酸ヒドラジンを直接にポリウレタン発泡剤とすることができることを意外に発見した。よって、本願は更に、ギ酸アンモニウムを発泡剤とする用途を提供し、特にポリウレタン発泡剤とする用途を提供する。ギ酸アンモニウムが水溶液又はギ酸ヒドラジンの水溶液中に少量(例えば、0.5−15wt%、例えば、1−8wt%、2−6wt%が更に好ましい)の例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン又はモノエタノールアミンのような有機アミンを含有する時に、ギ酸アンモニウム水溶液では結晶化、沈殿が発生しない。
【0086】
本発明の発泡剤(即ち、一般式(I)の化合物,又は上記第5又は第6の実施案の方法で取得されたCOドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物)は、以下の特徴を有する:1)塩基性化合物を投入しないか又は追加しない場合、ギ酸アンモニウム、ギ酸ヒドラジン塩又はギ酸有機アミンM塩化合物以外に、本発明の発泡剤(即ち、一般式I化合物)のpH値は7.5−10であり、pHが7.8−9.5であることが好ましく、pHが8−9であることが更に好ましく、ギ酸アンモニウム(融点116℃)、ギ酸ヒドラジン又はギ酸有機アミンM塩発泡剤のpH値は5.5−6の範囲であり、又はAn−がギ酸イオン(c)である一般式(I)の化合物のpHが5.5−6.0の範囲である;2)アルカリ金属又はアルカリ土類金属の含有量は0−200ppm(質量)であり、150ppm未満であることが好ましく、100ppm未満であることが更に好ましく、50ppm未満であることが更に好ましく、20ppm未満であることが更に好ましく、10ppm未満であることが更に好ましく、5ppm未満であることが更に好ましく、検出限界未満又は0ppmであることが最も好ましい;3)水の含有量又は溶媒として存在する水の含有量は0−40wt%であり、5−35wt%が好ましく、10−30wt%が更に好ましく、15−25wt%が更に好ましい;4)熱分解温度は36−120℃であって分解される時にCOガスを釈放し、ここで分解温度が比較的高いある種類の本発明の発泡剤物はNCO基に接触されると不安定になり、45−70℃で分解されてCOを釈放できる;5)好ましくは、本発明の発泡剤の各分子は、少なくとも一つR基を含有し、当該R基は、例えば、HOCHCH−、HOCHCH(CH)−、HOCH(CH)CH−、HOCHCH(C)−、HOCH(C)CH−、HOCHCH(CHCl)−、HOCH(CHCl)CH−、HOCHCH(CBr)−又はHOCH(CBr)CH−であり、更に好ましくは、本発明の発泡剤は、複数種類(2又は3種類のような2−5種類が好ましい)の一般式(I)を有する化合物を含み、平均的に各分子は1.5−5個のR基を含有し、当該R基は、例えば、HOCHCH−、HOCHCH(CH)−、HOCH(CH)CH−、HOCHCH(C)−、HOCH(C)CH−、HOCHCH(CHCl)−、HOCH(CHCl)CH−、HOCHCH(CBr)−又はHOCH(CBr)CH−である;6)本発明の発泡剤中の全てのN原子中の30−100%、好ましくは50%−100%、更に好ましくは70%−100%、更に好ましくは85%−100%が、N−H共有結合を有する;7)本発明の発泡剤において、一般式(I)の化合物と水の総含有量は、総重量に対して、70−100%であり、更に一般的には80−99.999%であり、更に一般的には85−99.0%である(溶媒を含有し、少量の非金属の不純物を含有することが許される);8、赤外分光法によると、ある本発明の発泡剤は、2932−2970cm−1範囲での第二級アミン塩N−Hの伸縮振動シングレット、1555−1566cm−1範囲での第二級アミン塩N−Hの曲げ振動シングレットを有し、また、3200−3400cm−1範囲での強くて広い水素結合のOH伸縮振動ピークを有し、これは、発泡剤中にヒドロキシル基、第二級アミン基を有すると同時に、水を含有することを説明する。よって、本発明の発泡剤は、一種類又は複数種類のアルコールアミン化合物を含み、また一般的に水を含有する。
【0087】
更に好ましくは、一般式(I)の化合物は平均的に各分子が1.5−5個のR基を含有する。
【0088】
本願において、好ましくは、当該R基はHOCHCH−、HOCHCH(CH)−、HOCH(CH)CH−、HOCHCH(C)−、HOCH(C)CH−、HOCHCH(CHCl)−、HOCH(CHCl)CH−、HOCHCH(CBr)−又はHOCH(CBr)CH−である。
【0089】
本発明の第9の実施案によると、本発明は更に、ポリウレタン発泡組成物を提供し、これは、0.01−100重量%の上記の一般式(I)の化合物(又は上記の第2と第3の実施案の方法で取得されたCOドナーとしてのアニオンを有する有機アミン塩類化合物);0−50重量%の物理発泡剤;0−5重量%の水、及び0.0−99.99重量%のポリマーポリオールを含み、ここで、前記重量パーセンテージは、ポリウレタン発泡組成物の総重量に対するものである。好ましくは、これは、0.1−80重量%(1−70wt%が更に好ましく、3−60wt%が更に好ましく、5−50wt%が更に好ましく、10wt%、15wt%のように7−40wt%が更に好ましい)の上記の一般式(I)の化合物;0−40重量%の物理発泡剤;0−4重量%の水、及び20.0−99.9重量%(30−99wt%が更に好ましく、40−97wt%が更に好ましく、50−95wt%が更に好ましく、90wt%又は85wt%のように60−93wt%が更に好ましい)のポリマーポリオールを含み、ここで、前記重量パーセンテージはポリウレタン発泡組成物の総重量に対するものである。好ましくは、本発明の発泡組成物は合計0.5−4wt%の水、好ましくは0.8−2.5wt%、更に好ましくは1−2.2wt%の水を含有する。
【0090】
好ましくは、前記発泡組成物は更に、フォーム安定剤、触媒及び難燃剤等を含む。これら補助剤は、ポリウレタン分野での常用のものである。
【0091】
好ましくは、ポリマーポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテル−ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、ポリカーボネート−ポリエステルポリオール、ポリカーボネート−ポリエーテルポリオール、ポリブタジエンポリオール又はポリシロキサンポリオールから選択される。ポリマーポリオールの平均的な官能価は、一般的に2−16であり、2.5−10が好ましく、3−8が更に好ましい。
【0092】
好ましくは、前記物理発泡剤は、N−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、沸点が0−100℃範囲内である他のアルカン、HCFC−141b、HFC−245fa、HFC−365mfc、LBA、FEA−1100、沸点が0−100℃範囲内である他のクロロフルオロカーボン、ギ酸メチルのようなエステル類から選択される少なくとも一種類である。
【0093】
一般的に、本発明の発泡組成物は透明又は澄清のものであって、好ましくは、ポリウレタン硬質フォーム発泡組成物は、透明又は澄清、又は半透明又はミルキーホワイトであるが均一であり、又は、ポリウレタン軟質フォーム発泡組成物は、透明又はミルキーホワイトの均一な液体である。これは、本発明の発泡剤はポリマーポリオール中に溶解されるか又は均一に分散されることを説明する。一般的に、本発明の発泡剤又は発泡剤組成物は、ほとんどのポリエーテルポリオールと混合した後に透明又は澄清のシステムを形成する。一般的に、本発明の発泡剤又は発泡剤組成物はポリエステルポリオールと混合した後に透明又は澄清のシステムを形成するが、これが数種類のポリエステルポリオールと混合した時に、ミルキーホワイトであって均一なシステムを形成することが可能である。
【0094】
本発明のポリウレタン発泡組成物(「白色材料」と呼ばれる)は、以下の特徴を有する:1、アルコールアミン塩又はアルコールアミン化合物(例えば、一般式(I)の化合物が熱分解後にCOを釈放すると同時に、アルコールアミン類化合物を残留する)を含む;2、透明又は澄清、又は半透明又はミルキーホワイトの均一な液体である;3、加熱(例えば、40−80℃の温度)の状況又は酸(炭酸より強い無機酸又は有機酸)を添加した状況でCOを釈放し、ピーク値の分解温度は一般的に45−65℃である;4、発泡組成物(即ち、「白色材料」)がイソシアネート又はポリイソシアネート(例えば、MDI又はTDI)と接触又は混合する時に、混合された材料は瞬間的に(例えば、0.2−4秒、例えば1−2秒)ミルキーホワイトになる。本発明において、材料は迅速にミルキーホワイトになり、体積が迅速に膨張する現象が伴われるが、この過程は泡沫の本当の発泡開始ではなく、その後で材料は発泡し始める。水を用いるが、又は水と物理発泡剤を用いて発泡剤とする時に、泡沫の白化と発泡開始は同時に行われ、いずれも遅延で発生される。
【0095】
本発明において、発泡組成物(「白色材料」)は少量の水を補助発泡剤として含有するが、本発明の一般式(I)の化合物は分解してCOを釈放することを優先とし、即ち、発泡を優先とするので、少量の水の添加は発泡過程に影響せず又はポリウレタンフォーム完成品の性能に影響しない。即ち、ある状況で一般式(I)の化合物、即ち発泡剤中には少量の水が存在し、これら水は一般式(I)の化合物と結合するか又は結合の単一の分子の形で存在するか、又は発泡に有利であるか、又は発泡に参加せず、即ち、NCO基を消費しない。本願の発明者は研究によって、一般式(I)の化合物、即ち発泡剤中に存在する少量の水(即ち、結合水)は反応に参加せず、即ち、NCO基を消費しないことを発見した。この発見は、予想以外である。
【0096】
本発明のポリウレタン発泡組成物(「白色材料」と呼ばれる)中に、An−が(f) HCOOである(ギ酸イオン)の一般式(I)の化合物を含む時に、好ましくは、本発明のポリウレタン発泡組成物(「白色材料」と呼ばれる)は、1−5重量の水を含む。目的は、発泡過程で釈放される一酸化炭素(CO)の量を減少することである。
【0097】
本発明は更に、ポリウレタン泡沫材料を提供し、それは、上記のポリウレタン発泡組成物とポリイソシアネート単体(例えば、MDI及び/又はTDI)及び/又はイソシアネート末端のプレポリマーを混合して反応させた後に形成される。一般的に、前記ポリウレタン発泡組成物とポリイソシアネート単体及び/又はイソシアネート末端のプレポリマーの重量比は、例えば、0.5:1−2:1範囲内であり、0.5:1−1:1の範囲内であることが好ましく(ポリウレタン硬質フォーム型発泡組成物に対する)又は1:1−2:1の範囲内であることが好ましい(ポリウレタン軟質フォーム型発泡組成物に対する)。好ましくは、上記の重量比は、発泡組成物の活性水素とポリイソシアネート単体及び/又はイソシアネート末端のプレポリマー中に含まれる−NCO基の当量比を0.6−1.2:1、更に好ましくは0.7−0.9:1にし、即ち、NCOが活性水素に対して少々過量にするものである。
【0098】
本発明は更に、ポリウレタン泡沫材料の用途を提供し、それはポリウレタンのスプレー、冷蔵庫及冷凍庫の保温、コンテナの保温、建筑保温板、カラー鋼板、コールドプレート、パイプの保温、LNG輸送保温、高反発泡沫、低反発泡沫等に用いられる。
【0099】
好ましくは、一般式(I)の有機アミン塩化合物は、少なくとも二個の活性水素を有し、例えば、2−10個、好ましくは3−6個を有する。前記活性水素は、第一級アミン基、第二級アミン基又はヒドロキシル基の形で存在する。よって、一般式(I)の有機アミン塩化合物はCOを釈放して発泡に参与するだけでなく、鎖伸長及び/又は架橋にも参与し、セルの強度(即ち、力学強度及び/又は机械強度)を高めて、取得されたポリウレタンフォーム(この発泡体は手動攪拌を採用して実験室で自製スクエアモールド中制作)が良好なサイズ安定性を有するようにする。特に、ポリウレタンフォームの密度<25kg/mであると、一般的に、従来技術において、水のみを発泡剤として取得されたポリウレタンフォームには酷い収縮現象があると考えられているが、本発明の一般式(I)の化合物を発泡剤として取得されたポリウレタンフォーム(この発泡体は手動攪拌で実験室の自製スクエアモールド中で製作される)は優れたサイズ安定性を有し、特に環境条件又は室温条件下で少なくとも5カ月の時間を放置した状況で肉眼で見える収縮現象がほとんどない。例えば、中国国家標準GB/T 8811−2008に従い、放置時間に変化があるだけで、本発明で製造された完成品の泡沫材料(密度<25kg/m)は室温(23±2℃)条件下で5カ月放置され、ポリウレタンフォームの収縮率(長さサイズ変化率ε又は幅サイズ変化率ε又は厚さサイズ変化率ε)は一般的に7%未満であり、5%未満であることが更に好ましく、3%未満であることがより更に好ましく、1%未満であることがもっと更に好ましい。
【0100】
本発明の一般式(I)の有機アミン塩化合物は、製造しようとするポリウレタン泡沫材料の各種応用分野に基づいて特定のデザインを行うことができる。
【0101】
例えば、本発明の発泡組成物(「白色材料」呼ばれる)が冷蔵庫、冷凍庫、冷蔵コンテナ又は冷蔵車の断熱材料としてのポリウレタン泡沫材料の製造に用いられるか又は高反発、低反発等の軟質ポリウレタン泡沫材料の製造に用いられると、An−が(a)−(f)又は(h)である一般式(I)の化合物の反応において、第1の原料と第2の原料のモル比は一般的に1:1.3−3.5であり、1:1.5−3であることが好ましい。また、本発明の発泡組成物(「白色材料」呼ばれる)がスプレー工程に用いられる時に、第1の原料と第2の原料のモル比は一般的に1:2.8−5であり、1:3−4.5が好ましく、1:3.3−4が更に好ましい。
【0102】
好ましくは、一般式(I)の化合物を製造する反応温度は、0−200℃であり、例えば、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、130℃、150℃、160℃、170℃、180℃及び190℃である。反応の圧力は、0.1−1.5MPaであり、例えば、0.3MPa、0.6MPa、0.9MPa及び1.2MPaである。反応時間は0.5−20時間であり、例えば、0.5時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間である。
【0103】
本発明の一般式(I)の化合物の分解温度は一般的に45−120℃であり、50−70℃が好ましく、又は、イソシアネートと接触する時にその分解温度は45−70℃である。
【0104】
本発明の有益な技術效果又は利点
1.本発明の一般式(I)の化合物又は本発明の発泡剤は、適切な分解温度を有するか、又はイソシアネートと接触する時に適切な分解温度を有し、室温下の保存が安定的である一方、ポリウレタンの発泡過程で発泡反応システムが昇温される時に合理的な速度で二酸化炭素ガスを釈放して、発泡材料が、セルの分布密度、セルのサイズ均一性のような理想的な性能を有するようにする。本発明中で最も好ましい発泡剤は、一般式(I)を有するカルバミン酸塩及び/又は炭酸塩であり、これは適切な分解温度、適切な二酸化炭素の釈放速度、優れたセルの分布密度、優れたセルのサイズ均一性が原因であり、同じ発泡パラメータ下で形成された泡沫のセルの孔径は明らかに水、シクロペンタン等の物理発泡剤より小さく、単位体積中のセル数量は明らかに他の発泡剤より多いため、泡沫材料は良好な断熱性能を有する。本発明の発泡剤(特に、カルバミン酸塩及び/又は炭酸塩に対するものである)は比較的高いpH値(pH>7.5)を有し、単位重量に対して、この酸イオンの含有量は高く(又はCO釈放量が多い)、発泡剤として、特にポリウレタン発泡剤として比較的高い反応活性を有する。
【0105】
2.本発明の一般式(I)の化合物は、可溶化基、即ちR基を有し、当該化合物(I)は分子レベルで均一に溶解できるか又はポリエーテルポリオール及び/又はポリエステルポリオールのようなポリマーポリオール、又はポリ塩化ビニル(PVC)樹脂又はポリスチレン(PS)樹脂中に分布されて、発泡の均一性を確保し、局部が発泡過ぎることを避けることができる。
【0106】
3.本発明の一般式(I)の化合物は、アルコールアミン残基又はアルコールアミン化合物を有し、当該発泡剤(I)が分解されてCOを釈放した後に生成された分解生成物、即ち、アルコールアミン化合物は、依然として少なくとも二個の活性水素を含有し、これらは鎖伸長剤及び/又は架橋剤として適切であり、本発明の一般式(I)の化合物は、「発泡点」としても良く又は「鎖伸長点」及び/又は「架橋点」としても良く、セルの力学強度及び机械強度を大幅に強化し、取得されたポリウレタンフォームは優れたサイズ安定性を有し、ポリウレタンフォーム完成品は何ヶ月放置した後に、更に1年後にも肉眼で収縮現象、泡の崩壊又は泡消現象がほとんど観察されなかった。特に比較的高い温度(例えば、40−60℃、更に40−70℃)下で比較的長い時間、例えば、(10日)放置した後に良好なサイズ安定性を有する。
【0107】
4.本発明の一般式(I)の化合物は揮発し難く、金属イオン(金属イオンは金属基盤に対して腐食性を有する)を有せず、クロロフルオロカーボン発泡剤の全部または大部分を代えるため、環境保護に重要な意義があり、発泡の効果も明らかに従来技術中で他の発泡剤を用いる時に比べて優れた発泡效果を有する。
【0108】
5.シクロペンタンと混合されて発泡剤とされる時に、シクロペンタンを単独に用いる時に比べて、泡沫材料の断熱性能を明らかに高めることができる。HCFC−141b又はHFC−365mfcのようなクロロフルオロカーボンと混合されて発泡剤とされる時に、クロロフルオロカーボンを単独に用いる時に比べて、泡沫材料の断熱性能を明らかに高めることができる。現在、通常発泡剤又は特定のクロロフルオロカーボン発泡剤を基に、関連の発泡剤との相互溶解度又は混和性が比較的良い特定のポリエーテルポリオールを選択するが、本発明の発泡剤を用いると、特定のポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールを選択する必要がなく、実用範囲が広く、発泡組成物中で各種類のポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールを用いることができる。
【0109】
6.本発明の発泡剤はアミン基を有し、自体は自己触媒機能を有し、ポリウレタン発泡触媒の使用を減少でき、少なくとも前期触媒の使用を減少できるか又は前期触媒を更に省略することができる。
【0110】
7.従来技術に比べて、本発明で提供するポリウレタン発泡剤はクロロフルオロカーボンを含有しないか又は塩素フッ素元素を含有せず、ODP(オゾン層を破壊する潜在的な値)が0であり、GWP(地球温暖化係数)が1であって、最も環境に優しいポリウレタン発泡剤であり、性能が比較的優れ、低温性能が特に優れ、マイナス160℃での熱伝導率が従来の最も良い物理発泡剤に比べて20%程度低いことが検出され、この良好な特性は天然ガスの長距離輸送パイプの保温に用いられることができ、他の特性は、シクロペンタンと混合されて用いられると泡沫材料の熱伝導率を大幅に減少でき、この良好な保温性能は低冷蔵庫冷凍庫等の設備の消費電力を大幅に減少できる。本発明で提供するポリウレタン発泡剤は従来の全てのハロカーボン(ハロゲン含有)の物理発泡剤を代えることができ、ポリウレタン材料の生産応用を満たす。
【0111】
8.本発明の発泡剤又は一般式(I)の化合物を発泡剤として製造されたポリウレタン泡沫材料(この発泡体は手動攪拌を用いて実験室自製スクエアモールド中で製作される)のサイズ変化率又は収縮率≦4.5%であり、≦1.5%が好ましく、≦0.5%が更に好ましい(中国国家標準GB/T 8811−2008に従って、放置時間を当該標準中の要件を満たす時間にするか、又は更に放置時間を5カ月にする)。また、例えば、在34−42Kg/mの発泡体の密度下で、熱伝導率w/m・k(10℃)は0.01900−0.02200であり、0.01910−0.02150であることが好ましい。
【0112】
9.本発明の一般式(I)の化合物又は混合物中で少量の水を含有し、これら水は単一の分子として一般式(I)のアルコールアミン塩化合物の分子と互いに組み合わせるか又は結合されるため、単一の分子の形の存在で水は発泡に非常に有利であり、発泡体製品の性能を高めるのに有利である。従来技術で同じく少量の水を用いて発泡剤又は補助発泡剤とされるが、これら水は通常水分子クラスター又は水分子群の形(即ち、微小液滴の形式)で存在し、特に各水分子クラスターは異なるサイズを有し、発泡組成物の発泡不均一を引き起こし、特に発泡体の局部の崩壊を引き起こし、発泡体製品の各種性能に影響する。
【図面の簡単な説明】
【0113】
図1図1は実施例A−3における製品の赤外線スペクトルである。
図2図2は実施例A−4における製品の赤外線スペクトルである。
図3図3は実施例B−6における製品の赤外線スペクトルである。
図4図4は実施例4における発泡体の走査電子顕微鏡写真(SEM)である。
図5図5は実施例4の重複における比較発泡体4−1のSEMである。
図6図6は実施例4の重複における参考発泡体4−2のSEMである。
図7図7は実施例4の重複における比較発泡体4−3のSEMである。
図8図8は実施例4の重複における参考発泡体4−4のSEMである。
図9図9は実施例16における発泡体のSEMである。
図10図10は本発明において化合物A−4を発泡剤として用いた時のポリウレタンフォームの外観写真である。
図11図11は水で発泡された比較ポリウレタンフォームの外観写真である。
図12図12は本発明において化合物A−4を発泡剤として用いた時のポリウレタンフォームの外観写真である。
図13図13は水で発泡された比較ポリウレタンフォームの外観写真である。
図14図14は本発明において化合物A−4を発泡剤として用いた時のポリウレタンフォームの外観写真である。
図15図15は水で発泡された比較ポリウレタンフォームの外観写真である。
図16図16は実施例34におけるポリスチレン泡沫材料のSEMである。
図17図17は実施例36における化合物(ヒドラジノアルコールアミン塩)の赤外線スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0114】
以下、実施例と組み合わせて、本発明を更に説明する。
本願において、ポリウレタンフォームの製造又は発泡組成物に用いられる常用のポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールは、ポリエーテル4110、450、400A、MN500、SU380、SA380、403、SA460、G350と、ポリエステルCF6320、DM2003、YD6004、AKS7004、CF6255とから選択される。常用の触媒は、33LV(A−33):33%トリエチレンジアミンジプロピレングリコール溶液、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、70%のビス(ジメチルアミノエチル)エーテルのジプロピレングリコール溶液、70%のオクタン酸カリウムのジエチレングリコール溶液、ジブチルスズジラウレート、PT303、PT304、酢酸カリウム、PC−8(N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン)、PC−5、PC−41、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、JXP−508、JXP−509、TMR−2、TMR−3、TMR−4から選択される。常用の難燃剤は、TCPP、TCEP、DMMP、塩化アンモニウム、水酸化アルミニウム粉末、DM1201、DM1301、テトラブロモフタル酸無水物ジオールである。常用のシラン系界面活性剤は、DC8545、AK−158、AK−8805、AK−8812、AK−8809、AK−8818、AK−8860、DCI990、DC5188、DC6070、DC3042、DC3201である。非シラン系界面活性剤は、LK−221、LK−443である。
【0115】
安全説明:本発明において、エポキシ化合物の使用に係るいずれの場合、安全上の理由から、反応物を反応器に加える前と後で、不活性ガス(例えば、窒素ガス又はアルゴンガス)の処理と保護下で反応させて爆発を防止しなければならない。また、エチレンオキサイドを投入する場合、安全上の理由から、反応物を少量ずつ反応器中に投入することが好ましいが、プロピレンオキサイドは反応器中に一度で全部投入されてもよく、少量ずつ投入されてもよい。特に説明がない限り、反応器は一般的に冷却設備が装着されている圧力反応器である。エポキシ化合物は少量ずつゆっくり反応器中に投入され、比較的安全なエポキシ化合物も少量ずつゆっくり反応器中に投入されて、反応速度等の反応条件が制御され、安全が確保される。ヒドラジン水和物も可燃性で爆発性の毒性化合物であるため、関連する要件及び規制に従って使用する必要もある。
【0116】
実施例において、中国国家標準GB/T26689−2011(冷蔵庫、冷凍庫用の硬質ポリウレタン発泡プラスチック)に従って、発泡体の各性能を測定する。試料のサイズは一般的に10*10*2.5cmである。
【0117】
熱伝導率は、GB/T10294−2008又はGB/T10295−2008に従って行われる。平均温度は10℃であり、ホットプレートとコールドプレートの温度差は15〜20℃である。見掛け(コア)密度は、GB/T6343−2009に従って測定される。低温サイズ安定性は、GB/T8811−2008に従って、−30℃±2℃で測定される。圧縮強度は、GB/T8813−2008に従って測定される。閉鎖セル率(即ち、閉鎖セルの体積百分率)は、GB/T10799−2008に従って測定される。
【0118】
一般式(I)の化合物又は化合物の混合物における各種アルコールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン又はトリプロパノールアミン)の含有量の測定方法では、ガスクロマトグラフィーが採用できる。ここで、ガスクロマトグラフは水素炎イオン化検出器(FID)を有し、一般式(I)の化合物の重量の濃度は約10mg/mLであって、標準溶液である。ガスクロマトグラフィー条件:HP−5キャピラリーカラム(30m×0.32mm i.d.×0.25μm、5%フェニルメチル−シロキサン)である;カラム温度は昇温プログラムによる温度であって、初期温度は80℃であり、3min保持した後に25℃/minの速度で250℃まで昇温させ、5min保持する;試料の入口温度は250℃である;検出器の温度は260℃である;キャリアガスは高純度窒素ガスであって、流速は1.5mL/minである;燃焼ガスは水素であって、流速は30mL/minである;燃焼支援ガスは空気であって、流速は300mL/minである;メイクアップガスは窒素ガスであって、流速は25mL/minである;試料供給モードは分割供給であって、分割比は、30:1である;供給量は、1μLである。
【0119】
A)アミノ酸アンモニウム塩又はカルバメート有機アミン(M)塩からの一般式(I)の化合物の製造
実施例A−1
1.4トンのカルバミン酸アンモニウム(分子量78.07)、0.7トンのエチレングリコール、0.9トンの水を冷却ジャケット付きのステンレス鋼高圧反応器(下記の他の実施例では、反応器と略称する)中に投入した後に、攪拌器を起動させて、カルバミン酸アンモニウムがゆっくり溶解されるようにし(必ずしも完全に溶解されるのではない)、窒素ガスで反応器中をパージし、その後に反応器を密閉して攪拌を開始し、合計1.7トンのプロピレンオキサイド(分子量が58.08、沸点が34℃である)を投入し、プロピレンオキサイドの供給速度を制御して反応器内の圧力が0.6MPaを超えないようにし、持続的な攪拌下でゆっくり昇温させ、温度を70℃以下に制御して15時間反応させ、反応完了後に、温度をゆっくり50℃までに下げた後に真空度を600ミリメートル水銀柱以下(500mmHg未満が好ましい)に制御して不要な水(例えば、20wt%未満の水含有量に達する)及び未反応のプロピレンオキサイドを徐々に除去した後に、真空を解除し、温度が40℃以下までに下がれた後に反応物を放出すると、化合物A−1が取得される。粘度は200センチポアズであって、pH=9であり、化合物A−1の分解温度は45−70℃(45℃から非常にゆっくり分解し始め、ピーク分解温度は57−62℃)である。原子吸光分光光度計(Seiko Instruments、Inc.;SAS/727)で測定されたアルカリ金属とアルカリ土類金属イオンの含有量は検出限界より低い。ガスクロマトグラフィー分析によると、モノプロパノールアミンとジプロパノールアミンのモル比は、1:0.06である。化合物A−1は、約75wt%のモノプロパノールアミン及びジプロパノールアミン両者の塩を含有する。更に、一部の水を含有する。また、化合物A−1は、約55wt%のモノプロパノールアミン及びジプロパノールアミンを含有する(化合物A−1が加熱されて二酸化炭素を放出した後)。
【0120】
化合物A−1は、室温下又は比較的安定的な環境条件下で透明又は澄明の液体であって、ポリウレタン発泡剤として適し、それとHFC−245fa、LBA、ペンタフルオロブタンとの基本特性を比較すると下記の表の通りである。
【0121】
【表1】
【0122】
上記の表から見られるように、化合物A−1のGWP(地球温暖化係数)は1であり、分解温度が比較的高く、HFC−245fa、LBA、ペンタフルオロブタン等のような低沸点(20℃未満)の物理発泡剤におけるGWPが1より大き過ぎ、沸点が比較的低く、揮発し易いような多くの欠点を克服し、ODP(オゾン層を破壊する係数)が0であって、大気オゾン層を破壊せず、揮発し難く、輸送と保存し易い。
【0123】
実施例A−2
1.4トンのカルバミン酸アンモニウム、0.7トンのエチレングリコール、0.9トンの水を冷却ジャケット付きのステンレス鋼反応器中に投入した後に、攪拌し始めて、カルバミン酸アンモニウムをゆっくり溶解させ(必ずしも完全に溶解されるのではない)、反応システムは窒素ガス処理と保護を経た後に昇温され、温度が45−70℃であるように制御して、圧力が0.6MPaを超えないように制御し、その後に少量ずつゆっくり合計1.3トンのエチレンオキシド(分子量44.05)を投入し、投入した後に温度を45−70℃、圧力を0.6MPa以下に制御して5時間攪拌し反応させた後に、50℃までに温度を下げ、600mHg以下の減圧下で不要な水(例えば、30wt%未満の水含有量に達する)及び未反応のエチレンオキシドを除去し、40℃以下までに温度を下げた後に生成物を放出すると、化合物A−2が取得される。粘度は大体250であって、pH=9であり、化合物A−2の分解温度は45−70℃の範囲でいる。
【0124】
実施例A−3(本発明の好ましい実施例)
1kgのカルバミン酸アンモニウム、1kgの水を反応器中に投入し、攪拌下で溶解させ(不溶解のカルバミン酸アンモニウムの存在を許す)、窒素ガスで反応器中をパージした後に、2kgのプロピレンオキサイドを透明の石英ガラス反応器中に投入して、攪拌し始め、持続的な攪拌下でゆっくり昇温させ、温度が50−60℃であって、圧力が0.6MPaを超えない条件下で反応させ、反応が大体2時間進んだ時に突然濁った混合物、不透明の混合物が瞬間的に透明又は澄明の溶液になるような奇妙な現象が現れ、続いて8時間反応させた後に温度を50℃までに下げ、真空度が600ミリメートル水銀柱以下である条件下で、不要な水及び未反応のプロピレンオキサイドを除去し、40℃以下までに温度を下げた後に生成物を放出する。反応時間は、反応がモル比によって完成できることを確保した時間である。化合物A−3が取得される。粘度が200センチポアズであって、pH=9.1であり、分解温度は45−70℃の範囲である。液体クロマトグラフィー分析及びガスクロマトグラフィー分析によると、化合物A−3は複数種類のアルコールアミンを含有する混合物である。水含有量は21.5wt%である。赤外線スペクトルは、図1に示す通りである。
【0125】
実施例A−4(本発明の好ましい実施例)
1トンのカルバミン酸アンモニウム、1トンの水を冷却ジャケット付きのステンレス鋼圧力反応器中に投入し、攪拌下で溶解させ(不溶解のカルバミン酸アンモニウムの存在を許す)、窒素ガスで反応器中をパージした後に、少量ずつ2.2トンのプロピレンオキサイドを反応器中に投入し、その後に反応器を密閉させ、攪拌し始め、持続的な攪拌下でゆっくり昇温させ、温度が45−70℃であって、圧力が0.6MPaを超えないよう制御して10時間反応させた後に、50℃までに温度を下げ、真空度が600ミリメートル水銀柱以下である条件下で不要な水を除去し、温度を40℃以下までに下げた後に生成物を放出する。化合物A−4が取得される。粘度が200センチポアズであって、pH=9であり、分解温度は45−70℃の範囲である。液体クロマトグラフィー分析以及ガスクロマトグラフィー分析によると、いずれも化合物A−4が複数種類のアルコールアミンを含有する混合物であることを示す。赤外線スペクトルは、図2に示す通りである。
【0126】
実施例A−5(本発明の好ましい実施例)
7kgの炭酸アンモニウムと7kgのカルバミン酸アンモニウム、12kgの水を反応器中に投入し、攪拌下で溶解させ(不溶解のカルバミン酸アンモニウム及び炭酸アンモニウムの存在を許す)、窒素ガスで反応器中をパージした後に、再度少量ずつ30kgのプロピレンオキサイドを投入し、持続的な攪拌下でゆっくり昇温させ、温度が45−70℃であるよう制御し、圧力が0.6MPaを超えないよう制御して10時間反応させた後に、50℃までに温度を下げ、温度が50℃以下であって、真空度が600ミリメートル水銀柱以下であるよう制御して不要な水及び未反応のプロピレンオキサイドを除去し、40℃以下までに温度を下げた後に真空を解除して、生成物を放出すると、化合物A−5が取得される。粘度は大体200センチポアズであって、pH=9であり、分解温度は45−70℃の範囲である。
【0127】
実施例A−6(本発明の好ましい実施例)
16kgのカルバメートモノエタノールアミン塩、10kgの水を反応器中に投入し、窒素ガスで反応器中をパージし(purging)、攪拌し溶解させて、少量ずつ12kgのプロピレンオキサイドを反応器中に投入し、攪拌し始め、圧力が0.6MPaを超えないよう制御して持続的な攪拌下でゆっくり昇温させ、温度が70℃までに昇温されると温度を制御して5時間反応させた後に、温度を50℃以下までに下げ、真空度を600ミリメートル水銀柱以下に制御して不要な水及び未反応のプロピレンオキサイドを除去し、温度を40℃以下までに下げた後に真空を解除して、生成物を放出すると、化合物A−6が取得される。粘度は、230センチポアズである。pH=9である。分解温度は、45−70℃の範囲である。
【0128】
実施例A−7
20kgのカルバメートジエチレントリアミン塩、10kgの水を反応器中に投入し、攪拌し溶解させ、窒素ガスで反応器中をパージし、攪拌下で、圧力が0.6MPaを超えず、温度が45−70℃であるよう制御して、15kgのプロピレンオキサイドを少量ずつ反応器中に投入し、プロピレンオキサイドを投入した後に温度を制御して5時間反応させた後に、50℃までに温度を下げ、真空度が600ミリメートル水銀柱以下である減圧下で不要な及び未反応のプロピレンオキサイドを除去し、40℃以下までに温度を下げた後に真空を解除して、生成物を放出すると、化合物A−7が取得される。粘度は、大体350センチポアズである。pH=9であり、分解温度は45−70℃の範囲である。
【0129】
実施例A−8
1トンのカルバミン酸アンモニウム(分子量78.07)、1トンの水を反応器中に投入し、攪拌下で溶解させ(不溶解のカルバミン酸アンモニウムの存在を許す)、窒素ガスで反応器中をパージした後に、2.8トンのエピクロルヒドリン(即ち、エピクロルヒドリン又は3−クロロ−1,2−プロピレンオキサイドであって、分子量が92.52であり、沸点が117.9℃である)を反応器中に投入して、攪拌し始め、持続的な攪拌下でゆっくり昇温させ、温度が45−70℃であって、圧力が0.6MPaを超えないよう制御して10時間反応させた後に、50℃までに温度を下げ、真空度が600ミリメートル水銀柱以下である条件下で不要な水及び未反応のエピクロルヒドリンを除去し、40℃以下までに温度を下げた後に生成物を放出する。化合物A−8が取得される。粘度は450センチポアズであって、pH=9であり、分解温度は45−70℃の範囲である。
【0130】
実施例A−9
0.65トンの炭酸アンモニウムと0.65トンのカルバミン酸アンモニウム、1.2トンの水を反応器中に投入し、攪拌下で溶解させ(不溶解のカルバミン酸アンモニウムと炭酸アンモニウムの存在を許す)、窒素ガスで反応器中をパージした後に、再度3.6トンのスチレンオキシド(styrene oxide、分子量120.15)を投入し、持続的な攪拌下でゆっくり昇温させ、温度が45−70℃であるよう制御し、圧力が0.6MPaを超えないよう制御して、10時間反応させた後に、50℃までに温度を下げ、温度が50℃以下であって、真空度が600ミリメートル水銀柱以下であるよう制御して不要な水を除去し、40℃以下までに温度を下げた後に真空を解除して、生成物を放出すると、化合物A−9が取得される。粘度は大体460センチポアズであって、pH=9であり、分解温度は45−70℃の範囲である。
【0131】
実施例A−10
1kgのヒドラジンカルバメート、0.9kgの水を反応器中に投入し、攪拌下で30分間溶解させ(少量の不溶解のヒドラジンカルバメートの存在を許す)、窒素ガスで反応器中をパージした後に、1.8kgのプロピレンオキサイドを少量ずつ透明の石英ガラス反応器中に投入して、攪拌し始め、持続的な攪拌下でゆっくり昇温させ、温度が50−70℃であって、圧力が0.6MPaを超えないよう制御して反応させ、反応が大体2時間進んだ時に突然濁った混合物、不透明の混合物が瞬間的に透明又は澄明の溶液になるような奇妙な現象が現れ、続いて5時間反応させた後に温度を50℃までに下げ、真空度が600ミリメートル水銀柱以下である条件下で、一部の水及び未反応のプロピレンオキサイドを除去し、40℃以下までに温度を下げた後に生成物を放出する。反応時間は、反応がモル比によって完成できることを確保した時間である。化合物A−10が取得される。pH=8.9であり、分解温度は45−70℃の範囲である。
【0132】
B)CO2−アニオンを有する一般式(I)の化合物の製造
実施例B−1
14kgの炭酸アンモニウム(分子量96)、6kgのエチレングリコール及び8kgの水を反応器中に投入し、攪拌し始めて、炭酸アンモニウムをゆっくり溶解させ(必ずしも完全に溶解されるのではない)、窒素ガスで反応器中をパージし、20kgのプロピレンオキサイドを投入して、攪拌し始め、圧力が0.6MPaを超えないよう制御して、持続的な攪拌下でゆっくり昇温させ、温度が70℃以下であるよう制御して12時間反応させて、反応が完了した後に、ゆっくり50℃までに温度を下げた後に制御真空度が600ミリメートル水銀柱以下である条件下で不要な水及び未反応のプロピレンオキサイドを除去した後に、真空を解除し、40℃以下までに温度を下げた後に反応物を放出すると、化合物B−1が取得される。粘度は大体300センチポアズであって、pH=9であり、化合物B−1の分解温度は45−70℃である。液体クロマトグラフィー分析以及ガスクロマトグラフィー分析によると、化合物B−1は複数種類のアルコールアミンを含有する混合物である。原子吸光分光光度計(Seiko Instruments、Inc.;SAS/727)で測定されたアルカリ金属及びアルカリ土類金属イオンの含有量は検出限界より低い。ガスクロマトグラフィー分析によると、モノプロパノールアミンとジプロパノールアミンとのモル比は、1:0.22である。化合物B−1は、約78wt%のモノプロパノールアミン及びジプロパノールアミン両者の塩を含有する。化合物B−1は、約56wt%のモノプロパノールアミン及びジプロパノールアミンを含有する。
【0133】
実施例B−2
1.4トンの炭酸アンモニウム、1トンの水を冷却ジャケット付きのステンレス鋼圧力反応器中に投入して、攪拌し溶解させ(不溶解の炭酸アンモニウムの存在を許す)、窒素ガスでパージした後に、反応器を密封し、持続的な攪拌下で、温度が45−70℃であるよう制御し、圧力が0.6MPaを超えないよう制御して、1.3トンのエチレンオキシドを少量ずつ反応器中に投入し、投入した後に温度を制御して4時間反応させ、その後に50℃までに温度を下げ、真空度が600mHg以下であるよう制御して減圧下で不要な水及び未反応のエチレンオキシドを除去し、40℃以下までに温度を下げた後に真空を解除して、生成物を放出すれば良い。化合物B−2が取得される。粘度は、300センチポアズである。pH=9.1である。分解温度は、45−70℃である。液体クロマトグラフィー分析以及ガスクロマトグラフィー分析によると、化合物B−2は複数種類のアルコールアミンを含有する混合物である。
【0134】
実施例B−3
20kgの炭酸アンモニウム、18kgの水を透明の石英ガラス反応器中に投入し、攪拌し溶解させ(不溶解の炭酸アンモニウムの存在を許す)、窒素ガスで反応器中をパージし、持続的な攪拌下で、温度が45−70℃であるよう制御し、圧力が0.6MPaを超えないよう制御して、45kgのプロピレンオキサイドを反応器中に投入し、投入した後に温度を制御して反応させ、反応が大体2時間進んだ時に突然濁った混合物、不透明の混合物が瞬間的に透明又は澄明の溶液になるような奇妙な現象が現れ、続いて8時間反応させた後に温度を50℃までに下げ、真空度が600mHg以下である減圧下で不要な水及び未反応のプロピレンオキサイドを除去するよう制御し、40℃以下までに温度を下げた後に真空を解除して、生成物を放出すれば良い。化合物B−3が取得される。粘度は、大体250センチポアズである。pH=9.1である。分解温度は、45−70℃である。
【0135】
実施例B−4
20kgのアンモニア水(濃度25wt%)を反応器中に投入し、窒素ガスで反応器中をパージし、攪拌し始め、圧力が0.6MPaを超えず、温度が120℃を超えないよう制御して、16kgのエチレンオキシドを少量ずつ投入し、投入した後に温度を制御して1時間反応させる。反応完了後に温度を室温まで下げ、その後に減圧下で不要な水及び未反応のエチレンオキシドを蒸発させ、pH値が8程度になるまで4kgの二酸化炭素(分子量44)を注入し、温度を80℃以下に制御し、反応完了後に室温まで温度を下げれば良い。化合物B−4が取得される。粘度は、大体400センチポアズである。分解温度は、45−75℃の範囲である。
【0136】
実施例B−5
20kgのアンモニア水(濃度25wt%)、5kgのエチレングリコールを反応器中に投入し、窒素ガスで反応器中をパージし、攪拌し始め、圧力が0.6MPaを超えず、温度が120℃を超えないよう制御して、20kgのプロピレンオキサイドを少量ずつ投入し、投入した後に温度を制御して2時間反応させる。反応完了後に温度を室温まで下げ、その後に減圧下で不要な水及び未反応のプロピレンオキサイドを蒸発させ、pH値が8程度になるまで5kgの二酸化炭素を注入し、温度が80℃以下であるよう制御し、反応完了後に室温まで温度を下げれば良い。化合物B−5が取得される。粘度は、大体450センチポアズである。分解温度は、45−75℃の範囲である。
【0137】
実施例B−6
10kgの重量部のジエチレントリアミン(分子量103.17)、15kgの水を反応器中に投入し、窒素ガスで反応器中をパージし、攪拌し始め、圧力が0.6MPaを超えず、温度が120℃を超えないよう制御して、15kgのプロピレンオキサイド少量ずつ投入し、投入した後に温度を制御して1時間反応させる。反応完了後に室温まで温度を下げて不要な水及び未反応のプロピレンオキサイドを蒸発させ、pH値が8程度になるまで6kgの二酸化炭素を注入し、温度を80℃以下に制御し、反応完了後に室温まで温度を下げれば良い。化合物B−6が取得される。粘度は、大体500センチポアズである。分解温度は、45−70℃の範囲である。赤外線スペクトルは、図3に示す通りである。
【0138】
実施例B−7
10kgのエチレンジアミン(分子量60.12)、15kgの水を反応器中に投入し、窒素ガスで反応器中をパージし、攪拌し始め、圧力が0.6MPaを超えず、温度が120℃を超えないよう制御して、10kgのエチレンオキシド(分子量44.05)を少量ずつ投入し、投入した後に温度を制御して1時間反応させる。反応完了後に室温まで温度を下げで不要な水及び未反応のエチレンオキシドを蒸発させ、pH値が8になるまで5kgの二酸化炭素を注入し、温度を80℃以下に制御し、反応完了後に室温まで温度を下げれば良い。化合物B−7が取得される。粘度は、大体500センチポアズである。分解温度は、45−70℃の範囲である。
【0139】
実施例B−8
6kgのエチレンジアミン(分子量60.12)、3.4kgの液体アンモニアを特製の耐圧混合タンクに投入して均一に混合させた後に、パイプによって所定の流量で混合反応器中に注入されるよう制御し、圧力が0.6MPaを超えないよう制御し、温度が60℃以下であるよう制御して、9kgの二酸化炭素ガスとゆっくり混合させ、反応完了後に室温まで温度を下げ、取得された全ての製品を10kgの水とともに反応器中に投入し、攪拌下でゆっくり溶解させ(不溶物の存在を許す)、反窒素ガスで反応器中をパージし、圧力が0.6MPaを超えず、温度が70℃を超えないよう制御して、35kgのプロピレンオキサイドを少量ずつ投入し、投入した後に温度を制御して5時間反応させる。反応完了後に室温まで温度を下げ、その後に減圧下で一部の水及び未反応のプロピレンオキサイドを蒸発させる。化合物B−8が取得される。pH=9.1であり、分解温度は45−70℃の範囲である。
【0140】
実施例B−9
6kgのジエチレントリアミン(分子量:103.17)、3kgの液体アンモニアを特製の耐圧混合タンク中に投入して均一に混合させた後に、パイプによって所定の流量で混合反応器中に注入されるよう制御し、圧力が0.6MPaであるよう制御し、温度が60℃以下であるよう制御して、7.6kgの二酸化炭素ガスとゆっくり混合させ、反応完了後に室温まで温度を下げ、取得された全ての製品を10kgの水とともに反応器中に投入し、攪拌下でゆっくり溶解させ(不溶物の存在を許す)、窒素ガスで反応器中をパージし、圧力が0.6MPaを超えず、温度が70℃を超えないよう制御された条件下で、22kgのエチレンオキシドを少量ずつ投入し、投入した後に温度を制御して5時間反応させる。反応完了後に室温まで温度を下げ、その後に減圧下で一部の水及び未反応のエチレンオキシドを蒸発させる。化合物B−9が取得される。pH=8.8であり、分解温度は45−70℃の範囲である。
【0141】
実施例B−10
6kgのジエチレントリアミン(分子量:103.17)、3kgの液体アンモニアを特製の耐圧混合タンク中に投入して均一に混合させた後に、パイプによって所定の流量で混合反応器中に注入されるよう制御し、圧力が0.6MPaであるよう制御し、温度が60℃以下であるよう制御して、7.6kgの二酸化炭素ガスとゆっくり混合させ、反応完了後に室温まで温度を下げ、取得された全ての製品を10kgの水とともに反応器中に投入し、攪拌下でゆっくり溶解させ(不溶物の存在を許す)、窒素ガスで反応器中をパージし、圧力が0.6MPaを超えず、温度が70℃を超えないよう制御された条件下で、9kgのエチレンオキシド及び14kgプロピレンオキサイドを少量ずつ投入し、投入した後に温度を制御して5時間反応させる。反応完了後に室温まで温度を下げ、その後に減圧下で一部の水及び未反応のエチレンオキシドとプロピレンオキサイドを蒸発させる。化合物B−10が取得される。pH=9.0であり、分解温度は45−70℃の範囲である。
【0142】
実施例B−11
6kgのエチレンジアミン(分子量60.12)、3kgのメチルアミン(分子量:31.10)、1.7kgの液体アンモニアを特製の耐圧混合タンク中に投入して均一に混合させた後に、パイプによって所定の流量で混合反応器中に注入されるよう制御し、圧力が0.6MPaであるよう制御し、温度が60℃以下であるよう制御して、8.5kgの二酸化炭素ガスとゆっくり混合させ、反応完了後に室温まで温度を下げ、取得された全ての製品を10kgの水とともに反応器中に投入し、攪拌下でゆっくり溶解させ(不溶物の存在を許す)、窒素ガスで反応器中をパージし、圧力が0.6MPaを超えず、温度が70℃を超えないよう制御された条件下で、31kgのプロピレンオキサイドを少量ずつ投入し、投入した後に温度を制御して5時間反応させる。反応完了後に室温まで温度を下げ、その後に減圧下で一部の水及未反応のプロピレンオキサイドを蒸発させる。化合物B−11が取得される。pH=9.0であり、分解温度は45−70℃の範囲である。
【0143】
実施例B−12
0.9kgの炭酸ヒドラジン、0.8kgの水を反応器中に投入して、攪拌下で30分間溶解させ(不溶解のカルバミン酸アンモニウムの存在を許す)、窒素ガスで反応器中をパージした後に、1.8kgのプロピレンオキサイドを少量ずつ透明の石英ガラス反応器中に投入し、攪拌し始め、持続的な攪拌下でゆっくり昇温させ、温度が50−70℃であって、圧力が0.6MPaを超えないよう制御された条件下で反応させ、反応が大体2時間進んだ時に突然濁った混合物、不透明の混合物が瞬間的に透明又は澄明の溶液になるような奇妙な現象が現れ、続いて5時間反応させた後に温度を50℃までに下げ、真空度が600ミリメートル水銀柱以下である条件下で、一部の水及び未反応のプロピレンオキサイドを除去し、40℃以下までに温度を下げた後に生成物を放出する。反応時間は、反応がモル比によって完成できることを確保した時間である。化合物B−12が取得される。pH=8.9であり、分解温度は45−70℃の範囲である。
【0144】
実施例B−13
0.9kgの炭酸ヒドラジン、0.8kgの水を反応器中に投入して、攪拌下で30分間溶解させ(不溶解のカルバミン酸アンモニウムの存在を許す)、窒素ガスで反応器中をパージした後に、1.3kgのエチレンオキシドを少量ずつ透明の石英ガラス反応器中に投入し、攪拌し始め、持続的な攪拌下でゆっくり昇温させ、温度が50−70℃であって、圧力が0.6MPaを超えないよう制御された条件下で反応させ、反応が大体2時間進んだ時に突然濁った混合物、不透明の混合物が瞬間的に透明又は澄明の溶液になるような奇妙な現象が現れ、続いて5時間応させた後に温度を50℃までに下げ、真空度が600ミリメートル水銀柱以下である条件下で、一部の水及び未反応のエチレンオキシドを除去し、40℃以下までに温度を下げた後に生成物を放出する。反応時間は、反応がモル比によって完成できることを確保した時間である。化合物B−13が取得される。pH=8.8であり、分解温度は45−70℃の範囲である。
【0145】
C)ギ酸イオン(HCOO)を有する一般式(I)の化合物の製造
実施例C−1
15kgのギ酸アンモニウム、1kgのメチルアミン触媒,10kgの水、5kgのエチレングリコールを反応器中に投入して、攪拌し始め、窒素ガスで反応器中をパージし、圧力が0.5MPaを超えないよう制御し、温度が120℃以下であるよう制御して、12kgのエチレンオキシドを少量ずつ反応器中に投入し、5時間反応させる。反応完了後に温度を下げ、その後に真空度が600ミリメートル水銀柱以下であるよう制御して、温度100℃以下で減圧下で不要な水及び未反応のエチレンオキシドを除去し、真空を解除し、50℃以下までに温度を下げた後に製品を放出すれば良い。化合物C−1が取得される。粘度は大体200センチポアズであって、pH=8.5であり、分解温度は100℃を超える。
【0146】
実施例C−2
実施例C−1の重複であって、12kgのエチレンオキシドの代わりに15kgのプロピレンオキサイドが用いられ、プロピレンオキサイドは反応器中に少量ずつ投入されるのではなく、一度でその中に投入される。化合物C−2が取得される。粘度は大体350センチポアズであって、pH=8.6であり、分解温度は100℃を超える。
【0147】
実施例C−3
10kgのギ酸メチル、10kgのギ酸エチル、13kgのアンモニア水(濃度25wt%)、35kgのジエタノールアミンを反応器中に投入して、攪拌し始め、圧力が0.5MPaを超えないよう制御し、持続的な攪拌下でゆっくり昇温させ、温度が100℃までに昇温された時に温度を制御して15時間反応させる。反応完了後に温度を下げ、その後に真空度が600ミリメートル水銀柱以下であって、温度が100℃以下であるよう制御し、減圧下でメタノール及びエタノールを除去し、真空を解除し、50℃以下までに温度を下げた後に製品を放出すると、化合物C−3が取得される。粘度は大体400センチポアズであって、pH=9であり、分解温度は100℃を超える。
【0148】
上記化合物C−1、C−2及びC−3はイソシアネートと接触するとすぐ二酸化炭素ガスを放出すると同時に、少量の一酸化炭素ガスを放出するため、ギ酸メチルのような一般的な物理発泡剤の欠点を克服できる。
【0149】
実施例C−4(一般式(I)の化合物に属しない)
24kgのアンモニア水(濃度25wt%)を反応器中に投入し、温度が100℃以下になるよう制御して、持続的な攪拌下で20kgのギ酸(濃度85wt%)をゆっくりアンモニア水中に滴下し、追加した後に温度を保ちなから1時間反応させ、その後に真空度が600ミリメートル水銀柱以下であって、温度が100℃以下になるよう制御し、減圧下で不要な水を除去する。化合物C−4が取得される。粘度は大体150センチポアズであって、pH=9.5であり、分解温度は100℃を超える。
【0150】
実施例C−5(一般式(I)の化合物に属しない)
23kgのアンモニア水(濃度25wt%)、1.5kgのジメチルアミンを反応器中に投入し、温度が100℃以下になるよう制御して、持続的な攪拌下で20kgのギ酸(濃度85wt%)をゆっくりアンモニア水中に滴下し、追加した後に温度を保ちなから1時間反応させ、その後に真空度が600ミリメートル水銀柱以下であって、温度が100℃以下になるよう制御し、減圧下で不要な水を除去し、真空を解除して、50℃以下までに温度を下げた後に製品を放出すると化合物C−5が取得される。粘度は大体150センチポアズであって、pH=9.2であり、分解温度は100℃を超える。
【0151】
実施例C−6(一般式(I)の化合物に属しない)
23kgのアンモニア水(濃度25wt%)、1.5kgのメチルアミンを反応器中に投入し、温度が100℃以下になるよう制御して、持続的な攪拌下で20kgのギ酸(濃度85wt%)をゆっくりアンモニア水中に滴下し、追加した後に温度を保ちなから1時間反応させ、その後に真空度が600ミリメートル水銀柱以下であって、温度が100℃以下になるよう制御し、減圧下で不要な水を除去し(例えば、10wt%程度の水含有量に達することができる)、真空を解除して、50℃以下までに温度を下げた後に製品を放出する。化合物C−6が取得され、結晶は生成されていないが、それは追加されたメチルアミンがその結晶化を妨げたからである可能性がある。粘度は大体150センチポアズであって、pH=9であり、分解温度は100℃を超える。
【0152】
化合物C−4、C−5又はC−6は、イソシアネートと接触すると二酸化炭素ガスを放出すると同時に、少量の一酸化炭素ガス放出して、一般的な物理発泡剤の欠点を克服した。
化合物C−1乃至C−6が110℃を超える温度でも分解できないが、発明者は実験により、ポリウレタン発泡過程でこれらは分解されてCOを放出することを発見した。これは、イソシアネート化合物に接触されると先ずNCO基と反応して安定ではない無水炭酸を生成したからである可能性がある。
【0153】
D)炭酸水素イオン(HO−COO)を有する一般式(I)の化合物の製造
実施例D−1
10kgの重炭酸アンモニウム(分子量79.06)、9.0kgの水及び1kgのエチレンジアミンを透明の石英ガラス反応器中に投入し、攪拌して溶解させ(不溶解の重炭酸アンモニウムの存在を許す)、窒素ガスで反応器中をパージし、反応器を密封させた後に、持続的な攪拌下で、温度が45−65℃になるよう制御し、圧力が0.6MPaを超えないよう制御して、20kgのプロピレンオキサイドを少量ずつ反応器中に投入し、追加した後に温度を制御して10時間反応させ、その後に50℃までに温度を下げ、真空度が600mHg以下になるよう制御して減圧下で不要な水及び未反応のプロピレンオキサイドを除去し、40℃以下までに温度を下げた後に真空を解除して、生成物を放出すれば良い。化合物D−1が取得される。粘度は大体250センチポアズである。pH=8であり、分解温度は36−42℃である。
【0154】
発明者は意外に以下のことを発見した。化合物D−1とポリエーテルポリオール及び/又はポリエステルポリオールとを混合すると、例えば発泡組成物(「白色材料」)を調製すると、白色材料中に溶解される化合物D−1の分解温度は、45−65℃までに昇温される。これにより化合物D−1は適切な分解温度を有するので、ポリウレタン発泡に適している。
【0155】
E)モノ炭酸エステル(RO−COO)アニオンを有する一般式(I)の化合物の製造
実施例E−1
10kgの炭酸水素メチルのアンモニウム塩(分子量93)、9.0kgの水及び1kgのエチレンジアミンを透明の石英ガラス反応器中に投入し、攪拌して溶解させ(不溶解のアンモニウム塩の存在を許す)、反応器中に窒素ガスを注入し、反応器を密封させた後に、持続的な攪拌下で、温度が45−65℃になるよう制御し、圧力が0.6MPaを超えないよう制御して、20kgのプロピレンオキサイドを少量ずつ反応器中に投入し、投入した後に温度を制御して10時間反応させ、その後に50℃までに温度を下げ、真空度が600mHg以下になるよう制御して減圧下で不要な水及び未反応のプロピレンオキサイドを除去し、40℃以下までに温度を下げた後に真空を解除して、生成物を放出すれば良い。化合物E−1が取得される。粘度は大体350センチポアズである。pH=8であり、分解温度は42℃−60℃である。
【0156】
F)OOC−N(R)−R−N(R)−COO又はR’(−N(R)−COOアニオンを有する一般式(I)の化合物の製造
実施例F−1
10kgのNHOOC−NH−(CH−NH−COONH(分子量182)、9.0kgの水を透明の石英ガラス反応器中に投入し、攪拌して溶解させ(不溶解のアンモニウム塩の存在を許す)、反応器中に窒素ガスを注入し、反応器を密封させた後に、持続的な攪拌下で、温度が45−55℃になるよう制御し、圧力が0.6MPaを超えないよう制御して、20kgのプロピレンオキサイドを少量ずつ反応器中に投入し、投入した後に温度を制御して10時間反応させ、その後50℃までに温度を下げ、真空度が600mHg以下になるよう制御して減圧下で不要な水及び未反応のプロピレンオキサイドを除去し、40℃以下までに温度を下げた後に真空を解除して、生成物を放出すれば良い。化合物F−1が取得される。粘度は大体600センチポアズである。pH=9であり、分解温度は45℃−70℃である。
【0157】
実施例F−2
12kgの下記式を有するベンゼン−1,3,5−トリス(カルバミン酸アンモニウム)(分子量306):
【化13】
と9.0kgの水を透明の石英ガラス反応器中に投入し、攪拌して溶解させ(不溶解のアンモニウム塩の存在を許す)、窒素ガスで反応器中をパージし、反応器を密封させた後に、持続的な攪拌下で、温度が45−60℃になるよう制御し、圧力が0.6MPaを超えないよう制御して、20kgのプロピレンオキサイドを少量ずつ反応器中に投入し、投入した後に温度を制御して10時間反応させ、その後50℃までに温度を下げ、真空度が600mHg以下になるよう制御して減圧下で不要な水及び未反応のプロピレンオキサイドを除去し、40℃以下までに温度を下げた後に真空を解除して、生成物を放出すれば良い。化合物F−2が取得される。粘度は大体510センチポアズである。pH=9.6である。分解温度は、45℃−70℃である。
【0158】
G)オルトギ酸アニオンを有する一般式(I)の化合物の製造
実施例G−1
15kgのオルトギ酸トリエチル、20kgのジエタノールアミン、10kgの水を反応器中に投入し、攪拌し始め、圧力が0.1MPaを超えないよう制御して、持続的な攪拌下でゆっくり昇温させ、温度が80℃までに昇温されると温度を制御して10時間反応させる。反応完了後に50℃までに温度を下げ、その後に真空度が600ミリメートル水銀柱以下であって、温度が50℃以下になるよう制御し、減圧下でエタノールを除去し、40℃以下までに温度を下げた後に製品を放出すれば化合物G−1が取得され、粘度は大体500センチポアズであって、pH=8.0であり、分解温度が45−70℃である。
【0159】
実施例G−2
15kgのトリメチルオルトホルメート、2.0kgのエチレングリコール、10kgの水、6.0kgのエチレンジアミンを反応器中に投入し、攪拌し始め、圧力が0.1MPaを超えないよう制御して、持続的な攪拌下でゆっくり昇温させ、温度が70℃までに昇温されると温度を制御して5時間反応させる。反応完了後に温度を下げ、その後に真空度が600ミリメートル水銀柱以下であって、温度が50℃以下になるよう制御し、減圧下でメタノールを除去し、真空を解除し、40℃以下までに温度を下げた後に製品を放出すれば化合物G−2が取得され、粘度は250センチポアズであって、pH=8.3であり、分解温度が45−70℃である。
【0160】
実施例G−3
15kgのオルトギ酸トリエチル、13kgのモノエタノールアミン、7.0kgの水を反応器中に投入し、攪拌し始め、持続的な攪拌下でゆっくり昇温させ、温度が100℃以下になうよう制御して8時間反応させる。反応完了後に温度を下げ、その後に真空度が600ミリメートル水銀柱以下であって、温度50℃以下になるよう制御し、減圧下でエタノールを除去し、真空を解除し、50℃以下までに温度を下げた後に製品を放出すれば、オルトギ酸トリエチルにおける二つのエステル基が加水分解された化合物G−3が取得される。粘度は大体300センチポアズであって、pH=8.1であり、分解温度が45−70℃である。
【0161】
実施例G−4
20kgのオルトギ酸エチレングリコールエステル、11kgのジエタノールアミン、10kgのアンモニア水を反応器中に投入し、攪拌し始め、持続的な攪拌下でゆっくり昇温させ、温度が100℃以下になうよう制御して8時間反応させる。反応完了後に温度を下げ、その後に真空度が600ミリメートル水銀柱以下であって、温度が50℃以下になるよう制御し、減圧下で不要な水を除去し、真空を解除し、40℃以下までに温度を下げた後に製品を放出すれば化合物G−4が取得される。粘度は大体500センチポアズであって、pH=8であり、分解温度が45−70℃である。
【0162】
応用実施例
実施例1
8重量部の発泡剤としての上記実施例A−1で製造された化合物A−1、50重量部のポリエーテルポリオール4110(山東省浜州市の浜化集団製)、1重量部のフォーム安定剤DC3201(エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air Products and Chemicals Inc.)製)、12.5重量部の難燃剤TCPP(江蘇雅克化工有限会社製)及び2重量部の触媒A33(33LV、エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ製)を均一に混合すると透明の発泡組成物が取得され、その後に95.5部のイソシアネートMDI(PM200、煙台万華化学集団株式会社製)を追加し、均一に攪拌した後に発泡するとポリウレタン泡沫材料が取得される。
【0163】
実施例2
8重量部の発泡剤としての上記実施例A−2で製造された化合物A−2、30重量部のポリエーテルポリオール4110、20重量部のポリエステルポリオールCF6320(江蘇富盛新材料有限会社製)と1重量部のフォーム安定剤DC3201、12.5重量部の難燃剤TCPPと2重量部触媒A33を均一に混合すると透明の発泡組成物が取得され、その後に95.5部のイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡するとポリウレタン泡沫が取得される。
【0164】
実施例3
20重量部の発泡剤としての化合物A−3、2重量部のフォーム安定剤DC3201、0.5重量部の触媒ジブチルスズジラウレート、0.5重量部の触媒PC−5(美国空气化工製)、1重量部の触媒PC−8(美国空气化工製)、1重量部の触媒PT304(美国空气化工製)、1重量部の触媒A33、40重量部の難燃剤TCPP、20重量部のポリエーテルポリオール4110、10重量部のAKS7004(AEKYUNG PETROCHEMICAL CO.,LTD KOREA)、10重量部のMN500(山東藍星東大化工有限責任会社、水酸基価mgKOH/g:330−350)及び10重量部のポリエステルポリオールCF6320(江蘇富盛新材料有限会社)を均一に混合した後に、50kg投与量で、イソシアネートMDI(PM200)との体積比を1:1−1.6(即ち、「白色材料」とMDIとの体積比)として、スプレー装置でスプレーするとポリウレタン泡沫材料が取得できる。
【0165】
実施例4
7重量部の発泡剤としての化合物A−4、1重量部の触媒PC−41(美国空气化工)、0.5重量部の触媒PC−8(美国空气化工)、13重量部のシクロペンタン、2重量部のフォーム安定剤DC8545(美国空气化工)を、50重量部のポリエーテルポリオール2010(江蘇省海安石油化工厂製)、25重量部のポリエーテルポリオールSA380(山東一諾威ポリウレタン株式有限会社)及び25重量部のポリエーテルポリオールSA460(山東一諾威ポリウレタン株式有限会社)の混合物中に投入して均一に混合して、透明の発泡組成物(「白色材料」と略称する)を取得した後に、148.2部のイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡金型中に注入して発泡するとクラスト付きポリウレタン泡沫材料が取得される。
試料を取って、ブレードで切った後にSEMで100倍拡大してセルを観察する。図4に示すように、セルの直径は、205ミクロンである。
【0166】
比較として、本実施例4を重複するが、ここで、5重量部の水と12重量部のシクロペンタン(1:2.4重量比)のみを発泡剤として、比較発泡体4−1を取得する。図5に示すように、セルの直径は、396ミクロンである。
【0167】
また、本実施例4を重複するが、ここで、本発明の化合物A−4とシクロペンタン(1:1.5重量比)のみを発泡剤として、参考発泡体4−2を取得する。図6に示すように、セルの直径は、306ミクロンである。比較として、実施例4を重複するが、ここで、水+LBA+シクロペンタン(1:1:1重量比)のみを発泡剤として、比較発泡体4−3を取得し、図7に示すように、セルの直径は、495ミクロンである。本実施例4を重複するが、ここで、本発明の化合物A−4、LBA及びシクロペンタン(1:1.2:1.3重量比)のみを発泡剤として、参考発泡体4−4を取得し、図8に示すように、セルの直径は、335ミクロンである。
【0168】
図4図6及び図8から見られるように、発泡体は繊細、均一、緊密で、単位面積当たりのセル数が明らかに多くなる。図5図7から見られるように、セルの直径は明らかに不均一であり、単位面積当たりのセル数が明らかに少ない方である。
【0169】
実施例5
6重量部の発泡剤としての化合物A−5、1重量部のフォーム安定剤DC3201(美国空气化工)、30重量部のポリエーテルポリオール4110(山東浜州市浜化集団)、20重量部のポリエステルポリオールCF6320(江蘇富盛新材料有限会社)、0.5重量部触媒PC−41(美国空气化工)を均一に混合した後に発泡組成物が取得され、その後に85重量部のイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡すればポリウレタン泡沫が製造できる。
【0170】
実施例6
20重量部の発泡剤としての化合物A−6、50重量部のポリエーテルポリオール2010(江蘇省海安石油化工厂製)、25重量部のポリエーテルポリオールSA380(山東一諾威ポリウレタン株式有限会社製)と25重量部のポリエーテルポリオールSA460(山東一諾威ポリウレタン株式有限会社)、0.5重量部の触媒PC−41(美国空气化工)、0.5重量部の触媒PC−8(美国空气化工)を均一に混合した後に透明の発泡組成物が取得され、その後に175部のイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡すればポリウレタン泡沫材料が製造できる。
【0171】
実施例7
4重量部の発泡剤としての化合物A−7、10重量部のHFC−365mfc、11重量部のポリエーテルポリオール4110(山東浜州浜化集団)、39重量部のポリエステルポリオールDM2003(広東徳美精細化工有限会社)、1.5重量部のフォーム安定剤DC3201(美国空气化工)と1重量部の触媒JXP−508(美国空气化工)、0.6重量部の触媒JXP−509(美国空气化工)、1.5重量部の触媒K−15(美国空气化工)、25重量部の難燃剤TCPPを均一に混合した後に発泡組成物が取得され、その後に155重量部のイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡すればポリウレタン泡沫が製造できる。
【0172】
実施例8
4重量部の発泡剤としての化合物A−1、10重量部のHFC−365mfc,15重量部のポリエーテルポリオール4110(山東浜州浜化集団)、35重量部のポリエステルポリオールDM2003(広東徳美精細化工有限会社)、1.5重量部のフォーム安定剤DC3201と0.5重量部の触媒PC−8(美国空气化工)、0.5重量部の触媒PC−41(美国空气化工)、25重量部の難燃剤TCPPを均一に混合した後に発泡組成物が取得され、その後に160部のイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡すればポリウレタン泡沫材料が製造できる。
【0173】
実施例9
7重量部の発泡剤としての化合物A−3、1重量部の触媒PC−41(美国空气化工)、0.5重量部の触媒PC−8(美国空气化工)、13重量部のシクロペンタン,2重量部のフォーム安定剤DC8545(美国空气化工)を50重量部のポリエーテルポリオール2010(江蘇省海安石油化工厂製)、25重量部のポリエーテルポリオールSA380(山東)及び25重量部のポリエーテルポリオールSA460(山東一諾威ポリウレタン株式有限会社)の混合物中に投入して均一に混合した後に、150部のイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡すればポリウレタン泡沫が製造できる。
【0174】
実施例10
5重量部の発泡剤としての化合物A−2、8重量部のHFC−365mfc、30重量部のポリエーテルポリオール4110(山東浜州浜化集団)、20重量部のポリエステルポリオールCF6320(江蘇富盛新材料有限会社)と1重量部のフォーム安定剤DC3201(美国空气化工)、12.5重量部の難燃剤TCPP(江蘇雅克化工有限会社)と1重量部の触媒A33(33LV,美国空气化工)、1重量部の触媒PC−41(美国空气化工)を均一に混合した後に発泡組成物が取得され、その後に102部のイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡すればポリウレタン泡沫が製造できる。
【0175】
【表2】
【0176】
説明:上記の表における検出データは、従来の発泡箱及び自製発泡モデルを用いて調製された泡沫試料に対する検出データあり、手作りのフリー発泡沫試料である。
【0177】
ここで、収縮率(サイズ変化率)は、中国国家標準GB/T8811−2008に従って測定されたものであって、放置時間は5カ月である。以下も同じである。
【0178】
実施例4の製品は、繊細、均一、緊密であって、図4に示すように、良好な断熱性能を有し、冷蔵庫及冷凍庫分野での各種性能のニーズを満たすことができる。実施例5の製品はポリウレタンパイプ断熱における各種性能のニーズを満たすことができる。実施例6の製品は、非常に繊細、均一、緊密であって、LNG(液化天然ガス)輸送断熱応用の各種性能のニーズを満たすことができる。実施例7の製品は、ポリウレタン断熱シートの各種性能のニーズを満たすことができる。実施例8の製品は、ポリウレタンカラー鋼板、コールドプレートの各種性能のニーズを満たすことができる。
【0179】
実施例11
7重量部の発泡剤としての上記実施例B−1で製造された化合物B−1、50重量部のポリエーテルポリオール4110(山東浜州市浜化集団)、1重量部のフォーム安定剤DC3201(美国空气化工)、12.5重量部の難燃剤TCPP(江蘇雅克化工有限会社)及び2重量部の触媒A33(33LV、美国空气化工)を均一に混合した後に透明の発泡組成物が取得され、その後に95.5部のイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌すればポリウレタン泡沫材料が製造できる。
【0180】
実施例12−20
実施例12−20はそれぞれ実施例2−10を重複したものであり、相違とは只発泡剤が表2に示す通りであることである。
【0181】
【表3】
【0182】
説明:上記の表における検出データは、従来の発泡箱及び自製発泡モデルを用いて調製された泡沫サンプルについて行われた検出データあり、手作りのフリー発泡沫試料である。
【0183】
実施例14の製品は、良好な断熱性能を有し、冷蔵庫及び冷凍庫分野での各種性能のニーズを満たすことができる。実施例15の製品は、ポリウレタンパイプ断熱における各種性能のニーズを満たすことができる。実施例16の泡沫製品は更に繊細、均一、緊密であるため、図9に示すように、LNG(液化天然ガス)輸送断熱応用の各種性能のニーズを満たすことができる。実施例17の製品は、ポリウレタン断熱シート各種性能のニーズを満たすことができる。実施例18の製品は、ポリウレタンカラー鋼板、コールドプレートの各種性能のニーズを満たすことができる。
【0184】
実施例21
4重量部の発泡剤としての上記実施例C−1で製造された化合物C−1、50重量部のポリエーテルポリオール4110、1重量部のフォーム安定剤DC3201、12.5重量部の難燃剤TCPP(江蘇雅克化工有限会社)と1重量部の触媒A33(33LV,美国空气化工)、1重量部の触媒PC−41(美国空气化工)を均一に混合した後に透明の発泡組成物が取得され、その後に104.5部のイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡すればポリウレタン泡沫が製造できる。
【0185】
実施例22
4重量部の発泡剤としての上記実施例C−2で製造された化合物C−2、30重量部のポリエーテルポリオール4110、20重量部のポリエステルポリオールCF6320(江蘇富盛新材料有限会社)、12.5重量部の難燃剤TCPP(江蘇雅克化工有限会社)、1重量部のフォーム安定剤DC3201(美国空气化工)、0.5重量部の触媒PC−8(美国空气化工)、1重量部の触媒PC−41(美国空气化工)を均一に混合した後に透明の発泡組成物が取得され、その後にイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡すればポリウレタン泡沫が製造できる。
【0186】
実施例23
3.5重量部の上記実施例C−3で製造された化合物C−3、2重量部のフォーム安定剤DC3201(美国空气化工)、1重量部の触媒PC−8(美国空气化工)、1重量部の触媒PC−41(美国空气化工)、13重量部のシクロペンタンを、50重量部のポリエーテルポリオール2010(江蘇省海安石油化工厂)、25重量部のポリエーテルポリオールSA380(山東一諾威ポリウレタン株式有限会社製)及び25重量部のポリエーテルポリオールSA460(山東一諾威ポリウレタン株式有限会社製)の混合物中に投入して均一に混合した後に透明の発泡組成物が取得され、その後に145部のイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡金型中に注入して発泡すればクラスト付きポリウレタン泡沫が製造できる。
【0187】
実施例24−26
実施例24−26はそれぞれ実施例21−23を重複したものであり、相違とは只発泡剤が表3に示す通りであることである。閉鎖セル率はいずれも>97%である。
【0188】
【表4】
【0189】
説明:上記の表における検出データは、従来の発泡箱及び自製発泡モデルを用いて調製された泡沫試料に対する検出データあり、手作りのフリー発泡沫試料である。
【0190】
実施例27
17重量部の発泡剤としての上記実施例D−1で製造された化合物D−1、100重量部のポリエーテルポリオール4110(山東浜州浜化集団)、2重量部のフォーム安定剤DC3201(美国空气化工)と2重量部の触媒A33(33LV)、2重量部の触媒PC−41(美国空气化工)を均一に混合した後に透明の発泡組成物が取得され、その後に160部のイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡すればポリウレタン泡沫が製造できる。
【0191】
実施例28
25重量部の化合物E−1、50重量部のポリエーテルポリオール2010(江蘇省海安石油化工厂製)、25重量部のポリエーテルポリオールSA380(山東一諾威ポリウレタン株式有限会社製)と25重量部のポリエーテルポリオールSA460(山東一諾威ポリウレタン株式有限会社)、2重量部のフォーム安定剤DC3201(美国空气化工)、0.5重量部の触媒PC−8(美国空气化工)、1重量部の触媒PC−41(美国空气化工)を均一に混合した後に透明の発泡組成物が取得され、その後に155部のイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡すればポリウレタン泡沫が製造できる。
【0192】
実施例29
15重量部の化合物F−1、10重量部シクロペンタン、2重量部のフォーム安定剤DC3201(美国空气化工)、1重量部の触媒PC−8(美国空气化工)、1.5重量部の触媒PC−41(美国空气化工)を、50重量部のポリエーテルポリオール2010(江蘇省海安石油化工厂)、25重量部のポリエーテルポリオールSA380(山東一諾威ポリウレタン株式有限会社製)と25重量部のポリエーテルポリオールSA460(山東一諾威ポリウレタン株式有限会社製)中に投入して均一に混合した後に透明の発泡組成物が取得され、その後に150部のイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡金型中に注入して発泡すればクラスト付きポリウレタン泡沫が製造できる。
【0193】
比較例1
実施例28を重複したものであって、15重量部のシクロペンタンのみを発泡剤とした。
【0194】
【表5】
【0195】
説明:上記の表における検出データは、従来の発泡箱及び自製発泡モデルを用いて調製された泡沫試料に対する検出データあり、手作りのフリー発泡沫試料である。
【0196】
実施例30
12重量部の発泡剤としての上記実施例G−1で製造された化合物G−1、50重量部のポリエーテルポリオール4110、1重量部のフォーム安定剤DC3201、12.5重量部の難燃剤TCPP(江蘇雅克化工有限会社)と1重量部の触媒A33(33LV、美国空气化工)、1重量部の触媒PC−41(美国空气化工)を均一に混合した後に発泡組成物が取得され、その後に104.5部のイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡すればポリウレタン泡沫が製造できる。
【0197】
実施例31
7.5重量部の発泡剤としての上記実施例G−2で製造された化合物G−2、30重量部のポリエーテルポリオール4110、20重量部のポリエステルポリオールCF6320(江蘇富盛新材料有限会社)、12.5重量部の難燃剤TCPP(江蘇雅克化工有限会社)、1重量部のフォーム安定剤DC3201(美国空气化工)、0.5重量部の触媒PC−8(美国空气化工)、1重量部の触媒PC−41(美国空气化工)を均一に混合した後に発泡組成物が取得され、その後にイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡すればポリウレタン泡沫が製造できる。
【0198】
実施例32
9重量部の上記実施例G−3で製造された化合物G−3、2重量部のフォーム安定剤DC3201(美国空气化工)、1重量部の触媒PC−8(美国空气化工)、1重量部の触媒PC−41(美国空气化工)、13重量部のシクロペンタンを、50重量部のポリエーテルポリオール2010(江蘇省海安石油化工厂)、25重量部のポリエーテルポリオールSA380(山東一諾威ポリウレタン株式有限会社製)及び25重量部のポリエーテルポリオールSA460(山東一諾威ポリウレタン株式有限会社製)の混合物中に投入して均一に混合した後に発泡組成物が取得され、その後に145部のイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡金型中に注入して発泡すればクラスト付きポリウレタン泡沫が製造できる。
【0199】
実施例33
9.5重量部の上記実施例G−4で製造された化合物G−4、2重量部のフォーム安定剤DC3201(美国空气化工)、1重量部の触媒PC−8(美国空气化工)、1重量部の触媒PC−41(美国空气化工)、13重量部のシクロペンタンを、50重量部のポリエーテルポリオール2010(江蘇省海安石油化工厂)、25重量部のポリエーテルポリオールSA380(山東一諾威ポリウレタン株式有限会社製)及び25重量部のポリエーテルポリオールSA460(山東一諾威ポリウレタン株式有限会社製)の混合物中に投入して均一に混合した後に発泡組成物が取得され、その後に145部のイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡金型中に注入して発泡すればクラスト付きポリウレタン泡沫が製造できる。
【0200】
【表6】
【0201】
説明:上記の表における検出データは、従来の発泡箱及び自製発泡モデルを用いて調製された泡沫試料に対する検出データあり、手作りのフリー発泡沫試料である。
【0202】
本発明の化学発泡剤(CFAと略称する)の性能
1、発泡組成物(白色材料と略称する)の保存安定性及び発泡性能テスト
(1)CFA−CP(シクロペンタンの略称)の混合使用により製造された白色材料の安定性テスト
我々は冷蔵庫の白色材料に用いられるパラメータによって、CFA−CP混合システムの白色材料(上記実施例9における白色材料)を配置し、白色材料を50℃乾燥箱内に放置した後に白色材料の活性を測定し、数日おきに試料を取って白色材料の反応活性を測定し、実験結果は表5に示す通りである。
【0203】
【表7】
表において、CTは開始時間を示し、GTは伸線時間を示す。
【0204】
上記の表から見られるように、CFA−CPは上記の白色材料システムにおいて時間の変化によって白色材料の反応活性はほとんど変化せず、50℃下で51日放置した後に、通常常温で半年以上放置できると言える。
【0205】
反応活性以外にも、CFA−CPの混合後に製造された泡沫材料の熱伝導率値も安定的であり、以下異なる時間間隔で試料を取った後に泡沫材料に製造して(実施例9と同じ条件)、泡沫材料の熱伝導率等の指標に対するテストを行った。結果は、下記の通りである。
【0206】
【表8】
【0207】
表から見られるように、同じ種類の白色材料の放置時間は異なるが、発泡の密度は変化せず、これは、発泡効率が変化せず、熱伝導率もほとんど変化しないことを説明する。
【0208】
(2)CFAのみを発泡剤として製造された白色材料の安定性実験
実施例5と同じく、我々は従来の白色材料の配合に従って完全にCFAを用いて製造された白色材料を室温で3カ月放置し、一カ月おきに試料を取って白色材料の活性と泡沫の熱伝導率を測定した。測定結果は、下記の通りである。
【0209】
【表9】
【0210】
表においてTFTはクラスト脱着時間である。
【0211】
上記の表から見られるように、本発明のCFAは上記の白色材料システムにおいて時間の変化によって反応活性と熱伝導率が安定的である。
【0212】
(3)低密度下でのCFAフリー発泡と水発泡の安定性の比較
上記の実施例5を重複するが、ここで、発泡剤の投与量を15重量部の化合物A−4に変更し、同時に、比較として、上記の実施例5を重複するが、ここで、水のみを発泡剤として用いて、それぞれの白色材料とそれぞれぞれの泡沫材料を製造し、取得された泡沫材料の密度が同じである場合、二種類の泡沫材料が時間の変化によって安定性が変更されるか否かを観察する。製造時間は2015年4月16日であって、密度は同じく22kg/mであり、図10図12は本発明の発泡体の初期外観であり、図11図13は水を発泡剤として製造した発泡体の初期外観である。2015年9月29日までに合計五カ月放置して、泡沫の外観を観察する。図14は本発明の製品であって、外観とサイズはほとんど変化しない。図15は比較試料であって、既に縮小されて、ポリウレタン業界の専門家の話によると、泡沫の密度が25kg/m程度である時水発泡を用いると、泡の縮小の問題は避けられず、これはCFAと水の最大な相違である。言い換えると、水発泡は建物の外装コーティングなどの分野で使用され、時間の変化によって泡沫材料は縮小され、熱伝導率が悪くなる。
【0213】
他の応用
1.本発明の発泡剤がポリスチレン発泡材料の製造における応用
実施例34
100重量部のポリスチレン樹脂粉末、6重量部の本発明の発泡剤B−1,平均粒度が175ミクロンである炭酸カルシウム、0.3重量部のステアリン酸亜鉛、0.3重量部のトナー(偉昌ブレンド、深セン市偉昌顔料有限会社製)を混合器中に投入して30−40℃範囲の温度で混合を行って、ポリスチレン発泡組成物が取得された後に、単軸押出機(軸の長さと直径の比は28:1である)を利用して押出成形し、押出機の各段階の温度は、一段階で85℃〜95℃、二段階で95℃〜105℃、三段階で105℃〜115℃、四段階で115℃〜125℃であり、金型の温度は125℃〜130℃であり、軸の回転速度は5rpm〜9rpmである。取得された材料の見掛け密度は587kg/mである。SEM写真は図16に示す通りである(100倍拡大)。写真から見られるように、セルの直径は比較的均一である。
【0214】
2.本発明の発泡剤がポリ塩化ビニル発泡材料の製造における応用
実施例35
85重量部のPVC樹脂、5重量部の本発明の発泡剤A−1、0.5重量部のポリエチレンワックス、平均粒度が175ミクロンである炭酸カルシウム、0.3重量部のステアリン酸亜鉛、0.3重量部のトナー(偉昌ブレンド、深セン市偉昌顔料有限会社製)を混合器中に投入して30−40℃範囲の温度で混合を行って、ポリ塩化ビニル発泡組成物が取得された後に、単軸押出機(軸の長さと直径の比は28:1である)を利用して押出成形し、押出機の各段階の温度は、一段階で145℃〜150℃、二段階で155℃〜165℃、三段階で175℃〜185℃、四段階で180℃〜195℃であり、金型の温度は195℃〜205℃であり、軸の回転速度は5rpm〜9rpmである。取得された材料の比重は0.55g/cmである。
【0215】
3.ヒドラジノアルコールアミン塩化合物の製造及びそれが発泡剤としての応用
実施例36(製造例)
730gの80%のヒドラジン水和物、450gの水を冷却ジャケット付きのステンレス鋼反応器中に投入して、攪拌し始め、ヒドラジン水和物と水が十分に混合されるようにし、反応システムは窒素処理と保護を経た後に加熱されて昇温され、温度が45−70℃であるよう制御し、圧力が0.3MPaを超えないよう制御した後に、少量ずつゆっくり合計1200gのプロピレンオキサイド(分子量58.08)を投入し、投入後に温度が45−70℃であって、圧力が0.3MPa以下であるよう制御して1時間攪拌して反応させ、その後に50℃までに温度を下げ、600mHg以下の減圧下で不要な水及び未反応のプロピレンオキサイドを除去し、攪拌し始め、反応器中に二酸化炭素800−1200gを注入し、温度が45−60℃であるよう制御し、圧力が0.3MPaを超えないよう制御して4−8時間反応させ、40℃以下までに温度を下げた後に生成物を放出すると化合物が取得され、即ち、ヒドラジノアルコールアミン塩化合物が取得される。pH=8.9である。化合物の分解温度は、45−70℃の範囲である。55℃までに加熱した後に二酸化炭素を迅速に放出させる。化合物の赤外線スペクトルは図17に示す通りである。
【0216】
実施例37(応用実施例)
20重量部の発泡剤としての上記実施例36で製造された化合物、30重量部のポリエーテルポリオール4110、20重量部のポリエステルポリオールCF6320(江蘇富盛新材料有限会社)、12.5重量部の難燃剤TCPP(江蘇雅克化工有限会社)、1重量部のフォーム安定剤DC3201(美国空气化工)、0.5重量部の触媒PC−8(美国空气化工)、1重量部の触媒PC−41(美国空气化工)を均一に混合すると透明の発泡組成物が取得され、その後にイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡するとポリウレタン泡沫材料が取得される。
【0217】
実施例38(製造例)
730gの80%のヒドラジン水和物、450gの水を冷却ジャケット付きのステンレス鋼反応器中に投入して、攪拌し始め、ヒドラジン水和物と水が十分に混合されるようにし、反応システムは窒素処理と保護を経た後に加熱されて昇温され、温度が45−70℃であるよう制御し、圧力が0.3MPaを超えないよう制御した後に、少量ずつゆっくり合計910gのエチレンオキシド(分子量58.08)を投入し、投入後に温度が45−70℃であって、圧力が0.3MPa以下であるよう制御して1時間攪拌して反応させ、その後に50℃までに温度を下げ、600mHg以下の減圧下で不要な水及び未反応のエチレンオキシドを除去し、攪拌し始め、反応器中に800−1200g二酸化炭素を注入し、温度が45−60℃であるよう制御し、圧力が0.3MPaを超えないよう制御して4時間反応させ、40℃以下までに温度を下げた後に生成物を放出すると化合物が取得される。pH=8.8であり、化合物の分解温度は45−70℃の範囲である。56℃までに加熱した後に二酸化炭素を迅速に放出させる。
【0218】
実施例39(応用実施例)
17重量部の発泡剤としての上記実施例38で製造された化合物、30重量部のポリエーテルポリオール4110、20重量部のポリエステルポリオールCF6320(江蘇富盛新材料有限会社)、12.5重量部の難燃剤TCPP(江蘇雅克化工有限会社)、1重量部のフォーム安定剤DC3201(美国空气化工)、0.5重量部の触媒PC−8(美国空气化工)、1重量部の触媒PC−41(美国空气化工)を均一に混合すると透明の発泡組成物が取得され、その後にイソシアネートMDI(PM200)を追加し、均一に攪拌した後に発泡するとポリウレタン泡沫材料が取得される。
【0219】
4.ポリアルキレンポリアミンアミン塩が発泡剤としてのポリスチレン発泡材料の製造における応用
実施例40
100重量部のポリスチレン樹脂粉末、6重量部の炭酸ジエチレントリアミン、平均粒度が175ミクロンである炭酸カルシウム、0.3重量部のステアリン酸亜鉛、0.3重量部のトナー(偉昌ブレンド、深セン市偉昌顔料有限会社製)を混合器中に投入して30−40℃範囲の温度で混合を行って、ポリスチレン発泡組成物が取得された後に、単軸押出機(軸の長さと直径の比は28:1である)を利用して押出成形し、押出機の各段階の温度は、一段階で85℃〜95℃、二段階で95℃〜105℃、三段階で105℃〜115℃、四段階で115℃〜125℃であり、金型の温度は125℃〜130℃であり、軸の回転速度は5rpm〜9rpmである。取得された材料の見掛け密度は536kg/mである。実施例34の製品と同じく、SEM写真(100倍拡大)から見られるように、セルの直径も比較的均一である。
【0220】
5.ポリアルキレンポリアミンアミン塩が発泡剤としてのポリ塩化ビニル発泡材料の製造における応用
85重量部のPVC樹脂、5重量部のジプロピレントリアミンの炭酸塩、0.5重量部のポリエチレンワックス、平均粒度が175ミクロンである炭酸カルシウム、0.3重量部のステアリン酸亜鉛、0.3重量部のトナー(偉昌ブレンド、深セン市偉昌顔料有限会社製)を混合器中に投入して30−40℃範囲の温度で混合を行って、ポリ塩化ビニル発泡組成物が取得された後に、単軸押出機(軸の長さと直径の比は28:1である)を利用して押出成形し、押出機の各段階の温度は、一段階で145℃〜150℃、二段階で155℃〜165℃、三段階で175℃〜185℃、四段階で180℃〜195℃であり、金型の温度は195℃〜205℃であり、軸の回転速度は5rpm〜9rpmである。取得された材料の比重は0.53g/cmである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17