特許第6800404号(P6800404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6800404-自律神経調節剤 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6800404
(24)【登録日】2020年11月27日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】自律神経調節剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/352 20060101AFI20201207BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   A61K31/352
   A61P25/02 104
   A61P25/02 103
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-120116(P2016-120116)
(22)【出願日】2016年6月16日
(65)【公開番号】特開2017-222616(P2017-222616A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2019年5月15日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 日本薬学会第136年会(平成28年3月29日、パシフィコ横浜(神奈川)) 株式会社東洋新薬ニュースリリース(平成26年3月30日、株式会社東洋新薬発行) 健康・美容expo ウェブページ(平成28年3月30日、http://news.e−expo.net/release/2016/03/post−175.html) 株式会社東洋新薬ウェブページ(平成28年3月、http://www.toyoshinyaku.co.jp/1667/) 株式会社東洋新薬ウェブページ(平成28年3月30日、http://www.toyoshinyaku.co.jp/1671/) 健康産業流通新聞 FAX速報(平成28年3月31日、株式会社健康産業流通新聞社発行) 原料・受託バンクウェブページ(平成28年3月31日、平成28年4月12日 http://www.genryoubank.com/news/cmp/108) 健康産業速報(平成28年4月1日、UBMメディア株式会社発行) 健康産業流通新聞(平成28年4月7日、株式会社健康産業流通新聞社発行) 日本流通産業新聞(平成28年4月14日、株式会社日本流通産業新聞社発行) 健康産業新聞(平成28年5月18日、UBMメディア株式会社新聞社発行)
(73)【特許権者】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(72)【発明者】
【氏名】友澤 寛
(72)【発明者】
【氏名】北村 整一
(72)【発明者】
【氏名】高垣 欣也
【審査官】 小堀 麻子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−031367(JP,A)
【文献】 Journal of Chromatography A,2007年,Vol.1143,p.227-233
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オンを有効成分とすることを特徴とする自律神経調節剤。
【請求項2】
2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オンを有効成分とすることを特徴とする交感神経活性化剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、自律神経調節剤に関する。
【背景技術】
【0002】
自律神経は、交感神経系と副交感神経系で構成されており、これら二つの神経系のバランスにより、血管、内臓の働きをコントロールし、体内の環境を整え、さらには呼吸、血液循環、消化吸収、排泄、内分泌、熱産生等のシステムを調整し、生命維持に必要な体内循環を整える役割を果たしている。加齢、体調不良、疾病やストレス、疲労等により交感神経系と副交感神経系のバランスが崩れると、頭痛、吐き気、耳鳴り、微熱、震え、耳鳴り、めまい、血管収縮や疲労感や汗を異常にかく等の症状が現れてくる。また、精神的にも、人間不信、情緒不安定、不安感やイライラ、抑うつ気分等を引き起こす原因となる。
【0003】
自律神経のうち交感神経を調節するものとしては、2−メトキシ安息香酸メチルによる匂い刺激(特許文献1)、スイカズラ科ガマズミ属ガマズミ(Viburnum dilatatum)を含む経口用交感神経活性化剤の摂取による、交感神経の活動の活性化及び血流量の増加(特許文献2)、オロト酸またはその塩の交感神経活性化作用による眠気改善、体温上昇、脂肪分解促進、または集中力維持(特許文献3)、などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−221808号公報
【特許文献2】特開2013−194019号公報
【特許文献3】特開2012−126683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オンによる自律神経調節作用は知られていない。また、自律神経の調節は、交感神経系と副交感神経系のいずれの神経系を活性化あるいは抑制するのかによって効果が異なるため、様々な症状や目的に応じた、よりきめ細やかな治療を行うために、新規の自律神経調節剤の開発が求められている。
【0006】
本願発明は、交感神経系の働きを活性化させる自律神経調節剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明者らは、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オンが、交感神経系を活性化させることを見出し、本願発明を完成するに至った。すなわち本願発明は以下を包含する。
【0008】
(1)2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オンを有効成分とすることを特徴とする自律神経調節剤。
【0009】
(2)2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オンを含有することを特徴とする交感神経活性化剤。
【0010】
(3)2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オンを有効成分とすることを特徴とする自律神経調節用組成物。
【0011】
(4)2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オンを含有することを特徴とする交感神経活性化用組成物。
【0012】
(5)2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オンを有効成分とすることを特徴とする自律神経調節用食品。
【0013】
(6)2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オンを含有することを特徴とする交感神経活性化用食品。
【発明の効果】
【0014】
本願発明の自律神経調節剤を使用することにより、自律神経の乱れがある場合、特に相対的に副交感神経系が優位な場合に、これを改善することができる。また、自律神経を調節することで、特に寝起きの倦怠感の予防及び又は改善、めまい、くしゃみや鼻水などのアレルギー症状の予防及び又は改善、鬱症状の予防及び又は改善、時差ぼけの予防及び又は改善を目的として使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】マウスの褐色脂肪組織交感神経活動(BAT−SNA)の経時変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本願発明の実施形態について説明する。
【0017】
本願発明で用いられる2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン(以下、「化合物1」とも言う)は、ベンゾピランの誘導体である。化合物1は、これを含む植物体の粉砕物や搾汁そのものやそれらの乾燥物を用いてもよく、また、植物体からの抽出物又は精製物を用いてもよい。また、合成により得られた化合物や、市販の試薬等を用いてもよい。本願発明では、有効成分の濃度が高く、かつ入手が容易であることから抽出物であることが好ましい。
【0018】
植物体から化合物を抽出する場合の抽出操作は1回だけに限られず、抽出残渣に溶媒を加えて抽出操作を繰り返しても良い。このとき異なる溶媒を用いることもできる。また、化合物1を含む植物の抽出物としては、植物から抽出操作により得られた抽出液そのものであってもよく、抽出液から溶媒を除去した濃縮物(濃縮エキス)又は乾燥物(乾燥エキス)でもあってもよい。さらに、当該抽出物は、抽出操作により得られた抽出物に精製が加えられた抽出物(精製物)でもあってもよい。精製方法も特に制約されず、例えば2種以上の溶媒を用いた液液分配や吸着剤を用いたクロマトグラフィ(例えば、カラムクロマトグラフィや高速液体クロマトグラフィ)を用いた精製であってもよい。
【0019】
抽出溶媒も特に制約されることはなく当業者が適宜選択できる。抽出溶媒は、水や有機溶媒であってもよく、水と有機溶媒の混合物であってもよい。有機溶媒は親水性溶媒又は親油性溶媒のいずれでもよい。有機溶媒は、例えば、メタノールやエタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどの炭素数が4以下の親水性アルコール類であり、炭素数がそれ以上の親油性アルコール類であり、メチルエーテルやエチルエーテルなどのエーテル類であり、ヘキサンやヘプタンなどの炭化水素類であり、エチレングリコールやプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類であってもよい。これらの抽出溶媒のうち、1種の溶媒又は2種以上の混合溶媒が抽出に用いられる。本願発明においては、フラボン類が抽出されやすい溶媒が好ましく選択される。この観点から、抽出溶媒としては、水、エタノール、メタノールなどの親水性溶媒の1種又は2種以上の混合溶媒が好適である。
【0020】
本願発明の自律神経調節剤は、交感神経系を活性化させることから、交感神経活性化、特に寝起きの倦怠感の予防及び又は改善、めまい、くしゃみや鼻水などのアレルギー症状の予防及び又は改善、鬱症状の予防及び又は改善、時差ぼけの予防及び又は改善等を目的として、動物あるいはヒトに与えることができる。
また、自律神経の調節を通じて、生活リズムを整えることが可能となり、体温上昇作用、低体温改善作用又はダイエット作用をともなう場合もある。
なお、本願発明とは逆に副交感神経を活性化する物質としては、例えば塩酸ピロカルピンが、副交感神経興奮薬として老眼の治療に有効であること(特表2010−513454号公報)、フェニル乳酸が、高血圧の治療又は改善に有効であること(WO2008/120713)、γ−アミノ酪酸やグリシンが、睡眠改善に有効であること(WO2007/125883)などが知られており、副交感神経を活性化することは、交感神経の活性化とは異なる作用を示すことが知られている。
【0021】
本願発明の自律神経調節剤は、上記した目的に応じ、非経口投与剤、経口投与剤等として、そのまま、あるいは、他の成分と混合して使用することができる。非経口投与剤としては、静脈内投与剤、筋肉内投与剤、皮下投与剤、経皮投与剤、等が用いられる。皮下投与剤のひとつである、腹腔内投与剤としてもよい。また、経腸投与剤として、注射等を用い内臓へ直接投与することも好ましい。
【0022】
また、本願発明の自律神経調節剤は、化粧品に適した形態として使用することもできる。例えば、ローション剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤等の種々の形態に加工され得る。具体的には、化粧水、化粧クリーム、乳液、クリーム、パック、ヘアトニック、ヘアクリーム、シャンプー、ヘアリンス、トリートメント、洗顔剤、ファンデーション、育毛剤、水性軟膏、スプレー等として利用できる。
【0023】
また、本願発明の自律神経調節剤は、変性防止の観点からは非経口投与剤とする方法もあるが、胃液等への暴露によっても変性しにくいため、経口投与剤としても十分な効果を得ることができる。経口投与剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル等がある。錠剤やカプセル化として、内臓にそのまま到達させる量を増やすことが好ましい。
【0024】
経口投与剤としては、例えば、当業者が通常用いる添加剤(例えば、賦形剤等)を用いて、錠剤、顆粒剤等の形状に成形してもよく、あるいは、水、飲料等に溶解して、液剤としてもよい。好ましくは、カプセル剤、顆粒剤、錠剤等の形態である。
【0025】
カプセル剤の製造方法としては、内容物として本願発明の自律神経調節剤を用いること以外は、従来公知のソフトカプセルの製造方法に従えばよい。そのような製造法としては、カプセル皮膜シートを用いて、ロータリー式充填機で内容物を封入し、カプセル製剤を成型する方法、又は滴下法によりシームレスカプセルを製造する方法等が挙げられる。
【0026】
また、錠剤については、本願発明の自律神経調節剤を含有する顆粒あるいは抽出物そのものに、適切な結合剤、賦形剤、崩壊剤及び必要に応じて滑沢剤を添加し、公知の打錠法により調製することができる。顆粒剤については、公知の各種湿式、乾式等の造粒法が適用でき、適切な結合剤及び賦形剤とともに成形することができる。
【0027】
本願発明の自律神経調節剤を食品に添加して使用する場合には、例えば、飲料、顆粒、細粒、カプセル、錠剤、粉末、乳製品、ガム、グミ、プディング、バー、その他固形食品等に配合される。該化合物が配合された食品は、一般の食品の他、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性表示食品、病者用食品等として使用できる。
【0028】
本願発明の自律神経調節剤の配合量としては特に制限はないが、経口投与剤であれば、好ましくは組成物中に0.00001%以上、より好ましくは0.0001%以上配合されることが望ましく、化粧品等の非経口投与剤であれば、好ましくは組成物中に0.000001%以上、より好ましくは0.00001%以上配合されることが望ましい。
【0029】
本願発明で使用する化合物1の一日当たりの投与量は、経口投与剤であれば、好ましくは10mg〜500mg、より好ましくは20mg〜300mg、特に好ましくは30〜150mgである。
【実施例】
【0030】
次に、本願発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本願発明はこれに限定される
ものではない。
【0031】
(試験物質)
実施例として化合物1である2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オンを、また比較例として2−(3,4−ジメトキシフェニル)−3,5,7−トリメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン(以下、「化合物2」とも言う)を、それぞれ市販されている試薬を用いて、交感神経活動評価試験を行った。化合物2は、化合物1とメトキシ基(−OCH)の数が異なる化合物である。
【0032】
(交感神経活動評価試験)
12時間毎の明暗周期(8時〜20時まで点灯)下に24℃の恒温動物室にて1週間以上飼育した体重約300gのWistar系雄ラット(約9週齢)を使用した。実験当日は3時間絶食させた後ウレタン麻酔し、十二指腸投与用のカニューレを挿入し、その後、肩甲間褐色脂肪組織交感神経の遠心枝を銀電極で吊り上げ、神経の電気活動を測定した。これらの測定値が落ち着いた時期に、実施例1として化合物1を30mg/mlの濃度で含む水懸濁液1mlを十二指腸に投与して自律神経活動の変化を電気生理学的に測定した。対照実験としては、コントロールとして水1mlを、あるいは比較例1として化合物2を30mg/mlの濃度で含む水懸濁液1mlをそれぞれ十二指腸に投与して、実施例1と同様に自律神経活動の変化を電気生理学的に測定した。尚、各試験区共に、手術開始から測定終了までチューブを気管に挿入して気道を確保し、保温装置にて体温(ラット直腸温)を35.0±0.5℃に保つようにした。各試験区の自律神経活動のデータは10分間毎の5秒あたりの発火頻度(pulse/5s)の平均値にて解析し、刺激開始前の値(0分値)を0としてその変化値を表した。
【0033】
図1に、60%エタノールで100倍、1000倍、10000倍に希釈した液によるマウスの肩甲間褐色脂肪組織交感神経活動(BAT−SNA)の経時変化を示す。図1は実施例1、コントロール及び比較例1の褐色脂肪組織交感神経活動(brown adipose tissue sympathetic nerve activity、BAT−SNA)のデータを十二指腸投与前(0分)の値を0としてその変化値を表したものである。
【0034】
図1において、実施例1では、BAT−SNAは徐々に上昇し、投与60分後にBAT−SNAの変化値が最高値+15.37となった。これに対して、コントロールでは測定期間中BAT−SNAが殆ど変化せず、比較例1では、投与後の測定期間中すべてでBAT−SNAの変化値がマイナスとなり、投与後60分後にBAT−SNAの変化値は最低値の−15.74となった。
【0035】
以上の実験から、化合物1を30mg/mlの濃度で含む水懸濁液1mlを十二指腸に投与すると、BAT−SNAを上昇する作用があることが明らかとなった。一方で、化合物2を30mg/mlの濃度で含む水懸濁液1mlを十二指腸に投与すると、交感神経活動を抑制する作用があることが明らかとなった。以上より、化合物1は自律神経を調節することが可能であり、交感神経活性化作用により、特に寝起きの倦怠感を予防及び又は改善し、めまい、くしゃみや鼻水などのアレルギー症状を予防及び又は改善し、鬱症状を予防及び又は改善し、時差ぼけを予防及び又は改善する作用を有することが示唆された。
【0036】
以下、本願発明の組成物の具体的態様に係る配合例を示すが、本願発明はこれら配合例に限定されるものではなく、本願発明の課題を解決し得る限り、本願発明は種々の態様をとることができる。
【0037】
(配合例1:化粧水)
全体を100質量部として、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン 0.01質量部、グリセリン 10質量部、ジグリセリン 3質量部、1,3−ブチレングリコール 12質量部、ペンチレングリコール 3質量部、ヒアルロン酸ナトリウム 0.1質量部、クエン酸 0.01質量部、クエン酸ナトリウム 0.02質量部、キサンタンガム 0.1質量部、メチルパラベン 0.15質量部、カルボマー 0.2質量部、水酸化ナトリウム 0.03質量部及び水 残部を混合して、化粧水の態様で本願発明の組成物を調製した。
【0038】
(配合例2:シャンプー)
全体を100質量部として、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン 0.01質量部、ラウレス硫酸ナトリウム 7.5質量部、コカミドプロピルベタイン 4.2質量部、コカミドDEA 3質量部、1,3−ブチレングリコール 0.1質量部、ポリクオタニウム−10 0.225質量部、クエン酸 0.15質量部、クエン酸ナトリウム 0.05質量部、フェノキシエタノール 0.9質量部及び水 残部を混合して、シャンプーの態様で本願発明の組成物を調製した。
【0039】
(配合例3:石鹸)
全体を100質量部として、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン 0.5質量部、エラスチン 0.1質量部、グリセリン 2質量部、オリーブ油 1質量部、EDTA−4ナトリウム 0.1質量部、エチドロン酸4ナトリウム 0.2質量部及び石ケン素地 残部を混合及び固化することにより、石鹸の態様で本願発明の組成物を調製した。
【0040】
(配合例4:乳液)
全体を100質量部として、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン 0.1質量部、アラニン 0.1質量部、アルギニン 0.1質量部、ショ糖脂肪酸エステル 3質量部、グリセリン 12質量部、スクワラン 6質量部、ジメチルシリコーンオイル 24質量部、ポリプロピレングリコール 1質量部、増粘剤 0.06質量部、フェノキシエタノール 0.2質量部、エタノール 5質量部、水酸化ナトリウム 0.01質量部及び精製水 残部を混合して、乳液の態様で本願発明の組成物を調製した。
【0041】
(配合例5:化粧クリーム)
全体を100質量部として、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン 0.005質量部、スクワラン 15.0質量部、ミリスチン酸オクチルドデシル 4.0質量部、水素添加大豆リン脂質 0.2質量部、ブチルアルコール 2.4質量部、硬化油 1.5質量部、ステアリン酸 1.5質量部、親油型モノステアリン酸グリセリン 1.5質量部、モノステアリン酸ポリグリセリル 0.5質量部、ベヘニルアルコール 0.8質量部、モノミリスチン酸ポリグリセリル 0.7質量部、サラシミツロウ 0.3質量部、d−δ−トコフェロール 0.1質量部、メチルパラベン 0.3質量部、C10〜30アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.2質量部、カルボキシビニルポリマー 0.1質量部、1,3−ブタンジオール 18.0質量部、水酸化ナトリウム 0.1質量部及び精製水 残部を混合して、化粧クリームの態様で本願発明の組成物を調製した。
【0042】
(配合例6:パック剤)
全体を100質量部として、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン 0.1質量部、没食子酸 0.01質量部、ポリビニルアルコール 20.0質量部、グリセリン 5.0質量部、エタノール 20.0質量部、カオリン 6.0質量部、防腐剤 0.2質量部、香料 0.1質量部及び精製水 残部を混合して、パック剤の態様で本願発明の組成物を調製した。
【0043】
(配合例7:錠剤1)
全体を100質量部として、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン 0.1質量部、ショウガ抽出物 8質量部、カフェイン5質量部、結晶性セルロース 20質量部、乳糖 50質量部、ステアリン酸マグネシウム 4質量部及びコーンスターチ 残部を混合及び打錠することにより、錠剤の態様で本願発明の組成物を調製した。
【0044】
(配合例8:顆粒剤)
全体を100質量部として、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン 0.5質量部、乳糖 10質量部、ステアリン酸カルシウム 1質量部及び結晶性セルロース 残部を混合及び顆粒化することにより、顆粒剤の態様で本願発明の組成物を調製した。
【0045】
(配合例9:カプセル剤)
全体を100質量部として、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン 5質量部、生姜抽出物 20質量部、エラスチン5質量部、レシチン 8質量部及びオリーブ油 残部を混合して調製したものを内容液として、これをカプセル殻に内包することにより、カプセル剤の態様で本願発明の組成物を調製した。
【0046】
(配合例10:液剤)
全体を100質量部として、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,7−ジメトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン 0.005質量部、アルギニン 1質量部、アラニン 1質量部、果糖ブドウ糖液糖 10質量部、クエン酸 1質量部、安息香酸ナトリウム 0.02質量部、香料製剤 2質量部、スクラロース 0.05質量部、アセスルファムカリウム 0.03質量部、及び精製水 残部を混合して、液剤の態様で本願発明の組成物を調製した。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本願発明は、自律神経の調節を目的とした機能性表示食品やサプリメントなどの飲食品や医薬品の製造分野において利用できる。
図1