特許第6800425号(P6800425)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6800425
(24)【登録日】2020年11月27日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】衛生洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20201207BHJP
【FI】
   E03D9/08 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-162441(P2016-162441)
(22)【出願日】2016年8月23日
(65)【公開番号】特開2018-31142(P2018-31142A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2019年7月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】立木 翔一
(72)【発明者】
【氏名】田之頭 優太
(72)【発明者】
【氏名】安形 壮史
(72)【発明者】
【氏名】岡本 賢一
(72)【発明者】
【氏名】辻田 正実
【審査官】 下井 功介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−268849(JP,A)
【文献】 特開2016−089402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/00〜13/00
A47K13/00〜17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器の上に設けられ開口を有する便座と、
前記便座が回動可能に軸支される本体部と、
前記本体部の内部に設けられ、前記本体部の前方の使用者を電波により検知する電波センサと、
を備え、
前記電波センサは、前記便座が閉じた状態における前記便座の後端よりも後方、かつ、前記便座が開いた状態における前記開口の下端よりも下方に設けられ、
前記便座が開いた状態と閉じた状態とで前記電波センサの位置が変わることなく、前記電波センサにより、前記便座が閉じた状態では、第1領域と、前記第1領域よりも上方の第2領域と、で前記本体部の前方の使用者が検知され、前記便座が開いた状態では、前記第1領域で前記本体部の前方の使用者が検知されず、前記第2領域で前記本体部の前方の使用者が検知される衛生洗浄装置。
【請求項2】
前記電波センサから放射される電波の極大指向方向は、水平方向よりも上方側に向けられ、
前記極大指向方向は、前記便座が開いた状態において、前記開口を通る請求項1記載の衛生洗浄装置。
【請求項3】
前記極大指向方向は、前記便座が開いた状態において、前記開口の上下方向の中央よりも下側を通る請求項2記載の衛生洗浄装置。
【請求項4】
前記極大指向方向は、前記便座が開いた状態において、前記開口の幅が最も広い部分よりも下側を通る請求項2記載の衛生洗浄装置。
【請求項5】
前記電波センサは、前記便座が開いた状態において前記開口を後方に投影した範囲よりも下方に設けられる請求項1〜4のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、衛生洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレ室内への使用者の入室や、トイレ室からの使用者の退室を検知する人体検知センサを備えたトイレ装置が提案されている。特許文献1に記載されたトイレ装置では、便器の後部上面にロータンクカバーが設置され、このロータンクカバーの前縁下部に便座および便蓋が回動可能に取り付けられている。そして、ロータンクカバー内の前面部に、人体検知センサが設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−194999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
使用者がトイレ装置を使用する際、主に、便座に座った状態で排便を行い場合と、トイレ装置の前に立った状態で立小便を行う場合と、がある。便座に座った使用者は、便座に設けられた着座センサなどを用いて比較的容易に検知することができる。一方で、立小便中の使用者は、人体検知センサが電波を用いたドップラセンサのように対象物の動きを検出するセンサである場合、トイレ装置の前でほとんど動かないため、検知が容易ではない。
【0005】
立小便中の使用者の動きを検知できないと、使用者が立小便をしているにも拘らず、トイレ装置の使用が終了したものと検知される場合がある。トイレ装置が、検知結果を受けて便器の洗浄や便座の開閉等を行う場合は、このような誤った検知がなされると、立小便中に便器が洗浄されたり、便座や便蓋が閉められたりする可能性がある。このため、使用者が立小便を行っている間は、使用者の僅かな動きをセンサによって検知できることが望ましい。
【0006】
立小便中の使用者の動きを検知する方法として、センサの感度を高めることが考えられる。しかし、センサの感度を高めると、トイレ室の外側に居る人を検知してしまう場合がある。この場合、使用者がトイレ装置の使用を終えてトイレ室から退室したにも拘らず、トイレ室外の人を検知し続けてしまい、便器の洗浄等が行われない。
【0007】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、誤検知が生じ難く、立小便中の使用者に対する検知精度を高めることができる衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、便器の上に設けられ開口を有する便座と、前記便座が回動可能に軸支される本体部と、前記本体部の内部に設けられ、前記本体部の前方の使用者を電波により検知する電波センサと、を備え、前記電波センサは、前記便座が閉じた状態における前記便座の後端よりも後方、かつ、前記便座が開いた状態における前記開口の下端よりも下方に設けられ、前記便座が開いた状態と閉じた状態とで前記電波センサの位置が変わることなく、前記電波センサにより、前記便座が閉じた状態では、第1領域と、前記第1領域よりも上方の第2領域と、で前記本体部の前方の使用者が検知され、前記便座が開いた状態では、前記第1領域で前記本体部の前方の使用者が検知されず、前記第2領域で前記本体部の前方の使用者が検知される衛生洗浄装置である。
【0009】
この衛生洗浄装置によれば、電波センサによって使用者以外の人が誤検知される可能性を低減しつつ、立小便中の使用者に対する検知精度を高めることができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記電波センサから放射される電波の極大指向方向は、水平方向よりも上方側に向けられ、前記極大指向方向は、前記便座が開いた状態において、前記開口を通る衛生洗浄装置である。
【0011】
この衛生洗浄装置によれば、立小便中の使用者に対する検知精度をさらに高めることが可能となる。
【0012】
第3の発明は、第2の発明において、前記極大指向方向は、前記便座が開いた状態において、前記開口の上下方向の中央よりも下側を通る衛生洗浄装置である。
【0013】
この衛生洗浄装置によれば、子供や老人などの背の低い使用者に対する検知精度を高めることができる。
【0014】
第4の発明は、第2の発明において、前記極大指向方向は、前記便座が開いた状態において、前記開口の幅が最も広い部分よりも下側を通る衛生洗浄装置である。
【0015】
この衛生洗浄装置によれば、電波センサから放射された電波が、使用者以外に照射され難くなり、電波センサによる誤検知をより一層抑制することができる。
【0016】
第5の発明は、第1〜第4のいずれかの発明において、前記電波センサは、前記便座が開いた状態において前記開口を後方に投影した範囲よりも下方に設けられる衛生洗浄装置である。
【0017】
この衛生洗浄装置によれば、衛生洗浄装置近傍以外の人に電波が放射され難くなるため、電波センサによる誤検知をより一層抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の態様によれば、誤検知が生じ難く、立小便中の使用者に対する検知精度高めることができる衛生洗浄装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係る衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を表す側面図である。
図2】実施形態に係る衛生洗浄装置における電波の放射範囲を表す側面図である。
図3】実施形態に係る衛生洗浄装置の動作を表す側面図である。
図4】実施形態に係る衛生洗浄装置を表す背面図である。
図5】実施形態に係る衛生洗浄装置を表す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態にかかる衛生洗浄装置1を備えたトイレ装置を表す側面図である。
図1に表したトイレ装置は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)6と、その上に設けられた衛生洗浄装置1と、を備える。衛生洗浄装置1は、本体部4と、便座2と、便蓋3と、を有する。便座2と便蓋3とは、本体部4に対して回動自在にそれぞれ軸支されている。
【0022】
なお、図1(a)は、便座2および便蓋3が閉じられた(下げられた)状態を表す。図1(b)は、便座2が閉じられ、便蓋3が開けられた状態を表す。図1(c)は、便座2および便蓋3が開けられた(上げられた)状態を表す。
【0023】
以下の実施形態の説明では、「上方」、「下方」、「前方」、および「後方」を用いるが、これらの方向は、便座2に座った使用者から見たものである。
【0024】
本体部4の内部には、便座2に座った使用者の「おしり」などの洗浄を実現する局部洗浄機能部が内蔵されている。また、本体部4の内部には、後述する電波センサ10が設けられている。電波センサ10は、例えば、ドップラー効果を利用したドップラセンサである。電波センサ10は、マイクロ波又はミリ波などの高周波の電波を放射し、検知対象からの反射波を受信する。反射波には、検知対象の状態に関する情報が含まれている。放射した電波と反射波とに基づいて、トイレ室への使用者の入室や便座の前方にいる使用者の動きを検知する。
【0025】
電波センサ10は、マイコンなどの制御部に検知結果を出力する。制御部は、この検知結果を受けて、例えば、便蓋3の開放や、便器6の洗浄、便座2の加熱などを行う。これらの他に、本体部4の内部には、便座2に座った使用者の「おしり」などに向けて送風するファンや、トイレ室内を脱臭するための脱臭ユニットなどが適宜設けられていてもよい。
【0026】
図2は、実施形態に係る衛生洗浄装置を表す断面図である。
図2(a)は、便座2および便蓋3が閉められた状態を表し、図2(b)は、便座2および便蓋3が開けられた状態を表す。
【0027】
図2(a)および図2(b)に表すように、便座2の内部には、着座面を温めるために、発熱体としての金属部材2aが設けられている。金属部材2aは、例えば、便座2の開口OPの周りに沿って設けられている。使用者が便座2に着座する際に、この金属部材2aに通電が行われることで、便座2が温められる。便座2に設けられるヒータとしては、例えば、チュービングヒータや、シーズヒータ、ハロゲンヒータ、カーボンヒータなどが用いられる。金属部材2aは、例えば、アルミニウムや銅などで構成される。また、金属部材2aの形状は、シート状やワイヤ状、メッシュ状など、種々の形状を採用することができる。
【0028】
便座2や、便蓋3、本体部4のケースは、樹脂などの、電波を透過し易い材料で構成されている。一方で、金属部材2aは、電波を透過せずに反射する。また、電波センサ10から放射される電波TWの極大指向方向Dは、水平方向に対して上方側に傾けられている。なお、電波の極大指向方向とは、放射された電波の強度分布において、極大値が表れる方向を意味している。電波センサ10から複数方向に極大値を有する電波が放射される場合、そのうちの少なくとも1つが、水平方向に対して上方側に傾いていればよい。
【0029】
図2(a)に表すように、便座2および便蓋3が閉められた状態では、極大指向方向Dは、便座2の上方を通る。電波センサ10から放射された電波TWは、電波センサ10前方の第1領域R1と、第1領域R1よりも上方の第2領域R2と、に放射される。第1領域R1は、例えば、極大指向方向Dよりも下方の領域の一部である。第2領域R2は、例えば、極大指向方向Dよりも上方の領域の一部である。
【0030】
図2(b)に表すように、便座2が開かれた状態では、極大指向方向Dは、便座2の開口OPを通る。このとき、便座2の開口OPを通った電波は、そのまま前方に伝搬するが、便座2に入射した電波は、金属部材2aによって反射され、前方には伝搬しない。この結果、便座2が開いた状態では、第1領域R1には電波が放射されず、第2領域R2にのみ電波が放射される。
なお、第1領域R1に、微弱な電波が放射されていてもよい。すなわち、ここでは、第1領域R1に電波が放射されないとは、第1領域R1に一切の電波が放射されていない場合に加え、第1領域R1に、人体の検知には足りない微弱な電波が放射されている場合も含むものである。
【0031】
図3を参照しつつ、実施形態に係る衛生洗浄装置1の動作の一例について説明する。
図3は、実施形態に係る衛生洗浄装置の動作の一例を表す側面図である。
【0032】
図3(a)に表すように、使用者がトイレ室TRの外に居るとき、例えば、便座2および便蓋3は閉められている。その後、使用者がトイレ室TR内に入る際に、電波センサ10によって使用者が検知されると、図3(b)に表すように、衛生洗浄装置1の制御部によって便蓋3が開けられる。
【0033】
使用者が立小便を行う際は、トイレ装置に近づき、例えば使用者の手によって便座2が開けられる。このとき、電波センサ10から放射された電波TWの一部が、便座2の開口を通過し、電波TWの他の一部が便座2によって遮断される。
【0034】
使用者がトイレ装置の使用を終えると、使用者はドアDRに向けて進む。このとき、電波センサ10によって、使用者がトイレ装置から離反することが検知されると、例えば、制御部によって便器6内の洗浄が行われる。制御部は、便器6の洗浄後に、さらに便座2および便蓋3を閉じてもよい。
【0035】
このように、電波センサ10による使用者の検知結果を受けて、トイレ装置の各構成要素が動作される。換言すると、電波センサ10によって使用者が正しく検知されないと、使用者の行動に応じてトイレ装置の構成要素を動作させることが困難となる。
特に、図3(c)に表すように、使用者が立小便をしている間は、使用者の動作が小さい傾向にあり、検知信号が小さい。従って、電波センサ10が、立小便中の状態を、トイレ室TRから使用者が居なくなった後の状態と判別できないと、立小便中に便器6の洗浄が行われたり、便座2および便蓋3が閉められたりする。
【0036】
人体が有るにも拘わらず、人体が無いものと検知されることを防ぐためには、前述した通り、電波センサ10の感度を高めることが考えられる。電波センサ10の感度を高めることで、比較的小さな動きでも人体を検知できるようになるためである。しかし、電波センサ10の感度を高めると、使用者がトイレ装置の使用を終えてトイレ室TRから立ち去った後でも、トイレ室TRの外の人を検知してしまう場合がある。この場合、トイレ室TR内には使用者が居ないにも拘わらず、使用者が居ると検知され、便器6の洗浄動作や、便座2および便蓋3を閉じる動作などが行われない。
【0037】
この点について、本実施形態では、以下の構成を採用している。
図2(a)に表すように、便座2が閉じられた閉状態では、便座2の金属部材2aに遮られずに第1領域R1および第2領域R2に電波TWが放射される。一方で図2(b)に表すように、便座2が開かれた開状態では、便座2の開口OPを通して第2領域R2に電波TWが放射されるが、便座2の金属部材2aに反射されて第1領域R1には電波TWが放射されない。
すなわち、便座2の閉状態では、第1領域R1および第2領域R2で使用者が検知されるのに対して、便座2の開状態では、第1領域R1で使用者が検知されず、第2領域R2で使用者が検知される。
そして、このような検知範囲の変化は、電波センサ10の位置を変化させることなく、便座2の開閉によって実現される。
【0038】
第1領域R1に放射された電波の伝搬方向は、第2領域R2に放射された電波の伝搬方向よりも、水平方向に対する傾きが小さい。このため、第1領域R1および第2領域R2で使用者が検知されることで、図3(a)および図3(b)に表すような、トイレ装置から離れた場所に居る使用者も検知し易い。一方で、第2領域R2のみで使用者が検知されると、図3(c)に表すように、トイレ装置の近くに居る使用者のみが検知され易くなる。
【0039】
このような構成によれば、立小便をしている使用者の検知精度を高めるために、電波センサ10の感度を高くした場合であっても、便座2が開いている間は、トイレ装置近傍の人体以外が検出され難い。従って、本実施形態によれば、電波センサ10によって使用者以外の人が誤検知される可能性を低減することができ、かつ立小便中の使用者に対する検知精度を高めることが可能となる。
【0040】
また、図2に表すように、便座2が開いた状態において、極大指向方向Dが便座2の開口OPを通るように電波TWが放射されることで、第2領域R2における電波強度を高め、立小便中の使用者に対する検知精度をさらに高めることが可能となる。
【0041】
図4および図5を参照しつつ、衛生洗浄装置1のより望ましい形態について説明する。
図4は、実施形態に係る衛生洗浄装置を表す背面図である。
図5は、実施形態に係る衛生洗浄装置を表す側面図である。
なお、図4では、便座2が開いた状態を表し、便蓋3が省略されている。
【0042】
電波センサ10から放射される電波の極大指向方向は、便座2を開けた際に、開口OPの上下方向の中央C1よりも下側を通ることが望ましい。すなわち、図4(a)に表す、範囲A1を電波の極大指向方向が通ることが望ましい。こうすることで、子供や老人などの背の低い使用者が立小便をしている際に、これらの使用者の動きを検知し易くなり、検知精度を高めることができる。
【0043】
また、便座の開口は、一般的に、閉状態における後方側(開状態における下方側)で最も幅が広い卵形を呈している。電波の極大指向方向は、開口OPの最も幅が広い部分C2よりも下側を通ることがより望ましい。すなわち、図4(b)に表す、範囲A2を電波の極大指向方向が通ることが望ましい。
幅広の部分C2よりも下側を極大指向方向が通ることで、左右側方に広がる電波が、便座2内の金属部材2aによって反射され易くなる。このため、電波センサ10から放射された電波が、使用者以外により照射され難くなり、電波センサ10の誤検知をより一層抑制することができる。
【0044】
さらに、電波センサ10は、図5に表すように、便座2が開けられた状態において、便座2の開口OPを後方に投影した範囲A3よりも、下方に設けられていることが望ましい。
こうすることで、電波センサ10から放射される電波の極大指向方向が、水平方向に対してより上方側に傾き、トイレ装置近傍以外の人に電波が放射され難くなる。すなわち、このような構成によれば、電波センサ10の誤検知をより一層抑制することができる。
【0045】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、便座2や、便蓋3、本体部4などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0046】
1 衛生洗浄装置、 2 便座、 2a 金属部材、 3 便蓋、 4 本体部、 6 便器、 10 電波センサ、 DR ドア、 OP 開口、 TR トイレ室、 TW 電波
図1
図2
図3
図4
図5