特許第6800510号(P6800510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジーイー・ヘルスケア・バイオサイエンス・アクチボラグの特許一覧

特許6800510温度センサを備えるバイオリアクタシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6800510
(24)【登録日】2020年11月27日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】温度センサを備えるバイオリアクタシステム
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/38 20060101AFI20201207BHJP
   G01K 1/14 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   C12M1/38 Z
   G01K1/14 B
【請求項の数】8
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-519480(P2016-519480)
(86)(22)【出願日】2014年6月16日
(65)【公表番号】特表2016-521572(P2016-521572A)
(43)【公表日】2016年7月25日
(86)【国際出願番号】SE2014050728
(87)【国際公開番号】WO2014204384
(87)【国際公開日】20141224
【審査請求日】2017年6月9日
(31)【優先権主張番号】1350732-2
(32)【優先日】2013年6月17日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】597064713
【氏名又は名称】サイティバ・スウェーデン・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】オーケルストローム,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】カールソン,ラース・ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】フリッキング,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルネス,ホーカン
【審査官】 小倉 梢
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−174982(JP,A)
【文献】 実開昭59−077900(JP,U)
【文献】 特開2007−234950(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/038203(WO,A1)
【文献】 特開2008−067622(JP,A)
【文献】 特開2005−083944(JP,A)
【文献】 特開2006−118927(JP,A)
【文献】 特開2000−283813(JP,A)
【文献】 特開2001−235444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00 − 1/42
G01K 1/00 − 1/26
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
WPIDS/WPIX(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御システムを備えるベースステーション(11;17)と、
ベースステーション(11;17)上に備えられるように構成され、バイオリアクタバッグを収容するように構成されたトレイ(31;41)と
を備えるバイオリアクタシステムであって、
ベースステーション(11;17)が1以上の温度センサ手段(1)を備えており、トレイ(31;41)が温度センサ手段(1)をトレイ(31;41)内に備えられるバイオリアクタバッグの表面に接触するように受け入れる1以上の開口(33;43a、43b)を備えており、
温度センサ手段(1)は、
測定対象の表面に面するように配置された熱伝導層(2)と、
測定対象の表面の反対の側において熱伝導層(2)へと取り付けられた熱絶縁層(3)と、
熱伝導層(2)と熱絶縁層(3)との間に設けられた温度センサ(5)とを備えており、
前記温度センサのすべての面のうち、少なくとも一つの面が前記熱伝導層(2)によって囲まれており、残りの面が前記熱絶縁層(3)によって囲まれており、
前記温度センサ手段(1)は、レバーであるアーム(21)の一方の端部に設けられ、前記トレイ(31;41)が前記ベースステーション(11;17)に設けられたときに、前記トレイ(31;41)に設けられた押し込み手段が前記アーム(21)の他方の端部を下方へと押すことで、前記温度センサ手段(1)が、バイオリアクタバッグの表面に接触する一方、バイオリアクタバッグの表面を乱すことはないように、前記トレイ(31;41)の開口(33;43a、43b)を通って上方へと移動する、バイオリアクタシステム。
【請求項2】
前記温度センサ手段(1)は、第一の側と、第一の側とは反対の第二の側と、第一の側及び第二の側をつなぐ第三の側とを有し、
第一の側は、熱伝導層(2)を含み、
第二の側は、熱絶縁層(3)を含み、
第三の側は、温度センサ(5)が、第一の側の熱伝導層(2)と第二の側の熱絶縁層(3)との間で挟まれ、かつすべての他の面が第三の側の熱伝導層(2)によって囲まれているように熱伝導層(2)を含む、
請求項1に記載のバイオリアクタシステム。
【請求項3】
前記トレイ(31;41)は、ヒータと、バイオリアクタバックがトレイに設けられた時に、温度センサ手段(1)の第一の側がバイオリアクタバックの表面に接触するように温度センサ手段(1)を受け入れる少なくとも一つの開口部(33;43a、43b)とを備え、
開口部(33;43a、43b)は、温度センサ(5)がトレイ(31;41)に設けられたヒータの影響を受けにくいように、温度センサ手段(1)よりも大きい、
請求項1又は2に記載のバイオリアクタシステム。
【請求項4】
ベースステーション(11:17)は、2つ以上の温度センサ手段(1)を備え、異なるトレイの異なる開口が、どの温度センサ手段をバイオリアクタバッグの表面に接触させるかを決定することで、他の温度センサ手段はトレイ(31;41)の開口を通って突出することがない、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のバイオリアクタシステム。
【請求項5】
各々の温度センサ手段(1)は、別々のアーム(21)に取り付けられる、請求項4に記載のバイオリアクタシステム。
【請求項6】
熱伝導層(2)は、熱絶縁層(3)よりも高い熱伝導率を有する材料である、請求項1乃至のいずれか一項に記載のバイオリアクタシステム。
【請求項7】
熱伝導層(2)は、金属或いは熱伝導性のグラファイト又はポリマーである、請求項1乃至のいずれか一項に記載のバイオリアクタシステム。
【請求項8】
温度センサ(5)から制御システムへと設けられた通信接続(7)をさらに備える、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のバイオリアクタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度センサ手段及びそのような温度センサ手段を備えるバイオリアクタシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
バイオリアクタ内の温度の測定を、侵襲的又は非侵襲的に行うことができる。非侵襲的な測定が、バイオリアクタの内容物は汚染されてはならないがゆえに、多くの場合に好ましい。バイオリアクタの外部に設けられた温度センサが、使用されている。そのような温度センサにおける問題は、測定される温度が周囲の温度に影響される点にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/258441号明細書
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、信頼できる温度測定値をもたらすこと、及び取り扱いの容易なバイオリアクタシステムを提供することにある。
【0005】
これは、制御システムを備えるベースステーションと、ベースステーション上に備えられるように構成され、バイオリアクタバッグを収容するように構成されたトレイと、を備えており、ベースステーションは、1以上の温度センサ手段を備え、トレイは、温度センサ手段をトレイ内に備えられるバイオリアクタの表面に接触するように受け入れる1以上の開口を備えている、バイオリアクタシステムにおいて達成される。これにより、信頼できる温度測定能力を有する柔軟かつ取り扱いの容易なバイオリアクタシステムが実現される。
【0006】
さらに、バイオリアクタにおける循環が、温度センサによる影響を被ることがない。別の利点は、較正に関してバイオリアクタを保持するトレイを考慮する必要がなく、ベースステーションだけを考慮すればよい点にある。さらに、周囲温度からの影響がきわめて限られている信頼できる温度測定値をもたらすバイオリアクタシステムが実現される。
【0007】
さらなる実施形態が、従属請求項に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態による温度センサ手段を概略的に示している。
図2a-2b】温度センサ手段を1つ又は3つ備える本発明の実施形態によるバイオリアクタシステムのベースステーションを概略的に示している。
図3】本発明による温度センサ手段を備えているアームを概略的に示しており、このアームは、バイオリアクタシステムのベースステーションにおいて使用されるように構成されている。
図4a-4b】本発明によるベースステーション上に設けられるように構成されたトレイを概略的に示しており、これらのトレイは、バイオリアクタバッグを保持するように構成されている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の一実施形態による温度センサ手段1を概略的に示している。温度センサ手段は、測定対象の表面に面するように配置された熱伝導層2と、測定対象の表面とは反対の側において熱伝導層2へと取り付けられた熱絶縁層3と、熱伝導層2と熱絶縁層3との間に設けられ、すべての面が熱伝導層又は熱絶縁層のいずれかによって完全に囲まれている温度センサ5とを備えている。熱伝導層は、熱絶縁層よりも高い熱伝導率を有する材料である。例えば、熱伝導層は、金属層或いは熱伝導性のグラファイト又はポリマー層であってよい。温度センサ5は、制御システムへと熱絶縁層を貫く接続7を有している。熱伝導層2は、測定対象の表面に対する伝導性を改善し、熱絶縁層3は、温度センサへの周囲温度からの影響を小さくする。本発明の別の実施形態ではは、熱伝導層及び/又は熱絶縁層を、省略することができる。
【0010】
図2a及び2bが、それぞれ図1に関して説明したとおりの温度センサ手段を1つ及び3つ備える本発明によるバイオリアクタシステムのベースステーションの2つの例を概略的に示している。図2aには、本発明の一実施形態によるベースステーション11が、概略的に示されている。バイオリアクタシステムのベースステーションは、当然ながら、多数のさらなる詳細を備えるが、それらは本発明の説明においては省略される。この実施形態では、ベースステーション11は、図1に関して説明したとおりの1つの温度センサ手段を備える。適切には、温度センサ手段1は、図3に示されるとおりのアーム21上に設けられる。アームは、ベースステーションの上面13の下方においてベースステーション11の内部に設けられる。アーム21は、温度センサ手段をベースステーションの上面13の開口15を通って突出させることができるように設けられる。これは、アーム21をレバーとして設けることによって達成される。次いで、温度センサ手段1が、レバー21の一方の端部22へと設けられ、レバー21の他方の端部23が下方に押されると、温度センサ手段1が上方に移動し、ベースステーションの開口15を通って突出する。したがって、ベースステーションの上面13に、温度センサ手段とは反対側のレバーの端部を下方へと押す押し込み手段を受け入れるためのさらなる開口16を設ける必要がある。バイオリアクタを保持し、ベースステーションへと配置されるように構成されたトレイが、この1つ以上の押し込み手段を備えることができる。他に可能性がある設計は、ベースステーションの上面13の開口15を通って上方へと突出する弾性アーム21上に温度センサ手段1を設け、この弾性アーム21を温度センサ手段1が上方から押された場合に容易に押し戻されるようにすることであると考えられる。図3に、温度センサ手段1を有するアーム21が示されている。このアームを、上述のように、レバー又は弾性アームのいずれかとしてベースステーションに設けることができる。図3には、熱絶縁層3を貫く温度センサからの通信接続7が示されている。
【0011】
図2bには、本発明の別の実施形態によるベースステーション17が、概略的に示されている。この実施形態ではは、温度センサ手段を備える3つのアーム21が設けられている。したがって、やはり3つの開口19a、b、cが、ベースステーションの上面に設けられている。アームがレバー形式である場合、図2aの開口16に相当する3つの開口が、やはり設けられるべきである。
【0012】
図4a及び4bは、本発明によるベースステーション上に設けられるように構成されたトレイを概略的に示しており、これらのトレイは、バイオリアクタバッグを保持するように構成されている。図4aのトレイ31を、図2aに示したベースステーション11又は図2bに示したベースステーション17のいずれかにおいて使用することができる。トレイ31は、バイオリアクタバッグを保持するように構成され、トレイは、図2aのベースステーション11の開口15又は図2bのベースステーション17の中央の開口19bに整列するように位置した開口33を備えている。適切には、トレイの開口33が、温度センサ手段よりもいくらか大きい。したがって、温度測定値が、トレイに設けられることが多いヒータの影響を受けにくい。図4aのトレイ31が図2bのベースステーション17と一緒に使用される場合、開口19a及び19cを通って設けられた残りの2つの温度センサ手段は、(レバーの変形例が使用される場合は)トレイ31がこれらの温度センサ手段のアームのための対応する押し込み手段を備えていないため、開口を通って上方へと突出することがない。弾性アームが代わりに使用される場合、開口19a及び19cを通って設けられた温度センサ手段は、トレイ31によって下方へと押され、使用されない。
【0013】
図4bのトレイ41を、図2bに示したベースステーション17において使用することができる。トレイ41は、各々が1つの温度センサ手段1を受け入れる2つの開口43a、43bを備えている。この実施形態では、ベースステーション17の中央の開口19bを通って設けられる温度センサ手段1は、使用されず、開口19aを通って設けられる温度センサ手段は、トレイ41の開口43aを通って上方に突き出し、開口19cを通って設けられる温度センサ手段は、トレイ41の開口43bを通って上方に突き出す。この実施形態ではは、2つのバイオリアクタバッグを、トレイ41内に設けることができる。トレイの開口33、43a、43bを、一実施形態ではは、例えばプラスチックフィルムなど、適切な薄膜によって覆うことができる。これは、こぼれをトレイ内にとどめるために好都合かもしれない。しかしながら、これは必須ではない。
【0014】
バイオリアクタシステムの制御システムが、一実施形態ではは、周囲温度を測定するための手段と、種々の周囲温度に関してバイオリアクタの温度測定値を補償するための手段とを備える。
【0015】
本発明においては、温度センサが、別々のトレイに設けられる代わりに、ベースステーションに設けられる。したがって、トレイを単純なままにし、較正及び電気的接続を不要にすることができる。これらすべての機能をベースステーションに持たせることが好都合である。
【0016】
本明細書においては、本発明を最良の態様を含めて開示するとともに、あらゆる装置又はシステムの製作及び使用並びにあらゆる関連の方法の実行を含む本発明の実施を当業者にとって可能にするために、いくつかの実施例を使用している。本発明の特許可能な技術的範囲は、特許請求の範囲によって定められ、当業者にとって想到される他の実施例も含むことができる。そのような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言から相違しない構造要素を有しており、或いは特許請求の範囲の文言から実質的には相違しない同等の構造要素を含むならば、特許請求の範囲の技術的範囲に包含される。
図1
図2a-2b】
図3
図4a-4b】