(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1のグリルでは、サイドカバーが側壁に対して着脱可能であることから、サイドカバーを装着しない状態で調理が行われる場合があり得る。そして、その場合、被調理物から飛散する油などによってグリル庫の側壁が汚損するおそれがある。
【0008】
これに対し、サイドカバーを装着しないで調理が行われてしまうことを抑制するために、調理の開始時に、使用者に対してサイドカバーの装着を促す、音声や光などによる報知を行うことが考えられる。
【0009】
ここで、調理の開始時に、使用者に対してサイドカバーの装着を促す、音声や光などによる報知を行う構成とした場合、調理の開始の都度、音声や光などによる報知が行われることになる。
【0010】
しかし、特許文献2に示されているように、蓋体が装着された調理容器をグリル庫内に収容して、加熱調理を行う場合、被調理物から飛散する油などによってグリル庫の側壁が汚損することは考えにくく、サイドカバーの装着を促す、音声や光などによる報知は不要である。
【0011】
ところが、上述のような構成、すなわち、「調理の開始時に、使用者に対してサイドカバーの装着を促す、音声や光などによる報知を行う構成」とした場合、蓋体が装着された調理容器を用いる場合のように、サイドカバーの装着を促す報知が不要である状況下でも、調理の開始の都度、音声や光などによる報知が行われることになり煩わしいという問題点がある。
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、グリル庫の側壁を覆うように配設されるサイドカバーを備えたグリルにおいて、必要時にはしかるべきサイドカバー装着促進報知を行い、そうでない場合にはサイドカバー装着促進報知を行わない、使い勝手の良好なグリルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明のグリルは、
前面に開口部を備え、内部でグリル調理が行われるグリル庫と、
前記グリル庫の前記開口部を閉じるグリル扉と、
被調理物を加熱調理するための調理容器を支持する調理容器支持部であって、複数種の調理容器を付け替えることが可能で、かつ、前記開口部から前記グリル庫に対して出し入れすることができるように構成された調理容器支持部と、
前記グリル庫の側壁を覆うように、前記グリル庫内に着脱可能に配設されるサイドカバーと、
前記調理容器支持部が前記グリル庫の設定収納位置に収納された収納状態において、前記調理容器の種別を検出する容器種別検出部と、
加熱調理用のグリル加熱手段と、
前記容器種別検出部の検出情報に基づいて、前記グリル加熱手段の加熱作動を制御する運転制御部と、
前記運転制御部からの発令により報知を行う報知部と、
を備えたグリルであって、
前記調理容器として、蓋を装着することができるように構成された蓋装着式調理容器と、蓋を備えず上部が開放された開放式調理容器とを備え、
前記容器種別検出部が前記開放式調理容器を検出したときには、前記運転制御部からの報知の発令により、前記報知部が前記サイドカバーの装着を促すサイドカバー装着促進報知を行い、
前記容器種別検出部が前記蓋装着式調理容器を検出したときには、前記運転制御部からの報知の発令は行われず、前記報知部は前記サイドカバー装着促進報知を行わないように構成されていること
を特徴としている。
【0014】
本発明のグリルにおいては、
前記グリル扉が前記グリル庫の前記開口部を閉じたグリル扉閉止状態を検出するグリル扉閉止状態検出手段を備え、
前記容器種別検出部によって前記開放式調理容器が検出され、かつ、グリル扉閉止状態検出手段によって前記グリル扉閉止状態が検出されたとき、前記運転制御部からの発令により、前記報知部がサイドカバー装着促進報知を行うように構成されていること
が好ましい。
【0015】
また、前記容器種別検出部が前記グリル扉閉止状態検出手段としても機能するように構成されていることが好ましい。
【0016】
また、前記調理容器支持部と前記グリル扉とが一体となって前方位置と後方位置である前記設定収納位置の間を前後方向に移動し、
前記調理容器支持部が前記設定収納位置に移動した状態において、前記グリル扉が閉止状態となり、
前記調理容器支持部が後方の前記設定収納位置に移動したときに、前記容器種別検出部が前記調理容器の種別を検出し、かつ、
前記調理容器の種別の検出が行われることで、前記容器種別検出部が前記グリル扉閉止状態を検出するように構成されていること
が好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明のグリルは、上述のように、容器種別検出部が開放式調理容器を検出したときには、運転制御部からの報知の発令により、報知部がサイドカバーの装着を促すサイドカバー装着促進報知を行い、容器種別検出部が蓋装着式調理容器を検出したときには、運転制御部からの報知の発令は行われず、報知部はサイドカバー装着促進報知を行わないように構成されているので、グリル庫の側壁が被調理物の加熱によって汚損することが考えられる調理容器がグリル庫内に収容された場合には、サイドカバーの装着を促す報知を行い、グリル庫の側壁が被調理物の加熱によって汚損することが考にくい調理容器がグリル庫内に収容された場合には、サイドカバーの装着を促す報知を行うことのない、無用な報知を行うことが抑制された、使い勝手の良好なグリルを提供することができる。
【0018】
また、グリル扉がグリル庫の開口部を閉じたグリル扉閉止状態を検出するグリル扉閉止状態検出手段を備え、容器種別検出部によって開放式調理容器が検出され、かつ、グリル扉閉止状態検出手段によってグリル扉閉止状態が検出されたとき、運転制御部からの発令により、報知部がサイドカバー装着促進報知を行うように構成した場合、グリル扉が閉止されていない状態では、サイドカバーの装着を促す報知を行なうことがない。その結果、不要な報知を行うことが抑制された、使い勝手の良好なグリルを提供することができる。
【0019】
また、容器種別検出部がグリル扉閉止状態検出手段としても機能するように構成した場合、構成部材の点数を減らしてコストの低減を図ることが可能になる。
【0020】
また、調理容器支持部とグリル扉とが一体となって前方位置と後方位置である設定収納位置の間を前後方向に移動し、調理容器支持部が設定収納位置に移動した状態において、グリル扉が閉止状態となり、調理容器支持部が後方の設定収納位置に移動したときに、容器種別検出部が調理容器の種別を検出し、かつ、調理容器の種別の検出が行われることで、容器種別検出部がグリル扉閉止状態を検出するように構成されている場合、グリル扉閉止状態検出手段を、容器種別検出部によって簡単に構成することが可能になり、構成の簡略化と、コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を示して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0023】
[実施形態]
この実施形態では、本発明の実施形態にかかるグリルが組み込まれたガスコンロを例にとって説明する。
【0024】
(ガスコンロの全体構成)
まず、ガスコンロの全体的な構成について説明した後、本発明の特徴的な構成について説明する。
【0025】
この実施形態にかかるガスコンロは、
図1に示すように、コンロ本体Hの上面部に、左右一対のコンロバーナ1を備え、コンロ本体Hの内部にグリルG(
図2参照)を備えている。
【0026】
そして、このガスコンロは、キッチンカウンタに形成したコンロ装着口に上方から挿入して組付ける、いわゆるビルトインタイプとして構成されており、コンロ本体Hの上部の周縁部には、キッチンカウンタに載置する鍔部が形成されている。
【0027】
コンロ本体Hの上部には、ガラス製の天板2が装備され、そして、天板2の後部側箇所には、グリルGの調理排気を排出するためのグリル排気口3が形成されている。また、天板2の上部には、コンロバーナ1にて加熱される鍋などの被加熱物を載置するための五徳4が、左右のコンロバーナ1のそれぞれに対応して設けられている。
【0028】
なお、コンロバーナ1の中央部には、
図1に示すように、鍋などの被加熱物の存在および被加熱物の底壁温度を検出するコンロバーナセンサ1Aが設けられている。
【0029】
コンロ本体Hの上部に装備した天板2の手前側箇所には、左右のコンロバーナ1のそれぞれに対する左右一対のコンロ用操作具5が、上方に離脱させることができるように設けられており、コンロ本体Hの前面部の右側箇所には、グリルGに対するグリル用設定操作部(調理設定操作部)6が、下方側を支点にした前後揺動により開閉することができるように設けられている。なお、
図1は、グリル用設定操作部6が開いた状態を示している。
【0030】
ちなみに、一対のコンロ用操作具5のそれぞれは、前後や左右のスライド操作および左右の回転操作により、点火および消火の指令、目標火力の指令、目標温度に維持する自動温度調理の指令など、各種の指令情報を指令するように構成されている。
【0031】
グリル用設定操作部6は、複数の指令スイッチを備えて、それらの複数の指令スイッチの操作により、後述する加熱調理用のグリル加熱手段としてのグリルバーナAに対する点火および消火の指令、目標火力の指令、調理モードの指令など、各種の指令情報を指令するように構成されている。
【0032】
(グリルの構成)
グリルGには、前部および後部が開口する筒状に形成されたグリル庫7(
図4参照)が備えられ、被調理物を加熱調理するための調理容器Kを支持しかつグリル扉8(
図1参照)を前端部に備えた調理容器支持部Lが、グリル庫7に対して取り出すことができるように配設されている(
図2、
図3参照)。
【0033】
調理容器Kは、形態が異なる複数種のものが用意されており、使用者が被調理物を加熱調理する際に、適正な調理容器Kを選択して使用することができるように、調理容器支持部Lは、複数種の調理容器Kを取り替えて使用することができるように構成されている。
この実施形態においては、複数種の調理容器Kとして、蓋40を着脱することができる蓋装着式調理容器としての調理鍋41(
図5参照)と、上部が開放した開放式調理容器としてのグリル皿9(
図4参照)とを取り替えて使用することができるように構成されている。なお、
図2および
図3は、グリル皿9を装備した状態を示している。
【0034】
ちなみに、グリル皿9の容量は、例えば、450mlであり、調理鍋41の容量は、例えば、1500mlである。
【0035】
また、グリルGには、
図2および
図7に示すように、調理容器支持部Lがグリル庫7の設定収納位置に収納された収納状態において、調理容器Kに接当して調理容器Kの種別を検出する容器種別検出部Mが設けられている。つまり、容器種別検出部Mが、調理鍋41とグリル皿9との種別を検出するように構成されている。なお、設定収納位置とは、グリル扉8がグリル庫7の前部の開口部7a(
図1,2,4)を閉じた状態における調理容器支持部Lの位置である。
【0036】
また、詳しくは後述するが、容器種別検出部Mの検出情報に基づいて、グリルバーナAの加熱作動を制御する運転制御部W(
図12参照)がグリルGに設けられている。
【0037】
図2および
図3に示すように、グリル庫7の底壁7dには、グリル庫7内に収納された調理容器Kを下方から加熱する下バーナ10が設置され、グリル庫7の天井部には、グリル庫7内に収納された調理容器Kを上方から加熱する上バーナ11が設置されている。つまり、この実施形態においては、グリルバーナAとして、下バーナ10と上バーナ11とが設けられている。
【0038】
グリル庫7の後部には、燃焼ガスや加熱される被調理物から排出されるガス類などからなる調理排気をグリル排気口3に導く排気通路Eを形成する排気通路形成部Dが設けられている。
【0039】
下バーナ10は、
図2に示すように、円筒状の下バーナ本体部10Aと、その下バーナ本体部10Aに接続される下バーナ混合管部10Bとを備え、下バーナ本体部10Aには、周方向に沿って炎孔Fが形成されている。つまり、下バーナ10は、炎孔Fを環状に備える形態に構成されている。
【0040】
そして、下バーナ10は、燃料ガスが下バーナ用噴出ノズル12から下バーナ混合管部10Bの端部に噴出供給される際に、一次空気がエジェクタ作用によって下バーナ混合管部10Bの内部に供給されることにより、一次空気と燃料ガスとの混合ガスを上述の炎孔Fに供給して一次燃焼させ、かつ、グリル庫7の底壁7dや側壁7sなどに形成した空気孔(図示せず)などからグリル庫7の内部に取り入れられた外気を二次空気として用いて二次燃焼させる、いわゆるブンゼン燃焼式バーナとして構成されている。
【0041】
なお、このような構成の下バーナ10は、コンロバーナ1の構成と同様であり、コンロバーナ1を転用して構成されている。
【0042】
下バーナ10の内部には、
図2および
図3に示すように、調理容器Kの温度を検出する温度検出センサとして、調理容器Kの底壁温度を検出する容器温度検出センサ13が装備されている。
【0043】
この容器温度検出センサ13の検出情報は、後述する運転制御部W(
図12参照)に入力される。
【0044】
なお、調理容器支持部Lの取り出しに連動して容器温度検出センサ13を昇降させて、調理容器支持部Lがグリル庫7の内部の収納位置およびその近くに位置するときには、容器温度検出センサ13を調理容器Kの底部Kaに接触させる上昇位置に位置させ、調理容器支持部Lが収納位置の近くの位置からグリル庫7の前方側に突出されるときには、容器温度検出センサ13を調理容器Kの底部Kaから下方側に離れる下降位置に位置させるように構成されているが、この実施形態においては、調理容器支持部Lの取り出しに連動して容器温度検出センサ13を昇降させる機構についての詳細な説明は省略する。
【0045】
上バーナ11は、下向きの平板状の火炎を形成する輻射式バーナであり、
図3に示すように、平板状の上バーナ本体部11Aと、その上バーナ本体部11Aに接続される上バーナ混合管部11Bとを備え、上バーナ本体部11Aの下面部に燃焼炎形成部が形成されている。
【0046】
そして、上バーナ11は、燃料ガスが上バーナ用噴出ノズル(図示せず)から上バーナ混合管部11Bの端部に噴出供給される際に、一次空気がエジェクタ作用によって上バーナ混合管部11Bの内部に供給されることにより、一次空気と燃料ガスとの混合ガスを上述の燃焼炎形成部に供給して一次燃焼させ、かつ、グリル庫7の底壁7dや側壁7sなどに形成した空気孔(図示せず)などからグリル庫7の内部に取り入れられた外気を二次空気として用いて二次燃焼させる、いわゆるブンゼン燃焼式バーナとして構成されている。
【0047】
なお、
図11および
図12に示すように、下バーナ10および上バーナ11のそれぞれに対して、点火装置としての点火プラグP、および、着火状態検出装置として、熱電対などを用いて構成される着火センサRが装備され、コンロバーナ1についても、同様に、点火プラグPおよび着火センサRが装備されている。
【0048】
図3に示すように、グリル庫7の左右の側壁7sの底部側部分に、長手方向をグリル庫7の前後方向に向けた姿勢で固定設置される状態で固定レール15が設けられ、その固定レール15に対してグリル庫7の前後方向に移動自在に支持される中間レール16、および、その中間レール16に対してグリル庫7の前後方向に移動自在に支持される可動レール17を備えたスライドレール式の案内機構Bが設けられている(
図4参照)。
【0049】
そして、
図4に示すように、左右に並ぶ一対の可動レール17の先端部に、グリル扉8を装着するための扉支持板18が取付けられ、グリル扉8が、扉支持板18の前面側に当て付けた状態で、扉支持板18に装着されるように構成されている(
図2参照)。
【0050】
図2〜
図4に示すように、グリル庫7の底壁7dを上方から覆う板状のカバー体19が、下バーナ10および左右のスライドレール式の案内機構Bを覆う状態で設けられ、下バーナ10の下バーナ本体部10Aが、カバー体19の中央部の開口を通して上方に突出するように構成されている。
【0051】
図4および
図5に示すように、グリル皿9および調理鍋41の前縁部および後縁部を載置支持する形態に棒状材を曲げ加工して構成された容器支持枠21が設けられている。
【0052】
そして、
図4および
図6に示すように、容器支持枠21の前端部が、扉支持板18に上下揺動自在に支持されている。つまり、容器支持枠21の前端部に設けた被支持部21sが、扉支持板18の背面部に設けた係止片18Aに係止支持されている。
【0053】
また、
図4および
図5に示すように、容器支持枠21の後端部には、カバー体19の左右両端部の上部に載置する状態で設けたレール枠22に対して摺動自在に載置される被載置部21aが設けられている。なお、被載置部21aは、棒状材をU字状に曲げ加工して構成されている。
【0054】
すなわち、容器支持枠21が、前端部が扉支持板18に支持され、かつ、後端部がレール枠22に支持される形態で設けられている。
【0055】
容器支持枠21は、グリル皿9および調理鍋41を着脱自在に支持する載置支持部として機能するものであって、容器支持枠21には、グリル皿9および調理鍋41が選択的に付け替えられる形態で装着されることになる。
【0056】
すなわち、調理容器支持部Lが、グリル扉8およびグリル皿9を載置支持する容器支持枠21を主要部として構成され、そして、グリル扉8を装着する扉支持板18および容器支持枠21が、左右のスライドレール式の案内機構Bおよびレール枠22にて、グリル庫7に対して取り出し可能に支持されるように構成されている。
【0057】
なお、グリル庫7の内部を清掃するときには、調理容器支持部Lをグリル庫7の前方に突出させ、その突出状態において、グリル皿9および調理鍋41を容器支持枠21から取り外すことにより、カバー体19の上面部など、グリル庫7の内部を容易に清掃することが可能になる。
【0058】
ちなみに、
図5に示すように、調理鍋41に装着される蓋40には蒸気孔40aが形成されている。そして、蓋40を装着した調理鍋41は、調理容器支持部Lをグリル庫7に収納した状態において、蒸気孔40aがグリル庫7の後方側箇所に位置する状態となるように容器支持枠21に載置することになる。
【0059】
つまり、調理容器支持部Lをグリル庫7に収納した状態において、蒸気孔40aがグリル庫7の後方側箇所に位置する状態となるようにすることにより、蒸気孔40aから排出される蒸気が迅速に排気通路Eに導かれるようにして、蒸気孔40aから排出される蒸気が、グリル庫7の内部に充満することを極力抑制することが可能になる。
【0060】
図2〜
図4に示すように、グリル庫7の後部に、グリル庫7の下側部分においてはグリル庫横幅方向の中央側部分を開口し、かつ、グリル庫7の上側部分においてはグリル庫横幅方向の全幅に亘って開口する形態で排気出口Uが開口され、排気通路形成部Dが、排気通路Eを排気出口Uに連通させる形態で形成するように構成されている。
【0061】
説明を加えると、グリル庫7の後部における下側部分の左右両側部には、グリル庫7の後壁を形成する後板23が設けられている。
【0062】
そして、グリル庫7の前後方向視にて、グリル庫7の後部における下側部分には、左右の後板23の間に位置する開口部分がグリル庫7の底壁7dの上方側に位置する状態で形成され、グリル庫7の後部における上側部分には、グリル庫7の左右の側壁7sおよびグリル庫7の上部壁7uにて囲まれた開口部分が形成されている。
【0063】
すなわち、排気出口Uは、グリル庫7の後部の下側部分において左右の後板23の間に位置する開口部分と、グリル庫7の後部の上側部分においてグリル庫7の左右の側壁7sおよびグリル庫7の上部壁7uにて囲まれた開口部分とを合わせた開口として構成されている。
【0064】
図2に示すように、排気通路形成部Dが、グリル庫7の後部における下側部分に接続する下側形成部分Dsと、グリル庫7の後部における上側部分に接続する上側形成部分Duとを備える形態に構成されている。
【0065】
下側形成部分Dsおよび上側形成部分Duは、複数の部材を組み付けて形成されるものであるが、この実施形態においては、下側形成部分Dsおよび上側形成部分Duについての詳細な説明を省略する。
【0066】
ちなみに、下側形成部分Dsの内部には、排気通路Eを上下方向で区画する板状の通路区画材24が配設され、また、上側形成部分Duの内部には、ラス網などを用いて構成される多孔状の消炎部材25が配設されている。
【0067】
なお、排気通路形成部Dの下側形成部分Dsには、排気通路Eの内部温度を検出する排気温度センサ26が、通路区画材24を貫通する状態で設けられている。
【0068】
この排気温度センサ26は、通路区画材24の上方側部分の温度を排気通路Eの内部温度として検出するように構成され、排気温度センサ26の検出情報は、後述する運転制御部W(
図12参照)に入力されるように構成されている。
【0069】
図11に示すように、メタンガスを主成分とする都市ガスなどの燃料ガスが供給される元ガス供給路28に、一対のコンロバーナ1に対する一対のコンロ用分岐路29、および、グリル用分岐路30が接続されている。
【0070】
また、元ガス供給路28には、ガスコンロ全体に対する燃料ガスの供給を断続する元ガス弁31が配置され、一対のコンロ用分岐路29のそれぞれに、コンロバーナ1の火力を調節するためのコンロバーナ用ガス量調節弁32が設けられている。
【0071】
さらに、グリル用分岐路30には、下バーナ10および上バーナ11に対するガス燃料の供給圧力を設定圧に調整するガバナ33が設けられ、ガバナ33にて設定圧に調整されたガス燃料を下バーナ10に導く下バーナ用供給路34、および、ガバナ33にて設定圧に調整されたガス燃料を上バーナ11に導く上バーナ用供給路35が設けられている。
【0072】
また、下バーナ用供給路34には、下バーナ10の火力を調節するための下バーナ用ガス量調節弁36が設けられ、上バーナ用供給路35には、上バーナ11の火力を調節するための上バーナ用ガス量調節弁37が設けられている。
【0073】
ちなみに、下バーナ用ガス量調節弁36および上バーナ用ガス量調節弁37は、燃料ガスの供給開度を全閉開度から最大開度に亘って変更するものであり、下バーナ10や上バーナ11の燃焼を停止する際には、下バーナ用ガス量調節弁36および上バーナ用ガス量調節弁37を、全閉開度(閉状態)にするように構成されている。
【0074】
(調理容器の容器種別検出構成)
図2〜
図4に示すように、調理容器Kの種別を検出する容器種別検出部Mが、調理容器Kとの接当により調理容器Kの存在を検出する複数の容器検出部Sを備えて構成されている。
【0075】
また、詳細は以下に示すが、複数の容器検出部Sは、調理容器Kの種別を検出するために、複数の容器検出部Sの存在検出状態の組合せが調理容器Kの種別毎に異なる組合せとなる状態でグリル庫内に備える形態に構成されている。
【0076】
この実施形態では、複数の容器検出部Sとして、グリル庫7の後部に配設されて調理容器Kの周壁Kbに接当する複数の後部検出部Saが設けられている。
【0077】
また、
図3および
図7に示すように、後部検出部Saは、グリル庫7の左右の後板23のそれぞれに設けられている。すなわち、後部検出部Saは、グリル庫7の左側の後板23に装着された左側後部検出部S1aと、右側の後板23に装着された右側後部検出部S2aとにより構成されている。
【0078】
なお、
図8および
図9に示すように、左側後部検出部S1aおよび右側後部検出部S2aは、グリル皿9が容器支持枠21に載置された状態と、蓋40を装着した調理鍋41が容器支持枠21に載置された状態とでは異なる検出状態となるようにグリル庫7の後板23に備えられている。
【0079】
具体的には、
図8に示すように、グリル皿9を容器支持枠21に載置した状態にて、調理容器支持部Lをグリル庫7の内部の設定収納位置に収納する収納状態とすることで、左側後部検出部S1aおよび右側後部検出部S2aがグリル皿9と接当してグリル皿9の存在を検出する存在検出状態となるように構成されている。
【0080】
また、
図9に示すように、蓋40を装着した調理鍋41を容器支持枠21に載置した状態にて、調理容器支持部Lをグリル庫7の内部の設定収納位置に収納する収納状態とすることで、左側後部検出部S1aが、蓋40からグリル庫後方側に延出された被検知部40H(
図5参照)に接当して存在検出状態となり、右側後部検出部S2aが蓋40および調理鍋41と接当せずに非存在検出状態となるように構成されている。
【0081】
なお、蓋40から延出される被検知部40Hは、
図5および
図6に示すように、上方側に伸びた後に外方側に向けて延出され、その延出部の端部から下方に伸びる形態に形成されるものであって、蓋40を調理鍋41に装着した状態において、調理鍋41の周縁部を上方側から迂回する形態で調理鍋41の周縁部に近接する位置に位置するように構成されている。つまり、この被検知部40Hは、調理鍋41の周壁Kbの一部として構成されている。
【0082】
さらに、左側後部検出部S1aおよび右側後部検出部S2aは、蓋40を装着した調理鍋41を容器支持枠21に載置した状態と、蓋40が装着されていない調理鍋41を容器支持枠21に載置した状態とで異なる検出状態となるようにグリル庫7の後板23に備えられている。つまり、容器種別検出部Mが、蓋40が装着された状態の調理鍋41か、蓋40が装着されていない状態の調理鍋41かを検出するように構成されている。
【0083】
具体的には、上述の如く、蓋40を装着した調理鍋41が載置された調理容器支持部Lを収納状態とした場合には、左側後部検出部S1aが被検知部40Hに接当して存在検出状態となり、右側後部検出部S2aが蓋40および調理鍋41と接当せずに非存在検出状態となるが、蓋40を装着しない調理鍋41が載置された調理容器支持部Lを収納状態とした場合には、左側後部検出部S1aおよび右側後部検出部S2aが調理鍋41に接当せずに非存在検出状態となるように構成されている。
【0084】
また、
図7〜
図9に示すように、左側後部検出部S1aおよび右側後部検出部S2aは、後板23に装着したケーシング部材39と、ケーシング部材39に対してグリル庫前後幅方向に移動自在にかつ前方側の突出位置に復帰付勢された可動体Xとしての押圧移動体38と、押圧移動体38が突出位置から後退移動したことを検出する後退移動検出部Yとしての押圧移動検出部42(
図7参照)を備える形態に構成されている。
【0085】
つまり、押圧移動体38は、上述の如く、グリル皿9を備えた調理容器支持部Lがグリル庫7に対して設定収納位置に収納された場合や、蓋40が装着された調理鍋41を備えた調理容器支持部Lがグリル庫7に対して設定収納位置に収納された場合において、グリル皿9の周壁Kbや蓋40に設けた被検知部40Hと接当し、グリル庫7の後方側に向かって押されて、突出位置から後退位置に後退移動することになる。
【0086】
押圧移動検出部42は、図示はしないが、リードスイッチを備えたスイッチ本体と、スイッチ本体と対向配置される磁石と、スイッチ本体と磁石との間を移動自在に設けられた磁気遮蔽体から構成されている。そして、調理容器Kの接当により押圧移動体38が後退移動することで、磁気遮蔽体がスイッチ本体と磁石との間を出退移動するように、押圧移動体38と磁気遮蔽体が連係されている。
【0087】
具体的には、押圧移動体38が突出位置に位置するときには、押圧移動体38と接続される磁気遮蔽体が、スイッチ本体と磁石との間に相当する位置に位置し、スイッチ本体の出力がOFFの状態となるように構成されている。一方、押圧移動体38が調理容器Kとの接当により突出位置から後退移動したときには、磁気遮蔽体がスイッチ本体と磁石との間に相当する位置から外れた位置に位置し、スイッチ本体の出力がONの状態となるように構成されている。
【0088】
押圧移動検出部42は、このような磁気遮蔽体の移動により、スイッチ本体を開閉して、調理容器Kが存在する存在検出状態であるか、調理容器Kが存在しない非存在検出状態であるかを検出するように構成されている。ちなみに、左側後部検出部S1aおよび右側後部検出部S2aのそれぞれに設けられた押圧移動検出部42のスイッチ本体の検出情報は、後述する運転制御部W(
図12参照)に入力される。
【0089】
(容器種別検出部の検出内容について)
表1に基づいて、左側後部検出部S1aおよび右側後部検出部S2aによって構成される容器種別検出部Mの検出内容について説明する。
【0091】
なお、表1においては、左側後部検出部S1aを「第1センサ」とし、右側後部検出部S2aを「第2センサ」としている。また、表1においては、左側後部検出部S1aおよび右側後部検出部S2aにおいて、調理容器Kの存在を検出する存在検出状態を「ON」とし、調理容器Kの存在を検出しない非存在検出状態を「OFF」としている。
【0092】
左側後部検出部S1aおよび右側後部検出部S2aが調理容器Kの存在を検出しない非存在検出状態となる場合(以下、左右非存在検出状態という)は、グリル扉8が開状態であり調理容器支持部Lが収納状態となっていない状態(グリル扉開状態)、調理容器支持部Lが収納状態であるがグリル皿9または調理鍋41が調理容器支持部Lに設けられていない状態(調理容器非存在状態)、または、調理容器支持部Lが収納状態であるが蓋40が装着されていない調理鍋41が調理容器支持部Lに設けられた状態(蓋なし調理鍋収納状態)のいずれかの状態である。
【0093】
また、左側後部検出部S1aが非存在検出状態となり、右側後部検出部S2aが存在検出状態となる場合(以下、右側存在検出状態という)は、例えば、左側後部検出部S1aまたは右側後部検出部S2aが故障している状態である。
【0094】
さらに、左側後部検出部S1aが存在検出状態となり、右側後部検出部S2aが非存在検出状態となる場合(以下、左側存在検出状態という)は、グリル扉8が閉状態であり、蓋40が装着された調理鍋41が調理容器支持部Lに設けられている状態(蓋あり調理鍋収納状態)である。つまり、この左側存在検出状態では、容器種別検出部Mが、調理容器支持部Lがグリル庫7の設定収納位置に収納された収納状態において、容器種別検出部Mに接当する調理容器Kの種別が蓋40が装着された調理鍋41であることを検出する状態である。
【0095】
また、左側後部検出部S1aおよび右側後部検出部S2aが調理容器Kの存在を検出する存在検出状態となる場合(以下、左右存在検出状態と呼ぶ。)は、グリル扉8が閉状態であり、グリル皿9が調理容器支持部Lに設けられている状態(グリル皿収納状態)である。つまり、この左右存在検出状態では、容器種別検出部Mが、調理容器支持部Lがグリル庫7の設定収納位置に収納された収納状態において、容器種別検出部Mに接当する調理容器Kの種別がグリル皿9であることを検出する状態である。
【0096】
(グリル用設定操作部の詳細)
また、この実施形態のガスコンロは、
図12に示すように、グリル用設定操作部6の指令情報が運転制御部Wに入力されて、運転制御部Wが、グリル用設定操作部6の指令情報に基づいて、上バーナ11および下バーナ10の燃焼を制御するように構成されている。
【0097】
図10に示すように、グリル用設定操作部6は、オートメニューを選択するオートメニュー選択スイッチ45、調理モードを選択する調理モード選択スイッチ46、火加減を設定する火力調節スイッチ47、グリルバーナAに対する点火および消火を指令する点消火スイッチ48、タイマ調理を設定する時間設定スイッチ49、時間設定スイッチ49により設定された加熱調理時間を表示する表示部49A、入力された情報の取り消しを指令する取消スイッチ50、および、チャイルドロックスイッチ51を備えている。
【0098】
オートメニュー選択スイッチ45は、押し操作により、「オートメニュー」を指令するものであり、そして、押し操作されるごとに、「オートメニュー」の調理メニューとして、「トースト」、「鶏もも焼き」、「ホイル焼き」、「魚:切り身」、「魚:姿焼き」、および、「ごはん」、「炊飯予約」の調理メニューに順次切換えるように構成されている。
【0099】
なお、「ごはん」とは、炊飯を意味するものである。
また、「炊飯予約」とは、時間設定スイッチ49を用いて表示部49Aに設定時間を表示させた状態で点消火スイッチ48を操作して調理の開始を指令することで、設定時間経過後に炊飯を開始するように構成される、いわゆる、タイマ予約炊飯を意味している。
【0100】
なお、「炊飯予約」として、時間設定スイッチ49を用いて表示部49Aに炊き上がり設定時刻を表示させ、点消火スイッチ48を操作して調理の開始を指令することで、炊き上がり設定時刻に炊飯を完了するように構成してもよい。
【0101】
ちなみに、「オートメニュー」は、オートメニュー選択スイッチ45を操作して調理メニューを選択した後に、点消火スイッチ48を操作することにより実行される。
【0102】
そして、この実施形態のガスコンロは、運転制御部Wが、オートメニュー選択スイッチ45にて選択された複数の調理メニューのそれぞれについて、予め設定されている加熱調理用情報に基づき、上バーナ11および下バーナ10の火力を自動的に調節しながら、自動的に加熱調理を行い、かつ、加熱調理が終了すると、上バーナ11および下バーナ10を自動的に消火する全自動加熱調理を実行するように構成されている。
【0103】
調理モード選択スイッチ46は、押し操作により、「調理モード」を選択して入力するものであり、そして、押し操作されるごとに、「調理モード」の調理メニューとして、「焼く」、「あたためる」、「ノンフライ」、「煮る」、「蒸す」、および、「パン」の調理メニューに順次切換えるように構成されている。
【0104】
なお、「調理モード」を実行する際には、調理モード選択スイッチ46を操作して調理メニューを選択した後に、点消火スイッチ48を操作するように構成されている。
【0105】
そして、運転制御部Wが、調理モード選択スイッチ46にて選択された複数の調理メニューのそれぞれについて、予め設定されている加熱調理用情報に基づいて、上バーナ11および下バーナ10の火力を自動的に調節しながら、自動的に加熱調理を行うように構成されている。
【0106】
なお、「調理モード」において加熱調理を停止する際には、点消火スイッチ48を操作することにより、上バーナ11および下バーナ10の消火を行う。したがって、この実施形態においては、グリル用設定操作部6は、「オートメニュー」および「調理モード」が備える複数の調理メニューのうちから実行すべき調理メニューを指令する調理メニュー選択入力手段として機能する。
【0107】
ちなみに、オートメニューの「ごはん」、「炊飯予約」や、調理モードの「煮る」、「蒸す」、「パン」の調理メニューは、調理鍋41を用いて行う調理メニューであり、オートメニューや調理モードにおけるその他の調理メニューは、グリル皿9を用いて行う調理メニューである。
【0108】
なお、この実施形態のガスコンロが備える、タイマ調理を設定する時間設定スイッチ49、入力された情報の取り消しを指令する取消スイッチ50、および、チャイルドロックスイッチ51については、詳細な説明は省略する。
【0109】
運転制御部Wは、マイクロコンピュータを備えており、グリルGを備えたガスコンロの全体に対する運転を制御する。ただし、以下の説明においては、グリルGに備えた下バーナ10および上バーナ11に対する燃焼制御を説明して、コンロバーナ1に対する燃焼制御は省略する。
【0110】
運転制御部Wは、
図12に示すように、上述したグリル用設定操作部6からの選択入力情報に基づいて、下バーナ10および上バーナ11に対する燃焼を制御する。
【0111】
例えば、点消火スイッチ48の操作により点火指令が指令されると、運転制御部Wは、元ガス弁31、下バーナ用ガス量調節弁36、および、上バーナ用ガス量調節弁37を操作して、下バーナ10および上バーナ11に燃料ガスを供給する状態とし、加えて、下バーナ10および上バーナ11に対する点火プラグPを作動させかつ着火センサRにて着火を検出する点火処理を実行する。
【0112】
また、点消火スイッチ48の操作により消火指令が指令されると、元ガス弁31、下バーナ用ガス量調節弁36、および、上バーナ用ガス量調節弁37を閉状態に操作して、下バーナ10および上バーナ11を消火する消火処理を実行する。
【0113】
また、下バーナ10および上バーナ11の燃焼状態において、火力調節スイッチ47の操作により火力の変更が指令されると、下バーナ用ガス量調節弁36および上バーナ用ガス量調節弁37を操作して、下バーナ10および上バーナ11の火力を「強」、「中」、「弱」に変更調節する火力調節処理を実行する。
【0114】
また、自動調理制御として、「オートメニュー」の調理メニューや、「調理モード」の調理メニューが選択入力された場合には、予め設定された加熱調理用情報に基づいて、上バーナ11および下バーナ10を自動的に点火し、火力を自動的に調節しながら加熱調理を行う。そして、「オートメニュー」の調理メニューが選択入力された場合には、定められた加熱調理が終了すると、下バーナ10および上バーナ11を自動的に消火する。また、タイマ調理が設定された場合には、加熱調理時間が経過すると、下バーナ10および上バーナ11を自動的に消火する。
【0115】
さらに、運転制御部Wは、容器種別検出部Mの検出情報に基づいて、グリルバーナAの加熱作動の制御などを行うように構成されている。
具体的には、左右非存在検出状態では、グリル扉開状態、調理容器非存在状態、または、蓋なし調理鍋収納状態のいずれかの状態となっているが、このような状態において、点消火スイッチ48の操作などにより点火指令が指令された場合には、運転制御部Wは、グリルバーナAの点火処理を実行せず、警報ブザーなどの警報装置55を作動させる警報処理を実行するように構成されている。
【0116】
また、右側存在検出状態では、例えば、左側後部検出部S1aまたは右側後部検出部S2aが故障状態であると判断されることから、運転制御部Wは、警報処理を実行することになる。
【0117】
(特徴的構成)
この実施形態のグリルGは、グリル庫7の側面、すなわち側壁7S(の表面)を覆うように、グリルGの内部に着脱可能に配設されたサイドカバー107を備えている(
図13、
図14)。
すなわち、サイドカバー107は、グリル庫7の側壁7s(の表面)を覆うような態様で、側壁7sに対して着脱可能に取り付けられている。
【0118】
また、サイドカバー107は、金属板(例えば琺瑯用鋼板)に撥油性琺瑯の被膜を設けることにより形成されており、被調理物から飛散した油によって汚損した場合にも、グリル庫7の側壁7sから取り外して、簡単に油汚れを除去することができるように構成されている。
【0119】
この実施形態のグリルGおいては、サイドカバー107をグリル庫7内の所定の位置に着脱可能に取り付けることができるように、グリル庫7の左右の側壁7sに、係止鋲108が配設されている。
【0120】
係止鋲108は、左の側壁7sの前後(前方側と後方側)2ヶ所と、右の側壁7sの前後(前方側と後方側)2ヶ所に設けられている。なお、係止鋲108は、左右の側壁7sの表面に対して垂直になるように(言い換えると、軸方向が水平になるように)、グリル庫7の左右の側壁7sに着脱可能に取り付けられている。
【0121】
係止鋲108は、所定の直径(本実施形態では、4mm)を有する軸部108aと、この軸部108aの端部に形成された、軸部108aよりも大きい直径(本実施形態では、8mm)を有する大径部である軸頭部108bとから構成されている。
【0122】
サイドカバー107には、前後2ヶ所に係止孔109が設けられており、係止孔109は、係止孔109の下側部分を構成する、係止鋲108の軸頭部108bが通過可能な大きさを有する通過部109aと、係止孔109の上側部分を構成する、係止鋲108の軸部108aは通過するが軸頭部108bは通過しない狭幅部である係止部109bとを備えている。すなわち、この実施形態においては、係止孔109は、通過部109aと係止部109bとを備えた、いわゆるダルマ穴として形成されている。
【0123】
また、サイドカバー107を、グリル庫7の側壁7sに装着するには、グリル庫7の左右の側壁7sに配設された係止鋲108の軸頭部108bを.上述の通過部109aに挿通させた後、サイドカバー107をその自重で下降させることにより、係止鋲108の軸部108aがサイドカバー107の係止孔109の幅狭部である係止部109bに相対的に移動することで、サイドカバー107はグリル庫7の側壁7sの壁面を覆った状態で、側壁7sに着脱可能に装着され、
図13、
図14に示す状態に至る。
【0124】
また、この実施形態のグリルGは、運転制御部Wからの発令により所定の報知を行う報知部(
図10のサイドカバー装着促進ランプ(LED)110、
図12のスピーカー120)を備えている。
【0125】
運転制御部Wは、容器種別検出部Mが開放式調理容器であるグリル皿9を検出したときには、サイドカバー107の装着を促すサイドカバー装着促進報知を行うように報知部に対して発令し、これを受けて報知部は、サイドカバー装着促進報知を行う。
【0126】
具体的には、スピーカー120から「サイドカバーを装着して下さい。」という音声メッセージを発するとともに、サイドカバー装着促進ランプ(LED)110を点滅させる。
【0127】
また、運転制御部Wは、容器種別検出部Mが蓋装着式調理容器である調理鍋41を検出したときを検出したときには、報知部に対して、サイドカバー装着促進報知を行うべき旨の発令を行わない。すなわち、スピーカー120は音声メッセージを発することなく、また、サイドカバー装着促進ランプ(LED)110は消灯した状態に保たれる。
【0128】
グリルGは、このように構成され、グリル庫7の側壁7sが被調理物の加熱によって汚損することが考えられる調理容器であるグリル皿9がグリル庫7内に収容された場合には、サイドカバー107の装着を促す報知を行い、グリル庫7の側壁7sが被調理物の加熱によって汚損することが考にくい調理容器である調理鍋41がグリル庫7内に収容された場合には、サイドカバー107の装着を促す報知を行わないので、無用な報知を行うことが抑制することが可能で、使い勝手の良いグリルGを提供することができる。
【0129】
また、本実施形態にかかるグリルGは、グリル扉8がグリル庫7前面の開口部7aを閉じたグリル扉閉止状態を検出するグリル扉閉止状態検出手段を備えている。そして、この実施形態では、上述の容器種別検出部Mがグリル扉閉止状態検出手段としても機能するように構成されている。具体的には、以下に説明するように構成されている。
【0130】
調理容器支持部Lとグリル扉8とは、一体となって前方位置と後方位置である設定収納位置の間を前後方向に移動する。
【0131】
そして、調理容器支持部Lが後方の設定収納位置に移動した状態(
図2参照)において、グリル扉8が閉止状態となり、調理容器支持部Lが後方の設定収納位置に移動したときに、容器種別検出部Mが調理容器Kの種別を検出するとともに、調理容器Kの種別の検出が行われることで、容器種別検出部Mがグリル扉閉止状態を検出する。
【0132】
したがって、容器種別検出部Mは、調理容器Kの種別を検出する機能を果たすとともに、グリル扉閉止状態検出手段としても機能することになる。
【0133】
そして、容器種別検出部Mによって開放式調理容器であるグリル皿9が検出され、かつ、グリル扉閉止状態検出手段としても機能する容器種別検出部Mによってグリル扉閉止状態が検出されたときに、運転制御部Wは、報知部に対して、サイドカバー装着促進報知を行うように発令する。
【0134】
このため、グリル扉8によってグリル庫7の前面の開口部7aが閉止されていない状態では、報知部がサイドカバー装着促進報知を行わないので、不要な報知を行うことが抑制され、使い勝手を向上させることができる。
【0135】
また、上述のように、本実施形態にかかるグリルGでは、容器種別検出部Mがグリル扉閉止状態検出手段としても機能するように構成されているため、製造コストの低減を図ることができる。
【0136】
さらに、この実施形態にかかるグリルGにおいては、容器種別検出部Mによって開放式調理容器であるグリル皿9が検出されたとき、また、容器種別検出部Mによって蓋装着式調理容器である調理鍋41が検出されたとき、グリル扉閉止状態検出手段(この実施形態では容器種別検出部M)がグリル扉閉止状態を検出するように構成されているので、グリル扉閉止状態検出手段を、容器種別検出部Mによって簡単に構成することができる。
【0137】
なお、本発明のグリルにおいては、グリル扉閉止状態検出手段を、容器種別検出部Mとは別に設けるように構成することも可能である。
【0138】
本発明は、さらにその他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において種々の変形を加えることが可能である。