(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像が撮影された時間と前記所定時間とに基づいて、前記画像を撮影したときの前記内視鏡の先端の位置に対応する前記先端マーカを特定し、特定された前記先端マーカと前記画像とを関連付ける関連処理部を更に有し、
前記表示制御部は、前記関連処理部で関連付けた前記先端マーカと前記画像とを結び付けて表示する、
請求項2記載の医用画像表示装置。
内視鏡検査中の前記位置情報と過去の内視鏡検査の前記画像に付帯する前記位置情報とに基づいて、撮影中の前記内視鏡の位置で過去に撮影された前記画像を検索する画像検索部をさらに有し、
前記表示制御部は、検索された前記画像を表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の医用画像表示装置。
前記先端マーカ配列画像は、前記内視鏡で撮影された前記画像を読影するとき、又は読影レポートを作成するときに表示されることを特徴とする請求項2に記載の医用画像表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態の医用画像表示装置について図面を参照して説明する。
【0010】
〈実施形態〉
図1は、実施形態に係る医用画像表示装置1の構成を示すブロック図である。医用画像表示装置1は、ネットワークNWを介して、内視鏡装置2及びデータベース3と通信可能に接続される。
【0011】
内視鏡装置2は、入力回路21と内視鏡22とを有する。内視鏡装置2は、ネットワークNWを介して、医用画像表示装置1及びデータベース3と通信可能に接続される。入力回路21は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等に一般的に用いられる回路である。入力回路21は、内視鏡22に通信可能に接続されている。入力回路21は、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し内視鏡22へ出力する。
【0012】
内視鏡22は、人体に挿入される先端部に対物レンズが設けられている。対物レンズは、撮影領域に向けられる。また、内視鏡22は、先端部の位置や対物レンズが向いている角度を検出可能なセンサ221を備えている。センサ221は、前記位置及び角度を所定の時間ごとに出力する。センサ221は、例えば磁気センサやジャイロセンサ等である。内視鏡の先端を対象臓器へ挿入する際に、操作者は、入力操作を行い、そのときの内視鏡の位置、角度を基準として指定する。また、この指定に基づいて当該時点を基準時間として設定する。
【0013】
図2は、センサ221が所定時間ごとに出力した位置及び角度を例示した表である。センサ221は、前記基準時間から所定の時間ごと(
図2の例では、10秒ごと)に当該時点での内視鏡の位置及び角度を出力する。
図2において、「x1,y1,z1」、「x2,y2,z2」及び「x2,y2,z3」は、前記基準とした位置を原点とした3次元座標の値である。また、
図2では、角度の例として、「α」、「β」及び「γ」が示されている。これら位置及び角度に係る座標系、角度の方向及び単位は、予め設定される。センサ221から出力された所定時間ごとの位置及び角度は、先端情報ログとしてデータベース3で管理される。
【0014】
なお、センサ221は、位置、角度の他に、内視鏡の先端の移動速度を検知し、出力してもよい。
図3は、センサ221が内視鏡の先端の移動速度(移動速度例「10mm/s」)を含めて出力した例である。移動速度の単位は、この例に限定されるものではなく、予め設定することができる。前記内視鏡の先端の位置、角度、移動速度の各情報の任意の一つの情報、又は任意の少なくとも2つの情報からなるものを内視鏡の先端情報と称する。
【0015】
センサ221が先端情報を出力しながら内視鏡検査が行われる。内視鏡22は、センサ221を備えている以外は、一般的なものである。内視鏡22は、操作者による入力操作を受けて内視鏡画像を撮影する。そして、内視鏡22は、画像を撮影した内視鏡の先端の位置、角度に関するデータ、画像を撮影した時刻(時間)が特定可能な情報(時刻であってもよいし、前記基準時間からの経過時間であってもよい)を撮影した画像のデータに付帯させてデータベース3へ出力する。
【0016】
データベース3は、先端情報記憶回路31と、内視鏡画像記憶回路32と、内視鏡レポート記憶回路33とを有する。データベース3は、ネットワークNWを介して、医用画像表示装置1及び内視鏡装置2と通信可能に接続される。先端情報記憶回路31は、センサ221から受けた先端情報を記憶する。内視鏡画像記憶回路32は、内視鏡22から受けた内視鏡画像を記憶する。内視鏡レポート記憶回路33は、医用画像表示装置1から受けた内視鏡レポート(後述)を記憶する。
【0017】
先端情報記憶回路31、内視鏡画像記憶回路32及び内視鏡レポート記憶回路33の構成には、例えば、一般的なRAM(Random Access Memory)やHDD(Hard Disc Drive)等の記憶装置が適用される。例えば、先端情報記憶回路31、内視鏡画像記憶回路32及び内視鏡レポート記憶回路33は、それぞれ個別の記憶装置によって構成される。また、先端情報記憶回路31、内視鏡画像記憶回路32及び内視鏡レポート記憶回路33は、1つの記憶装置に統合されてもよい。
【0018】
医用画像表示装置1は、処理回路11と、記憶回路12と、入力回路13と、ディスプレイ14とを有する。
図1の例では、構成要素、内視鏡情報取得部・先端マーカ生成部・配列画像生成部・関連情報生成部・組合せ画像生成部・表示制御部にて行なわれる各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路12へ記録されている。処理回路11は、プログラムをメモリから読み出し実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路11は、
図1の処理回路11内に示された各機能を有することとなる。
【0019】
なお、
図1においては単一の処理回路11にて内視鏡情報取得部・先端マーカ生成部・配列画像生成部・関連情報生成部・組合せ画像生成部・表示制御部にて行なわれる処理機能が実現されるものとして説明したが、複数の分離したプロセッサを組み合わせ、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。
【0020】
本明細書における「プロセッサ」という文言は、例えば、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit) arithmetic circuit(circuitry)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、メモリに保存された、又はプロセッサの回路内に直接組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。プログラムを記憶するメモリは、プロセッサごとに個別に設けられるものであっても構わないし、或いは
図1における記憶回路12が各プロセッサの機能に対応するプログラムを記憶するものであっても構わない。記憶回路12の構成には、例えば、一般的なRAM(Random Access Memory)やHDD(Hard Disc Drive)等の記憶装置が適用される。
【0021】
なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、
図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0022】
特許請求の範囲における内視鏡情報取得部は、本実施形態における内視鏡情報取得機能111に対応する。特許請求の範囲における画像取得部は、本実施形態における画像取得機能112に対応する。特許請求の範囲における配列画像生成部は、配列画像生成機能113に対応する。特許請求の範囲における関連処理部は、関連処理機能114に対応する。特許請求の範囲における組合せ画像生成部は、組合せ画像生成機能115に対応する。特許請求の範囲における表示制御部は、表示制御機能116に対応する。
【0023】
入力回路13は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等に一般的に用いられる回路である。入力回路13は、処理回路11に通信可能に接続されている。入力回路13は、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し処理回路11へ出力する。
【0024】
処理回路11は、所定時間ごとの内視鏡22の先端の位置情報及び角度情報を取得する(内視鏡情報取得機能111)。このとき、処理回路11は、内視鏡で撮影された画像を当該画像が撮影されたときの内視鏡の先端の位置情報とともに取得する(画像取得機能112)。なお、処理回路11は、画像が撮影されたときの内視鏡の先端の角度情報を更に取得してもよい。例えば、操作者は、内視鏡レポートを作成するとき、入力回路13を介して、所望の内視鏡検査を指定する入力操作を行う。処理回路11は、指定された内視鏡検査において撮影された複数の内視鏡画像を内視鏡画像記憶回路32から取得する(読み出す)。また、処理回路11は、指定された内視鏡検査の先端情報を先端情報記憶回路31から取得する(読み出す)。
【0025】
そして、処理回路11は、読み出された先端情報に基づいて、内視鏡22の先端の位置及び角度を表す先端マーカを生成する。
図4は、先端マーカMPの概略を示す模式図である。処理回路11は、先端情報が検知された時間ごとに位置及び角度を参照して先端マーカMPを生成する。例えば、処理回路11は、円柱状又は円筒状の先端マーカMPを生成する。
図4の例では、内視鏡22の先端EPの角度が、矢印の方向D1を示す角度であるとする。例えば、処理回路11は、先端情報のうち、1つの時間における角度に基づいて、先端マーカの軸が方向D1に平行となるように先端マーカMPを生成する。また、処理回路11は、当該時間における位置を当該先端マーカMPに付帯する。また、先端情報に移動速度が含まれている場合、処理回路11は、移動速度を先端マーカの厚みMTの寸法で表すように先端マーカMPを生成してもよい。
【0026】
なお、ここでは、先端マーカMPの形状が円柱状又は円筒状である例について説明したが、これらの形状に限定されるものではない。先端マーカMPの形状は、内視鏡22の先端EPの角度を表す形状であればよく、適宜設計されるものである。例えば、内視鏡移動中の動画から腸の輪切りを表す画像を生成し、その画像を先端マーカMPとして並べてもよい。
【0027】
処理回路11は、所定時間ごとの内視鏡の先端の位置情報及び角度情報に基づいて、所定時間ごとの内視鏡の先端の位置及び角度を表す先端マーカMPを複数連ねて配列させた先端マーカ配列画像を生成する(配列画像生成機能113)。このとき、処理回路11は、先端マーカMPに付帯された位置に基づいて先端マーカMPを配列することによって、先端マーカ配列画像を生成する。
図5は、先端マーカ配列画像SPの概略を示す模式図である。処理回路11は、生成された先端マーカMPに付帯された位置に基づいて、各先端マーカMPを配列する。先端マーカMPに付帯された位置すなわち先端情報の座標系と先端マーカ配列画像SPにおける座標系との対応関係は、予め設定される。先端マーカ配列画像SPは、内視鏡検査の際に内視鏡22の先端EPが移動した軌跡を示す画像である。
【0028】
図6は、先端マーカ配列画像SPの他の例を示す模式図である。処理回路11は、対象臓器のシェーマ
図SHに重ねて先端マーカMPを配列してもよい。シェーマ
図SHは、臨床的に代表的なものが対象臓器ごとに予め設定される。また、シェーマ
図SHにおける座標系と先端情報の座標系と先端マーカ配列画像SPにおける座標系との対応関係は、予め設定される。
図6の例の先端マーカ配列画像SPは、内視鏡検査の際に内視鏡22の先端EPが移動した軌跡と代表的な形状の対象臓器との位置関係を示す画像である。
【0029】
図7は、内視鏡画像EMの選択画面を示す模式図である。例えば、操作者は、内視鏡レポートを作成するとき、入力回路13を介して、内視鏡画像EM群を表示するための入力操作を行う。処理回路11は、内視鏡画像記憶回路32から読み出された複数の内視鏡画像EMをディスプレイ14に表示する。このとき、処理回路11は、先端マーカ配列画像SPを複数の内視鏡画像EMとともにディスプレイ14に表示してもよい。
【0030】
ディスプレイ14は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等の一般的な表示装置によって構成される。ディスプレイ14は、特許請求の範囲における表示部の一例に相当する。
【0031】
操作者は、表示された複数の内視鏡画像EMを読影しながら、入力回路13を介して、内視鏡レポートに使用する複数の内視鏡画像EMをキー画像として選択する選択操作を行う。このように選択された内視鏡画像EMは、特許請求の範囲の範囲における所定の複数の内視鏡画像EMの一例に相当する。
【0032】
処理回路11は、画像が撮影された時の内視鏡の先端の位置情報に基づいて、先端マーカ配列画像の周囲に画像を配置した組合せ画像を生成する(組合せ画像生成機能115)。このとき、処理回路11は、選択された複数の内視鏡画像EMに付帯された先端情報に基づいて、先端マーカ配列画像SPの周囲に選択された複数の内視鏡画像EMが配置された組合せ画像を生成する。
【0033】
図8は、組合せ画像の概略を示す模式図である。例えば、処理回路11は、選択された複数の内視鏡画像EMに付帯された先端情報に表される位置を参照して、選択された複数の内視鏡画像EMのそれぞれが撮影されたときの内視鏡22の先端EPの位置関係を特定する。処理回路11は、特定された位置関係に基づいて、選択された複数の内視鏡画像EMを先端マーカ配列画像SPの周囲に配置する。それにより、組合せ画像が生成される。
【0034】
図9は、組合せ画像の他の例を示す模式図である。処理回路11は、画像が撮影された時間と所定の時間とに基づいて、画像を撮影したときの内視鏡の先端の位置に対応する先端マーカMPを特定し、特定された先端マーカMPと画像とを関連付ける(関連処理機能114)。このとき、処理回路11は、選択された複数の内視鏡画像EMのそれぞれが撮影された時の位置及び角度を表す先端マーカMPを特定し、特定された先端マーカMPと当該内視鏡画像EMとを関連付ける。例えば、処理回路11は、選択された複数の内視鏡画像EMに付帯された位置と先端マーカMPに付帯された位置とを照合して、選択された複数の内視鏡画像EMに対応する先端マーカMPを特定する。そして、処理回路11は、特定された先端マーカMPと当該内視鏡画像EMとを関連付ける。処理回路11は、特定された先端マーカMPと当該内視鏡画像EMとが関連付けられた関連情報を組合せ画像に付帯する。
図9の例では、関連付けられた先端マーカMPと内視鏡画像EMとのペアを矢印ARで表している。
【0035】
処理回路11は、生成された組合せ画像をディスプレイ14に表示する(表示制御機能116)。このとき、処理回路11は、関連付けられた先端マーカMPと画像とを結び付けてディスプレイ14に表示する。それにより、操作者は、内視鏡22の先端EPの軌跡と選択された内視鏡画像EMとの位置関係を容易に視認しながら読影を行うことができる。また、処理回路11は、先端情報に基づいて、選択された複数の内視鏡画像EMが撮影されたときの内視鏡22の視線方向を表す視線マーカを組合せ画像に重畳表示してもよい。また、対象臓器のシェーマ
図SHを組合せ画像に重畳表示してもよい。
【0036】
図10は、視線マーカMVの概略を示す模式図である。例えば、処理回路11は、内視鏡画像EMに関連付けられた先端マーカMPの先端情報を参照して、内視鏡画像EMが撮影されたときの内視鏡22の視線方向(角度)を特定する。例えば、処理回路11は、特定された視線方向を表す円錐形状の視線マーカMVを当該先端マーカMPの近傍に表示する。
図10の例では、視線マーカMVの頂点から底面へ向かう方向が視線方向であるとする。それにより、操作者は、選択された内視鏡画像EMについて、内視鏡22の先端EPの視線方向をさらに容易に把握することができる。なお、ここでは、視線マーカMVが円錐形状である例について説明したが、この形状に限定されるものではない。視線マーカMVは、内視鏡22の視線方向を表す形状に設定されればよいものである。
【0037】
操作者は、組合せ画像を読影しながら内視鏡レポートを作成する。医用画像表示装置1は、作成された内視鏡レポートをデータベース3へ出力する。内視鏡レポート記憶回路33は、医用画像表示装置1から受けた内視鏡レポートを記憶する。
【0038】
図11は、実施形態に係る医用画像表示装置1の動作を示すフローチャートである。
【0039】
ステップS101:ステップS101は、内視鏡情報取得機能111及び画像取得機能112に対応するステップである。このステップは、処理回路11がメモリから内視鏡情報取得機能111及び画像取得機能112に対応する所定のプログラムを読み出し実行することにより、内視鏡情報取得機能111及び画像取得機能112が実現されるステップである。操作者は、内視鏡レポートを作成するとき、入力回路13を介して、所望の内視鏡検査を指定する入力操作を行う。処理回路11は、指定された内視鏡検査において撮影された複数の内視鏡画像を内視鏡画像記憶回路32から取得する(読み出す)。また、処理回路11は、指定された内視鏡検査の先端情報を先端情報記憶回路31から取得する(読み出す)。
【0040】
ステップS102:処理回路11は、先端情報が検知された時間ごとに位置及び角度を参照して先端マーカMPを生成する。例えば、処理回路11は、先端情報のうち、1つの時間における角度に基づいて、先端マーカの軸が方向D1に平行となるように先端マーカMPを生成する。また、処理回路11は、当該時間における位置を当該先端マーカMPに付帯する。
【0041】
ステップS103:ステップS103は、配列画像生成機能113に対応するステップである。このステップは、処理回路11がメモリから配列画像生成機能113に対応する所定のプログラムを読み出し実行することにより、配列画像生成機能113が実現されるステップである。処理回路11は、生成された先端マーカMPに付帯された位置に基づいて、各先端マーカMPを配列する。それにより、先端マーカ配列画像が生成される。
【0042】
ステップS104:操作者は、内視鏡レポートを作成するとき、入力回路13を介して、内視鏡画像EM群を表示するための入力操作を行う。処理回路11は、内視鏡画像記憶回路32から読み出された複数の内視鏡画像EMをディスプレイ14に表示する。このとき、処理回路11は、先端マーカ配列画像SPを複数の内視鏡画像EMとともにディスプレイ14に表示してもよい。
【0043】
ステップS105:操作者は、表示された複数の内視鏡画像EMを読影しながら、入力回路13を介して、内視鏡レポートに使用する複数の内視鏡画像EMをキー画像として選択する選択操作を行う。
【0044】
ステップS106:ステップS106は、組合せ画像生成機能115に対応するステップである。このステップは、処理回路11がメモリから組合せ画像生成機能115に対応する所定のプログラムを読み出し実行することにより、組合せ画像生成機能115が実現されるステップである。処理回路11は、選択された複数の内視鏡画像EMに付帯された先端情報に表される位置を参照して、選択された複数の内視鏡画像EMのそれぞれが撮影されたときの内視鏡22の先端EPの位置関係を特定する。処理回路11は、特定された位置関係に基づいて、選択された複数の内視鏡画像EMを先端マーカ配列画像SPの周囲に配置する。それにより、組合せ画像が生成される。
【0045】
ステップS107:ステップS107は、関連処理機能114に対応するステップである。このステップは、処理回路11がメモリから関連処理機能114に対応する所定のプログラムを読み出し実行することにより、関連処理機能114が実現されるステップである。処理回路11は、選択された複数の内視鏡画像EMに付帯された位置と先端マーカMPに付帯された位置とを照合して、選択された複数の内視鏡画像EMに対応する先端マーカMPを特定する。そして、処理回路11は、特定された先端マーカMPと当該内視鏡画像EMとを関連付ける。処理回路11は、特定された先端マーカMPと当該内視鏡画像EMとが関連付けられた関連情報を組合せ画像に付帯する。
【0046】
ステップS108:ステップS108は、表示制御機能116に対応するステップである。このステップは、処理回路11がメモリから表示制御機能116に対応する所定のプログラムを読み出し実行することにより、表示制御機能116が実現されるステップである。処理回路11は、生成された組合せ画像をディスプレイ14に表示する。それにより、操作者は、内視鏡22の先端EPの軌跡と選択された内視鏡画像EMとの位置関係を容易に視認しながら読影を行うことができる。
【0047】
ステップS109:操作者は、組合せ画像を読影しながら内視鏡レポートを作成する。医用画像表示装置1は、作成された内視鏡レポートをデータベース3へ出力する。
【0048】
実施形態の医用画像表示装置は、先端情報に基づいて先端マーカ配列画像を生成し、先端マーカ配列画像の周囲に内視鏡画像を自動的に配置する。読影者が内視鏡レポートの作成に費やす労力が低減され、内視鏡画像が撮影された位置と対象臓器における位置との対応付けに間違いが発生することを防止することができる。
【0049】
また、実施形態の医用画像表示装置は、先端マーカと内視鏡画像とを自動的に関連付けて、組合せ画像を表示する。それにより、読影者は、内視鏡画像が撮影された位置と対象臓器との位置関係を容易に把握することができる。
【0050】
〈変形例〉
図12は、変形例に係る医用画像表示装置1の構成を示すブロック図である。この変形例に係る医用画像表示装置1は、内視鏡検査中の内視鏡22の先端EPの位置と同じ位置で撮影された過去の内視鏡画像を表示することが可能に構成される。以下、上述した実施形態と異なる内容について主に説明する。上述した実施形態と同様の内容については説明を省略する場合がある。
【0051】
データベース3について説明する。先端情報記憶回路31は、過去の内視鏡検査における先端情報を予め記憶する。内視鏡画像記憶回路32は、過去の内視鏡検査における内視鏡画像を予め記憶する。内視鏡レポート記憶回路33は、過去の内視鏡検査について作成された内視鏡レポートを予め記憶する。
【0052】
内視鏡検査中、センサ221は、先端情報を所定の時間間隔で医用画像表示装置1へ出力する。また、内視鏡検査中、内視鏡22は、撮影された内視鏡画像を医用画像表示装置1へ出力する。
【0053】
図12の例では、さらなる構成要素、画像検索部・レポート検索部にて行なわれる各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路12へ記録されている。処理回路11は、プログラムをメモリから読み出し実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路11は、
図12の処理回路11内に示された各機能を有することとなる。
【0054】
なお、
図12の例においても、単一の処理回路11にて処理機能が実現されてもよく、複数の分離したプロセッサを組み合わせ、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能が実現されてもよい。特許請求の範囲における画像検索部は、本変形例における画像検索機能117に対応する。特許請求の範囲におけるレポート検索部、本変形例におけるレポート検索機能118に対応する。
【0055】
処理回路11は、内視鏡検査中の位置情報と過去の内視鏡検査の画像に付帯する位置情報とに基づいて、撮影中の内視鏡の位置で過去に撮影された画像を検索する(画像検索機能117)。例えば、処理回路11は、内視鏡画像記憶回路32に記憶されている過去の内視鏡検査における内視鏡画像に付帯された先端情報の位置とセンサ221から受けた先端情報の位置とを照合する。それにより、処理回路11は、内視鏡検査中の内視鏡22の先端EPの位置で過去に撮影された内視鏡画像を検索する。処理回路11は、検索された内視鏡画像をディスプレイ14に表示する(表示制御機能116)。
【0056】
なお、一般的に、過去の内視鏡検査における内視鏡画像に付帯された先端情報の位置とセンサ221から受けた先端情報の位置とには誤差が生じる。処理回路11が、過去の内視鏡検査における内視鏡画像に付帯された先端情報の位置とセンサ221から受けた先端情報の位置とを同一と判断する許容誤差は、適宜設計される。換言すると、処理回路は、センサ221から受けた先端情報の位置に近い位置で過去に撮影された内視鏡画像を検索する。複数の内視鏡画像が検索された場合、処理回路11は、これら内視鏡画像をリストやサムネイル等でディスプレイ14に複数表示してもよい。設計された許容誤差に基づいて、処理回路11は、内視鏡検査中の内視鏡22の先端EPの位置で過去に撮影された内視鏡画像を検索できなかった場合、過去の内視鏡画像を表示しない。なお、処理回路11は、内視鏡検査中の内視鏡22の先端EPの位置で過去に撮影された内視鏡画像を検索できなかった場合、過去の内視鏡画像が検索されなかった旨の文字情報等をディスプレイ14に表示してもよい。
【0057】
また、処理回路11が過去の内視鏡画像を検索するための基準位置の一例として、操作者により指定された位置が挙げられる。基準位置の他の例としては、内視鏡の位置調整操作により検出される対象臓器の特徴位置が挙げられる。例えば、対象臓器が大腸である場合、結腸の境界位置等が対象臓器の特徴位置として適用される。
【0058】
処理回路11は、検索された画像に基づいて、該画像が用いられた過去の内視鏡レポートを内視鏡レポート記憶回路33から検索する(レポート検索機能118)。処理回路11は、検索された内視鏡画像と内視鏡レポート記憶回路33に記憶された内視鏡レポートに用いられた内視鏡画像とを照合する。それにより、処理回路11は、内視鏡検査中の内視鏡22の先端EPの位置で撮影された内視鏡画像が用いられた過去の内視鏡レポートを検索する。処理回路11は、検索された内視鏡レポートをディスプレイ14に表示する(表示制御機能116)。
【0059】
図13は、過去の内視鏡画像及び内視鏡レポートの表示例を示す模式図である。
図13では、内視鏡検査中に、内視鏡22の先端EPが先端マーカMPの位置に挿入されている例を示す。処理回路11は、当該位置で過去に撮影された内視鏡画像EM及びこの内視鏡画像EMが用いられた内視鏡レポートRPをディスプレイ14に表示する。なお、処理回路11は、当該位置で過去に撮影された内視鏡画像EMが用いられた内視鏡レポートが検索されなかった場合、内視鏡画像EMをディスプレイ14に表示する。それにより、操作者は、過去の検査における内視鏡画像EM及び内視鏡レポートRPを視認しながら、内視鏡検査を行なうことができる。
【0060】
図14は、変形例に係る医用画像表示装置1の動作を示すフローチャートである。
【0061】
ステップS201:内視鏡の先端を対象臓器へ挿入する際に、操作者は、入力操作を行い、そのときの内視鏡の位置、角度を基準として指定する。センサ221は、操作者による入力操作を受けた時間を基準として、所定の時間ごとに先端情報を検知する。
【0062】
ステップS202:センサ221は、操作者による入力操作を受けた時間を基準として、所定の時間ごとに先端情報を検知する。センサ221は、先端情報を所定の時間間隔で医用画像表示装置1へ出力する。
【0063】
ステップS203:ステップS203は、画像検索機能117に対応するステップである。このステップは、処理回路11が記憶回路12から画像検索機能117に対応する所定のプログラムを読み出し実行することにより、画像検索機能117が実現されるステップである。処理回路11は、内視鏡画像記憶回路32に記憶されている過去の内視鏡検査における内視鏡画像に付帯された先端情報の位置とセンサ221から受けた先端情報の位置とを照合する。それにより、処理回路11は、内視鏡検査中の内視鏡22の先端EPの位置で過去に撮影された内視鏡画像を検索する。
【0064】
ステップS204:ステップS204は、レポート検索機能118に対応するステップである。このステップは、処理回路11が記憶回路12からレポート検索機能118に対応する所定のプログラムを読み出し実行することにより、レポート検索機能118が実現されるステップである。過去に撮影された内視鏡画像が検索されたとき(ステップS203;YES)、処理回路11は、検索された内視鏡画像と内視鏡レポート記憶回路33に記憶された内視鏡レポートに用いられた内視鏡画像とを照合する。それにより、処理回路11は、内視鏡検査中の内視鏡22の先端EPの位置で撮影された内視鏡画像が用いられた過去の内視鏡レポートを検索する。
【0065】
ステップS205:ステップS205は、表示制御機能116に対応するステップである。このステップは、処理回路11が記憶回路12から表示制御機能116に対応する所定のプログラムを読み出し実行することにより、表示制御機能116が実現されるステップである。検索された内視鏡画像が用いられた内視鏡レポートが検索されたとき(ステップS204;YES)、処理回路11は、過去に撮影された内視鏡画像EM及びこの内視鏡画像EMが用いられた内視鏡レポートRPをディスプレイ14に表示する。
【0066】
ステップS206:ステップS206は、表示制御機能116に対応するステップである。このステップは、処理回路11が記憶回路12から表示制御機能116に対応する所定のプログラムを読み出し実行することにより、表示制御機能116が実現されるステップである。検索された内視鏡画像が用いられた内視鏡レポートが検索されなかったとき(ステップS204;NO)、処理回路11は、過去に撮影された内視鏡画像EMをディスプレイ14に表示する。
【0067】
変形例の医用画像表示装置は、内視鏡検査中の内視鏡の先端位置と同じ位置で撮影された過去の内視鏡画像を検索し表示する。また、過去の内視鏡画像が用いられた内視鏡レポートを検索し表示する。それにより、操作者は、現在内視鏡で観察している部位に対応している過去の内視鏡画像や現在内視鏡で観察している部位を過去に撮影した内視鏡画像をキー画像とした内視鏡レポートをリアルタイムで視認しながら、内視鏡検査を行なうことができる。
【0068】
以上述べた少なくともひとつの実施形態の医用画像表示装置によれば、内視鏡画像が撮影された位置と対象臓器との位置関係を容易に把握することができる。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。