特許第6800629号(P6800629)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6800629
(24)【登録日】2020年11月27日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】画像形成装置、ジャム処理方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/06 20060101AFI20201207BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20201207BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20201207BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   B65H7/06
   G03G15/00 445
   G03G21/16 104
   G03G21/00 370
   G03G15/00 480
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-128924(P2016-128924)
(22)【出願日】2016年6月29日
(65)【公開番号】特開2018-2352(P2018-2352A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2019年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099324
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 正剛
(72)【発明者】
【氏名】松井 規明
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 望
(72)【発明者】
【氏名】大村 尚加
(72)【発明者】
【氏名】中林 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】井上 貴之
(72)【発明者】
【氏名】水主村 清治
(72)【発明者】
【氏名】大田 雄也
【審査官】 佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−197456(JP,A)
【文献】 特開2009−256099(JP,A)
【文献】 特開2013−182147(JP,A)
【文献】 特開2009−096599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00
B65H 43/00
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路上で用紙を搬送する搬送手段と、
前記搬送経路上を搬送される用紙を検知する用紙検知手段と、
前記用紙検知手段の検知結果に基づいて前記搬送経路上を搬送される用紙のジャムの発生を検知するジャム検知手段と、
前記ジャム検知手段により用紙のジャムが検知された場合に、前記搬送経路上から用紙を除去するために開かれる扉と、
情報を報知する報知手段と、
前記ジャムの発生した位置に応じたジャム処理を案内する第1のジャム処理情報を前記報知手段に報知させ、前記第1のジャム処理情報に応じたジャム処理のために前記扉が開閉された後に、前記用紙検知手段の検知結果に基づいて前記ジャムの状態が変化していないことが検知されれば前記用紙を所定位置まで強制的に搬送するように前記搬送手段を制御し、前記用紙が強制的に搬送された後の前記所定位置に応じたジャム処理を促す第2のジャム処理情報を前記報知手段に報知させ制御手段と、を有することを特徴とする、
画像形成装置。
【請求項2】
前記扉は第1の扉と第2の扉とを含み、
前記第1の扉を開放することで前記画像形成装置から引き出すことができる第1搬送経路を有するユニットを備え、
記第1搬送経路に連通する第2搬送経路を備え、
前記制御手段は、ジャムの発生時に前記第1搬送経路と前記第2搬送経路とにまたがって前記用紙が停止する場合に、当該用紙を、前記第2搬送経路からの用紙の除去の際に開放される第2の扉開閉されることで前記所定位置に搬送することを特徴とする、
請求項記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の扉は、ジャムの発生時に前記第1搬送経路と前記第2搬送経路とにまたがって前記用紙が停止する場合に、開放が防止されることを特徴とする、
請求項記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の扉は、報知されるジャム処理情報が前記第1の扉を開放したジャム処理を促す場合に、開放可能になることを特徴とする、
請求項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1のジャム処理情報に応じたジャム処理のために前記扉が開閉された後に、該ジャムの状態が変化していれば、変化したジャムの状態に応じた処理を促す第3のジャム処理情報を前記報知手段に報知させることを特徴とする、
請求項1〜4のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記搬送経路を搬送される前記用紙を検知する複数の検知手段を備え、
前記ジャム検知手段は、第1の検知手段と第2の検知手段との前記用紙の検知タイミングにより、前記ジャムの発生を検知することを特徴とする、
請求項1〜のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記報知手段は、前記第1、第2のジャム処理情報を表示するディスプレイを有することで報知することを特徴とする、
請求項1〜のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項8】
搬送経路上で用紙を搬送する搬送手段と、前記搬送経路を搬送される用紙を検知する用紙検知手段と、前記用紙検知手段の検知結果に基づいて前記搬送経路上を搬送される用紙のジャムの発生を検知するジャム検知手段と、前記ジャム検知手段により用紙のジャムが検知された場合に、前記搬送経路上から用紙を除去するために開かれる扉と、情報を報知する報知手段と、を備えた画像形成装置により実行される方法であって、
記用紙のジャムの発生を検知して、前記ジャムの発生した位置に応じたジャム処理を案内する第1のジャム処理情報を前記報知手段に報知させ
前記第1のジャム処理情報に応じたジャム処理のために前記扉が開閉された後に、前記用紙検知手段の検知結果に基づいて前記ジャムの状態が変化していないことが検知されれば前記用紙を所定位置まで強制的に搬送するように前記搬送手段を制御し前記用紙が強制的に搬送された後の前記所定位置に応じた処理を促す第2のジャム処理情報を前記報知手段に報知させることを特徴とする、
ジャム処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機、複合機等の画像形成装置における、紙詰まり時の処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、給紙カセットに収納される用紙を取り込み、搬送しながら該用紙に画像形成を行う。この際、搬送経路上で用紙に紙詰まり(以下、「ジャム」という。)が発生してしまうことがある。ジャム発生時の用紙の停止位置によっては、ユーザによるジャム処理が困難な場合がある。例えば、用紙が給紙カセットから給紙された直後にジャムが発生し、用紙先端が給紙カセットからほとんど出ていない場合である。この場合、ユーザが、画像形成装置本体の側面に設けられる開閉扉を開放して用紙を取り除こうとしても、手が届きづらく、ジャム処理が困難である。
【0003】
ジャムの発生時に用紙をジャム処理しやすい位置まで搬送する方法が知られている。しかし、ジャム発生時に停止した先行する用紙との間隔が狭く用紙同士の衝突が発生する等の理由で、ジャム処理しやすい位置まで用紙を搬送することができない場合がある。特許文献1の画像形成装置は、ジャム発生時に画像形成装置本体の側面に設けられる開閉扉が開放された場合に、用紙をサイズや紙種に応じて予め定められた量だけ強制的に搬送する技術を開示する。これにより、開放された開閉扉の開放空間に用紙の先端を排出することで、先行する用紙との間隔が狭い場合であってもユーザがジャム処理しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−78604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像形成装置は、用紙を搬送する搬送ユニット及び用紙に画像を定着させる定着器が一体となった定着搬送ユニットを備えるものがある。定着搬送ユニットの搬送ユニット部分でジャムが発生した場合、画像形成装置本体の前面に設けられる前扉を開放し、定着搬送ユニットを引き出すことで、用紙を取り除くことができる。
【0006】
定着搬送ユニットの搬送経路は、画像形成装置本体枠に形成される搬送経路に連通する。画像形成装置本体枠に形成される搬送経路には、定着搬送ユニットに用紙を搬送するための搬送経路と、定着搬送ユニットから用紙を画像形成装置の外部に排出するための搬送経路とがある。定着搬送ユニットに用紙を搬送するための搬送経路には、給紙カセットから給紙される用紙を定着搬送ユニットに搬送する搬送経路と、外付けのオプションデッキから給紙される用紙を定着搬送ユニットに搬送する搬送経路とがある。定着搬送ユニットの搬送経路と画像形成装置本体枠の搬送経路との間でジャムが発生した場合、ジャムを起こした用紙が定着搬送ユニットの搬送経路と画像形成装置本体の搬送経路とに跨った状態になってしまう。このような状態で定着搬送ユニットを引き出すと、画像形成装置本体の搬送経路に残っている用紙部分と定着搬送ユニットの搬送経路の用紙部分とが破れてしまう。このように用紙が破れる状態を、以下、「ギロチン」という。ギロチンによって用紙が破れることで用紙紙片が発生する。用紙紙片の除去は容易ではない。除去されずに残留する用紙紙片は、新たなジャムの発生要因となる。
【0007】
定着搬送ユニットの搬送経路と画像形成装置本体枠の搬送経路との間でジャムが発生するパターンには、用紙の重送が起きてジャム処理で1枚の用紙しか取り出せない場合、電源の瞬断によって用紙が滞留する場合、ジャム処理時に用紙をつかめない場合等がある。ジャムが発生した用紙を専用の排紙トレイ(エスケープトレイ、パージトレイ)に強制的に排紙する方法が有るが、これはコスト面の問題がある。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑み、ジャム処理を容易に行うことができる画像形成装置を提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像形成装置は、搬送経路上で用紙を搬送する搬送手段と、前記搬送経路上を搬送される用紙を検知する用紙検知手段と、前記用紙検知手段の検知結果に基づいて前記搬送経路上を搬送される用紙のジャムの発生を検知するジャム検知手段と、前記ジャム検知手段により用紙のジャムが検知された場合に、前記搬送経路上から用紙を除去するために開かれる扉と、情報を報知する報知手段と、前記ジャムの発生した位置に応じたジャム処理を案内する第1のジャム処理情報を前記報知手段に報知させ、前記第1のジャム処理情報に応じたジャム処理のために前記扉が開閉された後に、前記用紙検知手段の検知結果に基づいて前記ジャムの状態が変化していないことが検知されれば前記用紙を所定位置まで強制的に搬送するように前記搬送手段を制御し、前記用紙が強制的に搬送された後の前記所定位置に応じたジャム処理を促す第2のジャム処理情報を前記報知手段に報知させ制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ジャム処理の結果に応じて適宜用紙を強制的に搬送するために、ジャム処理を容易且つ確実に解消することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】画像形成装置の構成図。
図2】オプションデッキの構成図。
図3】制御部の構成図。
図4】ジャムが発生したときの検知処理の説明図。
図5】ジャム発生時に画像形成装置内の用紙の状態の例示図。
図6】ジャム処理を表すフローチャート。
図7】オプションデッキ内のジャム状態の説明図。
図8】オプションデッキ内のジャム状態の説明図。
図9】オプションデッキ内のジャム状態の説明図。
図10】ジャム処理表示画面の例示図。
図11】ジャム処理表示画面の例示図。
図12】ジャム処理表示画面の例示図。
図13】画像形成装置100のジャム状態の説明図。
図14】画像形成装置100のジャム状態の説明図。
図15】画像形成装置100のジャム状態の説明図。
図16】画像形成装置100のジャム状態の説明図。
図17】ジャム処理表示画面の例示図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
【0013】
(構成)
図1は、本実施形態の画像形成装置の構成図である。画像形成装置100は、プロセスユニット120、一次転写部121、転写ベルト130、二次転写部140、定着搬送ユニット271、第1給紙カセット150、及び第2給紙カセット220を備える。この画像形成装置100は、外部ユニットであるオプションデッキからのオプションデッキ搬送路270を介した給紙が可能な構成である。画像形成装置100の本体前面には前扉275が設けられ、本体側面には右下扉260及び右上扉261が設けられる。前扉275、右下扉260及び右上扉261は、例えばジャムの発生時に本体内に残った用紙の除去のために開放される。前扉275が開放されることで、定着搬送ユニット271は、画像形成装置100の本体手前側に引き出すことができるようになっている。
【0014】
プロセスユニット120は、画像形成処理を行ってトナー像を形成する。プロセスユニット120は、感光ドラム、帯電ローラ、露光器、現像器、帯電ローラ、感光ドラムクリーナを備える。感光ドラムは、帯電ローラにより表面が帯電された後に、露光器から照射されるレーザ光により静電潜像が形成される。現像器は、感光ドラムの表面にトナーを付着させることで静電潜像を現像する。これにより感光ドラムの表面にトナー像が形成される。トナー像は、一次転写部121により転写ベルト130に転写される。転写後に感光ドラムに残留するトナーは、感光ドラムクリーナにより清掃される。転写ベルト130は回転しており、転写されたトナー像を二次転写部140に搬送する。
【0015】
第1給紙カセット150及び第2給紙カセット220は、画像が形成される用紙を収納する。第1給紙カセット150に収納される用紙は、第1ピックアップローラ151により1枚ずつ給紙され、搬送ローラ153、154により定着搬送ユニット271まで搬送経路を搬送される。第1ピックアップローラ151と搬送ローラ153との間には、ピックアップセンサ152が設けられる。第2給紙カセット220に収納される用紙は、第2ピックアップローラ221により1枚ずつ給紙され、搬送ローラ154により定着搬送ユニット271まで搬送経路を搬送される。第2ピックアップローラ221と搬送ローラ154との間には、ピックアップセンサ222が設けられる。搬送ローラ154と定着搬送ユニット271との間には、縦パスセンサ157が設けられる。第1、第2給紙カセット150、220から定着搬送ユニット271までの搬送経路は、画像形成装置100の本体枠に形成される。各センサは、用紙の搬送方向の長さに応じた間隔で設けられることが好ましい。
【0016】
定着搬送ユニット271は、用紙を搬送する搬送ユニット及び用紙に画像を定着させる定着器が一体となった構成である。定着搬送ユニット271は、用紙を搬送する搬送経路に搬送ローラ158、155、及びレジストローラ161を備える。搬送経路には、二次転写部140を備える。二次転写部140の搬送方向下流には、定着器170が設けられる。定着搬送ユニット271は、定着器170の搬送方向下流から搬送ローラ158に用紙を戻すための用紙搬送路230を備える。搬送ローラ158と搬送ローラ155との間には、搬送センサ156が設けられる。搬送ローラ155とレジストローラ161との間には、レジ前搬送センサ160が設けられる。二次転写部140と定着器170との間には、用紙搬送センサ171が設けられる。定着器170の搬送方向下流側には、定着出口センサ173が設けられる。定着搬送ユニット271の搬送経路は、搬送方向上流側で、第1、第2給紙カセット150、220から定着搬送ユニット271までの搬送経路に連通する。各センサは、用紙の搬送方向の長さに応じた間隔で設けられることが好ましい。
【0017】
定着器170の搬送方向下流には、搬送フラッパ172が設けられる。定着搬送ユニット271の搬送経路は、搬送方向下流側で、用紙搬送路231に連通する。搬送フラッパ172は、用紙を用紙搬送路230と用紙搬送路231とのいずれかに搬送する。例えば両面印刷を行う場合、搬送フラッパ172は、用紙を用紙搬送路230に搬送する。用紙を画像形成装置100の外部に排出する場合、搬送フラッパ172は、用紙を用紙搬送路231に搬送する。
【0018】
用紙搬送路231は、搬送ローラ232を備え、定着搬送ユニット271から搬送された用紙を、用紙搬送路180及び用紙搬送路181のいずれかに搬送する。そのために、搬送ローラ232の搬送経路下流側に搬送フラッパ190が設けられる。用紙を排紙トレイ200に排出する場合、搬送フラッパ190は、用紙を用紙搬送路180に搬送する。用紙を排紙トレイ196に排出する場合、搬送フラッパ190は、用紙を用紙搬送路181に搬送する。用紙搬送路231、180、181は、画像形成装置100の本体枠に形成される搬送経路である。
【0019】
図2は、画像形成装置100に用紙を給紙するオプションデッキの構成図である。オプションデッキ1000は、図1に示す画像形成装置100の右側面に接続され、上段給紙部1001、中段給紙部1002、下段給紙部1003の3段の給紙部を備える。上段給紙部1001に収納される用紙は、ピックアップローラ1151により1枚ずつ給紙され、上段搬送経路及び共通搬送経路を介して、オプションデッキ搬送路270から画像形成装置100に供給される。中段給紙部1002に収納される用紙は、ピックアップローラ1152により1枚ずつ給紙され、中段搬送経路及び共通搬送経路を介して、オプションデッキ搬送路270から画像形成装置100に供給される。下段給紙部1003に収納される用紙は、ピックアップローラ1153により1枚ずつ給紙され、下段搬送経路及び共通搬送経路を介して、オプションデッキ搬送路270から画像形成装置100に供給される。オプションデッキ1000の前面には多段扉1005が設けられる。ユーザは、多段扉1005を開放することで、上段搬送経路、中段搬送経路、下段搬送経路、及び共通搬送経路にアクセス可能となっている。
【0020】
上段搬送経路には、上段給紙部1001側から順にOPT引抜ローラ1015、OPT搬送ローラ1021、1022、1023が設けられる。上段給紙部1001とOPT引抜ローラ1015との間には、OPT給紙センサ1011が設けられる。OPT搬送ローラ1021とOPT搬送ローラ1022との間には、OPT搬送センサ1030が設けられる。OPT搬送ローラ1022とOPT搬送ローラ1023との間には、OPT搬送センサ1031が設けられる。各センサは、各ローラ間に設けられる。
【0021】
中段搬送経路には、中段給紙部1002側から順にOPT引抜ローラ1016、OPT搬送ローラ1023が設けられる。OPT搬送ローラ1023は、上段搬送経路及び中段搬送経路で共通に用いられる。中段給紙部1002とOPT引抜ローラ1016との間には、OPT給紙センサ1012が設けられる。
【0022】
下段搬送経路には、下段給紙部1003側から順にOPT引抜ローラ1017、OPT搬送ローラ1024が設けられる。下段給紙部1003とOPT引抜ローラ1017との間には、OPT給紙センサ1013が設けられる。
【0023】
共通搬送経路には、上段搬送経路、中段搬送経路、及び下段搬送経路側から順に、OPT搬送ローラ1025及びOPT搬送ローラ1026が設けられる。OPT搬送ローラ1023とOPT搬送ローラ1025との間には、OPT搬送センサ1032が設けられる。共通搬送経路は、搬送方向下流側でオプションデッキ搬送路270に連通する。オプションデッキ搬送路270の先端まで搬送された用紙は、定着搬送ユニット271の搬送ローラ158により画像形成装置100内に引き込まれる。共通搬送経路とオプションデッキ搬送路270との間には、OPT搬送センサ1034が設けられる。
【0024】
図3は、このような画像形成装置100及びオプションデッキ1000の動作を制御する制御部の構成図である。制御部300は、例えば画像形成装置100に内蔵される。制御部300は、操作部であるUI部330、画像形成装置100の各部とのインタフェースであるI/O310、及びオプションデッキ1000の各部とのインタフェースであるOPT−I/O1310に接続される。
【0025】
UI部330は、入力ボタン、ディスプレイ、タッチパネル等を備えるユーザインタフェースである。UI部330は、入力ボタン、タッチパネル等の入力装置により入力される、プリント動作開始等の各種指示や設定を制御部300に送信する。UI部330は、制御部300により、ディスプレイ等の出力装置に指示や設定の入力画像等の画像の表示を行う。特に本実施形態では、UI部330のディスプレイに、ジャム処理をユーザに促すためのジャム処理情報である、後述のジャム処理表示画面が表示される。ジャム処理情報(ジャム処理表示画面)の報知(案内)により、ユーザに対してジャム処理の方法が案内される。
【0026】
制御部300は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、及びRAM(Random Access Memory)303を備えるコンピュータシステムである。CPU301は、ROM302からコンピュータプログラムを読み込み、RAM303を作業領域に用いて実行することで、画像形成装置100、オプションデッキ1000の動作を制御する。
【0027】
CPU301は、I/O310を介して接続される画像形成装置100の各種モータの駆動制御を行う。画像形成装置100のモータには、定着前搬送モータ145、レジスト前搬送モータ507、定着後搬送モータ146、給紙モータ505、506、及び引抜モータ508等がある。定着前搬送モータ145は、レジストローラ161及び搬送ローラ155を駆動する。レジスト前搬送モータ507は、搬送ローラ154、158を駆動する。定着後搬送モータ146は、搬送ローラ232を駆動する。給紙モータ505は、第2ピックアップローラ221を駆動する。給紙モータ506は、第1ピックアップローラ151を駆動する。引抜モータ508は、搬送ローラ153を駆動する。
【0028】
CPU301は、I/O310を介して接続される画像形成装置100の各種センサの検知結果を取得する。画像形成装置100のセンサには、用紙搬送センサ171、定着出口センサ173、レジ前搬送センサ160、ピックアップセンサ152、222、上扉開閉検知センサ242、下扉開閉検知センサ252、搬送センサ156、及び縦パスセンサ157等がある。用紙搬送センサ171、定着出口センサ173、レジ前搬送センサ160、ピックアップセンサ152、222、搬送センサ156、及び縦パスセンサ157は、それぞれ配置された位置の用紙の有無を検知する。上扉開閉検知センサ242は、画像形成装置100の右上扉261の開閉を検知する。下扉開閉検知センサ252は、画像形成装置100の右下扉260の開閉を検知する。
【0029】
CPU301は、画像形成時に、I/O310を介して定着ヒータ400、及び搬送フラッパ172、190の動作を制御するとともに、画像形成部320の動作を制御する。画像形成部320は、プロセスユニット120、転写ベルト130、二次転写部140等の高圧、駆動制御、及び露光部の動作制御を行う。CPU301は、定着ヒータサーミスタ401によって検知されるヒータ温度をI/O310を介して取得し、ヒータ温度に応じた定着ヒータ400の温度制御を行う。
【0030】
CPU301は、OPT−I/O1310を介してオプションデッキ1000の各種モータの駆動制御を行う。オプションデッキ1000のモータには、OPT給紙モータ1041、1042、1043、OPT引抜モータ1045、1046、1047、及びOPT搬送モータ1051、1052、1053等がある。OPT給紙モータ1041は、ピックアップローラ1151を駆動する。OPT給紙モータ1042は、ピックアップローラ1152を駆動する。OPT給紙モータ1043は、ピックアップローラ1153を駆動する。OPT引抜モータ1045は、OPT引抜ローラ1015を駆動する。OPT引抜モータ1046は、OPT引抜ローラ1016を駆動する。OPT引抜モータ1047は、OPT引抜ローラ1017を駆動する。OPT搬送モータ1051は、OPT搬送ローラ1021、1022を駆動する。OPT搬送モータ1052は、OPT搬送ローラ1023、1024を駆動する。OPT搬送モータ1053は、OPT搬送ローラ1025、1026を駆動する。
【0031】
CPU301は、OPT−I/O1310を介して接続されるオプションデッキ1000の各種センサの検知結果を取得する。オプションデッキ1000のセンサには、OPT給紙センサ1011、1012、1013、及びOPT搬送センサ1030、1031、1032、1033、1034等がある。これらのセンサは、それぞれ配置された位置の用紙の有無を検知する。
【0032】
(動作)
以上のような構成の画像形成装置100は、UI部330等からプリント動作開始指示が入力されることで、CPU301により画像形成のための動作制御を実行する。
【0033】
CPU301は、I/O310を介して、給紙モータ506により第1ピックアップローラ151を回転駆動する。これにより第1給紙カセット150に収納される用紙が1枚ずつ給紙される。CPU301は、ピックアップセンサ152により給紙動作を監視する。なお、第2給紙カセット220から給紙する場合、CPU301は、給紙モータ505により第2ピックアップローラ221を回転駆動を駆動し、ピックアップセンサ222により給紙動作を監視する。
【0034】
CPU301は、二次転写部140に用紙が到着するタイミングに合わせて、画像形成部320によりプロセスユニット120によるトナー像の形成動作を制御する。プロセスユニット120により形成されたトナー像は、一次転写部121により転写ベルト130に転写される。転写ベルト130は、回転駆動され、転写されたトナー像を二次転写部140に搬送する。
【0035】
CPU301は、I/O310を介して、引抜モータ508により搬送ローラ153を回転駆動する。これにより給紙された用紙が搬送経路を定着搬送ユニット271へ搬送される。CPU301は、I/O310を介して、レジスト前搬送モータ507により搬送ローラ154、158を回転駆動する。これにより用紙が定着搬送ユニット271内に搬送される。CPU301は、I/O310を介して、定着前搬送モータ145により搬送ローラ155及びレジストローラ161を回転駆動する。これにより用紙が二次転写部140に搬送される。CPU301は、搬送ローラ153、154、155、158により搬送される用紙を、縦パスセンサ157、搬送センサ156、レジ前搬送センサ160により監視する。CPU301は、レジ前搬送センサ160が用紙先端を検知したタイミングに応じて、用紙先端と転写ベルト130上のトナー像の先端とが二次転写部140で一致するように、用紙の搬送を制御する。例えば、トナー像に対して用紙が早く到着している場合、レジストローラ161で用紙を所定の時間停止させた後に、用紙の搬送を再開する。
【0036】
二次転写部140は、用紙及び転写ベルト130上のトナー像に対して二次転写電圧を印加することにより、トナー像を用紙に転写する。二次転写後の用紙は、定着器170へ搬送される。CPU301は、I/O310を介して、定着ヒータサーミスタ401の検知結果に応じて、定着ヒータ400を所定の温度に制御する。これにより定着器170は、用紙上のトナー像を確実に加熱定着することができる。画像が定着した用紙は、搬送経路下流に搬送される。
【0037】
CPU301は、定着出口センサ173が画像定着後の用紙先端を検知したタイミングで、UI部330により予め設定される内容に従って、用紙を用紙搬送路230及び用紙搬送路231のいずれに搬送するかを判断し、搬送フラッパ172を設定する。具体的には、CPU301は、両面プリントが設定の場合には用紙を用紙搬送路230へ搬送し、片面プリント或いは両面プリントの裏面の画像形成終了の場合には用紙を用紙搬送路231へ搬送するように、搬送フラッパ172を設定する。用紙搬送路230へ搬送された用紙は、搬送ローラ158まで搬送され、裏面への画像形成が行われる。
【0038】
用紙搬送路231へ搬送された用紙は、CPU301の制御に応じて定着後搬送モータ146により駆動される搬送ローラ232により搬送される。CPU301は、UI部330により予め設定される内容に従って、用紙を用紙搬送路180及び用紙搬送路181のいずれに搬送するかを判断し、搬送フラッパ190を設定する。UI部330により排紙先が排紙トレイ200に設定されている場合、CPU301は、用紙を用紙搬送路180へ搬送するように搬送フラッパ190を設定する。UI部330により排紙先が排紙トレイ196に設定されている場合、CPU301は、用紙を用紙搬送路181へ搬送するように搬送フラッパ190を設定する。
【0039】
オプションデッキ1000からの給紙動作について説明する。ここではオプションデッキ1000の上段給紙部1001から給紙する場合について説明するが、中段給紙部1002、下段給紙部1003においても同様の動作となる。
【0040】
CPU301は、OPT−I/O1310を介して、駆動源となるOPT給紙モータ1041によりピックアップローラ1151を回転駆動する。これにより上段給紙部1001に収納される用紙が1枚ずつ給紙される。CPU301は、OPT−I/O1310を介して、OPT給紙センサ1011により給紙動作を監視する。
【0041】
CPU301は、OPT−I/O1310を介して、OPT引抜モータ1045によりOPT引抜ローラ1015を回転駆動する。CPU301は、I/O310を介して、OPT搬送モータ1051によりOPT搬送ローラ1021、1022を回転駆動する。CPU301は、I/O310を介して、OPT搬送モータ1052によりOPT搬送ローラ1023を回転駆動する。これにより給紙された用紙が上段搬送経路を共通搬送経路へ搬送される。CPU301は、OPT−I/O1310を介して、OPT搬送ローラ1021、1022、1023により上段搬送経路を搬送される用紙の位置を、OPT搬送センサ1030、1031、1032により監視する。
【0042】
CPU301は、OPT−I/O1310を介して、OPT搬送モータ1053によりOPT搬送ローラ1025、1026を回転駆動する。これにより上段搬送経路から搬送された用紙が共通搬送経路をオプションデッキ搬送路270へ搬送される。CPU301は、OPT−I/O1310を介して、OPT搬送ローラ1025、1026により共通搬送経路を搬送される用紙の位置を、OPT搬送センサ1034により監視する。用紙は、オプションデッキ搬送路270を経由して画像形成装置100の定着搬送ユニット271内に供給される。
【0043】
(ジャム検知)
図4は、搬送中の用紙にジャムが発生したときの検知処理の説明図である。ここでは、レジ前搬送センサ160とその搬送方向下流に配置された用紙搬送センサ171とでの用紙検知タイミングにより、用紙搬送センサ171における用紙のジャムを検知する場合について説明する。搬送経路上で隣り合う2つのセンサ間で、同様の検知処理によりジャムの発生が検知可能である。ここで検知するジャムは、用紙の滞留によるジャム(以下、「滞留ジャム」という。)及び用紙の遅延によるジャム(以下、「遅延ジャム」という。)である。制御部300は、画像形成処理中にこれらのジャムの検知処理を継続して行う。
【0044】
滞留ジャムの検知処理は、レジ前搬送センサ160が搬送中の用紙の後端の通過を検知したことをトリガとして行われる。トリガの発生タイミング、レジ前搬送センサ160と用紙搬送センサ171との距離、及び用紙の搬送速度から、用紙後端が用紙搬送センサ171を通過すると予測される時間t1が算出される。制御部300は、搬送ローラの摩耗や搬送機構自体の構成による搬送効率の低下を考慮した時間を搬送マージンm1とし、レジ前搬送センサ160の通過から用紙搬送センサ171の用紙後端検知までに、(t1+m1)時間かかることを予測する。制御部300は、(t1+m1)時間経過したにも拘らず、用紙搬送センサ171が用紙後端を検知しない場合に、滞留ジャムが発生したと判断する。
【0045】
遅延ジャムの検知処理は、レジ前搬送センサ160が搬送中の用紙の先端の到達を検知したことをトリガとして行われる。トリガの発生タイミング、レジ前搬送センサ160と用紙搬送センサ171との距離、及び用紙の搬送速度から、用紙先端が用紙搬送センサ171に到達すると予測される時間t2が算出される。制御部300は、搬送ローラの摩耗や搬送機構自体の構成による搬送効率の低下を考慮した時間を搬送マージンm2とし、レジ前搬送センサ160への用紙先端の到達から用紙搬送センサ171への用紙先端の到達までに、(t2+m2)時間かかることを予測する。制御部300は、(t2+m2)時間経過したにも拘らず、用紙搬送センサ171が用紙先端を検知しない場合に、遅延ジャムが発生したと判断する。
【0046】
(ジャム発生時の処理)
図5は、ジャム発生時の画像形成装置100内の用紙の状態の例示図である。ここでは、用紙P2がジャムの発生要因となっている。用紙P2の搬送方向上流に位置する用紙P1は、ジャムの発生により搬送が停止された残留紙である。用紙P2の搬送方向下流に位置する用紙P3は、通常通り搬送が継続され、画像形成装置100の外部に排出される。制御部300は、用紙P1の搬送停止、用紙P3の排出等の搬送中のすべての用紙の処理が終了した時点で、ユーザにジャム処理を促す。
【0047】
図6は、ジャム発生時にジャムを解消するためのジャム処理を表すフローチャートであり、CPU301により実行される。
【0048】
定着搬送ユニット271の搬送経路と画像形成装置100の本体枠の搬送経路との間に用紙が跨がった状態で停止する場合、画像形成装置100の前扉275を開放して定着搬送ユニット271を引き出してジャム処理を行うと、ギロチンを誘発する可能性がある。そのために画像形成装置100は、本体の前扉275や右下扉260、右上扉261を開放してジャムによる残留紙を取り除く際に、ユーザに対してジャム処理を案内する。用紙が定着搬送ユニット271の搬送経路と画像形成装置100の本体枠の搬送経路との間に跨がった状態とは、定着搬送ユニット271内の搬送センサ156と、画像形成装置100の本体枠の縦パスセンサ157とがともに用紙を検知している状態である。また、搬送センサ156と、オプションデッキ1000のOPT搬送センサ1034とがともに用紙を検知している状態も、定着搬送ユニット271の搬送経路と画像形成装置100の本体枠の搬送経路との間に用紙が跨がった状態である。なお、画像形成装置100は、ユーザによって前扉275が開放されることを防止するためのドアロック機構を設けて、この様なジャム処理では必要としない操作を防止するような構成であってもよい。また、用紙が定着搬送ユニット271の搬送経路と画像形成装置100の本体枠の搬送経路との間に跨がった状態で搬送停止する場合、画像形成装置100は、用紙を除去が容易な位置まで搬送する。用紙の除去が容易な位置は、例えば前扉275や右下扉260、右上扉261を開放することで容易に除去可能な位置である。用紙を除去が容易な位置まで搬送した後に、CPU301は、図6の処理を開始する。
【0049】
はじめに、ジャムの発生によりオプションデッキ1000内に搬送停止された残留紙が発生した場合のジャム処理について説明する。オプションデッキ1000内のジャム状態については、図7図9に示す。
【0050】
オプションデッキ1000内にジャムが発生した場合、CPU301は、ジャムの発生した位置に応じたジャム処理表示画面をUI部330に表示する(S101)。例えば図7に例示するようにオプションデッキ1000内に複数の用紙が残留している場合、CPU301は、図10に例示するジャム処理表示画面により、ユーザに対してオプションデッキ1000の多段扉1005を開放したジャム処理を促す。画像形成装置100がドアロック機構を備える場合、CPU301は、ギロチンを誘発する可能性がある状態であればドアロックを行う。
【0051】
ここでジャム処理表示画面は、水平搬送ガイド1400を下方に開くことで、共通搬送経路と下段搬送経路とを開放して残留する用紙の除去を案内する。また、ジャム処理表示画面は、縦パス搬送ガイド1401を水平方向に開くことで、上段搬送経路及び中段搬送経路を開放して残留する用紙の除去を案内する。OPT搬送センサ1034の検知位置で用紙が複数重送されており1枚しか除去できない場合には、図8に示すように用紙が残留する。
【0052】
ユーザがオプションデッキ1000内の用紙を除去して多段扉1005を閉じた場合、CPU301は、ジャム処理表示画面に応じた扉の開閉が行われたと判断する(S102:Y)。つまりCPU301は、ユーザによる多段扉1005の開閉により、ジャム処理表示画面に応じたジャム処理が行われたと判断する。この場合、CPU301は、オプションデッキ1000内の除去されるべき用紙が取り除かれたと判断し、OPT搬送センサ1034が用紙を検知していないことを期待する。しかし、図8の場合、OPT搬送センサ1034は用紙を検知したままである。そのためにCPU301は、ジャム状態が変化していないと判断する(S103:Y)。
【0053】
ジャム状態が変化していない場合、CPU301は、ジャム処理表示画面をUI部330に表示した後に用紙の強制送りを実行したか否かを判断する(S104)。用紙の強制送りは、ジャムの発生により残留する用紙を除去が容易な所定位置まで強制的に搬送する処理である。用紙の強制送りを行っていない場合(S104:N)、CPU301は、用紙の強制送りを実行する(S105)。図8に示すようにオプションデッキ1000と画像形成装置100との間のオプションデッキ搬送路270に用紙が残留する場合、CPU301は、レジスト前搬送モータ507を逆転駆動することで搬送ローラ158を逆回転させて、用紙の強制送りを実行する。図9は、用紙の強制送りを実行した場合を表す。用紙の強制送りにより、オプションデッキ搬送路270に設けられる用紙エスケープ口1402から残留していた用紙が排出される。
【0054】
強制送りの実行後、CPU301は、ジャム処理表示画面の変更の要否を判断する(S106)。用紙を強制送りした場合、用紙の除去を水平搬送ガイド1400を開けずに、搬送経路の上部から行うことが可能になるために、CPU301は、ジャム処理表示画面の変更が必要と判断する(S106:Y)。この場合、CPU301は、ジャム処理表示画面を更新する(S107)。図11は、更新されたジャム処理表示画面の例示図である。図11のジャム処理表示画面は、ユーザに対して、ジャム処理位置の変更を報知する。
【0055】
ジャム処理表示画面の更新後或いはジャム処理表示画面を更新せずに(S106:N)、CPU301は、ジャム処理表示画面に応じたオプションデッキ1000の多段扉1005の開閉が行われたかを判断する(S109)。多段扉1005の開閉が行われた場合(S109:Y)、CPU301は、ジャム状態が解消されたか否かを判断する(S110)。つまりCPU301は、ユーザによる多段扉1005の開閉により、ジャム処理表示画面に応じたジャム処理が行われたか否かを判断する。ジャム状態が解消されていない場合(S110:N)、CPU301はS103以降の処理をジャム状態が解消されるまで繰り返し実行する。ジャム状態が解消された場合(S110:Y)、CPU301は、ジャム処理を終了する。
【0056】
なお、S103の処理でジャム状態が変化した場合(S103:N)、或いはS104の処理で用紙の強制送りが実行済みの場合(S104:Y)、CPU301は、次のジャム処理を促すジャム処理表示画面に更新する(S108)。図12は、更新されたジャム処理表示画面の例示図である。図12のジャム処理表示画面は、ユーザに対して、画像形成装置100の前扉275を開放したジャム処理を促す。即ち、同一の用紙に対して強制送り前と強制送り後とでジャム処理画面が変化する。ジャム処理表示画面の更新後にCPU301は、S109以降の処理を行う。
【0057】
画像形成装置100がドアロック機構を備える場合、CPU301は、図12のように前扉275を開放したジャム処理を促すジャム処理表示画面を表示すると、ドアロックを解除する。これにより前扉275が開放可能になる。また、CPU301は、ジャム処理の終了時にドアロックを解除する。
【0058】
次に、ジャムの発生により画像形成装置100内に搬送停止された残留紙が発生した場合のジャム処理について説明する。画像形成装置100内のジャム状態については、図13図16に示す。
【0059】
画像形成装置100内にジャムが発生した場合、CPU301は、ジャムの発生した位置に応じたジャム処理表示画面をUI部330に表示する(S101)。図13では、用紙P2が給送されたときに、重送が発生し、用紙P3のジャムによって用紙P2とP2’とが重なって停止している状態を示している。図13に例示するように画像形成装置100内に複数の用紙が残留している場合、CPU301は、図17に例示するジャム処理表示画面により、ユーザに対して画像形成装置100の右下扉260を開放したジャム処理を促す。画像形成装置100がドアロック機構を備える場合、CPU301は、ギロチンを誘発する可能性がある状態であればドアロックを行う。右下扉260の開放により搬送経路が解放される。ユーザは、図14に示すようにジャムにより残留した用紙を除去することができる。ここで縦パスセンサ157の検知位置で用紙P2,P2’が重送されており、1枚(P2’)しか除去できない場合には、図15に示すように用紙P2が残留する。
【0060】
ユーザが画像形成装置100内の用紙を除去して右下扉260を閉じた場合、CPU301は、ジャム処理表示画面に応じた扉の開閉が行われたと判断する(S102:Y)。つまりCPU301は、ユーザによる右下扉260の開閉により、ジャム処理表示画面に応じたジャム処理が行われたと判断する。この場合、CPU301は、画像形成装置100内の除去されるべき用紙が取り除かれたと判断し、縦パスセンサ157が用紙を検知していないことを期待する。しかし、図15の場合、縦パスセンサ157は用紙P2を検知したままである。そのためにCPU301は、ジャム状態が変化していないと判断する(S103:Y)。
【0061】
ジャム状態が変化していない場合、CPU301は、ジャム処理表示画面をUI部330に表示した後に用紙の強制送りを実行したか否かを判断する(S104)。用紙の強制送りは、ジャムの発生により残留する用紙を除去が容易な所定位置まで強制的に搬送する処理である。用紙の強制送りを行っていない場合(S104:N)、CPU301は、用紙の強制送りを実行する(S105)。図16に示すように画像形成装置100の定着搬送ユニット271の入口部分に用紙P2が残留する場合、CPU301は、レジスト前搬送モータ507を駆動することで搬送ローラ158を回転させて、用紙の強制送りを実行する。これにより、定着搬送ユニット271内に用紙P2が送り込まれる。
【0062】
強制送りの実行後、CPU301は、ジャム処理表示画面の変更の要否を判断する(S106)。図16に示すように用紙P2を強制送りした場合、用紙P2は、定着搬送ユニット271を引き出して除去されるべきである。定着搬送ユニット271は、前扉275を開放することで画像形成装置100の本体から引き出し可能となる。この時点でUI部330は右下扉260の開放を指示しているために、前扉275を開放することを促すジャム処理表示画面への更新が必要である。そのためにCPU301は、ジャム処理表示画面の変更が必要と判断する(S106:Y)。CPU301は、ジャム処理表示画面を更新する(S107)。図12は、更新されたジャム処理表示画面の例示図である。図12のジャム処理表示画面は、ユーザに対して、ジャム処理位置の変更を報知する。
【0063】
ジャム処理表示画面の更新後或いはジャム処理表示画面を更新せずに(S106:N)、CPU301は、ジャム処理表示画面に応じた画像形成装置100の前扉275の開閉が行われたかを判断する(S109)。前扉275の開閉が行われた場合(S109:Y)、CPU301は、ジャム状態が解消されたか否かを判断する(S110)。つまりCPU301は、ユーザによる前扉275の開閉により、ジャム処理表示画面に応じたジャム処理が行われたか否かを判断する。ジャム状態が解消されていない場合(S110:N)、CPU301はS103以降の処理をジャム状態が解消されるまで繰り返し実行する。ジャム状態が解消された場合(S110:Y)、CPU301は、ジャム処理を終了する。
【0064】
なお、S103の処理でジャム状態が変化した場合(S103:N)、或いはS104の処理で用紙の強制送りが実行済みの場合(S104:Y)、CPU301は、次のジャム処理を促すジャム処理表示画面に更新する(S108)。図12は、更新されたジャム処理表示画面の例示図である。図12のジャム処理表示画面は、ユーザに対して、画像形成装置100の前扉275を開放したジャム処理を促す。ジャム処理表示画面の更新後にCPU301は、S109以降の処理を行う。
【0065】
画像形成装置100がドアロック機構を備える場合、CPU301は、図12のように前扉275を開放したジャム処理を促すジャム処理表示画面を表示すると、ドアロックを解除する。また、CPU301は、ジャム処理の終了時にドアロックを解除する。
【0066】
以上のように本実施形態の画像形成装置100は、ジャムの処理手順に基づいて、ユーザに対して適切な処理を促しつつ、適当なタイミングで用紙の強制送りを行う。そのために確実なジャム処理をコストをかけずに実現することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17