特許第6800711号(P6800711)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6800711
(24)【登録日】2020年11月27日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】スイッチギヤ
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/28 20060101AFI20201207BHJP
【FI】
   H02B1/28 G
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-226174(P2016-226174)
(22)【出願日】2016年11月21日
(65)【公開番号】特開2018-85800(P2018-85800A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2019年10月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】植木 俊之
【審査官】 内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−155214(JP,A)
【文献】 特開2011−223721(JP,A)
【文献】 実開昭58−100406(JP,U)
【文献】 特開2004−129464(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/00 − 1/38
H02B 1/46 − 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の上方に向けて開放された第一の開口部が設けられ、前記第一の開口部が前記筐体の内側に位置される収納位置と、前記収納位置から前記筐体の側方に突出し前記第一の開口部が前記筐体の外側に露出する突出位置と、の間で移動可能に前記筐体に支持され、前記筐体内の圧力により前記収納位置から前記突出位置へ移動して前記筐体内で生じたガスを前記第一の開口部から排出可能に構成された、可動部材と、
前記可動部材が前記突出位置へ移動した場合に前記第一の開口部の前記上方に並ぶ案内通路が設けられたガイド部材と、
を備えた、スイッチギヤ。
【請求項2】
前記可動部材は、前記上方へ向けて前記ガスを案内するガイド壁部、を有した、請求項1に記載のスイッチギヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、スイッチギヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体と、筐体の側方に隣接して設けられた放圧箱と、を備えたスイッチギヤが、知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭59−188307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のスイッチギヤでは、例えば、より不都合が少なく改善された新規な構成が得られれば、好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のスイッチギヤは、例えば、筐体と、可動部材と、ガイド部材と、を備える。可動部材には、筐体の上方に向けて開放された第一の開口部が設けられ、第一の開口部が筐体の内側に位置される収納位置と、収納位置から筐体の側方に突出し第一の開口部が筐体の外側に露出する突出位置と、の間で移動可能に筐体に支持され、筐体内の圧力により収納位置から突出位置へ移動して筐体内で生じたガスを第一の開口部から排出可能に構成される。ガイド部材には、可動部材が突出位置へ移動した場合に第一の開口部の上方に並ぶ案内通路が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態のスイッチギヤの可動部材が収納位置にある状態での例示的かつ模式的な斜視図である。
図2図2は、図1のII−II断面図である。
図3図3は、第1実施形態のスイッチギヤの可動部材が突出位置にある状態での例示的かつ模式的な斜視図である。
図4図4は、図3のIV−IV断面図である。
図5図5は、第1実施形態のスイッチギヤの可動部材の例示的かつ模式的な斜視図である。
図6図6は、第2実施形態のスイッチギヤの可動部材が収納位置にある状態での例示的かつ模式的な断面図である。
図7図7は、第2実施形態のスイッチギヤの可動部材が突出位置にある状態での例示的かつ模式的な断面図である。
図8図8は、第3実施形態のスイッチギヤの可動部材が収納位置にある状態での例示的かつ模式的な斜視図である。
図9図9は、第3実施形態のスイッチギヤの可動部材が突出位置にある状態での例示的かつ模式的な斜視図である。
図10図10は、第4実施形態のスイッチギヤの可動部材が収納位置にある状態での例示的かつ模式的な斜視図である。
図11図11は、第4実施形態のスイッチギヤの可動部材が突出位置にある状態での例示的かつ模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。
【0008】
また、以下に開示される複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれる。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。なお、以下の各図では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、筐体2の前後方向に沿い、Y方向は、筐体2の幅方向に沿い、Z方向は、筐体2の高さ方向に沿う。Y方向およびその反対方向は、側方の一例である。また、Z方向は、上方に相当する。
【0009】
<第1実施形態>
図1〜5に示されるように、スイッチギヤ1は、例えば、建物の電気室等に設置されており、筐体2と、可動部材3と、を備えている。スイッチギヤ1は、遮断器や保護継電器等が金属製の筐体2内に収容された、所謂金属閉鎖形スイッチギヤである。筐体2は、盤や、閉鎖箱等とも称されうる。なお、電気室には、Y方向に一列に並んだ状態で複数の筐体2が設けられうる。筐体2には、例えば、遮断器、計器用変成器等を有し主に電力を受電する受電盤や、遮断器、変流器、零相変流器等を介して負荷供給用のケーブルが引き出されるフィーダ盤、主母線を系統毎に遮断器によって切り分ける母線連絡盤等が含まれる。
【0010】
図1に示されるように、筐体2は、例えば、X方向に短い偏平な直方体状の箱型に構成されている。筐体2は、複数の壁部2a〜2fを有する。壁部2aおよび壁部2bは、いずれも、Z方向と直交する方向(XY平面)に沿って延びており、Z方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。壁部2aは、天壁部や上壁部等と称され、壁部2bは、底壁部や下壁部等と称されうる。
【0011】
また、壁部2cおよび壁部2eは、いずれも、X方向と直交する方向(YZ平面)に沿って延びており、X方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。また、壁部2dおよび壁部2fは、いずれも、Y方向と直交する方向(XZ平面)に沿って延びており、Y方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。壁部2cは、前壁部等と称され、壁部2eは、後壁部等と称されうる。また、壁部2c〜2fは、側壁部や周壁部等とも称されうる。
【0012】
また、筐体2は、壁部2a,2b(XY平面)に沿って延びた壁部2gを有する。壁部2gは、壁部2aと壁部2bとの間に位置され、壁部2cと壁部2eとの間、および壁部2dと壁部2fとの間に渡っている。図2に示されるように、筐体2内には、壁部2gによってZ方向に仕切られた複数の室11,12が設けられている。壁部2gは、隔壁部や、仕切壁、分離壁等と称されうる。また、室11は、下側空間や、第一の室等とも称され、室12は、上側空間や、第二の室等とも称されうる。
【0013】
また、筐体2は、複数の部品(分割体)が組み合わせられて構成されている。具体的には、筐体2は、例えば、第一筐体部材21と、第二筐体部材22と、を有する。図1に示されるように、第一筐体部材21は、少なくとも、壁部2bと、壁部2c〜2fの一部(下側部分)と、を有する。また、第二筐体部材22は、少なくとも、壁部2aと、壁部2c〜2fの一部(上側部分)と、を有する。壁部2gは、第一筐体部材21および第二筐体部材22のうち少なくとも一方に含まれる。第一筐体部材21は、下ケースや、下側コンパートメント等とも称され、第二筐体部材22は、上ケースや、上側コンパートメント等とも称されうる。
【0014】
また、第一筐体部材21および第二筐体部材22には、それぞれ、X方向に向けて開放され、図1に示される扉8によって開閉可能に覆われた作業用の開口部が設けられうる。扉8は、それぞれ、壁部2cの少なくとも一部を構成している。扉8は、第一筐体部材21および第二筐体部材22に、扉8のY方向の反対方向の端部8a(Z方向)に沿って延びる回転軸を有したヒンジ部を介して、回転可能に支持されている。扉8は、回転軸回りに回転することで、開口部を閉じる閉位置(図1参照)と、開口部を開放する開位置との間で、移動可能である。
【0015】
また、扉8のY方向の端部8bには、それぞれ、操作部9が設けられている。操作部9は、X方向に沿って延びる回転軸回りに回転可能に設けられたレバー9aを有する。レバー9aは、例えば、閉位置(図1参照)ではZ方向に沿った下向きの状態となり、開位置ではY方向に沿った横向きの状態となる。レバー9aは、ハンドルや、ドアノブ、把持部等とも称されうる。
【0016】
また、図4に示されるように、第一筐体部材21の壁部2fには、可動部材3をY方向に移動可能に収納した開口部2sが設けられている。開口部2sは、例えば、壁部2fをY方向に貫通した貫通孔である。開口部2sは、遮断器等のスイッチギヤ1の主回路を構成する機器が配置される室11と繋がっている。なお、本実施形態では、例えば、第一筐体部材21の壁部2d(図1参照)についても、可動部材3を収納可能な開口部2sが設けられうる。
【0017】
また、図5に示されるように、第一筐体部材21の壁部2fは、複数の部品(分割体)が組み合わせられて構成されている。具体的には、第一筐体部材21の壁部2fは、例えば、第一の部材26と、第二の部材27と、第三の部材28と、可動部材3と、を有する。
【0018】
図4,5に示されるように、開口部2sは、第一の部材26のX方向を向いた端面26aと、第二の部材27のX方向の反対方向を向いた端面27bと、第三の部材28のZ方向を向いた端面28cと、壁部2gのZ方向の反対方向を向いた下面2g1と、によって囲まれている。そして、可動部材3は、これら端面26a,27b,28c、および下面2g1によって囲まれた開口部2s内に収納される収納位置P1(図2参照)と、収納位置P1からY方向に突出する突出位置P2(図4参照)と、の間で移動可能に設けられている。
【0019】
図5に示されるように、可動部材3は、例えば、複数の壁部3a〜3dを有する。壁部3aおよび壁部3bは、いずれも、X方向と直交する方向(YZ平面)に沿って延びており、X方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。また、壁部3cは、壁部3a,3bのY方向の端部間を接続し、壁部2f(XZ平面)に沿って延びている。壁部3a〜3cは、Z方向の視線では、室11側に向けて開放された略U字状に構成されている。
【0020】
また、図4,5に示されるように、壁部3dは、壁部3a〜3cのZ方向の反対方向の端部間を接続し、壁部2b(XY平面)に沿って延びている。そして、可動部材3には、複数の壁部3a〜3dによって囲まれ、上方(Z方向)に向けて開放された開口部3rが設けられている。開口部3rは、可動部材3が収納位置P1(図2参照)にある状態では、開口部2s内、すなわち筐体2の内側に位置される。また、開口部3rは、可動部材3が突出位置P2(図4参照)にある状態では、少なくとも一部が筐体2の外側に露出する。
【0021】
図3,4に示されるように、筐体2内で生じたガス10は、壁部3a〜3dによって上方(Z方向)へ向けて案内され、開口部3rから筐体2外に排出される。壁部3a〜3dは、ガイド壁部の一例であり、開口部3rは、第一の開口部の一例である。また、開口部3rは、凹部や、通路等とも称されうる。
【0022】
図5に示されるように、ストッパ機構4は、例えば、結合具40を有する。可動部材3の壁部3a,3bには、それぞれ、結合具40のボルト41が貫通する軌道3f,3gが設けられている。軌道3f,3gは、例えば、Y方向に沿って延びた長穴として構成されている。軌道3f,3gは、ボルト41の軸部41aを、収納位置P1に対応した第一の位置P11(図2参照)と、突出位置P2に対応した第二の位置P12(図4参照)との間で案内する。
【0023】
また、図5に示されるように、第一の部材26、および第二の部材27には、それぞれ、ボルト41の軸部41aが貫通する複数の開口部26a1,27b1が設けられている。開口部26a1,27b1は、例えば、Y方向に沿って延びた長穴として構成されている。ボルト41の頭部41bは、第二の部材27の端面27bを構成する端板の内側で開口部27b1の周縁部と引っ掛かる。また、結合具40のナット42は、第一の部材26の端面26aを構成する端板の内側で開口部26a1の周縁部と引っ掛かる。ボルト41およびナット42は、結合具40の一例である。
【0024】
本実施形態では、例えば、開口部27b1、軌道3f,3g、および開口部26a1を貫通したボルト41の軸部41aにナット42が噛み合うことによって、可動部材3が軌道3f,3gの範囲内で移動可能に、筐体2に支持されている。軸部41aと軌道3f,3gのY方向の端部との当接により、可動部材3の筐体2に対するY方向の反対方向への移動が制限される。また、軸部41aと軌道3f,3gのY方向の反対方向の端部との当接により、可動部材3の筐体2に対するY方向への移動が制限される。結合具40、および軌道3f,3gは、ストッパ機構4の一例である。また、軸部41aは、スライド部等とも称されうる。
【0025】
そして、本実施形態では、例えば、異常等によって筐体2内の圧力が閾値よりも高まった場合に、筐体2内で生じたガス10により押された可動部材3が収納位置P1(図2参照)から突出位置P2(図4参照)へ移動するよう、構成されている。これにより、可動部材3の開口部3rが筐体2の外側に露出し、筐体2内で生じた高温や高圧のガス10を開口部3rから筐体2外の上方に排出可能となっている。
【0026】
また、本実施形態では、可動部材3および開口部2s(図4参照)が筐体2のうちの第一筐体部材21に設けられている。これにより、仮に壁部2gによってZ方向に仕切られた室11側に異常が発生した場合にも、室11内で生じたガス10を可動部材3の開口部3rから筐体2外により確実に排出することができる。
【0027】
なお、第二筐体部材22には、例えば、室12用の弁構造が設けられうる。弁構造は、例えば、壁部2aをZ方向に貫通する貫通孔や、当該貫通孔を壁部2aの外側から開閉可能に覆う蓋等によって構成されうる。蓋は、異常等によって室12内の圧力が閾値よりも高まった場合に、閉位置から開位置へ移動することにより、室12内で生じたガス10を貫通孔から筐体2外に排出することができる。
【0028】
また、第一筐体部材21には、例えば、可動部材3を突出位置P2から収納位置P1へ向かう方向に付勢するバネ等の付勢部材が設けられうる。これにより、例えば、室11内で生じたガス10が開口部3rから排出され室11内の圧力が閾値よりも下がった場合に、可動部材3を突出位置P2から収納位置P1へ戻すことができる。付勢部材は、戻し機構の一例である。戻し機構によって、作業者による可動部材3を突出位置P2から収納位置P1へ戻す作業を不要とできる。
【0029】
以上のように、本実施形態では、例えば、スイッチギヤ1は、筐体2と、筐体2の上方(Z方向)に向けて開放された開口部3r(第一の開口部)が設けられ、開口部3rが筐体2の内側に位置される収納位置P1と、収納位置P1から筐体2の側方(Y方向)に突出し開口部3rが筐体2の外側に露出する突出位置P2と、の間で移動可能に筐体2に支持され、筐体2内の圧力により収納位置P1から突出位置P2へ移動して筐体2内で生じたガス10を開口部3rから排出可能に構成された、可動部材3と、を備える。よって、本実施形態によれば、例えば、筐体2内に収納可能な可動部材3によって、スイッチギヤ1がよりコンパクトに構成されやすく、ひいては筐体2の側方(Y方向)に放圧箱が設けられていた従来構造と比べて、スイッチギヤ1の周囲のスペースがより有効に使用されうる。
【0030】
また、本実施形態では、例えば、可動部材3は、上方(Z方向)へ向けてガス10を案内する壁部3a〜3d(ガイド壁部)、を有する。よって、本実施形態によれば、壁部3a〜3dによって、筐体2内で生じたガス10を上方(Z方向)へ向けて案内することができるため、例えば、ガス10によって生じる筐体2の周囲に配置される機器等への影響が抑制されうる。
【0031】
また、本実施形態では、例えば、可動部材3および開口部2sが筐体2のうちの第一筐体部材21に設けられている。よって、本実施形態によれば、例えば、壁部2gによって仕切られた第一筐体部材21の室11側に異常が発生した場合にも、室11内で生じたガス10を可動部材3の開口部3rから筐体2外により確実に排出することができる。
【0032】
なお、本実施形態では、ストッパ機構4によって可動部材3が収納位置P1と突出位置P2との間でスライド可能に構成された場合が例示されたが、これには限定されない。可動部材3は、例えば、可動部材3のZ方向の反対方向の端部(X方向)に沿って延びる回転軸を有したヒンジ部によって、開口部3rを閉じる閉位置(収納位置P1)と、開口部3rを開放する開位置(突出位置P2)との間で、回動可能に構成されてもよい。
【0033】
<第2実施形態>
図6,7に示される実施形態のスイッチギヤ1Aは、上記第1実施形態のスイッチギヤ1と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の構成に基づく同様の結果(効果)が得られる。
【0034】
ただし、本実施形態では、例えば、図6,7に示されるように、可動部材3Aの軌道3f1,3g1が壁部2b(平面)に対して傾斜している点が、上記第1実施形態と相違している。軌道3f1,3g1は、例えば、可動部材3A(壁部3a,3b)の室11側の端部から室11とは反対側の端部に向かって徐々に壁部2bから離れるように傾斜している。また、本実施形態では、可動部材3AのZ方向の端部、およびZ方向の反対方向の端部には、それぞれ、軌道3f1,3g1に沿って傾斜した傾斜面3h,3iが設けられている。また、壁部2gの下面2g1、および第三の部材28の端面28cには、傾斜面3h,3iに沿って延び、可動部材3Aを傾斜面3h,3iに沿って案内するガイド面2g2,28c1が設けられている。図6,7に示されるように、本実施形態によれば、例えば、室11内の圧力が閾値よりも高まった場合に、室11内で生じたガス10により押された可動部材3Aが収納位置P1(図6参照)から突出位置P2(図7参照)へ移動する。すなわち、可動部材3Aは、軌道3f1,3g1および軸部41aによって案内されて収納位置P1から突出位置P2側に向けて斜め上方に押し上げられる。そして、可動部材3Aは、室11内で生じたガス10が開口部3rから排出され室11内の圧力が閾値よりも下がった場合に、自重により、軌道3f1,3g1および軸部41aに案内されて突出位置P2(図7参照)から収納位置P1(図6参照)へと戻る。軌道3f1,3g1、および軸部41a(結合具40)は、戻し機構5の一例である。このように、本実施形態によれば、例えば、戻し機構5によって、可動部材3を自重によって突出位置P2から収納位置P1へ戻すことができる。よって、例えば、戻し機構5がバネ等の付勢部材によって構成された場合と比べて、より部品点数を減らすことができる。
【0035】
<第3実施形態>
図8,9に示される実施形態のスイッチギヤ1Bは、上記第1実施形態のスイッチギヤ1と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の構成に基づく同様の結果(効果)が得られる。
【0036】
ただし、本実施形態では、例えば、図8,9に示されるように、第二筐体部材22の壁部2fにガイド部材6が設けられている点が、上記第1実施形態と相違している。ガイド部材6は、例えば、複数の壁部6a〜6eを有する。壁部6aおよび壁部6bは、いずれも、X方向と直交する方向(YZ平面)に沿って延びており、X方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。また、壁部6cは、壁部6a,6bのY方向の端部間を接続し、壁部2f(XZ平面)に沿って延びている。また、壁部6d,6eは、壁部6a,6bのY方向の反対方向の端部から、壁部2f(XZ平面)に沿って互いに反対方向に延びている。壁部6d,6eは、例えば、ねじ等の結合具によって、第二筐体部材22の壁部2fと結合されうる。ガイド部材6には、壁部6a〜6c、および第二筐体部材22の壁部2fによって囲まれ、上方(Z方向)および下方に開放された開口部6rが設けられている。そして、本実施形態では、可動部材3が突出位置P2へ移動した場合に、開口部6rが可動部材3の開口部3r(図3参照)の上方(Z方向)に並び、これら開口部6rおよび開口部3rがZ方向に繋がるよう、構成されている。開口部6rは、案内通路の一例である。よって、本実施形態によれば、開口部6rによって、開口部3rから排出されたガス10をより確実に上方(Z方向)へ向けて案内することができるため、例えば、ガス10によって生じる筐体2の周囲に配置される機器等への影響がより一層抑制されうる。なお、ガイド部材6は、例えば、第二筐体部材22の壁部2fに収納可能に構成され、可動部材3の突出位置P2への移動に連動してY方向に突出するよう、構成されてもよい。
【0037】
<第4実施形態>
図10,11に示される実施形態のスイッチギヤ1Cは、上記第1実施形態のスイッチギヤ1と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の構成に基づく同様の結果(効果)が得られる。
【0038】
ただし、本実施形態では、例えば、図10,11示されるように、第一筐体部材21の壁部2fに複数の可動部材3が設けられている点が、上記第1実施形態と相違している。具体的には、本実施形態では、例えば、第一筐体部材21の壁部2fに互いに間隔をあけて三つの開口部2s(図4参照)が設けられるとともに、それぞれの開口部2sに対応して、三つの可動部材3が設けられている。よって、本実施形態によれば、例えば、複数の可動部材3によって、室11内で生じたガス10が筐体2外により確実に排出されやすい。なお、開口部2s、および可動部材3の数は、三つには限定されず、例えば、二つや、四つ以上であってもよい。また、複数の可動部材3のそれぞれに対応して、第二筐体部材22の壁部2fに複数のガイド部材6が設けられてもよい。
【0039】
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。本発明は、上記実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成(技術的特徴)によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)を得ることが可能である。また、各構成要素のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0040】
1,1A〜1C…スイッチギヤ、2…筐体、3…可動部材、3a〜3d…壁部(ガイド壁部)、3r…開口部(第一の開口部)、5…戻し機構、6…ガイド部材、6r…開口部(案内通路)、10…ガス、Y…筐体の幅方向(側方)、Z…筐体の高さ方向(上方)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11