(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記調整部は、コンテンツに設定された入札価格に基づいて定まる順位であってコンテンツ配信の優先度を示す順位のうち、前記コンテンツの順位より低い順位のコンテンツである前記他のコンテンツに設定された入札価格に基づいて定まる前記コンテンツの入稿元に対する課金額の統計値と、当該入稿元により入稿される配信候補のコンテンツに対して当該入稿元が現在設定している入札価格との乖離の度合いに応じて、当該入稿元が現在設定している入札価格を調整する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
前記算定部は、前記他のコンテンツに設定された入札価格に基づいて定まる課金額が、前記入稿元によって指定される入札価格よりも高い場合には、前記入稿元によって指定される入札価格を前記入稿元への課金額として算定する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
前記決定部は、前記調整部により調整された入札価格と、当該入札価格に対応するコンテンツが選択される確率を示す確率情報とから算出される評価値に基づいて、配信対象の広告コンテンツを決定する
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.入札価格調整処理〕
以下では、
図1を用いて、実施形態にかかる入札価格調整処理の一例について説明する。
図1は、実施形態にかかる入札価格調整処理の一例を示す図である。
図1では、情報処理装置200によって入札価格調整処理が行われる例を示す。
【0012】
まず、
図1に示すシステム1は、端末装置10と、コンテンツサーバ100と、情報処理装置200とを含む。端末装置10、コンテンツサーバ100、情報処理装置200は、ネットワークを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、
図1に示すシステム1には、複数台の端末装置10や、複数台のコンテンツサーバ100や、複数台の情報処理装置200が含まれてもよい。
【0013】
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。また、端末装置10は、例えば、スマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末や、PDA(Personal Digital Assistant)や、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PC等である。
【0014】
ここで、実施形態にかかる広告コンテンツ(コンテンツの一例)は、検索連動型広告(リスティング広告とも呼ばれる)であるものとする。このような場合、端末装置10は、ユーザに入力された検索クエリに対応する検索結果が一覧表示される検索結果ページの配信要求をコンテンツサーバ100に送信する。
【0015】
そして、端末装置10は、コンテンツサーバ100により配信された検索結果ページに広告コンテンツが表示される領域である広告枠が含まれている場合には、かかる広告枠に表示させる広告コンテンツを取得するための配信要求(以下、「広告配信要求」と表記する場合がある)を情報処理装置200に送信する。例えば、端末装置10は、ユーザに入力された検索クエリに対応する広告コンテンツを表示するために、かかる検索クエリを含む広告配信要求を情報処理装置200に送信する。そして、端末装置10は、情報処理装置200から受け付けた広告コンテンツが広告枠に表示されるように検索結果ページを表示する。
【0016】
なお、広告コンテンツの形態は、検索連動型広告に限定されるものではなく、例えば、バナー広告等であってもよい。また、以下で詳細に説明するが、実施形態にかかる情報処理装置200は、広告コンテンツが1回選択された際に、かかる広告コンテンツの入稿元である広告主へ請求する課金額の単価である課金額単価(CPC:Cost Per Click)を算定する。したがって、実施形態にかかる広告コンテンツは、クリック課金型広告でもある。
【0017】
コンテンツサーバ100は、ユーザによって入力された検索クエリに対応する検索結果が一覧表示される検索結果ページを端末装置10に配信するサーバ装置である。検索結果ページには、例えば、検索クエリに対応する広告コンテンツが表示される広告枠が設けられている。
【0018】
情報処理装置200は、広告コンテンツの配信に関する処理およびコンテンツに設定される入札価格を調整する入札価格調整処理を行うサーバ装置である。例えば、情報処理装置200は、端末装置10から検索クエリを含む広告配信要求を受信すると、広告主に対して請求する課金額の単価である課金額単価を算定する。このとき、情報処理装置200は、セカンドプライスオークション(GSP:Generalized Second-Price auction)方式を用いて、広告主への課金額単価を算定する。
【0019】
また、情報処理装置200は、後述する入札価格調整処理により、コンテンツに設定される入札価格を調整し、調整後の入札価格に基づいて、配信対象のコンテンツを決定する。
【0020】
ここで、GSP方式で課金額単価を算出する際に起こり得る問題について一例を用いて説明する。GSP方式とは、各広告主により設定された入札価格(bid価格とも呼ばれる)に基づいて、各広告主に対して順位付けを行い、付与された順位に基づいて、各広告主への課金額単価を算定するといったものである。より具体的に説明すると、GSP方式とは、順位iが付された広告コンテンツ広告主に対して、順位i+1が付された広告コンテンツ広告主により設定された入札価格を課金額単価として算定するものである。
【0021】
ここで、GSP方式では、例えば、広告主による意図的な操作が行われることで、広告配信における公平性が失われてしまうといった問題が生じる場合がある。この点について、情報処理装置200が有する広告情報記憶部221の例を用いて説明する。
【0022】
まず、広告情報記憶部221について簡単に説明する。広告情報記憶部221は、広告コンテンツおよび広告主による設定に関する各種情報を記憶する記憶部である。
図1の例では、広告情報記憶部221は、「広告主」、「広告コンテンツ」、「入札価格」、「ターゲティング情報」、「CTR」、「eCPM」といった項目を有する。
【0023】
「広告主」は、対応する「広告コンテンツ」を入稿した入稿元を示す。「広告コンテンツ」は、対応する「広告主」によって入稿された広告コンテンツを示す。「入札価格」は、広告主が広告コンテンツを入稿する際に指定する広告料金を示す。例えば、「入札価格」は、広告コンテンツがユーザに1回クリックされた際に、情報処理装置200が広告主に対して請求する課金額の単価である課金額単価(CPC)を算定する際に用いられる。また、実施形態にかかる「入札価格」は、広告主が支払い可能な課金額単価の上限を示す。
【0024】
「ターゲティング情報」は、どのような検索クエリに対して広告コンテンツを配信させるかといった条件情報を示す。一例を示すと、広告配信要求に含まれる検索クエリに一致するターゲティング情報が指定されている広告コンテンツが、かかる広告配信要求に応じて配信される。なお、検索クエリとターゲティング情報とのマッチングは、完全一致であってもよいし部分一致であってもよい。
【0025】
CTR(Click Through Rate)は、広告コンテンツがクリックされた回数を広告コンテンツの表示回数によって除算した値を示す。eCPM(effective Cost Per Mille)は、広告コンテンツが表示されることにより期待される収益期待値であり、広告コンテンツの評価値として用いられる。例えば、eCPMは、入札価格とCTRとを乗じることにより算出される。
【0026】
ここで、eCPMが高い広告コンテンツほど高い順位が付与され、付与された順位が高い広告コンテンツほどより閲覧され易い位置に表示される場合、および、広告主への課金方式としてGSPが採用される場合を想定する。
【0027】
このような場合、
図1の例では、広告コンテンツAD11に対してeCPM「2.0」」、広告コンテンツAD21に対してeCPM「5.0」、広告コンテンツAD31に対してeCPM「3.5」、広告コンテンツAD41に対してeCPM「0.5」がそれぞれ算出される。
【0028】
そして、eCPMの高さに応じて広告コンテンツAD21に「1位」、広告コンテンツAD31に「2位」、広告コンテンツAD11に「3位」、広告コンテンツAD41に「4位」がそれぞれ付与される。
【0029】
また「1位」が付与された広告コンテンツAD21の広告主C2を例に挙げると、GSP方式により広告主C2への課金額単価として、広告コンテンツAD21の次順位(2位)の広告コンテンツAD31の広告主C3により設定された「50円」が算定される。つまり、GSP方式では、広告主C2が設定している入札価格「500円」より圧倒的に安い課金額単価が算定される。
【0030】
以上説明してきた例では、広告主C2が、GSP方式により次順位の広告主によって設定された課金額単価が自身への課金額単価として算定されることを見越して、支払いを自身が設定した入札価格よりも圧倒的に安く済むようにさせることに加えて、より良い位置に自身の広告コンテンツが表示されるように、他の広告主との入札価格競争が成立しないほどに高い入札価格をあえて設定していることが伺える。つまり、広告主C2は、GSP方式の特性を悪用しようとしている可能性がある。
【0031】
このように、GSP方式により算定された課金額単価に基づいて、課金が行われる場合、上記のように、GSPの特性を逆手に取って他の広告主に圧力をかけるとともに、低価格でより良い広告掲載位置を獲得できるような入札価格設定が行われるといった問題が起こる場合がある。また、このような問題では、正当に入札価格を設定している広告主から見れば、不満や不公平感が生じる。したがって、GSP方式では、必ずしも公平な広告配信を行うことができるとは限らない。
【0032】
そこで、実施形態にかかる情報処理装置200は、広告コンテンツの入稿元である広告主への課金額であって当該広告コンテンツとは異なる他のコンテンツに設定された入札価格に基づいて定まる課金額に関する実績情報に基づいて、当該広告コンテンツに設定される入札価格を調整する。なお、他のコンテンツに設定された入札価格に基づいて定まる課金額とは、例えば、GSP方式により算定される課金額である。また、情報処理装置200は、調整した入札価格に基づいて、配信対象の広告コンテンツを決定する。以下では、このような入札価格調整処理の一例について説明する。
【0033】
まず、ユーザU1が、端末装置10を用いて、所定の検索エンジンに検索クエリ「サッカー」を入力したとする。かかる場合、端末装置10は、検索クエリ「サッカー」に対応する検索結果ページの配信要求をコンテンツサーバ100に送信する。例えば、端末装置10は、検索クエリ「サッカー」を含む検索結果ページ配信要求をコンテンツサーバ100に送信する(ステップS1)。
【0034】
そして、図示しないがコンテンツサーバ100は、検索クエリ「サッカー」に対応するコンテンツを自装置内の記憶部や、連携する他の外部サーバから検索する。そして、コンテンツサーバ100は、検索したコンテンツ毎のタイトルやURLが検索結果として一覧表示される検索結果ページP1を生成する。
【0035】
ここで、検索結果ページP1について説明する。検索結果ページP1には、検索連動型広告が表示される広告枠F1と、検索結果が一覧表示される検索結果領域R1とが含まれる。
図1の例では、1つ広告枠F1は、スペースSP11〜SP13に分けられ、この3つのスペースそれぞれに配信対象の広告コンテンツが表示される。
【0036】
一般に、ユーザは、上から下へと目を通してゆく特性があるため、スペースSP11〜SP13のうち、最も上のスペースSP11に表示される広告コンテンツがユーザに閲覧されたりクリックされる可能性が高く、スペースSP12、SP13と下へ行くほどその可能性は低くなるといえる。したがって、広告主は、自身が入稿した広告コンテンツに入札価格を設定することにより、入札価格競争に参加し、より良い広告掲載位置(
図1の例では、スペースSP11)を勝ち取ろうとする。
【0037】
入札価格調整処理の説明に戻り、コンテンツサーバ100は、生成した検索結果ページP1を端末装置10に配信する(ステップS2)。
【0038】
端末装置10は、検索結果ページP1を受け付けると、検索結果ページP1に広告枠F1が含まれていることにより、広告配信要求を情報処理装置200に送信する(ステップS3)。例えば、端末装置10は、検索クエリ「サッカー」を含む広告配信要求を情報処理装置200に送信する。
【0039】
情報処理装置200は、端末装置10から広告配信要求を受信すると、広告情報記憶部221を参照し、広告配信要求に含まれる検索クエリ「サッカー」と、ターゲティング情報とのマッチングを行い、検索クエリ「サッカー」に一致する広告コンテンツを特定する(ステップS4)。
図1の例では、情報処理装置200は、検索クエリ「サッカー」に一致するターゲティング情報が設定されている広告コンテンツAD11〜AD51を特定する。また、このようにマッチングで特定した広告コンテンツを配信候補の広告コンテンツとする。
【0040】
次に、情報処理装置200は、ステップS4で特定した配信候補の広告コンテンツに対して順位付け(ランキング)を行う(ステップS5)。本実施形態では、情報処理装置200は、各広告コンテンツのeCPMに基づいて、各広告コンテンツに順位付けを行う。例えば、情報処理装置200は、eCPMが高い広告コンテンツほど高い順位を付与する。
図1の例では、情報処理装置200は、ステップS4で特定した広告コンテンツAD11〜AD51においてeCPMが高い順に応じて、広告コンテンツAD21「1位」、広告コンテンツAD31「2位」、広告コンテンツAD11「3位」、広告コンテンツAD41「4位」、広告コンテンツAD51「5位」を付与する。
【0041】
次に、情報処理装置200は、GSP方式を採用した場合における課金額単価を、配信候補の広告コンテンツに対応する広告主に対してに算定する(ステップS6)。GSP方式を採用した場合、情報処理装置200は、広告コンテンツAD21の広告主C2に対して課金額単価「50円」、広告コンテンツAD31の広告主C3に対して課金額単価「40円」、広告コンテンツAD11の広告主C1に対して課金額単価「10円」、広告コンテンツAD41の広告主C4に対して課金額単価「5円」を算定する。なお、以下では、GSP方式により算出される課金額単価を「GSP課金額単価」と表記する場合がある。
【0042】
ここで、上記GSP方式における問題点として説明したように、順位「1位」の広告コンテンツAD21の広告主C2の入札価格が「500円」であり、他の広告主の入札価格と比較して圧倒的に高い。したがって、広告主C2が、正当な入札価格を設定しているとは言い難い。にも拘らず、広告コンテンツAD21は、順位「1位」であることから、最も良い広告掲載位置といえるスペースSP11に表示される配信対象となり得るうえに、広告主C2への課金額単価は「50円」となり、当初の入札価格「500円」と比較して非常に安い課金額単価となってしまっている。
【0043】
したがって、情報処理装置200は、このようにGSP方式の特性を逆手にとって高額入札価格設定が行われることにより、より良い広告掲載位置が当初の入札価格と比較して非常に安い課金額単価(例えば、他の広告主(次順位の広告主)により設定されている正当な入札価格)で獲得されてしまうといった問題を回避するために、続けて、以下の入札価格調整処理を行う。
【0044】
具体的には、情報処理装置200は、入札価格を調整する調整対象となる広告コンテンツの広告主への課金額であって当該広告コンテンツとは異なる他の広告コンテンツに設定された入札価格に基づいて定まる課金額に関する実績情報に基づいて、当該コンテンツに設定される入札価格を調整する(ステップS7)。さらに具体的には、情報処理装置200は、調整対象となる広告コンテンツが表示される媒体において、過去に当該広告コンテンツが表示されることにより当該広告コンテンツの広告主に対して算定された課金額に関する実績情報に基づいて、当該広告コンテンツに設定される入札価格を調整する。
【0045】
なお、他の広告コンテンツに設定された入札価格に基づいて定まる課金額とは、例えば、GSP方式で定まる課金額単価である。したがって、本実施形態では、情報処理装置200は、課金額に関する実績情報として、調整対象となる広告コンテンツの広告主に対して過去にGSP方式で算定された課金額単価の平均値である平均課金額を用いる。また、調整対象となる広告コンテンツとは、
図1の例では、ステップS6においてGSP課金額単価が算定された広告コンテンツAD11〜AD41である。また、調整対象となる広告コンテンツが表示される媒体とは、
図1の例では、検索クエリ「サッカー」に対応する検索結果ページP1である。
【0046】
さて、入札価格調整処理について、広告コンテンツAD21を例に説明する。例えば、情報処理装置200は、検索クエリ「サッカー」に対応する検索結果ページP1において、過去に広告コンテンツAD21が表示されることにより(配信対象となることにより)、広告コンテンツAD21の広告主C2に対して算定された課金額に関する実績情報を、後述する配信ログ情報記憶部222から取得する。このとき、過去の期間をどのように設定するかは、任意であってよい。
【0047】
そして、情報処理装置200は、取得した実績情報に含まれる課金額であってGSP方式で広告主C2に対して算定された課金額単価を平均することにより平均課金額を算出する。ここでは、情報処理装置200は、平均課金額「50円」を算定したものとする。続いて、情報処理装置200は、算定した平均課金額「50円」、および、現在広告コンテンツAD21に対して設定されている入札価格「500円」に対して、所定の重み付けを行う。
【0048】
例えば、情報処理装置200は、調整後の入札価格が、平均課金額「50円」、および、入札価格「500円」の影響を所定の割合で受けたものとなるように、平均課金額「50円」、および、入札価格「500円」それぞれに所定の重み付けを行う。例えば、情報処理装置200は、平均課金額「50円」、および、入札価格「500円」それぞれに重み係数「0.5」を乗じるといった重み付けを行う。このような重み付けにより、情報処理装置200は、平均課金額「25円」、および、入札価格「250円」を算出する。
【0049】
そして、情報処理装置200は、広告コンテンツAD21の広告主C2に対する過去の平均課金額「25円」、および、入札価格「250円」を足し合わせることにより「275円」を算定する。
【0050】
すなわち、情報処理装置200は、広告コンテンツAD21の広告主C2に対する過去の課金額の平均値「50円」、および、現在広告コンテンツAD21に対して設定されている入札価格「500円」それぞれに対して、バランス調整の重み付けを行う。そして、情報処理装置200は、重み付けした値を足し合わせることで、入札価格「275円」を算定するする。言い換えれば、情報処理装置200は、広告コンテンツAD21に対応する課金額の実績情報と、広告主C2により広告コンテンツAD21に対して設定される入札価格とを用いて、広告コンテンツAD21に対して設定される入札価格を「275円」へと調整する。また、情報処理装置200は、調整対象の広告コンテンツAD11、AD31、AD41についても同様にして、それぞれの広告主に設定されている入札価格を調整する。なお、上記のように調整された調整後の入札価格を「nBid価格」と表記する場合がある。
【0051】
次に、情報処理装置200は、nBid価格に基づいて、調整対象となった広告コンテンツAD11〜AD41それぞれに順位付けを行う(ステップS8)。例えば、情報処理装置200は、広告コンテンツAD11〜AD41それぞれについて、nBid価格とCTRとを乗じることによりeCPMを算出する。そして、情報処理装置200は、算出したeCPMの大きさに応じた順位付けを行う。例えば、情報処理装置200は、eCPMが大きい広告コンテンツほど、高い順位を付与する。
【0052】
図1の例では、情報処理装置200は、広告コンテンツAD21の広告主C2について調整したnBid価格「275円」と、広告コンテンツAD21のCTR「0.01」とを乗じることにより、広告コンテンツAD21に対してeCPM「2.75」を算出する。また、情報処理装置200は、同様にして、広告コンテンツAD11に対してeCPM「1.25」を算出する。また、情報処理装置200は、広告コンテンツAD31に対してeCPM「3.15」を算出する。また、情報処理装置200は、広告コンテンツAD41に対してeCPM「0.38」を算出する。
【0053】
上記のようにeCPMを算出したことで、情報処理装置200は、
図1に示すように、広告コンテンツAD31に「1位」、広告コンテンツAD21に「2位」、広告コンテンツAD11に「3位」、広告コンテンツAD41に「4位」、を付与する。また、このように付与した順位を最終順位として、情報処理装置200は、最終順位に基づいて、配信対象の広告コンテンツを決定する(ステップS9)。
図1の例では、情報処理装置200は、検索結果ページP1のスペースSP11〜SP13それぞれに表示される広告コンテンツを決定する。
【0054】
例えば、情報処理装置200は、最終順位が高い広告コンテンツほど、スペースSP11〜SP13のうち、よりユーザにより閲覧され易いスペースに表示されるように、配信対象の広告コンテンツを決定する。したがって、情報処理装置200は、最終順位「1位」の広告コンテンツAD31を、スペースSP11に表示される配信対象の広告コンテンツとして決定する。また、情報処理装置200は、最終順位「2位」の広告コンテンツAD21を、スペースSP12に表示される配信対象の広告コンテンツとして決定する。また、情報処理装置200は、最終順位「3位」の広告コンテンツAD11を、スペースSP13に表示される配信対象の広告コンテンツとして決定する。
【0055】
次に、情報処理装置200は、GSP方式を用いて、ステップS9で決定した配信対象の広告コンテンツそれぞれの広告主へのGSP課金額単価を再計算する(ステップS10)。
図1の例では、情報処理装置200は、広告コンテンツAD31の広告主C3へのGSP課金額単価「50円」を算定する。また、情報処理装置200は、広告コンテンツAD21の広告主C2へのGSP課金額単価「40円」、広告コンテンツAD11の広告主C1へのGSP課金額単価「10円」を算定する。
【0056】
なお、広告コンテンツAD31の広告主C3へのGSP課金額単価が「500円」でないのは、GSP方式では、広告主により設定された入札価格より高い課金額単価を請求することができないといった制限があるためである。
【0057】
最後に、情報処理装置200は、配信対象の広告コンテンツAD31、AD21、AD11を端末装置10に配信する(ステップS11)。例えば、情報処理装置200は、順位「1位」の広告コンテンツAD31をスペースSP11に、順位「2位」の広告コンテンツAD21をスペースSP12に、順位「3位」の広告コンテンツAD11をスペースSP13に表示させるように、これら配信対象の広告コンテンツを端末装置10に配信する。
【0058】
以上説明してきたように、実施形態にかかる情報処理装置200は、GSP方式で定まる課金額単価の実績情報から、平均課金額を算定する。そして、情報処理装置200は、算定した平均課金額を用いて、現時点で広告主に設定されている入札価格を調整し、調整後の入札価格を用いて算出したeCPMに基づいて、入札価格調整対象となった広告コンテンツに順位付けを行う。そして、情報処理装置200は、付与した順位に基づいて、配信対象の広告コンテンツを決定する。
【0059】
このような課金額調整処理により、情報処理装置200は、正当な入札価格を設定せず意図的に高額な入札価格を設定している広告主の広告コンテンツばかりに高順位が付与されてしまうことで、より良い広告掲載位置に表示されてしまうことを防止することができる。例えば、
図1で説明したように、情報処理装置200は、課金額調整処理により、GSP方式だけでは、順位「1位」が付与されてしまう広告主C2の広告コンテンツAD21の順位よりも、正当な入札価格を設定している広告主(例えば、広告主C3)の広告コンテンツの順位を高めることができる。したがって、情報処理装置200は、配信対象のコンテンツをより公平に決定することができる。
【0060】
また、情報処理装置200は、GSP課金額単価における実績情報から求めた平均課金額、および、現在設定されている入札価格の両方を用いて、現在設定されている入札価格を調整するため、GSP方式のみを採用して付与した順位と比較して、極端に順位が入れ替わってしまうことを防止することができる。また、情報処理装置200は、広告主による入札戦略にも対応することができる。
【0061】
〔2.情報処理装置の構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態にかかる情報処理装置200の構成について説明する。
図2は、実施形態にかかる情報処理装置200の構成例を示す図である。
図2に示すように、情報処理装置200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを有する。
【0062】
通信部210は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部210は、ネットワークと有線または無線で接続され、端末装置10、コンテンツサーバ100との間で情報の送受信を行う。
【0063】
記憶部220は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図2に示すように、記憶部220は、広告情報記憶部221と、配信ログ情報記憶部222とを有する。
【0064】
(広告情報記憶部221について)
広告情報記憶部221は、広告コンテンツおよび広告主による設定に関する各種情報、さらに、広告コンテンツが配信やクリックされたことによる実績情報等を記憶する。ここで、
図3は、実施形態にかかる広告情報記憶部221の一例を示す図である。
図3の例では、広告情報記憶部221は、「広告主ID」、「広告ID」、「広告コンテンツ」、「入札価格」、「ターゲティング情報」、「CTR」、「eCPM」といった項目を有する。
【0065】
「広告主ID」は、広告主または広告主によって広告コンテンツ入稿等に利用される広告主端末を識別するための識別情報を示す。
図1では、図示していないが、実施形態にかかるシステム1には、この広告主端末も含まれてよい。「広告ID」は、広告コンテンツを識別するための識別情報を示す。なお、既に
図1の説明でも示しているが、本実施形態では、広告主および広告コンテンツを区別して表記する場合、「広告主ID」および「広告ID」を用いる場合がある。例えば、広告主ID「C1」によって識別される広告主を広告主C1と表記する。また、例えば、広告ID「AD11」によって識別される広告コンテンツを広告コンテンツAD11と表記する。
【0066】
「広告コンテンツ」は、入稿された広告コンテンツ、すなわち広告コンテンツのデータを示す。
図3の例では、「広告コンテンツ」として、例えば、「DA11」といった概念的な記号を用いているが、実際には、テキスト、画像、動画、URLまたはこれらの格納場所を示すファイルパス名等である。
【0067】
「入札価格」は、広告主が広告コンテンツを入稿する際に指定する広告料金を示す。例えば、「入札価格」は、広告コンテンツがユーザに1回選択(例えば、タップ操作、クリック操作等)された際に、情報処理装置200が広告主に対して請求する課金額の単価である課金額単価を算定する際に用いられる。また、「入札価格」は、広告主が支払い可能な課金額単価の上限を示す。
【0068】
「ターゲティング情報」は、所定の情報とマッチする広告コンテンツを特定するための条件情報を示す。本実施形態では、「ターゲティング情報」は、ユーザによって入力された検索クエリとマッチ(完全一致、部分一致)する広告コンテンツを特定するために用いられる条件情報であるものとする。しかし、これに限らず、「ターゲティング情報」は、ユーザの属性情報とマッチする広告コンテンツを特定するために用いられる条件情報であってもよい。かかる場合、「ターゲティング情報」として、ユーザの属性情報を示す情報(例えば、20代女性等)が指定される。なお、「ターゲティング情報」は、広告主が広告コンテンツを入稿する際に指定する。
【0069】
「CTR」は、広告コンテンツがクリックされた回数を広告コンテンツの表示回数によって除算した値を示す。なお、端末装置10に配信されたことがない広告コンテンツのCTRには、予め決められている固定値や、広告情報記憶部221に格納されている全ての広告コンテンツにおけるCTRの平均値や、同一の広告カテゴリ(例えば、車、旅行)に属する全ての広告コンテンツにおけるCTRの平均値等が記憶される。また、「CTR」には、CTR予測モデル等から予測される予測CTRが記憶されてもよい。このような予測CTRは、例えば、広告コンテンツの種別や、広告コンテンツが表示されるウェブページの種別等によって予測される。
【0070】
eCPMは、広告コンテンツが表示されることにより期待される収益期待値であり、広告コンテンツの評価値として用いられる。例えば、eCPMは、入札価格とCTRとを乗じることにより算出される。
【0071】
すなわち、
図3の例では、広告主ID「C1」によって識別される広告主が、広告ID「AD11」によって識別される広告コンテンツのデータとして、広告コンテンツ「DA11」を入稿するとともに、かかる広告コンテンツに対して入札価格「40円」、ターゲティング情報「サッカー」を指定している例を示す。また、広告コンテンツAD11のCTRが「0.05」、eCPMが「2.0」である例を示す。
【0072】
(配信ログ情報記憶部222について)
配信ログ情報記憶部222は、広告配信における履歴情報を記憶する記憶部である。ここで、
図4は、実施形態にかかる配信ログ情報記憶部222の一例を示す図である。
図4の例では、配信ログ情報記憶部222は、「端末ID」、「配信日時」、「表示媒体」、「広告主ID」、「広告ID」、「表示位置」、「GSP課金額単価」といった項目を有する。
【0073】
「端末ID」は、ユーザまたはユーザによって利用される端末装置10を識別するための識別情報を示す。「配信日時」は、対応する「広告ID」によって識別される広告コンテンツが端末装置10に配信された日時を示す。
【0074】
「表示媒体」は、、対応する「広告ID」によって識別される広告コンテンツが表示されたコンテンツ(例えば、検索結果ページ)がどのようなコンテンツであるかを示す。例えば、
図4に示すように、「サッカー」が登録されている「表示媒体」は、検索クエリ「サッカー」に対応する検索結果が一覧表示される検索結果ページを示す。
【0075】
「広告主ID」は、広告主または広告主によって広告コンテンツ入稿等に利用される広告主端末を識別するための識別情報を示す。「広告ID」は、広告コンテンツを識別するための識別情報を示す。
【0076】
「表示位置」は、対応する「広告ID」によって識別される広告コンテンツがコンテンツ(例えば、検索結果ページ)において、どのような位置に表示されたかを示す。「GSP課金額単価」は、GSP方式を用いて算定された課金額単価を示す。
【0077】
すなわち、
図4の例では、端末ID「U1」によって識別される端末装置10から送信された広告配信要求に応じて、検索クエリ「サッカー」に対応する検索結果ページに表示される対象の広告コンテンツAD21、AD31、AD11が、「2016年10月12日」に配信された例を示す。また、このとき、例えば、広告コンテンツAD21は、かかる検索結果ページに含まれる広告表示位置であるスペースSP11に表示されるものと決定されるとともに、広告コンテンツAD21の広告主C2へのGSP課金額単価「50円」が算定された例を示す。
【0078】
図2に戻り、制御部230は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部230は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0079】
図2に示すように、制御部230は、入稿受付部231と、受信部232と、特定部233と、算定部234と、調整部235と、決定部236と、配信部237とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。制御部230の内部構成は、
図2に示した情報に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部230が有する各処理部の接続関係は、
図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0080】
(入稿受付部231について)
入稿受付部231は、広告主から広告コンテンツの入稿を受け付け、受け付けた広告コンテンツを広告情報記憶部221に格納する。具体的には、入稿受付部231は、広告主による入札価格の指定とともに広告コンテンツの入稿を受け付けると、広告主IDと広告IDとを払い出す。そして、入稿受付部231は、広告主IDおよび広告IDに対応付けて、入札価格、広告コンテンツを広告情報記憶部221に格納する。
【0081】
(受信部232について)
受信部232は、端末装置10から広告コンテンツの配信要求を受信する。例えば、受信部232は、ユーザによって指定された検索クエリを含む配信要求を受信する。また、受信部232は、受信した配信要求に含まれる検索クエリを特定部233へ出力する。
【0082】
(特定部233について)
特定部233は、受信部232によって広告配信要求が受信されたことに応じて、所定の広告コンテンツを特定する。例えば、特定部233は、広告配信要求に含まれる検索クエリに対応する広告コンテンツである配信候補の広告コンテンツを特定する。具体的には、特定部233は、受信部232によって広告配信要求が受信されると、広告情報記憶部221を参照し、検索クエリとターゲティング情報とのマッチングを行い、検索クエリに一致するターゲティング情報が対応付けられている広告コンテンツを特定する。なお、特定部233は、ターゲティング情報としてユーザの属性情報が指定されている場合、検索クエリを入力したユーザの属性情報と、指定されている属性情報とのマッチングをさらに行ってもよい。
【0083】
特定部233による特定処理について
図1の例を用いて説明する。まず、受信部232によって検索クエリ「サッカー」を含む広告配信要求が受信されたものとする。かかる場合、特定部233は、広告情報記憶部221を参照し、検索クエリ「サッカー」と、ターゲティング情報とのマッチングを行う。これにより、特定部233は、検索クエリ「サッカー」に一致するターゲティング情報が設定されている広告コンテンツAD11〜AD51を配信候補の広告コンテンツとして特定する。
【0084】
(算定部234について)
算定部234は、広告主への課金額単価を算定する。具体的には、算定部234は、対象とする広告コンテンツの入稿元への課金額を算定する場合、当該広告コンテンツとは異なる他の広告コンテンツに設定された入札価格に基づいて定まる課金額を算定する。例えば、算定部234は、GSP方式を用いて、特定部233により特定された配信候補の広告コンテンツの入稿元である広告主へのGSP課金額単価を算定する。この点について、
図1の例を用いて説明する。
【0085】
まず、算定部234は、特定部233により特定された配信候補の広告コンテンツAD11〜AD51それぞれについてeCPMを算出する。
図1の例では、広告コンテンツAD21には、入札価格「500円」が設定されているとともに、CTR「0.01」であることから、算定部234は、入札価格「500円」と、CTR「0.01」とを乗じて、eCPM「5.0」を算出する。また、算定部234は、他の配信候補の広告コンテンツについても同様にしてeCPMを算出する。
【0086】
次に、算定部234は、算出したeCPMに基づいて、配信候補の広告コンテンツに対して順位付けを行う。例えば、算定部234は、eCPMが高い広告コンテンツほど高い順位を付与する。したがって、算定部234は、eCPMが高い順に応じて、広告コンテンツAD21「1位」、広告コンテンツAD31「2位」、広告コンテンツAD11「3位」、広告コンテンツAD41「4位」、広告コンテンツAD51「5位」を付与する。
【0087】
そして、算定部234は、付与した順位に従って、配信候補の広告コンテンツへのGSP課金額単価を算定する。例えば、算定部234は、順位「1位」を付与した広告コンテンツAD21の広告主C2に対しては、順位「2位」を付与した広告コンテンツAD31の広告主C3により設定されている入札価格「50」をGSP課金額単価として算定する。また、算定部234は、順位「2位」を付与した広告コンテンツAD31の広告主C3に対しては、順位「3位」を付与した広告コンテンツAD11の広告主C1により設定されている入札価格「40」をGSP課金額単価として算定する。
【0088】
なお、算定部234は、このような調整前の入札価格に基づく順位付け、および、GSP課金額単価の算定を必ずしも行う必要はない。つまり、算定部234は、調整部235により入札価格が調整された後に、調整された入札価格に基き付与した順位を用いて、GSP課金額単価を算定するだけでもよい。
【0089】
また、算定部234は、対象とする広告コンテンツとは異なる他の広告コンテンツに設定された入札価格に基づいて定まる課金額が、対象とする広告コンテンツの入稿元によって指定される入札価格よりも高い場合には、この入稿元によって指定される入札価格をこの入稿元への課金額として算定する。この点について、
図1のステップS9の例を用いて説明す。
【0090】
本来であれば、算定部234は、調整後の入札価格に基づき付与した順位を用いて、GSP方式により、例えば、広告コンテンツAD31の広告主C3へのGSP課金額単価として「500円」を算定する。しかし、広告主C3は、入札価格「50円」を設定しており、これは、広告主C3が支払い可能な課金額単価の上限が「50円」であることを示す。したがって、算定部234は、広告主C3に対して課金額単価「500円」を算定するのではなく、「50円」を算定する。
【0091】
(調整部235について)
調整部235は、入札価格を調整する調整対象となる広告コンテンツの広告主への課金額に関する実績情報を取得する。具体的には、調整部235は、入札価格を調整する調整対象となる広告コンテンツの広告主への課金額であって当該広告コンテンツとは異なる他の広告コンテンツに設定された入札価格に基づいて定まる課金額に関する実績情報を取得する。そして、調整部235は、取得した実績情報に基づいて、当該コンテンツに設定される入札価格を調整する。さらに具体的には、調整部235は、調整対象となる広告コンテンツが表示される媒体において、過去に当該広告コンテンツが表示されることにより広告主に対して算出された課金額に関する実績情報を取得する。そして、調整部235は、取得した実績情報に基づいて、当該広告コンテンツに設定される入札価格を調整する。したがって、調整部235は、取得部に相当する処理部でもある。
【0092】
ここで、他の広告コンテンツに設定された入札価格に基づいて定まる課金額とは、例えば、GSP方式で定まる課金額単価である。したがって、調整部235は、課金額に関する実績情報として、調整対象となる広告コンテンツの広告主に対して過去にGSP方式で算定された課金額単価の平均値である平均課金額を用いる。なお、GSP方式で定まる課金額単価とは、入札価格に基づいて定まる順位であって広告配信の優先度を示す順位のうち、調整対象となる広告コンテンツの順位より低い順位(例えば、次順位)の広告コンテンツに設定された入札価格に基づいて定まる課金額であって調整対象となっている広告コンテンツの広告主に対する課金額である。
【0093】
また、調整対象となる広告コンテンツとは、特定部233によって特定された配信候補の広告コンテンツである。また、調整対象となる広告コンテンツが表示される媒体とは、例えば、検索クエリに対応する検索結果ページである。
【0094】
ここで、調整部235による上記のような入札価格調整処理は、以下の式(1)で表すことができる。つまり、調整部235は、以下の式(1)を用いて、広告配信要求が受信された現時点において、配信候補の広告コンテンツの広告主により設定されている入札価格を調整する。
【0095】
【数1】
ここで、式(1)のうち、「nBid」は、調整後の入札価格を示す。「src」は、所定の検索クエリに対応する検索結果ページを示す。「ad」は、検索結果ページ「src」に対する配信候補の広告コンテンツを示す。「i」は、検索結果ページ「src」に対する配信候補の広告コンテンツ「ad」に含まれる各配信候補の広告コンテンツであって、入札価格を調整する対象となっている特定の1つの広告コンテンツを示す。また、「CPC
i」は、広告コンテンツ「i」の広告主に対して、過去に算定された課金額を示す。「Bid」は、現在、広告コンテンツ「i」に対して設定されている入札価格を示す。
【0096】
「N」は、検索結果ページ「src」において、過去に広告コンテンツ「i」が表示されることにより、広告コンテンツ「i」の広告主に対して算出された課金額から平均課金額を算定する際に用いられる課金額の数(実績数)を示す。「α」は、調整後の入札価格が、平均課金額および現在設定されている入札価格それぞれをどのようなバランスで影響を受けた値とするかといったバランス調整を行うための重み係数を示す。本実施形態では、「α=0.5」とするが、「1」より小さい値であれば、いずれの値が重み係数として設定されてもよい。なお、式(1)の右辺における第1項が、重み付けされた平均課金額を示す。
【0097】
このように、調整部235は、第1の重み係数である「α」を付与された平均課金額と、第2の重み係数である「1−α」が付与された入札価格であって広告コンテンツ「i」の広告主により現在設定されている入札価格とを値を足し合わせることで、広告コンテンツ「i」に設定される入札価格を調整する。
【0098】
さて、ここからは
図5を用いて、調整部235による入札価格調整処理の一例を示す。
図5は、入札価格調整処理を説明するための概念図である。なお、
図5に示す概念図は、
図1で示したものと同様である。つまり、
図5(a)は、配信候補の広告コンテンツAD11〜AD51が順位付けされることにより、GSP課金額単価が算定されている例を示す。
【0099】
ここでは、広告コンテンツAD21を例に用いて、入札価格調整処理について説明する。かかる例では、検索結果ページP1が、上記式(1)の検索結果ページ「src」に相当する。また、配信候補の広告コンテンツAD11〜AD51が、広告コンテンツ「ad」に相当する。また、広告コンテンツAD21が、広告コンテンツ「i」に相当する。
【0100】
まず、調整部235は、検索クエリ「サッカー」に対応する検索結果ページP1において、過去に広告コンテンツAD21が表示されることにより(配信対象となることにより)、広告コンテンツAD21の広告主C2に対して算出された課金額を配信ログ情報記憶部222から「N個」取得する。この取得された「N個」の課金額のうち、1つの課金額が、上記式(1)における「CPC
i」に相当する。
【0101】
そして、調整部235は、広告コンテンツAD21に対応する課金額の実績情報から、平均課金額を算定する。ここでは、調整部235は、平均課金額「50円」を算定したものとする。続いて、調整部235は、算定した平均課金額「50円」、および、現在広告コンテンツAD21に対して設定されている入札価格「500円」に対して、所定の重み付けを行う。すなわち、調整部235は、上記式(1)に従い、重み係数「0.5」を、平均課金額「50円」、および、入札価格「500円」それぞれに乗じるといった重み付けを行う。このような重み付けにより、調整部235は、重み付け後の平均課金額「25円」、および、重み付け後の入札価格「250円」を算出する。
【0102】
そして、調整部235は、上記式(1)に従い、重み付けした平均課金額「25円」、および、重み付けした入札価格「250円」を足し合わせることにより「275円」を算定する。このように、調整部235は、広告コンテンツAD21の広告主C2に対する過去の課金額の平均値「50円」、および、現在広告コンテンツAD21に対して設定されている入札価格「500円」それぞれに対して、バランス調整の重み付けを行う。そして、調整部235は、重み付けした値を足し合わせることで、入札価格「275円」を算定する。つまり、調整部235は、
図5(b)に示すように、nBid価格「275円」を算定する。言い換えれば、調整部235は、広告コンテンツAD21に対応する課金額の実績情報と、広告主C2により広告コンテンツAD21に対して設定される入札価格とを用いて、広告コンテンツAD21に対して設定される入札価格を「275円」として調整する。また、調整部235は、調整対象の広告コンテンツAD11、AD31、AD41についても同様にして、それぞれの広告主に設定されている入札価格を調整する。
【0103】
(決定部236について)
決定部236は、調整部235により調整された入札価格に基づいて、配信対象の広告コンテンツを決定する。例えば、決定部236は、調整部235により調整された入札価格と、当該入札価格に対応する広告コンテンツが選択される確率を示す確率情報とから算出される評価値(eCPM)に基づいて、配信対象の広告コンテンツを決定する。
【0104】
図5(b)の例では、決定部236は、入札価格を調整した広告コンテンツAD11〜AD41それぞれについて、nBid価格とCTRとを乗じることによりeCPMを算出する。そして、決定部236は、算出したeCPMの大きさに応じた順位付けを行う。例えば、決定部236は、eCPMが大きい広告コンテンツほど、高い順位を付与する。
【0105】
図5(b)に示すように、決定部236は、広告コンテンツAD21の広告主C2について調整したnBid価格「275円」と、広告コンテンツAD21のCTR「0.01」とを乗じることにより、広告コンテンツAD21に対してeCPM「2.75」を算出する。また、決定部236は、同様にして、広告コンテンツAD11に対してeCPM「1.25」を算出する。また、決定部236は、広告コンテンツAD31に対してeCPM「3.15」を算出する。また、決定部236は、広告コンテンツAD41に対してeCPM「0.38」を算出する。
【0106】
決定部236は、
図5(b)に示すように、広告コンテンツAD31に「1位」、広告コンテンツAD21に「2位」、広告コンテンツAD11に「3位」、広告コンテンツAD41に「4位」、を付与する。また、このように付与した順位を最終順位として、決定部236は、最終順位に基づいて、配信対象の広告コンテンツを決定する。
【0107】
例えば、決定部236は、最終順位が高い広告コンテンツほど、スペースSP11〜SP13のうち、よりユーザにより閲覧され易いスペースに表示されるように、配信対象の広告コンテンツを決定する。したがって、決定部236は、最終順位「1位」の広告コンテンツAD31を、スペースSP11に表示される配信対象の広告コンテンツとして決定する。また、決定部236は、最終順位「2位」の広告コンテンツAD21を、スペースSP12に表示される配信対象の広告コンテンツとして決定する。また、決定部236は、最終順位「3位」の広告コンテンツAD11を、スペースSP13に表示される配信対象の広告コンテンツとして決定する。
【0108】
なお、算定部234は、決定部236によって付与された最終順位を用いて、配信対象の広告コンテンツAD31、AD21、AD11の広告主へのGSP課金額単価を算定してよい。
【0109】
(配信部237について)
配信部237は、配信対象の広告コンテンツを広告配信要求を送信した端末装置10に配信する。例えば、配信部237は、広告コンテンツAD31に順位「1位」、広告コンテンツAD21に順位「2位」、広告コンテンツAD11に順位「3位」をそれぞれ対応付けて、これら配信対象の広告コンテンツを端末装置10に配信する。これにより、端末装置10によって、広告枠F1のスペースSP11に広告コンテンツAD31、スペースSP12に広告コンテンツAD21、スペースSP31に広告コンテンツAD11が配置された検索結果ページP1が表示される。
【0110】
なお、配信部237は、広告配信により配信実績が蓄積されると、配信実績を用いてCTRやeCPMの算出も行ってよい。また、かかる場合、配信部237は、算出したCTRやeCPMを広告情報記憶部221に格納する。
【0111】
〔3.処理手順〕
次に、
図6を用いて、実施形態にかかる情報処理装置200が実行する入札価格調整処理を含む配信処理の手順について説明する。
図6は、実施形態にかかる入札価格調整処理を含む配信処理の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、情報処理装置200は、既に広告主から広告コンテンツの入稿や、広告コンテンツに対する各種設定を受け付けているものとする。
【0112】
まず、情報処理装置200の受信部232は、端末装置10から広告配信要求を受信したか否かを判定する(ステップS101)。受信部232は、広告配信要求を受信していない場合には(ステップS101;No)、受信するまで待機する。一方、受信部232により広告配信要求が受信された場合には(ステップS101;Yes)、特定部233は、広告配信要求に含まれる検索クエリとターゲティング情報とのマッチングを行うことにより、広告コンテンツを絞り込む(ステップS102)。つまり、特定部233は、配信候補の広告コンテンツを特定する。
【0113】
次に、算定部234は、配信候補の広告コンテンツに対して順位付けを行う(ステップS103)。例えば、算定部234は、配信候補の広告コンテンツそれぞれについてeCPMを算出し、算出したeCPMの大きさに応じた順位付けを行う。なお、算定部234は、配信候補の広告コンテンツそれぞれについて設定される入札価格に基づいて、順位付けを行ってもよい。
【0114】
次に、算定部234は、ステップS103で付与した順位に対してGSP方式を採用し、配信候補の広告コンテンツそれぞれの広告主へのGSP課金額単価を算定する(ステップS104)。そして、調整部235は、配信候補の広告コンテンツそれぞれに対して入札価格調整処理を行う。なお、算定部234は、必ずしもステップS103およびS104を行う必要はない。例えば、ステップS102において配信候補の広告コンテンツが特定されると、ステップS103およびステップS104を省略して、調整部235は、入札価格調整処理を行ってよい。また、ステップS103およびS104が行われる場合、算定部234は、ここで算定したGSP課金額単価を実績情報として配信ログ情報記憶部222に格納してもよい。
【0115】
次に、調整部235は、配信候補の広告コンテンツそれぞれに対して入札価格調整処理を実行する(ステップS105)。例えば、調整部235は、配信ログ情報記憶部222から取得した課金額の実績情報を上記式(1)に適用し、広告配信要求が受信された現時点において、配信候補の広告コンテンツそれぞれの入札価格を調整する。
【0116】
入札価格が調整された後、決定部236は、調整後の入札価格であるnBid価格に基づいて、入札価格を調整した配信候補の広告コンテンツに順位付けを行う(ステップS106)。例えば、決定部236は、nBid価格とCTRとを乗じて算出したeCPMの大きさに応じた順位(最終順位)を付与する。そして、決定部236は、付与した順位に基づいて、配信対象の広告コンテンツを決定する(ステップS107)。
【0117】
また、算定部234は、決定部236により付与されたnBid価格に基づく順位をGSP方式に適用し、ステップS107で決定された配信対象の広告コンテンツの広告主へのGSP課金額単価を算定する(ステップS108)。
【0118】
最後に、配信部237は、ステップS107で決定された配信対象の広告コンテンツを広告配信要求送信元の端末装置10へ配信する(ステップS109)。
【0119】
〔4.変形例〕
上述した実施形態は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態で実施されてよい。そこで、以下では、他の実施形態について説明する。
【0120】
〔4−1.平均課金額算定のバリエーション(1)〕
上記実施形態では、調整部235が、入札価格を調整する調整対象の広告コンテンツ単位で平均課金額を算定する例を示した。具体的には、調整部235が、調整対象の広告コンテンツが表示される媒体において、過去にその広告コンテンツが表示されることにより広告主に対して算出された課金額の平均値である平均課金額を算定する例を示した。ここで、一般的に平均値は、対象となるサンプルが多いほど精度が高くなる。
【0121】
したがって、調整部235は、調整対象の広告コンテンツの実績情報の数が平均課金額を算出するうえで不足している場合には、調整対象の広告コンテンツ単位から、所定の単位へと実績情報を取得する範囲を広げることで、平均課金額の精度を高めてよい。例えば、調整部235は、調整対象の広告コンテンツ単位から、広告主単位へと範囲を広げることで、平均課金額を算定する。
【0122】
この点について説明する。例えば、調整対象の広告コンテンツAD21が表示される媒体(例えば、検索結果ページP1)において、過去に広告コンテンツAD21が表示されることにより広告主C2に対して算出された課金額の数が所定数より少ない場合を想定する。また、広告主C2は、これまでに広告コンテンツAD21とは異なる広告コンテンツAD21xの入稿および配信設定を行っていたものとする。
【0123】
かかる場合、調整部235は、検索結果ページP1において、過去に広告コンテンツAD21xが表示されることにより広告主C2に対して算出された課金額も配信ログ情報記憶部222から取得する。そして、調整部235は、検索結果ページP1において、過去に広告コンテンツAD21が表示されることにより広告主C2に対して算出された課金額、および、過去に広告コンテンツAD21xが表示されることにより広告主C2に対して算出された課金額を用いて、平均課金額を算定する。また、調整部235は、このように算定した平均課金額を用いて、広告コンテンツAD21に設定される入札価格を調整する。
【0124】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置200は、平均課金額の精度を高めることができるため、入札価格調整処理を高精度に行うことができる。
【0125】
〔4−2.平均課金額算定のバリエーション(2)〕
上記変形例4−1では、実績情報を取得する範囲を広げることで実績情報の数を多くする例を示したが、これとは逆に、調整部235は、実績情報を取得する範囲を狭めてもよい。例えば、調整部235は、検索結果ページP1の広告枠F1に含まれる所定のスペース(例えば、スペースSP11等)において、過去に広告コンテンツAD21が表示されることにより広告主C2に対して算出された課金額を取得する。また、調整部235は、このように算定した平均課金額を用いて、広告コンテンツAD21に設定される入札価格を調整する。
【0126】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置200は、平均課金額を算定する際に用いる課金額を絞り込むことができるため、より限定的な平均課金額を算定することができる。
【0127】
〔4−3.入札価格調整処理を行うか否か判定〕
調整部235は、広告配信要求が受信された現時点において広告主により設定されている入札価格と、課金額の実績情報とを比較して両者の値が所定の関係にある場合に、上述した入札価格調整処理を行ってもよい。例えば、調整部235は、現時点の入札価格と、課金額の実績情報から算出した平均課金額とを比較して、平均課金額に対して現時点での入札価格が所定値以上である場合には、上記式(1)を用いて、入札価格を調整する。
【0128】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置200は、GSP方式を悪用しようとしている可能性の高い広告主を高精度に特定し、特定できたタイミングにおいて調整処理を行うことができる。
【0129】
〔4−4.重み係数について〕
上記実施形態では、調整部235が、第1の重み係数「α」と第2の重み係数「1−α」とが同値になるように、第1の重み係数「α」を「0.5」として調整処理を行う例を示した。しかし、調整部235は、調整処理対象の広告コンテンツに対応する実績情報(平均課金額)と調整処理対象の広告コンテンツに対して広告主が設定している入札価格とが乖離しているほど高くなる第1の重み係数が付された当該実績情報と、調整処理対象の広告コンテンツに対応する実績情報(平均課金額)と調整処理対象の広告コンテンツに対して広告主が設定している入札価格とが乖離しているほど小さくなる第2の重み係数が付された当該入札価格を用いて、この広告コンテンツに設定される入札価格を調整してもよい。
【0130】
例えば、調整部235は、平均課金額と入札価格との乖離度が所定値より高くなることに応じて、第1の重み係数「α」の値を「0.5」より大きく設定することで、平均課金額と入札価格との乖離度が所定値より高くなることに応じて、第2の重み係数「1−α」の値が「0.5」から小さくなるように設定する。そして、調整部235は、このように設定した各重み係数を上記式(1)に適用することで、入札価格を調整する。
【0131】
乖離度が所定値より高いということは、広告主がGSP方式の特性を悪用としていることを示唆している。したがって、かかる場合、情報処理装置200は、実績情報に基づく平均課金額がより強く影響された入札価格を調整することができることができるため、このような入札価格を用いて配信対象の広告コンテンツに対して公平に順位付けすることができる。
【0132】
また、調整部235は、例えば、平均課金額と入札価格との乖離度が所定値より低くなることに応じて、第1の重み係数「α」の値を「0.5」より小さく設定することで、平均課金額と入札価格との乖離度が所定値より低くなることに応じて、第2の重み係数「1−α」の値が「0.5」から大きくなるように設定する。
【0133】
乖離度が所定値より低いということは、広告主が適切な入札を行っていることを示唆している。したがって、かかる場合、情報処理装置200は、広告主により設定される入札価格がよりり強く影響された入札価格を調整することができることができる。このようなことから、情報処理装置200は、適切な入札を行っている広告主について、入札価格に込められた広告主の意図をより考慮して順位付けを行うことができる。
【0134】
〔4−5.その他〕
上記実施形態では、課金額に関する実績情報を取得し、取得した実績情報に基づいて、配信対象の広告コンテンツを決定する処理の一例として、調整部235が、取得した実績情報を用いて入札価格を調整し、決定部236が、調整された入札価格に基づくランキングから配信対象のコンテンツを決定する例を示した。
【0135】
しかしながら、課金額に関する実績情報を用いて調整されるのは、入札価格に限定されるものではない。例えば、調整部235は、課金額に関する実績情報に基づいて広告コンテンツに関する所定の評価値(例えば、eCPM)を調整してもよい。また、かかる場合、決定部235は、調整された所定の評価値の大きさに基づき順位付けを行うことで、配信対象のコンテンツを決定する。
【0136】
〔5.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態にかかる情報処理装置200は、例えば
図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図7は、情報処理装置200の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0137】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0138】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0139】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0140】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0141】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる情報処理装置200として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部230の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部220内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0142】
〔6.その他〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0143】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0144】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0145】
〔7.効果〕
実施形態にかかる情報処理装置200は、取得部(調整部235)と、決定部236とを有する。取得部(調整部235)は、コンテンツの入稿元への課金額に関する実績情報を取得する。決定部236は、取得部(調整部235)により取得された実績情報に基づいて、配信対象のコンテンツを決定する。
【0146】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置200は、コンテンツ(例えば、広告コンテンツ)に対して適切な順位付けを行うことができるため、配信対象のコンテンツをより公平に決定することができる。
【0147】
また、実施形態にかかる情報処理装置200は、調整部235を有する。調整部235は、取得部(調整部235)により取得された実績情報に基づいて、入稿元によって所定のコンテンツに設定される入札価格を調整する。そして、決定部236は、調整部235により調整された入札価格に基づいて、配信対象のコンテンツを決定する。
【0148】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置200は、コンテンツ(例えば、広告コンテンツ)に対して適切な順位付けを行うことができるため、配信対象のコンテンツをより公平に決定することができる。
【0149】
また、実施形態にかかる情報処理装置200において調整部235は、課金額に関する実績情報としてコンテンツの入稿元に対する過去の課金額の平均値である平均課金額を用いて、所定のコンテンツに設定される入札価格を調整する。
【0150】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置200は、配信対象のコンテンツをより公平に決定することができる。
【0151】
また、実施形態にかかる情報処理装置200において調整部235は、コンテンツの入稿元への課金額に関する実績情報に基づいて、当該コンテンツに設定される入札価格を調整する。
【0152】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置200は、入札価格を調整する調整対象の特定のコンテンツの課金額に関する実績情報に基づいて、この特定のコンテンツの入札価格を調整することができる。
【0153】
また、実施形態にかかる情報処理装置200において調整部235は、コンテンツが表示される媒体において、過去にコンテンツが表示されることによりコンテンツの入稿元に対して算出された課金額に関する実績情報に基づいて、コンテンツに設定される入札価格を調整する。そして、決定部236は、調整部235により調整された入札価格に基づいて、媒体に表示される配信対象のコンテンツを決定する。
【0154】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置200は、配信対象のコンテンツをより公平に決定することができる。
【0155】
また、実施形態にかかる情報処理装置200において調整部235は、コンテンツの入稿元への課金額であって当該コンテンツとは異なる他のコンテンツに設定された入札価格に基づいて定まる課金額に関する実績情報に基づいて、コンテンツに設定される入札価格を調整する。
【0156】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置200は、例えば、GSPの特性を悪用としている入稿元のコンテンツに対して、適切な順位付けを行うことができるため、配信対象のコンテンツをより公平に決定することができる。
【0157】
また、実施形態にかかる情報処理装置200において調整部235は、コンテンツに設定された入札価格に基づいて定まる順位であってコンテンツ配信の優先度を示す順位のうち、コンテンツの順位より低い順位のコンテンツである他のコンテンツに設定された入札価格に基づいてコンテンツの入稿元に対して定まる課金額に関する実績情報に基づいて、コンテンツに設定される入札価格を調整する。
【0158】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置200は、例えば、GSP方式の特性を利用して、より良い広告掲載位置を安く獲得できるよう高額入札を行っているような入稿元の入札価格を調整することができるため、調整後の入札価格を用いて、配信対象のコンテンツをより公平に決定することができる。
【0159】
また、実施形態にかかる情報処理装置200において調整部235は、第1の重み値が付された課金額に関する実績情報と、第2の重み値が付された入札価格であって入稿元によって指定される入札価格を用いて、コンテンツに設定される入札価格を調整する。
【0160】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置200は、実績情報がより強く影響された入札価格を調整することができることができるため、配信対象のコンテンツに対して公平に順位付けすることができる。また、情報処理装置200は、適切な入札を行っている入稿元について、入札価格に込められた広告主の意図をより考慮して順位付けを行うことができる。
【0161】
また、実施形態にかかる情報処理装置200において調整部235は、実績情報と入札価格とが乖離しているほど高くなる第1の重み値が付された実績情報と、実績情報と入札価格とが乖離しているほど小さくなる第2の重み値が付された入札価格を用いて、当該入札価格を調整する。
【0162】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置200は、実績情報がより強く影響された入札価格を調整することができることができるため、配信対象のコンテンツに対して公平に順位付けすることができる。また、情報処理装置200は、適切な入札を行っている入稿元について、入札価格に込められた広告主の意図をより考慮して順位付けを行うことができる。
【0163】
また、実施形態にかかる情報処理装置200は、算定部234を有する。算定部234は、コンテンツの入稿元への課金額であって当該コンテンツとは異なる他のコンテンツに設定された入札価格に基づいて定まる課金額を算定する。
【0164】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置200は、入稿元に対して無駄に高い料金を支払わせることを防止することができる。
【0165】
また、実施形態にかかる情報処理装置200において算定部234は、他のコンテンツに設定された入札価格に基づいて定まる課金額が、入稿元によって指定される入札価格よりも高い場合には、入稿元によって指定される入札価格を入稿元への課金額として算定する。
【0166】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置200は、入稿元が支払い可能な最大限の課金額を請求することができる。
【0167】
また、実施形態にかかる情報処理装置200において決定部236は、調整部235により調整された入札価格と、当該入札価格に対応するコンテンツが選択される確率を示す確率情報とから算出される評価値に基づいて、配信対象のコンテンツを決定する。
【0168】
このように、実施形態にかかる情報処理装置200は、評価値に基づいて、配信対象のコンテンツを決定するため、広告配信による収益を高めることができる。
【0169】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0170】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、調整部は、調整手段や調整回路に読み替えることができる。