(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2膨張バルブは、車両の冷房モード、または冷媒を利用して前記バッテリモジュールを冷却する場合に作動し、前記第2連結ラインを介して流入する冷媒を膨張させて前記チラーに流入させる
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は前記のような問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、冷却水と冷媒が熱交換される一つのチラーを利用してバッテリモジュールをウォームアップまたは冷却させることにより、システムの単純化が可能な車両用ヒートポンプシステムを提供しようとすることにある。
【0014】
また、本発明の他の目的は、モータ、電装品、およびバッテリモジュールの廃熱源を利用して暖房効率を向上させる車両用ヒートポンプシステムを提供しようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
このような目的を達成するための本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムは、バッテリモジュールと連結され、冷却水が流動されるバッテリ冷却ラインと、内部に流入する冷媒と冷却水とを選択的に熱交換させて冷却水の温度を調節するように前記バッテリ冷却ラインと第1連結ラインを介して連結され、エアコン手段の冷媒ラインと第2連結ラインを介して連結されるチラーと、モータと電装品の冷却のために冷却水を循環させるように冷却ラインを介して連結されるラジエータと第1ウォータポンプとを含み、前記バッテリ冷却ラインおよび前記第1連結ラインに第1バルブを介して選択的に連結される電装用冷却手段と、前記冷媒ラインに備えられる第2バルブを介して前記第2連結ラインと前記冷媒ラインとを選択的に連結するバイパスラインと、を含む。
【0016】
前記エアコン手段は、前記冷媒ラインを介して連結され、車両の冷房、暖房、および暖房/除湿モードに応じて、蒸発器を通過した外気が内部コンデンサに選択的に流入するように調節する開閉ドアが内部に備えられたHVACモジュールと、前記蒸発器と前記内部コンデンサとの間で前記冷媒ラインを介して連結される圧縮器と、前記圧縮器と前記蒸発器との間で前記冷媒ラインに備えられるアキュムレータと、前記内部コンデンサと前記冷媒ラインを介して連結され、車両の前方に配置される外部コンデンサと、前記外部コンデンサと前記蒸発器とを連結する前記冷媒ラインに備えられる第1膨張バルブと、前記内部コンデンサと前記外部コンデンサとの間で一端が前記冷媒ラインと連結され、他端は前記蒸発器と前記第1膨張バルブとの間で前記冷媒ラインに連結され、第3バルブが備えられる除湿ラインと、前記内部コンデンサと前記外部コンデンサとの間で前記冷媒ラインに備えられる第4バルブを介して前記外部コンデンサと前記第1膨張バルブとの間の前記冷媒ラインと連結される除霜ラインと、前記第2連結ラインに備えられる第2膨張バルブを含み得る。
【0017】
前記バッテリ冷却ラインには前記ラジエータと前記チラーとの間で前記モータおよび前記電装品を連結する前記冷却ラインと前記バッテリ冷却ラインとを連結する第5バルブと、前記バッテリモジュールと前記ラジエータとの間で前記モータおよび前記電装品を連結する前記冷却ラインと前記バッテリ冷却ラインとを連結する第6バルブを含み得る。
【0018】
車両の冷房モードで前記バッテリモジュールを冷却する場合は、前記第2バルブ、第3バルブ、および第4バルブの作動により前記バイパスライン、前記除湿ライン、および前記除霜ラインが閉鎖され、前記チラーが前記蒸発器および前記外部コンデンサに並列連結され得る。
【0019】
車両の冷房モードの未作動時に冷媒を利用して前記バッテリモジュールを冷却する場合は、前記第2バルブ、第3バルブ、および第4バルブの作動により前記バイパスライン、前記除湿ライン、および前記除霜ラインが閉鎖され、前記第1膨張バルブの作動が中止され、前記第2膨張バルブが作動し得る。
【0020】
車両の暖房モードで前記バッテリモジュール、前記モータ、および前記電装品の廃熱を回収する場合は、前記第1バルブおよび前記第2バルブの作動により前記第1連結ラインおよび第2連結ラインと前記バイパスラインとが開放され、前記第3バルブおよび前記第4バルブの作動により前記除湿ラインと前記除霜ラインとが閉鎖され、前記第1膨張バルブおよび第2膨張バルブは作動が中断され得る。
【0021】
前記モータ、および前記電装品を連結する前記冷却ラインは前記第1バルブ、第5バルブおよび第6バルブの作動により前記第1連結ラインに選択的に連結され得る。
【0022】
車両の暖房および除湿モードで前記モータおよび前記電装品の廃熱を回収する場合は、前記第1バルブおよび第2バルブの作動により前記第1連結ラインと前記バイパスラインが開放され、前記モータ、および前記電装品を連結する前記冷却ラインと前記バッテリ冷却ラインとが前記第1バルブ、第5バルブ、および第6バルブの作動により前記第1連結ラインと連結され、前記第3バルブの作動により前記除湿ラインが開放され、前記第4バルブの作動により前記除霜ラインは閉鎖され、前記第1膨張バルブおよび第2膨張バルブは作動が中断され得る。
【0023】
車両の暖房および除霜モードで前記バッテリモジュール、前記モータ、および前記電装品の廃熱を回収する場合は、前記第1バルブ、第2バルブ、および第3バルブの作動により前記第1連結ライン、前記バイパスライン、および前記除霜ラインが開放され、前記外部コンデンサと連結された前記冷媒ラインと前記除湿ラインとが前記第3バルブおよび第4バルブの作動により閉鎖され、前記モータ、および前記電装品を連結する前記冷却ラインと前記バッテリ冷却ラインとが前記第1バルブ、第5バルブ、および第6バルブの作動により前記第1連結ラインと連結され、前記第1膨張バルブおよび第2膨張バルブは作動が中断され得る。
【0024】
前記冷却ラインには前記ラジエータと前記第5バルブとの間にリザーバタンクが備えられ得る。
【0025】
前記第1バルブ、第2バルブ、第4バルブ、第5バルブ、および第6バルブは流量の分配が可能な3−Wayバルブであり得る。
【0026】
前記第2膨張バルブは車両の冷房モード、または冷媒を利用して前記バッテリモジュールを冷却する場合に作動し、前記第2連結ラインを介して流入する冷媒を膨張させて前記チラーに流入させ得る。
【0027】
前記内部コンデンサと前記第4バルブとの間で前記冷媒ラインにはオリフィスが備えられ得る。
【0028】
前記オリフィスは前記冷媒ラインを選択的に開閉するか、通過する冷媒を選択的に膨張させ得る。
【0029】
前記除湿ラインは前記第4バルブと前記オリフィスとの間で前記冷媒ラインと連結され得る。
【0030】
前記除湿ラインは車両の暖房および除湿モードで前記第3バルブの作動により開放され得る。
【0031】
前記チラーと前記バッテリモジュールとの間で前記バッテリ冷却ラインには第2ウォータポンプが備えられ得る。
【0032】
前記電装品は前記モータと前記第1ウォータポンプとの間で前記冷却ライン上に備えられる電力制御装置(EPCU:Electric Power Control Unit)と、前記モータと前記ラジエータとの間で前記冷却ライン上に備えられる充電器(OBC:On Board Charger)を含み得る。
【0033】
前記第1バルブと前記チラーとの間で前記第1連結ラインには第7バルブが備えられ、前記バッテリモジュールと前記チラーとの間で前記バッテリ冷却ラインには加熱器が備えられ得る。
【0034】
前記加熱器は前記バッテリモジュールのウォームアップ時にON作動し、前記バッテリ冷却ラインで循環する冷却水を加熱して前記バッテリモジュールに流入させ得る。
【0035】
前記加熱器は車両の暖房モード、または車両の暖房および除霜モードで選択的にON作動し、前記バッテリ冷却ラインで循環する冷却水を加熱し得る。
【発明の効果】
【0036】
前述のように本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムによれば、電気自動車またはハイブリッド車両で冷却水と冷媒が熱交換される一つのチラーを利用して車両のモードに応じてバッテリモジュールをウォームアップまたは冷却させることにより、システムの単純化が可能になる。
【0037】
また、バッテリモジュールが車両のモードに合わせて効率的にウォームアップおよび冷却されることにより、バッテリモジュールの最適の性能を発揮することが可能であり、効率的なバッテリモジュールの管理により車両の全体的な走行距離を増加させることができる。
【0038】
また、モータ、電装品、およびバッテリモジュールの廃熱源を選択的に利用して暖房効率を向上させることができる。
【0039】
さらに、全体システムの簡素化により製作原価の節減および重量縮小が可能であり、空間活用性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付する図面に基づいて詳細に説明する。
【0042】
これに先立ち、本明細書に記載された実施形態と図面に示された構成は本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想を全て代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替できる多様な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0043】
本発明を明確に説明するために不要な説明は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては同一の参照符号を付す。
【0044】
図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜上、任意に示したため、本発明が必ずしも図面に示されたものに限定されず、様々な部分および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。
【0045】
また、明細書全体にかけてある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0046】
また、明細書に記載された「...ユニット」、「...手段」、「...部」、「...部材」などの用語は少なくとも一つの機能や動作をする包括的な構成の単位を意味する。
【0047】
図1は本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムのブロック構成図である。
【0048】
本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステム100は、車両に搭載されたバッテリモジュールBをウォームアップまたは冷却させたり前記バッテリモジュールBまたはモータ15と電装品16から発生した廃熱を選択的に利用して暖房効率を向上させる。
【0049】
このようなヒートポンプシステム100は、
図1に示すように、ハイブリッド車両または電気自動車でモータ15および電装品16を冷却するための電装用冷却手段10と車両室内を冷房または暖房するための空調裝置であるエアコン手段20とに相互連動される。
【0050】
ここで、前記電装用冷却手段10は冷却ライン11を介して連結されるラジエータ12と第1ウォータポンプ14を含み、前記モータ15と前記電装品16を冷却するように冷却水を循環させる。
【0051】
前記電装品16は、前記モータ15と前記第1ウォータポンプ14との間で前記冷却ライン11上に備えられる電力制御装置17(Electric Power Control Unit、EPCU)と、前記モータ15と前記ラジエータ12との間で前記冷却ライン11上に備えられる充電器18(On Board Charger、OBC)と、を含み得る。
【0052】
前記ラジエータ12は車両の前方に配置され、後方にはクーリングファン13が備えられ、クーリングファン13の作動と外気との熱交換により冷却水を冷却する。
【0053】
このように構成される前記電装用冷却手段10は第1ウォータポンプ14の作動により前記ラジエータ12で冷却された冷却水を冷却ライン11に沿って循環させることにより、モータ15と電装品16が過熱されないように冷却させる。
【0054】
前記エアコン手段20は冷媒ライン21を介して連結されるHVACモジュール22(Heating、Ventilation、and Air Conditioning)、圧縮器31、アキュムレータ33、外部コンデンサ35、第1膨張バルブ37を含む。
【0055】
まず、前記HVACモジュール22は前記冷媒ライン21を介して連結され、車両の冷房、暖房、および暖房/除湿モードに応じて蒸発器27を通過した外気が内部コンデンサ23とヒータ25に選択的に流入するように調節する開閉ドア29が内部に備えられる。
【0056】
すなわち、前記開閉ドア29は車両の暖房モードで前記蒸発器27を通過した外気が前記内部コンデンサ23とヒータ25に流入するように開放する。逆に、車両の冷房モードで前記開閉ドア29は前記蒸発器27を通過しながら冷却された外気が車両内部に直ちに流入するように内部コンデンサ23とヒータ25側を閉鎖する。
【0057】
前記圧縮器31は前記蒸発器27と前記内部コンデンサ23との間で前記冷媒ライン21を介して連結される。このような圧縮器31は気体状態の冷媒を圧縮させる。
【0058】
前記アキュムレータ33は前記圧縮器31と蒸発器27との間で冷媒ライン21に備えられる。このようなアキュムレータ33は前記圧縮器31に気体状態の冷媒のみ供給することにより、前記圧縮器31の効率および耐久性を向上させる。
【0059】
本実施形態において、前記外部コンデンサ35は前記内部コンデンサ27と前記冷媒ライン21を介して連結される。このような外部コンデンサ35は前記電装用ラジエータ12の前方に配置されて内部に流入した冷媒を外気と相互熱交換させる。
【0060】
前記第1膨張バルブ37は前記外部コンデンサ35と前記蒸発器27を連結する前記冷媒ライン21に備えられる。前記第1膨張バルブ37は前記外部コンデンサ35を通過した冷媒の供給を受けて膨張させる。
【0061】
ここで、本発明の実施形態による前記ヒートポンプシステム100はバッテリ冷却ライン101、チラー110、およびバイパスライン115を含む。
【0062】
まず、前記バッテリ冷却ライン101は前記バッテリモジュールBと連結され、冷却水が流動される。前記バッテリモジュールBは前記モータ15と電装品16に電源を供給する。このようなバッテリモジュールBは冷却水により冷却される水冷式で形成され得る。
【0063】
ここで、前記バッテリ冷却ライン101には前記チラー110と前記バッテリモジュールBとの間に第2ウォータポンプ103が備えられ得る。前記第2ウォータポンプ103は前記バッテリ冷却ライン101を介して冷却水を循環させるように作動する。
【0064】
前記第1ウォータポンプ14と前記第2ウォータポンプ103は電動式ウォータポンプであり得る。
【0065】
前記チラー110は前記バッテリ冷却ライン101と第1連結ライン111を介して連結され、前記冷媒ライン21と第2連結ライン113を介して連結される。このようなチラー110は内部に流入する冷媒と冷却水を選択的に熱交換させて冷却水の温度を調節する。
【0066】
ここで、前記電装用冷却手段20は前記バッテリ冷却ライン101および前記第1連結ライン111に第1バルブV1を介して選択的に連結される。
【0067】
前記第1バルブV1は前記冷却ライン11と前記バッテリ冷却ライン101を選択的に連通させたり、前記冷却ライン11と前記バッテリ冷却ライン101を介して流動する冷却水の流動の流れをそれぞれ制御する。
【0068】
本実施形態において、前記バイパスライン115は前記冷媒ライン21に備えられる第2バルブV2を介して前記第2連結ライン113と前記冷媒ライン21を選択的に連結する。
【0069】
一方、本実施形態で、前記エアコン手段20は除湿ライン41、除霜ライン43、および第2膨張バルブ45をさらに含む。
【0070】
まず、前記除湿ライン41の一端は前記内部コンデンサ23と前記外部コンデンサ35との間で前記冷媒ライン21と連結される。前記除湿ライン41の他端は前記蒸発器27と前記第1膨張バルブ37との間で前記冷媒ライン21に連結される。このような除湿ライン41には第3バルブV3が備えられる。
【0071】
すなわち、前記除湿ライン41は車両の暖房および除湿モードで前記第3バルブV3の作動により開放され得る。
【0072】
前記除霜ライン43は前記内部コンデンサ23と前記外部コンデンサ35との間で前記冷媒ライン21に備えられる第4バルブV4を介して前記外部コンデンサ35と前記第1膨張バルブ37との間の前記冷媒ライン21と連結される。
【0073】
ここで、前記内部コンデンサ23と前記第4バルブV4との間で前記冷媒ライン21にはオリフィス39が備えられ得る。
【0074】
前記オリフィス39は前記内部コンデンサ23から排出された冷媒を膨張させるように機能する。
【0075】
また、前記オリフィス39は冷房、暖房、および暖房/除湿モードに応じて選択的に冷媒の膨張なしに循環させるバルブの機能を遂行し得る。
【0076】
すなわち、前記オリフィス39は前記冷媒ライン21を選択的に開閉するか、または通過する冷媒を選択的に膨張させ得る。
【0077】
ここで、前記除湿ライン41は前記第4バルブV3と前記オリフィス39との間で前記冷媒ライン21と連結され得る。
【0078】
このような除湿ライン41は車両の暖房および除湿モードで前記第3バルブV3の作動により選択的に開放され得る。
【0079】
また、前記第2膨張バルブ45は前記外部コンデンサ35と前記チラー110との間で前記第2連結ライン113に備えられる。
【0080】
前記第2膨張バルブ45は車両の冷房モード作動、または冷媒で前記バッテリモジュールBを冷却するときに作動する。このような第2膨張バルブ45は前記第2連結ライン113を介して流入する冷媒を膨張させて低温状態で前記チラー110に流入させ得る。
【0081】
すなわち、前記第2膨張バルブ45は前記外部コンデンサ35から排出された凝縮された冷媒を膨張させ、その温度を低下させた状態で前記チラー110に流入させることにより、前記チラー110の内部を通過する冷却水の水温をさらに低下させ得る。
【0082】
これにより、前記バッテリモジュールBには前記チラー110を通過しながら水温が低くなった冷却水が流入してより効率的に冷却され得る。
【0083】
また、前記バッテリ冷却ライン101には第5バルブV5と第6バルブV6がさらに備えられる。
【0084】
前記第5バルブV5は前記ラジエータ12と前記チラー110との間で前記モータ15および前記電装品16を連結する前記冷却ライン11と前記バッテリ冷却ライン101とを連結する。
【0085】
また、前記第6バルブV6は前記バッテリモジュールBと前記ラジエータ12との間で前記モータ15および前記電装品16を連結する前記冷却ライン11と前記バッテリ冷却ライン101とを連結する。
【0086】
すなわち、前記モータ15、および前記電装品16を連結する前記冷却ライン11は前記第1バルブV1、第5バルブV5および第6バルブV6の作動により前記第1連結ライン111に選択的に連結され得る。
【0087】
また、前記ラジエータ12と前記第5バルブV5との間で前記冷却ライン11にはリザーバタンク19が備えられ得る。
【0088】
前記リザーバタンク19は前記ラジエータ12から流入する冷却が完了した冷却水が貯蔵され得る。
【0089】
一方、本実施形態では前記第1ウォータポンプ14が前記第5バルブV5と前記電力制御装置17との間で前記冷却ライン11上に備えられる場合を一実施形態として説明しているが、これに限定されず、前記第1ウォータポンプ14は前記第5バルブV5と前記リザーバタンク19との間で前記冷却ライン11上に備えられ得る。
【0090】
前記第1ウォータポンプ14が前記リザーバタンク19と前記第5バルブV5との間に備えられると、前記バッテリモジュール130を冷却水で冷却するとき、前記第2ウォータポンプ103と共に稼動しながら前記バッテリモジュールBに循環する冷却水の流量を増大させ得る。
【0091】
本実施形態において、前記第1バルブV1、第2バルブV2、第4バルブV4、第5バルブV5、および第6バルブV6は流量の分配が可能な3−Wayバルブであり得る。
【0092】
一方、前記第1バルブV1と前記チラー110との間で前記第1連結ライン111には第7バルブV7が備えられ得る。
【0093】
前記第7バルブV7は前記チラー110から前記第1バルブV1を向かって冷却水の逆流を防止するように機能する。
【0094】
また、前記バッテリモジュールBと前記チラー110との間で前記バッテリ冷却ライン101には加熱器105が備えられ得る。
【0095】
ここで、前記加熱器105は前記バッテリモジュールBのウォームアップ時に選択的にON作動し、前記バッテリ冷却ライン101で循環する冷却水を加熱して前記バッテリモジュールBに流入させ得る。
【0096】
また、前記加熱器105は車両の暖房モード、または車両の暖房および除霜モードで選択的にON作動し、前記バッテリ冷却ライン101で循環する冷却水を加熱し得る。
【0097】
以下、前記のように構成される本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステム100の各モード別の作動および作用について
図2乃至
図6を参照して詳細に説明する。
【0098】
まず、本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステム100の、車両の冷房モードに応じたバッテリモジュールの冷却時の作動について
図2を参照して説明する。
【0099】
図2は本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムの、車両の冷房モードに応じたバッテリモジュールの冷却時の作動状態図である。
【0100】
図2を参照すると、車両の冷房モードでバッテリモジュールBを冷却する場合、前記電装用冷却手段10では前記モータ15と前記電装品16の冷却要求および冷却水温に応じ、前記第5バルブV5および第6バルブV6の作動により前記冷却ライン11が開放される。
【0101】
これと共に、前記バッテリ冷却ライン101は前記第1バルブV1の作動により前記バッテリモジュールBと前記チラー110が連結されるように前記第1連結ライン111が開放される。
【0102】
ここで、前記冷却ライン11と前記バッテリ冷却ライン101は前記第5バルブV5および第6バルブV6の作動により連結されなくなる。
【0103】
これにより、前記電装用冷却手段10と前記バッテリモジュールBの冷却水はそれぞれ閉鎖された回路に流動される。
【0104】
すなわち、前記ラジエータ12で冷却された冷却水は前記第1ウォータポンプ14の作動により前記モータ15、および前記電装品16を冷却させるように前記冷却ライン21を循環する。
【0105】
また、前記チラー110を通過した冷却水は前記第2ウォータポンプ103の作動により前記バッテリモジュールBを冷却させるように前記バッテリ冷却ライン101を循環する。
【0106】
前記バッテリ冷却ライン101を循環する冷却水は前記チラー110で冷媒と熱交換により冷却され、前記バッテリモジュールBに供給される。これにより、前記バッテリモジュールBは冷却された冷却水により冷却される。
【0107】
一方、前記エアコン手段20は車両室内を冷房するように冷媒ライン21に沿って冷媒を循環させて室内を冷房する。
【0108】
ここで、前記第2バルブV2、第3バルブV3、および第4バルブV4の作動により前記バイパスライン115、前記除湿ライン41、および前記除霜ライン43が閉鎖される。
【0109】
これにより、前記チラー110は前記蒸発器27および前記外部コンデンサ35に並列連結され得る。
【0110】
前記外部コンデンサ35から排出された一部の冷媒は前記第2膨張バルブ45の作動により膨張して低温低圧の状態になり、前記第2連結ライン113と連結される前記チラー110に流入する。
【0111】
その後、前記チラー110に流入した冷媒は冷却水と熱交換され、前記第2連結ライン113を介して前記アキュムレータ33に流入する。
【0112】
すなわち、前記バッテリモジュールBを冷却しながら温度が上昇した冷却水は低温低圧の冷媒と前記チラー110の内部で熱交換により冷却される。冷却された冷却水は前記バッテリ冷却ライン101を介して再びバッテリモジュールBに供給される。
【0113】
すなわち、冷却水は前述したような作動を繰り返し行うことにより前記バッテリBを効率的に冷却させ得る。
【0114】
一方、前記外部コンデンサ35から排出された残りの冷媒は車両の室内を冷房するように前記冷媒ライン21を介して流動され、前記第1膨張バルブ37、前記蒸発器27、前記アキュムレータ33、前記圧縮器31、前記内部コンデンサ23を順次に通過する。
【0115】
ここで、前記HVACモジュール22に流入する外気は前記蒸発器27に流入した低温状態の冷媒により前記蒸発器27を通過しながら冷却される。
【0116】
このとき、前記開閉ドア29は冷却された外気が前記内部コンデンサ23とヒータ25を通過しないように前記内部コンデンサ23に通過する部分を閉鎖する。したがって、冷却された外気は車両の内部に直接流入することにより、車両室内を冷房し得る。
【0117】
その後、冷媒は前記オリフィス39を通過して前記外部コンデンサ35に流入し、前記外部コンデンサ35を通過しながら外気との熱交換により凝縮される。
【0118】
このとき、前記オリフィス39はバルブとして作動し得る。
【0119】
すなわち、前述した過程を繰り返し行いながら冷媒は車両の冷房モードで室内を冷房すると共に、前記チラー110を通過しながら熱交換により冷却水を冷却させる。
【0120】
本実施形態において、車両の冷房モードが中止された状態で冷媒を利用したバッテリモジュールの冷却時の作動について
図3を参照して説明する。
【0121】
図3は本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムの、車両の冷房モードが中止された状態で冷媒を利用したバッテリモジュールの冷却時の作動状態図である。
【0122】
図3を参照すると、冷媒を利用してバッテリモジュールBを冷却する場合、前記エアコン手段20の第1膨張バルブ37は作動が中止され、前記蒸発器27への冷媒の流入が防止される。
【0123】
これにより、冷媒は前記圧縮器31から前記外部コンデンサ35に流入し、外気との熱交換により凝縮される。その後、冷媒は前記外部コンデンサ35から排出され、前記冷媒ライン21に沿って前記第2連結ライン113に流入する。
【0124】
前記第2連結ライン113に流入した冷媒は前記第2膨張バルブ45の作動により膨張され、低温低圧の状態になり、前記チラー110に流入する。
【0125】
前記チラー110に流入した冷媒は冷却水と熱交換され、前記第2連結ライン113を介して前記アキュムレータ33に流入する。
【0126】
すなわち、前記バッテリモジュールBを冷却しながら温度が上昇した冷却水は低温低圧の冷媒と前記チラー110の内部で熱交換により冷却される。冷却された冷却水は前記バッテリ冷却ライン101を介して再びバッテリモジュールBに供給される。
【0127】
したがって、冷却水は前述した作動を繰り返し行いながら前記バッテリBを効率的に冷却させ得る。
【0128】
一方、前記チラー110を通過した冷媒は前記アキュムレータ33を通過して再び前記圧縮器31、前記内部コンデンサ23を順次通過する。
【0129】
その後、冷媒は前記オリフィス39を通過して前記外部コンデンサ35に流入し、前記外部コンデンサ35を通過しながら外気との熱交換により凝縮される。
【0130】
このとき、前記オリフィス39はバルブとして作動し得る。
【0131】
ここで、前記バイパスライン115、前記除湿ライン41、および前記除霜ライン43は前記第2バルブV2、第3バルブV3、および第4バルブV4の作動により閉鎖される。
【0132】
一方、前記電装用冷却手段10では前記モータ15と前記電装品16の冷却要求および冷却水温に応じ、前記第5バルブV5および第6バルブV6の作動により前記冷却ライン11が開放される。
【0133】
これと共に、前記バッテリ冷却ライン101は前記第1バルブV1の作動により前記バッテリモジュールBと前記チラー110が連結されるように前記第1連結ライン111が開放される。
【0134】
ここで、前記冷却ライン11と前記バッテリ冷却ライン101は前記第5バルブV5および第6バルブV6の作動により連結されなくなる。
【0135】
これにより、前記電装用冷却手段10と前記バッテリモジュールBの冷却水はそれぞれ閉鎖された回路を介して独立的に流動される。
【0136】
すなわち、前記ラジエータ12で冷却された冷却水は前記第1ウォータポンプ14の作動により前記モータ15、および前記電装品16を冷却させるように前記冷却ライン21を循環する。
【0137】
反面、前記バッテリ冷却ライン101を循環する冷却水は前記チラー110で冷媒と熱交換により冷却され、前記バッテリモジュールBに供給される。これにより、前記バッテリモジュールBは冷媒と熱交換により冷却された冷却水によって冷却される。
【0138】
すなわち、前記バッテリモジュールBには前記チラー110で冷媒との熱交換により冷却された冷却水が第2ウォータポンプ103の作動により流入する。これにより、冷却された冷却水は前記バッテリモジュールBを効率的に冷却し得る。
【0139】
一方、
図2と
図3では前記電装用冷却手段10が作動する場合を一実施形態として説明しているが、これに限定されず、前記モータ15と前記電装品16の冷却が要求されない場合は前記冷却ライン11への冷却水の循環が中断され得る。
【0140】
本実施形態において、車両の暖房モードに応じた前記電装品、および前記バッテリモジュールで廃熱回収時の作動について
図4を参照して説明する。
【0141】
図4は本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムの、車両の暖房モードに応じた電装品およびバッテリモジュールの廃熱回収時の作動状態図である。
【0142】
図4を参照すると、車両の暖房モードで前記バッテリモジュールB、前記モータ15、および前記電装品16の廃熱を回収するとき、前記第1バルブV1および第2バルブV2の作動により前記第1連結ライン111および第2連結ライン113と前記バイパスライン115とが開放される。
【0143】
また、前記除湿ライン41と前記除霜ライン43が前記第3バルブV3および第4バルブV4の作動により閉鎖される。
【0144】
このとき、前記第5バルブV5および第6バルブV6は前記モータ15および前記電装品16が前記ラジエータ12と連結されないように前記冷却ライン11の連結を閉鎖する。
【0145】
これと共に、前記第5バルブV5および第6バルブV6は前記モータ15および前記電装品16を通過する冷却ライン11を前記バッテリ冷却ライン101と連通させる。
【0146】
これにより、前記モータ15および前記電装品16から発生した廃熱と前記バッテリモジュールBから発生した廃熱により温度が上昇した冷却水は前記第1ウォータポンプ14および第2ウォータポンプ103の作動により前記第1連結ライン111にそれぞれ流入し、前記チラー110を通過する。
【0147】
ここで、前記第1膨張バルブ37および第2膨張バルブ45は作動が中断される。
【0148】
したがって、前記外部コンデンサ35から排出された冷媒は前記第2バルブV2の作動により開放された前記バイパスライン115に流入する。その後、冷媒は前記第2連結ライン113を介して前記チラー110に流入し、前記チラー110で温度が上昇した冷却水と熱交換される。
【0149】
すなわち、前記モータ15および前記電装品16と前記バッテリモジュールBから発生した廃熱は前記チラー110で前記冷媒の温度を上昇させる。
【0150】
温度が上昇した冷媒は前記アキュムレータ33を通過して前記圧縮器31に流入し、圧縮器31から高温高圧の状態に圧縮され、前記内部コンデンサ23に流入する。
【0151】
ここで、前記開閉ドア29は前記HVACモジュール22に流入し、前記蒸発器27を通過した外気が前記内部コンデンサ23を通過するように開放する。
【0152】
これにより、外部から流入した外気は冷媒が供給されない前記蒸発器27を通過するとき、冷却されない室温状態で流入する。流入した外気は前記内部コンデンサ23を通過しながら高温状態に変換され、選択的に作動する前記ヒータ25を通過して車両室内に流入することにより、車両室内の暖房が実現され得る。
【0153】
その後、冷媒は前記オリフィス39を通過しながら膨張した状態で、前記外部コンデンサ35に流入し、前記外部コンデンサ35を通過しながら外気との熱交換により凝縮される。
【0154】
このとき、前記オリフィス39は膨張バルブとして作動し得る。
【0155】
一方、前記加熱器105は必要に応じて選択的にON作動し、前記バッテリ冷却ライン101で循環する冷却水を加熱し得る。これにより、前記チラー110を通過する冷媒は速かに温度が上昇する。
【0156】
すなわち、本実施形態によるヒートポンプシステム100は車両の暖房モードで前記モータ15、前記電装品16、および前記バッテリモジュールBから発生される廃熱源を冷媒の温度上昇に利用することにより、圧縮器31の動力消耗を減らし、暖房効率を向上させることができる。
【0157】
本実施形態で、車両の暖房および除湿モードに応じた前記電装品、および前記バッテリモジュールで廃熱回収時の作動について
図5を参照して説明する。
【0158】
図5は本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムの、車両の暖房および除湿モードに応じた電装品およびバッテリモジュールの廃熱回収時の作動状態図である。
【0159】
図5を参照すると、車両の暖房および除湿モードで前記バッテリモジュールB、前記モータ15、および前記電装品16の廃熱を回収するとき、前記第1バルブV1および第2バルブV2の作動により前記第1連結ライン111および第2連結ライン113と前記バイパスライン115が開放される。
【0160】
また、前記第5バルブV5および第6バルブV6は前記モータ15および前記電装品16が前記ラジエータ12と連結されないように前記冷却ライン11の連結を閉鎖する。
【0161】
これと共に、前記モータ15、および前記電装品16を通過する前記冷却ライン11と前記バッテリ冷却ライン101が前記第1バルブV1、第5バルブV5、および第6バルブV6の作動により前記第1連結ライン111と連結される。
【0162】
これにより、前記モータ15および前記電装品16から発生した廃熱と前記バッテリモジュールBから発生した廃熱により温度が上昇した冷却水は前記第1ウォータポンプ14および第2ウォータポンプ103の作動により前記第1連結ライン111にそれぞれ流入して前記チラー110を通過する。
【0163】
ここで、前記除湿ライン41は前記外部コンデンサ35に流入する冷媒のうちの一部が循環するように第3バルブV3の作動により開放される。
【0164】
また、前記除霜ライン43は前記第4バルブV4の作動により閉鎖され、前記第1膨張バルブ37および第2膨張バルブ45は作動が中断される。
【0165】
したがって、前記外部コンデンサ35から排出された冷媒は前記第2バルブV2の作動により開放された前記バイパスライン115に流入する。その後、冷媒は前記第2連結ライン113を介して前記チラー110に流入し、前記チラー110で温度が上昇した冷却水と熱交換される。
【0166】
すなわち、前記モータ15および前記電装品16と前記バッテリモジュールBから発生した廃熱は前記チラー110で前記冷媒の温度を上昇させる。
【0167】
温度が上昇した冷媒は前記アキュムレータ33を通過して前記圧縮器31に流入し、圧縮器31から高温高圧の状態に圧縮されて前記内部コンデンサ23に流入する。
【0168】
一方、前記第1膨張バルブ37と前記蒸発器27を連結する前記冷媒ライン21は前記第2バルブV2の作動により閉鎖される。しかし、前記オリフィス39を通過しながら膨張した冷媒のうちの一部が開放された前記除湿ライン41を介して前記蒸発器27に流入する。
【0169】
このような状態で、前記開閉ドア29は前記HVACモジュール22に流入し、前記蒸発器27を通過した外気が前記内部コンデンサ23を通過するように開放する。
【0170】
すなわち、前記HVACモジュール22に流入する外気は前記蒸発器27に流入した低温状態の冷媒により前記蒸発器27を通過しながら除湿される。その後、前記内部コンデンサ23を通過しながら高温状態に変換され、選択的に作動する前記ヒータ25を通過して車両室内に流入することにより、車両の室内を暖房/除湿する。
【0171】
その後、冷媒は前記オリフィス39を通過しながら膨張した状態で、前記外部コンデンサ35に流入し、前記外部コンデンサ35を通過しながら外気との熱交換により凝縮される。
【0172】
このとき、前記オリフィス39は膨張バルブとして作動し得る。
【0173】
すなわち、本実施形態によるヒートポンプシステム100は車両の暖房および除湿モードで前記モータ15、前記電装品16、および前記バッテリモジュールBから発生される廃熱源を冷媒の温度上昇に利用して圧縮器31の動力消耗を減らし、暖房効率を向上させることができる。
【0174】
また、前記オリフィス39を通過しながら膨張した冷媒のうちの一部を前記除湿ライン41を介して前記蒸発器27に流入させて前記第1膨張バルブ37の作動がなくても室内除湿を行うことができる。
【0175】
本実施形態において、車両の暖房および除霜モードに応じた前記電装品、および前記バッテリモジュールで廃熱回収時の作動について
図6を参照して説明する。
【0176】
図6は本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムの、車両の暖房および除霜モードに応じた電装品およびバッテリモジュールの廃熱回収時の作動状態図である。
【0177】
ここで、除霜モードは前記外部コンデンサ35に積霜(frost)が発生する場合に作動する。
【0178】
図6を参照すると、車両の暖房および除霜モードで前記バッテリモジュールB、前記モータ15、および前記電装品16の廃熱を回収する場合は前記第1バルブV1、第2バルブV2、および第3バルブV3の作動により前記第1連結ライン111、前記バイパスライン115、および前記除霜ライン43が開放される。
【0179】
また、前記外部コンデンサ35と連結された前記冷媒イン21と前記除湿ライン41とが前記第3バルブV3および第4バルブV4の作動により閉鎖される。
【0180】
また、前記第5バルブV5および第6バルブV6は前記モータ15および前記電装品16が前記ラジエータ12と連結されないように前記冷却ライン11の連結を閉鎖する。
【0181】
これと共に、前記モータ15、および前記電装品16を通過する前記冷却ライン21と前記バッテリ冷却ライン101が前記第1バルブV1、第5バルブV5、および第6バルブV6の作動により前記第1連結ライン111と連結される。
【0182】
これにより、前記モータ15および前記電装品16から発生した廃熱と前記バッテリモジュールBから発生した廃熱により温度が上昇した冷却水は前記第1ウォータポンプ14および第2ウォータポンプ103の作動により前記第1連結ライン111にそれぞれ流入して前記チラー110を通過する。
【0183】
ここで、除霜ライン43は積霜が発生した前記外部コンデンサ35に冷媒の流入を中断させ、冷媒を前記バイパスライン115と前記第2連結ライン113を介して前記チラー110に流入させることにより、前記外部コンデンサ35に積霜の増加を防止すると共に除霜を行うことができる。
【0184】
この場合、前記第1膨張バルブ37および第2膨張バルブ45は作動が中断される。
【0185】
したがって、前記オリフィス39を通過した冷媒は前記外部コンデンサ35を通過せず、前記第2バルブV2の作動により開放された前記バイパスライン115に流入する。その後、冷媒は前記第2連結ライン113を介して前記チラー110に流入し、前記チラー110で温度が上昇した冷却水と熱交換される。
【0186】
すなわち、前記モータ15および前記電装品16および前記バッテリモジュールBから発生した廃熱は前記チラー110で前記冷媒の温度を上昇させる。
【0187】
温度が上昇した冷媒は前記アキュムレータ33を通過して前記圧縮器31に流入し、圧縮器31から高温高圧の状態に圧縮されて前記内部コンデンサ23に流入する。
【0188】
一方、前記第1膨張バルブ37と前記蒸発器27とを連結する前記冷媒ライン21は前記第2バルブV2の作動により閉鎖される。
【0189】
このような状態で、前記開閉ドア29は前記HVACモジュール22に流入し、前記蒸発器27を通過した外気が前記内部コンデンサ23を通過するように開放する。
【0190】
これにより、外部から流入した外気は冷媒が供給されない前記蒸発器27を通過するとき、冷却されない室温状態で流入する。流入した外気は前記内部コンデンサ23を通過しながら高温状態に変換され、選択的に作動する前記ヒータ25を通過して車両室内に流入することにより、車両室内の暖房が実現され得る。
【0191】
その後、冷媒は前記オリフィス39を通過しながら膨張し、再び除霜ライン43に流入しながら循環する。
【0192】
このとき、前記オリフィス39は膨張バルブとして作動し得る。
【0193】
一方、前記加熱器105は必要に応じて選択的にON作動し、前記バッテリ冷却ライン101で循環する冷却水を加熱し得る。これにより、前記チラー110を通過する冷媒は速かに温度が上昇する。
【0194】
すなわち、本実施形態によるヒートポンプシステム100は車両の暖房および除霜モードで前記モータ15、前記電装品16、および前記バッテリモジュールBから発生される廃熱源を冷媒の温度上昇に利用することにより、圧縮器31の動力消耗を減らし、暖房効率を向上させることができる。
【0195】
また、外部コンデンサ35に積霜が発生する場合、前記除霜ライン43を介して冷媒の流入を遮断することにより、より速かに前記外部コンデンサ35を除霜することができる。
【0196】
一方、本実施形態においては、車両の暖房モードで前記モータ15、前記電装品16、および前記バッテリモジュールBの廃熱を全て回収する場合を一実施形態として説明しているが、これに限定されず、暖房モードで前記モータ15、および前記電装品16から発生した廃熱、または前記バッテリモジュールBから発生した廃熱をそれぞれ選択的に回収することもできる。
【0197】
したがって、前記のように構成される本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステム100を適用すると、電気自動車またはハイブリッド車両で冷却水と冷媒が熱交換される一つのチラー110を利用して車両のモードに応じてバッテリモジュールBをウォームアップまたは冷却させることにより、システムの単純化が可能になる。
【0198】
また、バッテリモジュールBが車両のモードに合わせて効率的にウォームアップおよび冷却されることにより、バッテリモジュールBの最適の性能を発揮することが可能になり、効率的なバッテリモジュールBの管理により車両の全体的な走行距離を増加させることができる。
【0199】
また、前記モータ15、前記電装品16、および前記バッテリモジュールBの廃熱源を選択的に利用して暖房効率を向上させることができる。
【0200】
さらに、全体システムの簡素化により製作原価の節減および重量減少が可能であり、空間活用性を向上させることができる。
【0201】
以上、本発明を限定された実施形態と図面により説明したが、本発明はこれにより限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により本発明の技術思想と以下に記載される特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正および変形が可能することは勿論である。