特許第6800746号(P6800746)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6800746画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6800746
(24)【登録日】2020年11月27日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20201207BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20201207BHJP
   B42B 5/10 20060101ALI20201207BHJP
   B42C 19/02 20060101ALI20201207BHJP
   B65H 37/04 20060101ALI20201207BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   B41J29/38 201
   B41J29/00 H
   B42B5/10
   B42C19/02
   B65H37/04 Z
   G03G15/00 431
【請求項の数】14
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2016-255963(P2016-255963)
(22)【出願日】2016年12月28日
(65)【公開番号】特開2018-103589(P2018-103589A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】特許業務法人ひのき国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100199820
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 博志
(74)【代理人】
【識別番号】100145827
【弁理士】
【氏名又は名称】水垣 親房
(72)【発明者】
【氏名】飯田 利彦
(72)【発明者】
【氏名】金本 好司
【審査官】 大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−030935(JP,A)
【文献】 特開2009−248509(JP,A)
【文献】 特開2008−221477(JP,A)
【文献】 特開2002−144670(JP,A)
【文献】 特開2007−261702(JP,A)
【文献】 特開2015−036342(JP,A)
【文献】 特開2004−001525(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0286779(US,A1)
【文献】 韓国登録特許第10−0514285(KR,B1)
【文献】 特開2012−056280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00
B42B 5/10
B42C 19/02
B65H 37/04
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンチ部材を用いてシートに穿孔処理を行う第1の装置と、前記第1の装置により穿孔された複数のシートが積載される集積部を有し、該複数のシートの穴に綴じ部材がリング状に貫通した製本物が得られるように綴じ処理を行う第2の装置とを接続可能な画像形成装置であって、
情報を報知する報知手段と、
前記第1の装置と前記第2の装置とを使用するジョブを実行中に前記集積部でジャムが発生しと判断した場合、前記ジョブをキャンセルするとともに、前記集積部に積載されたシート束の厚みが前記第2の装置が使用する前記綴じ部材で綴じ処理できる厚みを超えていることを前記報知手段に報知する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1の装置と前記第2の装置とを使用するジョブを実行中に前記集積部でジャムが発生したこと報知した後、前記ジョブをキャンセルすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記ジャムが発生したと判断された場合、前記集積部に積載すべき最終頁のシートが積載済みでなければ、前記ジョブをキャンセルすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記ジャムが発生したと判断した場合、前記第2の装置に装着されている綴じ部材を、より大きいサイズの綴じ部材交換することを促す情報を前記報知手段に報知させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記ジャムが発生したと判断した場合、前記集積部に積載されたシートよりも薄いシートに変更することを促す情報を前記報知手段に報知させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
パンチ部材を用いてシートに穿孔処理を行う第1の装置と、前記第1の装置により穿孔された複数のシートが積載される集積部を有し、該複数のシートの穴に綴じ部材がリング状に貫通した製本物が得られるように綴じ処理を行う第2の装置とを接続可能な画像形成装置であって、
情報を報知する報知手段と、
前記第1の装置と前記第2の装置とを使用するジョブを実行中に前記集積部でジャムが発生したと判断した場合、前記ジョブで指定されたシート束を綴じ処理できるサイズの綴じ部材に交換することを促す情報を前記報知手段に報知させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、ジャムが解除され、前記綴じ部材が交換されると、前記ジョブを再開し、ジャムが解除され、前記綴じ部材が交換されなければ、前記ジョブをキャンセルする制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
パンチ部材を用いてシートに穿孔処理を行う第1の装置と、前記第1の装置により穿孔された複数のシートが積載される集積部を有し、該複数のシートの穴に綴じ部材がリング状に貫通した製本物が得られるように綴じ処理を行う第2の装置とを接続可能な画像形成装置であって、
情報を報知する報知手段と、
前記第1の装置と前記第2の装置とを使用するジョブを実行中に前記集積部でジャムが発生したと判断した場合、前記ジョブで使用するシートをより薄いシートに交換することを促す情報を前記報知手段に報知させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、ジャムが解除され、前記ジョブで使用するシートがより薄いシートに変更されたならば、前記ジョブを再開し、前記ジョブで使用するシートが変更されないならば、前記ジョブをキャンセルすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記綴じ部材は所定長さの凸部が所定間隔で連続的に形成された綴じ部材であり、前記第2の装置による製本処理は、固定された綴じ部材の前記凸部に前記シートの穴部がはまるように積載した後、前記凸部を折り曲げてリング状に綴じ込むリング製本処理であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記凸部は方形状であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記綴じ部材は、ワイヤで形成されていることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
情報を報知する報知手段を有し、パンチ部材を用いてシートに穿孔処理を行う第1の装置と、前記第1の装置により穿孔された複数のシートの穴に綴じ部材がリング状に貫通した製本物が得られるように綴じ処理を行う第2の装置とを接続可能な画像形成装置の制御方法であって、
前記第1の装置と前記第2の装置とを使用するジョブの実行中に前記第2の装置の集積部でジャムが発生していると判断した場合、前記ジョブをキャンセルするとともに、前記第2の装置の集積部に積載されたシート束の厚みが前記第2の装置が使用する前記綴じ部材で綴じ処理できる厚みを超えていることを報知する制御工程を備えることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項12】
情報を報知する報知手段を有し、パンチ部材を用いてシートに穿孔処理を行う第1の装置と、前記第1の装置により穿孔された複数のシートの穴に綴じ部材がリング状に貫通した製本物が得られるように綴じ処理を行う第2の装置とを接続可能な画像形成装置の制御方法であって、
前記第1の装置と前記第2の装置とを使用するジョブの実行中に前記第2の装置の集積部でジャムが発生していると判断した場合、前記ジョブで指定されたシート束を綴じ処理できるサイズの綴じ部材に交換することを促す情報を前記報知手段に報知させる報知工程と、
前記ジャムが解除され、前記綴じ部材が交換されると、前記ジョブを再開し、前記ジャムが解除され、前記綴じ部材が交換されなければ、前記ジョブをキャンセルする制御工程と、
を備えることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
情報を報知する報知手段を有し、パンチ部材を用いてシートに穿孔処理を行う第1の装置と、前記第1の装置により穿孔された複数のシートの穴に綴じ部材がリング状に貫通した製本物が得られるように綴じ処理を行う第2の装置とを接続可能な画像形成装置の制御方法であって、
前記第1の装置と前記第2の装置とを使用するジョブの実行中に前記第2の装置の集積部でジャムが発生していると判断した場合、前記ジョブで使用するシートをより薄いシートに交換することを促す情報を前記報知手段に報知させる報知工程と、
前記ジャムが解除され、前記ジョブで使用するシートがより薄いシートに変更されたならば、前記ジョブを再開し、前記ジャムが解除され、前記ジョブで使用するシートが変更されないならば、前記ジョブをキャンセルする制御工程と、
を備えることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項14】
請求項11〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿孔されたシートの穿孔部を利用した綴じ処理を伴う印刷ジョブを実行する画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置が事項可能な後処理機能の一つとして、印刷された複数の用紙を整合し、綴じる若しくは糊付け加工を施すことによって製本成果物を作成可能な製本機能が知られている。一例として、針(ステイプル)によって整合状態の用紙束の中央部を綴じ、かつ針に沿って折り加工を行うサドル製本機能が挙げられる。また別の一例として、整合状態の用紙端部に糊付け加工を施すことによって製本成果物を得るくるみ製本機能が挙げられる。さらに別の一例として、用紙の端部に穿孔(パンチ)処理が施され、該穿孔処理によって穿孔された箇所にリング状の綴じ部材を差し込むことに依って用紙を束ねることにより製本成果物を得る処理が挙げられる。この処理は綴じ処理に用いる綴じ部材の形状から、ワイヤ製本機能やリング製本機能などと呼ばれる。
【0003】
リング製本機能によって綴じる方法としては、例えば予め定められたサイズのプラスチック等により形成された綴じ部材を穿孔加工処理後の用紙束の穴部に差し込む事によって製本成果物を得る形態のものが知られている。またはワイヤ製本機能によって綴じる方法としては、例えば金属等の素材により構成され、任意の長さでカットした綴じ部材を、穿孔加工が施された用紙束の穴部に差し込み、曲げ加工を行うことによって行う様式のワイヤ製本処理が知られている。これらは使用する綴じ部材は異なるものの工程は共通しているため、以下ではまとめてワイヤ製本機能と呼ぶ。
【0004】
ワイヤ製本機能では用紙束の厚さが綴じ部材の大きさに合っていることが成果物の見栄えや使用感に大きく影響する。綴じ部材に対して用紙束が薄すぎると固定が緩くなってしまい不格好な成果物となる。一方用紙束が厚すぎると綴じることが出来ない。この問題に対して綴じることのできる最大用紙枚数を予め定めておくといったことが行われているが、実際の用紙の厚さは種類によって様々であり、湿気などによっても変化する。予め最大用紙枚数を定めておく方法では厚さに余裕を持たせる必要があり、綴じることのできる枚数が減ってしまう。特許文献1では適切な大きさの綴じ部材を選ぶために、用紙の情報から計算される用紙束の厚さと、実際に測定した用紙束の厚さから、使用する綴じ部材の大きさを決定している。この方法では用紙束の厚さを正確に測定する機構が必要であり大掛かりな装置となってしまう。また用紙情報から厚さを計算するために用紙の坪量を用いているが、坪量から厚さを正確に計算するのは難しく、例えばエンボス加工やシワ加工のような表面に凹凸ができる加工の施されている用紙の厚さは単純に坪量から計算できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−6290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の通り、ワイヤ製本機能では綴じ部材のサイズと用紙束の組み合わせが適切であることが重要であり、特に用紙束が厚すぎる場合は成果物を作成することが出来ない。
一方で予め綴じられる用紙の最大枚数を定めておくと、実際には綴じられる場合にも綴じられないものとして判定されてしまうことがある。
また、ワイヤ製本機能では綴じ部材のサイズと用紙束の組み合わせが適切な状態であってもジャムを画像形成装置が検出した場合、そのジャムの解除とそのリカバリ操作をわかりやすくユーザに通知していなかった。
このため、ワイヤ製本機能を使用するジョブを開始させたユーザは、何度も同じジャム解除処理を行うこととなり、最終的な成果物を得るまでに相当の時間を要していた。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、綴じ部材を使用するワイヤ製本ジョブを開始してジャムを検出した場合、ジャム解除後に綴じ部材に起因する同一のジャムが発生することを抑制できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明の画像形成装置は以下に示す構成を備える。
パンチ部材を用いてシートに穿孔処理を行う第1の装置と、前記第1の装置により穿孔された複数のシートが積載される集積部を有し、該複数のシートの穴に綴じ部材がリング状に貫通した製本物が得られるように綴じ処理を行う第2の装置とを接続可能な画像形成装置であって、情報を報知する報知手段と、前記第1の装置と前記第2の装置とを使用するジョブを実行中に前記集積部でジャムが発生したと判断した場合、前記ジョブをキャンセルするとともに、前記集積部に積載されたシート束の厚みが前記第2の装置が使用する前記綴じ部材で綴じ処理できる厚みを超えていることを前記報知手段に報知する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、綴じ部材を使用するワイヤ製本ジョブを開始してジャムを検出した場合、ジャム解除後に綴じ部材に起因する同一のジャムが発生することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】印刷システムの構成を説明する図である。
図2】MFPのハードウエア構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置の構成を説明するブロック図である。
図4】製本装置、シート処理装置の構成を説明する図である。
図5】パンチ装置におけるパンチ加工処理を説明する図である。
図6】シート集積部の近傍の模式図である。
図7】成果物の綴じ部の形態を説明する図である。
図8】操作部に表示されるUI画面を示す図である。
図9】画像形成装置の制御方法を説明するフローチャートである。
図10】操作部に表示されるUI画面を示す図である。
図11】画像形成装置の制御方法を説明するフローチャートである。
図12】操作部に表示されるUI画面を示す図である。
図13】画像形成装置の制御方法を説明するフローチャートである。
図14】画像形成装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
【0012】
図1は、本実施形態を示すシート後処理装置を有する画像形成システムの構成を示す構成図である。本実施形態では画像形成装置の一例としてMFP(Multifunction Peripheral)101を、印刷ジョブを生成するホスト装置の一例としてPC102を説明する。MFP101とPC102はネットワーク100を介して通信可能に接続されている。PC103は情報処理装置であって、ネットワーク100から印刷ジョブを受信して、MFP101に送信する。なお、本例は、1つのMFPとして構成する場合を示すが、それぞれの装置が通信する印刷システムとして構成することも可能である。また、印刷システムとしては、複数のMFP101と複数のホスト装置がネットワーク100を介して通信可能に接続されていてもよい。また、本実施形態の印刷システムは、画像形成装置とホスト装置を含む場合を例示しているが、これに限定されるものではない。例えば、画像形成装置を印刷処理システムとしてもよい。さらには、MFP101単独で実行可能な画像形成処理、例えばコピージョブ等の実行においてはネットワーク100に接続される装置は不要な構成としても構わない。なお、以下の説明において、印刷ジョブには、読み取られた原稿の画像を印刷するコピージョブやコンピュータから送信された情報を印刷するプリントジョブも含まれるものとする。
【0013】
まずPC102について説明する。PC102は、印刷ジョブを投入するアプリケーションプログラム等の各種のプログラムを実行することができる。また、PC102には、MFP101に対応するプリンタ言語に印刷データを変換する機能を有するプリンタドライバがインストールされている。印刷を行いたいユーザは各種のアプリケーションなどから印刷指示を行うことができる。プリンタドライバは印刷指示に基づいてアプリケーションが出力するデータをMFP101が解釈可能な印刷データに変換し、ネットワーク100に接続されたMFP101に印刷データを送信することができる。
【0014】
なお、本実施形態では、ホスト装置の一例としてPCを例示しているが、例えばスマートフォンやタブレット端末などの携帯情報端末などであってもよい。なお、印刷データを画像形成装置に送信する方法は適宜変形できる。印刷用のアプリケーション又はドライバを介して画像形成装置に印刷データを送信するようにしてもよいし、印刷データをクラウドサーバ経由で画像形成装置へ送信するようにしてもよい。
【0015】
次に、画像形成装置であるMFP101について説明する。
MFP101は原稿の画像を読み取る読取機能、シートに画像を印刷する印刷機能を有する。また、MFP101は、画像が印刷された複数のシートをとじたり、複数のシートを揃えたり、複数のシートの排出先を複数のトレイに分けたりする後処理機能を有する。なお、シートには、普通紙や厚紙などの用紙や、フィルムなどが含まれる。
【0016】
なお、本実施形態では画像形成装置の一例としてMFP101を説明するが、例えば、読取機能を有しないプリンタ等の画像形成装置であってもよい。本実施例では、一例として画像形成装置が以下に説明する各種構成要件を備えるものとする。
【0017】
また、MFP101が有する機能の一部やその他の付属的な機能を有する装置103をMFPに付加した構成を取っても構わない。この場合、PC102からは、ネットワーク100を経由して、装置103がMFP101の機能を提供しているように見なすことが可能である。装置103は、例えばモニタ105等の、PC102が備えるのと同様の各種入出力装置が付随されうる。また、このような付随する装置103が装着されていた場合であっても、MFP101は、ネットワークケーブル104を使用して、直接ネットワーク100に接続可能なように構成されていても構わない。
【0018】
MFP101を構成する各部位に関して説明する。
プリンタ部203は、画像データに基づいて、給紙部から給紙されたシートにトナーを用いて画像を形成(印刷)する。このプリンタ部203の構成及び動作原理は以下のとおりである。画像データに応じて変調された、例えばレーザ光などの光線を回転多面鏡(ポリゴンミラー等)により反射して走査光として感光ドラムに照射する。このレーザ光により感光ドラム上に形成された静電潜像はトナーによって現像され、転写ドラムに貼り付けられたシートに、そのトナー像を転写する。この一連の画像形成プロセスをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーに対して順次実行することにより、シート上にフルカラー画像が形成される。また、これら4色に加え、特色と呼ぶトナーや、透明トナーなどを転写可能とする構成としても良い。こうしてフルカラー画像が形成された転写ドラム上のシートは定着器へ搬送される。定着器は、ローラやベルト等を含み、ローラ内にハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、トナー像が転写されたシート上のトナーを、熱と圧力によってシートに定着させる。
【0019】
なお、本実施形態におけるMFP101のプリンタ部203には、画像読取装置であるスキャナ201、及びプリンタ部203の上部に配置された操作部204が接続されている。操作部204は、実施形態1に係るプリンタ部203の各種設定や操作などをユーザが行う場合の各種インタフェースを提供する。さらにこのMFP101は、プリンタ部203に加え各種付随装置が装着可能なよう構成されている。本実施形態では、操作部204は、後述する各種のUI画面を用いて積載ジョブで発生するジャムやジャムを回避するための情報を報知する。
【0020】
大容量給紙装置220は、プリンタ部203に脱着可能な給紙装置である。これら給紙装置は、複数の給紙部225を備える。このような構成により、プリンタ部203は、大容量のシートへの印刷処理を行うことができる。
プリンタ部203の内部にも給紙部225が存在し、機能的には給紙系装置給紙装置220と同等のことを実行することができる。プリンタ部203が備えるこれら給紙部225についても説明の上では給紙系装置と呼ぶこととする。
【0021】
インサータ221は、プリンタ部203によって作成されたシートに対してプリンタ部203を経由せずシートが印刷後のシート束に挿入された成果物が得られるように挿入用のシートを供給する装置である。同図においては2つのトレイ226,227を備える形態の装置を示している。
【0022】
穿孔装置222は、プリンタ部203もしくはインサータ221によって供給されたシートに対し、穿孔加工等の加工処理を行う。本例の穿孔装置222は、内部のダイと呼ばれる穿孔器具501を交換可能な形態を採っている。そのためダイ交換を行うためのドア234を備える。同装置の詳細については後述する。
【0023】
製本装置223は、本実施形態において特徴的な製本処理を実施するために供えられたものである。具体的には、穿孔装置222によって加工された穿孔加工済シートが固定された綴じ部材の突起にシートの穴部が嵌まるように積載する。綴じ部材を変形させる(リング状に折り曲げる)ことによってシート束すなわち製本成果物を得る。
作成済みの製本成果物は製本ドア231によってアクセスされる内部に配置されたトレイに積載される。また、綴じ部材の補給を行う際に開閉可能な様構成されるドア232をも具備する。さらには、例えばジャム等が同装置内において発生した際に、同装置内部のシート搬送路に対してアクセスする際に使用するドア233をも具備する。同装置に関する詳細は後述する。
【0024】
フィニッシャ224は、複数のシート束に対して針とじ加工を施すために設けられたものである。針とじの種別としては、コーナーとじ、2か所とじ、サドル製本とじ等、操作者が所望する形態の綴じ処理を可能とする。処理済の成果物はコーナーとじ、もしくは2か所とじの場合にはトレイ228、229に排出される一方で、サドル製本とじの場合にはトレイ230に排出されるよう構成される。
インサータ221、パンチ装置222、製本装置223、フィニッシャ224を後処理系のシート処理装置200と呼ぶ。
【0025】
<画像形成装置の説明>
図2は、図1に示したMFP101の構成を説明するブロック図である。なお、図2では、システムとしての単位で分割されているため、図1で示した機器構成の単位とは必ずしも対応しない部分が存在する。
【0026】
図2において、MFP101は、自装置内部に複数の処理対象となるジョブのデータを記憶可能なハードディスク209(以下、HDD)等の不揮発性メモリを備える。なお、本実施形態1ではハードディスクを用いたMFP101の例を示したが、同様の大容量かつ不揮発性な記憶装置であれば、ハードディスクに限定されない。
【0027】
また、MFP101は、スキャナ部201から受付けたデータをHDD209に記憶し、そのHDD209から読み出してプリンタ部203で印刷するコピー機能を有する。また、外部装置から通信部の一例である外部I/F部202ユニットを介して受信したジョブデータをHDD209に記憶し、HDD209から読み出してプリンタ部203で印刷する印刷機能等を有する。MFP101は、このような複数の機能を備えた多機能処理装置(MFP)(画像形成装置とも呼ぶ)である。なお、このMFP101は、カラープリント可能、或いはモノクロプリント可能のいずれでも良い。スキャナ部201は、原稿画像を読み取り、その原稿を読み取って得られた画像データを画像処理して出力する。
【0028】
外部I/F202は、ファクシミリ、ネットワーク接続機器、外部専用装置と画像データなどを送受信する。HDD209には、このMFP101によって永続的に記憶及び変更、管理される各種管理情報なども格納される。又、MFP101は、HDD209に記憶された印刷対象のジョブのデータの印刷処理を実行するプリンタ部203を備える。MFP101は、ユーザインタフェース部の一例に該当する、表示部を有する操作部204も備えている。
MFP101が備える制御部の一例に該当する制御部205は図示しないCPUを有し、このMFP101が備える各種ユニットの処理や動作等を統括的に制御する。ROM207には、制御部205により実行される後述するフローチャートの各種処理等を実行するためのプログラムを含む。本実施形態1で必要な各種の制御プログラムが記憶されている。又、ROM207には、ユーザインタフェース画面(以下、UI画面)を含む、操作部204の表示部に各種のUI画面を表示させるための表示制御プログラムも記憶されている。
【0029】
制御部205のCPUがROM207に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、本実施形態に係る各種動作をMFP101により実行させる。また制御部205が、外部I/F202を介して外部装置から受信したページ記述言語(以下PDLと略す)データを解釈し、ラスタイメージデータ(ビットマップ画像データ)に展開する動作を実行するプログラム等もROM207に記憶されている。
同様に、制御部205が、外部I/F202を介して外部装置から受信した印刷ジョブを解釈して処理するためのプログラム等もROM207に記憶されている。これらは、ソフトウエアによって処理される。
ROM207は読み出し専用のメモリで、ブートシーケンスやフォント情報等のプログラムや上記のプログラム等の各種プログラムを予め記憶している。ROM207に格納される各種プログラムの詳細については後述する。RAM208は読み出し及び書き込み可能なメモリで、スキャナ201や外部I/F202より送られてきた画像データや、各種プログラムや設定情報等を記憶する。
【0030】
制御部205は、スキャナ部201や外部I/F202等の各種入力ユニットを介して入力された処理対象となるジョブのデータを、このHDD209に格納し、HDD209から読み出してプリンタ部203に出力してプリントする。
また、制御部205は、HDD209から読み出したジョブデータを、外部I/F202を介して外部装置へ送信できるようにも制御する。また制御部205は、シート処理装置200の動作も制御する。
【0031】
<情報処理装置の説明>
図3は、図1に示したコンピュータ(PC)102の構成を示すブロック図である。以下、本実施形態のホスト装置の構成について説明する。
【0032】
図3において、CPU301は、ROM303のプログラム用ROMに記憶された、或いはHDD311からRAM302にロードされたOSや一般アプリケーション、製本アプリケーション等のプログラムを実行する。ROM303はまたフォントROMやデータROMを有している。RAM302は、CPU301の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
キーボードコントローラ(KBC)305は、キーボード(KB)309やポインティングデバイス(不図示)からの入力を制御する。表示コントローラ(CRTC)306は、表示部(CRT)310への表示を制御する。
ディスクコントローラ(DKC)307は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル等を記憶するHDD311等とのアクセスを制御する。ネットワークコントローラ(NC)312は、ネットワーク100に接続されて、そのネットワーク100に接続された他の機器との通信制御処理を実行する。バス304は、CPU301とRAM302、ROM303及び各種コントローラ等を接続して、データ信号や制御信号を搬送している。
【0033】
<製本装置の説明>
図4は、図1に示した製本装置223およびその近傍に配置されるシート処理装置200の構成を説明するための図である。以下、インサータ221、穿孔装置222、製本装置223、これら装置のうち、製本処理に関与する部材及びその機構について説明する。なお、図4において示される二対の円形状の部材は、シートを搬送するためのローラの概略的配置を示している。
【0034】
プリンタ部203で印刷された画像形成済のシートはインサータ搬入経路401によって示される箇所から後段の装置、すなわち本実施形態においてはインサータ221内の搬送路403に搬送される。また、インサータ221はプリンタ部203を経由せずにシートを搬送路403に搬送可能な様構成される。具体的には、トレイ226,227に配置されたシートを、搬送路402を経由して搬送路403に導くことができるように構成されている。なお、トレイ226、227には用紙が設置済か否かを識別するためのセンサ410が備えられている。搬送路403を通過した用紙は後段の装置である穿孔装置222内部に導かれる。
【0035】
穿孔装置222においては、同装置による加工処理の有無に応じて用紙は異なる搬送路に導かれる。すなわち、加工処理を不要とする場合には搬送路404を経由して後段の装置である製本装置223内に導かれる。一方で、同装置による加工処理を要する場合には、搬送路405を経由し加工部412に導かれる。シートに対する搬送路の切り替えはフラッパ411によって所定の搬送路にシートが導かれるような位置に制御される。加工部412においては、導かれたシートの所定の位置に対して穿孔処理を施す等のシート加工処理が実行される。穿孔屑集積部413により示された部位は、穿孔屑の集積箇所である。加工部412によって加工されたシートは搬送路406を経由して後段の装置である製本装置223内に導かれる。加工部412およびそれによって加工される処理の種別については後述する。
【0036】
搬送路407を介して製本装置223内に導かれたシートは、同装置による製本処理の有無に応じ、異なる搬送路に導かれる。搬送路の切り替えはフラッパ414が所定の搬送路にシートが導かれるように所定の位置に制御されることによって為される。すなわち、製本処理を不要とする場合には、搬送路408によって示される搬送路を経由し後段の装置にシートを排出する。
一方で製本処理を必要とする場合には搬送路409にシートが導かれるよう制御される。搬送路409に導かれたシートはシート集積部415に導かれる。図中では、集積部415には綴じ部材417および集積済シート418が示されている。後述するが、本実施形態による製本処理においては、穿孔処理によって穿孔加工が施されたシート、または予め穿孔加工が施されているシートの穿孔部に綴じ部材が貫通するようにシートを1枚ずつ積載させ、さらに綴じ部材をリング状に変形加工することによって製本成果物を得る方式によるものである。
したがって、搬送路409を経由し集積部415に導かれるシートは所定の様式による穿孔処理が施されたものである必要がある。具体的には綴じ部材が穿孔加工済みシートの穴部に対し貫通可能な形態によって穿孔処理されたものである必要がある。綴じ部材および穿孔処理の穿孔属性については後述する。
また、綴じ部材はその保持部419からシートの加工に必要な長さ分を引き出された上で切断される。また、前述した集積部415の所定の位置に正確に綴じ部材を配置するための綴じ部材供給部420を有する。
【0037】
製本加工を要する全てのシートの集積が完了したら加工部416によって綴じ部材417の変形加工処理が行われる。加工部416は綴じ部材417に圧力を加える事で変形し、用紙束をとじる処理を行う。綴じ部材417に一定の量の圧力を加えても十分な変形が行えない場合、あるいは最終用紙を集積部415に集積した後で集積部センサ443が一定時間以上連続してシートの積載を検知した場合に、製本装置223は集積部415におけるジャムとして制御部205に通知する。また、集積部415に用紙が溢れたことにより、集積部415に用紙が搬送できない場合、とじ部材処理部への搬入口の用紙搬送センサ440で用紙の残留が検知される。この場合も集積部415に用紙束が残留し、設置済みとじ部材417と積載済み用紙束を除去する必要があるので、集積部415におけるジャムとして検知する。以降ではこれらの用紙束の厚さが超過していることに起因する集積部におけるジャムを集積部ジャムと呼称する。この装置および処理の結果によって綴じ処理が施された製本成果物が得られる。作成済みの製本成果物は搬送路421を介して成果物トレイ422に導かれる。同図においては作成済みの製本成果物423が同トレイ内に格納された状態を示している。
成果物トレイ422には成果物トレイセンサ444と成果物トレイ積載上限センサ442が備えられており、成果物トレイセンサ444は成果物トレイ422に成果物が設置されているかを検知し、成果物トレイ積載上限センサ442は成果物トレイ422の溢れをそれぞれ検知する。
シート搬送センサ424〜441はシートの搬送を検知するセンサであり、反射型フォトICセンサなどが用いられる。反射型フォトICセンサは赤外線LEDを照射する発光部と、反射した赤外線を受光する受光部で構成される。シートが搬送路上を搬送され、各シート搬送センサの下を通過する際に、発光部が照射する赤外線がシートの表面で反射される。この反射光を受光部で受光することでシートの通過を検知する。反射光の受光が一定時間以上続いた場合、シートが残留していると判断しジャムの発生を検知する。同様に、ジャム発生後に反射光の受光が途切れた場合ジャム紙の除去を検知する。
【0038】
<穿孔器具の説明>
図5は、図4に示した穿孔装置222における、加工部412によってシートに対して施される加工処理を説明する図である。
図5において、加工部412には、ダイと呼ばれる穿孔器具501が交換可能な様式によって配置可能な構成を採っている。穿孔器具501は穿孔処理の型であり、穿孔器具501を交換することによって様々な穿孔処理が可能となっている。以下、加工部412によって為されるシートに対する穿孔等の加工処理の詳細を説明する。
穿孔器具501はパンチ部材の一例である。交換可能な穿孔器具501のそれぞれは、シートに穿孔する穴の形状、穴と穴との間隔、穴数、識別情報等の穿孔属性を備えている。ここで、パンチ部材は、製本装置223の綴じ部材417に整合している必要がある。本実施形態では製本装置223の綴じ部材417と、交換可能な穿孔器具501とが整合するかを判断することで、ミスマッチとなるようなシート後処理を回避する制御を行う。なお、当該制御の詳細は後述するフローチャートを用いて説明する。
【0039】
加工対象であるシート505は穿孔処理の加工対象のシートであり、図4における搬送路405を経由し加工部412に導かれたシートを示している。穿孔部502は支柱503によって配置が強固に固定されているが、穿孔器具501の上方から圧力を加えることに依って穿孔部502が下方に押し出される。穿孔部502の先端は穿孔処理に好適なよう鋭利な穿孔形状を為しており、その結果、穿孔器具501の下方に配置されたシート505に対して穿孔処理が行われる。
【0040】
穿孔器具501は、穿孔属性により必要とする形状や穴数等に応じて各種用意されており、かつ柔軟に交換可能なよう構成される。例えば、2穴穿孔加工済みシート506に示すような、穴の形状は丸型で穴数が2つの成果物を得る場合には対応した形状の穿孔器具501を加工部412に配置する。一方、4穴穿孔加工済みシート507に示すように、穴の形状が四角、穴数が4である成果物を得る場合には同様に、対応した形状の穿孔器具501を加工部412に配置すればよい。
穿孔器具501が交換された場合、製本装置223は外部I/F202を通して、制御部205に穿孔器具501の変更を通知するか、交換後に操作者が操作部204を操作して手動で交換後の穿孔器具501の種類を入力する。
【0041】
本実施形態における穿孔装置222は、穿孔器具501の上方から圧力を加えることによって、その下方に配置されたシートに加工を施すという装置の仕組みによって、穴あけ処理以外の加工処理も可能とする。具体的には、クリース加工(筋付け)済みシート508に示すようにシートの中央部にクリース509と呼ばれる折りを容易にするための筋を付けるための加工処理なども可能である。
【0042】
製本処理を実現するための穿孔処理について、製本穿孔加工済みシート510によって示される図を用いて説明する。
図4において述べた通り、本実施形態における製本処理は製本装置233において、穿孔加工の為されたシートに綴じ部材417を貫通させる仕組みを前提としている。したがって、穿孔装置222は、上述した穿孔属性である各種形状、穴数による穿孔処理を可能としているにも拘らず、当該製本処理時には、製本処理に好適な、すなわち、ダイと綴じ部材417とが整合する穿孔器具501によって穿孔加工がなされなければならない。
具体的には、シートに穿孔された穴の数が綴じ部材417と整合していなければならない。これは上述した通り、綴じ処理時において、綴じ部材417をシート510の穴部(シート穴)504に貫通させ、さらに綴じ部材417を変形させる処理を要することによる。
【0043】
さらに、穴の間隔511と綴じ部材の間隔512が合致している必要があり、かつ穴のサイズ513よりも、綴じ部材417の貫通部のサイズ514が小さくなければ綴じ部材417を貫通させることができない。これらの条件も、上述した通り、製本処理の仕組みである、綴じ部材417をシート510の穴部504に貫通させ、変形させる処理を要することに由来するものである。
【0044】
このように製本処理を伴う穿孔処理では穿孔器具501が綴じ部材417と整合したものであることは印刷ジョブを完了させる上で必須である。
一方で、製本処理を伴わない通常の穿孔処理の場合、穿孔処理に依存する後続の加工処理が存在しないため、必ずしも指定された穿孔処理に適した穿孔器具501が装着されていなくても印刷ジョブを完了させることは可能である。例えば、穿孔器具501がジョブで指定された穿孔処理の種類に一致しない場合、穿孔処理を行わずにトレイ228,229に排紙することが可能である。このように実行する印刷ジョブによっては、特定の製本処理が要求される場合には、上記ダイと綴じ部材417とが整合するように制御し、それ以外の場合は、印刷ジョブの処理を開始するように制御する。
【0045】
<とじ工程の説明>
図6は、図4に示した集積部415の近傍の構成を示す模式図であり、綴じ処理の仕組みの概要を説明するためのものである。
図6の(A)は処理開始前の集積部415の状態を表している。綴じ部材固定部601、602によって示される部材が並行して配置される。両部材の隙間603には、図4において説明した、シートの幅(搬送方向に直交する方向の長さ)に応じて切断された綴じ部材417が配置および固定されるための箇所である。
【0046】
図6の(B)に示す通り、綴じ部材417が集積部415に供給された後、綴じ部材417は綴じ部材固定部602、601によって所定の位置に正確に配置および固定される。次に、図6の(C)に示す通り、この状態に対して穿孔済みのシートの穴部に綴じ部材417の突起が貫通する形でシートが1枚ずつ集積される。綴じ部材417は集積されるために搬送されたシートの穴の数や位置に対し、綴じ部材が貫通するよう正確に配置されるよう制御される。最終紙までの集積が完了したら、綴じ部材417を折り曲げ、変形させることによって図6の(D)に示すような製本成果物を得る。
【0047】
なお、集積部415を構成する部材、綴じ部材の形状は本実施形態による製本処理の仕組みを説明するために簡略化されたものであり、図6に示した形状に限定されるものではない。
例えば曲げ加工を容易とするために、図6に示すような直線的な綴じ部材ではなく、最初から湾曲形状をした綴じ部材を用いるなどの場合が考えられる。また、穴の数、間隔、形状等についても、各種存在しうるが、それらが如何なる態様のものであったとしても請求項記載の構成を満足する限り本発明は適用されることは言うまでもない。
また、本実施形態では、製本装置223による製本処理は、第1の装置により穿孔された複数のシートの穴に綴じ部材が貫通した状態で当該綴じ部材を折り曲げてリング状に綴じ込むリング製本処理である。
ここで、綴じ部材は、上述した形状的特徴を備えるが、具体的には、正方パルス状に所定長の凸部が所定間隔で連続的に形成され、前記凸部を折り曲げてリング状に加工できる素材である。この素材で好適なものは、ワイヤであるが、一定強度を備えるプラスチック部材であってもよい。
また、製本物を構成する全ページのシートが束状に積載された後に、綴じ部材がシート束の穴部に貫通するように綴じ部材を移動させる構成でもよい。
【0048】
図7は、本実施形態における製本処理を実施した結果得られる成果物の綴じ部の形態を説明する図である。
図7の(A)によって示す図は、綴じ成果物の綴じ部の方向から成果物を表現した図である。最初のシート701、2番目のシート702、それ以降のシート703という積載順によってシート集積部415に集積され、その状態で綴じ処理を施した状態を示している。綴じ部材417に貫通したこれらシートを、綴じ部材をリング状に折り曲げることによってシートを束ねる方式である。したがって、同図に示す通り、綴じ部材417の底部707と貫通部、すなわち上部708が交互に配置された形状として綴じ部を形成することになる。
【0049】
しかしながら、成果物として綴じ部の底部707と上部708が交互に露呈する様式の成果物は主に見た目における品位を著しく損なう。
したがって、図7の(B)で示される、綴じ処理実行後の成果物における最初のシート701を製本成果物の反対方向にめくった状態とする。これによって、図7の(A)によって示したような、底部707と上部708が露呈した状態を解除し、見た目に好ましい品位の成果物を得ることが可能である。また、このような最初のシート701を反対方向にめくるという処理を想定し、成果物のシート積載順序が決定される。
【0050】
また、綴じ部材417のサイズは予め定められたものが製本装置223に供給される一方で、製本成果物を構成するシートの枚数、もしくは束厚は印刷ジョブデータのページ数や使用するシート種に応じて可変である。このようなことを想定し、様々な束厚の製本成果物を得るために、製本装置223は、サイズの異なる綴じ部材417を交換可能とする事に依り、異なる束厚の製本成果物であっても、適切に作成可能なよう構成されることを前提としている。
【0051】
例えば、図7の(C)、図7の(D)に示す図は、サイズの異なる綴じ部材705、706を用いた場合の、製本成果物を綴じ部材417の断面を観察する方向から示したものである。しかしながら、同一束厚のシート束であっても、綴じ部材417のサイズが束厚を超えない限り、異なるサイズの綴じ部材417を利用した綴じ処理が可能である。
しかしながら、束厚に適したサイズの綴じ部材417を使う方が成果物としては好ましい。もっともこれは当該MFP101を利用するユーザの主観に委ねられる。しかしながら、図7の(E)に示したように、束の厚みに関し綴じ部材417が綴じることのできるサイズを超えてしまった場合がある。この場合には前述したユーザの主観によらず、当該製本装置223における製本成果物作成処理は実行することが出来ない。
この場合、ユーザは、束厚を小さくするか、若しくはより大きなサイズの綴じ部材417に換装し、処理を行う以外に正常な成果物を得る術はない。
【0052】
<操作部204に表示する画像の説明>
図8は、図2に示した操作部204に表示されるUI画面を示す図である。
図8の(A)は製本設定画面800の一例あり、図8の(B)は用紙種類設定画面820の一例である。
また、図8の(C)は第1の操作画面である集積部ジャム検知画面830の一例あり、図8の(B)は用紙種類設定画面820の一例であり、図8の(D)はジャム検知画面840の一例あり、図8の(E)はジョブ設定確認画面である厚さオーバーエラー画面850の一例である。
【0053】
前述の通り、操作者から操作部204への入力は制御部205へ伝送され、操作部204に表示する画面は制御部205からの指示によりに切り替えられる。以下では操作部204に表示する画面例と操作者の操作による操作部204の表示画面の遷移について説明する
【0054】
操作者から図示しない標準画面から製本設定画面の表示の指示を受け付けると、制御部205は操作部204の表示部に図8の(A)の製本設定画面800を表示する。製本設定画面800はジョブの設定に関する画面の1つであり、製本面付けおよび仕上げを指定するための画面である。
【0055】
図8の(A)において、面付け指定ボタン801〜803は画像の配置(面付け)の方法を指定するためのボタンである。面付け指定ボタン801〜803のうち、ユーザにより選択された面付け指定ボタンは、制御部205により他のボタンとは違う色で表示するように制御される。
なお、図8の(A)に示すUI画面において、複数の面付け指定ボタンが同時に選択状態になることはない。既に選択状態になっている面付け指定ボタンがある状態で、別の面付け指定ボタンを選択した場合、新たに選択した面付け指定ボタンが選択状態となり、面付け指定ボタン801〜803のうち、先に選択状態となっていた面付け指定ボタンの選択状態が解除される。
また、面付け指定ボタン801〜803のいずれかのボタンがRAM208に選択状態が保存されている場合、その選択状態を初期状態とし、保存されていない場合には製本面付けしない面付け指定ボタン803が選択された状態を初期状態とする。
【0056】
製本面付け指定ボタン801は面付け指定ボタンの1つであり、選択状態にすることで中綴じ製本面付けを指定することができる。中綴じ製本面付けでは画像の順番を入れ替え、1枚の用紙に2つの画像を印刷する。仕上げ処理で中央を折ることで冊子のような出力物を得ることができる。
【0057】
ワイヤ製本面付け指定ボタン802は面付け指定ボタンの1つであり、選択状態にすることでワイヤ製本面付けを指定することができる。図7を使用して説明したように、ワイヤ製本の成果物は、用紙の積載順序を変更する必要がある。具体的には裏表紙となる最後尾の用紙を最初に出力するように画像順序を入れ替えて積載順序を変更する必要がある。ワイヤ製本面付け指定ボタン802を選択することで、この積載順序の変更に必要な処理が実施される。
【0058】
一方、製本面付けしない面付け指定ボタン803は、面付け指定ボタンの1つであり、選択状態にすることで製本面付けを行わないことを指定することができる。製本面付けを指定しない場合、用紙の1つの面に対し1つの画像が順番通りに印刷される。片面・両面の指定は不図示の通常面付け指定画面で設定可能である。
【0059】
図8の(A)において、仕上げ指定ボタン804〜807は仕上げの方法を指定するためのボタンである。仕上げ指定ボタン804〜807のうち、選択された仕上げ指定ボタンは、他のボタンとは違う色で表示される。複数の仕上げ指定ボタンが同時に選択状態になることはない。既に選択状態になっている仕上げ指定ボタンがある状態で、別の仕上げ指定ボタンを選択すると、新たに選択した仕上げ指定ボタンが選択状態となり、先に選択状態となっていた仕上げ指定ボタンの選択状態が解除される。
また、仕上げ指定ボタン804〜807のうち、選択された仕上げ指定ボタンがRAM208に選択状態が保存されている場合その選択状態を初期状態とする。一方で、選択された仕上げ指定ボタンがRAM208に選択状態が保存されていない場合には仕上げなし指定ボタン807が選択された状態を初期状態とする。
【0060】
折り+中綴じ指定ボタン804は、仕上げ指定ボタンの1つであり、選択状態にすることで用紙を中央で折る処理とステイプルで綴じる処理を指定することができる。製本面付け指定ボタン801と合わせて指定をすることで、中綴じされた冊子状の成果物を得ることができる。
【0061】
折り指定ボタン805は仕上げ指定ボタンの1つであり、選択状態にすることで、印刷されたシートを中央で折る処理を指定することができる。製本面付け指定ボタン801と合わせて指定をすることで、冊子状の成果物を得ることができる。
【0062】
ワイヤ綴じ指定ボタン806は仕上げ指定ボタンの1つであり、選択状態にすることでワイヤを使用した綴じを指定することができる。ワイヤ製本面付け指定ボタン802と合わせて指定をすることで、綴じ部材417で綴じられて製本処理された出力物を得ることができる。
【0063】
仕上げなし指定ボタン807は仕上げ指定ボタンの1つであり、選択状態にすることで仕上げを行わないことを指定することができる。仕上げなし指定ボタン807を選択して仕上げを行わない場合、製本に関わる仕上げ処理は行われない。
【0064】
表紙指定ボタン808は表紙を指定するためのボタンである。表紙指定ボタン808が選択されると制御部205は、面付け指定ボタン801〜803と仕上げ指定ボタン804〜807の選択状態をRAM208に一時的に保存し、不図示の表紙設定画面を表示する。当該不図示の表紙設定画面では表紙に使用する用紙の種類や印刷面を指定することが可能である。表紙設定画面が終了したら、制御部205はRAM208に保存したボタンの選択状態を読み出し、読み出した選択状態を初期状態とした上で操作部204に製本設定画面800を表示する。
【0065】
開き方指定ボタン809は、製本の開き方向を指定するためのボタンである。開き方指定ボタン809が選択されると制御部205は、面付け指定ボタン801〜803と仕上げ指定ボタン804〜807の選択状態をRAM208に一時的に保存し、不図示の開き方設定画面を表示する。当該不図示の開き方設定画面では製本の開き方向を指定することが可能である。開き方設定画面が終了したら、制御部205はRAM208に保存したボタンの選択状態を読みだし、読みだした選択状態を初期状態とした上で操作部204に製本設定画面800を表示する。
【0066】
用紙設定ボタン810は、使用する用紙を指定するためのボタンである。用紙設定ボタン810が選択されると制御部205は、面付け指定ボタン801〜803と仕上げ指定ボタン804〜807の選択状態をRAM208に一時的に保存し、用紙種類設定画面820を表示する。用紙種類設定画面820に関しては図8の(B)を用いて説明をする。
用紙種類設定画面820が終了したら、制御部205はRAM208に保存したボタンの選択状態を読み出し、読み出した選択状態を初期状態とした上で操作部204に製本設定画面800を表示する。
【0067】
設定取消ボタン811は、図8の(A)に示す画面における製本設定を終了するものである。設定取消ボタン811の選択を受け付けた場合、制御部205は、製本設定画面800で行われた面付け方法、仕上げ方法、および表紙設定画面で行われた表紙設定、開き方設定画面で行われた開き方向の指定、用紙種類設定画面820で行われた用紙設定を保存することなく破棄し、遷移元の画面に遷移させる。
【0068】
OKボタン812は、図8の(A)に示す画面における製本設定を終了するものである。OKボタン812への指示を受け付けた場合、制御部205は、製本設定画面800で行われた面付け方法、仕上げ方法、および表紙設定画面で行われた表紙設定、開き方設定画面で行われた開き方向、用紙種類設定画面820で行われた用紙設定をジョブで使用する設定としてRAM208に保存し、遷移元の画面に遷移させる。
【0069】
なお、図8の(A)に示す画面において、表紙指定ボタン808、開き方指定ボタン809、用紙設定ボタン810、設定取消ボタン811、OKボタン812のいずれのボタンも選択されることなく、製本設定画面800から遷移した場合、製本設定画面800で行われた面付け方法、仕上げ方法、および表紙設定画面で行われた表紙設定、開き方設定画面で行われた開き方向の指定、用紙種類設定画面820で行われた用紙設定を破棄する。
ただし、スクリーンセイバなどの一時的かつ、解除後に製本設定画面800に戻る画面遷移に関しては一時的に保存された設定を破棄しない。
【0070】
製本設定画面800において、操作者から用紙設定ボタン810が選択されると、制御部205は操作部204に図8の(B)の用紙種類設定画面820を表示する。用紙種類設定画面820は、製本コピージョブで使用する用紙の種類を設定する画面である。
【0071】
用紙の種類設定ボタン821〜827は、製本ジョブで使用する用紙の種類を設定するためのボタンである。制御部205は用紙の種類設定ボタン821〜827から選択された用紙の種類設定ボタンを、他のボタンとは違う色で表示する。ここで、複数の用紙の種類設定ボタンが同時に選択状態になることはない。既に選択状態になっている用紙の種類設定ボタンがある状態で、別の用紙の種類設定ボタンが選択されると、新たに選択された用紙の種類設定ボタンが選択状態となり、先に選択状態となっていた用紙の種類設定ボタンの選択状態が解除される。また、RAM208に用紙の種類設定ボタンの選択状態が保存されている場合その選択状態を初期状態とし、用紙の種類設定ボタンが保存されていない場合には普通紙ボタン822が選択された状態を初期状態とする。
【0072】
用紙の種類設定を終了する設定取消ボタン828の選択を受け付けた場合は、制御部205は用紙種類設定画面820で行われた用紙設定を保存することなく破棄し、製本設定画面800に遷移させる。
【0073】
用紙の種類設定を終了する次へボタン829の選択を受け付けた場合は、制御部205は用紙の種類設定ボタン821〜827の選択状態をRAM208に一時的に保存し、不図示の用紙サイズ設定画面に遷移させる。
【0074】
ワイヤ製本機能が設定されたジョブの印刷処理において、集積部ジャムが検知されると、制御部205は操作部204に図8の(C)の集積部ジャム検知画面830を表示する。
集積部ジャム検知画面830は、集積部415に堆積している用紙と設置済み綴じ部材を取り除くように指示するための画面である。集積部ジャムの検知に関しては図4を用いて説明を行った。
【0075】
集積部ジャム検知画面830を終了する閉じるボタン831の入力を受けると、制御部205は操作部204に表示した集積部ジャム検知画面830を消去し、集積部ジャム検知画面830を表示する前に表示していた画面に遷移させる。閉じるボタン831が選択されて集積部ジャム検知画面830が終了した場合、ジャムは解消されておらず、ジョブも終了していない。なお、不図示のジョブ状況画面表示ボタンを選択することで、再度集積部ジャム検知画面830を表示することが可能である。
【0076】
ジャム位置表示領域832は、集積部ジャムが発生した位置を表示する領域である。黒丸で示された箇所がジャム発生箇所である。
【0077】
集積部ジャムメッセージ表示領域833は、集積部ジャムの発生箇所及びジャムの解消手順を示すメッセージを表示する領域である。表示内容は文章だけでなく、画像、アニメーションや動画を用いても良い。集積部ジャムを解消するための手順は、綴じ部材固定部601、602の隙間603から設置済み綴じ部材417を除去する操作、および集積部415から用紙束を除去する操作である。用紙搬送部センサ440が用紙の残留を検知している場合、この部位から用紙を取り除く操作も含まれる。
製本装置内で集積部よりも上流側でのジャムを検知すると、制御部205は操作部204に図8の(D)のジャム検知画面840を表示する。ジャム検知画面840は、ジャムの発生を知らせるための画面である。
【0078】
図8の(D)において、ジャム検知画面840を終了する閉じるボタン841の入力を受けると、制御部205は操作部204に表示したジャム検知画面840を消去し、ジャム検知画面840を表示する前に表示していた画面に遷移させる。閉じるボタン841を選択してジャム検知画面840を終了した場合、ジャムは解消されておらず、ジョブは終了していない。不図示のジョブ状況画面表示ボタンを選択することで、再度ジャム検知画面840を表示することが可能である。
【0079】
ジャム解消手順表示領域843は、ジャムを解消するための手順を表示する領域である。画像を表示するほか、アニメーションや動画を用いても良い。ジャムを解消するための手順は、用紙搬送センサ424〜441により残留が検知された用紙を除去する操作である。
ジャムメッセージ表示領域843は、ジャムが発生したことを知らせるためのメッセージを表示する領域である。ジャムの発生箇所やジャムを解除するために必要な操作の説明が表示される。
【0080】
集積部ジャムが発生し、ジャムの解消を検知すると、制御部205は操作部204に図8の(E)の厚さオーバーエラー画面850を表示する。厚さオーバーエラー画面850は用紙束が装着されている綴じ部材417では綴じられないことを通知する画面である。
【0081】
エラー表示領域851は、エラーの内容を表示するための領域である。本例は、ワイヤ製本されるべきシート束を構成するシートの枚数が製本可能な枚数をオーバーしていることで、ジョブを完了できなかったことを示すメッセージが表示した例である。
【0082】
厚さオーバーエラー画面850を終了するOKボタン852の入力を受けると、制御部205は操作部204に表示した厚さオーバーエラー画面850を消去し、厚さオーバーエラー画面850を表示する前に表示していた画面に遷移させる。
【0083】
<ワイヤ製本ジョブ処理のフローチャート>
図9は、本実施形態を示す画像形成装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、ワイヤ製本を含むジョブ、すなわちワイヤ製本設定がされた印刷ジョブを受け付けた場合の制御部205の処理手順である。なお、各ステップは、制御部205が備えるCPUが記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0084】
S901で、制御部205はワイヤ製本ジョブを実施する。ワイヤ製本ジョブの詳細は図4図7を用いて説明を行った。ワイヤ製本ジョブの実施中にイベントの検知を受け付けた場合S902に進み、受け付けていない場合にはS901にとどまる。
【0085】
S902で、制御部205はワイヤ製本ジョブの実施中に受け付けた通知が、全ての部を成果物トレイ422に出力されたことを示す出力完了通知であるかを判定する。具体的には、制御部205はワイヤ製本ジョブで実施した最終部となる製本物が成果物トレイ422に出力されることを検知することで、全ての部の出力完了通知であるかを判定する。ここで、全ての部の出力完了通知を検知したと制御部205が判断した場合、ワイヤ製本ジョブのフローチャートを終了する。一方、全ての部の出力完了通知を検知していないと制御部205が判断した場合、制御部205は処理をS903に進める。
【0086】
S903で、制御部205はワイヤ製本ジョブの実施中に受け付けた通知が、ジャムの検知であるかを判定する。ジャムの検知に関しては図4を用いて説明をした。ここで、ジャムを検知したと制御部205が判断した場合、制御部205は処理をS904に進め、ジャムを検知していないと制御部205が判断した場合、制御部205は、処理をS901に戻す。
【0087】
S904で、制御部205は検知したジャムが集積部ジャムであるかを判定する。集積部ジャムに関しては図4を用いて説明を行った。ここで、前述したようにシートを集積部に集積し始めてからの経過時間が規定時間を超えたことで集積部ジャムを検知する場合を例とする。そして、検知したジャムが集積部ジャムであると制御部205が判断した場合、制御部205は処理をS905に進め、検知したジャムが集積部ジャムでないと制御部205が判断した場合、制御部205は処理をS906に進める。
【0088】
S905で、制御部205は操作部204に集積部ジャム検知画面830を表示する。集積部ジャム検知画面830の詳細に関しては図8の(C)を用いて説明をした。制御部205が操作部204に集積部ジャム検知画面830を表示したら制御部205は、処理をS907に進める。
【0089】
S906では、制御部205が操作部204にジャム検知画面840を表示する。ジャム検知画面840に関しては図8の(D)を用いて説明をした。制御部205が操作部204にジャム検知画面840を表示したら、制御部205は処理をS908に進める。
【0090】
S907で、制御部205は、ユーザによって集積部ジャムが解除されたかどうかを判断する。ここで、制御部205は、ユーザによって集積部ジャムが解除されたと判断した場合、処理をS908へ進め、ユーザによって集積部ジャムが解除されていないと判断した場合、処理をS905に戻す。集積部ジャムの解除に関しては図4および図8の(C)を用いて説明をした。制御部205は、集積部ジャムの解除を受け付けたら、制御部205は、処理をS909に進める。
S909で、制御部205はワイヤ製本ジョブをキャンセルするとともに、制御部205はHDD209に保存したワイヤ製本ジョブに関する設定情報および画像データを削除し、制御部205は、処理をS911へ進める。
【0091】
S910で、制御部205はジャムが発生した部を構成する最初のページからワイヤ製本ジョブを再開する。再開後、制御部205はワイヤ製本ジョブの実施中にイベントの検知を受け付けた場合、制御部205は処理をS902に戻し、ワイヤ製本ジョブの実施中にイベントの検知を受け付けていないと制御部205が判断した場合、制御部205は処理をS910で待機する。
【0092】
S911で、制御部205は厚さオーバーエラー画面850を表示する。厚さオーバーエラー画面850に関しては、図8の(E)を用いて説明した。厚さオーバーエラー画面850を表示したら、制御部205は処理をS912に進める。
一方、S908では、制御部205は、MFP101内で発生しているジャムが解除されるのを待機する。ジャム解除に関しては図4および図8の(D)を用いて説明をした。制御部205は、ジャム解除の検知を受け付けたら、制御部205は、処理をS910に進める。
【0093】
S912で、制御部205は操作部204を操作する操作者からの入力を待機する。操作者からの入力を受け付けたら、制御部205は処理をS913に進める。
【0094】
S913で、制御部205はS912で受け付けた操作者からの入力が、OKボタン852を操作する入力であるかを判定する。ここで、OKボタン852を操作する操作であると制御部205が判断した場合、制御部205はワイヤ製本ジョブ処理のフローを終了し、OKボタン852を操作する操作でないと制御部205が判断した場合、制御部205は、処理をS912に進める。
【0095】
本実施形態によれば、ワイヤ製本ジョブの実施で製本装置223の集積部415で用紙束の厚さが綴じ処理可能な厚さをオーバーし、綴じ処理が実施できないために用紙束を成果物トレイ422に搬送できない場合、集積部ジャムとして検知する。
集積部ジャムでは通常のジャムとは異なり、集積部ジャム検知画面830を表示して操作者にジャムの解除を指示し、ジャムが解除された後に厚さオーバーエラー画面850を表示してワイヤ製本ジョブをキャンセルする。
このように、綴じ処理を実際に行って綴じられるかどうかを判定し、綴じることができないと判定された場合にも、ジャム解除操作後にジョブを再開せずにキャンセルを行う。このため、用紙束の厚さの超過で再びジャムが発生することを抑制できる。したがって、綴じ部材で綴じるべきシート束の用紙の枚数を予め設定された最大綴じ許容枚数にし、かつ実際に綴じることができなかった場合でも適切に処理を行うことが可能である。
【0096】
〔第2実施形態〕
第1実施形態では用紙束の厚さが綴じ部材417で綴じ可能な厚さを超えている場合にはジャム解除操作後に、ワイヤ製本ジョブのキャンセルを行う場合について説明した。しかしながら、操作者がより大きな綴じ部材を用意できる場合には、綴じ部材の交換後に印刷を再開することが可能となる。
そこで、第2実施形態では、集積部ジャムの解除後に、綴じ部材を取り替えることで印刷を再開できるように制御する場合を説明する。
【0097】
<操作部204に表示する画像の説明>
図10は、図2に示した操作部204に表示するUI画面を示す図である。なお、第1実施形態と同じ符号の説明については省略する。
図10の(A)は第2の操作画面である綴じ部材交換要求画面1000である。図10(B)は綴じ部材登録画面1010である。
【0098】
集積部ジャムの解除が検出されると、制御部205は操作部204に図10の(A)の綴じ部材交換要求画面1000を表示する。綴じ部材交換要求画面1000は操作者に集積部ジャムが発生した時よりも大きな綴じ部材に交換することを要求するための画面である。
【0099】
図10の(A)において、交換ワイヤ表示領域1001は、要求する綴じ部材の種類を表示するための領域であり、綴じ部材の種類を特定するための情報が表示される。集積部ジャムが発生した時に装着されていた綴じ部材、すなわち後述する装着ワイヤ表示領域1003に表示されている綴じ部材よりも大きい綴じ部材が表示される。表示する綴じ部材は製本装置223が対応している全ての綴じ部材の中から選んでもよく、操作者が綴じ部材登録画面1010から登録した綴じ部材の情報に基づいて選んでも良い。
ワイヤ交換位置マーク1002は、交換すべきワイヤの位置を示すマークである。装着ワイヤ表示領域1003は、現在装着されている綴じ部材の種類を表示するための領域であり、綴じ部材の種類を特定するための情報が表示される。
なお、綴じ部材交換要求画面1000において、交換手順を文章、画像のほかアニメーションなどを用いて表示するよう構成しても良い。
【0100】
図10の(A)において、ジョブを中止する中止ボタン1004の選択を受け付けた場合は、制御部205は受け付けたジョブを中止するとともに、HDD209に保存したジョブに関する設定情報およびに画像データを破棄する。
また、制御部205は操作部204に表示している綴じ部材交換要求画面1000を終了し、操作部204の画面を遷移元の画面に遷移させる制御を行う。
【0101】
制御部205は、綴じ部材交換要求画面を終了する閉じるボタン1005の操作を受け付けた場合、制御部205は、操作部204に表示している綴じ部材交換要求画面1000を終了し、遷移元の画面に遷移させる。この場合、適切な綴じ部材は装着されていないためジョブは再開されずに中断状態のままとなる。
【0102】
不図示の綴じ部材管理画面から綴じ部材登録が選択されると、制御部205は操作部204に図10の(B)の綴じ部材登録画面1010を表示する。綴じ部材登録画面1010は、操作者が使用する綴じ部材の情報を登録するための画面である。
【0103】
ワイヤ名称1011は登録する綴じ部材の名称を表示する領域である。ワイヤの編集ボタン1014が選択され綴じ部材の名称が図示しないソフトキーボードを用いて入力されると、入力された名称が表示される。なお、ワイヤ管理画面で登録済み綴じ部材情報の編集が選択されている場合には、HDD209から読み出した値がワイヤ名称1011に予め表示される。
【0104】
ワイヤの直径1012は登録する綴じ部材の直径を表示する領域で、綴じ部材の直径編集ボタン1015が選択され綴じ部材の直径が入力されると、入力された直径がワイヤの直径1012に表示される。なお、ワイヤ管理画面で登録済み綴じ部材情報の編集が選択されている場合には、HDD209から読み出した値がワイヤの直径1012に予め表示される。
【0105】
ワイヤの長さ1013は登録する綴じ部材の長さを表示する領域で、ワイヤの長さ編集ボタン1016が選択され綴じ部材の長さが入力されると、入力された長さが表示される。なお、ワイヤ管理画面で登録済み綴じ部材情報の編集が選択されている場合には、HDD209から読み出した値がワイヤの長さ1013に予め表示される。
【0106】
編集ボタン1014〜1016はそれぞれワイヤの名称、リングの直径(ワイヤをリング状に加工したときの直径)、ワイヤの長さを入力するためのボタンである。編集ボタン1014〜1016が選択されると、不図示の編集画面が表示され、操作者からの入力を受け付ける。入力の完了を受け付けると、制御部205は受け付けた入力を一時的にRAM208に保存して編集画面を終了し、綴じ部材登録画面1010に遷移する。
制御部205は、遷移後に編集ボタン1014〜1016に対応するワイヤ名称1011、リングの直径1012、ワイヤの長さ1013に入力された値を図10の(B)の綴じ部材登録画面1010に表示する。
【0107】
設定取消ボタン1017は、綴じ部材の登録を終了するためのボタンである。設定取消ボタン1017の選択を受け付けた場合は、綴じ部材登録画面1010で行われた綴じ部材の情報をHDD209に保存することなく破棄し、綴じ部材登録画面1010の表示を終了し、制御部205は表示する画面を綴じ部材管理画面に遷移させる。
【0108】
制御部205が綴じ部材の登録を終了するOKボタン1018の選択を受け付けた場合、制御部205は、綴じ部材登録画面1010で入力された綴じ部材の情報をHDD209に保存し、綴じ部材登録画面1010の表示を終了して、表示画面を綴じ部材管理画面に遷移させる。なお、OKボタン1018は必要な情報が全て入力されている場合のみ選択可能となる。すなわち、ワイヤ名称1011、リングの直径1012、ワイヤの長さ1013に値が入力されている場合のみ選択可能状態となり、入力されていない場合選択不可能となっている。
【0109】
<ワイヤ製本ジョブ処理のフローチャート>
図11は、本実施形態を示す画像形成装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、ワイヤ製本を含むジョブ、すなわちワイヤ製本設定がされたコピーまたは印刷を受け付けた時の制御部205の処理手順である。なお、各ステップは、制御部205が備えるCPUが記憶された制御プログラムを実行することで実現される。また、第1実施形態と同一のS901〜S908であるS1101〜S1108についての説明は省略する。
【0110】
S1109で、制御部205は、集積部ジャム発生時に部の最終頁の用紙が集積部415に集積済みであるか否かを判定する。なお、制御部205は、最終用紙が集積済みであるかどうかは最終用紙が綴じ部材処理部への搬入口の用紙搬送部センサ440を通過したかによって判定する。ここで、最終用紙が集積部415に集積済みであると制御部205が判定した場合、制御部205は、処理をS1110に進め、最終用紙が集積部415に集積済みでないと制御部205が判定した場合、制御部205は、処理をS1116に進める。最終用紙が集積済みでないということは、そもそも製本物を構成するすべての用紙を集積部に集積できない厚さである可能性があるので、ジョブをやり直しても再び集積部ジャムとなる可能性が高い。よって、S1116において、制御部205はジョブをキャンセルする。
【0111】
S1110で制御部205は、現在装着されている綴じ部材よりもリング径が大きい綴じ部材があるかを判定する。この判定は製本装置223が対応している全ての綴じ部材を対象としてもよく、操作者が綴じ部材登録画面1010から登録した綴じ部材を対象とし、操作者が登録した綴じ部材のリング直径を使用して判定してもよい。現在装着されている綴じ部材よりもリング径が大きい綴じ部材があると制御部205が判定した場合、制御部205は処理をS1111に進める。一方、現在装着されている綴じ部材よりもリング径が大きい綴じ部材がないと制御部205が判定した場合、制御205は処理をS1116に進める。
【0112】
S1111で制御部205は、操作部204に綴じ部材交換要求画面1000を表示する。綴じ部材交換要求画面1000に関しては図10を用いて説明をした。制御部205は、綴じ部材交換要求画面1000を表示したら、制御部205は、処理をS1112に進める。
S1112で制御部205は、製本装置223との通信または操作部204からの入力を待機する。製本装置223との通信または操作部204からの入力を受け付けたら、制御部205は、処理をS1113に進める。
【0113】
S1113では、制御部205は、製本装置223との通信または操作部204からの入力が、綴じ部材が交換されたことの検知または入力であったかを判定する。具体的には、綴じ部材の交換の検知は、製本装置223が交換された綴じ部材の種類を自動的に検知することによって行ってもよく、または不図示の綴じ部材交換画面を用いて操作者からの入力によって行ってもよい。ここで、制御部205が綴じ部材の交換を受け付けたら、制御部205は処理をS1115に進める。一方、制御部205が綴じ部材の交換を受け付けていないと判断した場合、制御部205は、処理をS1114に進める。
【0114】
S1114で、制御部205は、操作部204を介して受け付けた入力が中止ボタン1004を操作する処理であるかを判定する。ここで、中止ボタン1004の入力を受け付けたと制御部205が判定した場合には、制御部205は、処理をS1116に進め、中止ボタン1004の入力を受け付けていないと制御部205が判定した場合には、制御部205は、処理をS1112に進める。なお、S1115はS910と同じであり、S1116〜S1119はS909〜S913と同じであるため、説明を省略する。
【0115】
以上のように、本実施形態で実現される印刷装置は、ワイヤ製本ジョブの実施で製本装置223の集積部415で用紙束の厚さが綴じ処理可能な厚さを超過し、かつ綴じ部材の交換によりジョブが再開可能である場合には綴じ部材をリング径がより大きなものに交換するように綴じ部材交換要求画面1000を表示する。
綴じ部材交換要求画面1000が表示された状態で、綴じ部材の交換を製本装置223から検知、または操作部204からの入力で受け付けると、制御部205は、交換された綴じ部材を用いてジョブを再開する。このように、製本ジョブが実施できない場合に、実施するために必要な綴じ部材交換作業を提示することで、操作者の手間を軽減することができる。
【0116】
〔第3実施形態〕
第2実施形態では用紙束の厚さが綴じ部材417で綴じられる厚さを超えている場合には綴じ部材417を交換することでジョブを再開できるようにした。しかし、用紙をより薄い用紙に変更することでも印刷を再開することが可能である。本実施系では用紙をより薄い用紙に変更することで印刷を再開することが出来る実施形態について記載する。
【0117】
<操作部204に表示する画像の説明>
図12は、図2に示した操作部204に表示するUI画面を示す図である。本例は、用紙交換要求画面例である。なお、第1実施形態と第2実施形態と同一のものについての説明は省略する。
図12の(A)は第3の操作画面である用紙交換要求画面1200で、制御部205の制御で表示される。また、図12の(B)は用紙登録画面1220で、制御部205の制御で表示される。
【0118】
積部ジャムの解除が検出されると、制御部205は操作部204に図12の(A)の用紙交換要求画面1200を表示する。用紙交換要求画面1200は操作者に集積部ジャムが発生した時よりも薄い用紙に交換することを要求するための画面である。
【0119】
図12の(A)において、変更用紙情報表示領域1201は、代わりに使用する用紙、すなわち用紙選択ボタン1202〜1206の中の選択されている給紙部に設定されている用紙の情報を表示するための領域であり、用紙の種類を特定するための情報が表示される。
【0120】
用紙選択ボタン1202〜1206は、積載部ジャムが検出された際に使用していた用紙の代わりに使用する用紙を選択するためのボタンである。それぞれ図1に示した複数の給紙部225のそれぞれに対応しており、対応する給紙部225に設定されている用紙を選択することが出来る。この用紙交換要求画面1200において、制御部205は、選択された用紙選択ボタンは、他のボタンとは違う色で表示されるように制御する。また、複数の用紙選択ボタンが同時に選択状態になることはなく、既に選択状態になっている用紙選択ボタンがある状態で、別の用紙選択ボタンが選択されると、新たに選択した用紙選択ボタンが選択状態となり、先に選択状態となっていた用紙選択ボタンの選択状態が解除される。
さらに、本実施形態において、用紙選択ボタン1202〜1206は、集積部ジャムが発生した時に使用していた用紙よりも厚さが薄い用紙が設定されている給紙部225に対応するもののみ選択可能となる。即ち、実際に製本可能な用紙サイズのみが選択可能になる。この判定に関しては図14を用いて説明をする。
図12ではA3をワイヤ製本ジョブで使用不可能なサイズ、厚紙を普通紙よりも厚い用紙として、用紙選択ボタン1202,1204、1206を選択不可能(図中、斜線で示すボタン)としている。また、用紙選択ボタン1203、1205が選択可能であるが、現在、用紙選択ボタン1203が選択状態となっている。使用用紙情報表示領域1207は、ジョブで使用した用紙の情報を表示するための領域であり、用紙の種類を特定するための情報(A4 普通紙)が表示される。
【0121】
中止ボタン1208は、ジョブを中止するもので、当該中止ボタン1208の選択を受け付けた場合、制御部205は、実行しているジョブを中止する。そして、ジョブを中止する際、制御部205は、HDD209に保存したジョブに関する設定情報およびに画像データを破棄する。また、制御部205は、操作部204に表示している用紙交換要求画面1200を終了し、遷移元の画面に遷移させる制御を実行する。
【0122】
OKボタン1209は、用紙交換要求画面1200を終了するもので、当該OKボタン1209への指示を受け付けた場合、制御部205は、選択されている用紙選択ボタンに対応する給紙部225に設定されている用紙を使用する用紙としてRAM209に記憶し、用紙交換要求画面1200を終了し遷移前の画面に遷移させる。なお、OKボタン1209は、制御部205により、いずれかの用紙選択ボタンが選択されている場合のみ選択可能となり、いずれの用紙選択ボタンも選択されていない場合には、選択不可能とするように制御される。
選択給紙部表示領域1210は、選択されている用紙選択ボタン1202〜1206に対応する給紙部225の位置を表示するための領域である。
【0123】
不図示の用紙管理画面から用紙登録が選択されると、制御部205は操作部204に図12の(B)の用紙登録画面1220を表示する。用紙登録画面1220は操作者が使用する用紙の情報を登録するための画面である。
【0124】
図12の(B)において、用紙名称1221は登録する用紙の名称を表示する領域である。編集ボタン1227が選択され用紙の名称が入力されると入力された用紙名称が用紙名称1221に表示される。用紙登録画面1220で登録済み用紙情報の編集が選択されている場合には、HDD209から読み出した値が用紙名称1221に予め表示される。
【0125】
用紙サイズ1222は、登録する用紙のサイズを表示する領域である。用紙のサイズ編集ボタン1228が選択され用紙のサイズが入力されると、制御部205は入力されたサイズを用紙サイズ1222に表示する。なお、用紙管理画面で登録済み用紙情報の編集が選択されている場合には、制御部205がHDD209から読み出した値を用紙サイズ1222に予め表示する。
【0126】
用紙坪量1223は登録する用紙の坪量を表示する領域で、用紙の坪量編集ボタン1229が選択され用紙の坪量が入力されると、制御部205が入力された坪量を用紙坪量1223に表示する。なお、用紙管理画面で登録済み用紙情報の編集が選択されている場合には、制御部205がHDD209から読み出した値を用紙坪量1223に予め表示する。
【0127】
用紙形状1224は登録する用紙の形状を表示する領域で、用紙の形状編集ボタン1230が選択され用紙の形状が入力されると、制御部205が入力された形状が用紙形状1224に表示する。用紙の形状の例としては、パンチ済み紙や非パンチ紙などがある。なお、用紙管理画面で登録済み用紙情報の編集が選択されている場合には、制御部205がHDD209から読み出した値を用紙形状1224に予め表示する。
【0128】
用紙表面性1225は登録する用紙の表面性を表示する領域で、用紙の表面性編集ボタン1231が選択され用紙の表面性が入力されると、制御部205が入力された表面性を用紙表面性1225に表示する。表面性の例としては、再生紙、コート紙、エンボス紙などがある。なお、用紙管理画面で登録済み用紙情報の編集が選択されている場合には、制御部205は、HDD209から読み出した値を用紙表面性1225に予め表示する。
【0129】
用紙色1226は登録する用紙の色を表示する領域で、用紙の色編集ボタン1232が選択され用紙の色が入力されると、制御部205が入力された色を用紙色1226に表示する。なお、用紙管理画面で登録済み用紙情報の編集が選択されている場合には、制御部205は、HDD209から読み出した値を用紙色1226に予め表示する。
【0130】
編集ボタン1227〜1232はそれぞれ用紙の名称、サイズ、質量、形状、表面性、色を入力するためのボタンである。いずれかの編集ボタンが選択されると、不図示の編集画面が表示され、操作者からの入力を受け付ける。入力の完了を受け付けると、制御部205は、受け付けた入力を一時的にRAM208に保存して編集画面を終了し、用紙登録画面1220に遷移させる。
用紙登録画面1220に遷移させた後に、制御部205は、各編集ボタン1227〜1232に対応する用紙名称1221、用紙サイズ1222、用紙坪量1223、用紙形状1224、用紙表面性1225、用紙色1226に入力された値を表示する。
【0131】
設定取消ボタン1233は、用紙の登録を終了するためのボタンで、設定取消ボタン1233の選択を受け付けた場合は、制御部205は、用紙登録画面1220で入力された用紙の情報をHDD209に保存することなく破棄し、用紙登録画面1220を終了して、制御部205は、表示画面を用紙管理画面に遷移させる。
【0132】
OKボタン1234は、用紙の登録を終了するためのボタンで、OKボタン1234の選択を受け付けた場合には、制御部205は、用紙登録画面1220で入力された用紙の情報をHDD209に保存し、用紙登録画面1220を終了して、用紙管理画面に遷移させる。
なお、OKボタン1234は必要な情報が全て入力されている場合のみ選択可能となる。すなわち、用紙名称1221、用紙サイズ1222、用紙坪量1223、用紙形状1224、用紙表面性1225、用紙色1226に値が入力されている場合のみ選択可能となり、入力されていない場合選択不可能となっている。
【0133】
<ワイヤ製本ジョブ処理のフローチャート>
図13は、本実施形態を示す画像形成装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、ワイヤ製本を含むジョブ、すなわちワイヤ製本設定がされたコピーまたは印刷を受け付けた時の制御部205の処理例である。また、第2実施形態と同一の処理(S1301〜S1309はS1101〜S1109)に関しては省略する。なお、各ステップは、制御部205が記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0134】
S1310で、制御部205はジャムが発生した部の最初のページからワイヤ製本ジョブを再開する。この時、制御部205は、使用する用紙を変更後の用紙に変更する。再開後、制御部205がワイヤ製本ジョブの実施中にイベントの検知を受け付けた場合、制御部205は処理をS1302に進め、ワイヤ製本ジョブの実施中にイベントの検知を受け付けていないと制御部205が判断した場合、制御部205は処理をS1310で待機する。
【0135】
S1311では、制御部205は、全ての給紙部225を未判定とし、操作部204に用紙交換要求画面1200を表示する。用紙交換要求画面1200に関しては図12の(A)を用いて説明をした。用紙交換要求画面1200を表示したら、制御部205は、処理をS1311に進める。
S1311で、制御部205は、給紙部判定処理を行う。給紙部判定処理に関しては図14を用いて説明をする。給紙部判定処理を行ったら、制御部205は、処理をS1312に進める。
【0136】
S1312で制御部205は、操作部204からの入力を待機する。操作部204からの入力を受け付けたら、制御部205は、処理をS1313に進める。S1313で制御部205は、使用すべき給紙部225(用紙)を変更する入力を受け付けたかを判定する。ここで、給紙部225を変更する入力を受け付けたと制御部205が判定した場合には、受け付けた給紙部を未判定として、制御部205は、処理をS1311に戻し、給紙部225を変更する入力を受け付けていないと制御部205が判定した場合には、制御部205は、処理をS1314に進める。
【0137】
S1314で制御部205は、受け付けた入力がOKボタン1209を操作する入力であるかを判定する。ここで、OKボタン1209の入力を受け付けたと制御部205が判定した場合、制御部205は処理をS1310に進め、OKボタン1209の入力を受け付けていないと制御部205が判定した場合、制御部205は、処理をS1315に進める。
【0138】
S1315で制御部205は、受け付けた入力が中止ボタン1208を操作する入力であるかを判定する。ここで、中止ボタン1208の入力を受け付けたと制御部205が判定した場合、制御部205は処理をS1316に進め、中止ボタン1208の入力を受け付けていないと制御部205が判定した場合、制御部205は処理をS1312に進める。なお、S1316〜S1319はS1116〜S1119と同じであるため、その説明を省略する。
【0139】
<給紙部判定処理のフローチャート>
図14は、本実施形態を示す画像形成装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、給紙部判定処理における制御部205の処理手順である。なお、各ステップは、制御部205が記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
S1401で制御部205は、未判定の給紙部225のうち先頭の給紙部に設定されている用紙の情報を取得する。給紙部の順番は予め定められた値であり、例えば給紙の際の優先度や給紙部の位置によって定められている。ここで、制御部205が取得する用紙の情報は、少なくとも用紙の質量と表面性とサイズを含む情報である。制御部205が用紙情報を取得したら、制御部205は、処理をS1402に進める。
【0140】
S1402で、制御部205は、S1401で取得した給紙部の用紙のサイズがワイヤ製本ジョブで使用可能なサイズかを判定する。ここで、ワイヤ製本ジョブで使用可能なサイズであると制御部205が判定した場合、制御部205は処理をS1403に進め、ワイヤ製本ジョブで使用可能なサイズでないと制御部205が判定した場合、制御部205は処理をS1405に進める。
【0141】
S1403で制御部205は、ジョブで使用した用紙の坪量とS1401で取得した給紙部の用紙の坪量を比較する。この比較の結果、制御部205が取得した給紙部の用紙の坪量のほうが大きい、または等しいと判定した場合、制御部205は、処理をS1405に進め、S1403において、取得した給紙部の用紙の坪量のほうが小さいと判定した場合、制御部205は、処理をS1404に進める。
【0142】
S1404で制御部205は、S1401で取得した給紙部の用紙の表面性が、凹凸があることを示すものであるかを判定する。この判定の結果、制御部205が凹凸があることを示す表面性であると判定した場合、処理をS1405に進め、制御部205が凹凸があることを示す表面性でないと判定した場合、処理をS1406に進める。
S1405で、制御部205は、給紙部225に対応する用紙選択ボタン1202〜1206を選択不可とする。制御部205は、用紙選択ボタン1202〜1206を選択不可能としたら給紙部を判定済みとし、制御部205は処理をS1407に進める。S1406で制御部205は、給紙部225に対応する用紙選択ボタン1202〜1206を選択可とする。制御部205は、選択可としたら給紙部を判定済みとし、制御部205は処理をS1407に進める。
【0143】
S1407で制御部205は、全ての給紙部225が判定済みとなっているかを判定する。ここで、全ての給紙部225が判定済みであると制御部205が判定した場合、制御部205は、給紙部判定処理を終了し、判定が終了していない給紙部225があると制御部205が判定した場合、制御部205は、処理をS1401に戻して、上述した処理を繰り返す。
【0144】
本実施形態によれば、ワイヤ製本ジョブの実施で製本装置223の集積部415で用紙束の厚さが綴じ処理可能な厚さをオーバーした場合には、使用した用紙よりも薄い用紙を選択するように用紙交換要求画面1200を表示する。
そして、薄い用紙への変更を受け付けると、選択された用紙を用いてジョブを再開する。このように、製本ジョブが実施できない場合に、実施するために必要な用紙交換作業を提示することで、操作者の手間を軽減することができる。
【0145】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えばASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0146】
204 操作部
205 制御部
225 給紙部
223 製本装置
図1
図2
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図14