(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ソリッドステート光エンジンと、前記落射型蛍光顕微鏡と、前記移動ステージと、前記組込型コンピュータとに電力を供給する、前記ハウジング内に位置する単一の電源をさらに備える、
請求項3に記載の統合型蛍光スキャナ。
前記ソリッドステート光エンジンは、選択された波長の光を前記落射型蛍光顕微鏡に供給する、前記組込型コンピュータに制御される複数の赤色光源と少なくとも1つの光導体光源とを含む、
請求項1から5のいずれかに記載の統合型蛍光スキャナ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明では、本発明を限定ではなく一例として添付図面の図に示す。本開示における様々な実施形態についての言及は、必ずしも同じ実施形態についてのものではなく、このような言及は少なくとも1つを意味する。特定の実装について説明するが、これらの説明は例示目的で行うものにすぎないと理解される。当業者であれば、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく他の要素及び構成を使用することもできると認識するであろう。さらに、いくつかの例では、本発明を完全に説明できるように数多くの具体的な詳細について説明する。しかしながら、当業者であれば、これらの具体的な詳細を伴わずに本発明を実施できることが明らかであろう。その他の場合、本発明を曖昧にしないように、周知の特徴についてはそれほど詳細に説明していない。
【0013】
図面及び詳細な説明では、全体を通じて同様の要素を共通の参照数字によって示しており、従ってこのような図に特化した詳細な説明では、これらの要素を他の箇所で説明している場合には、図で使用している参照数字について言及している場合も、又はしていない場合もある。3桁の参照数字の1桁目は、その要素が最初に登場する一連の図を示す。
【0014】
本発明は、蛍光顕微鏡検査の自動化を可能にするネットワークアプライアンスに光エンジン、顕微鏡、撮像装置、コンピュータサーバ及び動作制御ハードウェアを統合した蛍光スキャナを提供する。ある実施形態では、統合型蛍光スキャナが、興味深い蛍光体の撮像に必要なスペクトルにわたる強力で純粋な安定した光を供給できるソリッドステート光エンジンを含む。この強力なソリッドステート光エンジンは、分析時間を短縮し、スループットを高め、再現性、安定性、信号/ノイズ及びロバスト性を向上させることができる。
【0015】
高スループットのスキャニング、イメージング及びスクリーニングには、高性能機器の使用及び定量化が必要である。統合型蛍光スキャナは、無関係なハードウェア及び従来の顕微鏡に関連するコストを排除する一方で、蛍光スキャニングを最適化するソリッドステート照明などの全ての主要ハードウェアコンポーネントを含むように適合される。この統合型蛍光スキャナは、ほとんどの機器メーカーが必要とする、顕微鏡の最高の特徴、ソリッドステート光エンジンの効率性及び能力、並びに速い設計サイクル及び短い製品化時間を採用する切り詰めた設計を特徴とする。組込型コンピュータを搭載した新規のオープンアーキテクチャが、高スループット解析のためのシステムアプローチにおける、ネットワーク監視を通じたスキャニング及び数多くのリーダーの協調を可能にする。
【0016】
統合型蛍光スキャナは、統合された最先端のソリッドステート光エンジンを利用する高スループット蛍光リーダー又はスキャナである。このスキャナは、様々な生物学的分析用途をサポートするように設計される。スキャナは、特定の分析ニーズに合わせることができる、高度に統合された専用スキャナである。この完全な光学トレインは、生物学的分析に関連する分析の能力、速度、スペクトル純度及び改善された信号/ノイズに合わせて最適化される。統合型蛍光スキャナの利点としては、設置面積の縮小、動作の高速化、製造コスト及びメンテナンスコストの削減、リアルタイムな定量化、高スループット動作、オープンソフトウェアアーキテクチャ及びデータ取得自律動作、ネットワークアプライアンス機能、並びにプログラム可能な処理制御が挙げられる。
【0017】
統合型蛍光スキャナは、落射型蛍光顕微鏡を吊り下げる剛性フレームと、オートフォーカスシステムと、チューブレンズと、多色ソリッドステート光エンジンと、XYZステージの動きと、撮像システムと、カメラに蛍光信号をもたらす集光光学系とを含む。モジュール式シャーシを積み重ねて、超高スループットの多重ユニットを可能にすることができる。このシステムは、振動を伴わず、空気テーブルを必要としない。ある実施形態では、システムが、総体積が2立方フィート未満である深さ17インチ×幅11インチ×高さ15インチのテーブルトップのフォームファクタを有し、1つのラックが最大3ユニットを含むラックとすることができる。また、このスキャナは、スキャナ内へのスライドの配置及びスキャナからのスライドの取り外しを繰り返して動作を完全に自動化できるサンプル導入のための任意のロボットアクセスも可能にする。
【0018】
スキャナの落射型蛍光顕微鏡は、最大3つの対物レンズを取り付けられる顕微鏡対物レンズマウントを含み、大手メーカーのレンズと互換性がある。ユーザは、特定のスキャニング動作に必要な対物レンズを選択して取り付けることができる。ユーザは、アクセスドアを通じて対物レンズの取り付け及び/又は交換を行うことができる。Plan apo 4x、20x及び63x、並びにチューブレンズが使用される。システムの動作中には、電動式対物レンズ交換機が、組込型コンピュータの制御下でスキャニングプロトコルの特定の時点にどの対物レンズを使用するかについての選択を可能にする。システムは、最も高い倍率の対物レンズに自動オイル塗布を行う。ユーザが、手動のオイル補給及び対物レンズの清浄を行うこともできる。ハードウェアベースの自動オートフォーカスシステムが、反射ベースのハードウェアオートフォーカスを用いて対物レンズの焦点を合わせる。光学画像ベースのオートフォーカスも提供される。
【0019】
スキャニング動作中には、自動化フィルタブロックホルダが、組込型コンピュータの制御下でフィルタの選択及び交換を可能にする。フィルタブロックホルダ内には、多重位置ダイクロイック/エミッションペアが設けられる。フィルタブロックは、システム構成中に手動で装填することができる。プロトコルスイッチが、ダイクロイック/エミッションペアの変更を可能にする。組込型コンピュータに制御されるアクチュエータが、プロトコルのいずれかの時点で使用するフィルタブロックの選択を可能にする。
【0020】
移動ステージは、4つの標準的な顕微鏡スライド又はマイクロプレートを保持するように構成される。移動ステージは、組込型コンピュータの制御下で、スライド又はマイクロプレートをスキャニングのための2つの水平軸内で移動させる。移動ステージは、新たなスライド又はマイクロプレートを導入するようにスキャナの内外に移動することもできる。完全に自動化された施設では、ロボットシステムによって新たなスライド/マイクロプレートをスキャナ内に装填することができる。
【0021】
統合型蛍光スキャナは、Hamamatsu(商標)、Andor(商標)、Qlmaging(商標)、Photometric(商標)ブランドのカメラを含む、スライド/マイクロプレートを撮像する様々な範囲の任意のカメラを含むことができる。スキャナは、正確な角回転を提供して、カメラ軸と移動ステージとを整列させる。組込型コンピュータの制御下で、プログラムされた光エンジン及びカメラの起動を制御することができる。15×15mmの領域(70×70フィールド)を(例えば、フィルタブロックの選択によって定められる)4つの色チャネルで撮像することができる。IR反射式オートフォーカス機構が、1%未満の視野欠損、200nmを上回る出力を可能にする。露光率は、毎秒30〜50フレームから、最大で毎秒100フレームの潜在的出力とすることができる。
【0022】
統合型蛍光スキャナは、組込型コンピュータの制御下で顕微鏡に光を供給するソリッドステート光エンジンを含む。この光エンジンは、修理、異なる能力を有する光エンジンとの交換又は置換のために交換可能である。光エンジンは、交換可能なフィルタを用いて、7つものUV可視光色帯域と、1つの任意のNIR帯域(近赤外線)とを含む8つもの励起色を提供する。光エンジンは、任意の定量閉ループ制御も提供する。線量測定オプションによって、解析毎の光子の滴定(試薬としての光)が可能になり、定電力モード又は定流量モードで動作することができる。光エンジンは、電子シャッタ、最大5〜20μsのパルス立ち上がり時間又はパルス立ち下がり時間、及び最大5kHzの変調速度を特徴とする。ソリッドステート光エンジンは、他の光源よりも冷却要件が低く、従ってスキャナのモジュール式ハウジングに組み込めることが有利である。
【0023】
組込型コンピュータは、統合型蛍光スキャナの全てのシステムを制御し、スキャナの自律動作、リアルタイム高スループットイメージング及びスキャニング(待ち時間なし)を可能にする。制御ソフトウェアには、イーサネット(登録商標)インターフェイス及びクロスプラットフォームドライバが提供される。電子的ハンドシェイク及びソフトウェアハンドシェイクにより、遠隔モニタ、及び再現性のあるロバストなマルチスキャナ動作が可能になる。スキャナを特定の用途に合わせて構成するための数多くのオプションを容易に利用することができる。ソフトウェアは、MicroManager(商標)、MatLab(商標)などの一般的なサードパーティアプリケーションのためのクロスプラットフォームソフトウェアインターフェイスを提供する。組込型コンピュータは、スキャナ動作のモニタリング、及びスキャニングプロトコルの構成などを可能にするネットワーク接続ワークステーションと通信する。
【0024】
統合型蛍光スキャナには、ソフトウェア開発キット(SDK)が提供される。SDKは、特定のスキャナ用途のためのカスタム制御インターフェイスの開発を可能にする。組込型コンピュータは、ネットワークアプライアンスとしてのスキャナ動作を可能にする自律動作及び遠隔制御のための開発インターフェイスを提供する。統合型蛍光スキャナは、同期的マルチスキャナ動作及びモニタリング、ロバストな再現性のある機器、並びに完全自動工場操業による1つの制御端末を介したマルチサイト動作を容易にする。スキャナの自動較正により、スキャニング/イメージング結果の機器間及び機器内整合性がもたらされる。
【0025】
図1A〜
図1Cは、本発明の実施形態による統合型蛍光スキャナ100の図である。
図1Aは、本発明の実施形態による統合型蛍光スキャナの斜視図であり、
図1Bは、
図1Aの統合型蛍光スキャナの背面図であり、
図1Cは、
図1Aの統合型蛍光スキャナのシステムのブロック図である。
【0026】
図1A及び
図1Bに示すように、統合型蛍光スキャナ100の外部は、スタック式又はラックマウント式の統合型蛍光スキャナを可能にするように、全体的に箱形である。外部は、複数のパネル114で覆われた剛性フレーム112を含む。統合型蛍光スキャナ100の前面102は、マイクロプレート、スライド又はその他の試料を収容するように開く試料ドア126を有する。前面102は、吸気口116も含む。左側面104及び右側面105は、統合型蛍光スキャナ100の移動を容易にするハンドル118を有する。統合型蛍光スキャナ100は、後面106に、ファン排気口120、ネットワークコネクタ122、電源コネクタ124及びオン/オフ/リセットスイッチ128を有する。統合型蛍光スキャナ100は、上面108に、顕微鏡のレンズの保守整備又は交換のためのアクセスを可能にするアクセスドア130を有する。
【0027】
図1Cは、
図1Aの統合型蛍光スキャナ100のシステムのブロック図である。
図1Cに示すように、統合型蛍光スキャナ100は、移動ステージ180、顕微鏡170、カメラ160、光エンジン150、組込型コンピュータ140及び共通電源144を含む。組込型コンピュータ140は、マイクロプロセッサと、メモリと、ストレージ143とを含み、ストレージ143は、オペレーティングシステム、アプリケーション及びデータを記憶する1又は2以上のハードディスク、メモリ及び/又はフラッシュストレージデバイスを含むことができる。組込型コンピュータ140は、高速ネットワークインターフェイスアダプタ142と、ストレージ143と、顕微鏡170、カメラ160及び光エンジン150からのデータの制御及び受信のための1又は2以上のI/Oアダプタ141とを含む。統合型蛍光スキャナ100は、組込型コンピュータ140に接続されたコントローラ146も含む。コントローラ146は、顕微鏡170のモータ及びアクチュエータ、並びに移動ステージ180を駆動することに関与し、例えばステッピングモータ、サーボモータ及びその他の機械式アクチュエータを駆動する電子機器を含む。
【0028】
組込型コンピュータ140は、統合型蛍光スキャナ100の全てのシステムを制御し、リアルタイム高スループットイメージング及びスキャニング(待ち時間なし)を含むスキャナの自律動作を可能にする。制御ソフトウェアには、イーサネットインターフェイス及びクロスプラットフォームドライバが提供される。電子的ハンドシェイク及びソフトウェアハンドシェイクにより、遠隔モニタ、及び再現性のあるロバストなマルチスキャナ動作が可能になる。スキャナを特定の用途に合わせて構成するための数多くのオプションを容易に利用することができる。ソフトウェアは、MicroManager(商標)、MatLab(商標)などの一般的なサードパーティアプリケーションのためのクロスプラットフォームソフトウェアインターフェイスを提供する。
【0029】
統合型蛍光スキャナ100と共に提供されるソフトウェア開発キット(SDK)は、カスタム制御インターフェイスの開発を可能にする。組込型コンピュータ140は、ネットワークアプライアンスとしてのスキャナ動作を可能にする、自律動作及び遠隔制御のための開発インターフェイスを提供する。統合型蛍光スキャナは、同期的マルチスキャナ動作及びモニタリング、ロバストな再現性のある機器、並びに完全自動工場操業による1つの制御端末を介したマルチサイト動作を容易にする。組込型コンピュータ140を介して、機器間及び機器内における結果の一貫性のための自動較正が提供される。
【0030】
図1Cに示すように、統合型蛍光スキャナ100は、接続先のネットワークを介して構成命令及びスキャニング命令を受け取ってスキャニング結果及び性能データを送信できるようなネットワークアプライアンスとして動作するように設計される。組込型コンピュータ140は、ローカルエリアネットワーク(LAN)190を介してローカルワークステーション192に接続することも、又はLAN190、ゲートウェイ191及びワイドエリアネットワーク(WAN)194(例えば、インターネット又はプライベートWAN)を介してリモートワークステーション196に接続することもできる。組込型コンピュータ140は、LAN190を介して、構成命令、制御命令及びスキャニング結果を記憶するデータベース197に接続することもできる。これとは別に、又はこれに加えて、構成命令、制御命令及びスキャニング結果を記憶するために、例えばデータベースサーバ上のデータベース197を使用し、ワイドエリアネットワーク(WAN)194及びゲートウェイ191を介してLAN190に接続することもできる(例えば、「クラウドストレージ」)。(後述する)ワークステーション192、196上に提供されるソフトウェアアプリケーションは、ワークステーション192、196のユーザが統合型蛍光スキャナ100を構成し、統合型蛍光スキャナ100のスキャニング動作を制御し、統合型蛍光スキャナ100によって生成されたスキャン情報を直接及び/又はデータベース197を介して閲覧して分析できるようにする。
【0031】
ネットワークアプライアンス
統合型蛍光スキャナ100は、単一のイーサネット接続を通じて制御されるネットワークアプライアンスとして動作することができる。統合型蛍光スキャナ100は、イーサネット接続を介してアップロードされたプロトコルを実行する際に自律的に動作するように構成することができる。統合型蛍光スキャナには、有線接続又は無線接続のいずれかを用いて、標準的なローカルエリアネットワークを介してオンデマンドでアクセスすることができる。これにより、各ワークステーションにハードウェア固有のドライバをインストールする必要なく、ユーザの複数のコンピュータからの便利に制御を行うことができる。システムは、イーサネット接続を介した100MB/sのデータ転送(画像、メタデータ及びコマンド)に合わせて最適化される。ウェブベースの管理診断、構成及びモニタリングコンソールが提供される。従来のローカルエリアネットワークインフラを通じ、1又は2以上のワークステーションを用いて、複数の統合型蛍光スキャナユニットの遠隔モニタリング及び遠隔制御を行うことができる。
【0032】
管理者ユーザインターフェイスが、効果的な分析開発のための汎用機能及びツールを提供する。同様のハードウェア能力を有する従来の研究顕微鏡(例えば、Nikon、Zeissなど)上で取得プロトコルを開発し、そのままスキャナ100上で実行することができる。SDKが、分析固有のカスタムアプリケーション及び自動化スクリプトの容易な開発を可能にする。SDKは、ANSI C、C++、Java(登録商標)、及び互換性のあるいずれかのスクリプト言語でのプログラミングをサポートする。C#/.NET又はPythonなどの他のプログラミング言語のためのインターフェイスも利用可能である。統合型蛍光スキャナは、構成されると、複雑な取得プロトコル及びスクリプトをワークステーションから制御し続ける必要なく、これらの自律実行を可能にする。
【0033】
統合型蛍光スキャナ100のためのソフトウェアシステムは、スキャナ内の組込型コンピュータ上でサーバが動作する一方でユーザワークステーション上に1又は2以上のクライアントアプリケーションが存在するクライアント/サーバプログラミングモデルに従う。ユーザのアプリケーション(クライアント)及び統合型蛍光スキャナ100上のサーバは、TCP/IPプロトコル及びUDPプロトコルの両方を用いて、通常の(有線イーサネット又は無線)ローカルエリアネットワークを介して通信する。ソフトウェアシステムは、利用可能なネットワーク帯域幅に自動的に適合する。通常、統合型蛍光スキャナ100は、統合型蛍光スキャナ100及びユーザのワークステーションがいずれも同じLANスイッチ上に存在する限り、通常のギガビットイーサネット有線接続上で100Mバイト/秒の持続した速度(ライブビデオストリーミング)を達成することができる。
【0034】
図2Aに、
図1Aの統合型蛍光スキャナのソフトウェアの概要を示す。
図2Aには、ネットワーク240(LAN及び/又はWAN)を介して統合型蛍光スキャナ100に接続されたユーザワークステーション220を示す。ワークステーション220は、アプリケーション222及び管理用ウェブコンソール224を動作させる。ワークステーション220は、ソフトウェア開発キット(SDK)226を含むこともできる。しかしながら、通常、アプリケーションは、全てのシステムユーザではなく管理者/開発者によって開発される。統合型蛍光スキャナ100は、組込型コンピュータ140上のサーバソフトウェア230を動作させる。なお、1つのワークステーション及び統合型蛍光スキャナ100を示しているが、ネットワーク240によって接続されたシステムに複数のワークステーション及び統合型蛍光スキャナを組み込むこともできる。
【0035】
各統合型蛍光スキャナ100には、全てのドライバ及びコア機器制御機能を含むサーバ230が予めインストールされて、スキャナ内の組込型コンピュータ上で自律的に動作する。アプリケーション222は、あらゆる数のユーザコンピュータにインストールできる、統合型蛍光スキャナ100を動作させるようにカスタマイズされた顕微鏡制御ユーザインターフェイスソフトウェアである。SDK226は、ユーザによる統合型蛍光スキャナ100のための新たな分析固有のカスタムアプリケーションの開発を可能にするソフトウェア開発キットソフトウェア及びドキュメンテーションである。
【0036】
サーバ230は、統合型蛍光スキャナ100内の組込型コンピュータ上で動作するソフトウェアコンポーネントであり、一般に「ファームウェア」と見なすことができる。従来のファームウェアとの違いは、サーバ230が、オペレーティングシステムを備えた汎用コンピュータ上で動作し、従ってさらなる柔軟性、科学カメラとの相互作用、及び高度な自動化を可能にする点である。しかしながら、サーバ230は、統合型蛍光スキャナ100の完全に自律した動作を可能にする点でファームウェアに類似する。統合型蛍光スキャナ100は、スキャニングプロトコルを構成されると、外部コンピュータに全く接続せずに機能することができる。
【0037】
サーバ230は、単一のギガビットイーサネット接続を通じてユーザアプリケーション及びその他の外部自動化ソフトウェアと通信する。サーバ230は、100MB/sの組み合わせ速度で画像及びその他のデータを送信してコマンドを受け取ることができる。サーバ230は、統合型蛍光スキャナ100の電源投入時に自動的にアクティブになり、電源オフ時に自動的にシャットダウンする。サーバ230は、診断、構成及びモニタリングのために、許可されたワークステーションからアクセスできる単一のウェブベースのインターフェイス(管理用コンソール)を提供する。
【0038】
サーバ230は、アプリケーション222又はその他のソフトウェアからのコマンドを受け入れて実行し、インターフェイスを通じて設定された完全な顕微鏡制御コマンドを実装する。サーバ230は、モニタリング及び制御を目的として複数のコンピュータからの同時接続を可能にするとともに、取得プロトコルの実行中にロックダウンを実装して偶発的な干渉を防ぐ。サーバ230は、任意に複雑な取得プロトコルを完全に自律的に、すなわちいずれのユーザアプリケーション又は外部コンピュータにも接続される必要なく実行する。サーバ230は、画像及び関連メタデータをローカルに(組込型コンピュータに)、共有ネットワークストレージに、又はユーザワークステーションに記憶することができる。宛先(経路)は、取得プロトコルによって指定される。サーバ230は、以前に取得したデータを上書き又は削除することは決してなく、全ての名前の衝突は自動的に処理される。サーバ230は、複数の所定のハードウェア構成をサポートし、電源を落とす必要なくこれらをオンザフライで切り替えることができる。
【0039】
サーバ230は、HTTP要求をリッスンする軽量ウェブサーバとして機能し、ユーザワークステーションにいずれかの特定のソフトウェアをインストールすることなく管理及びモニタリングを可能にすることもできる。これにより、ウェブベースの管理用コンソール224にブラウザを使用してワークステーション220からアクセスできるようになる。管理用コンソール224は、状態表示、サーバ230の起動、停止又は再起動のためのコマンド、電源投入時の自動起動又は手動起動のオプション、統合型蛍光スキャナ100が取得した画像のモニタリング、統合型蛍光スキャナ100が現在実行中の取得プロトコルの進捗及び状態、統合型蛍光スキャナ100に現在接続されているユーザのリスト、時間/日付及び診断情報(診断情報を含むログファイルは、サポート要求と共に転送することができる)を含む、スキャナが実行した全ての動作のオーディットトレール(ログ)、統合型蛍光スキャナ100のための利用可能な構成(プロトコル切り替え)コマンド及び構成変更コマンドのリスト、といった機能を提供する。
【0040】
アプリケーション222は、統合型蛍光スキャナ100の全ての要素の制御を可能にする汎用顕微鏡制御プログラムである。アプリケーション222は、統合型蛍光スキャナ100の制御のための固有の機能を含む。アプリケーション222は、統合型蛍光スキャナ100のサーバ230と通信して統合型蛍光スキャナ100のハードウェアを制御できるようにイーサネット接続性を提供する。アプリケーション222は、ネットワーク240に接続された利用可能なスキャナの自動発見を可能にする。アプリケーション222は、統合型蛍光スキャナ100に取得プロトコルをアップロードして自律的に実行し、ユーザが切断できるようにする能力を提供する。アプリケーション222は、ネットワークを介した取得の遠隔モニタリングを可能にする。
【0041】
アプリケーション222は、高度XYZナビゲーション、多層プレートスキャニング及びハードウェアオートフォーカスを可能にする、統合型蛍光スキャナ100のためにカスタマイズされたユーザインターフェイスも含む。
図2Bに、アプリケーション222が提供することができる、統合型蛍光スキャナ100を制御するためのユーザインターフェイス250の例を示す。
図2Bには、マイクロプレートスキャニングプロトコルのナビゲーションパラメータ及びスキャニングパラメータをアプリケーションが設定できるようにする、マイクロプレートのXYZナビゲーションを制御するためのインターフェイス250を示している。
【0042】
ユーザは、ソフトウェア開発キット(SDK)226を用いて、カスタムアプリケーション223などのカスタムアプリケーション、及び統合型蛍光スキャナ100の自動化スクリプトを構築することができる。SDK226は、統合型蛍光スキャナ100の全てのハードウェア機能に、クロスプラットフォーム型プログラミング言語非依存インターフェイスを提供する。SDK226は、Windowsオペレーティングシステム上のC++、Java(商標)、及びMatlab(商標)をサポートする。他のインターフェイス及び言語をサポートすることもできる。これらのカスタムアプリケーションを用いて、特定のエンドユーザアプリケーションのための特定の画像取得システムを具体化することができる。カスタムアプリケーションは、汎用アプリケーション222の代わりに、又は汎用アプリケーション222と共に使用することができる。
【0043】
統合型蛍光スキャナ100は、抽象的自動化顕微鏡のモデルを実装するアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)228を通じてプログラム的に制御される。SDK226は、統合型蛍光スキャナ100を制御するようにAPI228を用いてカスタムアプリケーションを生成する処理をサポートする。SDK226は、C++ API DLL及び関連するヘッダファイルと、(機能がC++と1対1で対応する)Java API JARと、C++及びJavaでのプログラミング例と、スキャナハードウェアにアクセスすることなくアプリケーションの開発を可能にするようにスキャナをシミュレートするスキャナソフトウェアと、指示文書とを含む。
【0044】
API228の中心コンポーネントは、統合型蛍光スキャナ100の全てのハードウェア要素及び機能をカプセル化するコードクラスである。API228は、自動デジタル顕微鏡検査において使用される標準コンポーネントのあらゆる組み合わせのための高レベルな抽象化を表す。ランタイム構成発見機能を使用することにより、プログラムは、例えば必要な装置が存在するかどうか、及びこれらの装置が必要な能力を有しているかどうかなどの、実行のためのハードウェア要件が満たされているかどうかを自動的に判定することができる。プログラム設計者は、API228を用いて、装置に依存せずに最低限の労力でユーザインターフェイス又は自動化プロトコルを構築することができる。このAPIは、実験室又はスクリーニング環境において自動化顕微鏡が実行すると予想される通常タスクのほとんどを実現することができる。このAPIは、統合型蛍光スキャナ100のコンポーネントをエンドユーザの環境内で展開されるものとして表すように構成することができる。
【0045】
図2C及び
図2Dに、複数の統合型蛍光スキャナ100を有するシステムを示す。上述したように、統合型蛍光スキャナ100は、接続先のネットワークを介して構成命令及びスキャニング命令を受け取ってスキャニング結果及び性能データを送信できるようなネットワークアプライアンスとして動作するように設計される。大量のスキャニングが必要な場合には、複数の統合型蛍光スキャナ100をネットワークに接続することができる。電子的ハンドシェイク及びソフトウェアハンドシェイクにより、遠隔モニタリング及び再現性のあるロバストなマルチスキャナ動作が可能になる。組込型コンピュータは、ネットワークアプライアンスとしてのスキャナ動作を可能にする自律動作及び遠隔制御のためのマイクロマネージャ開発インターフェイスを提供する。統合型蛍光スキャナは、同期的マルチスキャナ動作及びモニタリング、ロバストな再現性のある機器、並びに完全自動工場操業による1つの制御端末を介したマルチサイト動作を容易にする。自動較正が、機器間及び機器内における結果の一貫性をもたらす。
【0046】
図2Cは、本発明の実施形態による、スタック/ラック200として構成された複数の統合型蛍光スキャナ100を含むネットワークのネットワーク図である。統合型蛍光スキャナ100は、実験室空間内に配置して、作業空間の内部又は外部、さらには遠隔地にも位置することができるワークステーションを介して構成及び制御できることが有利である。ネットワークアプライアンスとして動作する統合型蛍光スキャナ100は、ネットワークを介してワークステーションにスキャニングサービスを提供するものと見なすことができる。
【0047】
図2Cに示すように、統合型蛍光スキャナ100は、接続先のネットワークを介して構成命令及びスキャニング命令を受け取ってスキャニング結果及び性能データを送信できるようなネットワークアプライアンスとして動作するように設計される。組込型コンピュータ140は、ローカルエリアネットワーク(LAN)190を介してローカルワークステーション192に接続することも、又はLAN190、ゲートウェイ191及びワイドエリアネットワーク(WAN)194(例えば、インターネット又はプライベートWAN)を介してリモートワークステーション196に接続することもできる。組込型コンピュータ140は、LAN190を介して、構成命令、制御命令及びスキャニング結果を記憶するデータベース197を有するサーバ196に接続することもできる。これとは別に、又はこれに加えて、構成命令、制御命令及びスキャニング結果を記憶するデータベース197を、ワイドエリアネットワーク(WAN)194及びゲートウェイ191を介してLAN190に接続することもできる(例えば、「クラウドストレージ」)。ワークステーション192、196上に提供されるソフトウェアアプリケーションは、ワークステーション192、196のユーザが統合型蛍光スキャナ100を構成し、統合型蛍光スキャナ100のスキャニング動作を制御し、統合型蛍光スキャナ100によって生成されたスキャン情報を直接及び/又は(単複の)データベース197を用いて閲覧して分析できるようにする。
【0048】
複数の統合型蛍光スキャナ100の設置を容易にするために、各統合型蛍光スキャナ100は、スタック式又はラックマウント式とすることができる。
図2Dに、本発明の実施形態による、ラック210内に設置した複数の統合型蛍光スキャナ100の群200を示す。各統合型蛍光スキャナ100は、ラック210の棚部212に固定することができる。モジュール式シャーシを積み重ねて、超高スループットの多重ユニットを可能にすることができる。統合型蛍光スキャナ100は、空気テーブルを必要としないスタッキング/ラッキングを可能にするために、撮像システムへの振動干渉を防ぐように設計される。ある実施形態では、システムが、総体積が2立方フィート未満である深さ17インチ×幅11インチ×高さ15インチのテーブルトップのフォームファクタを有し、1つのラックが最大3ユニットを含むラックマウント式であることができる。
【0049】
また、このスキャナは、繰り返しのスライド配置が可能なサンプル導入のための任意のロボットアクセスも可能にする。スタック式/ラック式ユニットは、試料をユニット内に手動で又はロボットによって装填するための、前面作業領域に面した試料ドア126を有するように構成される。スタック式/ラック式ユニット100の後面106には、ネットワーク及び電源用の接続部が設けられる。
【0050】
従って、ある実施形態では、施設が、ソリッドステート光エンジンと、落射型蛍光顕微鏡と、移動ステージと、これらのソリッドステート光エンジン、顕微鏡及び移動ステージを制御する組込型コンピュータと、統合型蛍光スキャナのネットワークアプライアンスとしての遠隔動作を可能にするネットワークインターフェイスとをそれぞれ含む複数の統合型蛍光スキャナを含む高スループット蛍光スキャニングシステムを利用することができ、複数の統合型蛍光スキャナの各々にネットワークによってワークステーションが接続されて、ワークステーションのユーザが複数の統合型蛍光スキャナ全てを遠隔操作できるようになる。実施形態では、各統合型蛍光スキャナがラックマウント式ハウジングを有し、統合型蛍光スキャナのうちの3つが単一のラックによって支持される。
【0051】
スキャナのハードウェアコンポーネント
図3A〜
図3Dは、本発明の実施形態による、統合型蛍光スキャナの主要コンポーネントの構成を示す、
図1A〜
図1Cの統合型蛍光スキャナ100の部分的斜視図である。
図3Aは、底部パネルを除く全てのパネルを除去した統合型蛍光スキャナ100の部分的斜視図である。
図3Aには、フレーム112のコンポーネントを示す。フレーム112は、1fs100のコンポーネントを支持し、統合型蛍光スキャナ100に構造的完全性を与えてスタッキング/ラッキングを可能にするように設計される。
図3Aには、移動ステージ180、顕微鏡170及び光エンジン150の相対的位置も示す。また、
図3Aには、吸気口116(
図1Aを参照)から光エンジン150及び組込型コンピュータ114にそれぞれ空気を通す空気ダクト302及び304も示す。顕微鏡170を通る空気流の可能性及び光学的経路の汚染の可能性を低下させるために空気流が制御されることが有利である。移動ステージ180上の位置には、マイクロプレート310を示す。組込型コンピュータ140は、統合型蛍光スキャナ100の様々なコンポーネント内の温度センサなどに応答して、熱調節を実行して制御することができる。
【0052】
図3B及び
図3Cは、フレーム112の一部と空気ダクト302及び304とを除去した統合型蛍光スキャナ100の別の部分的斜視図である。
図3Aには、移動ステージ180、顕微鏡170、光エンジン150、組込型コンピュータ140及びコントローラ146の相対的位置を示す。
図3Bには、光エンジン150から顕微鏡170に光を伝える光導体152の端部も示す。
【0053】
統合型蛍光スキャナ100は、移動ステージ180及び顕微鏡170を含む。顕微鏡170は、統合型蛍光スキャナ100に組み込まれるように特別に構築され、蛍光スキャニング用途における動作に必要な特徴及び自由度のみを含む。顕微鏡170の小型フォームファクタは、統合型蛍光スキャナの全体的な小設置面積及び小体積要件に寄与する。落射型蛍光顕微鏡の構成は逆であり、統合型蛍光スキャナ100のフレームに直接接続された剛性フレームから垂下する。
【0054】
顕微鏡170は、オートフォーカス能力と、チューブレンズと、カメラに蛍光信号をもたらす集光光学系とを含む。顕微鏡170は、大手メーカーの対物レンズを最大3つ取り付けられる顕微鏡対物レンズマウントを含む。電動式対物レンズ交換機が、組込型コンピュータの制御下でどの対物レンズを使用するかについての選択を可能にする。ユーザは、アクセスドア130を通じて対物レンズを交換することができる。Plan apo 4x、20x及び63x、並びにチューブレンズが使用される。給油系統が、最も高い倍率の対物レンズに自動オイル塗布を行う。ユーザが、手動のオイル補給及び対物レンズの清浄を行うこともできる。ハードウェアベースの自動オートフォーカスシステムが、反射ベースのハードウェアオートフォーカスを用いて対物レンズの焦点を合わせる。光学画像ベースのオートフォーカスも提供される。フィルタブロックホルダ内には、多重位置ダイクロイック/エミッションペアが設けられる。フィルタブロックは、手動で装填することができる。組込型コンピュータに制御されるアクチュエータが、いずれかの時点で使用されるフィルタブロックの選択を可能にする。プロトコルスイッチが、ダイクロイック/エミッションフィルタペアの変更を可能にする。
【0055】
図4A〜
図4Cは、本発明の実施形態による、
図1A〜
図1Cの統合型蛍光スキャナ100の移動ステージ180及び顕微鏡170の部分的斜視図である。
図4Aには、顕微鏡170の上方に取り付けられた移動ステージ180を示す。移動ステージ180は、マイクロタイタープレート310又は4つの標準スライドなどの試料を保持するように設計される。移動ステージ180への異なる挿入体406を形成して、別の試料ホルダ及び構成の使用を可能にすることもできる。移動ステージ180は、対物レンズ410及び412にオイルを塗布する給油系統407を含むこともできる。
【0056】
移動ステージ180は、組込型コンピュータ140の制御下でコントローラ146によって駆動されるアクチュエータを含む。移動ステージ180は、顕微鏡の撮像領域内に試料の異なる部分をもたらすために、矢印402及び404で示すように水平面内で試料を動かすように構成される。軸402に沿ったステージの動きを用いて、サンプルを試料ドア126の内外に動かして試料の装填及び解除を可能にすることもできる。移動ステージ180は、移動ステージ180の動きによって生じる振動が顕微鏡170及び統合型蛍光スキャナ100の残り部分に伝わるのを抑制するために、防振マウント408(1つを図示)を用いて顕微鏡170に取り付けられる。
【0057】
図4Bは、
図4Aと同様の図であるが、移動ステージ180を除去して顕微鏡170のさらなる詳細を明らかにしている。
図4Bに示すように、マイクロプレート310の下方には、顕微鏡170の2つの対物レンズ410、420が位置する。対物レンズ410、412を通じて、マイクロプレート310内の(単複の)試料に光が供給される。この結果、マイクロプレート310内の試料から対物レンズ410、420を通じて光が受け取られ、カメラ414に伝えられる。対物レンズは、組込型コンピュータ140及びコントローラ146の制御下で対物レンズ(従って、倍率)の交換を可能にする自動交換機450に取り付けられる。この自動交換機は、オートフォーカスシステム420によるレンズ410、412の合焦を可能にするために、各対物レンズ410及び412のためのz軸アクチュエータを含む。自動交換機450は、Zeiss社、Nikon社及びOlympus社を含む大手メーカーの対物レンズの取り付けを可能にする。
【0058】
図4Cは、顕微鏡の構造部材及び移動ステージ180の支持体を除去した顕微鏡170の光学部品の部分的斜視図である。
図4Bに示すように、マイクロプレート310の下方には、顕微鏡170の2つの対物レンズ410、412が位置する。2つの異なる対物レンズ410、412を用いて異なる倍率を提供することができる。対物レンズ410、412を通じて、マイクロプレート310内の(単複の)試料に光が供給される。この結果、マイクロプレート310内の試料から対物レンズ410、420を通じて光が受け取られ、カメラ414に伝えられる。
【0059】
光エンジン150は、光導体152を通じてコリメータ430に光を供給する。コリメータ430は、光エンジン150からの光を平行にしてフィルタブロック440に向ける。フィルタブロックホルダ440は、4つのダイクロイックフィルタブロック442と、コリメータ430と対物レンズ420との間の光路内にどのフィルタブロック442を配置するかを選択できるアクチュエータとを含む。アクチュエータは、フィルタブロックホルダ440を矢印444で示すように動かして、コリメータ430と、カメラ414と、選択された対物レンズ410又は412との間の光学的経路に所望のフィルタブロック442を配置する。フィルタブロックホルダ440のアクチュエータは、組込型コンピュータ140及びコントローラ146によって制御される。フィルタブロック442は、光エンジン150からの選択された波長の光を対物レンズ420に向けて反射してカメラ414に伝えるために選択された最適なダイクロイックフィルタ及びエミッションフィルタを含む。対物レンズ410、412に向けて反射されない光エンジン150からの光を捕捉するために、光トラップ(図示せず)を使用する。カメラ414は、フィルタブロック440、チューブレンズ418及びアルミニウム製の第1の表面鏡416を介して伝わった後の光を受け取る。フィルタブロック内で異なるフィルタを選択することにより、4つの異なる色チャネルでの撮像が可能になる。
【0060】
統合型蛍光スキャナは、撮像のための一連の任意のカメラを含むことができる。このスキャナは、正確な角回転を提供して、カメラ軸と移動ステージとを整列させる。組込型コンピュータの制御下で、プログラムされた光エンジン及びカメラの起動を制御することができる。15×15mmの領域(70×70フィールド)を4つの色チャネルで撮像することができる。IR反射式オートフォーカス機構が、1%未満の視野欠損、200nmを上回る出力を可能にする。露光率は、毎秒30〜50フレームから、最大で毎秒100フレームの潜在的出力とすることができる。好ましい実施形態では、カメラ414が大型チップCMOSカメラである。このカメラは、1.3xの理論的PSFよりも低解像度の中心特性及びコーナー特性を提供する2kの正方形イメージセンサの大型チップ領域を含む。フィールド平坦度は、中心からコーナーまで200nm未満の焦点分離である。強度ロールオフは、コーナーから中心まで20%未満である。色収差は、画像のコーナーの蛍光体間で2〜3の画素シフト未満である。ソフトウェア補正は、1画素未満の色誤差を提供する。好適なカメラとしては、例えば、Hamamatsu(商標)社又はAndor(商標)社の大型チップCMOSカメラが挙げられる。
【0061】
顕微鏡170は、オートフォーカスシステム420も含む。オートフォーカスシステム420は、対物レンズ410、412の焦点をマイクロプレート310内の試料などの試料の正しい撮像面に合わせるために使用される。好ましい実施形態では、オートフォーカスシステムが、850nmLED洗浄フィルタを有する850nmLED照明光源を含むイメージャ422を含む。試料に光を伝え、800nmフィルタを通じてイメージャ422に光を戻すために、850nmダイクロイック424を使用する。オートフォーカスシステムは、LED光源を用いてサンプル上にマスクの像を投影する。イメージャは、受け取ったマスクの像を解析して焦点情報を生成し、この情報を用いて対物レンズの焦点を合わせる。オートフォーカスシステムは、対物レンズの焦点を自動的に合わせるために、ピエゾZ又は電動式フォーカスステージと一体化する。好適なオートフォーカスシステムとしては、オレゴン州ユージーンのApplied Scientific Instrumentation社から市販されているCRISP(商標)オートフォーカスシステムが挙げられる。
【0062】
光エンジン
統合型蛍光スキャナ100は、特定のスキャニング用途に必要な波長の光を生成する高強度光源を必要とする。通常、波長は、興味深いサンプルのラベリングに使用する特定の蛍光体を励起するように選択される。多くの従来のスキャニングシステムは、柔軟な広帯域白色光源としてアーク灯を利用する。光出力は、興味深い波長を選択するために、また典型的な蛍光ベースの機器では発光帯を差別するために、数多くの光学素子を用いて変調される。しかしながら、アーク灯は、熱管理要件が厳しいことに加え、その悪名高い不安定性、耐久性の欠如及びサービス要件により、統合型スキャナには不向きとされている。
【0063】
LED光源は、耐久性が高く熱管理要件も低いため、統合型スキャナにとって好ましいとされる。現在では、比較的幅広い波長でLEDを利用することができる。しかしながら、500〜600nmの緑色波長では、可視スペクトルの出力が大きく低下する。また、LEDは、発光波長依存強度、広域発光スペクトル(約30nm又はそれよりも大きなスペクトル半値幅)、及び不十分なスペクトル安定性に関するトレードオフを提示する。最後に、LEDは、広い角度範囲にわたって発光する(光強度の50%を70°で発光する)。光学系によって発光帯を狭めて光出力を集中させることはできるが、結果として有用な力が失われて熱出力が増加する。従って、統合型蛍光スキャナにおいて使用するために必要な光出力属性、コンパクトサイズ及び良好な熱管理を有するLED光源を構成することは困難である。
【0064】
統合型蛍光スキャナ100は、組込型コンピュータの制御下で顕微鏡に光を供給するソリッドステート光エンジン150を含む。この光エンジンは、サブステーションの修理、異なる能力を有する光エンジンとの置き換えのために交換可能である。光エンジンは、交換可能なフィルタを用いて、7つものUV可視光色帯域と、1つの任意のNIR帯域とを含む8つもの励起色を提供する。光エンジンは、任意の定量閉ループ制御も提供する。線量測定オプションが、解析毎の光子の滴定(試薬としての光)を可能にし、定電力モード又は定流量モードで動作することができる。光エンジンは、電子シャッタ、最大5〜20μsのパルス立ち上がり時間又はパルス立ち下がり時間、及び最大5kHzの変調速度を特徴とする。
【0065】
図5A〜
図5Dは、本発明の実施形態による、
図1A〜
図1Cの統合型蛍光スキャナの光エンジン150の図である。この光エンジンは、特定のプロトコル又はプロトコル段階にとって望ましいスペクトル分布の光を供給するように、同時に動作して混合光出力を生成する、又は順次に動作して別個の光出力を供給する複数のソリッドステート光源を含む。光エンジン150は、白色光を生成する場合、380nm〜650nmの可視スペクトルにおいて連続し、高演色評価数を有し、顕微鏡及び内視鏡イメージングに適した白色光を生成する。
【0066】
ソリッドステート照明システムの特徴としては、高精細度(HD)可視照明及びイメージングのための強力な白色光、カラーカメラに適合する高コントラストイメージングのための制御可能なカラースペクトル、インドシアニングリーン(ICG)励起、内因性蛍光及びその他の造影剤のための狭帯域光、白色光画像と蛍光画像との同時照明、スペクトル安定性(用途に依存する1%未満のドリフト)及び出力安定性(オン/オフ時の5kHz〜10μs)、照明均一性、フィルタ又はシャッタを伴わないマイクロ秒での切り替え(5kHz以上の変調、6μs以下の立ち上がり時間、20μs以下の立ち下がり時間)、最小発熱、コンピュータ制御、消耗部品を除外して10,000時間を上回る耐用年数、短い起動時間(1〜10分)、並びにオフザシェルフ及びカスタムOEM構成のためのコンパクトサイズ(9×18×23cm)が挙げられる。オプションとしては、可視域からNIRまで適合できるカスタマイズ可能な波長範囲、用途毎にカスタマイズ可能な最大及び最小光学出力、例えば光ファイバ、ファイババンドル及び液体光導体に適合するカスタマイズ可能な光学インターフェイス、カスタマイズ可能な完全コンピュータ制御インターフェイス、リアルタイムな瞬間的出力モニタリングのための線量計が挙げられる。コンピュータ制御インターフェイスは、スキャナの組込型コンピュータに接続される。これにより、組込型コンピュータの制御下で光出力が制御され、顕微鏡及びカメラのイメージング動作と同期される。
【0067】
好ましい実施形態では、総光出力が約2.5Wである。光エンジン150のスペクトルパワーは、380nm〜650nmの可視スペクトルの実質的に全体にわたって120Wの金属ハロゲンランプ又は150Wのキセノンランプのスペクトルパワー以上であることが有利である。ユーザは、必要な場合、幅広い市販のフィルタを利用することができる。これにより、光出力を利用する際に、ユーザに最高の柔軟性が与えられる。光エンジン150は、光エンジン150の出力を統合型蛍光スキャナの顕微鏡に伝わるように光導体152に結合するアダプタを含む。
【0068】
ソリッドステート照明システムの冷却要件は、白熱光源のものと実質的に異なる。通常、白熱光は、発生した熱の90%程度を赤外線放射によって周囲に放出し、10%未満を伝導によって放出する。これに比べて、通常、LEDは、発生した熱の90%程度を伝導によって周囲に放出し、10%未満を伝導によって放出する。放熱は、LED光源の出力を制限する大きな要因である。たとえ電気エネルギーを光に変換する効率が白熱光源よりもLED電球の方が大幅に高いとしても、LEDコンポーネント及びドライバ電子回路は、依然として大量の熱を発する可能性がある。この熱が正しく放散されない場合、光、発光スペクトル及び耐用年数についてのLEDの品質は著しく低下する。従って、LEDに依拠するソリッドステート照明システムでは、LEDの伝導冷却のための解決策を示すことが重要である。このことは、ハウジング内における過度の温度上昇がシステムの信頼性及びイメージングの結果を妨げる統合型蛍光スキャナでは非常に重要性である。
【0069】
最初に、光エンジン150の外部斜視図である
図5A及び
図5Bを参照する。光エンジン150を取り囲むハウジング510は、光エンジン150を保護するとともに、光、及び与えられた場合を除く空気の進入/排出を実質的に防ぐ。光エンジン150の前面の冷却用吸気口512は、空気ダクト302からの吸気を可能にする。アダプタ524は、液体光導体又は光ファイバ光導体とすることができる光導体152を受け入れる。ハウジング510の前面には、電源スイッチ520及び制御ポート522も設けられる。
図5Bに示すように、光エンジン150の後部は、光エンジン150から冷却用空気を排出するファン排気ポート514を有する。このファン排気口は、スキャナに光エンジンを組み込んだ後に、スキャナのハウジング内の排気口を通じて空気を放出するようにも構成される。
【0070】
図5Cは、ハウジング510を除去した光エンジン150の内部平面図である。
図5Cに示すように、光エンジン150の内部は、ソリッドステート光源及び関連する光学系を支持する実質的に平坦な上面を有するプラットフォーム550を含む。
図5Dに示すように、プラットフォーム550の底面には、プラットフォーム550を冷却する広い表面積をもたらす複数のフィン552が存在する。これらのフィンは、光エンジン150の前面から後面に向かう空気流の軸と平行に配置される。プラットフォーム550は、ファンからの冷却空気流をハウジング510のこの部分とプラットフォーム550との間に維持する。これにより、ソリッドステート光源及び関連する光学系の周囲の空気流が阻止されて、光学部品の汚染の可能性が抑えられる。プラットフォーム550とハウジング510との間には、ファンからの冷却空気流を受け取るように制御盤560が着座する。制御盤560は、ソリッドステート光エンジン150のソリッドステート光源、シャッタ及びセンサを駆動する回路を含む。
【0071】
再び、プラットフォーム550の光学部品が取り付けられた非フィン側を示す
図5Cを参照する。
図5Cには、プラットフォーム550上のソリッドステート光源及び関連する光学系のレイアウトを示す。図示のように、光エンジン150は、光導体エンジン530と、3つのLED光源532、534及び536とを含む4つのソリッドステート光源を含む。光導体エンジン530、並びに3つのLED光源532、534及び536は、異なる色の非コヒーレント光を発光する。これらの光源の各々は、光源から出力された光を平行ビームに形成するコリメータ531、533、535及び537を含む。各光源は、ダイクロイックミラー540、542、544及び546と整列し、これらのダイクロイックミラーに平行光ビームが向けられる。ダイクロイックミラー540、542、544及び546は、単一の光軸上で平行ビームを結合し、出力光学系538と整列した結合同軸ビームを生成するように整列する。出力光学系538は、この結合ビームをアダプタ524内に位置する光導体152内に合焦させる。光導体152は、結合ビームを顕微鏡170に伝達する。
【0072】
光エンジン150は、任意に、出力ビームを定量化するために出力ビームの一部をフォトダイオード539上に反射するビームスプリッタ548を含むこともできる。光−周波数変換器が、この検出器出力を、光束に比例する周波数のパルス列に変換する。制御盤560上のマイクロプロセッサベースのカウンタが、このパルス列を色毎にカウントし、進行中のカウントを参照数又は(組込型コンピュータによって制御される)予め設定した線量と色毎に比較する。カウンタが参照数に達した場合、カウンタは、光エンジン150によって現在提供されている色チャネルを無効にする。カメラに別のトリガを送信して現在の露光期間を終了する。出力ビームを定量化することにより、任意の定量閉ループ制御がもたらされる。線量測定オプションが、解析毎の光子の滴定(試薬としての光)を可能にし、光エンジン150は、定電力モード又は定流量モードで動作することができる。線量測定オプションは、統合型蛍光スキャナ100における定量照明を可能にする。この線量測定対応光エンジンは、高速の生物学的活動を測定するために必要な短い露光時間内で最適な量の励起光を供給することができる。光量を正確に測定して、定量的結果をもたらすことができる。また、蛍光体及びサンプル上の光脱色などの有害な照明効果を抑えるために、光束を正確に制御して所定の最小光量のみを生成することもできる。
【0073】
光導体エンジン530、並びに3つのLED光源532、534及び536は、光出力のスペクトル成分の異なる色成分を提供するように選択される。好ましい実施形態では、3つのLED光源532、534及び536、並びに光導体エンジン530が、それぞれ異なる色成分の連続光出力を提供する。光源の出力波長は、ある程度重なり合って結合し、光エンジン152の全体的スペクトル出力に寄与する。LED光源及び光導体エンジンは、制御盤560により、出力ビームのスペクトル成分を制御するように共に又は個別に制御される。制御盤560は、組込型コンピュータ140と通信して、顕微鏡170及びカメラに必要な出力ビームの色、タイミング強度及びその他の変数をスキャナの組込型コンピュータが制御できるようにする。
【0074】
実施形態では、光導体エンジン530、並びに3つのLED光源532、534及び536が、統合型蛍光スキャナ100が必要とする波長に依存して、紫色395nm、青色425nm〜460nm、シアン460nm〜500nm、ティール515nm、緑色500nm〜615nm、赤色/オレンジ色615nm〜685nmを中心とするスペクトル成分を生成することができる。光導体エンジン530、並びに3つのLED光源532、534及び536は、異なる色を組み合わせて演色評価数(CRI)の高い実質的に連続する白色光を生成するように全て同時にオンにすることができる。或いは、光導体エンジン530、並びに3つのLED光源532、534及び536は、異なる時点において出力ビーム内に異なる色の光がもたらされるように個別にオンにすることもできる。好ましい実施形態では、光導体エンジン530を用いて、500nm〜600nmに及ぶ高強度の緑色(緑黄色)光を生成する。光導体エンジン530、並びに3つのLED光源532、534及び536は、統合型蛍光スキャナ100の組込型コンピュータにより、顕微鏡への光の供給を特定のイメージングプロトコルに従うイメージング動作と協調させることができるように制御される。
【0075】
光エンジン150では、光導体エンジン530、並びに3つのLED光源532、534及び536を含むソリッドステート光源の各々が、プラットフォーム550と熱接触する。この熱接触は、直接的な金属同士の接触であり、或いはソリッドステート光源とプラットフォーム550との間の放熱ペーストを介して行うこともできる。プラットフォーム550は、ソリッドステート光源からの熱が冷却空気流の供給を受けるフィン552に向かって急速に促されるように、導電性金属/金属合金で構成される。従って、プラットフォーム550は、ソリッドステート光源とミラーと出力光学系とを取り付けて整列させる光学テーブルとしての役割と、光導体エンジン530と3つのLED光源532、534及び536とを含むソリッドステート光源のための共通のヒートシンクとしての役割の両方を果たす。ソリッドステート光源は、そのコンポーネントからの熱をプラットフォーム550に効率的に伝えるように好適に設計される。光エンジンは、空気ダクトを通じて冷却用空気が受け取られ、高温の空気が排気口を通じてスキャナのハウジングの外部に排出されるように、上述したような統合型蛍光スキャナ100の冷却システムから冷却用空気を受け取るように位置付けられる。これにより、スキャナのハウジング内部の過熱が避けられる。
【0076】
統合型蛍光スキャナ100での使用に適した光エンジン150(及び光エンジンのソリッドステート光源コンポーネント)のさらなる詳細は、Jaffe他に付与された「生物学的分析又は他のシステムにおける計量線量照明のためのシステム及び方法(System and Method For Metered DosageIllumination In A Bioanalysis Or Other System)」という名称の米国特許第8,466,436号、Jaffe他に付与された「ソリッドステート連続白色光源(Solid State Continuous White Light Source)」という名称の米国特許第8,967,811号、Jaffe他に付与された「ハイブリッド式光学的及び電気的強度制御を備えたソリッドステート光源(Solid State Light Source With Hybrid Optical And Electrical Intensity Control)」という名称の米国特許第8,998,468号、及びJaffe他に付与された「顕微鏡に光導体を結合する調整可能コリメータ(Adjustable Collimator For Coupling A Light Guide To A Microscope)」という名称の米国特許出願公開第2014/0192405号に開示されており、これらの出願は全てが引用により本明細書に組み入れられる。このような光エンジンは、統合型蛍光スキャナ100への組み込みに適するように上記の説明に従って修正することができる。別の実施形態では、統合型蛍光スキャナ100を対象とする特定の蛍光スキャニング用途に必要な場合、光エンジン150が、さらなる光導体エンジン、LED光源及び/又はコヒーレント/レーザー光源を含むこともできる。光エンジン150は、修理、異なるスペクトル出力を有する光エンジンとの交換又は置換のために、統合型蛍光スキャナ100からの取り外しができるようにも設計される。
【実施例】
【0077】
図6A及び
図6Bに、
図1A〜
図1Cの統合型蛍光スキャナの試作品を用いて取得されたスキャニング結果の例を示す。
図6Aには、スライド上に配置したマウスの脳組織の薄片アレイの蛍光スキャニング画像を示す。この組織は、光エンジンからのUV光で励起され、カメラにおいて青色光で撮像されるDAPI蛍光体で染色したものである。結果として得られた画像は35504×19639画素であり、1画素当たり16ビットの強度のデータが16×9グリッド(162タイル)を含む。
図6Bには、スライド上のマウスの脳組織のアレイトモグラフィー画像を示す。この画像は、2048×2048画素であり、1画素当たり16ビットである。使用したカメラは、Hamamatsu(商標)Flash4であった。油浸した60X 1.4NA対物レンズを使用した。1画素の寸法は、108nmである。
【0078】
上述した本発明の様々な実施形態の説明は、例示及び説明目的で提示したものである。この説明は、包括的であることや、又は開示した正確な形に本発明を限定することを意図するものではない。当業者には、多くの変更及び変形が明らかであろう。実施形態は、本発明の原理及びその実際の適用を最良に説明することにより、様々な実施形態及び想定される特定の用途に適した様々な修正を当業者が理解できるようにするために選択し説明したものである。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその同等物によって定められるように意図される。
【0079】
本明細書で説明したスキャナ、スキャナソフトウェア、照明システム、及びこれらの構成要素は、好適に適合させることにより、幅広い白色光及び/又は蛍光分析及び定量化をカバーする生命科学用途、顕微鏡検査、蛍光顕微鏡検査、ハイコンテントスクリーニング、遺伝子発現分析、デジタル病理診断、並びに内視鏡検査を含む幅広い用途で応用することができる。
【0080】
図及び特許請求の範囲の再検討からは、本発明の他の特徴、態様及び目的を得ることができる。本発明の他の実施形態を展開することもでき、これらの実施形態も本発明の趣旨及び範囲、並びに特許請求の範囲に含まれると理解されたい。